説明

変位測定装置及び変位測定方法

【課題】
高精度な変位測定装置を提供する。
【解決手段】
被測定物1の変位量を測定する変位測定装置100であって、ベース2までの距離に基づいて第一の原点位置を検出する測距センサー5と、被測定物1までの距離に基づいて第二の原点位置を検出する測距センサー6と、測距センサー5、6を搭載して測距センサー5、6の測距方向に移動するステージ4と、測距センサー5、6を移動させて検出された第一の原点位置及び第二の原点位置を利用して、ベース2に対する被測定物1の変位量を測定するコントローラ7とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被測定物の変位量を測定する変位測定装置及び変位測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
精密工業製品では、位置基準となる基準部材に対して部品を高精度に位置決めすることが要求される。また、振動、衝撃、熱衝撃等の外乱により、基準部材に固定された部品に微小な位置ずれが生じる場合がある。このため、一般的な精密工業製品では、部品の位置決めや位置ずれの検知のために測距センサーが利用される。
【0003】
所定の位置を基準として、所望の位置(被測定物)の変位量を測る場合、例えば、位置基準となる基準部材に固定した測距センサーを用いて、被測定物の変位情報を観測する方法がある。しかしこの方法では、常に測距センサーを稼働させなければならないため、長時間の測定時にはセンサー出力のドリフトが測定精度を悪化させる。また、実際の工業製品においては、装置構成上の制約から、基準部材に測距センサーを常設できない場合が多い。
【0004】
そこで、任意の位置に設置した測距センサーを用いて基準部材を測定し、その後、この測距センサーを被測定物の測定位置まで移動して被測定物の位置を測定する方法が用いられている。この方法によれば、測距センサーの移動距離と測定結果に基づいて相対変位情報を得ることができる。図7は、この方法で被測定物107の変位を測定する変位測定装置の概略図である。
【0005】
図7(a)に示されるように、基準部材108及び被測定物107の双方から離れた位置に、Zステージ110が設置されている。また、Zステージ110の移動テーブル111には、非接触式の測距センサー112が搭載されている。測距センサー112で基準部材108までの距離を測定した後、移動テーブル111をガイドに沿って駆動し、被測定物107の測定位置において再度測距を行う(図7(b))。そして、被測定物107までの距離と既に取得済の基準部材108までの距離との差に基づいて、基準部材108に対する被測定物107の相対距離を測定する。
【0006】
また、特許文献1には、波長が異なる2光束の干渉信号の位相差がゼロとなる位置を測定原点として、被測定物の絶対位置情報を測定可能な干渉計が開示されている。
【特許文献1】特開2007−33317号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図7を参照して説明した上述の従来方法では、測距センサーを移動するステージの駆動精度や直進性が測定結果に大きく影響する。このため、特に離れた2点間の測定をする場合、測定精度が悪化するという問題がある。
【0008】
本発明は、高精度な変位測定装置及び変位測定方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面としての変位測定装置は、被測定物の変位量を測定する変位測定装置であって、基準部材までの距離に基づいて第一の原点位置を検出する第一の検出部と、前記被測定物までの距離に基づいて第二の原点位置を検出する第二の検出部と、前記第一の検出部及び前記第二の検出部を搭載して該第一の検出部及び該第二の検出部の測距方向に移動する移動部と、前記第一の検出部及び前記第二の検出部を移動させて検出された前記第一の原点位置及び前記第二の原点位置を利用して、前記基準部材に対する前記被測定物の変位量を測定する測定部とを有する。
【0010】
本発明の他の側面としての変位測定装置は、被測定物の変位量を複数の方向から測定する変位測定装置であって、前記被測定物の周囲に配置された複数の変位検出装置と、前記複数の変位検出装置の出力に基づいて基準部材に対する前記被測定物の変位量を測定する測定部とを有し、前記複数の変位検出装置はそれぞれ、前記基準部材までの距離に基づいて第一の原点位置を検出する第一の検出部と、前記被測定物までの距離に基づいて第二の原点位置を検出する第二の検出部と、前記第一の検出部及び前記第二の検出部を搭載して該第一の検出部及び該第二の検出部の測距方向に移動する移動部とを有し、前記測定部は、前記第一の検出部及び前記第二の検出部を移動させて検出された前記第一の原点位置及び前記第二の原点位置を利用して、前記基準部材に対する前記被測定物の変位量を測定する。
【0011】
本発明の他の側面としての変位測定方法は、被測定物の変位量を測定する変位測定方法であって、第一の検出部を該第一の検出部の測距方向に移動させるステップと、前記第一の検出部により、基準部材までの距離に基づいて第一の原点位置を検出するステップと、第二の検出部を該第二の検出部の測距方向に移動させるステップと、前記第二の検出部により、前記被測定物までの距離に基づいて第二の原点位置を検出するステップと、前記第一の検出部及び前記第二の検出部を移動させて検出された前記第一の原点位置及び前記第二の原点位置を利用して、前記基準部材に対する前記被測定物の変位量を測定するステップとを有する。
【0012】
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、高精度な変位測定装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【実施例1】
【0015】
まず、本発明の実施例1における変位測定装置について説明する。図1は、本実施例における変位測定装置100の概略構成図である。変位測定装置100は、基準部材に対する被測定物の変位量を測定する測定装置である。図1(a)は、測距センサー5を用いて原点検出を行っている状態を示し、図1(b)は、測距センサー6を用いて原点検出を行っている状態を示している。
【0016】
図1において、1は被測定物である。被測定物1は、ベース2の上に搭載されており、接着剤21を介してベース2に接着されている。ベース2は、被測定物1の位置決め基準となる基準部材である。ベース2は、定盤3の上に設置されている。本実施例において、ベース2は、定盤3から取り外し可能に構成されている。4は、定盤3の上に設置されたステージ(移動部)である。ステージ4は、被測定物1とベース2との間の距離を測定するため、非接触式の測距センサー5、6(第一の検出部、第二の検出部)を搭載している。第一の検出部としての測距センサー5は、ベース2までの距離に基づいて第一の原点位置を検出する。第二の検出部としての測距センサー6は、被測定物1までの距離に基づいて第二の原点位置を検出する。ステージ4も、ベース2と同様に、定盤3から取り外し可能に構成されている。定盤3は、エアーマウント27を介して設置床25の上に設置されている。
【0017】
本実施例において、測距センサー5、6は、例えば、特許文献1に開示されているように、波長が異なる2光束の干渉信号の位相差がゼロとなる位置を原点位置として、被測定物の絶対位置情報を測定可能な干渉計である。ただし、本実施例はこれに限定されず、他の測距センサーを用いてもよい。例えば、測距センサー5、6として、被測定物1と測距センサー5、6との静電容量の変化によって測距を行う静電容量センサーを用いることができる。
【0018】
7は、測距センサー5、6のコントローラ(測定部)である。コントローラ7は、第一の原点位置及び第二の原点位置を利用してベース2に対する被測定物1の変位量を測定する。このとき、第一の原点位置及び第二の原点位置は、測距センサー5、6を移動させながら検出される。またコントローラ7は、測距センサー5、6の光源及びセンサー出力値の表示機能を備え、電気ケーブル及び光ファイバを用いて測距センサー5、6に接続されている。
【0019】
被測定物1及びベース2の測定点31、32には、測距センサー5、6から投影される光束を反射させるために鏡面加工が施されている。またステージ4は、不図示の駆動部により、測距センサー5、6の測距方向(図1中のX方向)に移動可能に構成されている(図1(b)参照)。なお、後述のように、測距方向とステージ駆動方向(X方向)との間には、所定の角度ずれがある場合がある。このとき、ステージ4の駆動方向は、厳密には測距方向と異なるが、実質的に測距方向と同一であればよい。ただし、本実施例は上述の構成に限定されるものではなく、被測定物1及びベース2と測距センサー5、6との間の相対距離を変化させるように構成されていればよい。このため、例えば、移動部としてのステージの上にベース2を設け、このステージを用いて被測定物1及びベース2を移動させるように構成することもできる。
【0020】
ベース2の上に接着された被測定物1は、接着剤21の硬化収縮や経時劣化等により、ベース2に対して相対的に変位する可能性がある。このため、本実施例の変位測定装置100は、被測定物1をベースに接着させた直後の状態からの被測定物1の変位量を、所定の間隔で観測するように構成されている。
【0021】
次に、本実施例における変位測定装置100による変位測定方法について説明する。図2は、本実施例の変位測定装置における測定フローを示すブロック図である。
【0022】
まず、本実施例の変位測定方法では、変位測定装置100の駆動部(不図示)が、測距センサー5を測距センサー5の測距方向(図1中のX軸方向)に移動させる。このとき駆動部は、測距センサー5により検出される干渉信号の位相差がゼロとなる位置(測距センサー5の第一の原点位置)までステージ4を移動させる(図1(a)参照)。測距センサー5は、ベース2までの距離に基づいて第一の原点位置を検出する。ここで、測距センサー5が第一の原点位置にあるときの測距センサー6の出力値をα0とする。出力値α0は、コントローラ7に記憶される。
【0023】
次に、駆動部は、測距センサー6を測距センサー6の測距方向(図1中のX軸方向)に移動させる。このとき駆動部は、測距センサー6により検出される干渉信号の位相差がゼロとなる位置(測距センサー6の第二の原点位置)までステージ4を移動させる(図1(b)参照)。測距センサー6は、被測定物1までの距離に基づいて第二の原点位置を検出する。ここで、測距センサー6が第二の原点位置にあるときの測距センサー6の出力値をβ0とする。出力値β0は、コントローラ7に記憶される。上述の出力値α0、β0を得るまでの各処理は、被測定物1をベース2に接着した直後(初期位置)に実行される。
【0024】
なお、本実施例において、出力値α0、β0は、上述とは逆の順で求めてもよい。この場合、測距センサー6が原点位置にあるときの測距センサー6の出力値β0を求めた後、測距センサー5が原点位置にあるときの測距センサー6の出力値α0を求める。
【0025】
次に、出力値α0、β0を取得してから所定の時間が経過した後、前述の手順と同様にステージ4(測距センサー5、6)を移動させる。このとき、第一の原点位置及び第二の原点位置における測距センサー6の出力値をそれぞれ、α1、β1とする。出力値α1、β1もコントローラ7に記憶される。
【0026】
本実施例の変位測定装置100では、定盤3上にベース2やステージ4設置する際の位置誤差や、測距センサー5の電源の再投入によって、出力値α0と出力値α1、また、出力値β0と出力値β1はそれぞれ異なる。例えば、測距センサー6が同じ原点位置(第二の原点位置)を検出した場合であっても、測距センサー6の電源のON/OFFの前後において、測距センサー6の出力値(β0、β1)は異なる。このように、測距センサー6の出力値は、測定時ごとに異なる値となる。ただし、被測定物1とベース2との間の相対的な変位量(距離)が不変であれば、測距センサー6の出力値の差(β0−α0)、(β1−α1)はそれぞれ等しい。
【0027】
一方、被測定物1とベース2との間の距離が相対的に変位した場合、所定の時間が経過した後に、被測定物1のベース2に対する変位量δは、以下の式(1)で表される。
【0028】
δ=(β0−α0)−(β1−α1) … (1)
このように、変位測定装置100のコントローラ7は、測距センサー5が第一の原点位置を検出したときの測距センサー6の出力値と、測距センサー6が第二の原点位置を検出したときの測距センサー6の出力値との差の変位量を算出する。そして、コントローラ7は、算出された変位量に基づいて、ベース2に対する被測定物1の変位量を測定する。本実施例の変位測定装置100によれば、2つの測距センサーを備えたステージが測距方向に駆動可能に構成されているため、2点間の相対的な変位量を安定的に高精度に測定することができる。
【0029】
なお本実施例では、基準部材としてのベース2と被測定物1とが接着剤21によって接合されており、被測定物1が安定的に置かれた状態で両者の経時的な相対変位を測定する場合について説明した。しかし本実施例では、被測定物1及び測距センサー5、6はそれぞれ定盤3に対して着脱可能である。このため、例えば、被測定物1が定盤3上に置かれていない環境での振動や外力等によってベース2に対して変位したか否かの確認をするために用いることもできる。
【0030】
また本実施例では、位置決め基準であるベースに対して固定された被測定物の経時的な変位量を測定する方法について説明した。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、被測定物及びベースの絶対位置情報を得ることも可能である。
【0031】
図3は、ベースと被測定物との絶対距離測定のための予備測定を実行するときの変位測定装置の概略構成図である。また図4は、予備測定のフローを示すブロック図である。図3に示されるように、予め、測距センサー5、6が同一面を測定できる原器41を測定しておく。原器41の測定点33は鏡面加工が施されている。原器41の位置は、図4に示されるフローで測定される。まずステージ4を不図示の駆動部を用いて移動させる。測距センサー5により原点が検出されると、駆動部はステージ4の移動を停止し、このときの測距センサー6の出力εをコントローラ7に記憶する。その後、図2を参照して説明した測定を行うことにより、算出値(α0−ε)及び(α1−ε)はそれぞれ、被測定物1とベース2との相対距離となる。このようにして、本実施例によれば、被測定物1及びベース2の両者の絶対距離の測定を行うことができる。
【実施例2】
【0032】
次に、本発明の実施例2における変位測定装置について説明する。図5は、本実施例における変位測定装置の概略構成図である。図5(a)は、ステージ駆動方向と測距センサーの測距方向とが一致している状態を示し、図5(b)は、ステージ駆動方向と測距センサーの測距方向とが所定の角度ずれを有する状態を示している。なお、同図において、実施例1と同一符号の部位についての説明は省略する。
【0033】
8、9は、ステージ4の固定部分に設置された非接触式の測距センサー(第三の検出部)である。測距センサー8、9は、それぞれ、測距センサー5、6の移動量を検出することができる。10は、測距センサー8、9のコントローラ(測定部)である。コントローラ10は、測距センサー8、9の出力値の表示機能を備えている。
【0034】
本実施例の変位測定装置200は、ステージ4の駆動方向(ステージ駆動方向)と測距センサー5、6の測距方向との角度ずれを検出し、その角度ずれによる被測定物1の変位測定情報を補正する。すなわち、測距センサー8、9は、不図示の駆動部でステージ4を駆動する際に、測距センサー5、6の移動量をそれぞれ測定して、被測定物1の変位測定情報を補正する。この補正は、コントローラ10により、被測定物1の測定前に予め実行されるか、又は、変位測定時に実行される。
【0035】
例えば、任意の量だけステージ4を駆動した場合の測距センサー8、9の変位量がそれぞれγ8、γ9であるとき、被測定物1の相対変位量δ’は、下記の式(2)によって表される。
【0036】
δ’={β0−α0(1―(γ9−γ8)/γ8)}−{β1−α1(1−(γ9−γ8)/γ8)} … (2)
このように、変位測定装置200は、測距センサー5、6の測距方向とステージ4の移動方向との角度ずれを検出する測距センサー8、9を有する。このため、変位測定装置200によれば、ステージ駆動方向と測距センサー5、6の測距方向の角度ずれの影響を抑制し、さらに高精度な測定が可能となる。
【実施例3】
【0037】
次に、本発明の実施例3における変位測定装置について説明する。図6は、本実施例における変位測定装置300の概略構成図である。図6(a)は変位測定装置300の上面図であり、図6(b)は変位測定装置300の側面図である。変位測定装置300は、被測定物の変位量を複数の方向から測定する多軸変位測定装置である。
【0038】
図6において、11は被測定物である。本実施例の変位測定装置300では、円柱形状の外周の一部(測定点34)が精密旋盤加工等により鏡面に仕上げられている(鏡面加工)。12は位置基準となるベースである。被測定物11と同様に、円柱形状の外周の一部(測定点35)が旋盤加工等により鏡面に仕上げられている(鏡面加工)。被測定物11は、ネジ13によってベース12に締結されている。
【0039】
本実施例の変位測定装置300は、例えば被測定物11とベース12が熱衝撃や振動を受けた際の相対変位を観測する。14〜16は変位検出装置である。変位検出装置14〜16は、例えば、上述の実施例におけるステージ4、及び、測距センサー5、6を備えて構成される。このように構成された変位検出装置14〜16は、被測定物11の周囲に互いに約120度ピッチで配置されている。
【0040】
本実施例の変位検出装置14〜16による被測定物11の測定方法は、上述の実施例と同様であるため省略する。ただし、図6に示されるように、本実施例の変位測定装置300は、被測定物11の変位量を複数の異なる方向から変位検出装置14〜16を用いて測定する。円柱形状をした被測定物11の周囲に複数の変位検出装置14〜16を配置して被測定物11の変位量を同時に測定することで、被測定物11のXY平面内の変位情報を得ることができる。なお、本実施例では、被測定物と基準部材としてのベースとの経時的な、又は外力が加わった時の相対変位を測定するものとして説明した。ただし本実施例はこれに限定されるものではなく、例えば、被測定物をベースに対して高精度に位置決めする際の測定装置として用いることもできる。
【0041】
また、本実施例の変位測定装置300は、3つの変位検出装置14〜16を有する。ただし、本実施例はこれに限定されるものではなく、2つ又は4つ以上の変位検出装置を有するものであってもよい。これらの場合でも、複数の変位検出装置は、互いに同一ピッチで被測定物の周囲に配置されることが好ましい。
【0042】
以上、上記各実施例の変位測定装置によれば、精密工業製品において、位置基準となる基準部材に対する位置決めや、基準部材に固定した部品の、振動、衝撃、熱衝撃等の外乱による微小な位置ずれをより高精度に安定して測定することができる。このため、上記各実施例によれば、高精度な変位測定装置及び変位測定方法を提供することできる。また、これらの変位測定装置は、被測定物に常に備え付けておく必要はない。このため、測距センサーを基準部材に取り付けるスペースがない場合でも、高精度な相対変位の測定が可能である。なお、上記各実施例の変位測定装置は、高精度な位置決めが要求される精密機器、例えば、ステージ装置、光学装置、露光装置、又は、これらの装置を備えたシステムに対して広く適用可能である。
【0043】
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記各実施例として記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】実施例1における変位測定装置の概略構成図である。
【図2】実施例1の変位測定装置における測定フローを示すブロック図である。
【図3】実施例1において、ベースと被測定物との絶対距離測定のための予備測定を実行する変位測定装置の概略構成図である。
【図4】実施例1において、予備測定のフローを示すブロック図である。
【図5】実施例2における変位測定装置の概略構成図である。
【図6】実施例3における変位測定装置の概略構成図である。
【図7】従来の変位測定装置の概略構成図である。
【符号の説明】
【0045】
1:被測定物
2:ベース
4:ステージ
5、6:測距センサー
7:コントローラ
100、200、300:変位測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の変位量を測定する変位測定装置であって、
基準部材までの距離に基づいて第一の原点位置を検出する第一の検出部と、
前記被測定物までの距離に基づいて第二の原点位置を検出する第二の検出部と、
前記第一の検出部及び前記第二の検出部を搭載して該第一の検出部及び該第二の検出部の測距方向に移動する移動部と、
前記第一の検出部及び前記第二の検出部を移動させて検出された前記第一の原点位置及び前記第二の原点位置を利用して、前記基準部材に対する前記被測定物の変位量を測定する測定部と、を有することを特徴とする変位測定装置。
【請求項2】
前記測定部は、前記第一の検出部が前記第一の原点位置を検出したときの前記第二の検出部の出力値と、該第二の検出部が前記第二の原点位置を検出したときの該第二の検出部の出力値との差の変位量に基づいて、前記基準部材に対する前記被測定物の変位量を測定することを特徴とする請求項1記載の変位測定装置。
【請求項3】
前記第一の検出部及び前記第二の検出部の前記測距方向と前記移動部の移動方向との角度ずれを検出する第三の検出部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の変位測定装置。
【請求項4】
被測定物の変位量を複数の方向から測定する変位測定装置であって、
前記被測定物の周囲に配置された複数の変位検出装置と、
前記複数の変位検出装置の出力に基づいて基準部材に対する前記被測定物の変位量を測定する測定部と、を有し、
前記複数の変位検出装置はそれぞれ、
前記基準部材までの距離に基づいて第一の原点位置を検出する第一の検出部と、
前記被測定物までの距離に基づいて第二の原点位置を検出する第二の検出部と、
前記第一の検出部及び前記第二の検出部を搭載して該第一の検出部及び該第二の検出部の測距方向に移動する移動部と、を有し、
前記測定部は、前記第一の検出部及び前記第二の検出部を移動させて検出された前記第一の原点位置及び前記第二の原点位置を利用して、前記基準部材に対する前記被測定物の変位量を測定することを特徴とする変位測定装置。
【請求項5】
被測定物の変位量を測定する変位測定方法であって、
第一の検出部を該第一の検出部の測距方向に移動させるステップと、
前記第一の検出部により、基準部材までの距離に基づいて第一の原点位置を検出するステップと、
第二の検出部を該第二の検出部の測距方向に移動させるステップと、
前記第二の検出部により、前記被測定物までの距離に基づいて第二の原点位置を検出するステップと、
前記第一の検出部が前記第一の原点位置を検出したときの前記第二の検出部の出力値と、該第二の検出部が前記第二の原点位置を検出したときの該第二の検出部の出力値との差の変位量に基づいて、前記基準部材に対する前記被測定物の変位量を測定するステップと、を有することを特徴とする変位測定方法。

【図2】
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【図4】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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