説明

基板収納容器及びサポート治具

【課題】長期に亘って、サポート治具の着脱を容易に行えると共に、サポート治具を取付けた場合、そのサポート治具を高い位置精度をもって保持できる基板収納容器を提供する。
【解決手段】サポート治具30を、上下動については、支持部材25を第1、第2係合片部33、34で上下に挟持することにより、後方動については、サポート治具30と進入規制部10、28b、36との当接関係により、前方動については、支持部材25の段差面29と第2係合片部34bとの当接関係により、規制することで高い位置精度をもって保持する。支持部材25への取付けは、撓み性を利用して第2係合片部34bを、段部27を乗り越えて支承部26の一方の板面に当接させ、支持部材25からの取り外しは、把持し易い一対の係合支持板部31を互いに近づくようサポート治具30を縮径させて、第2係合片部34bと段差面29との当接関係を解除することで、着脱を容易に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば半導体ウェーハ、ガラスウェーハ、マスクガラス等のような精密加工基板を収納して、輸送、搬送、保管に使用する基板収納容器、及びその基板収納容器に用いられるサポート治具に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ等のような基板を基板収納容器内に収納し、その基板収納容器を輸送、搬送、保管に使用することは広く知られている。この基板収納容器は、一般に、基板を搬出入するための前側開口を備える容器本体と、その前側開口を閉鎖し得る蓋体とからなり、その容器本体は、複数の基板を上下に整列した状態で収納すべく、前側開口を区画する要素である左右一対の側壁に支持手段をそれぞれ設け、その両支持手段によって基板を直接、支持している。
【0003】
ところで、半導体業界では、現在多く使われている直径200mm厚さ725μmのシリコンウェーハや、直径300mm厚さ775μmのシリコンウェーハの表面に電子回路を形成した後、その裏面を研削し、そのシリコンウェーハの肉厚を半導体部品として使用させるものとすることがある。その肉厚は、例えば通常の肉厚の半分以下となる10μm〜300μmまで薄く加工されることがある。また、CCDセンサー、CMOSセンサー、光学フィルター等に使用されるガラスウェーハとしては、直径300mmで、厚さが350μm〜500μm程度の薄いものが使用されることがある。こうした薄板状基板は、自重での撓みが大きいため、支持手段から外れ易くなるばかりか、上下に隣り合う薄板状基板同士の接触により薄板状基板が損傷等するおそれがある。
【0004】
このような問題点に対する対策として、容器本体における両側壁内面の支持手段に別部材としてのサポート治具を支持させて、そのサポート治具により薄板状基板を支えることによりその薄板状基板の撓みを抑制するものが提案されている。例えば、特許文献1には、支持手段として、容器本体における左右両側壁の内面にそれぞれ受け溝を形成し、その両受け溝に板状のサポート治具の両側部を前側開口から挿入して、そのサポート治具により薄板状基板を受け止めるようにしたものが示されている。特許文献2には、支持手段として、容器本体における左右両側壁の内面にそれぞれ凹部を形成し、その各凹部にサポート治具の各側部を押し込むことにより凹部とサポート治具の両側部とを摩擦係合させ、そのサポート治具により薄板状基板を受け止めるようにしたものが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-91400号公報
【特許文献2】特開2004-529493号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1においては、単に、サポート治具の両側部を容器本体における側壁の受け溝にその前側開口から挿入したにすぎないことから、サポート治具は容器本体の前方にスライド可能となり、サポート治具の位置は、前後方向において位置ずれしてしまうおそれがある。このため、そのような場合には、サポート治具を精度良く位置決めすることができず、それに伴い、基板も精度良く位置決めることができない。
特許文献2においては、容器本体側壁における凹部にサポート治具の両側部を押し込んで摩擦係合させる構成であることから、サポート治具を所定位置まで比較的大きな押し込み力をもって押し込む必要があるばかりか、支持部材を直接、通常の基板支持に用いるべく、そのサポート治具を取り外そうとする場合には、サポート治具を引き出すために比較的大きな引っ張り力が必要となって、容易に取り外すことはできない。しかも、サポート治具の保持を、凹部とサポート治具との摩擦係合に委ねていることから、長期に亘って安定した保持機能を維持するという耐久性の観点からは好ましくはない。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、その第1の目的は、長期に亘って、サポート治具の着脱を容易に行えると共に、サポート治具を取付けた場合には、そのサポート治具を高い位置精度をもって保持できる基板収納容器を提供することにある。
第2の目的は、上記基板収納装置に用いられるサポート治具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記第1の目的は、下記(1)〜(5)の本発明により達成される。
【0009】
(1)基板を搬出入するための前側開口が備えられ、該前側開口を区画する要素としての左右一対の各側壁の内面に支持部材が、互いに対向しつつ、前後方向に延びるようにそれぞれ設けられ、前記両支持部材に、基板を支えて該基板の撓みを抑制するサポート治具が着脱可能に保持され、前記前側開口の後方領域に、前記サポート治具の所定位置以上の後方動を規制する進入規制部が設けられている基板収納容器において、
前記各支持部材に、板面を上下方向に向けつつ前後方向に延びる板状の支承部と、該支承部に少なくとも1箇所設けられて該支承部の一方の板面との間に該支承部の肉厚方向外方に向けて起立する段差面を形成する段部と、が備えられ、
前記サポート治具に、前記各支持部材に沿って互いに対向しつつ該各支持部材の延び方向にそれぞれ延びる一対の係合支持板部と、該一対の係合支持板部の後端部同士を連結する連結板部と、が備えられ、
前記各係合支持板部の外側面部に、第1係合片部と、該第1係合片部に対して該各係合支持板部の肉厚方向及び延び方向にずれた状態で配置されると共に該各係合支持板部の肉厚方向に撓み可能とされる第2係合片部と、がそれぞれ少なくとも1箇所備えられ、
前記第1係合片部は、前記支承部の他方の板面に当接され、
前記第2係合片部は、前記サポート治具が前記進入規制部により移動規制を受けた状態の下で、前記段差面に当接しつつ前記支承部の一方の板面に当接されていることを特徴とする基板収納容器。
【0010】
(2)前記第2係合片部が、前記係合支持板部の延び方向に間隔をあけて複数設けられ、
前記複数の第2係合片部のうちの少なくとも1つの第2係合片部が前記段差面に当接され、
前記第1係合片部が、前後方向において隣り合う前記第2係合片部間に配置されていることを特徴とする(1)に記載の基板収納容器。
上記構成によれば、第1係合片部と複数の第2係合片部とにより、支持部材に対するサポート治具(係合支持板部)の保持を的確に行うことができることになる。
【0011】
(3)前記段差面が、前記前側開口から内方に向けて遠のくに従って前記支持板部の幅方向内面から該支持板部の幅方向外面に近づくように延び、
前記第2係合片部に、前記段差面に沿って当接するための係合面が形成され、
前記サポート治具が、拡縮可能とされていることを特徴とする(1)に記載の基板収納容器。
上記構成によれば、段差面と係合面との当接関係によりサポート治具の前方動を規制できる一方(位置決め精度確保)、サポート治具を縮径させることにより、一対の係合支持板部を互いに近づかせ、段差面と係合面との当接関係を円滑に解除できる。
【0012】
(4)基板を搬出入するための前側開口が備えられ、該前側開口を区画する要素としての左右一対の各側壁の内面に支持部材が、互いに対向しつつ、前後方向に延びるようにそれぞれ設けられ、前記両支持部材に、基板を支えて該基板の撓みを抑制するサポート治具が着脱可能に保持され、前記前側開口の後方領域に、前記サポート治具の所定位置以上の後方動を規制する進入規制部が設けられている基板収納容器において、
前記支持部材が、前記各側壁内面において、上下方向に所定間隔毎に複数設けられ、
前記所定間隔が、基板の撓み量を超える長さに設定されていることを特徴とする基板収納容器。
【0013】
(5)前記所定間隔が、基板の撓み量の2倍以上とされていることを特徴とする(4)に記載の基板収納容器。
上記構成によれば、基板を持ち上げるに際し、具体的に、周囲部材との干渉を避けることができる。
【0014】
上記第2の目的は、下記(6)〜(7)の本発明により達成される。
(6)基板を搬出入するための前側開口が備えられ、該前側開口を区画する要素としての左右一対の各側壁の内面に支持部材が、互いに対向しつつ、前後方向に延びるようにそれぞれ設けられ、該各支持部材が、板面を上下方向に向けつつ前後方向に延びる板状の支承部と、該支承部に少なくとも1箇所設けられ該支承部の一方の板面との間に該支承部の肉厚方向外方に向けて起立する段差面を形成する段部と、を備え、前記前側開口の後方領域に進入規制部が設けられている基板収納容器において用いられるサポート治具であって、
間隔をあけた状態で、肉厚面同士を互いに対向させつつ延びる板状の一対の係合支持板部と、
前記一対の係合支持板部の端部同士を連結する連結板部と、が備えられ、
前記各係合支持板部の外側面部に、前記支承部の他方の板面に当接されるための第1係合片部と、該第1係合片部に対して該各係合支持板部の肉厚方向及び該各係合支持板部の延び方向にずれた状態で配置されると共に、該係合支持板部の肉厚方向に撓み可能とされて、前記段差面に当接した状態で前記支承部の一方の板面に当接される第2係合片部と、がそれぞれ備えられていることを特徴とするサポート治具。
【0015】
(7)前記第2係合片部が、前記係合支持板部の延び方向に間隔をあけて複数設けられ、
前記複数の第2係合片部のうちの少なくとも1つの第2係合片部が、前記段差面に当接されるためのものとして設定され、
前記第1係合片部が、前記係合支持板部の延び方向において隣り合う前記第2係合片部間に配置されていることを特徴とする(6)に記載のサポート治具。
上記構成によれば、前記(2)に記載の基板収納容器に用いられるサポート治具を提供できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明(請求項1に係る発明)によれば、各側壁の支持部材を第1、第2係合片部が上下に挟持することになり、サポート治具は、上下方向の移動が規制される。一方、サポート治具の後方動については、該サポート治具が所定位置にあるとき、該サポート治具と進入規制部との当接関係により規制され、サポート治具の前方動については、該サポート治具が所定位置にあるとき、支持部材の段差面と第2係合片部とが当接して、サポート治具の前方動が規制される。このため、サポート治具は、所定位置において、上下方向及び前後方向に移動することが規制され、サポート治具を高い位置精度をもって保持できる。
また、サポート治具の支持部材に対する取付けに関しては、第2係合片部の撓み性を利用して、第1係合片部を支承部の他方の板面に当接させた状態の下で、第2係合片部を、段部を乗り越えて支承部の一方の板面に当接させるだけでよく、必要とする押し込み力もいつでも比較的小さなもので足り、全体を通して大きな押し込み力が要求されることはない。しかも、作業者は、第2係合片部の撓み性に基づき取付け時に節度感を感じることになり、サポート治具の確実な取付けを認識できる。サポート治具の支持部材からの取り外しに関しては、第2係合片部の撓み性を利用して、該第2係合片部と段差面との当接関係を解除できることは勿論、把持し易い一対の係合支持板部を互いに近づくようにサポート治具を縮径させるだけで、第2係合片部と段差面との当接関係を解除できることになり、サポート治具を支持部材からいつでも簡単に取り外すことができる。このため、長期に亘って、サポート治具の着脱を容易に行うことができる。
本発明(請求項4に係る発明)によれば、基板の撓み量を考慮し、周囲部材との干渉を避けつつ、その基板を持ち上げることができ、基板の取り出しを確実に行うことができる。
本発明(請求項6に係る発明)によれば、前記請求項1に記載の基板収納容器に用いられるサポート治具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態の基板収納容器を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態の基板収納容器の構造を説明する分解斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態の基板収納容器において、サポート治具が取付けられた状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の第1実施形態の基板収納容器において、サポート治具の取付けを説明する説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態の基板収納容器において、サポート治具が取付けられた状態を示す一部破断斜視図である。
【図6】図5の部分拡大斜視図である。
【図7】図3の基板収納容器の内部を示す横断面図である。
【図8】図6のX8−X8線断面図である。
【図9】ロボットアームによる容器本体内からの薄板状基板の取り出しを説明する正面図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【図11】SEMI規格準拠の一般的な基板収納容器内からのロボットアームによる基板の取り出しを説明する正面図である。
【図12】SEMI規格準拠の一般的な基板収納容器内での薄板状基板と支持部材との干渉を説明する拡大説明図である。
【図13】第2実施形態に係るサポート治具を示す一部拡大平面図。
【図14】容器本体内に第2実施形態に係るサポート治具が組み込まれたときにおける弾性片の作動を説明する説明図である。
【図15】図14のX15−X15線拡大断面図である。
【図16】第3実施形態に係るサポート治具を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)について詳細に説明する。
【0019】
図1〜図10は第1実施形態を示す。その図1,図2において、符号1は、半導体ウェーハ等の基板2を収納する基板収納容器である。この基板収納容器1は、前側に開口3を有するいわゆるフロントオープンボックスタイプの容器本体4と、この容器本体4の前側開口3を閉鎖し得る蓋体5と、を備えている。
【0020】
前記容器本体4は、上記フロントオープンボックスタイプに成形すべく、図1〜図5に示すように、基板2よりも大きい底壁6と、この底壁6の上方に位置されて該底壁6に対向される上壁7と、これら上壁7と底壁6との後部間を上下に連結する背面壁8と、底壁6と上壁7の左右両側部間を上下に連結する左右一対の側壁9と、を備えるように成形されており、左右一対の側壁9と上壁7と底壁6とは、前記前側開口3を正面視横長形状に区画している。この容器本体4における左右一対の側壁9の間隔は、前後方向(図2中、X)中間位置よりもやや後方位置部分を基準として、後側領域が前側領域よりも短くされており、その両者間領域における各側壁9は、後方に向かうに従って左右の両側壁9の間隔が徐々に狭まるように傾斜されている。この側壁9部分は、開口3の後方領域に臨んで基板2等の進入規制壁10を構成している。
尚、容器本体4の底壁6には容器本体4を加工装置に位置決めするためのボトムプレート11と位置決め部材が設けられ、容器本体4の上壁7には、搬送用のロボティックフランジ12が取り付けられている。
【0021】
前記蓋体5は、図1、図2に示すように、皿状の蓋体本体13と、この蓋体本体13の開口部を閉鎖するように取り付けられる表面プレート14と、を有し、その内部には、蓋体5を容器本体4に係止する施錠機構15が備えられている。この施錠機構15は、回転部材16と、この回転部材16の回転によって長手方向に移動がなされる連結バー17と、この連結バー17の先端に設けられる係止部18と、によって構成されている。表面プレート14には、前記回転部材16と対向する部分において操作孔19が形成されており、その操作孔19を介して施錠機構15を操作することができることになっている。また、蓋体本体13の側面全周にはガスケット部材20が備えられており、そのガスケット部材20は、蓋体5が開口3を閉鎖する際、容器本体4の開口3周縁部との間のシール性を確保する。
【0022】
前記蓋体5の裏面には、図2に示すように、リテーナ21が設けられている。リテーナ21は、矩形状の枠体22と、この枠体22から短冊状に分岐されて基板2側に張り出す弾性片23とを備えて構成されている。弾性片23には基板2と接触する断面がVあるいはU字状をした保持溝24が形成されている。
【0023】
前記容器本体4の両側壁9の内面には、図2、図4〜図8に示すように、複数組(本実施形態においては13組)の一対の支持部材25がそれぞれ設けられている。この各組の支持部材25は、開口3からやや容器本体4内に入った位置から前記進入規制壁10までの範囲で、互いに横方向(図2中、Y)内方に向けて水平に張り出しつつ、前後方向Xに延びており、そのような各組における支持部材25は、上下方向に所定間隔L(図10参照)毎に配置されている。この所定間隔Lとしては、薄板状の基板2(例えば直径300mm、厚さ10μm〜300μm)の撓み量(通常は数mm〜10mm前後)を超える長さ、具体的には、薄板状基板2の撓み量の2倍以上とするのが好ましく、本実施形態においては、12mmないしは12mmを超える近傍値に設定されている。
【0024】
前記各支持部材25には、図4〜図8に示すように、支承部26と、段部27とが一体的に備えられている。支承部26は、板状とされて、その板面を上下方向に向けつつ前後方向Xに延ばされている。この支承部26は、選択により、図2に示すように、通常の基板2(例えば、直径300mm、厚さ775μm)の一部周縁部を支持する機能を有している。このため、この支承部26の上面には、通常の基板2と支承部26上面との接触を極力、少なくすべく、前後方向Xに間隔をあけて、2つの突条28a,28bが突設されている。この各突条28a(28b)は、支承部26の上面を幅方向(横方向Y)に横切るようにそれぞれ延びており、その両突条28a,28bは、平行な配置関係とされている。勿論、この突条28a,28bについては、省いて、支承部26上面に直接、通常の基板2を支持してもよい。
【0025】
前記段部27は、図4〜図8に示すように、支承部26の前端部上に設けられて、支承部26の上面から上方(支承部26の肉厚方向外方)に多少、突出した状態となっている。このため、段部の上面は支承部26の上面よりも高くなり、段部27の上面と支承部26の上面との間には、段差面29が形成(起立)されている。この段差面29は、本実施形態においては、後方に向うに従って支持部材25の幅方向内面から該支持板部の幅方向外面に近づくように円弧状に延びており、この段差面29は、通常の基板2を支承部26に直接支持する場合には、その通常の基板2を案内する案内壁及びその通常の基板2の前方への移動を規制するガイド壁として機能することになる。このとき、通常の基板2の後方移動は、前述の進入規制壁10により規制される。
【0026】
前記各組の一対の支持部材25には、図3〜図8に示すように、選択により、サポート治具30が着脱可能に保持される。サポート治具30は、板材を用いて、平面視略馬蹄形状に形成されている。このため、サポート治具30は、間隔(例えば200mm以上)をあけた状態で、肉厚面を互いに対向させつつ、ほぼ直線状に延びる左右一対の係合支持板部31と、これらの係合支持板部31を連結する連結板部としての湾曲板部32とを有しており、これらは、平面視において、略一定幅を維持するように設定されている。これにより、サポート治具30は、通常の基板2よりも撓み傾向が強い薄板状の基板2(例えば直径300mm、厚さ10μm〜300μm)を支えて、その撓みを抑制する。
【0027】
前記一対の各係合支持板部31の外側面部には、図4〜図8に示すように、板状の第1、第2係合片部33,34が設けられている。前記第1係合片部33は、その板面を上下方向に向けつつ、係合支持板部31における外側面部の肉厚方向(図8中、上下方向)一方側部分(下側部分)からその係合支持板部31の幅方向(横方向Y)外方に向けて張り出されており、その第1係合片部33の上面は、前記支承部26の下面に、その前後方向X略中間位置において当接されている。これにより、サポート治具30は、上方に移動することが規制されている。
【0028】
前記第2係合片部34は、2つの第2係合片部34a,34bを有している。第2係合片部34aは、第1係合片部33よりも湾曲板部に近い側において、係合支持板部31における外側面部の肉厚方向他方側部分(図8中、上側部分)からその係合支持板部31の幅方向外方に向けて張り出されており、その第2係合片部34aの下面は、前記支承部26の上面に当接されている。これにより、サポート部材は、下方に移動することが規制されている。このとき、本実施形態においては、第2係合片部34aは、前記突条28bを利用してその前側に当接されており、第2係合片部34(サポート治具30)は、後方動することが規制されている。
【0029】
第2係合片部34bは、前記第1係合片部33よりも前方側に位置されている。この第2係合片部34bは、第2係合片部34aの幅よりも細幅とされた状態をもって係合支持板部31における外側面部の肉厚方向他方側部分(図8中、上側部分)からその係合支持板部31の幅方向外方に向けて張り出されており、その先端面34btは、前記支持部材25における段差面29の湾曲形状に対応すべく、第2係合片部34a側に向かうに従って、外側に凸となる湾曲状態を保ちつつ張出し長さが長くなる傾斜面とされている。この第2係合片部34bは、その幅(図8中、前後方向X長さ)が肉厚(図8中、上下方向長さ)よりもかなり長くされており、上下方向の曲げに対する曲げ断面の断面係数が前後方向Xの曲げ断面の断面係数よりも小さくなっている。このため、第2係合片部34bは、後述の材質及び片持ち形状と相まって、上下方向に撓み可能とされ、その一方で、前後方向Xの撓みが抑制されている。この第2係合片部34bの下面は、前記第2係合片部34aの下面と同一高さ面となっている。その両第2係合片部34a,34b下面と前記第1係合片部33の上面とは、上下方向(係合支持板部31の肉厚方向)において、所定の間隔Tがあけられており、その所定の間隔Tは前記支承部26の肉厚tよりも若干、長くなっている。この第2係合片部34bは、その下面が前記支承部26の上面に当接されていると共に、その先端面34btが支持部材25の段差面29に当接されている。このため、これらの関係により、サポート治具30は、下方及び前方に移動することが規制されることになっている。
【0030】
本実施形態においては、各係合支持板部31に、図8に示すように、受け部35と先端段部36とが設けられている。受け部35は、支持部材25の先端側に設けられ、その上面は、前記第1係合片部33の上面と同一高さ面をなして、支持部材25の先端部(段部)を下側から支えることになっている。先端段部36は、受け部35の前側において、肉厚を受け部35よりも厚くすることにより形成されており、その先端段部36と受け部35との間には、段差面37が形成されている。この段差面37には、支持部材25(段部27)の先端面が当接されており、この当接関係によりサポート治具30は、後方動することが規制されている。
【0031】
このようなサポート治具30は、支持部材25(容器本体4)に次のようにして取付けられる。
先ず、サポート治具30を手に持ち、そのサポート治具30を、その湾曲板部32側から前側開口3を介して容器本体4内に入れ込む。そして、サポート治具30の湾曲板32側を係合支持板部31側よりやや上方位置となるように傾けた状態で、そのサポート治具30の両第2係合片部34aを容器本体4の両支持部材25上に載せ、サポート治具30を後方にスライドさせる。このスライドにより、サポート治具30の各第1係合片部33が各支持部材25の下方域に至ると、サポート治具30の係合支持板部31側を持ち上げ、各第1係合片部33の上面を各支持部材25の下面に当接させ、さらにサポート治具30をスライドさせ、両第2係合片部34bを両支持部材25の段部27上に乗り上げさせる。このとき、両第2係合片部34は、上方に撓むことになり、その両第2係合片部34bには、下方への復元力が生じることになる。
【0032】
両第2係合片部34bが両支持部材25の段部27上に乗り上げると、さらにサポート治具30をスライドさせる。これにより、各第2係合片部34bが各段部27上面を通り過ぎると、その各第2係合片部34の復元力に基づき、その各第2係合片部34bは各支承部26上面に降下し、その各下面が各支承部26の上面に当接すると共に、その各先端面34btが各段差面に当接する。このとき同時に、進入規制壁10にサポート治具30の湾曲板部32が当接すると共に、第2係合片部34aが突条28bに当接し、さらには、各支持部材25の先端部がサポート治具30の各受け部35上に載ると共に、その支持部材25の先端が段差面37に当接する。これにより、各第1係合片部33と各第2係合片部34a,34bとが支承部26を上下に挟持することになり、サポート治具30は、上下方向に移動規制された状態で保持される。また、進入規制壁部10と湾曲板部32との当接関係、突条28bと第2係合片部34aとの当接関係、及び段差面37と支持部材25先端面との当接関係により、サポート治具30の後方動が規制され、段差面29と第2係合片部34の先端面34btとの当接関係により、サポート治具30は、前方への移動が規制される。このため、サポート治具30は、容器本体4内の所定位置で前後方向Xの移動が規制されて、その正確な位置決めが行われる。このとき、サポート治具30の上面が支持部材25の上面よりも多少、高く位置することになり、そのサポート治具30の上面は、薄板状の基板2を、撓みを抑制しつつ支持できることになる。
【0033】
一方、サポート治具30を支持部材25から取り外すに際しては、サポート治具30における両係合支持板部31の先端部を把持し、サポート治具30を、その両係合支持板部31の両先端部が近づくように縮径させつつ、開口3外方に向けて引き出すようにする。これにより、サポート治具30の各第2係合片部34bの先端面は、各段差面29に案内されて、互いに近づくように移動することになり、各段差面29と各第2係合片部34bの先端面34btとの当接関係が解除されると、サポート治具30は、前方にスライドして容器本体4(両支持部材25)から取り外される。このように、サポート治具30の取り外しも、さほど引出し力も必要とせず、簡単に行うことができる。これにより、サポート治具30の取り外しを簡単に行って、両支持部材25の支承部26を、通常の基板2を直接、支持するために利用できる。
【0034】
上述のようなサポート治具30が取付けられた容器本体4においては、使用に際して、各組の一対の支持部材25にサポート治具30が支持され、そのサポート治具30の略一定幅の上面により薄板状基板2が支持される。このため、薄板状基板2は、その径方向内方部分が下方に撓むことが抑制され、各薄板状基板2は、その下側の薄板状基板2に接触することはない(図9の最上段の薄板状基板2以外の薄板状基板2を参照)。
【0035】
また、容器本体4内の薄板状基板2を取り出すに際しては、図7、図9、図10に示すように、取り出すべき薄板状基板2を先ず一対の支持部材25から上方に離間させるべく、その薄板状基板2の下側にロボットアーム38が進入されて、そのロボットアーム38によりその薄板状基板2は持ち上げられる。この際、薄板状基板2は、そのロボットアーム38に支持される横方向中間部分を中心として横方向両側が下方に向けて大きく撓むことになる。しかし、容器本体4の各組の支持部材25の所定間隔L(図10参照)が、薄板状基板2の撓み量の2倍以上(本実施形態においては12mmないしは12mmを超える近傍値に設定)に設定されていることから、薄板状基板2全体を、撓みながらも、その上側の薄板状基板2に干渉することなく一対の支持部材25から離間させることができ、その後、その薄板状基板2を容器本体4内から引き出すことにより、その薄板状基板2は的確に取り出される。
【0036】
これに対して、SEMI規格準拠の一般的な基板収納容器を薄板状基板に用いる場合には、薄板状基板2の撓み量が上下に隣り合う支持部材間の間隔よりも大きくなることから、その薄板状基板2を取り出すべくロボットアームにより持ち上げようとしても、その薄板状基板2の上側の薄板状基板との干渉回避を考慮する必要があることから、その薄板状基板を、支持されていた支持部材から離間させることはできない。仮に、図11、図12に示すように、SEMI規格準拠の一般的な基板収納容器1´において、一つ置きにサポート治具30を支持部材25に取付けて、その各サポート治具30に薄板状基板2を支持させるとしても、薄板状基板2をロボットアーム38により持ち上げる際、上側配置の薄板状基板2との干渉については回避できるものの、直上側の支持部材25’(サポート治具30及び薄板状基板2の支持に用いられないもの)に干渉するという問題が生じることになる。
【0037】
基板収納容器1を通常の基板2に用いる場合には、前述の通り、各組の一対の支持部材25からサポート治具30を取り外し、その各組の一対の支持部材25における支承部26に通常の基板2を載置することになる。このとき、突条28a,28bは、支承部26と通常の基板2との接触面積を減らす。勿論、この突条28a,28bについては省略してもよい。
【0038】
このようなサポート治具30は、弾性や滑り性を備えたポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトンなどの合成樹脂や、ポリエステル系、ポリオレフィン系など各種の熱可塑性エラストマーから形成することができる。また、これらの合成樹脂や熱可塑性エラストマーには、カーボン繊維やカーボンパウダー、カーボンナノチューブなどを適量添加して導電性を付与することができるし、ガラス繊維を添加して剛性を向上させたり、ふっ素系樹脂やマイカなどを添加して摺動性を向上させたりすることもできる。
【0039】
また、サポート治具30の一部又は全部を、熱可塑性エラストマーなどの弾性のある材料から形成すると、輸送時の振動を緩和できるという効果が得られる。レール部の裏面に吸振性を備えたシートを貼り付けることでも同様の効果が得られる。さらに、サポート治具30の表面に、導電性や耐擦傷性を付与するためのπ電子共役結合を有するポリチオフェンやポリピロールなどの導電性ポリマーやダイヤモンドライクコーティングなどのコーティングをすることもできる。
【0040】
したがって、このような基板収納容器1においては、サポート治具30の取付けも、取り外しも容易となり、通常の基板2を収納する使用態様も、薄板状基板2を収納する使用態様も、簡単に取り得る。
また、サポート治具30を容器本体4(支持部材25)に取付けた場合には、サポート治具30は、上下方向だけでなく前後方向Xの移動が規制されることになり、サポート治具30を高い位置精度をもって保持できる。これに伴い、サポート治具30に支持される薄板状基板2の位置精度も高まることになる。
【0041】
図13〜図15は第2実施形態を示すものである。この第2実施形態において、第1実施形態と同じ部材については、同符号を付する。
【0042】
第2実施形態は、容器本体4内において、サポート治具30が横方向にがたつくことを抑制する内容を示す。
具体的には、図13に示すように、サポート治具30における両係合支持板部31の外側端面に片持ち状の弾性片39がそれぞれ設けられ、その各弾性片39は、図14、図15に示すように、サポート治具30が支持部材25に取付けられる際、支持部材25の張出し端面25aにより係合支持板部31側に向けて撓められる。このため、弾性片39は、反発力を生じることになり、サポート治具30は、容器本体4内において、横方向にがたつくことが抑制される。
【0043】
図16は第3実施形態を示すものである。この第3実施形態においても、第1実施形態と同じ部材については、同符号を付する。
【0044】
第3実施形態は、サポート治具30の軽量化を図った内容を示す。
具体的には、図16に示すように、サポート治具30における係合支持板部31及び湾曲板部32に多数の抜き穴40が形成されており、その多数の抜き穴40によりサポート治具30の軽量化が図られている。勿論この場合、サポート治具30の所望の強度は確保されている。
【0045】
上記各実施形態においては、段部27の段差面29と第2係合片部34bとの当接関係により、サポート治具30の前方動を規制しているが、支承部26上に、間隔をあけて複数の段部27(段差面29)を設けると共に、それに対応する複数の第2係合片部34をサポート治具30に設けて、各段差面29と各第2係合片部34との当接関係により、サポート治具30の前方動を規制してもよい。
【0046】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0047】
1 基板収納容器
2 基板
3 前側開口
4 容器本体
9 側壁
10 進入規制壁(進入規制部)
25 支持部材
26 支承部
27 段部
28b 突条(進入規制部)
29 段差面
30 サポート治具
31 係合支持板部
32 湾曲板部(連結板部)
33 第1係合片部
34 第2係合片部
34b 第2係合片部
34bt 第2係合片部の先端面(係合面)
36 先端段部(進入規制部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬出入するための前側開口が備えられ、該前側開口を区画する要素としての左右一対の各側壁の内面に支持部材が、互いに対向しつつ、前後方向に延びるようにそれぞれ設けられ、前記両支持部材に、基板を支えて該基板の撓みを抑制するサポート治具が着脱可能に保持され、前記前側開口の後方領域に、前記サポート治具の所定位置以上の後方動を規制する進入規制部が設けられている基板収納容器において、
前記各支持部材に、板面を上下方向に向けつつ前後方向に延びる板状の支承部と、該支承部に少なくとも1箇所設けられて該支承部の一方の板面との間に該支承部の肉厚方向外方に向けて起立する段差面を形成する段部と、が備えられ、
前記サポート治具に、前記各支持部材に沿って互いに対向しつつ該各支持部材の延び方向にそれぞれ延びる一対の係合支持板部と、該一対の係合支持板部の後端部同士を連結する連結板部と、が備えられ、
前記各係合支持板部の外側面部に、第1係合片部と、該第1係合片部に対して該各係合支持板部の肉厚方向及び延び方向にずれた状態で配置されると共に該各係合支持板部の肉厚方向に撓み可能とされる第2係合片部と、がそれぞれ少なくとも1箇所備えられ、
前記第1係合片部は、前記支承部の他方の板面に当接され、
前記第2係合片部は、前記サポート治具が前記進入規制部により移動規制を受けた状態の下で、前記段差面に当接しつつ前記支承部の一方の板面に当接されていることを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
前記第2係合片部が、前記係合支持板部の延び方向に間隔をあけて複数設けられ、
前記複数の第2係合片部のうちの少なくとも1つの第2係合片部が前記段差面に当接され、
前記第1係合片部が、前後方向において隣り合う前記第2係合片部間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項3】
前記段差面が、前記前側開口から内方に向けて遠のくに従って前記支持板部の幅方向内面から該支持板部の幅方向外面に近づくように延び、
前記第2係合片部に、前記段差面に沿って当接するための係合面が形成され、
前記サポート治具が、拡縮可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の基板収納容器。
【請求項4】
基板を搬出入するための前側開口が備えられ、該前側開口を区画する要素としての左右一対の各側壁の内面に支持部材が、互いに対向しつつ、前後方向に延びるようにそれぞれ設けられ、前記両支持部材に、基板を支えて該基板の撓みを抑制するサポート治具が着脱可能に保持され、前記前側開口の後方領域に、前記サポート治具の所定位置以上の後方動を規制する進入規制部が設けられている基板収納容器において、
前記支持部材が、前記各側壁内面において、上下方向に所定間隔毎に複数設けられ、
前記所定間隔が、基板の撓み量を超える長さに設定されていることを特徴とする基板収納容器。
【請求項5】
前記所定間隔が、基板の撓み量の2倍以上とされていることを特徴とする請求項4に記載の基板収納容器。
【請求項6】
基板を搬出入するための前側開口が備えられ、該前側開口を区画する要素としての左右一対の各側壁の内面に支持部材が、互いに対向しつつ、前後方向に延びるようにそれぞれ設けられ、該各支持部材が、板面を上下方向に向けつつ前後方向に延びる板状の支承部と、該支承部に少なくとも1箇所設けられ該支承部の一方の板面との間に該支承部の肉厚方向外方に向けて起立する段差面を形成する段部と、を備え、前記前側開口の後方領域に進入規制部が設けられている基板収納容器において用いられるサポート治具であって、
間隔をあけた状態で、肉厚面同士を互いに対向させつつ延びる板状の一対の係合支持板部と、
前記一対の係合支持板部の端部同士を連結する連結板部と、が備えられ、
前記各係合支持板部の外側面部に、前記支承部の他方の板面に当接されるための第1係合片部と、該第1係合片部に対して該各係合支持板部の肉厚方向及び該各係合支持板部の延び方向にずれた状態で配置されると共に、該係合支持板部の肉厚方向に撓み可能とされて、前記段差面に当接した状態で前記支承部の一方の板面に当接される第2係合片部と、がそれぞれ備えられていることを特徴とするサポート治具。
【請求項7】
前記第2係合片部が、前記係合支持板部の延び方向に間隔をあけて複数設けられ、
前記複数の第2係合片部のうちの少なくとも1つの第2係合片部が、前記段差面に当接されるためのものとして設定され、
前記第1係合片部が、前記係合支持板部の延び方向において隣り合う前記第2係合片部間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のサポート治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−195507(P2012−195507A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−59611(P2011−59611)
【出願日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】