説明

多孔質ポリテトラフルオロエチレンチューブの製造方法

【課題】人工血管として有用な多孔質ポリテトラフルオロエチレンチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】a)フィブリルによって相互に接続された結節の微細構造を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレンのチューブを提供し、b)前記チューブをマンドレル上にフィットさせ、c)前記チューブを長手方向に圧縮し、d)前記チューブの第1領域を、第2領域よりも高く加熱し、e)チューブをマンドレルから取り出し、f)チューブを長手方向に伸長する、各工程を含む、多孔質ポリテトラフルオロエチレンチューブの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工血管に用いられる多孔質ポリテトラフルオロエチレンチューブの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バイパス移植片や管内移植片などの各種人工血管の用途に使用されるために外的圧縮力に耐えるように、径方向の支持を備えた人工血管に対してニーズが存在している。バイパス移植片は、生体血管の疾患部分をバイパスするために外科的に移植される。管内移植片は、生体の管又は血管の内側に移植される。周方向に拡張性をさらに有する径方向に支持された人工血管は、患者の必要性に合せて人工血管を正確なサイズにするのにより多くの選択を外科医に与える。即ち、外科医は、所望の直径まで人工血管の周長を大きくするようにバルーンカテーテルを使用することができ、また、必要によりテーパーの付いたセクションを形成することもできる。バルーンカテーテルその他の加圧手段は、主管の内側の管内人工血管の円周を大きくし、それによって有効な流路面積を最大限にするように利用されることができる。人工血管の端は、公知の機械的固定手段によって主管又は先に移植されていた人工血管に固定されることができるが、場合により管内移植においては、とりわけ下流(遠位)の端では固定する必要がないこともある。
【0003】
このような人工血管は、ねじれ抵抗性があって、人工血管の周長を大きくした後に最小限の径の戻りを有するならば、より一層の価値を有する。これらの特質は、流れ横断面積の低下が開存性に悪影響するため、人工血管が開存を維持する性能をさらに高める。
【0004】
種々の刊行物が、血管用に外的強化材を備えた多孔質ポリテトラフルオロエチレン(以降、PTFE)人工血管の使用を記載している。外面に取り付けられたフッ化エチレンプロピレン(FEP)リングとPTFEの螺旋状ビーズを有するPTFE人工血管が長年市販されている。また、他のタイプの人工血管、とりわけポリエチレンテレフタレート(PTFE)人工血管にも外的支持が適用されてきた。
【0005】
また、種々の刊行物が、多孔質PTFE人工血管の管内の用途を記載している。例えば、次の文献、「Ahn,SS et al.,“Endovascular Femoropopliteal Bypass:Early Human Cadaver and Animal Studies,”Ann Surg 1995;9:28-36 」、「Morris,GE et al.,“Endovascular Femoropopliteal Bypass:A Cadaveric Study,”Eur J Vasc Endovasc Surg 1995;10:9-15 」、「Marin,ML et al.,“Human Transluminally Placed Endovascular Stented Grafts:Preliminary Histopathologic Analysis of Healing Graftsin Aortoiliac and Femoral Artery Occlusive Disease,” J Vasc Surg 1995;21:595-604」を参照されたい。
【0006】
外的強化は硬くなり易く、人工血管が適当な長さに切断されると鋭いエッジを残すことがある。また、部材の硬さと強化材の外的配置は、周りの組織にただれを生じさせることがある。外的強化材は、人工血管を移植する又は回収することをより難しくする。また、これらの外的強化材の手段は、支持された領域における人工血管の周長を大きくする性能を抑制する。
【0007】
上記の刊行物は、人工血管又は種々の他の医療デバイスとして使用され得るいろいろなPTFE材料を記載している。オノ(Ono)の米国特許第4280500号は、多孔質と充実のPTFEの長さがいろいろなセグメントのチューブを含んでなるカテーテル導入器の形態のチューブ状フレキシブル医療器具を記載している。このようなチューブは、良好な可撓性と相当な径方向の耐圧縮性を有するが、チューブの内面に充実(無孔質)材料を含むため、人工血管として使用するにはふさわしくない材料である。
【0008】
セイラー(Seiler)らは、多孔質PTFEチューブの外面に横方向に筋をつけることによって作成された外的強化構造を有するPTFE人工血管を記載している。この筋づけは、伸長の前又は後に行われ、例えば、チューブの外面からチューブ壁を通る道の一部に挿入された鋭利な刃を用いて行われる。伸長の前に筋をつける場合、以降の伸長工程は、筋の間の材料を分離し、未伸長材料のより高い密度を実質的に保持する一方で、チューブの残り(内側部分)は伸長の際により多孔質になる。横方向の筋の間のチューブの外側のより高密度の部分は、外側の強化構造を形成する。あるいは、チューブが伸長された後に筋づけを行うこともでき、この場合、後で長手方向に保持されながらPTFEの溶融温度より高く加熱され、筋の間の材料を収縮させ、より高い密度の外側強化構造を形成する。
【0009】
多孔質延伸膨張PTFEに関するその他のいろいろな特許が、種々の微細構造を有する材料を記載している。例えば、オキタ(Okita)の米国特許第4208745号と同4248924号は、非対称の微細構造を有し、材料の1つの表面が反対表面と実質的に異なる平均気孔サイズ又はフィブリル長さを有する多孔質延伸膨張PTFE人工血管と膜材料を記載している。マノ(Mano)の米国特許第4332035号は、互いに直角な方向に相対する表面の最高強度方向を有する多孔質PTFE材料を記載している。
【0010】
スズキ(Suzuki)は、米国特許第4701362号と同4730088号において、レーザーを用いて多孔質PTFEシート材料の中までの孔又は貫通する孔を形成し、それによって、形成された孔の周囲の材料は無孔質という方法を記載している。得られた有孔シート材料は、強化された孔を有し、誘電性絶縁材として種々のエレクトロニクス用途に有用な耐圧縮性材料であると記載されている。
【0011】
米国特許第4877661号、同5026513号、同5308664号において、ハウス(House)とメイヤーズ(Myers)は、材料に繰り返して伸長と回復ができる性能を与える曲がったフィブリルを有する多孔質PTFE材料を記載している。人工血管のようなチューブ状に作成されると、得られたチューブは、チューブの長手方向に伸長挙動を示す。このタイプのチューブは、曲げの際に耐ねじれ性でもあり、通常の多孔質延伸膨張PTFEチューブよりも若干耐圧縮性が優れるが、外的リング又は螺旋状強化材を有する人工血管が一般に使用されるその人工血管のジョイントを横切って延びる移植片のような特定の移植片の状況から生じる外的圧縮力に耐えることができる意味において、十分に耐圧縮性ではない。
【0012】
コーリギ(Kowligi)らの米国特許第5466509号は、多孔質延伸膨張PTFEを作成するのに一般に使用される伸長工程の前にPTFE押出物にある模様を圧痕又は形成することによって割合に広範囲にわたって変化する結節間距離を有する多孔質PTFE材料を提供する方法を教示している。このプロセスは、その他の機械的特性を悪化させることなく多孔質PTFEの気孔率を高める方法と記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、付加的な外的部材とは相違した内的な径支持を有する人工血管に用いられる多孔質ポリテトラフルオロエチレンチューブの製造方法に関する。このような構造は、外的支持に関わる問題を回避すると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、外的圧縮力に抵抗する内的な径支持を有する人工血管に用いられる多孔質ポリテトラフルオロエチレンチューブの製造方法である。すなわち本発明は、その長さの少なくとも一部にそって交互の第1と第2の領域を有し、前記第1領域が前記第2領域を上回る密度を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレンのチューブを製造する方法であって、
a)フィブリルによって相互に接続された結節の微細構造を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレンのチューブを提供し、
b)前記チューブをマンドレル上にフィットさせ、
c)前記チューブを長手方向に圧縮し、
d)前記チューブの第1領域を、第2領域よりも高く加熱し、
e)チューブをマンドレルから取り出し、
f)チューブを長手方向に伸長する、
各工程を含む製造方法である。
【0015】
この内的支持を与えるために人工血管に付加的な材料が追加される必要は全くない。言い換えれば、本発明により製造される人工血管は、その密度を高めるために長手方向に圧縮され、その長さに沿った領域は、密度の増加を保持するために加熱される。このプロセスは、比較的高い密度と比較的低い密度の、人工血管の長手に沿った硬さの変化に対応する交互の領域を提供する。この交互の領域は、比較的高密度の領域が比較的短い平均フィブリル長さを有するといった、その領域に付随した交互のフィブリル長さによって特徴づけられる。この領域は、チューブの外面と内面の間に存在すると考えられる。異なる領域におけるフィブリル長さの相異を、チューブの内面を観察することにより又はチューブの長手方向の壁横断面を調べて、外面と内面の間の壁の中間付近のいろいろな領域におけるいろいろなフィブリル長さを観察することによって観察することができる。チューブの外面は、リング、螺旋又はリブのような外的強化構造の存在を排除した外側表面と考えられる。
【0016】
もう1つの態様において、本発明により製造される人工血管は、周辺が拡張可能な構造にされる。この特性は、医者に特注されたサイズに本人工血管がされるのを可能にする。また、管内の配置において、本人工血管が最大のあり得る流れ横断面積を有して移植されることを可能にする。さらにもう1つの態様において、拡張適性の利点は、本人工血管の周辺を大きくした後に戻り抵抗を与えることによって最大限にされることができる。この特長もまた、最大流れ横断面積を確保する助けとなる。本願において用語「周辺」は、本発明の物品の横断面の外側境界を指称するために使用される。任意の所与の程度の拡張について、物品がしわが寄る、曲げられている、又は滑らかであるかによらず、周辺は同じである。周方向に拡張適性にするその他の形態の径方向強化は知られていない。
【0017】
径方向に支持された領域は、人工血管の各領域を長手方向に圧縮し、次いでその領域を局所的に熱処理することによって形成される。この熱処理は、長手方向の圧縮によって得られるその領域の密度の増加を保存する。限定されるものではないが、誘導、伝導、対流などの様々な熱処理法が使用可能である。熱エネルギーを供給するために加熱ワイヤー、レーザー、加熱ダイが使用可能である。その他の適切な技術も採用されてよい。
【0018】
また、本発明は、テーパー付きチューブやシートのようなその他の形態で実施されてもよい。あるいは、緻密な領域は、伸長による延伸膨張の前にチューブ状PTFE押出物のある領域を局所的に熱処理することによって作成されることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明により製造される人工血管は、好ましくは、多孔質PTFEからなり、最も好ましくは、米国特許第3953566号と同4187390号による教示にしたがって製造された、フィブリルによって相互に接続された結節の微細構造を有する多孔質PTFEからなり、これらの特許は本願でも参考にして取り入れられている。多孔質PTFEからなる場合、本発明により製造される人工血管は、PTFEの化学的不活性に由来する付加的な有用性を有し、生体の動脈や静脈などの血管内に配置された管内移植片、バイパス人工血管、血管の種々の修復材として特別な価値を有する。多孔質PTFEの気孔とサイズは、本人工血管が血液の漏れを実質的に透過せず、そのため予めの凝固を必要としないものであることができる。
【0020】
図1は、多孔質PTFEチューブ10に比較的低い密度の領域11と比較的高い密度の領域13が設けられた本発明の態様を示す。好ましくは、比較的低い密度の領域11と比較的高い密度の領域13は、隣接した交互のリング形の領域の形態である。比較的緻密なリング形の領域は、一般に比較的低い密度の材料のみからなる壁を有して作成された多孔質PTFEの通常のチューブの形態の人工血管よりも、かなり高い程度の径方向の耐圧縮性をチューブに与える。
【0021】
図1は、3つの比較的低密度の領域11と交互になる3つのリング形の比較的高密度の領域13を有するチューブを示す。この図は、複数の交互の低密度と高密度の領域を示しているが、所望により多数の交互の領域が提供され得るのは言うまでもない。本発明は、比較的高い密度の少なくとも2つの領域に、何らかの交互の関係で比較的低い密度の少なくとも2つの領域が与えられることを必要とする。比較的高い(又は低い)密度の領域は均一な密度である必要はなく、同じ密度である必要もなく、チューブの周囲を完全に囲む必要もない。例えば、低密度領域11の幅(チューブの長手軸の方向で測定)は、高密度領域13の幅よりも大きくてよい。また、この幅の関係は逆転してもよい。さらに、個々の高密度(低密度)の領域は、同じ幅である必要もない。
【0022】
高密度と低密度の交互の領域11と13とは、チューブ10の長手軸15に平行にチューブ10の外側表面にそう任意の線にそった1つの方向に移動して、ある密度の領域から別な密度の領域に交替(変化)するものとして規定される。図2は、低密度と高密度の領域11と13が螺旋状の関係で提供された別な態様を示す。この態様によると、チューブ10の全長にわたってチューブ10の周りを連続的に螺旋状に巻く1つの低密度領域11とそれに隣接する高密度の螺旋状に巻く領域13が存在する。ここで、本発明の目的に関し、これらの領域は、長手軸15に平行なチューブの外側表面上の仮想線について考えるものとする。これによると、これらの個々の連続領域は、3つの低密度領域11と交互になる2つの高密度領域13とみなされる。
【0023】
図3に示すように、低密度領域11と高密度領域13は、概ね真直ぐな境界を有するという必要はない。この図は、各領域はチューブ10の周のまわりに概ね配向されている点で概してリング形であるが、それぞれのほぼリング形の領域の中にジグザグ又は「Z」模様が施された態様を示す。図3に示唆されるように、交互の低密度領域11と高密度領域13は任意の所望パターンで提供されてよいことは明らかである。この異なる領域は、何らかの均一なパターン又は対称パターンである必要はない。
【0024】
図1、2、3は、本発明の説明のために、比較的高い密度の領域13を、比較的低い密度の領域11よりも暗い影を付して示している。多孔質の延伸膨張PTFEは、一般に、白い不透明な材料であり、その領域が割合に大きくて密度差が相当になければ、密度差は見た目に明らかでない。異なる密度の領域を視覚的に特定するには、一般に顕微鏡(好ましくは、走査型電子顕微鏡)を必要とする。領域の相異は、その領域が十分に大きければ、触ることによって分る。
【0025】
図4は、Goreの米国特許第3953566号と同4187390号の教示によって製造された多孔質延伸膨張PTFEの微細構造の概略図を示し、結節41がフィブリル43によって相互に接続され、フィブリルは、製造の際に材料が伸長されるほぼその方向に配向される。より詳しくは、フィブリルはある長さ45を有するが、この長さは、材料が弛緩状態、即ち、張力又は圧縮下にないときにフィブリルの主方向における隣接結節間で測定した距離である。図5は、低密度領域11と高密度領域13がこの微細構造に与えられる仕方を示す本発明のチューブの微細構造を表わすが、ここで、低密度領域11のフィブリル長さ45A の平均は、高密度領域13のフィブリル長さの45B の平均を上回る。この概略図より、比較的大きい平均フィブリル長さを有する低密度領域11は、高密度領域13よりも多くの空隙を含むことが分る。この空隙の差異は、当然ながら、密度の差異に対応する。したがって、1つの領域は、割合に一定のフィブリル長さを有するチューブ構成材料の1つの部分又はセグメントとして定められる。前述のように、本発明は、少なくとも2つの高密度領域13と交互する少なくとも2つの低密度領域11を提供する。好ましくは、低密度領域11は、高密度領域13の平均フィブリル長さを少なくとも20%上回る平均フィブリル長さを有する。より好ましくは、低密度領域11は、高密度領域13のそれを少なくとも50%上回る平均フィブリル長さを有する。好ましくは、領域13は、領域11の嵩密度を少なくとも20%上回る嵩密度を有し、これは、50%〜100%のように相当に上回ってもよい。
【0026】
図5の概略図は、本発明の2通りの領域の相対的な微細構造を描写するものと考えられ、フィブリル(チューブの長手軸に平行に配向した)の長さが全視野に収まる縦断面に見られるような、チューブの内部表面やチューブ壁の1つの視野に現われるものである。このような縦断面に見られるフィブリルは、肉厚のほぼ中間点におけるものであり、即ち、外部リブを除く外側表面と内側表面のほぼ中間である。
【0027】
図5は、真直ぐなフィブリルを示す本発明の微細構造の概略図を表すが、フィブリルは種々の程度で曲っていてもよい。本発明の微細構造は、米国特許第4877661号と同5308664号に記載のような、チューブにある程度の長手方向の迅速な回復を与えることができるかなり曲ったフィブリルを、所望により含むことができ、これらの特許は本願でも参考にして取り入れられている。
【0028】
本発明のチューブのいろいろな領域における平均フィブリル長さは、チューブ壁の縦断面又はチューブ内面の顕微鏡写真から求められる。平均フィブリル長さは、フィブリルによって相互に接続された結節の間のフィブリルの主方向で得られた10個の測定値の平均として求められる。10個の測定値は次のようにして得られる。第1に、顕微鏡写真の長手の中に少なくとも5本の途切れていないフィブリルを示す適当な倍率で、サンプル表面の代表的な領域の顕微鏡写真が作成される。フィブリルの主方向に顕微鏡写真の表面の端から端に引いた直線にそって一連の5個の測定値を求め、次いで最初の直線に平行に引いた第2の線にそって2回目の一連の5個の測定値を求める。1つの測定値は、少なくとも1本のフィブリルによって接続された隣接結節間の距離である。この方法によって得られた10個の測定値を平均し、その領域の平均フィブリル長さを得る。
【0029】
図6は、本発明のチューブの内側表面61と壁の縦断面63の双方を示す走査型電子顕微鏡写真であり、その断面はチューブの長手にそって得られ、したがって、見る方向は長手に垂直である。低密度領域11と高密度領域13の異なる平均フィブリル長さが分る。図7Aと7Bは、同じサンプルの縦の壁断面63と内側表面61の影像を代表的に示す走査型電子顕微鏡写真(×500)であり、やはりこれらの違いが明らかである。3枚の顕微鏡写真は、例1の未拡張の物品について撮った写真である。拡張の後も外観は実質的に同じである。低密度領域と別な高密度領域からサンプルを切り取り、各サンプルの見掛け体積と質量からそれぞれの嵩密度を測定した。参考として、無孔質PTFEの嵩密度は、一般に、約2.2g/ccと考えられる。
【0030】
次に、本発明の径方向に支持されたPTFE人工血管の好ましい製造方法を順を追って説明する。長手方向に押出されて延伸膨張された多孔質PTFEチューブが用意され、それが、その多孔質PTFEチューブの内径と同じ又は若干大きい外径を有するステンレス鋼マンドレルにかぶせて同軸に装着される。次いでチューブの端を同時に押し込み、チューブの長さが、この長手方向の圧縮の前のチューブの最初の長さの少なくとも約50%、好ましくは約20%となるようにする。次いでこのチューブとマンドレルを、380℃に設定された空気対流式オーブンの中で約50秒間加熱する。次に、レーザーを使用し、圧縮されたチューブの所定の領域が熱処理される。レーザー処理と冷却の後、マンドレルから人工血管が取り出される。人工血管の端に適度な張力を加え、レーザーで処理されていない部分を、それらの元の長さまで伸長させる。ここで、レーザーで処理された部分は、容易に伸長させることができない。これらの比較的緻密な部分が、本人工血管に径方向の支持を与える。上記のプロセスは、図8に示したプロセスフローチャートの工程1〜6の説明である。
【0031】
図8の工程1の前に、チューブの外側表面上に多孔質PTFEフィルムが螺旋状に巻回され、次いで380℃で十分な時間にわたってチューブに熱結合されることもでき、あるいは、チューブがレーザー処理され、マンドレルから取り出され、伸長され、同じ直径のマンドレル上に再度装着された後にそのフィルムが適用されてもよい。フィルムは、米国特許第3953566号と同4187390号の教示にしたがって作成される。この螺旋状に巻回されたフィルムは、本人工血管にフープ強度を与え、許容されない動脈瘤に対して保証を提供する。フィルムがこのように施されると、得られた人工血管は実質的に拡張することができない。あるいは、フィルムの巻回を実施せず、それでフィルムの拡張適性を保持することもできる。さらにもう1つの態様を図8に示す。フローチャートの工程7〜13に概説したようにしてさらにチューブを加工してフィルムチューブを作成することにより、第2の周長までチューブを周方向に拡張する内圧に曝されることができる、拡張可能な径方向に支持されたチューブを提供する。圧力を高めると、その周長は、この第2の周長を上回って変化することはまず殆どなく、究極的には、この第2の周長をそれ程上回ることなく本人工血管は破裂する。工程9に示したフィルムチューブの結合と、工程12のPTFEチューブへのフィルムチューブの結合は380℃で行われる。
【0032】
管内の径方向に支持された人工血管は、好ましくは、正常なシステム動作圧力がそれ程限度を超えなければ、それを超えて有意に拡張しない第2周長を有して作成される。例えば、管内人工血管に関し、正常な人の心臓による血圧(120mmHg)の25倍を上回る圧力が、本発明の人工血管にその第2周長を超えて周長を実質的に大きくさせるのに必要である。血管の管内移植片の1つの態様は、例えば、周長拡張の前に約3mmの初期内径を有する。この小さな最初の直径は、血管内に容易に挿入することを可能にする。この態様の第2周長は、例えば8mmの直径に対応することができ、このため、約8mm以下の内径を有する血管内に挿入されるのに最も有用であろう。8mmの内径に対応するこの態様の第2周長は、事実上全ての正常な動作条件下における血管の周長のさらなる拡張を制限する。第2周長は、螺旋状に巻回された多孔質PTFEフィルムの薄いフィルムチューブの存在によって確立される。このフィルムチューブは、多孔質PTFEの基材チューブの外側表面に結合されることができる。この基材チューブは、好ましくは、長手方向の押出と延伸膨張によってシームレスチューブが形成されることによって製造され、あるいは、この基材チューブは、チューブの長手軸に実質的に平行に配向された多孔質PTFEフィルム層から、この同じ方向に継目を有して作成されることもできると考えられる。螺旋状に巻回された多孔質PTFEフィルムは、主として、基材チューブの外側表面の周りに実質的に周方向に配向されたフィブリルからなり、それによって、得られる管内人工血管の第2周長を束縛・制限する。螺旋巻回の多孔質PTFEフィルムは、好ましくは、チューブの長手軸について逆方向に多数回巻回される。また、このような管内人工血管は、基材チューブを使用せずに、反対方向に螺旋状に巻回された螺旋巻回の多孔質PTFEフィルムから製造されることもできると考えられる。これとは逆に、本管内人工血管は、付加的な周方向の強度は必要としない用途には第2周長を有さずに作成することもでき、この場合、本人工血管の周の拡大に対しては予め確立された制限は存在しない。
【0033】
図8の工程1〜13によって製造された拡張可能な径方向に支持されたチューブは、さらに処理され、仕上工程14〜19によって戻り抵抗を与えることができる。工程15の熱処理は、周方向の拡張の後のチューブの戻りを最小限にするのに役立つ。工程18の熱処理は、あり得る以降のスチーム滅菌プロセスに伴う寸法変化を最小限にするのに役立つ。これらの2つの熱処理工程は、それぞれ380℃と200℃で行われる。工程20〜23は、以降の周拡張の際のチューブの短縮を最小限にする。
【0034】
人工血管の戻りの割合は、滑らかな研磨された外面を有するテーパー付き金属マンドレルを使用して測定される。適切なテーパーは長手軸から1.5゜である。好ましくは、マンドレルに間隔を設けて漸増する直径の目盛りが施され、マンドレルの小さい方の直径の端からチューブをゆっくりと滑らせ、テーパー付きマンドレルの表面でチューブを動かなくさせ、適切な目盛りを読み取ることによって、チューブの内径が測定されることができる。あるいは、チューブの内径は、輪郭投影測定装置を用い、先述のように一緒にフィットさせたチューブとマンドレルを観察することによって測定することもできる。目盛り付きマンドレル又は輪郭投影器のいずれを用いても、人工血管の戻り割合は、人工血管の初期直径を最初に測定することによって求められる。次いで人工血管が、最少限の力によって、25%の直径増加が得られるまで、テーパー付きマンドレルの上でゆっくりと滑らされる。この増加した直径は、拡張した直径であると考える。次いで、人工血管に張力を与えるのを避けるため、人工血管がマンドレルから押し出される。人工血管が戻るのに少なくとも30分間待った後、初期直径を測定するのに用いたのと同じ方法を行うことによって、テーパー付きマンドレルを用いて戻り直径が測定される。次の式を用いて戻り直径が求められる。
【0035】
【数1】

【0036】
戻り抵抗性とは、14%以下、より好ましくは10%以下の戻り値(%)を示す物品を意味すると考える。
【0037】
工程4に示したレーザー処理は、いくつかの仕方で行うことができる。下記のパラメーターを変化させ、チューブにいろいろな程度の縮れと圧縮の抵抗を与えることができる。レーザーを使用することにより、チューブの周りを完全に取り巻くリング、螺旋、Z形模様、及びこれらの組み合わせをチューブに施すことができる。以降の伸長の後、チューブは、これら模様を有する緻密な領域を保持する。また、これらの模様は、チューブの外側にワイヤーを巻回し、次いでワイヤーを加熱するなどの種々の熱処理プロセスによって施すこともできる。選択される温度、温度の適用時間、熱エネルギーを与える負荷サイクルは、いずれも重要なプロセスパラメーターである。これらのパラメーターの変化は、いろいろな程度の熱処理をもたらす。また、チューブの肉厚の端から端までで異なる熱処理を与えるようにプロセスを改良することもできる。緻密な領域の圧縮抵抗は、工程2における長手方向の圧縮の程度を変化させることにより、また、模様の幅と間隔を変化させることにより、改良することもできる。
【0038】
圧縮後の材料が中程度の軸方向の張力を適用したときに伸長され得るように、緻密な領域を少なめの熱処理に供することもできる。
【0039】
生体の中に移植した後に人工血管を観察することが望まれる場合、本人工血管に放射線不透過性物質を含めて製造することができる。放射線不透過性物質の例えば硫酸バリウムは、留置カテーテルのような種々の医療器具の分野における当業者に周知である。
【0040】
本発明のより製造される人工血管は、通常の外科技術を用いて移植することができる。あるいは、カテーテル導入器を用い、血管系の管腔内に本人工血管を導入し、挿入箇所から遠い位置であってよい目的位置までガイドワイヤーによって配送することができる。バルーンカテーテルを用い、目的の位置で周方向に拡張させることができる。近位端部は、ステント、組織接着剤、ステープル、縫合などの種々の手段によって固定することができる。遠位端部も同じ方法で固定されることができるが、適合性と戻り抵抗が、遠位端部での付加的な固定をせずに管内人工血管が使用されるのを可能にすることができる。
【0041】
また、径の支持は、管内に配置された場合に人工血管が固定される必要がない程度に、頑丈であることもできる。即ち、有意な管の戻りがない中での摩擦力が主血管の内側に人工血管を適切に固定するのに役立つ程度に、人工血管が主血管の中で周方向に拡張されることができる。
【実施例】
【0042】
例1
図8のフローチャートにアウトラインを示したプロセス工程にしたがってチューブを作成した。工程1の基材チューブは、米国特許第3953566号と同4187390号の教示にしたがって作成した。得られたチューブは、2.1mmの内径と0.60mmの肉厚を有した。寸法安定性を与えるため、チューブを、PTFEの結晶融点を上回る温度に曝した。このチューブを外径2.6mmのマンドレルの上にかぶせて配置し、その元の長さの約20%まで長手方向に圧縮した(工程2)。この例で使用した全てのマンドレルは、中空のインコネル(登録商標)の管(Huntington Alloys社)から作成した。次いで、工程3により、マンドレル上のチューブを380℃に設定した空気対流式オーブンの中に42秒間入れた。
【0043】
チューブをマンドレル上に固定して長手方向に圧縮したままで、オーブンから取り出して冷却した後、6.35mmの焦点距離のレンズを備えた2010型の20WのCO2レーザー(アプライドレーザーテクノロジー社、Scottsdale,アリゾナ州)を用いてレーザー処理した。レーザーチャンバーの中に装備した締付装置とモーターにより、レーザービーム下でチューブを回転させた。レーザー処理は、チューブの表面にビームを照射し、チューブの長手にそった特定箇所の円周にリングを形成することからなった。この人工血管を600回転/分で回転させながら、300のパルス幅と39999のパルス速度の比例パルスモードでレーザーを操作した。この人工血管の最も上部を反射ミラーの9.4cm下に位置させた。ビームは、処理領域の間に幅1.6mmの間隔を設けて幅0.7mmの領域を処理するようにセットした。このプロセスは、工程4にしたがって行った。
【0044】
工程5によってチューブをマンドレルから取り出し、工程6によって、幅1.6mmの間隔が約4.0mmの幅に大きくなるまで張力下でチューブを伸ばした。人工血管を、処理した領域と間隔の幅を保つためにその長さを伸ばして、外径2.6mmのマンドレル上に再度装着した(工程7)。
【0045】
工程8に示すように、米国特許第3953566号と同4187390号にしたがって製造した幅2.5cmの多孔質PTFEフィルムを入手し、ピッチ6.4mmにして外径10mmのマンドレルの周りに螺旋状に巻回した。フィルムを、相対する方向の2回で螺旋状に適用した。工程9により、380℃に設定した空気対流式オーブン中で、フィルムチューブを11分間にわたって加熱した。次にマンドレルからフィルムチューブを取り出した(工程10)。このフィルムチューブを、工程7の多孔質フィルムチューブの上にかぶせて同軸に配置した。フィルムチューブが多孔質PTFEチューブの上にピッタリとフィットするまで、長手方向に張力をフィルムチューブに加えた。次に、PTFEチューブを覆ったフィルムチューブを長手方向に拘束し、工程11を終えた。次に、フィルムチューブと多孔質PTFEチューブを備えたマンドレルを、工程12によってフィルムチューブをPTFEチューブに結合させるため、380℃に設定したオーブンの中に9分間入れた。
【0046】
次いでマンドレルからこの複合チューブを取り出し(工程13)、一方の端で外径4mmと他方の端で外径6mmを有するテーパー付きマンドレルの小さい方の端に先ずそれを押し入れ、次いでマンドレルの6mmのセクションまでそれを押し入れることによって径方向に拡張させ、ここで、以降でダイを通して引張ること(工程14)を容易にする目的で、チューブのある短い部分を伸長させないでおいた。チューブは、この工程の全体を通じて長手方向に圧縮された状態に維持した。次に、戻り抵抗をより適切に与えるようにこの複合チューブを次の熱処理に供した(工程15)。この複合材料を380℃に設定した空気対流式オーブンの中に3分間入れた。次いでこの複合チューブをマンドレルから取り出し(工程16)、続いて、一方の端で8mmの内径と他方の端で4mmの内径を有する長さ3.8cmのテーパー付きダイを通して引張り、ダイから出した後、この複合チューブを長手方向と径方向に拘束するため、このチューブを内径3.8mmのペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)チューブの中に引き入れた(工程17)。このチューブは、しわの発生がないはずである。PFAチューブの中の人工血管を、200℃に設定した空気対流式オーブンの中に3分間入れた(工程18)。この複合移植材を、次いでPFAチューブから取り出し(工程19)、外径2.6mmを有するマンドレル上に装着した(工程20)。この複合チューブを、その元の長さの約75%まで長手方向に圧縮し、次いでそれが長くなり得ないように拘束した(工程21)。200℃に設定したオーブン中での以降の10分間にわたる熱処理は、以降の周方向の拡張の際のチューブの短縮化の程度を抑えるのに役立つ。最後の工程の工程23において、複合チューブをマンドレルから取り出した。
【0047】
緻密なセグメントの肉厚、内径、平均フィブリル長さ、及び密度、緻密な領域の間の領域の平均フィブリル長さと密度、及び圧縮抵抗を、工程23までを通じて作成されたチューブと、その後で外径6mmのマンドレル上にチューブを装着することによって行われた周方向の拡張によって加工されたチューブについて測定した。取り出す前に、マンドレル上にチューブを約60秒間にわたって保持した。長手軸に対して約1.5゜のテーパーを有して丸い横断面のテーパー付き金属マンドレルを用い、肉厚と内径を測定した。このマンドレルには、いろいろな直径の増加に対応する漸増する目盛りを設けた。マンドレルのテーパー付き表面に接触して動かなくなるまでテーパー付きマンドレルの小さめの端にチューブの開口端部をやさしくフィットさせ、その時点で適切な目盛りを読み取ることによって、チューブ直径を測定した。肉厚は、テーパー付きマンドレルにチューブ端部をフィットさせたままで、輪郭投影測定システムを用いて測定した。密度は、所望の領域からサンプルを切り取り、その寸法に基づいたサンプルの嵩体積と精密天秤を用いた正確な重量を測定し、最後に重量と体積の商を計算して求めた。平均フィブリル長さは前述のようにして測定した。圧縮抵抗テストは、内圧がない中で室温において拡張の前後で行った。チューブを50mmの長さに切り、引張試験機を用い、互いに平行な長さ50mm×幅30mmの2枚の板の間で、チューブの長さ50mmのセクションが1mm圧縮されるまで200mm/分の速度で圧縮した(1mmの圧縮は、チューブの円形横断面の注意すべき変形に相当する)。テストデータを表1に示す。戻り割合は、拡張されていないチューブについて4.4%と測定された。比較のため、肉厚3mmのImpraRGraft(製品コード10S03TW、インプラ社、テンペ、アリゾナ州)の戻り割合は15.4%と測定された。拡張されていないチューブもまた戻り割合法を用いてテストし、但し、チューブを25%拡張せずに6mmまで拡張した。得られた値は5%であった。拡張したチューブは戻り割合についてテストしなかったが、これはさらに25%ほど有効に拡張できないためであった。市販の肉厚6mmのGORE−TEX人工血管(品目番号VT06080L)から得られた比較データもまた表に示す。この人工血管の平均フィブリル長さと嵩密度は、それぞれ20pmと0.6g/ccであった。また、この人工血管は25%まで有効に拡張できず、このため戻り割合は示していない。
【0048】
この例の物品は、拡張適性、戻り抵抗、及び400gを上回る圧縮抵抗を示した。
【0049】
例2
径方向の支持はされているが拡張適性であるように処理されていないもう1つの肉厚6mmのチューブを作成した。この例において、基材チューブは市販のGORE−TEXR人工血管(品目番号VT06080L)とした。このチューブは図8の工程2〜6にしたがって加工した。チューブを外径6mmのマンドレルにかぶせて配置し、その最初の長さの約27%まで長手方向に圧縮した(工程2)。マンドレル上のチューブを、工程3により、380℃に設定した空気対流式オーブンの中に42秒間入れた。
【0050】
チューブをマンドレル上に固定して長手方向に圧縮したままでオーブンから取り出して冷却した後、6.35mmの焦点距離のレンズを備えた2010型の20W CO2 レーザー(アプライドレーザーテクノロジー社、Scottsdale,アリゾナ州)を用いてレーザー処理した。レーザーチャンバーの中に装備した締付装置とモーターにより、レーザービーム下でチューブを回転させた。レーザー処理は、チューブの表面にビームを照射し、チューブの長手にそった特定箇所の円周にリングを形成することからなった。本人工血管を600回転/分で回転させながら、400のパルス幅と39999のパルス速度の比例パルスモードでレーザーを操作した。本人工血管の最も上部を反射ミラーの9.4cm下に位置させた。ビームは、処理領域の間に幅1.6mmの間隔を設けて幅0.7mmの領域を処理するようにセットした。このプロセスは、工程4にしたがって行った。
【0051】
工程5によってチューブをマンドレルから取り出し、工程6によって、幅1.6mmの間隔が約3.0mmの幅に大きくなるまで張力下でチューブを伸ばした。
【0052】
テスト値は、上記の方法にしたがって求めた。このチューブについては戻り割合の値は示していないが、これは有効に25%ほど拡張できないためである。この例のチューブは圧縮抵抗を示した。
【0053】
この例の物品の緻密な領域(1.4g/cc)の材料から全てが構成される同様なチューブは、本発明の物品と異なり、乏しい取り扱い性と縮み抵抗性を有するものと考えられる。
【0054】
【表1】

【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】リング状領域の形態で比較的低い密度と比較的高い密度の交互の領域を有する本発明のチューブの斜視図である。
【図2】比較的低い密度と比較的高い密度の交互の領域が螺旋状に設けられた本発明により製造されるチューブの斜視図である。
【図3】異なる領域がジグザグ形又はZ形に設けられた図1の態様の変形の斜視図である。
【図4】フィブリルによって結節が相互に接続された従来技術の一般的な多孔質PTFEの微細構造の概略図である。
【図5】比較的低い密度と高い密度の交互の領域を有する本発明により製造されるチューブの微細構造の概略図である。
【図6】本発明により製造されるチューブの壁の縦断面の走査型電子顕微鏡写真(×12)である。
【図7A】本発明により製造されるチューブの壁の縦断面の走査型電子顕微鏡写真(×500)である。
【図7B】本発明により製造されるチューブの内面の縦断面の走査型電子顕微鏡写真(×500)である。
【図8】本発明の方法のプロセス工程図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
その長さの少なくとも一部にそって交互の第1と第2の領域を有し、前記第1領域が前記第2領域を上回る密度を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレンのチューブを製造する方法であって、
a)フィブリルによって相互に接続された結節の微細構造を有する多孔質ポリテトラフルオロエチレンのチューブを提供し、
b)前記チューブをマンドレル上にフィットさせ、
c)前記チューブを長手方向に圧縮し、
d)前記チューブの第1領域を、第2領域よりも高く加熱し、
e)チューブをマンドレルから取り出し、
f)チューブを長手方向に伸長する、
各工程を含む製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図8】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2007−145018(P2007−145018A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−316074(P2006−316074)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【分割の表示】特願平9−527614の分割
【原出願日】平成8年12月4日(1996.12.4)
【出願人】(391028362)ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド (18)
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
【Fターム(参考)】