説明

基板解体装置及び電子部品再利用方法

【課題】電子部品を取り外す際の電子部品の破損及び電極間の短絡の発生を抑制する。
【解決手段】電子部品51をプリント基板52の実装面52aに接合している接合部材53を、加熱部2によって加熱して脆弱化し、ワイヤ4と電子部品実装基板50とを実装面52aに沿って相対移動させて、電子部品51と接合部材53との少なくとも一方の側面(電子部品51にあっては側面51a、接合部材53にあっては側面53a)をワイヤ4によって押してプリント基板52から電子部品51を取り外すようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板解体装置及び電子部品再利用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機器には、回路基板に電子部品が実装されて構成された電子部品実装基板が広く用いられている。この電子部品実装基板の電子部品を再利用するため、回路基板から電子部品を取り外す基板解体装置が提案されている(特許文献1,2参照)。
【0003】
この基板解体装置として、電子部品実装基板を加熱して、電子部品を回路基板に接合している半田を溶融した後、ヒットヘッドを回路基板に繰り返し衝突させて、電子部品を回路基板から取り外すものがある(特許文献1参照)。
【0004】
また、基板解体装置として、電子部品を回路基板に接合している半田を溶融した後、周面に取り外し部材として板やブラシが複数個立設されたロータを回転させて、その板やブラシを電子部品に当てて、電子部品を回路基板から取り外すものがある(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2755225号公報
【特許文献2】特許第2601225号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ヒットヘッドを回路基板に繰り返し衝突させて、電子部品を回路基板から取り外す場合には、その衝撃力で取り外す対象となる電子部品が破損するおそれがある。
【0006】
また、周面に板やブラシが立設されたロータを回転させて、電子部品を回路基板から取り外す場合には、板やブラシが溶融した半田をすくい取ってしまうため、板やブラシに半田が多量に堆積し、この堆積した半田が電子部品に設けられた複数の電極間に転移し電極間を電気的に短絡させるおそれがある。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電子部品を取り外す際の電子部品の破損及び電極間の短絡の発生を抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明の基板解体装置は、電子部品実装基板において電子部品を回路基板の実装面に接合している接合部材を、加熱によって脆弱化させる加熱部と、張設されて前記実装面に対向する紐状部材を有し、前記接合部材が脆弱化された後、前記紐状部材と前記電子部品実装基板とを前記実装面に沿って相対移動させて前記電子部品と前記接合部材との少なくとも一方の側面を前記紐状部材によって押して前記回路基板から前記電子部品を取り外す分離部と、を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板解体装置において、前記紐状部材の張力を一定に調整する張力調整部を備える。
【0010】
請求項3に記載の発明の電子部品再利用方法は、電子部品実装基板において電子部品を回路基板の実装面に接合している接合部材を、加熱によって脆弱化させる工程と、張設されて前記実装面に対向する紐状部材を有し、前記接合部材が脆弱化された後、前記紐状部材と前記電子部品実装基板とを前記実装面に沿って相対移動させて前記電子部品と前記接合部材との少なくとも一方の側面を前記紐状部材によって押して前記回路基板から前記電子部品を取り外す工程と、取り外された前記電子部品を新規の回路基板に接合部材を用いて実装する工程と、を含む。
【発明の効果】
【0011】
請求項1及び3に記載の発明によれば、接合部材を脆弱化させた後、電子部品と接合部材との少なくとも一方の側面を紐状部材によって押して回路基板から電子部品を取り外すことにより、回路基板に衝撃を加える従来の装置に比べて、電子部品に過剰な負荷(荷重)が加わらないので、電子部品の破損を抑制することができ、電子部品を再利用する際の電子部品の信頼性を確保することができる。また、電子部品と接合部材との少なくとも一方の側面を、取り外し部材としての紐状部材によって押して回路基板から電子部品を取り外すことにより、取り外し部材として板やブラシが設けられたロータを回転させる従来の装置に比べて、脆弱化した接合部材が取り外し部材(紐状部材)に堆積し難いので、紐状部材での接合部材の堆積量を抑制することができる。よって、電子部品を取り外す際に、紐状部材から電子部品の電極間への接合部材の転移を抑制することができるので、電子部品の電極間に接合部材が付着することによる電極間の短絡の発生を抑制することができる。したがって、従来必要であった電子部品の取り外しから再利用(再実装)の間に電子部品に付着した接合部材の洗浄工程を省けるため、電子部品の再利用コストを抑制することができ、ひいては、電子部品の再利用を促進でき省資源化・省エネルギー化を実現することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、経時変化等により紐状部材が伸びた場合でも、張力調整部によって紐状部材の張力が一定に調整され紐状部材がたるむことが防止されるので、長期間に亘って、電子部品を回路基板から確実に取り外すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の基板解体装置を概略的に示す縦断側面図、図2は、基板解体装置を概略的に示す水平断面図、図3は、基板解体装置を一部省略して概略的に示す斜視図、図4は、分離部の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【0014】
図1ないし図4に示すように、基板解体装置1は、概略的には、加熱部2によって電子部品実装基板50を加熱し、加熱後の電子部品実装基板50から電子部品51を、分離部3の取り外し部材であって紐状部材であるワイヤ4を用いて取り外し、電子部品実装基板50を解体するものである。
【0015】
ここで、解体対象である電子部品実装基板50を説明する。図4に示すように、電子部品実装基板50は、平面視矩形状の回路基板であるプリント基板52の実装面52aに電子部品51が接合部材53によって接合されて構成されている。なお、図1ないし図3では、接合部材53は省略されている。
【0016】
電子部品51は、発光ダイオードやコンデンサ、抵抗、トランジスタ、IC等の素子であり、複数の電極(図示せず)が設けられている。
【0017】
接合部材53は、半田や導電性接着剤などである。半田は、特定の温度以上に加熱されることで溶融して脆弱化するものであり、導電性接着剤は、樹脂や無機化合物からなり特定の温度以上に加熱されることで溶融や分解し脆弱化される。
【0018】
次に、基板解体装置1を詳しく説明する。図1ないし図3に示すように、基板解体装置1は、加熱部2、分離部3と共に回収部5を備えている。
【0019】
加熱部2は、加熱室6と、この加熱室6の内部に設けられたヒータ7とを有し、加熱室6の内部の電子部品実装基板50をヒータ7によって加熱する。これにより、接合部材53が加熱される。具体的には、接合部材53の溶融温度又は分解温度以上に接合部材53が加熱される。なお、図2では、加熱室6は省略されている。
【0020】
分離部3は、図1ないし図4に示すように、電子部品実装基板50を加熱室6へ搬送する第1搬送部8と、ワイヤ4とを有している。
【0021】
第1搬送部8は、図示しない複数のローラに架け渡された無端状の第1搬送ベルト9を有している。第1搬送ベルト9の一部は、ヒータ7の下方に位置付けられた状態で加熱室6を貫通している。第1搬送ベルト9において加熱室6を貫通する部分は、その外周面9aが下方を向いている。
【0022】
第1搬送ベルト9の外周面9aには、図3及び図4に示すように、プリント基板52を着脱可能に保持する保持部10が第1搬送ベルト9の周方向に沿って複数設けられている。保持部10は、第1搬送ベルト9の周方向に沿って配置された一対のチャック11から構成されている。この保持部10は、裏面を第1搬送ベルト9に当接した状態のプリント基板52の両端部をチャック11で係止することで、プリント基板52を、第1搬送ベルト9の周方向への移動を規制した状態で保持する。この保持状態では、プリント基板52の実装面52aが露出する。
【0023】
この第1搬送部8では、図示しないローラがモータにより駆動されることにより、第1搬送ベルト9が回転駆動され、第1搬送ベルト9において加熱室6を貫通する部分が図中矢印a方向に移動する。このとき、プリント基板52は、図1に示すように、実装面52aが下方に向いた状態で加熱室6の内部を移動する。
【0024】
ワイヤ4は、図3に示すように、無端状に形成されており、駆動ローラ12、従動ローラ13、テンションローラ14に架け渡されて張設されている。このワイヤ4は、図4に示すように、金属製の複数の線材4aが束ねられて構成されたものであり、これらの線材4a間には、溶融した接合部材(半田)53が入り込み可能な隙間(図示せず)があけられている。具体的には、この隙間は、例えば溶融した接合部材(半田)53が毛細管現象によって入り込む大きさに設定されている。また、このワイヤ4の径は、本実施形態では、プリント基板52の実装面52aから電子部品51の頂部までの高さよりも小さく設定されている。
【0025】
ワイヤ4、駆動ローラ12、従動ローラ13及びテンションローラ14は、図2に示すように、加熱室6の内部に配置されている。図1ないし図4に示すように、ワイヤ4における駆動ローラ12と従動ローラ13との間の部分は、第1搬送ベルト9の下方に間隔をあけて位置しており、第1搬送ベルト9を斜めに横断している。この部分のワイヤ4は、第1搬送ベルト9に保持されたプリント基板52の実装面52aに対向可能であると共に、電子部品51と接合部材53との少なくとも一方の側面(電子部品51にあっては側面51a、接合部材53にあっては側面53a)に当接可能な位置に位置付けられており、詳しくは後述するが、これにより、ワイヤ4によってプリント基板52から電子部品51を取り外し可能となっている。そして、駆動ローラ12が図示しないモータに駆動されることにより、ワイヤ4が図中矢印b方向に回転駆動される。ここで、駆動ローラ12、従動ローラ13、テンションローラ14は、ワイヤ4を駆動する紐状部材駆動機構15(図3)を構成している。
【0026】
テンションローラ14は、図3に示すように、ワイヤ4の張力を調整する方向に移動可能に設けられていると共に、弾性部材である引張バネ16により、ワイヤ4の張力を増大させる方向に引っ張られており、これにより、ワイヤ4に規定の張力が付与されている。この構造では、経時変化等によりワイヤ4が伸びた場合、引張バネ16に引っ張られているテンションローラ14がワイヤ4の張力を増大させる方向に移動し、ワイヤ4を引っ張り、ワイヤ4の張力を規定の張力に保つようになっている。即ち、テンションローラ14と引張バネ16は、ワイヤ4の張力を一定に調整している。このテンションローラ14と引張バネ16とによって、張力調整部17が構成されている。
【0027】
また、従動ローラ13は、図示しない位置調整機構によって、互いに直交する3軸のそれぞれに沿って位置調整可能に設けられている。互いに直交する3軸は、具体的には、上下方向、第1搬送ベルト9において加熱室6を貫通する部分の周方向及びその幅方向である。そして、この位置調整機構によって従動ローラ13の位置が調整されることで、電子部品51の側面51aや接合部材53の側面53aに対するワイヤ4の当接姿勢が調整可能となっている。なお、本実施の形態では、ワイヤ4が第1搬送ベルト9を斜めに横断するように従動ローラ13が位置調整されている。
【0028】
図2及び図3に示すように、基板解体装置1には、ワイヤ4に付着したゴミを除去する除去具18が設けられている。除去具18は、例えば内周面にブラシ(図示せず)が設けられた筒状のブラシ具であり、内部を貫通したワイヤ4にブラシが当接している。除去具18は、紐状部材駆動機構15によって回転駆動されたワイヤ4に摺接し、ワイヤ4の表面に付着した接合部材53等のゴミを除去する。この除去具18は、紐状部材駆動機構15と共に除去部を構成している。
【0029】
回収部5は、加熱室6の外部に配置された上面開口の回収箱19と、プリント基板52から取り外された電子部品51を回収箱19に搬送する第2搬送部20と、から構成されている。
【0030】
第2搬送部20は、駆動ローラ21と従動ローラ22とに、無端状の第2搬送ベルト23が架け渡されて構成されている。駆動ローラ12は、加熱室6の外部に配置されている一方、従動ローラ13は、加熱室6の内部に配置されており、これにより、第2搬送ベルト23は、加熱室6の内外に亘って配置されている。詳しくは、第2搬送ベルト23は、加熱室6の内部において第1搬送ベルト9の下方に位置して第1搬送ベルト9に立体交差すると共に、駆動ローラ12側の部分が加熱室6外に位置している。そして、駆動ローラ12が図示しないモータに駆動されることにより、第2搬送ベルト23が図中矢印c方向に回転駆動される。そして、第2搬送ベルト23は、プリント基板52から取り外された電子部品51を受け取り、回収箱19へ搬送する。
【0031】
また、基板解体装置1は、基板解体装置1の各部を駆動制御する図示しない制御部を備えており、制御部が基板解体装置1の各部を駆動制御することにより、基板解体装置1において部品解体処理が行なわれる。
【0032】
次に、部品解体処理を説明する。部品解体処理では、第1搬送部8、紐状部材駆動機構15、ヒータ7、第2搬送部20がそれぞれ同時に駆動され、第1搬送ベルト9によって電子部品実装基板50が加熱部2へ搬送される。加熱部2では、ヒータ7によって接合部材53を含む電子部品実装基板50全体が加熱され、接合部材53が溶融又は分解されて脆弱化される。
【0033】
そして、電子部品実装基板50がワイヤ4に向かってさらに搬送されることで、ワイヤ4がプリント基板52の実装面52aに沿って実装面52aに対して相対移動され、電子部品51と接合部材53との少なくとも一方の側面51a又は/及び53aにワイヤ4が当接する。そして、さらに、電子部品実装基板50が搬送され続けることにより、ワイヤ4が電子部品51と接合部材53との少なくとも一方の側面51a又は/及び53aを押し、最終的に、接合部材53が破断してプリント基板52から電子部品51が取り外され、落下する。なお、図4では、接合部材53の側面53aをワイヤ4が押す例が示されている。
【0034】
落下した電子部品51は、第2搬送ベルト23に受け取られて、第2搬送ベルト23によって回収箱19の上方へ搬送された後、回収箱19に落とされ回収される。
【0035】
また、この処理中には、ワイヤ4における接合部材53の付着状況に応じてワイヤ4が紐状部材駆動機構15によって回転駆動される、即ち、電子部品51の取り外し回数の増加に伴いワイヤ4の表面に接合部材53が過剰に付着した場合、除去具18がワイヤ4に摺接してワイヤ4の表面に付着した接合部材53を除去する。
【0036】
そして、このように回収された電子部品51は、図示しない実装装置により、新規のプリント基板52に実装され、これにより、電子部品51を再利用した電子部品実装基板50が製造される。一方、電子部品51が取り外されたプリント基板52は、第1搬送ベルト9から取り外された後、再資源化される。
【0037】
以上説明した本実施形態によれば、接合部材53を脆弱化させた後、電子部品51と接合部材53との少なくとも一方の側面51a又は/及び53aをワイヤ4によって押してプリント基板52から電子部品51を取り外すことにより、回路基板に衝撃を加える従来の装置に比べて、電子部品51に過剰な負荷(荷重)が加わらないので、電子部品51の破損を抑制することができ、電子部品51を再利用する際の電子部品の信頼性を確保することができる。
【0038】
また、接合部材53を脆弱化させた後、電子部品51と接合部材53との少なくとも一方の側面51a又は/及び53aを、取り外し部材としてのワイヤ4によって押してプリント基板52から電子部品51を取り外すことにより、取り外し部材として板やブラシが設けられたロータを用いる従来の装置に比べて、脆弱化した接合部材53が取り外し部材(ワイヤ4)に堆積し難いので、ワイヤ4での接合部材53の堆積量を抑制することができる。よって、電子部品51を取り外す際に、ワイヤ4から電子部品51の電極間への接合部材53の転移を抑制することができるので、電子部品51の電極間に接合部材53が付着することによる電極間の短絡の発生を抑制することができる。したがって、取り外した電子部品51の不良品率を下げることができるので、電子部品51の再利用率の向上を図ることができ、電子部品51を再利用する電子部品実装基板50をより安価で環境負荷の少ないものとすることができる。
【0039】
また、本実施形態によれば、実装面52aが下向きにされた状態のプリント基板52から電子部品51が取り外されることにより、取り外された電子部品51がその場で落下するので、取り外された電子部品51を回収部5によって確実に回収することができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、経時変化等によりワイヤ4が伸びた場合でも、張力調整部17によってワイヤ4の張力が一定に調整されワイヤ4がたるむことが防止されるので、長期間に亘って、電子部品51をプリント基板52から確実に取り外すことができる。
【0041】
また、本実施形態では、電子部品51の取り外し回数の増加に伴いワイヤ4に付着した過剰な接合部材53が除去部によって除去されるので、ワイヤ4に付着した過剰な接合部材53が電子部品51に転移することをより抑制することができる。よって、回収した電子部品51に対して接合部材除去処理を施すことなく電子部品51を再利用することができるので、電子部品51の再利用コストの低減を図ることができる。
【0042】
また、本実施形態では、紐状部材は、複数の線材4aが束ねられて構成されたワイヤ4であり、これらの線材4a間には、溶融した半田が入り込み可能な隙間があけられていることにより、接合部材53が半田の場合、ワイヤ4に付着した半田が電子部品51に転移することをより抑制することができる。よって、回収した電子部品51に対して接合部材除去処理を施すことなく電子部品51を再利用することができるので、電子部品51の再利用コストの低減を図ることができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、位置調整機構によって従動ローラ13の位置が調整されることで、電子部品51の側面51aや接合部材53の側面53aに対するワイヤ4の当接姿勢が調整可能となっているので、複数種類の電子部品実装基板50のそれぞれに合わせて、電子部品51の側面51aや接合部材53の側面53aに対するワイヤ4の当接姿勢を調整することができる。
【0044】
ここで、パチンコ台等のアミューズメント機器では、多彩な演出等を実現するため発光ダイオードを実装した電子部品実装基板50が採用されているが、このようなアミューズメント機器は、切替えサイクルが1〜6ヶ月と非常に短いにも関わらず、発光ダイオードの機能的寿命は、4〜6年と長寿命であるので、基板解体装置1を用いて電子部品51を破損させることなく確実に取り外して再利用するが望ましい。
【0045】
なお、本発明は、次のような別の実施形態に具現化することができる。以下の別の実施形態でも上記実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0046】
(1)上記実施形態では、ワイヤ4が無端状に形成された例を説明したが、紐状部材は、有端状に形成されていてもよい。
【0047】
また、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について記載する。
【0048】
(イ)請求項1に記載の基板解体装置において、前記紐状部材に付着した前記接合部材を除去する除去部を備える。
【0049】
(ロ)請求項1に記載の基板解体装置において、前記接合部材は、前記加熱部の加熱によって溶融することで脆弱化する半田である一方、
前記紐状部材は、複数の線材が束ねられて構成されており、これらの線材間には、溶融した前記半田が入り込み可能な隙間があけられている。
【0050】
(ハ)請求項3に記載の電子部品再利用方法において、前記電子部品実装基板は、アミューズメント装置用である。
【0051】
(ニ)請求項3に記載の電子部品再利用方法において、前記電子部品は、発光ダイオードである。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施形態の基板解体装置を概略的に示す縦断側面図である。
【図2】本発明の一実施形態の基板解体装置を概略的に示す水平断面図である。
【図3】本発明の一実施形態の基板解体装置を一部省略して概略的に示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態の分離部の一部を拡大して示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0053】
1 基板解体装置
2 加熱部
3 分離部
4 ワイヤ(紐状部材)
17 張力調整部
50 電子部品実装基板
51 電子部品
51a 電子部品の側面
52 プリント基板(回路基板)
52a 実装面
53 接合部材
53a 接合部材の側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品実装基板において電子部品を回路基板の実装面に接合している接合部材を、加熱によって脆弱化させる加熱部と、
張設されて前記実装面に対向する紐状部材を有し、前記接合部材が脆弱化された後、前記紐状部材と前記電子部品実装基板とを前記実装面に沿って相対移動させて前記電子部品と前記接合部材との少なくとも一方の側面を前記紐状部材によって押して前記回路基板から前記電子部品を取り外す分離部と、
を備える基板解体装置。
【請求項2】
前記紐状部材の張力を一定に調整する張力調整部を備える請求項1に記載の基板解体装置。
【請求項3】
電子部品実装基板において電子部品を回路基板の実装面に接合している接合部材を、加熱によって脆弱化させる工程と、
張設されて前記実装面に対向する紐状部材を有し、前記接合部材が脆弱化された後、前記紐状部材と前記電子部品実装基板とを前記実装面に沿って相対移動させて前記電子部品と前記接合部材との少なくとも一方の側面を前記紐状部材によって押して前記回路基板から前記電子部品を取り外す工程と、
取り外された前記電子部品を新規の回路基板に接合部材を用いて実装する工程と、
を含む電子部品再利用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−242682(P2007−242682A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59324(P2006−59324)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】