説明

塗布装置

【課題】塗布対称物の塗布面に塗布される材料の厚みが不均一になることを抑制できる塗布装置を提供する。
【解決手段】塗布装置10は、アプリケータ50と、材料供給部80と、第1〜3の移動機構とを備える。前記アプリケータは、メニスカス柱形成部Sと、余剰材料回収用の凹部52とを備える。前記材料供給部は、前記アプリケータに前記材料を供給する。前記第1の移動機構40は、前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を前記塗布面に沿って相対的に移動する。前記第2の移動機構は、前記メニスカス柱形成部と前記塗布面との間に形成されるメニスカス柱を、前記塗布面と前記凹部との間に移動するように前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を相対的に移動する。前記第3の移動機構は、前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を離れる方向と近づく方向とに相対的に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布対象物に材料を塗布する塗布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板などの塗布対象物に液状の材料を塗布して膜を形成する方法として、メニスカス方式の塗布方法がある。メニスカス方式の塗布方法を用いる塗布装置は、塗布対象物において材料を塗布する塗布面とアプリケータとの間に材料によるメニスカス柱を形成し、この状態で塗布面とアプリケータとを塗布面に沿って相対的に移動させる。このことによって、塗布面上をメニスカス柱が相対的に移動するので、被塗付面に材料が塗付される(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−206027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
塗布される材料の厚みが一定であることが好ましい。
【0005】
このため、塗布対称物の塗布面に塗布される材料の厚みが不均一になることを抑制できる塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
塗布対象物に材料を塗布する塗布装置であって、前記塗布装置は、アプリケータと、材料供給部と、第1の移動機構と、第2の移動機構と、第3の移動機構とを備える。
【0007】
前記アプリケータは、前記塗布対象物の塗布面との間に前記材料によるメニスカス柱を形成するメニスカス柱形成部と、前記メニスカス柱形成部と異なる位置に形成されて周囲に対して凹む凹部とを備える。前記材料供給部は、前記アプリケータに前記材料を供給する。前記第1の移動機構は、前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を前記塗布面に沿って相対的に移動する。前記第2の移動機構は、前記メニスカス柱形成部と前記塗布面との間に形成されるメニスカス柱を、前記塗布面と前記凹部との間に移動するように前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を相対的に移動する。前記第3の移動機構は、前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を離れる方向と近づく方向とに相対的に移動する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る塗布装置を示す正面図。
【図2】図1に示す塗布装置を、矢印に沿って見た状態を示す側面図。
【図3】図1に示すアプリケータの表面を、一方向から見た状態を示す側面図。
【図4】図1に示す制御部の動作を説明するフローチャート。
【図5】図1に示されたアプリケータと基板の表面との間に材料によるメニスカス柱が形成された状態を示す正面図。
【図6】図1に示す基板ステージが塗布開始位置から塗布終了位置に向かって移動している途中の状態を示す塗布装置の正面図。
【図7】図6に示す基板ステージが塗布終了位置まで移動した状態を示す塗布装置の正面図。
【図8】図7に示すアプリケータが材料回収回動位置まで回動してから所定時間が経過した状態を示す塗布装置の正面図。
【図9】図8に示すアプリケータがz軸に沿って基板の表面から離れた状態を示す塗布装置の正面図。
【図10】第2の実施形態に係る塗布装置の要部を示す正面図。
【図11】第2の実施形態に係る塗布装置の制御部の動作を示すフローチャート。
【図12】第3の実施形態に係る塗布装置を示す正面図。
【図13】図12に示す制御部の動作を示すフローチャート。
【図14】第4の実施形態に係る塗布装置を示す正面図。
【図15】図14に示す制御部の動作を示すフローチャート。
【図16】第5の実施形態に係る塗布装置を示す正面図。
【図17】第6の実施形態に係る塗布装置のアプリケータの表面を、凹部が見える方向に沿って示す側面図。
【図18】第7の実施形態に係る塗布装置のアプリケータの表面を、スリットが見える方向に沿って示す側面図。
【図19】第8の実施形態に係る塗布装置を示す正面図。
【図20】図19に示した塗布装置のアプリケータと基板ステージとy軸用アプリケータ移動装置とを示す上面図。
【図21】図19に示す制御部の動作を示すフローチャート。
【図22】図20に示すアプリケータが、凹部が基板の表面にz軸に沿って対向する位置までy軸に沿って移動した状態を示す上面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1の実施形態に係る塗布装置を、図1〜9を用いて説明する。図1は、塗布装置10を概略的に示す正面図である。図2は、塗布装置10を、図1中に示す矢印Aに沿って見た状態を示す側面図である。塗布装置10は、基板20の表面21に膜を形成するために、表面21に液状の材料Mを塗布する。表面21は、基板20において材料Mが塗布される塗布面である。
【0010】
図1,2に示すように、塗布装置10は、基板ステージ30と、ステージ移動装置40と、アプリケータ50と、z軸用アプリケータ移動装置60と、アプリケータ50を回動するアプリケータ回動装置70と、アプリケータ50に材料Mを供給する材料供給部80と、材料供給部移動装置90と、センサ100と、制御部110とを備えている。
【0011】
ここでいう、アプリケータ50を回動するとは、アプリケータ50を、所定の角度範囲で、その軸線51を回転中心にして回転させることをいう。本実施形態では、所定の角度範囲は、後述される塗布回動位置P5と材料回収回動位置P6との間の範囲である。以降、本発明の各実施の形態においては、アプリケータを回動させるとは、所定の角度範囲つまり、後述される塗布回動位置P5と材料回収回動位置P6との間で回動することを意味する。
【0012】
ステージ移動装置40は、固定面5上に固定されている。固定面5は、例えば、塗布装置10が配置される工場の床面などである。ステージ移動装置40には、x軸とy軸とz軸とによって規定される座標空間が設定されている。x,y,z軸は、図中に示している。x軸とy軸とz軸とは、互いに垂直である。本実施形態では、z軸は、一例として、重力が作用する方向に平行である。つまり、z軸が延びる方向は、上下方向である。
【0013】
基板ステージ30は、ステージ移動装置40の上にx軸に沿って移動可能に設けられている。ステージ移動装置40は、後述される制御部110の制御によって、基板ステージ30を、x軸に沿って移動する。基板ステージ30の上面31は、一例として、z軸が延びる方向に垂直な平面である。基板ステージの上部には、上面31に基板20を固定する固定部が設けられている。固定部は、一例として、基板20を上面31上に吸い込み力で固定する機能を有している。または、固定部は、上面31に基板20を挟み込んで固定する機能を有していてもよい。基板20が基板ステージ30上に固定されたとき、表面21は、z軸が延びる方向に垂直な平面になる。
【0014】
なお、基板ステージ30には、基板ステージ用の基準位置が設定されている。基板ステージ30の位置は、x,y,z座標空間の原点に対する基板ステージ用の基準位置の位置である。
【0015】
図1,2に示すように、アプリケータ50は、円柱形状であって、軸線51に沿って見た形状が円である。さらに、アプリケータ50の軸線に垂直な断面形状も円となり、軸線51に沿って同一の形状が保たれる。アプリケータ50は、軸線51が延びる方向がy軸が延びる方向に平行な姿勢で配置される。
【0016】
図3は、アプリケータ50の表面を、一方向から見た状態を示している。図3に示すように、アプリケータ50には、複数の穴52が形成されている。図1には、穴52を点線で示している。図1に示すように、穴52は、アプリケータ50の内側に向かって凹むとともに、アプリケータ50の表面53に開口している。
【0017】
穴52は、アプリケータ50の表面53上に、軸線51が延びる方向に平行に並んでいる。つまり、y軸が延びる方向に平行に並んでいる。各穴52は、全て同じ形状である。穴52は、アプリケータ50の一端の近傍から他端の近傍まで並んでおり、隣り合う穴52間の間隔は、一定である。
【0018】
アプリケータ回動装置70は、アプリケータ50を軸線51回りに回動可能に支持する。アプリケータ50の軸線51は、アプリケータ50の回動軸となる。アプリケータ回動装置70は、z軸用アプリケータ移動装置60上に設けられている。
【0019】
z軸用アプリケータ移動装置60は、固定面5上に固定されている。z軸用アプリケータ移動装置60は、アプリケータ回動装置70を、アプリケータ50の軸線51が延びる方向がy軸が延びる方向に平行な姿勢を保ったまま、z軸に沿って移動可能である。この結果、アプリケータ50がz軸に沿って移動される。言い換えると、z軸用アプリケータ移動装置60は、アプリケータ50を、軸線51が延びる方向がy軸に平行な姿勢を保ったまま、基板20の表面21に近づく方向と、表面21から離れる方向とに移動可能である。図2中、z軸に沿って移動した状態のアプリケータ50とアプリケータ回動装置70とを、2点鎖線で示している。
【0020】
上記のように、z軸用アプリケータ移動装置60が固定面5上に固定されることによって、アプリケータ50は、z軸に沿ってのみ移動可能であり、x,y軸に沿っては移動しない。このため、アプリケータ50に対して基板ステージ30がx軸に沿って移動することによって、x軸に沿う、基板ステージ30に対するアプリケータ50の相対位置が変化する。このことは、塗布面に対するアプリケータ50の位置を、塗布面に沿って相対的に移動することの一例である。アプリケータ50のz軸に沿う位置は、アプリケータ50の軸線51の位置である。
【0021】
材料供給部80は、アプリケータ50の表面53に材料Mを供給する。材料Mは、液状である。材料供給部移動装置90は、材料供給部80の位置を移動する。図1は、材料供給部80が、アプリケータ50の表面53に材料Mを供給する位置にある状態を示している。
【0022】
センサ100は、予め設定される所定の位置つまり所定のx,y座標での基板20の表面21のz座標を検出する。本実施形態では、センサ100の位置は、固定面5に対して固定されており、移動しない。このため、センサ100の位置を示すx,y,z座標は一定であり固定されている。
【0023】
基板ステージ30が移動することによって、基板ステージ30に対するセンサ100の相対位置が変化する。センサ100は、基板20の表面21においてz軸が延びる方向に沿ってセンサ100と対向する位置の、z座標を検出する。センサ100は、一例として、レーザ光を基板20の表面21に向かって照射するとともに、その反射光を検出することによって、表面21においてz軸が延びる方向にセンサ100と対向する位置のz座標を検出する。センサ100は、検出結果を後述される制御部110に送信する。
【0024】
なお、センサ100が固定されて基板ステージ30が移動することは、塗布面に対するセンサの相対位置が変化することの一例である。例えば、基板ステージ30が固定面5に対して固定されて、センサ100が、x、y軸に沿って移動可能に設けられることによって、基板20の塗布面の各位地のz座標を検出するようにしてもよい。
【0025】
このように、本実施形態では、基板21においてz軸が延びる方向にセンサ100と対向する位置のz座標を代表して検出している。そして、このz座標に基づいて、表面21とアプリケータ50との間のz軸が延びる方向の間隔が一定になるように制御している。
【0026】
なお、アプリケータ50にゆがみが生じている場合や、基板20の表面21に対するアプリケータ50の水平度が不十分になった場合には、必要に応じ、アプリケータ50の進行方向つまりX軸方向、及びアプリケータの延びる方向つまりY軸方向の双方を考慮して、アプリケータ50と基板の表面21の間隔を制御してもよい。この場合、塗布装置10は、基板20の姿勢を、表面21がz軸に対して斜めな面となるように変更可能な機構を備える。
【0027】
制御部110は、センサ100の検出結果を受信することによって、基板20の表面21のz座標を把握する。また、制御部110は、ステージ移動装置40と、z軸用アプリケータ移動装置60と、アプリケータ回動装置70と、材料供給部移動装置90と、材料供給部80と、センサ100とを制御する。
【0028】
制御部110は、記憶部111を備えている。記憶部111には、制御部110が行う動作が設定されている。制御部110は、記憶部111に設定される動作予定にしたがって、動作する。なお、この動作予定は、操作部を用いて作業者が記憶部111に入力することができる。
【0029】
具体的には、記憶部111は、基板20の表面21に材料Mの塗布を開始する基板ステージ30の位置である塗布開始位置P1のx座標データとアプリケータ50の塗布開始位置P7のz座標データとを有している。塗布開始位置P1は、基板ステージ30の基準位置の位置である。アプリケータ50の位置は、アプリケータ50の軸線51の位置である。また、記憶部111は、基板20の表面21において材料Mの塗布を終了する基板ステージ30の位置である塗布終了位置P2のx座標データを有している。
【0030】
上記したように、塗布装置10は、メニスカス塗布方式を利用する。アプリケータ50の塗布開始位置P7は、アプリケータ50の最下端54と基板20の表面21との間の隙間Sのz軸に沿う間隔が、所定のメニスカス柱であるメニスカス柱Pが形成される第1の所定距離L1になる位置である。なお、所定のメニスカス柱Pとは、材料Mを塗布するために予め形状が決められたメニスカス柱である。
【0031】
基板ステージ30が塗布開始位置P1にある状態とは、アプリケータ50と基板20の表面21との間に形成されるメニスカス柱Pのx軸に沿う一端のx座標が、形成されるべきの膜の一端のx座標となる位置である。基板ステージ30が塗布終了位置P2にある状態とは、アプリケータ50と基板20の表面21との間に形成されるメニスカス柱Pのx軸に沿う他端のx座標が、形成されるべき膜の他端のx座標となる位置である。
【0032】
なお、メニスカス柱Pは、基板20の表面21に材料Mを塗布するために、x軸に沿って予め設定された幅を有するように形成される。メニスカス柱Pは、y軸に沿って一定形状である。メニスカス柱Pのx軸に沿う幅は、基板20の表面21に対するアプリケータ50の位置に起因する。このため、x軸に沿って予め設定される幅を有するメニスカス柱Pを形成するために、基板20の表面21に対するアプリケータ50のz軸に沿う位置は、予め設定されている。メニスカス柱Pのx軸に沿う幅は、予め実験などによって求めることができる。メニスカス柱Pは、z軸に平行に延びる。
【0033】
本実施形態では、アプリケータ50の軸線51に垂直な断面を軸線51に沿って見る形状は円であるので、メニスカス柱Pは、z軸に対してx軸が延びる方向に対称な形状である。本実施形態では、図1に示すように、アプリケータ50のz軸に沿って最下端54がz軸方向に基板20の表面21に設定される第1の位置P3と対向するとき、基板ステージ30が塗布開始位置P1にある。アプリケータ50の最下端54がz軸方向に基板20の表面21に設定される第2の位置P4に対向するとき、基板ステージ30は、塗布終了位置P2にある。
【0034】
また、記憶部111は、塗布開始位置P1から塗布終了位置P2までの基板ステージ30の移動速度のデータを有している。基板20の表面21に塗布された材料Mのz軸沿う厚みは、基板20に対するアプリケータ50の相対移動速度によって変化する。制御部110は、形成されるべき膜の厚みに基づく基板ステージ30の移動速度のデータを有している。本実施形態では、移動速度は、一定である。
【0035】
また、記憶部111は、材料供給部80がアプリケータ50の表面53に材料Mを供給するときの材料供給部80の位置である材料供給位置のx,y,z座標のデータを有している。制御部110は、アプリケータ50に材料Mを供給するときは、材料供給部80に設定される基準位置を材料供給位置に移動するべく、材料供給部移動装置90を制御する。
【0036】
また、記憶部111は、アプリケータ50の塗布回動位置P5と、材料回収回動位置P6のデータを有している。塗布回動位置P5は、基板20の表面21との間にメニスカス柱Pを形成する回動位置である。この回動位置では、アプリケータ50において穴52が形成されていない部分が、z軸が延びる方向に基板20の表面21に対向する。本実施形態では、凹部が形成されていない部分のうちの一部を、メニスカス柱形成部57としている。アプリケータ50が塗布回動位置P5にあるとき、メニスカス柱形成部57が、z軸が延びる方向に基板20の表面21に対向する。材料回収回動位置P6は、穴52が、z軸が延びる方向において、基板20の表面21に対向する回動位置である。
【0037】
つぎに、塗布装置10の動作を説明する。図4は、制御部110の動作を説明するフローチャートである。図4に示すように、例えば作業員が塗布装置10による塗布作業を開始する動作開始スイッチをオンすることによって、塗布装置10が動作可能な状態となり、制御部110が動作を開始する。なお、塗布装置10が実際に材料Mの塗布動作を開始する前に、制御部110の記憶部111に動作予定と各座標データとが入力される。
【0038】
まず、塗布装置10による塗布動作の開始スイッチがオンされると、ステップST1に進む。ステップST1では、制御部110は、ステージ移動装置40を制御して、基板ステージ30を塗布開始位置P1に移動する。また、制御部110は、z軸用アプリケータ移動装置60を制御してアプリケータ50を塗布開始位置P7に移動する。
【0039】
また、制御部110は、アプリケータ回動装置70を制御して、アプリケータ50を塗布回動位置P5に回動する。このことによって、基板20の表面21に対するアプリケータの位置と姿勢が、材料Mの塗布を開始する位置と姿勢とになる。基板20の表面21に対するアプリケータ50の位置と姿勢とが、材料Mを供給する位置と姿勢とになると、ついで、ステップST2に進む。
【0040】
ステップST2では、制御部110は、材料供給部移動装置90を制御して、材料供給部80を、アプリケータ50に材料Mを供給する供給位置に移動する。図1は、基板20の表面21に対するアプリケータ50の位置と姿勢とが、材料Mの塗布を開始する状態になり、かつ、材料供給部80が供給位置に移動した状態を示している。材料供給部80が供給位置に移動すると、制御部110は、材料供給部80を制御して、アプリケータ50の表面53に材料Mを供給する。
【0041】
アプリケータ50に材料が供給されると、制御部110は、材料供給部移動装置90を制御して、材料供給部80を、基板ステージ30の移動を邪魔しない位置に移動する。材料供給部80の移動が完了すると、ついで、ステップST3に進む。図5は、アプリケータ50の表面53に材料Mが供給されたことによって、アプリケータ50と基板20の表面21との間に材料Mによるメニスカス柱Pが形成された状態を示している。
【0042】
ステップST3では、制御部110は、ステージ移動装置40を制御して、基板ステージ30を、塗布開始位置P1から塗布終了位置P2まで移動する。このとき、基板ステージ30の移動速度は、一定である。基板ステージ30の移動を開始すると、ついで、ステップST4に進む。
【0043】
ステップST4では、制御部110は、アプリケータ50と基板20の表面21との間に隙間Sのz軸に沿う間隔が第1の所定距離L1であるかどうかを判定する。この動作について、具体的に説明する。上記したように、センサ100は、アプリケータ50に対して、基板ステージ30が塗布開始位置P1から塗布終了位置P2まで移動するときに基板20に対してアプリケータ50が相対的に進む方向に前側に位置している。
【0044】
このため、センサ100は、基板20の表面21において材料Mが塗布される前の位置に対向している。言い換えると、センサ100は、基板20の表面21においてこれから材料Mが塗布される位置のz座標を検出する。そして、この検出結果は、記憶部111に記憶される。
【0045】
制御部110は、上記のように検出された基板20の表面21のz座標に基づいて、基板20の表面21においてメニスカス柱Pが延びる方向に沿ってアプリケータ50の最下端54と対向する位置のz軸に沿う隙間Sの間隔を検出する。なお、図1に示すように、基板ステージ30が塗布開始位置P1にあるとき、センサ100は、基板20の表面21において材料Mが塗布されるべき範囲の端よりも内側に位置している。このとき、基板20の表面21においてz軸方向にセンサ100と対向する位置のx座標を初期位置P8とする。
【0046】
図1に示すように、基板20の表面21において材料Mが塗布されるべき範囲のx軸に沿う一端から初期位置P8までの範囲を図1中に範囲Bとして図示する。範囲Bのz座標は、ステップST3に示す動作が開始される前に、事前に求められてもよい。このように範囲Bのz座標を事前にスキャンしておいて検出することによって、範囲Bを所定の間隔に制御することも可能である。
【0047】
制御部110は、基板20の表面21においてメニスカス柱Pが通過する位置とアプリケータ50とのz軸に沿う隙間Sのz軸に沿う間隔が予め設定される第1の所定距離L1ではない場合は、ステップST5に進む。ステップST5では、制御部110は、隙間Sのz軸に沿う距離が予め設定される第1の所定距離L1になるように、z軸用アプリケータ移動装置60を制御する。なお、予め設定される隙間Sの間隔は、求められる膜の厚みによって決定される。隙間Sのz軸方向に沿う距離が予め設定される第1の所定距離に調整されると、ついで、ステップST6に進む。また、隙間Sのz軸に沿う距離が第1の所定距離L1である場合は、ステップST4からステップST6に進む。
【0048】
ステップST4の動作は、基板ステージ30が塗布終了位置P2に到達するまで、続けられる。図6は、基板ステージ30が、塗布開始位置P1から塗布終了位置P2に向かって移動している途中の状態を示している。図6に中に、2点鎖線で囲まれる範囲F6を拡大して示している。範囲F6は、基板20の表面21において、メニスカス柱Pが通過した後の部分を拡大して示している。範囲F6に示すように、基板20の表面21においてメニスカス柱Pが通過した後には、材料Mが塗布される。
【0049】
ステップST6では、制御部110は、基板ステージ30が塗布終了位置P2に到達したか否かを判定する。図7は、基板ステージ30が塗布終了位置P2まで移動した状態を示している。図7に示すように基板ステージ30が塗布終了位置P2に到達すると、ついで、ステップST7に進む。ステップST7では、制御部110は、ステージ移動装置40を制御して、基板ステージ30の移動を終了する。ついで、ステップST8に進む。
【0050】
ステップST8では、制御部110は、アプリケータ回動装置70を制御して、アプリケータ50を、塗布回動位置P5から材料回収回動位置P6に回動する。アプリケータ50が材料回収回動位置P6まで回動すると、制御部110は、アプリケータ50の回動を終了する。アプリケータの回動位置は、例えばアプリケータ回動装置70に設けられるセンサ59によって検出されて制御部110に送信される。このため、制御部110は、アプリケータ50の回動位置を把握することができる。アプリケータ50が材料回収回動位置P6にある状態では、アプリケータ50は、穴52がz軸に沿って基板20の表面21に対向する。
【0051】
アプリケータ50が回動する間、アプリケータ50と基板20の表面21との間には、その表面張力が作用して、材料Mのメニスカス柱Pが引き続き形成されている。そして、材料Mのメニスカス柱Pが形成された状態で、穴52がz軸に沿って基板20の表面21に対向すると、メニスカス柱Pを形成する材料Mは、表面張力が作用して、穴52内に入り込む。制御部110は、アプリケータ50が材料回収回動位置P6まで回転してから所定時間経過するまで、アプリケータ50を材料回収回動位置P6に固定する。この所定時間は、余った材料Mが穴52内に入り込むために必要な時間である。この所定時間は、予め実験などによって得ることができる。余った材料Mとは、求められる膜の、x,y軸に沿う大きさと、z軸に沿う厚みを達成するのに対して不要となる材料である。
【0052】
図8は、アプリケータ50が材料回収回動位置P6まで回動してから所定時間が経過した状態を示している。図8では、余った材料Mが穴52内に入り込んだ状態を示している。
【0053】
余った材料Mが穴52内に入り込むことによって余った材料が回収されるので、塗布された材料Mのx軸に沿う他端の近傍においても、塗布された材料Mの厚み、言い換えると形成される膜の厚みが不均一になることを抑制できる。所定時間が経過すると、ついで、ステップST9に進む。
【0054】
図9は、アプリケータ50が、z軸に沿って基板20の表面21から離れた状態を示している。図9に示すように、ステップST9では、制御部110は、z軸用アプリケータ移動装置60を制御して、アプリケータ50をz軸に沿って基板20の表面21から離れる方向に移動して、塗布装置10の動作を終了する。
【0055】
このように構成される塗布装置10では、アプリケータ50に穴52を形成するとともに、塗布終了位置P2で穴52を基板20の表面21に対向させることによって、余った材料Mを回収する。このことによって、基板20の表面21の第2の位置P4、つまり、形成されるべき膜のx軸に沿う一端の近傍であっても、厚みが不均一になることを抑制することができる。
【0056】
つぎに、第2の実施形態に係る塗布装置を、図10を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。本実施形態では、制御部110の動作が第1の実施形態と異なる。本実施形態では、塗布装置10の構成は、第1の実施形態と同じである。上記と異なる点について、説明する。
【0057】
図10は、基板ステージ30の、塗布開始位置P1から塗布終了位置P2までの移動速度が変化することを示す概略である。図10に示すように、本実施形態では、基板ステージ30の移動速度を、塗布開始位置P1から塗布終了位置P2に向かう途中の位置で、変化する。制御部110の他の動作は、第1の実施形態と同じである。
【0058】
なお、図10では、アプリケータ50に対する基板ステージ30の相対移動を表すために、基板ステージ30を固定しており、基板ステージ30に対して相対的に変化するアプリケータ50を示している。具体的には、基板ステージ30とアプリケータ50との位置関係が基板ステージ30が塗布開始位置P1にある状態と同じアプリケータ50と、基板ステージ30とアプリケータ50との位置関係が基板ステージ30が塗布終了位置P2にある状態と同じアプリケータ50とを、2点鎖線で示している。そして、基板ステージ30との位置関係が減速位置P9にある状態と同じアプリケータ50を、実線で示している。
【0059】
塗布開始位置P1から減速位置P9までの基板ステージ30の移動速度を、第1の移動速度v1とする、減速位置P9をこえてからの移動速度を、第2の移動速度とする。
【0060】
基板20の表面21に対するメニスカス柱Pの移動速度に応じて、基板20の表面21に塗布されるMの厚みは変化する。より具体的には、基板20の表面21に対するメニスカス柱Pの移動速度が速くなるにつれて、塗布される材料Mのz軸に沿う厚みが大きくなる。
【0061】
一方、基板ステージ30が塗布終了位置P2に到達すると、基板20の表面21に対するメニスカス柱Pの相対移動が止まることによって、基板20の表面21においてメニスカス柱Pと対向する位置に材料Mが供給され続けるので、塗布される材料Mの厚みが大きくなる傾向にある。
【0062】
減速位置P9は、基板ステージ30の移動が塗布終了位置P2で停止することによって基板20の表面21の第2の位置P4の近傍に多めに塗布された材料Mが広がることによって、z軸に沿う厚みが、求められる厚みに対して若干厚くなる範囲の一端Gとメニスカス柱Pの一端とがz軸に沿って対向する位置である。
【0063】
第2の移動速度v2は、第1の移動速度v1よりも、遅い。このため、基板ステージ30が塗布開始位置P1から減速位置P9まで移動するときに基板20の表面21に塗布される材料Mのz軸に沿う厚みよりも、基板ステージ30が減速位置P9から塗布終了位置P2まで移動するときに基板20の表面21に塗布される材料Mの厚みが薄くなる。
【0064】
第1の移動速度v1は、塗布される材料Mの厚みが、予め設定される厚みになるように設定される。第2の移動速度v2は、上記のように、基板20の表面21の第2の位置P4の近傍に多く塗布される材料Mに起因してz軸に厚くなる分を考慮して設定されている。さらに具体的には、第2の移動速度v2によって決定される塗布された材料Mの厚みと、基板20の表面21の第2の位置P4に多く塗布された材料に起因して厚くなる分との合計が、第1の移動速度v1によって決定される塗布される材料Mのz軸に沿う厚みと等しくなるように、第2の移動速度v2が決定される。このため、第2の移動速度は、第1の移動速度よりも遅い。また、第2の移動速度v2は、穴52によって回収される材料Mの量も考慮して設定される。
【0065】
図11は、本実施形態の制御部110の動作を示すフローチャートである。本実施形態では、上記したように、基板ステージ30が減速位置P9をこえると、基板ステージ30の移動速度を、第2の移動速度v2に変更する。
【0066】
このため、本実施形態では、ステップST21,ST22の処理工程をさらに備える。ステップST21,ST22は、ステップST4,5とステップST6との間に行われる。ステップST4またはステップST5の処理が終了すると、ついで、ステップST21に進む。
【0067】
ステップST21では、制御部110は、基板ステージ30が減速位置P9に到達したか否かを判定する。基板ステージ30が減速位置P9に到達したと判定されない間は、ステップST21からステップST4に戻る。基板ステージ30が減速位置P9に到達したと判定されると、ついで、ステップST22に進む。
【0068】
ステップST22では、制御部110は、ステージ移動装置40を制御して、基板ステージ30の移動速度を、第1の移動速度v1から第2の移動速度v2に減速する。ついで、ステップST7に進む。
【0069】
本実施形態では、穴52を用いて材料Mを回収するとともに、基板20の表面21において、z軸に沿う厚みが大きくなる傾向にある、基板20の表面21の第2の位置の近傍に塗布される材料Mの量を小さくすることができるので、塗布される材料Mの厚みが不均一になることを、より一層小さくすることができる。
【0070】
つぎに、第3の実施形態に係る塗布装置を、図12,13を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。本実施形態では、塗布装置10は、第1の実施形態の構成に加えて、さらに、吸引装置120と、吸い込んだ材料Mを蓄えるタンク130とを備える。さらに、アプリケータ50の構造が第1の実施形態と異なる。さらに、制御部110の動作が第1の実施形態と異なる。他の点は、第1の実施形態と同じである。上記異なる点について説明する。
【0071】
図12は、本実施形態の塗布装置10の一部を概略的に示す正面図である。図12では、説明のため、z軸用アプリケータ移動装置60と、アプリケータ50を回動するアプリケータ回動装置70と、アプリケータ50に材料Mを供給する材料供給部80と、材料供給部移動装置90との図示は、省略されているが、実際には、第1の実施形態と同様に備えている。図12に示すように、塗布装置10は、さらに、吸引装置120と、タンク130とを備える。アプリケータ50の内部には、連通通路部56が形成されている。連通通路部56は、各穴52に連通している。連通通路部56は、アプリケータ50の一端に開口している。
【0072】
吸引装置120は、吸い込み用通路部121と、負圧発生装置122と、バルブ123とを備えている。吸い込み用通路部121は、例えば、管部材で形成されている。吸い込み用通路部121は、負圧発生装置122と連通通路部56とを連通する。
【0073】
バルブ123は、吸い込み用通路部121の一部に形成されている。バルブ123は、開閉することによって、吸い込み用通路部121の内部を連通する状態と連通しない状態とに切り替える。バルブ123が開くことによって、負圧発生装置122で発生する負圧が連通通路部56に作用する。ここで言う負圧は、穴52内の材料Mを吸い込むのに十分な負圧である。バルブ123の動作は、制御部110によって制御される。
【0074】
タンク130は、吸い込み用通路部121に組み込まれている。具体的には、吸い込み用通路部121は、連通通路部56からタンク130までの第1の部分121aと、タンク130から負圧発生装置122までの第2の部分121bとを有している。
【0075】
第1の部分121aは、タンク130の底部まで延びており、タンク130内に開口している。第2の部分121bは、タンク130の上端部まで延びており、タンク130内に開口している。この構造によって、吸い込まれた材料Mは、第1の部分121aを通ってタンク130に吐出される。
【0076】
つぎに、本実施形態の塗布装置10の動作を説明する。図13は、本実施形態の塗布装置10の動作を示すフローチャートである。図13に示すように、本実施形態では、制御部110は、ステップST31,ST32,ST33の処理工程をさらに備える。
【0077】
ステップST9の処理が終了すると、ついで、ステップST31に進む。ステップST31では、制御部110は、バルブ123を開く。このことによって、負圧発生装置122によって発生した負圧は、連通通路部56に作用する。このため、穴52内に吸い込まれた材料Mは、タンク130内に移動した後、タンク130内にためられる。バルブ123を開くと、ついで、ステップST32に進む。
【0078】
ステップST32では、制御部110は、バルブ123が開かれてから所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、穴52内に入り込んだ材料Mを全てタンク130内に移動するにかかる時間であり、予め実験などによって得ることができる。所定時間が経過するまでは、バルブ123は開かれた状態が維持される。所定時間が経過したと判定されると、ついで、ステップST33に進む。
【0079】
ステップST33では、制御部110は、バルブ123を閉じる。このことによって、連通通路部56に負圧が作用しなくなるので、吸い込み作業が停止される。
【0080】
本実施形態では、第1の実施形態で得られる作用と効果とに加えて、穴52内に入り込んだ材料Mをタンク130内に蓄えることができる。そして、回収した材料Mを再利用することができる。
【0081】
つぎに、第4の実施形態に係る塗布装置を、図14,15を用いて説明する。なお、第3の実施形態と同様の機能を有する構成は、第3の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。
【0082】
本実施形態では、塗布装置10は、さらに、吸い込み確認センサ140を備える。さらに、制御部110の動作が第3の実施形態と異なる。他の構造は、第3の実施形態と同じである。上記異なる点について、説明する。
【0083】
図14は、本実施形態の塗布装置10の一部を概略的に示す正面図である。図14では、説明のため、z軸用アプリケータ移動装置60と、アプリケータ50を回動するアプリケータ回動装置70と、アプリケータ50に材料Mを供給する材料供給部80と、材料供給部移動装置90とは、図示が省略されているが、実際には第1の実施形態と同様に備えている。図14に示すように、本実施形態の塗布装置10は、吸い込み確認センサ140を備える。吸い込み確認センサ140は、吸い込み用通路部121において、タンク130よりも上流の位置に設けられている。吸い込み確認センサ140は、吸い込み用通路部121内を材料Mが流れているか否かを検出する。検出結果は、制御部110に送信される。
【0084】
図15は、本実施形態の塗布装置10の制御部110の動作を示すフローチャートである。図15に示すように、本実施形態では、制御部110の処理工程として、第3の実施形態で説明された、ステップST31,ST32の処理工程がなくなる。そして、ステップST41,ST42,ST43の処理工程が追加される。
【0085】
ステップST8の処理が終了すると、ついで、ステップST41に進む。ステップST41では、制御部110は、アプリケータ50を、所定位置まで下げる。ここで言う所定位置は、完成後の膜の厚みが求められる厚みになる位置であり、穴52と基板20の表面21との間の隙間Sのz軸に沿う距離が、膜の厚みに対応する第2の所定距離L2となる位置である。
【0086】
ここで言う膜の厚みに対応する第2の所定距離L2とは、材料Mが吸い込まれることによって塗布された材料Mの上面位置が下がることに起因して、穴52と塗布された材料Mの上面との間に隙間が生じ、それゆえ材料Mが吸い込まれなくなったときの材料Mの厚みが膜に求められる厚みとなる距離である。次いで、ステップST42に進む。
【0087】
なお、穴52と表面21との間の距離とを求める際の穴52の基準位置は、本実施形態では、一例として、穴52の縁のうち最下端となる位置を用いている。この基準位置と表面21との間の距離が第2の所定距離となる位置に、アプリケータ50が下げられる。基準位置となる穴52の縁のうち最下端の位置のz座標は、制御部110の記憶部111に予め記憶されている。
【0088】
穴52の基準位置は、最下端の位置に以外であってもよい。穴52の基準位置の他の例としては、アプリケータ50において穴52が形成される部位を面取りして平面とし、この平面の位置を基準位置としてもよい。この場合、アプリケータ50が材料回収回動位置P6にあるときに、この平面がz軸に対して垂直になるようにする。
【0089】
第2の所定距離L2は、材料Mを吸い込む際の吸い込み圧力や穴52の大きさなど、さまざまの条件に応じて適宜決定される。第2の所定距離L2は、予め実験などによって得ることができる。また、第2の所定距離L2は、穴52の基準位置によっても変化する。しかしながら、穴52の基準位置に応じて第2の所定距離が変化しても、表面21に対するアプリケータ50のz軸方向の位置は、変化しない。
【0090】
ステップST42では、制御部110は、バルブ123を開く。バルブ123が開くと、連通通路部56に負圧が作用するので、穴52と連通通路部56とを介して、材料Mが吸い込まれる。バルブ123が開かれると、ついで、ステップST43に進む。
【0091】
ステップST43では、制御部110は、吸い込み確認センサ140の検出結果に基づいて、材料Mが吸い込まれているか否かを判定する。材料Mが吸い込まれていると判定される間は、バルブ123は開いた状態が保たれる。材料が吸い込まれていないと判定されると、ついで、ステップST33に進む。
【0092】
本実施形態では、負圧発生装置122は、穴52を通して材料Mを吸い込むために十分な負圧を発生できる機能を有している。
【0093】
本実施形態では、アプリケータ50が膜に求められる厚み対応する位置まで下げられることによって、塗布された材料Mの厚みが求められる厚みになると、吸い込まれなくなる。このため、材料Mの厚みが不均一になることが抑制される。
【0094】
なお、本実施形態では、材料Mの吸い込み停止を、センサ140の検出結果に基づいて行った。他の例としては、例えば、材料Mの吸い込みを開始してからの時間に基づいて行ってもよい。具体的には、材料Mの吸い込み開始してから、材料Mが吸い込まれなくなるまでの時間を予め実験なで求めておき、この時間に基づいて、材料Mの吸い込みを停止するようにしてもよい。この場合であっても、同様の効果が得られる。さらに、センサ140が不要となるので、塗布装置10を簡素にすることができる。
【0095】
つぎに、第5の実施形態に係る塗布装置を、図16を用いて説明する。なお、第4の実施形態と同様の機能を有する構成は、第4の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。本実施形態では、連通通路部56がアプリケータ50の両端に開口しており、吸い込み用通路部121の第1の部分121aが一対設けられる点が、第4の実施形態と異なる。他の構造は、第4の実施形態と同じである。上記異なる点について説明する。
【0096】
図16は、本実施形態の塗布装置10のアプリケータ50を、図14と同じように概略的に示す正面図である。図中、アプリケータ50は、軸線51に沿って切断された状態が示されている。図16に示すように、本実施形態では、連通通路部56は、アプリケータ50の両端に開口している。連通通路部56の各開口は、第1の部分121aを介してタンク130に連通している。なお、アプリケータ50の他端に開口する連通通路部56の開口とタンク130内とを連通する第1の部分121aは、2点鎖線で省略されて示されており、かつ、アプリケータ50の上方を通るように図示されている。これは、第1の部分121aの存在を明確にするためにアプリケータ50の上方を通したものであり、実際に第1の部分121aがアプリケータ50の上方を通っていることに限定されるものではない。第1の部分121aは、材料Mを吸い込みやすいように考慮されて配置されている。
【0097】
本実施形態では、連通通路部56の両端から負圧が作用することによって、穴52に作用する負圧が不均一になることが抑制されるので、塗布された材料Mの厚みが不均一になることが抑制される。
【0098】
なお、第3の実施形態で説明された塗布装置10においても、本実施形態と同様に、連通通路部56がアプリケータ50の両端に開口し、一対の第1の部分121aが用いられる構造が採用されてもよい。
【0099】
つぎに第6の実施形態に係る塗布装置を、図17を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。本実施形態では、穴52の配置が第1の実施形態と異なる。他の点は、第1の実施形態と同じである。上記異なる点について、説明する。
【0100】
図17は、アプリケータ50の表面53を、穴52が見える方向に沿って示す側面図である。図17に示すように、本実施形態では、穴52は、2列配置されている。なお、穴52の一部は、2点鎖線で省略されて示されている。
【0101】
本実施形態では、穴52の開口が存在する範囲が大きくなるので、メニスカス柱Pが基板20の表面21から分離する際に、膜厚にむらが生じることをより一層抑制できる。
【0102】
なお、第2〜5の実施形態においても、本実施形態で説明されたように、穴52は、2列配置されてもよい。この場合、各実施形態で得られる作用と効果とに加えて、メニスカス柱Pが分離する際に、膜厚にむらが生じることをより一層抑制できる。
【0103】
つぎに、第7の実施形態に係る塗布装置を、図18を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。
【0104】
図18は、本実施形態のアプリケータ50の表面53を示す側面図である。本実施形態では、図18に示すように、複数の穴52が形成されることにかえて、一本のスリット55が形成される。スリット55は、穴52が形成される位置に形成される。アプリケータ50が材料回収回動位置P6に回動すると、スリット55が基板20の表面21aに対向する。スリット55は、アプリケータ50の内部まで延びている。材料Mは、スリット55に入り込む。
【0105】
なお、第6の実施形態と同様に、スリット55が2列配置されてもよい。本実施形態であっても、第1の実施形態と同様の作用と効果とが得られる。なお、第2〜5の実施形態であっても、穴52に代えて、本実施形態で説明されたスリット55が用いられてもよい。この場合であっても、各実施形態と同様の作用と効果とが得られる。なお、第4の実施形態において、アプリケータ50にスリット55が形成される場合は、スリット55の基準位置と基板20の表面21のとの間の距離が、膜に求められる厚みに対応する第2の距離となる位置まで、アプリケータ50が下げられる。
【0106】
つぎに、第8の実施形態に係る塗布装置を、図19〜22を用いて説明する。本実施形態において第1の実施形態と同様の機能を有する構成は、第1の実施形態と同一の符合を付して説明を省略する。
【0107】
本実施形態では、アプリケータ回動装置70に代えて、アプリケータ50をy軸に沿って移動する、y軸用アプリケータ移動装置150を備える。さらに、アプリケータ50の構造が第1の実施形態と異なる。さらに、制御部110の動作が異なる。他の点は、第1の実施形態と同じである。上記異なる点を説明する。
【0108】
図19は、本実施形態の塗布装置10を概略的に示す正面図である。図20は、塗布装置10のアプリケータ50と基板ステージ30とy軸用アプリケータ移動装置150とを示す上面図である。アプリケータ50は、軸線51に垂直な断面が円となる円柱である。軸線51は、y軸に平行である。
【0109】
図20に示すように、本実施形態では、アプリケータ回動装置70にかえて、y軸用アプリケータ移動装置150を備えている。y軸用アプリケータ移動装置150は、アプリケータ50を、軸線がy軸に平行な姿勢のまま、y軸に沿って移動する機能を有している。y軸用アプリケータ移動装置150は、z軸用アプリケータ移動装置60の上部に固定されている。z軸用アプリケータ移動装置60は、y軸用アプリケータ移動装置150を、アプリケータ50の軸線がy軸に平行な姿勢のまま、z軸に沿って移動する。本実施形態のアプリケータ50は、メニスカス柱形成部57と穴52とは、アプリケータ50軸線回りに異なる位置に配置されるのではなく、軸線51に平行に並んでいる。
【0110】
図19,20は、基板ステージ30が塗布終了位置P2まで移動した状態を示している。図21は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。本実施形態では、ステップST8にかえて、ステップST81の処理工程を備えている。
【0111】
ステップST7からステップST81に進む。ステップST81では、制御部110は、穴52が基板20の表面21に対向するように、y軸用アプリケータ移動装置150を制御してアプリケータ50をy軸に沿って移動する。図22は、穴52が基板20の表面21にz軸に沿って対向する位置までアプリケータ50がy軸に沿って移動した状態を示す上面図である。この位置は、予め記憶部111に記憶されている。
【0112】
穴52が基板20の表面21に対向するまで移動すると、制御部110は、所定時間この状態を保持する。この所定時間は、余った材料Mが穴52内に入り込むために必要な時間であり、予め実験などによって得ることができる。この所定時間は、予め記憶部111に記憶されている。所定時間が経過すると、ついで、ステップST9に進む。
【0113】
本実施形態では、第1の実施形態と同様の作用と効果とが得られる。
【0114】
なお、本実施形態では、アプリケータ50に穴52が設けられたが、例えば、穴52は、第6の実施形態で説明されたように2列設けられてもよい、また、穴52にかえて、第7の実施形態で説明したスリット55が用いられてもよい。また、本実施形態において、穴52またはスリット55が用いられて場合であっても、第3〜5の実施形態で説明した吸引装置120とタンク130と制御部110とを備えてもよい。また、本実施形態においても、アプリケータ50の移動速度は、第2の実施形態と同様に制御されてもよい。
【0115】
第1〜8の実施形態では、塗布対象物の一例として、基板20が用いられたが、例えば基板以外のものであってもよい。
【0116】
第1〜6,8の実施形態で説明された穴52は、アプリケータにおいてメニスカス柱形成部と異なる位置に形成されて周囲に対して凹む凹部の一例である。第7の実施形態で説明されたスリット55は、アプリケータにおいてメニスカス柱形成部と異なる位置に形成されて周囲に対して凹む凹部の一例である。
【0117】
第1〜8の実施形態で説明されたステージ移動装置40は、基板ステージ30をx軸に沿って移動する機構を有している。言い換えると、ステージ移動装置40は、基板20の表面21に対するアプリケータ50の位置を基板20の表面21に沿って相対的に移動する機構を有している。ステージ移動装置40は、塗布対象物の塗布面に対するアプリケータの位置を塗布面に沿って相対的に移動する第1の移動機構の一例である。
【0118】
なお、第1〜8の実施形態では、アプリケータが固定され、第1の移動機構が塗布対象物を移動することによって、塗布面に対するアプリケータの位置を塗布面に沿って相対的に移動させている。他の例として、第1の移動機構は、アプリケータを移動することによって、塗布面に対するアプリケータの位置を塗布面に沿って相対的に移動させてもよい。または、塗布対象物とアプリケータとの両方を移動することによって、塗布面に対するアプリケータの位置を塗布面に沿って相対的に移動させてもよい。
【0119】
第1〜7の実施形態では、アプリケータ回動装置70は、アプリケータ50を軸線51回りに回動して、メニスカス柱形成部57と基板20の表面21との間に形成されたメニスカス柱Pを、穴52またはスリット55と基板20の表面21との間に移動する機構を有している。言い換えると、アプリケータ回動装置70は、メニスカス柱形成部57と基板20の表面21との間に形成されるメニスカス柱Pを、表面21と穴52またはスリット55との間に移動するように表面21に対するアプリケータの相対位置を移動する機構を有している。アプリケータ回動装置70は、メニスカス柱形成部と塗布面との間に形成されるメニスカス柱を、塗布面と凹部との間に移動するように塗布面に対するアプリケータの相対位置を移動する第2の移動機構の一例である。
【0120】
なお、第1〜7の実施形態では、アプリケータが固定され、第2の移動機構が塗布対象を移動している。他の例として、第2の移動機構は、アプリケータを移動してもよい。または、第2の移動機構は、アプリケータと塗布対象物との両方を移動してもよい。
【0121】
第8の実施形態では、y軸用アプリケータ移動装置150は、アプリケータ50をy軸に移動して、メニスカス柱形成部57と基板20の表面21との間に形成されたメニスカス柱Pを、穴52またはスリット55と基板20の表面21との間に移動する機構を有している。言い換えると、y軸用アプリケータ移動装置150は、メニスカス柱形成部57と基板20の表面21との間に形成されるメニスカス柱Pを、表面21と穴52またはスリット55との間に移動するように表面21に対するアプリケータの相対位置を移動する機構を有している。y軸用アプリケータ移動装置150は、メニスカス柱形成部と塗布面との間に形成されるメニスカス柱を、塗布面と凹部との間に移動するように塗布面に対するアプリケータの相対位置を移動する第2の移動機構の一例である。
【0122】
なお、第8の実施形態では、塗布対象物が固定され、アプリケータが移動している。他の例として、アプリケータが固定されて塗布対象物が移動してもよい。または、アプリケータと塗布対象物とが移動してもよい。
【0123】
第1〜8の実施形態では、z軸用アプリケータ移動装置60が、アプリケータ回動装置70またはy軸用アプリケータ移動装置150をz軸に沿って移動して、アプリケータ50を基板20の表面21から離れる方向と近づく方向に移動する機構を有している。言い換えると、z軸用アプリケータ移動装置60は、塗布面に対するアプリケータの位置を離れる方向と近づく方向とに相対的に移動する機構を有している。z軸用アプリケータ移動装置60は、塗布面に対するアプリケータの位置を離れる方向と近づく方向とに相対的に移動する第3の移動機構の一例である。
【0124】
なお、第1〜8の実施形態では、塗布対称物が固定され、第3の移動機構がアプリケータを移動している。他の例として、アプリケータが固定されて、第3の移動機構が塗布対象物を移動してもよい。または、第3の移動機構がアプリケータと塗布対象物とが移動してもよい。
【0125】
第3〜8の実施形態で説明された吸引装置120は、穴52またはスリット55に負圧を作用させる吸引機構を有している。言い換えると、吸引装置120は、凹部に負圧を作用させる吸引機構の一例である。
【0126】
第3〜8の実施形態で説明されたタンク130は、吸引装置120によって吸引された材料Mをたくわえる機能を有している。言い換えると、タンク130は、吸引機構によって吸い込まれた材料を収容する収容部の一例である。
【0127】
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0128】
10…塗布装置、20…基板(塗布対象物の一例)、21…表面、40…ステージ移動装置(第1の移動機構の一例)、50…アプリケータ、52…穴(凹部の一例)、55…スリット(凹部の一例)、60…z軸用アプリケータ移動装置(第3の移動機構の一例)、70…アプリケータ回動装置(第2の移動機構の一例)、80…材料供給部、110…制御部、120…吸引装置(吸引機構の一例)、130…タンク(収容部の一例)、150…y軸用アプリケータ移動装置(第2の移動機構の一例)、M…材料、P…所定のメニスカス柱。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布対象物に材料を塗布する塗布装置であって、
前記塗布対象物の塗布面との間に前記材料によるメニスカス柱を形成するメニスカス柱形成部と、前記メニスカス柱形成部と異なる位置に形成されて周囲に対して凹む凹部とを備えるアプリケータと、
前記アプリケータに前記材料を供給する材料供給部と、
前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を前記塗布面に沿って相対的に移動する第1の移動機構と、
前記メニスカス柱形成部と前記塗布面との間に形成されるメニスカス柱を、前記塗布面と前記凹部との間に移動するように前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を相対的に移動する第2の移動機構と、
前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を離れる方向と近づく方向とに相対的に移動する第3の移動機構と
を具備することを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記アプリケータは、所定の角度範囲で回転可能であり、前記第2の移動機構は、前記塗布対象物の塗布面に対して、前記アプリケータを所定の角度範囲で相対的に回転させて、前記凹部を、前記塗布面と対向させるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項3】
前記メニスカス柱形成部と前記凹部とは、前記アプリケータの周方向に並んでいることを特徴とする請求項2に記載の塗布装置。
【請求項4】
前記アプリケータは、軸線に垂直な形状が円である円柱形状であることを特徴とする請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記メニスカス柱形成部と前記凹部とは、直線状に並んでおり、
前記第2の移動機構は、前記塗布面に対して前記アプリケータを前記メニスカス柱形成部と前記凹部とが並ぶ方向に相対的に移動する
ことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
【請求項6】
請求項1の記載において、制御部を具備し、
前記制御部は、
前記塗布面の第1の位置と前記メニスカス柱形成部とが前記メニスカス柱が延びる方向に沿って対向するように、前記第1,2の移動機構を制御し、
前記メニスカス柱形成部と前記塗布面との間の距離が所定のメニスカス柱を形成する第1の所定距離となるように前記第3の移動機構を制御し、
前記アプリケータに前記材料を供給するよう前記材料供給部を制御し、
前記塗布面の第2の位置と前記メニスカス柱形成部とが前記メニスカス柱が延びる方向に沿って対向するまで前記第1の移動機構を制御し、
前記第2の位置と前記メニスカス柱形成部とが前記メニスカス柱が延びる方向に沿って対向した後、前記凹部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第2の位置に対向するまで前記第2の移動機構を制御する
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記塗布面に対する前記アプリケータの位置を、前記メニスカス柱形成部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第1の位置と対向する位置から前記メニスカス柱形成部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第2の位置に対向する位置に移動する際に、前記メニスカス柱形成部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第1の位置と対向する位置から前記メニスカス形成柱部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って減速位置と対向する位置までは第1の移動速度で移動するよう前記第1の移動機構を制御し、前記減速位置をこえると前記第1の移動速度よりも遅い第2の移動速度で移動するよう前記第1の移動機構を制御し、
前記第1の移動速度と前記第2の移動速度とは、前記第1の位置から前記減速位置までに塗布される前記材料の厚みと、前記減速位置から前記第2の位置までに塗布される前記材料の厚みとが同じとなるように設定される
ことを特徴とする請求項6に記載の塗布装置。
【請求項8】
前記凹部に負圧を作用する吸引機構を具備することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の塗布装置。
【請求項9】
制御部を具備し、
前記制御部は、
前記塗布面の第1の位置と前記メニスカス柱形成部とが前記メニスカス柱が延びる方向に沿って対向するように、前記第1、第2の移動機構を制御し、
前記メニスカス柱形成部と前記塗布面との間の距離が所定のメニスカス柱を形成する第1の所定距離となるように前記第3の移動機構を制御し、
前記アプリケータに前記材料を供給するよう前記材料供給部を制御し、
前記塗布面の第2の位置と前記メニスカス柱形成部とが前記メニスカス柱が延びる方向に沿って対向するまで前記第1の移動機構を制御し、
前記メニスカス柱形成部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第2の位置に対向する状態になると前記凹部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第2の位置に対向するように前記第2の移動機構を制御し、
前記凹部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第2の位置に対向した後、前記塗布面に対する前記アプリケータの位置が、前記メニスカス柱形成部と前記塗布面との間に前記所定のメニスカス柱が形成される位置より離れるように前記第3の移動機構を制御し、
前記塗布面から前記アプリケータが第1の所定距離よりも離れた後、前記吸引機構を駆動する
ことを特徴とする請求項8に記載の塗布装置。
【請求項10】
制御部を具備し、
前記制御部は、
前記塗布面の第1の位置と前記メニスカス柱形成部とが前記メニスカス柱が延びる方向に沿って対向するように、前記第1、第2の移動機構を制御し、
前記メニスカス柱形成部と前記塗布面との間の距離が所定のメニスカス柱を形成する第1の所定距離となるように前記第3の移動機構を制御し、
前記アプリケータに前記材料を供給するよう前記材料供給部を制御し、
前記塗布面の第2の位置に前記メニスカス柱が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って対向するように前記第1の移動機構を制御し、
前記メニスカス柱形成部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第2の位置に対向する状態になると前記凹部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第2の位置に対向するように前記第2の移動機構を制御し、
前記凹部が前記メニスカス柱が延びる方向に沿って前記第2の位置に対向した後、前記凹部と前記塗布面との間において前記メニスカス柱が延びる方向に沿う距離を、求められる前記材料の厚みに対応する第2の所定距離になるように前記第3の移動機構を制御し、
前記凹部と前記塗布面との間において前記メニスカス柱が延びる方向に沿う距離が前記第2の所定距離になると前記吸引機構の動作を開始する
ことを特徴とする請求項8に記載の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−66873(P2013−66873A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209099(P2011−209099)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】