説明

変性された粒子、及びこれらを含む分散液

本発明は、調節剤によって変性された粒子、及び変性された粒子を含む分散媒体に関する。
金属、金属ハロゲン化物、金属カルコゲニド、金属ニトリド、金属ホスフィド、金属ボライド、金属フォスフェイト粒子、又はこれらの混合物が、1〜500nmの平均粒径を有し、そしてその表面が、以下の式(I)(II)及び(III)
【化1】


の1種以上の調節剤で変性されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調節剤で変性された粒子、及び変性された粒子を含む分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
酸化亜鉛は、大型ディスプレー内の有利なTFT回路又は他の電子回路を製造するための、薄いフィルム状のトランジスター(TFTs)内の有望な半導体である。
【0003】
これらの金属酸化物半導体FETs(MOSFETs)の製造における重要な工程は、亜鉛又は他の半導体をそれぞれの基材上に沈澱(堆積)させることである。
【0004】
ポリマー性又は他の弾力性基材上に半導体を沈澱させることに大きな興味が存在する。この理由は、軽量であることと機械的に安定であることのみならず、(例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、又は印刷技術等の方法によって)より(相当に)有利な沈澱によって処理することができるからである。しかしながら、ポリマー基材は処理枠を200℃未満に限定する。
【0005】
微細に粉砕されたナノサイズ粒子の均一な層の形成を可能とするために、コロイド的に安定した分散物が、沈澱のために重要である。一次粒子の集塊を効果的に防止する添加剤(調節剤)が、この目的のために必要とされる。このような添加剤の使用は、通常、他の用途から、以前から公知であった。
【0006】
特許文献1(WO2006/138071)及び特許文献2(WO2006/138072)は、それぞれ半導体の酸化亜鉛層を、コロイド状分散物から基材上に沈澱させるための方法を開示している。分散物は、好ましくは、室温で施され、そして次に300℃未満の温度で焼かれる(焼き鈍し;アニーリング)。使用した分散物は安定化されるが、しかし安定化剤、又は調節剤(midifier)については、何ら記載がない。
【0007】
特許文献3(DE10257388A1)には、(セラミック処方物に使用するための)表面変性されたナノ粒子酸化亜鉛が記載されている。ここで、表面変性は、一般式がHOOC−R1−(CH2n−R2−CH3(但し、R1=CH2−(O−CH2−CH2m;m=0〜11、n=0〜30、及びm=0の場合には、nが11より大きい;及びR2=CH2、CHCH2、C(CH32、フェニレン、O、Sである)の有機酸で被覆すこと含む。好ましい調節剤として、ラウリルエーテル−11−ポリエチレングリコール酸、カプリルエーテル−6−ポリエチレングリコール酸、ラウリルエーテル−4−ポリエチレングリコール酸、ラウリルエーテル−6−ポリエチレングリコール酸、及び/又はラウリルエーテル−8−ポリエチレングリコール酸が記載されても良い。
【0008】
DE102005007374A1には、生物分解性のポリマー、特にポリエステル、ポリシアノアクリレート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエポキシド、ポリウレタン及びピリスチレンによって変性された、ナノ粒子が開示されている。EP1630136A1には、親水性ポリマー、特にポリカルボン酸によって変性された二酸化チタン子が開示されている。調節剤(dodifier)のカルボキシ基は、二酸化チタンに結合したエステルを介して結合されている。更なる調節剤は、特許文献4(DE102005047807A1)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2006/138071
【特許文献2】WO2006/138072
【特許文献3】DE10257388A1
【特許文献4】DE102005047807A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これまでに使用されてきた、変性された粒子、又は分散物は、これらは、伝導性、半導体性又は誘電体層の沈澱(deposition)において、半導体成分の性能を相当に悪化させるか、又は所定の温度で熱処理する必要があり、該熱処置の温度で、(性能を改良するために)基材が損傷する。その熱的な安定性が通常、無機基材のものよりも低いポリマー基材を使用する場合、このことが特に該当する。
【0011】
従って、本発明の目的は、粒子(この粒子から、安定な、処理性の良い分散物を製造することができ、該分散物を使用して、不純物、特に調節剤による不純物のレベルが非常に低い、伝導性、誘電性、又は半導体性の層を半導体の部材中に製造することができる)を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的は、本発明に従い、金属、金属ハロゲン化物、金属カルコゲニド、金属ニトリド、金属ホスフィド、金属フォスフェイト、金属ボライド、又はこれらの混合物の、表面変性された粒子であって、平均粒径が1〜500nmであり、そしてその表面が以下の式(I)(II)及び(III)
【0013】
【化1】

【0014】
(但し、
1が、O、S、及びSeから選ばれ、
2が、OH、OCH3、OC25、COOH、OSi(R13-x-y(R2y(R3xから選ばれ、
x、yが、それぞれ、互いに独立して、0、1、2、又は3であり、及びxとyの合計が3以下であり、
1、R2、R3、R4が、独立して、H、C1−C10−アルキルから選ばれ、
3が、O、S、Se及びCH2から選ばれ、
n、m、pが、それぞれ、互いに独立して、0、1、2、又は3、好ましくは0、1、2、及び特に好ましくは1であり、
4が、O、S、Se、C=O、−R4C=CH−、OCH2から選ばれ、
5が、H、OH、OCH3、OC25、OSi(R1(3-x-y)(R2x(R3y、COOR5、OCOOR5から選ばれ、
5が、C1−C4−アルキルから選ばれ、
6が、SH、NH2、OSi(R13-x-y)(R2y(R3xから選ばれ、
7が、C1−C10−アルキレン、O、S、Se、Teから選ばれ、
rが、1〜1000の整数であり、
6が、H、C1−C10−アルキル及びハロゲンから選ばれる)
から選ばれる調節剤で変性されていることを特徴とする粒子によって達成される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】平均直径が約10nmのZnO粒子の粒径分布を測定した図である。
【図2】平均直径が約10nmのZnO粒子をTEM分析した図である。
【図3】実施例4のTG分析した図である。
【図4】実施例5のTG分析した図である。
【図5】比較例AのTG分析した図である。
【図6】比較例BのTG分析した図である。
【図7】実施例7の出発曲線(AK)を示した図である。
【図8】実施例7の移動曲線(TK)を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
調節剤は、(特に、変性された粒子がポリマー基材に施される場合、)その温度では、基材の変形、ゆがみ、分解又は他の熱的な変化が観察されない熱分解温度を有している。このことは、ポリマー基材に施された層から、(基材の構造に悪影響を及ぼすことなく)調節剤を除去できるようにする。
【0017】
使用する1種以上の調節剤の熱分解温度は、250℃未満であることが好ましい。熱分解温度は、また、早まった熱分解を避けるために、50℃を超え、好ましくは75℃を超え、より好ましくは100℃を超えるべきである。熱分解温度は、好ましくは200℃未満、特に好ましくは150℃未満である。本発明の目的のために、熱分解温度は、有機調節剤が、その最初の構造を失い、そしてより小さな分子(例えばCO2)に分解される温度である。
【0018】
調節剤(modifier)は、ポリマー基材の被覆においても、変形や揮発性成分を発生させることのない、低い温度で分解する。熱分解は、例えばモノエチルマロネートについて以下のように記載しても良いが、これに限られるものではない。
【0019】
【化2】

【0020】
ガス状CO2及び揮発性アセテートの検知は、IR、1H及び13C{1H}−NMRによって特に容易に確かめることができる。
【0021】
式(I)の調節剤の中で、X1がO又はSのものが好ましく、X1がOであるものが特に好ましい。
【0022】
2は、OH、OCH3、COOH、OSi(R13-x-y(R2y(R3xから選ばれることが好ましく、OH、及びOSi(R13-x-y(R2y(R3xから選ばれることが特に好ましい。
【0023】
3は、O、S、CH2から、特にO、及びCH2から選ばれることが好ましく、CH2が特に好ましい。
【0024】
x及びyは、それぞれ、互いに独立して、0、1、又は2であることが好ましく、0又は1であることが特に好ましい。
【0025】
1、R2、R3、及びR4が互いに独立して、H及びC1−C4−アルキルから選ばれることが好ましく、H、メチル及びエチルから選ばれることが特に好ましい。
【0026】
n、m、pが、それぞれ、互いに独立して、0、1、2であることが好ましく、0又は1であることが特に好ましい。m、n、又はpの少なくとも1つが、0であることが特に好ましい。
【0027】
4が、O、S、C=O、−R4C=CH−、及びOCH2から選ばれることが好ましい。基X3、X4、及びX5の少なくとも1つが、C=Oを含むことが好ましい。
【0028】
5が、H、OH、OSi(R13-x-y(R2x(R3y、CO25、OCO25、から選ばれることが好ましく、CO25から選ばれることが特に好ましい。
【0029】
5が、メチル、エチル、及びt−ブチルから選ばれることが好ましく、エチル及びt−ブチルから選ばれることが特に好ましい。
【0030】
本発明の目的のために、ハロゲンは、F、Cl、Br及びIである。X6は、SH、OSi(R13-x-y)(R2y(R3xから選ばれることが好ましく、OSi(R13-x-y)(R2y(R3xから選ばれることが特に好ましい。
【0031】
7が、C1−C4アルキレンから選ばれることが好ましく、−CH2−及び−C24−から選ばれることが特に好ましい。
【0032】
rが、1〜100の整数であることが好ましく、1〜10の整数であることが特に好ましい。
【0033】
6が、H及びC1−C4−アルキルから選ばれることが好ましく、メチル及びエチルから選ばれることが特に好ましい。
【0034】
更に好ましい調節剤は、式Ia〜Ih
【0035】
【化3】

【0036】
(但し、n、p、X1、X2、X4、及びX5は、上記に定義したものであり、及びR1、R2、R3は、C1−C10−アルキルから選ばれ、特に好ましくは、メチル、エチル、及びt−ブチルである)
のものである。
【0037】
式(I)の調節剤の更に好ましい実施の形態は、
−nが0、又はnが1、及びX3が、O、S、Se、C=O、−HC=CH−、CH2から選ばれ、
−mが0、又はm=1、及びX4が、O、S、C=O、及びOCH2から選ばれ、
−pが0、又は1であり、及び
−X5が、OCH3、OC25、CO25、及びOCO25から選ばれる、
ものである。
【0038】
特に好ましい調節剤は、以下の構造IV〜IXの化合物である。
【0039】
【表1】

【0040】
構造(VI)の調節剤が極めて好ましい。
【0041】
粒子は、金属、金属カルコゲニド、金属ホスフィド、金属ボライド、金属ニトリド、又は金属フォスフェイト、又はこれらの混合物が可能である。金属カルコゲニド、金属ホスフィド、金属ボライド、金属フォスフェイト、及び/又は金属ニトリド粒子、特に金属酸化物粒子は、ドープすることも、ドープしないことも可能である。
【0042】
本発明の目的のための適切なハロゲン化物は、金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物、及び金属ヨウ化物、好ましくはフッ化物、及び塩化物である。金属塩化物が特に好ましい。
【0043】
本発明の目的のために、適切な金属カルコゲニドは、オキシド、スルフィッド、セレニド、及びテルリド(テルル化物)、好ましくはオキシド、及びスルフィッドである。半導体層の沈澱(deposition)のための適切な金属カルコゲニド化合物は、オキシド、及び例えばCdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、Cu−In−Ga−Seである。金属カルコゲニド粒子は、金属酸化物粒子であることが特に好ましい。
【0044】
好ましい金属ニトリド(金属窒化物)は、AIN、GaN、InN、Al−Ga−N、In−Ga−N、Al−Ga−In−Nである。好ましい金属フォスフェイトは、希土類(ランタン、セリウム、テルビウム)のフォスフェイトである。
【0045】
粒子、特に金属酸化物粒子は、誘電体、半導体、又は伝導性の化合物であることができる。2成分系の例は、ランタニド(La23、CeO2)の、族2(例えば、MgO)、族3(例えばY23)、族4(例えば、TiO2、ZrO2、HfO2)、族5(例えば、V2O5、Nb2O5、Ta25)、族6(例えば、Cr23、MoO3、WO3)、族7(MnO2)、族8(例えば、Fe23、Fe34、RuO2)、族9(例えば、CoO、Co34)、族10(例えば、NiO)、族11(例えば、CuO、Cu2O)、族12(例えば、ZnO、CdO)、族13(例えば、B23、Al23、Ga23、In23)、族14(SiO2、GeO2、SnO2、PbO、Pb34)、族15(例えば、Sb23、Bi23*Bi25)である。このようなオキシドが、電気的、熱的、磁気的な特性、及び更なる特性を改良するために、追加的なドーピング元素を含んでも良い(例えば、Sn−、Ge−、Mo−、F−、Ti−、Zr−、Hf−、Nb−、Ta−、W−、Te−ドープした、In23、Sb−、F−、As−、Nb−、Ta−ドープしたSnO2、Al−、Ga−、B−、In−、Y−、Sc−、F−、V−、Si−、Ge−、Ti−、Zr−、Hf−ドープしたZnO、In−、Sn−ドープしたCdO)。金属酸化物混合物又は3成分系(例えば、Zn2SnO4、ZnSnO3、Zn2In25、Zn3In26、In4Sn312、CdIn24、MgIn24、GaInO3、CaTiO3、BaTiO3、MnFe24)又は4成分系(例えば、Zn−In−Sn−O、Zn−In−Li−O、In−Ga−Zn−O)も、必要であれば使用可能である。
【0046】
半導体の層の沈殿のために好ましい金属酸化物は、例えば、ZnO、Ga23、GeO2、CdO、In23、SnO2及びこれらの混合物、又はこれらの反応混合物(3成分系:Zn−Sn−O、Zn−In−O;4成分系:Ga−In−Zn−O、Zn−In−Sn−O)である。
【0047】
半導体の層の沈殿のために特に好ましい金属酸化物は、ZnO及びIn23である。
【0048】
半導体の化合物の場合、In−、Al−、Ga−、OH−、H−ドーピング、又は固有欠陥(O空間、又は格子位置間のZn挿入)が、nタイプモビリティを増すために、しばしば使用される。pタイプモビリティは、例えばLi、Nをドーピングすることによって増すことができる。
【0049】
半導体層の沈殿のための、特に好ましい金属酸化物は、Al−、又はMg−ドープしたZnO、Ga−ドープしたZnO、Al−ドープしたMgO、Sn−ドープしたZnO、Bi−ドープしたZnO及びSn−ドープしたIn23である。
【0050】
上述した金属化合物の粒子とは別に、金属粒子を使用することも可能である。適切な金属粒子は、Ag、Cu、Au及びこれらと他の金属との合金である。
【0051】
使用した粒子の平均径は、1〜500nm、好ましくは2〜200nm、より好ましくは5〜100nm、特に好ましくは10〜50nmである。
【0052】
粒子径分布は、単一モード、二モード、複数モードであることができる。粒子は球状であることができ、又はプレート状、又は棒状のモーフォロジーを有することができる。特に好ましいものは、棒状のモーフォロジーである。
【0053】
本願発明は、更に、
(a)一次の平均粒子径が1〜500nmの金属、金属カルコゲニド、金属ハロゲン化物、金属ニトリド、金属ホスフィド、金属ボライド、金属フォスフェイト粒子、
(b)上記式の一つを有する化合物の中から選ばれる1種以上の調節剤、
(c)分散媒体、
を含む分散物を提供する。
【0054】
適切な分散媒体は、原則として、処理条件下に粒子が分散可能な全ての流体である。室温及び大気圧で液体の有機化合物を使用することが好ましい。非プロトン性の有機液体を使用することが好ましい。沸点が好ましくは200℃未満、特に好ましくは100℃未満の有機液体が好ましい。分散媒体の双極子モーメントは、好ましくは3・10-30〜10・10-30C・mである。
【0055】
THT、メチレンクロリド、及び/又はクロロホルムを使用することが特に好ましく、メチレンクロリドを使用することが極めて好ましい。
【0056】
分散媒体としての有機液体に加え、これらと水の混合物を使用することができる。
【0057】
調節剤は、粒子、好ましくは金属酸化物粒子を、ナノサイズの状態に安定化させるように作用する。これらの分散物から薄い層を(スピンコーティング、印刷等によって)製造することが用途の一つであり、調節剤は、通常、層を施した後に再度除去する必要があるので、調節剤をできるだけ少なく使用することが賢明である。一方では、分散物の安定化を持続するのに十分な安定化剤を使用する必要がある。調節剤の金属酸化物に対するモル割合は、2:1〜1:60の範囲で変動することができる。1:1〜1:30のモル割合が好ましく、1:5〜1:25のモル割合がより好ましい。
【0058】
分散物中の粒子の含有量は、0.01〜30質量%、好ましくは0.1〜10質量%、特に1〜5質量%である。
【0059】
本発明の目的のために、基材は、伝導性、半導体性、非伝導性の物質であることができる。基材の電気的、機械的、及び化学的な特性の選択は、主として用途に依存する。
【0060】
伝導性、半導体性、非伝導性の層の沈殿のための適切な基材は、この技術分野の当業者にとって公知である。
【0061】
本発明の分散物は、比較的低い温度で分解することができるので、伝導性(conductive)、半導体性、又は非伝導性に再度なることができる、ポリマー性基材への層の適用のために、特に適切である。
【0062】
特に適切なポリマー性基材は、ポリイミド(Pls、例えばKAPTONの登録商標名で得ることができるもの)、ポリエステルナフタレート(PEN、例えばTEONEXの登録商標名で得ることができるもの)、及びポリエチレンテレフタレート(PET、例えばHostaphanの登録商標名で得ることができるもの)である。
【0063】
変性された粒子は、
a)未処理の、金属、金属カルコゲニド、金属ハロゲン化物、金属ニトリド、金属ホスフィド、金属ボライド、金属フォスフェイト粒子を非プロトン性の溶媒に懸濁させる工程、
b)次に、これらを、式(I)の、1種以上の調整剤と混合し、変性した粒子を形成する工程、
によって製造することができる。
【0064】
このようにして得られた分散物は、直接的に使用することができ、又は変性した粒子を得るために、乾燥した状態に蒸発させることができる。これらは直接的に販売することができ、又は次に他の分散媒体中に再度分散させることができる。
【0065】
本方法を、ZnO分散物の好ましい生成物の例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0066】
最初に、例えば、Zn塩を反応させることにより(例えば、塩化亜鉛又はZn(CH3COO)2・H2O)を、塩基(例えば、KOH又はNaOH)と、分散媒体(例えば、アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール)中で反応させることにより)新しく沈殿したZnOを準備する。例えば、Zn塩及び適切な金属塩(例えば、Alドーピングの場合には、AlCl3、Al(OiPr)3、Alアセチルアセトナート)の混合物を、塩基と分散媒体中で反応させることによりドープしたZnO粒子が得られる。副生成物(例えば、酢酸カリウム、塩化カリウム)の沈殿した粒子を、それ自体公知の方法、例えば、ろ過、又は遠心分離によって分離することができる。必要であれば、ZnO分散物を膜法、例えばナノろ過、ウルトラろ過、マイクロろ過、又はクロスフローろ過によって、(沈殿した粒子を分離する前に)濃縮することができる。沈殿の後、及び官能化(functionalization)の前に、(例えばクロスフローろ過を使用して)溶媒の交換を行うことも可能である。
【0067】
次に、適切な調節剤が予め設定された割合で加えられ、金属酸化物粒子の透明な分散物が形成される。室温〜使用する分散媒体の沸点の範囲にわたる温度で、官能化が行われる。圧力は、通常、1ミリバール〜50バール、好ましくは大気圧(約1.013バール)である。
【0068】
このようにして得られた安定した分散物を、通常の、液体ベースの沈殿法を使用して、基材に施すことができる。沈殿のための適切な方法は、特に、ディップコーティング、スピンコーティング、又は印刷法(スクリーン印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、インクジェット印刷)であるが、これらに限られるものではない。沈殿した層の厚さは、通常、10nm〜10μm、好ましくは10nm〜2μm、特に好ましくは20nm〜200nmである。
【0069】
(伝導性、半導体性、誘電性の)仕上げられた層を製造するために、層が、約50℃〜500℃、好ましくは75℃〜300℃、より好ましくは100℃〜200℃の温度で熱的に処理される。最大温度と処理時間は、基材の熱的安定性、調節剤の分解温度、及び沈殿される層の必要とされる純度に依存する。
【0070】
熱処理では、調節剤が分解され、そして揮発性物質(すなわち、処理において、ガス状の状態で存在する物質)の状態で、沈殿した層から除去される。揮発性物質への分解は、実質的に完全であるべきであるが、しかし少なくとも、60質量%、好ましくは75質量%、より好ましくは85質量%、特に好ましくは90質量%が分解するべきである。熱処理は、空気、酸素、窒素、アルゴン、水素中で、蒸気中で、又はこれらの混合物中等で行うことができる。熱処理の継続時間は、通常、約1分〜30時間、好ましくは30分〜12時間である。種々のガスを使用した、複数の工程での処理も同様に可能である。
【0071】
この替わりに、又はこれに加え、特定の波長を有するランプ又はレーザーを使用してエネルギーを導入し、調節剤を分解することもできる。可能な波長範囲は、UV〜IR(150nm〜2500nm)である。
【0072】
ランプ、例えばHgランプ又はエキシマーランプを使用する場合、照射は、1秒〜24時間、好ましくは1分〜1時間の時間で、及び1mW/cm2〜300kW/cm2の有効出力密度で連続的に、又は10ns〜10秒の照射パルス継続時間で、及び0.02KW/cm2〜300kW/cm2の有効出力密度でパルス状に行うことができる。
【0073】
レーザーを使用する場合、照射は、10ns〜10秒の照射パルス継続時間で、及び0.02kW/cm2〜300kW/cm2の有効出力密度で行うことが好ましい。
【0074】
更なる任意の代替は、特定のエネルギー投入に加え、(金属酸化物層の表面から対応する調節剤を完全に除去するために、)層を酸性、塩基性、又はpH中性の化学物質(例えば、SO2、N2O、N24、NH3、H2O)で処理することができる。
【0075】
分解性生物は、モノエチルマノレートの例について、試験された。最大200℃の温度が、好ましい分子(化合物(IV)〜(IX))の分解のために必要である;分解は、不活性雰囲気(Ar、N2)下に、又は空気中で行うことができる。
【0076】
本発明は、更に、本発明の分散物を、伝導性層、誘電性層、及び/又は半導体性層を製造するために使用する方法を提供する。伝導性層の場合、電気的に伝導性の粒子、特に金属が製造され、そして適切な基材に施される。誘電体層の場合、金属酸化物粒子が使用され、そして半導体層の場合、ドープされた、又はドープされていない金属酸化物、金属カルコゲニド、金属ニトリド、金属ホスフィド、金属ハロゲン化物、金属ボライド又は金属フォスフェイト粒子が使用される。
【0077】
本発明は、更に、半導体成分、例えばTFTを製造するための方法を提供する。
【0078】
ドープした、又はドープしていない金属酸化物の粒子は、TFTの半導体性層として使用される。粒子は、分散物から(例えばディップコーティング、スピンコーティング、又は印刷法によって)処理し、TFTを形成し、そして(必要であれば、)焼く(焼きなます)ことができる。TFT構造、例えば、ボトム−ゲート、トップ−ゲート、トップ−コンタクト、ボトム−コンタクト等、は如何なる制限にもならない。誘電体は、有機材料、無機材料、又は有機−無機ハイブリッド材料の全てが可能である。ゲート、ソース、及びドレインコンタクト材料は、伝導性材料(例えば、Al、Au、Ag、Ti/Au、Cr/Au、ITO、Si、PEDOT/PSS等)である。適切な基材は、特に、分解温度が低い、ポリマー性及び柔軟性材料、及び他の熱的に変化し易い(不安定な)基材であるが、これらに限定されるものではない。基材、ゲート、ソース、及びドレインコンタクト材料、及び誘電体は、如何なる一次的な限定をも受けず、及び化学的/物理的な適合性、処理工程、及び所望の使用に従って選択される。金属、金属酸化物、金属ニトリド、金属ホスフィド、金属ハロゲン化物、金属ボライド、又は金属フォスフェイト粒子、及び本発明の分散物が、これらTFT成分のために可能である。
【0079】
最後に、本発明の粒子及び分散物が、透過性の伝導性層(該層は、多くの電子部品に使用可能であり、そして現在まで使用されてきた層に替わることができる。)の沈澱のために使用できる。本発明の目的のために、「透過性」はm、400nm〜800nmの範囲の電磁気照射の透過率が、80%を超えることを意味する。
【実施例】
【0080】
実施例1:Zn(OAc)2からのZnOの製造
1118mlの2−プロパノール及び36.81gのZn(OAc)2*2H2Oを、最初に2lの閉塞した装置に配置し、そして75℃に加熱した。これと平行して、584ml中の2−プロパノール中の16.38gのカリウムヒドロキシドを75℃に加熱した。次に、カリウムヒドロキシド/2−プロパノール溶液を、Zn(OAc)2懸濁液に加えた。この混合物を。425rpmで攪拌しながら75℃で1時間加熱した。室温に冷却した後、形成された酸化亜鉛を一晩、落ち着かせた。浮遊物2−プロパノールを、吸引ろ過、除去し、そして次に酸化亜鉛を、それぞれ500mlのTHFで2回洗浄した。浮遊物THFを吸引して、ろ過除去した。
【0081】
実施例2:エチルトリメチルシリルマロナートを使用したZnOの官能化
実施例1からの湿った酸化亜鉛を1lのクロロホルムと混合した。ZnO含有量が1.6g(19.66mmol)の、クロロホルム中200gのZnO懸濁液を、3.93mmolのエチルトリメチルシリルマロナート(Flukaより)と、室温で混合した。添加した後、数秒間後に、溶液は透明になった。この混合物を室温で更に15分間攪拌し、そして次に分散物を、ZnO含有量が4質量%になるまで濃縮した。
【0082】
平均直径が約10nmのZnO粒子が、粒径分布の測定(図1)及びTEM分析(図2)によって検知可能であった。
【0083】
実施例3:モノエチル3−オキソグルタル酸
(R.Willstatter,A.Pfannenstiel“Uber Succinyldiessigsaureester”,Justus Liebigs Annalen der Chemie,1921,422,1−15の変性法)
14.45g(0.099mol)の3−オキソグルタル酸(1,3−アセトンジカルボン酸)を100ml中の一首フラスコ10.2g(0.10mol)の無水酢酸に加えた。得られたスラリを、固体が均一化して黄色のオイルになるまで強く振った。更に振り、混合物が暖かくなり、そして白色の固体(3−オキソグルタル酸無水物)が、自然に沈澱した。混合物を更に5分間振り、そしてフラスコをRT(室温)で12時間保持した。次に混合物をろ過し、そして固体をそれぞれ5mlのトルエンで3回洗浄し、及び7mlのn−ヘキセンで1回洗浄した。次に残留物を、真空の乾燥オーブン内で、5時間保存した。
【0084】
第2の工程(段階)で、形成された1.84gの無水物を、30mlabs.エタノール中に溶解し、そして溶液をロータリーエバポレーター(2.10−3ミリバール、室温)直ちに蒸発させた。これにより、軽い黄色のオイルが残り、このオイルを−20℃で保管し、固めた。
【0085】
実施例4:モノエチル3−オキソグルタラートを使用したZnOの変性(ZnOの調節剤に対するモル割合=3:1)
実施例1からの湿った酸化亜鉛を、1lのメチレンクロリドと混合した。ZnOの含有量が1.6g(19.66mmol)の、メチオレンクロリド中の200gのZnO懸濁液を、実施例3からの、1.14gのモノエチル3−オキソグルタラート(6.55mmol)と、室温で混合した;分散物は、直ちに透明になった。次にメチレンクロリドをロータリーエバポレーター上で、40℃で蒸留し、そして残留物を減圧下に4時間、乾燥させた。
【0086】
得られた乾燥残留物のTG分析(加熱速度3℃/min、200℃に、10分、200℃で、次に3℃/min、400℃に;アルゴン下)に従えば、使用した調節剤の91%が200℃未満の温度で除去された。実験的に測定した質量損失は、37.8質量%で;使用した調節剤/(ZnO+調節剤)の割合は、41.6質量%であった。
【0087】
対応するTG分析を図3に示す。
【0088】
実施例5:モノエチル3−オキソグルタラートを使用したZnOの変性(ZnOの調節剤に対するモル割合=5:1)
100gの、メチレンクロリド中の酸化亜鉛(0.80gのZnO(9.83mmol))の分散物を、実施例3からの0.34g(1.97mmol)のモノエチル3−オクソグルタラートを攪拌により混合した。分散物は直ちに透明になり、そして次に蒸発させて(ある程度)乾燥させた。次に形成された軽い黄色の粉を、減圧下に4時間乾燥させた。
【0089】
対応する乾燥した粉のTG分析(加熱速度3℃/min、200℃に、10分、200℃で、次に3℃/min、400℃に;アルゴン下)に従えば、使用した調節剤の88%が200℃未満の温度で除去された。実験的に測定した質量損失は、26.6質量%で;使用した調節剤/(ZnO+調節剤)の割合は、30.1質量%であった。
【0090】
対応するTG分析を図4に示す。
【0091】
実施例6:モノエチル3−オキソグルタラートを使用したZnOの変性(ZnOの調節剤に対するモル割合=29:1)
実施例1からの湿った酸化亜鉛を1lのメチレンクロリドと混合した。ZnO含有量が1.6g(19.66mmol)の、メチレンクロリド中200gのZnO懸濁液を、0.12gのモノエチル3−オキソグルタラート(0.67mmol)と、室温で混合した;分散物は、直ちに透明になった。次に、ロータリーエバポレーター上で、40℃で、メチレンクロリドを蒸留し、そして残留物を減圧下に4時間、乾燥させた。
【0092】
比較例A:2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸を使用したZnOの官能化
実施例1からの湿った酸化亜鉛を、1lのTHFと混合した。3.5gの2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(Fluka)を、この懸濁液に加えた。形成された混合物を、攪拌しながら加熱して沸騰させ、そしてこの温度で、30分間維持した。懸濁液は透明になった。次にTHFをロータリーエバポレーター上で、60℃で蒸留し、そして残留物を減圧下に4時間、乾燥させた。
【0093】
得られた官能化したZnO粉のTG分析(加熱速度5℃/min、200℃に、60分、200℃で、次に5℃/min、500℃に;空気下)に従えば、200℃未満で除去された有機成分は僅か23%であった。室温〜200℃の温度範囲で、実験的に測定した質量損失=5.8質量%で;室温〜500℃の合計損失=25.3質量%であった。
【0094】
対応するTG分析を図5に示す。
【0095】
比較例B:エトキシ酢酸を使用したZnOの官能化
実施例1からの湿った酸化亜鉛を、1lのTHFと混合した。5gのエトキシ酢酸(Fluka)を、この懸濁液に加えた。形成された混合物を、攪拌しながら加熱して沸騰させ、そしてこの温度で、30分間維持した。懸濁液は透明になった。次にTHFをロータリーエバポレーター上で、60℃で蒸留除去し、そして残留物を減圧下に4時間、乾燥させた。
【0096】
得られた官能化したZnO粉のTG分析(加熱速度5℃/min、200℃に、60分、200℃で、次に5℃/min、500℃に;空気下)に従えば、200℃未満の温度で除去された有機成分は僅か28%であった(室温〜200℃の温度範囲で、実験的に測定した質量損失は、8.7質量%で;室温〜500℃の合計損失は、31.6質量%であった)。
【0097】
対応するTG分析を図6に示す。
【0098】
実施例7:TFT(ボトム−ゲート、トップ−コンタクト構造)の製造
実施例6に従う、ZnOの含有量が4質量%の、メチレンクロリド中の分散物の3滴を、ブチルグリコールの5体積%と混合し、そしてスピンコーティング(4000rpm、30s)によって、(SiO2誘電性層(200nm)を有する)洗浄したSi(ドープした)基材に施した。次にサンプルを200℃に加熱し、そして200℃で1時間維持した。
【0099】
アルミニウムの熱的な蒸気沈澱によて、トップコンタクト ソース/ドレン構造を製造した。対応するトランジスタの代表的な出発曲線(starting curve)(AK)及び移動曲線(transfer curve)(TK)を図7及び8に示す(VD:ソースとドレイン間の電圧、VG:ソースとゲート間の電圧、ID:ソースとドレイン間の電流)。
【0100】
以下の平均パラメーターが測定(決定)された:モビリティμ:3*10-3cm2/(V*s)、オン/オフ割合:105、VTしきい電圧:12V。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属、金属ハロゲン化物、金属カルコゲニド、金属ニトリド、金属ホスフィド、金属フォスフェイト、金属ボライド、又はこれらの混合物を含む粒子であって、平均粒径が1〜500nmであり、そしてその表面が以下の式(I)(II)及び(III)
【化1】

(但し、
1が、O、S、及びSeから選ばれ、
2が、OH、OCH3、OC25、COOH、OSi(R13-x-y(R2y(R3xから選ばれ、
x、yが、それぞれ、互いに独立して、0、1、2、又は3であり、及びxとyの合計が3以下であり、
1、R2、R3、R4が、独立して、H、C1−C10−アルキルから選ばれ、
3が、O、S、Se及びCH2から選ばれ、
n、m、pが、それぞれ、互いに独立して、0、1、2、又は3、好ましくは0、1、2、及び特に好ましくは1であり、
4が、O、S、Se、C=O、−R4C=CH−、OCH2から選ばれ、
5が、H、OH、OCH3、OC25、OSi(R1(3-x-y)(R2x(R3y、COOR5、OCOOR5から選ばれ、
5が、C1−C4−アルキルから選ばれ、
6が、SH、NH2、OSi(R13-x-y)(R2y(R3xから選ばれ、
7が、C1−C10−アルキレン、O、S、Se、Teから選ばれ、
rが、1〜1000の整数であり、
6が、H、C1−C10−アルキル及びハロゲンから選ばれる)
から選ばれる調節剤で変性されていることを特徴とする粒子。
【請求項2】
粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の粒子。
【請求項3】
金属酸化物が、Ti、Zr、Zn、Ga、In、Ge、Sn、Ce、Sb、Biから成る群から選ばれる、少なくとも1種の金属を含むことを特徴とする請求項2に記載の粒子。
【請求項4】
金属酸化物が、ZnO、In23、SnO2、Ga23、Zn2SnO4、ZnSnO3、Zn2In25、Zn3In26、In4Sn312、GaInO3、アモルファスIn−Ga−Znオキシドから成る群から選ばれることを特徴とする請求項3に記載の粒子。
【請求項5】
Sn−、Al−、Sb−、Ga−、Bi−、In−、Mg−、Li−、H−、OH−、N−ドープしたZnO、Al−ドープしたMgO、及びSn−ドープしたIn23から選ばれることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の粒子。
【請求項6】
平均径が、5〜100nm、特に10〜50nmであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の粒子。
【請求項7】
1種以上の調節剤が、式Ia〜Ihの化合物、
【化2】

(但し、n、p、X1、X2、X4、及びX5が、請求項1に定義されたものであり、R1、R2、及びR3が、C1−C10−アルキル、特に好ましくはメチル、エチル、及びt−ブチルから選ばれる)
から選ばれることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の粒子。
【請求項8】
1種以上の調節剤が、
【化3】

から選ばれることを特徴とする請求項7に記載の粒子。
【請求項9】
調節剤の粒子に対するモル割合が、2:1〜1:60、特に1:1〜1:30、特に好ましくは1:25〜1:5であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の粒子。
【請求項10】
調節剤の分解温度が250℃未満、特に200℃未満であることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の粒子。
【請求項11】
a)未処理の粒子を非プロトン性の溶媒に懸濁させる工程、
b)次に、これらを、請求項1に定義した式(I)の、1種以上の調整剤と混合し、変性した粒子を形成する工程、
を含むことを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の変性した粒子を製造するための方法。
【請求項12】
(a)平均粒径が1〜500nmの、金属、金属カルコゲニド、金属ハロゲン化物、金属ニトリド、金属ホスフィド、金属ボライド、金属フォスフェイト粒子、又はこれらの混合物、
(b)以下の式(I)(II)及び(III)
【化4】

(但し、
1が、O、S、及びSeから選ばれ、
2が、OH、OCH3、OC25、COOH、OSi(R13-x-y(R2y(R3xから選ばれ、
x、yが、それぞれ、互いに独立して、0、1、2、又は3であり、及びxとyの合計が3以下であり、
1、R2、R3、R4が、独立して、H、C1−C10−アルキルから選ばれ、
3が、O、S、Se及びCH2から選ばれ、
n、m、pが、それぞれ、互いに独立して、0、1、2、又は3、好ましくは0、1、2、及び特に好ましくは1であり、
4が、O、S、Se、C=O、−R4C=CH−、OCH2から選ばれ
5が、H、OH、OCH3、OC25、OSi(R1(3-x-y)(R2x(R3y、COOR5、OCOOR5から選ばれ、
5が、C1−C4−アルキルから選ばれ、
6が、SH、NH2、OSi(R13-x-y)(R2y(R3xから選ばれ、
7が、C1−C10−アルキレン、O、S、Se、Teから選ばれ、
rが、1〜1000の整数であり、
6が、H、C1−C10−アルキル及びハロゲンから選ばれる)
から選ばれる1種以上の調節剤、
(c)分散媒体、
を含む分散物。
【請求項13】
分散媒体が、沸点が100℃未満の有機液体から選ばれることを特徴とする請求項12に記載の分散物。
【請求項14】
分散媒体が、3〜10・10-30C・mの双極子モーメントを有する有機液体から選ばれることを特徴とする請求項12又は13の何れかに記載の分散物。
【請求項15】
分散した粒子の含有量が、0.1〜10質量%、特に1〜5質量%であることを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載の分散物。
【請求項16】
a)請求項1〜11の何れか1項に記載の表面−変性された粒子及び分散媒体を含む分散物を製造する工程、
b)分散物を基材に施す工程、
c)分散媒体を除去する工程、
d)100℃〜500℃の温度処理によって、又は電磁気の放射で、調節剤を揮発性物質に変換する工程、
を含むことを特徴とする基材に層を沈澱させる方法。
【請求項17】
基材が、ポリマー基材であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項16又は17の何れかに記載の方法によって得ることができる基材と層を含む複合体。
【請求項19】
層が伝導性であり、及び透過性であることを特徴とする請求項18に記載の複合体。
【請求項20】
請求項16又は17の何れかに記載の方法によって得ることができる層、又は請求項18又は19に記載の複合体を含む、電子部品、特にFET。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−501941(P2012−501941A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525509(P2011−525509)
【出願日】平成21年8月28日(2009.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061103
【国際公開番号】WO2010/026102
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】