説明

外部電極を有する発光手段のためのガラス

外部電極を有する発光手段のガラス本体のためのガラス組成物であって、損失角(tanδ[10−4])と誘電率の商が、tanδ[10−4]/ε’<5、すなわちtanδ/ε’<5×10−4である。このことによって、外部電極を有する発光手段の全電力損を、ガラスの特性によって適切に最小化することができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は、例えば、蛍光ランプ、特にEEFL蛍光ランプのような、外部電極を有する発光手段のガラス本体のためのガラスに関する。
【0002】
液晶表示装置(LCD)、モニタ、または受像スクリーンの製造のためにおよびガス放電管、特に蛍光発光装置の製造のために、通常は、紫外線吸収特性を有する知られたガラスが使用される。このようなガラスは、とりわけ背面照射された受像スクリーン(いわゆるバックライトディスプレー)では、光源として使用される。この使用のためには、このような蛍光発光装置が極めて小さな寸法を示し、従って、ランプのガラスは極めて僅かな厚さを有するほうがよい。
【0003】
このようなランプに含まれている発光ガスは、電極によって電圧をかけることによって点火され、すなわち発光される。この場合、通常は、ランプの内部に電極が設けられる。すなわち、導電性の金属ワイヤが、気密に、ランプのガラスの中へ導入される。しかしながら、発光ガス、好ましくは、ランプの内部に存在するプラズマを、外部に供給された電場によって、すなわち、ランプガラスの中へ導入されていない外部電極によって点火することも可能である。
【0004】
このようなランプは、通常、EEFLランプ(エクスターナル・エレクトロード・フルオレセント・ランプ)と呼ばれている。この場合、蛍光ランプに閉じ込められた発光ガスを点火させるために、照射された高周波エネルギーが、ランプのガラスによって吸収されず、あるいは、僅かの程度しか吸収されないことが重要である。このことは、これまで、ガラスが極めて小さな誘電率および極めて小さな誘電損失角tanδを有することを前提とした。この場合、誘電損失角が、励起した誘電交番磁界でガラスによって吸収され、かつ損失熱に変換されたエネルギーのための尺度として用いられる。従って、ガラスとその特性には、全く特別の要求がなされる。
【0005】
従って、他の応用の他に、ディスプレーすなわち表示装置のためにも、例えば背面照射されたディスプレーのためにも、特に、蛍光ランプのような、外部電極を有する発光手段のために、すなわち、外部からの誘導によって点火されることが可能でありかつ閉じられたランプガラスを通って延びている金属ワイヤ、または電極を必要としない発光手段のために適切であることが意図される他のガラスを提供することが、本発明の基礎になっている。この場合、出来るだけ少なく照射された高周波エネルギーが吸収されるように、改質かつ最適化されることができる特性を有するガラスを用いるほうがよい。すなわち、外部電極を有する発光手段のランプガラスの全電力損を最小限に減少するほうがよい。更に、ガラス組成物が良好な紫外線吸収特性を有することが意図される。
【0006】
本発明では、上記課題は、外部電極を有する発光手段のガラス本体のためのガラス組成物によって解決される。損失角および誘電率の商が、tanδ[10−4]/ε’<5、好ましくは<4および<3、特に好ましくは<2および<1.5であり、全く特に好ましい実施例はtanδ[10−4]/ε’<1を有する。特に、この商を<0.7および<0.5にも調整することができる。
【0007】
tanδに関する値は、10−4の値で表記されている。このことから、商tanδ[10−4]/ε’<5に関しては、tanδが絶対値で表記されるとき、商tanδ/ε’<5×10−4が生じる。
【0008】
従って、既に説明したように、tanδ/ε’<4×10−4、更に好ましくはtanδ/ε’<3×10−4、更に好ましくはtanδ/ε’<2×10−4、特には、商tanδ/ε’<1.5×10−4が、妥当することは好ましい。tanδ/ε’<0.7×10−4、特にはtanδ/ε’<0.5×10−4が全く特に好ましい。
【0009】
数字による例として、tanδ=0.001、すなわちtanδ[10−4]=10およびε’=4であると仮定すれば、商tanδ[10−4]]/ε’=10:4=2.5、すなわちtanδ/ε’=0.001:4=2.5×10−4となる。
【0010】
従って、本発明は、外部電極を有する発光手段のガラス本体のためのガラスに関する。このガラスでは、出来るだけ少ない電力損Ploss従ってまた出来るだけ高い効率を得るためには、損失角tanδ[10−4]すなわちtanδ[10−4で表記される値]および比誘電率ε’の商が所定の上限に達してはならない。この場合、プラズマは、外から発火され、ガラスは、コンデンサとして機能する。閉じられたガラス管の端面に平面状の電極を有する簡単な幾何学的形状に関して、電力損(以下、PVerlustまたはPlossと呼ぶ)は、
【数2】

【0011】
(但し、ωは角周波数、
tanδ[10−4]は[10−4]の値の損失角、
ε’は比誘電率、
dはコンデンサの厚さ(ここでは、ガラスの厚さ)、
Aは電極面積、
Iは電流の強さ、
εは影響係数=8.8542 10−12As/(Vm)である)
によって、近似的に記述される。
【0012】
従って、所定の範囲で商tanδ/ε’を調整することによって、ガラス特性に適切に影響を及ぼす。このことによって、所望の全電力損を最小限に減じることができる。このことを、本発明に係わるガラスの使用によって達成することができる。
【0013】
本発明では、驚くべきことに、前記の目標を極めて安価な方法で本発明に係わるガラス組成物によって解決できることが見出された。驚くべきことには、このようなガラスが、蛍光ランプにおける利用には非常に適切であることが明らかになる。従って、本発明は、特にガラスの組成物およびその使用に関する。
【0014】
外部電極を有するこのような発光手段、例えばEEFL蛍光ランプの使用のためには、上記商が、<5すなわち<5×10−4、好ましくは<4.5すなわち<4.5×10−4、特に好ましくは<4.0すなわち<4.0×10−4、特に<3すなわち<3×10−4、更に好ましくは<2.5すなわち<2.5×10−4である。良好な特性は0.75ないし2.5すなわち0.75×10−4ないし2.5×10−4の範囲でも達成される。更には、商が<1.0すなわち<1.0×10−4、特に<0.75すなわち<0.75×10−4が全く特に好ましい。
【0015】
特に、このような商を、ガラス組成物、特にケイ酸ガラス中で、適切に調整することができるのは、高偏光性(polarisierbare)元素を、酸化物の形態で、ガラスマトリックスに組み込むことによってである。これらは、例えば、Ba,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbおよびLuの酸化物である。
【0016】
本発明に基づいて使用され、かつ本発明に基づいて得られるガラスが、比較的高い誘電率(比誘電率DZ)を有することは好ましい。この場合、比誘電率は、1MHzおよび25℃の温度では、好ましくは>3および>4であり、特に3.5ないし4.5の範囲にあり、より好ましくは>5および>6であり、全く特に好ましくは>8である。誘電損失係数tanδ[10−4]が最大限120であることは好ましく、100より少ないことは好ましい。損失係数が80より下であることは特に好ましく、50より下のおよび30より下の値は特に適切である。15より下の値、特に、1〜15の範囲は全く特に好ましい。不純物の程度および製造方法に応じて、tanδ値は変化することがある。しかし、損失角tanδおよび比誘電率ε’の個別値を別々に出来る限り低く調整することが重要ではなくて、2つの値を互いに関連付けることが重要である。実際、2つのパラメータから算出される商は臨界量である。この臨界量を用いて、ガラス材料特性の調整が可能である。損失角tanδに関して記された値は、10−4の単位で記されている(tanδ[10−4]=数値すなわちtanδ=数値×10−4)。
【0017】
外部電極を有する発光手段が、ガス放電ランプのような放電ランプであり、特に低圧放電ランプであることは好ましい。低圧ランプでは、例えばバックライトランプでは、離散的な紫外線が、蛍光層によって部分的に可視光線に変換される。従って、発光手段は、蛍光ランプ、特にEEFLランプ、全く特に好ましくは小型化された蛍光ランプでもあってもよい。
【0018】
例えばいわゆるバックライトの形態を取る、本発明に用いられる発光手段として、この目的のための当業者に知られたあらゆる発光手段、例えば、低圧放電ランプのような放電ランプ、特に蛍光ランプ、全く特に好ましくは小型化された蛍光ランプを用いることができる。
【0019】
発光手段のガラス本体のガラスは、本発明に係わるガラス組成物を含み、またはこのガラス組成物からなる。発明に係わるガラスを実質的に含みまたはこのガラスらからなるガラス本体を有する、1つのまたは複数の個々の特に小型化された発光手段を用いることは好ましい。
【0020】
EEFL放電ランプのような、外部電極を有する発光手段に関して、従って、ガラスは、好ましくは以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 55〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜25重量%
好ましくは 0〜20重量%
LiO <1.0重量%
NaO <3.0重量%
O <5.0重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは <5.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜20重量%
BaO 0〜80重量%、特に
BaO 0〜60重量%、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%
CeO 0〜10重量%
Fe 0〜3重量%
好ましくは 0〜1重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜80重量%
MoO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜15重量%
好ましくは 0〜5重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形態で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有することは好ましい。
【0021】
本発明に係わるガラス組成物の他の特に好ましい実施例は、以下の通りである。
【0022】
SiO 55〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜20重量%
LiO <0.5重量%
NaO <0.5重量%
O <0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは <1.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜20重量%
BaO 15〜60重量%、特に
BaO 20〜35重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaOは 15〜70重量%、
特に、 20〜40重量%であり、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%
CeO 0〜10重量%
好ましくは 0〜1重量%
Fe 0〜1重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜80重量%
MoO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜10重量%
好ましくは 0〜5重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、
ならびに通常の濃度の清澄剤。
【0023】
ガラスが、不可避的な不純物を除いて、アルカリを含まないことは特に好ましい。
【0024】
本発明に基づき使用される発光手段における使用のためのガラスとして、従って、ホウケイ酸塩ガラスが特に好ましい。ホウケイ酸塩ガラスは、第1の成分としてSiOおよびBを、他の成分として、例えば、CaO、MgO、SrOおよびBaOのようなアルカリ土類金属酸化物を、例えばLiO、NaOおよびKOのようなアルカリ金属酸化物を選択的に含む。
【0025】
5重量%〜15重量%のBの含有量を有するホウケイ酸塩ガラスは、高い化学的安定性を示す。更に、このようなホウケイ酸塩ガラスを、熱膨張係数(いわゆるCTE)においても、組成物の範囲の選択によって、金属、例えばタングステンおよびコバールのような合金へ適合させることができる。
【0026】
の15〜25重量%の含有量を有するホウケイ酸塩ガラスは、良好な加工性、および同様に、タングステン金属およびコバール合金(Fe-Co-Ni合金)への熱膨張率(CTE)の良好な適合性を示す。
【0027】
の25重量ないし35重量%の含有量を有するホウケイ酸塩ガラスは、ランプのガラスとして使用する際には、特に小さい誘電損率tanδを示す。このことによって、これらガラスは、特に、無電極のガス放電ランプのようなランプの電球の外側に設けられている電極を有するランプにおける本発明に係わる使用にとっては、好都合である。
【0028】
本発明の実施例では、基礎ガラスが通常は少なくとも30重量%のまたは少なくとも40重量%のSiOを含むことは好ましい。少なくとも50重量%および好ましくは少なくとも55%が特に好適である。SiOの全く特に好ましい最小量は57重量%である。SiOの最高量は85重量%、特に75重量%である。73重量%および特に最大70重量%のSiOは全く特に好ましい。更に、50ないし70重量%と55ないし65重量%の範囲が好ましい。SiOの非常に高い含有量を有するガラスは、小さい誘電損率tanδ[10−4の値]を特徴とし、従って、商tanδ/ε’を考慮すると、無電極の蛍光ランプのような、外部電極を有する、本発明に基づいて使用される発光手段には特に適している。
【0029】
は、本発明では、0重量%よりも多い量、好ましくは0.2重量%より多く、好ましくは2重量%より多く、すなわち、4重量%または5重量%および特に少なくとも10重量%または少なくとも15重量%で含有されており、少なくとも16重量%が特に好ましい。Bの最高量は最大35重量%であるが、最大32重量%が好ましい。最大30重量%が特に好ましい。
【0030】
本発明のガラスが、個々の場合にAlを有しなくてもよいにも拘わらず、―通常は、Alを、0.1の、特に0.2重量%の最小量で含む。0.3重量%の最小量は好ましい。0.7、特に少なくとも1.0重量%の最小量は特に好ましい。Alの最大量は通常25重量%であり、最大限20重量%、特に15重量%は好ましい。14ないし17重量%の範囲は全く特に好ましい。幾つかの場合、8重量%、特に5重量%の最大量が十分であることが明らかになった。
【0031】
アルカリ酸化物の合計が好ましくは<5重量%、好ましくは<1重量%である。ガラス組成物が、不可避の不純物を除いて、アルカリを有しないことは特に好ましい。LiOは好ましくは0〜5、特に<1.0重量%の量で、NaOは好ましくは0〜3、特に<3.0重量%の量でおよびKOは好ましくは0〜9、特に<5.0重量%の量で用いられる。夫々≦0.1重量%または≦0.2重量%および特に≦0.5重量%の最小量は好ましい。
【0032】
アルカリ土類酸化物Mg,CaおよびSrは、本発明では、夫々、0〜20重量%の量でおよび特に0〜8重量%または0〜5重量%の量で含有されている。個々のアルカリ土類酸化物の含有量は、CaOに関しては、最大限20重量%であるが、個々の場合には、18重量%、特に最大限15重量%の最大量で十分である。幾つかの場合には、12重量%の最大含有量が十分であることが明らかになった。本発明に係わるガラスがカルシウム成分を有しないのにも拘わらず、本発明に係わるガラスは通常は少なくとも1重量%のCaOを含む。少なくとも2重量%、特に少なくとも3重量%の含有量は好ましい。実際に、4重量%の最小量が適切であることが明らかになった。MgOに関する下限は個々の場合に0重量%である。しかし、少なくとも1重量%および好ましくは少なくとも2重量%が好適である。本発明に係わるガラス中のMgOの最大量は8重量%であり、最大限7重量%および特に最大限6重量%が好適である。SrOは本発明に係わるガラス中に完全に省略されてもよい。しかし、1重量%、特に少なくとも2重量%の量が含有されていることは好ましい。
【0033】
tanδおよびε’から算出される商を本発明に基づき出来る限り小さく調整するために、ガラス組成物は、高偏光性元素を、酸化物の形態で、ガラスマトリックスに組み込まれている状態で含む。酸化物の形の、このような高偏光性元素は、Ba,Cs,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuの酸化物からなる群から選択されることができる。
【0034】
これらの酸化物の少なくとも1種がガラス組成物に含有されていることは好ましい。これらの酸化物のうちの2つまたはそれより多い酸化物の混合物も存在することができる。
【0035】
従って、これらの酸化物の少なくとも1種が、>0ないし80重量%、好ましくは5ないし75重量%、特に好ましくは10ないし70重量%、特に15ないし65重量%の量で含有されている。更に、15ないし60重量%、20ないし55または20ないし50重量%は好適である。20ないし45重量%、特に20ないし40重量%または20ないし35重量%が更に好適である。15重量%、特に18重量%、好ましくは20重量%を下回らないことは特に好都合である。
【0036】
CsO,BaO,PbO,Biおよび酸化ランタン、酸化ガドリニウム、酸化イッテルビウムのような希土類金属酸化物が、本発明に係わるガラス組成物にあることは特に好適である。
【0037】
少なくとも15重量%、更に好ましくは18重量%、特に20重量%、全く特に好ましくは25重量%よりも多い、1種または複数の高偏光性元素が、酸化物の形態で、ガラス組成物に含有されていることは特に好適である。
【0038】
CeOの含有量が0ないし5重量%であることは好ましい。0ないし1および特に0ないし0.5重量%は好適である。Ndの含有量が0ないし5重量%であることは好ましい。0ないし2、特に0ないし1重量%の量は特に好適である。Biが0ないし80重量%、好ましくは5ないし75重量%、特に好ましくは10ないし70重量%、特に15ないし65重量%の量で存在することは特に好適である。更に、15ないし60重量%、20ないし55重量%または20ないし50重量%は好適である。20ないし45重量%、特に20ないし40重量%または20ないし35重量%は更に好適である。
【0039】
従って、これらの偏光可能な酸化物の少なくとも1種を上記の驚くほど高い含有量で添加することによって、ガラス特性に適切に影響を及ぼすことができる。それ故に、全電力損は、外部電極を有する発光手段に通常用いられるガラスと比較して、著しく減じられ、最小限に引き下げられることができる。
【0040】
従って、すべてのアルカリ土類酸化物の合計は、本発明では、好ましくは0ないし80重量%、特に5ないし75重量%、好ましくは10〜70重量%、特に好ましくは20ないし60重量%、全く特に好ましくは20ないし55重量%である。更に、20ないし40重量%は好適である。
【0041】
ガラスはZnOを有しなくてもよいが、好ましくは、0.1重量%の最小量および高々15重量%の最大量を有する。6重量%または3重量%の最高量は全く適切であり得る。ZrOは、0ないし5重量%、特に0ないし3重量%の量で含有されている。3重量%の最高含有量は、多くの場合、十分であることが明らかになった。更に、WOおよびMoOは、互いに別々に、夫々0ないし5重量%または0ないし3重量%、特に0.1ないし3重量%の量で含有され得る。
【0042】
ガラスは、合計Al+B+CsO+BaO+Bi+PbOが15〜80重量%、好ましくは15ないし75重量%、特に20ないし70重量%の範囲にあるとき、本発明では、特に好適であることが明らかになった。Bが通常35重量%の最大量で用いられるので、残りの45重量%は、BaO,Bi,CsOおよびPbOのような偏光可能な酸化物のうちの1または複数に分配される。
【0043】
好ましい実施例では、PbOの含有量が、0ないし70重量%、好ましくは10ないし65重量%、より好ましくは15ないし60重量%に調整される。20ないし58重量%、25ないし55重量%、特に35ないし50重量%が含有されていることは特に好適である。
【0044】
特別な実施例では、PbOの含有量が50重量%を上回るとき、特に、この含有量が60重量%を上回るとき、ガラスには、アルカリが、3重量%よりも多い、特に4重量%よりも多いまたは5重量%よりも多い含有量で添加されることができる。但し、10重量%より多い量は含有されないほうがよい。しかし、商tanδ[10−4]/ε’<5すなわちtanδ/ε’<5×10−4への要求がなお満たされる。本発明に係わるガラスがPbOを含まないとき、本発明では、これらのガラスがアルカリを含有しないことは好適である。
【0045】
これらのガラスは、これらのガラスが基本的にはTiOを有しなくても、「UVカット」(紫外線光の吸収)を調整するために、TiOを含有することもできる。TiOの最大含有量は、好ましくは10重量%、特に高々8重量%であり、高々5重量%は好適である。TiOの好ましい最小含有量は、1重量%である。含有されるTiOの少なくとも80%ないし99重量%、特に99.9または99.99%がTi4+として存在することは好ましい。幾つかの場合、99.999%のTi4+の含量が非常に適切であることが明らかになった。熔融物は好ましくは酸化条件下で製造される。従って、酸化条件は、特に、チタンがTi4+として前記の量で存在するか、この段階で酸化されてなる条件を意味しなければならない。このような酸化条件は、熔融物では、例えば、硝酸塩、特にアルカリ硝酸塩および/またはアルカリ土類硝酸塩の添加によって、容易に達成される。酸素および/または乾燥空気の注入によっても、酸化熔融物(oxidative Schmelze)を得ることができる。更に、酸化熔融物を、例えば、混合物の熔融の際に、酸化するためのバーナー調整手段を用いて発生させることは可能である。
【0046】
ガラス組成物のTiOの含有量が>2重量%であり、>5ppmのFeの総含量を有する混合物が用いられるとき、この混合物がAsで清澄化され、かつ硝酸塩と共に熔融されることは好ましい。硝酸塩の添加が、>1重量%の含量を有するアルカリ硝酸塩として、なされることは好ましい。その目的は、ガラスの着色(イルメナイト(FeTiO)混合酸化物の形成)を可視の範囲に抑えるためである。更に、Sbおよび硝酸塩での清澄も可能である。
【0047】
熔融の際に、ガラスに硝酸塩が、好ましくはアルカリ硝酸塩および/またはアルカリ土類硝酸塩の形態で加えられるにも拘わらず、硝酸塩の濃度は、完成したガラスで、清澄後に、最大限0.01重量%および多くの場合高々0.001重量%に過ぎない。
【0048】
Feの含有量は好ましくは0ないし5重量%であり、0ないし1および特に0ないし0.5重量%の量は好ましい。MnOの含有量は0ないし5重量%であり、0ないし2、特に0ないし1重量%の量は好ましい。成分MoOは、0ないし5重量%、好ましくは0ないし4重量%の量で含まれており、Asはおよび/またはSbは、夫々別々に、本発明に係わるガラスの中に、0ないし1重量%で含まれており、最小含有量の量は好ましくは0.1、特に0.2重量%である。本発明に係わるガラスは、好ましい実施例では、場合によっては、0ないし2重量%の僅かな量のSO2−ならびにClおよび/またはFを同様に夫々0ないし2重量%の量で含有する。
【0049】
Feは、ガラスに、最大限1重量%の量で添加されることができる。含有量がその数値を下回ることは好ましい。鉄が含まれている限り、鉄は、例えば硝酸塩含有の原料の投入による、熔融中の酸化条件によって、酸化段階3に移行される。このことによって、退色は可視の波長範囲に最小にされる。Feは、ガラス中に、好ましくは<500ppmの含量で含まれている。Feは、一般的には、不純物として存在する。
【0050】
特に、TiOを>1重量%の含有量で添加する際に、特に、可視の波長範囲のガラスの退色が、ガラス熔融物が実質的に塩化物を含まず、特に塩化物および/またはSbが、ガラス熔融物における清澄のためには添加されないことによって、少なくとも部分的に防止される。特にTiOの使用の際に生じる、ガラスの青着色が回避されるのは、清澄剤としての塩化物が省かれる場合であることが見出された。塩化物およびフッ化物の最大含量は、本発明では、2重量%、特に1重量%である。最大限0.1重量%の含量は好ましい。
【0051】
更に、例えば清澄剤として使用される硫酸塩も、前記薬剤と同様に、可視の波長範囲のガラスの退色をもたらすことが明らかになった。従って、硫酸塩を省くことも好ましい。硫酸塩の最大含量は、本発明では2重量%、特に1重量%である。最大限0.1重量%の含量は好ましい。この保護権では、可視の波長範囲は、380nm〜780nmの波長範囲を意味する。
【0052】
更に、ガラスに関しては、清澄がAsによりしかも酸化条件下で実行されるとき、前記欠点が一層防止されることが見出された。ガラスが0.01〜1重量%のAsを含むことは好ましい。
【0053】
ガラスが紫外線放射の際のソラリゼーションに対して非常に安定的であるのに、ソラリゼーション安定度が、PdO,PtO,PtO,PtO,RhO,Rh,IrOおよび/またはIrの僅かな含有によって、更に増大されることができることが明らかになった。このような物質の通常の最大含量は、最大限0.1重量%、好ましくは最大限0.01重量%である。この場合、最大限0.001重量は特に好ましい。最小含量は、これらの目的のためには、通常0.01ppmである。少なくとも0.05ppmおよび特に少なくとも0.1ppmは好ましい。
【0054】
上記ガラス組成物は、電極リードとのガラスの熔融がなされない、外部電極を有する発光手段、すなわち、電極リードを有しないEEFL発光手段のために、デザインされている。無電極のEEFLバックライトの場合に、電界による光の取り込み(Einkopplung)がなされるので、本発明の範囲での損率および誘電率から算出される適切な商を特徴とする以下に記載のガラス組成物、すなわち、
SiO 35〜65重量%
0〜15重量%
Al 0〜20重量%
好ましくは 5〜15重量%
LiO 0〜0.5重量%
NaO 0〜0.5重量%
O 0〜0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは 0〜1重量%であり、
MgO 0〜6重量%
CaO 0〜15重量%
SrO 0〜8重量%
BaO 1〜20重量%、特に
BaO 1〜10重量%、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜1重量%
CeO 0〜0.5重量%
Fe 0〜0.5重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜20重量%
MoO 0〜5重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜5重量%
好ましくは 0〜3重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは8〜65重量%であり、Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形態で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤が同様に特に適切である。
【0055】
更に、以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 50〜65重量%
0〜15重量%
Al 1〜17重量%
LiO 0〜0.5重量%
NaO 0〜0.5重量%
O 0〜0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは 0〜1重量%であり、
MgO 0〜5重量%
CaO 0〜15重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 20〜60重量%、特に
BaO 20〜40重量%、
TiO 0〜1重量%
ZrO 0〜1重量%
CeO 0〜0.5重量%
Fe 0〜1重量%
好ましくは 0〜0.5重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜40重量%
MoO 0〜5重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜3重量%
PbO 0〜30重量%、特に、
PbO 10〜20重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、
Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤も好ましい。
【0056】
前記すべてのガラス組成物は、好ましくは前記量のFeを有し、全く特に好ましくは実質的にFeを有しない。
【0057】
更に好ましい実施例では、本発明に係わるガラス組成物は、ドープする物を含むかまたは含まないSiOから形成されている。ドープする物は、本発明の枠内では、ドープ酸化物、特に、各々の量で個々に挙げられた酸化物を意味する。
【0058】
本発明に係わるこの実施例のガラス組成物の、好ましい組成物範囲は、以下の通りである。
【0059】
SiO 90〜100重量%
TiO 0〜10重量%
CeO 0〜5重量%。
【0060】
この場合、SiOの含有量の上限は、100重量%で生じる。現存のドープ酸化物のすべての下限、すなわち、すべての下限の合計は引かれる。例えばTiOの含有量が5〜10重量%でありかつCeOの含有量が2〜5重量%であるとき、SiOに関する上限は、100−(5+2)=93重量%で算出される。ドープする物を含まない純粋のSiOが存することは全く特に好ましい。
【0061】
特にガラスによる紫外線遮断のための、TiOの最高含有量は、10重量%であり、好ましくは高々8重量%、特に高々5重量%が存在し、1〜4重量%の含有量も可能である。CeOの含有量は高々5重量%であり、0ないし4重量%、特に0ないし3重量%、更に好ましくは1重量%よりも下の量も調整されることができる。既述の他の酸化物は、同様に、含有されることができる。
【0062】
SiOのガラス、特に非晶質のSiO(石英ガラス、クウォーツガラス)を製造するための方法は、例えば、気相分離、ホウケイ酸塩ガラスの浸出(Auslaugung)およびガラス熔融物の続きの焼成および製造である。
【0063】
本発明前記ガラスは、上記のSiOのガラスを除いて、特にフロート法による、フラットガラスの製造、特にその製造のために適している。更に、本発明に係わるガラスは管ガラスの製造のために適しており、ダンナー法が特に好ましい。しかし、ベロー引き上げ法またはエー引き上げ法によるガラス管の製造も可能である。少なくとも0.5mmの、特に少なくとも1mmの直径および高々2cmの、特に高々1cmの上限を有する管の製造に適している。特に好ましい管径は2mm〜5mmである。このような管が少なくとも0.05mm、特に少なくとも0.1mmの肉厚を有し、少なくとも0.2mmが特に好ましいことが明らかになった。最大限の肉厚は、高々1mmであり、高々<0.8mmまたは<0.7mmの肉厚は好ましい。
【0064】
発光手段のガラスはガラス組成物を有し、あるいは、更に紫外線遮断効果を望みの程度に有するガラス組成物からなる。
【0065】
本発明に係わるガラス、特にホウケイ酸塩ガラスあるいは、純粋のまたは不純物がドープされたSiOが、外部電極を有する発光手段のための、ランプ用ガラスの製造に特によく適しており、特にガス放電管ならびにEEFL蛍光ランプ(エクステルネ・エレクトローデンフルオレスツェンツランペン)のための蛍光ランプ、特に、電子表示装置、例えばディスプレーおよびLCD受像スクリーンの背面照明のための特に小型化された蛍光ランプでの使用のために適しており、光源としての、背面を照明されたディスプレー(パッシブ・ディスプレー、バックライトユニットを有するいわゆるディスプレー)、例えば、コンピュータモニタで、特にTFT装置で、ならびに、スキャナ、広告スクリーン、医療器具、および飛行および宇宙飛行用の装置ならびにナビゲーション技術、携帯電話およびPDA(パーソナル・ディジタル・アシスタント)で使用される。この使用のために、このような蛍光発光体は非常に小さい寸法を有し、従って、ランプガラスは極めて薄い厚さのみを有する。好ましいディスプレーおよび受像スクリーンは、いわゆるフラット・ディスプレーであり、ラップトップで、特に平らなバックライト装置で用いられる。
【0066】
外部電極を有する発光手段に関して記載された、本発明に係わるガラスは、例えば、外部電極を有する蛍光ランプにおける使用のために適切である。これら外部電極を、例えば、導電性ペーストによって形成することができる。
【0067】
更に、平面ガス放電ランプのためのフラットガラスの形態を取る、ここに記載されたガラスが使用されることは好ましい。
【0068】
特別な実施例で、ガラスは、低圧放電ランプ、特にバックライト装置の製造のために使用される。
【0069】
第1の変形例では、少なくとも2つの発光手段が好ましくは互いに平行に設けられており、好ましくは、ベースプレートまたは支持プレートと、カバープレートまたはサブストレート・プレートあるいはカバーディスクまたはサブストレート・ディスクとの間にある。この場合、支持プレートには、1つまたは複数の窪みが設けられていることは適切である。これらの窪みは、1つまたは複数の発光手段が格納されている。1つの窪みが夫々1つの発光手段を有することは好ましい。1つまたは複数の発光手段の放射される光は、ディスプレーまたはスクリーンに反射される。
【0070】
この変形例に示す反射型の支持プレートに、すなわち、特に、1つまたは複数の窪みには、反射層が付着されていることは好都合である。この反射層は、発光手段によって支持プレートの方向に放射された光を、一種の反射器として均等に分散させ、かくて、ディスプレーまたは受像スクリーンの均等な照射を引き起こす。
【0071】
サブストレート・プレートまたはカバープレートあるいはサブストレート・ディスクまたはカバーディスクとしては、任意の、この目的のために通常のプレートまたはディスクが用いられてもよい。プレートまたはディスクは、システムの構造および適用目的に従って、配光ユニットとしてまたは単にカバーとして機能する。従って、サブストレート・プレートまたはカバープレートあるいはサブストレート・ディスクまたはカバーディスクは、例えば、不透明なディフューザ・ディスクまたは清澄な透明なディスクであってもよい。
【0072】
本発明に係わる第1の変形例に記載のこの装置が、例えばテレビ受像機の場合のように、かなり大きなディスプレーのために用いられることは好ましい。
【0073】
本発明の第2の変形例では、発光手段は、本発明に係わるシステムに従って、例えば、配光ユニットの外側に設けられていてもよい。例えば、1つまたは複数の発光手段が、ディスプレーまたはスクリーンの、例えば外側に取着されることができ、このとき、光は、光ガイドとして用いられる光伝送型のプレート、いわゆるLPG(ライト・ガイド・プレート)によって、ディスプレーまたはスクリーンの上面に均等に取り出される(ausgekoppelt wird)。このような光伝送型のプレートは、例えば、粗い表面を有する。この表面によって、光が取り出される。
【0074】
本発明に係わるシステムの第3の変形例では、無電極のランプ装置、すなわち、いわゆるEEFL(エクスターナル・エレクトロード・フルオロスセント・ランプ)装置も用いられてもよい。EEFLランプに関しては、Cho G.他、J.Phys. D:Appl. Phys.第37巻(2004)、2863ないし2867頁およびCho T.S.他、Jpn. J. Appl. Phys.第41巻(2002)、7518ないし7521頁)を参照するよう指摘する。これらの文献の開示内容を全面的に本願に含める。
【0075】
本発明の、本発明に係わるこの第3の変形例の、その好ましい形態では、発光ユニットは、例えば、密閉された空間を有する。この空間は、上方では、好ましくは構造化されたディスクによって、下方では、支持ディスクによって、側面では、壁部によって区画される。例えば、蛍光ランプのような発光手段は、ユニットの側方にある。この密閉された空間は、例えば、更に、個々の放射空間に区分されていてよい。これらの放射空間は、例えば所定の厚みで支持ディスクに付着されている放電発光材料を有することができる。カバープレートまたはカバーディスクとして、再度、システムの構造に応じて、不透明なディフューザ・ディスクまたは清澄な透明なディスク等を用いることができる。
【0076】
この変形例に基づく、本発明に係わるバックライト装置は、例えば、無電極のガス放電ランプである。すなわち、電極のリードはなくて、外部の電極のみがある。
【0077】
本発明に係わるガラスが、Ar,Neならびに場合によってはXeおよびHgを含む蛍光ランプに特に適している。しかし、特別な実施例では、蛍光ランプはHgを有さず、充填ガスとして、Xeを含む。キセノン原子の放電に基づく発光手段(キセノンランプ)のこの実施例が、ハロゲンおよび水銀を含まない発光手段として、特に環境に優しいことが分かった。
【0078】
以下、本発明を、図面を参照して詳述する。図1ないし3ではバックライトランプの使用が例示されている。バックライトランプのランプ本体は本発明に係わるガラスの組成物を含み、または組成物からなる。
【0079】
図1には、以下のような用途のための特別な使用が示されている。すなわち、このような用途では、本発明に係わるガラスからなる個々の小型化された複数の蛍光ランプ110が互いに平行に用いられ、複数の窪み150を有するプレート130に設けられており、これら窪みは、発せられた光をディスプレーに反射する。反射型のプレート130の上方には、反射層160が付着されている。この反射層は、蛍光ランプ110によってプレート130の方向に放射された光を、一種の反射器として均等に分散させ、かくて、ディスプレーの均等な照射を引き起こす。この装置が、例えばテレビ装置のような、比較的大きなディスプレーのために用いられることは好ましい。
【0080】
図2の実施例では、蛍光ランプ210は、外側でディスプレー202に取着されることもできる。この場合、光は、光ガイドとして用いられる光伝送型のプレート250、いわゆるLGP(ライト・ガイド・プレート)によって、ディスプレーに亘って均等に取り出される。
【0081】
更に、このようなバックライト装置のために発光ランプを使用することも可能である。このようなバックライト装置では、発光ユニット310は成形されたディスク315に設けられている。このことは図3に示されている。この場合、平行の仕切り壁、すなわち、所定の幅(Wrib)を有するいわゆるバリヤ380によって、所定の深さおよび所定の幅(dchanneおよびWchannel)を有する複数のチャンネルが、ディスクに形成されるような成形がなされる。これらのチャンネルには、放電蛍光材料350が設けられている。この場合、複数のチャンネルは、蛍光体層370を有するディスクと共に、複数の放射空間360を形成している。図3に示したバックライト装置は、無電極のガス放電ランプである。すなわち、電極のリードはなくて、外部の電極330a,330bのみがある。図3に示したカバーディスク410は、システムの構造に従って、不透明なディフューザディスクまたは透明なディスクであってもよい。図3に示した、無電極のランプ装置は、いわゆるEEFL(エクスターナル・エレクトロード・フルオロスセント・ランプ)装置である。前記装置は、大きい、平坦なバックライトを形成し、従って、フラットバックライトとも呼ばれる。
【0082】
図4には、ランプの、特に、EEFLガラス管の一部分が略示されている。ランプでは、複数の以下の実施例において、複数の測定が実行される。測定結果は表9に纏められた。図4は、ガラス管1000の一端を略示する。ガラス管1000は、厚さdのガラスを有し、ガラス管の直径は2rである。電極は、参照符号1010で示され、管1000の外面に沿って、長さlに亘って延びている。
【0083】
図5には、図4に示すランプ構造体の電気的な等価回路図(RC素子)が示されている。
【0084】
EEFLガラス管のコンタクト(Kontakt)は、典型的には0.3mm<r<10mmの半径rと、0.1mm<d<0.5mmのサイズのガラス管の厚さdと、0.5cm<l<5cmのサイズにある、全コンタクトの高さlと、を有するシリンダによって、形成される。この場合、全容量は、厚さdおよび半径rの平板コンデンサおよび半径rおよび高さlのシリンダ状のコンデンサによってほぼ等しくされる。この幾何学的形状は図5に示されている。この幾何学的形状の全容量は、以下のとおりである。
【数3】

【0085】
但し、最後の係数Gは、幾何学的形状の効果のみを含み、ε=(μ−1=8.854187 10−12である。AsV−1−1は影響係数であり、ε’は誘電率の実部である。かようなコンデンサの、周波数に依存する、虚部のインピーダンスが、以下の式によって与えられている。
【数4】

【0086】
ω=2πvは角周波数であり、i=√−1である。誘電媒体がガラスによって形成されるので、ガラスの抵抗損は、全放電ランプの損失に関する主原因である。接触領域の全抵抗は以下の通りである。
【数5】

【0087】
但し、ε”は、誘電関数の、一般的には周波数に依存する虚部である。コンタクト領域で電圧が印加されるとき、図5に示すように、電気抵抗は、コンデンサに平行に設けられている。このことは、以下のインピーダンスZをもたらす。
【数6】

【0088】
このようなRC素子のすべての電気損(但し、オーム抵抗Rは、コンデンサのリアクタンスよりも遥かに大きい。R>>|X|)は、以下のような結果になる。
【0089】
全電流Itotは、主として、放電ランプによって定められる。コンタクトキャップにおいて低下する電圧は、容量によって以下のように定められる。
【数7】

【0090】
抵抗の中を通る電流の一部は、
【数8】

【0091】
によって事前設定されている。
【0092】
このようなコンタクトのすべての誘電損失は以下の通りである。
【数9】

【0093】
EEFLランプがこのような2つのコンタクトを有するので、結果に係数2が掛けられ、幾何学的係数Gが挿入される。誘電関数の一般的に力学的な特質という理由から、ε’(ω)およびε”(ω)が書き込まれる。
【数10】

【0094】
このことは、誘電正接に関する式tanδ=ε”/ε’を用いて、
【数11】

【0095】
をもたらす。
【0096】
この場合、誘電損失が、キャップの幾何学的形状に関係なく、材料に従う大きさtanδ(ω)/ε’(ω)に比例している、という重要な結果が得られる。
【数12】

【0097】
抵抗およびコンデンサを通る電流を用いての正確な計算が、以下の結果をもたらすことが書き留められねばならない。
【数13】

【0098】
tanδが、大方のガラスでは、10−4の桁にあるので、分母のtanδ(ω)が、大抵のガラスでは、実際に無視することができる。
【0099】
以下、実施例を参照して本発明を説明する。これらの実施例は本発明に係わる教示を明示するが、発明を限定することは意図されない。
【0100】
実施例
以下、外部電極を有する発光手段のガラス本体のためのガラス組成物を示し、夫々、商tanδ[10−4]/DZを示す。DZは誘電率である。本発明に係わるすべてのガラス組成物の商は、tanδが10−4の単位で示されているとき、5を著しく下回り、tanδが絶対単位で示されているとき、5×10−4を著しく下回るので、定められた要求を満たす。
【表1】

【表2】

【0101】
以下、本発明に関する他のガラス組成物および実施例を記載する。
【0102】
以下の表3ないし8には、他のガラス組成物が示されている。表3ないし7には、本発明に係わるガラスが示されており、表8には比較例が挙げられている。本発明に係わるガラスがアルカリを有しないことは好ましい。
【0103】
表9には、表3および4の実施例15,16および17ならびに表8の比較例のガラス組成物に関して、EEFLランプの誘電損失が示されている。
【0104】
25℃,150℃および250℃の温度ならびに10kHz,35kHzおよび75kHzの励起周波数に関する誘電損失tanδ[10−4]/ε’が挙げられた。ランプの電力損は商tanδ[10−4]/ε’に比例している。EEFLランプの誘電損失は、図4および5との関連で前述したように、ランプの両端にはシリンダ状のコンデンサが設けられているという仮定の下で、定められた。
【0105】
更に、表9には、測定の際に用いられた個々のパラメータ、例えば、ランプの管の半径、ランプのガラスの厚さ、コンタクトの長さ、幾何学的係数および係数(Vorfaktor)等がリストアップされている。
【0106】
tanδが10−4の単位で示されているとき、本発明に係わるガラス組成物の商に関する数値は、すべて上限5よりも下にあり、tanδが絶対単位で示されているとき、上限5×10−4よりも下にあり、従って、商が臨界上限を上回る比較例よりも著しく少ない誘電損失を示す。
【0107】
従って、測定は、損失角tanδおよび比誘電率ε’の個別の数値(Einzelwerte)を、別々に出来る限り低く調整することが重要ではないことを裏付ける。2つの値は互いに関連されねばならない。驚くべきことには、所定の値に基づいて、2つのパラメータから算出される商が、ガラス材料の特性の調整を行なうために用いる臨界値を表わすのであって、tanδ[10−4]のみまたはε’のみを表わさないことが裏付けられた。従って、本発明により、外部電極を有する発光手段の全電力損が、適切に、ガラスの特性によって減じられることができる。
【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【0108】
以下の表9.1は、算出された商tanδ/ε’(測定された値tanδおよびε’から計算される)を示す。
【表9.1】

表9.1のすべての値に該当する数の例:
tanδ/ε’(但し10−4の単位のtanδ)=6.9(25℃の場合)、あるいは、tanδが絶対値であって、tanδ/ε’=0.00069。
【0109】
上の表9.1からは、本発明に係わるガラスが、250℃の際に、比較例よりも最大20倍少ない商を示すことが、直接分かる。
【0110】
これらの商を前提として、発光手段に関する各々の電力損(PVerlust)が、以下に挙げたパラメータで計算された。
【数14】

【0111】
この場合、
【数15】

【0112】
が成り立つ。
【0113】
但し、
I(単位mA) 7
管の半径 r(mm) 2
ガラスの厚さ d(mm) 0.3
コンタクトの長さ(mm) l(mm) 18
周波数(kHz) 10
周波数(kHz) 35
周波数(kHz) 70
幾何学係数 G(1/m) 1.17
係数2/(2π)||/e0(J) 2069740.52
正確な計算は、前に由来される式(11)によってなされる。但し、Gは上記式(12)の代わりをすることができる。その場合、
【数16】

【0114】
が成り立つ。但し、
π=3.141592654
ε=8.8542 10−12As/(Vm)。
【0115】
前記パラメータによって、異なった周波数102Hz,352Hzおよび702Hzに関する以下の表9.2に纏められた電力損が生じる。
【表9.2】

10Hz,35Hzおよび70Hzの、用いられた周波数が選択された。何故ならば、重要なランプ、特に、外部電極を有する特にEEFLが、通常は、約70kHzの周波数で作動されるからである。このことは、既に引用された文献(Cho G.他、J..Phys. D:Appl. Phys.第37巻(2004)、2863ないし2867頁およびCho T.S.他、Jpn. J. Appl. Phys.第41巻(2002)、7518ないし7521頁)からも明らかになる。すなわち、本発明に係わるガラスを有するランプは、作動条件下でテストされた。
【0116】
測定の際に、500Vないし6kV、特に2kV、好ましくは1kVの範囲の電圧が印加され、中間値の間で、例えば、+2kVと−2kVとの間で往復式に接続された。この交流電圧は、例えば正弦形、鋸歯形、三角形または矩形であってよい。他の形状も同様に可能である。図6には、+2kVと−2kVの中間値を有する正弦形のおよび矩形の電圧が例示されている。現存の線間電圧から高電圧を発生させるために、この場合では、インバータが用いられた。このインバータは、500Vないし6kVの範囲にある電圧を、時の周期的な経過で用いる電子部材である。このインバータはランプの手前で電気的に接続される。
【0117】
表9.1からは、本発明に係わるガラスが、比較例のガラスよりも最大36倍少ない電力損を示すことが見て取れる。かくて、本発明に係わるガラス組成物が、実際に、極めて僅かな誘電損失を示し、従ってまた、ガラス内に、比較のガラスよりも遥かに少ない熱の発生があり、このことから、発光装置のより良好な効率従ってまたより長い寿命が結果として生じることが裏付けられる。
【0118】
EEFLの他の問題は、電圧が高いときの絶縁破壊を意味するいわゆるピンホール・バーニングである。このような絶縁破壊が発生するとき、このことによって、ガラスの漏れが引き起こされる。このことは、Cho他の上記文献に詳述されている。驚いたことには、本発明に係わるガラス組成物、好ましくは、表に挙げられたガラス組成物、特に、アルカリを含まないガラスである、実施例15,16および17のガラス組成物が、ピンホール・バーニングを全然示さないことが明らかになった。望ましくない絶縁破壊は、最大6kVの電圧に関しても、検査したガラスで生じなかった。このことは、特にEEFlランプの場合、ランプの分野での使用のための、本発明に係わるガラスの適合性を裏付ける。
【0119】
従って、本発明を用いて、損失角tanδ[10−4]および比誘電率ε’から算出される商の調整によって、ガラス特性に適切に影響を及ぼすことができるガラス組成物が提供される。商に関して5すなわち5×10−4の本発明に係わる上限を注意することによって、まず、本発明の教示によって、ガラス組成物の全電力損を最小限に減じ、従ってまた外部電極を有する発光手段において、最適な効率を保つことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】小型化されたバックライト装置のための反射型のベースプレートまたは支持プレートの基本形態を示す。
【図2】外部電極を有するバックライト装置を示す。
【図3】側方に取着された蛍光発光体を有するディスプレー装置を示す。
【図4】例における測定のために基礎にされたランプ構造体の略図を示す。
【図5】図4に示したランプの例の電気的等価回路図(RC素子)を示す。
【図6】正弦形のおよび矩形の周期的な電圧を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部電極を有する発光手段のガラス本体のためのガラス組成物であって、損失角tanδ[10−4]と誘電率(ε’)の商が、tanδ[10−4]/ε’<5、すなわちtanδ/ε’<5×10−4であるガラス組成物。
【請求項2】
前記商は、tanδ[10−4]/ε’<4、すなわちtanδ/ε’<4×10−4、特にtanδ[10−4]/ε’<3.5、すなわちtanδ/ε’<3.5×10−4であることを特徴とする請求項1に記載のガラス組成物。
【請求項3】
前記商は、tanδ[10−4]/ε’<3、すなわちtanδ/ε’<3×10−4、特にtanδ[10−4]/ε’<2.5、すなわちtanδ/ε’<2.5×10−4であることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス組成物。
【請求項4】
前記商tanδ[10−4]/ε’またはtanδ/ε’を夫々<5または<5×10−4に調整することによって、僅かな電力損Plossによる、すなわち、
【数1】

(但し、
ωは角周波数、
tanδ[10−4]は[10−4]単位の損失角、
ε’は比誘電率、
dはコンデンサの厚さ(ここでは、ガラスの厚さ)、
Aは電極面積、
Iは電流の強さ、
εは影響係数=8.8542 10−12As/(Vm))
による前記放電ランプの高い効率が結果として生じることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項5】
少なくとも1種の高偏光性元素が、酸化物の形態でガラスマトリックスに組み込まれていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項6】
前記高偏光性元素は、酸化物の形態で、Ba,Cs,Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuの酸化物からなる群の中から選択されることを特徴とする請求項4に記載のガラス組成物。
【請求項7】
前記1つまたは複数の高偏光性元素は、酸化物の形態で、少なくとも8重量%、好ましくは12、特に好ましくは15、特に20またはそれより多い重量%で存在していることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項8】
前記1つまたは複数の高偏光性元素は、酸化物の形態で、少なくとも20、好ましくは25、特に好ましくは35、特に40またはそれより多い重量%で存在していることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項9】
前記ガラスは、以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 55〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜25重量%
好ましくは 0〜20重量%
LiO <1.0重量%
NaO <3.0重量%
O <5.0重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは <5.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜20重量%
BaO 0〜80重量%、特に
BaO 0〜60重量%、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%
CeO 0〜10重量%
Fe 0〜3重量%
好ましくは 0〜1重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜80重量%
MoO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜15重量%
好ましくは 0〜5重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形態で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項10】
前記ガラスは、以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 55〜85重量%
>0〜35重量%
Al 0〜20重量%
LiO <0.5重量%
NaO <0.5重量%
O <0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは <1.0重量%であり、
MgO 0〜8重量%
CaO 0〜20重量%
SrO 0〜20重量%
BaO 15〜60重量%、特に
BaO 20〜35重量%、但し、
ΣMgO+CaO+SrO+BaOは 15〜70重量%、
特に、 20〜40重量%であり、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜3重量%
CeO 0〜10重量%
好ましくは 0〜1重量%
Fe 0〜1重量%
WO 0〜3重量%
Bi 0〜80重量%
MoO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜10重量%
好ましくは 0〜5重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項11】
前記ガラスは、以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 35〜65重量%
0〜15重量%
Al 0〜20重量%
好ましくは 5〜15重量%
LiO 0〜0.5重量%
NaO 0〜0.5重量%
O 0〜0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは 0〜1重量%であり、
MgO 0〜6重量%
CaO 0〜15重量%
SrO 0〜8重量%
BaO 1〜20重量%、特に
BaO 1〜10重量%、
TiO 0〜10重量%
好ましくは >0.5〜10重量%であり、
ZrO 0〜1重量%
CeO 0〜0.5重量%
Fe 0〜0.5重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜20重量%
MoO 0〜5重量%
SnO 0〜2重量%
ZnO 0〜5重量%
好ましくは 0〜3重量%
PbO 0〜70重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは8〜65重量%であり、Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形態で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項12】
前記ガラスは、以下のガラス組成物、すなわち、
SiO 50〜65重量%
0〜15重量%
Al 1〜17重量%
LiO 0〜0.5重量%
NaO 0〜0.5重量%
O 0〜0.5重量%、但し、
ΣLiO+NaO+KOは 0〜1重量%であり、
MgO 0〜5重量%
CaO 0〜15重量%
SrO 0〜5重量%
BaO 20〜60重量%、特に
BaO 20〜40重量%、
TiO 0〜1重量%
ZrO 0〜1重量%
CeO 0〜0.5重量%
Fe 0〜0.5重量%
好ましくは 0〜1重量%
WO 0〜2重量%
Bi 0〜40重量%
MoO 0〜5重量%
ZnO 0〜3重量%
SnO 0〜2重量%
PbO 0〜30重量%、特に、
PbO 10〜20重量%、但し、
ΣAl+B+BaO+PbO+Biは10〜80重量%であり、
Hf,Ta,W,Re,Os,Ir,Pt,La,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Ybおよび/またはLuは、酸化物の形態で、0〜80重量%の含量で存在しており、
ならびに通常の濃度の清澄剤を有することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項13】
前記ガラス組成物中のアルカリの含有量は、<1.0重量%であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項14】
前記ガラスはアルカリを有しないことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項15】
前記ガラス組成物中のBaOの含有量は、15重量%よりも多く、好ましくは18重量%よりも多いことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項16】
前記ガラス組成物中のBaOの含有量は、20重量%よりも多いことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項17】
前記ガラス組成物中のBaOの含有量は、20重量%〜80重量%、好ましくは20〜60重量%であることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項18】
前記ガラス組成物中のPbOの含有量は、50重量%よりも多く、特に60重量%よりも多く、アルカリ含有量は3重量%よりも多く、好ましくは4重量%よりも多く、全く特に好ましくは5重量%よりも多いことを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項19】
前記ガラス組成物がPbOを含まないとき、アルカリの含有量は<1.0重量%であり、好ましくはアルカリが含有されていないことを特徴とする請求項1ないし18のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項20】
前記ガラス組成物がPbOを含むとき、BaOの含有量は<10重量%、好ましくは<5重量%、特に好ましくはBaOが含まれないことを特徴とする請求項1ないし19のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項21】
前記ガラスが、ドープ酸化物を含むかまたは含まないSiOを含有するか、あるいはこの物質からなることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項22】
前記ガラスは、以下の組成物、すなわち、
SiO 90〜100重量%
TiO 0〜10重量%
CeO 0〜5重量%
を有し、SiOの含有量の上限は、100重量%で生じ、SiOを除いて、現存の酸化物のすべての下限が引かれていることを特徴とする請求項21に記載のガラス組成物。
【請求項23】
前記ガラスはSiOからなることを特徴とする請求項21または22に記載のガラス組成物。
【請求項24】
前記発光手段は、放電ランプ、特に低圧放電ランプであることを特徴とする請求項1ないし23のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項25】
前記放電ランプは放電空間を有し、この放電空間は、水銀および/または希土類イオンのような放電材料および/またはキセノンで充填されていることを特徴とする請求項1ないし24のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項26】
前記発光手段は蛍光ランプであり、特にEEFLランプ、LCDディスプレー・コンピューターモニタ・電話ディスプレー用のおよびディスプレー用の照明であるガス放電ランプであることを特徴とする請求項1ないし25のいずれか1に記載のガラス組成物。
【請求項27】
ガラス本体を有する発光手段であって、このガラス本体は、請求項1ないし26のいずれか1に記載のガラス組成物を有する。
【請求項28】
前記発光手段は蛍光ランプであり、特にEEFLランプ、LCDディスプレー・コンピューターモニタ・電話ディスプレー用のおよびディスプレー用の照明であるガス放電ランプであることを特徴とする請求項27に記載の発光手段。
【請求項29】
請求項1ないし26のいずれか1に記載の発光手段の、特に、LCD表示装置のような受像スクリーンおよび表示装置での、TFT装置のようなコンピュータモニタでの、携帯電話のような電話ディスプレーでの、スキャナ、広告スクリーン、医療器具、および飛行および宇宙飛行用の装置ならびにナビゲーション技術およびPDA(パーソナル・ディジタル・アシスタント)での使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−526675(P2008−526675A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549828(P2007−549828)
【出願日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/014120
【国際公開番号】WO2006/072449
【国際公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【出願人】(505458670)ショット・アーゲー (32)
【Fターム(参考)】