説明

塗工装置

【課題】ストライプ塗工を行うことができる塗工装置を提供する。
【解決手段】サクションテーブル12の上面にある基材Wの上面に塗工液をストライプ塗工するものであり、塗工ノズル14の複数の毛管状隙間から塗工液を吐出して基材Wの上面に接液し、基材Wを移動させながら毛細管現象とサイフォン現象により塗工液を塗工厚さdでストライプ塗工し、塗工終了後に塗工ノズル14を上昇させると共にサイフォン現象により離液を行い塗工を終了する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面表示装置や太陽電池などのガラス基板、又は、長尺状のウエブなどの基材に塗工液を塗工する塗工装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や有機EL表示装置などの平面表示装置や薄膜太陽電池の普及に伴い、これらを構成するガラス基板、高分子基板、又は、長尺状のウエブ等の基材に、塗工液を薄く塗工するために、毛管状隙間を有した塗工装置を提案した(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−199208公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1における塗工装置は、毛細管現象とサイフォン現象を利用して、基板の上面に塗工液を塗工するものであるが、塗工対象となる基板の幅方向の全面にしか塗工液を塗工することができず、基板上の必要に領域のみ選択的に塗工液を塗工することができなかった。すなわち、図7に示すように、幅方向において任意の間隔毎に塗工液を塗工するストライプ塗工や、図8に示すような幅方向及び長手方向において、任意の間隔を開けて行うパターン塗工を行うことができないという問題点があった。
【0004】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、ストライプ塗工やパターン塗工を行うことができる塗工装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、塗工対象である基材の上方に塗工液を塗工する塗工ノズルが配され、上部が大気に開放され、下端部が前記塗工液の吐出口となった複数の毛管状隙間が任意の間隔を開けた前記塗工ノズルの内部に、前記塗工ノズルの左右方向に設けられ、前記塗工ノズルに前記塗工液の液入口が設けられ、前記液入口と前記各毛管状隙間のそれぞれとを連結する連結空間が前記塗工ノズル内部に設けられ、大気開放された状態で前記塗工液を貯留すると共に、前記液出口にサイフォン管によって連結されて前記塗工液を供給する塗工液供給部が配され、かつ、前記貯留された塗工液の液高さが前記連結空間の前記各毛管状隙間側の出口より高く配置され、前記塗工ノズルを前記基材に対し相対的に前後方向に移動させる移動部が設けられ、前記移動部により前記基材と前記塗工ノズルとを相対的に移動させながら、前記塗工液供給部から前記サイフォン管と前記連結空間を経て前記各毛管状隙間のそれぞれに供給されている前記塗工液を、前記各吐出口のそれぞれから前記基材の上面へストライプ塗工する、塗工装置である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ストライプ塗工、又は、パターン塗工を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態の塗工装置10について図1〜図7に基づいて説明する。
【0008】
本実施形態の塗工装置10は、板状の基材Wに塗工液を塗工するものである。例えば、液晶表示装置の製造工程において、ガラス板の表面にフォトレジストや反射防止層や保護膜を形成するため、有機EL表示装置の製造工程において、ガラス板の表面に材料を塗工するため、又は、太陽電池の製造工程において、ガラス板の表面に材料を塗工するためのものであり、その塗工厚さはドライ状態で0.01μm〜10μmである。なお、これは例示であり、板状の基材Wであれば塗工可能であり、また、塗工液の種類も限定されない。
【0009】
(1)塗工装置10の構成
まず、塗工装置10の構成について図1に基づいて説明する。
【0010】
板状の基材Wは、上面に複数の吸引口を有したサクションテーブル12に吸引された状態で支持されるものであり、このサクションテーブル12は、テーブル走行用モータ13によって前後方向に移動し、また、このサクションテーブル12には、バキューム装置よりなる吸引装置58が接続され、複数の吸引口から基材Wを吸引できる。
【0011】
サクションテーブル12の上面には、基材Wの上面に塗工液を塗工するための塗工ノズル14が配されている。この塗工ノズル14についは、後から詳しく説明する。
【0012】
塗工ノズル14は、上下動装置20によって上下動可能である。すなわち、ノズル高さモータ46の回転軸に連結されたネジ棒48にラック50が螺合し、このラック50に塗工ノズル14が固定されている。ノズル高さモータ46を回転させることにより、ラック50及び塗工ノズル14が上下方向に移動する。なお、塗工ノズル14の上下動装置20におけるネジ棒48を支持する支持部52は床に固定されている。
【0013】
塗工ノズル14の外部には、塗工液を供給するための塗工タンク22が設けられている。床に固定された支持部24には垂直方向にネジ棒26が回転自在に配され、このネジ棒26にラック28が螺合している。このラック28に塗工タンク22が取り付けられ、ネジ棒26はタンク高さモータ30によって回動し、タンク高さモータ30を回動させるとネジ棒26が回転し、それと共にラック28と塗工タンク22が塗工ノズル14に対し上下動するこの塗工タンク22は、塗工液が貯留されており、その上部が開口し、大気に開放されている。
【0014】
塗工タンク22の底面から塗工ノズル14の側面の液入口41に向かって塗工液を供給するためのサイフォン管34が設けられている。このサイフォン管34は、後から説明する塗工ノズル14の液入口41に連結されている
塗工タンク22の上方には非接触式(例えば、光学式)の液面レベルセンサ32が配されている。この液面レベルセンサ32は、塗工タンク22に溜まっている塗工液の液面高さを測定する。
【0015】
塗工タンク22に塗工液を供給するための補充タンク36が設けられている。この補充タンクから塗工タンク22の上部に向かって補充パイプ38が延びている。補充パイプ38には、不図示のフィルターと電磁弁39が設けられている。また、補充タンク36は密閉式であり、コンプレッサ等のポンプ40から送られてくるイナートガス(例えば、不活性ガス、窒素ガス)により塗工液を補充パイプ38へ供給する。そして、電磁弁39を操作することにより、一定量の塗工液を塗工タンク22に補給する。ここで、不活性ガスを送るのは防爆のためであるが、防爆を目的としない場合は空気等のその他の気体でもよい。
【0016】
(2)塗工ノズル14の構成
塗工ノズル14は、その下部がくちばし状に尖った形状をなし、左右方向に沿って複数の毛細管隙間16が設けられ、これら毛管状隙間16のそれぞれの下端部が塗工液の吐出口18である。
【0017】
図2の分解斜視図に示すように、塗工ノズル14は、複数の毛管状隙間16の前面を構成する第1分割部141と、複数の毛管状隙間16の後面を構成する第2分割部142と、第1分割部141と第2分割部142の間の空間に挟持されるスペーサ143より構成される。
【0018】
スペーサ143は、塗工ノズル14の左右方向(幅方向)に沿って挟持されるものであり、図2及び図3に示すように、連結板144から例えば4枚の櫛歯部145が延設され、スペーサ143は全体として櫛歯状に形成されている。
【0019】
第1分割部141の前面には、塗工液の入口である液入口41が設けられ、この液入口41から上方に傾斜した液通路42が形成されている。この液通路42の途中には液溜め部40が形成され、液通路42の出口には連結口44が開口している。また、この連結口44は、第1分割部141の後面に左右方向に刻まれた連結溝45に通じている。
【0020】
第2分割部142の上部には、大気連通スリット146が左右方向に設けられている。
【0021】
第1分割部141と第2分割部142の間にスペーサ143を挟みボルトによって固定すると、複数の櫛歯部145,145の間の空間によって、複数の毛管状隙間16が形成される。この毛管状隙間16の上端は、連結板144によって閉塞されているが、この連結板144より下の位置に開口している大気連通スリット146によって複数の毛管状隙間16の上部が大気に開放された状態となる。また、この複数の毛管状隙間16の下端は、開口され塗工液の吐出口18を形成している。
【0022】
液入口41から流入した塗工液は、液溜め部40を経て、連結口44から連結溝45に流れる。この連結溝45は左右方向に延びているため、この中を流れた塗工液はそれぞれの毛管状隙間16に流れて、各吐出口18から塗工液を塗工することができる。
【0023】
また、櫛歯部145の両下端は形状は、図3の拡大図に示すように、三角形状をなし、水平方向に対する角度θ1が、45°〜90°、好ましくは50°〜70°に尖った形状となっている。
【0024】
また、塗工ノズル14の左右方向から見た、くちばし状になっている角度θ2は、図4に示すように30°〜60°、好ましくは40°〜50°に形成されている。そして、吐出口18の前後方向の大きさPは、0.05〜0.5mmであり、第1分割部141における下端の前後方向の大きさLRは0.5〜1.0mmであり、第2分割部142の下端の前後方向の大きさLFは、0.2〜0.5mmとなっている。
【0025】
このように、角度θ1と角度θ2及びLF、LR、Pを限定する理由は、塗工液を基材Wに塗工した場合に、塗工ノズル14から、塗工液が離れ易くするためである。
【0026】
(3)塗工装置10の電気的構成
塗工装置10の電気的構成について図4に基づいて説明する。
【0027】
この塗工装置10を制御するためにマイクロコンピュータよりなる制御部56が設けられている。この制御部56には、サクションテーブル12の移動を行なうテーブル走行用モータ13、上下動装置20のノズル高さモータ46、塗工タンク22を上下動させるタンク高さモータ30、液面レベルセンサ32、ポンプ54及びサクションテーブル12の吸着装置58が接続されている。
【0028】
制御部56は、液面レベルセンサ32によって塗工液の塗工高さを検出して、この検出したデータに基づいてタンク高さモータ30を駆動させて塗工タンク22を上下動させ、下記で説明するように塗工タンク22の液面高さを所定の設定値になるようにフィードバック制御する。
【0029】
また、塗工によって塗工液が少なくなり、液面レベルセンサ32によって検出した液面高さが基準値より低くなった場合には、制御部56はポンプ54を作動させてイナートガスによって圧力をかけ、補充タンク36から補充パイプ38を介して塗工液を送り、電磁弁39を操作することにより所定量補充して、常に塗工タンク22内部には、基準値以上の塗工液を貯留させる。
【0030】
(4)塗工方法
上記構成の塗工装置10を用いて、基材Wの上面に塗工液をストライプ塗工する方法について図1、図3、図6、図7に基づいて説明する。
【0031】
(4−1)待機工程
待機工程では、サクションテーブル12の上面に基材Wが吸引され、塗工ノズル14は初期位置である上昇位置からやや下がった待機位置で待機している。
【0032】
(4−2)接液工程
サクションテーブル12をテーブル走行用モータ13によって移動させ、基材Wを塗工開始位置に停止させる。
【0033】
塗工ノズル14を上下動装置20によって下降させ、ノズル高さを接液位置に下降させる。
【0034】
塗工タンク22を上昇させ、図1に示すように、塗工ノズル14の吐出口18から液面までの高さH(以下、これを塗工液高さという)を、接液位置まで上昇させる。そして、塗工タンク22における塗工液液高さHが、連結溝45の連結口44より高く配置されているため、サイフォン現象により塗工タンク22内部の塗工液が、サイフォン管34、液溜め部40、連結溝45を通り複数の毛管状隙間16にそれぞれ至る。ここで、連結溝45の液入口41側より毛管状隙間16側ほど上方に傾斜するように設けられていため、サイフォン現象をより発揮させることができる。
【0035】
各毛管状隙間16に至った塗工液は、毛細管現象により各毛管状隙間16から各吐出口18に至り、基材Wの上面に図3に示すように塗工液がストライプ状に接液される。この場合に、図1に示すように各毛管状隙間16の上部は大気連通スリット146により大気に開放されているため、各毛管状隙間16の幅方向の長さAに合わせて、塗工液が供給される。これによって、ストライプ塗工が可能となる。
【0036】
この場合の塗工タンク22の液面高さである接液位置は、液面レベルセンサ32によって測定した液面の高さに基づいて決定する。そして、この接液時の状態を約1秒継続する。なお、この時間は例示であって、塗工液の粘性、塗工幅、塗工厚さによって変化する。ここでは、塗工液の粘性として1〜100ミリパスカル秒であり、好ましくは1〜30ミリパスカル秒である。
【0037】
(4−3)接待ち工程
接液工程が終了すると、サクションテーブル12を停止したままで、塗工タンク22について、塗工液高さHを接液位置から接待ち位置に下降させる。これによって、サイフォン現象に基づいて各吐出口18の位置にある塗工液に対する圧力が小さくなるため、接液工程で吐出口18と基材Wの間に滞留した余分な塗工液が、塗工タンク22側に吸引される。この吸引が終了した時間(例えば、2秒)後に塗工ノズル14の高さを塗工位置に下降させる。これによって、目的の塗工厚さdで塗工液が塗工できる状態となる。この接待ち工程は約5秒である。なお、図1に示すように、ウエット状態で塗工厚さdは吐出口18と基材Wとの距離m(mとしては50〜300μm)より小さい。
【0038】
(4−4)塗工工程
接待ち工程が終了すると、サクションテーブル12を速度V0で移動させ、塗工厚さdで毛細管現象とサイフォン現象とを利用して塗工液を基材Wの上面にストライプ塗工する。この場合に、毛細管現象により、毛管状隙間16のそれぞれから基材Wの上面に幅方向Aでストライプ塗工される(図7参照)。そして、サイフォン現象により圧力が一定であるため塗工厚さもdで維持することができる。そして、サクションテーブル12を塗工終了位置まで移動させる。なお、塗工により塗工タンク22内部の塗工液が減少するため、その塗工液高さを一定にする必要があるため、塗工液の減少分だけ塗工タンク22を上昇させてもよい(図6の点線の部分)。
【0039】
また、塗工タンク22と塗工ノズル14が塗工位置に移動完了後、塗工開始までにサクションテーブル12の移動を待機させておく。これにより、より塗工厚さdで塗工することができる。すなわち、接待ち工程において塗工液の余分な分を吸引したが、ここで塗工開始までにサクションテーブル12の移動を待機させることにより、塗り始めの盛り上がりをより小さくすることができる。
【0040】
(4−5)離液工程
塗工工程が終了すると、サクションテーブル12が停止し、塗工ノズル14が塗工位置の高さのまま、先ず塗工タンク22を離液位置まで下降させる。これは、サイフォン現象によって圧力を下げて離液を促進させるためである。そして、この離液を促進した後、塗工ノズル14を離液位置まで上昇させる。これによって、離液が完全に行える。
【0041】
この後は、塗工タンク22と塗工ノズル14とを、初期状態である待機工程のそれぞれの位置に復帰させる。
【0042】
(5)効果
塗工装置10であると、以上のようにして塗工開始位置から塗工終了位置まで所定の塗工厚さdでストライプ塗工を行うことができる。
【0043】
塗工開始時においては、塗工液高さを接液位置から接待位置に下げることにより、接液工程から接待ち工程に移行するときに塗工量が少なくなり塗工厚さdより厚くなることが無い。すなわち、接液時に接液位置の高さでサイフォン現象により圧力は高くなっているが、接待ち時には高さを接待位置に下降してサイフォン現象による圧力を下げて接液される塗工量を減らしているため、塗工開始部分における盛り上がり状態を防止ができる。
【0044】
塗工終了時においては、塗工液高さを塗工位置から離液位置に下げてサイフォン現象による圧力を下げることにより、離液を促進させ、また、塗工終了位置における盛り上がり状態を防止できる。
【0045】
このように、サイフォン現象によって圧力を調整するため、ポンプ等による圧力調整よりも微調整を行なうことができ、塗工厚さを目的のdにすることができる。
【0046】
毛細管現象及びサイフォン現象による圧力を利用しているため、従来の下方から塗工液を毛細管現象によって塗工する場合よりもサクションテーブル12の移動速度を1.5倍以上速くすることができ、生産効率も高めることができる。
【0047】
さらに、液溜め部を設けることによって、毛管状隙間16が複数存在しても、均等な圧力で塗工液を塗工でき、各毛管状隙間16によって塗工される厚みdに差が生じない。
【0048】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の塗工装置10について、図9に基づいて説明する。
【0049】
本実施形態と第1の実施形態の異なる点は、基材Wが板状で無く、長尺状の基材Wであり、この長尺状の基材Wをバックアップロール62で走行させている点にある。
【0050】
塗工ノズル14は、バックアップロール62の上方に配置させ、このバックアップロール62の上方を走行する基材Wに塗工液を塗工する。
【0051】
この塗工装置10においては、バックアップロール62を用いることにより板状の基材Wだけでなく長尺状の基材Wにもストライプ塗工ができる。
【0052】
(変更例)
本発明は上記各実施形態に限らず、その主旨を逸脱しない限り種々に変更することができる。
【0053】
(1)変更例1
上記各実施形態では、連結溝45の液入口41側より毛管状隙間16側ほど上方に傾斜するように設けられていたが、同じ高さであってもサイフォン現象を発揮させることができる。
【0054】
(2)変更例2
上記各実施形態では、液溜め部40を設けたが、この液溜め部40を設けないで、液出口から連結溝45に直接連結してもよい。
【0055】
(3)変更例3
上記各実施形態では、ストライプ塗工を行う場合について説明したが、図8に示すようなパターン塗工を行う場合には、ストライプ塗工を行った後、一旦塗工を中止し、基材Wのみを移動させて無塗工部分を形成し、その後再び塗工を行う工程を繰り返すことにより、図8に示すようなパターン塗工を行うことができる。
【0056】
(4)変更例4
変更例4としては、塗工装置10のサイフォン管34の途中に吸引装置60を設ける。この吸引装置60は、塗工が終了し、基材Wの移動を停止させて離液を行う場合に、各毛管状隙間16内部の塗工液を吸引装置60で吸引して塗工液の離液をより促進させ、塗工終了位置における塗工液の盛り上がり状態を防止できる。
【0057】
(5)変更例5
上記実施形態では、各毛管状隙間16の上部を開口する部分は、スリット状の大気連通スリット146であったが、これに限らず、各毛管状隙間16毎に設けられた孔部であってもよい。
【0058】
また、大気連通スリット146は第2分割部142に設けたが、これに限らず第1分割部141に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す塗工装置の説明図である。
【図2】塗工ノズルの分解斜視図である。
【図3】塗工ノズルの前方から見た縦断面図及び拡大図である。
【図4】塗工ノズルの下端部の拡大図である。
【図5】塗工装置のブロック図である。
【図6】塗工装置の動作を示すタイムチャートである。
【図7】ストライプ塗工を行った基材の斜視図である。
【図8】パターン塗工を行った基材の斜視図である。
【図9】第2の実施形態を示す塗工装置の説明図である。
【符号の説明】
【0060】
10 塗工装置
12 サクションテーブル
13 テーブル走行用モータ
14 塗工ノズル
16 毛管状隙間
18 吐出口
20 上下動装置
22 塗工タンク
30 タンク高さモータ
32 液面レベルセンサ
34 サイフォン管
36 補充タンク
56 制御部
141 第1分割部
142 第2分割部
143 スペーサ
144 連結板
145 櫛歯部
146 大気連通スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗工対象である基材の上方に塗工液を塗工する塗工ノズルが配され、
上部が大気に開放され、下端部が前記塗工液の吐出口となった複数の毛管状隙間が任意の間隔を開けた前記塗工ノズルの内部に、前記塗工ノズルの左右方向に設けられ、
前記塗工ノズルに前記塗工液の液入口が設けられ、
前記液入口と前記各毛管状隙間のそれぞれとを連結する連結空間が前記塗工ノズル内部に設けられ、
大気開放された状態で前記塗工液を貯留すると共に、前記液出口にサイフォン管によって連結されて前記塗工液を供給する塗工液供給部が配され、かつ、前記貯留された塗工液の液高さが前記連結空間の前記各毛管状隙間側の出口より高く配置され、
前記塗工ノズルを前記基材に対し相対的に前後方向に移動させる移動部が設けられ、
前記移動部により前記基材と前記塗工ノズルとを相対的に移動させながら、前記塗工液供給部から前記サイフォン管と前記連結空間を経て前記各毛管状隙間のそれぞれに供給されている前記塗工液を、前記各吐出口のそれぞれから前記基材の上面へストライプ塗工する、
塗工装置。
【請求項2】
前記塗工ノズルは、
前記複数の毛管状隙間の一方の壁面を構成する第1分割部と、
前記複数の毛管状隙間の他方の壁面を構成する第2分割部と、
前記第1分割部と前記第2分割部との間の空間に挟持されるスペーサとを備え、
前記第1分割部は前記液入口と前記連結空間とを有し、
前記第1分割部、又は、前記第2分割部は前記複数の毛管状隙間の上部を大気に開放させるための大気連通孔を有し、
前記スペーサは、左右方向に延びた連結板から下方に前記間隔を開けて複数の櫛歯部が形成された櫛歯状であって、前記複数の櫛歯部の間の空間によって、前記複数の毛管状隙間がそれぞれ形成されている、
請求項1記載の塗工装置。
【請求項3】
前記移動部が、前記基材、又は、前記塗工ノズルを移動と停止を繰り返して、前記基材にパターン塗工を行う、
請求項1記載の塗工装置。
【請求項4】
前記塗工液供給部が、
大気開放された状態で前記塗工液を貯留する塗工タンクと、
前記塗工タンクを前記塗工ノズルに対して相対的に上下動させる塗工タンク上下動部と、
前記塗工タンク内の液面高さを非接触で検出する液面検出部と、
前記塗工タンク上下動部を用いて、前記液面検出部によって検出した液面高さを設定値に調整して、前記塗工液を前記基材の上面に接液した後に塗工を開始し、塗工終了後に離液を行う液面制御部と、
を備える請求項1記載の塗工装置。
【請求項5】
前記液面制御部は、
前記基材の上面に前記塗工液を塗工している間、前記液面高さを塗工高さ設定値に維持する、
請求項4記載の塗工装置。
【請求項6】
前記液面制御部は、
前記基材が塗工開始位置に位置し、かつ、前記塗工ノズルを前記基材に近接させた状態で、前記液面高さを前記塗工高さ設定値より高い接液高さ設定値へ相対的に上昇させて、前記塗工液を前記基材の上面へ接液する、
請求項5記載の塗工装置。
【請求項7】
前記液面制御部は、
前記基材が塗工終了位置に位置したとき、前記液面高さを前記塗工高さ設定値から離液高さ設定値へ相対的に下降させて、前記塗工液を前記基材の上面から離液する、
請求項5記載の塗工装置。
【請求項8】
前記基材が塗工終了位置に位置したとき、前記毛管状隙間と前記塗工タンクとの連結するサイフォン管を遮断した後に、前記毛管状隙間内に残っている前記塗工液を吸引して、前記離液を促進する吸引部を備える、
請求項4記載の塗工装置。
【請求項9】
前記基材に塗工することにより減少した塗工液量分を前記塗工タンクに補充する塗工液補充部を備え、
前記塗工タンクに常時所定の塗工液量が充満される、
請求項4から8の少なくとも一項に記載の塗工装置。
【請求項10】
前記基材は板状の基材であり、
前記板状の基材を上面に吸着して前後方向に搬送するサクションテーブルを前記塗工ノズルの下方に配する、
請求項1から9の少なくとも一項に記載の塗工装置。
【請求項11】
前記基材は長尺状の基材であり、
前記長尺状の基材を前後方向に搬送するバックアップロールを前記塗工ノズルの下方に配する、
請求項1から9の少なくとも一項に記載の塗工装置。
【請求項12】
前記連結空間の前記毛管状隙間側の出口が、前記液入口側と同じ高さか、又は、前記液入口側より高い、
請求項1記載の塗工装置。
【請求項13】
前記連結空間は前記塗工ノズルの左右方向に設けられ、
前記連結空間の前記液入口付近に液溜め部が形成されている、
請求項1記載の塗工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−264782(P2008−264782A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2008−173334(P2008−173334)
【出願日】平成20年7月2日(2008.7.2)
【出願人】(000240341)株式会社ヒラノテクシード (58)
【Fターム(参考)】