説明

外側継手部材および等速自在継手

【課題】表面硬度を下げることなく、捩り強度向上を図ることができるトルク伝達用軸部品、このようなトルク伝達用軸部品を用いた外側継手部材、このような外側継手部材を用いた等速自在継手、及び、このような等速自在継手を用いたドライブシャフトアッセンブリを提案する。
【解決手段】トルク伝達用軸部品はS47C〜S58C相当材を用い、剪断型破壊になるように、硬度が変化する勾配区間を調整した。トルク伝達用軸部品が、マウス部3とマウス部3の底壁3aから突設されるステム部4とを備えた外側継手部材10である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルク伝達用軸部品、外側継手部材、等速自在継手、プロペラシャフト、およびドライブシャフトアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
等速自在継手は、入出力軸間の角度変位のみを許容する固定式と、角度変位および軸方向変位を許容する摺動式に大別され、それぞれ用途・使用条件等に応じて機種選定される。
【0003】
固定式、摺動式のいずれの等速自在継手も、外側継手部材、内側継手部材、トルク伝達部材、シャフト及びブーツを主な構成要素とする。外側継手部材は、一端で開口するカップ状の部位(マウス部)と、このマウス部の底壁から突設されるステム部とを備える。そして、内側継手部材は、このマウス部内に配置される。トルク伝達部材は、前記外側継手部材と前記内側継手部材との間でトルクを伝達する。シャフトは、前記内側継手部材にトルク伝達可能に連結され前記外側継手部材のマウス部の開口から延出する。ブーツは、一端が前記外側継手部材の外周面に固定されると共に他端が前記シャフトの外周面に固定され、弾性的に屈曲自在である。
【0004】
このような外側継手部材は、一般的には、機械構造用鋼材によって、一体に形成されるのであるが、特許文献1に記載のように、マウス部のトラック溝を含む内面とステム部外周面とには、焼入れ焼戻しによる硬化層が形成されている。これによって、当該トラック溝の転がり疲労寿命を確保し、同時にステム部の捩り強度や繰り返し負荷に対する疲労破壊強度を確保して、外側継手部材としての機能を強度的に保証している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−9583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
外側継手部材のステム部には、その外周面(外径面)にはトルク伝達用のセレーション部(スプライン部)が形成される。このため、外側継手部材のステム部において、セレーション部のマウス部側の端部が、捩り破壊の最も起こり易い部位となっている。
【0007】
ところで、自動車用の等速自在継手においては燃料向上のため小型軽量化が追求される。また、エンジンの高性能に伴って外側継手部材に作用する負荷トルクが一層高くなり、これに耐える外側継手部材を必要としている。さらに、外側継手部材のマウス部の耐久性を確保するため硬化部表面硬度をHRC58〜HRC63に規定する必要があり、材質としてS47C〜S58C相当が望ましい。このため、このステム部の硬化部表面硬度も同様に高くなる。このように、表面硬度が高くなれば、セレーション部とマウス部の底壁との間の切欠部における割れ感受性が高くなるという弊害が生じる。
【0008】
このため、前記特許文献1に記載のものでは、セレーション端部近傍の表面硬度を低く調整することにより、ステム部の捩り破壊トルクを高めるようにしている。
【0009】
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、表面硬度を下げることなく、捩り強度向上を図ることができるトルク伝達用軸部品、このようなトルク伝達用軸部品を用いた外側継手部材、このような外側継手部材を用いた等速自在継手、及び、このような等速自在継手を用いたドライブシャフトアッセンブリを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のトルク伝達用軸部品は、表面硬化処理部を有するトルク伝達用軸部品であって、S47C〜S58C相当材を用い、剪断型破壊になるように、硬度が変化する勾配区間を調整したものである。勾配区間を3.5mm以上とすることによって調整することができる。
【0011】
本発明のトルク伝達用軸部品によれば、硬化処理におけるヒートパターンの勾配を、勾配区間を調整することによって、この種の従来におけるヒートパターンの勾配よりも緩やかにすることができる。このため、硬度分布全体における硬さの偏りが抑えられ捩れ易くなる。すなわち、表面の硬度の高い部位からなだらかに硬度が低下するので、捩れ易くなる。
【0012】
本発明の外側継手部材は、前記トルク伝達用軸部品が、マウス部とこのマウス部の底壁から突設されるステム部とを備えた外側継手部材であって、ステム部に表面硬化処理部が形成されている。そして、このような外側継手部材を、固定式等速自在継手に用いても、摺動式等速自在継手に用いてもよい。また、等速自在継手として自動車のプロペラシャフト用とすることができる。
【0013】
本発明のドライブシャフトアッセンブリは、アウトボード側の等速自在継手と、インボード側の等速自在継手と、これらの等速自在継手を連結するシャフトとを備えたドライブシャフトアッセンブリであって、少なくともいずれか一方の等速自在継手の外側継手部材に前記外側継手部材を用いたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のトルク伝達用軸部品では、従来におけるヒートパターンの勾配よりも緩やかにすることができる。このため、硬度分布全体における硬さの偏りが抑えられ捩れ易くなり、破壊モードが主応力型から剪断型に移行し捩り強度が向上する。また、主応力型破壊に至った場合でも、捩れ易くなるため剪断型破壊に近い破壊モードとなる。特に、勾配区間を3.5mm以上とすることによって、一層剪断型破壊する頻度が高くなって、高強度化を図ることができる。
【0015】
このため、このトルク伝達用軸部品を等速自在継手の外側継手部材に用いれば、ステム部の破壊強度を高めることで、等速自在継手全体の高強度化に繋がり、小型軽量化や伝達効率向上等の自動車メーカの要求事項に応じ、社会的に貢献する。プロペラシャフト用の等速自在継手に最適となる。
【0016】
トルク伝達用軸部品にて構成された外側継手部材を使用した等速自在継手を用いたドライブシャフトアッセンブリでは、小型軽量化を図るとともに伝達効率に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態を示す外側継手部材の一部断面で示す側面図である。
【図2】トルク伝達用軸部品の硬化部における硬さと表層からの深さとの関係を示すグラフ図である。
【図3】トルク伝達用軸部品の硬化部における硬さと表層からの深さとの関係を簡略化したグラフ図である。
【図4】本発明の実施形態を示す等速自在継手の断面図である。
【図5】本発明の実施形態を示すドライブシャフトアッセンブリの断面図である。
【図6】捩りトルクと捩れ角度との関係を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。
【0019】
図1は本発明のトルク伝達軸部品としての外側継手部材を示し、この外側継手部材10は、内径面1に複数本のトラック溝2が形成されたマウス部3と、このマウス部3の底壁3aから突設されるステム部4とからなる。ステム部4は、軸方向中間に設けられるスプライン部5と、反マウス部側の端部の雄ねじ部6とを有する。また、スプライン部5と雄ねじ部6との間にくびれ部7が設けられるとともに、スプライン部5とマウス部3の底壁3aとの間には、周方向凹溝からなる首部8が設けられている。
【0020】
ところで、外側継手部材は、少なくとも、ステム部4の表面部及びトラック溝2の底壁には硬化層S、S1が形成されている。この硬化層S、S1は高周波焼入れにて形成される。ステム部4の硬化層Sは、軸方向範囲においては、図1のクロスハッチングで示すように、マウス部3の底壁3aの一部からスプライン部5の反マウス部側の端部までである。なお、周方向範囲においては、一部のみ記載されているが、実際には周方向全周である。
【0021】
高周波電流の流れているコイル中に焼入れに必要な部分を入れると、電磁誘導作用により誘導起電力が生ずる。この電磁誘導作用により、ジュール熱が発生することを利用して、伝導性物体を過熱する原理を応用した焼入れ方法が高周波焼入れである。導電中を移動する自由電子が原子と衝突して、原子運動が激しくなり、消費される電力は、熱エネルギーにかわる。いわゆるジュールの法則を利用した焼入れ方法である。高周波焼入れの場合、上記原理に基づき、鋼を焼入れ温度まで急速加熱し、急冷する操作を行う。高周波焼入れは、次の利点がある。部分焼入れが出来る。疲労強度を上げることが出来る。耐摩耗性の向上。材質が安価な炭素鋼でよい。焼入れ条件の調整が容易で、有効深さ等調整できる。
【0022】
この外側継手部材10は、S47C〜S58C相当材の機械構造用炭素鋼等が用いられる。このため、通常の高周波焼入れを行えば、硬化部の表面硬度がHRC60程度となる。従って、スプライン部5のマウス部側の端部(図1の矢印で示す部位)にて主応力型破壊し易くなる。
【0023】
ところで、図6は捩れトルクと捩れ角度との関係を示している。この図6からわかるように、捩れ角度が大きく(高く)なるに伴って捩りトルクが高くなる。また捩れ角度が小さい(少ない)と脆性的な主応力型破壊し、捩れ角度が高いと延性的な剪断型破壊する。捩れ角度は硬さに依存しており、硬度が低い方がより捩れ易くなる。このため、剪断型破壊する方が高強度である。
【0024】
そこで、本発明では、図2に示すように、剪断型破壊になるように、硬度が変化する勾配区間(表面硬化処理部(硬化部)Sでの表面から内部母材までの間)を調整した。すなわち、勾配区間を長く確保した。
【0025】
図2において、○が従来のヒートパターンにて高周波焼入れを行った場合を示し、△は本発明のように勾配区間を大きくした場合(本発明のヒートパターン)を示している。図2の縦軸は硬さを示し、横軸は表面硬化処理部での表面(表層)からの深さを示している。勾配区間は、表面硬度が低下した点から内部硬度(内部母材の硬度)に至る点までの範囲である。すなわち、この勾配区間は、従来パターンのものでは、2mm〜3mm程度であるのに対して、本発明では、勾配区間を3・5mm以上とした。
【0026】
剪断型破壊になるように、硬度が変化する勾配区間を長くするには、高周波焼入れ時において、高周波焼入れ装置のコイルに印加する高周波電流の周波数および出力等を調整すればよい。このように、制御すれば、図3に示すように、表層以降の硬度を従来のパターンよりも穏やかに下げることができ、内部の母材硬度に至るまで同一勾配として繋がるように内部側の硬度を上げることができた。
【0027】
本発明では、硬化処理におけるヒートパターンの勾配を、勾配区間を調整することによって、この種の従来におけるヒートパターンの勾配よりも緩やかにすることができる。このため、硬度分布全体における硬さの偏りが抑えられ捩れ易くなる。すなわち、表面の硬度の高い部位からなだらかに硬度が低下するので、捩れ易くなる。したがって、硬度分布全体における硬さの偏りが抑えられ捩れ易くなり、破壊モードが主応力型から剪断型に移行し捩り強度が向上する。また、主応力型破壊に至った場合でも捩れ易くなるため剪断型破壊に近い破壊モードとなる。
【0028】
表1は、硬度が変化する勾配区間と破壊モードとの関係を示したものである。すなわち、勾配区間が3mmまでは、主応力型破壊の発生頻度が高く、3mmを越えると剪断型破壊の発生頻度が高くなる。このため、勾配区間を3.5mm以上とすることによって、一層剪断型破壊する頻度が高くなって、高強度化を図ることができる。
【表1】

【0029】
ところで、S47C以上の炭素含有量の炭層鋼では脆性的な主応力型破壊が生じ強度低下しやすいものである。そこで、このような鋼材に対して強度向上のため、本願発明では、「剪断型破壊になるように、硬度が変化する勾配区間を長く確保した」ものである。しかしながら、S47C未満の炭素含有量の炭層鋼においては延性的な剪断型破壊するため、脆性的な主応力型破壊の可能性が低い。このため、勾配区間規制の適用が逆効果となり強度低下を招くことがある。そこで、前記したように、S47C以上の機械構造用炭層鋼等を用いるのが好ましい。なお、S58Cを越えた炭素含有量の炭層鋼を使うと硬くなりすぎ、脆くなって次工程の加工が難しくなるので、前記したように、S58C以下の炭素含有量の機械構造用炭層鋼が好ましい。
【0030】
図4は前記外側継手部材10を用いた等速自在継手を示している。この等速自在継手は、前記外側継手部材10と、外径面15に外側継手部材10のトラック溝2と対をなす複数のトラック溝16が形成された内側継手部材17と、外側継手部材10のトラック溝2と内側継手部材17のトラック溝16との間に介在してトルクを伝達する複数のボール18と、外側継手部材10の内径面1と内側継手部材17の外径面15との間に介在してボール18を保持するケージ19とを備えている。ケージ19には、ボール18が収容される窓部20が周方向に沿って複数配設されている。
【0031】
また、内側継手部材17の軸心孔の内径面には雌スプライン21が形成され、この内側継手部材17の軸心孔にシャフトの端部が嵌入される。このシャフトの端部には雄スプラインが形成され、この雄スプラインが内側継手部材17の軸心孔の雌スプライン21に嵌合される。
【0032】
この外側継手部材10では、ステム部4の破壊強度を高めることができ、この外側継手部材10を用いた等速自在継手では、等速自在継手全体の高強度化に繋がり、小型軽量化や伝達効率向上等の自動車メーカの要求事項に応じ、社会的に貢献する。プロペラシャフト用の等速自在継手に最適となる。
【0033】
次に、図5はドライブシャフトアッセンブリを示し、このドライブシャフトアッセンブリは、アウトボード側の等速自在継手30と、インボード側の等速自在継手31と、これらの等速自在継手30、31を連結するシャフト32とを備える。車体に取付けた状態で車幅方向の外側寄りとなる側をアウトボード側と呼び、車幅方向の中央寄りとなる側をインボード側と呼ぶ。
【0034】
アウトボード側の等速自在継手30は、前記図4に示す固定式等速自在継手と同様の構成である。このため、図4と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。また、シャフト32は、アウトボード側の端部に雄スプライン32aが形成され、この雄スプライン32aが内側継手部材17の軸心孔に嵌入され、雌スプライン21に嵌合する。
【0035】
等速自在継手30の開口部は、ブーツ35にて密封されている。ブーツ35は、大径部35aと、小径部35bと、大径部35aと小径部35bとを連結する蛇腹部35cとからなる。そして、大径部35aが外側継手部材10の外径面の開口部側のブーツ装着部37に外嵌され、その外嵌された状態で大径部35aに対してブーツバンド36を締め付ける。これによって、大径部35aが外側継手部材10のブーツ装着部に装着される。また、シャフト32には、周方向溝が形成されたブーツ装着部38が形成され、このブーツ装着部38にブーツ35の小径部35bが外嵌され、その外嵌された状態で小径部35bに対してブーツバンド36を締め付ける。
【0036】
インボード側の等速自在継手31は、トリポード型等速自在継手であって、トリポード型等速自在継手は、内周面に軸方向に延びる三本のトラック溝41が形成され、各トラック溝41の両側でそれぞれ軸方向に延びるローラ案内面41aを有する外側継手部材40と、半径方向に突出した三本の脚軸42を有するトリポード部材43と、前記トリポード部材43の脚軸42に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材40のトラック溝41に転動自在に挿入されたローラ部材43とを備える。
【0037】
トリポード部材43は、軸心孔が形成されたボス44と、このボス44から半径方向に突出した前記三本の脚軸42とからなる。軸心孔の内径面には雌スプライン45が形成されている。また、シャフト32のインボード側の端部には雄スプライン32bが形成され、この雄スプライン32bがトリポード部材43の軸心孔に嵌入され、雌スプライン45に嵌合する。
【0038】
等速自在継手31の開口部は、ブーツ55にて密封されている。ブーツ55は、大径部55aと、小径部55bと、大径部55aと小径部55bとを連結する蛇腹部55cとからなる。そして、大径部55aが外側継手部材40の外径面の開口部側のブーツ装着部57に外嵌され、その外嵌された状態で大径部55aに対してブーツバンド56を締め付ける。これによって、大径部55aが外側継手部材40のブーツ装着部57に装着される。また、シャフト32には、周方向溝が形成されたブーツ装着部58が形成され、このブーツ装着部58にブーツ55の小径部55bが外嵌され、その外嵌された状態で小径部55bに対してブーツバンド56を締め付ける。
【0039】
外側継手部材40は、トラック溝41を有するマウス部60と、このマウス部60の底壁60aから突設されるステム部61とからなる。ステム部61は、大径の基部61aと、中径の中間部61bと、先端のスプライン61cと、スプライン61cと中間部61bとの間の溝形成部61dとを備える。
【0040】
この場合の外側継手部材40のステム部61においてもその表面に硬化層(硬化部)を設けることになる。このため、硬化層(硬化部)としては、従来のヒートパターン勾配によって、形成してもよいが、剪断型破壊になるように、硬度が変化する勾配区間を長く確保するようできる。
【0041】
このため、トルク伝達用軸部品にて構成された外側継手部材を使用した等速自在継手を用いたドライブシャフトアッセンブリでは、小型軽量化を図るとともに伝達効率に優れたものとなる。
【0042】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、本発明に係る外側継手部材を用いて固定式等速自在継手を構成する場合、固定式等速自在継手として、前記実施形態のようなバーフィールドタイプに限らず、アンダーカットフリータイプ等の固定式等速自在継手であってもよい。また、摺動式等速自在継手である場合、トリポード型等速自在継手に限らず、ダブルオフセットタイプやクロスグルーブタイプ等の摺動式等速自在継手であってもよい。なお、トルク伝達用軸部品として等速自在継手の外側継手部材に限るものではなく、例えば、図5に示すドライブシャフトアッセンブリのシャフト32等であってもよい。また、勾配区間を前記実施形態では、3.5mm以上としたが、この範囲の上限については、硬化層(硬化処理部)Sを設ける部位の軸径、材質等に応じて種々設定できる。しかしながら、あまり範囲が大きければ、表層の硬化範囲(硬度が低下するまでの範囲)が小さくなって、硬化層Sの機能を発揮できないおそれがある。このため、上限については、10mm程度とするのが好ましい。
【符号の説明】
【0043】
3 マウス部
3a 底壁
4 ステム部
10 外側継手部材
30、31 等速自在継手
32 シャフト
S 硬化層(表面硬化処理部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面硬化処理部を有するトルク伝達用軸部品であって、S47C〜S58C相当材を用い、剪断型破壊になるように、硬度が変化する勾配区間を調整したことを特徴とするトルク伝達用軸部品。
【請求項2】
前記勾配区間を3.5mm以上として調整したことを特徴とする請求項1に記載のトルク伝達用軸部品。
【請求項3】
前記請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のトルク伝達用軸部品が、マウス部とこのマウス部の底壁から突設されるステム部とを備えた外側継手部材であって、ステム部に表面硬化処理部が形成されていることを特徴とする外側継手部材。
【請求項4】
固定式等速自在継手に用いることを特徴とする請求項4に記載の外側継手部材。
【請求項5】
摺動式等速自在継手に用いることを特徴とする請求項4に記載の外側継手部材。
【請求項6】
自動車のプロペラシャフト用の等速自在継手であって、前記請求項4に記載の外側継手部材を用いたことを特徴とする等速自在継手。
【請求項7】
アウトボード側の等速自在継手と、インボード側の等速自在継手と、これらの等速自在継手を連結するシャフトとを備えたドライブシャフトアッセンブリであって、少なくともいずれか一方の等速自在継手の外側継手部材に前記請求項4に記載の外側継手部材を用いたことを特徴とするドライブシャフトアッセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−67825(P2012−67825A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−212285(P2010−212285)
【出願日】平成22年9月22日(2010.9.22)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】