説明

多機能撹拌伝熱式乾燥方法及びその装置

【課題】原料が団子状となって雪だるま式に肥大化してしまうことを未然に防止でき、しかも原料の供給時及び処理後の排出時での操作性を良好なものとする撹拌伝熱式乾燥手段を提供する。
【解決手段】高い水分含有量を有する原料の投入時における乾燥初期ではシャフト9を正方向側に傾斜して低速回転可能とした破砕・撹拌回転羽根12と、乾燥中期及びそれ以降の低い水分含有量の破砕乾燥原料に対しては、シャフト9を逆方向側に傾斜して高速回転可能とした乾燥・撹拌回転羽根13とを、熱媒ジャケット7によって囲繞した乾燥室内に備える。破砕・撹拌回転羽根12と乾燥・撹拌回転羽根13とは単一のシャフト9に沿って分割並設し、該シャフト9の傾斜は、乾燥室自体を正逆いずれかの方向へ傾倒することによって行う。また、該破砕・撹拌回転羽根12の先端には切欠部14を形成し、該切欠部14に対向する乾燥室内周の伝熱面には破砕刃15を突設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱媒ジャケットによって囲繞された乾燥室内周の伝熱面に沿って原料を巻き上げて破砕・乾燥させる多機能撹拌伝熱式乾燥方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の撹拌伝熱式乾燥装置としては、例えば特許文献1に開示されているように、乾燥室の上部を円筒形状に、下部を円錐形状に形成し、その乾燥室の上部及び下部の円筒状及び円錐状内壁面を伝熱面に形成し、乾燥室の下部に原料投入口を、乾燥室の中央部の円筒状面に乾燥品の排出口をそれぞれ設け、円錐状面下部には残品の排出口を設け、乾燥室の中央に原料を撹拌しながら伝熱面に沿って持ち上げる撹拌翼と、その上方に下降渦流を発生させる送風翼とを同軸に設けた技術が存在する。
【0003】
そして、乾燥装置の使用に際し、先ず、原料を原料投入口から乾燥室内に投入し、モータを起動して回転軸を回転させると同時に蒸気をジャケットに導入して伝熱面を加熱する。そして、回転軸と共に上部の送風翼と下部の撹拌翼が回転し、撹拌翼の羽根は原料を伝熱面に沿って下から上へ加熱しながら持ち上げる。このように羽根の上端部まで持ち上げられた原料は乾燥室の下部の円錐内面状の伝熱面へ落下し、再び羽根により下から上へ伝熱面で加熱されながら持ち上げられる。また、原料が落下したときは、円錐内面状の伝熱面に叩きつけられて、円錐状伝熱面から強力な伝熱を受けて乾燥が促進する。このとき乾燥室の上部の送風翼の上半のファンは、原料から蒸発した水分を排気口から排出させ、下半のファンは、高温の下降渦流を発生して原料を乾燥させる。また投入した原料が乾燥した乾燥品となったときは、排出口を開き乾燥品を回収する。このとき乾燥室の下部の内面が下方に先細る円錐状であることから、残品排出口より残った乾燥品は残らず容易に排出できるものとしている。
【特許文献1】特許第3562640号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した従来における縦型の撹拌伝熱式乾燥装置は、乾燥室の下部を円錐状にすることで底部に集まる原料を撹拌翼の羽根で掻き揚げ易くしているが、処理物によっては撹拌初期において団子状になり易い原料も多く存在する。原料が団子状になると撹拌翼の羽根に付着して雪だるま状態に肥大化してしまう虞がある。更に、従来のような縦型の撹拌伝熱式乾燥装置では、原料の供給時及び処理後の排出時での操作性も劣り、使用後のメンテナンスや清掃も困難であった。
【0005】
そこで、本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、乾燥室内で原料を伝熱面に沿って加熱しながら掻き揚げるに際し、当該原料が団子状となって雪だるま式に肥大化することを未然に防止でき、しかも原料の供給時及び処理後の排出時での操作性を良好なものとすると同時に、使用後のメンテナンスや清掃も容易に行えるものとした多機能撹拌伝熱式乾燥方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明に係る多機能撹拌伝熱式乾燥方法にあっては、高い水分含有量を有する原料の投入時における乾燥初期では、回転軸を破砕・撹拌回転羽根側が下方に位置するように乾燥室を傾斜して該破砕・撹拌回転羽根の低速回転により原料を破砕撹拌しながら乾燥し、乾燥中期及びそれ以降の低い水分含有量の破砕乾燥原料に対しては、該回転軸を乾燥・撹拌回転羽根側が下方に位置するように乾燥室を傾斜して該乾燥・撹拌回転羽根の高速回転により撹拌乾燥を行い、初期破砕乾燥から仕上げ乾燥まで連続に行うことを特徴とする。
【0007】
また、破砕・撹拌回転羽根と撹拌回転羽根とは、正方向への傾斜位置と逆方向への傾斜位置との間を支点軸を中心として傾倒自在とし、回転軸を同軸として回転可能に並設してなることを特徴とする。
【0008】
更に、破砕撹拌時での乾燥室の正方向の傾斜角度を通常15°〜30°とし、撹拌時での逆方向の傾斜角度を通常30°〜75°とし、用途により自由に角度を設定できることを特徴とする。
【0009】
また、使用後の乾燥室内の清掃は、当該乾燥室の一端側を開放して行うことを特徴とする。
【0010】
更に、本発明に係る多機能撹拌伝熱式乾燥装置にあっては、単一の回転軸の一方側に破砕・撹拌回転羽根、他方側に乾燥・撹拌回転羽根を、回転且つ傾倒自在に並設し、両羽根を熱媒ジャケットによって囲繞された乾燥室内に備えてなることを特徴とする。
【0011】
また、破砕・撹拌回転羽根と乾燥・撹拌回転羽根との傾斜は、乾燥室自体を正逆いずれかの方向へ傾倒させることによって行われることを特徴とする。
【0012】
更に、破砕・撹拌回転羽根の先端には切欠部を有し、該切欠部に対向する乾燥室内周の伝熱面には破砕刃を突設してなることを特徴とする。
【0013】
また、乾燥室の一端には脱着可能な蓋部を備え、該蓋部は軸受を介して回転軸を保持していることを特徴とする。
【0014】
上記のように構成された本発明に係る多機能撹拌伝熱式乾燥方法及びその装置にあっては、乾燥初期での高い水分含有量を有する原料は、傾斜した乾燥室内の破砕・撹拌回転羽根の低速回転により破砕しながら乾燥させられ、乾燥中期及びそれ以降での低い水分含有量の破砕乾燥原料は、傾斜した乾燥室内の乾燥・撹拌回転羽根の高速回転により撹拌乾燥させられる。このように両羽根を傾斜させることで、乾燥室内で原料を伝熱面に沿って加熱しながら掻き揚げるに際し、塊になった原料は自重で落下させられるものとなり、これにより当該原料が団子状となって雪だるま式に肥大化することを阻止できるものとなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、乾燥室内で原料を伝熱面に沿って加熱しながら掻き揚げるに際し、当該原料が団子状となって雪だるま式に肥大化してしまうことを未然に防止でき、しかも原料の供給時及び処理後の排出時での操作性を良好なものにすると同時に、使用後のメンテナンスや清掃も容易に行えるものとなった。
【0016】
すなわち、破砕・撹拌回転羽根を使用することにより原料が肥大化する前に当該原料を破砕する機能を達成でき、乾燥初期の水分の高い状態では塊になり易く且つ粘性のある原料であっても、これを破砕撹拌することで原料が団子状となって雪だるま式に肥大化するのを防止でき、羽根による動力負荷を低減させることが可能となった。
【0017】
同時に、破砕・撹拌回転羽根と乾燥・撹拌回転羽根とは単一の回転軸に沿って分割並設され、前記回転軸の傾斜は、乾燥室自体を正逆いずれかの方向へ傾倒させることによって行われるので、乾燥室全体の傾きを変えるだけで両羽根の効用を十分に発揮させることが可能となった。すなわち、乾燥初期では低速回転で破砕機能を有する破砕・撹拌回転羽根側に乾燥室を傾けて低速で破砕しながら乾燥運転を行い、乾燥中期からは高速回転する乾燥・撹拌回転羽根側に乾燥室を傾けて高速で効率良く乾燥を行うことができる。しかも、乾燥状態に合わせて傾きを変えることができるので、様々な原料の物性に合致した効率の良い乾燥装置を得ることが可能となった。
【0018】
また、破砕・撹拌回転羽根の先端には切欠部を有し、該切欠部に対向する乾燥室内周の伝熱面には破砕刃を突設してなるので、原料の破砕が効率良く行えると同時に破砕・撹拌回転羽根により、低速で運転し、初期に破砕することにより動力負荷を低減させることが可能となった。
【0019】
更に、乾燥室の一端には脱着可能な蓋部を備え、該蓋部は軸受を介して回転軸を保持しているので、使用後には、乾燥室を所望の角度に傾けておいてから、蓋部を取り外すことで乾燥室内部の清掃が容易となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明を実施するための最良の一形態を説明する。
【実施例1】
【0021】
本発明に係る多機能撹拌伝熱式乾燥装置を使用した乾燥システムは、図1に示すように、供給ホッパS1下部の原料供給装置S2から乾燥装置S3における乾燥室内への投入口C1に接続し、蒸気圧等の熱媒を供給するためのボイラS8が熱媒供給U1の経路を介して乾燥装置S3の後述する熱媒ジャケットの熱媒入口A1aに接続されている。このとき原料との熱交換によってドレン化した熱媒は、乾燥装置S3の両側下部にある熱媒出口A2a,A2bから熱媒排出U2の経路を介して排出されるようにしている。
【0022】
また、乾燥装置S3の一端側面上部にある排気孔Gは弁を介してダスターS4に接続され、乾燥装置S3から排出された温度の高い空気はダスターS4を通過させてダストを捕集するようにしている。このダスターS4は凝縮器S5に連結され、該凝縮器S5は、凝縮水タンクS6、真空ポンプS7及び、排気送風機S10の各々に接続している。
【0023】
この凝縮器S5は、冷却水給水U3及び冷却水排水U4の各々の経路に接続され、該凝縮器S5内の湿度の高い空気を凝縮してから、凝縮水タンクS6内に貯留し、凝縮水排水U5の経路を介して排水されるようにしている。このとき真空乾燥の場合は真空ポンプS7で吸引し、吸引分離排水U6及び吸引分離排気U7の各々の経路を介して排出される。また、乾燥物によっては常圧(大気圧)にて運転するが、その場合は排気送風機S10で吸引排出されるものとしている。
【0024】
次に、乾燥装置S3の具体的な構成について説明する。この乾燥装置S3は、図2に示すように、架台1の上部において形成された互いに対向する一対の支点軸2間で、内部が乾燥室となったドラム状のケーシング3を揺動自在に支承しており、該ケーシング3の下部一端側と前記架台1との間に配された角度変更機構4によってケーシング3自体を正逆いずれかの方向へ傾倒させることができるようにしている。上記ケーシング3の傾倒に応じ当然のことながら乾燥室も傾倒することになる。なお、以下において該支点軸2を中心として水平面より反時計回り方向を正方向、時計回り方向を逆方向と表現する。
【0025】
上記このケーシング3の傾倒動作においては、例えば、図3(a)に示すように、破砕撹拌時での正方向への傾斜角度を通常15°〜30°とし、同(c)に示すように、撹拌時での逆方向の傾斜角度を通常30°〜75°とするように角度変更機構4の角度調整範囲が設定される。また、用途により自由に角度を設定することができる。
【0026】
また、角度変更機構4としては、原料の大きさや角度仕様によって、例えば空気圧シリンダー、油圧シリンダー、電動シリンダー、ウオームギア減速機構等のいずれかを選択採用することができる。また、ケーシング3の上側他端には点検口C3が設けられ、乾燥室内を上側から覗くことで容易に点検できるようにしている。
【0027】
ケーシング3の両端開口側は、各々の蓋部5,6によって閉塞され、ケーシング3の外周は熱媒ジャケット7によって囲繞されている。該熱媒ジャケット7の熱媒入口A1aは、前記したボイラS8が熱媒供給U1の経路を介して接続されている。このうち一方の蓋部5側には羽根駆動原動機8が付設されており、該羽根駆動原動機8の回転軸であるシャフト9が駆動側軸受10及び軸シール11を介して蓋部5を貫通し、ケーシング3内部の乾燥室に導入されている。
【0028】
上記シャフト9には、破砕・撹拌回転羽根12と乾燥・撹拌回転羽根13とが左右に分割された状態で並設されており、このうち破砕・撹拌回転羽根12側の先端には、図3(b)に示すように、切欠部14を有し、該切欠部14に対向するケーシング3内における乾燥室の内周伝熱面には複数の突起状の破砕刃15を突設している。これによって、ケーシング3内の乾燥室を、破砕・撹拌回転羽根12による破砕撹拌乾燥と、乾燥・撹拌回転羽根13による撹拌乾燥とにそれぞれ2分した構成としている。
【0029】
そして、高い水分含有量を有する原料の投入時における乾燥初期では角度変更機構4によってケーシング3を、図4(a)に示すように、破砕・撹拌回転羽根12側が斜め下方に位置する正方向に傾斜させ、該破砕・撹拌回転羽根12を回転軸であるシャフト9の軸芯を正方向側に傾斜した状態としてインバータにて低速回転させるものとしている。
【0030】
一方、乾燥中期及びそれ以降の低い水分含有量の破砕乾燥原料に対しては、角度変更機構4によってケーシング3を、図4(c)に示すように、乾燥・撹拌回転羽根13側が斜め下方に位置する逆方向に傾斜させ、該乾燥・撹拌回転羽根13を回転軸であるシャフト9の軸芯を逆方向側に傾斜した状態として高速回転させるものとしている。
【0031】
このとき羽根駆動原動機8は、破砕・撹拌回転羽根12及び乾燥・撹拌回転羽根13の回転稼動時間の割合を、一例として、破砕撹拌時に2/5、撹拌時に3/5程度とする。また、これら両羽根12,13の運転は、プログラム制御も可能であって、原料に合わせた最適の運転方法が適宜選択できるものとしている。
【0032】
また、図4(a)及び(b)に示すように、他方の蓋部6はケーシング3に対して脱着可能としており、この蓋部6の下側には処理後の原料を排出させるための排出口C2が設けられている。そして、蓋部6は、ラジアル方向の荷重を支持する軸受16を介して回転軸となるシャフト9を保持している。
【0033】
図4(a)及び(b)には、ケーシング3から他方の蓋部6を取り外す場合の実施例が示されている。ラジアル方向の荷重を支持する軸受16を介してシャフト9を直接保持したままの状態としている。そして、ケーシング3から他方の蓋部6を取り外す場合には、点検口C3を介してケーシング3内にフック棒状の軸サポート17を挿入し、その先端のフック部にシャフト9を係架させてから軸サポート17の末端部を点検口C3に固定する。この状態で蓋部6を取り外せば、シャフト9はケーシング3内でブラ付かせずに中央で安定に保持しておくことができ、これによって乾燥室内を容易に清掃することを可能としているものである。
【0034】
次に、以上のように構成された最良の形態についての使用、動作の一例について説明する。なお、乾燥装置S3の熱源は飽和蒸気の場合を例に説明する。
【0035】
先ず、供給ホッパS1に蓄えられた原料は原料圧送ポンプS2にて乾燥装置S3へ供給される。ボイラS8で発生した飽和蒸気は乾燥装置S3へ熱媒供給U1の経路で供給され、乾燥過程で熱交換されドレン化し熱媒排出U2の経路で排出される。このとき蒸気とドレンとはスチームトラップで分離されドレンは排出される。
【0036】
原料によっては粘性があり団子状になることが多いため、乾燥装置S3内での初期乾燥では、図3(a)及び(b)に示すように、ケーシング3を破砕・撹拌回転羽根12側が斜め下方に位置するように正方向に傾けてから、インバータにて該破砕・撹拌回転羽根12を低速回転させて原料を破砕撹拌しながら乾燥を行う。
【0037】
乾燥中期になると粘性も低くなり原料は乾燥室内で移動し易くなることから、図3(c)及び(d)に示すように、ケーシング3を乾燥・撹拌回転羽根13側が斜め下方に位置するように逆方向に傾けてから高速回転に切り替えて該乾燥・撹拌回転羽根13で撹拌乾燥を行う。
【0038】
このとき、原料は乾燥・撹拌回転羽根13の高速回転により撹拌されるため、伝熱効率が高くなる。また、両羽根12,13の運転はプログラム制御も可能で、原料に合わせた最適の運転方法を選択することができる。
【0039】
また、乾燥を真空状態で行う場合は、原料の沸点は低くなり低温での乾燥が可能となる。例えば、大気圧では約100℃で沸騰するが、真空80torrでは約47℃と沸点が低くなるので低温での乾燥が可能となることになる。特に、低温乾燥が必要なときは温水で乾燥を行うこともできる。
【0040】
そして、乾燥により乾燥装置S3から排出された湿度の高い空気は、ダスターS4を通過してダストを捕集し、凝縮器S5にて凝縮され湿度の低い空気となって排出される。このとき凝縮器S5には冷却水を供給し湿度の高い空気を凝縮させる。そして真空乾燥の場合は、真空ポンプS7で吸引して排出される。また、原料によっては常圧(大気圧)にて運転するが、その場合は排気送風機S10で吸引排出される。
【0041】
乾燥が終了したら、図3(e)に示すように、ケーシング3を乾燥・撹拌回転羽根13側が斜め下方に位置するように逆方向に傾けた状態で排出口C2から乾燥した原料を排出する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明を実施するための最良の形態における多機能撹拌伝熱式乾燥装置を使用した乾燥システムを示す構成図である。
【図2】多機能撹拌伝熱式乾燥装置の具体的な構成を示す断面図である。
【図3】多機能撹拌伝熱式乾燥装置の使用・動作を説明するもので、(a)は乾燥初期において原料を破砕乾燥している状態の断面図、(b)は(a)の一部拡大図、(c)は乾燥中期及びそれ以降において原料を高速で撹拌乾燥している状態の断面図、(d)は(c)の一部拡大図、(e)は処理後の原料を排出している状態の断面図である。
【図4】同じく多機能撹拌伝熱式乾燥装置における乾燥室一端に設けられた蓋部の構成を示し、(a)は蓋部を取り外す前の状態の断面図、(b)は蓋部を取り外した状態の乾燥室の正面図である。
【符号の説明】
【0043】
1 架台
2 支点軸
3 ケーシング
4 角度変更機構
5 蓋部
6 蓋部
7 熱媒ジャケット
8 羽根駆動原動機
9 シャフト(回転軸)
10 駆動側軸受
11 軸シール
12 破砕・撹拌回転羽根
13 乾燥・撹拌回転羽根
14 切欠部
15 破砕刃
16 軸受
17 軸サポート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い水分含有量を有する原料の投入時における乾燥初期では、回転軸を破砕・撹拌回転羽根側が下方に位置するように乾燥室を傾斜して該破砕・撹拌回転羽根の低速回転により原料を破砕撹拌しながら乾燥し、乾燥中期及びそれ以降の低い水分含有量の破砕乾燥原料に対しては、該回転軸を乾燥・撹拌回転羽根側が下方に位置するように乾燥室を傾斜して該乾燥・撹拌回転羽根の高速回転により撹拌乾燥を行うことを特徴とした多機能撹拌伝熱式乾燥方法。
【請求項2】
破砕・撹拌回転羽根と乾燥・撹拌回転羽根とは、正方向への傾斜位置と逆方向への傾斜位置との間を支点軸を中心として傾倒自在とし、回転軸を同軸として回転可能に並設してなることを特徴とする請求項1記載の多機能撹拌伝熱式乾燥方法。
【請求項3】
破砕撹拌時での乾燥室の正方向の傾斜角度を通常15°〜30°とし、撹拌時での逆方向の傾斜角度を通常30°〜75°とし、用途により自由に角度を設定できることを特徴とする請求項2記載の多機能撹拌伝熱式乾燥方法。
【請求項4】
使用後の乾燥室内の清掃は、当該乾燥室の一端側を開放して行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の多機能撹拌伝熱式乾燥方法。
【請求項5】
単一の回転軸の一方側に破砕・撹拌回転羽根、他方側に乾燥・撹拌回転羽根を、回転且つ傾倒自在に並設し、両羽根を熱媒ジャケットによって囲繞された乾燥室内に備えてなることを特徴とする多機能撹拌伝熱式乾燥装置。
【請求項6】
破砕・撹拌回転羽根と乾燥・撹拌回転羽根との傾斜は、乾燥室自体を正逆いずれかの方向へ傾倒させることによって行われることを特徴とする請求項5記載の多機能撹拌伝熱式乾燥装置。
【請求項7】
破砕・撹拌回転羽根の先端には切欠部を有し、該切欠部に対向する乾燥室内周の伝熱面には破砕刃を突設してなることを特徴とする請求項5又は6記載の多機能撹拌伝熱式乾燥装置。
【請求項8】
乾燥室の一端には脱着可能な蓋部を備え、該蓋部は軸受を介して回転軸を保持してなることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか記載の多機能撹拌伝熱式乾燥装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−267737(P2008−267737A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−113613(P2007−113613)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(591079018)株式会社大和三光製作所 (8)
【Fターム(参考)】