説明

多機能パーキングメーター

【課題】パーキングメーターにおいて、利用者が制限時間の経過の通知を受理することにより、制限時間を超えて駐車違反を犯してしまうことが防止できる。また、パーキングメーターの利用状況を逐一、一ヶ所で管理することにより、巡回中の監視員に制限時間が超過しているパーキングメーターを知らせ、該パーキングメーターに派遣することができる。以上の機能を備えた多機能なパーキングメーターを提供する。
【解決手段】情報センターを備え、パーキングメーターと情報センターをインターネット等の通信ネットワークにより相互に通信可能とし、該情報センターにおいてパーキングメーターの利用状況を逐一一括管理することにより、情報センターから、制限時間が迫ったパーキングメーター利用者のあらかじめ登録された連絡先に通知をする。また、制限時間を過ぎたパーキングメーターに監視員を派遣して取り締まりを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパーキングメーターに関する。さらに詳しくは、利用者に対する制限時間通知機能や広告宣伝機能等を有する多機能なパーキングメーターに関する。
【背景技術】
【0002】
パーキングメーターは路上において、時間を限って同一車両が引き続き駐車することができる道路の区間であることが道路標識等により指定されている道路の区間(以下「時間制限駐車区間」という)について、当該時間制限駐車区間における駐車の適正を確保する目的で設置されている。すなわち、利用者がパーキングメーターの設置された時間制限駐車区間に車両を駐車した際には、一定の料金をパーキングメーターに支払うことにより、定められた時間、例えば60分の間、合法的に路上に車両を駐車することができる。その際、パーキングメーターは車両が駐車され、料金が投入されるとタイマーが開始され、定められた時間の経過を測定する。定められた時間が経過した後にも車両が引き続き利用者が車両を駐車している場合は、その車両は違法駐車となり、反則の対象となる。巡回中のパーキングメーター監視員が前述の違法駐車を発見すると取り締まりの対象となり、利用者には減点や罰金が科せられる。以上が従来のパーキングメーターの運用であり、パーキングメーターそのものは、時間測定および現金回収機能程度しか有していない。現状では、管理者側としては、違反の取り締まり方法として、監視員が巡回する方法を採用しているため、違法駐車車両を見逃してしまうことや巡回したにも関わらず違法駐車車両を発見できずにその巡回が無駄になってしまうという問題がある。また、利用者が定められた時間が経過したことを失念してしまい、悪意なく違法駐車をしてしまうことが問題となっている。他にも、料金の支払いに際しては硬貨のみしか利用できない等の問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の事実を鑑みて、本発明者らはパーキングメーターにおいて、利用者が失念により制限時間を超えて駐車をし、駐車違反を犯してしまうことは利用者に制限時間の通知が可能な装置により防止できると考えた。また、監視員の巡回の効率を向上するには、パーキングメーターの利用状況を逐一、一ヶ所で管理することにより、巡回中の監視員に制限時間が超過しているパーキングメーターを知らせ、該パーキングメーターに派遣することにより、無駄な巡回が減り、巡回効率が向上するとともに、取り逃しを防止することができると考えた。そこで、以上の機能を備えた多機能なパーキングメーターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
鋭意研究の結果、本発明者らは、情報センターを備え、パーキングメーターと情報センターをインターネット等の通信ネットワークにより相互に通信可能とし、該情報センターにおいて複数のパーキングメーターの利用状況を逐一一括管理することにより、上記の課題を解決できることを見いだした。情報センターにより、各パーキングメーターの利用状況を一括でリアルタイムに把握していれば、制限時間が迫ったパーキングメーター利用者のあらかじめ登録された連絡先に通知をすることや、制限時間を過ぎたパーキングメーターに監視員を派遣して、取り締まりを行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0005】
以下に具体的に本発明の効果を挙げる。
<1> 利用者は、駐車制限時間の通知を受けることができるので、過失により駐車制限時間を超えて駐車してしまい、駐車違反金を支払うことを防ぐことができる。
<2> 管理者は、情報センターにてパーキングメーターの利用状況を随時把握することができ、制限時間を超えて駐車している車両の所有者に対しては情報センターより遠隔で交通違反切符を交付することができるので、従来のパーキングメーターの運営のように、取り締まりのために監視員が1台1台パーキングメーターを巡回する必要がなくなる。よって人件費やその他経費の大幅に削減が可能になる。
<3> 管理者は、多機能パーキングメーターの広告宣伝機能により、企業等の広告宣伝活動を代理することができるため、広告手数料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の一実施例におけるパーキングメーターの構成を示した図である。
【図2】本発明の一実施例における全体構成図である。
【図3】本発明の一実施例における利用時のタッチパネル式ディスプレイ表示画面の遷移図である。
【図4】本発明の一実施例における入庫の際の利用手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例における出庫の際の利用手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明の実施の形態について図を用いて説明する。なお、本発明の多機能パーキングメーターは下記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当業者が行いうる変更、改良を施した種々の形態について実施することができる。
【0008】
図1は一実施例における多機能パーキングメーター1の構成を示したものであり、少なくとも以下の(1)から(9)の要件;(1)タッチパネル式ディスプレイ2、(2)スピーカー3、(3)映像および音声が受信可能なインターネット無線および有線受信機4、(4)インターネット無線および有線受信機により受信した映像をタッチパネル式ディスプレイに表示可能とし、音声をスピーカーから発生可能とする装置(図示していない)、(5)電子マネー決済装置5、(6)現金投入口6、(7)赤外線受信機7、(8)カメラ8、(9)無線送受信機9、を有する。また、電力供給源として(1)から(2)の少なくともいずれかの装置;(1)外部電源、(2)太陽光発電パネル10およびバッテリー、を有する。尚、カメラ8は2機有し、左右からの車両進入に対してナンバープレート情報を撮影できるように、側面に1機ずつ敷設されることが望ましい。
【0009】
図2は一実施例における全体構成図を示しており、多機能パーキングメーター1はインターネット通信を用いて情報センター11はインターネット等の通信ネットワーク12により相互に通信できる。また、情報センター11は複数の多機能パーキングメーター1の情報を処理できる。
【0010】
図3はタッチパネル式ディスプレイ2の遷移図である。タッチパネル式ディスプレイ2は利用者がいない待機時には、遷移図の2aに示すように情報センター11より配信された広告宣伝映像を、映像および音声が受信可能なインターネット無線および有線受信機4により受信し、インターネット無線および有線受信機により受信した映像をタッチパネル式ディスプレイに表示可能とし、音声をスピーカーから発生可能とする装置(図示していない)により、タッチパネル式ディスプレイ2およびスピーカー3に広告宣伝映像を再生し、に広告宣伝活動を行う。
【0011】
図4は利用者が駐車をする際の操作手順を示したフローチャートであり、以下、図4フローチャートと図3の画面遷移図により実施例をさらに詳しく説明する。まず、利用者が多機能パーキングメーター1の駐車スペースに車両を駐車する(S1)。すると、カメラ8が駐車車両のナンバープレート情報を読み取り、情報センター11に当該ナンバープレート情報が駐車車両情報として送信される(S2)。尚、該車両情報は画像形式またはテキスト形式にて送信される。そこで、情報センターからの遠隔操作により、タッチパネル式ディスプレイ2が、待機時画面2aから操作画面2bに切り替わる(S4)。もし、前記のように遠隔操作により待機画面2aが操作画面2bに切り替わらない際は利用者がタッチパネル式ディスプレイ2に触れることで画面が切り替わり、同様に処理を開始することができる。
【0012】
次に利用者の支払い処理および連絡先情報登録処理に関して説明する。操作画面2bには利用料金が表示され、利用者は操作画面2bの指示に従って支払い処理を進めることができ、支払方法は現金または電子マネー(携帯電話に付与された電子マネー機能も含む)により決済することができる(S4)。支払が完了すると2cの操作画面が表示され、連絡先を登録するかどうか選択することができる(S5)。利用者が連絡先の情報登録を希望しない場合には2eの画面が表示され、操作が完了する(S8)。利用者が連絡先の情報登録を希望する場合は2dの画面が表示され、連絡先の電話番号およびE−mailアドレスをタッチパネルにより入力、または携帯電話機に付与された赤外線通信機能により赤外線受信機7に送信し連絡先登録を行う(S7)。該連絡先情報は情報センターに送信され、登録が完了する(S8)。かかる操作により連絡先を登録すると、利用者は駐車可能時間が近づいた際に、例えば駐車制限時刻の5分前等に情報センターからの電話着信またはE−mailの受信により駐車制限時刻が近づいた旨の通知を受けることができる。
【0013】
図5は利用者が駐車を終えて出庫する際の操作手順を示したフローチャートであり、以下に操作手順に関して詳しく説明する。利用者が駐車場所に戻り(S9)、制限時間を超過していない場合(S10)は、操作の必要がなく出庫することが可能である。利用者が制限時間を超えて駐車をして、駐車違反を犯した場合には、駐車した際に登録された車両情報、すなわちナンバー情報およびが違反の旨がタッチパネル式ディスプレイ2に表示される(S11)。罰金および原点の内容を示す交通反則切符が表示される(S12)。利用者(違反者)は、現金または電子マネーによって罰金の支払いを行う(S13)。罰金の支払いが完了すると操作は終了する。罰金の支払いが行われない場合は管轄の警察署に通報される(S14)。
【0014】
一方、本発明は管理者にとっても多大な効果をもたらす。上述のように多機能パーキングメーター1は情報センター11とネットワーク通信12により通信可能な状態にあり、駐車状況は情報センター11に送信されている。駐車制限時間を超過するとその旨が情報センターに送信される。この情報を巡回監視員と共有することにより、巡回の効率を向上することができる。また、情報センター11では管轄の多機能パーキングメーター1の使用状況情報をリアルタイムに得ていることから、該使用状況情報をカーナビゲーションシステムに送信することで、利用者のカーナビゲーションに付近の多機能パーキングメーターの使用状況、すなわち空き状況を通知することも可能である。
【符号の説明】
【0015】
1 多機能パーキングメーター
2 タッチパネル式ディスプレイ
2a 待機画面
2b〜2e 操作画面
3 スピーカー
4 映像および音声が受信可能なインターネット無線および有線受信機
5 電子マネー決済装置
6 現金投入口
7 赤外線受信機
8 カメラ
9 無線送受信機
10 太陽光パネル
11 情報センター
12 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下の(1)から(9)の要件;
(1)タッチパネル式ディスプレイ、
(2)スピーカー、
(3)映像および音声が受信可能なインターネット無線および有線受信機、
(4)インターネット無線および有線受信機により受信した映像をタッチパネル式ディスプレイに表示可能とし、音声をスピーカーから発生可能とする装置、
(5)電子マネー決済装置、
(6)現金投入口、
(7)赤外線受信機、
(8)カメラ、
(9)無線送受信機
を有することを特徴とし、電力供給源として以下の(1)から(2)の少なくともいずれかの装置;
(1)外部電源、
(2)太陽光発電パネルおよびバッテリー、
を有することを特徴とする多機能パーキングメーター。
【請求項2】
情報センターから広告映像および音声を映像および音声が受信可能なインターネット無線および有線受信機により受信し、インターネット無線および有線受信機により受信した映像をディスプレイに表示可能とし音声をスピーカーから発生可能とする装置により、タッチパネル式ディスプレイおよびスピーカーに広告映像および音声を再現し、広告宣伝活動を行うことを特徴とする請求項1に記載の多機能パーキングメーター。
【請求項3】
請求項1に記載のカメラを1台以上有し、該カメラはインターネット通信により適宜情報センターに映像が送信でき、駐車した車両のナンバープレート情報を読み取り、情報センターに該ナンバープレート情報を送信することができることを特徴とする請求項1から2いずれかに記載の多機能パーキングメーター。
【請求項4】
電子マネー(電子マネー機能付携帯電話機も含む)か現金のいずれかにより決済可能であることを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の多機能パーキングメーター。
【請求項5】
利用者が自らの連絡先電話番号またはE−mailアドレスを請求項1に記載のタッチパネル式ディスプレイまたは携帯電話機の赤外線通信により入力すると、該電話番号またはE−mailアドレスを情報センターに登録することができ、情報センターから電話着信またはE−mail受信により駐車制限時間の通知を受けることができることを特徴とする請求項1から4いずれかに記載の多機能パーキングメーター。
【請求項6】
請求項1に記載の無線送受信機がPHSや携帯電話機用無線の受信機であり、PHSや携帯電話の無線基地局としての機能を有することを特徴とする請求項1から5いずれかに記載の多機能パーキングメーター。
【請求項7】
車両の駐車時間が制限時間を超えた際に、情報センターに制限時間が経過した旨をインターネット等のネットワーク通信を介して送信することにより、通知することが可能な請求項1から6いずれかに記載の多機能パーキングメーター。
【請求項8】
制限時間を超えて車両を駐車し違反駐車となった際に、請求項1に記載のタッチパネル式ディスプレイに該違反車両のナンバーおよび駐車違反の旨が表示され、管轄の警察署に通報することを特徴とする請求項1から7いずれかに記載の多機能パーキングメーター。
【請求項9】
制限時間を超えて車両を駐車し違反駐車となった際に、違反者が請求項1に記載の現金または電子マネーにより違反金を支払うことが可能であり、支払い後は請求項1に記載のタッチパネル式ディスプレイに支払完了の旨を表示することが可能であることを特徴とする請求項1から8いずれかに記載の多機能パーキングメーター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−60206(P2011−60206A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−212049(P2009−212049)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(596018137)
【Fターム(参考)】