多板式摩擦クラッチ
【課題】多板式摩擦クラッチのピストンに装着されている緩衝用ウェーブスプリングの遠心力や振動による脱落を阻止する。
【解決手段】多板式摩擦クラッチのピストン3に保持溝31を設け、緩衝用ウェーブスプリング6を収容している。保持溝31には外周内径面に傾斜面33を有する環状突起32が形成されている。またウェーブスプリング6の断面は、外径面に傾斜面33に対応する傾斜部65を有する異形線断面形状64となっている。そのため遠心力および振動のためウェーブスプリング6が保持溝31から脱落しようとしても、斜面33と65が接触するため、保持溝31からの脱落を阻止することができる。
【解決手段】多板式摩擦クラッチのピストン3に保持溝31を設け、緩衝用ウェーブスプリング6を収容している。保持溝31には外周内径面に傾斜面33を有する環状突起32が形成されている。またウェーブスプリング6の断面は、外径面に傾斜面33に対応する傾斜部65を有する異形線断面形状64となっている。そのため遠心力および振動のためウェーブスプリング6が保持溝31から脱落しようとしても、斜面33と65が接触するため、保持溝31からの脱落を阻止することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の自動変速装置に使用される多板式摩擦クラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は多板式摩擦クラッチ10の基本的な構成を示す断面図であって、1はクラッチケース、2は動力を伝達する相手側となるハブ、3はクラッチケース内を移動するピストンである。4はセパレータ、5はフリクションプレートであって、各々複数枚で摩擦板群を構成している。図示の例ではセパレータ4はクラッチケース1のスプライン溝11と、またフリクションプレート5はハブ2のスプライン溝21と嵌合している。
【0003】
クラッチを締結するときは、油孔12から油圧をクラッチケース1とピストン3の間に導入すれば、ピストン3は図で右方に押圧され、摩擦板群を受圧板7に向かって押圧する。受圧板7は止め輪8によって右方への移動は阻止されているので、クラッチは締結される。クラッチを解放するときは、油圧を抜けば、ピストン3はリターンスプリング9によって、左方に復帰する。
【0004】
最近装置の高速化、大出力化に伴って、クラッチを締結したとき、締結ショックを和らげるために、ピストンの摩擦板群との当接面に緩衝用の弾性体を装着することが行われるようになった。そしてまず比較的大きい荷重対応する弾性体として皿ばねを使用することが考えられた。即ち図1においてピストン3の当接面に保持溝31を設け、皿ばねを挿入したものが考えられた。
【0005】
ところが高トルク容量クラッチにおいて、摩擦板群の枚数を増やすと、ピストン3と受圧板7との間の総合間隙が増加し、さらにクラッチ作動により摩擦板の摩擦材の摩耗進行によって隙間がさらに増加してクラッチ不作動時に皿ばねが保持溝から脱落するおそれが生じたので、それを防ぐために、保持溝の開口縁に環状突起を形成することが考案され、さらに皿ばねを楕円形に形成することも考えられた。
【特許文献1】特開2004−144197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の如く、ピストンに緩衝用の皿ばねを装着する場合、脱落防止のため保持溝の開口縁に環状の突起を設けたとき、それを乗り越えなければならないが、その構造上皿ばねは切れ目を入れると、押圧された場合、弾性が弱くなるおそれがあり、皿ばねを楕円形に形成し、長軸方向を押圧して真円に近い形にして嵌めこまなければならず、装着後も短軸方向の一部分が突起に接しているだけである。
【0007】
また装置の高性能化が益々要求されているので、比較的トルク容量の小さいクラッチにも緩衝用の弾性体を装着することが求められる。その場合はウェーブスプリングの使用が適当であるが、ウェーブスプリングは切れ目を入れることができるので、取り扱いは皿ばねに比して簡便である反面、遠心力と振動によって、切れ目の部分を中心として一段と保持溝から外れ易いという不具合も免れない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は多板式摩擦クラッチにおけるピストンの加圧面に設けた環状の保持溝に緩衝用のウェーブスプリングを収容するとともに、この保持溝の軸方向の開口縁の外周内径面にウェーブスプリングの脱落を阻止するための環状突起を形成し、またウェーブスプリングの断面形状を異形線形状としたことを特徴とする多板式摩擦クラッチを得たものである。
【発明の効果】
【0009】
自動車用の自動変速機器の一段の性能アップが望まれているが、多板摩擦クラッチのピストンの加圧面にばねを収容することによって、変速ショックを和らげることができる。ばね荷重の比較的大きい場合は皿ばね、小さい場合はウェーブスプリングが望ましく、使用により使い分けることができるが、ウェーブスプリングの方が切れ目を入れることができるので、保持溝への装着が簡単である。
【0010】
また保持溝の軸方向開口縁に環状突起を設けることにより遠心力及び振動でウェーブスプリングが脱落することを阻止しうる。さらにウェーブスプリングが脱落することを阻止しうる。さらにウェーブスプリングは切れ目が存在するので、その部分から外れ易いという不具合もあるが、ウェーブスプリングの断面形状を保持溝の開口縁の環状突起の形状に対応する異形線形状に形成することにより、さらに外れ難くなるという効果も奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ピストンの加圧面に設けられているウェーブスプリングの保持溝の外周内径面には傾斜面をもつ環状突起が形成されている。ウェーブスプリングはそれに対応して外周面に傾斜断面をもつ異形線形状に形成されていて、保持溝の外周内径の傾斜面とウェーブスプリングの外周面の傾斜断面とが接することにより、遠心力と振動によりウエーブスプリングが保持溝から外れるのを阻止する。
【実施例】
【0012】
図2はウェーブスプリング6の正面図、図3は図2をS方向からみた側面図、図4は図2のX−X断面であって、61はウェーブスプリングの切れ目、62はウェーブ部分、63は断面を表している。図6、図7、図8は図5に示す保持溝31内にウェーブスプリング6が収容されている部分を表す円Aの部分を拡大して示したものである。
【0013】
図6は断面63が直方形である従来のウェーブスプリング6が保持溝31内に収容されているところを示している。クラッチが不作動状態のときは、遠心力により、ウェーブスプリング6は保持溝31の上部に押し付けられて図7の状態となり、さらに振動により図8に示すように次第に保持溝31から外れる傾向になる。保持溝31から脱落するとピストンと隣接するセパレータプレートとの間に嵌りこみ、クラッチは常に嵌合している状態となり、自動車は変速不能に陥り、クラッチ摩擦板は焼けてしまうという不具合が生じる。
【0014】
またウェーブスプリングの脱落防止のためウェーブの高さを高くすれば保持溝31の深さも大きくなり、ピストン幅が増加し、クラッチの幅全体が増加し、装置のコンパクト化の要求に反する結果となる。
またウェーブスプリングは切れ目を有しているのでその部分からの脱落の危険はさらに大きいものである。
【0015】
図9、図11、図12はこの発明の保持溝31を示す図6ないし図8と同様な拡大断面図である。ピストン3に設けたこの発明の保持溝31は、その軸方向開口の外周内径面には傾斜面33を有する突起32が形成されている。
【0016】
図10はこの発明のウェーブスプリング6の断面形状を示す。この発明のウェーブスプリングは異形線断面64を有している。即ち図4に示す従来のウェーブスプリングの断面63の如く単なる直方形などではなく、外周面が保持溝31の外周内径面の傾斜面33に対応する傾斜面65が形成されている。
【0017】
図11は装置がまだ回転していないとき、ピストン3の保持溝31にウェーブスプリング6が収容されている状態を示している。
【0018】
図12はクラッチが回転しているが、締結されていないときの状態であって、ウェーブスプリング6は遠心力で保持溝31の外周面に押しつけられ、また振動で保持溝から脱落する方向に力が作用している。
【0019】
この発明のクラッチ装置では保持溝31に外周内径面に傾斜面33を有する突起32が形成されており、またウェーブスプリング6は、その傾斜面33に対応する外周面傾斜部65を有する異形線断面形状を有しているので、ウェーブスプリングが遠心力及び振動で外れそうになっても、図に示すように斜面33と傾斜部65の接触によって、ウェーブスプリングの脱落は確実に防止しうるものである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
自動車用機器の性能アップが最近一段と求められているが、クラッチのピストンに装着する緩衝用弾性体も、比較的大荷重のものには皿ばね、小荷重のものにはウェーブスプリングというように使い分けることによって広い範囲に亘って変速ショックを和らげ、性能アップを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】多板式摩擦クラッチの基本的な構成を示す断面図
【図2】従来のウェーブスプリングの正面図
【図3】図2をS方向からみた側面図
【図4】図2のX−X断面図
【図5】図1の要部の拡大図
【図6】従来のウェーブスプリングと保持溝との関係を示す図
【図7】遠心力の影響を示す図
【図8】運転中の状態を示す図
【図9】この発明の保持溝を示す拡大図
【図10】この発明のウェーブスプリングの断面形状を示す図
【図11】この発明のウェーブスプリングと保持溝の関係を示す図
【図12】運転中の状態を示す図
【符号の説明】
【0022】
1 クラッチケース
2 ハブ
3 ピストン
4 セパレータ
5 フリクションプレート
6 ウェーブスプリング
7 受圧板
8 止め輪
9 リターンスプリング
10 多板式摩擦クラッチ
21 スプライン軸
31 保持溝
32 突起
33 傾斜面
61 切れ目
62 ウェーブ
63 断面
64 異形線断面
65 傾斜部
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車の自動変速装置に使用される多板式摩擦クラッチに関する。
【背景技術】
【0002】
図1は多板式摩擦クラッチ10の基本的な構成を示す断面図であって、1はクラッチケース、2は動力を伝達する相手側となるハブ、3はクラッチケース内を移動するピストンである。4はセパレータ、5はフリクションプレートであって、各々複数枚で摩擦板群を構成している。図示の例ではセパレータ4はクラッチケース1のスプライン溝11と、またフリクションプレート5はハブ2のスプライン溝21と嵌合している。
【0003】
クラッチを締結するときは、油孔12から油圧をクラッチケース1とピストン3の間に導入すれば、ピストン3は図で右方に押圧され、摩擦板群を受圧板7に向かって押圧する。受圧板7は止め輪8によって右方への移動は阻止されているので、クラッチは締結される。クラッチを解放するときは、油圧を抜けば、ピストン3はリターンスプリング9によって、左方に復帰する。
【0004】
最近装置の高速化、大出力化に伴って、クラッチを締結したとき、締結ショックを和らげるために、ピストンの摩擦板群との当接面に緩衝用の弾性体を装着することが行われるようになった。そしてまず比較的大きい荷重対応する弾性体として皿ばねを使用することが考えられた。即ち図1においてピストン3の当接面に保持溝31を設け、皿ばねを挿入したものが考えられた。
【0005】
ところが高トルク容量クラッチにおいて、摩擦板群の枚数を増やすと、ピストン3と受圧板7との間の総合間隙が増加し、さらにクラッチ作動により摩擦板の摩擦材の摩耗進行によって隙間がさらに増加してクラッチ不作動時に皿ばねが保持溝から脱落するおそれが生じたので、それを防ぐために、保持溝の開口縁に環状突起を形成することが考案され、さらに皿ばねを楕円形に形成することも考えられた。
【特許文献1】特開2004−144197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の如く、ピストンに緩衝用の皿ばねを装着する場合、脱落防止のため保持溝の開口縁に環状の突起を設けたとき、それを乗り越えなければならないが、その構造上皿ばねは切れ目を入れると、押圧された場合、弾性が弱くなるおそれがあり、皿ばねを楕円形に形成し、長軸方向を押圧して真円に近い形にして嵌めこまなければならず、装着後も短軸方向の一部分が突起に接しているだけである。
【0007】
また装置の高性能化が益々要求されているので、比較的トルク容量の小さいクラッチにも緩衝用の弾性体を装着することが求められる。その場合はウェーブスプリングの使用が適当であるが、ウェーブスプリングは切れ目を入れることができるので、取り扱いは皿ばねに比して簡便である反面、遠心力と振動によって、切れ目の部分を中心として一段と保持溝から外れ易いという不具合も免れない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は多板式摩擦クラッチにおけるピストンの加圧面に設けた環状の保持溝に緩衝用のウェーブスプリングを収容するとともに、この保持溝の軸方向の開口縁の外周内径面にウェーブスプリングの脱落を阻止するための環状突起を形成し、またウェーブスプリングの断面形状を異形線形状としたことを特徴とする多板式摩擦クラッチを得たものである。
【発明の効果】
【0009】
自動車用の自動変速機器の一段の性能アップが望まれているが、多板摩擦クラッチのピストンの加圧面にばねを収容することによって、変速ショックを和らげることができる。ばね荷重の比較的大きい場合は皿ばね、小さい場合はウェーブスプリングが望ましく、使用により使い分けることができるが、ウェーブスプリングの方が切れ目を入れることができるので、保持溝への装着が簡単である。
【0010】
また保持溝の軸方向開口縁に環状突起を設けることにより遠心力及び振動でウェーブスプリングが脱落することを阻止しうる。さらにウェーブスプリングが脱落することを阻止しうる。さらにウェーブスプリングは切れ目が存在するので、その部分から外れ易いという不具合もあるが、ウェーブスプリングの断面形状を保持溝の開口縁の環状突起の形状に対応する異形線形状に形成することにより、さらに外れ難くなるという効果も奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
ピストンの加圧面に設けられているウェーブスプリングの保持溝の外周内径面には傾斜面をもつ環状突起が形成されている。ウェーブスプリングはそれに対応して外周面に傾斜断面をもつ異形線形状に形成されていて、保持溝の外周内径の傾斜面とウェーブスプリングの外周面の傾斜断面とが接することにより、遠心力と振動によりウエーブスプリングが保持溝から外れるのを阻止する。
【実施例】
【0012】
図2はウェーブスプリング6の正面図、図3は図2をS方向からみた側面図、図4は図2のX−X断面であって、61はウェーブスプリングの切れ目、62はウェーブ部分、63は断面を表している。図6、図7、図8は図5に示す保持溝31内にウェーブスプリング6が収容されている部分を表す円Aの部分を拡大して示したものである。
【0013】
図6は断面63が直方形である従来のウェーブスプリング6が保持溝31内に収容されているところを示している。クラッチが不作動状態のときは、遠心力により、ウェーブスプリング6は保持溝31の上部に押し付けられて図7の状態となり、さらに振動により図8に示すように次第に保持溝31から外れる傾向になる。保持溝31から脱落するとピストンと隣接するセパレータプレートとの間に嵌りこみ、クラッチは常に嵌合している状態となり、自動車は変速不能に陥り、クラッチ摩擦板は焼けてしまうという不具合が生じる。
【0014】
またウェーブスプリングの脱落防止のためウェーブの高さを高くすれば保持溝31の深さも大きくなり、ピストン幅が増加し、クラッチの幅全体が増加し、装置のコンパクト化の要求に反する結果となる。
またウェーブスプリングは切れ目を有しているのでその部分からの脱落の危険はさらに大きいものである。
【0015】
図9、図11、図12はこの発明の保持溝31を示す図6ないし図8と同様な拡大断面図である。ピストン3に設けたこの発明の保持溝31は、その軸方向開口の外周内径面には傾斜面33を有する突起32が形成されている。
【0016】
図10はこの発明のウェーブスプリング6の断面形状を示す。この発明のウェーブスプリングは異形線断面64を有している。即ち図4に示す従来のウェーブスプリングの断面63の如く単なる直方形などではなく、外周面が保持溝31の外周内径面の傾斜面33に対応する傾斜面65が形成されている。
【0017】
図11は装置がまだ回転していないとき、ピストン3の保持溝31にウェーブスプリング6が収容されている状態を示している。
【0018】
図12はクラッチが回転しているが、締結されていないときの状態であって、ウェーブスプリング6は遠心力で保持溝31の外周面に押しつけられ、また振動で保持溝から脱落する方向に力が作用している。
【0019】
この発明のクラッチ装置では保持溝31に外周内径面に傾斜面33を有する突起32が形成されており、またウェーブスプリング6は、その傾斜面33に対応する外周面傾斜部65を有する異形線断面形状を有しているので、ウェーブスプリングが遠心力及び振動で外れそうになっても、図に示すように斜面33と傾斜部65の接触によって、ウェーブスプリングの脱落は確実に防止しうるものである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
自動車用機器の性能アップが最近一段と求められているが、クラッチのピストンに装着する緩衝用弾性体も、比較的大荷重のものには皿ばね、小荷重のものにはウェーブスプリングというように使い分けることによって広い範囲に亘って変速ショックを和らげ、性能アップを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】多板式摩擦クラッチの基本的な構成を示す断面図
【図2】従来のウェーブスプリングの正面図
【図3】図2をS方向からみた側面図
【図4】図2のX−X断面図
【図5】図1の要部の拡大図
【図6】従来のウェーブスプリングと保持溝との関係を示す図
【図7】遠心力の影響を示す図
【図8】運転中の状態を示す図
【図9】この発明の保持溝を示す拡大図
【図10】この発明のウェーブスプリングの断面形状を示す図
【図11】この発明のウェーブスプリングと保持溝の関係を示す図
【図12】運転中の状態を示す図
【符号の説明】
【0022】
1 クラッチケース
2 ハブ
3 ピストン
4 セパレータ
5 フリクションプレート
6 ウェーブスプリング
7 受圧板
8 止め輪
9 リターンスプリング
10 多板式摩擦クラッチ
21 スプライン軸
31 保持溝
32 突起
33 傾斜面
61 切れ目
62 ウェーブ
63 断面
64 異形線断面
65 傾斜部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラッチケース内を移動するピストンによって、複数枚のセパレータ及びフリクションプレートで構成される摩擦板群を押圧して動力を伝達する多板式摩擦クラッチにおいて、
ピストンの加圧面に環状の保持溝を形成し、この保持溝に、ピストンに隣接する摩擦板に弾性的に当接する緩衝用のウェーブスプリングを収容するとともに、
この保持溝の軸方向の開口縁に、ウェーブスプリングの脱落を阻止するための環状突起を形成したことを特徴とする多板式摩擦クラッチ。
【請求項2】
前記のウェーブスプリングは断面形状が、保持溝の開口縁の環状突起の形状に対応する異形線形状であることを特徴とする請求項1記載の多板式摩擦クラッチ。
【請求項1】
クラッチケース内を移動するピストンによって、複数枚のセパレータ及びフリクションプレートで構成される摩擦板群を押圧して動力を伝達する多板式摩擦クラッチにおいて、
ピストンの加圧面に環状の保持溝を形成し、この保持溝に、ピストンに隣接する摩擦板に弾性的に当接する緩衝用のウェーブスプリングを収容するとともに、
この保持溝の軸方向の開口縁に、ウェーブスプリングの脱落を阻止するための環状突起を形成したことを特徴とする多板式摩擦クラッチ。
【請求項2】
前記のウェーブスプリングは断面形状が、保持溝の開口縁の環状突起の形状に対応する異形線形状であることを特徴とする請求項1記載の多板式摩擦クラッチ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−285382(P2007−285382A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−112195(P2006−112195)
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000102784)NSKワーナー株式会社 (149)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月14日(2006.4.14)
【出願人】(000102784)NSKワーナー株式会社 (149)
【Fターム(参考)】
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