説明

多成分シン・トゥ・シィック系

本発明は、混合の間に高粘度液体を形成する疎水的変性ポリマーを含んでなる水性多成分系、および特に化粧品成分または洗剤および/またはすすぎ剤および/または洗浄剤の形態での該多成分系の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合により高粘度液体を形成する多成分系、および、この多成分系の使用、より詳細には、化粧品としての、または洗濯用洗剤および/または食器洗い用洗剤および/または洗浄剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
長時間の表面との接触時間を達成して、洗浄効果を改善するため、高粘度の洗浄剤に対する、一般的な実際の要求が存在する。しかしながら、高粘度液体に関する問題は、それらは、実際の取り扱いが困難であることである。例えば、高粘度洗浄剤は、不可能ではないにしても、噴霧による付与または塗布は困難である。
【0003】
この問題に対する一つの解決法は、例えば、その塗布時点で高粘度洗浄剤を製造することであろう。水による希釈の際には比較的高粘度になると想定されるに過ぎない低粘度洗浄剤が、この目的を達成するために開発された。例えば、欧州特許EP 0 595 590は、アミンオキシド、陰イオン性アルキル洗剤、疎水的変性ポリマーおよび希釈剤を含有する濃縮物を記載している。この濃縮物は、96〜98部の水の添加に際して高粘度液体を形成する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明により解決される課題は、その塗布時点において利用可能になる高粘度液体を可能にする代替物を見出すことであった。より詳細には、本発明により解決される課題は、先行技術に記載された系に対して、より取扱いが容易な代替物を提供することであった。
【0005】
解決される別の課題は、先行技術に関する混合物の流出挙動を改善すること、および/または従来の増粘剤系で達成されたものよりも良好な濃厚化を提供することであった。
【0006】
Iliopoulosらによる文献Langmuir 7、617〜619頁(1991年)およびPanmaiらによる文献、Colloid and Surfaces A 147、3〜15頁(1999年)は、疎水的変性ポリマーを含有し、そして界面活性物質の添加に際して最大の粘度となる液体を記載する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
驚くべきことに、高粘性液体、より詳細には、有利には長時間の接触時間を有する洗浄剤の要件を満足するものが、少なくとも2つの特定の低粘度液体(そのうちの少なくとも1つは、疎水的変性ポリマーを含有し、その他のうちの少なくとも1つは、疎水的変性ポリマーと洗剤の混合物を含有する)から、これを適当な比率で混合することによって形成することができることを見出した。
【0008】
生成物の表面へのより大きい粘着性、およびそれ故のより長い接触時間は、このように達成され、増大した洗浄効果に加えて、消費者に視覚化される。
【0009】
したがって、本発明は、少なくとも2つの(好適には低粘度の)液体(少なくとも2つの液体の第1のものは、少なくとも1つの疎水的変性ポリマーを含有し、および少なくとも2つの液体の第2のものは、少なくとも1つの疎水的変性ポリマーと少なくとも1つの界面活性剤を含有する)を、互いに混合することを特徴とする高粘度液体の製造方法に関する。
【0010】
したがって、また、本発明は、
a)少なくとも1つの疎水的変性ポリマーを含有する第1の水性液体と、
b)少なくとも1つの疎水的変性ポリマーと少なくとも1つの界面活性剤を含有する第2の水性液体
を含んでなる多成分系(好適には2成分系)に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
2成分系を使用することに加えて、本発明にしたがって2より多くの成分の系を使用することもできる。しかしながら、好適な実施態様において、多成分系は2成分系である。多成分系を使用するために、成分は、適当な比率で互いに混合される。2成分系の場合、第1の水性液体と第2の水性液体の間の比率は、好適には1:2と100:1の間で使用される。
【0012】
本発明によれば、2つの液体中の疎水的変性ポリマーの量は、好適には5重量%までの量であり、より好適には0.1重量%と2重量%の間の量である。
【0013】
多成分系の第1の水性液体は、界面活性剤を含有する必要はなく、好適な実施態様においては、界面活性剤を含有しない。しかしながら、別の好適な実施態様においては、第1の液体は、少量(好適には0重量%と0.4重量%の間、より好適には0重量%と0.1重量%の間)の界面活性剤を含有する。ここで、また、任意の界面活性剤または界面活性剤混合物、より好適には第2の液体の界面活性剤と同じ群から選択される界面活性剤を使用することができる。好適な実施態様において、同一の界面活性剤が第1の液体中および第2の液体中に存在する。
【0014】
第2の液体中の界面活性剤の量は、好適には0.05重量%と20重量%の間、より好適には0.1重量%と12重量%の間、とりわけ、0.2重量%と8重量%の間である。
【0015】
〔疎水的変性ポリマー〕
疎水的変性ポリマーは、例えば、疎水的変性ポリ酸、疎水的変性ポリアミド、疎水的変性ポリアルコール、より好適には、疎水的変性多糖類(例えば、疎水的変性セルロース誘導体など)またはそれらの混合物であり得る。疎水的変性ポリアクリル酸アミドおよび疎水的変性ポリメタクリル酸アミド、ならびに疎水的変性ポリアクリレートおよび疎水的変性ポリメタクリレートは、本発明の目的に好適であり、疎水的変性ポリアクリレートおよび疎水的変性ポリメタクリレートが特に好適である。
【0016】
疎水的変性ポリマーは、任意の構造を有し得る。例えば、疎水的変性ポリマーは、直鎖状、分枝状、櫛状および/または星状であり得る。
【0017】
また、疎水的変性ポリマーは、コポリマーまたはブロックコポリマーであり得る。上記基(すなわち、酸、アミドまたはアルコール基)を有する単位に加えて、コポリマーおよび/またはブロックコポリマーは、いかなる官能性単位も含有しない単位、例えば、アルキルまたはポリアルキレングリコール基なども含み得る。また、疎水的変性ポリマーは、同一または異なる長さの種々のポリマー単位を互いに結合するスペーサーも含み得る。スペーサーは、任意の化学的単位、例えば、アルキル基、アルコキシ基またはポリウレタン基である。
【0018】
本発明によれば、疎水的変性は、疎水性基がポリマー、好適にはポリマーの一以上の官能基に結合されていることを意味する。したがって、結合は、好適にはカルボン酸基に対するエステル結合の形態、またはカルバミド基に対するアミド結合の形態、またはウレタン結合の形態である。しかしながら、あるいは、疎水性基は、アルキレン基、より好適にはC1〜6アルキレン基、好適にはメチレン基によってポリマー骨格に結合することができる。
【0019】
変性度は、ポリマーのモノマー単位数と疎水的変性基数との間の比率、または、特に疎水的変性基が官能基に結合し、全てのモノマーが官能基を含む場合、官能基の総数に基づく、疎水性基によって変性された官能基数を示す。
【0020】
本発明によれば、疎水性基は、例えば、アルキル基、芳香族基またはポリエーテル基を含むことができ、および直鎖状または分枝状であり得る。この場合、疎水性基は、好適にはC〜C50、好適にはC〜C26、より好適にはC12〜C22、とりわけC16〜C20および最も好適にはC18の長さを有するアルキル基、または、好適には2〜50個(より好適には2〜30個)の繰り返し単位を有する、ポリアルキレングリコール、より好適にはポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、またはオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位のコポリマーである。そのポリアルキレングリコールの末端ヒドロキシ基は、好適にはエステル化またはエーテル化されており、エステル結合は、好適にはC5〜50カルボン酸、より好適にはC8〜26カルボン酸および最も好適にはC16〜20カルボン酸から選択される酸を用いて形成され、およびエーテル結合は、好適にはC5〜50アルコール、より好適にはC8〜26アルコールおよび最も好適にはC16〜20アルコールを用いて形成される。
【0021】
好適な実施態様において、疎水的変性ポリマーは、疎水的変性ポリアクリレートまたはその誘導体である。該ポリアクリレートは、(より好適にはエステル結合または酸アミド結合によって)ポリアクリレートのカルボキシル基に結合したアルキル基によって疎水的に変性されたものである。
【0022】
特定の一実施態様において、疎水的変性ポリマーは、式:-CH-C(R)(W)-で示される単位および式:-CH-C(R)([X]-[Y]-[B]-Z-H)-で示される単位を含むポリマーであり得る。
式中、
およびRは、互いに独立して、水素、C1〜6アルキル、COOHまたはCOOR、好適には水素またはメチルを示し、
Wは、COOH、COOR、CONH、CONHRまたはCONR、好適にはCOOHを示し、
は、(C1〜6)アルキル、(C1〜6)-アルキル-SOH、(C1〜6)-アルキル-POHまたは(C1〜6)-アルキル-COHを示し、該(C1〜6)-アルキル基は好適にはメチルであり、
およびRは、互いに独立して、C1〜6アルキルを示し、
Xは、C(O)O-、C(O)NH-または(C1〜6)アルキレン、より好適にはメチレン、好適にはC(O)O-を示し、
Yは、(C1〜4)オキシアルキレン、より好適には、混合またはブロック状配列の、オキシエチレンおよび/またはオキシプロピレンを示し、
Bは、COを示し、
Zは、(C5〜50)アルキレン、好適には(C5〜35)アルキレンを示し、
mは、0または1、好適には1であり、
nは、0〜50、好適には0〜30の値を有し、
oは、0または1である。
【0023】
また、全ての上記炭化水素基および、それと独立して、ポリマー骨格は、一回以上置換されていてもよく、より好適にはハロゲン(より好適にはフッ素、塩素または臭素)、ヒドロキシ、アルコキシ(より好適にはC1〜6アルコキシ)、アミノ、アルキルアミノ(より好適にはC1〜6アルキルアミノ)、アリール(より好適にはC6〜10アリール)、アリールアルキル(より好適にはC6〜10-アリール-C1〜6-アルキル)、カルボキシ、カルボキシエステル(より好適にはカルボキシ-C1〜6アルキルエステル)、および脂環族基から選択される置換基によって置換されていてもよい。
【0024】
疎水的変性ポリマーまたはその誘導体は、好適には100,000kDa未満、より好適には10kDaと1000kDaの間、および最も好適には50kDaと600kDaの間の分子量を有する。
【0025】
疎水的変性ポリマーの変性度は、好適には1%と10%の間、より好適には2%と5%の間、とりわけ、2.5%と3.5%の間である。
【0026】
本発明による使用に適当な疎水的変性ポリマーの例は、ローム・アンド・ハースからのAcusol 801 S、Acusol 820、Aculyn 22(アクリレート/Steareth-20メタクリレートコポリマー)およびAculyn 28(アクリレート/Beheneth-25メタクリレートコポリマー)、NoveonからのPemulen TR-1、Pemulen TR-2、Carbopol ETD2020およびCarbopol Ultrez 20ポリマー(全てのアクリレート/C10〜30アルキルアクリレート架橋ポリマー)およびCarbopol Aqua SF-1、National StarchからのStructure 3001(アクリレート/Ceteth-20イタコネートコポリマー)およびStructure 2001(アクリレート/Palmeth-25イタコネートコポリマー)、3V SigmaからのSynthalen W2000(アクリレート/Palmeth-25アクリレートコポリマー)およびClariantからのAristoflex HMBである。
【0027】
特に好適な実施態様において、疎水的変性ポリマーは、疎水的変性ポリアクリレートである。該ポリアクリレートは、アルキル基がポリアクリレートのカルボキシル基に結合することによって、より好適にはエステル結合によって、または酸アミド結合によって疎水的変性されたものであり、該アルキル基は、C〜C26、好適にはC12とC22の間、とりわけ、C16とC20の間の長さ、最も好適にはC18の長さを有するものである。
【0028】
別の特に好適な実施態様において、疎水的変性ポリアクリレートは、Acusol 801 SまたはAcusol 820(ローム・アンド・ハース)の名称のもと市販されているポリマーである。
【0029】
〔界面活性剤〕
本発明による使用に適当な界面活性剤は、好適には、陰イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤からなる群から選択される界面活性剤またはそれらの混合物である。陽イオン性界面活性剤は、付加的成分として少量で存在し得る。
【0030】
適当な陰イオン性界面活性剤は、例えば、スルホネート型およびスルフェート型のものである。スルホネート型の適当な界面活性剤は、好適にはC9〜13アルキルベンゼンスルホネート、オレフィンスルホネート、すなわち、アルケンおよびヒドロキシアルカンスルホネートの混合物、および、例えば、末端または内部二重結合を有するC12〜18-モノオレフィンから、三酸化硫黄ガスを用いるスルホン化およびそれに続くスルホン化産物のアルカリまたは酸加水分解によって得られるジスルホネートである。他の適当なスルホネート型界面活性剤は、C12〜18アルカンから、例えば、スルホクロリネーションまたはスルホオキシデーションおよびそれに続く加水分解または中和によって得られるアルカンスルホネートである。また、α-スルホ脂肪酸のエステル(エステルスルホネート)、例えば、水素化ココナッツ脂肪酸、パーム核脂肪酸または獣脂脂肪酸のα-スルホン化メチルエステルも適当である。
【0031】
他の適当な陰イオン性界面活性剤は、スルホン化脂肪酸グリセロールエステルである。本発明における脂肪酸グリセロールエステルは、1〜3モルの脂肪酸によるモノグリセロールのエステル化によって行う製造法で得られる、または0.3〜2モルのグリセロールによるトリグリセリドのエステル交換において得られる、モノエステル、ジエステルおよびトリエステルおよびそれらの混合物である。好適なスルホン化脂肪酸グリセロールエステルは、6〜22個の炭素原子を有する飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸またはベヘン酸)のスルホン化産物である。
【0032】
好適なアルキル(アルケニル)スルフェートは、C12〜18脂肪アルコール(例えば、ココナッツ脂肪アルコール、獣脂脂肪アルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコールまたはステアリルアルコールまたはC10〜20オキソアルコール)の硫酸半エステルおよび同じ鎖長の第二級アルコールの対応する半エステルのアルカリ金属塩(特にはナトリウム塩)である。他の好適なアルキル(アルケニル)スルフェートは、石油化学に基づく合成直鎖状アルキル鎖を含有し、油脂化学原材料に基づく対応する化合物と分解挙動が類似する、上記鎖長のアルキル(アルケニル)スルフェートである。硫酸C12〜16アルキル、硫酸C12〜15アルキルおよび硫酸C14〜15アルキルは、洗濯用洗剤に好適である。他の適当な陰イオン性界面活性剤は、DAN(登録商標)の名称のもと、Shell Oil Companyの製品として入手可能である硫酸2,3-アルキルである。
【0033】
また、1〜6モルのエチレンオキシドを用いてエトキシル化された直鎖状または分枝状のC7〜21アルコール(例えば、平均3.5モルのエチレンオキシド(EO)を含有する2-メチル-分枝状C9〜11アルコールまたは1〜4のEOを有するC12〜18脂肪アルコール)の硫酸モノエステルも適当である。それらの高い発泡傾向のために、それらは、洗浄組成物中に比較的少量(例えば、1〜5重量%の量)でのみ使用される。
【0034】
他の適当な陰イオン性界面活性剤は、アルキルスルホコハク酸の塩である。これは、スルホスクシナートまたはスルホコハク酸エステルとしても既知であり、および、スルホコハク酸とアルコール(好適には、脂肪アルコール、より好適にはエトキシル化脂肪アルコール)のモノエステルおよび/またはジエステルである。好適なスルホスクシナートは、C8〜18脂肪アルコール残基またはその混合物を含有する。特に好適なスルホスクシナートは、エトキシル化脂肪アルコール(これは、単独で、非イオン性界面活性剤(以下の説明を参照のこと)を表すと考えられる)から誘導される脂肪アルコール残基を含有する。これらのスルホスクシナートのなかでも、その脂肪アルコール残基が狭範囲エトキシル化脂肪アルコールから誘導されたスルホスクシナートが特に好適である。また、アルキル(アルケニル)鎖中に好適には8〜18個の炭素原子を有するアルキル(アルケニル)コハク酸またはその塩を使用することもできる。
【0035】
陰イオン性界面活性剤は、それらのナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩の形態で、および、有機塩基(例えば、モノ、ジまたはトリエタノールアミン)の可溶性塩として存在し得る。陰イオン性界面活性剤は、好適には、それらのナトリウム塩またはカリウム塩の形態、より好適には、それらのナトリウム塩の形態で存在する。
【0036】
好適な非イオン性界面活性剤は、アルコキシル化された(有利にはエトキシル化された)、特には、好適には8〜18個の炭素原子とアルコール1モル当たり平均して1〜20モル(特には1〜12モル)のエチレンオキシド(EO)を有する、第一級アルコールである。ここで、アルコール成分は、直鎖または好適には2位でメチル分岐されたものでもよく、あるいは、オキソアルコール残基において典型的に存在する混合物の形態の直鎖残基およびメチル分岐残基を含有していてもよい。しかしながら、12〜18個の炭素原子を有する天然起源のアルコール(例えば、ココナッツアルコール、パームアルコール、獣脂脂肪アルコールまたはオレイルアルコール)の直鎖残基を含有し、アルコール1モル当たり平均して2〜8のEOを有するアルコールエトキシレートが特に好適である。好適なエトキシル化アルコールとしては、例えば、3のEOまたは4のEOを有するC12-14-アルコール、7のEOを有するC9-11-アルコール、3のEO、5のEO、7のEOまたは8のEOを有するC13-15-アルコール、3のEO、5のEOまたは7のEOを有するC12-18-アルコールおよびこれらの混合物(例えば、3のEOを有するC12-14-アルコールと5のEOを有するC12-18-アルコールの混合物)が挙げられる。上記エトキシル化度は、統計的平均値である。これは、特定の産物について、自然数または端数であり得る。好適なアルコールエトキシレートは、狭い同族体分布を有する(狭範囲エトキシレート、NRE)。これらの非イオン性界面活性剤に加えて、12より多いEOを有する脂肪アルコールも使用され得る。その例としては、14のEO、25のEO、30のEOまたは40のEOを含有する獣脂脂肪アルコールが挙げられる。
【0037】
エチレンオキシドおよびアルキレンオキシド単位を交互に含有する低発泡性の非イオン性界面活性剤も使用することができる。これらの界面活性剤の好適な代表例は、EO-AO-EO-AOブロックを含有するものである。ここで1〜10のEOまたはAO基は、他の基のブロックが続く前に互いに結合している。このような界面活性剤の例は、以下の一般式:
【0038】
【化1】

【0039】
〔式中、Rは、直鎖または分枝状の、飽和のまたはモノまたはポリ不飽和のC6-24-アルキル基またはC6-24-アルケニル基である;基RまたはRは、互いに独立して、各々-CH;-CHCH、-CHCH-CH、-CH(CH)から選ばれ、およびインデックスw、x、y、zは、互いに独立して、1〜6の整数である。〕
で示される界面活性剤である。
これらの非イオン性界面活性剤は、既知の方法によって、対応するアルコールR-OHとエチレンオキシドまたはアルキレンオキシドから製造することができる。上記式中の置換基Rは、アルコールの起源に依存して変化し得る。天然起源が使用される場合、置換基Rは、偶数の炭素原子を有し、通常、非分岐鎖である。12〜18個の炭素原子を有する天然起源のアルコール(例えば、ココナッツアルコール、パームアルコール、獣脂脂肪アルコールまたはオレイルアルコール)の直鎖が好適である。合成起源から利用可能なアルコールは、例えば、ゲルベアルコール、または2-メチル分岐アルコール、または、オキソアルコールに通常存在する直鎖またはメチル分岐アルコールである。本発明にしたがって洗剤中に存在する非イオン性界面活性剤の製造に使用されるアルコールの性質に関係なく、本発明の好適な洗剤は、上記式中のRが、C6〜24、好適にはC8〜20、より好適にはC9〜15および最も好適にはC9〜11アルキル基であるものである。プロピレンオキシドに加えて、非イオン性界面活性剤中に、エチレンオキシド単位と交互に存在し得る適当なアルキレンオキシド単位は、特に、ブチレンオキシドである。しかしながら、RおよびRが、互いに独立して、-CHCH-CHおよび-CH(CH)から選ばれる他のアルキレンオキシドも適当である。
【0040】
単独の非イオン性界面活性剤として、または他の非イオン性界面活性剤と組み合わせてのいずれかで使用することができる別のクラスの適当な非イオン性界面活性剤は、好適にはアルキル鎖中に1〜4個の炭素原子を含有するアルコキシル化(好適にはエトキシル化またはエトキシル化およびプロポキシル化)脂肪酸アルキルエステル(より好適には脂肪酸メチルエステル)である。
【0041】
本発明に使用され得る別のクラスの非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APG)である。適当なアルキルポリグリコシドは、一般式
R-O-(-G) (I)
〔式中、Rは、直鎖状または分枝状の、より好適には2-メチル-分枝状の、飽和または不飽和の、8〜22個、好適には8〜18個の炭素原子を有する脂肪族基であり、Gは、単糖類のグリコシド結合残基を意味し、およびzは、1〜10の値を有する〕
で示される。
【0042】
APGを製造するための工業的に意義がある合成は、8〜22個(好適には8〜18個)の炭素原子を含有する長鎖アルコール(R-OH)によるアルドース型(HO-G)の単糖類の酸触媒縮合から本質的になる。式(I):
R-O(-G) (I)
〔式中、zの値は、反応条件の選択を通じて広い範囲内を変動し得る〕
で示されるアルキルグリコシドは、水の脱離を伴う縮合反応で形成される。式(I)(n=1〜10)で示されるアルキルグリコシドは、本発明による使用に適当である。nが1〜6、より好適には1〜2の値を有する化合物が好適である。n>1である生成物において、nは、もちろん統計学的平均値である。
【0043】
また、アルキルグリコシドは、オリゴ糖類または多糖類から製造することができる。これらは、酸触媒反応において、まず、式Iで示されるアルキルグリコシドの形成前に、加水分解および/またはアルコール分解によってより低い断片に解重合される。種々の単糖単位を含有する種々の還元単糖類または多糖類の混合物を、出発材料として使用することができる。n>1の場合、対応するように混合された組成物のアルキルグリコシド分子が形成され得る。
【0044】
好適な出発材料は、以下の単糖類:グルコース、マンノース、ガラクトース、アラビノース、アピオース、リキソース、ガロース、アルトロース、イドース、リボース、キシロースおよびタロースおよびこれらの単糖類から構成されるオリゴ-および多糖類、例えば、麦芽糖、ラクトース、マルトトリオース、ヘミセルロース、デンプン、デンプンおよびシュガーシロップの部分加水分解物である。しかしながら、同一の単糖単位から製造されたアルキルグリコシドは、本発明の目的に好適である。残基(-G)がグルコースから誘導されたアルキルグリコシドは、特に好適である。グルコース、麦芽糖、デンプンおよび他のグルコースのオリゴマーは、アルキルグリコシドとしても既知であるこれらの化合物の出発材料として、対応するように使用される。
【0045】
上記製造方法において、アルキル部分Rは、長鎖、必要に応じて不飽和の、好適には分枝状でもあり得る、第一級アルコールから誘導される。その例は、天然脂肪酸から得られた、9〜15個の炭素原子を含有する合成オキソアルコールおよび8〜22個の炭素原子を含有する脂肪アルコールである。C8〜18脂肪アルコールおよびC11〜15オキソアルコールが好適であり、C8〜10またはC12〜14脂肪アルコールが特に好適である。
【0046】
単独の非イオン性界面活性剤としてか、または他の非イオン性界面活性剤と組み合わせて使用することができる適当な非イオン性界面活性剤の別のクラスは、好適にはアルキル鎖中に1〜4個の炭素原子を有する、アルコキシル化(好適には、エトキシル化またはエトキシル化およびプロポキシル化)脂肪酸アルキルエステルである。
【0047】
アミンオキシドタイプの非イオン性界面活性剤(例えば、N-ココアルキル-N,N-ジメチルアミンオキシドおよびN-タローアルキル-N,N-ジヒドロキシエチルアミンオキシド)および脂肪酸アルカノールアミドタイプの非イオン性界面活性剤も適当である。これらの非イオン性界面活性剤の量は、好適にはエトキシル化脂肪アルコールの量以下、好適にはその半分以下である。
【0048】
他の適当な非イオン性界面活性剤は、式(II):
【0049】
【化2】

【0050】
〔式中、RCOは、6〜22個の炭素原子を有する脂肪族アシル基、Rは、水素、1〜4個の炭素原子を有する、アルキル基またはヒドロキシアルキル基、および[Z]は、直鎖または分枝状の、3〜10個の炭素原子および3〜10個の水酸基を有するポリヒドロキシアルキル基である〕
で示されるポリヒドロキシ脂肪酸アミドである。該ポリヒドロキシ脂肪酸アミドは、既知物質であり、通常、アンモニア、アルキルアミンまたはアルカノールアミンを用いる還元糖の還元アミノ化と、それに続く脂肪酸、脂肪酸アルキルエステルまたは脂肪酸クロライドを用いるアシル化によって得ることができる。
【0051】
また、ポリヒドロキシ脂肪酸アミドの群としては、式(III):
【0052】
【化3】

【0053】
〔式中、Rは、直鎖または分枝状の、7〜12個の炭素原子を有する、アルキル基またはアルケニル基、Rは、直鎖、分枝状または環状の、2〜8個の炭素原子を有する、アルキル基またはアリール基、およびRは、直鎖、分枝状または環状の、1〜8個の炭素原子を有する、アルキル基またはアリール基またはオキシアルキル基であり、C1-4-アルキル基またはフェニル基が好適であり、および[Z]は、アルキル鎖が少なくとも2個の水酸基で置換された直鎖ポリヒドロキシアルキル基、または、アルコキシル化された(好適にはエトキシル化またはプロポキシル化された)その基の誘導体である〕
で示される化合物が挙げられる。
【0054】
[Z]は、好適には、還元糖(例えば、グルコース、フルクトース、マルトース、ラクトース、ガラクトース、マンノースまたはキシロース)の還元アミノ化によって得られる。次いで、N-アルコキシ-またはN-アリールオキシ-置換化合物は、触媒としてのアルコキシドの存在下、脂肪酸メチルエステルと反応させることによって、所望のポリヒドロキシ脂肪酸アミドに変換することができる。
【0055】
他の適当な非イオン性界面活性剤は、以下の式:
O[CHCH(R)O][CH]CH(OH)[CH]OR
〔式中、RおよびRは、1〜30個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族炭化水素基、Rは、Hまたはメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチルまたは2-メチル-2-ブチル基を意味し、xは、1〜30の値を有し、kおよびjは、1〜12および好適には1〜5の値を有する〕
で示される末端キャップドポリ(オキシアルキル化)非イオン性界面活性剤である。上記式中の各置換基Rは、xが≧2の値の場合、異なり得る。RおよびRは、好適には6〜22個の炭素原子を含有する直鎖状または分枝状、飽和または不飽和、脂肪族または芳香族炭化水素基であり、8〜18個の炭素原子を含有する基が特に好適である。置換基Rに関して、H、-CHまたは-CHCHが特に好適である。xについて特に好適な値は、1〜20の範囲、より好適には6〜15の範囲内である。
【0056】
本発明に使用され得る適当な両性または双性イオン性界面活性剤は、内塩を形成する塩基性基および酸性基を含有する。陽イオン性基は、例えば、ホスホニウム、イミダゾリウムまたはスルホニウム基であり得るけれども、特には第四級アンモニウム基である。陰イオン性基は、例えば、ホスホネートまたはスルフェート基であり得るけれども、特にはカルボキシレートまたはスルホネート基である。
【0057】
本発明に好適に使用される両性界面活性剤は、一般式(IV):
【0058】
【化4】

【0059】
〔式中、Rは、好適には脂肪族または芳香族の置換されてもよい疎水性基、RおよびRは、互いに独立して、好適には水素または置換されてもよい短鎖アルキル基を示し、および互いに結合していてさえもよく、Rは、好適には置換されてもよいアルキレンまたはポリアルコキシ基およびX-は、好適にはカルボキシレートまたはスルホネート基である〕
で示される化合物である。
【0060】
両性または双性イオン性界面活性剤の典型例は、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミノプロピオネート、アミノグリシナート、イミダゾリニウムベタインおよびスルホベタインである。
【0061】
好適な実施態様は、式(V):
【0062】
【化5】

【0063】
〔式中、Rは、必要に応じてヘテロ原子またはヘテロ原子基が割り込まれていてもよい、C8〜25(好適にはC10〜21)アルキル基であり、RおよびRは、1〜3個の炭素原子を含有する同一または異なるアルキル基を示す〕
で示されるベタイン化合物を使用することを特徴とする。C10〜18アルキルジメチルカルボキシメチルベタインおよびC11〜17アルキルアミドプロピルジメチルカルボキシメチルベタインが好適である。
【0064】
スルホベタインも好適である。この場合、陰イオン性基は、カルボキシ基の代わりにスルホネート基である。ビス(ヒドロキシエチル)スルホベタインおよびココアミドプロピルスルホベタインは、特に適当である。しかしながら、例えば、米国特許US 2,082,275、US 2,702,279またはUS 2,255,082中に記載されているベタインおよび/またはスルホベタインは、通常、使用することができる。
【0065】
特に好適な実施態様において、使用される界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールエーテルスルホネート、アルキルエーテルヒドロキシレート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、LAS、APG、ベタインおよび脂肪アルコールエトキシレートからなる群、特にはドデシルスルフェート、ドデシルエーテルスルフェートおよびC12〜18脂肪アルコールと、平均して20個未満のエトキシレート単位、好適には6〜7個のエトキシレート単位を含む脂肪アルコールエトキシレートからなる群から選択される少なくとも1つの界面活性剤を含む。
【0066】
多成分系および特に2成分系は、異なる方法で使用することができる。したがって、少なくとも2つの成分を、少なくとも2つの分離した容器(例えば、瓶)中に収容することができる。次いで、高粘性液体を製造するために、少なくとも2つの液体を、測定した量で第3の容器(例えば、バケツ)中に手でそそぐことができ、次いで、一緒に混合させることができる。
【0067】
しかしながら、あるいは、多区画系、より好適には2区画系、例えば、2区画噴霧器または2区画瓶も使用することができる。しかしながら、液体を手で混合する必要はなく、その代わりに、有利な機器を使用して自動的に液体を混合する。
【0068】
洗浄組成物は、噴霧ディスペンサーを使用して、容器から、より好適には多区画系から塗布地点に塗布することもできる。
【0069】
噴霧ディスペンサーは、好適には、特にエアロゾル式噴霧ディスペンサー(加圧ガス容器、噴霧缶としても既知のもの)、自己加圧式噴霧ディスペンサー、ポンプ式噴霧ディスペンサーおよびトリガー式噴霧ディスペンサーからなる群、より好適には透明ポリエチレンまたはポリエチレンテレフタレートの容器を有するポンプ式噴霧ディスペンサーおよびトリガー式噴霧ディスペンサーからなる群から選択される手作動式噴霧ディスペンサーである。噴霧ディスペンサーは、国際公開WO 96/04940(Procter & Gamble)およびそれに引用された米国特許中に詳細に記載されている。この点に関してこれらの全てに対して参照がなされ、これにより、それらの開示は本願中に含まれる。トリガー式噴霧ディスペンサーおよびポンプ式噴霧ディスペンサーは、加圧ガス容器に対して、推進剤を使用する必要がないという利点を有する。
【0070】
多区画容器の例は、国際公開WO 04/018319および独国特許公開DE 102004007505.0およびそれらで引用された先行技術文献中に見出すことができる。これにより、多区画容器に関するそれらの開示は、本願中に含まれる。
【0071】
高粘性溶液を製造するために、2成分系の2つの成分は、好適には1:2〜100:1の比率、より好適には1:1〜50:1の比率で互いに混合される。もちろん、好適な混合比率は、2つの成分の組成に依存する。
【0072】
好適な実施態様において、2成分系の2つの成分の組成およびそれらの混合比率は、0.1s-1の剪断速度での混合物の粘度が、2つの成分の少なくとも1つの(好適には両方の)粘度に比べて、約2倍高く、3倍高く、5倍高くまたは10倍高くなるように選択される。
【0073】
多成分系(特に2成分系)の別の好適な実施態様において、本発明によれば、成分の組成および混合比率は、0.1s-1の剪断速度での混合物の粘度が、使用される成分の少なくとも1つの(好適には両方のまたは全ての)粘度に比べて、10倍より高く、より好適には50倍より高く、とりわけ100倍より高くなるように選択される。
【0074】
好適な実施態様において、多成分系の成分は、互いに独立して、0.1s-1の剪断速度にて、100Pas未満および/または200Pas未満の粘度を有する。
【0075】
粘度は、20℃での0〜1000s-1の剪断速度範囲におけるフロー試験において、コーン角度1°を有する直径4cmのプレート-コーン測定系を含む、剪断ストレス制御回転式レオメーターAR 1000-N(TA Instruments)を用いて測定した。
【0076】
多成分系の成分および得られた混合物のpHの値は、好適には5〜14の範囲内である。多成分系の個々の成分および/または得られた混合物は、異なるpH値を有し得る。
【0077】
好適な実施態様において、成分の少なくとも1つは、少なくとも1つの他の構成成分をさらに含有する。この他の構成成分の選択は、意図された用途によって決定される。
【0078】
本発明の多成分系の意図された用途としては、例えば、化粧品としての、および/または洗剤および/または洗浄組成物としての使用が挙げられる。
【0079】
化粧品は、特に、ヘアトリートメントおよび/またはヘアケア調製物、例えば、ヘアシャンプー、ヘアローション、ヘアコンディショナーまたはヘアカラー、またはボディケア調製物、より好適にはスキントリートメント調製物、例えば、デオドラント、サンオイルまたは液体石鹸などであり得る。
【0080】
洗剤および/または洗浄組成物は、特に、とりわけ、織物前処理調製物、手洗い用洗剤、食器手洗い用洗剤、とりわけ、食器用前処理調製物、衛生調製物、殺菌調製物および/または消毒剤を含む、織物処理調製物であり得る。
【0081】
当業者に既知である、および/または硬質面洗浄剤、ヘアケア調製物および洗濯前処理調製物の実施態様に関して以下に例示されている成分は、上記意図された用途のために存在することができる。
【0082】
〔硬質面洗浄剤〕
本発明における硬質面としては、特に、典型的に家庭で見られる任意のプラスチック、ガラス、セラミックまたは金属表面、例えば、キッチン表面、調理器具、浴室表面、床タイル、ラミネート床および食卓用食器類である。
【0083】
多成分系が硬質面洗浄剤として使用される場合、多成分系の液体は、硬質面洗浄剤に関して当業者に既知である他の構成成分を含有することもできる。上記疎水的変性ポリマーおよび界面活性剤に加えて、これらの構成成分は、特に、ビルダー、酸、アルカリ、ヒドロトロープ剤、溶媒、増粘剤、研磨剤、酵素および他の助剤および添加剤、例えば、保存剤、染料、芳香剤(香料)、腐食防止剤またはスキンケア調製物であり得る。洗浄剤が噴霧によって塗布される場合、推進剤も存在し得る。多成分洗浄剤の種々の液体は、互いに独立して、以下に列挙される上記成分の一以上を、任意の組合せおよび濃度で含有することができる。
【0084】
適当なビルダーは、例えば、グルコン酸アルカリ金属、クエン酸アルカリ金属、ニトリロ三酢酸アルカリ金属、炭酸アルカリ金属および重炭酸アルカリ金属、より好適にはグルコン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムおよびニトリロ三酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウム、および水酸化アルカリ金属および水酸化アルカリ土類金属、より好適には水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム、アンモニアおよびアミン(より好適にはモノおよびトリエタノールアミン)、ならびにそれらの混合物である。他の適当なビルダーは、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸およびベンゼンヘキサカルボン酸の塩、ならびにホスホネートおよびホスフェイトである。洗浄剤は、組成物に基づいて、0.1〜5重量%の量でビルダーを含有することができる。
【0085】
一方では、酸および/またはアルカリは、pH調整剤として作用し、他方では、酸は、洗浄される表面からの石灰付着物の除去にも貢献することができる。本発明における使用に適当な酸は、無機鉱酸、例えば、塩酸、および/またはC1〜6モノ、ジ-またはポリカルボン酸またはヒドロカルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、クエン酸、グルコン酸、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸またはリンゴ酸など、および他の有機酸、例えば、サリチル酸またはアミドスルホン酸などであり得る。しかしながら、クエン酸が特に好適である。幾つかの酸の混合物も使用することができる。酸は、組成物全体に基づいて、6重量%までの量で本発明の洗浄剤中に存在し得る。
【0086】
必要に応じて使用される塩基としては、アルカノールアミン、例えば、モノまたはジエタノールアミン、およびアンモニウムまたは水酸化アルカリ金属、とりわけ水酸化ナトリウムが挙げられる。本発明の洗浄剤は、組成物全体に基づいて、2.5重量%までの量の塩基を含有することができる。
【0087】
本発明の洗浄剤の成分は、粘度調整のために、一以上の増粘剤をさらに含有することができる。適当な増粘剤は、天然および合成ポリマーおよび無機増粘剤である。適当なポリマーとしては、多糖類およびヘテロ多糖類および他の有機天然増粘剤が挙げられ、これには、多糖類ガム、例えば、アラビアゴム、寒天、アルギン酸塩、カラギーンおよびそれらの塩、グァー、グァーラン、トラガカント、ジェラン、ラムサン、デキストランまたはキサンタンおよびそれらの誘導体、例えば、プロポキシル化グァー、およびそれらの混合物、ならびに、ペクチン、ポリオース、ローカストビーンガム、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼインが含まれる。さらに、有機変性天然材料、例えば、カルボキシメチルセルロースおよびセルロースエーテル、ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルセルロースなど、またはセルロースアセテートおよびガムエーテルも使用することができる。適当な有機完全合成増粘剤は、ポリカルボキシレートホモポリマーおよびコポリマー、とりわけポリアクリル酸およびポリメタクリル酸化合物、およびビニルポリマー、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミンまたはポリアミドである。適当な無機増粘剤としては、ポリケイ酸、粘土鉱物、例えば、モンモリロナイト、ゼオライト、シリカおよび種々のナノ粒子無機化合物、例えば、長手方向、すなわち、粒子の最大粒径の方向に基づいて、1〜200nmの平均粒度を有する、ナノ粒子の金属酸化物、金属酸化物水和物、金属水酸化物、炭酸金属およびリン酸金属およびケイ酸金属が挙げられる。別の本発明の実施態様において、ナノ粒子材料は、必要に応じて、一以上の表面変性剤で処理されていてもよい。表面変性は、一塩基性または多塩基性C2〜8カルボン酸またはヒドロキシカルボン酸、式:
(OR)4-nSiR
〔R=官能基(例えば、ヒドロキシ、カルボキシ、エステル、アミン、エポキシなど)を有する有機残基〕
で示される官能性シラン、第四級アンモニウム化合物またはアミノ酸およびこの目的に関して既知の他の物質用いて、既知の方法で行う。
【0088】
これまで説明した増粘剤に加えて、本発明の洗浄剤は、電解質塩を含有することができる。また、電解質塩は、粘度を上昇させるのに貢献し得る。本発明における電解質塩は、本発明の水系洗浄剤中でそれらのイオン性構成成分に分解する塩である。好適な電解質塩は、無機酸(好適には、ハロゲン化水素酸、硝酸および硫酸からなる群からの無機酸)の塩(より好適にはアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属塩)、より好適には塩化物および硫酸塩である。本発明によれば、電解質塩は、その対応する酸/塩基対の形態、例えば、塩化ナトリウムではなく、塩酸および水酸化ナトリウムの形態で使用することもできる。
【0089】
上記または他の有機および/または無機増粘剤は、好適には、本発明の洗浄剤の成分中に少量でのみ存在する。好適な実施態様において、増粘剤は、全く添加されない。
【0090】
有利な一実施態様において、本発明の洗浄剤の成分は、一以上の水溶性有機溶媒を、典型的には、組成物全体に基づいて、6重量%までの量でさらに含有することができる。本発明によれば、溶媒は、要求に応じて、ヒドロトロープ剤、粘度調整剤および/または低温安定剤として使用することができる。溶媒は、特に、界面活性剤および電解質、ならびに香料および染料に対して、可溶化効果を有するので、それらの混和に貢献し、液晶相の形成を防止し、そして洗浄剤生成物の形成に加わる。本発明の洗浄剤の粘度は、溶媒量が増加するにつれて減少する。しかしながら、余りに多い溶媒は、粘度の過度の低減をもたらし得る。最後に、本発明の洗浄剤の冷却曇り点および透明点は、溶媒量の増加につれて低下する
【0091】
本発明の洗浄剤の成分は、有利には、一以上の酵素、とりわけプロテアーゼ、ポリサッカラーゼおよびヌクレアーゼからなる群から選択される酵素を含有し得る。ポリサッカラーゼは、特に、β-グルカナーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、アミラーゼ、デキストラナーゼ、グルコシダーゼ、ガラクトシダーゼ、ペクチナーゼ、キチナーゼ、リゾチームおよび/またはアルギン酸リアーゼであり得る。プロテアーゼは、特に、スブチリシン、サーモリシン、ペプシン、カルボキシペプチダーゼおよび/または酸性プロテアーゼであり得る。ヌクレアーゼは、任意のDNA分解酵素またはRNA分解酵素であり得る。
さらに、本発明の洗浄剤は、必要に応じて殺生物剤を含有し得る。
【0092】
適当な溶媒は、例えば、少なくとも1つのヒドロキシ基および必要に応じて一以上のエーテル官能基C-O-C、すなわち、炭素原子鎖に割り込む酸素原子を有する、飽和または不飽和、好適には飽和、分枝状または非分枝状C1〜20炭化水素、好適にはC2〜15炭化水素である。しかしながら、好適な溶媒は、一分子当たり平均して1〜9個の同一または異なる(好適には同一の)アルキレングリコール基を有する(必要に応じて一末端がC1〜6アルカノールでエーテル化された)C2〜6アルキレングリコールおよびポリ-C2〜3-アルキレングリコールエーテル、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジメトキシグリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルおよびPEGである。他の好適な溶媒は、C1〜6アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノールなどである。エタノールおよび/またはイソプロパノールが特に好適である。
【0093】
上記溶媒に加えて、他の適当な可溶化剤は、例えば、アルキル基中に1〜3個の炭素原子を含有するアルカノールアミンおよびアルキルベンゼンスルホネート、例えば、キシレンまたはキュメンスルホネートである。他の適当なヒドロトロープ剤は、例えば、オクチルスルフェートまたはブチルグリコシドである。本発明の洗浄剤は、組成物全体に基づいて、4重量%までの量でこれらのヒドロトロープ剤を含有することができる。
【0094】
一実施態様において、本発明の洗浄剤は、研磨剤を含有することができる。研磨剤成分は、固体、水溶性および水不溶性、好適には無機化合物およびそれらの混合物から選択することができる。このような化合物としては、例えば、炭酸アルカリ金属、重炭酸アルカリ金属および硫酸アルカリ金属、ホウ酸アルカリ金属、リン酸アルカリ金属、二酸化ケイ素、結晶性またはアモルファスケイ酸アルカリ金属および層状ケイ酸塩、最後に結晶性ケイ酸ナトリウムアルミニウムおよび炭酸カルシウムが挙げられる。水溶性研磨剤成分の利点は、洗浄剤がほとんど残渣を残さずにすすぎ落とされ得ることである。これらの無機研磨剤に加えて、天然に生じる研磨剤、例えば、すり砕かれたクルミの殻または木材、および耐摩耗性プラスチック、例えば、ポリエチレンビーズ、またはセラミックまたはガラスビーズでさえも使用することができる。本発明の洗浄剤は、組成物全体に基づいて、2重量%までの量で研磨剤を含有することができる。
【0095】
上記成分に加えて、本発明の洗浄剤は、典型的に、とりわけ、硬質面洗浄剤において用いられるタイプの他の助剤および添加剤を一以上含有することができる。このような助剤および添加剤としては、特に、UV安定剤、腐食防止剤、洗浄向上剤、帯電防止剤、保存剤(例えば、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオールまたはイソチアゾリノン/ブロモニトロプロパンジオール調製物)、香料、染料、真珠光沢剤(例えば、グリコールジステアレート)および乳白剤、あるいは、例えば、欧州特許公開EP 522 506中に記載されるようなスキンケア剤さえも挙げられる。洗浄剤中のこのような添加剤の量は、通常、12重量%を超えない。使用量の下限は、添加剤の性質に依存し、染料の場合、例えば、0.001重量%以下と同程度に低くすることができる。助剤の量は、好適には0.01重量%と7重量%の間、より好適には0.1重量%と4重量%の間である。
【0096】
適当な染料は、家庭用洗浄剤に典型的に使用される任意の染料である。また、香料も任意の通例のタイプから選択することができる。フルーティノート(例えば、シトラス、パインおよびミント)およびフラワリーノートが好適である。
【0097】
本発明の洗浄剤は、錯化剤または漂白剤(例えば、次亜塩素酸ナトリウムなど)を含有する必要はない(それらは、必要に応じて低濃度で存在していてもよいけれども)。
【0098】
洗浄剤は、一以上の推進剤(INCI推進剤)を、典型的には1〜80重量%の量で、より好適には1.5〜30重量%の量で、好適には2〜10重量%の量で、より好適には2.5〜8重量%の量で、最も好適には3〜6重量%の量で含有することができる。
【0099】
本発明によれば、推進剤は、典型的には推進ガス、より好適には液化ガスまたは圧縮ガスである。選択は、噴霧される生成物および適用分野によって支配される。通常、液体洗浄剤に不溶性である圧縮ガス(例えば、窒素、二酸化炭素または酸化二窒素)を使用する場合、バルブを作動させるたびに運転圧は低下する。洗浄剤に可溶性であるか、またはそれら自身溶媒として作用する液化ガス(液体ガス)は、推進剤として、一定の運転圧および均一の分布の利点を与える。なぜなら、推進剤は、空気中に蒸発し、工程中、数百倍の体積を占めるためである。
【0100】
したがって、以下の推進剤(INCI名)が適当である:ブタン、二酸化炭素、炭酸ジメチル、ジメチルエーテル、エタン、ヒドロクロロフルオロ炭素22、ヒドロクロロフルオロ炭素142b、ヒドロフルオロ炭素152a、ヒドロフルオロ炭素134a、ヒドロフルオロ炭素227ea、イソブタン、イソペンタン、窒素、亜酸化窒素、ペンタン、プロパン。
【0101】
しかしながら、好適な実施態様において、推進剤としてのクロロフルオロ炭素(フルオロクロロ炭化水素、FCHC)は、仮に使用する場合でも、強い紫外線から我々を保護する大気圏のオゾンシールド(いわゆるオゾン層)へのそれらの有害性のため、最小量でのみ使用される。
【0102】
好適な推進剤は、液体ガスである。液体ガスは、通常、低圧/20℃にてガス状態から液体状態に変換することができるガスである。しかしながら、より好適には、液体ガスは、石油の蒸留およびクラッキングおよび天然ガスの製造におけるベンジンの分離の間の副産物として精油中に蓄積する、炭化水素、プロパン、プロペン、ブタン、ブテン、イソブタン(2-メチルプロパン)、イソブテン(2-メチルプロパン、イソブチレン)およびそれらの混合物であると理解される。
【0103】
特に好適な実施態様において、洗浄剤は、一以上の推進剤として、プロパン、ブタンおよび/またはイソブタン、より好適にはプロパンおよびブタン、および最も好適にはプロパン、ブタンおよびイソブタンを含有する。
【0104】
また、本発明は、必要に応じて、本発明の産物(多区画系)を使用する、家庭における硬質面の洗浄方法に関する。ここで、低粘度溶液は、洗浄される表面に塗布され、次いで、必要に応じて合理的な接触時間の後、きれいな水ですすぎ落とされる。また、高粘度液体は、すすぎ落とす前に、布、スポンジ、ブラシまたは他の洗浄に適当な家庭用品を用いて、表面上に擦り付けるか、擦り込むこともできる。このことは、例えば、研磨剤が洗浄剤中に存在する場合、洗浄性能を改善する。最後に、表面は、必要に応じて乾いた布を用いて乾燥させる。表面が非常に汚れている場合、洗浄方法は、繰り返すことができる。
【0105】
〔ヘアケア調製物〕
ボディケア調製物、より好適にはヘアケア調製物として使用するため、穏和な界面活性剤、油成分、乳化剤、過脂化剤、真珠光沢ワックス、コンシステンシー調整剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、安定剤、生体由来物質、ふけ防止剤、皮膜形成剤、膨潤剤、抗酸化剤、ヒドロトロープ剤、防腐剤、可溶化剤、香油および染料から特に選択される他の構成成分が存在することができる。
【0106】
適当な穏和な、すなわち、特に皮膚科学的に適合可能な、界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノおよび/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタマート、α-オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、アルキルオリゴグリコシド、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタインおよび/またはタンパク質脂肪酸濃縮物(好適には小麦タンパク質に基づくもの)である。
【0107】
適当な油成分は、例えば、6〜18個、好適には8〜10個の炭素原子を含む脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6〜22脂肪酸と直鎖C6〜22脂肪アルコールとのエステル、分岐鎖C6〜13カルボン酸と直鎖C6〜22脂肪アルコールとのエステル、例えば、ミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネートおよびエルシルエルケートなどである。また適するのは、直鎖C6〜22脂肪酸と分岐鎖アルコール(より好適には2-エチルヘキサノール)とのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖または分岐鎖C6〜22脂肪アルコールとのエステル(より好適にはジオクチルマレエート)、直鎖および/または分岐鎖脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオールまたはトリマートリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6〜10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6〜18脂肪酸に基づく液体のモノ、ジおよびトリグリセリド混合物、C6〜22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(より好適には安息香酸)とのエステル、C2〜12ジカルボン酸と1〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖アルコールまたは2〜10個の炭素原子および2〜6個のヒドロキシル基を含むポリオールとのエステル、植物油、分岐鎖の第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分岐鎖のC6〜22脂肪アルコールカーボネート、ゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分岐鎖C6〜22アルコールとのエステル(例えば、Finsolv(登録商標) TN)、アルキル基当たり6〜22個の炭素原子を含む直鎖または分岐鎖の対称または非対称のジアルキルエーテル、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油および/または脂肪族またはナフテン系炭化水素(例えば、スクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン)である。
【0108】
適当な乳化剤は、例えば、以下の群の少なくとも1つからの非イオン性界面活性剤である:
(1)直鎖C8〜22脂肪アルコールへの、C12〜22脂肪酸への、アルキル基に8〜15個の炭素原子を含むアルキルフェノールへの、および、アルキル基に8〜22個の炭素原子を含むアルキルアミンへの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モルの付加生成物;
(2)グリセロールへのエチレンオキシド1〜30モルの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステル;
(3)6〜22個の炭素原子を含有する飽和および不飽和脂肪酸およびそのエチレンオキシド付加生成物のグリセロールモノエステルおよびジエステルおよびソルビタンモノエステルおよびジエステル;
(4)アルキル基中に8〜22個の炭素原子を含有するアルキルおよび/またはアルケニルモノおよびオリゴグリコシドおよびそのエトキシル化類似体;
(5)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド15〜60モルの付加生成物;
(6)ポリオールエステルおよび、特に、ポリグリセロールエステル;
(7)ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油へのエチレンオキシド2〜15モルの付加生成物;
(8)直鎖、分岐鎖、不飽和または飽和のC6/22脂肪酸、リシノール酸および12-ヒドロキシステアリン酸と、グリセロール、ポリグリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、アルキルグルコシド(例えば、メチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えば、セルロース)に基づく部分エステル;
(9)モノ、ジおよびトリアルキルホスフェートならびにモノ、ジおよび/またはトリ-PEG-アルキルホスフェートおよびその塩;
(10)羊毛ワックスアルコール;
(11)ポリシロキサン/ポリアルキルポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
(12)独国出願公開DE 11 65 574 PSによるペンタエリトリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステルおよび/または6〜22個の炭素原子を含む脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好適には、グリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル;
(13)ポリアルキレングリコール;および
(14)グリセロールカーボネート。
【0109】
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、脂肪酸のグリセロールモノエステルおよびジエステルならびにソルビタンモノエステルおよびジエステルへの、またはヒマシ油への、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドの付加生成物は、既知の市販生成物である。これらは同族体混合物であり、その平均のアルコキシル化度は、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドと、付加反応を行う基質との間の量比に対応する。グリセロールへのエチレンオキシドの付加生成物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、化粧品のための脂質層増強剤として知られている(独国出願公開DE 20 24 051 PS)。
【0110】
アルキルおよび/またはアルケニルモノおよびオリゴグリコシド、それらの製造およびそれらの使用は、先行技術から既知である。それらは、特に、グルコースまたはオリゴ糖と、8〜18個の炭素原子を含有する第一級アルコールとを反応させることによって製造される。グリコシド単位に関する限り、環式糖単位がグリコシド結合によって脂肪アルコールに結合しているモノグリコシドおよび好適には約8までのオリゴマー化度を有するグリコシドオリゴマーの両方が適当である。オリゴマー化度は、このような工業的生成物に典型的な同族体分布に基づく統計学的平均値である。
【0111】
適当なポリグリセロールエステルの典型例は、ポリグリセリル-2 ジポリヒドロキシステアレート(Dehymuls(登録商標) PGPH)、ポリグリセリン-3 ジイソステアレート(Lameform(登録商標) TGI)、ポリグリセリル-4 イソステアレート(Isolan(登録商標) GI 34)、ポリグリセリル-3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル-3 ジイソステアレート(Isolan(登録商標) PDI)、ポリグリセリル-3 メチルグルコースジステアレート(Tego Care(登録商標) 450)、ポリグリセリル-3 蜜蝋(Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル-4 カプレート(Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル-3 セチルエーテル(Chimexane(登録商標) NL)、ポリグリセリル-3 ジステアレート(Cremophor(登録商標) GS 32)、ポリグリセリル ポリリシノレエート(Admul(登録商標) WOL 1403)、ポリグリセリル ジメレート イソステアレートおよびこれらの混合物である。
【0112】
他の適当な乳化剤は、双性イオン性界面活性剤である。双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1つの第四級アンモニウム基および少なくとも1つのカルボキシレート基および1つのスルホネート基を含む界面活性化合物である。特に適する双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタインであり、例えば、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート、および2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン(アルキル基またはアシル基に8〜18個の炭素原子を含む)、およびヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。コカミドプロピルベタイン(Cocamidopropyl Betaine)のCTFA名称のもとで既知である脂肪酸アミド誘導体が特に好ましい。
両性界面活性剤も適当な乳化剤である。両性界面活性剤は、分子中にC8/18アルキル基またはアシル基に加えて、少なくとも1つの遊離アミノ基および少なくとも1つの-COOH基または-SOH基を含有し、内部塩を形成することができる界面活性化合物である。適当な両性界面活性剤の例は、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸(アルキル基に約8〜18個の炭素原子を含む)である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネートおよびC12/18アシルサルコシンである。
両性乳化剤に加えて、第四級乳化剤も適当な乳化剤であり、エステルクォート型の乳化剤、好適にはメチルで第四級化したジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩が特に好ましい。
【0113】
過脂化剤は、例えば、ラノリンおよびレシチン、さらにポリエトキシル化またはアシル化したラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリドおよび脂肪酸アルカノールアミドなどの物質から選択することができる。脂肪酸アルカノールアミドは、発泡安定剤としても働く。
【0114】
適当な真珠光沢ワックスは、例えば、アルキレングリコールエステル、特にエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、特にヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、特にステアリン酸モノグリセリド;多塩基性の所望によりヒドロキシ置換されたカルボン酸と、6〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールとのエステル、特に酒石酸の長鎖エステル;合計して少なくとも24個の炭素原子を含む脂肪化合物、例えば、脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート、特にラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えば、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸;12〜22個の炭素原子を含むオレフィンエポキシドの、12〜22個の炭素原子を含む脂肪アルコールおよび/または2〜15個の炭素原子および2〜10個のヒドロキシル基を含むポリオールによる開環生成物;およびこれらの混合物である。
【0115】
主に使用されるコンシステンシー調整剤は、12〜22個、好適には16〜18個の炭素原子を含む脂肪アルコールまたはヒドロキシ脂肪アルコール、さらに部分グリセリド、脂肪酸またはヒドロキシ脂肪酸である。これらの物質と、アルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N-メチルグルカミド(同じ鎖長)および/またはポリグリセロール ポリ-12-ヒドロキシステアレートとの組合せを使用するのが好ましい。
【0116】
適当な増粘剤は、例えば、Aerosil(登録商標)型(親水性シリカ)、多糖、より好適にはキサンタンゴム、グアール、寒天、アルギネートおよびチロース(tylose)、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらに比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノエステルおよびジエステル、ポリアクリレート[例えば、Carbopol(登録商標)(Goodrich)またはSynthalen(登録商標)(Sigma)]、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤(例えば、エトキシル化脂肪酸グリセリド)、脂肪酸とポリオール(例えば、ペンタエリトリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、狭範囲の脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、ならびに、電解質(例えば、塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウム)である。
【0117】
適当な陽イオン性ポリマーは、例えば、陽イオン性セルロース誘導体、例えば、第四級化したヒドロキシエチルセルロース(AmercholからPolymer JR 400(登録商標)の名称で入手できる)、陽イオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩とアクリルアミドのコポリマー、第四級化したビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えば、Luviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールとアミンの縮合生成物、第四級化したコラーゲンポリペプチド、例えば、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン(Lamequat(登録商標) L、Gruenau)、第四級化したコムギポリペプチド、ポリエチレンイミン、陽イオン性シリコーンポリマー、例えば、アミドメチコーン、アジピン酸とジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー(Cartaretine(登録商標)、Sandoz)、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドのコポリマー(Merquat(登録商標) 550、Chemviron)、ポリアミノポリアミド(例えば、仏国特許公開FR 2252840 Aに記載される)およびその架橋した水溶性ポリマー、陽イオン性キチン誘導体、例えば、第四級化したキトサン(所望により、微結晶分散している)、ジハロアルキル(例えば、ジブロモブタン)とビス-ジアルキルアミン(例えば、ビス-ジメチルアミノ-1,3-プロパン)との縮合生成物、陽イオン性グアールゴム(例えば、CelaneseからのJaguar(登録商標) CBS、Jaguar(登録商標) C-17、Jaguar(登録商標) C-16)、第四級化したアンモニウム塩ポリマー(例えば、MiranolからのMirapol(登録商標) A-15、Mirapol(登録商標) AD-1、Mirapol(登録商標) AZ-1)である。
【0118】
適当な陰イオン性、双性イオン性、両性および非イオン性ポリマーは、例えば、酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋のポリアクリル酸およびポリオール架橋したポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート/ビニルカプロラクタムターポリマーおよび所望により誘導体化したセルロースエーテルおよびシリコーンである。
【0119】
適当なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環式シリコーン、ならびに、アミノ-、脂肪酸-、アルコール-、ポリエーテル-、エポキシ-、フッ素-、グリコシド-および/またはアルキル-修飾したシリコーン化合物である(これらは、室温で液体および樹脂様の両方であることができる)。他の適当なシリコーン化合物は、200〜300のジメチルシロキサン単位の平均鎖長を有するジメチコーンおよび水素化シリケートの混合物であるシメチコーンである。適当な揮発性シリコーンの詳細な概説は、ToddらのCosm. Toil. 91, 27(1976)中に見出すことができる。
【0120】
「脂肪」の典型例は、グリセリドである。
適当な「ワックス」は、特に天然ワックス、例えば、カンデリラワックス、カルナバワックス、木蝋、アフリカハネガヤワックス、コルクワックス、グアルマ(guaruma)ワックス、コメ胚油ワックス、サトウキビワックス、オウリキュリー(ouricury)ワックス、モンタンワックス、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン(羊毛ワックス)、尾羽脂、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ペトロラタム、パラフィンワックス、微結晶ワックス;化学修飾したワックス(硬ワックス)、例えば、モンタンエステルワックス、サゾール(sasol)ワックス、水素化ジョジョバワックス、ならびに、合成ワックス、例えば、ポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスである。
【0121】
安定剤として、脂肪酸の金属塩、例えば、ステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム、アルミニウムおよび/または亜鉛塩を使用することができる。
【0122】
本発明において、生体由来物質とは、例えば、トコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、ピタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、偽セラミド、精油、植物抽出物ならびにビタミン複合体である。
【0123】
微生物の付着を抑制するために使用されるパチョリ油、パチョリアルコールおよび/またはその誘導体に加えて必要に応じて本発明の化粧品に添加され得る適当な微生物抑制剤は、基本的に、グラム陽性細菌に対して作用するあらゆる物質であり、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸およびその塩およびエステル、N-(4-クロロフェニル)-N'-(3,4-ジクロロフェニル)尿素、2,4,4'-トリクロロ-2'-ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、2,2'-メチレン-ビス-(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、3-メチル-4-(1-メチルエチル)フェノール、2-ベンジル-4-クロロフェノール、3-(4-クロロフェノキシ)プロパン-1,2-ジオール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、クロロヘキシジン、3,4,4'-トリクロロカルバニリド(TTC)、抗細菌芳香物質、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸-N-アルキルアミド(例えば、サリチル酸n-オクチルアミドまたはサリチル酸n-デシルアミド)などである。
【0124】
酵素阻害剤は、本発明の化粧品に添加することができる。例えば、エステラーゼ阻害剤は、適当な酵素阻害剤であり得る。エステラーゼ阻害剤は、好適にはクエン酸トリアルキル、例えば、クエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、および特に、クエン酸トリエチル(Hydagen(登録商標) CAT、Henkel KGaA、デュセルドルフ、独国)である。エステラーゼ阻害剤は、酵素活性を阻害し、こうして臭気の生成を減少させる。他のエステラーゼ阻害剤は、ステロールスルフェートまたはホスフェート(例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびシトステロールスルフェートまたはホスフェートなど)、ジカルボン酸およびそのエステル(例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステルなど)、ヒドロキシカルボン酸およびそのエステル(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルエステルなど)、ならびに亜鉛グリシネートである。
【0125】
Climbazole、Octopiroxおよび亜鉛ピリチオンは、ふけ防止剤として使用することができる。本発明の調製物は、好適には、ふけを制御するために、これらのふけ防止剤の少なくとも1つと組み合わせて使用することができる。
【0126】
通常の皮膜形成剤は、例えば、キトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系列のポリマー、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩および同様の化合物である。
【0127】
水相のための適当な膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土無機物質、ペムレン(Pemulen)およびアルキル修飾したカルボポール(Carbopol)型(Goodrich)である。他の適当なポリマーおよび膨潤剤は、R. Lochheadの概説[Cosm. Toil., 108, 95 (1993)]中に見ることができる。
【0128】
さらに、流れ挙動を改善するために、ヒドロトロープ剤、例えば、エタノール、イソプロピルアルコールまたはポリオールを使用することができる。適当なポリオールは、好適には2〜15個の炭素原子および少なくとも2個のヒドロキシル基を含有する。これらポリオールは、他の官能基、特にアミノ基を含有することができ、また、窒素で変性することもできる。その典型例は、以下の通りである:
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および、ポリエチレングリコール(100〜1000ダルトンの平均分子量を有する);
・1.5〜10の自己縮合度を有する工業用オリゴグリセロール混合物、例えば、40〜50重量%のジグリセロール含量を有する工業用ジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えば、特にトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリトリトールおよびジペンタエリトリトール;
・低級アルキルグルコシド、特にアルキル基に1〜8個の炭素原子を含むもの、例えば、メチルおよびブチルグルコシド;
・5〜12個の炭素原子を含む糖アルコール、例えば、ソルビトールまたはマンニトール;
・5〜12個の炭素原子を含む糖、例えば、グルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えば、グルカミン;
・ジアルコールアミン、例えば、ジエタノールアミンまたは2-アミノプロパン-1,3-ジオール。
【0129】
適当な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸およびKosmetikverordnung(化粧品指針)の付属書6のパートAおよびBに挙げられている他の群の化合物である。
適当な防虫剤は、N,N-ジエチル-m-トルアミド、ペンタン-1,2-ジオールまたはブチルアセチルアミノプロピオン酸エチルである。
適当な日焼け剤は、ジヒドロキシアセトンである。
【0130】
適当な香油は、天然および合成の芳香物質の混合物である。天然の芳香物質には、花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イランイラン)、茎および葉(ゼラニウム、プチグレイン)、果実(アニス、コエンドロ、ヒメウイキョウ、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ニクズク、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アイリス、カルムス)、木(マツ、ビャクダン、ユソウボク、シーダー材、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針状葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、低マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナックス)の抽出物が含まれる。また、動物原料、例えば、ジャコウおよびビーバーを使用することもできる。通常の合成芳香化合物は、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。
【0131】
適当な染料は、例えば、刊行物Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaftの「Kosmetische Faerbemittel」、Verlag Chemie、ワインハイム、1984年、81〜106頁に列挙されるような、化粧品目的に適当であって、認可された任意の物質である。これらの染料は、通常、混合物全体に基づいて、0.001〜0.1重量%の濃度で使用される。
【0132】
助剤および添加剤の合計含有率は、特定の処方物に基づいて、1〜50重量%であり得、好適には5〜40重量%である。調製物は、標準のホットまたはコールド法によって製造することができ、好適には位相反転温度法によって製造される。
【0133】
〔洗濯前処理調製物〕
洗濯前処理調製物としての使用のために、他の成分は、当業者に既知であり、疎水的変性ポリマーおよび上記界面活性剤に加えて、洗濯前処理調製物中に存在することができる。これらの他の成分は、例えば、疎水性成分、ビルダー、酵素、香料/芳香剤、染料または乳化助剤またはそれらの組合せであり得る。
【0134】
適当な疎水性成分は、鉱物、動物、植物および合成起源の任意の既知の油、脂肪およびワックスである。油および脂肪成分、とりわけ、10〜32個の炭素原子を含有する液体炭化水素、合計12〜26個の炭素原子を含有する脂肪酸エステル、およびそれらの混合物が好適である。適当な炭化水素は、とりわけ、パラフィンおよびイソパラフィン、例えば、イソヘキサデカンまたはn-ドデカン、および他の、例えば、トリイソブテン、ペンタプロピレンまたは1,3-ジ-(2-エチルヘキシル)-シクロヘキサンである。適当な脂肪酸エステルは、例えば、メチルオレエート、メチルパルミテート、エチルオレエート、イソプロピルミリステート、n-ヘキシルラウレート、n-ブチルステアレート、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノステアレートおよびセチル/ステアリルイソノナエートのような物質である。好適な実施態様において、イソパラフィン混合物は、疎水性成分として使用される。適当なイソパラフィン混合物は、例えば、Cobersol(登録商標)VPIまたはCobersol(登録商標)B 105(CBR)またはC12〜14イソパラフィン混合物Isopar(登録商標)M(Exxon Mobil)の名称のもと市販されているC16〜20イソパラフィンである。疎水性成分として使用され得る他の物質は、合計12〜24個の炭素原子を含有するジアルキルエーテルである。好適なジアルキルエーテルは、とりわけ、アルキル基当たり6〜10個の炭素原子を含有する脂肪族ジアルキルエーテルである。さらに、任意の他の既知の油成分、例えば、ワセリン、植物油、合成トリグリセリド(例えば、グリセリルトリカプリレートなど)、ならびに脂肪およびワックスおよびシリコーン油は、本発明のマイクロエマルジョン中に存在することができる。本発明の好適な実施態様において、疎水性成分(好適にはパラフィン)は、マイクロエマルジョン全体に基づいて、5〜70重量%の量、より好適には8〜52重量%の量で使用される。
【0135】
パラフィン油に加えて、グリセロールモノエステルが、マイクロエマルジョン全体に基づいて、0〜15重量%の量、好適には1〜10重量%の量で使用される場合、本発明のマイクロエマルジョンの濃厚化が起こり得る。このことは、かくして確立されたより高い粘度のために、マイクロエマルジョンの意図された使用において利点となる。かくして濃厚化されたマイクロエマルジョンは、剪断速度30s-1および温度20℃にて1,000〜10,000mPasの粘度を有し得る。また、洗剤および洗浄剤に典型的に使用される任意の他の増粘剤は、例えば、有機天然増粘剤(寒天、カラギーン、トラガカント、アラビアゴム、アルギン酸塩、ペクチン、ポリオース、グァーフラワー、ローカストビーンガム、デンプン、デキストリン、ゼラチン、カゼイン)、有機変性天然物質(カルボキシメチルセルロースおよび他のセルロースエーテル、ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルセルロースなど、ガムエーテル)、有機完全合成増粘剤(ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸化合物、ビニルポリマー、ポリカルボン酸、ポリエーテル、ポリイミン、ポリアミド)および無機増粘剤(ポリケイ酸、粘土鉱物、例えば、モンモリロナイト、ゼオライト、シリカ)は、本発明のマイクロエマルジョンに使用することができる。しかしながら、好適な増粘剤は、脂肪酸のグリセロールモノエステル、より好適には市販のグリセロールモノオレエート、例えば、Monomuls(登録商標)90-O18のもとCognisから市販されるもの、グリセロールモノステアレート、例えば、Cognisから市販のCutina(登録商標) GMS、およびそれらの混合物である。
【0136】
適当なビルダーは、例えば、クエン酸、クエン酸アルカリ金属、グルコン酸アルカリ金属、ニトリロ三酢酸アルカリ金属、炭酸アルカリ金属および重炭酸アルカリ金属、より好適にはクエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウムおよびニトリロ三酢酸ナトリウム、および、炭酸ナトリウムおよび炭酸カリウムおよび重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウム、ならびにそれらの混合物である。他の適当なビルダーは、グルタル酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸およびベンゼンヘキサカルボン酸の塩、ならびにホスホネートおよびホスフェイト、例えば、六メタリン酸ナトリウムである。プレスポッティング調製物は、組成物に基づいて、0〜30重量%の量でビルダーを含有することができる。
【0137】
適当な漂白剤は、洗剤および洗浄剤に典型的に使用される任意の漂白剤である。しかしながら、過酸化水素またはフタルイミドペルオキシカプロン酸が、好適には漂白剤として使用される。洗濯前処理調製物は、0〜30重量%の量の漂白剤を含有することができる。
【0138】
本発明の特定の一実施態様において、マイクロエマルジョンは、必要に応じて安定化された、一以上の酵素を含有する。
【0139】
本発明のプレスポッティング調製物は、一以上の異なるデンプン分解酵素、より好適にはα-アミラーゼを含有することができる。市販のアミラーゼの例は、BAN(登録商標)、Termamyl(登録商標)、Purastar(登録商標)、アミラーゼ-LT(登録商標)、Maxamyl(登録商標)、Duramyl(登録商標)および/またはPurafect(登録商標)Ox-Amである。
【0140】
特に化学的な種々の汚れに対して、幾つかの異なる洗濯-および/または洗浄-活性酵素を使用することが有利であり得る。これらとしては、例えば、プロテアーゼならびにリパーゼ、クチナーゼ、エステラーゼ、プルラナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼおよび/またはキシラナーゼおよびそれらの混合物が挙げられる。プロテアーゼ、リパーゼ、β-グルカナーゼおよび/またはセルラーゼは、特に好適である。他の酵素は、それらの特異的酵素活性によって、対応する調製物の洗浄性能を拡張する。これらとしては、例えば、酵素的漂白系の成分としてのオキシドレダクターゼまたはペルオキシダーゼ、例えば、ラッカーゼ(国際公開WO 00/39306)、β-グルカナーゼ(国際公開WO 99/06515および国際公開WO 99/06516)または特に特別の目的の調製物に使用されるペクチン溶解性酵素(国際公開WO 00/42145)が挙げられる。
【0141】
本発明の洗濯前処理調製物に使用するための市販の酵素の例は、プロテアーゼ、例えば、スブチリシンBPN’、Properase(登録商標)、バシラス・レントゥス(Bacillus lentus)由来のアルカリプロテアーゼ、Optimase(登録商標)、Opticlean(登録商標)、Maxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Alcalase(登録商標)、Esperase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Everlase(登録商標)および/またはPurafect(登録商標)GまたはPurafect(登録商標)OxP、およびリパーゼ、例えば、Lipolase(登録商標)、Lipomax(登録商標)、Lumafast(登録商標)および/またはLipozym(登録商標)である。このような調製物におけるプロテアーゼ活性は、Tenside, Vol. 7(1970年)、125〜132頁に記載される方法によって決定することができる。したがって、それは、PU(プロテアーゼ単位)で表すことができる。好適な調製物のプロテアーゼ活性は、1,500,000プロテアーゼ単位/調製物(g)(Tenside, Vol. 7(1970年)、125〜132頁に記載の方法によって決定されるPU)までであり得る。
【0142】
必要に応じてさらに使用されるこれらの酵素は、例えば、欧州特許EP 0 564 476または国際特許出願WO 94/23005に記載されるように、早過ぎる失活に対してそれらを保護するために、担体上に吸着され得るか、および/または膜材料中に封入され得る。それらは、洗濯用洗剤中に、好適には10重量%までの量、より好適には0.2重量%〜2重量%の量で存在する。特に好適な実施態様は、例えば、国際特許出願WO 94/18314から既知のように、酸化分解に対して安定化された酵素を使用することを特徴とする。
プレスポッティング調製物は、0〜3重量%の量で酵素を含有することができる。
【0143】
本発明の調製物に使用することができる乳化助剤は、例えば、示した濃度範囲において水に混和可能であることを条件として、一価または多価アルコール、アルカノールアミンまたはグリコールエーテルの群から生じる。溶媒は、好適には、1〜8個の炭素原子を含有する水溶性一価または多価アルコール、例えば、メタノール、エタノール、n-またはi-プロパノール、ブタノール、n-ヘキサノール、n-オクタノール、グリコール、プロパンまたはブタンジオール、グリセロール、ジグリコール、プロピルまたはブチルジグリコール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチル、エチルまたはプロピルエーテル、ブトキシプロポキシブタノール(BPP)、ジプロピレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、ジイソプロピレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、メトキシ、エトキシまたはブトキシトリグリコール、1-ブトキシエトキシ-2-プロパノール、3-メチル-3-メトキシブタノール、プロピレングリコール-t-ブチルエーテルおよびこれらの溶媒の混合物から選択される。一価アルコールが好適には使用され、より好適には0〜30重量%(好適には0〜14.5重量%)の量のエタノールおよび/または0〜10重量%(好適には0〜5重量%)の量のn-ヘキサノール/n-オクタノールが使用される。
【0144】
原理上適当な他の有機溶媒は、ドライクリーニング機関から典型的に既知の標準ハロゲン化溶媒である。これらの溶媒としては、とりわけ、メタンの二〜四塩素化誘導体、エタンの二〜五塩素化誘導体、シクロヘキサンおよびモノクロロベンゼンの一〜三塩素化誘導体が挙げられる。その具体例は、四塩素化炭素、塩化メチレン、1,1-ジクロロエタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエテン、1,1,2,2-テトラクロロエタン、テトラクロロエテン、ペンタクロロエタン、モノクロロシクロヘキサン、1,4-ジクロロシクロヘキサン、モノクロロベンゼンおよび上記のものの混合物である。しかしながら、これらの塩素化炭化水素は、家庭における使用に好適ではない。
【0145】
プレスポッティング調製物は、染料をさらに含有することができる。洗濯用洗剤および洗浄剤に典型的に使用される任意の染料が適当である。染料は、特に0〜0.5重量%の量で使用することができる。
【0146】
本発明の調製物は、香料または芳香剤をさらに含有することができる。このような洗濯用洗剤および洗浄剤に典型的に使用される任意の物質を使用することができ、好適には、0〜70重量%の量、より好適には0〜16重量%の量の香油を使用することができる。
【0147】
第2の実施態様において、本発明は、織物を前処理するための、織物前処理調製物の使用に関する。
プレスポッティング調製物は、種々の織物上の汚れの、目的とする前処理に特に適当である。したがって、衣類品および不織布繊維製品、フェルト、天然および人造繊維(例えば、綿、羊毛、絹、リンネル)、人造絹糸(例えば、ビスコース)、ポリアミド、ポリアクリル酸、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、エラスタンおよび任意の他の典型的に使用される繊維およびそのブレンドの織物または編物は、汚れた領域に渡って本発明のプレスポッティング調製物と接触することができる。
【0148】
また、本発明は、本発明のプレスポッティング調製物を使用する、繊維製品上の汚れを除去するための方法に関する。
【0149】
プレスポッティング調製物は、好適には上記塗布具の一つを使用して、それを汚れに塗布し、好適には5〜15分間放置することによって使用される。特に好適な実施態様において、プレスポッティング調製物は、汚れ上に擦り付けられる。次いで、きれいな水ですすぐか、繊維製品をその後洗濯する。
【実施例】
【0150】
フロー試験における粘度の値は、以下で示される:
η0.1s-1=0.1s-1の剪断速度での粘度(Pas)
η1s-1=1s-1の剪断速度での粘度(Pas)
η100s-1=100s-1の剪断速度での粘度(Pas)
【0151】
界面活性剤Texapon K12、Texapon NSOおよびDehydol LS6に関して以下に挙げる重量%の値は、使用される界面活性剤の含量に関するものであり、全体として使用される製品の重量ではない。Texapon K12は96重量%、Texapon NSOは27重量%およびDehydol LS6は98.2重量%の界面活性剤を含有する。
【0152】
〔実施例1〕
(成分1)
2重量%疎水的変性ポリアクリレート(ポリアクリル酸の分子量:150kDa、C18による変性度:3%)
残りは脱イオン水
pH9〜10
(成分2)
2重量%疎水的変性ポリアクリレート(成分1と同じ)
2重量%SDS(Texapon K12 96%、Cognis、独国)
残りは脱イオン水
pH9〜10
成分1および2を、9:1の比で混合した。得られたpH値は、9〜10であった。
【0153】
【表1】

【0154】
〔実施例2〕
(成分1)
0.5重量%疎水的変性ポリアクリレート(ポリアクリル酸の分子量:450kDa、C18による変性度3%)
残りは脱イオン水
pH約9
(成分2)
0.5重量%疎水的変性ポリアクリレート(成分1と同じ)
1重量%SDS(Texapon K12 96%、Cognis、独国)
残りは脱イオン水
pH約9
成分1および2を、4:1の比で混合した。得られたpH値は、約9であった。
【0155】
【表2】

【0156】
〔実施例3〕
(成分1)
2重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
残りは脱イオン水
pH約9〜10
(成分2)
2重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
1重量%SDS(Texapon K12 96%、Cognis、独国)
残りは脱イオン水
pH約8
成分1および2を、4:1の比で混合した。得られたpH値は、約8であった。
【0157】
【表3】

【0158】
〔実施例4〕
(成分1)
3.3重量%Acusol 820(ローム・アンド・ハース、独国)(1重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
残りは脱イオン水
pH約6〜8
(成分2)
3.3重量%Acusol 820(ローム・アンド・ハース、独国)(1重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
10重量%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム;Texapon K12 96%、Cognis、独国)
残りは脱イオン水
pH約10
成分1および2を、49:1の比で混合した。得られたpH値は、6〜7であった。
【0159】
【表4】

【0160】
〔実施例5〕
(成分1)
3.3重量%Acusol 820(ローム・アンド・ハース、独国)(1重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
残りは脱イオン水
pH約6〜7
(成分2)
3.3重量%Acusol 820(ローム・アンド・ハース、独国)(1重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
2重量%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム;Texapon K12 96%、Cognis、独国)
残りは脱イオン水
pH約7
成分1および2を、9:1の比で混合した。得られたpH値は、約7であった。
【0161】
【表5】

【0162】
〔実施例6〕
(成分1)
2重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース、独国)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
残りは脱イオン水
pH約11
(成分2)
2重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース、独国)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
0.5重量%Texapon NSO(Cognis、独国)
残りは脱イオン水
pH約8
成分1および2を、4:1の比で混合した。得られたpH値は、約9であった。
【0163】
【表6】

【0164】
〔実施例7〕
(成分1)
2重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース、独国)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
残りは脱イオン水
pH約11
(成分2)
2重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース、独国)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
1.5重量%Dehydol LS6(Cognis、独国)
残りは脱イオン水
pH約10
成分1および2を、14:1の比で混合した。得られたpH値は、約10であった。
【0165】
【表7】

【0166】
〔実施例8〕
(成分1)
2重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース、独国)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
残りは脱イオン水
pH約11
(成分2)
2重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース、独国)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
5重量%Dehydol LS6(Cognis、独国)
残りは脱イオン水
pH約10
成分1および2を、49:1の比で混合した。得られたpH値は、約10であった。
【0167】
【表8】

【0168】
〔実施例9〕
(成分1)
1.0〜2.5重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース、独国)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
2〜10重量%グリセロール(99.5%)
2〜10重量%モノエタノールアミン(99%)
pH調整用水酸化ナトリウム(50%)
残りは脱イオン水
pH11〜13
(成分2)
1.0〜2.5重量%Acusol 801 S(ローム・アンド・ハース、独国)(0.4重量%の疎水的変性ポリマーに対応する)
0.5〜3.0重量%Texapon LS 35(約35%;Cognis、独国)
0.1〜1.5重量%Dehydol LS6(Cognis、独国)
2〜10重量%モノエタノールアミン(99%)
pH調整用水酸化ナトリウム(50%)
残りは脱イオン水
pH11〜13
成分1および2を、1:1の比で混合した。得られたpH値は、11〜13であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも1つの疎水的変性ポリマーを含有する第1の水性液体と、
b)少なくとも1つの疎水的変性ポリマーと少なくとも1つの界面活性剤を含有する第2の水性液体
を含んでなる多成分系。
【請求項2】
2つの液体中の疎水的変性ポリマーの量は、5重量%までの量であることを特徴とする、請求項1に記載の多成分系。
【請求項3】
疎水的変性ポリマーは、疎水的変性ポリ酸、疎水的変性ポリアミドまたは疎水的変性ポリアルコールであることを特徴とする、請求項1または2に記載の多成分系。
【請求項4】
疎水的変性ポリ酸は、疎水的変性ポリアクリレートまたはポリアクリル酸アミドであることを特徴とする、請求項3に記載の多成分系。
【請求項5】
疎水的変性は、アルキル基またはポリエーテル基からなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の多成分系。
【請求項6】
疎水的変性ポリマーの変性度は、1%と10%の間であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の多成分系。
【請求項7】
第2の液体中の界面活性剤の量は、0.05重量%と20重量%の間であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の多成分系。
【請求項8】
少なくとも1つの界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤および双性イオン性界面活性剤からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の多成分系。
【請求項9】
界面活性剤は、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルアリールエーテルスルホネート、アルキルエーテルオキシレート、脂肪アルコールエーテルスルフェート、LAS、APG、ベタインおよび脂肪アルコールエトキシレートからなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の多成分系。
【請求項10】
界面活性剤は、ドデシルスルフェート、ドデシルエーテルスルフェートおよび20EO未満の平均エトキシル化度を有する脂肪アルコールエトキシレートであることを特徴とする、請求項9に記載の多成分系。
【請求項11】
界面活性剤は、ドデシルスルフェート、ドデシルエーテルスルフェートおよびC12〜18脂肪アルコールおよび6〜7個のエトキシレート単位を含んでなる脂肪アルコールエトキシレートであることを特徴とする、請求項10に記載の多成分系。
【請求項12】
第1の液体は、界面活性剤をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の多成分系。
【請求項13】
界面活性剤は、0〜0.4重量%の量で存在することを特徴とする、請求項12に記載の多成分系。
【請求項14】
多成分系は、2成分系であり、および2つの液体は、二重区画系の2つの区画中に収容されていることを特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の多成分系。
【請求項15】
二重区画系は、二重区画瓶または二重区画スプレーであることを特徴とする、請求項14に記載の多成分系。
【請求項16】
少なくとも2つの液体を一緒に混合することを特徴とする、高粘度液体の製造方法であって、少なくとも2つの液体の第1のものは、少なくとも1つの疎水的変性ポリマーを含有し、および少なくとも2つの液体の第2のものは、少なくとも1つの疎水的変性ポリマーと少なくとも1つの界面活性剤を含有する、方法。
【請求項17】
疎水的変性ポリマーは、疎水的変性ポリ酸、疎水的変性ポリアミドまたは疎水的変性ポリアルコールであることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤または双性イオン性界面活性剤であることを特徴とする、請求項16または17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
混合は、多区画系によって行うことを特徴とする、請求項16〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
化粧品としての請求項1〜15のいずれかに記載の多成分系の使用。
【請求項21】
洗濯用洗剤および/または食器洗い用洗剤および/または洗浄剤としての請求項1〜15のいずれかに記載の多成分系の使用。

【公表番号】特表2007−514025(P2007−514025A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543414(P2006−543414)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013316
【国際公開番号】WO2005/056743
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(391008825)ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン (309)
【氏名又は名称原語表記】HENKEL KOMMANDITGESELLSCHAFT AUF AKTIEN
【住所又は居所原語表記】40191 Dusseldorf,Henkelstrasse 67,Germany
【Fターム(参考)】