説明

基板搬送装置及び前記装置に使用される基板ガイドユニット

【課題】基板の搬送を効率的に行うことができる基板搬送装置及びこれに使用されるガイドユニットを提供する。
【解決手段】複数のシャフト140を平行に配置し、各シャフト140に回転一体に搬送ローラを設ける。基板Sの搬送時に基板Sが側方向に揺れることを防止するためにガイドユニット200を設ける。ガイドユニット200にシャフト140を挿入する貫通孔を有する内輪240、内輪240を挿入する貫通孔を有する外輪220及び内輪240と外輪220とが互いの回転を妨害しないように両者間にベアリング260を設ける。外輪220の外周面から側方向にリング形状にガイド230を突出させ、外輪220の外周面を基板Sの底面エッジと接触させて基板Sを支持し、側面を基板Sの側面と接触させて基板Sが側方向に移動することを防止する。内輪240をシャフト140とともに回転させ、外輪220を基板Sとの摩擦力によって回転させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板製造に使用される装置に関し、より詳しくは基板を搬送する装置及びこれに使用されるガイドユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、情報処理機器は、多様な形態の機能とより早い情報処理速度を有するように急速に発展している。このような情報処理装置は、操作した情報を表示するためにディスプレイ装置を有する。今まではディスプレイ装置でブラウン管(cathode ray tube)モニタが主に使用されたが、最近、半導体技術の急速な発展によって軽くて空間を小さく占める平板ディスプレイ装置の使用が急激に増大している。平板ディスプレイでは多様な種類があり、この中で電力消耗と体積が小さく、低電圧駆動型である液晶ディスプレイ(liquid crystal display)が広く使用されている。
【0003】
このような平板表明パネルを製造するために多様な工程が行われ、平板ディスプレイに使用される基板は、搬送装置を通し各々の工程が行われるチャンバに移送され、チャンバ内で工程進行の時移送される。図1は、一般的な搬送装置を概略的に示す図面である。図1に示すように、搬送装置900は、互いに平行に配置された回転するシャフト920と、シャフト920とともに回転されるようにシャフト920に設けられた搬送ローラ940とを有する。基板Sが一直線へ移送されるように案内するために基板Sの側面を支持するシャフト920の間にはサイドローラ960が設けられている。シャフト920及び搬送ローラ940の回転力によって基板Sは直線移動され、基板Sの移動によってサイドローラ960が回転される。
【0004】
しかしながら、詳述した一般的な構造の搬送装置900の使用時、サイドローラ960の位置が精密に設けられないと、基板Sの側面がサイドローラ960に衝突して基板Sが破損しやすい。また、図2のように、基板Sが移動中に上下方向に揺れる場合、サイドローラ960の回転軸の延びる方向に沿って基板Sとサイドローラ960との間に摩擦が発生するため、基板Sとサイドローラ960が損傷しやすい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、基板の搬送を効率的に行うことができる基板搬送装置及びこれに使用されるガイドユニットを提供することにある。
【0006】
また、本発明の目的は、基板が搬送される途中、基板の側面エッジが破損されることを防止できる基板搬送装置及びこれに使用されるガイドユニットを提供することにある。
【0007】
また、本発明の基板搬送装置において、サイドローラ960の頻繁な交替による費用増加を抑制できる基板搬送装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、次の詳細な説明と添付の図面からより明確になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、基板を搬送する装置を提供する。前記装置は、平行に配置された複数の回転可能なシャフトと、前記シャフトとともに回転可能であるように前記シャフトに固定結合される搬送ローラと、前記搬送ローラによって搬送される基板の直線移動を案内するガイドユニットとを含む。前記ガイドユニットは、基板の底面エッジと接触する外周面と、前記外周面から外側に突出して基板の側面に接触するガイドを有する外輪とを含む。
【0010】
前記ガイドユニットには、中央に前記シャフトが挿入される貫通孔を有し、前記シャフトとともに回転されるように前記シャフトに結合され、前記外輪の中央に設けられた貫通孔に挿入される内輪と、前記内輪と前記外輪との間に位置し、前記内輪及び前記外輪が互いの回転に拘束されないベアリングとをさらに設けることができる。
【0011】
前記ガイドユニットには、前記内輪と前記外輪との間に位置され、周りに前記ベアリングが挿入される孔が形成されたリング形状のリテイナをさらに設けることができる。
【0012】
前記ベアリングは、前記リテイナ外側及び内側で一定領域が突出するように設けられ、前記内輪と前記外輪各々には前記リテイナから突出したベアリングの領域一部が挿入される溝を形成できる。
【0013】
前記ベアリングはリング模様で複数の列をなすように配列できる。
【0014】
前記ガイドユニットには、前記内輪を前記シャフトに固定させる固定部材をさらに設けることができる。
【0015】
前記内輪は、長さ方向に前記シャフトの直径に相応する貫通孔が形成されたメインボディと、前記メインボディから延び、前記メインボディから遠くなるほど直径が漸進的に増加する貫通孔が形成されたサブボディとを有し、前記固定部材は、前記サブボディの貫通孔に相応する形状を有し、側部にその長さ方向に沿って切開されて対向する第1段と第2段を有するくさび(wedge)を含み、前記くさびは前記サブボディ内で前記メインボディの方向へ移動されることによって前記第1段と第2段との距離が漸進的に狭まるように設けることができる。
【0016】
前記くさびは弾性材質で設けることができる。
【0017】
前記くさびは円錘形で設けることができる。
【0018】
前記固定部材には前記くさびを前記サブボディ内で前記メインボディの方向に押すキャップをさらに設けることができる。
【0019】
前記サブボディの外周面にはねじ山が形成され、前記キャップは中央に前記シャフトが挿入される貫通孔が形成され、前記キャップの内周面には前記サブボディのねじ山と嵌合するねじ山が形成できる。
【0020】
前記サブボディは前記メインボディの両側に各々設けることができる。
【0021】
前記ガイドは前記外輪の外周面に対して鈍角に設けられる傾斜面を有するようにすることができる。前記ガイドは前記外輪の外周面の中央領域から突出し、前記傾斜面は前記ガイドの両側に設けることができる。
【0022】
また、本発明の基板搬送装置は、平行に配置された複数の回転可能なシャフトと、前記シャフトとともに回転可能であるように前記シャフトに固定結合される複数の搬送ローラと、前記搬送ローラによって搬送される基板の直線移動を案内するガイドユニットとを含み、前記ガイドユニットは前記シャフトに結合する。
【0023】
また、本発明は、基板搬送装置に設けられ、基板の直線移動を案内できるガイドユニットを提供する。前記ガイドユニットは中央に貫通孔が形成され、外周面から外側方向に突出したガイドを有する外輪、前記外輪の貫通孔に挿入され、中央に貫通孔が形成された内輪、及び前記外輪と前記内輪との間に設けられる複数のベアリングを有する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、基板搬送時、基板の側面が破損されることを防止できる。
【0025】
また、本発明の実施形態によれば、ガイドユニットの設置方向を交替して使用できるため、ガイドユニットの寿命を延長できる。
【0026】
また、本発明の実施形態によれば、ガイドユニットを搬送ローラが設置されたシャフトに固定結合して使用するため、設置が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付の図3乃至図16を参考して、より詳細に説明する。本発明の実施形態は、様々な形態に変形でき、本発明の範囲が後述の実施形態に限定されるものではない。本実施形態は、当該発明が属する技術分野において、通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために提供される。したがって、図面に示した各要素の形状は、より明らかな説明を強調するために誇張しうる。
【0028】
本実施形態において、基板は、液晶ディスプレイパネルの製造に使用される長方形状のガラス基板を挙げて説明する。しかしながら、発明の技術的範囲は、これに限定されず、ガラス基版以外に大体長方形状を有する対象物を搬送する装置に全て適用されることができる。
【0029】
図3は、本発明の基板搬送装置が使用される基板処理設備(substrate teating facility)1を概略的に示す断面図である。図3と図4に示すように、基板処理設備1は、複数のチャンバ10、基板搬送装置20、及び薬液噴射部材30を有する。各々のチャンバ10は、工程が行われる空間を提供する。基板搬送装置20は、チャンバ10間に、そしてチャンバ10内で基板Sを直線移動させる。チャンバ10内には、薬液噴射部材30が設けられている。薬液噴射部材30は、基板Sに行われる工程の種類によって基板Sに洗浄液又はエッチング液などのような薬液を供給する。次に、上述の構成要素に対して詳細に説明する。
【0030】
各々のチャンバ10は、内部が開いた大体に直方体形状を有する。チャンバ10は、一列に平行に配置される。各々のチャンバ10の一側には、チャンバ10で基板Sが入る流入口12が設けられ、これに対向する他側にはチャンバ10から基板Sが出る流出口14が設けられている。基板Sは、最前方に位置したチャンバ10から順次に最後方に位置されたチャンバ10まで移動する。各チャンバ10内で基板Sに対して所定工程が行われる。例えば、チャンバのうち何れか一つのチャンバ10aにおいては、洗浄工程が行われ、洗浄工程を行うチャンバ10aの前方に位置されるチャンバ10bにおいては、エッチング工程が行われ、洗浄工程を行うチャンバ10aの後方に位置されるチャンバ10cにおいては、乾燥工程が行われる。洗浄工程が行われるチャンバ10aの場合、薬液噴射部材30は、基板Sの上面に洗浄液を噴射する上部噴射部材32と、基板Sの下面に洗浄液を供給する下部噴射部材34とを有することができる。
【0031】
各々のチャンバ10内には、基板搬送装置20が配置される。図4は、図3の基板搬送装置20を示した斜視図である。図4に示すように、基板搬送装置20は、搬送ローラ120、シャフト140、及びガイドユニット200を有する。シャフト140は、各々のチャンバ10内に一直線に互いに平行に配置される。シャフト140は、流入口12と隣接した位置から流出口14と隣接した位置まで設けられている。各々のシャフト140には、その長さ方向に沿って複数の搬送ローラ120が固定結合されている。シャフト140は、その中心軸を基準に駆動部(図示せず)によって回転され、搬送ローラ120は、シャフト140とともに回転される。
【0032】
駆動部はプーリ、ベルト、及びモータを備えるアセンブリに設けることができる。プーリ、ベルト、及びモータを備えて基板を一方向に搬送させる駆動アセンブリの構造は広く知られているため、詳細な説明は省略する。駆動部によってシャフト140と搬送ローラ120が回転され、基板Sは、その下面が搬送ローラ120に接触した状態でシャフト140の軸方向と垂直に直線移動される。各々のシャフト140は水平に配置されて基板Sを水平状態に移送できる。
【0033】
ガイドユニット200は、シャフト140の両端に配置され、基板Sの直線移動を案内する。ガイドユニット200は、基板Sの側面S1(図7に示す)を側方向に支持して、基板Sが移動方向の左右側に揺れることを防止する。詳述した基板Sの側面S1は、基板Sの四辺のうち基板Sの移動方向と平行した辺である。
【0034】
図5は、ガイドユニット200の分解断面図であり、図6は、ガイドユニットの組立断面図であり、図7は、組み立てられたガイドユニットがシャフトと結合された状態を図示する斜視図である。
【0035】
図5乃至図7に示すように、ガイドユニット200は、外輪(outer ring)220、内輪(inner ring)240、リテイナ(retainer)250、ベアリング(bearings)260、及び固定部材(fixing member)270を備える。
【0036】
外輪220は、中央に第1貫通孔222が形成された円筒形状を有する。外輪220は、その中心軸701がシャフト140の中心軸と一直線上に置かれるように配置される。外輪220は、搬送ローラ120と同一の直径を有する。したがって、基板Sが搬送される時、基板Sは搬送ローラ120の外周面及び外輪220の外周面224に接触する。
【0037】
ガイド230は、外輪220の外周面224中央領域から外輪220の半径方向に外輪220の外側に向けて延びる。ガイド230は、円形のリング形状を有し、ガイド230の厚さtは、外輪220の中心から遠くなるほど薄くなる。ガイド230は、基板Sの側面と接触して基板Sが側方に移動することを防止する。
【0038】
ガイド230は、傾斜面232を有する。傾斜面232は、外輪220の外周面224に対し鈍角に傾斜する。ガイド230は、外輪220の中心軸701に垂直となる軸702を基準に対称される形状を有する。傾斜面232は、基板が上下方向、又は左右方向に揺れる場合に基板が外輪220の外周面224に固着するように案内する。これに反し、ガイド230は、外輪220の外周面224に垂直面を有することができる。
【0039】
外輪220の外周面224は、ガイド230を基準に二つの領域に分ける。一つの領域を第1外周面224aとし、反対の領域を第2外周面224bと称する。また、ガイド230は、二つの傾斜面232を有する。ガイド230の傾斜面のうち、第1外周面224aと対向する面を第1傾斜面232aとし、第2外周面224bと対向する面を第2傾斜面232bと称する。最初に第1外周面224aが基板Sに向かうようにガイドユニット200が設けられ、第1外周面224aが基板Sの底面と接触し、第1傾斜面232aが基板Sの側面S1と接触する。第1外周面224a及び第1傾斜面232aが磨耗などによって損傷すると、第2外周面224bが基板Sの底面と接触して基板Sを支持し、第2傾斜面232bが基板Sの側面S1と接触する。ガイドユニットが図6と反対に設けられた状態は図12に示されている。
【0040】
図面では、ガイド230が外輪220の外周面224の中央から外側方向へ突出したものに示した。しかしながら、実施形態において、中央領域は、外輪220の外周面224の中央のみならず、第1外周面224aと第2外周面224bを設けることができるように外輪220の外周面224の両終端領域を除いた領域を意味する。
【0041】
外輪220の貫通孔222内には、内輪240が挿入される。内輪240は、中央に第2貫通孔242が形成された円筒形状を有する。内輪240の貫通孔242には、シャフト140が挿入される。シャフト140の回転力によって内輪240がシャフト140とともに回転されるように、内輪240は、シャフト140に固定結合される。例えば、シャフト140は、内輪240に強制に挿入されることができる。
【0042】
内輪240は、メインボディ240aとサブボディ240bとを有する。メインボディ240aの中央に形成された第2貫通孔242aは、大体シャフト140と類似の直径に設けられ、シャフト140の長さ方向に沿って一定の直径に設けられている。サブボディ240bに形成された第2貫通孔242bは、メインボディ240aの中央に形成された貫通孔242aから延び、内輪240から遠くなるほど貫通孔242bの直径が漸進的に大きくなるように設けられている。すなわち、メインボディ240aに設けられた第2貫通孔242aは円筒形状であり、サブボディ240bに設けられた貫通孔242bは円錐形状を有する。サブボディ240bの外周面には、ねじ山(screwthreads)246が形成されている。
【0043】
外輪220と内輪240との間には、複数のベアリング260及びリテイナ250が挿入される。リテイナ250は、円形のリング形状を有し、リテイナ250には、その側面に沿って円形の貫通孔252が形成されている。ベアリング260は、貫通孔252に挿入されて貫通孔252内で回転可能であるように配置される。ベアリング260は、リテイナ250の外側及び内側方向にリテイナ250から各々一定部分ずつ突出する。内輪240の外周面244及び外輪220の内周面226には互いに対応する位置に溝228、248が形成されている。リテイナ250から突出したベアリング260の一部領域は、溝228、248内に挿入される。ベアリング260は、リテイナ250の周りに沿って一定間隔ずつ離隔されて位置され、リング模様の配列をなす。詳述したリング模様の配列は、複数個が設けられている。本実施形態においては、ベアリング260が二列に設けられた場合を示した。これは内輪240及び外輪220からベアリング260に加えられる荷重(load)を分散させ、ベアリング260の寿命を延長する。
【0044】
ベアリング260によって外輪220と内輪240は、互いの回転に対して妨害されず、互いに独立的に回転される。すなわち、内輪240は、シャフト140の回転力によって回転され、外輪220は、基板Sとの摩擦力によって回転される。
【0045】
シャフト140は、内輪240の第2貫通孔242を貫通するように挿入される。固定部材270は、内輪240をシャフト140に固定させる。固定部材は、くさび(wedge)280と押し部材とを有する。
【0046】
図8は、図5のくさび280の斜視図である。図8に示すように、くさび280は、中央にシャフト140が貫通される第1貫通孔282が形成され、大体円錐形状を有する。くさび280は、内輪240のサブボディ240bと類似の長さを有し、内輪240のサブボディ240bに設けた第2貫通孔242bに挿入される。第1貫通孔282は、くさび280の長さ方向に沿って同一の大きさに設けられている。くさび280は、弾性材質で製造され、くさび280は、その長さ方向に沿って切開された部分を有する。したがって、くさび280は、互いに対向し、一定距離離隔された第1段284aと第2段284bとを有する。くさび280の両面のうち、面積が狭い面を前面(front face)285、面積が狭い面を後面286という。くさび280の後面286は、大体平らに設けられている。くさび280は、前面が内輪240に向かう方向でシャフト140に挟まれる。
【0047】
第1段284aと第2段284bとの間の距離dは、くさび280の外側面に加えられる圧力によって増減する。第1段284aと第2段284bとの間の距離dが増加すると、第1貫通孔282の直径dも増加し、第1段284aと第2段284bとの間の道dが減少すると、第1貫通孔282の直径dも減少する。外部圧力が除去された状態でくさび280の第1貫通孔282の直径dは、シャフト140の直径より大きく設けられ、外部圧力が印加されて第1段284aと第2段284bとが接触した状態ではくさび280の貫通孔282の直径dはシャフト140の直径と同一、又はシャフト140の直径より少し小さく設けられている。
【0048】
図9は、図5の押し部材の斜視図である。押し部材は、くさび280を内輪240のメインボディ240aに向かって押す。押し部材は、中央に第4貫通孔294aが形成されたキャップ290を有する。キャップ290は、内輪240のサブボディ240bが挿入される空間292aを有するボディ292とボディ292の後端に設けられた押し壁294とを有する。ボディ292の内周面には、内輪240のサブボディ240bの外周面に形成されたねじ山246に対応されるようにねじ山293が形成されている。押し壁294の中央には、シャフト140が挿入される第4貫通孔294aが形成されている。キャップ290が回転して内輪240とのねじ結合によって内輪240のメインボディ240aの方向に前進すると、押し壁294はサブボディ240bの第2貫通孔242bに挿入されたくさび280をメインボディ240aの方向に押す。
【0049】
図10と図11は、固定部材270によってガイドユニット200がシャフト140に固定される過程を示す図である。まず、図10に示したように、くさび280はその前面285が内輪240のメインボディ240aの方向にサブボディ240bの第2貫通孔242bに挿入される。キャップ290が内輪240とねじ結合されることによってくさび280がサブボディ240b内でメインボディ240aに向かって移動する。第1段284aと第2段284bとの間の距離dが狭まって、一定距離以上移動すると、図11に示したように、第1段284aと第2段284bとが接触する。したがって、最初はくさび280の内側面283がシャフト140から離隔状態でくさび280がサブボディ240bに挿入されるが、メインボディ240aに向かって移動することによってくさび280の内側面283はシャフト140と接触し、以後シャフト140を加圧してシャフト140と内輪240とを固定結合する。
【0050】
次には、ガイドユニット200を組み立て、これをシャフト140と結合する方法を説明する。また、図6に示すように、最初は外輪220、内輪240、リテイナ250、及びベアリング260を組立てる。リテイナ250の貫通孔252各々にベアリング260を挿入する。次にリテイナ250が内輪240を覆いかぶせるように内輪240をリテイナ250の内部空間254に強制的に差し込む。以後、リテイナ250と内輪240の組立体を外輪220の第1貫通孔222に強制的に差し込む。次に、シャフト140が内輪240の第2貫通孔242、くさび280の第3貫通孔282、及びキャップ290の第4貫通孔294aに挿入されるように、順次に内輪240、リテイナ250、ベアリング260、及び外輪220を含んだ組立体、くさび280、及びキャップ290をシャフト140に固定する。以後、キャップ290を内輪240のサブボディ240bにねじ結合することによって内輪240をシャフト140に固定する。
【0051】
図12は、ガイドユニット200を図6と反対に設けた状態を示す。詳述のように、最初は内輪240、リテイナ250、ベアリング260、及び外輪220を組み立てる。以後、詳述したことと反対に、キャップ290とくさび280とを順次にシャフト140に挿入し、次に内輪240、リテイナ250、ベアリング260、及び外輪220を含んだ組立体をシャフト140に挿入する。以後、キャップ290を内輪240のサブボディ240bにねじ結合することによって内輪240をシャフト140に固定させる。
【0052】
次には本実施形態の多様な変形例を説明する。
【0053】
図13は、ガイドユニット200´の変形された一例を示す。図13に示したように、ガイドユニット200´は詳述した例と相異した構造の内輪240´を有する。内輪240´は、一つのメインボディ240aと二つのサブボディ240bとを有し、サブボディ240bは、メインボディ240aの両側に各々設けられている。これはガイドユニット200´が設置方向を変えてシャフト140に挿入する時にくさび280及びキャップ290を内輪240により容易に結合させるようにする。
【0054】
図14は、ガイドユニット200″の変形された他の例を示す。図14に示すように、ガイドユニット200″は詳述した例と相異した構造を有する外輪220″を有する。外輪220″は、その外周面終端から外側方向(半径方向)に延長されたガイド230を有する。本実施形態のガイドユニット200″の使用時、外輪220″の外周面224及び傾斜面232が損傷すると、外輪220″又はガイドユニット200″を新しく交替する。
【0055】
図15は、基板搬送装置20´の変形例を示す。詳述した例でガイドユニット200´は、搬送ローラ120が設けられたシャフト140上に設けられている。しかしながら、図15に示すように、ガイドユニット200は、搬送ローラ120が設けられたシャフト140間の領域に別途のシャフト142に固定して設けられている。
【0056】
図16は、基板搬送装置20″の他の変形例を示す。図2に示した基板搬送装置20は基板Sを水平状態で搬送して、ガイドユニット200がシャフト140の両側に各々設けられることと説明した。しかしながら、図16に示すように、基板Sが傾斜した状態で搬送されるようにシャフト140は傾斜するように配置される。図面におけるαは、シャフトの傾斜角である。ガイドユニット200は、シャフト140の両側のうち、低く位置された領域に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】一般的に使用されている基板搬送装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】図1で基板とサイドローラを拡大して示す斜視図である。
【図3】本発明の基板搬送装置が設けられた基板処理設備の一例を概略的に示す図である。
【図4】本発明の実施形態による基板搬送装置を概略的に示す斜視図である。
【図5】図4のガイドユニットが分解された状態を示す断面図である。
【図6】図4のガイドユニットが組立った状態を示す断面図である。
【図7】シャフトに固定結合された図4のガイドユニットの斜視図である。
【図8】図5のくさびの斜視図である。
【図9】図5のキャップの斜視図である。
【図10】各々のくさびが内輪のサブボディに完全に挿入される前の状態と完全に挿入された状態を示す図である。
【図11】各々のくさびが内輪のサブボディに完全に挿入される前の状態と完全に挿入された状態を示す図である。
【図12】ガイドユニットが図4と相異された方向にシャフトに結合された状態を示す図である。
【図13】ガイドユニットの変形例を示す図である。
【図14】ガイドユニットの変形例を示す図である。
【図15】図4の基板搬送装置の変形例を示す図である。
【図16】図4の基板搬送装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
20 基板搬送装置
120 搬送ローラ
140 シャフト
200 ガイドユニット
220 外輪
230 ガイド
240 内輪
250 リテイナ
260 ベアリング
280 くさび
290 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配置された複数の回転可能なシャフトと、
前記シャフトとともに回転可能であるように前記シャフトに固定結合される搬送ローラと、
前記搬送ローラによって搬送される基板の直線移動を案内するガイドユニットとを含み、
前記ガイドユニットは、
基板の底面エッジと接触する外周面と、
前記外周面から外側に突出して基板の側面に接触するガイドを備えた外輪とを有する
ことを特徴とする基板搬送装置。
【請求項2】
前記ガイドユニットは、
中央に前記シャフトが挿入される貫通孔を有し、前記シャフトとともに回転されるように前記シャフトに結合され、前記外輪の中央に設けられた貫通孔に挿入される内輪と、
前記内輪と前記外輪との間に位置し、前記内輪及び前記外輪が互いの回転に拘束されないベアリングと、をさらに含む
ことを特徴とする請求項1に記載の基板搬送装置。
【請求項3】
前記ガイドユニットは、
前記内輪と前記外輪との間に位置され、周りに前記ベアリングが挿入される孔が形成されたリング形状のリテイナをさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項4】
前記ベアリングは前記リテイナの外側及び内側で一定領域が突出するように設けられ、
前記内輪と前記外輪各々には前記リテイナから突出したベアリングの領域一部が挿入される溝が形成されている
ことを特徴とする請求項3に記載の基板搬送装置。
【請求項5】
前記ベアリングはリング模様で複数の列をなすように配列されている
ことを特徴とする請求項3に記載の基板搬送装置。
【請求項6】
前記ガイドユニットは前記内輪を前記シャフトに固定させる固定部材をさらに含む
ことを特徴とする請求項2に記載の基板搬送装置。
【請求項7】
前記内輪は、
長さ方向に前記シャフトの直径に相応する貫通孔が形成されたメインボディと、
前記メインボディから延び、前記メインボディから遠くなるほど直径が漸進的に増加する貫通孔が形成されたサブボディとを有し、
前記固定部材は、
前記サブボディの貫通孔に相応する形状を有し、側部にその長さ方向に沿って切開されて対向する第1段と第2段を有するくさびを含み、
前記くさびは前記サブボディ内で前記メインボディの方向へ移動されることによって前記第1段と第2段との距離が漸進的に狭まるように設けられている
ことを特徴とする請求項6に記載の基板搬送装置。
【請求項8】
前記くさびは弾性材質よりなる
ことを特徴とする請求項7に記載の基板搬送装置。
【請求項9】
前記くさびは円錘形である
ことを特徴とする請求項7に記載の基板搬送装置。
【請求項10】
前記固定部材は前記くさびを前記サブボディ内で前記メインボディの方向に押すキャップをさらに含む
ことを特徴とする請求項7に記載の基板搬送装置。
【請求項11】
前記サブボディの外周面にはねじ山が形成され、
前記キャップは中央に前記シャフトが挿入される貫通孔を有し、
前記キャップの内周面には前記サブボディのねじ山と嵌合するねじ山が形成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の基板搬送装置。
【請求項12】
前記サブボディは前記メインボディの両側に各々設けられている
ことを特徴とする請求項11に記載の基板搬送装置。
【請求項13】
前記ガイドは前記外輪の外周面に対して鈍角となる傾斜面を有する
ことを特徴とする請求項1乃至12のうち何れかの一つに記載の基板搬送装置。
【請求項14】
前記ガイドは前記外輪の外周面の中央領域から突出している
ことを特徴とする請求項1乃至12のうち何れかの一つに記載の基板搬送装置。
【請求項15】
前記傾斜面は前記ガイドの両側に設けられている
ことを特徴とする請求項14に記載の基板搬送装置。
【請求項16】
平行に配置された複数の回転可能なシャフトと、
前記シャフトとともに回転可能であるように前記シャフトに固定結合される複数の搬送ローラと、
前記搬送ローラによって搬送される基板の直線移動を案内するガイドユニットとを含み、
前記ガイドユニットは前記シャフトに結合される
ことを特徴とする基板搬送装置。
【請求項17】
前記ガイドユニットは、
前記シャフトが挿入される貫通孔を有し、前記シャフトの回転によって前記シャフトとともに回転されるように設けられる内輪と、
基板の底面エッジが接触する外周面及び前記外周面から外側方向に突出し、基板の側面を支持するガイドを有し、前記内輪が挿入される貫通孔が形成された外輪と、
前記内輪と前記外輪との間に設けられて、前記内輪と前記外輪が互いに拘束されず、回転されるベアリングと、を含む
ことを特徴とする請求項16に記載の基板搬送装置。
【請求項18】
前記内輪は、
長さ方向に前記シャフトの直径に相応する貫通孔が形成されたメインボディと、
前記メインボディから延び、前記メインボディから遠くなるほど直径が漸進的に増加する貫通孔が形成されたサブボディとを有し、
前記ガイドユニットは、
中央に前記シャフトが挿入される貫通孔が形成され、前記サブボディの貫通孔に挿入されて前記シャフトを前記内輪に固定させ、長さ方向に沿って切開されて対向する第1段と第2段を有するくさびを含み、
前記くさびは前記サブボディ内で前記メインボディの方向へ移動されることによって前記第1段と第2段との距離が漸進的に狭まるように設けられている
ことを特徴とする請求項17に記載の基板搬送装置。
【請求項19】
前記ガイドユニットは前記くさびを前記サブボディ内で前記ボディの方向に押し、中央に前記シャフトが挿入される貫通孔が形成されたキャップをさらに含み、
前記サブボディの外周面にはねじ山が形成され、
前記キャップの内周面には前記サブボディのねじ山と嵌合するねじ山が形成されている
ことを特徴とする請求項18に記載の基板搬送装置。
【請求項20】
基板搬送装置に設けられ、基板の直線移動を案内できるガイドユニットにおいて、
中央に貫通孔が形成され、外周面から外側方向に突出したガイドを有する外輪と、
前記外輪の貫通孔に挿入され、中央に貫通孔が形成された内輪と、
前記外輪と前記内輪との間に設けられる複数のベアリングと、を備える
ことを特徴とするガイドユニット。
【請求項21】
前記ガイドユニットは前記内輪と前記外輪との間に配置されるリテイナをさらに含み、
前記リテイナ外周面には前記ベアリングが挿入される孔が形成された
ことを特徴とする請求項20に記載のガイドユニット。
【請求項22】
前記ベアリングは前記リテイナにリング模様で複数の列をなすように配列される
ことを特徴とする請求項21に記載のガイドユニット。
【請求項23】
前記内輪と前記外輪には前記ベアリングの一部領域が挿入される溝が形成されている
ことを特徴とする請求項21に記載のガイドユニット。
【請求項24】
前記ガイドは前記外輪の中央領域から突出している
ことを特徴とする請求項21に記載のガイドユニット。
【請求項25】
前記ガイドはリング形状である
ことを特徴とする請求項21に記載のガイドユニット。
【請求項26】
前記内輪は、
長さ方向に前記基板を搬送するシャフトの直径に相応する貫通孔が形成されたメインボディと、
前記メインボディから延び、前記メインボディから遠くなるほど直径が漸進的に増加する貫通孔が形成されたサブボディとを有し、
前記ガイドユニットは、
前記サブボディの貫通孔に挿入され、長さ方向に沿って側部切開されて対向する第1段と第2段を有するくさびを含み、
前記くさびは前記サブボディ内で前記メインボディの方向へ移動されることによって前記第1段と第2段との距離が漸進的に狭まるように設けられている
ことを特徴とする請求項21に記載のガイドユニット。
【請求項27】
前記ガイドユニットは前記くさびを前記サブボディ内で前記メインボディの方向に 押すキャップをさらに含む
ことを特徴とする請求項26に記載のガイドユニット。
【請求項28】
前記サブボディの外周面にはねじ山が形成され、
前記キャップは中央に前記シャフトが挿入される貫通孔が形成され、
前記キャップの内周面には前記サブボディのねじ山と嵌合するねじ山が形成されている
ことを特徴とする請求項27に記載のガイドユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−280181(P2008−280181A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124695(P2008−124695)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(598123150)セメス株式会社 (76)
【Fターム(参考)】