説明

基礎体温管理システム、基礎体温計及び携帯型無線端末

【課題】基礎体温計の筐体サイズを極力小さくし、その消費電力も極力抑えつつ、ユーザである女性にとって使い勝手の良い、基礎体温管理システム、そしてこのシステムに使用するに適した基礎体温計と携帯型無線端末を提供する。
【解決手段】基礎体温プローブである基礎体温計は、無線通信にて携帯端末と通信し、計測した基礎体温データを携帯端末へ送信する。携帯端末は受信した基礎体温データを、サーバに送信する。こうして、毎朝の基礎体温データは特殊な操作を殆ど必要とせず、容易にサーバへ蓄積させることができる。生理が始まったら、携帯端末でサーバにアクセスし、生理開始の旨を入力する。こうして、体周期の補正演算に必要な生理開始日を容易にサーバへ通知することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎体温管理システムに適用して好適な技術に関する。
より詳細には、女性の基礎体温を継続的に計測し、そのデータを蓄積し、女性の体周期を正確に演算し、その結果を当該ユーザである女性に提示するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、女性には月経(生理)に基づく体周期が存在する。また、この体周期は女性の体温の微妙な変化に現れる。体温を毎朝継続的に計測する事で、微妙な体温の変化を捉えるための、基礎体温計も周知である。本出願人は、この基礎体温計を開発し、市場に提供している。特許文献1は、本出願人による基礎体温計の従来技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3800469号公報
【特許文献2】特表2004−507275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基礎体温は毎朝の体温を計測し、そのデータを蓄積する必要がある。つまり、体温を計測するだけの一般的な体温計では要求仕様を満たさない。そこで、特許文献1等に代表される昨今の基礎体温計は、データ記憶機能と、基礎体温に基づく体周期の演算機能を備えているものが多い。
しかし、このような機能は、マイコンと液晶ディスプレイ等を必要とするため、どうしても基礎体温計の筐体が大きくなってしまい、また消費電力も増大する。
更に、生理が始まったらそのデータも入力しなければならない。生理は自宅にいるときに始まるとは限らず、このためだけに毎日基礎体温計を持ち歩く訳にも行かない。結局、基礎体温計は自宅に載置することとなるが、勤務先や学校等の外出先で始まった生理の開始日を、帰宅後に入力するとなると、入力を忘れてしまいがちになる。
【0005】
このような弊害を解決するため、特許文献2に開示されるように、演算機能等をインターネット上のwebサーバで行う、一種のビジネスモデルに類する技術も提案されている。
しかし、特許文献2に開示されている技術内容は、あくまでも基礎体温をパソコン等の端末(特許文献2では「クライアント」と記されている。)から手入力にて入力することしか開示されていない。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、基礎体温計の筐体サイズを極力小さくし、その消費電力も極力抑えつつ、ユーザである女性にとって使い勝手の良い、基礎体温管理システム、そしてこのシステムに使用するに適した基礎体温計と携帯型無線端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の基礎体温管理システムは、計測した基礎体温データを送信するための第一の近距離無線通信部を備える基礎体温計と、基礎体温データを記録する基礎体温テーブルを備えるサービス提供サーバと、基礎体温計から送信された基礎体温データを受信する第二の近距離無線通信部と、基礎体温データをサービス提供サーバに送信する広域無線通信部とを備える携帯型無線端末とよりなる。
【0008】
基礎体温プローブである基礎体温計は、無線通信にて携帯端末と通信し、計測した基礎体温データを携帯端末へ送信する。携帯端末は受信した基礎体温データを、サーバに送信する。こうして、毎朝の基礎体温データは特殊な操作を殆ど必要とせず、容易にサーバへ蓄積させることができる。
生理が始まったら、携帯端末でサーバにアクセスし、生理開始の旨を入力する。こうして、体周期の補正演算に必要な生理開始日を容易にサーバへ通知することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、基礎体温計の筐体サイズを極力小さくし、その消費電力も極力抑えつつ、ユーザである女性にとって使い勝手の良い、基礎体温管理システム、そしてこのシステムに使用するに適した基礎体温計と携帯型無線端末を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】基礎体温管理システムの全体構成を示す概略図である。
【図2】基礎体温計のブロック図である。
【図3】携帯型無線端末の機能ブロック図である。
【図4】サービス提供サーバの機能ブロック図である。
【図5】サービス提供サーバの各種テーブルの図である。
【図6】メッセージマスタに格納されている、ひな型html文書の一部の概略を示す図である。
【図7】基礎体温管理システムのシーケンス図である。
【図8】携帯型無線端末の状態遷移図である。
【図9】通信待機兼ティッカー表示状態の、携帯型無線端末のブロック図である。
【図10】webアクセス状態の携帯型無線端末のブロック図である。
【図11】基礎体温データ送受信状態の携帯型無線端末のブロック図である。
【図12】携帯型無線端末の全体動作のフローチャートである。
【図13】通常処理のフローチャートである。
【図14】受信待機処理のフローチャートである。
【図15】サービス文書表示処理のフローチャートである。
【図16】データ送受信処理のフローチャートである。
【図17】携帯型無線端末の各種状態の画面を示す図である。
【図18】携帯型無線端末が体周期表示状態にある状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を、図1乃至図18を参照して説明する。
【0012】
本実施形態は以下の内容よりなる。
《システム全体の構成要素》
[基礎体温管理システム]
図1:基礎体温管理システム全体図
[基礎体温計102]
図2:基礎体温計ブロック図
[携帯型無線端末]
図3:携帯型無線端末ブロック図
[サービス提供サーバ]
図4:サービス提供サーバブロック図
図5:サービス提供サーバ内の各種テーブルの図
図6:メッセージマスタのひな型html文書の図
《システムの動作》
[システム全体の動作の流れ]
図7:基礎体温管理システムシーケンス図
[携帯型無線端末の変化]
図8:携帯型無線端末状態遷移図
図9:ティッカー表示状態の携帯型無線端末ブロック図
図10:webアクセス状態の携帯型無線端末ブロック図
図11:基礎体温データ送受信状態の携帯型無線端末ブロック図
[携帯型無線端末の動作]
図12:携帯型無線端末の全体動作のフローチャート
図13:通常処理のフローチャート
図14:受信待機処理のフローチャート
図15:サービス文書表示処理のフローチャート
図16:データ送受信処理のフローチャート
図17:携帯型無線端末の各種状態の画面
図18:携帯型無線端末の体周期表示状態
【0013】
始めに、本実施形態で説明する、基礎体温管理システムの概略を説明する。
基礎体温計は、ユーザの基礎体温を計測すると、そのデータ(基礎体温データ)を近距離無線通信で携帯型無線端末(携帯電話)に送信する。
携帯型無線端末は、基礎体温計から受信した基礎体温データを、無線公衆回線を介してインターネットに接続されているサービス提供サーバに送信する。
サービス提供サーバは、ユーザの基礎体温データをデータベースに記録する。
ユーザは、生理が始まると携帯型無線端末が備えるwebブラウザの機能を用いて、サービス提供サーバにアクセスする。
サービス提供サーバは、携帯型無線端末のアクセス要求に従い、ユーザの生理開始日をデータベースに記録する。
また、ユーザは、携帯型無線端末が備えるwebブラウザの機能を用いて、サービス提供サーバにアクセスする。
サービス提供サーバは、携帯型無線端末のアクセス要求に従い、ユーザの体周期をグラフ表示するデータを作成し、携帯型無線端末へ送信する。携帯型無線端末は当該データを受信し、ディスプレイに体周期グラフを表示する。
なお、これより本発明を本実施形態に基づいて説明する基礎体温管理システムは、種々変更が可能であり、本実施形態に限られるものではない。
【0014】
《システム全体の構成要素》
[基礎体温管理システム]
図1は、基礎体温管理システムの全体構成を示す概略図である。
基礎体温計(体温計)102は、0.01℃の温度分解能を有し、7セグメント数値の液晶、LED或は有機ELよりなる表示部103を備える、周知の電子体温計とほぼ同等の形状及び大きさである。基礎体温計102は、計測した基礎体温を表示部103に表示すると共に、携帯型無線端末104に無線にて送信する。この無線は、例えばBlueTooth(登録商標)である。
携帯型無線端末104は周知の携帯電話である。携帯型無線端末104は、基礎体温計102から受信した基礎体温データを、無線公衆回線105及びインターネット106を介して、サービス提供サーバ107に送信する。
サービス提供サーバ107は、webサーバであると共にデータベースサーバである。サービス提供サーバ107は、内部に予め登録されているユーザの基礎体温データを受信し、ユーザ毎に基礎体温データ等を後述する内部のデータベースに記録する。また、ユーザの求めに応じて、基礎体温の変化(体周期)を表示するグラフを作成し、ユーザの携帯型無線端末104或はパソコンに送信する。
【0015】
ここで注目すべき点がある。基礎体温計102に備わっている表示部103は、計測した基礎体温を表示するための、7セグメント数値の液晶である。つまり、数値しか表示できない。勿論、基礎体温計102は体周期グラフ等を表示する機能を具備することはできない。このため、基礎体温計102の外観は、その大きさを含めて通常の体温計と殆ど変わらない。
体周期グラフを表示するには、携帯型無線端末104を使用して、サービス提供サーバ107にアクセスすることで実現する。
【0016】
[基礎体温計]
図2は、基礎体温計102のブロック図である。
温度検出部202は、基礎体温を検出するための、周知の機能ブロックであり、サーミスタ、基準抵抗及びA/D変換回路を含んでいる。温度検出部202によって計測された測温データは制御部ともいえるマイコン204で所定の補正演算等を施して、基礎体温データに変換した後、表示部103で表示すると共に、無線通信部205を通じて携帯型無線端末104に送信する。
マイコン204は、CPUとCPUにより実行される装置全体の制御プログラムや各種データを記憶するROMとワークエリアとして測定データや各種データを一時的に記憶するRAMなどを備える。
マイコン204は、近距離無線通信部205を介して携帯型無線端末104と通信を行う際、通信相手を特定し、真正のユーザの端末とだけ通信を行うために、アカウントデータ206を用いる。アカウントデータ206は、記憶部ともいえる不揮発性ストレージ211に記憶されている、携帯型無線端末104に備わっている個体情報である。アカウントデータ206の一例としては、携帯型無線端末104に装着されている周知のUSIM(universal subscriber identity module)カードに記憶されている加入者識別情報或は電話番号が利用可能である。
【0017】
近距離無線通信部205や温度検出部202は、比較的多くの電力を必要とする。そこで、マイコン204は不揮発性ストレージ211内の設定データ207に格納されている動作時間帯情報と、リアルタイムクロック208から得られる現在時刻情報を比較して、近距離無線通信部205の動作制御を行う。現在時刻が動作時間帯に含まれていれば、マイコン204は近距離無線通信部205と温度検出部202に電力を供給し、温度変化を監視する。ユーザが覚醒し、基礎体温計102のプローブ部を口に含めば、温度検出部202内のサーミスタの温度が上昇するので、電源スイッチを操作することなく、直ちに基礎体温を測定することができる。
また、基礎体温計102には目覚ましアラームの機能が備えられている。ユーザが予め目覚まし時刻情報を設定して設定データ207に格納しておくことで、当該時刻になったらマイコン204がブザー209を鳴動させる。すると、ユーザが覚醒するので、基礎体温計102は直ちに基礎体温の計測ができる。
なお、アカウントデータ206及び設定データ207を格納する不揮発性ストレージ211は、例えば周知のEEPROMやフラッシュメモリが利用可能である。
【0018】
[携帯型無線端末]
図3は、携帯型無線端末104の機能ブロック図である。
図3では、周知の携帯電話である携帯型無線端末104の、本実施形態に直接関係する機能のみ図示し、その他の部分、例えば音声通話に関する構成要素については図示を省略している。
入出力制御部302は、操作部303のキー操作を受け付ける。
また、入出力制御部302は近距離無線通信部304を介して基礎体温計102とデータ通信を行う。基礎体温計102とのデータ通信には、不揮発性ストレージ305内に格納されている個体情報306を利用する。
入出力制御部302は、広域無線通信部307を介して無線公衆回線105の先にあるインターネット106、そしてインターネット106に接続されているサービス提供サーバ107とデータ通信を行う。サービス提供サーバ107とのデータ通信には、不揮発性ストレージ305内に格納されているアカウント情報308を利用する。
入出力制御部302は、不揮発性ストレージ305内に格納されているサービス文書309を読み出し、表示制御部310に送出する。また、サービス文書309に限らず、入出力制御部302は、表示部311に表示させたいデータを表示制御部310に送出する。表示制御部310は、入出力制御部302からデータを受け取り、表示部311を制御する。
【0019】
入出力制御部302は、ユーザが指定した時間帯で動作モードを変更するために、リアルタイムクロック312から現在日時情報を取得する。
【0020】
本実施形態の携帯型無線端末104は、既存の携帯型無線端末に、常時実行されるプログラムをインストールして、その機能を実現している。このプログラムは例えばJava(登録商標)アプレットであり、一般に「待ち受けアプリ」と呼ばれる、電話機能が待ち受け状態の時に実行されるプログラムである。プログラムを待ち受けアプリとして実装する理由は、携帯型無線端末104が待ち受け状態の時に、近距離無線通信部304で基礎体温計102から送信されるデータの受信を準備する必要があるからである。
また、本実施形態ではサービス提供サーバ107から送信されるサービス文書309を用いた情報サービスも、このプログラムで表示する。待ち受け状態のときにサービス文書309のタイトルを電光掲示板のように横方向にスクロールして表示する、いわゆる「ティッカー表示」を行う。
【0021】
[サービス提供サーバ]
図4は、サービス提供サーバ107の機能ブロック図である。
サービス提供サーバ107は、インターネット106に接続されているコンピュータに、図示しない周知のネットワークOSと、webサーバプログラム402と、webサーバプログラム402から呼び出されて実行される各種プログラムよりなる。
webサーバプログラム402はクライアントのアクセス要求に応じて、html文書を送信したり、cgi(Common Gateway Interface)を実行し、その結果を送信する。インターネット106に接続されているコンピュータにより実行されるwebサーバプログラム402の一例としては、Apache(http://www.apache.org/)等が挙げられる。
ユーザ認証部403は、周知のユーザ認証を実行する。その際、ユーザマスタ404を参照する。
基礎体温データ受信部405は、携帯型無線端末104から送信される基礎体温データを受信し、体周期データベース406に記録する。
【0022】
生理開始日データ受信部407は、携帯型無線端末104から送信される、生理情報の1つとしての生理開始の旨とその日のデータを受信し、体周期データベース406に記録する。なお、生理開始日データ受信部407は風邪をひいた旨(メモ情報の1つ)とその日のデータも同様に体周期データベース406に記録する。
サービス文書送信部408は、携帯型無線端末104にユーザ毎に調製したサービス文書309を送信する。この動作は、ユーザが携帯型無線端末104を操作して実行する、能動的な送信要求に呼応して実行されるに留まらず、携帯型無線端末104から送信される基礎体温データの受信の後にも連動して実行される。サービス文書送信部408は、ユーザ毎にサービス文書309を調整する際、メッセージマスタ409からひな型html文書を読み出す。
体周期データ送信部410は、携帯型無線端末104から送信される送信要求に呼応して、当該ユーザの体周期グラフの画像データを作成し、携帯型無線端末104に送信する。
【0023】
体周期演算部411は、基礎体温データ受信部405及び生理開始日データ受信部407から呼び出されるプログラムである。体周期データベース406に新たなデータが追記録されると、当該ユーザの体周期を再計算する必要がある。そこで、データを記録した後に体周期演算部411が起動され、体周期の再計算を実行し、その結果を体周期データベース406に記録する。
体周期の計算は、毎朝計測される基礎体温データと、ユーザが携帯型無線端末104を操作して登録する、生理開始日と風邪をひき始めた日の、三つのデータの登録をきっかけに実行する。
この体周期演算部411は、平均低温相期間の演算プログラム、平均高温相期間の演算プログラム、平均月経周期の演算プログラム、基準体温の演算プログラム、次回生理日の予測演算プログラム、次回排卵日の予測演算プログラム及び出産予定日の演算プログラムなどの、体周期に関する各種データを個々に演算するプログラムの集合体である。
【0024】
ユーザ認証部403、基礎体温データ受信部405、生理開始日データ受信部407、サービス文書送信部408及び体周期データ送信部410はcgiである。なお、これら機能部分(プログラム)は、前述のApacheに、Java(登録商標)サーブレットを実行するアプリケーションサーバであるApache Tomcat(http://tomcat.apache.org/)を導入し、cgiで構築する代わりにJava(登録商標)サーブレットで構築することもできる。
【0025】
また、基礎体温データ及び生理開始日データは、webサーバプログラム402を通じてHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を用いる代わりに、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバプログラムを介して電子メールで送信することも可能である。このために、webサーバプログラム402とは別にコンピュータにより実行されるSMTPサーバプログラム412と、基礎体温データ受信部413と生理開始日データ受信部414が設けられている。
【0026】
なお、生理開始日データ受信部407と体周期データ送信部410は、パソコンからアクセスすることもできる。パソコンで生理開始日或は風邪をひき始めた日を登録したり、パソコンのディスプレイで体周期グラフを表示することができる。このときのパソコンの機能は、携帯型無線端末104のwebブラウザとしての機能と等しい。
【0027】
図5は、サービス提供サーバ107内の各種テーブルの図である。
ユーザマスタ404は、ID、メールアドレス、ハンドル、生年月日、血液型、住所、職業のフィールドを備える。
IDフィールドは、ユーザをユニークに識別するためのシリアルナンバーである。
メールアドレスフィールドは、ユーザが登録するメールアドレスである。
ハンドルフィールドは、ユーザのニックネーム(ハンドル)である。本名を記録しないのは、個人情報保護の観点であると共に、後述する情報サービスで利用するためである。
生年月日フィールドは、文字通りユーザの生年月日である。後述する情報サービスで、年代別の情報を提供する際に使用する。
血液型フィールドは、文字通りユーザの血液型である。後述する情報サービスで、占い等の血液型別の情報を提供する際に使用する。
住所フィールドは、文字通りユーザの住所である。但し、個人情報保護の観点から、ユーザを特定する程度の情報の入力はしなくてもよい。これも後述する情報サービスで、天気予報等の情報を提供する際に使用する。
職業フィールドは、文字通りユーザの職業である。後述する情報サービスで利用する。
なお、生年月日フィールド、血液型フィールド、住所フィールド、職業フィールドは、サービス提供サーバ107で蓄積されるデータを基に、様々な統計データを作成する際に利用可能である。
【0028】
ユーザマスタ404には、この他に情報サービスに関する種々の設定項目を記録するフィールドが存在するが、詳細は割愛する。
【0029】
体周期データベース406は、基礎体温テーブル502、生理テーブル503と体周期テーブル504の三つのテーブルよりなる。
基礎体温テーブル502は、ID、基礎体温及び測定日時のフィールドを備える。
IDフィールドは、ユーザマスタ404のIDフィールドと同じデータが格納される。
基礎体温フィールドは、ユーザの携帯型無線端末104から受信した基礎体温データが記録される。
測定日時フィールドは、ユーザの携帯型無線端末104から受信した基礎体温データが測定された時点の日時が記録される。つまり、携帯型無線端末104は、基礎体温データと共に、測定日時データも送信する。
【0030】
生理テーブル503は、ID、データ種別、開始日及び入力日時のフィールドを備える。
IDフィールドは、ユーザマスタ404のIDフィールドと同じデータが格納される。
データ種別フィールドは、入力されたデータが何を意味するのかを示すデータである。データ種別フィールドは、実際にはフラグフィールドであり、図5ではフラグそのものに代えて、フラグデータの意味を記している。つまり、データ種別フィールドには少なくとも「生理開始」と「風邪」の意味を持つデータが記録される。
開始日フィールドは、このデータに紐付く日時が記録される。例えば、生理開始日である場合、その日が必ず今日であるとは限らない。このため、ユーザが指定した日をこのフィールドに記録する。
入力日時フィールドは、このデータが記録された時点の日時が記録される。
【0031】
体周期テーブル504は、ID、平均低温相期間、平均高温相期間、平均月経周期、基準体温、次回生理日、次回排卵日及び出産予定日のフィールドを備える。
IDフィールドは、ユーザマスタ404のIDフィールドと同じデータが格納される。
平均低温相期間フィールドは、体周期演算部411によって平均低温相期間の演算プログラムに基づいて計算された結果の、平均低温相期間が格納される。
平均高温相期間フィールドは、体周期演算部411によって平均高温相期間の演算プログラムに基づいて計算された結果の、平均高温相期間が格納される。
平均月経周期フィールドは、体周期演算部411によって平均月経周期の演算プログラムに基づいて計算された結果の、平均月経周期が格納される。
基準体温フィールドは、体周期演算部411によって計算された結果の、基準体温が格納される。
次回生理日フィールドは、体周期演算部411によって次回生理日の予測演算プログラムに基づいて計算された結果の、次回生理日が格納される。
次回排卵日フィールドは、体周期演算部411によって次回排卵日の予測演算プログラムに基づいて計算された結果の、次回排卵日が格納される。
出産予定日フィールドは、体周期演算部411によって出産予定日の演算プログラムに基づいて計算された結果の、出産予定日が格納される。
【0032】
図6は、メッセージマスタ409に格納されている、ひな型html文書の一部の概略を示す図である。
メッセージマスタ409の実体は、多数のhtml文書の集合体であり、それぞれユニークなファイル名が付与されている。
ファイル名「teionki.html」である第一の文書602は、ユーザが現在低温期にあるときに、ユーザの携帯型無線端末104に送信するhtml文書である。
第一の文書602には、文書のタイトルとして「今日の体周期」が付されている。
第一の文書602には、文書の本文に「%handle%」と「%teiondays%」という変数名が埋め込まれている。
「%handle%」は、ユーザマスタ404のハンドルフィールドから読み出したユーザのハンドルで置換される。
「%teiondays%」は、体周期テーブル504の平均低温相期間フィールドから読み出した平均低温相期間と、平均高温相期間フィールドから読み出した平均高温相期間と、平均月経周期フィールドから読み出した平均月経周期と、次回生理日フィールドから読み出した次回生理日とを用いて、今日が低温相期間の何日目に該当するかを演算した値で置換される。
【0033】
同様に、ファイル名「hairanki.html」である第二の文書603は、ユーザが現在排卵期にあるときに、ユーザの携帯型無線端末104に送信するhtml文書である。
「%hairandays%」は、体周期テーブル504の平均低温相期間フィールドから読み出した平均低温相期間と、平均高温相期間フィールドから読み出した平均高温相期間と、平均月経周期フィールドから読み出した平均月経周期と、次回生理日フィールドから読み出した次回生理日とを用いて、今日が排卵期の何日目に該当するかを演算した値で置換される。
【0034】
同様に、ファイル名「kouonki.html」である第三の文書604は、ユーザが現在高温期にあるときに、ユーザの携帯型無線端末104に送信するhtml文書である。
「%kouondays%」は、体周期テーブル504の平均低温相期間フィールドから読み出した平均低温相期間と、平均高温相期間フィールドから読み出した平均高温相期間と、平均月経周期フィールドから読み出した平均月経周期と、次回生理日フィールドから読み出した次回生理日とを用いて、今日が高温期の何日目に該当するかを演算した値で置換される。
【0035】
なお、メッセージマスタ409は、ファイル名フィールド、タイトルフィールド、そして本文フィールドよりなるテーブルで構成することもできる。
【0036】
サービス文書送信部408は、アクセスしてきたユーザのIDで体周期テーブル504を検索して、ヒットしたレコードを読み取る。そして、ユーザマスタ404から情報サービスに関する設定値を読み出し、メッセージマスタ409から該当するhtml文書を読み出す。html文書中の「%」で囲まれている変数名は、先に体周期テーブル504を検索して得たレコードから読み取った種々のデータを基に、前述の演算等の処理を経て、所定の文字列に置換される。こうして出来上がったhtml文書が、携帯型無線端末104に送信される。この、送信される複数のhtml文書が、サービス文書309である。
【0037】
以上、基礎体温管理システム101の全体と、その構成要素を説明した。図1から判るように、携帯型無線端末104とサービス提供サーバ107は、典型的なwebベースのクライアント・サーバモデルを構成する。また、携帯型無線端末104は、基礎体温計102が計測した基礎体温データを基礎体温計102から受け取って、サービス提供サーバ107にアップロードする役割を担う。
【0038】
《システムの動作》
[システム全体の動作の流れ]
図7は、基礎体温管理システム101のシーケンス図である。
なお、これ以降の説明では、ユーザは予め起床する可能性のある時間帯を、午前4時から午前9時半までと決め、且つ、基礎体温計102の目覚ましアラーム鳴動時間を午前6時半と決めて、携帯型無線端末104に入力し、携帯型無線端末104及び基礎体温計102に設定しているものとする。
これ以降、ユーザが指定した起床する可能性のある時間帯を「起床時間帯」と呼ぶ。
【0039】
午前4時になるまでは、基礎体温計102は休眠状態にあり、携帯型無線端末104はティッカー表示状態である。
午前4時になると、基礎体温計102は休眠状態から動作モードを変更する(S701)。マイコン204はA/D変換器203をオン動作し、サーミスタ202の温度変化を監視する、待機状態になる。
そして、同時刻に携帯型無線端末104はティッカー表示状態から動作モードを変更し、通信待機兼ティッカー表示状態に移行する(S702)。
【0040】
午前6時半になると、基礎体温計102のマイコン204はブザー209を駆動し、目覚ましアラームを鳴動させる(S703)。ユーザはこれに呼応して睡眠から覚醒する。ユーザは、ユーザの枕元に置かれている基礎体温計102を口に咥える。すると、温度検出部202のサーミスタの温度が上昇し、マイコン204がこれを検出する。温度が安定すると、マイコン204はその時のデータを取得し、演算処理を施して、基礎体温データを得る。これが基礎体温計測である。
基礎体温計102は、ディスプレイに基礎体温を表示すると共に、基礎体温データを携帯型無線端末104へ送信する(S704)。
基礎体温計102は、基礎体温データを携帯型無線端末104へ送信した後は、動作モードを変更し、休眠状態に戻る(S705)。
【0041】
携帯型無線端末104は、基礎体温計102から送信された基礎体温データを受信する(S706)。
次に、携帯型無線端末104は受信した基礎体温データをサービス提供サーバ107に送信する(S707)。
サービス提供サーバ107の基礎体温データ受信部1103は、携帯型無線端末104から送信された基礎体温データを受信する(S708)。
基礎体温データ受信部1103は、体周期演算部411を起動して、体周期テーブル504を更新する。そして、サービス文書送信部408が起動される。
サービス文書送信部408は、メッセージマスタ409と体周期テーブル504を基に、サービス文書309を作成し、携帯型無線端末104に送信する(S709)。
携帯型無線端末104は、サービス文書309を受信する(S710)。
【0042】
携帯型無線端末104は、ステップS702で動作モードが変更される前は、ティッカー表示状態である。
携帯型無線端末104は、ステップS702で動作モードが変更されると、ティッカー表示状態から通信待機兼ティッカー表示状態に移行する。
その後、携帯型無線端末104は、ステップS706で基礎体温データを基礎体温計102から受信すると、動作モードが通信待機兼ティッカー表示状態から基礎体温データ送受信状態に移行する。
そして、携帯型無線端末104は、ステップS710でサービス文書309をサービス提供サーバ107から受信すると、動作モードが基礎体温データ送受信状態からティッカー表示状態に移行する。
【0043】
仮に、ユーザが寝坊する等、基礎体温の計測を忘れると、基礎体温計102及び携帯型無線端末104は、予めユーザによって設定された起床時間帯の間、動作モードが変更されたままとなる。基礎体温計102は休眠状態から待機状態となり、携帯型無線端末104はティッカー表示状態から通信待機兼ティッカー表示状態となる。
そして、午前9時半を過ぎると、それぞれ元の状態に戻る。基礎体温計102は待機状態から休眠状態となり、携帯型無線端末104は通信待機兼ティッカー表示状態からティッカー表示状態となる。
起床時間帯とは、基礎体温の計測とデータ転送を準備している状態である。基礎体温計102は温度検出部202のA/D変換回路をオン動作させ、携帯型無線端末104は近距離無線通信部304をオン動作させる。これらは待機状態であっても微弱ながら電力を消費する回路である。設定した起床時間帯の間だけ、これらの回路を通電することで、バッテリ(電池)駆動機器である基礎体温計102及び携帯型無線端末104の電力消費を抑える。
【0044】
[携帯型無線端末の変化]
図8は、携帯型無線端末104の状態遷移図である。
ユーザが指定した起床時間帯にないときは、携帯型無線端末104はティッカー表示状態S801である。つまり、従来の待ち受けアプリと同等の動作のみ行う。これは、基礎体温計102からデータの受信を待つために起動する近距離無線通信部304の電力消費を極力抑えるための工夫である。起床時間帯を設定する理由はこのためである。
【0045】
ティッカー表示状態S801から操作部303を操作して所定のキー操作を行うと、内容一覧表示状態S802に移行する。ティッカーとして表示しているサービス文書309のタイトルを、携帯型無線端末104の表示部311全面に一覧表示する。
【0046】
内容一覧表示状態S802から所定のタイトルを一つ選ぶ操作を行うと、内容詳細表示状態S803に移行する。サービス文書309の本文を、携帯型無線端末104の表示部311全面に表示する。この状態で文書移動操作を行うと、前後の文書に移動して、その内容の詳細を表示する。
【0047】
内容一覧表示状態S802或は内容詳細表示状態S803に、htmlの「Aタグ」と呼ばれるリンクを選択する操作を行うと、待ち受けアプリは一時停止し、webブラウザが起動し、選択したAタグに埋め込まれているリンク先の文書を表示する。これがwebアクセス状態S804である。
【0048】
ティッカー表示状態S801から現在時刻が起床時間帯に入ると、携帯型無線端末104は通信待機兼ティッカー表示状態S805に移行する。つまり、従来の待ち受けアプリと同等の動作と平行して、基礎体温計102からデータの受信を待つために近距離無線通信部304を起動し、基礎体温計102から発されるデータ送信要求の有無を監視する。
【0049】
通信待機兼ティッカー表示状態S805から操作部303を操作して所定のキー操作を行うと、内容一覧表示状態S802に移行する。ティッカーとして表示しているサービス文書309のタイトルを、携帯型無線端末104の表示部311全面に一覧表示する。これは、通信を待機している状態であっても、ユーザの操作に応じてサービス文書309を表示するためである。
【0050】
通信待機兼ティッカー表示状態S805のときに、基礎体温計102からデータ送信要求が送信されたことを検出すると、基礎体温データ送受信状態S806に移行する。
基礎体温データ送受信状態S806で、データの送受信が終了すると、ティッカー表示状態S801に移行する。
【0051】
図9は、通信待機兼ティッカー表示状態の、携帯型無線端末104のブロック図である。図8の通信待機兼ティッカー表示状態S805の時に、図3の携帯型無線端末104のうち、有効に機能している機能ブロックを明示したものである。
図3と見比べると、広域無線通信部307が機能していないことが判る。
なお、起床時間帯にないときは、入出力制御部302は近距離無線通信部304に対する電源の供給をオフ制御する。つまり、図8のティッカー表示状態S801となる。
【0052】
図10は、webアクセス状態の携帯型無線端末104のブロック図である。図8のwebアクセス状態S804の時に、図3の携帯型無線端末104のうち、有効に機能している機能ブロックを明示したものである。
図3と見比べると、近距離無線通信部304及びリアルタイムクロック312が機能していないことが判る。これは周知のwebブラウザとしての機能である。
【0053】
図11は、基礎体温データ送受信状態の携帯型無線端末104のブロック図である。図8の基礎体温データ送受信状態S806の時に、図3の携帯型無線端末104のうち、有効に機能している機能ブロックを明示したものである。但し、入出力制御部302が状態の変化に応じて複数の機能を果たしているので、これを複数の機能ブロックで明示している。
入出力制御部302は、個体認証部1102、基礎体温データ受信部1103、個人認証部1104、基礎体温データ送信部1105、サービス文書受信部1106の順に、それぞれの機能を実行する。いわばバッチ処理である。
個体認証部1102は、携帯型無線端末104の個体情報306を基に、個体認証処理を行う。個体認証処理とは、携帯型無線端末104に対し、自分が正規の通信相手であることを確認して貰う処理である。
基礎体温データ受信部1103は、近距離無線通信部304から受信した基礎体温データを、一時メモリ1107に格納する。
【0054】
個人認証部1104は、サーバ情報1108を参照し、広域無線通信部307を介してサービス提供サーバ107にアクセスし、ユーザのアカウント情報308を基に、個人認証処理を行う。個人認証処理とは、サービス提供サーバ107に対し、自分が正規の通信相手であることを確認して貰う処理である。
基礎体温データ送信部1105は、サーバ情報1108を参照し、広域無線通信部307を介してサービス提供サーバ107にアクセスし、一時メモリ1107から読み出した基礎体温データを、サービス提供サーバ107に送信する。
サービス文書受信部1106は、サーバ情報1108を参照し、広域無線通信部307を介してサービス提供サーバ107にアクセスし、サービス提供サーバ107からサービス文書309を受信して不揮発性ストレージ305に格納する。
【0055】
[携帯型無線端末の動作]
図12から図16まで、携帯型無線端末104(待ち受けアプリ)の動作をフローチャートで説明する。
図12は、携帯型無線端末104の全体動作のフローチャートである。これは、待ち受けアプリのメインルーチンである。
処理を開始すると(S1201)、入出力制御部302はリアルタイムクロック312から現在時刻を取得し、現在時刻が起床時間帯にあるか否か、すなわち基礎体温計102から基礎体温データを受信するための受信待ち時間帯にあるか否かを判定する(S1202)。
【0056】
現在時刻が起床時間帯にあれば(S1202のYES)、入出力制御部302は次に今日のデータ送受信処理が未だ完了していないか否かを確認する(S1203)。この、確認の方法は様々な方法がある。一例としては、送受信処理を完了したらそのときの日時を保持しておく方法や、サービス文書309の中の、体周期を示すhtml文書ファイルのタイムスタンプで判断する方法等が考えられる。
今日のデータ送受信処理が未了であれば(S1203のYES)、受信待機処理を実行する(S1204)。
今日のデータ送受信処理が既に完了していれば(S1203のNO)、通常処理を実行する(S1205)。
受信待機処理(S1204)と通常処理(S1205)のいずれの処理であっても、一旦処理を終了し(S1206)、その後処理を再開する(S1201)。つまり、メインルーチンはループ処理である。
【0057】
図13は、通常処理のフローチャートである。図12のステップS1205に相当する。
処理を開始すると(S1301)、入出力制御部302はごく僅かな時間だけ、操作部303のキー操作を待つ(S1302)。
キー操作が予め定めた特定のキー操作であった場合には(S1303のYES)、入出力制御部302はサービス文書表示処理を行う(S1304)。そうでなく、キー操作がない場合には(S1303のNO)、ティッカー表示処理を行う(S1305)。
サービス文書表示処理(S1304)とティッカー表示処理(S1305)のいずれの処理であっても、これら処理の完遂後、入出力制御部302は一連の処理を終了する(S1306)。
【0058】
図14は、受信待機処理のフローチャートである。図13の通常処理と違う点は、基礎体温計102のアクセスの有無を監視して、アクセスがあればデータ送受信処理を実行することである。
【0059】
処理を開始すると(S1401)、入出力制御部302はごく僅かな時間だけ、操作部303のキー操作を待つ(S1402)。
キー操作が特定のキー操作であった場合には(S1403のYES)、入出力制御部302はサービス文書表示処理を行う(S1404)。そうでなく、キー操作がない場合には(S1403のNO)、入出力制御部302は次に近距離無線通信部304を監視して、基礎体温計102からデータ送信要求が来ていないか否かを確認する(S1405)。もし、基礎体温計102からそのような要求が来ていないのなら(S1405のYES)、入出力制御部302はティッカー表示処理を行う(S1406)。
基礎体温計102からデータ送信要求が来ていれば(S1405のNO)、入出力制御部302はデータ送受信処理を実行する(S1407)。
サービス文書表示処理(S1404)、ティッカー表示処理(S1406)及びデータ送受信処理(S1407)のいずれの処理であっても、これら処理の完遂後、入出力制御部302は一連の処理を終了する(S1408)。
【0060】
図15は、サービス文書表示処理のフローチャートである。
処理を開始すると(S1501)、先ず入出力制御部302はティッカーとして表示されるサービス文書309の各html文書のタイトルを一覧表示する、内容一覧表示処理を実行する(S1502)。
次に、入出力制御部302はユーザによる操作部303のキー操作を待つ(S1503)。
キー操作が内容表示を指定するものであれば(S1504のYES)、現在カーソルが位置しているサービス文書309の本文を表示部311に表示する、内容表示処理を実行する(S1505)。
【0061】
キー操作が内容表示を指定するものでなければ(S1504のNO)、入出力制御部302は、更にキー操作がwebアクセスを指定するものであるか否かを確認する(S1506)。
webアクセスを指定するキー操作であれば(S1506のYES)、引数にURL文字列を渡して、携帯型無線端末104に内蔵されているプログラムである、webブラウザを起動する(S1507)。この時点で待ち受けアプリ自体はwebブラウザが終了するまで一時停止状態となる。そして、webブラウザが終了すると、ステップS1502に移行し、再度内容一覧表示処理を実行する。
webアクセスを指定するキー操作でなければ(S1506のNO)、そのキー操作は終了を意味する操作なので、表示画面の内容を消去する等の終了処理を実行して(S1508)、一連の処理を終了する(S1509)。
【0062】
ステップS1505で内容表示処理を実行すると、次に入出力制御部302はユーザによる操作部303のキー操作を待つ(S1510)。
キー操作が終了を意味する操作であれば(S1511のYES)、表示画面の内容を消去する等の終了処理を実行して(S1508)、一連の処理を終了する(S1509)。
キー操作が終了を意味する操作でなければ(S1511のNO)、入出力制御部302は、更にキー操作がwebアクセスを指定するものであるか否かを確認する(S1512)。
webアクセスを指定するキー操作であれば(S1512のYES)、引数にURL文字列を渡してwebブラウザを起動する(S1513)。この時点で待ち受けアプリ自体はwebブラウザが終了するまで一時停止状態となる。そして、webブラウザが終了すると、ステップS1505に移行し、再度内容表示処理を実行する。
【0063】
図16は、データ送受信処理のフローチャートである。
処理を開始すると(S1601)、先ず、個体認証部1102が基礎体温計102の個体認証を行う(S1602)。
次に、基礎体温データ受信部1103が基礎体温計102から近距離無線通信部304を介して基礎体温データを受信する(S1603)。受信した基礎体温データは一時メモリ1107に格納される。
次に、個人認証部1104はサーバ情報1108を基に広域無線通信部307を通じてサービス提供サーバ107にアクセスする(S1604)。
そして、個人認証部1104はアカウント情報を用いてサービス提供サーバ107と個人認証を行う(S1605)。
個人認証処理を経てデータ送受信が可能になったら、基礎体温データ送信部1105は一時メモリ1107に保持されている基礎体温データをサービス提供サーバ107に送信する(S1606)。
次に、サービス文書受信部1106は、サービス提供サーバ107から送信されるサービス文書309を受信し、不揮発性ストレージに保存する(S1607)。そして、一連の処理を終了する(S1608)。
【0064】
図17(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、携帯型無線端末104の各種状態の画面を示す図である。
図17(a)は、携帯型無線端末104が待ち受け状態の時の表示画面である。中央にはユーザが自らの好みで選択した画像1702が表示されている。その下に、ティッカー表示領域1703が設けられている。これが、待ち受けアプリで実現されるティッカー表示機能である。
【0065】
図17(b)は、携帯型無線端末104が内容一覧表示状態S802の時の表示画面である。サービス文書309のタイトルが列挙表示されている。その最上段には、リンク1704が表示されている。このリンク1704を選択すると、webブラウザが起動し、サービス提供サーバ107へアクセスすることができる。
【0066】
図17(c)は、携帯型無線端末104が内容表示状態の時の表示画面である。図17(b)で列挙表示されているサービス文書309のタイトルのうちの一つを選択した結果の画面である。図17(c)で表示されている本文は、図6の第一の文書602の本文である。「%handle%」と「%teiondays%」が、具体的な文字列に置換されている。
【0067】
図17(d)は、携帯型無線端末104がwebアクセス状態S804の時の表示画面である。図17(b)で列挙表示されているサービス文書309のタイトルのうちの最上段のリンク1704を選択した結果の画面である。三つのリンク1705、1706及び1707が設けられている。
【0068】
図17(e)は、携帯型無線端末104がwebアクセス状態S804の時の表示画面である。図17(d)で列挙表示されているリンク1705、1706及び1707のうちの最上段のリンク1705を選択した結果の画面である。生理開始日を入力するための、三つの選択肢よりなる日付入力欄1708が表示されている。
【0069】
図17(b)の内容を見て判るように、サービス文書309は、必ずしも体周期に関する情報だけではない。ユーザはニュースや天気予報、或は占いや娯楽等の、様々な情報サービスを任意に選択することができる。
【0070】
図18は、携帯型無線端末104が体周期表示状態にある状態を示す図である。通常、携帯型無線端末104は縦向きに使用するが、体周期表示状態の時、携帯型無線端末104は横向きで使用される。表示部311に体周期グラフを表示するためである。携帯型無線端末104にはフォントを回転させる機能を備えるものがあるとは限らないので、表示部311に表示される体周期グラフに記載されている文字も、体周期グラフと同様の画像データである。
【0071】
本実施形態には、以下のような応用例が考えられる。
(1)体周期の情報と、健康管理、美容或はダイエットに関する情報をリンクさせることができる。
女性の体周期は健康状態に大きく影響する。そこで、体周期に連動した、健康状態を維持するための情報、美容に有用な情報、ダイエットを実施するに好ましい時期の情報を提供することができる。
基礎体温データや生理開始日等が登録される度に体周期テーブル504が更新されるので、上述の体周期に連動する情報提供サービスの、提供する情報のタイミングを正確にすることができる。
【0072】
(2)基礎体温計102に加え、携帯型無線端末104と通信する機器を追加することができる。
例えば、体脂肪計を基礎体温計102のようにBlueTooth(登録商標)で通信できるように構成すると、体周期の情報と体重及び体脂肪率の情報を追加することができるので、ダイエットの目標設定と実行すべき内容を具体的に提示することができる。
【0073】
(3)サービス提供サーバ107にソーシャルネットワーキングサービスを追加することで、ユーザ同士のコミュニケーションを図ることができる。妊娠や出産等のための情報交換は、ユーザ相互の親睦を図るだけでなく、体調管理等の意識の向上にも役立つであろう。
【0074】
本実施形態では、基礎体温管理システムを開示した。これは、従来技術の、単体の(スタンドアロン)基礎体温計の機能を、ネットワークを用いたクライアント・サーバシステムの形態で置換したものと考えることができる。
従来のスタンドアロン型基礎体温計のうち、以下の機能がそれぞれ分離された。
体周期表示機能は、携帯型無線端末104の表示部311で代替された。
基礎体温データ及び生理開始日データ等のデータ記憶機能は、サービス提供サーバ107のデータベースで代替された。
体周期演算機能及び体周期補正機能は、サービス提供サーバ107の演算機能で代替された。
これらの機能は、広大な液晶ディスプレイや、大容量の不揮発性ストレージ、高速且つ高機能な演算を実行できるマイコン等の、高価なリソースを必要とするものである。これら高価なリソースを要する機能を、従来のスタンドアロン型基礎体温計から分離することで、本実施形態の基礎体温計102は、基礎体温計測機能と、携帯型無線通信端末とのデータ通信機能だけを備えるだけで済む。つまり、基礎体温計の大幅な簡素化、低価格化、軽量化、低消費電力化が可能となる。また、簡素化されることで、堅牢にもなり、故障発生率も大幅に低下する。
更に、生理開始日の入力は、極めて広く普及している携帯型無線端末で実行できるので、生理開始日を入力するためだけに基礎体温計を携行する必要がなくなる。
【0075】
更に、本実施形態のシステムは、携帯型無線端末104の情報表示機能を有効利用し、ユーザの体周期に連動する情報サービスをサービス提供サーバ107から提供することができる。
【0076】
以上、本発明の実施形態例について説明したが、本発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
【符号の説明】
【0077】
101…基礎体温管理システム、102…基礎体温計、103…表示部、104…携帯型無線端末、105…無線公衆回線、106…インターネット、107…サービス提供サーバ、202…温度検出部、204…マイコン、205…近距離無線通信部、206…アカウントデータ、207…設定データ、208…リアルタイムクロック、209…ブザー、210…アンテナ、211…不揮発性ストレージ、302…入出力制御部、303…操作部、304…近距離無線通信部、305…不揮発性ストレージ、306…個体情報、307…広域無線通信部、308…アカウント情報、309…サービス文書、310…表示制御部、311…表示部、312…リアルタイムクロック、402…webサーバプログラム、403…ユーザ認証部、404…ユーザマスタ、405…基礎体温データ受信部、406…体周期データベース、407…生理開始日データ受信部、408…サービス文書送信部、409…メッセージマスタ、410…体周期データ送信部、411…体周期演算部、412…SMTPサーバプログラム、413…基礎体温データ受信部、414…生理開始日データ受信部、502…基礎体温テーブル、503…生理テーブル、504…体周期テーブル、602…第一の文書、603…第二の文書、604…第三の文書、1102…個体認証部、1103…基礎体温データ受信部、1104…個人認証部、1105…基礎体温データ送信部、1106…サービス文書受信部、1107…一時メモリ、1108…サーバ情報、1702…画像、1703…ティッカー表示領域、1704、1705、1706、1707…リンク、1708…日付入力欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測した基礎体温データを送信するための第一の近距離無線通信部を備える基礎体温計と、
前記基礎体温データを記録する基礎体温テーブルを備えるサービス提供サーバと、
前記基礎体温計から送信された前記基礎体温データを受信する第二の近距離無線通信部と、前記基礎体温データを前記サービス提供サーバに送信する広域無線通信部とを備える携帯型無線端末と
よりなる基礎体温管理システム。
【請求項2】
前記サービス提供サーバは更に、前記携帯型無線端末から送信された生理開始日データを記録する生理テーブルを備える、請求項1記載の基礎体温管理システム。
【請求項3】
前記サービス提供サーバは更に、
前記携帯型無線端末から前記基礎体温データ及び前記生理開始日データが送信された際に、前記基礎体温データ及び前記生理開始日データを送信したユーザの体周期を計算する体周期演算部と、
前記体周期演算部の演算結果である次回生理日及び次回排卵日を記録する体周期テーブルと
を備える、請求項2記載の基礎体温管理システム。
【請求項4】
基礎体温を検出するための温度検出素子と、
前記温度検出素子から得られる信号をデジタル値の基礎体温データに変換するA/D変換器と、
前記基礎体温データを送信するための近距離無線通信部と、
前記基礎体温データを送信する相手である相手側機器の個体情報であるアカウントデータを格納する記憶部と、
前記近距離無線通信部で前記アカウントデータを用いて認証処理を行い、前記認証処理が正常に終了した後に前記近距離無線通信部を制御して前記基礎体温データを送信する制御部と
を備える基礎体温計。
【請求項5】
更に、現在時刻情報を出力するリアルタイムクロックを備え、
前記記憶部には更に予め定められた動作時間帯情報が記録されている設定データが格納されており、
前記制御部は、前記リアルタイムクロックから得られる現在時間情報が、前記設定データに記されている前記動作時間帯情報の範囲内にあるときに、前記A/D変換器を駆動するものである、請求項4記載の基礎体温計。
【請求項6】
更に、ブザーを備え、
前記制御部は、前記リアルタイムクロックから得られる現在時間情報が、前記動作時間帯情報の範囲内にある予め定められた起床時間になった時に、前記ブザーを駆動するものである、請求項5記載の基礎体温計。
【請求項7】
基礎体温計から送信される基礎体温データを受信する近距離無線通信部と、
前記近距離無線通信部を制御して、前記基礎体温計が保持する個体情報を用いて前記基礎体温計が真正の通信相手であるかを確認した後、前記基礎体温計から前記基礎体温データを受信するべく制御する入出力制御部と
を備える携帯型無線端末。
【請求項8】
更に、
前記基礎体温データを無線公衆回線を介してサービス提供サーバに送信する広域無線通信部と
を備え、
前記入出力制御部は、前記近距離無線通信部を制御して前記基礎体温データを受け取った後、前記広域無線通信部を制御して前記基礎体温データを前記サービス提供サーバに送信させるものである、請求項7記載の携帯型無線端末。
【請求項9】
更に、現在時刻情報を出力するリアルタイムクロックを備え、
前記入出力制御部は、前記リアルタイムクロックから得られる現在時間情報が、予め定められた待機時間帯情報の範囲内にあるときに、前記近距離無線通信部を駆動するものである、請求項8記載の携帯型無線端末。
【請求項10】
ユーザを一意に識別するIDフィールドと、前記ユーザの基礎体温データを記録する基礎体温フィールドとを備える基礎体温テーブルと、
携帯型無線端末から基礎体温データを受信して前記基礎体温テーブルに記録する基礎体温データ受信部と、
前記ユーザを一意に識別するIDフィールドと、前記ユーザの生理開始日を記録する開始日フィールドとを備える生理テーブルと、
前記携帯型無線端末から生理開始日を受信して前記生理テーブルに記録する生理開始日データ受信部と、
前記ユーザを一意に識別するIDフィールドと、前記ユーザの次回生理日を記録する次回生理日フィールドと、前記ユーザの次回排卵日を記録する次回排卵日フィールドとを備える体周期テーブルと、
前記基礎体温データ受信部及び前記生理開始日データ受信部に呼応して起動され、前記基礎体温テーブルと前記生理テーブルを読み込み、前記ユーザの次回生理日と次回排卵日を計算して、前記体周期テーブルに記録する体周期演算部と
を備えるサービス提供サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2010−167043(P2010−167043A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−11299(P2009−11299)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】