説明

多周波容量測定装置およびその動作方法

【課題】露出表面上の水、雪、氷の検出及び初期段階での氷形成の検出等、表面監視のための正確性及び信頼性の改善されたセンサ素子及び、センサ素子の容量変化を検出する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも三つの周波数の異なる信号を電極アセンブリに供給する多周波数発生器110を含み、電極アセンブリ130の容量を複数の異なる周波数点に関して検出する方法およびシステムを提供する。従って、電極アセンブリ130近傍の物質から影響を受ける電極アセンブリ130の容量が確実に識別される。好ましくは、路面状態が正確に監視される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば特定物質の存在が比誘電率の変化による容量の変化を生じる特定の環境状態下で電極アセンブリの容量変化を判定する測定システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの分野において、検出された環境状態に対して適切な応答を開始するには、特定の環境状態に関する正確且つ迅速な情報が必要である。例えば、路面の環境状態の適切な評価は交通安全の促進に著しく寄与する。これは、道路管理者および路面によって為される対応する判定はこの情報に基づいているためである。さらに、表面状態に関する情報は、放送および電光表示を用いて道路利用者に伝えることができ、これにより、現在の主な道路状態に対する速度制限運転の適応が可能になる。特に、氷または湿気が形成された道路部分に関する情報は、交通安全の促進に大きく寄与する。従って、現在の路面状態の監視は現行の道路情報システム(RIS)の重要な構成要素の一つであり、水、雪および氷の存在並びに氷形成の始まりの検出は、交通安全のための最も重要な情報の一つである。このような測定データに基づき、路面のアクアプレーニングや氷層の可能性などの重要情報を素早く判定し、適切な予防措置を取ることができる。
【0003】
特定領域内の環境状態は、他の分野においても重要である。例えば、飛行機の翼における氷の形成、特定の表面における氷、湿気、水等の存在を含む信頼性のある気象データの収集、さらに、特定領域における燃料やアンモニアのような危険物質の検出等が挙げられる。しかし、特定物質の存在または状態の検出の効率は、測定データの信頼性に大きく依存する。例えば、氷を水と誤表示することは、交通安全を促進するどころか交通事故の確率を増加させ得る。さらに、道路情報システムは、装置の初期故障に関する高い信頼性並びに個々のセンサ素子の整備の労力および費用効果が重要な基準となるよう、大量の表面検出器を必要とする。
【発明の開示】
【0004】
本発明は、改善された正確性および信頼性での例えば表面監視、特に、露出表面上の水、雪、氷の検出および初期段階での氷形成の検出に関する、改善されたセンサ素子、並びに、センサ素子の容量変化を検出する方法を提供することを目的とする。
【0005】
本発明の一態様では、上記目的は、電極アセンブリの容量を変化させるサンプル物質を受容するよう構成された電極アセンブリを具備する多周波容量測定装置により達成される。上記装置は、電極アセンブリに結合された周波数発生器であって、それぞれ異なる周波数を有する三つ以上の信号を適時に順序付けされた方法で供給するよう構成された周波数発生器をさらに具備する。また、上記装置は、電極アセンブリに接続された感知器であって、三つ以上の異なる周波数のそれぞれに対する電極アセンブリの容量を示す値を判定するよう構成された感知器を具備する。
【0006】
一般に、電極アセンブリの容量のような、キャパシタの容量は、電極アセンブリの対応する表面の幾何学的構造(距離、形状、寸法等)に依存し、電極間に設けられる材料の比誘電率にも依存する。よって、比誘電率は、物質の温度およびキャパシタが動作する測定周波数に依存する。したがって、一つや二つの測定点を基礎とすると、物質または特定状態を容量変化によって正確に検出することはできない。本発明は、電極アセンブリの容量をより正確に明らかにするために周波数領域において複数の測定点を提供するよう、電極アセンブリの容量変化を三つ以上の異なる周波数で検出する測定装置を提供する。これにより、周波数領域において少なくとも三つの測定点を用い、ライブラリデータによって表される特定の基準状態に基づいて電極アセンブリの測定状態を識別するよう、データをそれぞれのライブラリデータとより高い信頼性をもって比較することができる。例えば、約−1℃での水の比誘電率は、DCから約1kHzの範囲において略一定であり、約2kHzから数百kHzの範囲において低減する。一方、約1℃での水の比誘電率は、約10Hzの周波数までは略一定であり、10Hzから1010Hzの範囲において低減する。よって、本発明の多周波容量測定装置により、周波数領域において複数の測定点を取る。これにより、+1℃の温度の水および−1℃の温度の水等、特定物質を確実に識別できる。ここで、特定物質とは、特定の環境状態下で特定の組成および状態を有する物質を指す。例えば、大気圧下における1℃の水および−1℃の氷は、二つの異なる特定物質とみなす。従って、周波数領域での複数の測定点に基づいて、例えば水および氷の存在を高信頼性をもって検出できる。さらに、複数の測定点に基づいて、氷形成の始まりも一つまたは二つの測定点に基づく従来のシステムよりも、より正確に検出される。
【0007】
本発明の実施の形態では、感知器は、少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する電極アセンブリに蓄えられる電荷を判定するよう構成された電荷検出器を具備する。従って、積分器等広く周知の検出手段を本発明に用いることができ、これにより費用効果および信頼性を向上させることができる。
【0008】
本発明のさらに別の実施の形態では、感知器は感知キャパシタおよび電圧測定手段を備え、電圧測定手段は、感知キャパシタに接続され感知キャパシタの電圧を判定するよう構成される。
【0009】
従って、感知器は安価且つ汎用の要素を少数有する構造を有することができ、これにより装置の信頼性を向上させることができる。
【0010】
電圧測定手段は、容量を示す測定値をデジタル値として供給できるようアナログデジタル変換器を具備することが望ましい。対応するAD変換器は、本技術分野において広く認知され、低価で入手可能である。例えば、対応するAD変換器を測定装置内で追加タスクを行うマイクロ制御器に実装することができ、これにより信頼性かつ空間効率に優れた装置を実現することができる。
【0011】
本発明のさらに別の望ましい実施の形態では、周波数発生器は、基準電圧源と、基準電圧源を電極アセンブリに周期的に接続させ異なる周波数の三つ以上の信号を供給する第1制御スイッチとを具備する。これにより、周波数発生器を、簡易且つ高信頼性の電子回路として提供することができ、周波数発生器を、スイッチモードで動作されデジタル出力を有するよう一般的に構成されるマイクロ制御器において有利に実装することができる。
【0012】
本発明のさらに別の実施の形態では、電圧測定手段は、感知キャパシタを電極アセンブリと制御可能に接続する第2制御スイッチをさらに具備する。このように、三つ以上の異なる信号の一つが印加される間に電極アセンブリに蓄えられる電荷を、優れた信頼性を有し少数の構成要素より成る回路構成を用いることにより感知キャパシタに送ることができ、これにより装置の信頼性および費用効果に寄与することができる。さらに、感知キャパシタを、電極アセンブリの容量と比べて周知で高容量値を示すよう選択することができ、これにより蓄電荷の評価を容易にすることができる。
【0013】
本発明の望ましい実施の形態では、三つ以上の異なる周波数は、約50Hzから少なくとも数MHzの範囲に及ぶ。前述の通り、特定物質の存在に起因する電極アセンブリの容量変化を確実に検出することができ、当該物質を確実に識別するよう対応ライブラリデータと比較することができる。特に、上記周波数範囲に及ぶよう選択された周波数は、非常に高い信頼性での、電極アセンブリ上の水または氷の検出を可能にする。本発明によると、測定周波数に対する物質の比誘電率の変化によって識別される物質に依存して、数Hzから数MHzの範囲の周波数領域において任意の数の測定点を取ることができることは明らかである。例えば、複数の対応基準データセットを複数の関心物質に対応するライブラリとして記憶することができる。本発明の測定装置を路面監視用のシステムに使用する場合、複数の関心物質は水、雪、氷または可変量の除氷物質(塩等)を含む水等である。本発明によって提供される所与の物質の識別精度によれば、複数の測定点から、測定データが氷形成の始まりを示す場合に、十分な量の除氷物質があるか否かを示すことも可能である。同様に、周波数領域における測定点の数および使用する測定周波数範囲は、如何なる関心物質、例えば、関心領域内での燃料または他の危険な液体の検出等に、適用することができる。
【0014】
本発明の望ましい実施の形態では、多周波容量測定装置は、三つ以上の異なる周波数に対する値をそれぞれのターゲット値と比較する比較器であって、各値とその対応するターゲット値が所定の許容範囲において合致する場合に、その旨を出力するよう構成される比較器をさらに具備する。
【0015】
前述した通り、所与の周波数点における電極アセンブリの容量を示す値は、それぞれのターゲット値またはライブラリデータと比較することができ、関心物質またはその特定の状態を識別することができる。ここで、測定値は、ターゲット値との比較に適した形式で供給されるよう、必要に応じて様々な方法で操作することができる。例えば、ターゲット値が特定の環境状態下での周波数に対する関心物質の誘電率を表すデータとして提供される場合、測定値を電極アセンブリ周辺の材料の比誘電率を表す値に変換することができる。また、ターゲット値は、測定値との直接比較を可能にするよう、様々な形態での提供が可能であり、これにより比較器の構成を著しく容易にすることができる。ターゲット値を記憶する、または、各ターゲット値を供給する別々のユニットにアクセスを有するマイクロ制御器において比較器を実装することが望ましい。例えば、ターゲット値を外部ソースから対応ネットワークを介して供給し、マイクロ制御器または多周波容量測定装置内の如何なる記憶装置内の対応ライブラリデータを更新または完成させるようにすることができる。有利には、測定装置は、有線ネットワークまたは無線ネットワークを介して対応ターゲット値の受信を可能にする通信ユニットを備えてもよい。本発明の別の実施の形態では、通信ユニットは、外部ソースで測定データの評価が行えるように測定装置から外部ソースにネットワークを介してデータを送信するよう構成することができ、これにより、状態の異なる物質を多数含む大型データベース使用の可能性を提供することができる。特に、前述の通り、ターゲット値は、三つ以上の周波数それぞれにおける少なくとも二つの異なる温度に対する材料の比誘電率を表してもよい。これにより、水から氷および氷から水への変化を確実に検出して示すことができる。
【0016】
本発明の別の実施の形態では、測定装置は、感知器に基準信号を供給するよう構成された基準信号源をさらに備え、基準信号は三つ以上の異なる周波数それぞれに対する基準値を表す。基準信号は、特定の基準状態における、三つ以上の異なる周波数それぞれに対する電極アセンブリの容量を示す。
【0017】
基準信号源により、電極アセンブリの特定の基準状態を示す信号が利用可能となる。よって、当該信号を使用することにより、スプリアス信号や、サンプル物質に起因せずに電極容量に影響を及ぼす他の影響を低減または排除することができるため、得られる測定値の正確性を向上することができる。例えば、基準信号は、感知器の差分出力信号の作成に使用することができ、これにより測定データの信頼性を向上させることができる。
【0018】
本発明のさらに別の実施の形態では、基準信号源は、感知器に結合され、電極アセンブリの容量を示す測定値を受信するよう構成されるとともに、電極アセンブリの状態が制御信号によって基準状態に指定された場合に測定値を基準値として使用するよう構成される。
【0019】
このようにして、電極アセンブリ自体を、制御信号の受信時に基準信号を作成する信号源として使用してもよく、これにより悪影響を低減または排除することができる。例えば、電極アセンブリの環境状態が基準信号作成に適切であると判定された場合、例えば、電極アセンブリ上に特定物質が形成されていないと仮定すると、または、周知の条件下で特定物質が電極アセンブリ上に形成されていると仮定すると、外部ソースまたは内部制御ユニットは測定サイクルを作動させる対応制御信号を供給することができる。そして、測定データは、測定装置の一つ以上の将来的な測定サイクルに対する基準値として使用される。基準状態にある電極アセンブリの状態は周知と考えられるため、温度ドリフト、電極アセンブリの永久汚染等、測定装置の測定処理に影響を及ぼす如何なる影響も、少なくとも部分的に基準値で表されるため、低減または排除することができる。
【0020】
有利には、基準信号源は、望ましくはデジタル値で得られる基準値を記憶するよう構成されるメモリを具備する。基準値を記憶することで、確立された基準値に基づいて実際の測定サイクルを所望の回数実行することができる。さらに、メモリは、基準状態の「履歴」を確立するよう複数の基準測定サイクルに対する基準値を記憶するよう構成される。このように、測定装置の「進化」を、例えば、測定装置の状態および測定装置またはその特定の構成要素の信頼性を評価するために、推定し使用することができる。例えば、アセンブリの一つ以上の電極の劣化の進行は、結果として特定の基準状態における容量の定常的な減少または上昇を生じる。これにより、基準信号の進化の評価に基づいて特定の構成要素の整備または置換が開始される。測定装置の状態の評価は、飛行機の翼上に形成される氷を検出するシステムにおけるように高信頼性を要するシステムにおいて特に有利であり、また、システム全体の信頼性が個々の装置の信頼性に大きく依存するため、中央制御局にデータを送信するようそれぞれ通信ユニットを具備する多数の個々の多周波容量測定装置を具備するシステムにおいて特に有利である。従って、個々の測定装置の維持または残留寿命の予測は全体的な信頼性に著しく寄与する。測定装置の状態評価のための対応「状態」データは、多数の装置および/または対応する試運転から集められるデータに基づいて容易に確立できる。
【0021】
本発明の別の実施の形態では、感知器は、基準信号を受信し差分信号を出力して三つ以上の異なる周波数それぞれに対する測定値を得るよう結合された演算増幅器をさらに具備する。本発明の望ましい実施の形態では、演算増幅器は、感知キャパシタの電圧および基準信号を受信し、その差分をAD変換器に出力するよう接続される。
【0022】
上述の特定の方法で演算増幅器を設けることにより、電極アセンブリからAD変換器に信号を伝達する信号路における干渉を低減させ、信号レベルを、AD変換器による更なる信号処理に適切に調節することができる。
【0023】
本発明のさらに有利な実施の形態では、基準信号源は、記憶されたデジタル基準値を受信し記憶されたデジタル値を表すアナログ信号を演算増幅器に出力するよう接続されたデジタルアナログ変換器をさらに具備する。従って、演算増幅器により提供される回路のアナログ側で得られる利点を、基準信号生成のための基準データの記憶等のデジタル信号処理と効果的に組み合わせることができ、よって、基準信号は、所望のアナログ差分信号を生成するようアナログ信号に容易に変換することができる。さらに、DA変換器は、マイクロ制御器、例えば、パルス幅変調出力または適切に重み付けされた複数のデジタル出力等として作用する適切にプログラムされたデジタル出力の形態で実装することができる。
【0024】
本発明のさらに別の実施の形態では、電極アセンブリの電極の少なくとも一つが絶縁材料でコーティングされる。アセンブリにおける電極の各々が絶縁材料層でコーティングされることが望ましい。少なくとも一つの電極に絶縁材料層を設けることで、関心物質または如何なる他の材料を介して容量結合電極間における導電路の形成が実質的に防止される。従って、電極アセンブリの容量評価がより正確におこなわれる。
【0025】
本発明の更に有利な実施の形態では、測定装置は、電極アセンブリまたは電極アセンブリの近傍の温度を検出するよう配置される温度センサをさらに具備する。温度センサを設けることで、追加の環境情報を集め、電極アセンブリの容量を示す測定値の明確化および評価に使用することができる。例えば、関心物質の温度を知ることは、周波数依存の容量値に基づいて物質を識別する処理を著しく向上させることができる。従って、物質、さらには、その量をより確実に識別することができ、異なる量の除氷物質等を有する水のように多数の異なる材料を区別することが可能になる。特に、道路情報システムのように多数の装置を含むシステムにおいては、電極アセンブリまたはその近傍温度に関する追加情報は、天気予報から得られる追加の気象データを完成させるよう中央局に供給され、これにより、外部ソースの気象データと比較してより高い「空間分解能」で交通情報を供給することができる。
【0026】
本発明の望ましい実施の形態では、測定装置は、周波数発生器および感知器に動作可能に接続されそれぞれの動作を制御する制御ユニットを備えることができる。有利には、制御ユニット、周波数発生器および感知器は、適切にプログラムされたマイクロ制御器において実装され、これにより測定装置の構成が著しく簡略化される。
【0027】
本発明のさらに別の態様では、環境状態を判定するセンサシステムは、前述し以下に詳細に説明する実施の形態のいずれかによる多周波容量測定装置を複数備え、各測定装置は、ネットワーク上でデータを送信するよう構成される通信ユニットを具備する。さらに、センサシステムは、制御ユニットとネットワーク上でデータを受信するよう構成される通信手段とを有する中央局を備え、制御ユニットは、複数の多周波容量測定装置の状態を各装置から受信したデータに基づいて評価を行うよう構成される。
【0028】
前述した通り、多くのアプリケーションにおいては、路面検出システムまたは飛行機の翼の異なる箇所の表面状態を検出し監視するシステム等の場合のように、環境状態を分散した領域にわたって検出しなくてはならない。このような場合において、本発明のシステムは、広領域の監視を可能にし、個々の測定装置の測定データおよび/または動作状態は中央局によって制御および/または監視される。本発明の幾つかの実施の形態では、中央局の通信手段および個々の測定装置の通信ユニットは、中央局に測定結果を送信するよう構成される。複数の測定データは中央局でより効率的に評価され、測定結果の一貫性が監視されるよう個々の装置の測定結果が特定の装置の近傍に位置する他の装置の測定結果に対して分析されるため、拡張ハードウェアリソースおよび拡張ソフトウェアリソースの使用が可能となる。さらに、通信手段および通信ユニットは、中央局からのデータを一つ以上の個々の装置に送信できるよう構成されてもよい。例えば、個々の装置におけるターゲット値、即ち、ライブラリデータを、中央局の判定に基づいて更新し、適当なターゲット値を個々の装置に送信してもよい。これは、測定装置内においてターゲット値に対する記憶容量が制限されており、グローバルまたはローカルの条件の変更により異なるターゲット値が必要になる場合に有利である。例えば、道路情報システムでは、夏の間、0℃未満の温度における複数の除氷物質を含む水に対するターゲット値は必要なく、代わりに電極アセンブリに堆積されるより高温かつ可変量の水に対するより正確なターゲット値が、霧または雨天時の表面状態をより正確に検出するよう個々の測定装置に送信される。
【0029】
本発明の更に別の態様では、気象測定システムは前述の実施の形態の一つによる多周波容量測定装置を具備する。気象測定システムは、多周波容量測定装置に動作可能に接続され測定装置より供給されるデータを評価するよう構成された制御ユニットをさらに具備する。さらに、気象データを表示する表示手段が設けられる。
【0030】
本発明により、従来の気象測定システムおよび気象観測所は本発明の測定装置を備え、気象測定システムの機能性を著しく拡張することができる。特に、測定装置、つまり、少なくともその電極アセンブリは、水、氷、雪および可能であればこれらの様々な量を特定の測定表面上で検出し、追加情報を得るよう配置される。従って、温度、湿度、風、気圧および日照時間等のパラメータを示すための他のセンサ素子と組み合わせて、気象条件のより正確な予測および推定をおこなうことができる。
【0031】
本発明のさらに別の態様は、電極アセンブリの状態を判定する方法を提供する。この方法は、関心状態にある電極アセンブリに周波数の異なる少なくとも三つの信号を供給することを含む。少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する電極アセンブリの容量を示す測定値が判定され、各測定値が少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対するライブラリ値と比較され、このとき、当該ライブラリ値は少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する電極アセンブリの特定の状態を表す。最後に、関心状態は、各測定値が所定の許容範囲内でそれぞれのライブラリ値と合致するときに特定の状態として識別される。
【0032】
従って、本発明によれば、本発明の測定装置を参照しながら説明されるように、電極アセンブリの容量を示す測定値は、三つ以上の異なる周波数に対して得られ、特定物質の存在のような電極アセンブリの特定の状態を識別するようライブラリ値と比較される。
【0033】
さらに、前述のとおり、ライブラリ値は、大気条件下の異なる温度に対する水のような、特定の状態下にある一つ以上の特定物質を表し、幾つかの実施の形態では、ライブラリ値は関心物質の比誘電率を表す。ライブラリ値と測定値の比較は、アナログデジタル変換、デジタルアナログ変換、算術的計算、中間データ記憶等、任意の適切なデータ操作を含む。特に、ライブラリ値と測定値の比較、および、関心状態の識別は、その場で、すなわち必要な構成要素を単独構造で具備する測定装置によって実行するか、または、適切な構成を有する分析局に有線または無線対応ネットワークから測定値を送信することで、遠隔的に実行することも可能である。例えば、測定場所の構成要素は、ライブラリ値との比較を実行し測定値を推定するようパワフルなハードウェアリソースおよびソフトウェアリソースを使用することができる遠隔局に測定結果を通信するよう周波数発生器、感知器および通信手段と組み合わされた電極アセンブリを含む。
【0034】
本発明の別の実施の形態では、この方法は、電極アセンブリを環境状態に曝し少なくとも一つの関心物質を受容することを含み、ライブラリ値は、所定の状態にある少なくとも一つの物質に当てられた電極アセンブリの状態を表す。
【0035】
従って、本発明の方法は、特定の環境状態において電極アセンブリに堆積されてもよい関心物質の存在および/または状態の判定に最も有利である。従って、ライブラリ値は、周知の所定の状態における関心物質を表し、当該状態は測定値とライブラリ値との比較で容易に識別される。前述のとおり、本発明によると、比較は、特定物質の確実な識別を可能にするよう少なくとも三つの異なる周波数に基づいて行われる。有利には、ライブラリ値は少なくとも三つの周波数それぞれに対する特定の状態下での関心物質の比誘電率を表す。
【0036】
本発明の望ましい実施の形態では、この方法は、関心物質の複数の異なる状態における、少なくとも三つの異なる周波数それぞれでの当該物質の比誘電率を表すデータのライブラリを確立することをさらに具備する。例えば、大気圧下での異なる温度における水の比誘電率を表すデータが集められ、データのライブラリとして準備され、後に測定データと比較され、水に曝されたときの電極アセンブリの対応状態を識別するよう使用される。同様に、ライブラリデータは、異なる量の塩等の特定の材料を含む水のような、複数の異なる物質に対して生成されてもよく、または、ライブラリ値は、燃料、アンモニア等に対して、これら物質が電極アセンブリに堆積されたときに識別されるよう得られてもよい。
【0037】
本発明の別の望ましい実施の形態では、この方法は、電極アセンブリに特定の状態を有する物質を当て、少なくとも三つの周波数それぞれに対する電極アセンブリの容量を示す基準測定値を決定し、基準測定値またはそれを表す値を特定の状態に対するライブラリデータとして記憶することを含む。
【0038】
これにより、実際の測定中に使用されるものと同じハードウェア構成要素を用いて、測定装置自体によってライブラリデータを作成し、よって、データ取得および評価における信号処理に必要な負荷を削減させることができる。これは、ライブラリデータが信号処理中に適切な形態および状態で記憶され、従って、実際の測定データと同じ形態および状態で記憶されるからである。例えば、電極アセンブリの容量を示す測定値をライブラリデータとして直接使用し記憶してもよい。そして、更なる実際のサイクルにおいて、これらのライブラリ値を測定値と直接比較することができる。その結果、測定値やライブラリ値を、比誘電率を直接表す数字のような特定のデータ形式に変換する必要がなく、信号処理および比較を、信号処理に便利な信号フォーマットに基づいて実行することができる。さらに、測定データに対する測定装置固有の影響は、ライブラリ値も同影響を受けるため、考慮の必要はない。
【0039】
本発明の望ましい実施の形態では、少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する電極アセンブリの容量を示す測定値の判定は、a)所定の期間にわたって少なくとも三つの異なる周波数の一つを有する信号で電極アセンブリを帯電させるステップ、b)電極アセンブリに蓄えられる電荷を判定するステップ、および、c)少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対してステップa)およびb)を繰り返すステップを具備する。
【0040】
その結果、電極アセンブリの容量の正確な表示は、所定のパルス列の印加中に蓄えられた電荷の総量を判定することにより得られる。少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する所定の期間が、所定の数のパルスを含む信号を供給することで調節されることが望ましい。特定の数のパルスを有する信号を供給することで、電極アセンブリを帯電させる信号の周波数および所定の期間の両方を、方形波発生器によって、または、マイクロ制御器の適切にプログラムされたデジタル出力によって容易に制御することができる。
【0041】
本発明の望ましい実施の形態では、電極アセンブリに蓄えられる電荷は、所定の期間が経過した後に電極アセンブリを感知キャパシタと接続させ、感知キャパシタの電圧を判定することで決定される。このようにして、電極アセンブリに蓄えられた電荷を、減少された数の電子構成要素で判定される。このとき、感知キャパシタの容量が電極アセンブリの容量に対する全ての予想値よりも著しく高く選択されることが有利である。それにより、測定値に対する感知キャパシタの影響を最小化することができる。電極アセンブリへの感知キャパシタの接続は、更なる構成要素を必要とすることなくマイクロ制御器のデジタル出力によって制御される電界効果トランジスタのような高速半導体スイッチによって達成され、電圧測定の制御を非常に効率的にすることができる。
【0042】
本発明の別の実施の形態では、少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する電極アセンブリの容量を示す測定値を判定することは、a)少なくとも三つの異なる周波数の一つおよび特定の振幅を有する信号を特定の抵抗器を介して電極アセンブリに供給するステップ、b)電極アセンブリの電圧を判定するステップ、および、c)少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対してステップa)およびb)を繰り返すステップを具備する。電極アセンブリの容量を、少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する電圧降下および特定の振幅に基づいて判定することができるよう、電極アセンブリの容量は、特定の抵抗器と共に周波数依存分圧器を形成することができる。例えば、安定した供給電圧で動作されるマイクロ制御器は、特定の周波数およびデューティサイクルを有する信号を、これらのパラメータおよび電極アセンブリにおいて実際に判定される電圧降下に基づいて容量を判定することができるよう、適切にプログラムされたデジタル出力を介して供給することができる。ローパスフィルタの形態で結合された抵抗器およびキャパシタを備えることができる積分フィルタによって電圧降下が判定されることが望ましく、フィルタキャパシタの電圧は所望の電圧降下として測定される。
【0043】
本発明の別の態様では、この方法は、複数の電極アセンブリを提供すること、および、上述のまたは添付の特許請求の範囲および下記の詳細な説明で記載する方法のいずれかに係る各電極アセンブリの状態を判定することを具備する。従って、この方法では、複数の測定データが所望の空間分解能で特定の領域を「網羅する」よう収集される。例えば、この方法は、道路情報システム、環境状態、飛行機の翼、船体、ロケット体等の表面監視用の監視システムと組み合わせて有利に使用される。本発明の望ましい実施の形態では、この方法は、測定値を中央局に通信することを含み、比較および識別ステップは中央局で実施される。従って、測定データは、中央局で典型的には利用可能である高品質なハードウェアリソースおよびソフトウェアリソースにより非常に効率的に処理され評価される。例えば、ライブラリデータの膨大なライブラリは中央局で利用可能であり、プロセッサの高い能力は、複数の電極アセンブリの一つ以上に供給される物質およびその状態を精密に判定するよう大量の個々の電極アセンブリに対しても、ライブラリデータとの測定結果の比較を可能にする。さらに、本発明の幾つかの実施の形態では、電極アセンブリと中央局との間の双方向性データ転送は、電極アセンブリの状態を感知するために必要な全てのハードウェア構成要素の動作および/または状態が中央局によって監視および/または制御されるよう確立される。本発明の他の実施の形態では、電極アセンブリおよび関連するハードウェア構成要素は、測定結果を一時的に記憶する機能を備え、測定結果は必要に応じて中央局によって検索される。特に、基準測定は、電極アセンブリの現在の状態を評価するよう中央局によって開始され、基準測定の開始は、気象情報、温度信号等の追加情報に基づいてもよい。よって、例えば、道路情報システムのために、比較的信頼性の高い基準データを集めることができ、このデータを、電極アセンブリのパフォーマンスの経過表示を得るために記憶することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明の更なる望ましい実施の形態は、添付の特許請求の範囲に記載されており、以下添付図面を参照して説明される。
【0045】
図1aは、周波数発生器110と、感知器120と、電極アセンブリ130とを具備する容量測定装置100を概略的に示す。電極アセンブリ130は二つ以上の個別の電極を備え、当該電極は、電極アセンブリ130の所定状態に対して特定の容量が少なくとも当該二つの電極間で定められるよう構成され配置される。つまり、電極アセンブリ130の個々の電極は、所定の距離が電極間で定められるよう配置される特定のキャパシタ表面を定める導電性部を含む。周知の通り、互いに近接して配置される二つの導電性表面の有効容量は幾何学的構造、有効表面積の大きさ、表面積間の距離および表面積を囲う空間の誘電率によって決まる。例えば、電極アセンブリ130は、明確に規定された幾何学的構造を有し電極アセンブリ130が少なくとも一つの露出した表面部で関心物質を受容するよう配置可能となるよう対応する筺体または支持部によって支持される少なくとも一対の板状の電極を具備する。アセンブリ130の個別電極の露出した表面部の少なくとも一つは、個別電極間に導電路が確立される可能性を排除または少なくとも低減させるよう、絶縁材料層によってコーティングされることが有利である。例えば、電極アセンブリ130がリード線を有する板状の電極対の形態で提供される場合、一方または両方の電極は、電極板間の空間全体が水、氷、雪などの導電性媒体で充填された場合でも、電極間の短絡が回避されるよう完全に絶縁される。回路図において、電極アセンブリ130は、キャパシタ131と、キャパシタ131に並列に接続された高オーム抵抗器132とによって表される。特に、電極アセンブリ130のそれぞれの電極上に絶縁層が形成された場合、様々な物質が電極アセンブリ130に堆積されたとしても抵抗器132は略一定であると考えられる。しかしながら、温度、材料疲労等、如何なる他の影響も電極アセンブリ130の特定の状態において抵抗器132の値およびキャパシタ131の容量に影響を与えることは言うまでもない。しかしながら、抵抗器132およびキャパシタ131の対応する小さな変動は、以下に説明するように、容易に補償が可能である。周波数発生器110は、少なくとも三つの異なる周波数で信号を供給するよう構成される。望ましい実施の形態では、周波数発生器110は約50Hzから数百kHzまたは数MHzまでの範囲にある周波数で信号を供給するよう構成される。例えば、周波数発生器110は、50Hz、100Hz、1kHz、20kHz、100kHz、および、500kHzまたはそれ以上の周波数の信号を生成するよう構成される。図1aに示す実施の形態では、周波数発生器110は、制御ユニット112に接続された制御スイッチ113に接続された基準電圧源111を具備する。制御スイッチ113は電界効果トランジスタを含み、そのゲートは制御ユニット112に接続され、制御ユニット112は周波数発生器110によって生成される複数の周波数の一つに従って基準電圧源111を電極アセンブリ130に相応して接続させるよう特定の周波数およびデューティサイクルのゲート信号を運ぶよう適合される。図1aに示すように、要求されるハードウェア構成要素によって得られるようになるため、周波数発生器110が方形波タイプの異なる周波数の信号を生成してもよいことは明らかである。しかしながら、三つ以上の周波数が電極アセンブリ130に供給される限り、他のタイプの信号を生成する全ての他の回路も適切であることは明らかである。図1dから図1fを参照して説明されるように、特定の実施の形態では、周波数発生器110はマイクロ制御器において実装されてもよく、制御スイッチ113はマイクロ制御器のデジタル出力の形態で提供されてもよい。
【0046】
感知器120は、図1aに示す実施の形態において、所定の期間にわたって所定の周波数の信号が印加された後にキャパシタ131に蓄えられた電荷を判定するよう構成される。その結果、感知器120は、技術において周知の通り、積分器等のようなどの電荷感知測定装置121を備えてもよい。ある特定の実施の形態では、感知器120は、制御ユニット122に接続された制御スイッチ123を備え、制御ユニット122は電荷検出器121を電極アセンブリ130と接続させるためにスイッチ123を作動するよう構成される。例えば、スイッチ123は、ユニット122によって制御される電界効果トランジスタの形態で設けられ、このとき、ユニット122はマイクロ制御器において実装される対応するソフトウェアプログラムによって駆動されるデジタル出力のようなマイクロ制御器の一部分を表す。
【0047】
装置100の動作中、特定物質が、電極アセンブリ130に、または、その少なくとも一部分に堆積され、キャパシタ131の容量に影響を与える場合がある。以下では、関心物質は水であるが、電極アセンブリ130に堆積された後に容量に測定可能な変化を生ずる全ての物質にも本発明が容易に適用されることは明らかである。
【0048】
図1bおよび図1cは、複数の異なる温度についての、測定周波数に対する水の比誘電率の変化を概略的に示す。図1bは、液相の水に関する挙動を概略的に示し、図1cは、氷および雪の形成を例示し、固相の水を表す。図1bから分かるように、液体水は、1℃の温度に対して約90、80℃の温度に対して約70といった、適度に高い誘電率を有する。そのため、水が電極アセンブリ130の近傍に導入されると、容量が比誘電率に対して正比例するため、キャパシタ131の容量に著しく影響を及ぼす。
【0049】
図1cは、氷点未満の水に対する同様の曲線を概略的に示し、−1℃から−40℃の温度の氷または雪が80℃以下の水と比較して略同じ誘電率を有することが明らかである。そのため、定電流または低周波数でのキャパシタ131の容量の対応する測定では、温水と氷および雪を区別できない。従って、本発明によると、少なくとも三つの異なる周波数、望ましくはそれより多くに対して複数の測定データが得られるよう複数の異なる周波数で複数の測定信号がキャパシタ131に印加され、これにより、異なる物質間または同じ物質の異なる状態間での区別が可能となる。図1cは、容量を表す複数の測定データ、従って、電極アセンブリ130に堆積される物質の誘電率を得るために選択することができる周波数領域における複数の測定点F1...F5を示す。周波数値F1...F5は例示のみを目的とし、他の値、特に、図示する値以外の値が本発明に従って選択されてもよいことは明らかである。
【0050】
続いて、周波数発生器110は、周波数F1...F5のような複数の異なる周波数に対応する複数の異なる信号を供給するよう動作され、各異なる信号は所定の期間にわたって電極アセンブリ130に印加される。例えば、図示する実施の形態において、制御ユニット112は例えば、50%のデューティサイクルといった特定のデューティサイクルを有する所定の数の出力パルスを生成するよう周期的にスイッチ113を作動する。方形波信号は、電極アセンブリ130に印加され、電極アセンブリ130がスイッチ113によって切断された後は、キャパシタ131において特定量の電荷が蓄えられている。このとき、制御ユニット122は、キャパシタ131の容量を示す、キャパシタ131に蓄えられた電荷を感知するようスイッチ123を作動する。典型的には、電荷検出器121は、感知キャパシタを備え、望ましい実施の形態では、電荷検出器121は堆積される全ての予想される物質に対して、キャパシタ131の容量よりも本質的に大きい特定の容量のキャパシタを備えてもよい。
【0051】
従って、この状況では、キャパシタ131の容量は感知検出器121の電圧および基準電圧源111によって供給される電圧を判定することで評価される。上述の手順は、周波数F1...F5のような全ての所望の周波数に対して繰り返され、相応して得られるキャパシタ131の容量を示す測定値は、図1bおよび図1cの図面のような情報から得られる対応ライブラリデータと比較するために使用される。対応するライブラリデータがデータベース等のような公的にアクセス可能なソースから容易に得られることは明らかである。
【0052】
別の実施の形態では、対応するライブラリデータは、上述の通り、特定の状態下で周知の物質が電極アセンブリ130に当てられ測定シーケンスが行われるため、装置100自体または対応する装置によって得られる測定結果に基づいて生成されてもよい。対応する測定値は、特定の状態下での特定物質に対するライブラリデータとして使用されてもよい。その後、複数のライブラリデータを生成するよう複数の異なる状態および/または複数の物質が測定され、複数のライブラリデータは、その後、特定物質および/またはその状態を識別するよう実際の測定データとの比較に使用される。このようにして、測定値がライブラリデータとして作用する他の測定値と直接的に比較されるため測定値の更なる信号処理が必要でなくなり、信号処理およびデータ操作が著しく簡略化される。しかしながら、測定実行中に実際に使用されるライブラリデータが測定結果として装置100によって得られたとしても、測定結果を校正されたライブラリデータと関連付ける更なるデータ処理が実施されてもよく、装置100のパフォーマンスは、ライブラリデータの対応する再校正が、「校正された」データ、例えば、図1bおよび図1cの曲線のデータを用いて定期的に実施されるときに、監視することができる。
【0053】
図1dは、更なる例示的な実施の形態による多周波容量測定装置100を概略的に示す。装置100は、周波数発生器110および感知器120の機能性を少なくとも部分的に提供するようハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素の形態で様々な機能が実装されるマイクロ制御器150を具備する。図示する実施の形態では、感知器120は、適当な分解能のAD変換器の形態で設けられる電圧測定手段124に接続された電荷検出器として感知キャパシタ121を具備する。現在では多数のマイクロ制御器が8ビットから16ビットの分解能が組み込まれたAD変換回路を有して利用可能であるため、電圧測定手段124は、例えば、マイクロ制御器150において実装される。さらに、感知器120の制御スイッチ123は、マイクロ制御器150の特定のデジタル出力と組み合わせてソフトウェアプログラムの形態で提供される制御ユニット122にゲートが接続された電界効果トランジスタの形態で提供される。さらに、基準電圧源111は、マイクロ制御器150用の安定した電力供給源の形態で提供される。
【0054】
図1dに示す装置100の動作は、図1aから図1cを参照して説明した方法と同様に実施され、特に、測定データおよび/またはライブラリデータの処理は、感知キャパシタ121上で測定される電圧のAD変換により簡略化される。マイクロ制御器150は、電圧測定の測定値に基づいて、マイクロ制御器150に記憶される、または、対応するインタフェース140を介してマイクロ制御器150に供給される対応するライブラリデータと比較を行う。インタフェース140は、外部ソースに測定結果を供給する、または、装置100の測定動作を制御するためにライブラリデータおよび/または制御信号を受信するよう外部ソースと通信するのに適切な任意の通信手段を表す。例えば、外部ソースは、ライブラリデータを含むメモリ装置を表してもよい。
【0055】
本発明の別の態様では、感知器120から得られる測定値と共に基準信号を供給し、電極アセンブリ130上の関心物質から生じない如何なる内部または外部の効果を補償あるいは低減させることが有利である。従って、第2の電極アセンブリの容量を示す対応する測定値を供給するよう第2の電極アセンブリ(図示せず)が対応するハードウェア構成要素と共に設けられ、このとき第2の電極アセンブリは実質関心物質に曝されることなく特定の状態を維持するよう配置される。このようにして、関心物質から生じない全ての影響は、測定結果に対応する影響が相殺されるか少なくとも大幅に低減されるよう、電極アセンブリ130および第2の電極アセンブリに同様に影響を及ぼす。
【0056】
図1eは、第2の電極アセンブリを必要とすることなく基準信号源を含む装置100の更なる実施の形態を概略的に示す。装置100は、感知キャパシタ121と、図示する実施の形態ではマイクロ制御器150の一部分によって表される基準信号源160とに入力が接続された演算増幅器126を具備する。例えば、基準信号源160は、供給されるデジタル値に基づいてアナログ信号を供給するようDA変換器を具備する。装置100は、基準信号源160に接続されたメモリ装置170をさらに具備する。
【0057】
動作中、電極アセンブリ130が明確に特定された状態にあってよく、例えば、明確に特定された物質が電極アセンブリ130上に提供される、または、電極アセンブリ130が実質的にどのような物質も有さずこれにより電極アセンブリ130が特定の容量を有することが予想される場合、取得された測定結果に影響を及ぼさないように基準信号源160がニュートラルなまたは一定の信号を供給する測定シーケンスが開始される。対応する測定結果は、装置変動およびシステマティックドリフトを補償するために後続する実際の測定サイクルにおいて使用される基準値としてメモリ装置170に記憶される。基準値は、電極アセンブリ130が所定の状態にあると予測される場合に生成される、または、例えば、ある状態が検出された際に外部ソースまたはマイクロ制御器150によって供給される制御信号の印加された場合に、必要に応じて生成される。基準値は、ある時間にわたって基準値の変化を監視するよう記憶され、本発明の態様では、基準値の変化と相関関係で装置100の状態を判定する基準が確立される。特に、マイクロ制御器150は、特定の閾値範囲として定められる一つ以上の「有効」基準と一つ以上の基準測定が合致しないときに無効状態を示す。例えば、電極アセンブリ130をコーティングしている絶縁材料の劣化は、ある時間にわたって基準値の著しい変化を生じ、これにより実際の測定結果の信頼性を僅かに低下させる。従って、装置100は無効状態を示す、または、測定結果を慎重に考慮する通知を少なくとも供給する。装置状態の対応する監視は、個々の装置の状態が効率的に推測されるため、非常に高性能のアプリケーションおよび/または大量の装置100を必要とするアプリケーションにおいて有利である。
【0058】
さらに、装置100は、本例においてマイクロ制御器150によって表される、対応する制御ユニットに接続された温度素子180のような一つ以上の追加のセンサ素子を具備する。センサ180によって集められる追加情報は、対応するライブラリデータと測定結果を比較する際により細かい「分解能」を得るよう特定物質を検出することに関して正確性を向上させる。
【0059】
別の実施の形態では、一つ以上の追加的なセンサ素子180を含む装置100は、気象システムを表してもよく、その機能性は感知器120および周波数発生器110と組み合わせて電極アセンブリ130によって著しく拡張される。この場合、気象システムとしての装置100は、電極アセンブリ130および/またはセンサ素子180から得られる測定結果に基づいて全ての情報を表示するようマイクロ制御器150に接続された表示手段190を備えてもよい。
【0060】
図1fは、スイッチ123が省略され、感知キャパシタ121と組み合わされてローパスフィルタを形成する高オーム抵抗器125によって置き換えられる点で感知器120が簡略化されている装置100を概略的に示す。さらに、電極アセンブリ130は、キャパシタ131と組み合わされて周波数依存分圧器を形成する抵抗器133を備えてもよい。装置100の動作中、周知の振幅およびデューティサイクルの方形波信号のような特定の周波数および振幅の信号が電極アセンブリ130に供給され、所定の周波数、振幅およびデューティサイクル、および抵抗器133の値に依存する対応電圧がキャパシタ131上で生成される。特定の抵抗値を有する抵抗器133が電極アセンブリ130に、あるいは、信号路内の全ての適切な場所に組み込まれるため、キャパシタ131の容量は、キャパシタ131における電圧降下を検出することで判定される。このため、電圧を感知キャパシタ121で測定することができ、このとき、抵抗器が十分に高い値を有しキャパシタ131がキャパシタ131に供給される信号を適宜円滑にする限り特定値は重要でない。従って、キャパシタ131の容量は、電圧測定の動作を制御するパルスおよび全てのスイッチの数に対して特定の制御を必要とすることなく所定の周波数の信号が印加される間に判定される。非常に周波数の低い信号の測定に関しては、AD変換器124の動作が周波数発生器110によって供給される低周波数パルスに適時に関連付けられ、複数の測定が各サイクル内で実行され、これにより適度に正確な平均値が得られる。図1aに示される実施の形態が、演算増幅器126、基準信号源160、および/または、追加センサ素子180のような図1eに示す構成要素と容易に組み合わされることは明らかである。
【0061】
図2は、関心物質を受容するよう配置され形成される複数の電極アセンブリ230を具備するシステム200を概略的に示す。特に、電極アセンブリ230は、電極アセンブリ230の特定の容量を定める絶縁された表面部235を有する少なくとも一対の電極を具備する。電極アセンブリ230は、図1aから図1fを参照して説明された多周波容量測定を実施することを可能にする対応するハードウェアリソースおよびソフトウェアリソース250にそれぞれ接続されている。さらに、ハードウェアリソースおよびソフトウェアリソース250は、ネットワーク240を介して中央局201と通信するよう構成される通信ユニットも含む。ネットワーク240は、有線または無線通信に適したネットワークを表す。中央局201は、個々のハードウェアリソースおよびソフトウェアリソース250の動作を監視するおよび/または制御するよう構成され、個々の電極アセンブリ230上に堆積される関心物質の存在および/または状態を判定するよう個々のリソース250から測定結果を受信するよう構成されてもよい。本発明の一実施の形態では、システム200は、水、氷、雪の存在、および、氷形成の始まり等といった上述の物質に対応する状態を判定するよう関心道路の対応箇所に個々の電極アセンブリ230を配置した、路面状態に関する情報を集めるシステムを表すことができる。本発明の他の実施の形態では、システム200は、飛行機の翼等といった重要な領域上の特定物質を検出するマルチセンサシステムを表す。本発明の別の特定の実施の形態は、ハードウェアリソースおよびソフトウェアリソース250および/または中央局201は、個々の電極アセンブリ230の装置状態および/またはそれぞれのハードウェアリソースおよびソフトウェアリソース250の状態を、例えば、前述したとおり、基準測定データに基づいて推定するよう構成される。
【0062】
他の実施の形態では、中央局201は、気象情報、技術情報等の情報を受信または送信するよう外部ソースに接続されてもよい。
【0063】
その結果、本発明は、三つ以上の周波数に基づいて電極アセンブリの容量の判定を可能にする新規の多周波容量測定システムを提供し、高い信頼性をもって関心物質の存在および特徴の判定を可能にする。有利には、本発明のシステムおよび方法は、道路および幹線道路を制御および管理する企業によって使用され、路面状態を監視する能力を提供して路面上の除氷物質の不必要な使用を回避することで安全性を向上させるとともに費用を削減させる。さらに、気象観測所の能力は、露出された表面の表面状態を確実に検出するよう本発明によって提供される機能性によって拡張されてもよい。さらに、多くの産業分野では、水、燃料、または、アンモニアのような極性液体の検出が必要であり、高度のハードウェア信頼性および低コストが本発明を非常に魅力的なアプローチ法にする。さらに、本発明の装置は、路面のような対応する測定場所上での設置を容易化するよう小体積装置の形態で提供される。構造全体の複雑性が低いため、長い動作時間にわたって信頼性のあるシステムが確実にされ、このとき、電力消費量は外部電源を用いることなく特定の状態の連続的な監視を実行可能にするよう低レベルで維持される。さらに、多周波測定の概念により、水または氷の存在の検出を可能にするだけでなく氷層または水層の厚さの検出および氷形成の正確な監視も可能にする拡張された感応性が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1a】本発明の一つの例示的な実施の形態による容量測定装置の基本的な実施の形態を概略的に示す回路図
【図1b】氷点より高い温度に対して様々な周波数で動作するキャパシタの誘電体として機能するときの水の比誘電率の特性のプロット
【図1c】氷点より低い温度に対して様々な周波数で動作するキャパシタの誘電体として機能するときの水の比誘電率の特性のプロット
【図1d】マイクロ制御器を具備する測定装置の実施の形態を概略的に示す回路図
【図1e】マイクロ制御器を具備する測定装置の実施の形態を概略的に示す回路図
【図1f】マイクロ制御器を具備する測定装置の実施の形態を概略的に示す回路図
【図2】中央局に接続された複数の容量測定装置を含むシステムを概略的に示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容量を変化させる測定物質を受容するよう構成される電極アセンブリと、
前記電極アセンブリに結合され、それぞれ周波数の異なる三つ以上の信号を適時な順序で供給するよう構成される周波数発生器と、
前記電極アセンブリに接続され、前記三つ以上の異なる周波数に対する前記電極アセンブリの前記容量を示す値を判定するよう構成される感知器と、
を具備する多周波容量測定装置。
【請求項2】
前記感知器は、
感知キャパシタと、
前記感知キャパシタに接続され、前記感知キャパシタの電圧を判定するよう構成される電圧測定手段と、
を具備する、請求項1記載の多周波容量測定装置。
【請求項3】
前記電圧測定手段は、
前記値をデジタル値で供給するAD変換器を具備する、
請求項2記載の多周波容量測定装置。
【請求項4】
前記周波数発生器は、
基準電圧源と、
前記基準電圧源を前記電極アセンブリと周期的に接続させ、前記三つ以上の周波数の異なる信号を供給する第1制御スイッチと、
を具備する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の多周波容量測定装置。
【請求項5】
前記電圧測定手段は、
前記感知キャパシタを前記電極アセンブリと制御可能に接続させる第2制御スイッチをさらに具備する、
請求項2および3または4記載の多周波容量測定装置。
【請求項6】
前記三つ以上の周波数は、約50Hzから少なくとも数MHzまでで選択される、
請求項1から請求項5のいずれかに記載の多周波容量測定装置。
【請求項7】
前記三つ以上の異なる周波数の値をそれぞれのターゲット値と比較し、前記値がそれぞれ前記ターゲット値と所定の許容範囲において合致する場合にその旨を出力するよう構成される比較器をさらに具備する、
請求項1から請求項6のいずれかに記載の多周波容量測定装置。
【請求項8】
前記ターゲット値は、それぞれ前記三つ以上の周波数における関心物質の比誘電率を表す、
請求項7記載の多周波容量測定装置。
【請求項9】
前記関心物質の二つ以上の異なる温度において、前記ターゲット値は、それぞれ前記三つ以上の周波数における前記関心物質の前記比誘電率を表す、
請求項8記載の多周波容量測定装置。
【請求項10】
前記ターゲット値は、それぞれ前記三つ以上の周波数における少なくとも二つの関心物質の比誘電率を表す、
請求項9記載の多周波容量測定装置。

【請求項11】
前記感知器に基準信号を供給するよう構成される基準信号源をさらに具備し、
前記基準信号は、前記三つ以上の異なる周波数それぞれに対する基準値を表し、基準状態に対する前記三つ以上の異なる周波数それぞれに対する前記電極アセンブリの容量を示す、
請求項1から請求項10のいずれかに記載の多周波容量測定装置。
【請求項12】
前記基準信号源は、前記感知器に接続され、前記電極アセンブリの前記容量を示す前記値を受信し、前記電極アセンブリが制御信号によって基準状態として指定された場合に前記値を基準値として使用する、
請求項11記載の多周波容量測定装置。
【請求項13】
前記基準信号源は、
デジタル値として得た前記基準値を記憶するよう構成されるメモリを具備する、
請求項3および請求項12記載の多周波容量測定装置。
【請求項14】
前記感知器は、
前記基準信号を受信し差分信号を出力して前記三つ以上の異なる周波数それぞれに対する前記値を得るように接続された演算増幅器をさらに具備する、
請求項11から請求項13のいずれかに記載の多周波容量測定装置。
【請求項15】
前記演算増幅器は、
前記感知キャパシタの電圧および前記基準信号を受信し、前記差分信号を前記AD変換器に出力するよう接続される、
請求項3および請求項14記載の多周波容量測定装置。
【請求項16】
前記基準信号源は、
前記記憶されたデジタル値を受信し、前記記憶されたデジタル値を表すアナログ信号を前記演算増幅器に出力するよう接続されたDA変換器をさらに具備する、
請求項13および請求項15記載の多周波容量測定装置。
【請求項17】
前記周波数発生器および前記感知器は、マイクロ制御器において実装される、
請求項1から請求項16のいずれかに記載の多周波容量測定装置。
【請求項18】
温度センサをさらに具備する、
請求項1から請求項17のいずれかに記載の多周波容量測定装置。
【請求項19】
前記電極アセンブリの各電極は、絶縁材料層でコーティングされる、
請求項1から請求項18のいずれかに記載の多周波容量測定装置。
【請求項20】
外部ソースにデータを転送するよう構成される通信手段をさらに具備する、
請求項1から請求項19のいずれかに記載の多周波容量測定装置。
【請求項21】
環境状態を判定するセンサシステムであって、
ネットワーク上でデータを伝送するよう構成される通信ユニットをそれぞれ具備する、請求項1から請求項20のいずれかに記載の複数の多周波容量測定装置と、
制御ユニットと、前記ネットワーク上でデータを受信するよう構成される通信手段とを有する中央局であって、前記制御ユニットが前記複数の多周波容量測定装置の状態を各測定装置から受信したデータに基づいて評価するよう構成される中央局と、
を具備するセンサシステム。
【請求項22】
前記複数の多周波容量測定装置は、
路面の状態に曝されるよう配置される、
請求項21記載のシステム。
【請求項23】
前記通信手段は、
外部ソースから気象データを受信するようさらに構成される、
請求項21または請求項22記載のシステム。
【請求項24】
環境情報を得るための少なくとも一つの更なるセンサ素子を具備する、
請求項21から請求項23記載のシステム。
【請求項25】
請求項1から請求項20のいずれかに記載の複数の多周波容量測定装置と、
前記多周波容量測定装置に動作可能に接続され、前記多周波容量測定装置から供給されるデータを評価するよう構成される制御ユニットと、
気象データを表示する表示手段と、
を具備する気象測定システム。
【請求項26】
電極アセンブリの状態を判定する方法であって、
関心状態の前記電極アセンブリに少なくとも三つの周波数の異なる信号を供給するステップと、
前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する前記電極アセンブリの容量を示す測定値を判定するステップと、
前記各測定値を、前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する前記電極アセンブリの特定の状態を表すライブラリ値と比較するステップと、
前記各測定値と前記ライブラリ値とが所定の許容範囲において合致する場合に、前記関心状態を前記特定の状態と識別するステップと、
を具備する方法。
【請求項27】
前記少なくとも三つの異なる周波数は、数Hzから数MHzの範囲にある、
請求項26記載の方法。
【請求項28】
環境状態に前記電極アセンブリを曝し少なくとも一つの関心物質を受容するステップをさらに具備し、
前記ライブラリ値は、
所定の状態の前記少なくとも一つの物質を当てた前記電極アセンブリの状態を表す、
請求項26または請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記ライブラリ値は、
前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する特定の状態下での前記少なくとも一つの物質の比誘電率を表す、
請求項28記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも一つの物質の複数の異なる状態での、前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれにおける前記物質の比誘電率を表すデータライブラリを確立するステップをさらに具備する、
請求項26または請求項27記載の方法。
【請求項31】
前記異なる状態は、前記物質の複数の異なる温度を含む、
請求項30記載の方法。
【請求項32】
前記ライブラリは、複数の異なる物質の前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれにおける比誘電率を表すデータを含む、
請求項30記載の方法。
【請求項33】
特定の状態の前記物質を前記電極アセンブリに当てるステップと、
前記少なくとも三つの周波数それぞれに対する前記電極アセンブリの容量を示す基準測定値を判定するステップと、
前記基準測定値または前記基準測定値を表す値を前記特定の状態に対するライブラリデータとして記憶するステップと、
をさらに具備する請求項30から請求項32のいずれかに記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する前記電極アセンブリの容量を示す前記測定値を判定するステップは、
a)所定の期間にわたって前記少なくとも三つの異なる周波数の一つを有する信号により前記電極アセンブリを帯電するステップと、
b)前記電極アセンブリに蓄えられる電荷を判定するステップと、
c)前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれにおいてステップa)およびステップb)を繰り返すステップと、
を含む、請求項30から請求項33のいずれかに記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する前記所定の期間は、所定数のパルスを含む信号を供給することにより調節される、
請求項34記載の方法。
【請求項36】
前記電極アセンブリに蓄えられる電荷は、
前記所定の期間後に前記電極アセンブリと感知キャパシタとを接続し前記感知キャパシタの電圧を判定することにより、判定される、
請求項34記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する前記電極アセンブリの容量を示す前記測定値を判定するステップは、
a)前記少なくとも三つの異なる周波数の一つおよび特定の振幅を有する信号を特定の抵抗器を介して前記電極アセンブリに供給するステップと、
b)前記電極アセンブリの電圧を判定するステップと、
c)前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対してステップa)およびb)を繰り返すステップと、
を含む、請求項30から請求項33のいずれかに記載の方法。
【請求項38】
前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対する前記電極アセンブリの容量を示す前記測定値を判定するステップは、
前記電極アセンブリの基準状態を表す基準信号を生成し、前記基準信号を前記電極アセンブリの出力信号から減算して前記少なくとも三つの異なる周波数それぞれに対して差分信号を供給することを含む、
請求項30から請求項37のいずれかに記載の方法。
【請求項39】
前記基準信号は、
前記電極アセンブリが前記基準状態にあり前記基準信号またはその表示が記憶されている場合に、前記出力信号の前に生成される、
請求項38記載の方法。
【請求項40】
前記基準信号またはその表示は、
デジタル形式で記憶され、前記出力信号から減算される前にアナログ信号に変換される、
請求項39記載の方法。
【請求項41】
環境情報を得て、前記環境情報に基づいて前記電極アセンブリの状態を識別するステップをさらに具備する、
請求項30から請求項40のいずれかに記載の方法。
【請求項42】
前記環境情報は、前記電極アセンブリの直近の環境の温度を含む、
請求項41記載の方法。
【請求項43】
複数の電極アセンブリを提供するステップと、
請求項30から請求項42のいずれかに記載の方法に従って前記複数の電極アセンブリそれぞれの状態を判定するステップと、
を具備する方法。
【請求項44】
測定値を中央局に通信するステップをさらに具備し、
前記比較ステップおよび識別ステップは前記中央局において実行される、
請求項43記載の方法。


【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図1d】
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【図1e】
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【図1f】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−162593(P2006−162593A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−267250(P2005−267250)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(505347499)フォンダツィオーネ トリノ ワイヤレス (5)
【Fターム(参考)】