説明

多層メルトブローン複合材料及びその製造方法

メルトブローン複合材料、それらからつくられた物品、及びそれらの製造方法。一つの方法は第一の材料をメルトブローして第一のメルトブローン層を形成し、第二の材料をメルトブローして第二のメルトブローン層を形成し、そして第三の材料をメルトブローして第三のメルトブローン層を形成することを含むことができ、夫々の材料が同じであり、又は異なり、夫々の材料がASTM D1238、2.16kg、230℃により測定して、約2,000dg/分以下のMFRを有する少なくとも一種の樹脂を含み、第一、第二、及び第三の材料の少なくとも一種がASTM D412により測定して、100%変形後の少なくとも70%の回復を有するエラストマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は2009年10月2日に出願された、米国仮特許出願第61/248,254号、並びに2009年2月27日に出願された、米国特許出願第61/156,078号82008EM066B)に基づいて、2009年9月24日に出願された、米国特許第12/566,410号(2008EM066B/2)、及び2009年4月21日に出願された、米国特許第61/171,135号(2008EM066C)に基づいて、2009年9月24日に出願された、米国特許出願第12/566,434号(2008EM066C/2)の優先権及び利益を主張し、これらの出願の開示が参考として本明細書にそのまま含まれる。本件出願は2008年11月14日に出願された、米国特許出願第12/271,526号(2008EM290)、2008年9月30日に出願された、米国特許出願第61/101,341号(2008EM066)、2009年3月4日に出願された、米国特許出願第61/157,524号(2008EM066A)、2009年9月24日に出願された、米国特許出願第12/566,564号(2008EM066A/2)、2009年9月24日に出願された、米国特許出願第12/566,410号(2008EM066B/2)、2009年9月24日に出願された、米国特許出願第12/566,434号(2008EM066C/2)、2009年11月24日に出願された、米国特許出願第61/264,009号(2009EM281)、2010年3月11日に出願された、米国特許出願第12/723,317号(2010EM070)、2010年3月11日に出願された、米国特許第12/723,336号(2010EM071)、及び2010年3月18日に出願された、米国特許出願第12/746,642号(2010EM091)に関連し、これらの全てが参考としてそのまま含まれる。
本明細書に示された実施態様は一般に多層不織布及びこれらの製造方法に関する。更に特別には、本明細書に示された実施態様は弾性物品における使用に適した弾性コアー層及び美観上好ましい表面仕上層を有する多層メルトブローン複合材料構造並びにこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術の記載
エラストマーはウェストバンドから、サイドパネル、クロージャーシステム、及びベビーおむつ、成人失禁及び身辺衛生ガーメントのためのシャッセに至る範囲の適用だけでなく、その他の適用における弾性不織布又はフィルムとして有益である。これらの弾性クロージャーの殆どがプラスチックの性質であり、感覚的特性、例えば、触覚及び触感を与える不織支持体を含む表面仕上層でつくられる。このようなものの例として、米国特許出願公開第2008/0045917号に開示されたもの及びその相対物が挙げられる。プラスチック表面仕上層は弾性(コアー)層(これは本来弾性であり、皮膚接触に望ましくないゴムの触感を有する)を間にはさむ。
最近、機械的活性化の形態を必要としない必要な美観品質を有する高度に弾性の、通気性の、不織布が所望されていた。既存の製品は弾性フィルムの複雑な積層物であり、典型的にはブロッキングを防止するためにフィルムに同時押出されたポリオレフィンスキンを有し得る弾性フィルムとしてのスチレンブロックコポリマー(“SBC”)、及び適切な感覚(軟質の、ふわふわした、クッションのような組織)を与えるための不織布そして或る構築物では不織布を弾性フィルムの両面に結合するためのホットメルト接着剤層である。これらの型の構築物は、一旦成形されると、非弾性成分、例えば、ポリオレフィンスキン層、接着剤層、及び不織表面仕上層の拘束する影響のためにしばしば弾性ではない。
非弾性部材の拘束する影響を除去するために、多くの複合材料は非弾性成分を延伸又は破断するために機械的延伸プロセス又は活性化プロセスを必要とする。機械的延伸は拘束を除去し、SBCフィルムにより調節された弾性複合材料を生じる。更に、このような複合材料はフィルムがこれらの積層物を通気性にするために開口又は孔開けされることを必要とする。このプロセスはフィルム破損及び増大されたスクラップ率についての関連の関心とともにフィルムの制御された破壊/引裂きを伴なう。
この領域における研究が米国特許第5,272,003号、同第5,366,782号、同第6,075,179号、同第6,342,565号、同第7,026,404号、米国特許出願公開第2008/0199673号、同第2008/0182116号、同第2008/0182940号、同第2008/0182468号、同第2006/0172647号、同第2005/0130544号、同第2005/0106978号、及びWO 2008/094337に説明されていた。しかしながら、製品性能に必須である活性化プロセスを用いないで単一布中に異なる性能特性を与え得る新しい布及びそれらの製造方法についての要望が依然としてある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
多層メルトブローン複合材料、それらからつくられた物品、及びそれらの製造方法が提供される。少なくとも一つの特別な実施態様において、多層メルトブローン複合材料はASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第一のメルトブローン層;ASTM D412に従って測定して、200%以上の極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第二のメルトブローン層;及びASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第三のメルトブローン層を含む。好ましくは、夫々の樹脂が、ASTM D1238、2.16kg、230℃により測定して、約2,000dg/分以下のMFRを有し、かつ第一、第二、及び第三のメルトブローン層の少なくとも一つが75J/g以下の融解熱を有するプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含む。
少なくとも一つの特別な実施態様において、多層メルトブローン複合材料の製造方法が第一の材料をメルトブローして第一のメルトブローン層を形成し、第二の材料をメルトブローして第二のメルトブローン層を形成し、そして第三の材料をメルトブローして第三のメルトブローン層を形成することを含み、夫々の材料が同じであり、又は異なり、夫々の材料がASTM D1238、2.16kg、230℃により測定して、約2,000dg/分以下のMFRを有する少なくとも一種の樹脂を含み、第一、第二、及び第三の材料の少なくとも一種がASTM D412に従って測定して、200%以上の極限伸び(UE)を有するエラストマーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本発明の列挙された特徴が詳細に理解し得るように、先に短く要約された、本発明の更に特別な記載が実施態様(これらの幾つかが添付図面に示される)を参照することによりなされ得る。しかしながら、添付図面は本発明の典型的な実施態様のみを示し、それ故、その範囲の限定と考えられるべきではなく、本発明についてその他の同等に有効な実施態様の余地があり得ることが注目されるべきである。
【図1】記載された一つ以上の実施態様に従って、多層メルトブローン複合材料を製造するための例示のメルトブローシステムの略図を示す。
【図2】記載された一つ以上の実施態様による、例示のダイ組立体の拡大略図を示す。
【図3】記載された一つ以上の実施態様に従って、多層メルトブローン複合材料を製造するための例示のメルトブローシステムの略図を示す。示されるように、ダイ及び収集表面が垂直に配置し得る。
【図4】記載された一つ以上の実施態様に従って、多層メルトブローン複合材料を製造するための別の例示のメルトブローシステムの略図を示す。示されるように、ダイ及び収集表面が水平に配置し得る。
【図5】記載された一つ以上の実施態様に従って、多層メルトブローン複合材料を製造するための別の例示のメルトブローシステムの略図を示す。示されるように、収集表面が垂直に配置でき、ダイが収集表面の近くのいずれかに配置し得る。
【0005】
【図6】記載された一つ以上の実施態様に従って、多層メルトブローン複合材料を製造するための更に別の例示のメルトブローシステムの略図を示す。示されるように、収集表面が垂直に配置でき、ダイが収集表面の近くのいずれかに配置し得る。一つ以上の表面仕上層がまた収集表面及びその上にメルトブローされた繊維に導入し得る。
【図7】記載された一つ以上の実施態様に従って、多層メルトブローン複合材料を製造するための更に別の例示のメルトブローシステムの略図を示す。示されるように、収集表面が水平に配置でき、ダイが収集表面の近くのいずれかに配置し得る。二つ以上のダイがまた中間層又はコアー層を形成するのに使用し得る。
【図8】記載された一つ以上の実施態様に従って、多層メルトブローン複合材料を製造するための更に別の例示のメルトブローシステムの略図を示す。示されるように、収集表面が水平のベルト又はコンベヤーであってもよく、ダイが収集表面の近くのいずれかに配置し得る。
【図9】記載された一つ以上の実施態様に従って、多層メルトブローン複合材料を製造するための更に別の例示のメルトブローシステムの略図を示す。示されるように、単一収集表面が使用でき、ダイが収集表面の近くのいずれかに配置し得る。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な記載が今示される。請求項の夫々は別々の発明を特定し、これは侵害目的のために請求項に明記された種々の要素又は制限の均等物を含むと認められる。状況に応じて、“発明”についての以下の全ての言及は或る場合には特別な実施態様のみについて言及し得る。その他の場合には、“発明”についての言及は請求項の一つ以上(必ずしも全てではない)に列挙された主題について言及することが認められるであろう。特別な実施態様、別型及び例を含む、本発明の夫々が今以下に大いに詳しく記載されるが、本発明はこれらの実施態様、別型又は例に限定されず、これらはこの開示中の情報が利用できる情報及び技術と組み合わされる場合に当業者が本発明をつくり、使用することを可能にするために含まれる。
多層複合材料(“多層積層物”)はin-situでつくられた少なくとも三つのメルトブローン層を含み得る。夫々のメルトブローン層は同じであり、又は異なる一種以上の樹脂を含み得る。夫々の樹脂は延伸性樹脂、弾性樹脂、又は非弾性樹脂であってもよい。所定の層に適した樹脂はまた二種以上の樹脂のブレンドであってもよく、この場合、夫々の樹脂が延伸性、非弾性、又は弾性であり、その結果、得られるブレンドが選ばれた樹脂、及びそれらの相対量に応じて延伸性、非弾性、又は弾性であってもよい。
【0007】
メルトブローン層は互いに隣接して配置されることが好ましい。しかしながら、一種以上のスパンレース、スパンボンド、スパンレイド、in-situからみ合い積層物層、テキスタイル、エアーレイド、パルプ、織布、一種以上の超吸着剤ポリマー(“SAP”)、又はフィルムがメルトブローン層の上又はその間に配置し得ることが考えられる。
本明細書に使用される“複合材料”又は“布”は、それが空気の通過を妨げるが、停止しないような厚さを有する構造(好ましくは平らであるが、曲がることができ、それ以外に成形可能である)であり、その構造は化学結合、溶融接着又は織り(機械的連結)により一緒に結合される繊維からつくられ、その結果、それらが構造を形成する。本明細書に使用される“繊維”はその長さがその直径又は幅よりも極めて大きい材料であり、その平均直径が5〜250μmのオーダであり、天延物質及び/又は合成物質を含む。
本明細書に使用される、“弾性”であると称される材料、樹脂、繊維、及び/又は布は100%の変形後に少なくとも70%回復し得るものである。本明細書に使用される、“非弾性”であると称される材料、樹脂、繊維、及び/又は布は100%の変形後に20%未満回復し得るものである。本明細書に使用される、“延伸性”であると称される材料、樹脂、繊維、及び/又は布はASTM D412により測定して、100%の変形後に20%〜70%回復し得るものである。延伸性の材料及び布は当業界で公知であり、一つの場合には、延伸性である材料から、又は、例えば、米国特許第5,523,141号に記載されたように、布(天然又は合成の)を機械的にゆがめもしくはねじることにより形成されたものである。
【0008】
好適な樹脂はセルロース、ナイロン、ポリアセタール、ポリアルキレンナフタレート、ポリエステル、コ-ポリエステル、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリオレフィンホモポリマー、ポリオレフィンコポリマー、アクリル樹脂、及びこれらのブレンドであってもよく、又はこれらを含み得る。特に述べられたもの以外に、“コポリマー”という用語は二種以上のモノマーから誘導されたポリマー(ランダム、ブロック、又はグラフト分布で配置し得るターポリマー、テトラポリマー等を含む)を意味し、“ポリマー”という用語は一種以上の異なるモノマーからの反復単位を有するあらゆる炭素含有化合物を表す。
好ましいセルロース材料として、レーヨン及びビスコースが挙げられる。好ましいポリアセタールはポリオキシメチレンコポリマーである。好ましいポリエステルとして、ポリオレフィン-テレフタレート及びポリアルキレンテレフタレート、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)、及びポリ(シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)(PCT)が挙げられる。
好ましいポリオレフィンは2〜8個の炭素原子を有するモノマー、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、3-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、5-メチル-1-ヘキセン、これらの混合物を含むが、これらに限定されないモノ-オレフィンモノマー及びこれらと(メタ)アクリレート及び/又は酢酸ビニルのコポリマーから調製し得る。その他の好適なポリオレフィンとして、一種以上のプロピレンホモポリマー(100質量%のプロピレン誘導単位)、プロピレンコポリマー、プロピレン-α-オレフィンコポリマー、ポリプロピレン耐衝撃性コポリマー(ICP)、ランダムコポリマー(RCP)、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、エチレンブロックコポリマー(例えば、インフューズTMオレフィンブロックコポリマー)、スチレンブロックコポリマー(例えば、クラトンTMスチレンコポリマー)、エチレン酢酸ビニル、ウレタン、ポリエステル、及びこれらのブレンドが挙げられる。或る種の特別な延伸性樹脂として、ポリアクリロニトリル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリアミド及び/又はアクリル樹脂が挙げられる。
【0009】
本明細書に使用される“ポリプロピレン”はプロピレンホモポリマー、もしくはプロピレンのコポリマー、又はプロピレンホモポリマーとコポリマーの或る種の混合物を表す。或る実施態様において、本明細書に記載されたポリプロピレンは主として結晶性であり、こうしてポリプロピレンは110℃もしくは115℃又は130℃より高い融点(Tm)を有してもよい。本明細書に使用される“結晶性”という用語は高度の分子間オーダ及び分子内オーダを有するこれらのポリマーを特徴づける。或る実施態様において、ポリプロピレンがDSC分析により測定して、60J/gもしくは70Jg又は80J/gより大きい融解熱(Hf)を有する。融解熱はポリプロピレンの組成に依存し、ポリプロピレンの最高のオーダについての熱エネルギーは189J/gと推定され、即ち、100%の結晶性は189J/gの融解熱に等しい。ポリプロピレンホモポリマーはコポリマー又はホモポリマーとコポリマーのブレンドよりも高い融解熱を有するであろう。
或る実施態様において、一種以上のポリプロピレンがアイソタクチックであってもよい。ポリプロピレン中のプロピレンシーケンスのアイソタクチック性は望ましい触媒組成物の選択による重合により得られる。13C NMRにより測定され、メソダイアド含量として表されるポリプロピレンのアイソタクチック性は米国特許第4,950,720号のように13C NMRにより測定して、或る実施態様において90%(メソダイアド[m]>0.90)もしくは95%又は97%或いは98%より大きい。別の方法で表して、13C NMRにより測定され、ペンタド含量として表されるポリプロピレンのアイソタクシチック性は、或る実施態様において93%もしくは95%又は97%よりも大きい。
【0010】
ポリプロピレンは組成で広く変化し得る。例えば、実質的にアイソタクチックのポリプロピレンホモポリマー又は10質量%以下のその他のモノマー、即ち、少なくとも90質量%のプロピレンを含むプロピレンコポリマーが使用し得る。更に、ポリプロピレンがグラフトコポリマー又はブロックコポリマーの形態で存在することができ、その場合、グラフトコポリマー又はブロックコポリマーが立体規則的なプロピレンシーケンスの特徴の、110℃もしくは115℃又は130℃より上のシャープな融点を有する限り、ポリプロピレンのブロックがプロピレン-α-オレフィンコポリマー(以下に記載される)と実質的に同じ立体規則性を有する。
ポリプロピレンは本明細書に記載されたホモポリプロピレン、及び/又はランダムコポリマー、及び/又はブロックコポリマーの組み合わせであってもよい。ポリプロピレンがランダムコポリマーである場合、コポリマー中のα-オレフィン誘導単位の%は、一般に、ポリプロピレンの5質量%まで、別の実施態様では0.5質量%〜5質量%、また更に別の実施態様では1質量%〜4質量%である。エチレン又はα-オレフィンから誘導された好ましいコモノマーは4〜12個の炭素原子を含む。一種、二種又はそれ以上のコモノマーがプロピレンと共重合し得る。例示のα-オレフィンはエチレン;1-ブテン;1-ペンテン-2-メチル-1-ペンテン-3-メチル-1-ブテン;1-ヘキセン-3-メチル-1-ペンテン-4-メチル-1-ペンテン-3,3-ジメチル-1-ブテン;1-ヘプテン;1-ヘキセン;1-メチル-1-ヘキセン;ジメチル-1-ペンテン;トリメチル-1-ブテン;エチル-1-ペンテン;1-オクテン;メチル-1-ペンテン;ジメチル-1-ヘキセン;トリメチル-1-ペンテン;エチル-1-ヘキセン;1-メチルエチル-1-ペンテン;1-ジエチル-1-ブテン;プロピル-1-ペンテン;1-デセン;メチル-1-ノネン;1-ノネン;ジメチル-1-オクテン;トリメチル-1-ヘプテン;エチル-1-オクテン;メチルエチル-1-ブテン;ジエチル-1-ヘキセン;1-ドデセン及び1-ヘキサドデセンからなる群から選ばれてもよい。
ポリプロピレンの重量平均分子量(Mw)は50,000g/モルから3,000,000g/モルまで、別の実施態様では90,000g/モルから500,000g/モルまでの間であってもよく、分子量分布(MWD、Mw/Mn)が1.5〜2.5、もしくは3.0〜4.0、又は5.0〜20.0までの範囲内である。ポリプロピレンは10dg/分から15dg/分まで、もしくは18dg/分から30dg/分まで、又は35dg/分から45dg/分まで、或いは40dg/分から50dg/分までの範囲のMFR(2.16kg/230℃)を有し得る。
【0011】
本明細書に使用される“ランダムポリプロピレン”(“RCP”)という用語は9質量%まで、好ましくは2〜8質量%のアルファオレフィンコモノマーを有するプロピレンの単相コポリマーを広く意味する。好ましいアルファオレフィンコモノマーは2個の炭素原子、又は4個から12個までの炭素原子を有する。アルファオレフィンコモノマーがエチレンであることが好ましい。
プロピレン耐衝撃性コポリマー(“ICP”)は不均一であり、耐衝撃性コポリマーの合計質量を基準として、70〜95質量%のホモポリプロピレンの第一相及び5質量%から30質量%までのエチレン-プロピレンゴムの第二相を含み得る。プロピレン耐衝撃性コポリマーは耐衝撃性コポリマーの合計質量を基準として、78質量%〜95質量%のホモポリプロピレン及び5質量%から22質量%までのエチレン-プロピレンゴムを含み得る。或る実施態様において、プロピレンをベースとするポリマーは耐衝撃性コポリマーの合計質量を基準として、90質量%から95質量%までのホモポリプロピレン及び5質量%から10質量%までのエチレン-プロピレンゴムを含み得る。
本明細書に記載されたポリプロピレンを調製するための方法についての特別な制限はない。しかしながら、例えば、そのポリマーは単一段階又は多段階反応器中のプロピレンの単独重合により得られたプロピレンホモポリマーである。コポリマーはプロピレン及びエチレン又は4個から20個までの炭素原子を有するα-オレフィンを単一段階又は多段階反応器中で共重合することにより得られてもよい。重合方法として、あらゆる好適な触媒、例えば、伝統的なチーグラー-ナッタ触媒もしくは単一部位、メタロセン触媒系、又は二金属(即ち、チーグラー-ナッタ及びメタロセン)担持触媒系を含むこれらの組み合わせを使用する、高圧重合方法、スラリー重合方法、気相重合方法、塊状重合方法、又は液相重合方法、或いはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
例示の市販のポリプロピレンとして、アチーブTMポリマー(エクソンモービル・ケミカル社、ベイタウン、TX)のファミリーが挙げられる。アチーブポリマーはメタロセン触媒系を使用して製造される。或る実施態様において、メタロセン触媒系が狭い分子量分布ポリマーを生成する。そのMWD は典型的には1.5〜2.5の範囲である。しかしながら、一層広いMWD ポリマーが多反応器による方法で生成し得る。異なるMWポリマーがMWD を広くするために夫々の反応器中で生成し得る。24dg/分のMFR を有するホモポリマーである、アチーブ3854の如きアチーブポリマーが本明細書に記載されたブレンド成分として使用し得る。また、1550dg/分のMFR のホモポリマーである、アチーブ6936G1の如きアチーブポリマーが本明細書に記載されたブレンド成分として使用し得る。その他のポリプロピレンランダムコポリマー及び耐衝撃性コポリマーがまた使用されてもよい。ポリプロピレンMFR の選択がブレンド、特に表面仕上層組成物の最終MFR を調節する手段として使用し得る。本明細書に記載されたポリプロピレンのいずれもが当業界で知られているようにスピニング性能を改良するために制御されたレオロジーにより変性し得る。
“プロピレン-α-オレフィンコポリマー”はプロピレン誘導単位及びエチレン又はC4-C10α-オレフィンから誘導された一種以上の単位そして必要により一種以上のジエン誘導単位のコポリマーであり、比較的弾性であり、かつ/又は弾性(500%より大きい極限伸び)である不織繊維及び不織布を形成する。コポリマーの全コモノマー含量は一実施態様では5質量%から35質量%までの範囲内である。或る実施態様において、一種より多いコモノマーが存在する場合、特別なコモノマーの量が5質量%未満であってもよいが、合わされたコモノマー含量が5質量%より大きい。プロピレン-α-オレフィンコポリマーは幾つかの数の異なるパラメーターにより記載されてもよく、これらのパラメーターはプロピレン-α-オレフィンコポリマーについて本明細書に記載されるようなあらゆる望ましい上限とあらゆる望ましい下限から構成される数的範囲を含んでもよい。
【0013】
プロピレン-α-オレフィンコポリマーはプロピレンのターポリマー、ブロックコポリマー(コモノマー誘導単位が長いシーケンスに沿って生じる)、プロピレンの耐衝撃性コポリマー、ランダムポリプロピレン、ランダムコポリマー(コモノマー誘導単位がポリマー主鎖に沿ってランダムに分布される)、又はこれらの混合物であってもよい。コポリマー中のランダム性又は“ブロック性”は当業界で知られており、例えば、18J. Poly. Sci.: Poly. Lett. Ed.(1980), 389-394頁に記載されているように13C NMRにより測定し得る。
或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーがコポリマーの5質量%もしくは7質量%又は8質量%或いは10質量%から18質量%もしくは20質量%又は25質量%或いは32質量%又は35質量%までの範囲内のエチレン又はC4-C10α-オレフィン誘導単位(又は“コモノマー誘導単位”)を含み得る。プロピレン-α-オレフィンコポリマーはまた二種の異なるコモノマー誘導単位を含んでもよい。また、これらのコポリマー及びターポリマーは以下に記載されるようなジエン誘導単位を含んでもよい。特別な実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーはプロピレン誘導単位並びにエチレン、1-ブテン、1-ヘキセン、及び1-オクテンから選ばれたコモノマー単位を含む。そして更に特別な実施態様において、コモノマーがエチレンであり、こうしてプロピレン-α-オレフィンコポリマーがプロピレン-エチレンコポリマーである。
一実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーがコポリマーの10質量%未満もしくは8質量%未満又は5質量%未満或いは3質量%未満、別の実施態様では0.1質量%もしくは0.5質量%又は1質量%から5質量%もしくは8質量%又は10質量%までの範囲内のジエン誘導単位(又は“ジエン”)を含む。好適なジエンとして、例えば、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、エチリジエンノルボルネン(ENB)、ノルボルナジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ジエンは、存在する場合には、ENBであることが最も好ましい。
【0014】
或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが、13C NMRにより測定して、75%もしくは80%又は82%或いは85%又は90%より大きい3プロピレン単位のトリアドタクチシティを有する。一実施態様において、トリアドタクチシティが50%から99%まで、別の実施態様では60%から99%まで、また更に別の実施態様では75%から99%まで、また更に別の実施態様では80%から99%まで、また更に別の実施態様では60%から97%までの範囲内である。トリアドタクチシティは以下のように測定される:タクチシティインデックス(本明細書中、“m/r”として表される)が、13C NMRにより測定される。タクチシティインデックスm/rがCheng, H. N.著“エチレン-プロピレンゴムの13C NMR分析”, Macromolecules, 17巻(1984), 1950-1955頁により定義されるように計算される。記号“m”又は“r”は連続のプロピレン基の対の立体化学を記載し、“m”はメソを表し、“r”はラセミを表す。1.0のm/r比が一般にシンジオタクチックポリマーを記載し、また2.0のm/r比がアタクチック物質を記載する。アイソタクチック物質は理論的には無限に近い比を有してもよく、また多くの副生物アタクチックポリマーが50より大きい比をもたらすのに充分なアイソタクチック含量を有する。プロピレン-α-オレフィンコポリマーの実施態様は4又は6から8もしくは10又は12までの範囲内のタクチシティインデックスm/rを有する。
【0015】
或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが本明細書に記載された示差操作熱量測定(DSC)操作に従って測定して、0.5もしくは1又は5J/gから35もしくは40又は50或いは65又は75J/gまでの範囲内の融解熱(Hf)を有する。或る実施態様において、Hf値が75もしくは65又は55J/g未満である。
或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが0.5%から40%まで、また別の実施態様では1%から30%まで、また更に別の実施態様では5%から25%までの範囲内の結晶性%を有し、この場合、“結晶性%”は本明細書に記載されたDSC 操作に従って測定される(ポリプロピレンの最高のオーダについての熱エネルギーは189J/gと推定される(即ち、100%結晶性は189J/gに等しい))。別の実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが40%もしくは25%又は22%或いは20%未満の結晶性%を有する。
或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーがDSC により測定して単一ピーク溶融転移を有し、或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが約110℃より大きい溶融転移の広い終点とともに、90℃未満の主ピーク溶融転移を有する。ピーク“融点”(Tm)はサンプルの溶融の範囲内の最大の熱吸収の温度と定義される。しかしながら、プロピレン-α-オレフィンコポリマーは主ピークに隣接する二次溶融ピーク、及び/又は溶融転移の終点を示してもよいが、本明細書の目的のために、このような二次溶融ピークは単一融点と一緒に考えられ、これらのピークの最高がプロピレン-α-オレフィンコポリマーのTmと考えられる。プロピレン-α-オレフィンコポリマーは或る実施態様では70℃もしくは80℃又は90℃或いは100℃又は105℃未満、またその他の実施態様では10℃もしくは15℃又は20℃或いは25℃から65℃もしくは75℃又は80℃或いは95℃又は105℃までの範囲内のピーク溶融温度(Tm)を有する。
DSC 測定についての操作は以下のとおりである。ポリマー約0.5gを計量し、“DSC 金型”及びバッキングシートとしてのマイラーTMを使用して、約140℃〜150℃で約15-20ミル(約381-508ミクロン)の厚さにプレスする。プレスされたパッドを空気中でつるすことにより周囲温度に冷却する(マイラーは除去されなかった)。プレスされたパッドを約8日間にわたって室温(約23-25℃)で熟成する。この期間の終了時に、パンチダイを使用してディスク約15-20mgをプレスされたパッドから除去し、10マイクロリットルのアルミニウムサンプルパンに入れる。サンプルを示差走査熱量計(パーキン・エルマー・ピリス1熱分析システム)に入れ、約-100℃に冷却する。サンプルを約10℃/分で加熱して約165℃の最終温度に達する。熱アウトプット(サンプルの溶融ピークの下の面積として記録される)は、融解熱の目安であり、ポリマー1グラム当りのジュール(J/g)で表すことができ、パーキン・エルマーシステムにより自動的に計算される。これらの条件下で、溶融プロフィールが二つの最大を示し、最高温度における最大を温度の関数としてのポリマーの次第に増大する熱容量についての基準線測定に対するサンプルの溶融の範囲内の融点として採用した。
【0016】
或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが0.840g/cm3から0.920g/cm3まで、別の実施態様では0.845g/cm3から0.900g/cm3まで、更に別の実施態様では0.850g/cm3から0.890g/cm3までの範囲内の密度を有し、これらの値はASTM D-1505試験方法により室温で測定される。
或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンポリマーが10又は20のショアーAから80又は90のショアーAまでの範囲内のショアーA硬度(ASTM D2240)を有する。更に別の実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが500%、1,000%又は2,000%より大きい極限伸び(ASTM D412)を有する。プロピレン-α-オレフィンコポリマーはまた約300%、400%、又は500%の低さから約800%、1,200%、1,800%、2,000%、又は3,000%の高さまでの範囲の極限伸び(ASTM D412)を有する。
或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが20,000g/モルから5,000,000g/モルまで、別の実施態様では50,000g/モルから1,000,000g/モルまで、更に別の実施態様では70,000g/モルから400,000g/モルまでの範囲内の重量平均分子量(Mw)値を有する。別の実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが4,500g/モルから2,500,000g/モルまで、更に別の実施態様では20,000g/モルから250,000g/モルまで、更に別の実施態様では50,000g/モルから200,000g/モルまでの範囲内の数平均分子量(Mn)値を有する。更に別の実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーが20,000g/モルから7,000,000g/モルまで、別の実施態様では100,000g/モルから700,000g/モルまで、更に別の実施態様では140,000g/モルから500,000g/モルまでの範囲内のz平均分子量(Mz)値を有する。
【0017】
或る実施態様において、望ましい分子量(ひいては、望ましいMFR )がプロピレン-α-オレフィンコポリマーをビスブレーキングすることにより得られる。“ビスブレーキングされたプロピレン-α-オレフィンコポリマー”(また“制御レオロジー”又は“CR”として当業界で知られている)はビスブレーキング剤がポリマー鎖を別々に分断するようにその薬剤で処理されたコポリマーである。ビスブレーキング剤の非限定例として、過酸化物、ヒドロキシルアミンエステル、並びにその他の酸化剤及び遊離基生成剤が挙げられる。別の方法で述べると、ビスブレーキングされたコポリマーはビスブレーキング剤とコポリマーの反応生成物であってもよい。特に、ビスブレーキングされたプロピレン-α-オレフィンコポリマーはそのMFR が処理前のMFR 値に対して一実施態様では少なくとも10%、また別の実施態様では少なくとも20%増大されるようにビスブレーキング剤で処理されたものである。
或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーの分子量分布(MWD)が特別な実施態様では1.5もしくは1.8又は2.0から3.0もしくは3.5又は4.0或いは5.0又は10.0までの範囲内である。分子量(Mn、Mz及びMw)及び分子量分布(MWD)を測定するための技術は以下のとおりであり、またVer Strateら著“直接チーグラー-ナッタ重合による近単分散性エチレン-プロピレンコポリマー 調製、特性決定、性質”, Macromolecules 21巻(1988), 3360-3371頁によるようなものである。本明細書に記載された条件が公表された試験条件に優先する。分子量及び分子量分布がクロマチクスKMX-6オンライン光散乱フォトメーターを備えたウォーターズ150ゲル透過クロマトグラフを使用して測定される。そのシステムが移動相としての1,2,4-トリクロロベンゼンを用いて135℃で使用された。ショウデックスTM(昭和電工米国社)ポリスチレンゲルカラム802、803、804及び805が使用される。この技術がRooney, J.G.ら著“GPC プロセスにおける機械的分解の光散乱によるオンライン測定”, Liquid Chromatography of Polymers and Related Materials III, J. Cazes編集, Marcel Dekker (1981), 207-235頁に説明されている。カラム広がりについての修正が使用されなかったが、一般に認められている標準物質、例えば、National Bureau of Standards、ポリエチレン(SRM 1484)及びアニオン重合で生成された水素化ポリイソプレン(交互のエチレン-プロピレンコポリマー)に関するデータはMw/Mn又はMz//Mwについてのこのような修正が0.05単位未満であることを実証している。Mw/Mnは溶離時間-分子量の関係から計算され、一方、Mz/Mwは光散乱フォトメーターを使用して評価された。数的分析はLDC/ミルトン・ロイ-リビエラ・ビーチ, Flaから入手し得る市販のコンピュータソフトウェアGPC2, MOLWT2を使用して行ない得る。
【0018】
本明細書に記載されたプロピレン-α-オレフィンコポリマーはポリプロピレンを製造するのに知られているあらゆる触媒及び/又は方法を使用して製造し得る。或る実施態様において、プロピレン-α-オレフィンコポリマーがWO 02/36651、米国特許第6,992,158号及び/又はWO 00/01745の操作に従って調製されたコポリマーを含み得る。プロピレン-α-オレフィンコポリマーを製造するのに好ましい方法が米国特許出願公開第2004/0236042号及び米国特許第6,881,800号に見られる。好ましいプロピレンをベースとするポリオレフィンポリマーがトレード名VISTAMAXXTM(エクソンモービル・ケミカル社、ヒューストン、TX、米国)及びVERSIFYTM(ダウ・ケミカル社、ミッドランド、ミシガン、米国)、TAFMERTM XM又はNOTIOTM(三井社、日本)の或る銘柄、出光からのLMPOTMの或る銘柄、又はSOFTELLTM(リオンデル・バーゼル・ポリオレフィンGmbH、ドイツ)の或る銘柄として市販されている。エチレンをベースとするポリオレフィンブロックコポリマーの市販の例はダウ・ケミカルからのINFUSETMオレフィンブロックコポリマーである。
【0019】
一つ以上の実施態様において、メルトブローン樹脂は天然ゴム(NR)、合成ポリイソプレン(IR)、ブチルゴム(イソブチレンとイソプレンのコポリマー、IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(クロロ-ブチルゴム(CIIR);ブロモ-ブチルゴム(BIIR))、ポリブタジエン(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、SEBSブロックコポリマー、SISブロックコポリマー、SBSブロックコポリマー、エチレン-オクテンブロックコポリマー、エチレン-オクテンコポリマー、エチレン-ヘキセンコポリマー、エチレン-ブテンコポリマー、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、クロロプレンゴム(CR)、ポリクロロプレン、ネオプレン、EPM(エチレン-プロピレンゴム)及びEPDMゴム(エチレン-プロピレン-ジエンゴム)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、ポリアクリルゴム(ACM、ABR)、シリコーンゴム、フルオロシリコーンゴム、フルオロエラストマー、ペルフルオロエラストマー、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、エチレン-酢酸ビニル(EVA)、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱可塑性加硫ゴム (TPV)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性オレフィン(TPO)、多硫化ゴム、又はこれらのエラストマーのあらゆる二種以上のブレンドであってもよく、又はこれらを含み得る。少なくとも一つの特別な実施態様において、弾性樹脂が一種以上のポリオレフィンポリマーであり、又はこれらを含む。“ポリオレフィンポリマー”という用語は40%未満の結晶性、又は75J/g未満の融解熱(Hf)を有するα-オレフィンのホモポリマー又はコポリマーを表す。
或る実施態様において、メルトブローン樹脂が一種以上のmPEホモポリマー又はコポリマーを含む、一種以上のメタロセンポリエチレン(“mPE”)であってもよく、又はこれらを含み得る。mPEホモポリマー又はコポリマーは溶液、スラリー、高圧又は気相中でアルモキサン及び/又は非配位アニオンの活性剤と組み合わせてモノ-又はビス-シクロペンタジエニル遷移金属触媒を使用して製造されてもよい。触媒及び活性剤が担持されてもよく、又は担持されなくてもよく、またシクロペンタジエニル環が置換されていてもよく、又は置換されていなくてもよい。このような触媒/活性剤組み合わせで製造された幾つかの市販の製品がエクソンモービル・ケミカル社(テキサス、ベイタウンにある)からトレード名EXACTTMとして市販されている。このようなmPEホモポリマー及びコポリマーを製造するための方法及び触媒/活性剤についての更なる情報につき、PCT特許出願公開番号WO 94/26816、WO 92/00333、WO 91/09882、WO 94/03506及びWO 94/03506;EP番号0277003、0129368、0520732、0426637、0573403、0520732、0495375、0500944、0570982及び0277004;米国特許第5,153,157号、同第5,198,401号、同第5,240,894号、同第5,324,800号、同第5,264,405号、同第5,096,867号、同第5,507,475号、同第5,055,438号及び同第5,017,714号;並びにカナダ特許第1,268,753号を参照のこと。
【0020】
或る実施態様において、メルトブローン樹脂が一種以上のターモノマー及びテトラモノマーであってもよく、又はこれらを含んでもよく、これらは一種以上のC3-C20オレフィン、あらゆるC4-C20線状、環状又は分岐ジエン又はトリエン及びあらゆるスチレン系モノマー、例えば、スチレン、アルファ-メチルスチレン、又はパラ-メチルスチレンであってもよい。好ましい例として、ブタジエン、ペンタジエン、シクロペンタジエン、ヘキサジエン、シクロヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、ノナジエン、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、イソプレン及びヘプタジエンが挙げられる。
C3-C20オレフィン及びC4-C20オレフィンはあらゆる重合性オレフィンモノマーであってもよく、好ましくは線状、分岐又は環状オレフィン、更に好ましくはアルファ-オレフィンである。好適なオレフィンの例として、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、イソペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、イソヘキセン、シクロヘキセン、ヘプテン、イソヘプテン、シクロヘプテン、オクテン、イソオクテン、シクロオクテン、ノネン、シクロノネン、デセン、イソデセン、ドデセン、イソデセン、4-メチル-ペンテン-1、3-メチル-1-ペンテン-1、3,5,5-トリメチルヘキセン-1が挙げられる。好適なコモノマーとして、ジエン、トリエン、及びスチレン系モノマーがまた挙げられる。好ましい例として、スチレン、アルファ-メチルスチレン、パラ-アルキルスチレン(例えば、パラ-メチルスチレン)、ヘキサジエン、ノルボルネン、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ブタジエン、イソプレン、ヘプタジエン、オクタジエン、及びシクロペンタジエンが挙げられる。エチレンのコポリマーに好ましいコモノマーはプロピレン、ブテン、ヘキセン及び/又はオクテンである。
【0021】
或る実施態様において、メルトブローン樹脂が一種以上のポリアルファオレフィン(PAO)を含み得る。PAO は完全パラフィン構造及び高度の分岐を有する、高純度炭化水素である。好適なPAO は-10℃以下の流動点及び3cSt以上の100℃における動粘度(KV100℃)を有する液体である。このようなPAO はC3-C24(好ましくはC5-C18、好ましくはC6-C14、好ましくはC8-C12)アルファ-オレフィン、好ましくは線状アルファ-オレフィン(LAO)のC15-C1500(好ましくはC20-C1000、好ましくはC30-C800、好ましくはC35-C400、最も好ましくはC40-C250)オリゴマー(例えば、二量体、三量体等)を含むことができ、但し、C3及びC4アルファ-オレフィンが30質量%以下(好ましくは20質量%以下、好ましくは10質量%以下、好ましくは5質量%以下)で存在することを条件とする。好適なLAO として、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、及びこれらのブレンドが挙げられる。
一つ以上の実施態様において、単一LAO がオリゴマーを調製するのに使用される。好ましい実施態様は1-オクテン又は1-デセン、好ましくは1-デセンのオリゴマー化を伴なう。一つ以上の実施態様において、PAO が“ビポリマー”もしくは“ターポリマー”又は高次コポリマー組み合わせをつくるために、二種以上のC3-C18 LAOのオリゴマーであり、又はこれらのオリゴマーを含み、但し、C3及びC4 LAOが30質量%以下(好ましくは20質量%以下、好ましくは10質量%以下、好ましくは5質量%以下)で存在することを条件とする。好ましい実施態様は偶数の炭素数を有するC6-C18 LAOから選ばれたLAOの混合物のオリゴマー化を伴なう。別の好ましい実施態様は1-オクテン、1-デセン、及び1-ドデセンのオリゴマー化を伴なう。
【0022】
一つ以上の実施態様において、PAO が5〜24個(好ましくは6〜18個、更に好ましくは8〜12個、最も好ましくは10個)の炭素数を有する単一アルファ-オレフィン種のオリゴマーを含む。一つ以上の実施態様において、PAO が混合アルファ-オレフィン(即ち、二種以上のアルファ-オレフィン種)のオリゴマーを含み、夫々のアルファ-オレフィンが5〜24個(好ましくは6〜18個、好ましくは8〜12個)の炭素数を有する。一つ以上の実施態様において、PAO が混合アルファ-オレフィンのオリゴマー(即ち、二種以上のアルファ-オレフィン種を含む)を含み、この場合、アルファ-オレフィン混合物についての重量平均炭素数が6〜14個(好ましくは8〜12個、好ましくは9〜11個)である。
一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが400〜15,000g/モル(好ましくは400〜12,000g/モル、好ましくは500〜10,000g/モル、好ましくは600〜8,000g/モル、好ましくは800〜6,000g/モル、好ましくは1,000〜5,000g/モル)の数平均分子量(Mn)を有する。一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが1,000g/モルより大きい(好ましくは1,500g/モルより大きく、好ましくは2,000g/モルより大きく、好ましくは2,500g/モルより大きい)Mnを有する。
一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが3cSt以上(好ましくは4cSt以上、好ましくは5cSt以上、好ましくは6cSt以上、好ましくは8cSt以上、好ましくは10cSt以上、好ましくは20cSt以上、好ましくは30cSt以上、好ましくは40cSt以上、好ましくは100cSt以上、好ましくは150cSt以上)のKV100℃を有する。一つ以上の実施態様において、PAO が3〜3,000cSt(好ましくは4〜1,000cSt、好ましくは6〜300cSt、好ましくは8〜150cSt、好ましくは8〜100cSt、好ましくは8〜40cSt)のKV100℃を有する。一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが10〜1000cSt(好ましくは10〜300cSt、好ましくは10〜100cSt)のKV100℃を有する。更に別の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが4から8cStのKV100℃を有する。更に別の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが25〜300cSt(好ましくは40〜300cSt、好ましくは40〜150cSt)のKV100℃を有する。一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが100〜300cStのKV100℃を有する。
一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが120以上(好ましくは130以上、好ましくは140以上、好ましくは150以上、好ましくは170以上、好ましくは190以上、好ましくは200以上、好ましくは250以上、好ましくは300以上)の粘度指数(VI)を有する。一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが120から350(好ましくは130〜250)のVIを有する。
【0023】
一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが-10℃以下(好ましくは-20℃以下、好ましくは-25℃以下、好ましくは-30℃以下、好ましくは-35℃以下、好ましくは-40℃以下、好ましくは-50℃以下)の流動点を有する。一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが-15〜-70℃(好ましくは-25〜-60℃)の流動点を有する。
一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが-40℃以下(好ましくは-50℃以下、好ましくは-60℃以下、好ましくは-70℃以下、好ましくは-80℃以下)のガラス転移温度(Tg)を有する。一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが-50〜-120℃(好ましくは-60〜-100℃、好ましくは-70〜-90℃)のTgを有する。
一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが200℃以上(好ましくは210℃以上、好ましくは220℃以上、好ましくは230℃以上)、好ましくは240℃〜290℃の引火点を有する。一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが0.86以下(好ましくは0.855以下、好ましくは0.85以下、好ましくは0.84以下)の比重(15.6℃)を有する。
【0024】
一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが2以上(好ましくは2.5以上、好ましくは3以上、好ましくは4以上、好ましくは5以上、好ましくは6以上、好ましくは8以上、好ましくは10以上)の分子量分布(Mw/Mn)を有する。一つ以上の実施態様において、PAO 又はPAO のブレンドが5以下(好ましくは4以下、好ましくは3以下)のMw/Mn及び10cSt以上(好ましくは20cSt以上、好ましくは40cSt以上、好ましくは60cSt以上)のKV100℃を有する。
望ましいPAO がエキソンモービル・ケミカル(米国)からSpectraSynTM及びSpectraSyn UltraTMとして市販されており、これらの幾つかが表Aに要約される。その他の有益なPAO として、シェブロンフィリップス・ケミカル(米国)からSynfluidTMとして、イノベン(米国)からDurasynTMとして、ネスト・オイル(フィンランド)からNexbaseTMとして、またケムツラ(米国)からSyntonTMとして入手し得るものが挙げられる。PAO について、鎖型パラフィン構造中の炭素の%(Cp)は100%に近い(典型的には98%又はさらには99%より大きい)。付加的な詳細が、例えば、米国特許第3,149,178号、同第4,827,064号、同第4,827,073号、同第5,171,908号、及び同第5,783,531号並びにSynthetic Lubricants and High-Performance Functional Fluids (Leslie R, Rudnick & Ronald L.Shubkin編集, Marcel Dekker, Inc. 1999)3-52頁に記載されている。
【0025】
添加剤
樹脂又は層のいずれかが一種以上の添加剤を更に含み得る。好適な添加剤として、あらゆる一種以上の加工油(芳香族、パラフィン系及びナフテン系の鉱油)、相溶性付与剤、焼成クレー、カオリンクレー、ナノクレー、タルク、シリケート、炭酸塩、硫酸塩、カーボンブラック、砂、ガラスビーズ、鉱物骨材、ワラストナイト、マイカ、ガラス繊維、その他の充填剤、顔料、着色剤、染料、カーボンブラック、充填剤、分散剤、難燃剤、酸化防止剤、導電性粒子、UV-インヒビター、安定剤、光安定剤、光吸収剤、カップリング剤(シラン及びチタネートを含む)、可塑剤、潤滑剤、ブロッキング剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、ワックス、発泡剤、核形成剤、スリップ剤、酸脱除剤、潤滑剤、アジュバント、表面活性剤、結晶化助剤、ポリマー添加剤、消泡剤、防腐剤、増粘剤、レオロジー改良剤、保湿剤、助剤、加硫/架橋/硬化剤、加硫/架橋/硬化促進剤、硬化遅延剤及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0026】
複合材料の製造方法
多層複合材料又は布はあらゆるメルトブロー方法を使用して形成し得る。多層複合材料は500psi(3.45MPa)より大きい溶融圧力及び100℃〜350℃の範囲内の溶融温度で操作でき、平均直径で1ミクロン程度に微細な繊維をつくることができる装置からメルトブローされることが好ましい。
図1は一つ以上の実施態様に従って、多層メルトブローン複合材料をつくるための例示のメルトブローシステム又は配置100の略図を示す。そのシステム100は少なくとも一つの押出機110を含み、そのシステム100内の溶融圧力を維持するためのモーター120を含んでもよい。押出機110は少なくとも一つのダイブロック又はアレイダイ130(これは紡糸口金部分又は紡糸口金140に結合されている)に結合し得る。ダイブロック130はまた高圧空気をダイブロック130の紡糸口金部分140に送出するための少なくとも一つの空気マニホルド135に結合されている。紡糸口金140は複数の紡糸ノズル145(それを通って溶融物が押し出され、同時に空気圧力で減衰されてフィラメント、又は繊維150を形成する)を含む。紡糸ノズル145は円形の、ダイキャピラリーであることが好ましい。紡糸口金140は1インチ(2.54cm)当り20個、30個、又は40個の穴から1インチ当り200個、250個、又は320個の穴までの範囲のノズル密度を有することが好ましい。一実施態様において、夫々のノズル145が約0.05mm、0.10mm、又は0.20mmから0.80mm、0.90mm、又は1.00mmまでの範囲の内径を有する。
ダイ紡糸口金140中で、溶融糸又はフィラメントが熱い、高速の、ガス流(例えば、空気又は窒素)と近寄って溶融熱可塑性材料のフィラメントを減衰して個々の繊維150を形成する。減衰ガス流の温度及び流量は熱交換機160及び空気弁170を使用して制御し得る。フィラメントの直径は所望のサイズにガス流により減少し得る。その後に、メルトブローン繊維150が高速ガス流により運ばれ、収集表面180に付着されてランダムに分布されたメルトブローン繊維の少なくとも一つのウェブ185を形成する。収集表面180は、例えば、真空ドラムの外表面であってもよい。
【0027】
図2は一つ以上の実施態様の、例示のダイ組立体200の拡大略図を示す。ダイ組立体200はダイブロック130及び紡糸口金140を含む。示されるように、空気(“一次空気”)がダイ紡糸口金140の一面に少なくとも配置された一次空気ノズル210により用意される。ダイブロック130が一次空気、抵抗加熱部材、又はその他の知られている装置もしくは技術(示されていない)を使用して加熱されて、溶融ポリマーが出て、冷却する際に固化するポリマーでダイブロック130が詰まらされるようになることを防止し得る。空気がまた溶融物を繊維に延伸、又は減衰する。周囲より上の温度の二次の、又は冷却、空気がまたダイブロック130により用意し得る。一次空気流量は典型的にはダイの幅1インチ(2.54cm)当り毎分約1〜30標準立方フィート(0.028m3〜0.85m3)(SCFM/インチ)の範囲である。或る実施態様において、メルトブローン方法における一次空気圧力は典型的には出る直前のダイブロック130中の位置で約2psig(0.14kg/cm2ゲージ圧)、3psig(0.21kg/cm2ゲージ圧)、5psig(0.35kg/cm2ゲージ圧)、又は7psig(0.49kg/cm2ゲージ圧)の低さから約10psig(0.7kg/cm2ゲージ圧)、15psig(1.1kg/cm2ゲージ圧)、20psig(1.4kg/cm2ゲージ圧)、又は30psig(2.1kg/cm2ゲージ圧)までの範囲である。一次空気温度は典型的には150℃、200℃、又は230℃から300℃、320℃、又は350℃までの範囲内である。
樹脂の溶融温度(Tm)は50℃から300℃までの範囲であり得る。更に別の実施態様において、溶融温度が少なくとも50℃かつ150℃、200℃、220℃、230℃、250℃、260℃、270℃、280℃、290℃、300℃、310℃、又は320℃未満である。樹脂は500psi(3.4MPa)もしくは750psi(5.2MPa)又は1,000psi(6.9MPa)或いは2,000psi(17.3MPa)より大きく、又は500psi(3.5MPa)又は750psi(5.2MPa)から1,000psi(6.9MPa)もしくは2,000psi(13.8MPa)又は2,500psi(17.3MPa)までの範囲内の溶融圧力で繊維に形成し得る。
【0028】
時間の単位当りのダイの1インチ(2.54cm)当りに流れる組成物の量に関して表して、本明細書に記載された組成物を使用するメルトブローン布の製造についての処理量は典型的には毎分の穴当り0.1g、0.2g、0.3g、又は0.5gから1.0g、1.5g、2.0g、又は3.0g(ghm)までの範囲内である。こうして、1インチ(2.54cm)当り30個の穴を有するダイについて、ポリマー処理量は典型的には約0.25、0.5、又は1.0ポンド/インチ/時間(PIH)から約4、8、又は12ポンド/インチ/時間(PIH)までである。
このような高温が使用し得るので、ノズルを出る繊維を冷却又は固化するためにかなりの量の熱が繊維から除去されることが望ましい。示されていないが、空気又は窒素の冷たいガスがメルトブローン繊維の冷却及び固化を促進するのに使用し得る。特に、繊維の伸びの方向に対して交差する流れ方向(垂直又は傾斜)で流れる冷却(“二次”)空気がメルトブローン繊維を冷却するのに使用されてもよい。また、付加的な、一層冷たい加圧冷却空気が使用されてもよく、繊維の一層速い冷却及び固化をもたらし得る。或る実施態様において、二次冷空気流が繊維を減衰するのに使用されてもよい。空気温度及びアレイダイ温度、空気圧力、及びポリマー供給速度の制御により、メルトブローン方法中に形成される繊維の直径が調節し得る。
図3〜8は本明細書に記載された多層複合材料をつくるのに使用し得る種々の例示のメルトブローシステム又は配置の略図を示す。例えば、図3は多層メルトブローン複合材料350をつくるための例示のメルトブローシステム300の略図を示す。そのメルトブローシステム300は三つ以上の垂直に配置されたダイ305A、305B、305Cを含み得る。夫々のダイ305A、305B、305Cは図2を参照して先に説明され、記載されたダイ200と同様であってもよい。あらゆる樹脂又は樹脂の組み合わせが所定のダイ305A、305B、305Cによりブローでき、この場合、第一のダイ305Aが第一の表面仕上層又は第一の外層を与え、第二のダイ305Bがコアー層又は中間層を与え、また第三のダイ305Cが第二の表面仕上層又は第二の外層を与える。
【0029】
メルトブローシステム300は垂直に配列される二つ以上の収集表面380A、380Bを更に含み得る。夫々の収集表面380A、380Bは図1を参照して先に説明され、記載された収集ドラム180と同様であってもよい。収集表面380A、380Bは所望のギャップ(“ニップ”)がその間に形成されるように互いに隣接し得る。示されるように、夫々のダイ305A、305B、305Cからの繊維が収集表面380A及び/又は380Bに向かって水平に送られ、収集されて3層布複合材料350を形成する。ダイ305A、305B、305Cは互いに対して独立に移動可能であり得る。ダイ305A、305B、305Cはまた収集表面380A、380Bに対して独立に移動可能であり、ダイと収集装置の距離(“DCD”)を変化し得る。
図4は一つ以上の実施態様の、多層メルトブローン複合材料450をつくるための別の例示のメルトブローシステム400の略図を示す。メルトブローシステム400は三つ以上の水平に配置されたダイ405A、405B、405C及び水平に配列された収集表面480A、480Bを含み得る。夫々のダイ405A、405B、405Cは図2を参照して先に説明され、記載されたダイ200と同様であってもよい。夫々の収集表面480A、480Bは図1を参照して先に示され、記載された収集ドラム180と同様であってもよい。ダイ405A、405B、405Cは互いに対して独立に移動可能であってもよい。ダイ405A、405B、405Cはまた収集表面480A、480Bに対して独立に移動可能であってもよく、DCDを変化し得る。
あらゆる樹脂又は樹脂の組み合わせが所定のダイ405A、405B、405Cにより垂直に押し出されて本明細書に記載されたように、コアー層のまわりに配置された第一及び第二の表面仕上層を有する多層複合材料を与え得る。示されたように、夫々のダイ405A、405B、405Cからの繊維が収集表面480A及び/又は480Bに向かって送られ、収集されて3層布複合材料450を形成する。
【0030】
図5は一つ以上の実施態様の、多層メルトブローン複合材料550をつくるための別の例示のメルトブローシステム500の略図を示す。メルトブローシステム500は三つ以上のダイ505A、505B、505Cを含んで本明細書に記載されたように、コアー層のまわりに配置された第一及び第二の表面仕上層を有する多層複合材料を与え得る。夫々のダイ505A、505B、505Cは図2を参照して先に説明され、記載されたダイ200と同様であってもよい。メルトブローシステム500は垂直に配列されている二つ以上の収集表面580A、580Bを更に含み得る。夫々の収集表面580A、580Bは図1を参照して先に示され、記載された収集ドラム180と同様であってもよい。
第一のダイ505A及び第三のダイ505Cは互いに対して垂直に配列でき、収集表面580A、580Bの反対面に配置し得る。第二のダイ505Bは第一のダイ505Aと第三のダイ505Cの中間に配置でき、又は3層布複合材料550を与え得る。
あらゆる樹脂又は樹脂の組み合わせが所定のダイ505A、505B、505Cにより押し出されて多層複合材料550を与え得る。ダイ505A、505B、505Cは互いに対して独立に移動可能であってもよい。ダイ505A、505B、505Cはまた収集表面580A、580Bに対して独立に移動可能であってもよく、DCDを変化し得る。
図6は一つ以上の実施態様の、多層メルトブローン複合材料650をつくるための別の例示のメルトブローシステム600の略図を示す。メルトブローシステム600は三つ以上のダイ605A、605B、605Cを含み得る。夫々のダイ605A、605B、605Cは図2を参照して先に説明され、記載されたダイ200と同様であってもよい。メルトブローシステム600は垂直に配列されている二つ以上の収集表面680A、680Bを更に含み得る。夫々の収集表面は図1を参照して先に示され、記載された収集ドラム180と同様であってもよい。図5の実施態様のように、第一のダイ605A及び第三のダイ605Cは互いに対して垂直に配列でき、収集表面680A、680Bの反対面に配置でき、一方、第二のダイ605Bは第一のダイ605Aと第三のダイ605Cの中間に配置し得る。
第一の表面仕上層610は第一の収集表面680Aによりメルトブローシステム600に導入し得る。第二の表面仕上層620がまた第二の収集表面680Bによりメルトブローシステム600に導入し得る。示されるように、収集表面680A、680Bが夫々、表面仕上層610、620を与え、これらの上にダイ605A、605B、605Cから夫々ブローされた繊維が収集される。それ故、得られる多層複合材料は少なくとも五つの層を有する。
【0031】
あらゆる樹脂又は樹脂の組み合わせが所定のダイ605A、605B、605Cにより押し出し得る。ダイ605A、605B、605Cは互いに対して独立に移動可能であり得る。ダイ605A、605B、605Cはまた収集表面180A、180B及び/又は収集表面180A、180Bの上に配置された表面仕上層610、620に対して独立に移動可能であり得る。
図7は一つ以上の実施態様の、更に別の例示のメルトブローシステム700の略図を示す。メルトブローシステム700は四つ以上のダイ705A、705B、705C、705Dを含み得る。夫々のダイ705A、705B、705C、705Dは図2を参照して先に説明され、記載されたダイ200と同様であってもよい。メルトブローシステム700は水平に配列されている二つ以上の収集表面780A、780Bを更に含み得る。夫々の収集表面780A、780Bは図1を参照して先に示され、記載された収集ドラム180と同様であってもよい。
少なくとも二つのダイ、例えば、ダイ705A及びダイ705Dは、互いに対して水平に配列でき、収集表面780A、780Bの反対面に配置し得る。そして少なくとも二つのダイ、例えば、ダイ705B及びダイ705Cは、ダイ705A、705Dの中間に配置し得る。ダイ705A、705B、705C、705Dは互いに対して独立に移動可能であり得る。ダイ705A、705B、705C、705Dはまた収集表面180A、180Dに対して独立に移動可能であり、DCD を変化し得る。
あらゆる樹脂又は樹脂の組み合わせが所定のダイ705A、705B、705C、705Dにより押し出されて多層複合材料750を与え得る。示されるように、夫々のダイ705A、705B、705C、705Dからの繊維が収集表面780A、780Bに向かって送られ、収集されて3層布複合材料750を形成する。中央又は中間の層、即ち、“コアー”層は、ダイ705B、705Cから製造された繊維の混合物を含み得る。樹脂又は一種以上の添加剤の付加的な層がダイ705Bと705Cの間に配置されたノズル706により噴霧又はそれ以外に導入し得る。
【0032】
図8は一つ以上の実施態様の、更に別の例示のメルトブローシステム800の略図を示す。メルトブローシステム800は五つ以上のダイ805A、805B、805C、805D、805Eを含み得る。夫々のダイ805A、805B、805C、805D、805Eは図2を参照して先に説明され、記載されたダイ200と同様であってもよい。メルトブローシステム800は二つ以上の水平に配置された収集表面820A、820Bを更に含み得る。示されるように、第一の収集表面820Aは二つの水平に配列されたドラム810A及び815Aのまわりに配置され、これらにより移動されるコンベヤベルトであってもよい。同様に、第二の収集表面820Bは二つの水平に配列されたドラム810B、815Bのまわりに配置され、これらにより移動されるコンベヤベルトであってもよい。収集表面820A、820Bは所望のギャップ(“ニップ”)がそれらの間に形成されるように互いに隣接し得る。
夫々のダイ805A、805B、805C、805D、805Eは収集表面820A、820Bの上に水平に配列でき、又はその他の空間配向で配列し得る。ダイ805A、805B、805C、805D、805Eは互いに対して独立に移動可能であり得る。ダイ805A、805B、805C、805D、805Eはまた収集表面820A、820Bに対して独立に移動可能であり得る。
収集表面820A、820Bはダイ805A、805B、805C、805D、805Eから製造された繊維のための収集表面を与え得る。あらゆる樹脂又は樹脂の組み合わせが所定のダイ805A、805B、805C、805D、805Eにより押し出し得る。示されるように、夫々のダイ805A、805B、805C、805D、805Eからの繊維が収集表面820A及び/又は820Bに向かって送られ、収集されて5層布複合材料850を形成する。
【0033】
図9は記載された一つ以上の実施態様の、多層メルトブローン複合材料を製造するための更に別の例示のメルトブローシステム900の略図を示す。示されるように、単一収集表面920が使用でき、ダイ905A、905B、905Cが収集表面のまわりのいずれにも配置し得る。
図1〜9又は本明細書のいずれかに関して上記されたあらゆるシステム又は配置100、200、300、400、500、600、700、800、又は900につき言及して、別の延伸性構築物が積層物と接触されて多層構築物を形成する際に、積層物が一つ以上の未加熱もしくは加熱平滑表面、又は一つ以上の未加熱もしくは加熱パターン化収集表面、或いはこれらの二つ以上の組み合わせの間のニップ中を通されてもよく、その間に軽度の圧力をその上に適用する。本明細書に記載された多層構築物の形成を考えると、或る実施態様において、接着剤が構築物から実質的に不在であり、接着剤が布及び/又はフィルムの層を互いに固定するのに使用されないことを意味する。本明細書に使用される“接着剤”は当業界で知られているようにフィルム又は布の二つの層を互いに固定するのに使用される物質である。接着剤物質の例として、ポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、炭化水素樹脂、ワックス、天然アスファルト、スチレンゴム、及びこれらのブレンドが挙げられる。また、記載された夫々の配置300、400、500、600、700、及び800において、最も内部の層(“コアー層”)が図3-8に示されるように、一つ以上の収集表面のニップに対して対称的にブローでき、また示されていないが、記載された夫々の配置300、400、500、600、700、及び800における最も内部の層(“コアー層”)が一つ以上の収集表面のニップに対して非対称的にブローし得る。
【0034】
本明細書の上記又はいずれかの一つ以上の実施態様において、メルトブローン繊維が連続又は不連続であってもよく、一般に平均直径が0.5ミクロンから250ミクロンまでの範囲内、好ましくは200ミクロン未満、150ミクロン未満、100ミクロン未満、75ミクロン未満、50ミクロン未満、40ミクロン未満、30ミクロン未満、20ミクロン未満、10ミクロン未満、5ミクロン未満、4ミクロン未満、3ミクロン未満、2ミクロン未満、又は1ミクロン未満である。或る実施態様において、メルトブローン繊維が平均直径で5もしくは6又は8或いは10μmから20もしくは50又は80或いは100もしくは150又は200或いは250μmまでの範囲内の直径を有することができ、その他の実施態様において、80もしくは50又は40或いは30もしくは20又は10或いは5μm未満の直径を有する。
本明細書の上記又はいずれかの一つ以上の実施態様において、多層複合材料の夫々の層の繊維直径が同じであってもよく、又は異なってもよい。それ故、隣接層の繊維直径の比が同じであってもよく、又は変化してもよい。例えば、隣接層の繊維直径の比が約0.1:1の低さから約1:200の高さまでの範囲であってもよい。このような比はまた約1:150、1:100、1:75、1:50、1:25、1:10、1:5、又は1:2からの範囲であってもよい。
本明細書の上記又はいずれかの一つ以上の実施態様において、多層構造の所定の層中の繊維の少なくとも1%が共に結合されてもよく、又は密接に結合されてもよい。更に好ましくは、多層構造の所定の層中の繊維の少なくとも2%、5%、10%、15%、20%、又は25%が共に結合されてもよく、又は密接に結合されてもよい。共に結合され、又は密接に結合された繊維の量がまた約1%、5%、又は10%の低さから約25%、35%、又は45%の高さまでの範囲であってもよい。
本明細書の上記又はいずれかの一つ以上の実施態様において、多層構造のいずれかの一つ以上の層の繊維が層間の鮮明な輪郭の界面を有しないで一つ以上の隣接層の繊維との或る程度の融着、溶融、からみ合い又は機械的かみ合いを示し、又は有し得る。
本明細書の上記又はいずれかの一つ以上の実施態様において、多層構造の少なくとも一つの層が100%の延伸後にその当初の長さの少なくとも80%また200%の延伸後にその当初の長さの少なくとも70%を回復し得る。一つ以上の実施態様において、多層構造が100%の延伸後にその当初の長さの少なくとも80%また200%の延伸後にその当初の長さの少なくとも70%を回復し得る。
【0035】
本明細書の上記又はいずれかの一つ以上の実施態様において、サンプルをその当初の長さの100%に伸ばし、次いで負荷解除した後の、多層構造の少なくとも一つの層の50%の延伸における力が、約1.3x10-3lbf/in/gsmである。
本明細書の上記又はいずれかの一つ以上の実施態様において、多層構造が約0.05ミリバール/gsm以上の水頭を有する。好ましくは、水頭が0.1ミリバール/gsm、0.2ミリバール/gsm、0.3ミリバール/gsm、0.4ミリバール/gsm、又は0.5ミリバール/gsmより大きい。水頭がまた約0.1ミリバール/gsm、0.2ミリバール/gsm又は0.3ミリバール/gsmの低さから約0.7ミリバール/gsm、0.8ミリバール/gsm、又は0.9ミリバール/gsmの高さまでの範囲であってもよい。
本明細書の上記又はいずれかの一つ以上の実施態様において、多層構造のいずれか一つ以上の層の空気透過性が約0.02cm3/cm2/s以上である。一つ以上の実施態様において、多層構造の空気透過性が約0.2cm3/cm2/s以上である。空気透過性がまた約0.02cm3/cm2/s、0.05cm3/cm2/s、又は1.0cm3/cm2/sの低さから約2.0cm3/cm2/s、3.0cm3/cm2/s又は5.0cm3/cm2/sの高さまでの範囲であってもよい。
本明細書の上記又はいずれかの一つ以上の実施態様において、布が10もしくは20又は30或いは50もしくは80又は100或いは150g/m2からの範囲内の基本質量を有してもよい。これらの布はまた200%もしくは300%又は500%或いは1,000%より大きい極限伸びを有することにより特徴づけられてもよい。この様式において、多層構築物が少なくとも三つのメルトブローン層(“MMM”)を有して形成し得る。その他の多層メルトブローン構造、例えば、MxQ、QMxQ、Mx、QMx、QxS、MxAyMy、QMxAyMyQ、QMxQMyS、QMxQMy、MxQMyQ、QQMxQ(式中、xは少なくとも3であり、かつyは0〜100である)が意図されている。例えば、xが3〜100、3〜50、3〜25、又は3〜10であってもよく、xがまた約3、4、又は5の低さから約6、10、又は15の高さまでの範囲であってもよく、xがまた約1、2、3、4、又は5の低さから約6、7、8、10、又は15の高さまでの範囲であってもよい。“M”はメルトブローン布の層(この場合、構築物中の夫々の“M”が同じであってもよく、又は異なっていてもよい)を表し、“Q”はスパンボンド、スパンレース、織布、又はフォルムを表し(この場合、構築物中の夫々の“S”が同じであってもよく、又は異なっていてもよい)、かつ“A”は一種以上の添加剤を表す。別の布へのメルトブローン繊維のこのような接着が所望される場合、二次冷却空気流が減少され、かつ/又は加熱されて溶融物品質の一部ひいてはそれらが結合された後の布への形成している弾性メルトブローン繊維の結合能力を維持してもよい。
【0036】
多層構築物はまた“in situ積層物”即ち“ISL”を含むことができ、これは溶融紡糸布の二つ以上の層を含む溶融紡糸積層物であり、互いに隣接する層が互いにin situからみ合わされて層の間に混合繊維の界面領域を形成する。“in situからみ合わされる”は隣接層の繊維が互いのまわりの巻き付け及び/又は隣接層からの繊維中を少なくとも1回通過することにより隣接布層の一端に沿って少なくとも互いにかみ合うことを意味する。溶融紡糸ISL を構成する布層は同じであってもよく、又は異なっていてもよく、それらが同じ又は異なる化学的特性及び/又は物理的特性を有し得ることを意味する。或る実施態様において、種々の層は(a) 布の基本質量が同じではなく、(b) 布を構成する繊維の平均直径が同じではなく、(c) 布の組成が同じではなく、(d) 単位面積あたりの繊維の数密度が同じではなく、(e) 繊維の断面形状が同じではなく、(f) 個々の繊維構造が同じではなく(2成分vs一成分)、又は(g) これらの相違の一つ以上の組み合わせであることを特徴とする。溶融紡糸ISL を構成する層はまた層が容易に引き離されることを防止する程度にからみ合わされていることにより特徴づけられるかもしれない。或る実施態様において、隣接層が10もしくは20又は30或いは40又は50グラムより大きく、又は別の実施態様では1もしくは2又は5或いは10グラムから50もしくは60又は80或いは100もしくは120又は150或いは200グラムまでの範囲内の剥離強さを有する。本明細書で言及される剥離強さは実質的にASTM D2724.13に従って測定された。その操作は積層布のz方向の強さ(結合強さ)を測定することを目的とした。布の成分層の間の結合の有効性が布を離層するのに必要とされる力を測定することにより測定された。離層は結合メカニズムの欠損による積層布のプライの分離と定義される。剥離強さはテキスタイルの成分層を特定条件下で分離するのに必要とされる引張力である。この操作では、6インチ(15cm)x2インチ(5cm)の標本(機械方向に6インチ(15cm))のプライが標本の長さに沿って約2インチ(5cm)の距離にわたって手で分離された。次いで一つの層が1インチ(2.5cm)のゲージ長さを有する引張試験機の夫々のジョーに締め付けられ、布の成分層を完全に分離するのに必要とされる最大の力(即ち、ピーク負荷)が測定された。
【0037】
ISL はまた二種以上の異なる繊維の混合物又は繊維と粒状物の混合物からつくられた複合材料を含んでもよい。このような混合物は繊維及び/又は粒状物をガス流(その中に溶融紡糸繊維が運ばれる)に添加することにより生成されてもよく、その結果、溶融紡糸フィラメント及び繊維並びにその他の材料、例えば、木材パルプ、ステープル繊維及び粒状物、例えば、ヒドロコロイド(ヒドロゲル)粒状物(超吸着材料と普通称される)の緊密なからみ合わされた混合が、収集装置上のメルトブローン繊維の収集の前に生じてランダムに分散されたメルトブローン繊維及び米国特許第4,100,324号(これが参考として本明細書に含まれる)に開示されたようなその他の材料の凝集ウェブを形成する。不織ウェブが繊維の不織ウェブである場合、繊維が繊維間結合により結合されて凝集ウェブ構造を形成し得る。繊維間結合はスパンボンド方法における熱結合、又は個々のメルトブローン繊維間のからみ合いにより生じられてもよい。繊維からみ合いは溶融紡糸方法により生じられるが、例えば、液圧からみ合わせ又はニードルパンチの如き方法により生成又は増大されてもよい。別途及び/又は追加して、結合剤が所望の結合を増大するのに使用されてもよい。或る所望の実施態様において、これらの方法のいずれもがからみ合いを増大するのに使用されない。ISL 及びそれらの製造方法に関する更なる詳細が米国特許出願第12/566,410号(参考として本明細書に含まれる)に見られる。
多層構築物を形成する際に、ポリオレフィンポリマーが延伸性布、例えば、スパンレース布にメルトブローされてもよく、これが形成しているメルトブローン布の下又は前に通される。溶融温度及び紡糸口金と通過している延伸性布の間の距離は一つ以上の布を接触させて2又は3層構築物を形成する時に繊維が依然として溶融状態又は部分溶融状態にあるように調節される。次いで一つ以上の被覆布がそれらに接着された溶融又は部分溶融された弾性メルトブローン繊維/布を有する。
【0038】
次いで多層構築物が機械的に延伸されてク座の弾性性能を調整し得る。理論により束縛されたくないが、初期の延伸が複合材料中の弾性成分の構造、そして潜在的に層間及び/又は層内の繊維中の界面結合を変更すると考えられる。初期の延伸がヒステリシスループ(これは変形中にエラストマーにより吸収されるエネルギーの目安である)を減少し得る。理想的なエラストマーはヒステリシスを有さず、又は他の言い方で言えば、エラストマーに加えられ、又はエラストマー中に蓄えられた全エネルギーが、エラストマーをその当初のサイズ及び形状に戻した後に逆に与えられる。理想的な弾性挙動を示す少ないエラストマー及び更に少ない弾性積層物がある。全てではないとしても殆どが或るレベルのヒステリシスを示す。初期の負荷及び負荷解除サイクルが典型的にはヒステリシスループを減少し、これは材料又は積層物が一層有効なエラストマーであることを意味するであろう。エラストマー及び弾性複合材料の機械的延伸はその他の有利な効果、例えば、変形時のピーク負荷の減少、潜在的に改良された永久歪、収縮力、及び外層/表面の美観の調節を有し得る。
複合材料を機械方向(MD)及び交差方向(CD)の両方に機械的に延伸するための多くの異なる方法がある。かみ合いブレード又はディスクに基づく装置が布を夫々MD又はCD、或いはユニットが直列に置かれる場合にはその両方に増分延伸するのに有効である。増分延伸という用語は布がそれらの全幅又は全長にわたって増分様式で延伸されるという事実に由来する。布が延伸される増分又は距離は隣接ディスク又はブレードの間隔及び2組のディスク又はブレード間の相互侵入の距離により決められる。別々のディスではなく溝付きロールを使用するこの技術及び同様の技術の例が米国特許第4,223,059号、同第4,251,585号、同第4,285,100号、及び同第4,368,565号に見られる。一層狭いウェブ/フィルムが有効に延伸され、又は延伸の量を増大し、もしくはウェブを横切っての延伸の量を変化することを可能にするこの基本的な技術についての更なる改良が米国特許第5,143,679号、同第5,156,793号、及び同第5,167,897号に見られる。
MD延伸に一層良く適しているその他の技術がウェブを延伸するのに利用できる。この目的のためのニップロールを使用する例が米国特許第7,320,948号に記載されており、この場合、異なる速度で運転する二つのニップロールの組が布及び積層物をMDに延伸することを可能にする。
【0039】
繊維
繊維は単一成分繊維であってもよい。繊維はまた少なくとも2種のポリマーが別々の押出機から押し出され、一緒にメルトブロー又は紡糸されて一つの繊維を形成する方法から形成された多成分繊維であってもよい。一つ以上の実施態様において、多成分繊維中に使用されるポリマーは同じであり、又は実質的に同じである。一つ以上の実施態様において、多成分繊維中に使用されるポリマーは互いに異なる。多成分繊維の形態は、例えば、シース/コアー配置、並んだ配置、パイ配置、海中島配置、又はこれらの変化であってもよい。繊維はまた延伸されて配向により機械的性質を高め、続いて高温だが、結晶融点より低い温度でアニールされて収縮を低減し、高温における寸法安定性を改良し得る。
或る実施態様において、別々の布又は層が、例えば、図6の如き方法へと巻き出され、例えば、積層物のための表面仕上層として使用され、これらの布はスパンボンド布、ステープル繊維に見られるような連続繊維、又はカーディングされた布に見られるもののような不連続繊維であってもよい。ステープル繊維の長さ及び直径は繊維強化組成物の所望の靭性及び剛性に応じて変化し得る。一つ以上の実施態様において、繊維は1/4インチ(0.64cm)の長さ、又は1/8インチ(0.3175cm)、又は1/6インチ(0.423cm)の下限、及び1インチ(2.54cm)、もしくは1.5インチ(3.81cm)又は5インチ(12.70cm)の上限を有する範囲内の長さを有する。一つ以上の実施態様において、繊維の直径は0.1ミクロンの下限及び100ミクロンの上限を有する範囲内である。直径はまた0.1ミクロン、0.5ミクロン、又は1.0ミクロンの低さから約5ミクロン、10ミクロン又は15ミクロンの高さまでの範囲であってもよい。好適な範囲はまた0.1〜8ミクロン、0.2〜7ミクロン、0.3〜6ミクロン、0.1〜5ミクロン、及び0.1〜3ミクロンを含む。
【0040】
或る実施態様において、本明細書に記載されたメルトブローン布(又は多層構築物)の機械的性質が延伸又は配向方法により高められる。アニーリングがCD又はMDのいずれか又は両方の、機械的配向と組み合わされてもよい。所望により、機械的配向は布が延伸力の不在下で弛緩される前に時間の短い期間にわたって布の一時的な、強制延伸により行ない得る。メルトブロー方法において、レイダウン又は紡糸方法単独によりMDに付与された繊維の或る程度の配向があるかもしれない。しかしながら、或る実施態様において、追加の機械的配向又は延伸が必要とされない。こうして、或る実施態様において、本明細書に記載されたメルトブローン布は低い低度の配向を有し、又は配向を有しない。その他の実施態様において、配向がMDではなくCDで付与される。こうして、或る実施態様において、メルトブローン布が20もしくは50又は80或いは100%未満のMD伸び及び100もしくは200又は300%より大きいCD伸びを有する。別の方法で述べると、メルトブローン布が0.1又は0.5と2もしくは3又は5或いは7又は10の間のCD/MD 破断点伸びの比を有する。
一実施態様において、弾性繊維及び布の形成は機械的配向とともに、又はこれを用いないでアニーリング工程を含む。アニーリングはまた弾性繊維からの布の二次加工後に行なわれてもよい。或る実施態様において、弾性メルトブローン繊維又は布は50℃又は60℃から130℃又は160℃までの範囲内の温度でアニールされる。布の熱アニーリングは布を1秒から1分まで、好ましくは1〜10秒の期間にわたって上記範囲内の温度に維持することにより行なわれる。アニーリング時間及び温度はあらゆる特別なコポリマー又はコポリマー組成物について調節し得る。別の実施態様において、メルトブローン布は単一工程で低張力下でカレンダー掛け中に加熱ロールによりアニールし得る。その他の実施態様において、メルトブローン布が後加工方法を殆ど又は全く必要としない。
【0041】
或る実施態様において、形成している多層構築物が多層構築物をハイドロエンタングリング装置に通し、こうして繊維を高速の水の流れで互いのまわりにインターロックし、からみ合わせることにより弾性繊維のウェブを互いに、又はその他の隣接布層に更に結合することにより更に加工される。ハイドロエンタングリングは当業界で知られており、A.M.Seyamら著“ハイドロエンタングリング方法変数の試験”, INT’L NONWOVENS J. 25-33 (2005年春)に若干詳しく記載されている。
上記のように、繊維は連続(長繊維)又は不連続(短繊維)であってもよい。長繊維は60より大きく、好ましくは200〜500の長さ対直径のアスペクト比を有し、また短繊維は60未満、好ましくは20〜60の長さ対直径のアスペクト比を有するであろう。メルトブローン布の平方インチ当りの繊維の数(繊維密度)は20の繊維/インチ2(6.5cm2当りの繊維の本数)、40の繊維/インチ2、又は50の繊維/インチ2の低さから100の繊維/インチ2、250の繊維/インチ2、又は500の繊維/インチ2の高さまでの範囲であることが好ましい。好適な範囲はまた25の繊維/インチ2〜400の繊維/インチ2、50の繊維/インチ2〜300の繊維/インチ2、60の繊維/インチ2〜200の繊維/インチ2、20の繊維/インチ2〜80の繊維/インチ2、及び30の繊維/インチ2〜70の繊維/インチ2を含む。
或る実施態様において、多層構築物が加工されて拘束を形成し得る。拘束はその加工を助けておむつ又は成人失禁ガーメントの如き最終物品を形成する多層構築物中の“非弾性ゾーン”(又は“デッドゾーン”)の形態をとり得る。層の少なくとも一部が2軸弾性積層物のCDに平行であり、2軸弾性積層物のMDに平行であり、又はそれらの間で若干の配向にある不連続のゾーン中で互いに融着される。非弾性ゾーンはその長さが布の一端から他端へと連続又は不連続であり、例えば、少なくとも1もしくは2又は3或いは5又は10mmの幅を有するような寸法を有してもよい。非弾性ゾーンはあらゆる形状を有してもよい。
【0042】
或る実施態様において、拘束された多層積層物の層の一つ以上、又は全てが互いに接着されないが、互いに単に隣接している。その他の実施態様において、拘束された多層積層物の少なくとも二つの層、又は全ての層が互いに接着される。“拘束手段”は一つの層の少なくとも一部を別の層に融着して少なくとも一つの非弾性ゾーンをつくることができるあらゆる装置、物質又は方法である。“融着”の方法は最早“弾性”ではない領域を拘束された多層積層物に生じ、一つの隣接層を一つ以上の弾性層に融着し、又は層の実質的に全て(少なくとも90%)を、拘束された多層積層物の全厚さ(全ての層)にわたって全ての層の融着まで融着することを含んでもよい。或る実施態様において、不連続ゾーンの融着は溶融紡糸弾性布の当初の弾性に対して少なくとも40%もしくは50%又は60%或いは70%もしくは80%又は90%或いは98%未満の弾性である弾性を有するゾーンを生じる。
融着はあらゆる手段、例えば、層を加熱して少なくとも二つの層の間の接着を形成すること、もしくは層の少なくとも二つのハイドロエンタングリング、或いは超音波手段、電気手段、又は層を互いに接着するためのその他の好適な手段により達成されてもよい。それはあらゆる好適な手段、例えば、カレンダー掛け、接着剤、音エネルギー、マイクロウェーブエネルギーもしくはその他の電磁エネルギー、又は当業界で知られているその他の方法により行ない得る。接着剤が融着に使用し得るが、或る実施態様では、接着剤の適用が融着工程から不在である。接着剤の例として、低重量平均分子量(80,000g/モル未満)のポリオレフィン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、炭化水素樹脂、天然アスファルト、スチレンゴム、ポリイソプレン及びこれらのブレンドを含むものが挙げられる。
【0043】
融着工程により生じられた“非弾性ゾーン”を“非弾性”と称することは、その弾性が“弾性”である材料について先に特定された弾性より小さいことを意味する。非弾性ゾーンは所望の最終使用、例えば、おむつ又は成人失禁ガーメントに適したあらゆる“不連続の”形状又は形態を有してもよい。例えば、非弾性ゾーンはその幅の少なくとも2倍又は3倍である長さを有する長いライン又はブロックの形態を有してもよい。或る実施態様において、非弾性ゾーンが不規則な形状、又は非線形形状の領域、例えば円形、アーク又はこのような特徴を含む形状を形成する。
特別な実施態様において、融着が2軸弾性不織積層物をカレンダー掛けして溶融紡糸弾性布の少なくとも一部を溶融し、少なくとも一つの延伸性布への一つ以上の弾性布の融着を生じることを含む。特別な実施態様において、融着工程がカレンダーにより隆起した加熱ゾーンパタンで行なわれる。或る実施態様において、融着が積層物にエンボスパターンを更に導入する。融着及びエンボス工程は必要により加熱されてもよいかみ合いロールでカレンダーにより行なわれてもよい。また、融着及びエンボス工程は真空差のもとに運転するパターン化かみ合い真空ドラム、又はその他の好適な手段により行なわれてもよい。
或る実施態様において、融着は弾性の程度が拘束された多層積層物のCD、拘束された多層積層物のMD、又はこれらの間の或る程度及び/又はこれらの組み合わせで維持されるように行なわれる。例えば、融着は拘束された多層積層物がCD方向、又はCD方向から45°、もしくはCD方向から20°。或いは90°から20°又は45°までの範囲などでのみ弾性であるようなものであってもよい。また、拘束された多層積層物における弾性はCD弾性及びMD弾性の両方が低下されるが、完全には除去されないようなものであってもよい。特別な実施態様において、結合された布層の少なくとも一部が2軸弾性積層物のCDに平行であり、2軸弾性積層物のMDに平行であり、又はその間で若干の配向にある不連続ゾーン中で融着される。
或る実施態様において、積層物がCD幅及び積層物のCDに垂直に走る非弾性ゾーンを有し、その非弾性ゾーンが積層物のCD幅の少なくとも2もしくは5又は10或いは20%のCD幅を有する。更に別の実施態様において、積層物がCD幅及び積層物のMDに垂直に走る非弾性ゾーンを有し、その非弾性ゾーンが積層物のCD幅の少なくとも2もしくは5又は10或いは20%のMD幅を有する。拘束された積層物及びそれらを拘束する方法についての更なる開示が米国特許出願第12/566,434号(参考として本明細書に含まれる)に見られる。
【0044】
特別な層ブレンド
一つ以上の好ましい実施態様において、多層複合材料の少なくとも一つの層がポリマーの質量基準でエチレン及びC4-C10α-オレフィン(プロピレンをベースとするポリマー)並びにC3-C10α-オレフィン(エチレンをベースとするポリマー)から選ばれたコモノマー誘導単位を含まず(即ち、ホモポリマー)又は0.1質量%もしくは1質量%又は2質量%或いは5質量%から10質量%もしくは15質量%又は20質量%或いは45質量%までを含む少なくとも一種のプロピレンをベースとし、又はエチレンをベースとするホモポリマー或いはランダムコポリマー、ブロックコポリマー、又はグラフトコポリマーを含む。多層複合材料の少なくとも一つの層が布層/組成物の質量基準で、約50質量%から99質量%まで、もしくは60質量%から95質量%まで、又は50質量%から90質量%まで、或いは55質量%から85質量%までの範囲内の一種以上のポリプロピレンを含むことが好ましい。一つ以上の実施態様において、多層複合材料の少なくとも一つの層が実質的に一種以上のポリプロピレンからなる。
一つ以上の実施態様において、コアー層が少なくとも一種のプロピレン-α-オレフィンコポリマー樹脂と少なくとも一種のポリプロピレン樹脂のブレンドを含む。例えば、好ましいブレンドが50質量%の一種以上のプロピレン-α-オレフィンコポリマー樹脂及び50質量%の一種以上のポリプロピレン樹脂を含む。ブレンド中のプロピレン-α-オレフィンコポリマー樹脂の量が約20質量%、30質量%、又は40質量%の低さから約60質量%、70質量%、又は90質量%の高さまでの範囲であってもよい。ブレンド中のポリプロピレン樹脂の量が約1質量%、5質量%、又は10質量%の低さから約20質量%、30質量%、又は45質量%の高さまでの範囲であってもよい。
【0045】
一つ以上の好ましい実施態様において、少なくとも一つの表面仕上層がポリプロピレンと50質量%未満の一種以上のブレンド成分のブレンドを含む。ブレンド成分は一種以上の耐衝撃性コポリマー、一種以上のランダムコポリマー(RCP)、一種以上のポリエチレン、20,000g/モル未満のMwを有する一種以上のポリエチレン、20,000g/モル未満のMwを有する一種以上のポリプロピレン、一種以上のポリアルファオレフィン、又はこれらのあらゆる一種以上の組み合わせであってもよい。ブレンド成分(ポリプロピレンではない)の量が約0.5質量%、1質量%、又は5質量%の低さから約30質量%、40質量%、又は50質量%の高さまでの範囲の量で存在し得る。例えば、ブレンド成分の量が約1質量%から49質量%まで、もしくは約5質量%から45質量%まで、又は約5質量%から40質量%まで、或いは約5質量%から25質量%までであってもよい。
表面仕上層樹脂又はブレンドのMFR (ASTM D1238、230℃、2.16kg)は好ましくは2,000dg/分(g/10分)未満、更に好ましくは1,500dg/分以下、1,200dg/分以下、900dg/分以下、600dg/分以下、300dg/分以下、200dg/分以下、150dg/分以下、100dg/分以下、又は90dg/分以下である。或る実施態様において、延伸性樹脂又はブレンドのMFR が約50dg/分、75dg/分、又は80dg/分の低さから約250dg/分、500dg/分、又は1,000dg/分の高さまでの範囲であってもよい。表面仕上層樹脂又はブレンドのMFR がまた約20dg/分、30dg/分、又は40dg/分の低さから約90dg/分、120dg/分、又は150dg/分の高さまでの範囲であってもよい。表面仕上層樹脂又はブレンドのMFR がまた約20dg/分、35dg/分、又は45dg/分の低さから約65dg/分、80dg/分、又は95dg/分の高さまでの範囲であってもよい。表面仕上層樹脂又はブレンドのMFR が更に約0.1dg/分、0.5dg/分、1dg/分、又は5dg/分の低さから約30dg/分、40dg/分、70dg/分、又は90dg/分の高さまでの範囲であってもよい。
表面仕上層樹脂又はブレンドの重量平均分子量(Mw)が500,000、400,000、300,000、又は250,000未満であることが好ましい。例えば、表面仕上層樹脂又はブレンドのMwが約50,000から約200,000までの範囲であってもよい。一つ以上の実施態様において、表面仕上層樹脂又はブレンドのMwが約50,000、80,000、又は100,000の低さから約155,000、170,000、又は190,000の高さまでの範囲であってもよい。一つ以上の実施態様において、表面仕上層樹脂又はブレンドのMwが約80,000から約200,000まで、100,000から約175,000まで、又は140,000から約180,000までの範囲であってもよい。
【0046】
コアー層樹脂又はブレンドのMFR (ASTM D1238、230℃、2.16kg)は好ましくは2,000dg/分(g/10分)未満、更に好ましくは1,500dg/分以下、1,200dg/分以下、900dg/分以下、600dg/分以下、300dg/分以下、200dg/分以下、150dg/分以下、100dg/分以下、又は90dg/分以下である。或る実施態様において、コアー層樹脂又はブレンドのMFR が約50dg/分、75dg/分、又は80dg/分の低さから約250dg/分、500dg/分、又は1,000dg/分の高さまでの範囲であってもよい。コアー層樹脂又はブレンドのMFR がまた約20dg/分、30dg/分、又は40dg/分の低さから約90dg/分、120dg/分、又は150dg/分の高さまでの範囲であってもよい。コアー層樹脂又はブレンドのMFR がまた約25dg/分、35dg/分、又は45dg/分の低さから約75dg/分、85dg/分、又は95dg/分の高さまでの範囲であってもよい。コアー層樹脂又はブレンドのMFR が更に約0.1dg/分、0.5dg/分、1dg/分、又は5dg/分の低さから約30dg/分、40dg/分、70dg/分、又は90dg/分の高さまでの範囲であってもよい。少なくとも一つの特別な実施態様において、コアー層樹脂又はブレンドのMFR が約2dg/分から約90dg/分まで、約2dg/分から約20dg/分まで、約3dg/分から約90dg/分まで、又は約3dg/分から約20dg/分までの範囲である。
コアー層樹脂又はブレンドの重量平均分子量(Mw)が500,000、400,000、300,000、又は250,000未満であることが好ましい。例えば、コアー層樹脂又はブレンドのMwが約50,000から約290,000までの範囲であってもよい。一つ以上の実施態様において、コアー層樹脂又はブレンドのMwが約50,000、65,000、又は80,000の低さから約130,000、190,000、又は290,000の高さまでの範囲であってもよい。一つ以上の実施態様において、コアー層樹脂又はブレンドのMwが約80,000から約285,000まで、80,000から約240,000まで、又は80,000から約140,000までの範囲であってもよい。
【0047】
多層構築物弾性を特徴づける一つの方法はヒステリシス曲線を下記のサイクル試験操作に従って測定することである。一般に、不織布のサンプルがインストロン1130装置(これはインストロン・コーポレーションから市販される)を使用して1回以上延伸される。特にことわらない限り、ヒステリシス曲線を作成するのに本明細書で使用される試験パラメーターはサンプル幅=1インチ(2.54cm)、サンプル長さ=3インチ(7.62cm)、ゲージ長さ、即ち、クランプ間の距離が1インチ(2.54cm)であり、クロスヘッド速度、即ち、延伸力を適用している上部クランプの速度が10インチ(25.4cm)/分である。本明細書に使用される“第一のサイクル”及び“第二のサイクル”は個々のサンプルが延伸された回数を表す。
サンプルが最初に不織布サンプルを特定サンプルサイズに切断することにより試験される。夫々の試験サンプルが最初にサンプルをクロスヘッド/上部クランプ次いで下部クランプに取り付けることによりインストロン1130装置に装填される。クランプ間の距離は特定ゲージ長さである。前張力がサンプルに適用されない。
次いでサンプルが10インチ(25.4cm)のクロスヘッド速度、すなわち、延伸速度を使用してサンプル長さにより測定して、所望の歪、例えば、100%、又は200%まで延伸される。次いでサンプルが保持時間なしに同クロスヘッド速度でゼロ負荷に戻される。延伸及び収縮の間の歪の関数としてのサンプルについての力が記録される。
サンプルが更なる特徴決定のために装置から除去され、又は追加のサイクルデータ、例えば、第二のサイクルデータが所望された場合には、1回以上延伸される。第二のサイクルヒステリス曲線が第一のサイクルで既に試験されたサンプルを再度取り付けることにより調製される。特に報告されない限り、サンプルが同じゲージ長さを使用して取り付けられる。第一のサイクルについて上記されたのと同じ操作が第二のサイクルについて利用される。
【0048】
本明細書に特に記載されない限り、永久歪は特定の歪の%として表される特定の歪からの収縮後にサンプル中に残る歪の量である。収縮後にゼロ負荷でサンプル中に残る伸び(x軸との収縮曲線の切片により測定されるような)が最大伸び(そのサンプルがそのサイクル中に延伸された)により割られる。
本明細書に特に記載されない限り、50%時の収縮力は所定の伸びまで延伸し、サンプルをその延びの半分まで収縮させた後にサンプルにより与えられる力である。
本明細書に特に記載されない限り、ピーク負荷(ポンド/インチ)はサンプルの幅(インチ)により割られた延伸中にサンプルに与えられた最大負荷力(ポンド)である。
本明細書に特に記載されない限り、ピーク力MD(N)はニュートンで表される機械方向(MD)の延伸中にサンプルに加えられる最大力である。
本明細書に特に記載されない限り、ピーク力CD(N)はニュートンで表される交差方向(CD)の延伸中にサンプルに加えられる最大力である。
本明細書に特に記載されない限り、破断点伸びMD(%)は%として表される当初のゲージ長さにより割られた機械方向の延伸後に破断点で測定されたサンプルの長さの増大である。
本明細書に特に記載されない限り、破断点伸びCD(%)は%として表される当初のゲージ長さにより割られた交差方向の延伸後に破断点で測定されたサンプルの長さの増大である。
【0049】
物品
多層構築物は下記の性質又は特性のいずれか一つ以上を必要とする適用に特に有益である:吸収性、液体反撥性、レジリエンス、延伸、軟度、強度、難燃性、洗浄性、クッション性、濾過性、細菌バリヤー、及び無菌性。例示の適用及び使用として、中でも、衛生、医療、フィルター、及びジオテキスタイルが挙げられるが、これらに限定されない。
例えば、多層構築物はベビーおむつ、女性衛生ナプキン、成人失禁製品、身辺衛生ふき物、バンテージ、包帯、空気フィルター、液体フィルター、家庭用ふき物、ショップタオル、バッテリーセパレーター、真空クリーナーバッグ、化粧パッド、食品包装、衣類、アパレル、医療ガーメント、及び使い捨て下着をつくるのに使用し得る。特に好適な使用として、ベビーおむつのクロージャーシステム、プルアップ、トレーニングパンツ、成人失禁ブリーフ及びおむつ、バンデージ、並びにその他の単一使用又は使い捨て品目が挙げられる。
【0050】
普通の濾過使用として、ガソリン、オイル及び空気のフィルター;水、コーヒー及びお茶のバッグ;液体カートリッジ及びバッグフィルター;真空バッグ;並びにアレルゲン膜が挙げられる。例示のジオテキスタイル及びこれらの使用として、土壌安定剤及び道路下地剤、ファウンデーション安定剤、腐食制御、運河構築物、排水システム、ジオメンブレン保護、霜保護、農業用温床、池及び運河の水バリヤー、並びに排水タイル用の砂浸潤バリヤーが挙げられる。
本明細書に提供された多層構築物の追加の物品及び使用として、例えば、カーペット裏地、船舶帆積層物、テーブルカバー積層物、チョップトストランドマット、刺繍機用の支持体/安定剤、包装、絶縁、枕、クッション、及び内張りパッド、キルト又はコンフォーター中のバット、消費者及び郵便用の封筒、ターポだけでなく、テント及び輸送用(木材、鋼)包装が挙げられる。
全物品が多層構築物から形成でき、又は多層構築物がそれらの個々のセクション又は部分を形成し得る。例えば、ベビーおむつでは、多層構築物がバックシート、ウィング、及び/又はタブの少なくとも一部を形成すると考えられる。
【0051】
その他の実施態様として、下記の実施態様が更に挙げられる。
1. 第一の材料をメルトブローして第一のメルトブローン層を形成し、
第二の材料をメルトブローして第二のメルトブローン層を形成し、そして
第三の材料をメルトブローして第三のメルトブローン層を形成することを含む、多層メルトブローン複合材料の形成方法であって、
夫々の材料が同じであり、又は異なり、夫々の材料がASTM D1238、2.16kg、230℃により測定して、約2,000dg/分以下のMFRを有する少なくとも一種の樹脂を含み、第一、第二、及び第三の材料の少なくとも一種がASTM D412により測定して、100%変形後の少なくとも70%の回復を有するエラストマーを含むことを特徴とする前記方法。
2. 夫々のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有する、パラグラフ1記載の方法。
3. 夫々のメルトブローン層が10g/m2から150g/m2までの範囲内の基本質量を有する、パラグラフ1又は2記載の方法。
4. 第一のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有し、第二のメルトブローン層が15g/m2から150g/m2までの範囲内の基本質量を有し、かつ第三のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有する、パラグラフ1から3のいずれかに記載の方法。
5. エラストマーが75J/g以下の融解熱を有するプロピレン-α-オレフィンコポリマーである、パラグラフ1から4のいずれかに記載の方法。
6. 第二のメルトブローン層が75J/g以下の融解熱を有する少なくとも5質量%のプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含む、パラグラフ1から5のいずれかに記載の方法。
7. 第二のメルトブローン層が75J/g以下の融解熱を有する少なくとも10質量%のプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含む、パラグラフ1から6のいずれかに記載の方法。
8. 多層複合材料を機械方向(MD)、交差方向(CD)又はMD方向とCD方向の両方に機械的に延伸することを更に含む、パラグラフ1から7のいずれかに記載の方法。
9. 第二のメルトブローン層の溶融温度が約325℃以下である、パラグラフ1から8のいずれかに記載の方法。
10. 第一及び第三のメルトブローン層がホモポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらのブレンドを含む、パラグラフ1から9のいずれかに記載の方法。
【0052】
11. 夫々の材料が25dg/分未満のMFR(ASTM D1238、2.16kg、230℃)を有する、パラグラフ1から10のいずれかに記載の方法。
12. 夫々の材料が50dg/分未満のMFR(ASTM D1238、2.16kg、230℃)を有する、パラグラフ1から11のいずれかに記載の方法。
13. 第二のメルトブローン層が多層複合材料の合計質量の少なくとも10質量%である、パラグラフ1から12のいずれかに記載の方法。
14. 第二のメルトブローン層が第一のメルトブローン層と第三のメルトブローン層の間に配置される、パラグラフ1から13のいずれかに記載の方法。
15. 夫々の材料が移動している表面にメルトブローされる、パラグラフ1から14のいずれかに記載の方法。
16. ASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第一のメルトブローン層;
ASTM D412に従って測定して、200%以上の極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第二のメルトブローン層;及び
ASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第三のメルトブローン層を含み、
夫々の樹脂が、ASTM D1238、2.16kg、230℃により測定して、約2,000dg/分以下のMFRを有し、かつ第一、第二、及び第三のメルトブローン層の少なくとも一つが75J/g以下の融解熱を有するプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含むことを特徴とする、多層メルトブローン複合材料。
17. 夫々のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有する、パラグラフ16記載のメルトブローン複合材料。
18. 夫々のメルトブローン層が10g/m2から150g/m2までの範囲内の基本質量を有する、パラグラフ16又は17記載のメルトブローン複合材料。
19. 第一のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有し、第二のメルトブローン層が15g/m2から150g/m2までの範囲内の基本質量を有し、かつ第三のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有する、パラグラフ16から18のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
20. 第二のメルトブローン層が75J/g以下の融解熱を有する少なくとも10質量%のプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含む、パラグラフ16から19のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
【0053】
21. 第一及び第三のメルトブローン層が夫々75J/g以下の融解熱を有する少なくとも5質量%のプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含む、パラグラフ16から20のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
22. 第一及び第三のメルトブローン層が夫々少なくとも5質量%のポリプロピレンを含む、パラグラフ16から21のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
23. 第二のメルトブローン層の溶融温度が約325℃以下である、パラグラフ16から22のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
24. 第一及び第三のメルトブローン層がホモポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらのブレンドを含む、パラグラフ16から23のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
25. 夫々の樹脂が25dg/分未満のMFR(ASTM D1238、2.16kg、230℃)を有する、パラグラフ16から24のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
26. 夫々の樹脂が50dg/分未満のMFR(ASTM D1238、2.16kg、230℃)を有する、パラグラフ16から25のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
【0054】
27. 第二のメルトブローン層が多層複合材料の合計質量の少なくとも10質量%である、パラグラフ16から26のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
28. 第二のメルトブローン層が第一のメルトブローン層と第三のメルトブローン層の間に配置される、パラグラフ16から27のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
29. ASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第一のメルトブローン層;
ASTM D412に従って測定して、200%以上の極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第二のメルトブローン層;及び
ASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第三のメルトブローン層を有する多層メルトブローン複合材料を、一種以上の成分として含み、
夫々の樹脂が、ASTM D1238、2.16kg、230℃により測定して、約2,000dg/分以下のMFRを有し、かつ第一、第二、及び第三のメルトブローン層の少なくとも一つが75J/g以下の融解熱を有するプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含むことを特徴とする、製造の物品。
30. 物品がガーメントである、パラグラフ29記載の物品。
31. 物品がベビーおむつもしくは成人失禁おむつ、トレーニングパンツ又はプルアップ或いはフェムケア製品である、パラグラフ29又は30のいずれかに記載の物品。
32. 物品がフィルターである、パラグラフ29から31のいずれかに記載の物品。
【0055】
或る実施態様及び特徴が数的上限の組及び数的下限の組を使用して記載された。特に示されない限り、あらゆる下限からあらゆる上限までの範囲が意図されていることが認められるべきである。或る下限、上限及び範囲が下記の一つ以上の請求項に現れる。全ての数値は“約”又は“およその”示された値であり、当業者に予想されるような実験誤差及び変化を考慮する。
種々の用語が先に定義された。請求項に使用される用語が先に定義されない程度では、当業者が少なくとも一つの印刷刊行物又は発行された特許に反映されるようにその用語に与えた最も広い定義がそれに与えられるべきである。更に、この出願で引用された全ての特許、試験操作、及びその他の書類はこのような開示がこの出願と不一致ではない程度に、またこのような組み込みが許される全ての管轄権について参考として充分に含まれる。
以上は本発明の実施態様に関するが、本発明のその他の実施態様及び更なる実施態様がその基本的範囲から逸脱しないで考案されてもよく、本発明の範囲は以下の請求項により決められる。
【符号の説明】
【0056】
100、300、400、500、600、700、800、900−メルトブローシステム
110−押出機
120−モーター
130−ダイブロック
135−空気マニホルド
140−紡糸口金
145−紡糸ノズル
150−繊維
160−熱交換機
170−空気弁
180−収集表面
185−ウェブ
200−ダイ組立体
210−一次空気ノズル
350、450、550、650−多層メルトブローン複合材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の材料をメルトブローして第一のメルトブローン層を形成し、
第二の材料をメルトブローして第二のメルトブローン層を形成し、そして
第三の材料をメルトブローして第三のメルトブローン層を形成することを含む、多層メルトブローン複合材料の形成方法であって、
夫々の材料が同じであり、又は異なり、夫々の材料がASTM D1238、2.16kg、230℃により測定して、約2,000dg/分以下のMFRを有する少なくとも一種の樹脂を含み、第一、第二、及び第三の材料の少なくとも一種がASTM D412により測定して、100%変形後の少なくとも70%の回復を有するエラストマーを含むことを特徴とする前記方法。
【請求項2】
夫々のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
第一のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有し、第二のメルトブローン層が15g/m2から150g/m2までの範囲内の基本質量を有し、かつ第三のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
第二のメルトブローン層が75J/g以下の融解熱を有する少なくとも5質量%のプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
多層複合材料を機械方向(MD)、交差方向(CD)又はMD方向とCD方向の両方に機械的に延伸することを更に含む、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
第二のメルトブローン層の溶融温度が約325℃以下である、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第一及び第三のメルトブローン層がホモポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらのブレンドを含む、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
夫々の材料が50dg/分未満のMFR(ASTM D1238、2.16kg、230℃)を有する、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
第二のメルトブローン層が多層複合材料の合計質量の少なくとも10質量%である、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
第二のメルトブローン層が第一のメルトブローン層と第三のメルトブローン層の間に配置される、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
夫々の材料が移動している表面にメルトブローされる、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
ASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第一のメルトブローン層;
ASTM D412に従って測定して、200%以上の極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第二のメルトブローン層;及び
ASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第三のメルトブローン層を含み、
夫々の樹脂が、ASTM D1238、2.16kg、230℃により測定して、約2,000dg/分以下のMFRを有し、かつ第一、第二、及び第三のメルトブローン層の少なくとも一つが75J/g以下の融解熱を有するプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含むことを特徴とする、多層メルトブローン複合材料。
【請求項13】
夫々のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有する、請求項12記載のメルトブローン複合材料。
【請求項14】
第一のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有し、第二のメルトブローン層が15g/m2から150g/m2までの範囲内の基本質量を有し、かつ第三のメルトブローン層が5g/m2から300g/m2までの範囲内の基本質量を有する、請求項12記載のメルトブローン複合材料。
【請求項15】
第二のメルトブローン層が75J/g以下の融解熱を有する少なくとも10質量%のプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含む、請求項12から14のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
【請求項16】
第一及び第三のメルトブローン層が夫々75J/g以下の融解熱を有する少なくとも5質量%のプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含む、請求項12から15のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
【請求項17】
第二のメルトブローン層の溶融温度が約325℃以下である、請求項12から16のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
【請求項18】
第一及び第三のメルトブローン層がホモポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、又はこれらのブレンドを含む、請求項12から17のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
【請求項19】
夫々の樹脂が50dg/分未満のMFR(ASTM D1238、2.16kg、230℃)を有する、請求項12から18のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
【請求項20】
第二のメルトブローン層が多層複合材料の合計質量の少なくとも10質量%である、請求項12から19のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
【請求項21】
第二のメルトブローン層が第一のメルトブローン層と第三のメルトブローン層の間に配置される、請求項12から20のいずれかに記載のメルトブローン複合材料。
【請求項22】
ASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第一のメルトブローン層;
ASTM D412に従って測定して、200%以上の極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第二のメルトブローン層;及び
ASTM D412に従って測定して、約50%から約250%までの極限伸び(UE)を有する一種以上の樹脂を含む第三のメルトブローン層を有する多層メルトブローン複合材料を、一種以上の成分として含み、
夫々の樹脂が、ASTM D1238、2.16kg、230℃により測定して、約2,000dg/分以下のMFRを有し、かつ第一、第二、及び第三のメルトブローン層の少なくとも一つが75J/g以下の融解熱を有するプロピレン-α-オレフィンコポリマーを含むことを特徴とする、製造の物品。
【請求項23】
物品がガーメント、ベビーおむつもしくは成人失禁おむつ、トレーニングパンツ又はプルアップ或いはフェムケア製品である、請求項22記載の物品。
【請求項24】
物品がフィルターである、請求項22記載の物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−506062(P2013−506062A)
【公表日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532322(P2012−532322)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/050950
【国際公開番号】WO2011/041575
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】