説明

塗布装置

【課題】被塗布体である基板上へ異物が落下することを防止する塗布装置を提供する。
【解決手段】ノズル移動機構部51は、ステージ面を横断する方向にその先端部から塗布液を吐出するノズル52を往復移動させる。ガイド部材511は、ステージ上の空間においてそのステージ面を横断する方向に延設され、ノズル52を支持するスライド支持部材510がガイド部材511に沿って移動可能である。帯状部材は、スライド支持部材510をガイド部材511に沿って往復移動させる。ガイド部材511の上面には、粉塵を集塵する凹部が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布装置に関し、より特定的には、ステージ上に載置した基板にノズルから有機EL材料等の塗布液を吐出して塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板等の被処理体に塗布液を塗布する塗布装置が各種開発されている。例えば、有機EL(Electro Luminescence)表示装置を製造する装置では、ステージ上に載置されたガラス基板等の基板の主面に所定のパターン形状で正孔輸送材料や有機EL材料をノズル塗布する塗布装置が用いられる。この塗布装置では、ノズルから塗布液(有機EL材料や正孔輸送材料)が所定の圧力で吐出される。具体的には、塗布装置に備えられたタンク等の供給源に塗布液が貯留され、供給源から供給される塗布液をポンプで増圧し、配管内に設けられたフィルタで異物を除去した後、ノズルから吐出される。
【0003】
また、有機EL材料や正孔輸送材料を塗布する技術分野とは異なるが、ノズルから塗布液を吐出しつつ、連続して一筆書きのようにウェハに塗布液を塗布する膜形成装置が開発されている(例えば、特許文献1参照)。当該膜形成装置は、上記特許文献1の図6に示されるように、吐出ノズル85を支持するスライダ91がガイド軸98aおよび98bに沿って往復移動する。また、駆動ベルト92は、ガイド軸98aおよび98bの並設方向と同じ方向に2つの駆動プーリ93および従動プーリ94(図7参照)の間に回動可能に掛け渡されている。そして、スライダ91は、駆動ベルト92に接続されており、駆動ベルト92からの駆動力を受けてガイド軸98aおよび98bに沿って移動する。このような構成によって、上記膜形成装置の移動手段86が構成されている。一方、上記特許文献1の図4に示されるように、移動手段86は、被膜形成体であるウェハW上を横架するように設けられている。そして、吐出ノズル85からウェハW上に塗布液を吐出しながらスライダ91が往復移動することによって、ウェハW上に膜が形成される。
【特許文献1】特開2001−237178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プーリ間に掛け渡された駆動ベルトの一方側のプーリを駆動させる場合、プーリと駆動ベルトとの接触によって発塵源となる。そして、プーリ付近で発生した粉塵は、駆動ベルトに付着して当該駆動ベルトの動作と共に吐出ノズルを支持するスライダが往復移動する空間まで運ばれ、その下に載置されている被塗布体(例えば、特許文献1におけるウェハW)上に落下する恐れがある。つまり、被塗布体にプーリと駆動ベルトとの接触によって発生した粉塵(パーティクル)が付着することになり、被塗布体に対する製造品質を著しく低下させてしまう。
【0005】
一方、駆動ベルトとプーリとが接触する近傍の空間を覆うカバーを設置し、当該カバーによって囲まれた閉空間から外部へ排気する機構を備えることによって、発生する粉塵を外部に排除することが考えられる。しかしながら、このような排気設備を備えても、発生した粉塵が上記閉空間からスライダが往復移動する空間へ流出することを完全に防止することはできない。また、スライダが往復移動する空間を覆うカバーを設置し、当該カバーによって囲まれた閉空間から外部へ排気する機構を備えることによって、当該空間へ流出した粉塵を外部に排除することが考えられる。しかしながら、スライダが往復移動する空間を覆うカバーには、少なくとも吐出ノズルがカバー外部で往復移動できるような開口部(例えば、往復移動方向を長軸方向としたスリット状の開口部)を形成しなければならない。したがって、スライダが往復移動する空間へ流出した粉塵が開口部を介して被塗布体上に落下する可能性があるため、被塗布体に粉塵が付着することが考えられる。
【0006】
それ故に、本発明の目的は、被塗布体である基板上へ異物が落下することを防止する塗布装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、基板上に塗布液を塗布する塗布装置である。塗布装置は、ノズル、ステージ、およびノズル移動機構とを備える。ノズルは、その先端部から塗布液を吐出する。ステージは、基板をその上面に載置する。ノズル移動機構は、ステージ上の空間において、そのステージ面を横断する方向にノズルを往復移動させる。ノズル移動機構は、ガイド部材、スライド支持部材、および帯状部材を含む。ガイド部材は、ステージ上の空間において、そのステージ面を横断する方向に延設される。スライド支持部材は、ノズルを支持し、ガイド部材に沿って横断する方向に移動可能である。帯状部材は、その一部がスライド支持部材に連結し、所定の駆動源からの駆動力を伝動してそのスライド支持部材をガイド部材に沿って往復移動させる。ガイド部材の上面には、帯状部材が移動することによって生じる粉塵を集塵する凹部が形成されている。
【0008】
第2の発明は、上記第1の発明において、凹部は、ガイド部材の上面に形成された横断する方向の条溝である。ガイド部材は、横断する方向に対して垂直な断面が略コの字形状の棒状部材である。スライド支持部材は、ガイド部材の外側面のうち条溝を除いた外側面に沿って横断する方向に移動する。
【0009】
第3の発明は、上記第2の発明において、ノズル移動機構は、一方が駆動源からの駆動力を受けて回転する一対のプーリを、さらに含む。帯状部材は、一対のプーリに掛け渡された駆動ベルトである。
【0010】
第4の発明は、上記第3の発明において、駆動ベルトの少なくとも一部は、ガイド部材に形成された条溝に沿って、その条溝内の空間に配設される。
【0011】
第5の発明は、上記第3の発明において、一対のプーリの下側に掛け渡された駆動ベルトの一部は、ガイド部材に形成された条溝に沿って、その条溝内の空間に配設される。一対のプーリの上側に掛け渡された駆動ベルトの一部は、ガイド部材に形成された条溝の直上空間に配設される。
【0012】
第6の発明は、上記第3の発明において、ノズル移動機構は、一対のプーリをそれぞれ覆うプーリカバーを、さらに含む。プーリカバーは、その内部空間の気体を排気する排気手段に接続される排気口がそれぞれ形成されている。
【0013】
第7の発明は、上記第6の発明において、ノズル移動機構は、その内部空間にガイド部材、スライド支持部材、および駆動ベルトを配置して覆う全体カバーを、さらに含む。全体カバーは、その内部空間の気体を排気する排気手段に接続される排気口が形成されている。
【0014】
第8の発明は、上記第1の発明において、スライド支持部材は、凹部を除いたガイド部材の外側面に嵌合してその外側面に沿って移動可能である。ガイド部材と対向するスライド支持部材の内側面は、その内側面と対向するガイド部材の外側面との隙間にエアーを供給するエアー供給穴が形成されている。
【発明の効果】
【0015】
上記第1の発明によれば、帯状部材が移動することによって生じる粉塵(パーティクル)をガイド部材に形成された凹部で集塵することができるため、当該粉塵が基板上に落下することを防止することができる。
【0016】
上記第2の発明によれば、帯状部材が移動することによって生じる粉塵をガイド部材に形成された条溝で集塵することができる。また、断面が略コの字形状の棒状部材は、丸棒より軸の撓み量を低減しながら高さ方向の省スペース化を実現することができるため、ガイド部材自体に要求される撓み量制限を確保しながら、塗布装置自体の装置高さを抑えたコンパクトな設計が可能となる。
【0017】
上記第3の発明によれば、プーリ間に掛け渡された駆動ベルトを用いてスライド支持部材を往復移動させる場合、プーリと駆動ベルトとの接触によって発塵源となるが、駆動ベルトが移動することによって生じる粉塵をガイド部材に形成された条溝で集塵することができるため、当該粉塵が基板上に落下することを防止することができる。
【0018】
上記第4の発明によれば、駆動ベルトが条溝内の空間に配設されるため、駆動ベルトに付着する等によって持ち出された粉塵は、駆動ベルトから離れても条溝内に落下する。ここで、条溝は、駆動ベルトを覆うように形成されているため、その集塵力は極めて高い。したがって、駆動ベルトによって持ち出された粉塵が条溝内に確実に集塵されるため、ノズルやスライド支持部材等が往復移動する空間まで粉塵が運ばれて基板上に落下することを防止することができる。
【0019】
上記第5の発明によれば、プーリの下側に掛け渡された駆動ベルトが条溝内の空間に配設されるため、下側の駆動ベルトに付着する等によって持ち出された粉塵は、駆動ベルトから離れても当該駆動ベルトを覆う条溝内に確実に落下する。また、プーリの上側に掛け渡された駆動ベルト条溝の直上空間に配設されるため、上側の駆動ベルトに付着する等によって持ち出された粉塵が駆動ベルトから離れても条溝内に落下する。したがって、駆動ベルトによって持ち出された粉塵が条溝内に確実に集塵されるため、ノズルやスライド支持部材等が往復移動する空間まで粉塵が運ばれて基板上に落下することを防止することができる。
【0020】
上記第6の発明によれば、プーリカバーには、それぞれ排気口が形成されており、当該排気口から内部空間の気体を吸引して排出することによって、当該内部空間内に発生した粉塵を排出することができる。
【0021】
上記第7の発明によれば、条溝によって粉塵を集塵しながら、さらに全体カバーで覆うことによって外部への粉塵の流出を防止していることになる。したがって、条溝による集塵効果に加え、さらに全体カバーを設置することによって、粉塵が基板上に落下することをさらに防止することができる。
【0022】
上記第8の発明によれば、スライド支持部材の内面に形成されたエアー供給穴からエアーを供給することによって、スライド支持部材とガイド部材との間に静圧軸受を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る塗布装置について説明する。説明を具体的にするために、当該塗布装置が有機EL材料や正孔輸送材料等を塗布液として用いる有機EL表示装置を製造する装置に適用された例を用いて、以下の説明を行う。有機EL表示装置を製造する装置は、有機EL材料や正孔輸送材料等をステージ上に載置されたガラス基板上に所定のパターン形状に塗布して有機EL表示装置を製造するものである。図1は、有機EL表示装置の製造装置の要部概略構成を示す平面図および正面図である。なお、有機EL表示装置を製造する装置に用いられる塗布装置は、上述したように有機EL材料や正孔輸送材料等の複数の塗布液を用いるが、それらの代表として有機EL材料を塗布液として説明を行う。
【0024】
図1において、有機EL表示装置の製造装置1は、大略的に、基板載置装置2および有機EL塗布機構5を備えている。有機EL塗布機構5は、ノズル移動機構部51、ノズルユニット50、および液受部53を有している。
【0025】
ノズル移動機構部51は、その両端にプーリカバー514Lおよび514Rを有しており、当該プーリカバー514Lおよび514Rの間に1つの凹状ガイド部材511および2つの丸棒ガイド部材512が図示X軸方向に延設されている。そして、ノズルユニット50を支持するスライド支持部材510が凹状ガイド部材511に沿って図示X軸方向に往復移動し、カウンタ513が丸棒ガイド部材512に沿って図示X軸方向に往復移動する。ノズルユニット50は、赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料を吐出するノズル52a〜52cを並設した状態で保持する。各ノズル52a〜52cへは、それぞれ供給部(図2参照)から赤、緑、および青色の何れか1色の有機EL材料が供給される。このように、典型的には3本のノズル52a〜52cから同じ色の有機EL材料が吐出されるが、説明を具体的にするために赤色の有機EL材料が3本のノズル52a〜52cから吐出される例を用いる。
【0026】
基板載置装置2は、ステージ21、旋回部22、平行移動テーブル23、ガイド受け部24、およびガイド部材25を有している。ステージ21は、被塗布体となるガラス基板等の基板Pをそのステージ上面に載置する。ステージ21の下部は、旋回部22によって支持されており、旋回部22の回動動作によって図示θ方向にステージ21が回動可能に構成されている。また、ステージ21の内部には、有機EL材料が塗布された基板Pをステージ面上で予備加熱処理するための加熱機構が設けられている。
【0027】
ノズル移動機構部51の下方を通るように、ガイド部材25が上記X軸方向と垂直の図示Y軸方向に延設されて固定される。平行移動テーブル23の下面にはガイド部材25と当接してガイド部材25上を滑動するガイド受け部24が固設されている。また、平行移動テーブル23の上面には、旋回部22が固設される。これによって、平行移動テーブル23が、例えばリニアモータ(図示せず)からの駆動力を受けてガイド部材25に沿った図示Y軸方向に移動可能になり、旋回部22に支持されたステージ21の移動も可能になる。
【0028】
ステージ21上に基板Pを載置して、平行移動テーブル23がノズル移動機構部51の下方まで移動したとき、当該基板Pが赤色の有機EL材料の塗布をノズル52a〜52cから受ける位置となる。そして、制御部(図2参照)がノズルユニット50をX軸方向に往復移動させるようにノズル移動機構部51を制御し、ステージ21をY軸方向へ当該直線移動毎に所定ピッチだけ移動させるように平行移動テーブル23を制御し、ノズル52a〜52cから所定流量の有機EL材料を吐出する。また、ノズル52a〜52cのX軸方向吐出位置において、ステージ21に載置された基板Pから逸脱する両サイド空間には、基板Pから外れて吐出された有機EL材料を受ける液受部53Lおよび53Rがそれぞれ固設されている。ノズル移動機構部51は、基板Pの一方サイド外側に配設されている液受部53の上部空間から、基板Pを横断して基板Pの他方サイド外側に配設されている液受部53の上部空間まで、ノズルユニット50を往復移動させる。また、平行移動テーブル23は、ノズルユニット50が液受部53の上部空間に配置されている際、ノズル往復移動方向とは垂直の所定方向(図示Y軸方向)に所定ピッチだけステージ21を移動させる。このようなノズル移動機構部51および平行移動テーブル23の動作と同時にノズル52a〜52cから有機EL材料を液柱状態で吐出することによって、赤色の有機EL材料が基板Pに形成されたストライプ状の溝毎に配列された、いわゆる、ストライプ配列が基板P上に形成される。
【0029】
次に、図2を参照して、有機EL表示装置の製造装置1における制御機能および供給部の概略構成について説明する。なお、図2は、有機EL表示装置の製造装置1の制御機能および供給部を示すブロック図である。
【0030】
図2において、有機EL表示装置の製造装置1は、上述した構成部の他に、制御部3、第1供給部54a、第2供給部54b、および第3供給部54cを備えている。第1〜第3供給部54a〜54cは、共に赤色の有機EL材料をそれぞれノズル52a〜52cに配管を介して供給する。
【0031】
第1供給部54aは、有機EL材料の供給源541aと、供給源541aから有機EL材料を取り出すためのポンプ542aと、有機EL材料の流量を検出する流量計543aとを備えている。また、第2供給部54bは、有機EL材料の供給源541bと、供給源541aから有機EL材料を取り出すためのポンプ542bと、有機EL材料の流量を検出する流量計543bとを備えている。第3供給部54cは、有機EL材料の供給源541cと、供給源541aから有機EL材料を取り出すためのポンプ542cと、有機EL材料の流量を検出する流量計543cとを備えている。そして、制御部3は、第1〜第3供給部54a〜54c、旋回部22、平行移動テーブル23、およびノズル移動機構部51のそれぞれの動作を制御する。
【0032】
ノズル52aは、第1供給部54aから供給された有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ521aを有している。ノズル52bは、第2供給部54bから供給された有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ521bを有している。ノズル52cは、第3供給部54cから供給された有機EL材料中の異物を除去するためのフィルタ521cを有している。なお、ノズル52a〜52cはそれぞれ同一の構造であるため、総称して説明する場合は参照符号「52」を付して説明を行う。
【0033】
ここで、赤色の有機EL材料の塗布を受ける基板Pの表面には、有機EL材料を塗布すべき所定のパターン形状に応じたストライプ状の溝が複数本並設されるように形成されている。有機EL材料としては、例えば、基板P上の溝内に拡がるように流動する程度の粘性を有する有機性のEL材料が用いられ、具体的には各色毎の高分子タイプの有機EL材料が用いられる。ノズルユニット50は、所定の支持軸周りに回動自在に支持されており、制御部3の制御によって当該支持軸周りに回動させることで、塗布ピッチ間隔を調整することができる。
【0034】
制御部3は、ステージ21に載置された基板Pの位置や方向に基づいて、基板Pに形成された溝の方向が上記X軸方向になるように旋回部22の角度を調整し、塗布のスタートポイント、すなわち、基板Pに形成された溝の一方の端部側で塗布を開始する塗布開始位置を算出する。なお、上記塗布開始位置は、一方の液受部53の上部空間となる。そして、制御部3は、上述したように平行移動テーブル23およびノズル移動機構部51を駆動させる。
【0035】
上記塗布開始位置において、制御部3は、各ノズル52a〜52cから有機EL材料の吐出開始を各ポンプ542a〜542cに指示する。このとき、制御部3は、ストライプ状の溝の各ポイントにおける有機EL材料の塗布量が均一となり、液柱状態で有機EL材料が吐出されるように、ノズル52a〜52cの移動速度に応じてその塗布量を制御しており、流量計543a〜543cからの流量情報をフィードバックして制御する。そして、制御部3は、基板P上の溝内への有機EL材料の流し込むために、有機EL材料を基板P上の溝に沿わせながらこの溝内に流し込むようにノズルユニット50を凹状ガイド部材511に沿わせて移動させるように制御する。この動作によって、液柱状態で各ノズル52a〜52cから吐出される赤色の有機EL材料が同時にそれぞれの溝に流し込まれていく。
【0036】
制御部3は、基板P上をノズルユニット50が横断して溝の他方端部の外側に固設されている他方の液受部53上に位置すると、ノズル52a〜52cからの有機EL材料の吐出を継続したまま、ノズル移動機構部51によるノズルユニット50の移動を停止する。この1回の移動によって、3列分の溝への有機EL材料の塗布が完了する。具体的には、同色の有機EL材料を各ノズル52a〜52cから吐出しているので、3列毎に1列の溝を塗布対象とした合計3列分の溝に有機EL材料が塗布される。
【0037】
次に、制御部3は、平行移動テーブル23をY軸方向に所定距離(例えば、溝9列分)だけピッチ送りして、次に塗布対象となる溝への有機EL材料の塗布を行えるようにする。そして、制御部3は、他方の液受部53の上部空間からノズルユニット50を逆の方向へ基板P上を横断させて一方の液受部53上に位置すると、ノズル52a〜52cからの有機EL材料の吐出を継続したまま、ノズル移動機構部51によるノズルユニット50の移動を停止する。この2回目の移動によって、次の3列分の溝への有機EL材料の塗布が完了する。このような動作を繰り返すことによって、赤色の有機EL材料が赤色を塗布対象とした溝に流し込まれる。なお、制御部3は、ノズルユニット50を凹状ガイド部材511に沿わせて移動させるように制御する際、ノズル移動機構部51が備える駆動プーリ517を駆動する駆動源の回転動作を制御する。
【0038】
以下、図3〜図7を参照して、ノズル移動機構部51の構造について説明する。なお、図3は、ノズル移動機構部51の概略構成を示す斜視図である。図4は、図1の断面AAをB方向から見たノズル移動機構部51の断面図である。図5は、図1の断面CCをD方向から見たノズル移動機構部51の断面図である。図6は、ノズル移動機構部51の動作を模式的に示したブロック図である。図7は、凹状ガイド部材511の断面寸法を説明するための断面図である。
【0039】
図3において、ノズル移動機構部51は、スライド支持部材510と、凹状ガイド部材511と、2つの丸棒ガイド部材512と、カウンタ513と、プーリカバー514Lおよび514Rと、駆動ベルト515とを備えている。プーリカバー514Lおよび514Rは、ノズル移動機構部51の固定部材上の両端に固設されており、それぞれの内部に駆動プーリ517および従動プーリ518(図6参照)が設けられている。
【0040】
凹状ガイド部材511は、プーリカバー514Lおよび514Rの間に図示X軸方向へ延設される。2つの丸棒ガイド部材512は、プーリカバー514Lおよび514Rの間に図示X軸方向へ凹状ガイド部材511の上方に並設して延設される。駆動ベルト515は、一対の駆動プーリ517および従動プーリ518の間に図示X軸方向に掛け渡される。具体的には、駆動プーリ517および従動プーリ518の回転軸が図示Y軸方向に設けられるため、当該回転軸に対する下側部分の駆動ベルト515は、当該回転軸に対する上側部分の直下となる位置(つまり、駆動ベルト515全体が図示XZ平面に平行)になるように掛け渡される。以下、一対の駆動プーリ517および従動プーリ518を上下(図示Z軸方向)位置で掛け渡される駆動ベルト515において、上記回転軸の下側で掛け渡される駆動ベルト515の部分を下側の駆動ベルト515と記載する。また、上記回転軸の上側で掛け渡される駆動ベルト515の部分を上側の駆動ベルト515と記載する。なお、後述により明らかとなるが、スライド支持部材510が図示X軸正方向に移動する場合、下側の駆動ベルト515がベルトの張り側を意味し、上側の駆動ベルト515がベルトのゆるみ側を意味する。なお、駆動ベルト515は、本発明の帯状部材に相当し、例えば回動方向に対して垂直に複数の山が形成されたタイミングベルト(歯付きベルト)で構成される。
【0041】
スライド支持部材510は、ノズルユニット50(ノズル52a〜52c)を支持する。また、スライド支持部材510は、下側の駆動ベルト515の一部に接続され、凹状ガイド部材511に沿って移動可能に構成されている。つまり、駆動プーリ517が回転することに応じて駆動ベルト515が回動すると、当該駆動ベルト515の移動に応じてスライド支持部材510も凹状ガイド部材511に沿って図示X軸方向へ往復移動する。
【0042】
カウンタ513は、駆動ベルト515においてスライド支持部材510が接続される位置の対象位置に接続され、2つの丸棒ガイド部材512に貫装される。つまり、カウンタ513は、上側の駆動ベルト515の一部と接続される。したがって、駆動プーリ517が回転することに応じて駆動ベルト515が回動すると、当該駆動ベルト515の移動に応じてカウンタ513も2つの丸棒ガイド部材512に沿ってスライド支持部材510とは逆方向の図示X軸方向へ往復移動する。
【0043】
図4において、凹状ガイド部材511は、その長軸方向に上面を開口した条溝Gが形成されており、その断面が上面を開口とした略コの字形状(Π(パイ)型形状)となる。スライド支持部材510は、凹状ガイド部材511の条溝Gを除いた外側面と所定の隙間を有した状態で覆うように嵌合して配置される。また、スライド支持部材510の一方の外側面は、ノズルユニット50を支持する。凹状ガイド部材511と対向するスライド支持部材510の内側面には、複数箇所(例えば、6箇所)にエアー供給口Ahが設けられる。スライド支持部材510が凹状ガイド部材511に沿って往復移動する際、外部から図示しない配管を介してスライド支持部材510へエアーが供給され、エアー供給口Ahから上記隙間に当該エアーを供給することによって、スライド支持部材510と凹状ガイド部材511との間に空気静圧軸受が構成される。
【0044】
一方、下側の駆動ベルト515は、凹状ガイド部材511に形成された条溝G内の空間に配設される。つまり、下側の駆動ベルト515の下側、左側、および右側が、凹状ガイド部材511に覆われるように配置される。そして、下側の駆動ベルト515とスライド支持部材510とは、連結部材519を介して接続される。これらの構成によって、駆動ベルト515が回動すると連結部材519を介してスライド支持部材510が凹状ガイド部材511に沿って移動し、当該スライド支持部材510で支持されたノズルユニット50が移動する。
【0045】
このように、下側の駆動ベルト515が凹状ガイド部材511に形成された条溝G内の空間に配設されるため、駆動ベルト515に付着する等によってプーリカバー514Lおよび514Rから流出した粉塵(パーティクル)は、駆動ベルト515から離れても条溝G内に落下する。ここで、条溝Gは、駆動ベルト515を覆うように形成されているため、その集塵力は極めて高いことがわかる。したがって、駆動ベルト515によって持ち出された粉塵が条溝G内に集塵されるため、ノズルユニット50等が往復移動する空間まで粉塵が運ばれて基板P上に落下することを防止することができる。
【0046】
なお、条溝Gによる集塵効果を上げるためには、下側の駆動ベルト515が条溝Gの底側にできるだけ配置する方が好ましい。駆動ベルト515を条溝Gの底側に配置することによって、確実に粉塵を条溝G内へ集塵することができる。また、下側の駆動ベルト515は、条溝G内の空間から逸脱した上方に配置されてもかまわない。この場合、条溝Gによる集塵効果が低下することが予想されるが、駆動ベルト515から落下する粉塵を条溝Gで集塵することは可能であるため、ある程度の集塵効果が期待できる。
【0047】
図5において、カウンタ513は、例えば2つの部材によって構成される。以下、それらの部材をカウンタ513aとカウンタ513bとして区別する。カウンタ513aおよび513bは、それぞれ貫通穴が形成されている。そして、カウンタ513aが一方の丸棒ガイド部材512に所定の隙間を有した状態で貫装され、カウンタ513bが他方の丸棒ガイド部材512に所定の隙間を有した状態で貫装される。カウンタ513aおよび513bの貫通穴内周面には、エアー供給口Ahがそれぞれ設けられる。カウンタ513aおよび513bが丸棒ガイド部材512に沿って往復移動する際、外部から図示しない配管を介してカウンタ513aおよび513bへエアーが供給され、エアー供給口Ahから上記隙間に当該エアーを供給することによって、カウンタ513aおよび513bと丸棒ガイド部材512との間に空気静圧軸受が構成される。
【0048】
カウンタ513aとカウンタ513bとは、連結部材516で接続される。また、上側の駆動ベルト515は、2つの丸棒ガイド部材512の間の空間に配設され、その一部が連結部材516と接続する。これらの構成によって、駆動ベルト515が回動すると連結部材516を介してカウンタ513aおよび513bが丸棒ガイド部材512に沿って移動する。
【0049】
このように、上側の駆動ベルト515が凹状ガイド部材511に形成された条溝Gの直上空間に配設されるため、上側の駆動ベルト515に付着する等によってプーリカバー514Lおよび514Rから流出した粉塵は、駆動ベルト515から離れても条溝G内に落下する。したがって、駆動ベルト515によって持ち出された粉塵が全て条溝G内に集塵されるため、ノズルユニット50等が往復移動する空間まで上記粉塵が運ばれることが極めて少なく、基板P上に粉塵が落下することを防止することができる。
【0050】
図6において、プーリカバー514Rの内部には、図示Y軸方向を回転軸とした駆動プーリ517が設けられる。また、プーリカバー514Lの内部には、図示Y軸方向を回転軸とした従動プーリ518が設けられ、一対の駆動プーリ517と従動プーリ518との間に駆動ベルト515が掛け渡される。駆動プーリ517は、サーボモータ等の駆動源(図示せず)からの駆動力を受けて、上記回転軸を中心とした双方向(図示両矢印方向)へ回転する。ここで、駆動プーリ517の回転方向、回転速度、および回転角度の制御は、駆動源が駆動プーリ517を回転させる動作を制御部3が制御することによって行われる。なお、スライド支持部材510が最もプーリカバー514Lに接近する位置(つまり、上述した往復移動において図示X軸負方向側で引き返す点)は、一方の液受部53L(図1参照)の上部空間となるように制御部3が制御する。また、スライド支持部材510が最もプーリカバー514Rに接近する位置(つまり、上述した往復移動において図示X軸正方向側で引き返す点)は、一方の液受部53R(図1参照)の上部空間となるように制御部3が制御する。
【0051】
なお、プーリカバー514Lおよび514Rは、それぞれ駆動ベルト515がプーリカバー514Lおよび514Rから外部へ出る開口部を除いて駆動プーリ517および従動プーリ518が外部から遮って覆うように形成されたカバーである。そして、プーリカバー514Lおよび514Rは、それぞれ排気口が形成されており、当該排気口から内部空間の気体を吸引して排出することによって、当該内部空間内に発生したパーティクルを排出する。
【0052】
スライド支持部材510およびカウンタ513は、駆動ベルト515において対象となる位置に接続されている。駆動プーリ517が図6の時計方向に回転した場合、駆動ベルト515も同位相で時計方向に回動する。そして、スライド支持部材510がX軸正方向へ凹状ガイド部材511に沿ってプーリカバー514Lおよび514R間を移動し、カウンタ513がX軸負方向へ丸棒ガイド部材512に沿ってプーリカバー514Lおよび514R間を移動する。一方、駆動プーリ517が図6の反時計方向に回転した場合、駆動ベルト515も同位相で反時計方向に回動する。そして、スライド支持部材510がX軸負方向へ凹状ガイド部材511に沿ってプーリカバー514Lおよび514R間を移動し、カウンタ513がX軸正方向へ丸棒ガイド部材512に沿ってプーリカバー514Lおよび514R間を移動する。
【0053】
上述した説明では、凹状ガイド部材511に形成された条溝Gによって集塵する効果を説明したが、凹状ガイド部材511の形状はその撓み量の低減や省スペース化の面でも有利に作用する。図7に示すように、凹状ガイド部材511の幅をW、高さをHとし、条溝Gの幅をw、深さをhとする。そして、この凹状ガイド部材511と比較するために、直径φの丸棒を想定する。
【0054】
上述した形状の凹状ガイド部材511および上記丸棒において、それらの軸長さが同じである場合、それぞれの軸の撓み量は軸の断面2次モーメントに依存する。凹状ガイド部材511の断面2次モーメントI1は、
I1=(WH3−wh3)/12
となる。一方、上記丸棒の断面2次モーメントI2は、
I2=πφ4/64
となる。ここで、凹状ガイド部材511の高さHおよび上記丸棒の直径φとが等しいとすると、同等の断面2次モーメントを確保するためには、幅Wを
W={(3πφ4/16)+wh3}/φ3
に設定すればよい。つまり、
W>{(3πφ4/16)+wh3}/φ3 …(1)
となるように幅Wを設定することによって、凹状ガイド部材511は、高さ方向の寸法が同じ(つまり、H=φ)であっても、丸棒で構成するより軸の撓み量を低減することができる。したがって、ノズルユニット50は、相対的に撓み量が少ない凹状ガイド部材511に沿って往復移動することができるため、被塗布体となる基板Pとノズル52a〜52cとの間隔の変動幅を小さくすることができ、製造品質の向上が期待できる。また、凹状ガイド部材511は、高さ方向の寸法を小さくしても(つまり、H<φ)であっても、上記式(1)を満たすような幅Wで構成することによって丸棒と同等の軸の撓み量を実現することができ、幅Wを調整することによって、丸棒より軸の撓み量を低減しながら高さ方向の省スペース化を実現することができる。したがって、凹状ガイド部材511自体に要求される撓み量制限を確保しながら、塗布装置自体の装置高さを抑えたコンパクトな設計が可能となる。
【0055】
なお、上述した説明では、駆動プーリ517および従動プーリ518を覆うようにプーリカバー514Lおよび514Rを設けたが、スライド支持部材510等が往復移動する空間にもカバーを設けてもかまわない。図8は、スライド支持部材510等が往復移動する空間を覆うカバー520を設けたノズル移動機構部51の概略構成を示す斜視図である。
【0056】
図8において、プーリカバー514Lおよび514Rの間の固定部材上には、ノズル移動機構部51を構成するスライド支持部材510、凹状ガイド部材511、2つの丸棒ガイド部材512、カウンタ513、および駆動ベルト515を外部から遮って覆うようにカバー520が設けられる。カバー520には、スリットSが形成されている。スリットSは、プーリカバー514L近傍からプーリカバー514Rの近傍まで、図示X軸方向を長手方向として形成されている。そして、スライド支持部材510に支持されたノズルユニット50のみが、スリットSを通ってカバー520の外部に突出して配置される。そして、スライド支持部材510が凹状ガイド部材511に沿って往復移動する際、当該凹状ガイド部材511に支持されたノズルユニット50は、スリットSを通ってカバー520の外部を図示X軸方向に往復移動する。
【0057】
また、カバー520は、スリットSを除いてノズル移動機構部51を外部から遮って覆うように形成されており、例えば背面に形成された排気口(図示せず)から内部空間の気体を吸引して排出している。これによって、スライド支持部材510およびカウンタ513を空気静圧軸受として機能させるために供給されるエアーが上記排気口から排出されると同時に、駆動ベルト515から発生して条溝Gの外に流出した粉塵も当該排気口から排出する。つまり、上述したように凹状ガイド部材511に形成された条溝Gによって粉塵を集塵しながら、さらにカバー520によって外部への粉塵の流出を防止していることになる。したがって、凹状ガイド部材511に形成された条溝Gによって集塵効果を得ながら、さらにカバー520を設置することによって、粉塵が基板P上に落下することをさらに防止することができる。
【0058】
なお、上述した実施形態では、赤、緑、および青色のうち、赤色の有機EL材料を3個1組のノズル52a〜52cで基板Pの溝内に流し込んでいるが、この塗布工程は、有機EL表示装置を製造する途中工程である。有機EL表示装置を製造するときの処理手順は、正孔輸送材料(PEDOT)塗布→乾燥→赤色の有機EL材料塗布→乾燥→緑色の有機EL材料塗布→乾燥→青色の有機EL材料塗布→乾燥という手順となる。この場合、本発明の塗布装置は、正孔輸送材料、赤色の有機EL材料、緑色の有機EL材料、および青色の有機EL材料をそれぞれ塗布する工程に用いることができる。
【0059】
また、ノズル52a〜52cから赤、緑、および青色の有機EL材料をそれぞれ吐出してもかまわない。この場合、赤、緑、および青色の順に配列された、いわゆる、ストライプ配列が1つの塗布工程で形成される。また、上述した実施形態では、3個1組のノズル52a〜52cで基板Pの各溝内に有機EL材料を流し込んでいるが、この3個1組のノズル52a〜52cを複数組設けて基板Pの各溝内に有機EL材料を流し込んでもかまわない。
【0060】
また、上述した実施形態では、塗布液として有機EL材料や正孔輸送材料を塗布液とした有機EL表示装置の製造装置を一例にして説明したが、本発明は他の塗布装置にも適用できる。例えば、レジスト液やSOG(Spin On Glass)液を塗布する装置にも適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明に係る塗布装置は、ノズルが往復移動する際に粉塵等の異物が基板上に落下することを防止することができ、ノズルから塗布液を吐出して基板に塗布する装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の製造装置1の要部概略構成を示す平面図および正面図
【図2】図1の有機EL表示装置の製造装置1の制御機能および供給部を示すブロック図
【図3】図1のノズル移動機構部51の概略構成を示す斜視図
【図4】図1の断面AAをB方向から見たノズル移動機構部51の断面図
【図5】図1の断面CCをD方向から見たノズル移動機構部51の断面図
【図6】ノズル移動機構部51の動作を模式的に示したブロック図
【図7】凹状ガイド部材511の断面寸法を説明するための断面図
【図8】スライド支持部材510等が往復移動する空間を覆うカバー520を設けたノズル移動機構部51の概略構成を示す斜視図
【符号の説明】
【0063】
1…有機EL表示装置の製造装置
2…基板載置装置
21…ステージ
22…旋回部
23…平行移動テーブル
24…ガイド受け部
25、511…ガイド部材
3…制御部
5…有機EL塗布機構
50…ノズルユニット
51…ノズル移動機構部
510…スライド支持部材
511…凹状ガイド部材
512…丸棒ガイド部材
513…カウンタ
514…プーリカバー
515…駆動ベルト
516、519…連結部材
517…駆動プーリ
518…従動プーリ
520…カバー
52a、52b、52c…ノズル
521…フィルタ
53…液受部
54…供給部
541…供給源
542…ポンプ
543…流量計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に塗布液を塗布する塗布装置であって、
その先端部から前記塗布液を吐出するノズルと、
前記基板をその上面に載置するステージと、
前記ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に前記ノズルを往復移動させるノズル移動機構とを備え、
前記ノズル移動機構は、
前記ステージ上の空間において、当該ステージ面を横断する方向に延設されたガイド部材と、
前記ノズルを支持し、前記ガイド部材に沿って前記横断する方向に移動可能なスライド支持部材と、
その一部が前記スライド支持部材に連結し、所定の駆動源からの駆動力を伝動して当該スライド支持部材を前記ガイド部材に沿って往復移動させる帯状部材とを含み、
前記ガイド部材の上面には、前記帯状部材が移動することによって生じる粉塵を集塵する凹部が形成されていることを特徴とする、塗布装置。
【請求項2】
前記凹部は、前記ガイド部材の上面に形成された前記横断する方向の条溝であり、
前記ガイド部材は、前記横断する方向に対して垂直な断面が略コの字形状の棒状部材であり、
前記スライド支持部材は、前記ガイド部材の外側面のうち前記条溝を除いた外側面に沿って前記横断する方向に移動することを特徴とする、請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記ノズル移動機構は、一方が前記駆動源からの駆動力を受けて回転する一対のプーリを、さらに含み、
前記帯状部材は、前記一対のプーリに掛け渡された駆動ベルトであることを特徴とする、請求項2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記駆動ベルトの少なくとも一部は、前記ガイド部材に形成された条溝に沿って、当該条溝内の空間に配設されることを特徴とする、請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記一対のプーリの下側に掛け渡された前記駆動ベルトの一部は、前記ガイド部材に形成された条溝に沿って、当該条溝内の空間に配設され、
前記一対のプーリの上側に掛け渡された前記駆動ベルトの一部は、前記ガイド部材に形成された条溝の直上空間に配設されることを特徴とする、請求項3に記載の塗布装置。
【請求項6】
前記ノズル移動機構は、前記一対のプーリをそれぞれ覆うプーリカバーを、さらに含み、
前記プーリカバーは、その内部空間の気体を排気する排気手段に接続される排気口がそれぞれ形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記ノズル移動機構は、その内部空間に前記ガイド部材、前記スライド支持部材、および前記駆動ベルトを配置して覆う全体カバーを、さらに含み、
前記全体カバーは、その内部空間の気体を排気する排気手段に接続される排気口が形成されていることを特徴とする、請求項6に記載の塗布装置。
【請求項8】
前記スライド支持部材は、前記凹部を除いた前記ガイド部材の外側面に嵌合して当該外側面に沿って移動可能であり、
前記ガイド部材と対向する前記スライド支持部材の内側面は、当該内側面と対向する前記ガイド部材の外側面との隙間にエアーを供給するエアー供給穴が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−144312(P2007−144312A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−342417(P2005−342417)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】