説明

基礎施工機、それに取り付けるアタッチメント及び基礎の施工方法

【課題】アタッチメントを取り替えるだけで、一種類の機械で複数種類の工事の実施が可能となる基礎施工機を提供する。
【解決手段】長尺状のリーダ11と、そのリーダに沿って移動するスライダ部2と、そのスライダ部に取り付けられる回転駆動装置3とを備えた基礎施工機1である。
そして、回転駆動装置の回転部30には、アタッチメント4,5を取り付けるための上端接続口31及び下端接続口32が形成されるとともに、上端接続口と下端接続口との間は流体の通過が可能な流体経路によって連通されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭の打設、地盤の掘削、既設杭の撤去など基礎工事の際に使用される基礎施工機、及びそれに取り付ける各種のアタッチメント、並びにそれらを使用した基礎の施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、H形鋼材を杭として打設する杭打設装置が知られている。
【0003】
また、特許文献2には、リバース掘削機によって掘削孔を形成し、その掘削孔に鉄筋籠とコンクリートとを投入することで、場所打ちコンクリート杭を構築する方法が開示されている。
【0004】
さらに、特許文献2には、アースドリル掘削機の駆動軸に接続したケーシングパイプや鋼管を、回転させながら地盤に押し込む方法についても開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−331655号公報
【特許文献2】特開2004−263561号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら特許文献1に開示された杭打ち装置は、H形鋼材を打設するための専用機である。
【0007】
一方、特許文献2に開示されているリバース工法やケーシングを埋設する方法を実施する際にも、リバース掘削機やアースドリル掘削機という専用の施工機がそれぞれ使用される。
【0008】
このように実施する工種又は工法によって基礎工事に使用される施工機は様々であり、一つの現場で複数の工種を実施する場合は、工種毎に異なる施工機を準備しなければならない。特に、鉄道に隣接する場所や狭隘な場所では、一度に複数の施工機を配置することができず、工種毎に段取り替えが必要になり工期が長引く原因になる。
【0009】
また、色々な工種の工事を行ないたい施工者は、その工種毎に専用の施工機を揃えなければならず、機械費などが嵩むという問題がある。
【0010】
そこで、本発明は、アタッチメントを取り替えるだけで、一種類の機械で複数種類の工事の実施が可能となる基礎施工機、及びそれに取り付ける各種のアタッチメント、並びにそれらを使用した基礎の施工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明の基礎施工機は、長尺状のリーダと、そのリーダに沿って移動するスライダ部と、そのスライダ部に取り付けられる回転駆動装置とを備えた基礎施工機であって、前記回転駆動装置の回転部には、アタッチメントを取り付けるための上端接続口及び下端接続口が形成されるとともに、前記上端接続口と前記下端接続口との間は流体の通過が可能な流体経路によって連通されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明のアタッチメントは上記基礎施工機に取り付けるアタッチメントであって、前記上端接続口に装着させる蓋部と、その蓋部上に設けられる回転可能なスイベル部と、そのスイベル部の上部に設けられる継手口部とを備え、前記蓋部と前記スイベル部と前記継手口部とは内空が連通していることを特徴とする。ここで、前記継手口部は流体圧送用のホースが接続可能となるように形成することができる。また、前記継手口部は、土砂が混入した流体の搬送が可能な内径の湾曲管の端部に形成されていてもよい。
【0013】
さらに、上記基礎施工機に取り付けるアタッチメントであって、前記下端接続口に装着させる受け部と、その受け部の下方に設けられるとともに芯材の上端を取り付ける芯材取付部と、前記受け部と前記芯材取付部との間の流体経路となるパイプ部とを備えたことを特徴とする。ここで、前記受け部と前記芯材取付部とは回動機構を介して接続されるとともに、前記パイプ部には前記回動機構の作動に伴って変形可能な可変部が形成される構成とすることもできる。
【0014】
また、上記基礎施工機に取り付けるアタッチメントであって、前記下端接続口に装着させる受け蓋部と、その受け蓋部の下方に設けられる中空の連絡ロッド部と、その連絡ロッド部の下方に設けられるとともに管材の上端を取り付ける管材取付部とを備えたことを特徴とする。
【0015】
さらに、上記基礎施工機に取り付けるアタッチメントであって、前記下端接続口に装着させる上部と、その上部の下方に設けられるとともに長手方向に延設される配管を有するケーシングの上端を取り付けるケーシング取付部と、前記上部と前記配管との間の流体経路となる連絡パイプ部とを備えたことを特徴とする。ここで、前記上部と前記ケーシング取付部とは回動機構を介して接続されるとともに、前記連絡パイプ部には前記回動機構の作動に伴って変形可能な可変部が形成される構成とすることもできる。
【0016】
また、本発明の基礎の施工方法は、上記基礎施工機にアタッチメントを装着しておこなう基礎の施工方法であって、流体を供給可能なアタッチメントを上端接続口に取り付け、芯材取付部を備えたアタッチメントを下端接続口に取り付け、前記芯材取付部に前記芯材の上端を取り付け、地盤の中に前記芯材を埋設させることを特徴とする。
【0017】
さらに、前記管材取付部に前記管材の上端を取り付け、前記管材から前記湾曲管に向けて掘削土砂を搬送させながら地盤を掘削する方法を実施することもできる。
【0018】
また、前記ケーシング取付部に前記ケーシングの上端を取り付け、前記配管によって搬送される高圧の流体を噴出させながら地盤に前記ケーシングを埋設させる方法を実施することもできる。ここで、前記ケーシングには、更に別のケーシングを接続する際の位置合わせをおこなうための対となる突起部と切込み部とが上端と下端とにそれぞれ設けられているとともに、一方のケーシングの突起部と他方のケーシングの切込み部とがかみ合うと配管同士が接続される構成とすることもできる。
【発明の効果】
【0019】
このように構成された本発明の基礎施工機は、上端接続口と下端接続口にそれぞれアタッチメントを取り付ける構成となっている。
【0020】
このため、取り付けるアタッチメントの種類を変えることで、一種類の基礎施工機で様々な工種の工事を施工することができる。
【0021】
例えば、上端接続口に蓋部とスイベル部と継手口部の内空が連通しているアタッチメントを取り付けることで、流体を回転駆動装置に供給したり、回転駆動装置を通った流体を排出したりすることができる。すなわち、継手口部が流体圧送用のホースの接続が可能となるように形成されていれば、水や安定液を掘削孔に供給するためのホースを容易に接続することができる。また、掘削孔などで発生した掘削土砂の混入した泥水などを、内径の大きな湾曲管を通して容易に外部に排出することができる。
【0022】
また、下端接続口に芯材取付部を備えたアタッチメントを取り付けることで、H形鋼材などの芯材を杭として地盤に埋設する際にも、本発明の基礎施工機を使用することができる。
【0023】
さらに、芯材取付部の上部に回動機構を介在させることによって、芯材を横向きにして地上の作業員が手の届く高さ位置で取り付けることができ、芯材の取り付けに高所作業がなくすことができる。
【0024】
また、中空の連絡ロッド部と管材取付部とを備えたアタッチメントを下端接続口に取り付け、管材取付部にロッドとなる管材を接続することによって、掘削土砂が混入した泥水などの流体を掘削孔から排出しながら地盤を掘削することができる。
【0025】
さらに、ケーシング取付部を備えたアタッチメントを下端接続口に取り付けることで、ケーシングを回転させながら地盤に埋設することができる。また、このケーシング取付部が回動機構を介して接続されていれば、その回動機構を作動させることによって、ケーシングを横向きにして容易に取り付けることができる。
【0026】
また、安定液などの流体を供給可能なアタッチメントを上端接続口に取り付け、芯材取付部を備えたアタッチメントを下端接続口に取り付けることで、安定液などを吐出させながら杭となる芯材を地盤に埋設する杭の施工方法を実施することができる。さらに芯材を挿入した後は、セメントミルクなどの固化材を流体として搬送することで、芯材の周囲を固化材で被覆して固める工程を迅速におこなうことができる。
【0027】
また、管材取付部にロッドとなる管材を取り付け、その管材の先端のビットで地盤を掘削しながら管材に掘削土砂を取り込み、上端接続口に接続されたアタッチメントの湾曲管を通して掘削土砂を排出する構成にすることで、リバース工法によって掘削孔を構築することができる。
【0028】
さらに、高圧水などの流体を供給可能なアタッチメントを上端接続口に取り付け、ケーシング取付部を備えたアタッチメントを下端接続口に取り付けることで、高圧水を噴射させながらケーシングを地盤に押し込むことができる。このようにケーシングを地盤に押し込めば、ケーシング内部の既設杭を撤去したり、掘削孔を構築したりすることができる。
【0029】
また、ケーシングの内周面に沿って配管が延設されている場合であっても、突起部と切込み部とをかみ合わせることで配管同士を接続できれば、短時間でケーシング同士を接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態の基礎施工機の構成を説明する側面図である。
【図2】実施例1のアタッチメントの構成を説明する説明図である。
【図3】実施例1のアタッチメントの構成を説明する図であって、(a)は正面図、(b)は平面図である。
【図4】実施例1のアタッチメントに芯材を取り付ける工程を説明する説明図である。
【図5】実施例1の杭の施工方法を説明する側面図である。
【図6】実施例2のアタッチメントの構成を説明する説明図である。
【図7】実施例2の地盤の掘削方法を説明する側面図である。
【図8】実施例3のアタッチメントの構成を説明する説明図である。
【図9】実施例3のケーシングの埋設方法を説明する正面図である。
【図10】実施例3のケーシングの埋設方法を説明する側面図である。
【図11】実施例3のケーシングの接続方法を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、本実施の形態の基礎施工機1の構成を説明する側面図である。
【0033】
この基礎施工機1は、エンジンや運転室が設けられる本体部12と、移動手段としての無限軌道13と、本体部12の前面に設けられる起伏自在のリーダ11とから主に構成される。
【0034】
この長尺状のリーダ11の背面には、油圧シリンダ15の一端が取り付けられ、その油圧シリンダ15の他端は本体部12に取り付けられている。そして、油圧シリンダ15を伸縮させることによって、リーダ11の向きを垂直(上下方向)にしたり、横向きにしたりすることができる。
【0035】
また、無限軌道13の前方及び後方には、アウトリガー14,14が設けられ、施工中に必要な反力が確保できる構成となっている。さらに、無限軌道13の前方、かつリーダ11の下端付近には、貫通穴(図示せず)を有する振止め部16が設けられ、リーダ11によって上端が支持される部材の下端の揺動が抑えられる。
【0036】
また、このリーダ11には、その長手方向に沿って移動するスライダ部2が取り付けられる。このスライダ部2は、リーダ11の側面に長手方向に沿って延設されるレール21をガイドにして移動する。
【0037】
すなわち、このスライダ部2の上側にはチェーン22が連結されており、上方に向けて敷設されたチェーン22は、リーダ11上端のスプロケット23で下方に向けて折り返され、リーダ11下端のスプロケット23で再び折り返されてスライダ部2の下側に連結されている。そして、スプロケット23,23を回転させることでこのチェーン22を周回させると、スライダ部2がリーダ11に沿って移動することになる。
【0038】
また、このスライダ部2のリーダ11とは反対側には、回転駆動装置3が突設されている。この回転駆動装置3は、リーダ11の長手方向と略平行となる回転軸を中心に回転する回転部30と、その回転部30の駆動源となる油圧モータ33と、回転部30の上端に設けられる上端接続口31と、回転部30の下端に設けられる下端接続口32とから主に構成される。
【0039】
この上端接続口31及び下端接続口32は、後述する複数種類のアタッチメントの取り付けが可能となるような形態に形成されている。また、この上端接続口31及び下端接続口32とアタッチメントとの接合は、ボルトなど着脱が容易な手段によっておこなわれるように構成するのが好ましい。
【0040】
また、この上端接続口31と下端接続口32との間は、流体の通過が可能な流体経路(図示せず)が形成されている。すなわち、上端接続口31側から水や安定液などの流体が供給されると、流体経路を通って下端接続口32側から排出され、反対に、下端接続口32側から掘削土砂が混入した泥水などの流体が供給されると、流体経路を通って上端接続口31側から排出されることになる。
【0041】
なお、スライダ部2及び回転駆動装置3の詳細については、以下の実施例で説明する。
【0042】
このように構成された本実施の形態の基礎施工機1は、上端接続口31と下端接続口32にそれぞれアタッチメントを取り付ける構成となっている。
【0043】
このため、取り付けるアタッチメントの種類を変えることで、一種類の基礎施工機1で様々な工種の工事を施工することができる。
【実施例1】
【0044】
以下、前記した実施の形態の基礎施工機1に取り付けるアタッチメントについて実施例1として説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号又は名称を付して説明する。
【0045】
この実施例1では、芯材としてのH形鋼材50を杭として地盤Gに打設する際に使用するアタッチメント(4,5)について、図2−5を参照しながら説明する。
【0046】
図2は、回転駆動装置3の上端接続口31に送水アタッチメント4を取り付け、下端接続口32に芯材用アタッチメント5を取り付ける工程を説明する図である。
【0047】
まず、前記実施の形態で概要を説明したスライダ部2及び回転駆動装置3の詳細について説明する。
【0048】
このスライダ部2は、図2及び図3(b)に示すように、リーダ11の側面に取り付けられた四角筒状のレール21を把持するように平面視略コ字形に形成された係合部24を備えている。この係合部24のレール21に対する接触部には、移動の際の抵抗が小さいローラなどが取り付けられている。
【0049】
また、スライダ部2の上面には連結部22aが設けられており、その連結部22aにチェーン22の一端が接続される。さらに、スライダ部2の下面にも連結部22bが設けられており、その連結部22bにチェーン22の他端が接続される。
【0050】
また、スライダ部2には、リーダ11の正面に略平行する取付面25が形成されており、その取付面25に回転駆動装置3が取り付けられる。
【0051】
この回転駆動装置3には、図2の側面図、図3(a)の正面図及び図3(b)の平面図に示すように、中央に回転部30が設けられ、その両脇に回転部30の駆動源となる油圧モータ33,33が取り付けられている。
【0052】
この回転部30の上端は、上端接続口31として各種アタッチメントの取り付けが可能な形態になっている。また、回転部30の下端は、下端接続口32として各種アタッチメントの取り付けが可能な形態になっている。
【0053】
この実施例1では、上端接続口31に安定液を供給するための送水アタッチメント4を取り付ける。この送水アタッチメント4は、上端接続口31に装着させる蓋部41と、その蓋部41上に設けられるスイベル部42と、そのスイベル部42の上部に設けられる継手口部43とを備えている。
【0054】
この蓋部41は、上端接続口31と略同じ大きさの円盤状の蓋で、複数のボルト41a,・・・によって上端接続口31に固定される。
【0055】
また、スイベル部42は、上部と下部とが回転軸によって接続された回転可能な構成であり、例えば下部に回転力が作用しても、その回転力は上部まで伝達されず、上部は回転しない構成となっている。
【0056】
さらに、継手口部43には、高圧の流体を搬送する流体圧送用のホース44との水密性の高い接続が可能となるようにネジ溝(図示せず)が刻設されている。そして、安定液プラント(図示せず)から圧送ポンプ(図示せず)によって送出された安定液はホース44によって搬送され、継手口部43から送水アタッチメント4に入った安定液は、スイベル部42と蓋部41を通って回転部30に供給される。このため、回転部30が回転してもスイベル部42の下部がそれに伴って回転するだけで、継手口部43及びホース44は回転しない。
【0057】
一方、下端接続口32には、H形鋼材50の取り付けが可能な芯材用アタッチメント5を取り付ける。この芯材用アタッチメント5は、下端接続口32に装着させる受け部51と、その受け部51に流入する流体を下方に搬送させる流体経路となるパイプ部52と、受け部51の下方に設けられるとともにH形鋼材50の上端を取り付ける芯材取付部54とを備えている。
【0058】
この受け部51は、上方が開口した箱状に形成されており、その上縁のフランジに挿通されたボルト51a,・・・によって下端接続口32に固定される。
【0059】
また、受け部51に流入した安定液は、パイプ部52の上連結部522を通って可変部521に流れ込む。この可変部521は、ゴム管やジャバラ管などの伸縮性又は可撓性の材料で形成されている。
【0060】
さらに、可変部521を通った安定液は、図3(a)に示すように下連結部523と連絡管526とを通って内蔵管524に流れ込むことになる。この内蔵管524は、平面視四角形の下面が開口された箱状の芯材取付部54の上部空間に配管されている。そして、この内蔵管524を経由した安定液は、芯材取付部54の側面に取り付けられた継手管525,525に送られることになる。
【0061】
また、芯材取付部54の下部には、図2に示すような直方体状の収容部541が形成されており、その収容部541には、図4に示すようにH形鋼材50の上端が差し込まれ、H形鋼材50のウェッブ50aを貫く固定ピン542によって芯材取付部54にH形鋼材50が固定される。
【0062】
ここで、この芯材取付部54と受け部51とは、回動機構としてのヒンジ部53を介して接続されている。すなわち、図3(a)に示すように、受け部51から平行に垂下された取付片532,532の間に芯材取付部54の上面から突出された取付片533が差し込まれ、取付片532,533,532を貫通する回動軸531で連結されることによってヒンジ部53が構成される。
【0063】
そしてこのヒンジ部53によって、図4に示すように、受け部51に対して芯材取付部54を略直角に向けることができる。また、このようにヒンジ部53を回動させた際には、可変部521が変形するので、パイプ部52が破損することはない。
【0064】
また、芯材取付部54の継手管525には、送水管55の端部が接続され、その送水管55はH形鋼材50のウェッブ50aに沿って延設される。
【0065】
次に、実施例1の杭の打設方法について説明するとともに、基礎施工機1、送水アタッチメント4及び芯材用アタッチメント5の作用について説明する。
【0066】
まず、基礎施工機1を施工位置まで移動させてアウトリガー14,14を伸長させて定置し、油圧シリンダ15を作動させることによってリーダ11を起立させる。
【0067】
このように基礎施工機1は無限軌道13によって自走できるので、迅速に所定の場所に設置することができる。特に、鉄道に隣接して工事をおこなう場合は、施工可能時間が短いので、準備の時間を短くして連続した長い実作業時間を確保することで大幅に工期を短縮することができるようになる。
【0068】
そして、チェーン22を周回させてスライダ部2をリーダ11の下端付近まで下げ、図2に示すように、回転駆動装置3の上端接続口31に送水アタッチメント4を装着するとともに、下端接続口32に芯材用アタッチメント5を装着する。また、送水アタッチメント4の継手口部43には、ホース44を接続する。
【0069】
このようにリーダ11の下端に下げた状態で送水アタッチメント4及び芯材用アタッチメント5を装着するのであれば、地上の作業員の手の届く作業し易い高さ位置にあるため、安全、かつ容易に装着作業をおこなうことができる。
【0070】
続いて、図4に示すようにヒンジ部53を回動させ、横向きにした芯材取付部54に同じく横向きにしたH形鋼材50の上端を挿入し、固定ピン542で双方を連結する。このようにH形鋼材50を横向きにして取り付けることができれば、高所作業が発生せず、安全かつ容易に長尺のH形鋼材50を取り付けることができる。
【0071】
また、芯材用アタッチメント5の継手管525,525には、それぞれ送水管55,55の端部を取り付け、H形鋼材50の下端に向けて送水管55,55を延設していく。
【0072】
このようにしてH形鋼材50及び送水管55を取り付けた後に、スライダ部2を上方に向けて移動させると、それに伴ってヒンジ部53が図4で見て時計回りに回動してH形鋼材50が起立することになる。ここで、図5は、H形鋼材50を起立させた状態を示した図である。
【0073】
この起立したH形鋼材50の下部は振止め部16に挿通され、先端には掘削用のビット501が取り付けられている。また、送水管55,55は、このビット501の近傍まで延設されている。
【0074】
そして、地盤Gに掘削孔G1を掘削する際には、回転駆動装置3の回転部30を回転させることによって、それに接続されているH形鋼材50を回転させ、それに伴って回転するビット501によって地盤Gを切削する。
【0075】
また、この掘削に際しては、ホース44から送り込まれた安定液が、送水アタッチメント4、回転駆動装置3及び芯材用アタッチメント5を通過して送水管55,55に送り込まれ、送水管55,55の下端から地盤Gに向けて吐出される。
【0076】
そして、このようにして吐出される安定液によって、掘削孔G1の孔壁の崩壊が防止される。また、掘削孔G1から溢れ出す安定液には、掘削時に発生した土砂が含まれているので、掘削土砂の排出も行なわれることになる。
【0077】
このように回転させながらH形鋼材50を地盤Gに押し込み、その上端付近まで掘削孔G1に埋設しても所望する杭の長さにならない場合は、H形鋼材50の上端から芯材用アタッチメント5を切り離し、ヒンジ部53を作動させて芯材用アタッチメント5を横向きにする。
【0078】
そして、新たなH形鋼材50を芯材用アタッチメント5に装着し、スライダ部2を上昇させてそのH形鋼材50を起立させ、掘削孔G1に埋設されたH形鋼材50の上端に新たなH形鋼材50の下端を溶接などで接合する。また、その際には、送水管55,55同士の接続もおこなう。
【0079】
このようにして所望する長さになるまでH形鋼材50を埋設した後に、ホース44から安定液に替えてセメント系固化材としてのセメントミルクを送り込み、掘削孔G1とH形鋼材50との隙間にセメントミルクを充填する。
【0080】
このセメントミルクの充填は、H形鋼材50によって形成される杭の先端付近だけに根固めとしておこなうこともできるし、H形鋼材50の全長に亘って充填することもできる。
【0081】
このようにH形鋼材50に沿って送水管55を敷設しておくことで、掘削時には安定液を供給することができるうえに、セメントミルクの充填にも送水管55が利用できるので、工程間の切換時間が短くて済み、迅速に先端根固め杭又はH形鋼材50を芯材とする鉄骨コンクリート杭を構築することができる。
【0082】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態と略同様であるので説明を省略する。
【実施例2】
【0083】
以下、前記した実施の形態の基礎施工機1に取り付けるアタッチメントについて実施例2として説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号又は名称を付して説明する。
【0084】
この実施例2では、リバース工法によって地盤Gに掘削孔G1を構築する際に使用するアタッチメント(61,62)について、図6,7を参照しながら説明する。
【0085】
図6は、回転駆動装置3の上端接続口31に排泥アタッチメント61を取り付け、下端接続口32にロッドアタッチメント62を取り付ける工程を説明する図である。
【0086】
この排泥アタッチメント61は、上端接続口31に装着させる蓋部611と、その蓋部611上に設けられる回転可能なスイベル部612と、そのスイベル部612の上部に取り付けられる湾曲管614と、その湾曲管614の端部に設けられる継手口部613とを備えている。
【0087】
この蓋部611は、上端接続口31と略同じ大きさの円盤状の蓋で、複数のボルト611a,・・・によって上端接続口31に固定される。また、スイベル部612と湾曲管614は、上端接続口31と同程度又は少し小さい内径となっており、掘削土砂が混入した泥水の搬送が可能な流体経路として形成されている。
【0088】
この継手口部613には、サクションポンプ(図示せず)に接続される送泥管615が接続される。すなわち、蓋部611を通ってスイベル部612に送られた泥水は、内径の大きな湾曲管614を経由して送泥管615に送り出され、サクションポンプを通って土砂除去プラント(図示せず)に送られる。この際、回転部30が回転してもスイベル部612の下部がそれに伴って回転するだけで、湾曲管614、継手口部613及び送泥管615は回転しない。
【0089】
一方、下端接続口32には、管材としての中空ロッド63の取り付けが可能なロッドアタッチメント62を取り付ける。このロッドアタッチメント62は、下端接続口32に装着させる受け蓋部621と、その受け蓋部621の下方に設けられる中空の連絡ロッド部622と、その連絡ロッド部622の下方に設けられる中空ロッド63の上端を取り付けるための管材取付部623とを備えている。
【0090】
この受け蓋部621は、下端接続口32と略同じ大きさの円盤状の蓋で、その縁部に挿通された複数のボルト621a,・・・によって下端接続口32に固定される。
【0091】
また、連絡ロッド部622は、円筒管状に形成されており、その内空に掘削土砂が混入した泥水などの流体を搬送させることができる。また、ロッドアタッチメント62は、回転部30の回転を下方の中空ロッド63に伝達することが可能な剛性を備えている。
【0092】
次に、実施例2のリバース工法による掘削孔G1の構築方法について説明するとともに、排泥アタッチメント61及びロッドアタッチメント62の作用について説明する。
【0093】
まず、上記実施例1で説明したのと同様の手順によって所定の位置に定置させた基礎施工機1のスライダ部2を下降させ、図6に示すように、回転駆動装置3の上端接続口31に排泥アタッチメント61を装着するとともに、下端接続口32にロッドアタッチメント62を装着する。また、排泥アタッチメント61の継手口部613には、ジャバラホースなどの送泥管615を接続する。
【0094】
続いて、ロッドアタッチメント62の管材取付部623には中空ロッド63の上端面を当接させ、ボルト(図示せず)によって接合する。
【0095】
ここで、この中空ロッド63は、図7に示すように掘削の進行に合わせて継ぎ足していけばよい。また、中空ロッド63,・・・は、振止め部16に挿通され、最下部の中空ロッド63の先端にはリバースビット64が取り付けられる。
【0096】
また、リバースビット64には、中空ロッド63の内空に連通される取込み口(図示せず)が形成されており、掘削孔G1内の掘削土砂が混入した泥水G2は、その取込み口から取り込まれる。
【0097】
すなわち、回転駆動装置3の回転部30を回転させることによって、それに接続されている中空ロッド63,・・・を回転させ、それに伴って回転するリバースビット64によって地盤Gを切削することで掘削がおこなわれる。
【0098】
また、掘削孔G1の上端からは孔壁を安定させるための泥水G2が供給され、リバースビット64によって掘削された土砂は、泥水G2と一緒にリバースビット64の取込み口から吸い込まれ、中空ロッド63,・・・の内部を上昇していくことになる。
【0099】
そして、最上部の中空ロッド63からロッドアタッチメント62に流入した泥水G2は、回転駆動装置3を通って排泥アタッチメント61に流れ込み、送泥管615によって土砂除去プラント(図示せず)に搬送される。
【0100】
このように泥水G2を搬送させることができる連絡ロッド部622を備えたロッドアタッチメント62を下端接続口32に取り付け、上端接続口31に排泥アタッチメント61を取り付けることで、基礎施工機1を使ってリバース工法による掘削孔G1を構築することができる。
【0101】
すなわち、ロッドアタッチメント62の管材取付部623に中空ロッド63を接続することで、掘削土砂が混入した泥水G2などの流体を掘削孔G1から吸い上げて排出することができるようになる。また、管径の大きな湾曲管614であれば、掘削土砂が混入した泥水G2であっても支障なく通過させることができる。
【0102】
そして、このようにリバース工法によって掘削された掘削孔G1に、鉄筋籠を建て込んでコンクリートを打設することで場所打ちコンクリート杭を構築することができる。
【0103】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【実施例3】
【0104】
以下、前記した実施の形態の基礎施工機1に取り付けるアタッチメントについて実施例3として説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1,2で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については同一符号又は名称を付して説明する。
【0105】
この実施例3では、ケーシング8を使って地盤Gに掘削孔G1を構築する際に使用するアタッチメント(4,7)について、図8−11を参照しながら説明する。
【0106】
図8は、回転駆動装置3の上端接続口31に実施例1で説明した送水アタッチメント4を取り付け、下端接続口32にケーシング用アタッチメント7を取り付ける工程を説明する図である。
【0107】
このケーシング用アタッチメント7は、下端接続口32に装着させる上部71と、その上部71に流入する流体を下方に搬送させる流体経路としての連絡パイプ部73と、上部71の下方に設けられるとともにケーシング8の上端を取り付けるケーシング取付部72とを備えている。
【0108】
この上部71の上縁には下端接続口32と略同じ大きさの円形のフランジが形成されており、そのフランジに挿通されたボルト71a,・・・によって下端接続口32に固定される。
【0109】
また、上部71の側面からケーシング取付部72に向けて連絡パイプ部73が延設されており、上部71に流入した流体は連絡パイプ部73によって搬送されることになる。
【0110】
さらに、このケーシング取付部72は、図9に示すように、ケーシング8の上端を収容可能な大きさの円筒状に形成されており、ロック具721,721を作動させることによって、ケーシング8を固定したり、切り離したりすることができる。
【0111】
また、図9−11に示すように、ケーシング8の内周面に沿って送水管82が配管されており、その送水管82の上端が連絡パイプ部73に接続される。
【0112】
ここで、図11は、ケーシング8の詳細を示した図であり、最下部に取り付けられるケーシング8Aと、それより上方に必要な本数だけ継ぎ足されるケーシング8Bの構成を示している。
【0113】
この最下部に取り付けられるケーシング8Aは、先端に掘削用の先端ビット81,・・・が固着されている。また、このケーシング8Aの上端は、下端よりも一回り小さな外径に形成されている。そして、その上端の周面には、凸状の突起部84が設けられている。
【0114】
また、このケーシング8Aの長手方向に内周面に沿って延設される送水管82の下端には吐出口82cが形成され、上端には本管の外径と内径が略同じ大きさの受入れ口82bが形成されている。
【0115】
一方、継ぎ足しに用いられるケーシング8Bは、下端がケーシング8Aの上端の外径と略同じ大きさの内径に形成されている。また、ケーシング8Aの突起部84の位置に合わせて、逆U字形の切込み部85が形成されている。
【0116】
さらに、このケーシング8Bの内周面にも送水管82が延設されており、その下端の挿込み口82aは、受入れ口82bの内径と略同じ大きさの外径に形成されている。
【0117】
また、ケーシング8Bの切込み部85と送水管82との位置関係は、ケーシング8Aの突起部84と送水管82との位置関係と略一致している。すなわち、対となる突起部84と切込み部85とがかみ合うと、送水管82の挿込み口82aが受入れ口82bに挿入されて、上下の送水管82,82同士が接続されることになる。
【0118】
さらに、ケーシング8Bの上端は、ケーシング8Aの上端と同様の形態に形成されており、ケーシング8B,8Bの対となる突起部84と切込み部85とをかみ合わせることで、次々にケーシング8B,8B及び送水管82,82を接続していくことができる。
【0119】
なお、ケーシング8A,8Bの上端に切込み部85を設け、下端に突起部84を設ける構成であってもよい。
【0120】
次に、実施例3のケーシング8を使用した掘削孔G1の構築方法について説明するとともに、ケーシング用アタッチメント7の作用について説明する。
【0121】
まず、上記実施例1で説明したのと同様の手順によって施工位置に定置させた基礎施工機1のスライダ部2を下降させ、図8に示すように、回転駆動装置3の上端接続口31に送水アタッチメント4を装着するとともに、下端接続口32にケーシング用アタッチメント7を装着する。また、送水アタッチメント4の継手口部43には、高圧水を搬送するためのホース44を接続する。
【0122】
続いて、ケーシング用アタッチメント7のケーシング取付部72にはケーシング8の上端を挿入し、ロック具721,721を締めて固定する。この際、図示していないが、連絡パイプ部73と送水管82は接続されることになる。
【0123】
ここで、ケーシング8は、図10,11に示すように掘削の進行に合わせて継ぎ足していくことになる。また、ケーシング8の下部は、振止め部16に挿通される。
【0124】
このようにして装着されたケーシング8による削孔は、例えば地盤Gに打設された既設杭83を撤去するためにおこなわれる。すなわち、ケーシング8は、図10に示すように、既設杭83の外周に覆い被さるようにして地盤Gに押し込まれる。
【0125】
また、このケーシング8の押し込む際には、回転駆動装置3の回転部30を回転させることによってそれに接続されているケーシング8を回転させ、それに伴って周回する先端ビット81,・・・によって地盤Gが切削される。
【0126】
さらに、この掘削に際しては、送水管82の吐出口82cから高圧水が噴射され、切削抵抗が低減される。すなわち、ホース44を通って送水アタッチメント4に送られた高圧水は、回転駆動装置3を通ってケーシング用アタッチメント7に送られ、連絡パイプ部73を通過して送水管82に送られる。そして、送水管82の先端の吐出口82cから地盤Gに向けて高圧水が噴射されることになる。
【0127】
そして、既設杭82の下端より深部までケーシング8を押し込むことで、既設杭82の全長を撤去することができる。また、ケーシング8によって掘削された掘削孔G1には、新たに場所打ちコンクリート杭を構築することができる。
【0128】
このように高圧水などの流体を供給可能な送水アタッチメント4を上端接続口31に取り付け、ケーシング取付部72を備えたケーシング用アタッチメント7を下端接続口32に取り付けることで、高圧水を噴射させながらケーシング8を地盤Gに押し込むことができる。
【0129】
また、ケーシング8を地盤Gに押し込めば、ケーシング8内部に収容される既設杭83を撤去したり、掘削孔G1を構築したり、その掘削孔G1に引き続き場所打ちコンクリート杭を構築したりすることが容易にできる。
【0130】
さらに、送水管82がケーシング8の内周面に沿って配管されていれば、ケーシング8を地盤Gに押し込んでも掘削前の硬い原地盤に送水管82が接触しないので損傷することがない。
【0131】
また、送水管82がケーシング8の内周面に沿って延設されていても、一方のケーシング8Bの端部に設けられた突起部84と、他方のケーシング8Bの端部に設けられた切込み部85とをかみ合わせることで、送水管82,82同士を容易に接続することができる。そして、送水管82,82同士の接続が容易にできれば、ケーシング8A,8B,8B同士も容易に接続することができる。
【0132】
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
【0133】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態及び実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0134】
例えば、前記実施例1−3では、5種類のアタッチメント(4,5,61,62,7)について説明したが、これに限定されるものではなく、例えばオーガスクリュー又はそれを取り付ける金具をアタッチメントにすることもできる。また、上端接続口31に取り付けるアタッチメントと下端接続口32に取り付けるアタッチメントの組み合わせについても、前記実施例に限定されるものではない。
【0135】
また、前記実施の形態及び前記実施例では、基礎施工機1が無限軌道13を備えていたが、これに限定されるものではなく、移動手段はゴムタイヤや軌条を走行する車輪などであってもよい。さらに、移動手段を備えていない基礎施工機であってもよい。
【0136】
また、前記実施例3では、上部71の下方にケーシング取付部72が固定されたケーシング用アタッチメント7について説明したが、これに限定されるものではなく、実施例1と同様に、上部71とケーシング取付部72とを回動機構を介して接続することもできる。
【0137】
さらに、前記実施の形態及び実施例では、スライダ部2をチェーン22によって移動させたが、これに限定されるものではなく、ワイヤや油圧シリンダを使った構成であってもよい。
【符号の説明】
【0138】
1 基礎施工機
11 リーダ
2 スライダ部
3 回転駆動装置
30 回転部
31 上端接続口
32 下端接続口
4 送水アタッチメント(アタッチメント)
41 蓋部
42 スイベル部
43 継手口部
44 ホース
5 芯材用アタッチメント(アタッチメント)
50 H形鋼材(芯材)
51 受け部
52 パイプ部
521 可変部
53 ヒンジ部(回動機構)
54 芯材取付部
55 送水管
61 排泥アタッチメント(アタッチメント)
611 蓋部
612 スイベル部
613 継手口部
614 湾曲管
62 ロッドアタッチメント(アタッチメント)
621 受け蓋部
622 連絡ロッド部
623 管材取付部
63 中空ロッド(管材)
7 ケーシング用アタッチメント(アタッチメント)
71 上部
72 ケーシング取付部
73 連絡パイプ部
8,8A,8B ケーシング
82 送水管(配管)
84 突起部
85 切込み部
G 地盤
G1 掘削孔
G2 泥水(流体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状のリーダと、そのリーダに沿って移動するスライダ部と、そのスライダ部に取り付けられる回転駆動装置とを備えた基礎施工機であって、
前記回転駆動装置の回転部には、アタッチメントを取り付けるための上端接続口及び下端接続口が形成されるとともに、前記上端接続口と前記下端接続口との間は流体の通過が可能な流体経路によって連通されていることを特徴とする基礎施工機。
【請求項2】
請求項1に記載の基礎施工機に取り付けるアタッチメントであって、
前記上端接続口に装着させる蓋部と、その蓋部上に設けられる回転可能なスイベル部と、そのスイベル部の上部に設けられる継手口部とを備え、前記蓋部と前記スイベル部と前記継手口部とは内空が連通していることを特徴とするアタッチメント。
【請求項3】
前記継手口部は流体圧送用のホースが接続可能に形成されていることを特徴とする請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項4】
前記継手口部は土砂が混入した流体の搬送が可能な内径の湾曲管の端部に形成されることを特徴とする請求項2に記載のアタッチメント。
【請求項5】
請求項1に記載の基礎施工機に取り付けるアタッチメントであって、
前記下端接続口に装着させる受け部と、その受け部の下方に設けられるとともに芯材の上端を取り付ける芯材取付部と、前記受け部と前記芯材取付部との間の流体経路となるパイプ部とを備えたことを特徴とするアタッチメント。
【請求項6】
前記受け部と前記芯材取付部とは回動機構を介して接続されるとともに、前記パイプ部には前記回動機構の作動に伴って変形可能な可変部が形成されることを特徴とする請求項5に記載のアタッチメント。
【請求項7】
請求項1に記載の基礎施工機に取り付けるアタッチメントであって、
前記下端接続口に装着させる受け蓋部と、その受け蓋部の下方に設けられる中空の連絡ロッド部と、その連絡ロッド部の下方に設けられるとともに管材の上端を取り付ける管材取付部とを備えたことを特徴とするアタッチメント。
【請求項8】
請求項1に記載の基礎施工機に取り付けるアタッチメントであって、
前記下端接続口に装着させる上部と、その上部の下方に設けられるとともに長手方向に延設される配管を有するケーシングの上端を取り付けるケーシング取付部と、前記上部と前記配管との間の流体経路となる連絡パイプ部とを備えたことを特徴とするアタッチメント。
【請求項9】
前記上部と前記ケーシング取付部とは回動機構を介して接続されるとともに、前記連絡パイプ部には前記回動機構の作動に伴って変形可能な可変部が形成されることを特徴とする請求項8に記載のアタッチメント。
【請求項10】
請求項1に記載の基礎施工機にアタッチメントを装着しておこなう基礎の施工方法であって、
前記上端接続口に請求項2又は3に記載のアタッチメントを装着し、
前記下端接続口に請求項5又は6に記載のアタッチメントを装着し、
前記芯材取付部に前記芯材の上端を取り付け、地盤の中に前記芯材を埋設させることを特徴とする基礎の施工方法。
【請求項11】
請求項1に記載の基礎施工機にアタッチメントを装着しておこなう基礎の施工方法であって、
前記上端接続口に請求項4に記載のアタッチメントを装着し、
前記下端接続口に請求項7に記載のアタッチメントを装着し、
前記管材取付部に前記管材の上端を取り付け、前記管材から前記湾曲管に向けて掘削土砂を搬送させながら地盤を掘削することを特徴とする基礎の施工方法。
【請求項12】
請求項1に記載の基礎施工機にアタッチメントを装着しておこなう基礎の施工方法であって、
前記上端接続口に請求項3に記載のアタッチメントを装着し、
前記下端接続口に請求項8又は9に記載のアタッチメントを装着し、
前記ケーシング取付部に前記ケーシングの上端を取り付け、前記配管によって搬送される高圧の流体を噴出させながら地盤に前記ケーシングを埋設させることを特徴とする基礎の施工方法。
【請求項13】
前記ケーシングには、更に別のケーシングを接続する際の位置合わせをおこなうための対となる突起部と切込み部とが上端と下端とにそれぞれ設けられているとともに、一方のケーシングの突起部と他方のケーシングの切込み部とがかみ合うと配管同士が接続されることを特徴とする請求項12に記載の基礎の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−185206(P2010−185206A)
【公開日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−29498(P2009−29498)
【出願日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【出願人】(504406634)株式会社 北斗工業 (4)
【Fターム(参考)】