説明

堅牢な可変焦点液体レンズ、および液体レンズを駆動するためのアクチュエータ

光学装置(100)は、疎水性上面(108)、底面、および第一空洞(104)を有する収納器を含み、該空洞は内側に湾曲した壁を有する。第一メニスカスを有する第一流体(110)を、第一空洞内に配置する。第一制御手段(112)を第一流体に連結させて、流体を第一空洞内へ、および空洞外へ移送する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、一般に光学システムに、より詳細には堅牢な可変焦点液体レンズに関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムおよびカメラ機器などの従来の光学的撮像応用では、レンズの手動調整および物理的位置調整が典型的には、検出器上に像を結ばせるため、およびレンズに対して様々な方向からの光を受取るために必要である。手動調整の非能率性および高費用を避けるために、光源を光検出器などの光学信号受信器へ最適に連結することによって光学信号の焦点を合わせる、調整可能なマイクロレンズが開発された。ある場合には、マイクロレンズと光検出器の間の最適の連結を維持するために、マイクロレンズへの光線の入射が、表示、位置合わせされている入射と異なる場合には、マイクロレンズの屈折率を自動的に変えて焦点を変化させる。
【0003】
しかし、屈折率分布型レンズなどの調整可能マイクロレンズは、そのようなレンズに用いられる大多数の電気光学材料に見られる小さい電気光学係数に関連した固有の限界を有する。このため、多くの場合、光学路のモジュレーションが小さくなり、したがって厚いレンズまたは高電圧が必要になる。さらに、多くの電気光学材料は、マイクロレンズの偏光依存性を引き起こす強い複屈折を示し、それが一定の分極した光を歪ませる。これらの問題は、複数の調整可能マイクロレンズが必要な場合に、特に困難なものとなる。例えば、既存のカメラ付き携帯電話は、貧弱な集光能力、限られた焦点距離範囲および限られた解像力しか持たない小さな固定焦点レンズを用いている。その結果、従来の写真用カメラと比較して画質が悪い。
【0004】
可変焦点液体レンズは、上記の問題のいくつかを克服するために開発されてきた(例えば米国特許第5,973,852号(特許文献1)を参照のこと)。可変焦点流体レンズは、レンズの光学系を構成する、流体のメニスカスの接触角または曲率半径を変化させて焦点距離を制御することにより提供される。また光学装置は典型的には、流体の圧力を調節するため、したがってメニスカスの曲率を調節するために、流体を介して流体に連結されている圧力または体積制御手段を含む。
【0005】
しかし、硬いレンズとは対照的に、液体レンズに特有の問題は改善することができる。例えば、液体レンズは衝撃や乱暴な取扱いによって乱される。そのような場合、液体がレンズから分離してレンズのカバー上で小滴となり、光学装置の焦点距離を変えてしまう可能性がある。小滴がカバー上に捕らえられ、全動作の間中、装置の性能に影響を与える可能性がある。そのうえ、硬いレンズと異なり、液体レンズはさらに、装置を使用していないときの有害な衝撃にも弱い。したがって、液体レンズの乱れをさらに最小限にするために、使用していないときには液体を回収し、かつ使用中には液体レンズの焦点を保持する機構が望ましい。ショックおよび衝撃に敏感な用途は、携帯電話カメラなどの小さく携帯型の電気通信装置から、CD/DVDドライバーなどの携帯型データ記憶装置またはバーコードリーダ、顕微鏡および他の探知装置などの分析機器、内視鏡などの外科器具、あるいは様々なレーザー技術機器までの広い範囲に亘る。
【0006】
したがって、上記および他の問題を克服するシステムおよび方法を提供することが望まれる。特に、乱暴な取扱いが予想される、小さく携帯型の撮像応用のための、復元システムを有する低価格で堅牢な光学的焦点調節システムが必要である。望まれるのは、使用していないときは液体を回収し、かつ使用中は液体レンズの焦点を制御する、復元方法である。本発明の態様は、これら、および他の要求に応える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第5,973,852号。
【発明の概要】
【0008】
発明の簡単な概要
本発明は、上記の問題を克服する堅牢なレンズを提供する。特に本発明は、効率的に液体レンズを形成するための、およびショック関連事象の後に液体レンズを復元するための、システムおよび方法を提供する。
【0009】
本発明の一つの態様によれば、光学装置は、疎水性上面、底面および第一空洞を有する収納器を含み、該空洞が内側に湾曲した壁を有する。第一メニスカスを有する第一流体が、第一空洞内に配置される。第一制御手段を流体と連結して、流体を第一空洞内へ、および第一空洞外へ移送する。一つの局面では、疎水性上面は、非疎水性材料を覆っている疎水性材料層を含む。別の局面では、壁は親水性であるか、または非親水性材料を覆っている親水性材料の層を含む。
【0010】
本発明の別の態様によれば、光学装置は、上面、底面、および第一空洞を有する収納器を含む。光学装置はまた、圧縮された空気または気体を保持するための空気貯留槽も含む。メニスカスを有する流体が第一空洞内に配置される。疎水性材料層が上面を覆う。親水性材料層が、第一空洞の壁を覆う。制御手段を流体に連結して、第一流体を空洞内へ、および空洞外へ移送する。
【0011】
本発明の別の態様によれば、液体レンズを形成する方法が提供される。方法には、上面、底面、および内側に湾曲した壁を有する空洞を含む収納器内に流体を提供する工程が含まれ、該流体が空洞内に配置されてメニスカスを形成する。一つの局面では、疎水性被膜が上面を覆い、親水性被膜が内側に湾曲した壁を覆う。方法には、メニスカスの曲率を調節する工程も含まれる。
【0012】
本発明の別の態様によれば、液体レンズ内の流体を回収する方法が提供される。方法は、上面、底面、および内側に湾曲した壁を有する空洞を含む収納器内に流体を提供する工程を含み、該流体が空洞内に配置されてメニスカスを有するレンズを形成し、疎水性被膜が上面を覆っている。方法は、さらに空洞から流体を回収する工程を含む。
【0013】
本発明の別の態様によれば、光学装置は、上面、底面および第一空洞を有する収納器を含み、該空洞が内側に湾曲した壁を有する。メニスカスを有する第一流体が第一空洞内に配置されて、第一液体レンズを形成する。第一制御手段を第一流体に連結して、流体を第一空洞内へ、および第一空洞外へ移送する。光学装置にはまた、第一非液体レンズも含まれる。
【0014】
図面および特許請求の範囲を含めて、本明細書の残る部分への参照により、本発明の他の特徴および長所を明確に理解することになろう。本発明のさらなる特徴および長所、ならびに本発明の様々な態様の構造および作用を、添付図面を参照して、以下に詳細に記述する。図面中では、同じ参照番号は、同一の部品、または機能的に類似の部品を表す。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】本発明の態様による、内側に湾曲した空洞を有する液体レンズアセンブリの等角図を示す。
【図1B】内側に湾曲した空洞を有する液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図1C】内側に湾曲した空洞を有する液体レンズアセンブリの、内側に湾曲した空洞を液体が満たす前の、側面図を示す。
【図1D】内側に湾曲した空洞を有する液体レンズアセンブリの、内側に湾曲した空洞を液体が満たした後の、側面図を示す。
【図1E】疎水性表面を形成するための、内側に湾曲した空洞の上面および底面上に形成されたナノまたはマイクロサイズの柱の側面図を示す。
【図1F】親水性表面を形成するための、内側に湾曲した空洞の上面および底面上のナノまたはマイクロサイズのうね状形状の側面図を示す。
【図2A】本発明の態様による空の平らな空洞の上面図を示す。
【図2B】入口に形成された液滴を有する平らな空洞の上面図を示す。
【図2C】入口に大きくなった液滴を有する平らな空洞の上面図を示す。
【図2D】空洞を満した液滴を有する平らな空洞の上面図を示す。
【図3A】本発明の態様による空の内側に湾曲した空洞の上面図を示す。
【図3B】液体の輪が形成されつつある、内側に湾曲した空洞の上面図を示す。
【図3C】液体の輪が融合しつつある、内側に湾曲した空洞の上面図を示す。
【図3D】液体凹レンズが形成された、内側に湾曲した空洞の上面図を示す。
【図3E】液体凸レンズが形成された、内側に湾曲した空洞の上面図を示す。
【図4A】本発明の態様による、複数のレンズ用の収納器を有する液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図4B】形成中の液体レンズを有する、液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図4C】調節中の液体レンズを有する、液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図5A】本発明の態様による、閉じた空気貯留槽を有する液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図5B】本発明の態様による、開いた空気貯留槽を有する液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図5C】本発明の態様による、閉じた空気貯留槽およびドーム型レンズを有する液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図6A】本発明の態様による、湾曲した終端を有する空気貯留槽の側面図を示す。
【図6B】本発明の態様による、膨らんだ終端を有する空気貯留槽の側面図を示す。
【図7A】本発明の態様による、乱された液体レンズを有する内側に湾曲した空洞を有する、液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図7B】液体が押し出されて内側に湾曲した空洞を満たした、液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図7C】空気貯留槽に押し込まれた液体を有する、液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図7D】回収中の液体を有する、液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図7E】再形成された液体レンズを有する、液体レンズアセンブリの側面図を示す。
【図8A】本発明の態様による、固体レンズおよび液体レンズを保持するための空洞を有する、液体レンズ収納器を示す。
【図8B】本発明の態様による液体レンズおよび固体レンズを示す。
【図8C】本発明の態様による液体レンズおよび固体平凸レンズを示す。
【図8D】本発明の態様による二つの液体レンズおよび二つの固体レンズを示す。
【図8E】本発明の態様による二つの液体レンズおよびその間に挟まれた一つの固体レンズを示す。
【図9】本発明の態様による単一ポンプ駆動法を示す。
【図10】本発明の別の態様による駆動法を示す。
【図11】本発明の別の態様による駆動法を示す。
【図12】図11の態様のより詳細な図を示す。
【図13】本発明の別の態様による液体レンズ制御システムのブロック図を示す。
【図14】本発明の別の態様による、二つの液体レンズを駆動するために用いられる単一の電気モータを示す。
【図15】本発明の態様による、液体レンズに基づく自動焦点レンズシステムの側面図を示す。
【図16】本発明の別の態様による、液体レンズに基づく自動焦点レンズシステムの側面図を示す。
【図17】システムの態様によるズーム/焦点モジュールを有する、液体レンズシステムの側面図を示す。
【図18】システムの態様による可変焦点および可変直径レンズモジュールを有する、液体レンズシステムの側面図を示す。
【図19】本発明の別の態様によるズーム/焦点モジュールを有する、液体レンズシステムの側面図を示す。
【図20】本発明の別の態様によるズーム/焦点モジュールを有する、液体レンズシステムを示す。
【図21】本発明の態様による圧電チューブアクチュエータを示す。
【図22A】本発明の態様による圧電ブザーダイヤフラムを用いる、圧電ディスクアクチュエータの上面図を示す。
【図22B】圧電ディスクアクチュエータの側面図を示す。
【図22C】本発明の態様による湾曲した圧電ダイヤフラムを用いる、圧電ディスクアクチュエータの上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
図1A〜1Dは、本発明の一つの態様による、内側に湾曲したレンズ空洞またはチャンバー内に可変焦点液体レンズを保持するレンズアセンブリを示す。
【0017】
図1Aは、内側に湾曲したレンズ空洞104を有する液体レンズアセンブリ100の等角図を示す。図1Bは、同じレンズアセンブリ100の側面図を示す。示されるように、レンズ空洞104は樽形のように内側に湾曲しており、液体が完全なレンズを形成する前に表面張力によって集まる領域を提供する。図1A〜1Dでは、この領域は、レンズ空洞104内の最大の円周に位置し、続いてこの円周上で輪が形成される。より多くの液体がレンズ空洞104に入ると輪が増大し、結局液体レンズへ発展することになろう。追加の駆動法によって、この手順をさらに改善することができる。
【0018】
一つの駆動システムは、レンズ空洞104へ一定体積の液体を導入してレンズを形成し、次に小量の液体を制御することによりレンズの形を変化させるように構成されたポンプを含む。例えば図1Cは、液体110が入口102を通ってレンズ空洞104に入る前の、ポンプ112にある一定体積の液体110を示す。液体110は、水、グリセリン等のレンズ形成に適した任意の液体でよい。図1Dは、ポンプ112を右に移動させた後の、レンズ空洞104に押し込まれた液体110を示す。さらに下に述べるように、駆動促進部品を用いて、液体を回収しレンズを無効にすることができる。
【0019】
一つの態様では、レンズ空洞104を親水性被膜106で覆い、レンズアセンブリ100の上面および底面を疎水性被膜108で覆う。疎水性領域の境界が液体を拘束し、境界での流体の静的な(または動的な)接触角によって部分的に画定される曲率を有するメニスカスを生じさせる。疎水性材料は、プラスチック、ポリマー、セラミック、合金、またはTeflon、CYTOPなどのフッ素ポリマー、または酸窒化ジルコニウムなどの材料であってよい。親水性領域は、プラスチック、ポリマー、ガラス、石英、酸窒化ジルコニウム、または溶融石英などの材料で作成してもよい。他の適当な材料には、セラミック、親水性金属、親水性合金、または例えばヒドロキシルポリアクリレートまたはポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、セルロース化合物ポリマー、ポリビニルアルコールなどの親水性ポリマーが含まれる。これらの材料の被膜を用いて、内側に湾曲した壁を覆うこともできる。
【0020】
または本発明の別の態様によれば、図1Eに示すように、表面への疎水性被膜の使用を、表面へのマイクロまたはナノ構造物の使用で置き換えてもよい。図に示すように、マイクロサイズまたはナノサイズの柱114を、リソグラフィ法または射出成形によって空洞の上面および底面に形成することができる。あるいは、本発明の別の態様によれば、図1Fに示すように、表面への親水性被膜の使用を、表面へのマイクロサイズまたはナノサイズのうね状形状の使用で置き換えてもよい。
【0021】
静的/動的接触角を、液体に圧力を加えることにより、または空洞内へより多くの液体を注入することにより変えることが出来、これが親水性-疎水性境界の界面を移動させ、したがってメニスカスの曲率および接触角を変化させる。例えば、静止接触角が凹レンズを与えることができる。しかし、圧力を加えると、メニスカスはさらに疎水性領域へ押し入れられて接触角が変化し、レンズが凸になる。このようにして、流体メニスカスによって形成されるレンズの曲率を調整することができる。したがって、本発明の態様による光学装置は典型的にはこの目的のために、流体を介して液体と連結されている圧力制御手段を含む。一般にメニスカスの曲率は、流体の親水性表面との静的/動的接触角と、流体の疎水性表面との静的/動的接触角との間の調整可能範囲を有することになる。
【0022】
圧力生成装置および/または空洞内の流体の体積を変化させる装置は、様々な形をとることができる。例えば流体に加えられる圧力は、電気浸透によって生成された動電的圧力、あるいはラチェットポンプ、圧電ダイヤフラムポンプ、圧電ブザーポンプ、ボイスコイルポンプ、圧電チューブポンプを用いて、またはエレクトロウェッティングによって生成された圧力であってよい。他の態様では、流体圧力を、空気圧増幅型ポンプまたは磁気流体力学ポンプを用いて生成してもよい。さらに他の態様では、流体に加える圧力を機械的装置によって生成してもよい。有用な機械的圧力生成装置の一つの例は、ネジ式ポンプ装置またはペリスタポンプである。
【0023】
内側に湾曲した空洞
本発明の態様による内側に湾曲した空洞が、液体レンズの円滑で効率的な展開を保証する。図1A〜1Dのレンズアセンブリでは、液体は典型的には、空洞104の左側の入口102で、小滴を形成する。それから小滴は空洞全体を覆うまで拡大する。
【0024】
対照的に、平らな(例えば円筒形の)壁を有する空洞は、液体レンズ形成のためにより高いエネルギーを必要とする。例えば図2A〜2Dは、そのような平らな壁を有する液体レンズ空洞の上面図を示す。図2Aは、平らな壁を有する空のレンズ空洞を示す。図2Bでは、空洞を部分的に覆う小滴によって示されるように、液体が、空洞の左側に位置する入口で始まる。図2Cは、入口から拡大した液滴を示す。図2Dは、拡大して空洞全体を満たした液滴を示す。
【0025】
図3A〜3Eは、本発明の一つの態様による、内側に湾曲した(例えば樽形の)壁を有する液体レンズ空洞の上面図を示す。内側に湾曲した空洞では、入口からの液体は、液体が安定する最小エネルギーで領域を流れる。図3Aは、空の内側に湾曲した空洞を示す。図3Bは、空洞の開口部の端に沿った液滴の端によって示されるように、空洞の最大の円周上に形成された液体の輪を有する、内側に湾曲した空洞を示す。図3Cは、増大して内部で合流しようとしている液体の輪(空洞の中心に向かって収斂し、端から遠ざかっていく小滴の端によって示される)を示す。図3Dは、文字の大きさが小さくなったことによって証明されるように、空洞に形成された凹レンズの上面図を示す。同様に図3Eは、文字の大きさが拡大されたことによって証明されるように、空洞に形成された凸レンズの上面図を示す。上述のように、液体レンズの凹か凸かの性質は、空洞への加圧(または減圧)あるいは空洞の流体の体積変化によってメニスカスの曲率を変化させて、メニスカスレンズの曲率および接触角を変化させるレンズアセンブリに連結されている、圧力制御機構または体積制御機構によって調整できる。
【0026】
レンズがまず最低エネルギーの表面に形成されることは、それが内側に湾曲した空洞の最大円周の場合には、液体レンズの安定性を高める。したがって、液体がレンズ空洞から、落ちたりバラバラになって離れたりする可能性が低く、より効率的に形の良いレンズを形成する。
【0027】
液体の回収:レンズの無効化
本発明の態様によれば、液体レンズ用の液体は、レンズを使用していないときは、貯蔵のために貯留槽へ回収することにより無効、つまり使用停止にできる。液体レンズを回収するための手順を、ある局面では、液体レンズ形成のためにも用いることのできるポンプを用いるなど追加の駆動法によって促進する。この場合、駆動用ポンプを回収された液体を保存するための貯留槽としても用いてよい。
【0028】
図4A〜4Cは、本発明の態様による、複数のレンズを保持するレンズアセンブリの側面図を示す。図4Aでは、レンズアセンブリ200は、液体レンズ206 (レンズA)、液体レンズ216 (レンズB)、および固体レンズ218を保持するレンズ収納器220を有する。液体レンズ206は入口204を通じてポンプ202 (ポンプA)に接続され、液体レンズ216は入口214を通じてポンプ212(ポンプB)に接続される。レンズアセンブリ200はまた、好ましくは壁を覆う親水性被膜を有する内側に湾曲した空洞208を含む。疎水性被膜210が、レンズアセンブリ200の各レンズ空洞の上面および底面を覆う。
【0029】
図4Bは、レンズ空洞を満たしてレンズ206を形成する液体222を示す。図4Bは、ポンプ202が「オフセット」位置へと起動されることを示し、その場合には、移送された液体222は押し出されて、レンズ206用に指定された空洞を満たす。液体レンズ206を形成する一定体積の液体が移送されて、空洞内にレンズが十分に形成されたら、ポンプ202は停止する。またポンプ202および212を制御して、拡大、焦点調節およびズーミングも達成される。例えば図4Cは、一定体積の液体222を注入してレンズ206を形成した後に、ポンプ202を用いるレンズ206の形(曲率半径)の調節を示す。
【0030】
図4A〜4Cのレンズ206および216の不使用時、それぞれの液体を回収して、ポンプ202および212の内部にそれぞれ保存することができる。回収してレンズを「使用停止にする」ことは、光学装置に加えられた大きな衝撃およびショックの悪影響を最小限にするために特に役立つ。例えば、レンズを不使用時に無効にすると、レンズ不使用時における衝撃性の高い事象中にガラス上に小滴が形成されるなどの障害が防止される。これにより、光学装置の不使用時中に乱された液体レンズを修復するために復元または修正のプロセスを行なう余分の努力が不要となる。自動的にレンズを無効にすることに加えて、回収方法を液体レンズの自動リセットとして用いることもできる。
【0031】
空気貯留槽
図5A〜5Cは、本発明の別の態様による、レンズの形成および回収方法を示す。図5A〜5Cに示すレンズアセンブリは、プレート(例えばガラスプレート) 302および304、液体チャネル306、好ましくは親水性の壁308 (例えば、親水性材料で形成された、または親水性材料で覆われた)を有する内側に湾曲した空洞312、および空洞の疎水性上面(例えば、疎水性材料で形成されたか、疎水性材料で覆われた上面)を含む。液体回収の間に、レンズが形成されたり、または乱されたレンズが再形成されたりしてもよい。このプロセスの間に、一つの局面では、液体は内部空洞312を満たし、また上部ガラス層304と完全に接触する。次に流体チャネル306に結合されたポンプなどの流体移送機構(図示せず)が、液体がレンズ300を形成または再形成するまで液体を回収して戻す。
【0032】
この態様によるレンズアセンブリはまた、空気貯留槽314を含む。空気貯留槽314は大気に対して「開いている」または「閉じている」ことができる。閉じた空気貯留槽では、空気は閉じこめられており、液体が空洞312を満たすと圧縮される。図5Aおよび5Cは閉じた空気貯留槽の例を示し、図5Bは開いた空気貯留槽の例を示す。図5Cでは、プレート304がドームカバー316を有するように構成され、それが広角レンズとして働く。例えば、プレート304は、それ自体がドームカバーを形成するように形作られてもよく、または別個のドームカバーがプレート304を覆ってもよい。
【0033】
空気貯留槽314は、液体を液体通路内へ、および液体通路から外へ導くために用いられ、したがってレンズの円滑な復元または再形成を促進する。空気は空気貯留槽内で圧縮され、液体の回収に際して圧縮された空気は過剰な液体を内部空洞312へ導き戻すのを助ける。空気貯留槽314はまた、一つより多いチャネルで構成することができ、該チャネルは空気の圧縮が可能なように設計されている。
【0034】
図6Aおよび6Bは、空気貯留槽の二つの可能な設計の上面図を示す。示した空気貯留槽は円形であるが、非円形であってもよい。図6Aに示した螺旋形の設計は湾曲した末端を提供して、円形中で各チャネルに追加の表面積を与える。図6Bに示した設計は、端が膨らんだ末端を提供して、より多くの空気が圧縮されるようにする。
【0035】
液体の回収:レンズの復元
図7A〜7Eは、本発明の態様による、閉じたシステムにおける、乱された液体レンズの復元プロセスを示す。例えば図7Aは、乱された(これが上部ガラスプレート404上に小滴402の付着を引き起こしてしまった)後の液体レンズシステムを示す。図7Bの工程では、ポンプ(図示せず)がより多くの液体を押し出して(406の矢で示す)、内側に湾曲した空洞400を満たす。液体は、空洞400を完全に満たし、外に押し出されてついにはガラスプレート404と接触する。図7Cは、液体が続いて、大気が貯留槽内で圧縮されている空気貯留槽408に押し込まれることを示す。図7Dの矢で示されるように、ポンプが液体を回収し戻すときは、空気圧が液体を空気貯留槽408から押し出す。図7Eに示されるように、このプロセスがガラスプレート404上の小滴402を取り除き、そして再形成された液体レンズ412が空洞に留まる。
【0036】
複数のレンズ
本発明の代わりの態様には、焦点調節およびズーミングのためにいくつかの液体レンズおよび/または固体レンズを有する液体レンズアセンブリが含まれる。図8A〜8Eは様々な可能な配置を図示する。例えば図8Aは、固体レンズ502、および固体レンズ502の左側にいくつかの液体レンズを保持するための空洞を含む、液体レンズ収納器500を示す。図8Bは、液体レンズ504および固体レンズ502を含む組合せを示す。図8Cは、液体レンズ504および固体平凸レンズ506を含む組合せを示す。図8Dは、二つの液体レンズおよび二つの固体レンズ506の組合せを示す。図8Eは、二つの液体レンズ504および、その間にはさまれた一つの固体レンズ508を示す。固体レンズおよび/または液体レンズの様々な配置を含む、多くの他のアセンブリ構成が本明細書の開示に基づいて可能であることを認識するべきである。
【0037】
駆動方法
様々な駆動システムおよび方法が、本発明の態様による、詳細に上述した特徴を有する堅牢な可変焦点液体レンズを制御するために役立つ。図9は、一つの態様による、単一ポンプ駆動システムを示す。単一のポンプ600が、電圧信号の二つの成分である、ポンプ600へのオフセット電圧(DC成分)および可変電圧(可変成分)を与えられることにより、駆動される。液体レンズの形成プロセスでは、オフセット電圧をポンプ600に加えて、内側に湾曲したレンズ空洞602に一定の形状の液体レンズを形成する。次に可変電圧をポンプ600に加えて、レンズの曲率を変化させる。ポンプ600は、圧電装置またはボイスコイルなど様々な装置を含むことができる。
【0038】
図10は、本発明の別の態様による駆動システムを示す。電気モータ604をポンプ600に連結して、ポンプ600からレンズチップ空洞602へ一定体積の液体を移送するのに見合うための指定された回転数だけ回す。電気モータ604の回転運動が、レンズ運動制御機構606中で直線運動に変換され(例えばハンディカムで用いられるように)、これが水平の矢で示すようにポンプ600を駆動する。正確な焦点調節のために液体量を制御するために、電気モータ604は、適宜に時計回りおよび反時計回りに回転するように制御される。この態様によるシステムの長所は、一旦画像に焦点が合うと電気モータ604を停止することができ、それによりエネルギーが節約されることである。
【0039】
図11は、携帯電話技術に特に適した本発明の別の態様を示す。図11の液体レンズアセンブリに、電気モータ700を駆動機構として組み入れる。図11の液体レンズアセンブリはまた、振動部品708のバランスしていない重量と平衡を保つためにソレノイド704および連接棒702を含む。図11に示される駆動システムはまた、はめ込みチャック710、直線移動プラットホーム712、細目ボルト714、およびガイド棒716を含む。
【0040】
図11のシステムの液体レンズの不使用時(例えば通話中の携帯電話のカメラ)に、ソレノイド704は「解放」モードにある。液体レンズ使用中は、ソレノイド704が活性化され、振動部品708を押して、アセンブリの他端のはめ込みチャック710にはめ込む。一旦はめ込みが完成すれば、電気モータ700の回転運動は移動プラットホーム712の直線運動に変換される。プラットホームは、ふいご718を押すかまたは引き、それによりレンズチップ706内の液体量を制御する。
【0041】
図12は、図11のはめ込み機構のより詳細な図面を示す。一つの局面では、はめ込みチャック710は、振動部品708(例えばアンバランスな重り)がチャック内にうまくはめ込まれて振動が除去されるか、または最小限にされるように設計されている。したがって電気モータの振動は除去するが液体レンズの制御は維持するはめ込み機構は、携帯電話技術などの様々な用途に対する価値ある貢献である。
【0042】
図13は、本発明の別の態様による液体レンズ制御システムのブロック図を示す。図13では、ユーザが手動制御または自動制御のいずれかを選択することができる。手動制御800は、いろいろな方式で提供することができる。例えば、手動制御800を、液体をポンプで注入するためのボタン、または押し出すためのボタンの二つのボタンによって提供してもよい。または手動制御800を、回すと電気抵抗を変化させるダイヤルまたはホイールによって提供してもよい。次に電気抵抗が、液体の流入および流出を制御する。
【0043】
一つの態様では、図13に示す復元モジュール804を、任意のショック関連事象がある場合に、自動的に液体レンズを再形成するように構成する。復元モジュール804の自動的起動を、センサ812によって行う。これは、加速度計、落下センサ、または画像中のぼやけ領域および合焦点領域を検出する画像処理アルゴリズムであり得る。アクチュエータモジュール806は、レンズチップ808に必要なだけ液体を注入して、CCDチップ810上に画像を創り出す。得られた画像は、表示のために処理され、また二方スイッチ802によって接続されている自動焦点モジュール814が作動可能であれば、これが焦点距離(例えばメニスカスの曲率半径)を調節するための補正信号を生成するであろう。
【0044】
本発明の別の態様によれば、図14に示すように、単一の電気モータを用いて二つの(またはそれ以上の)液体レンズを駆動してもよい。この態様では、電気モータを、別々のレンズを駆動する複数のギアに接続し、回転させる。例えば図14では、そのようなモータ(図示せず)を、ギアセット900に接続し、そのギアセットは、モータをギア910、ギア912およびギア916に自動的に接続する。一つの局面では、ギアセット900は、限定された回転をするように、つまり言いかえれば任意の所定時間にギア914またはギア918のいずれかに噛み合うように設計される。例えば図14は、限定回転ギアセット900がギア918に噛み合う瞬間を示す。ギア918はポンプ902に連結され、これは、液体をレンズチップ906に注入する。906の液体レンズの駆動が完了すれば、ギアセット900は次にギア914に噛み合ってポンプ904を駆動させ、レンズチップ908で液体レンズを注入形成することになろう。限定された回転を、ソレノイド(図示せず)が駆動できる。
【0045】
液体レンズシステムのズーム/焦点モジュール
下記の態様が、液体に基づくレンズシステムの様々なズーム/焦点モジュールについて記述する。レンズシステムは、用途に依存して、固体レンズおよび液体レンズの様々な組合せを含む。
【0046】
図15は、本発明の態様による自動焦点モジュールを有する液体レンズシステムの側面図を示す。収納器1000は、第一固体レンズ1006と第二固体レンズ1008の間に可変焦点液体レンズ1004を保持する。収納器1000は、疎水性表面1002、および空洞を満たし液体レンズの光学系(例えばメニスカス)を制御するためのチャネル1012を含む。この態様の自動焦点システムには、第二固体レンズ上に絞り1010もまた形成される(例えば、印刷される)。
【0047】
図16は、本発明の別の態様による、自動焦点モジュールを有する液体レンズシステムの側面図を示す。図15に示した態様と同様に、収納器1100は、可変焦点液体レンズ1104、第一固体レンズ1106および第二固体レンズ1108を保持するが、さらに第三固体レンズ1110も保持する。収納器1100はまた、疎水性表面1102を含む。液体レンズ1104は、チャネル1112を通じて液体貯留槽1114から空洞を満たし、液体貯留槽は駆動手段またはポンプ1116に連結されている。
【0048】
図17は、本発明の態様による、ズーム/焦点モジュールを有する液体レンズシステムの側面図を示す。図16の態様と同様に、疎水性表面1202を有する収納器1200は、第一固体レンズ1208、第二固体レンズ1210、第三固体レンズ1212、および第一可変焦点液体レンズ1204を保持する。しかし収納器1200は第二可変焦点液体レンズ1206もさらに保持する。第一液体レンズ1204は、アクチュエータまたはポンプ1216と接続されている第一液体貯留槽1214から第一空洞を満たす。第二液体レンズ1206は、アクチュエータまたはポンプ1220に接続されている第二液体貯留槽1218から第二空洞を満たす。
【0049】
図18は、本発明の態様による可変焦点モジュールおよび可変直径モジュールを有する液体レンズシステムの側面図を示す。疎水性表面1302を有する収納器1300は、固体レンズ1304、第一液体レンズ1306、および第二液体レンズ1312を保持する。第一液体レンズ1306は、アクチュエータまたはポンプ1320に接続されている液体貯留槽1318から第一空洞を満たす。第二液体レンズ1312は、アクチュエータまたはポンプ1324に接続されている液体貯留槽1322から第二空洞を満たす。この態様の収納器1300は階段状になっていて、より多くの液体が空洞内へ送り込まれる場合には、液体レンズの直径を増大させることができる。例えば液体レンズ1306は、直径を増大させて1308に示す拡大液体レンズとしてもよく、さらにそのサイズを増大させて、1310に示す拡大液体レンズとしてもよい。同様に、第二液体レンズ1312は、直径を増大させて拡大液体レンズ1314を形成してもよく、さらに増大させて拡大液体レンズ1316を形成してもよい。
【0050】
図19は、本発明の別の態様による、ズーム/焦点モジュールを有する液体レンズシステムの側面図を示す。疎水性表面1402を有する収納器1400は、第一固体レンズ1404、第二固体レンズ1406、第三固体レンズ1408、および第四固体レンズ1410を保持する。収納器1400はまた、第一可変焦点液体レンズ1412および第二可変焦点液体レンズ1414を保持する。第一液体レンズ1412は、アクチュエータまたはポンプ1418に接続されている第一液体貯留槽1416から第一空洞を満たす。第二液体レンズ1414は、アクチュエータまたはポンプ1422に接続されている第二液体貯留槽1420から第二空洞を満たす。
【0051】
図20は、本発明の別の態様による、ズーム/焦点モジュールを有する液体レンズシステムを示す。この態様では、回収可能な可変焦点液体レンズ1504を、固体レンズアセンブリ1502を含む固定焦点カメラレンズモジュール1500の近くに配置して、ズーム/焦点機能を達成する。回収可能な液体レンズ1504を用いて、カメラのすぐ近くの対象に選択的に焦点を合わせることができる。しかし、極近接の焦点調節が必要でない場合は、液体レンズ1504は、全液体を回収してその貯留槽へ戻すことによって、完全に無効化され得る。次に固定焦点モジュール1500は、固定焦点調節のためにレンズアセンブリ1502中の固体レンズだけを採用する。
【0052】
図21は、本発明の態様による圧電チューブアクチュエータを示す。圧電チューブ1600は閉鎖された底部1602を有し、液体1604が充填されている。チューブ1600は、コネクタ1606を介して液体レンズチップ1608に接続する。圧電チューブ1600は、電圧を加えられたとき縮むか伸びる(それはチューブ内部の空間の体積を減少させるか、または増大させる)ことによりアクチュエータとして作動する。その結果、過剰な液体体積1604は、チューブ1600の外へ、または内へ送られて、チューブの出口で液体レンズを形成する。図に示すように、任意の電圧を加える前には、1610の液体メニスカスは、接続部1606の内部で内側に湾曲していてもよい。電圧を加えた後は、液体メニスカスは、1612に示されるように接続部1606から押し出されるであろう。
【0053】
図22A〜22Bは、本発明の態様による、圧電ブザーダイヤフラムを用いた圧電ディスクアクチュエータを示す。図22Aは、金属ダイヤフラム1700および圧電層1702を含む、圧電ブザーダイヤフラムの上面図を示す。図22Bは、液体レンズシステムの収納器1704上に装着されたダイヤフラム1700および圧電層1702を含む、圧電ブザーダイヤフラムの横断面図を示す。ダイヤフラム1700が作動して、液体1706をチャネル1708から押し出し、液体レンズを形成する。図22Cは、図22A〜22Bの態様の変形を示し、圧電層1710および湾曲した金属ダイヤフラム1712を含む。図22A〜22Bのディスク態様におけるようにレンズ収納器の上に配置される代わりに、湾曲した圧電ダイヤフラムは、レンズ収納器のまわりに装着される。
【0054】
本発明は、例を用いて、および特定の態様によって記述されてきたが、本発明は、開示された態様に限定されないことは当然である。逆に、本発明は、当業者には明白な、様々な改変および類似の配置を包含するものとする。例えば、液体レンズの可変焦点能力を有するレンズアセンブリには様々な可能な配置が存在し、態様は本明細書に記述されたものに限定されない。したがって、添付の特許請求の範囲には、そのような改変および類似の配置をすべて包含するよう、最も広い解釈が与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性上面、底面、および内側に湾曲した壁を有する第一空洞を有する、収納器;
第一空洞内に配置されたメニスカスを有する第一流体;および
流体を第一空洞内へ、および第一空洞外へ移送するための、第一流体と連結されている第一制御手段
を含む、光学装置。
【請求項2】
疎水性上面が非疎水性材料を覆っている疎水性材料層を含む、請求項1記載の装置。
【請求項3】
壁が、親水性であるか、または非親水性材料を覆っている親水性材料層を含む、請求項1記載の装置。
【請求項4】
疎水性上面が、表面上に形成されたマイクロサイズまたはナノサイズの柱を含む、請求項1記載の装置。
【請求項5】
疎水性上面が、マイクロサイズまたはナノサイズのうね状形状を含む、請求項1記載の装置。
【請求項6】
制御手段が、メニスカスの曲率を調節するためのポンプを含む、請求項1記載の装置。
【請求項7】
制御手段が、一定体積の液体を空洞内へ移送するように構成されたポンプを含む、請求項1記載の装置。
【請求項8】
制御手段が、流体を貯留槽内へ回収するためのポンプを含む、請求項1記載の装置。
【請求項9】
制御手段と連結されている電気モータをさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項10】
疎水性材料が、Teflon、CYTOP、酸窒化ジルコニウム、ポリマー、セラミック、合金または任意の他の疎水性材料からなる群より選択される材料を含む、請求項2記載の装置。
【請求項11】
親水性材料が、ガラス、溶融石英、セラミック、親水性金属、親水性ポリマー材料、親水性合金または任意の他の親水性材料からなる群より選択される材料を含む、請求項3記載の装置。
【請求項12】
圧縮された空気または気体を有する空気または気体の貯留槽をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項13】
第一流体が凹レンズまたは凸レンズを形成することができる、請求項1記載の装置。
【請求項14】
第二空洞;
第二空洞内に配置されたメニスカスを有する第二流体;
第二空洞内に流体を移送するための、第二流体と連結されている第二制御手段
をさらに含む、請求項1記載の装置。
【請求項15】
第一および第二制御手段が単一のモータに連結されている、請求項14記載の装置。
【請求項16】
収納器が、少なくとも一つの固体平凸レンズを含む複数のレンズを含む、請求項1記載の装置。
【請求項17】
収納器が、少なくとも一つの固体レンズを含む複数のレンズを含む、請求項1記載の装置。
【請求項18】
上面、底面および空洞を有する収納器;
圧縮された空気を保持するための空気貯留槽;
空洞内に配置されたメニスカスを有する流体;
上面を覆っている疎水性材料層;
空洞の壁を覆っている親水性材料層;ならびに
流体を空洞内へ、および空洞外へ移送するための、流体と連結されている制御手段
含む、光学装置。
【請求項19】
空洞が内側へ湾曲した壁を有する、請求項18記載の装置。
【請求項20】
制御手段が、流体を空気貯留槽に押し込むように構成されたポンプを含む、請求項18記載の装置。
【請求項21】
制御手段が、流体を流体貯留槽内へ回収するように構成されたポンプを含む、請求項18記載の装置。
【請求項22】
空気貯留槽が一つより多いチャネルを含む、請求項18記載の装置。
【請求項23】
空気貯留槽が、円形または非円形の断面、および中心から外に螺旋状に出ている複数の開口部を有する、請求項18記載の装置。
【請求項24】
空気貯留槽が、円形または非円形の断面、および中心から外に伸び出している膨らんだ終端を有する複数の開口部を有する、請求項18記載の装置。
【請求項25】
空気貯留槽が外気に開いている、請求項18記載の装置。
【請求項26】
空気貯留槽が外気から閉じている、請求項18記載の装置。
【請求項27】
上面が、空洞に近接して配置されたドーム形の部分を含む、請求項18記載の装置。
【請求項28】
装置が使用中でないときに切り離されるように構成されたソレノイドをさらに含む、請求項18記載の装置。
【請求項29】
ソレノイド、振動部品、およびはめ込みチャックをさらに含み、該ソレノイドが装置の使用中に振動部品をはめ込みチャックの中に押し込むように構成されている、請求項18記載の装置。
【請求項30】
制御手段が手動制御可能なボタンを含む、請求項18記載の装置。
【請求項31】
制御手段が手動調節可能なスライダ、ホイールまたはダイヤルを含む、請求項18記載の装置。
【請求項32】
光学装置が乱された場合に復元モジュールを起動するセンサをさらに含む、請求項18記載の装置。
【請求項33】
制御手段が、回転運動を引き起こし、該回転運動を直線運動に変える部品を含み、該直線運動が流体を空洞内へ移送する、請求項18記載の装置。
【請求項34】
制御手段が、電圧が加わると収縮してチューブ内体積が減少する圧電チューブを含む、請求項18記載の装置。
【請求項35】
制御手段が、湾曲した、または円盤状の金属ダイヤフラムと連結されている圧電層を含む、請求項18記載の装置。
【請求項36】
上面、底面、および内側に湾曲した壁を有する空洞を含む収納器内に流体を提供し、該流体は空洞の内部に配置されたメニスカスを形成し、疎水性被膜が該上面を覆っている、工程;および
メニスカスの曲率を調節する工程
を含む、液体レンズを形成する方法。
【請求項37】
親水性被膜が内側に湾曲した壁を覆っている、請求項36記載の方法。
【請求項38】
液体レンズが空洞の壁に沿った輪として形成される、請求項36記載の方法。
【請求項39】
液体レンズが空洞の壁に沿った輪として形成され、該輪が空洞の中心へ収斂していくことによって増大する、請求項36記載の方法。
【請求項40】
液体レンズが、まず、最低の表面エネルギーを有する空洞の壁の一部分に沿った輪として形成される、請求項36記載の方法。
【請求項41】
メニスカスの曲率を調節する工程が、メニスカスが凹レンズを形成するように流体に圧力を加える工程を含む、請求項36記載の方法。
【請求項42】
メニスカスの曲率を調節する工程が、メニスカスが凸レンズを形成するように流体に圧力を加える工程を含む、請求項36記載の方法。
【請求項43】
流体を提供する工程が、空洞内へ一定体積の流体を移送する工程を含む、請求項36記載の方法。
【請求項44】
ショック関連事象の後に収納器内に追加の流体を提供する工程、および流体を空洞から回収してレンズを再形成する工程をさらに含む、請求項36記載の方法。
【請求項45】
上面、底面、および内側に湾曲した壁を有する空洞を含む収納器内に流体を提供し、該流体は空洞の内部に配置されたメニスカスを形成し、疎水性被膜が該上面を覆っている、工程;および
流体を空洞から回収する工程
を含む、液体レンズから流体を回収する方法。
【請求項46】
親水性被膜が内側に湾曲した壁を覆っている、請求項45記載の方法。
【請求項47】
流体を回収する工程がレンズを無効にする、請求項45記載の方法。
【請求項48】
流体を回収する工程がレンズをリセットする、請求項45記載の方法。
【請求項49】
流体を回収する工程が、乱されたレンズを再形成する、請求項45記載の方法。
【請求項50】
流体を回収する工程が、上面の覆いの内側面上に形成された小滴を取り除く、請求項45記載の方法。
【請求項51】
一定体積の流体が空洞内へ移送された後に、流体を提供する工程が停止する、請求項45記載の方法。
【請求項52】
流体を回収する工程の前に、流体が収納器の上面に接触するように空洞内に追加の流体を提供する工程をさらに含む、請求項45記載の方法。
【請求項53】
流体を回収する工程の前に、流体が空気貯留槽に接触するように空洞内に追加の流体を提供する工程をさらに含む、請求項45記載の方法。
【請求項54】
流体を回収する工程が、収納器内の空気貯留槽中で圧縮された空気が流体を押し返すときに起こる、請求項45記載の方法。
【請求項55】
流体を回収する工程が、復元モジュールが起動された後に起こる、請求項45記載の方法。
【請求項56】
流体を回収する工程が、手動制御信号に応答して起こる、請求項45記載の方法。
【請求項57】
上面、底面、および内側に湾曲した壁を有する第一空洞を有する、収納器;
第一空洞内に配置されたメニスカスを有し、第一液体レンズを形成する、第一流体;
流体を第一空洞内へ、および第一空洞外へ移送するための、第一流体と連結されている第一制御手段;および
第一非液体レンズ
を含む、光学装置。
【請求項58】
第二非液体レンズをさらに含む、請求項57記載の装置。
【請求項59】
第三非液体レンズをさらに含む、請求項58記載の装置。
【請求項60】
内側に湾曲した壁を有する第二空洞;
第二空洞内に配置されたメニスカスを有し、第二液体レンズを形成する、第二流体;
流体を第二空洞内へ、および第二空洞外へ移送するための、第二流体と連結されている第二制御手段
をさらに含む、請求項57記載の装置。
【請求項61】
第二非液体レンズをさらに含む、請求項60記載の装置。
【請求項62】
第三非液体レンズをさらに含む、請求項60記載の装置。
【請求項63】
第四非液体レンズをさらに含む、請求項60記載の装置。
【請求項64】
収納器が、階段状の形状を有する壁をさらに含む、請求項57記載の装置。
【請求項65】
液体レンズが焦点調節またはズーミングの機能を提供し、非液体レンズが流体レンズの負の効果を補正する、請求項57記載の装置。
【請求項66】
制御手段が、流体を空洞内へ、または空洞外へ移送することにより、光学装置のズームまたは焦点の型を変化させるように構成されている、請求項57記載の装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公表番号】特表2009−540358(P2009−540358A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514241(P2009−514241)
【出願日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際出願番号】PCT/SG2006/000147
【国際公開番号】WO2007/142602
【国際公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(508305029)エージェンシー フォー サイエンス, テクノロジー アンド リサーチ (36)
【Fターム(参考)】