説明

外径寸法測定装置

【課題】 搬送ベルト等の交換頻度を低下させると共に、不良ワーク排除の確実性とワーク搬送効率とを両立させることが可能な外径寸法測定装置を提供する。
【解決手段】 線状の搬送ベルト18を搬送経路Rに沿って左右並列に案内するベルト案内手段と、搬送経路R上の測定位置AにおいてワークWの外径寸法を測定するレーザ測定装置5と、このレーザ測定装置5で測定された外径寸法に基づいて不良と判定されたワークWを排除位置Bで搬送経路Rから排除する不良ワーク排除手段7とを有する搬送測定手段2を備えた外径寸法測定装置で、ベルト案内手段を、搬送ベルト18を搬送経路R上の複数箇所で転支するように配置された複数のプーリにより構成し、搬送ベルト18を、断面略円形の1本の線材で構成し、測定位置Aと排除位置Bとを含む所定範囲内における搬送ベルトの左右間隔Xaを搬送経路R上のその他の部分よりも狭くしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円柱状、円筒状等のワークを搬送ベルトにより搬送しつつそのワークの外径寸法をレーザ測定装置により測定可能な外径寸法測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばセンタレス研削盤によりワークの研削を行う場合には、例えばその下流側に搬送コンベヤとレーザ測定装置とを有する外径寸法測定装置を配置し、スルーフィード研削後のワークを搬送コンベヤで搬送する間に、そのワークの外径寸法をレーザ測定装置によりオンラインで測定して、全ワークについての寸法管理を行う場合がある。
【0003】
このような場合に用いられる外径寸法測定装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1に記載の外径寸法測定装置は、搬送経路に沿って左右並列に配設された例えば縒り線状の搬送ベルトと、この搬送ベルトにより下側左右を支持された円柱状等のワークをその軸方向に搬送すべく搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段と、搬送経路上の所定の測定位置を挟んで上下に配置された投光手段と受光手段とを有し且つ搬送中のワークの外径寸法を測定するレーザ測定装置とを備え、ワークが搬送ベルト上に乗せられて測定位置を通過する際に、投光手段からそのワークに対して上側からレーザ光を照射すると共にワークの下側で受光手段によりそのレーザ光を受光し、その受光手段による受光情報に基づいて、ワークで遮られたレーザ光によりワークの外径寸法を算出するようになっている。
【0004】
搬送ベルトは、搬送経路の下流端側及び上流端側に配置された駆動プーリ及び従動プーリと、測定位置の上流側及び下流側に設けられた一対の中間プーリとを含む複数のプーリに巻き掛けられている。各プーリには、搬送ベルトを巻き掛けるための左右一対のガイド溝が環状に形成されているが、中間プーリに設けられた左右のガイド溝は、その間隔が駆動プーリ及び従動プーリのそれよりも小さく形成されている。
【0005】
これにより、測定位置及びその近傍では左右の搬送ベルトの間隔を狭くして、搬送ベルトがワークの左右に張り出すことによる測定精度の低下を回避し、それ以外の位置では搬送ベルトの左右間隔をなるべく広くして、搬送の安定性を高めている。
【0006】
また、搬送ベルトは、中間プーリと駆動プーリ及び従動プーリとの間に配置されたベルトガイドにより上向き円弧状に案内されている。このベルトガイドは、略円弧状に形成された案内面を有する固定の金属部材で、搬送ベルトはその案内面に摺接して案内されるようになっている。
【特許文献1】特開2004−170171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の従来の外径寸法測定装置では、搬送ベルトはベルト案内手段の案内面に摺接しつつワークを搬送するようになっているため、搬送ベルトと案内面との摩擦による搬送ベルトの摩耗が激しく、搬送ベルト及びベルトガイドを頻繁に交換しなければならないという問題があった。
【0008】
特に、搬送ベルトとして縒り線ワイヤを用いているため、その縒り線のうちの1本でも断線すると、その断線部分が解れてレーザ光を遮断し、レーザ測定装置が誤測定する可能性があり、またワークがその解れ部分に乗って姿勢が崩れ、搬送中に落下したり外径寸法の測定精度が低下する恐れもある。そのため、縒り線が1本でも切断すれば、強度的には問題がなくてもその搬送ベルトは交換せざるを得ず、搬送ベルトの交換頻度をより一層増加させていた。
【0009】
また、従来の外径寸法測定装置においては、外径寸法の測定位置及びその近傍以外の部分では搬送の安定性を重視して搬送ベルトの左右間隔を広げているため、例えば、外径寸法の測定結果に基づいて不良と判定されたワークを搬送経路から排除するためのエアブローによる不良ワーク排除手段を測定位置よりも下流側に設ける場合、不良ワーク排除の確実性とワーク搬送効率とを両立させることが難しいという問題があった。
【0010】
即ち、左右間隔の広い搬送ベルトで安定的に搬送されているワークをエアブローにより搬送ベルト上から確実に排除しようとすると、エアの噴射力を相当高く設定する必要があるが、エアの噴射力を高くしてワーク排除の確実性を高めると、その前後の良品ワークまで搬送ベルトから脱落してしまう可能性があり、それを防止するためにはワークの搬送間隔を広げざるを得ないということになる。
【0011】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、搬送ベルト等の交換頻度を低下させると共に、不良ワーク排除の確実性とワーク搬送効率とを両立させることが可能な外径寸法測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、円筒表面を有するワークを所定の搬送経路に沿って搬送しつつその外径寸法を測定する搬送測定手段を備え、該搬送測定手段は、線状の搬送ベルトと、該搬送ベルトを上向き略円弧状の前記搬送経路に沿って左右並列に案内するベルト案内手段と、前記搬送ベルトにより下側左右を支持された前記ワークをその軸方向に搬送すべく前記搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段と、前記搬送経路上の所定の測定位置を挟んで上下に配置された投光手段と受光手段とを有し且つ搬送中の前記ワークの外径寸法を測定するレーザ測定装置と、該レーザ測定装置で測定された外径寸法に基づいて不良と判定されたワークを、前記搬送経路上における上記測定位置よりも下流側の所定の排除位置で前記搬送経路から排除する不良ワーク排除手段とを備えた外径寸法測定装置において、前記ベルト案内手段は、前記搬送ベルトを前記搬送経路上の複数箇所で転支するように配置された複数のプーリにより構成され、前記搬送ベルトは、断面略円形の1本の線材で構成されており、前記搬送経路上における前記測定位置と前記排除位置とを含む所定範囲内における前記搬送ベルトの左右間隔を、前記搬送経路上のその他の部分よりも狭くしたものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上記のように構成されているため、搬送ベルトとベルト案内手段との間に生じる摩擦力は極めて小さく、従って搬送ベルト及びベルト案内手段の摩耗等による交換頻度を少なくすることが可能であり、部品交換の手間とコストとを大幅に削減できる。
【0014】
また、搬送ベルトは、縒り線ではなく断面略円形の1本の線材で構成されているため、多少の摩耗ではワークWの搬送姿勢に大きな影響を与えることがなく、この搬送ベルトの交換頻度を更に少なくすることができる。
【0015】
また、搬送経路上における測定位置と排除位置とを含む所定範囲内における搬送ベルトの左右間隔を、搬送経路上のその他の部分よりも狭くしているため、排除位置においてはワークは左右間隔が狭い搬送ベルト上で比較的不安定な状態で支持されることとなり、不良ワーク排除手段は小さな噴射力で確実に搬送ベルト上から不良ワークを吹き飛ばすことができ、排除エラーの発生を抑制できる。
【0016】
このように、本発明によれば、搬送ベルト等の交換頻度を低下させると共に、不良ワーク排除の確実性とワーク搬送効率とを両立させることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図17は、本発明の一実施形態を例示している。図1〜図3において、1は外径寸法測定装置で、センタレス研削盤0の下流側に配置されている。
【0018】
外径寸法測定装置1は、センタレス研削盤0によるスルーフィード研削後の円柱工作物等、円筒表面を有するワークWを搬送しつつその外径寸法をインラインで測定するためのもので、ワークWを搬送経路Rに沿って搬送しつつその外径寸法を測定する搬送測定手段2と、この搬送測定手段2を支持する支持手段3とで構成されている。
【0019】
搬送測定手段2は、搬送経路Rに沿ってワークWを搬送する搬送手段4と、搬送経路R上の測定位置Aの近傍に配置されたレーザ測定装置5と、測定位置Aよりも上流側で搬送経路Rに沿って1又は複数配置された付着物除去手段6と、搬送経路R上で且つ測定位置Aよりも下流側の排除位置Bの近傍に配置された不良ワーク排除手段7と、搬送経路Rの下流端側でワークを排出するワーク排出手段8と、それら搬送手段4、レーザ測定装置5、付着物除去手段6、不良ワーク排除手段7、ワーク排出手段8等が装着される装着ベース板9及び支持ベース板10とを備えている。
【0020】
搬送手段4は、駆動プーリ11、従動プーリ12、一対の測定部大径プーリ13a,13b、一対の測定部小径プーリ14a,14b、複数の中間案内プーリ15a〜15e、排出前プーリ16、テンション設定プーリ17等のプーリ群、それらプーリ群に巻き掛けられた搬送ベルト18、駆動プーリ11を駆動する駆動モータ(ベルト駆動手段)19、搬送中のワークWの落下を防止する落下防止ガイド20、搬送中の搬送ベルト18のテンションを自動調整するテンション調整手段21等を備えている。
【0021】
駆動プーリ11及び従動プーリ12は、夫々搬送経路Rの下流端側及び上流端側に配置され、装着ベース板9側に支持されており、それら駆動プーリ11と従動プーリ12との間の上側のベルト案内経路が搬送経路Rを構成している。なお、以下の説明では、搬送経路Rに沿ってワークWが搬送される方向を「搬送方向」といい、また単に左、右、又は左右という場合には特に説明のない限り「搬送方向」に対する左右、即ち搬送経路Rに沿って下流側を見た場合の左右をいうものとする。
【0022】
装着ベース板9は、搬送方向に長い板状で、搬送経路Rに沿って略鉛直に配置されており、搬送経路R上の測定位置Aに対応して所定幅の分断部9cにより上流側ベース板9aと下流側ベース板9bとに分断され、それら上流側ベース板9aと下流側ベース板9bとは、それらの下縁側に沿って略水平に配置された矩形断面等のベースフレーム23により互いに連結固定されている。なお、本実施形態では、測定位置Aを搬送経路Rの中央よりも若干下流側(駆動プーリ11側)に配置したが、測定位置Aの位置は適宜変更可能である。
【0023】
従動プーリ12は、上流側ベース板9aの上流端側の片面側(ここでは右側)に、駆動プーリ11は下流側ベース板9bの下流端側に装着された駆動装着板24の片面側(右側)に、夫々左右方向の水平軸廻りに回動自在に支持されている。駆動装着板24は、下流側ベース板9bの片面側(例えば左側)に、搬送経路Rに沿って水平方向に位置調整可能な状態で固定されている。
【0024】
また、駆動プーリ11及び従動プーリ12の搬送ベルト巻き込み側近傍には、夫々搬送ベルト18に近接又は摺接、例えば近接するように異物噛込み防止手段22が設けられている。異物噛込み防止手段22は、図4(b)等に示すように、略楔形に形成された先端部22aを、搬送ベルト巻き込み側における駆動プーリ11及び従動プーリ12と搬送ベルト18との間に挿入し、その先端部22aの一面側を搬送ベルト18に近接させた状態で、例えば装着ベース板9側に固定されている。
【0025】
搬送ベルト18に付着した異物は、駆動プーリ11及び従動プーリ12に巻き込まれる直前にこの異物噛込み防止手段22により掻き落とされるため、駆動プーリ11及び従動プーリ12と搬送ベルト18との間への異物の噛込みによる搬送ベルト18の損傷等を防止できる。
【0026】
なお、従動プーリ12は、上流側ベース板9aに沿って所定方向、例えば上下方向に位置調整可能となっている。また、上流側ベース板9aには、図1に示すように、一端側を従動プーリ12の支持軸12aに当接させた状態で位置固定可能なプーリ位置記憶部材25が装着されている。従動プーリ12を最適な位置に調整した状態でプーリ位置記憶部材25を固定しておけば、例えば従動プーリ12を交換等する際に、交換後に再度従動プーリ12の位置調整を行う必要がない。
【0027】
駆動モータ19は、駆動プーリ11に対して駆動装着板24の反対面側(左側)に装着され、その駆動軸19aが駆動プーリ11に連結されており、駆動プーリ11を図1における時計方向に所定速度で駆動可能となっている。
【0028】
測定位置Aを挟んでその上流側及び下流側には一対の測定部小径プーリ14a,14bが配置されている。これら測定部小径プーリ14a,14bは、測定位置Aに対応して配置されるレーザ測定装置5による測定に悪影響を与えない範囲で測定位置Aになるべく近い位置に配置されており、夫々上流側ベース板9a、下流側ベース板9bの上部片面側 (右側)に回動自在に支持されている。
【0029】
また、測定部小径プーリ14aの上流側及び測定部小径プーリ14bの下流側には、それら測定部小径プーリ14a,14bよりも大径の一対の測定部大径プーリ13a,13bが配置されており、夫々上流側ベース板9a、下流側ベース板9bの上部片面側(右側)に回動自在に支持されている。なお、排除位置Bは、測定部大径プーリ13bと駆動プーリ11との間に設けられている。
【0030】
また、従動プーリ12と測定部大径プーリ13aとの間には、上流側ベース板9aの上縁側に沿って略等間隔で複数、例えば5個の中間案内プーリ15a〜15eが配置されており、上流側ベース板9aの片面側(右側)に回動自在に支持されている。中間案内プーリ15a〜15eは、例えば測定部大径プーリ13a,13bと同径に形成されている。
【0031】
更に、排除位置Bと駆動プーリ11との間には、排出前プーリ16が配置されており、下流側ベース板9bの片面側(右側)に回動自在に支持されている。なお、排出前プーリ16は、例えば測定部小径プーリ14a,14bと同径に形成されている。
【0032】
以上のように、駆動プーリ11及び従動プーリ12と、それらの間で装着ベース板9の上縁側に沿って配置されている測定部大径プーリ13a,13b、測定部小径プーリ14a,14b、中間案内プーリ15a〜15e、排出前プーリ16が、搬送経路Rに沿って搬送ベルト18を案内するベルト案内手段を構成している。
【0033】
なお、測定部大径プーリ13a,13b、測定部小径プーリ14a,14b、中間案内プーリ15a〜15e、排出前プーリ16は、搬送経路Rが上向き略円弧状となるように、装着ベース板9の上縁側に沿って上向き略円弧状に配列されている。また、それら各プーリについても、例えば上下方向に位置調整可能で、夫々従動プーリ12側と略同様のプーリ位置記憶部材25によりその位置が記憶されるようになっている。
【0034】
テンション設定プーリ17は、搬送ベルト18のテンションを所定の値に初期設定するためのもので、搬送ベルト18を搬送経路Rの下流側から搬送経路Rの上流側に戻す戻し経路Rr上に配置された一対の補助プーリ26,26の間に例えば上下方向位置調整可能に配置されている。このテンション設定プーリ17の固定位置を上下方向に移動させることにより、搬送ベルト18のテンションを所定の値に初期設定することが可能である。なお、一対の補助プーリ26,26及びテンション設定プーリ17は、例えば支持ベース板10側に装着されている。
【0035】
なお、テンション設定プーリ17及びその両側の補助プーリ26,26は、例えば樹脂製の搬送ベルト18を用いた場合等、搬送ベルト18の伸びが大きい場合にのみ設け、金属製の搬送ベルト18を用いた場合等、搬送ベルト18の伸びが比較的小さい場合には省略してもよい。
【0036】
以上説明した駆動プーリ11、従動プーリ12、測定部大径プーリ13a,13b、測定部小径プーリ14a,14b、中間案内プーリ15a〜15e、排出前プーリ16、テンション設定プーリ17、及び補助プーリ26,26には、図5,図6(b)等に示すように、その外周面上に搬送ベルト18を巻き掛けるための左右一対のガイド溝27a,27bが環状に形成されている。
【0037】
搬送ベルト18は、縒り線ではなく、金属、合成樹脂等よりなる断面略円形の1本の線材で無端状に形成されており、図4に示すように、駆動プーリ11及び従動プーリ12の上側では搬送経路Rに沿って左右に並列するように、また駆動プーリ11及び従動プーリ12の下側では戻し経路Rr上の一カ所、例えば補助プーリ26と従動プーリ12との間で左右が交差するように、駆動プーリ11、従動プーリ12、測定部大径プーリ13a,13b、測定部小径プーリ14a,14b、中間案内プーリ15a〜15e、排出前プーリ16、テンション設定プーリ17、及び補助プーリ26,26(以下、これらを「ベルト案内プーリ」で総称する)に巻き掛けられて案内されている。
【0038】
ワークWは、図4〜図8に示すように、搬送経路Rに沿って併走する搬送ベルト18により下側左右を支持された状態でその軸方向に搬送されるようになっている。
【0039】
ベルト案内プーリに設けられた左右のガイド溝27a,27bの間隔には複数種類、例えば広狭の2種類があり、測定部大径プーリ13a,13b、測定部小径プーリ14a,14b、及び排出前プーリ16の各プーリにおけるガイド溝27a,27bの間隔は、他の駆動プーリ11、従動プーリ12、中間案内プーリ15a〜15e等のそれに比べて狭くなっている。これにより、図4(a)に示すように、搬送経路R上における搬送ベルト18の左右間隔は、中間案内プーリ15eと測定部大径プーリ13aとの間、排出前プーリ16と駆動プーリ11との間で夫々変化し(図4(a)における幅変化範囲Rv)、測定部大径プーリ13aと排出前プーリ16との間、即ち測定位置Aと排除位置Bとを含む所定範囲(図4(a)における狭幅範囲Ra)内で、搬送経路R上のその他の部分(図4(a)における幅変化範囲Rv及び広幅範囲Rb)よりも狭い左右間隔Xaとなっている。
【0040】
ここで、搬送ベルト18の左右間隔Xaは、搬送ベルト18が少なくともワークWの左右に張り出さないように設定されている(図5参照)。また、広幅範囲Rb、即ち中間案内プーリ15eよりも上流側及び駆動プーリ11上における搬送ベルト18の左右間隔Xbは、ワークWが搬送中に左右の搬送ベルト18の間から下に落下しない範囲で広く設定すればよく(図6(b)参照)、例えば左右の搬送ベルト18がワークWの左右に張り出してもよい。
【0041】
なお、各ベルト案内プーリに設けられた左右のガイド溝27a,27bは、搬送ベルト18の外れを防止するためになるべく深く形成することが望ましい。また、左右のガイド溝27a,27bに挟まれた中間部分については、ガイド溝27a,27bの外側部分よりも小径としたり、図6(b)に示すような干渉防止溝27cを設ける等、搬送ベルト18により支持されたワークWの下端部と干渉しないようにする必要がある。
【0042】
落下防止ガイド20は、搬送経路R上を搬送中のワークWの落下を防止するためのもので、図3,図5〜図8等に示すように、搬送経路R上の搬送ベルト18に沿ってその左右両側に配置されている。
【0043】
左右の落下防止ガイド20は、夫々例えば断面矩形状に形成され、搬送経路Rに沿って略円弧状に配設されており、装着ベース板9の上縁側に沿って複数配置された支持ブラケット28により支持されている。
【0044】
支持ブラケット28は、図7に示すように、固定部28aと支持部28bとを略L字型に一体に備え、支持部28bを装着ベース板9の上縁側から搬送ベルト18の下側に突出させた状態で、固定部28aを装着ベース板9の例えば左側にボルト29a等により着脱自在に装着されており、支持部28bの上側に落下防止ガイド20がボルト29b等により着脱自在に固定されている。
【0045】
左右の落下防止ガイド20の互いに対向する内側面20aの間隔は、ワークWの直径よりも若干大きくなるように設定されている。また落下防止ガイド20の高さは、その内側面20aの最上部の位置がワークWの上下方向中央位置と略同じかそれよりも高くなるようにすることが望ましい。
【0046】
なお、落下防止ガイド20には、図5,図6等に示すように、搬送経路Rに沿って配置されている各プーリとの干渉を避けるための切欠部30が、各プーリに対応して形成されている。
【0047】
テンション調整手段21は、テンション設定プーリ17により初期設定された搬送ベルト18のテンションを運転中の状況に応じて自動的に微調整するためのもので、図9等に示すように、左右方向の揺動軸31により一端側において上流側ベース板9aに揺動自在に支持された揺動アーム32と、この揺動アーム32の他端側に回転自在に装着され且つ戻し経路Rr上の搬送ベルト18に内側から転接されるテンション調整プーリ33と、搬送ベルト18のテンションを高める方向に揺動アーム32を弾性付勢する付勢手段34とを備えている。
【0048】
付勢手段34は、バネ部材を内蔵した円筒状等のケース体35と、このケース体35からその軸方向に突出し且つケース体35内のバネ部材により外向きに弾性付勢された付勢軸36とを備えており、搬送ベルト18のテンションによる揺動アーム32の揺動に抗するように、付勢軸36を揺動アーム32の中間部分に当接させた状態で、取付ブラケット37を介して例えばベースフレーム23に固定されている。なお、付勢手段34は、軸方向に位置調整可能な状態で取付ブラケット37に装着されている。
【0049】
このテンション調整手段21により、搬送ベルト18の揺れを抑制することができ、ワークWの搬送姿勢の乱れを防止して測定精度が向上する利点がある。
【0050】
レーザ測定装置5は、搬送経路R上を搬送中のワークWの外径寸法を測定位置Aにおいて測定するためのもので、図9〜図11等に示すように、測定位置Aを通過するワークWに対してレーザ光Lを照射する投光手段41と、この投光手段41からワークWに向けて照射されたレーザ光LをワークWの裏側で受光する受光手段42とを備え、レーザ装着板38上に装着されている。
【0051】
レーザ装着板38は、図2,図9等に示すように、分断部9cに対応して装着ベース板9の一側、例えば左側に所定距離をおいて平行に配置され、支持連結部材39を介して例えば支持ベース板10側に固定されている。
【0052】
投光手段41及び受光手段42は、夫々の投光部41aと受光部42aとが測定位置Aを挟んで互いに対向するように搬送経路Rの上下に配置され、レーザ装着板38の右面側に固定されている。また、投光手段41と受光手段42とは、それらの光軸が搬送方向に対して後下がりの傾斜状(例えば鉛直方向から20°程度の傾斜角)となるように斜めに配置されている。なお、本実施形態では、投光手段41を搬送経路Rの上側に、受光手段42を下側に夫々配置したが、投光手段41と受光手段42とは上下逆に配置してもよい。
【0053】
また、受光手段42側には、受光部42aの上方を搬送方向上流側から覆うレンズフード43が設けられ、受光手段42又はレーザ装着板38に固定されている。このレンズフード43は、投光手段41側からのレーザ光Lを遮断しない範囲で、受光部42a上のできるだけ広い範囲を搬送方向上流側から覆うように設けられており、搬送中のワークWから受光部42aに向けて落下する水滴等はこのレンズフード43により遮られるようになっている。なお、レンズフード43の上面側は、例えば搬送方向上流側が下流側よりも低くなるように傾斜状に形成されており、レンズフード43で遮られた水滴等は受光部42aとは別の方向に流下するようになっている。
【0054】
なお、落下防止ガイド20の測定位置Aに対応する位置には、図10に示すように、投光手段41側からのレーザ光Lを通過させるためのレーザ光通過部40が、例えば内側面20aから左右両側に向けて搬送方向所定幅の凹入状に形成されている。
【0055】
レーザ測定装置5は、所定のコンピュータにより構成される測定制御手段(図示省略)に接続されている。この測定制御手段は、レーザ測定装置5を制御してワークWの外径寸法等を算出するもので、受光手段42側から得られる受光分布情報に基づいて、ワークWにより遮られたレーザ光の範囲によりワークWの外径寸法を算出するようになっている (図11参照)。
【0056】
付着物除去手段6は、搬送経路R上を搬送中のワークWの表面から研削液等の水分、その他の付着物を除去するためのもので、図9,図10,図12等に示すように、搬送経路Rの上側に下向きに配置された噴射口44aを有し且つその噴射口44aから搬送中のワークWに対してエア(気体)を噴射するクリーニング用ノズル44を備え、搬送経路Rにおける測定位置Aよりも上流側に1又は複数、例えば4つ配置されており、装着ベース板9に固定されたノズル装着板45に装着されている。
【0057】
付着物除去手段6は、エアの噴射による搬送ベルト18の揺れ等を最小限に抑えるため、その配置位置はプーリの近傍とすることが望ましい。本実施形態では、4つの付着物除去手段6を、夫々中間案内プーリ15b,15c,15e,測定部大径プーリ13aの上流側近傍に配置している。
【0058】
ノズル装着板45は、装着ベース板9に対してその一側、例えば左側に平行に配置され、その上端側を装着ベース板9の上側に大きく突出させた状態で、その下端側の例えば1箇所でボルト46等により装着ベース板9側に着脱自在に固定されており、例えばその右面側に、クリーニング用ノズル44が噴射口44aをワークWの上側近傍で下側に向けた状態で支持部材47を介して装着されている。噴射口44aは、例えば搬送経路Rに略直交する方向、即ち左右方向の細長状に形成されている。
【0059】
なお、ノズル装着板45のボルト46廻りの固定角度を調整することで、ワークWに対するエアの噴射角度を変化させることが可能である。
【0060】
また、落下防止ガイド20には、図10に示すように、付着物除去手段6の噴射口44aに対応してその噴射方向、即ち略上下方向に貫通状にエア通過部48が形成されている。このエア通過部48は、落下防止ガイド20の内側面20aから左右両側に向けて搬送方向所定幅の凹入状に形成されると共に、その外側端部には平面視略円形状の拡幅部48aが形成されている。
【0061】
また、装着ベース板9には、ベースフレーム23の上側近傍で且つ少なくとも付着物除去手段6の下側に対応する位置に、左右に貫通する開口部49が形成されている。
【0062】
不良ワーク排除手段7は、レーザ測定装置5で測定された外径寸法に基づいて不良と判定されたワークWを搬送経路Rから排除するもので、図3,図8等に示すように、不良と判定されたワークWが排除位置Bを通過する際に横側からエアを噴射する不良品排除用ノズル51と、不良品排除用ノズル51によるエアの噴射により搬送経路R上から吹き飛ばされたワークWを所定の不良品貯留ケース52側に誘導する不良品誘導通路53とを備えている。
【0063】
不良品排除用ノズル51は、先端側の噴射口51aを排除位置B側に向けた状態で、搬送経路Rの側方、例えば左側に略水平に配置されている。また、装着ベース板9側、即ち左側の落下防止ガイド20には、排除位置Bに対応する位置の例えば上面側に切欠部54が形成されており、不良品排除用ノズル51の噴射口51aは、この切欠部54を経て排除位置B上のワークWの側面近傍に臨んでいる。
【0064】
不良品貯留ケース52は、不良品として搬送経路R上から排除されたワークWを貯留するためのもので、図1〜図3等に示すように、上向きに開口した箱形に形成されており、搬送経路Rの下側に配置され、例えば支持手段3側に固定されている。
【0065】
不良品誘導通路53は、搬送経路Rに対して不良品排除用ノズル51の反対側、例えば右側に略上下方向に配置され、固定部材55(図8)を介して装着ベース板9側に固定されている。不良品誘導通路53は、搬送経路Rの排除位置Bを挟んで不良品排除用ノズル51の反対側の位置で噴射口51a側に向けて開口する受入口53aを上端部側に、不良品誘導通路53の上側に開口する排出口53bを下端部側に、夫々備えており、不良品排除用ノズル51により排除位置Bにおいて搬送経路R上から横向きに吹き飛ばされたワークWを受入口53aから受け入れ、下向きに案内して排出口53bから不良品貯留ケース52内に排出するようになっている。
【0066】
ワーク排出手段8は、不良ワーク排除手段7により排除されることなく搬送経路Rの最下流側まで搬送されてきたワークWを下流側に排出するもので、図9等に示すように、搬送経路Rの下流端側まで搬送されてきたワークWを所定方向に誘導する出口シュート56と、搬送経路Rの下流端側でワークWを搬送経路R側から出口シュート56の受入口56a側に誘導するための出口排出用ノズル57とを備えている。
【0067】
出口シュート56は、上流端側の受入口56aを駆動プーリ11の下流側近傍に開口させた状態で例えば斜め下向きに配置され、出口シュート取付板58を介して例えば駆動装着板24側に固定されている。
【0068】
出口排出用ノズル57は、搬送経路Rの下流端側に対応して例えばその上側に配置され、ノズル取付ブラケット59を介して例えば駆動装着板24側に固定されており、先端側の噴射口57aからワークWに向けてエアを噴射することにより、そのワークWを搬送経路R側から出口シュート56の受入口56a側に誘導するようになっている。なお、出口シュート取付板58は例えばノズル取付ブラケット59に固定されている。
【0069】
支持ベース板10は、搬送測定手段2を支持手段3上で支持するためのもので、図2,図9,図15等に示すように、搬送経路Rの下流側所定範囲、例えば中央よりも下流側の範囲に対応して装着ベース板9の片面側、例えば左面側に沿って鉛直に配置されると共に、下端部側が戻し経路Rrの位置よりも下側に突出した状態で装着ベース板9側に固定されている。
【0070】
支持ベース板10の下縁側は略水平な直線状に形成されており、その両端側には、下縁側から所定高さの範囲で内側に向けて切欠部60が形成されている。この切欠部60は、略水平に形成された上縁部60aと、略鉛直に形成された側縁部60bとを備えている。
【0071】
支持手段3は、図1〜図3等に示すように、台車(支持台)61と、その台車61の上側に配置され且つ搬送測定手段2を下側から支持するスライドテーブル62と、台車61とスライドテーブル62との間に配置され且つスライドテーブル62と台車61とを搬送方向に対して略直交する水平方向、即ち左右方向(以下、スライド方向という)に相対移動可能に連結するスライド連結手段63とを備えている。
【0072】
台車61は、上端側に略矩形状の支持テーブル64を水平に備えた台車本体部65と、その台車本体部65を床面上に支持する複数の支持脚66とを備えている。
【0073】
支持脚66は、台車本体部65の下部側の例えば4箇所に設けられ、台車本体部65に対して上向きに螺着されたボルト軸67と、そのボルト軸67の下端側に上下方向の軸廻りに回動自在に装着されたキャスター68とを備えており、このキャスター68により、床面上を任意方向に移動可能となっている。また、各支持脚66についてボルト軸67の螺合深さを変更することにより、支持テーブル64の高さを変更可能である。なお、このキャスター68の少なくとも2つについては回転を固定するためのロック機構を設けることが望ましい。
【0074】
スライドテーブル62は、例えば支持テーブル64と略同じ大きさの矩形板で、支持テーブル64の上側に所定距離をおいて平行(即ち水平)に配置され、スライド連結手段63を介して支持テーブル64上に支持されている。
【0075】
スライド連結手段63は、例えば搬送方向に所定距離を置いて二組配置されており、図13等に示すように、スライドテーブル62側に設けられた上スライドローラ(第1転動部)71と、支持テーブル64側に設けられた下スライドローラ(第2転動部)72と、上スライドローラ71,下スライドローラ72を夫々スライド方向に案内可能に支持する上レール部(第1レール部)73,下レール部(第2レール部)74が並設されたスライド案内板(スライド案内手段)75と、スライド案内板75の面外方向への倒れを防止する倒れ防止手段76とを備えている。
【0076】
上スライドローラ71は、スライドテーブル62の下面側に沿ってスライド方向に複数、例えば2つ設けられ、スライド方向に直交する水平回転軸71a廻りに回動自在に構成されており、例えばスライドテーブル62の下面側に沿ってスライド方向に配置された上突条部77の側面に装着されている。
【0077】
下スライドローラ72は、支持テーブル64の上面側に沿ってスライド方向に複数、例えば2つ設けられ、スライド方向に直交する水平回転軸72a廻りに回動自在に構成されており、スライドテーブル62側の上突条部77に対応して支持テーブル64の上面側に配置された下突条部78の側面に装着されている。
【0078】
スライド案内板75は、例えばスライド方向に長い略矩形状で、支持テーブル64とスライドテーブル62との間に、上突条部77及び下突条部78の側面(上スライドローラ71及び下スライドローラ72が設けられている面)に沿って略鉛直に配置されており、その上部側に上レール部73が、下部側に下レール部74が夫々設けられている。
【0079】
上レール部73は、上スライドローラ71が嵌合可能に形成されたスライド方向に長い長孔状で、例えば上スライドローラ71に対応してスライド方向に複数(2つ)設けられている。スライドテーブル62は、上スライドローラ71が上レール部73の下縁部上を転動することにより、スライド案内板75に対してスライド方向に移動可能となっている。
【0080】
また同様に、下レール部74は、下スライドローラ72が嵌合可能に形成されたスライド方向に長い長孔状で、例えば下スライドローラ72に対応してスライド方向に複数(2つ)設けられている。スライド案内板75は、下スライドローラ72が下レール部74の上縁部に沿って転動することにより、支持テーブル64に対してスライド方向に移動可能となっている。
【0081】
これにより、スライドテーブル62及びその上側に搭載されている搬送測定手段2は、スライド案内板75を介して支持テーブル64に対してスライド方向に往復移動可能となっている。また、スライド案内板75は支持テーブル64に対して下レール部74の長さ分の範囲で移動可能で、またスライドテーブル62側はスライド案内板75に対して上レール部73の長さ分の範囲で移動可能であるため、スライドテーブル62側の支持テーブル64に対する移動可能距離は上レール部73と下レール部74の長さの和となり、しかもそれら上レール部73と下レール部74とがスライド案内板75上で上下に並設されているため、スライド距離を大きくとれるにも拘わらずスライド方向の寸法を小さくできる。
【0082】
図14(a)は、スライドテーブル62側が台車61に対して右限界位置にある状態、図14(b)は、スライドテーブル62側が台車61に対して左限界位置にある状態を示している。
【0083】
倒れ防止手段76は、図13等に示すように、スライドテーブル62側に設けられ且つスライド案内板75の一方側への倒れを防止する上部倒れ防止手段76aと、支持テーブル64側に設けられ且つスライド案内板75の他方側への倒れを防止する下部倒れ防止手段76bとで構成されている。
【0084】
上部倒れ防止手段76aは、スライド案内板75の一面側に転接する上部第1ローラ81と他面側に転接する上部第2ローラ82とにより構成され、スライド方向に沿って複数組、例えば上スライドローラ71に対応して2組設けられている。これら上部第1ローラ81と上部第2ローラ82とは、互いに異なる高さ位置において、上下方向の軸廻りに回転可能な状態でスライドテーブル62側に支持されている。即ち、上部第1ローラ81は、上突条部77の下面側に装着され且つスライド案内板75の一面側に例えば上レール部73の下側で転接しており、上部第2ローラ82は、スライドテーブル62の下面に装着され且つスライド案内板75の他面側に例えば上レール部73の上側で転接している。
【0085】
下部倒れ防止手段76bは、スライド案内板75の一面側に転接する下部第1ローラ83と他面側に転接する下部第2ローラ84とにより構成され、スライド方向に沿って複数組、例えば下スライドローラ72に対応して2組設けられている。これら下部第1ローラ83と下部第2ローラ84とは、互いに異なる高さ位置において、上下方向の軸廻りに回転可能な状態で支持テーブル64側に支持されている。即ち、下部第1ローラ83は、下突条部78の上面側に装着され且つスライド案内板75の一面側に例えば下レール部74の上側で転接しており、下部第2ローラ84は、支持テーブル64の上面に装着され且つスライド案内板75の他面側に例えば上レール部73の下側で転接している。
【0086】
以上のような倒れ防止手段76により、スライドテーブル62側の支持テーブル64側に対するスライド動作を阻害することなく、スライド案内板75の面外方向への倒れ、即ちスライドテーブル62側の支持テーブル64側に対する搬送方向への移動を阻止している。
【0087】
なお、支持手段3には、台車61に対してスライドテーブル62のスライド方向への相対移動を阻止するためのスライド阻止手段85が設けられている。このスライド阻止手段85は、図1,図2等に示すように、支持テーブル64のスライド方向に対する側縁部64aと、スライドテーブル62の同じくスライド方向に対する側縁部62aとに跨るように上下に配置され且つその上下一端側において固定ボルト86等により支持テーブル64側又はスライドテーブル62側に固定されたスライド阻止板87と、そのスライド阻止板87の他端側に螺着され且つその先端側をスライドテーブル62側又は支持テーブル64側に圧着可能な圧着ボルト88とを備えている。
【0088】
通常使用時には、圧着ボルト88を緩めてその先端側をスライドテーブル62側から離間させておけばスライドテーブル62は台車61側に対してスライド可能であり、例えば当該外径寸法測定装置1を移動させる場合などには、圧着ボルト88をねじ込んでその先端側を支持テーブル64側に圧着させれば、スライドテーブル62を台車61側に固定することが可能である。
【0089】
スライドテーブル62上には、支持ベース板10側の複数箇所、例えば下部両端側を夫々高さ調整可能に支持する複数、例えば2つの高さ調整支持手段90が設けられている。
【0090】
この高さ調整支持手段90は、図15等に示すように、スライドテーブル62上に固定され且つ支持ベース板10を上下方向位置調整可能に支持する支持ブロック91と、この支持ブロック91に下向きに螺着され且つその頭部92aにより支持ベース板10を下側から支持するジャッキボルト92とを備えている。
【0091】
支持ブロック91は、支持ベース板10の一面側に沿う本体部91aと、本体部91aの一端側から支持ベース板10の切欠部60の側縁部60bに沿って支持ベース板10側に延接された支持基部91bとを一体に備えた平面視略L字型に形成されており、本体部91aに上下方向の貫通状に形成された1又は複数、例えば1つのガイド孔91cを介して固定ボルト93によりスライドテーブル62の上面側に固定されている。
【0092】
支持ベース板10は、上下方向の長孔状に形成されたガイド孔94を介して固定ボルト95により支持ブロック91の本体部91a側に着脱自在に固定されている。ジャッキボルト92は、支持ブロック91の支持基部91bに下向きに螺着されており、その頭部92aにより支持ベース板10側の切欠部60の上縁部(被支持部)60aを下側から支持している。
【0093】
固定ボルト95を緩めた状態でジャッキボルト92のねじ込み量を調整することで、ガイド孔94の長さ範囲で、支持ベース板10を介して搬送測定手段2の支持高さを調整することが可能である。
【0094】
なお、支持ブロック91に設けられたガイド孔91cは、支持ベース板10に垂直な方向(左右方向)の長孔状に形成されており、固定ボルト93によるスライドテーブル62上での固定位置を左右に移動可能となっている。また、スライドテーブル62上には支持ブロック91に対する左右方向の一方側に固定フランジ96が突設されると共に、その固定フランジ96に、位置調整用ボルト97が、その先端側を支持ブロック91に当接させるように螺着されている。支持ブロック91の左右方向位置を調整する場合には、固定ボルト93を緩めた状態でこの位置調整用ボルト97のねじ込み量を調整すればよい。
【0095】
支持手段3は、以上のような構成を有することにより、台車61を床面上の所定位置に停止させた状態で、この台車61に対してスライドテーブル62及びその上方の搬送測定手段2を左右方向にスライドさせることが可能である。
【0096】
また、搬送測定手段2側には、台車61に対する左右方向のスライド移動を、上流側のセンタレス研削盤0等の主装置側の移動に追従させるべく、その主装置側に連結するための従動側連結手段101が設けられている。この従動側連結手段101は、図1,図16,図17等に示すように、上下方向に配置された縦連結アーム102と、搬送経路Rに平行な略水平方向に配置され且つ例えば縦連結アーム102の下端部側に固定された横連結アーム103とで構成されており、縦連結アーム102の上部側において搬送測定手段2側の例えば装着ベース板9の下部側に着脱自在に固定され、横連結アーム103に、主装置側の主動側連結手段104が連結されている。
【0097】
なお、従動側連結手段101は搬送測定手段2に対して上下方向位置調整可能に固定されており、また縦連結アーム102は、従動側連結手段101に対して長手方向(搬送方向)位置調整可能に固定されている。
【0098】
主動側連結手段104は、例えば外径寸法測定装置1の上流側に配置されたセンタレス研削盤0上の例えば調整砥石を支持する調整砥石台0a側に固定されており、調整砥石台0a側から搬送方向下流側に向けて略水平に突設される連結アーム105と、この連結アーム105の先端側に設けられ且つ従動側連結手段101側の横連結アーム103に固定される連結固定部106とを備えている。
【0099】
連結固定部106は、例えば左右方向に所定距離をおいて配置され且つ連結アーム105から上向き又は下向きに突設された一対の挟持部106aと、それら挟持部106aの少なくとも一方に螺着され且つ挟持部106a間に嵌合した横連結アーム103に圧着して挟持部106aと横連結アーム103とを固定する固定ボルト107とを備えている。
【0100】
続いて、上記構成の外径寸法測定装置1によるワークWの外径寸法の測定動作について説明する。
【0101】
測定動作に入る前に、まず外径寸法測定装置1をセンタレス研削盤0の下流側の所定位置に設置する。即ち、キャスター68のロックを外し、台車61を所定位置まで移動させた後、従動側連結手段101を主動側連結手段104に連結し、キャスター68をロックする。
【0102】
このとき、必要に応じて高さ調整支持手段90により搬送測定手段2の高さ位置の微調整を行う。即ち、支持ベース板10の両端側の固定ボルト95を緩めた状態で、支持ベース板10の両端側のジャッキボルト92のねじ込み量を同じ方向に調整することで、搬送測定手段2の支持高さを微調整することが可能である。
【0103】
また、台車61に対するスライドテーブル62のスライド位置は、その後にスライド移動の見込まれる方向に対して十分に余裕をもたせておくことが望ましい。例えば、搬送方向に対して左向きのスライド移動が見込まれる場合には、スライドテーブル62は台車61に対して最も右側(図14(a))、又はそれに近いスライド位置に初期設定することが望ましい。
【0104】
続いて、搬送測定手段2を作動させると、駆動モータ19が一定速度で搬送ベルト18を駆動すると共に、付着物除去手段6及びレーザ測定装置5が作動を開始する。
【0105】
上流側のセンタレス研削盤0が作動を開始すると、スルーフィード研削後のワークWが略一定時間間隔で排出され、搬送測定手段2の搬送経路Rの最上流側に供給される。搬送経路R上に供給されたワークWは、左右の搬送ベルト18によりその下側左右を支持された状態で下流側に向けてその軸方向に搬送される。
【0106】
なお、この搬送経路Rの最上流側では、左右の搬送ベルト18の間隔は、例えばその間からワークWが落下しない範囲で十分に広いXbとなっており、ワークWはその搬送ベルト18により安定的に保持された状態で搬送される。
【0107】
更に、搬送経路R上では、左右の搬送ベルト18の左右外側に沿って一対の落下防止ガイド20が配設されているため、搬送ベルト18に生じた振動等によるワークWの落下を防止でき、ワークWを安定的に搬送できる。
【0108】
搬送経路R上を搬送中にワークWが付着物除去手段6を通過する際には、ワークWの上側からクリーニング用ノズル44によりエアが噴射され、これによってワークWの上側から左右両側にかけて付着している研削液等の水分、その他の異物が下側に向けて吹き飛ばされ、ワークWの表面からきれいに除去される。
【0109】
なお、クリーニング用ノズル44からワークWに噴射され、ワークWの外周面に沿って下向きに通過したエアは、落下防止ガイド20上のエア通過部48を下向きに通過し、更にその下側のベースフレーム23にぶつかった後、装着ベース板9側に向かう気流は開口部49を経て装着ベース板9の左側に抜けていく(図12参照)。従って、落下防止ガイド20やベースフレーム23によるエアの跳ね返りによる上昇気流の発生が抑制され、その跳ね返り上昇気流によるワークWの搬送姿勢の乱れや落下を防止できる。
【0110】
また、エアの跳ね返りを気にする必要がないため、異物除去の効率を優先させるようにクリーニング用ノズル44を調整することができ、また細かい微調整を行う必要がないためクリーニング用ノズル44の調整を簡素化できる利点もある。
【0111】
ワークWが中間案内プーリ15e上を通過すると、左右の搬送ベルト18の間隔はXbから徐々に狭くなり、次の測定部大径プーリ13a上に到達した時点で最も狭いXaとなって、その後しばらくはそのXaに保持される(狭幅範囲Ra)。このとき、左右の搬送ベルト18は完全にワークWの下側に入った状態となる。
【0112】
ワークWの前端側が測定位置Aに差し掛かると、レーザ測定装置5の投光手段41から受光手段42側に向けて照射されているレーザ光Lの一部がそのワークWによって遮断され、その状態はワークWの後端側が測定位置Aを抜けるまで継続する。
【0113】
測定制御手段は、受光手段42側から取得した受光分布情報に基づいて、ワークWに遮られたレーザ光Lの範囲によりワークWの外径寸法を算出し、その外径寸法等に基づいて良/不良を判定する。なお、外径寸法と共に、レーザ光LがワークWにより遮断されている時間と搬送速度とに基づいてワークWの長さ寸法を算出するようにしてもよい。
【0114】
測定位置Aを通過したワークWは、測定された外径寸法等に基づいて不良と判定された場合には、測定位置Aの下流側の排除位置Bにおいて不良品排除用ノズル51により横側からエアが噴射され、搬送ベルト18上から横向きに吹き飛ばされて搬送経路R上から排除される。不良品排除用ノズル51により搬送経路R上から排除されたワークWは、不良品誘導通路53を経て下方の不良品貯留ケース52内に貯留される。
【0115】
なお、排除位置Bは狭幅範囲Ra内に位置しており(図4(a))、搬送ベルト18の左右間隔が、狭幅範囲Ra以外の部分と比べて狭いXaとなっているため、ワークWの搬送の安定性という面では劣っているが、それによって逆にワークWを排除する際の確実性が高くなっている。即ち、排除位置Bでは、ワークWは左右間隔が狭い搬送ベルト18上で比較的不安定な状態で支持されているため、小さな噴射力でも確実に搬送ベルト18上から吹き飛ばすことができ、排除エラーの発生を抑制できる。
【0116】
不良と判定されなかったワークWについては、搬送経路R上から排除されることなく排除位置Bを通過する。そして、ワークWが更に排出前プーリ16上を通過すると、左右の搬送ベルト18の間隔はXaから徐々に広くなり、次の駆動プーリ11上に到達した時点でXbとなる。
【0117】
ワークWは、搬送経路Rの最下流側の駆動プーリ11上に到達すると、その駆動プーリ11の外周のカーブに沿って出口シュート56の受入口56aに落下し、排出される。その際、ワークWの上側から出口排出用ノズル57によりエアが噴射され、これによってワークWは確実に出口シュート56側に排出される。
【0118】
搬送測定手段2の作動中に、例えばセンタレス研削盤0側の研削砥石の摩耗等により、調整砥石台0a及びこれに固定されている主動側連結手段104が搬送方向に直交する方向に移動すると、この主動側連結手段104に連結されている従動側連結手段101を介して搬送測定手段2全体がその下側のスライドテーブル62と共に台車61上をスライド移動する。従って、搬送測定手段2側をセンタレス研削盤0等の上流側装置に対して常に最適な位置に保持することが可能である。
【0119】
以上説明したように、本実施形態の外径寸法測定装置1では、搬送ベルト18を搬送経路Rに沿って案内するベルト案内手段が、搬送ベルト18を搬送経路R上の複数箇所で転支するように配置された複数のプーリ11,12,13a,13b,14a,14b,15a〜15e,16により構成されているため、搬送ベルト18とベルト案内手段との間に生じる摩擦力は極めて小さく、従って搬送ベルト18及びベルト案内手段の摩耗等による交換頻度を少なくすることが可能であり、部品交換の手間とコストとを大幅に削減できる。
【0120】
また、搬送ベルト18は、縒り線ではなく断面略円形の1本の線材で構成されているため、多少の摩耗ではワークWの搬送姿勢に大きな影響を与えることがなく、この搬送ベルト18の交換頻度を更に少なくすることができる。
【0121】
また、搬送経路R上における測定位置Aと排除位置Bとを含む所定範囲内における搬送ベルトの左右間隔Xaを、搬送経路R上のその他の部分よりも狭くしているため、排除位置BにおいてはワークWは左右間隔が狭い搬送ベルト18上で比較的不安定な状態で支持されることとなり、不良ワーク排除手段7は小さな噴射力で確実に搬送ベルト18上から不良ワークを吹き飛ばすことができ、排除エラーの発生を抑制できる。
【0122】
このように、外径寸法測定装置1によれば、搬送ベルト18等の交換頻度を低下させると共に、不良ワーク排除の確実性とワーク搬送効率とを両立させることが可能である。
【0123】
また、測定位置Aの上流側と下流側とに一対の測定部大径プーリ13a,13bを配置し、更にそれら測定部大径プーリ13a,13bの内側で測定位置Aの上流側と下流側とに測定部大径プーリ13a,13bよりも小径の測定部小径プーリ14a,14bを配置しているため、プーリを測定位置Aに極めて近い位置まで寄せて配置することができ、測定位置Aの近傍における搬送ベルト18の支持ピッチを小さくすることができる。これにより、測定位置A及びその近傍における搬送ベルト18の揺れや曲がりを極力防止することができ、測定位置AにおけるワークWの搬送姿勢を安定させて測定精度を向上させることが可能である。
【0124】
搬送経路Rに沿ってその左右両側に配設され且つ搬送中のワークWの搬送ベルト18からの落下を防止する落下防止ガイド20と、搬送経路Rの上側に下向きに配置された噴射口44aを有し且つその噴射口44aから搬送中のワークWに対して気体を噴射することによりワーク表面の付着物を除去する付着物除去手段6とを備え、落下防止ガイド20は、噴射口44aに対応してその噴射方向に貫通状に形成されたエア通過部48を備え、このエア通過部48は、搬送経路R側から左右両側に凹入状に形成されているため、落下防止ガイド20によるエアの跳ね返りによる上昇気流の発生が抑制され、その跳ね返り上昇気流によるワークWの搬送姿勢の乱れや落下を防止できる。
【0125】
また、エアの跳ね返りを気にする必要がないため、異物除去の効率を優先させるように付着物除去手段6を調整することができ、また細かい微調整を行う必要がないため付着物除去手段6の調整を簡素化できる利点もある。
【0126】
搬送経路Rの上流端側及び下流端側の駆動プーリ11及び従動プーリ12の搬送ベルト巻き込み側近傍に、搬送ベルト18に近接する異物噛込み防止手段22を設けているため、駆動プーリ11及び従動プーリ12と搬送ベルト18との間への異物の噛込みによる搬送ベルト18の損傷等を防止できる。
【0127】
支持手段3は、搬送測定手段2の下側に配置される支持台61と、搬送測定手段2と支持台61との間に配置され且つ搬送測定手段2側と支持台61側とを搬送方向に対して略直交する水平方向に相対移動可能に連結するスライド連結手段63とを備えているため、搬送測定手段2側と例えば上流側装置とをスライド方向に連結することにより、搬送測定手段2側を上流側装置のスライド移動に従動させることができ、搬送経路Rの位置を上流側装置等に対して常に最適な位置に自動的に保持することが可能である。
【0128】
また、スライド連結手段63は、搬送測定手段2側に設けられた上スライドローラ71をスライド方向に案内可能に支持する上レール部73と、支持台61側に設けられた下スライドローラ72をスライド方向に案内可能に支持する下レール部74とが並設されたスライド案内手段75を備えているため、スライド距離を大きくとれるにも拘わらずスライド方向の寸法を小さくでき、省スペース化が可能である。
【0129】
支持手段3に、搬送測定手段2側の複数の被支持部60aを夫々高さ調整可能に支持する複数の高さ調整支持手段90を設け、この高さ調整支持手段90は、支持手段3側に下向きに螺着され且つその頭部92aにて被支持部60aを下側から支持するジャッキボルト92を備えているため、搬送測定手段2側の高さの微調整を簡単な操作で容易に行うことが可能である。
【0130】
以上、本発明の実施形態について例示したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、搬送ベルト18の材質は、鋼その他の金属、ゴム、合成樹脂等、どのようなものでもよく、その搬送ベルト18の外径、必要強度、搬送するワークの種類等に応じて適宜選択すればよい。また、搬送ベルト18の外径や左右の間隔、搬送経路Rの長さ等についても、ワークの外径や長さ等に応じて適当な値に設定すればよい。
【0131】
搬送ベルト18は、実施形態のように1本の無端ベルトで構成する他、左右2本の無端ベルトで構成してもよい。
【0132】
レーザ測定装置5を構成する投光手段41と受光手段42とは、ワークWから落下する水滴等による投受光部の汚れを防止するという観点からは実施形態のように搬送方向に対して後下がりの傾斜状に配置すると共にその傾斜角は鉛直方向に対してなるべく大きくすることが望ましい、しかしながら、その傾斜角が大きくなると、複数のワークWが同時にレーザ光を遮断する可能性も高くなるため、それを防止するためにワークWの搬送間隔を広くする必要があり、処理効率の面では不利である。
【0133】
従って、レーザ測定装置5の取付角(傾斜角)は、ワークWから落下する水滴等による投受光部の汚れを防止できる範囲で、なるべく小さな傾斜角、即ち鉛直に近い角度に設定することが望ましい。また、付着物除去手段6等によりワークWの表面の異物を測定位置Aよりも上流側で完全に除去することができるような場合には、レーザ測定装置5を鉛直に配置することも可能である。
【0134】
実施形態では、排除位置Bと搬送経路Rの最下流側の駆動プーリ11との間で搬送ベルト18の左右間隔をXaからXbに広げるように構成したが、例えば排除位置Bが搬送経路Rの下流端側に近い場合には、排除位置Bから搬送経路Rの下流端側まで搬送ベルト18の左右間隔をXaのままとしてもよい。
【0135】
本実施形態では、搬送ベルト18の左右間隔の最大値Xaと最小値Xbとの間の変更を、隣接する2つのプーリ間で一気に行うように構成したが、搬送ベルト18の左右間隔を複数段階に分けて変更するように構成してもよい。
【0136】
不良ワーク排除手段7は、エアブロー以外の方法で不良ワークを搬送ベルト18上から排除するものであってもよい。
【0137】
異物噛込み防止手段22は、駆動プーリ11と従動プーリ12の何れか一方にのみ設けてもよいし、両方について省略してもよい。また、その他のプーリに設けてもよい。
【0138】
実施形態では、支持手段3の支持脚66に支持高さを変更可能なキャスター68を設けて床面上を移動可能としたが、例えばこのキャスター68に代えてアジャストボルト等を取り付けてもよい。また、支持手段3は、搬送測定手段2を所定位置に支持可能なものであればよく、実施形態に示した台車状のものに限られない。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の一実施形態を示す外径寸法測定装置の全体側面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す外径寸法測定装置の全体正面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す外径寸法測定装置の全体平面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す搬送ベルト及びプーリの配設図である。
【図5】本発明の一実施形態を示す測定部大径プーリ近傍の部分断面図である。
【図6】本発明の一実施形態を示す中間案内プーリ近傍の側面図及び部分断面図である。
【図7】本発明の一実施形態を示す落下防止ガイドの支持部近傍の部分断面図である。
【図8】本発明の一実施形態を示す不良ワーク排除手段近傍の部分断面図である。
【図9】本発明の一実施形態を示す外径寸法測定装置の部分拡大側面図である。
【図10】本発明の一実施形態を示す測定位置近傍の部分斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態を示す外径寸法測定の説明図である。
【図12】本発明の一実施形態を示す付着物除去手段近傍の部分断面図である。
【図13】本発明の一実施形態を示すスライド連結手段及び倒れ防止手段の部分斜視図である。
【図14】本発明の一実施形態を示すスライド連結手段によるスライド移動の説明図である。
【図15】本発明の一実施形態を示す高さ調整支持手段の部分斜視図である。
【図16】本発明の一実施形態を示す従動側連結手段及び主動側連結手段近傍の部分断面図である。
【図17】本発明の一実施形態を示す従動側連結手段及び主動側連結手段近傍の部分平面図である。
【符号の説明】
【0140】
2 搬送測定手段
3 支持手段
5 レーザ測定装置
6 付着物除去手段
7 不良ワーク排除手段
11 駆動プーリ
12 従動プーリ
13a,13b 測定部大径プーリ
14a,14b 測定部小径プーリ
15a〜15e 中間案内プーリ
16 排出前プーリ
18 搬送ベルト
19 駆動モータ(ベルト駆動手段)
20 落下防止ガイド
22 異物噛込み防止手段
41 投光手段
42 受光手段
44a 噴射口
48 エア通過部
60a 切欠部上縁部(被支持部)
61 台車(支持台)
63 スライド連結手段
71 上スライドローラ(第1転動部)
72 下スライドローラ(第2転動部)
73 上レール部(第1レール部)
74 下レール部(第2レール部)
75 スライド案内板(スライド案内手段)
90 高さ調整支持手段
92 ジャッキボルト
92a ジャッキボルト頭部
A 測定位置
B 排除位置
R 搬送経路
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒表面を有するワークを所定の搬送経路に沿って搬送しつつその外径寸法を測定する搬送測定手段を備え、該搬送測定手段は、線状の搬送ベルトと、該搬送ベルトを上向き略円弧状の前記搬送経路に沿って左右並列に案内するベルト案内手段と、前記搬送ベルトにより下側左右を支持された前記ワークをその軸方向に搬送すべく前記搬送ベルトを駆動するベルト駆動手段と、前記搬送経路上の所定の測定位置を挟んで上下に配置された投光手段と受光手段とを有し且つ搬送中の前記ワークの外径寸法を測定するレーザ測定装置と、該レーザ測定装置で測定された外径寸法に基づいて不良と判定されたワークを、前記搬送経路上における上記測定位置よりも下流側の所定の排除位置で前記搬送経路から排除する不良ワーク排除手段とを備えた外径寸法測定装置において、前記ベルト案内手段は、前記搬送ベルトを前記搬送経路上の複数箇所で転支するように配置された複数のプーリにより構成され、前記搬送ベルトは、断面略円形の1本の線材で構成されており、前記搬送経路上における前記測定位置と前記排除位置とを含む所定範囲内における前記搬送ベルトの左右間隔を、前記搬送経路上のその他の部分よりも狭くしたことを特徴とする外径寸法測定装置。
【請求項2】
前記複数のプーリは、前記測定位置の上流側と下流側とに配置された一対の測定部大径プーリと、それら測定部大径プーリの内側で前記測定位置の上流側と下流側とに配置され且つ前記測定部大径プーリよりも小径の測定部小径プーリとを含むことを特徴とする請求項1に記載の外径寸法測定装置。
【請求項3】
前記搬送経路に沿ってその左右両側に配設され且つ搬送中の前記ワークの前記搬送ベルトからの落下を防止する落下防止ガイドと、前記搬送経路の上側に下向きに配置された噴射口を有し且つその噴射口から搬送中の前記ワークに対して気体を噴射することによりワーク表面の付着物を除去する付着物除去手段とを備え、前記落下防止ガイドは、前記噴射口に対応してその噴射方向に貫通状に形成されたエア通過部を備え、該エア通過部は、前記搬送経路側から左右両側に凹入状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の外径寸法測定装置。
【請求項4】
前記搬送経路の上流端側及び下流端側のプーリのうちの少なくとも一方の搬送ベルト巻き込み側近傍に、前記搬送ベルトに近接又は摺接する異物噛込み防止手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の外径寸法測定装置。
【請求項5】
前記搬送測定手段を支持する支持手段を備え、該支持手段は、前記搬送測定手段の下側に配置される支持台と、前記搬送測定手段と前記支持台との間に配置され且つ前記搬送測定手段側と前記支持台側とを前記搬送方向に対して略直交する水平方向に相対移動可能に連結するスライド連結手段とを備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の外径寸法測定装置。
【請求項6】
前記スライド連結手段は、前記搬送測定手段側に設けられた第1転動部を前記スライド方向に案内可能に支持する第1レール部と、前記支持台側に設けられた第2転動部を前記スライド方向に案内可能に支持する第2レール部とが並設されたスライド案内手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の外径寸法測定装置。
【請求項7】
前記支持手段に、前記搬送測定手段側の複数の被支持部を夫々高さ調整可能に支持する複数の高さ調整支持手段を設け、該高さ調整支持手段は、前記支持手段側に下向きに螺着され且つその頭部にて前記被支持部を下側から支持するジャッキボルトを備えたことを特徴とする請求項5又は6に記載の外径寸法測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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