基板案内機構およびこれを備える樹脂硬化装置
【課題】薄型化する基板が搬送される場合あっても、基板の損傷の発生を抑制できる構成を有する基板案内機構を提供すること。
【解決手段】所定方向へ搬送されるテープ状の基板2を搬送方向へ案内する基板案内機構8は、基板2を支持するとともに、搬送方向に所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起15aを備えている。この基板案内機構8では、基板2と基板案内機構8との間の搬送抵抗が低減される。
【解決手段】所定方向へ搬送されるテープ状の基板2を搬送方向へ案内する基板案内機構8は、基板2を支持するとともに、搬送方向に所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起15aを備えている。この基板案内機構8では、基板2と基板案内機構8との間の搬送抵抗が低減される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定方向へ搬送されるテープ状の基板を案内する基板案内機構、および、この基板案内機構を備える樹脂硬化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フレキシブルなテープ状の基板に実装された半導体チップ等を封止、固定するための樹脂を塗布する樹脂塗布装置と、塗布された樹脂を加熱して硬化する樹脂硬化装置と、樹脂塗布装置に対してテープ状の基板を供給する基板供給装置と、樹脂硬化装置から搬出される基板を巻き取る基板巻取装置とを備えた樹脂塗布システムが知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1および特許文献2に開示された樹脂塗布システムでは、樹脂硬化装置の上流側に配置される搬送ローラと、樹脂硬化装置の下流側に配置される搬送ローラとによって、樹脂硬化装置内の基板の搬送が行われている。すなわち、樹脂塗布装置に配設された搬送ローラで基板を下流側へ送るとともに、基板巻取装置に配設された搬送ローラで基板を引っ張ることで、樹脂硬化装置での基板の搬送が行われている。また、特許文献1および特許文献2に開示された樹脂硬化装置は、基板の幅方向の両端部分を案内する基板案内部を備えている。この基板案内部によって、基板の幅方向の両端部分が適切に案内されるため、特許文献1の樹脂硬化装置では、適切な基板の搬送が可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−122753号公報
【特許文献1】特開2005−206363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2に記載された樹脂硬化装置のように、基板の幅方向の両端部分を案内する基板案内部を備えていると、樹脂硬化装置での基板の適切な搬送が可能になる。しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された樹脂塗布システム等で用いられるテープ状の基板は年々、薄型化している。この基板の薄型化に伴い、従来は、あまり問題とならなかった基板の下面と基板案内部との間に生じる搬送抵抗の影響が無視できなくなる状況が生じつつある。
【0006】
すなわち、樹脂硬化装置では、基板の下面と基板案内部との間に生じる搬送抵抗よりも大きな搬送力で基板を搬送する必要がある。換言すると、基板巻取装置に配設された搬送ローラによって、基板の下面と基板案内部との間の搬送抵抗よりも大きな力で基板を引っ張る必要がある。一方で、基板の薄型化によって基板の剛性が低下するため、従来のような力で基板を引っ張ると、基板に損傷が生じやすくなる。特に、樹脂硬化装置の中では、基板が加熱されるため、基板の剛性が低下しやすく、その結果、基板に損傷が生じやすくなる。
【0007】
このように、基板が年々、薄型化する状況下においては、従来の基板案内部によって基板を案内すると、基板の損傷を抑制することは困難になってくる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、薄型化する基板が搬送される場合あっても、基板の損傷の発生を抑制できる構成を有する基板案内機構およびこの基板案内機構を備える樹脂硬化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は、所定方向へ搬送されるテープ状の基板を搬送方向へ案内する基板案内機構において、基板を支持するとともに、搬送方向に所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の基板案内機構では、搬送される基板が、搬送方向に所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起によって支持されている。そのため、基板と基板案内機構との間に生じる搬送抵抗を低減できる。すなわち、たとえば、搬送方向に連続して形成される基板の支持部によって基板が支持されている場合には、この支持部と基板との接触面積が大きくなり、この支持部と基板との間に生じる搬送抵抗が大きくなる。これに対して、本発明では、所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起によって基板が支持されているため、基板と基板案内機構との接触面積を低減でき、基板と基板案内機構との間に生じる搬送抵抗を低減できる。したがって、従来よりも小さな搬送力で基板を搬送することが可能になる。その結果、本発明の基板案内機構では、薄型化する基板が搬送される場合あっても、基板の損傷の発生を抑制できる。
【0011】
本発明において、基板支持突起は、搬送方向を長手方向として配置される長尺状の基板支持部材に複数形成されていることが好ましい。このように構成すると、基板支持突起の取扱いが容易になる。また、複数の基板支持突起が一体で基板支持部材に形成されるため、複数の基板支持突起間の位置出し(位置合せ)が不要になり、基板案内機構の組立が容易になる。
【0012】
本発明において、基板支持突起の上端には、基板が載置される基板載置部が形成され、基板載置部は平面状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、基板が載置される基板載置部の高さを容易かつ適切に揃えることができる。すなわち、基板載置部の容易かつ適切なレベル出しが可能になる。
【0013】
本発明において、基板支持突起の上端には、基板が載置される基板載置部が形成され、搬送方向に直交する基板の幅方向における基板載置部の幅は、基板の幅方向における基板支持突起の下端の幅よりも狭く形成されていることが好ましい。このように構成すると、基板と基板案内機構との接触面積をさらに低減でき、その結果、基板の搬送抵抗をさらに低減できる。また、基板支持突起の下端の幅が広く形成されるため、基板支持突起の強度を上げることができる。その結果、基板支持突起の変形や損傷を防止できる。
【0014】
本発明において、基板支持突起は、搬送方向に直交する基板の幅方向において、基板の両端側部分に配置されていることが好ましい。基板の幅方向における基板の中央位置には、電子部品が実装されたり、電子部品に接続される配線が形成されるため、このように構成すると、基板支持突起と基板とが接触することで生じうる電子部品や配線等の損傷を防止できる。
【0015】
本発明において、基板支持突起は、搬送方向に一定間隔で形成されるとともに、基板の幅方向における基板の両端側部分には、基板を搬送する際に使用可能なパーフォレーションが搬送方向に一定間隔で複数形成され、基板支持突起の形成間隔と、パーフォレーションの形成間隔とが異なることが好ましい。このように構成すると、パーフォレーションに係合する係合突起を備える基板の搬送手段を利用して精度良く基板を搬送することが可能になる。また、このように構成すると、基板支持突起の形成間隔とパーフォレーションの形成間隔とが異なるため、基板にパーフォレーションが形成される場合であっても、基板支持突起はパーフォレーションに嵌まりにくくなり、基板支持突起が基板の搬送の障害となる可能性が低減される。その結果、基板の適切な搬送が可能になる。
【0016】
本発明において、基板支持突起の上端には、基板が載置される基板載置部が形成されるとともに、基板の幅方向における基板の両端側部分には、基板を搬送する際に使用可能なパーフォレーションが搬送方向に一定間隔で複数形成され、搬送方向における基板載置部の幅は、搬送方向におけるパーフォレーションの幅よりも広く形成されていることが好ましい。このように構成すると、パーフォレーションに係合する係合突起を備える基板の搬送手段を利用して精度良く基板を搬送することが可能になる。また、このように構成すると、搬送方向における基板載置部の幅がパーフォレーションの幅よりも広く形成されているため、基板にパーフォレーションが形成される場合であっても、基板支持突起はパーフォレーションに嵌まりにくくなり、基板支持突起が基板の搬送の障害となる可能性が低減される。その結果、基板の適切な搬送が可能になる。
【0017】
本発明において、基板案内機構は、搬送方向に直交する基板の幅方向において、基板支持突起よりも内側に配置され、基板支持突起とともに、基板を支持する基板当接部材を備えることが好ましい。このように構成すると、薄型化してたるみやすくなる基板のたるみを抑制することが可能になる。
【0018】
本発明の基板案内機構は、基板上に塗布された樹脂を加熱して硬化する加熱機構を備える樹脂硬化装置に用いることができる。この樹脂硬化装置では、薄型化する基板が搬送される場合あっても、基板の損傷の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明にかかる基板案内機構および樹脂硬化装置では、薄型化する基板が搬送される場合あっても、基板の損傷の発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(樹脂硬化装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる樹脂硬化装置1の概略構成を示す図である。図2は、図1の樹脂硬化装置1内を搬送される基板2を示す図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【0022】
本形態の樹脂硬化装置1は、テープ状の基板2に実装された半導体チップ等の電子部品3を封止、固定するために、基板2に塗布された熱硬化性の樹脂を加熱して硬化する加熱炉である。この樹脂硬化装置1は、たとえば、基板2に樹脂を塗布して樹脂硬化装置1に向かって基板2を搬出する樹脂塗布装置(図示省略)と、樹脂塗布装置に対して基板2を供給する基板供給装置(図示省略)と、樹脂硬化装置1から搬出される基板2を巻き取る基板巻取装置(図示省略)とを備える樹脂塗布システムに用いられる。この樹脂塗布システムは、たとえば、基板供給装置に配置される基板供給リールに巻回された基板2と、基板巻取装置に配置される基板巻取リールに巻回される基板2とがつながった、いわゆるリール・ツウ・リールの樹脂塗布システムである。
【0023】
樹脂硬化装置1は、図1に示すように、基板2が搬送される第1から第3搬送路L1、L2、L3と、第1から第3搬送路L1、L2、L3のそれぞれの間を仕切る2つの仕切部材5、5と、基板2の表裏を反転させるとともに基板2の搬送方向を反転させる第1および第2反転ローラ6、7とを備えている。
【0024】
なお、樹脂硬化装置1では、図1の左側から基板2が搬入され、図1の右側へ基板2が搬出されるため、以下では、図1の左右方向を「搬送方向」とし、特に、図1の左側を「上流側」、図1の右側を「下流側」とする。また、以下では、図1の紙面垂直方向を「前後方向」とし、特に紙面手前側を「前面側」、紙面奥側を「後面側」とする。また、前後方向は、基板2の搬送方向に直交する基板2の幅方向となるため、以下では、前後方向を「基板2の幅方向」と表記することもある。
【0025】
図2に示すように、樹脂硬化装置1に搬入される基板2には、電子部品3が実装されている。すなわち、基板2に形成された電極部(図示省略)には、電子部品3の端子部(図示省略)が電気的に接続されている。具体的には、基板2には、搬送方向に所定の間隔で複数の電子部品3が実装されるとともに、基板2の幅方向の略中央部分に電子部品3が実装されている。また、基板2の、電子部品3が実装された部分には、熱硬化性の樹脂が塗布されている。
【0026】
基板2は、フレキシブルな樹脂基板であるCOF(Chip On Film or Chip On Flexible Circuit Board)テープやTAB(Tape Automated Bonding)テープ等の基板である。本形態では、基板2としてCOFテープが用いられている。そのため、図2(A)に示すように、電子部品3は、基板2の一方の面(図2では上面)に実装されている。また、電子部品3が実装される基板2の一方の面には、保護膜で覆われた配線が形成されている。この基板2は、たとえば、ポリイミドで形成されている。
【0027】
基板2の幅方向における両端側部分には、図2(B)に示すように、複数のパーフォレーション2aが搬送方向に一定の間隔(形成間隔)P1で基板2を貫通するように形成されている。樹脂硬化装置1の上流側および下流側に配置される基板2の搬送手段(図示省略)に、基板2を搬送するための係合突起が設けられている場合には、この係合突起がパーフォレーション2aに係合して、基板2を搬送する。たとえば、基板2の搬送手段を構成する搬送ローラに係合突起が形成されている場合には、この係合突起がパーフォレーション2aに係合して、基板2を搬送する。このように、パーフォレーション2aを使用して、基板2を搬送すると、所定の距離だけ精度良く基板2を搬送することが可能になる。なお、基板2の搬送手段には、係合突起が設けられていなくても良い。すなわち、係合突起が形成されていない搬送ローラによって基板2が搬送されても良い。
【0028】
本形態では、厚さがたとえば、20μm、25μm、30μm、50μm、75μmあるいは125μmであり、幅(基板2の短手方向の幅)がたとえば、35mm、48mm、あるいは70mmである種々の基板2が樹脂硬化装置1内を搬送される。本形態では、特に薄型でかつ幅の広い基板2が搬送され、その厚さは50μm以下で、その幅は48mmや70mmとなっている。具体的には、基板2は、幅が70mmであれば、厚さが50μm以下であり、幅が48mmであれば、厚さは30μm以下である。なお、基板処理システム1で扱う基板2の厚さは50μm以下には限定されず、また、基板2の幅は35mmやその他の値のものであっても良い。
【0029】
第1から第3搬送路L1、L2、L3は、樹脂硬化装置1の内部において、下側からこの順番で配置されている。また、第1から第3搬送路L1、L2、L3は、樹脂硬化装置1内で搬送される基板2を搬送方向に案内する基板案内機構8(図1では図示省略、図3参照)と、基板2上に塗布された樹脂を加熱して硬化するための加熱機構9(図1では図示省略、図3参照)とを備えている。この第1から第3搬送路L1、L2、L3の詳細な構成については後述する。
【0030】
第1反転ローラ6および/または第2反転ローラ7は、樹脂硬化装置1内部の基板2に張力が付与されるように、図示を省略するバネ等の付勢部材によって、搬送方向に付勢されている。たとえば、第1反転ローラ6が固定され、第2反転ローラ7が上流側に付勢されている。また、第1反転ローラ6および/または第2反転ローラ7によって、樹脂硬化装置1内を搬送される基板2にはたとえば、200gfの張力が付与されている。
【0031】
樹脂硬化装置1では、搬入された基板2は、まず、矢印X方向へ第1搬送路L1を通過して搬送され、その後、第1反転ローラ6で反転される。反転された基板2は、矢印Y方向(上流側へ向かう方向)へ第2搬送路L2を通過して搬送され、その後、第2反転ローラ7で再び反転される。反転された基板2は、矢印X方向へ第3搬送路L3を通過して搬送され、樹脂硬化装置1から搬出される。本形態では、基板2は、たとえば、樹脂硬化装置1の上流側および下流側に配置される基板2の搬送手段(図示省略)によって、15〜200mm/secの速度で樹脂硬化装置1内を間欠的に搬送される。
【0032】
(第1から第3搬送路の構成)
図3は、図1のE部を拡大して示す拡大図である。図4は、図3のF−F方向から取付架台20への基板案内部13の取付部分を示す平面図である。図5は、図4のG−G断面を示す断面図である。図6は、図5のJ−J方向から基板支持部材15を示す図である。図7は、図6のK−K断面を示す断面図である。図8は、図3のM部を上流側から見たときの断面を拡大して示す拡大断面図である。図9は、図1に示す樹脂硬化装置1における基板当接部材14の配置関係を示す図である。図10は、図8に示す基板当接部材14を示す図であり、(A)は正面図、(B)は(A)の左側面図、(C)は(A)の右側面図である。なお、図4、5では、基板2の図示を省略し、図8では、断面部分のハッチングの図示を省略している。
【0033】
第1搬送路L1は、上述のように、樹脂硬化装置1内で搬送される基板2を搬送方向に案内する基板案内機構8と、基板2上に塗布された樹脂を加熱して硬化するための加熱機構9とを備えている。
【0034】
加熱機構9は、図3および図8に示すように、基板2の上方に配置され、基板2を加熱する発熱体11と、この発熱体11の下方でかつ基板2の上方に配置され、発熱体11からの熱を拡散する熱拡散板12とから構成されている。発熱体11は、たとえば、セラミックヒータ等の赤外線ヒータである。また、熱拡散板12は、熱伝導性に優れた金属板等で形成されている。図3に示すように、熱拡散板12は、第1搬送路L1の搬送方向のほぼ全域に亘って連続的に配置されている。また、複数の発熱体11が、搬送方向に所定の間隔をあけて配置されている。
【0035】
基板案内機構8は、図8に示すように、基板2の幅方向の両端を搬送方向へ案内する基板案内部13と、基板案内部13に取り付けられ、下側から基板2に当接して基板2を支持する基板当接部材14とを備えている。
【0036】
基板案内部13は、図8に示すように、基板当接部材14とともに、基板2を下側から支持する基板支持部材15と、主として、前後方向(基板2の幅方向)における基板2の動きを規制する幅方向規制部材16とを備えている。図3等に示すように、基板支持部材15および幅方向規制部材16は、搬送方向を長手方向として配置される長尺状の細長いブロック部材である。すなわち、基板案内部13は、全体として、搬送方向を長手方向して配置される細長いブロック部材である。また、基板支持部材15および幅方向規制部材16は、たとえば、ステンレス鋼等の金属部材で形成されている。なお、樹脂硬化装置1内での熱膨張による変形を抑制するために、基板支持部材15および幅方向規制部材16は、熱膨張率が小さい鉄ニッケル合金であるインバー材(不変鋼)で形成されても良い。
【0037】
基板案内部13は、前後方向では、図8等に示すように、基板2の両側に配置されている。また、図3に示すように、搬送方向では、複数の基板案内部13が所定の間隔S(たとえば、4mm〜5mmの間隔)をあけて、隣接するように配置されている。各基板案内部13間に間隔Sが設けられているため、樹脂硬化装置1内の温度が上昇して、基板案内部13が熱膨張しても、隣接する基板案内部13同士は接触しない。なお、基板案内部13の搬送方向の長さはたとえば、約120cmである。
【0038】
基板支持部材15は、図6、7に示すように、細長い略直方体形状に形成されている。この基板支持部材15の上面には、上方向に突出して基板2を支持する基板支持突起15aが複数形成されている。具体的には、搬送方向(図6の左右方向)に所定の間隔P2をあけた状態で、複数の基板支持突起15aが形成されている。すなわち、基板支持部材15の上面側には、所定の間隔P2をあけた状態で、複数の基板支持突起15aが配置されている。たとえば、基板支持部材15の上面側には、約60個の基板支持突起15aが配置されている。
【0039】
また、基板支持突起15aは、図8等に示すように、前後方向における内側に形成され、前後方向において、基板2の両端側部分に配置されている。具体的には、基板支持突起15aは、前後方向において、基板2の、パーフォレーション2aが形成された部分あるいはその近傍を支持する位置に配置されている。
【0040】
複数の基板支持突起15aの間隔(形成間隔)P2は一定となっている。本形態では、この基板支持突起15aの形成間隔P2と、基板2に形成されたパーフォレーション2aの形成間隔P1(図2参照)とが異なっている。たとえば、基板支持突起15aの形成間隔P2は、20mmであり、パーフォレーション2aの形成間隔P1は、4.75mmである。
【0041】
基板支持突起15aの上端には、基板2が載置される平面状の基板載置部15bが形成されている。また、搬送方向における基板載置部15bの両側には、図6に示すように、基板支持突起15aよりも上方を曲率中心として曲面状に加工された曲面加工部15cが形成されている。すなわち、基板支持突起15aの両側面は、曲面加工部15cとなっている。なお、基板載置部15bの表面には、基板2との接触抵抗を低減するために、潤滑性被膜が形成されても良い。
【0042】
搬送方向における基板載置部15bの幅H2は、基板2に形成されたパーフォレーション2aの搬送方向の幅H1(図2参照)よりも広く形成されている。たとえば、基板載置部15bの幅H2は2mmであり、パーフォレーション2aの幅H1は1.98mmである。なお、基板支持部材15に形成された複数の基板載置部15bの幅H2の総和は、基板支持部材15の搬送方向の長さの約10%程度となっている。
【0043】
また、前後方向における基板載置部15bの幅は、前後方向における基板支持突起15aの下端の幅よりも狭く形成されている。具体的には、図7に示すように、前後方向における基板支持突起15aの一方側には、下側に向かって広がるように傾斜する傾斜面15dが形成され、基板支持突起15aの他方側には、下側に向かって広がる1段の段部15eが形成されている。図8に示すように、基板支持部材15は、前後方向において傾斜面15dが内側を向くように配置されている。
【0044】
本形態の基板支持部材15は、切削加工あるいはワイヤー放電加工によって形成される。たとえば、切削加工で基板支持部材15が形成される場合には、まず、搬送方向で、傾斜面15dおよび段部15eの切削加工が行われる。その後、複数の基板支持部材15を前後方向に重ねた状態で、前後方向で、複数の基板支持部材15の曲面加工部15cおよび隣り合う曲面加工部15c間の切削加工が行われる。なお、基板支持部材15は、金型成型によって形成されても良い。
【0045】
幅方向規制部材16も、基板支持部材15と同様に、細長い略直方体形状に形成されている。図8に示すように、前後方向における幅方向規制部材16の内側の側面(内側面)の上端には、内側へ向かって突出する突出部16aが形成されている。この突出部16aと基板支持突起15aとが上下方向で所定の間隔をあけて対向するように、幅方向規制部材16は、基板支持部材15に載置されて固定されている。
【0046】
幅方向規制部材16の内側面は、前後方向での基板2の動きを規制して、搬送方向へ適切に基板2を案内する機能を果たしている。また、突出部16aは、基板2の上方への逃げを防止する機能を果たしている。なお、図8に示すように、幅方向規制部材16の内側面と基板支持突起15aとの間には、凹部17が形成される。この凹部17によって、基板2の搬送時における基板案内部13と基板2との摺動抵抗が軽減される。
【0047】
基板当接部材14は、図10に示すように、板状の金属部材で形成されるとともに、曲げ加工によって略溝形状に形成されている。この基板当接部材14は、前後方向では、図8に示すように、基板2の両側に配置されている。また、基板当接部材14の搬送方向の長さは、図3に示すように、基板案内部13の搬送方向の長さに比べて短くなっており、図9に示すように、搬送方向では、複数の基板当接部材14が一定の間隔P3で離間した状態で配置されている。
【0048】
図8および図10に示すように、基板当接部材14には、基板案内部13が配置される溝部14aが形成されるとともに、基板当接部材14は、図10(A)における溝部14aの右側に形成される第1側面部14bと、図10(A)における溝部14aの左側に形成される第2側面部14cと、第1側面部14bの図示上端から右方向に向かって形成された水平面部14dと、水平面部14dの図示右端から上方向に向かって形成された第3側面部14eとを備えている。
【0049】
第2側面部14cには、図10に示すように、ネジ孔14fが形成されている。そして、図8等に示すように、外側からネジ孔14fに螺合されたネジ19によって、溝部14aに配置された基板案内部13に第1側面部14bが押し付けられた状態で、基板当接部材14は、基板案内部13に取り付けられている。すなわち、基板当接部材14は、ネジ19によって、基板案内部13に着脱可能に取り付けられている。
【0050】
第3側面部14eは、図8に示すように、基板支持突起15aとともに、基板2の下面(電子部品3が実装されていない面)に当接して基板2を支持している。この第3側面部42eは、基板2の下面に当接して主として基板2の幅方向のたるみを抑制する機能を果たしている。なお、第3側面部14eの厚み(図8の横方向の幅)はたとえば、2mmとなっている。
【0051】
第3側面部14eの上面は、基板2に当接する当接面14gとなっている。この当接面14gは、図10(C)に示すように、図示左右方向(基板2の搬送方向)で円弧状に変化する曲面状に形成されている。たとえば、この当接面14gの曲率半径Rは、20mmとなっている。
【0052】
第3側面部14eは、図8に示すように、前後方向において、基板支持突起15aの内側に配置されている。また、第3側面部14eは、基板2の、電子部品3が実装された実装部分2aを避けた位置に当接するように配置されている。すなわち、図8の左右両側に配置される第3側面部14eは、基板2の中央部分を避けた位置に配置されるとともに、基板2の幅方向において、実装部分2aの両側に配置されている。
【0053】
また、基板案内部13は、図3から図5に示すように、樹脂硬化装置1を構成する所定の取付面1aに固定された取付架台20に、スライド部材21、22および取付ブラケット23を介して取り付けられている。
【0054】
取付ブラケット23は、図5等に示すように、L形状に形成された板状の部材である。この取付ブラケット23には、基板案内部13が固定されている。具体的には、取付ブラケット23には、前後方向における基板案内部13の外側の面が、ネジ24によって固定されている。
【0055】
スライド部材21、22はともに略直方体のブロック状の部材である。このスライド部材21、22の上面には、図5に示すように、基板案内部13が取り付けられた取付ブラケット23がそれぞれ固定されている。具体的には、スライド部材21の上面には、樹脂硬化装置1の前面側に配置される基板案内部13が取り付けられた取付ブラケット23が固定され、スライド部材22の上面には、樹脂硬化装置1の後面側に配置される基板案内部13が取り付けられた取付ブラケット23が固定されている。
【0056】
スライド部材21、22にはそれぞれ、前後方向でスライド部材21、22を位置決めするための位置決め孔21a、22aが形成されている。具体的には、位置決め孔21a、22aは、スライド部材21、22の前面側に形成されている。また、スライド部材21、22は、図4等に示すように、取付架台20に形成された後述のスライド溝20aの中に、隣接した状態で配設されている。このスライド部材21、22は、スライド溝20aの中で前後方向にスライド可能とされている。そして、スライド部材21、22をスライドさせることで、基板2の幅に応じて、前後方向における基板案内部13の配置位置を変更できる。
【0057】
取付架台20は、図3等に示すように、2つのスライド部材21、22を前後方向へスライドさせるためのスライド溝20aが形成されたスライド支持部20bを備えている。スライド溝20aの底部には、図5等に示すように、スライド部材21の位置決め孔21aとともに、前後方向におけるスライド部材21の位置決めを行うための3つの位置決め孔20cが形成されている。また、図4に示すように、スライド溝20aの底部には、スライド部材22の位置決め孔22aとともに、前後方向におけるスライド部材22の位置決めを行うための3つの位置決め孔20dが形成されている(図4では、位置決め孔22aに重なる位置決め孔20dの図示は省略)。すなわち、本形態の樹脂硬化装置1では、幅がそれぞれ異なる3種類の基板2の案内および支持が可能となっている。
【0058】
第2搬送路L2および第3搬送路L3も、第1搬送路L1と同様に、基板案内機構8と加熱機構9とを備えている。また、第2搬送路L2、第3搬送路L3に設けられた基板案内部13も、上述した取付架台20とほぼ同様の取付架台に、スライド部材21、22および取付ブラケット23を介して取り付けられている。そのため、ここでは、第2搬送路L2および第3搬送路L3の詳細な説明は省略する。
【0059】
なお、第2搬送路L2では、第1反転ローラ6で表裏が反転された基板2が搬送されるため、第2搬送路L2に設けられた基板支持突起15aおよび第3側面部14eは、基板2の、電子部品3が実装された面に当接して、基板2を支持する。また、第3搬送路L3では、第2反転ローラ7でさらに表裏が反転された基板2が搬送されるため、第3搬送路L3に設けられた基板支持突起15aおよび第3側面部14eは、基板2の、電子部品3が実装されていない面に当接して、基板2を支持する。
【0060】
また、上述のように、基板2の、電子部品3が実装された面には配線が形成されている。この配線は保護膜に覆われてはいるものの、基板2の、配線が形成された電子部品3の実装面が、基板2の搬送時に、基板支持突起15aや第3側面部14eと擦れるのは好ましくない。そのため、第2搬送路L2では、基板案内機構8の設置が省略される場合がある。なお、基板案内機構8が、第1搬送路L1のみに設けられ、第2および第3搬送路L2、L3には設けられない場合もある。
【0061】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、搬送される基板2が、搬送方向に所定の間隔P2をあけた状態で配置される複数の基板支持突起15aによって支持されている。そのため、基板2と基板案内機構8との間に生じる搬送抵抗を低減できる。すなわち、搬送方向に連続して形成される基板2の支持部によって基板2が支持されている場合と比較して、基板2と基板案内機構8との接触面積を低減できるため、基板2と基板案内機構8との間の摩擦力や基板2の表面の粘着力等の影響で基板2と基板案内機構8との間に生じる搬送抵抗を低減できる。したがって、より小さな搬送力で基板2を搬送することが可能になり、薄型化する基板2が搬送される場合あっても、基板2の損傷の発生を抑制できる。また、基板2と基板案内機構8との間に生じる搬送抵抗を低減できるため、基板2の円滑な搬送が可能になる。その結果、基板2の搬送方向でのたるみを抑制できるとともに、基板2の変形を抑制して、基板案内機構8からの基板2の端部の外れを防止できる。
【0062】
本形態では、基板支持部材15の上面に、基板支持突起15aが複数形成されている。すなわち、複数の基板支持突起15aが一体で形成されている。そのため、複数の基板支持突起15aが別体で形成される場合と比較して、基板支持突起15aの取扱いが容易になる。また、複数の基板支持突起15aが一体で基板支持部材15に形成されているため、複数の基板支持突起15a間の位置出しが不要になり、その結果、樹脂硬化装置1の組立が容易になる。
【0063】
本形態では、基板支持突起15aの上端に形成された基板載置部15bは、平面状に形成されている。そのため、基板2が載置される基板載置部15bの高さを容易かつ適切に揃えることができる。すなわち、基板載置部15bの容易かつ適切なレベル出しが可能になる。
【0064】
本形態では、基板2の幅方向における基板載置部15bの幅は、基板2の幅方向における基板支持突起15aの下端の幅よりも狭く形成されている。そのため、基板2と基板案内機構8との接触面積を低減でき、その結果、基板2の搬送抵抗を低減できる。また、基板支持突起15aの下端の幅が広く形成されているため、基板支持突起15aの強度を上げることができる。したがって、基板支持突起15aの加工時の変形や熱変形を防止できる。また、基板支持突起15aの損傷を防止できる。
【0065】
本形態では、基板支持突起15aは、前後方向において、基板2の両端側部分に配置されている。具体的には、基板支持突起15aは、前後方向において、基板2の、パーフォレーション2aが形成された部分あるいはその近傍を支持する位置に配置されている。そのため、基板支持突起15aと基板2とが接触することで生じうる電子部品3や配線等の損傷を防止できる。
【0066】
本形態では、基板支持突起15aの形成間隔P2と、基板2に形成されたパーフォレーション2aの形成間隔P1とが異なっている。また、搬送方向における基板載置部15bの幅H2は、搬送方向におけるパーフォレーション2aの幅H1よりも広く形成されている。そのため、基板2を精度良く搬送するために、基板2にパーフォレーション2aが形成されている場合であっても、基板支持突起15aがパーフォレーション2aに嵌まりにくくなる。その結果、基板支持突起15aが基板2の搬送の障害となることはない。すなわち、本形態では、基板2を適切に搬送することができる。
【0067】
本形態では、基板案内機構8は、基板支持突起15aとともに、基板2を支持する基板当接部材14を備えている。そのため、薄型化してたるみやすくなる基板2のたるみを抑制でき、基板案内機構8から基板2の端部が外れるのを防止できる。特に、本形態では、基板当接部材14は、基板2の幅方向において、実装部分2aの両側かつその近傍に配置されている。そのため、基板2にたるみを生じさせる主原因となる電子部品3の、基板2の幅方向における両側かつその近傍を基板当接部材14で支持できる。その結果、基板2のたるみを効果的に抑制できる。
【0068】
(他の実施の形態)
上述した形態では、基板2としてCOFテープが用いられている。この他にもたとえば、上述したように、基板2はTABテープであっても良い。以下、基板2がTABテープである場合の構成を説明する。
【0069】
図11は、図1に示す基板2がTABテープである場合における基板2の断面を示す断面図である。図12は、図11のN−N方向から電子部品3の周辺を示す図である。なお、図12では、樹脂28の図示を省略している。また、図12のR−R断面が、図11の電子部品3およびその周辺部に対応する。さらに、図11では、断面部分のハッチングの図示を省略している。
【0070】
図11、図12に示すように、基板2がTABテープである場合、基板2には、たとえば、IC等の矩形状の電子部品3が実装されている。この電子部品3は、基板2に形成されたデバイスホール2cに端部が延在するインナーリード27の電極27aに接続されて、基板2に実装されている。また、基板2がTABテープである場合、基板2の上方からデバイスホール2cへ塗布された樹脂28は、デバイスホール2cに充満し、さらにインナーリード27を越えて電子部品3の能動面(図11の上面)を覆い、電子部品3の能動面が封止(シール)している。なお、図11に示すように、電子部品3が下側になった状態で、基板2は、樹脂硬化装置1へ搬入される。
【0071】
上述した形態では、基板案内部13は、ブロック状に形成された基板支持部材15や幅方向規制部材16等によって構成されている。この他にもたとえば、基板2の幅方向の両端を搬送方向へ案内する基板案内部は、図13に示すような基板案内部33であっても良い。すなわち、ブロック状に形成された基部34と、平板状に形成され、基板2を下側から支持する基板支持部材35と、L形の板状に形成され、前後方向における基板2の動きを規制するとともに、基板2の上方への逃げを防止する幅方向規制部材36とを備える基板案内部33によって、基板2が案内されても良い。この基板案内部33では、基板支持部材35と幅方向規制部材36とが、その間にスペーサ37を挟んだ状態でネジ38によって基部34に固定されている。
【0072】
この場合、基板支持部材35は、搬送方向を長手方向として配置される長尺状に形成されている。また、基板支持部材35の上端には、基板2を支持する複数の基板支持突起35aが上方向へ突出するように形成されている。
【0073】
上述した形態では、長尺状に形成された基板支持部材15の上面に基板支持突起15aが複数形成されている。この他にもたとえば、搬送方向における基板支持部材15の長さが短く形成されるとともに、1個の基板支持部材15に1個の基板支持突起15aが形成されても良い。すなわち、複数の基板支持突起15aが一体で形成されるのではなく、複数の基板支持突起15aが個別に形成されても良い。また、図13において、基板支持部材35がたとえば、円板状に形成されるとともに、搬送方向に所定の間隔をあけた状態で、複数の基板支持部材35が基部34に固定されても良い。この場合には、基板支持部材35の上端側部分が基板支持突起に相当する。
【0074】
上述した形態では、基板載置部15bは、平面状に形成されている。この他にもたとえば、基板載置部15bは、上方向に向かって膨らむ曲面状に形成されても良い。また、平面部分と曲面部分との組合せにより基板載置部15bが形成されても良い。
【0075】
上述した形態では、基板案内機構8は、基板当接部材14を備えているが、基板案内機構8は、基板当接部材14を備えていなくても良い。この場合には、基板支持突起15aは、前後方向において、図8に示す状態より内側に配置されても良い。すなわち、基板2の、パーフォレーション2aが形成された部分あるいはその近傍以外の位置を基板支持突起15aが支持しても良い。また、基板2の幅方向の一方の基板当接部材14が取り外されて、実装部分2aの片側にのみ、第3側面部14eが配置されても良い。
【0076】
上述した形態では、複数の基板支持突起15aは、一定の形成間隔P2で形成されているが、複数の基板支持突起15aは必ずしも一定の形成間隔P2で形成されなくても良い。たとえば、基板支持突起15a間ごとに異なる間隔で基板支持突起15aが形成されても良い。また、基板載置部15bの搬送方向の幅H2はたとえば、基板支持突起15aごとに異なっても良い。
【0077】
上述した形態では、前後方向における基板支持突起15aの一方側には傾斜面15dが形成され、基板支持突起15aの他方側には段部15eが形成されている。この他にもたとえば、前後方向における基板支持突起15aの両側に、傾斜面15dが形成されても良いし、前後方向における基板支持突起15aの両側に、段部15eが形成されても良い。
【0078】
上述した樹脂硬化装置1では、基板当接部材14が一定の間隔P3で離間した状態で搬送方向に配置されている。この他にもたとえば、基板2の搬送方向における第1、第2反転ローラ6、7の前後部分に配置される基板当接部材14の間隔を、第1、第2反転ローラ6、7の前後部分を除いた他の部分に配置される基板当接部材14の間隔よりも狭くしても良い。
【0079】
上述した形態では、テープ状の基板2に実装された電子部品3を封止、固定するための樹脂を硬化する樹脂硬化装置1を用いて本発明の実施の形態にかかる基板案内機構8を説明している。この他にもたとえば、基板2に実装された電子部品3を封止、固定するための樹脂を塗布する樹脂塗布装置に上述した基板案内機構8を用いても良い。また、電子部品に超音波振動を与えながら基板に電子部品を圧接して接合する電子部品の超音波接合装置や、基板に転写されたフラックスに半田ボール等の導電性を有するボールを搭載するボール搭載装置、あるいは、UVインクやレーザで基板上に印字を行う印字装置等の基板の搬送が行われる各種の装置に、基板案内機構8を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態にかかる樹脂硬化装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の樹脂硬化装置内を搬送される基板を示す図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図3】図1のE部を拡大して示す拡大図である。
【図4】図3のF−F方向から取付架台への基板案内部の取付部分を示す平面図である。
【図5】図4のG−G断面を示す断面図である。
【図6】図5のJ−J方向から基板支持部材を示す図である。
【図7】図6のK−K断面を示す断面図である。
【図8】図3のM部を上流側から見たときの断面を拡大して示す拡大断面図である。
【図9】図1に示す樹脂硬化装置における基板当接部材の配置関係を示す図である。
【図10】図8に示す基板当接部材を示す図であり、(A)は正面図、(B)は(A)の左側面図、(C)は(A)の右側面図である。
【図11】図1に示す基板がTABテープである場合における基板の断面を示す断面図である。
【図12】図11のN−N方向から電子部品の周辺を示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態にかかる基板案内部の一部を拡大して示す拡大図である。
【符号の説明】
【0081】
1 樹脂硬化装置
2 基板
2a パーフォレーション
8 基板案内機構
9 加熱機構
14 基板当接部材
15、35 基板支持部材
15a、35a 基板支持突起
15b 基板載置部
H1 幅(搬送方向におけるパーフォレーションの幅)
H2 幅(搬送方向における基板支持突起の幅)
P1 形成間隔(パーフォレーションの形成間隔)
P2 形成間隔(基板支持突起の形成間隔)
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定方向へ搬送されるテープ状の基板を案内する基板案内機構、および、この基板案内機構を備える樹脂硬化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、フレキシブルなテープ状の基板に実装された半導体チップ等を封止、固定するための樹脂を塗布する樹脂塗布装置と、塗布された樹脂を加熱して硬化する樹脂硬化装置と、樹脂塗布装置に対してテープ状の基板を供給する基板供給装置と、樹脂硬化装置から搬出される基板を巻き取る基板巻取装置とを備えた樹脂塗布システムが知られている(たとえば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1および特許文献2に開示された樹脂塗布システムでは、樹脂硬化装置の上流側に配置される搬送ローラと、樹脂硬化装置の下流側に配置される搬送ローラとによって、樹脂硬化装置内の基板の搬送が行われている。すなわち、樹脂塗布装置に配設された搬送ローラで基板を下流側へ送るとともに、基板巻取装置に配設された搬送ローラで基板を引っ張ることで、樹脂硬化装置での基板の搬送が行われている。また、特許文献1および特許文献2に開示された樹脂硬化装置は、基板の幅方向の両端部分を案内する基板案内部を備えている。この基板案内部によって、基板の幅方向の両端部分が適切に案内されるため、特許文献1の樹脂硬化装置では、適切な基板の搬送が可能となる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−122753号公報
【特許文献1】特開2005−206363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および特許文献2に記載された樹脂硬化装置のように、基板の幅方向の両端部分を案内する基板案内部を備えていると、樹脂硬化装置での基板の適切な搬送が可能になる。しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された樹脂塗布システム等で用いられるテープ状の基板は年々、薄型化している。この基板の薄型化に伴い、従来は、あまり問題とならなかった基板の下面と基板案内部との間に生じる搬送抵抗の影響が無視できなくなる状況が生じつつある。
【0006】
すなわち、樹脂硬化装置では、基板の下面と基板案内部との間に生じる搬送抵抗よりも大きな搬送力で基板を搬送する必要がある。換言すると、基板巻取装置に配設された搬送ローラによって、基板の下面と基板案内部との間の搬送抵抗よりも大きな力で基板を引っ張る必要がある。一方で、基板の薄型化によって基板の剛性が低下するため、従来のような力で基板を引っ張ると、基板に損傷が生じやすくなる。特に、樹脂硬化装置の中では、基板が加熱されるため、基板の剛性が低下しやすく、その結果、基板に損傷が生じやすくなる。
【0007】
このように、基板が年々、薄型化する状況下においては、従来の基板案内部によって基板を案内すると、基板の損傷を抑制することは困難になってくる。
【0008】
そこで、本発明の課題は、薄型化する基板が搬送される場合あっても、基板の損傷の発生を抑制できる構成を有する基板案内機構およびこの基板案内機構を備える樹脂硬化装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は、所定方向へ搬送されるテープ状の基板を搬送方向へ案内する基板案内機構において、基板を支持するとともに、搬送方向に所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の基板案内機構では、搬送される基板が、搬送方向に所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起によって支持されている。そのため、基板と基板案内機構との間に生じる搬送抵抗を低減できる。すなわち、たとえば、搬送方向に連続して形成される基板の支持部によって基板が支持されている場合には、この支持部と基板との接触面積が大きくなり、この支持部と基板との間に生じる搬送抵抗が大きくなる。これに対して、本発明では、所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起によって基板が支持されているため、基板と基板案内機構との接触面積を低減でき、基板と基板案内機構との間に生じる搬送抵抗を低減できる。したがって、従来よりも小さな搬送力で基板を搬送することが可能になる。その結果、本発明の基板案内機構では、薄型化する基板が搬送される場合あっても、基板の損傷の発生を抑制できる。
【0011】
本発明において、基板支持突起は、搬送方向を長手方向として配置される長尺状の基板支持部材に複数形成されていることが好ましい。このように構成すると、基板支持突起の取扱いが容易になる。また、複数の基板支持突起が一体で基板支持部材に形成されるため、複数の基板支持突起間の位置出し(位置合せ)が不要になり、基板案内機構の組立が容易になる。
【0012】
本発明において、基板支持突起の上端には、基板が載置される基板載置部が形成され、基板載置部は平面状に形成されていることが好ましい。このように構成すると、基板が載置される基板載置部の高さを容易かつ適切に揃えることができる。すなわち、基板載置部の容易かつ適切なレベル出しが可能になる。
【0013】
本発明において、基板支持突起の上端には、基板が載置される基板載置部が形成され、搬送方向に直交する基板の幅方向における基板載置部の幅は、基板の幅方向における基板支持突起の下端の幅よりも狭く形成されていることが好ましい。このように構成すると、基板と基板案内機構との接触面積をさらに低減でき、その結果、基板の搬送抵抗をさらに低減できる。また、基板支持突起の下端の幅が広く形成されるため、基板支持突起の強度を上げることができる。その結果、基板支持突起の変形や損傷を防止できる。
【0014】
本発明において、基板支持突起は、搬送方向に直交する基板の幅方向において、基板の両端側部分に配置されていることが好ましい。基板の幅方向における基板の中央位置には、電子部品が実装されたり、電子部品に接続される配線が形成されるため、このように構成すると、基板支持突起と基板とが接触することで生じうる電子部品や配線等の損傷を防止できる。
【0015】
本発明において、基板支持突起は、搬送方向に一定間隔で形成されるとともに、基板の幅方向における基板の両端側部分には、基板を搬送する際に使用可能なパーフォレーションが搬送方向に一定間隔で複数形成され、基板支持突起の形成間隔と、パーフォレーションの形成間隔とが異なることが好ましい。このように構成すると、パーフォレーションに係合する係合突起を備える基板の搬送手段を利用して精度良く基板を搬送することが可能になる。また、このように構成すると、基板支持突起の形成間隔とパーフォレーションの形成間隔とが異なるため、基板にパーフォレーションが形成される場合であっても、基板支持突起はパーフォレーションに嵌まりにくくなり、基板支持突起が基板の搬送の障害となる可能性が低減される。その結果、基板の適切な搬送が可能になる。
【0016】
本発明において、基板支持突起の上端には、基板が載置される基板載置部が形成されるとともに、基板の幅方向における基板の両端側部分には、基板を搬送する際に使用可能なパーフォレーションが搬送方向に一定間隔で複数形成され、搬送方向における基板載置部の幅は、搬送方向におけるパーフォレーションの幅よりも広く形成されていることが好ましい。このように構成すると、パーフォレーションに係合する係合突起を備える基板の搬送手段を利用して精度良く基板を搬送することが可能になる。また、このように構成すると、搬送方向における基板載置部の幅がパーフォレーションの幅よりも広く形成されているため、基板にパーフォレーションが形成される場合であっても、基板支持突起はパーフォレーションに嵌まりにくくなり、基板支持突起が基板の搬送の障害となる可能性が低減される。その結果、基板の適切な搬送が可能になる。
【0017】
本発明において、基板案内機構は、搬送方向に直交する基板の幅方向において、基板支持突起よりも内側に配置され、基板支持突起とともに、基板を支持する基板当接部材を備えることが好ましい。このように構成すると、薄型化してたるみやすくなる基板のたるみを抑制することが可能になる。
【0018】
本発明の基板案内機構は、基板上に塗布された樹脂を加熱して硬化する加熱機構を備える樹脂硬化装置に用いることができる。この樹脂硬化装置では、薄型化する基板が搬送される場合あっても、基板の損傷の発生を抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明にかかる基板案内機構および樹脂硬化装置では、薄型化する基板が搬送される場合あっても、基板の損傷の発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0021】
(樹脂硬化装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる樹脂硬化装置1の概略構成を示す図である。図2は、図1の樹脂硬化装置1内を搬送される基板2を示す図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【0022】
本形態の樹脂硬化装置1は、テープ状の基板2に実装された半導体チップ等の電子部品3を封止、固定するために、基板2に塗布された熱硬化性の樹脂を加熱して硬化する加熱炉である。この樹脂硬化装置1は、たとえば、基板2に樹脂を塗布して樹脂硬化装置1に向かって基板2を搬出する樹脂塗布装置(図示省略)と、樹脂塗布装置に対して基板2を供給する基板供給装置(図示省略)と、樹脂硬化装置1から搬出される基板2を巻き取る基板巻取装置(図示省略)とを備える樹脂塗布システムに用いられる。この樹脂塗布システムは、たとえば、基板供給装置に配置される基板供給リールに巻回された基板2と、基板巻取装置に配置される基板巻取リールに巻回される基板2とがつながった、いわゆるリール・ツウ・リールの樹脂塗布システムである。
【0023】
樹脂硬化装置1は、図1に示すように、基板2が搬送される第1から第3搬送路L1、L2、L3と、第1から第3搬送路L1、L2、L3のそれぞれの間を仕切る2つの仕切部材5、5と、基板2の表裏を反転させるとともに基板2の搬送方向を反転させる第1および第2反転ローラ6、7とを備えている。
【0024】
なお、樹脂硬化装置1では、図1の左側から基板2が搬入され、図1の右側へ基板2が搬出されるため、以下では、図1の左右方向を「搬送方向」とし、特に、図1の左側を「上流側」、図1の右側を「下流側」とする。また、以下では、図1の紙面垂直方向を「前後方向」とし、特に紙面手前側を「前面側」、紙面奥側を「後面側」とする。また、前後方向は、基板2の搬送方向に直交する基板2の幅方向となるため、以下では、前後方向を「基板2の幅方向」と表記することもある。
【0025】
図2に示すように、樹脂硬化装置1に搬入される基板2には、電子部品3が実装されている。すなわち、基板2に形成された電極部(図示省略)には、電子部品3の端子部(図示省略)が電気的に接続されている。具体的には、基板2には、搬送方向に所定の間隔で複数の電子部品3が実装されるとともに、基板2の幅方向の略中央部分に電子部品3が実装されている。また、基板2の、電子部品3が実装された部分には、熱硬化性の樹脂が塗布されている。
【0026】
基板2は、フレキシブルな樹脂基板であるCOF(Chip On Film or Chip On Flexible Circuit Board)テープやTAB(Tape Automated Bonding)テープ等の基板である。本形態では、基板2としてCOFテープが用いられている。そのため、図2(A)に示すように、電子部品3は、基板2の一方の面(図2では上面)に実装されている。また、電子部品3が実装される基板2の一方の面には、保護膜で覆われた配線が形成されている。この基板2は、たとえば、ポリイミドで形成されている。
【0027】
基板2の幅方向における両端側部分には、図2(B)に示すように、複数のパーフォレーション2aが搬送方向に一定の間隔(形成間隔)P1で基板2を貫通するように形成されている。樹脂硬化装置1の上流側および下流側に配置される基板2の搬送手段(図示省略)に、基板2を搬送するための係合突起が設けられている場合には、この係合突起がパーフォレーション2aに係合して、基板2を搬送する。たとえば、基板2の搬送手段を構成する搬送ローラに係合突起が形成されている場合には、この係合突起がパーフォレーション2aに係合して、基板2を搬送する。このように、パーフォレーション2aを使用して、基板2を搬送すると、所定の距離だけ精度良く基板2を搬送することが可能になる。なお、基板2の搬送手段には、係合突起が設けられていなくても良い。すなわち、係合突起が形成されていない搬送ローラによって基板2が搬送されても良い。
【0028】
本形態では、厚さがたとえば、20μm、25μm、30μm、50μm、75μmあるいは125μmであり、幅(基板2の短手方向の幅)がたとえば、35mm、48mm、あるいは70mmである種々の基板2が樹脂硬化装置1内を搬送される。本形態では、特に薄型でかつ幅の広い基板2が搬送され、その厚さは50μm以下で、その幅は48mmや70mmとなっている。具体的には、基板2は、幅が70mmであれば、厚さが50μm以下であり、幅が48mmであれば、厚さは30μm以下である。なお、基板処理システム1で扱う基板2の厚さは50μm以下には限定されず、また、基板2の幅は35mmやその他の値のものであっても良い。
【0029】
第1から第3搬送路L1、L2、L3は、樹脂硬化装置1の内部において、下側からこの順番で配置されている。また、第1から第3搬送路L1、L2、L3は、樹脂硬化装置1内で搬送される基板2を搬送方向に案内する基板案内機構8(図1では図示省略、図3参照)と、基板2上に塗布された樹脂を加熱して硬化するための加熱機構9(図1では図示省略、図3参照)とを備えている。この第1から第3搬送路L1、L2、L3の詳細な構成については後述する。
【0030】
第1反転ローラ6および/または第2反転ローラ7は、樹脂硬化装置1内部の基板2に張力が付与されるように、図示を省略するバネ等の付勢部材によって、搬送方向に付勢されている。たとえば、第1反転ローラ6が固定され、第2反転ローラ7が上流側に付勢されている。また、第1反転ローラ6および/または第2反転ローラ7によって、樹脂硬化装置1内を搬送される基板2にはたとえば、200gfの張力が付与されている。
【0031】
樹脂硬化装置1では、搬入された基板2は、まず、矢印X方向へ第1搬送路L1を通過して搬送され、その後、第1反転ローラ6で反転される。反転された基板2は、矢印Y方向(上流側へ向かう方向)へ第2搬送路L2を通過して搬送され、その後、第2反転ローラ7で再び反転される。反転された基板2は、矢印X方向へ第3搬送路L3を通過して搬送され、樹脂硬化装置1から搬出される。本形態では、基板2は、たとえば、樹脂硬化装置1の上流側および下流側に配置される基板2の搬送手段(図示省略)によって、15〜200mm/secの速度で樹脂硬化装置1内を間欠的に搬送される。
【0032】
(第1から第3搬送路の構成)
図3は、図1のE部を拡大して示す拡大図である。図4は、図3のF−F方向から取付架台20への基板案内部13の取付部分を示す平面図である。図5は、図4のG−G断面を示す断面図である。図6は、図5のJ−J方向から基板支持部材15を示す図である。図7は、図6のK−K断面を示す断面図である。図8は、図3のM部を上流側から見たときの断面を拡大して示す拡大断面図である。図9は、図1に示す樹脂硬化装置1における基板当接部材14の配置関係を示す図である。図10は、図8に示す基板当接部材14を示す図であり、(A)は正面図、(B)は(A)の左側面図、(C)は(A)の右側面図である。なお、図4、5では、基板2の図示を省略し、図8では、断面部分のハッチングの図示を省略している。
【0033】
第1搬送路L1は、上述のように、樹脂硬化装置1内で搬送される基板2を搬送方向に案内する基板案内機構8と、基板2上に塗布された樹脂を加熱して硬化するための加熱機構9とを備えている。
【0034】
加熱機構9は、図3および図8に示すように、基板2の上方に配置され、基板2を加熱する発熱体11と、この発熱体11の下方でかつ基板2の上方に配置され、発熱体11からの熱を拡散する熱拡散板12とから構成されている。発熱体11は、たとえば、セラミックヒータ等の赤外線ヒータである。また、熱拡散板12は、熱伝導性に優れた金属板等で形成されている。図3に示すように、熱拡散板12は、第1搬送路L1の搬送方向のほぼ全域に亘って連続的に配置されている。また、複数の発熱体11が、搬送方向に所定の間隔をあけて配置されている。
【0035】
基板案内機構8は、図8に示すように、基板2の幅方向の両端を搬送方向へ案内する基板案内部13と、基板案内部13に取り付けられ、下側から基板2に当接して基板2を支持する基板当接部材14とを備えている。
【0036】
基板案内部13は、図8に示すように、基板当接部材14とともに、基板2を下側から支持する基板支持部材15と、主として、前後方向(基板2の幅方向)における基板2の動きを規制する幅方向規制部材16とを備えている。図3等に示すように、基板支持部材15および幅方向規制部材16は、搬送方向を長手方向として配置される長尺状の細長いブロック部材である。すなわち、基板案内部13は、全体として、搬送方向を長手方向して配置される細長いブロック部材である。また、基板支持部材15および幅方向規制部材16は、たとえば、ステンレス鋼等の金属部材で形成されている。なお、樹脂硬化装置1内での熱膨張による変形を抑制するために、基板支持部材15および幅方向規制部材16は、熱膨張率が小さい鉄ニッケル合金であるインバー材(不変鋼)で形成されても良い。
【0037】
基板案内部13は、前後方向では、図8等に示すように、基板2の両側に配置されている。また、図3に示すように、搬送方向では、複数の基板案内部13が所定の間隔S(たとえば、4mm〜5mmの間隔)をあけて、隣接するように配置されている。各基板案内部13間に間隔Sが設けられているため、樹脂硬化装置1内の温度が上昇して、基板案内部13が熱膨張しても、隣接する基板案内部13同士は接触しない。なお、基板案内部13の搬送方向の長さはたとえば、約120cmである。
【0038】
基板支持部材15は、図6、7に示すように、細長い略直方体形状に形成されている。この基板支持部材15の上面には、上方向に突出して基板2を支持する基板支持突起15aが複数形成されている。具体的には、搬送方向(図6の左右方向)に所定の間隔P2をあけた状態で、複数の基板支持突起15aが形成されている。すなわち、基板支持部材15の上面側には、所定の間隔P2をあけた状態で、複数の基板支持突起15aが配置されている。たとえば、基板支持部材15の上面側には、約60個の基板支持突起15aが配置されている。
【0039】
また、基板支持突起15aは、図8等に示すように、前後方向における内側に形成され、前後方向において、基板2の両端側部分に配置されている。具体的には、基板支持突起15aは、前後方向において、基板2の、パーフォレーション2aが形成された部分あるいはその近傍を支持する位置に配置されている。
【0040】
複数の基板支持突起15aの間隔(形成間隔)P2は一定となっている。本形態では、この基板支持突起15aの形成間隔P2と、基板2に形成されたパーフォレーション2aの形成間隔P1(図2参照)とが異なっている。たとえば、基板支持突起15aの形成間隔P2は、20mmであり、パーフォレーション2aの形成間隔P1は、4.75mmである。
【0041】
基板支持突起15aの上端には、基板2が載置される平面状の基板載置部15bが形成されている。また、搬送方向における基板載置部15bの両側には、図6に示すように、基板支持突起15aよりも上方を曲率中心として曲面状に加工された曲面加工部15cが形成されている。すなわち、基板支持突起15aの両側面は、曲面加工部15cとなっている。なお、基板載置部15bの表面には、基板2との接触抵抗を低減するために、潤滑性被膜が形成されても良い。
【0042】
搬送方向における基板載置部15bの幅H2は、基板2に形成されたパーフォレーション2aの搬送方向の幅H1(図2参照)よりも広く形成されている。たとえば、基板載置部15bの幅H2は2mmであり、パーフォレーション2aの幅H1は1.98mmである。なお、基板支持部材15に形成された複数の基板載置部15bの幅H2の総和は、基板支持部材15の搬送方向の長さの約10%程度となっている。
【0043】
また、前後方向における基板載置部15bの幅は、前後方向における基板支持突起15aの下端の幅よりも狭く形成されている。具体的には、図7に示すように、前後方向における基板支持突起15aの一方側には、下側に向かって広がるように傾斜する傾斜面15dが形成され、基板支持突起15aの他方側には、下側に向かって広がる1段の段部15eが形成されている。図8に示すように、基板支持部材15は、前後方向において傾斜面15dが内側を向くように配置されている。
【0044】
本形態の基板支持部材15は、切削加工あるいはワイヤー放電加工によって形成される。たとえば、切削加工で基板支持部材15が形成される場合には、まず、搬送方向で、傾斜面15dおよび段部15eの切削加工が行われる。その後、複数の基板支持部材15を前後方向に重ねた状態で、前後方向で、複数の基板支持部材15の曲面加工部15cおよび隣り合う曲面加工部15c間の切削加工が行われる。なお、基板支持部材15は、金型成型によって形成されても良い。
【0045】
幅方向規制部材16も、基板支持部材15と同様に、細長い略直方体形状に形成されている。図8に示すように、前後方向における幅方向規制部材16の内側の側面(内側面)の上端には、内側へ向かって突出する突出部16aが形成されている。この突出部16aと基板支持突起15aとが上下方向で所定の間隔をあけて対向するように、幅方向規制部材16は、基板支持部材15に載置されて固定されている。
【0046】
幅方向規制部材16の内側面は、前後方向での基板2の動きを規制して、搬送方向へ適切に基板2を案内する機能を果たしている。また、突出部16aは、基板2の上方への逃げを防止する機能を果たしている。なお、図8に示すように、幅方向規制部材16の内側面と基板支持突起15aとの間には、凹部17が形成される。この凹部17によって、基板2の搬送時における基板案内部13と基板2との摺動抵抗が軽減される。
【0047】
基板当接部材14は、図10に示すように、板状の金属部材で形成されるとともに、曲げ加工によって略溝形状に形成されている。この基板当接部材14は、前後方向では、図8に示すように、基板2の両側に配置されている。また、基板当接部材14の搬送方向の長さは、図3に示すように、基板案内部13の搬送方向の長さに比べて短くなっており、図9に示すように、搬送方向では、複数の基板当接部材14が一定の間隔P3で離間した状態で配置されている。
【0048】
図8および図10に示すように、基板当接部材14には、基板案内部13が配置される溝部14aが形成されるとともに、基板当接部材14は、図10(A)における溝部14aの右側に形成される第1側面部14bと、図10(A)における溝部14aの左側に形成される第2側面部14cと、第1側面部14bの図示上端から右方向に向かって形成された水平面部14dと、水平面部14dの図示右端から上方向に向かって形成された第3側面部14eとを備えている。
【0049】
第2側面部14cには、図10に示すように、ネジ孔14fが形成されている。そして、図8等に示すように、外側からネジ孔14fに螺合されたネジ19によって、溝部14aに配置された基板案内部13に第1側面部14bが押し付けられた状態で、基板当接部材14は、基板案内部13に取り付けられている。すなわち、基板当接部材14は、ネジ19によって、基板案内部13に着脱可能に取り付けられている。
【0050】
第3側面部14eは、図8に示すように、基板支持突起15aとともに、基板2の下面(電子部品3が実装されていない面)に当接して基板2を支持している。この第3側面部42eは、基板2の下面に当接して主として基板2の幅方向のたるみを抑制する機能を果たしている。なお、第3側面部14eの厚み(図8の横方向の幅)はたとえば、2mmとなっている。
【0051】
第3側面部14eの上面は、基板2に当接する当接面14gとなっている。この当接面14gは、図10(C)に示すように、図示左右方向(基板2の搬送方向)で円弧状に変化する曲面状に形成されている。たとえば、この当接面14gの曲率半径Rは、20mmとなっている。
【0052】
第3側面部14eは、図8に示すように、前後方向において、基板支持突起15aの内側に配置されている。また、第3側面部14eは、基板2の、電子部品3が実装された実装部分2aを避けた位置に当接するように配置されている。すなわち、図8の左右両側に配置される第3側面部14eは、基板2の中央部分を避けた位置に配置されるとともに、基板2の幅方向において、実装部分2aの両側に配置されている。
【0053】
また、基板案内部13は、図3から図5に示すように、樹脂硬化装置1を構成する所定の取付面1aに固定された取付架台20に、スライド部材21、22および取付ブラケット23を介して取り付けられている。
【0054】
取付ブラケット23は、図5等に示すように、L形状に形成された板状の部材である。この取付ブラケット23には、基板案内部13が固定されている。具体的には、取付ブラケット23には、前後方向における基板案内部13の外側の面が、ネジ24によって固定されている。
【0055】
スライド部材21、22はともに略直方体のブロック状の部材である。このスライド部材21、22の上面には、図5に示すように、基板案内部13が取り付けられた取付ブラケット23がそれぞれ固定されている。具体的には、スライド部材21の上面には、樹脂硬化装置1の前面側に配置される基板案内部13が取り付けられた取付ブラケット23が固定され、スライド部材22の上面には、樹脂硬化装置1の後面側に配置される基板案内部13が取り付けられた取付ブラケット23が固定されている。
【0056】
スライド部材21、22にはそれぞれ、前後方向でスライド部材21、22を位置決めするための位置決め孔21a、22aが形成されている。具体的には、位置決め孔21a、22aは、スライド部材21、22の前面側に形成されている。また、スライド部材21、22は、図4等に示すように、取付架台20に形成された後述のスライド溝20aの中に、隣接した状態で配設されている。このスライド部材21、22は、スライド溝20aの中で前後方向にスライド可能とされている。そして、スライド部材21、22をスライドさせることで、基板2の幅に応じて、前後方向における基板案内部13の配置位置を変更できる。
【0057】
取付架台20は、図3等に示すように、2つのスライド部材21、22を前後方向へスライドさせるためのスライド溝20aが形成されたスライド支持部20bを備えている。スライド溝20aの底部には、図5等に示すように、スライド部材21の位置決め孔21aとともに、前後方向におけるスライド部材21の位置決めを行うための3つの位置決め孔20cが形成されている。また、図4に示すように、スライド溝20aの底部には、スライド部材22の位置決め孔22aとともに、前後方向におけるスライド部材22の位置決めを行うための3つの位置決め孔20dが形成されている(図4では、位置決め孔22aに重なる位置決め孔20dの図示は省略)。すなわち、本形態の樹脂硬化装置1では、幅がそれぞれ異なる3種類の基板2の案内および支持が可能となっている。
【0058】
第2搬送路L2および第3搬送路L3も、第1搬送路L1と同様に、基板案内機構8と加熱機構9とを備えている。また、第2搬送路L2、第3搬送路L3に設けられた基板案内部13も、上述した取付架台20とほぼ同様の取付架台に、スライド部材21、22および取付ブラケット23を介して取り付けられている。そのため、ここでは、第2搬送路L2および第3搬送路L3の詳細な説明は省略する。
【0059】
なお、第2搬送路L2では、第1反転ローラ6で表裏が反転された基板2が搬送されるため、第2搬送路L2に設けられた基板支持突起15aおよび第3側面部14eは、基板2の、電子部品3が実装された面に当接して、基板2を支持する。また、第3搬送路L3では、第2反転ローラ7でさらに表裏が反転された基板2が搬送されるため、第3搬送路L3に設けられた基板支持突起15aおよび第3側面部14eは、基板2の、電子部品3が実装されていない面に当接して、基板2を支持する。
【0060】
また、上述のように、基板2の、電子部品3が実装された面には配線が形成されている。この配線は保護膜に覆われてはいるものの、基板2の、配線が形成された電子部品3の実装面が、基板2の搬送時に、基板支持突起15aや第3側面部14eと擦れるのは好ましくない。そのため、第2搬送路L2では、基板案内機構8の設置が省略される場合がある。なお、基板案内機構8が、第1搬送路L1のみに設けられ、第2および第3搬送路L2、L3には設けられない場合もある。
【0061】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、搬送される基板2が、搬送方向に所定の間隔P2をあけた状態で配置される複数の基板支持突起15aによって支持されている。そのため、基板2と基板案内機構8との間に生じる搬送抵抗を低減できる。すなわち、搬送方向に連続して形成される基板2の支持部によって基板2が支持されている場合と比較して、基板2と基板案内機構8との接触面積を低減できるため、基板2と基板案内機構8との間の摩擦力や基板2の表面の粘着力等の影響で基板2と基板案内機構8との間に生じる搬送抵抗を低減できる。したがって、より小さな搬送力で基板2を搬送することが可能になり、薄型化する基板2が搬送される場合あっても、基板2の損傷の発生を抑制できる。また、基板2と基板案内機構8との間に生じる搬送抵抗を低減できるため、基板2の円滑な搬送が可能になる。その結果、基板2の搬送方向でのたるみを抑制できるとともに、基板2の変形を抑制して、基板案内機構8からの基板2の端部の外れを防止できる。
【0062】
本形態では、基板支持部材15の上面に、基板支持突起15aが複数形成されている。すなわち、複数の基板支持突起15aが一体で形成されている。そのため、複数の基板支持突起15aが別体で形成される場合と比較して、基板支持突起15aの取扱いが容易になる。また、複数の基板支持突起15aが一体で基板支持部材15に形成されているため、複数の基板支持突起15a間の位置出しが不要になり、その結果、樹脂硬化装置1の組立が容易になる。
【0063】
本形態では、基板支持突起15aの上端に形成された基板載置部15bは、平面状に形成されている。そのため、基板2が載置される基板載置部15bの高さを容易かつ適切に揃えることができる。すなわち、基板載置部15bの容易かつ適切なレベル出しが可能になる。
【0064】
本形態では、基板2の幅方向における基板載置部15bの幅は、基板2の幅方向における基板支持突起15aの下端の幅よりも狭く形成されている。そのため、基板2と基板案内機構8との接触面積を低減でき、その結果、基板2の搬送抵抗を低減できる。また、基板支持突起15aの下端の幅が広く形成されているため、基板支持突起15aの強度を上げることができる。したがって、基板支持突起15aの加工時の変形や熱変形を防止できる。また、基板支持突起15aの損傷を防止できる。
【0065】
本形態では、基板支持突起15aは、前後方向において、基板2の両端側部分に配置されている。具体的には、基板支持突起15aは、前後方向において、基板2の、パーフォレーション2aが形成された部分あるいはその近傍を支持する位置に配置されている。そのため、基板支持突起15aと基板2とが接触することで生じうる電子部品3や配線等の損傷を防止できる。
【0066】
本形態では、基板支持突起15aの形成間隔P2と、基板2に形成されたパーフォレーション2aの形成間隔P1とが異なっている。また、搬送方向における基板載置部15bの幅H2は、搬送方向におけるパーフォレーション2aの幅H1よりも広く形成されている。そのため、基板2を精度良く搬送するために、基板2にパーフォレーション2aが形成されている場合であっても、基板支持突起15aがパーフォレーション2aに嵌まりにくくなる。その結果、基板支持突起15aが基板2の搬送の障害となることはない。すなわち、本形態では、基板2を適切に搬送することができる。
【0067】
本形態では、基板案内機構8は、基板支持突起15aとともに、基板2を支持する基板当接部材14を備えている。そのため、薄型化してたるみやすくなる基板2のたるみを抑制でき、基板案内機構8から基板2の端部が外れるのを防止できる。特に、本形態では、基板当接部材14は、基板2の幅方向において、実装部分2aの両側かつその近傍に配置されている。そのため、基板2にたるみを生じさせる主原因となる電子部品3の、基板2の幅方向における両側かつその近傍を基板当接部材14で支持できる。その結果、基板2のたるみを効果的に抑制できる。
【0068】
(他の実施の形態)
上述した形態では、基板2としてCOFテープが用いられている。この他にもたとえば、上述したように、基板2はTABテープであっても良い。以下、基板2がTABテープである場合の構成を説明する。
【0069】
図11は、図1に示す基板2がTABテープである場合における基板2の断面を示す断面図である。図12は、図11のN−N方向から電子部品3の周辺を示す図である。なお、図12では、樹脂28の図示を省略している。また、図12のR−R断面が、図11の電子部品3およびその周辺部に対応する。さらに、図11では、断面部分のハッチングの図示を省略している。
【0070】
図11、図12に示すように、基板2がTABテープである場合、基板2には、たとえば、IC等の矩形状の電子部品3が実装されている。この電子部品3は、基板2に形成されたデバイスホール2cに端部が延在するインナーリード27の電極27aに接続されて、基板2に実装されている。また、基板2がTABテープである場合、基板2の上方からデバイスホール2cへ塗布された樹脂28は、デバイスホール2cに充満し、さらにインナーリード27を越えて電子部品3の能動面(図11の上面)を覆い、電子部品3の能動面が封止(シール)している。なお、図11に示すように、電子部品3が下側になった状態で、基板2は、樹脂硬化装置1へ搬入される。
【0071】
上述した形態では、基板案内部13は、ブロック状に形成された基板支持部材15や幅方向規制部材16等によって構成されている。この他にもたとえば、基板2の幅方向の両端を搬送方向へ案内する基板案内部は、図13に示すような基板案内部33であっても良い。すなわち、ブロック状に形成された基部34と、平板状に形成され、基板2を下側から支持する基板支持部材35と、L形の板状に形成され、前後方向における基板2の動きを規制するとともに、基板2の上方への逃げを防止する幅方向規制部材36とを備える基板案内部33によって、基板2が案内されても良い。この基板案内部33では、基板支持部材35と幅方向規制部材36とが、その間にスペーサ37を挟んだ状態でネジ38によって基部34に固定されている。
【0072】
この場合、基板支持部材35は、搬送方向を長手方向として配置される長尺状に形成されている。また、基板支持部材35の上端には、基板2を支持する複数の基板支持突起35aが上方向へ突出するように形成されている。
【0073】
上述した形態では、長尺状に形成された基板支持部材15の上面に基板支持突起15aが複数形成されている。この他にもたとえば、搬送方向における基板支持部材15の長さが短く形成されるとともに、1個の基板支持部材15に1個の基板支持突起15aが形成されても良い。すなわち、複数の基板支持突起15aが一体で形成されるのではなく、複数の基板支持突起15aが個別に形成されても良い。また、図13において、基板支持部材35がたとえば、円板状に形成されるとともに、搬送方向に所定の間隔をあけた状態で、複数の基板支持部材35が基部34に固定されても良い。この場合には、基板支持部材35の上端側部分が基板支持突起に相当する。
【0074】
上述した形態では、基板載置部15bは、平面状に形成されている。この他にもたとえば、基板載置部15bは、上方向に向かって膨らむ曲面状に形成されても良い。また、平面部分と曲面部分との組合せにより基板載置部15bが形成されても良い。
【0075】
上述した形態では、基板案内機構8は、基板当接部材14を備えているが、基板案内機構8は、基板当接部材14を備えていなくても良い。この場合には、基板支持突起15aは、前後方向において、図8に示す状態より内側に配置されても良い。すなわち、基板2の、パーフォレーション2aが形成された部分あるいはその近傍以外の位置を基板支持突起15aが支持しても良い。また、基板2の幅方向の一方の基板当接部材14が取り外されて、実装部分2aの片側にのみ、第3側面部14eが配置されても良い。
【0076】
上述した形態では、複数の基板支持突起15aは、一定の形成間隔P2で形成されているが、複数の基板支持突起15aは必ずしも一定の形成間隔P2で形成されなくても良い。たとえば、基板支持突起15a間ごとに異なる間隔で基板支持突起15aが形成されても良い。また、基板載置部15bの搬送方向の幅H2はたとえば、基板支持突起15aごとに異なっても良い。
【0077】
上述した形態では、前後方向における基板支持突起15aの一方側には傾斜面15dが形成され、基板支持突起15aの他方側には段部15eが形成されている。この他にもたとえば、前後方向における基板支持突起15aの両側に、傾斜面15dが形成されても良いし、前後方向における基板支持突起15aの両側に、段部15eが形成されても良い。
【0078】
上述した樹脂硬化装置1では、基板当接部材14が一定の間隔P3で離間した状態で搬送方向に配置されている。この他にもたとえば、基板2の搬送方向における第1、第2反転ローラ6、7の前後部分に配置される基板当接部材14の間隔を、第1、第2反転ローラ6、7の前後部分を除いた他の部分に配置される基板当接部材14の間隔よりも狭くしても良い。
【0079】
上述した形態では、テープ状の基板2に実装された電子部品3を封止、固定するための樹脂を硬化する樹脂硬化装置1を用いて本発明の実施の形態にかかる基板案内機構8を説明している。この他にもたとえば、基板2に実装された電子部品3を封止、固定するための樹脂を塗布する樹脂塗布装置に上述した基板案内機構8を用いても良い。また、電子部品に超音波振動を与えながら基板に電子部品を圧接して接合する電子部品の超音波接合装置や、基板に転写されたフラックスに半田ボール等の導電性を有するボールを搭載するボール搭載装置、あるいは、UVインクやレーザで基板上に印字を行う印字装置等の基板の搬送が行われる各種の装置に、基板案内機構8を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態にかかる樹脂硬化装置の概略構成を示す図である。
【図2】図1の樹脂硬化装置内を搬送される基板を示す図であり、(A)は側面図、(B)は平面図である。
【図3】図1のE部を拡大して示す拡大図である。
【図4】図3のF−F方向から取付架台への基板案内部の取付部分を示す平面図である。
【図5】図4のG−G断面を示す断面図である。
【図6】図5のJ−J方向から基板支持部材を示す図である。
【図7】図6のK−K断面を示す断面図である。
【図8】図3のM部を上流側から見たときの断面を拡大して示す拡大断面図である。
【図9】図1に示す樹脂硬化装置における基板当接部材の配置関係を示す図である。
【図10】図8に示す基板当接部材を示す図であり、(A)は正面図、(B)は(A)の左側面図、(C)は(A)の右側面図である。
【図11】図1に示す基板がTABテープである場合における基板の断面を示す断面図である。
【図12】図11のN−N方向から電子部品の周辺を示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態にかかる基板案内部の一部を拡大して示す拡大図である。
【符号の説明】
【0081】
1 樹脂硬化装置
2 基板
2a パーフォレーション
8 基板案内機構
9 加熱機構
14 基板当接部材
15、35 基板支持部材
15a、35a 基板支持突起
15b 基板載置部
H1 幅(搬送方向におけるパーフォレーションの幅)
H2 幅(搬送方向における基板支持突起の幅)
P1 形成間隔(パーフォレーションの形成間隔)
P2 形成間隔(基板支持突起の形成間隔)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向へ搬送されるテープ状の基板を搬送方向へ案内する基板案内機構において、
上記基板を支持するとともに、上記搬送方向に所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起を備えることを特徴とする基板案内機構。
【請求項2】
前記基板支持突起は、前記搬送方向を長手方向として配置される長尺状の基板支持部材に複数形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板案内機構。
【請求項3】
前記基板支持突起の上端には、前記基板が載置される基板載置部が形成され、
上記基板載置部は平面状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の基板案内機構。
【請求項4】
前記基板支持突起の上端には、前記基板が載置される基板載置部が形成され、
前記搬送方向に直交する前記基板の幅方向における上記基板載置部の幅は、前記基板の幅方向における前記基板支持突起の下端の幅よりも狭く形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の基板案内機構。
【請求項5】
前記基板支持突起は、前記搬送方向に直交する前記基板の幅方向において、前記基板の両端側部分に配置されていることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の基板案内機構。
【請求項6】
前記基板支持突起は、前記搬送方向に一定間隔で形成されるとともに、前記基板の幅方向における前記基板の両端側部分には、前記基板を搬送する際に使用可能なパーフォレーションが前記搬送方向に一定間隔で複数形成され、
前記基板支持突起の形成間隔と、上記パーフォレーションの形成間隔とが異なることを特徴とする請求項5記載の基板案内機構。
【請求項7】
前記基板支持突起の上端には、前記基板が載置される基板載置部が形成されるとともに、前記基板の幅方向における前記基板の両端側部分には、前記基板を搬送する際に使用可能なパーフォレーションが前記搬送方向に一定間隔で複数形成され、
前記搬送方向における上記基板載置部の幅は、前記搬送方向における上記パーフォレーションの幅よりも広く形成されていることを特徴とする請求項5または6記載の基板案内機構。
【請求項8】
前記搬送方向に直交する前記基板の幅方向において、前記基板支持突起よりも内側に配置され、前記基板支持突起とともに、前記基板を支持する基板当接部材を備えることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の基板案内機構。
【請求項9】
請求項1から8いずれかに記載の基板案内機構と、前記基板上に塗布された樹脂を加熱して硬化する加熱機構とを備えることを特徴とする樹脂硬化装置。
【請求項1】
所定方向へ搬送されるテープ状の基板を搬送方向へ案内する基板案内機構において、
上記基板を支持するとともに、上記搬送方向に所定の間隔をあけた状態で配置される複数の基板支持突起を備えることを特徴とする基板案内機構。
【請求項2】
前記基板支持突起は、前記搬送方向を長手方向として配置される長尺状の基板支持部材に複数形成されていることを特徴とする請求項1記載の基板案内機構。
【請求項3】
前記基板支持突起の上端には、前記基板が載置される基板載置部が形成され、
上記基板載置部は平面状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の基板案内機構。
【請求項4】
前記基板支持突起の上端には、前記基板が載置される基板載置部が形成され、
前記搬送方向に直交する前記基板の幅方向における上記基板載置部の幅は、前記基板の幅方向における前記基板支持突起の下端の幅よりも狭く形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の基板案内機構。
【請求項5】
前記基板支持突起は、前記搬送方向に直交する前記基板の幅方向において、前記基板の両端側部分に配置されていることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の基板案内機構。
【請求項6】
前記基板支持突起は、前記搬送方向に一定間隔で形成されるとともに、前記基板の幅方向における前記基板の両端側部分には、前記基板を搬送する際に使用可能なパーフォレーションが前記搬送方向に一定間隔で複数形成され、
前記基板支持突起の形成間隔と、上記パーフォレーションの形成間隔とが異なることを特徴とする請求項5記載の基板案内機構。
【請求項7】
前記基板支持突起の上端には、前記基板が載置される基板載置部が形成されるとともに、前記基板の幅方向における前記基板の両端側部分には、前記基板を搬送する際に使用可能なパーフォレーションが前記搬送方向に一定間隔で複数形成され、
前記搬送方向における上記基板載置部の幅は、前記搬送方向における上記パーフォレーションの幅よりも広く形成されていることを特徴とする請求項5または6記載の基板案内機構。
【請求項8】
前記搬送方向に直交する前記基板の幅方向において、前記基板支持突起よりも内側に配置され、前記基板支持突起とともに、前記基板を支持する基板当接部材を備えることを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の基板案内機構。
【請求項9】
請求項1から8いずれかに記載の基板案内機構と、前記基板上に塗布された樹脂を加熱して硬化する加熱機構とを備えることを特徴とする樹脂硬化装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−188495(P2008−188495A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−22912(P2007−22912)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(592141488)アスリートFA株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(592141488)アスリートFA株式会社 (96)
【Fターム(参考)】
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