説明

多機能外科プローブ、および眼科外科システム

【課題】本発明は多機能外科プローブに関する。
【解決手段】レーザー装置から光線を受けて作動するハンドピースと、発射制御信号を発しレーザー装置を発射させて光線を誘導する発射スイッチとを含む。外科プローブは、更に発射スイッチに接続され発射制御信号をレーザー装置に伝達するインターフェースを含んでよい。レーザー装置は手術用コンソールに接続され、インターフェースは発射スイッチに通信可能に接続され、外科プローブを手術用コンソールに接続して発射信号を手術用コンソールに送信する。手術用コンソールは、発射制御信号に基づいてレーザー装置を制御可能である。外科プローブは発射スイッチがレーザー装置を発射させないように発射を阻止するインターロックスイッチと、待機制御信号を発生してレーザー装置を待機状態と即応状態との間で切り替える待機スイッチを含んでよい。発射スイッチは連続作動スイッチであってよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広義には外科プローブに関し、詳しくは眼科用レーザー手術システムにおいて、独立制御を外科医に提供するように作動可能な多機能外科プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
手持ちプローブは種々の電気及び機械器具と共に使用され、特に、マイクロ外科及び眼科システムに受け入れられた部品となっている。そこで、この手持ちプローブの発明は、マイクロ外科システム特に眼科用レーザー手術システムにおける用途との関係で説明されている。
【0003】
例えば、眼科手術の際に患者を外科的に治療する場合、外科医は複雑な患者治療装置/手術システムを使用するが、これは種々の異なる空気的及び電子的に駆動されるサブシステムの制御を必要とする。典型的な例では、これらのサブシステムの作用はマイクロプロセッサー駆動のコンソールによって制御される。手術用コンソール内のマイクロプロセッサーは、外科医/手術者か或いはその助手からの機械的入力を受け取る。例えば、助手は手術用コンソールの制御装置を直接操作し、一方、外科医/手術者は足踏みスイッチ等の制御入力装置を使用して機械的入力を提供する。足踏みスイッチの場合、機械的入力は外科医の足の動きから発して手術用システム内のサブシステムの作用を制御する。これらの機械的入力は電気信号に変換されてマイクロプロセッサーに供給され、所望のサブシステムの作用特性を制御する。こうしたサブシステムの一例は眼科における眼のレーザー手術に使用される作業システムであり、例えば、カリフォルニア州IrvineのAlcon Laboratories, Inc.によって製造されたEYELITE(登録商標)光凝固装置などである。
【0004】
機械的入力を複雑な患者治療装置用の制御信号に変換するように構成された足踏みスイッチの例は、米国特許4,837,857(Scheller他)、4,965,417(Massie)、4,983,901(Lehmer)、5,091,656(Gahn)、5,268,624(Zanger)、5,554,894(Sepielli)、5,580,347(Reimels)、5,635,777(Telymonde他)、5,787,760(Thorlakson)、5,983,749(Holtorf)及び6,179,829B1(Bisch他)を含む幾つかの米国特許、並びに国際特許出願公報WO98/08442(Bisch他)、WO00/12037(Chen)及びWO02/01310(Chen)に見出される。これらの特許及び特許出願は、自動車の速度の制御に使用されるアクセルペダルに似たフットペダル或いは傾動可能なペダルを具えた足踏みスイッチに関するものである。
【0005】
しかし、眼科のレーザー手術に使用される足踏みスイッチは、主としてレーザー手術システムに作用可能に接続されるスイッチを有するケースで構成されている。このスイッチは、典型的には事前に「即応(ready)」状態に置かれているレーザー装置を始動させるように準備された単一のオンオフ型スイッチである。光凝固のため等の典型的な眼科レーザー手術においては、手術のタイプに応じた適宜パラメーター(例えば、強度レベル、パルス幅、弾着パターン等)を設定することによって、レーザーサブシステムが先ず準備される。レーザー装置は、レーザーシステムに電力が供給されると待機状態(レーザー装置はオンになっているが、足踏みスイッチによっては発射されない)になる。安全のために、ユーザーは確認ステップを行ってレーザー装置を待機状態から「即応」状態にする必要がある。「即応」状態にあるレーザー装置は、足踏みスイッチの発射スイッチが操作された場合に、発射するように構成されている。こうして、レーザーシステムのコンソール上のボタンを作動させることなどによって、レーザー装置の状態を「待機(stand-by)」状態から「即応」状態に変える意識的なユーザーの決定が必要である。
【0006】
レーザー装置を「即応」状態にするには、手術助手は手術用サブシステムの制御パネルの制御装置を操作する必要がある。例えば、助手はボタンを押してレーザー装置を待機状態から即応状態にする(逆も真である)。手術の際に、外科医が手術部位から注意を反らして手術を中断して手術用コンソールの制御装置を容易に操作できる時点ではなく、外科医が手術に没頭しているレーザー装置を必要とする時点において、手術助手はこの作業を行う。更に、或る場合には、外科医が手術に従事し、助手も制御パネルから離れることがある。助手や外科医が制御パネルまで移動してレーザー装置を準備することが必要なために、遅れや非能率性が生じる。したがって、外科医は助手に頼って自らのためにこの機能を遂行する。
【0007】
従来技術システムは、外科医が助手とは無関係にレーザー装置を準備状態にして、手術から注意を反らすことなくレーザー手術を続行することができる手段を提供するものではない。むしろ、外科医は助手に依存する必要がある。しかし、従来技術システムは、レーザー装置が即応状態になった場合に、外科医が操作してレーザー装置を発射可能にするレーザーシステム用足踏みスイッチの発射スイッチを提案している。本出願に全体的に参考として組み込まれる2006年6月26日に出願された「手術用多機能スイッチ」の名称の係属中の共同名義の米国特許出願(番号不明)は、多機能の手術用足踏みスイッチを教示し、これは外科医が、その注意力を手術部位に維持させながら眼科用レーザー手術システムにおいてレーザー装置を「待機状態」と「即応状態」との間で独立に移行させることを可能にする。しかし、この出願に開示された足踏みスイッチによっては、手持ち式プローブに組み込まれた制御装置を用いてレーザー装置を制御して、外科用レーザー装置の正確性と同期制御力を外科医に提供することはできない。
【0008】
したがって、外科医の注意を手術部位に維持しながら、眼科用レーザー手術システムのレーザー装置を独立して作動する能力を外科医に与える多機能外科プローブの必要性が存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、これらの必要性等に実質的に合致した多機能外科プローブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の実施形態は、従来技術の手術用足踏みスイッチのレーザー発射機能に附加され、或いは置き換えられたプローブ組立体内のスイッチ機構を具え、幾つかの実施形態においては主手術用コンソール上の制御装置のレーザー装置を待機状態と即応状態とに切り替える機能を具えている。
【0011】
本発明の多機能外科プローブの一実施形態は、
レーザー装置から光線を受けて作動するハンドピースと、発射制御信号を発して前記レーザー装置を発射させて光線を射出するように作動する発射スイッチとを含む。
【0012】
好適形態によれば、前記外科プローブは、前記発射スイッチに通信可能に接続され、前記発射制御信号を前記レーザー装置に伝達するように作動するインターフェースを更に含む。
【0013】
好適形態によれば、前記レーザー装置はレーザー装置を制御するように作動する手術用コンソールに接続され、前記インターフェースは前記外科プローブを前記手術用コンソールに通信可能に接続して前記発射信号を前記手術用コンソールに伝送するように作動可能であり、前記手術用コンソールは、前記発射制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動可能である。
【0014】
好適形態によれば、前記インターフェースは、発射制御信号をレーザー装置に伝達するケーブルを含む有線インターフェースである。
【0015】
好適形態によれば、前記インターフェースは無線インターフェースである。
【0016】
好適形態によれば、前記インターフェースは、前記レーザー装置から光線を受け取って手術部位へ送るためにハンドピースまで伝送するように作動する光ファイバーを更に含む。
【0017】
好適形態によれば、前記外科プローブは、前記発射スイッチが前記レーザー装置を発射させるのを阻止するように作動するインターロックスイッチを更に含む。
【0018】
好適形態によれば、前記インターロックスイッチは、前記発射スイッチの作動を機械的に阻止する機械的インターロックである。
【0019】
好適形態によれば、前記インターロックスイッチは、第二制御信号を発生するように作動して、第一スイッチの作動による前記レーザー装置の発射を制御する。
【0020】
好適形態によれば、前記外科プローブは、待機制御信号を発してレーザー装置を待機状態と即応状態の間で切り替えるように作動する待機スイッチを更に含む。
【0021】
好適形態によれば、前記発射スイッチは、ボタンスイッチ、スライドスイッチ、ばね負荷スイッチ、接触解放型スイッチ、押圧解放型スイッチ、単一作用スイッチからなる群から選択されている。
【0022】
好適形態によれば、前記発射スイッチは押圧保持型スイッチである。
【0023】
好適形態によれば、前記発射スイッチの作動が、レーザー装置のインターロックスイッチによって不能にされ得る。
【0024】
好適形態によれば、前記外科プローブはエンドレーザープローブである。
【0025】
好適形態によれば、前記レーザー装置は眼科外科用レーザー装置である。
【0026】
好適形態によれば、前記外科プローブは、顔面からの前記外科プローブの上昇を検出して、検出された上昇に呼応して上昇制御信号を発するように作動する上昇センサー組立体を更に含む。前記上昇制御信号は前記レーザー装置に伝達され、発射準備のために前記レーザー装置をウォーミングアップさせるように作動する。
【0027】
好適形態によれば、前記上昇センサー組立体は、超音波近接センサー、光センサー、高周波信号変調センサー、レーダーセンサー、及び加速度計からなる群から選択されている。
【0028】
好適形態によれば、前記外科プローブは、一つ以上の補助制御信号を発生して一つ以上のレーザー機能を制御するように作動する一つ以上の補助スイッチを更に含む。前記一つ以上の機能がレーザーの動力とパルス幅を含む。
【0029】
好適形態によれば、前記発射スイッチは連続的に作動するスイッチであって、その運動範囲の第一時点においてレーザー装置を初期化して発射の準備をさせるように作動する初期化制御信号を提供し、次にその運動範囲の第二時点において前記発射制御信号を提供してレーザー装置を発射させるように作動する。
【0030】
本発明の外科プローブの第二の実施形態は、レーザー装置から光線を受けて作動するハンドピースと、発射制御信号を発して前記レーザー装置を発射させて光線を射出するように作動する発射スイッチと、前記発射スイッチに通信可能に接続されて外科プローブを手術用コンソールに通信可能に接続し、発射制御信号を前記手術用コンソールに伝達するインターフェースとを含み、前記手術用コンソールは、前記発射制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動可能である。
【0031】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、前記発射スイッチは、前記レーザー装置を発射させないように作動するインターロックスイッチを更に含む。
【0032】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、前記インターロックスイッチは、前記発射スイッチの作動を機械的に阻止する機械的インターロックである。
【0033】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、前記インターロックスイッチは、インターロック制御信号を発生して、前記発射スイッチの起動によって前記レーザー装置を発射させ、前記インターフェースは前記発射スイッチとインターロックスイッチに通信可能に接続されて、発射制御信号とインターロック制御信号を手術用コンソールに伝達するように作動し、かつ前記手術用コンソールは、前記発射制御信号とインターロック制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動する。
【0034】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、即応制御信号を発生して前記レーザー装置を待機状態と即応状態との間で切り替えを行う即応スイッチを更に含み、前記インターフェースは前記発射スイッチと即応スイッチとに通信可能に接続されて、前記発射制御信号と即応制御信号を前記手術用コンソールに伝達するように作動し、かつ前記手術用コンソールは、前記発射制御信号と即応制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動する。
【0035】
第二実施形態の外科プローブにおいて、前記発射スイッチは、ボタンスイッチ、スライドスイッチ、ばね負荷スイッチ、接触海保方スイッチ、押圧保持型スイッチ、単一作動スイッチからなる群から選択されてよい。
【0036】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、前記発射スイッチの作動が、前記手術用コンソール上のインターロックスイッチによって不能にされる。
【0037】
第二実施形態の外科プローブは、エンドレーザープローブであってよい。
【0038】
第二実施形態の外科プローブにおいて、前記インターフェースは、有線インターフェースであり、前記発射制御信号を前記手術用コンソールに伝達するためのケーブルを含むかまたは無線インターフェースであってよい。
【0039】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、前記レーザー装置は眼科外科用レーザー装置である。
【0040】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、顔面からの前記外科プローブの上昇を検出し、かつ検出された上昇に呼応して情報制御信号を発生する上昇センサー組立体を更に含み、前記インターフェースは前記上昇センサー組立体に通信可能に接続されて、前記上昇制御信号を前記手術用コンソールに伝達し、かつ前記手術用コンソールは、前記上昇制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動する。前記上昇センサー組立体は、超音波近接センサー、光センサー、高周波信号変調センサー、レーダーセンサー、加速度計からなる群から選択されてよい。前記上昇制御信号は前記手術用コンソールに伝達され、発射の準備のために前記レーザー装置をウォーミングアップするように作動する。
【0041】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、前記手術用コンソールにおける一つ以上の機能を制御するように作動可能な一つ以上の補助制御信号を発生する一つ以上の補助スイッチを更に含む。前記一つ以上の機能がレーザー装置のパワー及びパルス幅を含む。
【0042】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、前記発射スイッチは連続的作動スイッチであって、その運動範囲の第一時点において、前記レーザー装置を発射の準備のために初期化する初期化制御信号を提供し、次いでその運動範囲の第二時点において、発射制御信号を提供して前記レーザー装置を発射させるように作動可能である。
【0043】
第二実施形態の外科プローブにおいて、好ましくは、前記インターフェースが、光線を前記レーザー装置から受け取って手術部位に伝達するためのハンドピースに伝達するように作動する光ファイバーを更に含む。
【0044】
本発明は、更に、光線をレーザー装置から受け取るハンドピースと、制御信号を提供して前記レーザー装置を発射させて光線を射出するように作動するスイッチと、前記スイッチに通信可能に接続され、前記制御信号を前記レーザー装置に伝達するインターフェースとを含む、外科プローブを提供する。
【0045】
本発明は、更に眼科外科システムを提供し、眼科外科システムの一実施形態は、レーザー装置と外科プローブを含み、前記外科プローブは、前記レーザー装置からの光線を受け取るように作動するハンドピースと、制御信号を提供して前記レーザー装置を発射させ、光線を射出するように作動するスイッチとを含む。
【0046】
本発明による眼科外科システムの他の実施形態は、手術用コンソールと、レーザー装置と、外科プローブとを含み、
前記外科プローブは、前記レーザー装置から光線を受け取るように作動するハンドピースと、制御信号を提供して前記レーザー装置を発射させ、光線を射出させるスイッチと、前記スイッチに通信可能に接続され、前記外科プローブを前記手術用コンソールに通信可能に接続するインターフェースとを含み、前記コンソールは前記制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御可能である。
【0047】
発射スイッチ、即応スイッチ及びインターロックスイッチは、当業者に自明な従来方法によってハンドピースに取り付けられる。これらのスイッチは、それらがユーザーの手の中指、人差し指、親指、或いは任意のその他の部分によって作動するように位置決めされる。これらのスイッチは、当業者に周知のボタン、スライドスイッチ、ばね負荷スイッチ、接触-解放型、接触-保持型、その他の任意の従来型のスイッチを含む。かかるスイッチは不本意な作動を防止するために、凹み、保護され、遮蔽されていてよい。インターロックスイッチは、機械的なインターロックであってよく、或いはインターロック制御信号を生成して第二スイッチによるレーザー装置の発射を阻止又は許容するように作動可能であってよい。
【0048】
本発明の外科プローブは、上述のごとく種々のスイッチを組み合わせて使用できる。例えば、外科プローブは発射スイッチと即応スイッチを具えるが、インターロックスイッチは具えていない。別の例では、プローブはレーザー装置を発射させる発射スイッチを具えているが、即応スイッチやインターロックスイッチは具えていない。スイッチの如何なる組み合わせであっても本発明の範囲内に入ることを意図している。例えば、外科プローブはレーザー装置を待機状態と即応状態との間で切り替えるように作動する即応スイッチのみを有し、これは典型的な従来技術の足踏みスイッチと組み合わせて使用されてレーザー装置を発射させる。更に、即応スイッチ及び/又はインターロックスイッチが手術用コンソール上に設けられてもよい。インターフェースはスイッチ類の信号処理を行う手術用コンソールに接続する電気ケーブルであり、或いは制御信号を手術用コンソールに伝達する無線用インターフェースであってもよい。
【0049】
本発明の実施形態は、カリフォルニア州IrvineのAlcon Laboratories, Inc.によって製造されたEYELITE(登録商標)レーザー手術システム等の当業者に周知の任意の眼科手術システムで利用されることを意図したものである。本発明の実施形態は、眼科その他の手術への利用のための任意の手術機械やシステムに組み込み可能である。本発明の教示によって構成された多機能外科プローブのその他の利用は本発明の範囲内にあり、当業者ならば判るであろう。
【発明の効果】
【0050】
本発明の種々の実施形態は、外科医が外科プローブを即応状態にすることを可能にし、即応状態になった場合にはレーザー装置を発射させ、或いは両者をプローブのハンドピースから行うことが可能な多機能外科プローブを提供する。これらの実施形態は、種々の機能を制御するための一つ以上のスイッチを具えている。
【0051】
従来技術において、エンドレーザー(endolaser)等の手術用レーザーが足踏みスイッチを用いて発射される。外科医はレーザービームを外科用レーザー装置から患者の眼に向けて誘導するための外科プローブを使用するが、レーザー装置自体は足踏みスイッチを介して制御され、(典型的には外科用レーザー装置を収納した)手術用コンソール上で制御される。したがって、外科医によるレーザービームの適用を誘導するプローブはレーザー装置発射機構(足踏みスイッチ)から物理的に離れている。更に、レーザー手術の際に、外科医は患者の眼に対して種々の異なる位置に自分を置くことが常に必要であり、したがって外科医は患者の周囲を移動しなければならない。その結果、レーザー装置を発射させる足踏みスイッチも、手術の際には常に移動しなければならない。これによって、レーザー装置の送出個所と発射スイッチとが物理的に離れるので、効率、正確度、制御が悪化する。本発明の実施形態は、レーザー装置を足踏みスイッチからではなく、外科プローブから操作する手段を設けることによって、レーザーの位置及び発射の精度と同期制御を改善することができる。
【0052】
本発明の実施形態は、更に外科プローブのハンドピースに設けられた上昇検出器組立体等のセンサーによって顔面からのプローブの上昇を検出し、使用前にレーザー装置をウォーミングアップする等の機能性を増大させることができる。この上昇検出器は、検出された上昇に呼応して制御信号を発生する。この制御信号は手術用コンソールに伝達され、そこで発射のための準備としてレーザー装置をウォーミングアップするように作動する。このようにして、レーザー装置の信頼性が増加すると共に、手術の際の遅れ時間も減少する。上昇センサー組立体は、超音波近接センサー、光センサー、高周波信号変調器、レーダーセンサー、加速度計、或いは当業者に周知で外科プローブの上昇を検出可能なその他のセンサーの群から選ぶことができる。
【0053】
本発明の実施形態は、このようにしてレーザーによる眼の手術の際における外科医の助手への依存度を少なくして、手術の流れをより円滑にし、単一の多機能外科プローブから外科医が独立にレーザー装置の待機状態と即応状態とを制御し、且つ/又はレーザー装置を発射できるようにする。レーザー装置用コンソール上のモードスイッチは予備のために維持されているが、レーザー装置を即応状態にするための唯一の手段である必要はない。したがって、手術の際に外科医は自分の足を使ったり或いは助手に依頼してレーザー装置を発射したり、又はレーザー装置を待機状態から即応状態に(或いはその逆に)変更したりする必要が無くなり、外科医は自由になってその注意を手術部位に集中できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
本発明の好適実施形態が図面に示されている。ここで、種々の図面において類似及び対応する部品には同様符号が用いられている。
【0055】
図1は本発明の外科プローブ10の一実施形態を示す。この外科プローブ10は、本実施形態においてリブ付きの筒状体を具えたハンドピース(ハウジング)12を有する。プローブ10は、更にプローブ先端部14、レーザー発射スイッチ20、レーザー待機/即応スイッチ22及びインターロックスイッチ24を具え、これらはすべてハンドピース12に取り付けられ、或いはこれと一体化されている。これらの構成部品のすべては、ステンレス、チタン又はプラスチック等の適宜な材料で作られている。これらのスイッチ20、22、24によって提供される新規な制御機能及びインターフェース16(以下に詳述される)を介して提供されるこれらのスイッチから発生する制御信号を除いて、プローブ10は当業者に周知のエンドレーザープローブ等の一般的に公知の手術用レーザープローブである。
【0056】
本発明の種々の実施形態においてハンドピース12に取り付けられたレーザー発射スイッチ20、レーザー待機/即応スイッチ22、インターロックスイッチ22及びその他のスイッチは、当業者に周知の任意の従来方法でハンドピース12に取り付けられる。レーザー発射スイッチ20は、典型的なユーザーの人差し指、中指又は親指によって容易に且つ快適に操作されるように位置決めされている。レーザー待機/即応スイッチ22とインターロックスイッチ24(及びレーザー発射スイッチ20)は、それらが到達し易く且つユーザーによって容易に操作できるように任意方法で位置決めされる。これらのスイッチのいずれもが凹ませ、保護し、遮蔽することにより、プローブが落とされた場合にレーザー装置28が不本意に発射することを防止できる。これらのスイッチは、ボタン、スライドスイッチ、ばね負荷スイッチ、接触-解放型、接触-保持型、その他の従来技術において周知の任意の従来型のスイッチを含んでよい。
【0057】
レーザー発射スイッチ20は、外科医が構成可能なレーザー装置28の設定に応じて時間の変化する単発のショット或いは複数のショットを発射する押圧-保持型スイッチである。レーザー待機/即応スイッチ22は単一作動ボタンスイッチであって、押圧及び解放によってレーザーモードを待機状態から即応状態に切り替え可能である(逆も真である)。インターロックスイッチ24は発射スイッチ20の作動を物理的に防止する機械的なインターロック、或いは制御信号を発生してこれを手術用コンソール26に提供するように作動して、レーザー発射スイッチ20によるレーザー装置28の発射を阻止或いは許容するスイッチである。手術用コンソール26は、レーザー装置28とは別のハウジングであっても、或いはこれと同じハウジングであっても、本発明の目的のためにレーザー装置28のための制御及び/又は処理回路を具えている。手術用コンソール26は、レーザー装置28を収容する任意のコンソールであってよく、例えば、レーザー装置28を具えた網膜-硝子体手術用コンソール等の多目的コンソールを含み、またはレーザー装置28専用ハウジングであってもよい。
【0058】
外科プローブ10のインターフェース16は一つ以上のケーブル組立体を具え、この外科プローブ10を手術用コンソール26に作動可能に接続して、外科プローブ10から制御信号を手術用コンソール26に提供する。手術用コンソール26はレーザー装置28を制御して、外科プローブ10から手術用コンソール26へ中継された制御信号に基づいてレーザー装置28のモードを切り替え且つ/又はレーザー装置28を発射させる。インターフェース16はレーザー装置28からレーザー光線を伝導する光ファイバーと、プローブ10と手術用コンソール26間の制御信号を中継するために電子信号を搬送するケーブル等のケーブルを含んでよい。インターフェース16は、レーザー発射スイッチ20、レーザー待機/即応スイッチ22及びインターロックスイッチ24の一つ以上と通信可能なインターフェースとして役立ち、外科プローブ10を手術用コンソール26に通信可能に接続して、これらのスイッチからの制御信号を手術用コンソール26に伝達するように作動する。当業者に周知のように、任意の適宜光ファイバーと電子信号ケーブルがインターフェース16内に使用できる。
【0059】
外科プローブ10の他の実施形態は、図4に示されているように無線インターフェース50を具え、これは外科プローブ10と手術用コンソール26/レーザー装置28との間に無線の通信経路を確立し、無線方式で前述と同様な制御信号伝達を遂行する。手術用コンソール26とレーザー装置28は、例えば、カリフォルニア州IrvineのAlcon Laboratories, Inc.によって製造されたEYELITE(登録商標)光凝固装置などであってよい。
【0060】
図1の実施形態は、ハンドピース12に取り付けられたレーザー待機/即応スイッチ22とインターロックスイッチ24を示す。しかし、待機/即応スイッチ22及び/又はインターロックスイッチ24は他の実施形態において手術用コンソール24上に位置決めされてよい。待機/即応スイッチ22とインターロックスイッチ24の位置は、外科プローブ10に求められている機能性に応じて、所与の用件を履行するように変更可能である。レーザー発射スイッチ20、レーザー待機/即応スイッチ22及びインターロックスイッチ24の任意の組み合わせを手術用コンソール10上で行うことができる。更に、外科プローブ10の実施形態は、ハンドピース12に取り付けられた一つ以上の補助スイッチを具えてよく、各スイッチが手術用コンソール26における機能を制御する制御信号を発生するように作動可能である(例えば、レーザー装置の電力の調整、パルス時間の調整等)。
【0061】
本発明の外科プローブの実施形態は、顔面からの外科プローブ10の上昇を検出して、これに応じて制御信号を発生するように作動する上昇センサー組立体36等のセンサーを含んでよい。この制御信号は手術用コンソール26へ伝送され、そこでレーザー装置28をウォーミングアップして発射の準備をさせ、或いはレーザー手術システムを発射させる準備を行う。上昇センサー組立体36は、例えば、超音波近接センサー、光センサー、高周波信号変調センサー、レーダーセンサー、加速度計、その他の当業者に周知の運動を感知するように作動するセンサーであり、外科プローブ10の上昇を検出する。本発明の外科プローブ10の実施形態は、これらのセンサーの任意の組み合わせを含んでよい。
【0062】
図2と3は、異なる角度から見た本発明の外科プローブ10の一実施形態であって、種々のスイッチの可能な位置を示している。インターロックスイッチ24は物理的或いは電子的インターロックであるが、いずれの場合でもフェイルセーフ(fail-safe)の目的に適し、レーザー発射スイッチ20はレーザー装置28を発射する前に作動しなければならない。インターロックスイッチ24はスライドスイッチであり、レーザー発射スイッチ20(図1及び3)によってレーザー装置28を発射させる位置に固定されて作動する。他の実施形態において、インターロックスイッチ28は図2に示されているようにハンドピース12の基端114の抵抗/電気センサー112であり、外科プローブ10の使用の際に親指と人差し指によって形成されたV字型の中に位置決めされる場合などに、ユーザーの手に接触することによって作動する。この抵抗/電気センサー112は、それが基端114上のどこかに、或いはハンドピース12の任意の選択部分に接触すると作動するように位置決めできる。当業者に理解されるように、このタイプの抵抗/電気センサースイッチは、ユーザーの手によって閉じられ/完成される回路を含む。このようなインターロックスイッチ22は、外科プローブ10が落下されたり顔面上に設置されたりした場合に、レーザー装置が偶然に発射されることを防止する。
【0063】
図4は、本発明の種々のスイッチによって提供された制御信号を伝達するための無線インターフェース50を組み込んだ本発明の多機能外科プローブの一実施態様の機能略図である。この実施形態の無線インターフェース16は、手術部位に導入するためにレーザー光線を外科プローブ10に伝送する光ファイバーを含んでよいが、制御信号を手術用コンソール26に通信する電気ケーブルは含まない。この実施形態においては、インターロックスイッチ24はレーザー発射スイッチ20の作用を制御する電気的インターロックである。無線インターフェース50は、手術用コンソール26に伝送される制御信号を符号化するためのエンコーダーを含んでよい。
【0064】
図5は、連続的レーザー発射シーケンスを有する本発明の外科プローブ100の一実施態様の機能略図である。図5は本発明の無線式の連続的レーザー発射シーケンスを示しているが、有線式の順次レーザー発射システムの実施形態も本発明の範囲内にあり、そのような実施形態は図1を参照して説明されたように、ワイヤー付きインターフェース16を有する。この実施形態は図1のレーザー発射スイッチ20と同等の入力装置60を具えているが、以下に述べるように連続作動機能性を有する。図5にはインターロックスイッチ24とレーザーを発射させるための機械的入力装置60のみが示されているが、本発明の他の実施形態と同様に、図5の実施形態はここに述べられるスイッチ及び機能の組み合わせを含んでよい。外科プローブ100は、入力装置60に作動可能に接続された二つのスイッチ、即ち第一スイッチ62と第二スイッチ64を具えている。入力装置60は、押しボタンスイッチ、スライドスイッチ、その他のここに記載の当業者にとってなじみのある累進的作動をするスイッチである。
【0065】
作業の際に、入力装置60が第一決定点を通過すると、第一スイッチ62が起動して第一制御信号を発生する。この第一制御信号は手術システム内の外科用レーザー装置28を初期化するように作動する。入力装置60が最初に押されると、第一スイッチ62が作動する。第二スイッチ64は、第一スイッチ62の作動によって生じた第一制御信号から時間的にずれた第二信号を発生する。例えば、第二スイッチ64は、入力装置60がその運動範囲の終りに近づくと(例えばボタンスイッチが完全に押し込まれると)作動する。第二制御信号はレーザー装置28の発射を指令する。
【0066】
第一スイッチ62と第二スイッチ64の始動の時間差がレーザー装置28に負荷されるストレスを少なくする。この構成において、第一スイッチ62と第二スイッチ64の始動の時間差が、レーザー装置28を発射前にゆっくりとウォーミングアップさせる。第一スイッチ62と第二スイッチ64との機能は、図1を参照して説明したように、単一のレーザー発射スイッチ20内に組み込まれてもよいことに留意されたい。例えば、図1を再び参照すると、待機/即応スイッチ22が作動してレーザー装置28を待機状態から即応状態にし、インターロックスイッチ24が作動してレーザー発射スイッチ20によってレーザー装置28を発射可能にする。そして、一実施形態において、先ずレーザー発射スイッチ20/入力装置60を押して(第一スイッチ62を作動させて)からレーザー発射スイッチ20/入力装置60を完全に押し下げる(第二スイッチ64を作動させる)までの外科医の指の連続運動において、第一スイッチ62と第二スイッチ64の機能を組み込んだレーザー発射スイッチ20がレーザー装置28を発射まで移行させ、次いでレーザー装置28を発射させる。
【0067】
この実施形態において、レーザー発射スイッチ20/入力装置60は、連続的に作動する押ボタン或いはスライドスイッチを具えてよく、第一スイッチ62と第二スイッチ64の機能を有する多位置スイッチに作動可能に接続される。一実施形態において、二つのスイッチ62と64の作動の間の時間差は約100〜300ミリ秒である。実際の時間は作業者の手の速度に依存する。それにより、レーザー装置28は約100〜300ミリ秒の時間でゆっくりと移行する(これはレーザー装置が待機状態から即応状態に移った後であることに留意されたい)。このことは当業者に既知の50ミリ秒以下では始動不可能なレーザー装置にとって特に有用である。本発明のこの実施形態によるレーザー装置の発射に関係して減少したストレスは、レーザー装置の性能と信頼性を改善するであろう。図5の実施形態には、外科プローブ100と外科用レーザー装置28(手術用コンソール26)との間に無線による制御信号通信経路が設けられているが、その代わりに、外科プローブ100は、図1の実施形態のようにレーザー装置28の初期化と発射に関する制御回路に物理的に連結されてよい。
【0068】
本発明は好適実施形態を参照して説明されたが、その精神或いは基本的特徴から逸脱することなく、他の形態や変形に具体化され得ることを理解されるべきである。上述の実施形態は、すべての点で例示的なものであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって示されている。ここで使用されている用語「実質的に」及び「概ね」は、それらに関連する用語及び/又は用語間の関係に対する工業的に受入れ可能な許容範囲を提供する。工業的に受入れ可能な許容範囲は、少なくとも1%以下から50%までであり、限定的ではないが、成分値、集積回路プロセスの変化、温度変化、上昇下降時間、及び/又は熱のノイズに対応する。これらの事項の間の関係は、数%の差から更に大きい差まで及んでいる。ここで使用されている用語「接続され」及び/又は「接続し」は、事物同士の間の直接的な接続及び/又は仲介物(例えばこれには部品、要素、回路及び/又はモジュールなどを含むが、これらに限定されるものではない)を介した事物間の間接的な接続を含み、間接接続の場合には仲介物は信号の情報を変更せずに、その電流レベル、電圧レベル及び/又は電力レベルを調節する。更にここで用いられている推定接続(即ち一方の要素が推定によって他方の要素に接続されている場合)は、「接続され」と同様の方法で二つの事物間を直接及び間接接続することを含む。更にここで用いられているように、用語「作動可能に」は事物が一つ以上の電力接続部、入力部、出力部等を具え、その対応する機能の一つ以上を果たすものであり、更に一つ以上の他の事物への推定接続を含む。更にここで用いられているように、用語「関連し」は別個の事物同士の直接及び/又は間接接続、及び/又は一つの事物が別の事物に中に埋め込まれていることを含む。ここで用いられているように、用語「好ましい対比」とは二つ以上の事物、信号等間の対比が好ましい関係にあることを示している。例えば、所望の関係が信号1が信号2よりも大きい値を持つことであれば、好ましい対比は信号1が信号2よりも大きい値を持ち、或いは信号2の値が信号1の値より小さい値を持つ場合に得られる。
【0069】
本発明は眼科レーザー手術の一般的な領域を参照して説明されたが、ここに包含されている教示は、レーザーサブシステムの制御が望ましい任意の外科システムに等しく適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の外科プローブの一実施形態を示す。
【図2】図1の外科プローブを別の角度から見て、スイッチの位置を明らかにした図である。
【図3】図1の外科プローブを別の角度から見て、スイッチの位置を明らかにした図である。
【図4】無線インターフェースを有する本発明の多機能外科プローブの一実施形態の機能略図である。
【図5】レーザー装置順次発射シーケンスを有する本発明の多機能外科プローブの一実施形態の機能略図である。
【符号の説明】
【0071】
10 外科プローブ
12 ハンドピース
20 発射スイッチ
22 待機/即応スイッチ
24 インターロックスイッチ
26 手術用コンソール
28 レーザー装置
50 無線インターフェース
60 入力装置
62 第一スイッチ
64 第二スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー装置から光線を受けて作動するハンドピースと、
発射制御信号を発して前記レーザー装置を発射させて光線を射出するように作動する発射スイッチとを含む、外科プローブ。
【請求項2】
前記発射スイッチに通信可能に接続され、前記発射制御信号を前記レーザー装置に伝達するように作動するインターフェースを更に含む、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項3】
前記レーザー装置はレーザー装置を制御するように作動する手術用コンソールに接続され、前記インターフェースは前記外科プローブを前記手術用コンソールに通信可能に接続して前記発射信号を前記手術用コンソールに伝送するように作動可能であり、前記手術用コンソールは、前記発射制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動可能である、請求項2に記載の外科プローブ。
【請求項4】
前記インターフェースは、発射制御信号をレーザー装置に伝達するケーブルを含む有線インターフェースである、請求項2に記載の外科プローブ。
【請求項5】
前記インターフェースは無線インターフェースである、請求項2に記載の外科プローブ。
【請求項6】
前記インターフェースは、前記レーザー装置から光線を受け取って手術部位へ送るためにハンドピースまで伝送するように作動する光ファイバーを更に含む、請求項2に記載の外科プローブ。
【請求項7】
前記発射スイッチが前記レーザー装置を発射させるのを阻止するように作動するインターロックスイッチを更に含む、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項8】
前記インターロックスイッチは、前記発射スイッチの作動を機械的に阻止する機械的インターロックである、請求項7に記載の外科プローブ。
【請求項9】
前記インターロックスイッチは、第二制御信号を発生するように作動して、第一スイッチの作動による前記レーザー装置の発射を制御する、請求項7に記載の外科プローブ。
【請求項10】
待機制御信号を発してレーザー装置を待機状態と即応状態の間で切り替えるように作動する待機スイッチを更に含む、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項11】
前記発射スイッチは、ボタンスイッチ、スライドスイッチ、ばね負荷スイッチ、接触解放型スイッチ、押圧解放型スイッチ、単一作用スイッチからなる群から選択されている、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項12】
前記発射スイッチは押圧保持型スイッチである、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項13】
前記発射スイッチの作動が、レーザー装置のインターロックスイッチによって不能にされ得る、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項14】
前記外科プローブはエンドレーザープローブである、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項15】
前記レーザー装置は眼科外科用レーザー装置である、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項16】
顔面からの前記外科プローブの上昇を検出して、検出された上昇に呼応して上昇制御信号を発するように作動する上昇センサー組立体を更に含む、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項17】
前記上昇センサー組立体は、超音波近接センサー、光センサー、高周波信号変調センサー、レーダーセンサー、及び加速度計からなる群から選択されている、請求項16に記載の外科プローブ。
【請求項18】
前記上昇制御信号は前記レーザー装置に伝達され、発射準備のために前記レーザー装置をウォーミングアップさせるように作動する、請求項16に記載の外科プローブ。
【請求項19】
一つ以上の補助制御信号を発生して一つ以上のレーザー機能を制御するように作動する一つ以上の補助スイッチを更に含む、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項20】
前記一つ以上の機能がレーザーの動力とパルス幅を含む、請求項19に記載の外科プローブ。
【請求項21】
前記発射スイッチは連続的に作動するスイッチであって、その運動範囲の第一時点においてレーザー装置を初期化して発射の準備をさせるように作動する初期化制御信号を提供し、次にその運動範囲の第二時点において前記発射制御信号を提供してレーザー装置を発射させるように作動する、請求項1に記載の外科プローブ。
【請求項22】
レーザー装置から光線を受けて作動するハンドピースと、
発射制御信号を発して前記レーザー装置を発射させて光線を射出するように作動する発射スイッチと、
前記発射スイッチに通信可能に接続されて外科プローブを手術用コンソールに通信可能に接続し、発射制御信号を前記手術用コンソールに伝達するインターフェースとを含み、
前記手術用コンソールは、前記発射制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動可能である、外科プローブ。
【請求項23】
前記発射スイッチは、前記レーザー装置を発射させないように作動するインターロックスイッチを更に含む、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項24】
前記インターロックスイッチは、前記発射スイッチの作動を機械的に阻止する機械的インターロックである、請求項23に記載の外科プローブ。
【請求項25】
前記インターロックスイッチは、インターロック制御信号を発生して、前記発射スイッチの起動によって前記レーザー装置を発射させ、
前記インターフェースは前記発射スイッチとインターロックスイッチに通信可能に接続されて、発射制御信号とインターロック制御信号を手術用コンソールに伝達するように作動し、かつ
前記手術用コンソールは、前記発射制御信号とインターロック制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動する、請求項24に記載の外科プローブ。
【請求項26】
即応制御信号を発生して前記レーザー装置を待機状態と即応状態との間で切り替えを行う即応スイッチを更に含み、
前記インターフェースは前記発射スイッチと即応スイッチとに通信可能に接続されて、前記発射制御信号と即応制御信号を前記手術用コンソールに伝達するように作動し、かつ
前記手術用コンソールは、前記発射制御信号と即応制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動する、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項27】
前記発射スイッチは、ボタンスイッチ、スライドスイッチ、ばね負荷スイッチ、接触海保方スイッチ、押圧保持型スイッチ、単一作動スイッチからなる群から選択されている、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項28】
前記発射スイッチは押圧保持型スイッチである、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項29】
前記発射スイッチの作動が、前記手術用コンソール上のインターロックスイッチによって不能にされる、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項30】
前記外科プローブがエンドレーザープローブである、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項31】
前記インターフェースは有線インターフェースであり、前記発射制御信号を前記手術用コンソールに伝達するためのケーブルを含む、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項32】
前記インターフェースは無線インターフェースである、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項33】
前記レーザー装置は眼科外科用レーザー装置である、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項34】
顔面からの前記外科プローブの上昇を検出し、かつ検出された上昇に呼応して情報制御信号を発生する上昇センサー組立体を更に含み、
前記インターフェースは前記上昇センサー組立体に通信可能に接続されて、前記上昇制御信号を前記手術用コンソールに伝達し、かつ
前記手術用コンソールは、前記上昇制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御するように作動する、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項35】
前記上昇センサー組立体は、超音波近接センサー、光センサー、高周波信号変調センサー、レーダーセンサー、加速度計からなる群から選択されている、請求項34に記載の外科プローブ。
【請求項36】
前記上昇制御信号は前記手術用コンソールに伝達され、発射の準備のために前記レーザー装置をウォーミングアップするように作動する、請求項34に記載の外科プローブ。
【請求項37】
前記手術用コンソールにおける一つ以上の機能を制御するように作動可能な一つ以上の補助制御信号を発生する一つ以上の補助スイッチを更に含む、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項38】
前記一つ以上の機能がレーザー装置のパワー及びパルス幅を含む、請求項37に記載の外科プローブ。
【請求項39】
前記発射スイッチは連続的作動スイッチであって、その運動範囲の第一時点において、前記レーザー装置を発射の準備のために初期化する初期化制御信号を提供し、次いでその運動範囲の第二時点において、発射制御信号を提供して前記レーザー装置を発射させるように作動可能である、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項40】
前記インターフェースが、光線を前記レーザー装置から受け取って手術部位に伝達するためのハンドピースに伝達するように作動する光ファイバーを更に含む、請求項22に記載の外科プローブ。
【請求項41】
光線をレーザー装置から受け取るハンドピースと、
制御信号を提供して前記レーザー装置を発射させて光線を射出するように作動するスイッチと、
前記スイッチに通信可能に接続され、前記制御信号を前記レーザー装置に伝達するインターフェースとを含む、外科プローブ。
【請求項42】
レーザー装置と外科プローブを含み、前記外科プローブは、
前記レーザー装置からの光線を受け取るように作動するハンドピースと、
制御信号を提供して前記レーザー装置を発射させ、光線を射出するように作動するスイッチとを含む、眼科外科システム。
【請求項43】
手術用コンソールと、
レーザー装置と、
外科プローブとを含む眼科外科システムであって、
前記外科プローブは
前記レーザー装置から光線を受け取るように作動するハンドピースと、
制御信号を提供して前記レーザー装置を発射させ、光線を射出させるスイッチと、
前記スイッチに通信可能に接続され、前記外科プローブを前記手術用コンソールに通信可能に接続するインターフェースとを含み、
前記コンソールは前記制御信号に基づいて前記レーザー装置を制御可能である眼科外科システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−12315(P2008−12315A)
【公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174474(P2007−174474)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【出願人】(500319044)アルコン,インコーポレイティド (87)
【Fターム(参考)】