多機能装置
【課題】被読取媒体の画像を読み取る画像読取部と、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部とを備えた多機能装置の小型化及び薄型化を実現できる手段を提供する。
【解決手段】原稿の画像を読み取るスキャナ部3と、記録用紙に画像記録を行うプリンタ部2とを備えてなる多機能装置1であって、スキャナ部3とプリンタ部2とが、スキャナ部3を上側にして上下に配置され、且つ装置全体の外形が平面視において略正方形であり、装置上面の正面側に、スキャナ部3及びプリンタ部2に関する指令を入力するための操作キー10と、スキャナ部3及びプリンタ部2に関する情報を表示する液晶表示部11とを備えてなる操作パネル9が設けられたものである。
【解決手段】原稿の画像を読み取るスキャナ部3と、記録用紙に画像記録を行うプリンタ部2とを備えてなる多機能装置1であって、スキャナ部3とプリンタ部2とが、スキャナ部3を上側にして上下に配置され、且つ装置全体の外形が平面視において略正方形であり、装置上面の正面側に、スキャナ部3及びプリンタ部2に関する指令を入力するための操作キー10と、スキャナ部3及びプリンタ部2に関する情報を表示する液晶表示部11とを備えてなる操作パネル9が設けられたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被読取媒体の画像を読み取る画像読取部と、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部とを備えてなる多機能装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリンタ機能やスキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を一体的に備えた装置が実用化されている。このように複数の機能を備えた装置は、一般に多機能装置(Multi Function Device)と呼ばれる。
【0003】
多機能装置には、プリンタ機能やコピー機能、ファクシミリ機能等を実現するために、記録用紙に画像記録を行う画像記録部が設けられている。また、多機能装置には、スキャナ機能やコピー機能を実現するために、原稿の画像を読み取る画像読取部が設けられている。
【0004】
プリンタ機能を実現する際には、多機能装置は、コンピュータ等から送信されたデータに基づいて画像記録部を動作させて、該データに基づく画像や文書を記録用紙に記録する。スキャナ機能を実現する際には、多機能装置は、画像読取部を動作させて、所望の原稿の画像を読み取って画像データに変換する。変換された画像データは、コンピュータ等に送信されたり、記録メディアに書き込まれる。コピー機能を実現する際には、多機能装置は、画像読取部を動作させて、所望の原稿の画像を読み取って画像データに変換し、さらに画像記録部を動作させて、該画像データに基づく画像を記録用紙に記録する。ファクシミリ機能を実現する際には、多機能装置は、画像読取部を動作させて、所望の原稿の画像を読み取って画像データに変換し、該画像データをモデム、NCU及び電話線を通じて送信する。また、多機能装置は、モデム、NCU及び電話線を通じて受信したファクシミリデータを、画像記録部を動作させて記録用紙に記録する。
【0005】
また、画像読取部には、各種機能における指令や設定を入力するために操作パネルが設けられている。操作パネルは、複数の操作キーと表示部とから実現されている。使用者は、表示部に表示された案内や設定を確認しながら操作キーを操作して、多機能装置の各種機能を使用する。このような多機能装置には、設置スペースを小さくするために、小型化及び薄型化の要望がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2005−80129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したような画像読取部及び画像記録部を有する多機能装置では、操作の便宜上、装置の上側に画像読取部を配置し、装置の下側に画像記録部を配置する構成が採用されている。また、操作パネルは、操作キーの操作性や表示部の視認性を考慮すると、装置の上面に配置されていることが望ましい。また、多機能装置により実現される機能が多様化するにつれて、多機能装置の操作が煩雑になるとともに操作キーが増えている。さらに、表示部の視認性を向上するために表示部が大型化されている。これらにより、操作パネルに必要なスペースが大きくなっている。
【0008】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、被読取媒体の画像を読み取る画像読取部と、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部とを備えた多機能装置の小型化及び薄型化を実現できる手段を提供することを目的する。
【0009】
また、本発明の他の目的は、操作キーを効率よく配置して操作パネルの面積を小さくするとともに、操作性を向上することを目的とする。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、操作パネルにおける表示部の視認性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明は、被読取媒体の画像を読み取る画像読取部と、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部とを備えてなる多機能装置であって、上記画像読取部と上記画像記録部とが、画像読取部を上側にして上下に配置され、且つ装置全体の外形が平面視において略正方形であり、装置上面の正面側に、上記画像読取部及び上記画像記録部に関する指令を入力するための操作キーと、上記画像読取部及び上記画像記録部に関する情報を表示する表示部とを備えてなる操作パネルが設けられたものである。
【0012】
画像読取部及び画像記録部は、画像読取部を上側にして上下に配置される。画像読取りの際には、画像読取り毎に、画像読取部の所定の位置に被読取媒体がセットされる。画像記録の際には、給紙トレイ等に所定枚数が予めセットされた被記録媒体が用いられる。したがって、画像読取部を上側に配置することにより、被読取媒体のセットが容易になる。多機能装置は、装置全体の外形が平面視において略正方形となるように構成されている。操作パネルには、操作キー及び表示部が設けられている。使用者は、画像読取りや画像記録の際に、操作キーを用いて所望の入力を行い、また、表示部の表示を確認する。操作パネルが装置上面の正面側に設けられることにより、操作キーによる入力作業や表示部の表示確認が容易になる。
【0013】
(2)また、上記操作キーは、上記表示部の周囲に配置されたものであってもよい。これにより、表示部の周囲のスペースを有効利用できる。
【0014】
(3)また、上記操作キーは、上記表示部の側方に、該表示部の側縁に沿って一列に配置されたものであってもよい。これにより、表示部の側方のスペースを有効利用できる。
【0015】
(4)また、上記表示部は、上記各操作キーに近接する領域に、各操作キーにより入力され得る指令を各操作キーに関連づけて表示するものであってもよい。これにより、使用者は、操作キーを押下することにより入力され得る指令を表示部の表示により認識することができる。
【0016】
(5)また、上記表示部は、装置正面側を軸として操作パネルに対して起伏するように回動可能なものであってもよい。表示部が操作パネルから起立されることにより、装置正面側からの表示部の視認性が向上する。表示部が操作パネルに倒伏されることにより、装置上面側からの表示部の視認性が向上する。
【0017】
(6)また、上記表示部は、上記操作パネルの幅方向の中央に配置されたものであってもよい。これにより、表示部の両側に操作キーを配置することができる。また、操作キーの配置に対する表示部の位置のバランスがよくなる。
【0018】
(7)また、上記画像読取部は、長方形の被読取媒体の長手方向を装置の幅方向にして、静止姿勢の該被読取媒体に対してイメージセンサを走査することにより画像読取りを行うものであり、上記画像記録部は、長方形の被記録媒体の長手方向を装置の奥行き方向にして、該被記録媒体が反転するようにUターン搬送される間に、該被記録媒体に対して記録ヘッドを走査することにより画像記録を行うものであってもよい。
【0019】
画像読取部においては、長方形の被読取媒体の長手方向を装置の幅方向にして画像読取りを行い、画像記録部においては、長方形の被記録媒体の長手方向を装置の奥行き方向にしてUターン搬送を行うことにより、平面視が略正方形の装置の設置面積を小さくすることができる。また、装置の正面側に操作パネルを配置するためのスペースが形成され、スペースを有効活用して、装置全体の小型化が実現される。また、装置の平面視が略正方形であるため、梱包が容易になってコストを抑えることもできる。
【発明の効果】
【0020】
本多機能装置によれば、画像読取部及び画像記録部を、画像読取部を上側にして上下に配置したので、被読取媒体のセットが容易になり、操作性が向上される。また、装置全体の外形が平面視において略正方形となるように構成され、装置上面の正面側に操作パネルが設けられることにより、操作キーによる入力作業や、表示部の表示確認が容易になり、操作性が向上される。また、装置の小型化が実現される。また、装置の平面視が略正方形であるため、梱包が容易になってコストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る多機能装置1の外観構成を示すものである。本多機能装置1は、下部にプリンタ部(画像記録部)2を、上部にスキャナ部3(画像読取部)を一体的に備えたMFD(Multi Function Device)であり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能及びファクシミリ機能を有する。
【0022】
多機能装置1は、主に不図示のコンピュータと接続されて、該コンピュータから送信された画像データや文書データに基づいて、記録用紙に画像や文書を記録するものである。さらに、多機能装置1は、デジタルカメラ等の外部機器と接続されてデジタルカメラから出力される画像データを記録用紙に記録したり、メモリカード等の各種記録媒体を装填して、該記録媒体に記録された画像データ等を記録用紙に記録することが可能である。また、以下に説明する多機能装置1の構成は、本発明に係る画像記録装置の一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲で構成を適宜変更できることは当然である。
【0023】
(プリンタ部)
以下、プリンタ部2の構成について説明する。図1に示すように、多機能装置1の正面側には開口4が形成されており、該開口4を通じて、給紙トレイ20及び排紙トレイ21が多機能装置1に装着される。なお、図1,図4,図10,図12では、給紙トレイ20及び排紙トレイ21が外された状態の多機能装置1を示している。
【0024】
給紙トレイ20には、A4サイズやB5サイズ等の所望のサイズの記録用紙(被記録媒体)が収容される。図2に示すように、給紙トレイ20が多機能装置1に装着されることにより、給紙トレイ20に収容された記録用紙は、その長方形の長手方向が多機能装置1の奥行き方向になる。また、排紙トレイ21は、給紙トレイ20に支持されて、給紙トレイ20の上方に配置される。給紙トレイ20と排紙トレイ21とは、上下二段となって多機能装置1に装着される。
【0025】
多機能装置1に装着された給紙トレイ20の奥側には、分離傾斜板22が配設されている。分離傾斜板22は、給紙トレイ20から繰り出された記録用紙を分離して上方へ案内するものである。
【0026】
分離傾斜板22の上方には、搬送路23が形成されている。搬送路23は、分離傾斜板22の上側から上方且つ多機能装置1の正面側へ曲がって、装置の背面側から正面側へ延出され、さらに、画像記録部24の下側を通過して排紙トレイ21へ通じている。給紙トレイ20から繰り出された記録用紙は、搬送路23により下方から上方へUターンするように案内されて画像記録部24に至る。該記録用紙は、画像記録部24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21に排出される。
【0027】
給紙トレイ20の上側には、給紙ローラ25が設けられている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上に積載された記録用紙を1枚ずつ分離して搬送路23へ供給するものである。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に接離可能に上下動する給紙アーム26の前端に軸支されている。給紙ローラ25は、複数のギアが噛合されてなる駆動伝達機構27により、LFモータ108(図8参照)の駆動が伝達されて回転する。
【0028】
給紙アーム26は、基端側を軸として上下方向に揺動可能に配設されている。給紙アーム26は、装置に給紙トレイ20が装着された状態では、給紙ローラ25を給紙トレイ20に圧接させるように下側に降下する。給紙アーム26は、給紙トレイ20を装置から外す場合に、バネの付勢力等により上側へ跳ね上がる。給紙アーム26が下側へ下降すると、その先端に軸支された給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙に圧接する。その状態で、給紙ローラ25が回転すると、給紙ローラ25のローラ面と記録用紙との間の摩擦力で最上位置の記録用紙が分離傾斜板22へ送り出される。該記録用紙は、その前端が分離傾斜板22に当接して上方へ案内され、搬送路23へ送り込まれる。給紙ローラ25によって最上位置の記録用紙が送り出される際に、その直下の記録用紙が摩擦や静電気の作用によって共に送り出されたとしても、該記録用紙は分離傾斜板22に当接することにより制止される。
【0029】
搬送路23は、画像記録部24等が配設されている箇所以外は、所定間隔で対向する外側ガイド面と内側ガイド面とから構成されている。例えば、多機能装置1の背面側の搬送路23は、外側ガイド面が多機能装置1のフレームと一体に形成され、内側ガイド面は、ガイド部材28がフレーム内に固定されることにより構成されている。搬送路23の所定箇所、特に搬送路23が曲がっている箇所には、搬送コロ29が設けられている。搬送コロ29は、外側ガイド面又は内側ガイド面からローラ面を露出するようにして、搬送路23の幅方向を軸方向として回転自在に設けられている。搬送コロ29によって、搬送路23が曲がっている箇所においてガイド面に接触する記録用紙の搬送が円滑となる。
【0030】
画像記録部24は、記録ヘッド30を搭載して主走査方向へ往復移動する走査キャリッジ31を備えている。記録ヘッド30には、インクタンク32(図3参照)からインクチューブ33を通じてシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給される。記録ヘッド30は、その下面に設けられたノズルから、各インクを微小なインク滴として吐出する。走査キャリッジ31が往復動することにより、記録ヘッド30が記録用紙に対して走査され、プラテン34上を搬送される記録用紙に画像記録が行われる。
【0031】
図3に示すように、画像記録部24が配置される搬送路23の上側には、一対のガイドレール35,36が配設されている。ガイドレール35,36は、記録用紙の搬送方向に隔てて、搬送路23の幅方向に延設されている。走査キャリッジ31は、ガイドレール35,36を跨ぐようにして摺動可能に設けられている。記録用紙の搬送方向の上流側に配設されたガイドレール35は、搬送路23の幅方向の長さが走査キャリッジ31の走査幅より長い平板状のものである。ガイドレール35の上面が、走査キャリッジ31の上流側の端部を摺動自在に担持している。
【0032】
記録用紙の搬送方向の下流側に配設されたガイドレール36は、搬送路23の幅方向の長さがガイドレール35とほぼ同じ長さの平板状のものである。ガイドレール36の上面が、走査キャリッジ31の上流側の端部を摺動自在に担持している。ガイドレール36の搬送方向の上流側の端部37は、上方へ向かって略直角に曲折されている。走査キャリッジ31は、ガイドレール36の端部37を不図示の一対のローラにより狭持している。これにより、走査キャリッジ31は、ガイドレール35,36上に摺動自在に担持され、ガイドレール36の端部37を基準として、搬送路23の幅方向に往復移動する。なお、走査キャリッジ31がガイドレール35,36の上面と接触する部位には、摩擦を低減するための摺動部材が適宜設けられる。
【0033】
ガイドレール36の上面には、ベルト駆動機構38が配設されている。ベルト駆動機構38は、搬送路23の幅方向の両端付近にそれぞれ設けられた駆動プーリ39と受動プーリ40と間に、内側に歯が設けられた無端環状のタイミングベルト41が張架されてなるものである。駆動プーリ39の軸にはCRモータ107(図8参照)から駆動力が入力される。駆動プーリ39の回転により、タイミングベルト41が周運動する。なお、タイミングベルト41は無端環状のもののほか、有端のベルトの両端部を走査キャリッジ31に固着するものを用いてもよい。
【0034】
走査キャリッジ31は、タイミングベルト41に固着されている。タイミングベルト41の周運動により、走査キャリッジ31は、端部37を基準としてガイドレール35,36上を往復移動する。走査キャリッジ31には、記録ヘッド30が搭載されている。したがって、記録ヘッド30は、走査キャリッジ31とともに搬送路23の幅方向を主走査方向として往復移動可能である。ガイドレール36には、端部37に沿ってリニアエンコーダのエンコーダストリップ42が配設されている。リニアエンコーダは、フォトインタラプタによりエンコーダストリップ42を検出する。リニアエンコーダの検出信号に基づいて、走査キャリッジ31の往復移動が制御される。
【0035】
図2に示すように、搬送路23の下側には、記録ヘッド30と対向してプラテン34が配設されている。プラテン34は、走査キャリッジ31の往復移動範囲のうち、記録用紙が通過する中央部分に渡って配設されている。プラテン34の幅は、搬送可能な記録用紙の最大幅より十分に大きいものであり、記録用紙の両端は常にプラテン34の上を通過する。
【0036】
図3に示すように、記録ヘッド30による画像記録範囲外、すなわちプラテン34の両側の記録用紙が通過しない範囲には、パージ機構43及び廃インクトレイ44が配設されている。パージ機構43は、記録ヘッド30のノズル等からインクとともに気泡や異物を吸引除去するものである。パージ機構43は、記録ヘッド30のノズル面を覆うキャップ45を備える。キャップ45には、ポンプ機構が接続されている。また、キャップ45は、移動機構により記録ヘッド30のノズル面に接離される。記録ヘッド30の気泡等の吸引除去を行う際には、記録ヘッド30がキャップ45上に位置するように走査キャリッジ31が移動される。その状態でキャップ45が上方へ移動して記録ヘッド30の下面のノズルを密閉するように密着する。そして、キャップ45と連結されたポンプにより記録ヘッド30のノズルからインクが吸引される。
【0037】
廃インクトレイ44は、走査キャリッジ31の画像記録範囲外であってパージ機構43の反対側に配設されている。廃インクトレイ44は、記録ヘッド30のインクの空吐出を受けるものである。この空吐出は、フラッシングと呼ばれる。パージ機構43及び廃インクトレイ44からなるメンテナンスユニットにより、記録ヘッド30内の気泡や混色インクの除去等のメンテナンスが行われる。
【0038】
インクタンク32は、プリンタ部2の正面右側の筐体内に設けられたインクタンク収容部46に収容されている。インクタンク32は、装置内において、記録ヘッド30を搭載する走査キャリッジ31とは別途に設けられている。インクタンク32から走査キャリッジ31へは、インクチューブ33を通じてインクが供給される。
【0039】
インクタンク32は、詳細には、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクを貯蔵する4個のインクタンク32C,32M,32Y,32Kである。各インクタンク32C,32M,32Y,32Kは、装置筐体内に設けられたインクタンク収容部46の所定の位置にそれぞれ装填されている。各インクタンク32C,32M,32Y,32Kは、合成樹脂製の筐体内に各色インクが充填されたカートリッジ式のものである。各インクタンク32C,32M,32Y,32Kは、インクタンク収容部46の上方からそれぞれ着脱可能である。
【0040】
インクタンク収容部46に装填された各インクタンク32C,32M,32Y,32Kから記録ヘッド30へは、各色毎に独立したインクチューブ33により各色インクが供給される。各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、合成樹脂製のチューブであり、走査キャリッジ31の走査に応じて撓むような可撓性を有する。各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、インクタンク収容部46の各インクタンク収容位置に設けられた各接合部に、その一端側の開口がそれぞれ接続されている。インクチューブ33Cは、上記インクタンク32Cに対応しておりシアン(C)のインクを供給するためのものである。同様に、インクチューブ33M,33Y,33Kは、それぞれ上記インクタンク32M,32Y,32Kに対応しており、それぞれマゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)のインクを供給するためのものである。
【0041】
インクタンク収容部46から導出された各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、装置の幅方向に沿って中央付近まで引き出されて、装置フレーム等の適当な部材に一旦固定されている。そして、該固定部から走査キャリッジ31までの部分は、装置フレーム等に固定されておらず、走査キャリッジ31の往復移動に追従して姿勢変化する。すなわち、走査キャリッジ31が往復移動方向の一端(図3左側)へ移動するに従い、各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、U字形状の湾曲部分の曲げ半径が小さくなるように撓みながら、走査キャリッジ31の移動方向へ移動する。一方、走査キャリッジ31が往復移動方向の他端(図3右側)へ移動するに従い、各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、湾曲部分の曲げ半径が大きくなるように撓みながら、走査キャリッジ31の移動方向へ移動する。
【0042】
図2に示すように、画像記録部24の上流側には、一対の搬送ローラ47及びピンチローラ48が設けられている。搬送ローラ47及びピンチローラ48は、搬送路23を搬送されている記録用紙を狭持してプラテン34上へ搬送する。一方、画像記録部24の下流側には、一対の排紙ローラ49及び拍車ローラ50が設けられている。排紙ローラ49及び拍車ローラ50は、記録済みの記録用紙を狭持して搬送する。搬送ローラ47及び排紙ローラ49は、LFモータ108(図8参照)から駆動力が伝達されて、所定の改行幅で間欠駆動する。搬送ローラ47及び排紙ローラ49の回転は同期されている。ロータリーエンコーダが、搬送ローラ47に設けられたエンコーダディスク51をフォトインタラプタで検出し、ロータリーエンコーダの検出信号に基づいて、搬送ローラ47及び排紙ローラ49の回転が制御される。
【0043】
ピンチローラ48は、搬送ローラ47に所定の押圧力で押圧するように付勢されて回転自在に設けられている。搬送ローラ47とピンチローラ48との間に記録用紙が進入した場合には、ピンチローラ48は記録用紙の厚み分だけ退避して該記録用紙を搬送ローラ47とともに狭持する。これにより、搬送ローラ47の回転力が確実に記録用紙へ伝達される。拍車ローラ50も排紙ローラ49に対して同様に設けられたものであるが、記録済みの記録用紙と圧接するので、記録用紙に記録された画像を劣化させないようにローラ面が拍車状に凹凸されている。
【0044】
搬送ローラ47及びピンチローラ48に狭持された記録用紙は、所定の改行幅でプラテン34上を間欠して搬送される。その改行毎に記録ヘッド30が走査されて、記録用紙の前端側から画像記録が行われる。画像記録が行われた記録用紙の前端側は、排紙ローラ49及び拍車ローラ50に狭持される。つまり、記録用紙は前端側を排紙ローラ49及び拍車ローラ50に狭持され、後端側を搬送ローラ47及びピンチローラ48に狭持された状態で所定の改行幅で間欠して搬送され、改行毎に記録ヘッド30により画像記録が行われる。さらに記録用紙が搬送されると、記録用紙の後端が搬送ローラ47及びピンチローラ48を通過して、これらによる狭持が開放される。つまり、記録用紙は、排紙ローラ49及び拍車ローラ50に狭持されて所定の改行幅で間欠して搬送され、改行毎に記録ヘッド30により画像記録が行われる。記録用紙の所定領域に画像記録を行った後は、排紙ローラ49が連続的に回転駆動される。これにより、排紙ローラ49及び拍車ローラ50により狭持された記録用紙が排紙トレイ21へ排出される。
【0045】
図3に示すように、装置正面側には制御基板52が配設されている。制御基板52から記録ヘッド30へはフラットケーブル53を通じて記録用信号等の伝送が行われる。フラットケーブル53は、電気信号を伝送する導体をポリエステルフィルム等の合成樹脂フィルムで覆って絶縁した薄帯状のものである。フラットケーブル53により、制御基板52と記録ヘッド30の制御基板(不図示)とが電気的に接続されている。フラットケーブル53は、走査キャリッジ31から往復移動方向へ導出され、上下方向に略U字形状に曲折されている。この略U字形状の部分は、他の部材に固定されておらず、走査キャリッジ31の往復移動に追従して姿勢変化する。
【0046】
(スキャナ部)
以下、スキャナ部3の構成について詳述する。
図1、図4及び図5に示すように、スキャナ部3は、FBS(Flatbed Scanner)として機能する原稿載置台5に対して、自動原稿搬送機構(ADF:Auto Document Feeder、以下「ADF」という。)6を備えた原稿カバー7が、背面側の蝶番を介して開閉自在に取り付けられてなる。原稿載置台5は、多機能装置1の筐体であり、装置上面の一部を構成している。また、原稿カバー7も、装置の上面の一部を構成している。なお、本実施形態においては、ADF6の構造及び機能は直接関係がないので、図4においては、ADF6用の原稿搬送用開口(原稿画像面露出用開口)は省略されている。
【0047】
図4に示すように、原稿載置台5の上面にはプラテンガラス60が配設されており、図1に示すように原稿カバー7が閉じられた状態では、プラテンガラス60は原稿カバー7に覆われる。この状態で、原稿カバーが装置上面の一部となる。原稿カバー7の下面には、プラテンガラス60上に載置された原稿を押さえるために、スポンジ及び白板等からなる押さえ部材62が配設されている。図5に示すように、原稿載置台5の内部には、画像読取ユニット61が内蔵されている。スキャナ部3をFBSとして使用する場合は、原稿カバー7を開いてプラテンガラス60上に原稿を載置する。プラテンガラス60は、A4サイズ以下の原稿が載置可能であり、長方形の原稿の長手方向を多機能装置1の幅方向としてプラテンガラス60上に載置される。そして、原稿カバー7が閉じられて、原稿がプラテンガラス60上に固定される。画像読取ユニット61がプラテンガラス60に沿って走査されることにより、FBSによる原稿の画像読取りが行われる。
【0048】
プラテンガラス60は、スキャナ部3をFBSとして使用する場合に原稿を載置するものであり、例えば透明なガラス板である。プラテンガラス60の一端側は、原稿搬送ローラ98(図8参照)の下方にまで至っており、ADF6を用いて画像読取りを行う際の読取面をも構成している。
【0049】
図5は、原稿載置台5の内部構成を示すものである。原稿載置台5の筐体の下フレーム63内には、画像読取ユニット61が配設されている。中央にプラテンガラス60を露出するための開口が形成された上カバー71(図6参照)が下フレーム63に嵌合されて、原稿載置台5の筐体が構成される。下フレーム63及び上カバー71は共に合成樹脂製のものである。下フレーム63は、底板を構成するベース部64と、ベース部64の周囲から起立した側壁65と、画像読取ユニット61が配設される部分と操作パネル9の基板等が配設される部分とを仕切る仕切板66とが一体的に成形されたものである。なお、下フレーム63には、さらに、プラテンガラス60を支持するための支持リブや、各種部材をネジ止めするためのボス部、電気配線等のための貫通孔等が設けられているが、これらは原稿載置台5の実施態様に応じて適宜設計されるものなので、詳細な説明は省略する。
【0050】
画像読取ユニット61は、コンタクトイメージセンサ(Contact Image Sensor)67、キャリッジ68、ガイドシャフト69、及びベルト駆動機構70から構成されている。コンタクトイメージセンサ67は、光源を発光させて原稿に光を照射し、原稿からの反射光をレンズにより光電変換素子に導き、光電変換素子が反射光強度に応じた電気信号を出力するいわゆる密着型のイメージセンサである。コンタクトイメージセンサ67は、キャリッジ68に搭載されて、プラテンガラス60の下方を往復移動される。キャリッジ68は、下フレーム63の幅方向に渡って架設されたガイドシャフト69と嵌合し、ベルト駆動機構70により駆動されて、ガイドシャフト69上を摺動するように移動される。キャリッジ68が、コンタクトイメージセンサ67をプラテンガラス60に密着させるように搭載してガイドシャフト69上を移動されることにより、コンタクトイメージセンサ67がプラテンガラス60と平行に移動される。
【0051】
図6に示すように、キャリッジ68は、その上側に担持するようにしてコンタクトイメージセンサ67を搭載している。キャリッジ68の下面には、ガイドシャフト69を上方から跨ぐようにして嵌合するシャフト受け部72が形成されている。シャフト受け部72とガイドシャフト69とが嵌合して、キャリッジ68がガイドシャフト69に担持され、ガイドシャフト69の軸方向にキャリッジ68が摺動自在となっている。シャフト受け部72の側方には、ベルト掴持部73が下方へ突設されている。ベルト掴持部73が、ベルト駆動機構70のタイミングベルト74を掴むことにより、タイミングベルト74とキャリッジ68とが連結される。これにより、ベルト駆動機構70からキャリッジ68に駆動力が伝達されて、ガイドシャフト69上をキャリッジ68が移動する。
【0052】
キャリッジ68の内側には、バネ受け部75が左右2箇所に形成されている。バネ受け部75により位置決めされて、コンタクトイメージセンサ67とキャリッジ68との間にコイルバネ76が介設されている。コイルバネ76により、キャリッジ68に搭載されたコンタクトイメージセンサ67がプラテンガラス60の下面に押し付けられるように密着される。コンタクトイメージセンサ67の両端側には、コロ77が設けられている。コロ77により、プラテンガラス60の下面に押し付けられたコンタクトイメージセンサ67が、キャリッジ68の移動に伴いプラテンガラス60の下面に密着しながら円滑に移動する。
【0053】
図7に示すように、ベルト駆動機構70は、駆動プーリ78と従動プーリ79との間にタイミングベルト74が巻架されて構成されている。タイミングベルト74は、内側に歯が形成された無端ベルトである。駆動プーリ78の軸には、CRモータ112(図8参照)の回転が出力される。駆動プーリ78の回転を受けて、タイミングベルト74が周運動する。駆動プーリ78は、下フレーム63の左奥に配設されている。駆動プーリ78に巻かれたタイミングベルト74は、下フレーム63の正面側へ延出され、ガイドシャフト69の手前に配設された中間プーリ80に巻かれて略直角に曲折し、ガイドシャフト69に沿って下フレーム63の右端まで延出され、該右端付近に配設された従動プーリ79に巻かれることにより、L字状に架設されている。タイミングベルト74の従動プーリ79から中間プーリ80の間の部分、すなわちガイドシャフト69に沿った部分を、キャリッジ68のベルト掴持部73が掴む。これにより、タイミングベルト74とキャリッジ68とが連結される。なお、タイミングベルト74には、無端ベルト以外に、ベルトの両端部がキャリッジ68に固着された有端ベルトを用いることができることは言うまでもない。
【0054】
図1に示すように、原稿カバー7には、原稿トレイ81からADF6内部に形成された原稿搬送路を経て原稿排出トレイ83へ原稿を連続搬送するADF6が備えられている。ADF6による搬送過程において、原稿がプラテンガラス60の読取面を通過し、読取面の下方に待機する画像読取ユニット61が、該原稿の画像を読み取るようになっている。なお、本発明においてADF6は任意の構成であり、スキャナ部3がADF6を具備せず、FBSとしてのみ画像読取を行うものであってもよい。したがって、ADF6の詳細な説明については省略する。
【0055】
スキャナ部3をFBSとして使用する場合には、キャリッジ68がプラテンガラス60の下方をプラテンガラス60と平行に移動されて、キャリッジ68に搭載されたコンタクトイメージセンサ82がプラテンガラス60上に載置された原稿の画像を読み取る。ADF6を使用する場合には、キャリッジ68がプラテンガラス60の読取面の下方に移動して静止し、コンタクトイメージセンサ82が読取面を通過する原稿の画像を読み取る。
【0056】
なお、本実施の形態では、画像読取ユニット61としてコンタクトイメージセンサ82が用いられているが、コンタクトイメージセンサ82に代えて、CCD(Charge Coupled Device)のような縮小光学系のイメージセンサを用いても、本発明の効果が得られることは勿論である。
【0057】
(制御部)
以下、上記プリンタ部2及びスキャナ部3の動作を制御する制御部について説明する。図8は、多機能装置1の制御部100の構成を示している。制御部100は、プリンタ部2及びスキャナ部3を含む多機能装置1の動作を制御するものである。制御部100は、図に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)104を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス105を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)106に接続されている。
【0058】
ROM102には、多機能装置1の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。
【0059】
ASIC106は、CPU101からの指令に従い、プリンタ部2のCRモータ107又はLFモータ108にそれぞれ通電する相励磁信号等を生成して、該信号をCRモータ107又はLFモータ108の駆動回路109,110に付与する。駆動回路109,110を介して駆動信号がCRモータ107又はLFモータ108に通電されることにより、CRモータ107及びLFモータ108の回転制御が行われる。
【0060】
駆動回路109は、プリンタ部2の走査キャリッジ31に接続されたCRモータ107を駆動させるものである。駆動回路109は、ASIC106からの出力信号を受けて、CRモータ107を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたCRモータ107が回転し、CRモータ107の回転力がベルト駆動機構38を介して、走査キャリッジ31へ伝達されることにより走査キャリッジ31が走査される。
【0061】
駆動回路110は、プリンタ部2の給紙ローラ25、搬送ローラ47、排紙ローラ49及びパージ機構43に接続されたLFモータ108を駆動させるものである。駆動回路110は、ASIC106からの出力信号を受けて、LFモータ108を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたLFモータ108が回転し、LFモータ108の回転力がギアや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して、給紙ローラ25、搬送ローラ47、排紙ローラ49及びパージ機構43へ伝達される。
【0062】
駆動回路111は、記録ヘッド30から所定のタイミングでインクを記録用紙に対して選択的に吐出させるものである。駆動回路111は、CPU65から出力される駆動制御手順に基づいてASIC106において生成された出力信号を受けて、記録ヘッド30を駆動制御する。
【0063】
ASIC106には、プリンタ部2の搬送ローラ47の回転量を検出するためのロータリーエンコーダ、走査キャリッジ31の移動量を検出するためのリニアエンコーダ等が接続されている。これらロータリーエンコーダやリニアエンコーダの検出信号に基づいて、CPU101がASIC106に指令を出力し、該指令に従ってASIC106がCRモータ107及びLFモータ108にそれぞれ通電する相励磁信号等を生成する。
【0064】
ASIC106は、CPU101からの指令に従い、スキャナ部3のCRモータ112又はADF6のLFモータ113にそれぞれ通電する相励磁信号等を生成して、該信号をCRモータ112又はLFモータ113の駆動回路114,115に付与する。駆動回路114,115を介して駆動信号がCRモータ112又はLFモータ113に通電されることにより、CRモータ112及びLFモータ113の回転制御が行われる。
【0065】
駆動回路114は、スキャナ部3のキャリッジ68に接続されたCRモータ112を駆動させるものである。駆動回路114は、ASIC106からの出力信号を受けて、CRモータ112を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたCRモータ112が回転し、CRモータ112の回転力が周知の走査機構を介して、キャリッジ68へ伝達されことによりキャリッジ68が移動される。
【0066】
駆動回路115は、ADF6の搬送ローラ等の駆動部分に接続されたLFモータ113を駆動させるものである。駆動回路115は、ASIC106からの出力信号を受けて、LFモータ113を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたLFモータ113が回転し、LFモータ113の回転力がギアや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して、ADF6の搬送ローラ等へ伝達される。
【0067】
ASIC106には、スキャナ部3において原稿の画像読取りを行うコンタクトイメージセンサ67が接続されている。ASIC106は、CPU101の指令に基づいて、コンタクトイメージセンサ67の光源から光を照射するための電気信号や光電変換素子から画像データを出力するためのタイミング信号をコンタクトイメージセンサ67に付与する。コンタクトイメージセンサ67は、これら信号を受けて、所定のタイミングで原稿に光を照射し、光電変換素子により変換された画像データを出力する。
【0068】
ASIC106には、多機能装置1に所望の指令を入力する操作キー10を制御するパネルゲートアレイ116が接続されている。パネルゲートアレイ116は、操作キー10の押下を検出して、所定のコード信号を出力する。このキーコードは、複数の操作キー10に対応して割り当てられており、特に、液晶表示部(表示部)11の周囲に配置された操作キー10に対しては、液晶表示部11の表示に関連して複数のキーコードが付与されている。CPU101は、パネルゲートアレイ116から所定のキーコードを受信すると、所定のキー処理テーブルに従って、実行すべき制御処理を行う。キー処理テーブルは、キーコードと制御処理とを対応させてテーブル化したものであり、例えば、ROM102に記憶されている。
【0069】
ASIC106には、液晶表示部11の画面表示を制御するLCDコントローラ117が接続されている。LCDコントローラ117は、CPU101の指令に基づいて、液晶表示部11にプリンタ部2又はスキャナ部3の動作に関する情報を画面に表示させる。
【0070】
また、ASIC106には、各種小型メモリカードが挿入されるスロット部8、コンピュータとパラレルケーブル又はUSBケーブルを介してデータの送受信を行うためのパラレルインタフェース118及びUSBインタフェース119が接続されている。さらに、ASIC106には、ファクシミリ機能を実現するためのNCU(Network Control Unit)120やMODEM121が接続されている。
【0071】
(操作パネル)
以下、多機能装置1の操作パネルについて説明する。図1に示すように、原稿載置台5の正面側には、操作パネル9が設けられている。操作パネル9は、各種操作キー10と液晶表示部11とを具備する。使用者は、操作パネル9を用いて、所望の指令を入力する。多機能装置1は、所定の入力を受けて所定の動作を行う。多機能装置1は、操作パネル9へ入力された指令のほか、コンピュータに接続されて該コンピュータからプリンタドライバやスキャナドライバ等を介して送信される指令によっても動作する。
【0072】
多機能装置1の正面の左上部には、記録媒体である各種小型メモリカードを装填可能なスロット部8が設けられている。スロット部8に装填された小型メモリカードに記録された画像データを読み出してその画像データに関する情報を液晶表示部11に表示させ、任意の画像をプリンタ部3により記録用紙に記録させることができる。このための入力は、操作パネル9から行われる。
【0073】
図9に示すように、液晶表示部11は、平面視が横長矩形であり、その縦寸法が操作パネル9の奥行き寸法より若干小さいものである。したがって、液晶表示部11の奥側及び手前側には、操作パネル9に操作キー10を配置するためのスペースがない。換言すれば、液晶表示部11は、操作パネル9に配置可能な大きさで大型化されている。このような大型の液晶表示部11を用いることにより、液晶表示部11に表示された文字や画像等の視認性が向上する。
【0074】
液晶表示部11は、操作パネル9の幅方向の中央に配置されている。液晶表示部11の幅寸法は、操作パネル9の幅寸法に比べて十分に小さい。したがって、液晶表示部11の側方には、操作パネル9に操作キー10を配置するためのスペースがある。液晶表示部11を操作パネル9の中央に配置することにより、液晶表示部11の左右両側に操作キー10を配置することができる。これにより、操作キー10の配置に対する液晶表示部11の位置のバランスがよくなる。
【0075】
操作キー10は、液晶表示部11の周囲に設けられた操作キー10A、操作パネル9の右端側に設けられた操作キー10B、操作パネル9の左端側に設けられた操作キー10Cの3つに大別される。
【0076】
操作キー10Aは、液晶表示部11の周囲であって、左右の両側方に液晶表示部11の側縁に沿って各々一列に配置されている。このように、液晶表示部11の左右両側に操作キー10Aを配置することにより、液晶表示部11の側方のスペースを有効利用できる。
【0077】
操作キー10Aは、ファクシミリモード、コピーモード、スキャンモード等の各モードを切り替えるためのモードキーであり、さらに各モードにおける各種設定を行うための設定キーも兼ねている。つまり、操作キー10Aには、複数の入力が割り当てられており、各操作キー10Aを押下することにより入力される内容は、液晶表示部11に表示される。この操作キー10Aと液晶表示部11の表示との関係は後述する。
【0078】
操作キー10Bは、多機能装置1の電源をオン/オフするための電源キー、制御部100に登録された電話帳や短縮ダイヤルの検索、通話音量や警告音、入力確認音の音量の変更、各種設定を確定するためのナビゲーションキー、画像記録や画像読取りの開始を入力するためのスタートキー、各種処理の中断を入力するためのストップキー等を備えている。また、操作キー10Cは、電話番号の入力等のためのダイヤルキー等を備えている。なお、操作キー10B及び操作キー10Cの種類は一例であり、本発明の操作キーがこれらに限定されないことは当然である。
【0079】
液晶表示部11は、図1に示すように、その表面と操作パネル9の表面とが同一面となるように、操作パネル9に倒伏する。この液晶表示部11の姿勢を倒伏姿勢と呼ぶ。一方、液晶表示部11は、図10に示すように、操作パネル9に対して起立するように回動可能である。この液晶表示部11の姿勢を起立姿勢と呼ぶ。液晶表示部11が倒伏姿勢にされることにより、液晶表示部11が操作パネル9の表面から突出することがなく、操作パネル9の外観が向上される。また、多機能装置1の上側からの液晶表示部11の表示の視認性が向上される。一方、液晶表示部11が起立姿勢とされることにより、多機能装置1の正面側からの液晶表示部11の表示の視認性が向上される。
【0080】
このような液晶表示部11の回動は、液晶表示部11に設けられた軸12(図11参照)が原稿載置台5に軸支されることにより実現される。液晶表示部11は、所定の厚みの平板形状をなす筐体の内部に、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)が表面側から視認可能に配設されてなる。図には示してないが、液晶表示部11の裏面側からはフラットケーブルが延出され、該フラットケーブルが制御基板52(図3参照)に接続されることにより、制御基板52から電気信号を受けて所定の画面が液晶ディスプレイに表示される。
【0081】
図11に示すように、液晶表示部11の筐体の側面には、軸12が側方へ突設されている。この軸12が原稿載置台5の操作パネル9の中央付近において軸支されることにより、液晶表示部11が軸12回りに回動可能になる。軸12は、倒伏姿勢における装置正面側(図11左側)であって厚み方向の下側の隅部付近から、水平方向(図11手前側)に突出している。図には表れていないが、液晶表示部11の対向する側面にも同様の軸12が設けられている。
【0082】
図11に示すように、原稿載置台5に軸支された液晶表示部11の軸12の上側に嵌合するようにして、係合部材13が配設されている。液晶表示部11が原稿載置台5に軸支された状態において、係合部材13は原稿載置台5に固定されている。係合部材13には、軸12の周方向に並ぶようにして、複数の係止爪14が形成されている。液晶表示部11には、その先端が、隣り合う係止爪14間に合致するように山折り状に曲折された板バネ15が突設されている。
【0083】
図11に示すように、液晶表示部11が倒伏姿勢の場合には、板バネ15は倒伏側端の係止爪14と係合する。倒伏姿勢の液晶表示部11を起立姿勢とするために回動させるには、板バネ15の山折れ状の先端を、係止爪14の先端より軸12の径方向外側へ弾性変形させる必要がある。換言すれば、そのように板バネ15を弾性変形させる力を液晶表示部11に付与しなければ、液晶表示部11は回動されない。これにより、倒伏姿勢の液晶表示部11が回動方向へがたつくことが防止される。
【0084】
使用者が、倒伏姿勢の液晶表示部11の先端部分を持って起立させるように回動させれば、使用者が付与した回動力により、板バネ15の先端は係止爪14に沿って軸12の径方向外側へ弾性変形する。そして、板バネ15の先端が、倒伏側端の係止爪14の先端を超えると、山折れ状に曲折された板バネ15の先端は、その係止爪14とそれに隣接する係止爪14との間の谷間に係合するようにして、軸12の径方向内側へ復元する。板バネ15の先端が係止爪14間の谷間に係合した状態から、液晶表示部11を起立方向又は倒伏方向のいずれに回動させるにも、板バネ15の山折れ状の先端を、係止爪14の先端より軸12の径方向外側へ弾性変形させる力を付与する必要がある。換言すれば、液晶表示部11を使用者がさらに回動させない限り、液晶表示部11は、板バネ15の先端が係止爪14間の谷間に係合した状態で、姿勢を維持する。
【0085】
使用者が、さらに液晶表示部11を回動させると、前述と同様に、板バネ15の先端は係止爪14に沿って軸12の径方向外側へ弾性変形して、板バネ15の先端が、所定の係止爪14の先端を超えると、山折れ状の曲折された板バネ15の先端は、その係止爪14とそれに隣接する係止爪14との間の谷間に係合するようにして、軸12の径方向内側へ復元する。そして、液晶表示部11を使用者がさらに回動させない限り、液晶表示部11は、板バネ15の先端が係止爪14間の谷間に係合した状態で、その姿勢を維持する。このような係止爪14と板バネ15との係合により、所定の回動位置で液晶表示部11の姿勢が維持される。つまり、液晶表示部11を係止爪14と板バネ15が係合する所定の姿勢に仮固定することができる、所謂チルト機構が実現される。
【0086】
図12に示すように、原稿載置台5は、プリンタ部2を構成する装置下部に対して上側に開くように回動可能である。原稿載置台5は、プリンタ部2を構成する装置下部の筐体16の側方(図12左側)にヒンジ機構を介して連結されている。このヒンジ機構により、原稿載置台5が筐体16に対して可動可能になっている。
【0087】
図12に示すように、原稿載置台5が上側へ開かれることにより、筐体16の内部、すなわちプリンタ部2の内部が露出される。この状態で、インクタンク32の交換や搬送路23におけるジャム処理等のメンテナンスを行うことができる。操作パネル9は、原稿載置台5の上面の正面側に設けられているので、原稿載置台5とともに回動する。一方、操作パネル9のうち、液晶表示部11を回動可能に軸支する部分、すなわち液晶表示部11の両側の部分は原稿載置台5とともに回動せず、筐体16に固定されている。この部分を固定部分17と呼ぶ。
【0088】
液晶表示部11を操作パネル9に対して回動可能にするには、その軸12を軸支する部分(固定部分17)を操作パネル9に設ける必要がある。その固定部分17に、操作キー10Aを配置することにより、液晶表示部11の両側の固定部分のスペースが有効利用される。
【0089】
以下、操作キー10Aと液晶表示部11の表示との関係について説明する。液晶表示部11は、各操作キー10Aに近接する領域、すなわち液晶表示部11の画面の左右の領域に、各操作キー10Aにより入力され得る指令を各操作キー10Aに関連づけて表示する。これにより、使用者は、各操作キー10Aを押下することにより入力され得る指令を液晶表示部11の表示により認識することができる。
【0090】
図13に示すように、液晶表示部11の左右には、各々4つの操作キー10Aが配置されている。液晶表示部11の右側に配置された4つの操作キー130,131,132,133はモードキーであり、図14に示すように、これらを押下することにより多機能装置1の主機能選択が行われる(S1)。そして、押下された操作キー130,131,132,133に応じて、ファクシミリ機能(S2)、コピー機能(S3)、スキャナ機能(S4)、又はメディア機能(S5)が設定される。液晶表示部11の左側に配置された4つの操作キー134,135,136,137は、各機能において各種設定を入力したり画面を移動する際に用いられる。
【0091】
図13に示すように、液晶表示部11の画面は、内容表示領域140とキー入力表示領域141とを有する。内容表示領域140は画面の中央部に配置されている。内容表示領域140には、待機状態では現在の日付や時刻が表示され、各機能においては各種設定や画像が表示される。キー入力表示領域141は、画面の左右の端部に分かれて配置されている。キー入力表示領域141は、各操作キー130〜137により入力され得る指令を表示するものである。本実施の形態では、液晶表示部11の左右両側に操作キー130〜137が配置されているので、キー入力表示領域141は画面の左右の端部に配置されている。なお、操作キーが液晶表示部11の左右のいずれか一方にのみ配置されている場合には、キー入力表示領域141も画面の左右いずれか一方にのみ配置すればよい。
【0092】
なお、キー入力表示領域141の配置は、画面の左右に限定されるものではないが、本実施の形態のように液晶表示部11が横長矩形である場合には、液晶表示部11の画面の左右端をキー入力表示領域141とすることにより、内容表示領域140及びキー入力表示領域141を共に見やすいレイアウトにすることができる。また、各操作キー130〜137及び液晶表示部11が横長に配置されるので、これらを多機能装置1の正面側に配置する際にスペースの効率がよい。
【0093】
キー入力表示領域141は、各操作キー130〜137に対応して複数のサブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、最も近接する操作キー130〜137により入力され得る指令が表示される。すなわち、画面右側のキー入力表領域141は、画面の右側に縦一列に配置された4つの操作キー130〜133に対応して、縦に4分割されたサブ領域150〜153を有している。サブ領域150は、操作キー130に対応しており、サブ領域151は、操作キー131に対応しており、サブ領域152は、操作キー132に対応しており、サブ領域153は、操作キー133に対応している。
【0094】
画面左側のキー入力表領域141は、画面の左側に縦一列に配置された4つの操作キー134〜137に対応して、縦に4分割されたサブ領域154〜157を有している。サブ領域154は、操作キー134に対応しており、サブ領域155は、操作キー135に対応しており、サブ領域156は、操作キー136に対応しており、サブ領域157は、操作キー137に対応している。これにより、使用者は、複数の操作キー130〜137のうちいずれの操作キーを押下することにより如何なる指令が入力されるかを、各サブ領域150〜157の表示により認識することができる。
【0095】
図13は、待機状態の多機能装置1の画面表示(第1の表示画面)を示している。図には示していないが、内容表示領域140には、現在の日付や時刻が表示される。サブ領域150には「Media」の表示がなされる。これは、操作キー130が押下されることにより、メディア機能が実行されることを意味する。サブ領域151には「COPY」の表示がなされる。これは、操作キー131が押下されることにより、コピー機能が実行されることを意味する。サブ領域152には「FAX」の表示がなされる。これは、操作キー132が押下されることにより、ファクシミリ機能が実行されることを意味する。サブ領域153には「SCAN」の表示がなされる。これは、操作キー133が押下されることにより、スキャナ機能が実行されることを意味する。
【0096】
なお、サブ領域154〜157の表示は特に示していないが、待機状態において操作キー134〜137が押下されることにより入力される指令がない場合には、ブランク表示とすればよい。一方、待機状態において操作キー134〜137が押下されることにより何らかの指令が入力される場合には、その指令を意味する表示を表示させればよい。なお、本実施の形態において示した表示の順序や言語は一例であり、本発明が本実施の形態に示された表示の順序や言語に限定されないことは言うまでもない。
【0097】
図14に示すように、待機状態において、操作キー130〜133のいずれかが押下されることにより(S1)、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされる。すなわち、待機状態において操作キー130が押下されると、メディア機能が実行可能になる(S2)。また、待機状態において操作キー131が押下されると、コピー機能が実行可能になる(S3)。また、待機状態において操作キー132が押下されると、ファクシミリ機能が実行可能になる(S4)。また、待機状態において操作キー133が押下されると、スキャン機能が実行可能になる(S5)。
【0098】
制御部100は、各操作キー130〜137により入力され得る指令を階層構造として保持している。第1の階層の指令は、各機能を選択するための選択指令であり、第2の階層の指令は、各機能における各種設定のための指令である。つまり、待機状態においてサブ領域150〜153に表示された「Media」、「COPY」、「FAX」、及び「SCAN」に基づく各指令は第1の階層を構成する。そして、第1の階層に指令に対応して、各機能の設定を入力されるための指令により第2の階層が構成されている。
【0099】
図15は、待機状態において「Media」の表示に対応する操作キー130が押下された場合の液晶表示部11の画面表示(第2の表示画面)を示している。これによりメディア機能の実行や各種設定が行われる。メディア機能とは、スロット部8に装填された小型メモリカードに記憶された画像データを読み出して印刷等を行う機能である。この画面においても、画面中央に内容表示領域140が配置され、画面の左右にキー入力表示領域141が配置されている。キー入力表示領域141は、同様に、操作キー130〜137に対応して、サブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、操作キー130〜137により入力され得る第2の階層の指令が表示されている。
【0100】
図15に示すように、内容表示領域140の画面上側には、第1の階層の指令を表示する機能表示領域142が設けられている。機能表示領域142には、第1の表示画面において入力された第1の階層の指令が表示される。図15では、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。これにより、使用者は、各機能の設定画面(第2の表示画面)において、いずれの第1の階層の下の第2の階層の指令を行っているかを認識することができるので、操作性が向上される。
【0101】
図15に示すように、内容表示領域140には、「View Photos」、「Print Index」、「Print All Photos」、及び「Print Photos」の4つが選択可能であることが表示される。「View Photos」は、小型メモリカードに記憶された画像データの画像を液晶表示部11に表示させる機能である。「Print Index」は、小型メモリカードに記憶された画像データの画像をインデックスプリントする機能である。「Print All Photos」は、小型メモリカードに記憶された全画像データの画像を印刷する機能である。「Print Photos」は、小型メモリカードに記憶された画像データのうち任意の画像データの画像を選択して印刷する機能である。
【0102】
図15に示すように、サブ領域150〜153には、「View Photos」、「Print Index」、「Print All Photos」、「Print Photos」がそれぞれ表示される。サブ領域157には、「top」が表示される。「top」の表示は、操作キー137が押下されることにより、図13に示す待機画面に復帰することを意味する。この画面において、操作キー130〜133のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した機能がそれぞれ実行される。また、操作キー137が押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、液晶表示部11の表示が待機状態の画面となる。これにより、使用者は、操作キー130〜137をそれぞれ押下することにより、前述した各機能が実行されることを認識できる。また、各操作キー130〜137に第1の階層の指令と第2の階層の指令とを割り当てることができるので、指令数に対する操作キー数を少なくすることができる。
【0103】
図16は、図15において「View Photos」の表示に対応する操作キー130が押下された場合の液晶表示部11の画面表示を示している。これにより、小型メモリカードに記憶された画像データの基づく画像を液晶表示部11で確認することができる。液晶表示部11の機能表示領域142には、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。また、キー入力表示領域141が表示されず、内容表示領域140が横幅を拡大して表示される。内容表示領域140には、小型メモリカードに記憶された画像データのうちの1つの画像データの画像が表示される。使用者は、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーを操作することにより、別の画像データの画像を内容表示領域140に表示させることができる。また、ストップキーを押下することにより、画像表示が終了する。
【0104】
図17(a)は、図15において「Print Index」の表示に対応する操作キー131が押下された場合の液晶表示部11の画面表示を示している。これにより、小型メモリカードに記憶された画像データの基づく画像をインデックスプリントすることができる。液晶表示部11の機能表示領域142には、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。内容表示領域140には、「6 images/Line fast」及び「5 images/Line fine」の2つが選択可能であることが表示される。「6 images/Line fast」は、インデックスプリントにおいて1行当たり6画像が印刷される設定である。「5 images/Line fine」は、インデックスプリントにおいて1行当たり5画像が印刷される設定である。1行当たり5画像の場合は、1行当たり6画像の場合より印刷速度が遅いが、印刷品質がよくなる。
【0105】
図17(a)に示すように、サブ領域150,151には、「6 images/Line fast」、「5 images/Line fine」がそれぞれ表示される。この画面において、操作キー130,131のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされる。そして、図17(b)に示す画面が表示される。この画面では、液晶表示部11の機能表示領域142には、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。内容表示領域140には、「Print Range Input No.」が表示される。そして、操作キー10Cに含まれるダイヤルキーによりインデックスプリントを行う画像データの範囲が入力される。そして、操作キー10Bに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づくインデックスプリントがプリンタ部2により実行される。
【0106】
図18は、図15において「Print All Photos」又は「Print Photos」の表示に対応する操作キー132,133が押下された場合の液晶表示部11の画面表示を示している。これにより、小型メモリカードに記憶された画像データの基づく画像がプリンタ2により印刷される。液晶表示部11の機能表示領域142には、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。
【0107】
内容表示領域140には、「Print All Photos」又は「Print Photos」において入力可能な各種設定及び現在の設定状況が表示される。具体的には、内容表示領域140には、「Print quality」、「Paper Size」、「Print Size」、「Brightness」、「True 2 Life」、「Cropping」、及び「Borderless」の7種類の設定が表示される。「Print quality」は、印刷品質を意味する。印刷品質として、例えば、標準又は写真のいずれかが設定可能である。内容表示領域140には、「Photo」が表示されており、写真画質が現在設定されていることがわかる。「Paper Size」は、記録用紙サイズを意味する。記録用紙サイズとして、例えば、L版、2L版、はがき、レター、A4等が設定可能である。内容表示領域140には、「Letter」が表示されており、レターサイズが現在設定されていることがわかる。「Print Size」は、印刷サイズを意味する。印刷サイズとして、例えば、6インチ×4インチ等が設定可能である。内容表示領域140には、「6"x4"」が表示されており、6インチ×4インチが現在設定されていることがわかる。「Brightness」は、印刷画像の明るさを意味する。印刷画像の明るさとして、例えば、標準から正側又は負側に2段階で合計5段階の設定が可能である。内容表示領域140には、「0」が表示されており、標準が現在設定されていることがわかる。「True 2 Life」は、画質強調を意味する。画質強調として、例えば、ホワイトバランス、シャープネス及びカラー調整がそれぞれ5段階で設定可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、画質強調の設定が現在されていないことがわかる。「Cropping」は、画像のトリミングを意味する。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、トリミングの設定が現在されていないことがわかる。「Borderless」は、縁なし印刷を意味する。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、縁なし印刷の設定が現在されていないことがわかる。
【0108】
図18(a)に示すように、サブ領域150〜154には、「Print quality」、「Paper Size」、「Print Size」、「Brightness」、「True 2 Life」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。「next」の表示は、操作キー135が押下されることにより、図18(b)に示す次の設定画面に移行することを意味する。「back」の表示は、操作キー136が押下されることにより、一つ前の画面に戻ることを意味する。この画面において、操作キー130〜134のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーにより選択及び決定される。
【0109】
図18(a)において、操作キー135が押下されると、図18(b)に示す画面に移行する。この画面では、サブ領域150,151には、「Cropping」、「Borderless」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。
この画面において、操作キー130,131のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーにより選択及び決定される。このようにして各種設定が入力された後、操作キー10Bに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づく画像印刷がプリンタ部2により実行される。
【0110】
図19は、待機状態において「COPY」の表示に対応する操作キー131が押下された場合の液晶表示部11の画面表示(第2の表示画面)を示している。これによりコピー機能の実行や各種設定が行われる。コピー機能とは、スキャナ部3により画像読取りされた画像をプリンタ部2により印刷する機能である。この画面においても、画面中央に内容表示領域140が配置され、画面の左右にキー入力表示領域141が配置されている。キー入力表示領域141は、同様に、操作キー130〜137に対応して、サブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、操作キー130〜137により入力され得る第2の階層の指令が表示されている。
【0111】
図19に示すように、内容表示領域140の画面上側には、第1の階層の指令を表示する機能表示領域142が設けられている。機能表示領域142には、第1の表示画面において入力された第1の階層の指令が表示される。図19では、コピー機能を示す「COPY」の表示がなされている。これにより、使用者は、各機能の設定画面(第2の表示画面)において、いずれの第1の階層の下の第2の階層の指令を行っているかを認識することができるので、操作性が向上される。
【0112】
内容表示領域140には、コピー機能において入力可能な各種設定及び現在の設定状況が表示される。具体的には、内容表示領域140には、「Quality」、「Enlarge/Reduce」、「Paper Layout」、「Paper Type」、「Paper Size」、「Stack/Sort」、「Brightness」、「Contrast」、及び「Color Adjust」の9種類の設定が表示される。「Quality」は、コピー画質を意味する。コピー画質として、例えば、高速、標準又は高画質のいずれかが設定可能である。内容表示領域140には、「Normal」が表示されており、標準が現在設定されていることがわかる。「Enlarge/Reduce」は、拡大コピー又は縮小コピーを意味する。拡大コピー・縮小コピーとして、例えば、A4からB5への縮小として86%のような設定を選択したり、所定倍率の任意の拡大率又は縮小率が設定可能である。内容表示領域140には、「50%」が表示されており、50%の縮小コピーが現在設定されていることがわかる。「Paper Layout」は、割付コピー又はポスターコピーを意味する。割付コピー・ポスターコピーとして、2枚又は4枚の原稿を1枚の記録用紙に割り付けることや、原稿を例えば3×3のポスターサイズに拡大して9枚の記録用紙に印刷することが設定可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、割付コピー・ポスターコピーが現在設定されていないことがわかる。
【0113】
「Paper Type」は、記録用紙の種類を意味する。記録用紙の種類として、例えば、普通紙、インクジェット光沢紙、OHPフィルムが設定可能である。内容表示領域140には、「Plain」が表示されており、普通紙が現在設定されていることがわかる。「Print Size」は、コピーサイズを意味する。コピーサイズとして、例えば、A4サイズ、B5サイズ、はがきが設定可能である。内容表示領域140には、「A4」が表示されており、A4サイズが現在設定されていることがわかる。「Stack/Sort」は、排紙方法を意味する。排紙トレイ21にソート機能が付加されている場合には、ソートが選択可能である。内容表示領域140には、「Stack」が表示されており、排紙トレイ21に排紙する通常の排紙方法が現在設定されていることがわかる。「Brightness」は、コピーの明るさを意味する。コピーの明るさとして、例えば、標準から正側又は負側に2段階で合計5段階の設定が可能である。内容表示領域140には、「+2」が表示されており、正側に2段階プラスした設定が現在されていることがわかる。「Contrast」は、コピーのコントラストを意味する。コントラストとして、例えば、標準から正側又は負側に2段階で合計5段階の設定が可能である。内容表示領域140には、「-1」が表示されており、負側に1段階マイナスした設定が現在されていることがわかる。「Color Adjust」は、カラー設定を意味する。カラー設定として、例えば、レッド、グリーン、ブルーの各色について、標準から正側又は負側に2段階で合計5段階の設定が可能である。
【0114】
図19(a)に示す画面では(第2の表示画面)では、サブ領域150〜154には、「Quality」、「Enlarge/Reduce」、「Paper Layout」、「Paper Type」、「Paper Size」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。図19(b)に示す画面では(第3の表示画面)では、サブ領域150〜153には、「Stack/Sort」、「Brightness」、「Contrast」、「Color Adjust」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。
【0115】
コピー機能における第2の階層の指令は9種類の設定に対応したものであり、8つの操作キー130〜137より多い。したがって、制御部100は、その指令の一部を図19(a)に示す画面のサブ領域150〜154に表示させて、各操作キー130〜134に各指令を割り当て、残りの指定を図19(b)に示す画面のサブ領域150〜153に表示させて、各操作キー130〜133に各指令を割り当てる。そして、両画面のサブ領域155,156に、これら画面の表示を切り替えるための「next」及び「back」の表示をさせて、各操作キー135,136に各指令を割り当てる。これにより、一つの操作キーに同一階層の複数の指令を割り当てることができるので、同一階層の指令数に対する操作キー数を少なくすることができる。
【0116】
これら画面において、操作キー130〜134のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーにより選択及び決定される。各種設定が入力された後、コピー枚数の入力が、操作キー10Cに含まれるダイヤルキーにより行われる。入力されたコピー枚数は、機能表示領域142に設けられたコピー枚数表示領域143に表示される。そして、操作キー10Bに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づくコピーがプリンタ部2及びスキャナ部3により実行される。
【0117】
図20は、待機状態において「FAX」の表示に対応する操作キー132が押下された場合の液晶表示部11の画面表示(第2の表示画面)を示している。これによりファクシミリ機能の実行や各種設定が行われる。ファクシミリ機能とは、スキャナ部3により画像読取りされた画像をファクシミリデータとして電話回線を通じて発信したり、電話回線を通じて受信したファクシミリデータをプリンタ部2により印刷する機能である。この画面においても、画面中央に内容表示領域140が配置され、画面の左右にキー入力表示領域141が配置されている。キー入力表示領域141は、同様に、操作キー130〜137に対応して、サブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、操作キー130〜137により入力され得る第2の階層の指令が表示されている。
【0118】
図20に示すように、内容表示領域140の画面上側には、第1の階層の指令を表示する機能表示領域142が設けられている。機能表示領域142には、第1の表示画面において入力された第1の階層の指令が表示される。図20では、ファクシミリ機能を示す「FAX」の表示がなされている。これにより、使用者は、各機能の設定画面(第2の表示画面)において、いずれの第1の階層の下の第2の階層の指令を行っているかを認識することができるので、操作性が向上される。
【0119】
内容表示領域140には、ファクシミリ機能において入力可能な各種設定及び現在の設定状況が表示される。具体的には、内容表示領域140には、「Quick Dial」、「Outgoing & Call histry」、「Caller ID history」、「Broadcasting」、「Contrast」、「Fax Resolution」、「Delated Fax」、「Batch TX」、「Real Time TX」、「Polled TX」、「Overseas Mode」及び「Scan Size」の12種類の設定が表示される。「Quick Dial」は、短縮ダイヤルを意味する。短縮ダイヤルは、予め設定して電話帳に登録することができる。「Outgoing & Call histry」及び「Caller ID history」は、通信管理を意味する。通信管理は、直近の送受信のレポートの印刷や送信レポート等を設定することができる。「Broadcasting」は、手動送信を意味する。手動送信はオン/オフが設定可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、手動送信が現在設定されていないことがわかる。「Contrast」は、原稿濃度を意味する。原稿濃度として、例えば、「自動」、「薄く」、「濃く」が設定可能である。内容表示領域140には、「Auto」が表示されており、自動が現在設定されていることがわかる。「Fax Resolution」は、原稿画質を意味する。原稿画質として、例えば、標準、原稿の文字が小さいときに設定される「ファイン」、原稿の文字がさらに細かいときに設定される「スーパーファイン」、原稿に写真等が含まれるときに設定される「シャシン」が設定可能である。内容表示領域140には、「Standard」が表示されており、標準が現在設定されていることがわかる。
【0120】
「Delayed Fax」は、タイマー送信を意味する。タイマー送信では、例えば、送信時刻を指定してファクシミリ送信を行うことができる。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、タイマー送信が現在設定されていないことがわかる。「Batch Fax」は、とりまとめ送りを意味する。とりまとめ送りでは、例えば、同じ相手先に同じ送信時刻で複数のタイマー送信を設定している場合に、1回の通信でまとめて送るように設定することが可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、まとめ送りが現在設定されていないことがわかる。「Real Time TX」は、リアルタイム送信を意味する。リアルタイム送信では、直ぐに相手先にダイヤルし、原稿の画像を読取りながら送信することが可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、リアルタイム送信が現在設定されていないことがわかる。「Polled TX」は、ポーリング送信を意味する。ポーリング送信では、相手側のファクシミリの操作で原稿を自動的に送信することが可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、ポーリング送信が現在設定されていないことがわかる。「Overseas Mode」は、海外送信を意味する。海外送信では、海外へファクシミリ送信するときに、通信エラーを少なくすることが可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、海外送信が現在設定されていないことがわかる。「Scan Size」は、原稿サイズを意味する。原稿サイズとして、例えば、A4サイズ、B5サイズ、レターサイズ等が設定可能である。内容表示領域140には、「Letter」が表示されており、レターサイズが現在設定されていることがわかる。
【0121】
図20(a)に示す画面では(第2の表示画面)では、サブ領域150〜154には、「Quick Dial」、「Outgoing & Call histry」、「Caller ID history」、「Broadcasting」、「Contrast」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。図20(b)に示す画面では(第3の表示画面)では、サブ領域150〜154には、「Fax Resolution」、「Delated Fax」、「Batch TX」、「Rea Time TX」、「Polled TX」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。図20(c)に示す画面では(第3の表示画面)では、サブ領域150,151には、「Overseas Mode」、「Scan Size」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。
【0122】
ファクシミリ機能における第2の階層の指令は12種類の設定に対応したものであり、8つの操作キー130〜137より多い。したがって、制御部100は、その指令の一部を図20(a)に示す画面のサブ領域150〜154に表示させて、各操作キー130〜134に各指令を割り当て、残りの指定を図20(b)及び図20(c)に示す画面のサブ領域150〜154にそれぞれ表示させて、各操作キー130〜134に各指令をそれぞれ割り当てる。そして、3つの画面のサブ領域155,156に、これら画面の表示を切り替えるための「next」及び「back」の表示をさせて、各操作キー135,136に各指令を割り当てる。これにより、一つの操作キーに同一階層の複数の指令を割り当てることができるので、同一階層の指令数に対する操作キー数を少なくすることができる。
【0123】
これら画面において、操作キー130〜134のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーにより選択及び決定される。ファクシミリ番号は、操作キー10Cに含まれるダイヤルキーにより入力される。入力されたダイヤルは、内容表示領域140に設けられたファクシミリ番号表示領域144に表示される。つづいて、操作キー10Bに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づくファクシミリ送信がプリンタ部2及びスキャナ部3により実行される。
【0124】
図21(a)は、待機状態において「SCAN」の表示に対応する操作キー133が押下された場合の液晶表示部11の画面表示(第2の表示画面)を示している。これによりスキャン機能の実行や各種設定が行われる。スキャン機能とは、スキャナ部3により原稿の画像読取りを行い、読み取った画像の画像データをスロット部8に装填された小型メモリカード等に記憶させる機能である。この画面においても、画面中央に内容表示領域140が配置され、画面の左右にキー入力表示領域141が配置されている。キー入力表示領域141は、同様に、操作キー130〜137に対応して、サブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、操作キー130〜137により入力され得る第2の階層の指令が表示されている。
【0125】
図21(a)に示すように、内容表示領域140の画面上側には、第1の階層の指令を表示する機能表示領域142が設けられている。機能表示領域142には、第1の表示画面において入力された第1の階層の指令が表示される。図21(a)では、スキャン機能を示す「SCAN」の表示がなされている。これにより、使用者は、各機能の設定画面(第2の表示画面)において、いずれの第1の階層の下の第2の階層の指令を行っているかを認識することができるので、操作性が向上される。
【0126】
図21(a)に示すように、内容表示領域140には、「Card」、「E-mail」、「Image」、「OCR」及び「File」の5つが選択可能であることが表示される。「Card」は、スキャナ部3で読み取った画像データを小型メモリカードに記憶させる機能である。「E-mail」は、スキャナ部3で読み取った画像データを電子メールの添付ファイルとする機能である。「Image」は、スキャナ部3により読み取った画像を、多機能装置1に接続されたコンピュータ等に表示させる機能である。「OCR」は、スキャナ部3により読み取った画像データに含まれる文字をテキストデータに変換する機能である。「File」は、スキャナ部3により読み取った画像データを所定の記憶媒体に記憶させる機能である。
【0127】
図21(a)に示すように、サブ領域150〜154には、「Card」、「E-mail」、「Image」、「OCR」、「File」がそれぞれ表示される。サブ領域157には、「top」が表示される。この画面において、操作キー130〜134のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した機能がそれぞれ実行される。また、操作キー137が押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、液晶表示部11の表示が待機状態の画面となる。
【0128】
図21(b)は、図21(a)において「Card」の表示に対応する操作キー130が押下された場合の液晶表示部11の画面表示を示している。これにより、スキャナ部3により読み取られた画像データがスロット部8に装填された小型メモリカードに記憶される。液晶表示部11の機能表示領域142には、スキャン機能を示す「SCAN」の表示がなされている。
【0129】
内容表示領域140には、「Card」において入力可能な各種設定及び現在の設定状況が表示される。具体的には、内容表示領域140には、「Resolution」、「File Type」、「File Name」の設定が表示される。「Resolution」は、スキャン画質を意味する。スキャン画質として、例えば、カラー150dpi、カラー300dpi、カラー600dpi、モノクロ200×100dpi、モノクロ200dpiが設定可能である。内容表示領域140には、「Color 300 dpi」が表示されており、カラー300dpiが現在設定されていることがわかる。「File Type」は、画像データを保存するファイル形式を意味する。ファイル形式として、例えば、PDF形式、JPEG形式、TIFF形式が設定可能である。内容表示領域140には、「JPEG」が表示されており、JPEG形式が現在設定されていることがわかる。「File Name」は、ファイル名を意味する。フィル名は、保存されるファイルの名前であり、任意に名前を付与することができる。
【0130】
この画面において、操作キー130〜132のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーや操作キー10Cに含まれるダイヤルキーにより選択、入力及び決定される。そして、操作キー10Cに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づくスキャンがスキャナ部3及びスロット部8により実行される。
【0131】
このように、液晶表示部11のキー入力表示領域141に、液晶表示部11の周囲に配置された操作キー130〜137により入力され得る指令が表示されるので、使用者は、キー入力表示領域141の表示により、各操作キー130〜137により入力される指令を認識でき、装置の操作性が向上される。また、一つの操作キーに複数の指令を割り当てることにより、指令数に対する操作キー数が削減され、各操作キー130〜137及び液晶表示部11が配置されるスペースを小さくすることが可能になる。
【0132】
なお、上記各操作キー130〜137を、緑色、橙色、赤色等のような互いに異なる色に色分けし、液晶表示部11のキー入力表示領域141の各サブ領域を150〜157を、各操作キー130〜137に対応すると同色に表示させることとしてもよい。これにより、使用者は、操作キー130〜137とサブ領域150〜157との位置関係の他、色により各操作キー130〜137により入力される指令が表示されたサブ領域150〜157を認識することができるので、操作性が向上される。
【0133】
さらに、各操作キー130〜137を透光性素材で形成し、操作キー130〜137にLEDを配設することにより、各操作キー130〜137を点灯可能なものとすることもでできる。そして、制御部100は、入力可能な指令を表示させたサブ領域150〜157に対応する操作キー130〜137のみを点灯させることとしてもよい。つまり、図13に示すように、待機状態の操作キー134〜137に何ら指令を割り当てていない場合は、該操作キー134〜137は消灯し、操作キー130〜133のみを点灯させる。これにより、使用者は、サブ領域150〜157の表示の他、光により入力可能な操作キー130〜133を判断することができるので、操作性が向上される。
【0134】
なお、本実施の形態では、多機能装置1は、メディア機能、コピー機能、ファクシミリ機能、及びスキャン機能の4つの機能を有するものとしたが、本発明では、これらのうち少なくとも2つ以上の機能を有するものであればよく、これら4つの機能のすべてを必ずしも必要としないことはいうまでもない。
【0135】
以下、多機能装置1のプリンタ部2、スキャナ部3及び操作パネル9のレイアウトについて説明する。
図1に示すように、プリンタ部2とスキャナ部3とは、スキャナ部3を上側にして上下に配置されている。例えば、スキャナ部3をFBSとして使用する際には、画像読取り毎に、原稿カバー7を開いてプラテンガラス60に原稿を載置することになる。一方、プリンタ部2を使用する際には、複数枚の記録用紙が給紙トレイ20に収容されるので、画像記録毎に記録用紙をセットする必要はない。つまり、プリンタ部2において給紙トレイ20に記録用紙をセットする頻度より、スキャナ部3のプラテンガラス60上に原稿をセットする頻度が高い。したがって、プリンタ部2に対してスキャナ部3を上側に配置することにより、原稿のセットが容易になる。また、スキャナ部3のADF6を使用する際にも、原稿トレイ81が装置の上面にあることにより、原稿のセットが容易になる。
【0136】
多機能装置1の装置全体の外形は、平面視において略正方形である。そして、プリンタ部2においては、長方形の記録用紙の長手方向が装置の奥行き方向となるようにして、記録用紙が給紙トレイ20にセットされる。セットされた記録用紙は、装置の奥行き方向にUターン搬送されて、画像記録部24により画像記録が行われ、装置正面へ排出される。
【0137】
スキャナ部3においては、長方形の原稿の長手方向が装置の幅方向となるようにして、プラテンガラス60上に原稿がセットされる。そして、画像読取ユニット61がプラテンガラス60に対して装置の幅方向に移動して画像読取りが行われる。また、ADF6の原稿トレイ81に原稿がセットされる。そして、装置の幅方向にUターン搬送されて、画像読取ユニット61により画像読取りが行われる。これにより、平面視が略正方形の多機能装置1の設置面積を小さくすることが可能である。
【0138】
プリンタ部2において記録可能な記録用紙の最大サイズがA4サイズであり、スキャナ部3において読取り可能な原稿の最大サイズがA4サイズとすれば、A4サイズの縦横の寸法の差分のスペースを、多機能装置1の正面側に確保することができる。これにより、多機能装置1の設置面積を拡大することなく、装置の正面側に操作パネル9を配置するためのスペースが形成される。つまり、装置のスペースが有効活用され、装置全体の小型化が実現される。
【0139】
操作パネル9は、前述したように確保された装置上面側のスペースであって、装置上面を構成する原稿載置台5に配置されている。操作パネル9には、前述したように、操作キー10A,10B,10C及び液晶表示部11が設けられている。使用者は、画像読取りや画像記録の際に、操作キー10A,10B,10Cを用いて所望の入力を行い、また、液晶表示部11の表示を確認する。操作パネル9が、装置上面の正面側に設けられることにより、操作キー10A,10B,10Cによる入力作業や、液晶表示部11の表示確認が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る多機能装置1の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部2の主要構成を示す断面図である。
【図3】図3は、プリンタ部2の主要構成を示す平面図である。
【図4】図4は、原稿カバー7を開いた状態の多機能装置1の外観構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、原稿載置台5の内部構成を示す平面図である。
【図6】図6は、原稿載置台5の内部構成を示す断面図である。
【図7】図7は、ベルト駆動機構70の構成を示す平面図である。
【図8】図8は、多機能装置1の制御部100の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、操作パネル9の構成を示す平面図である。
【図10】図10は、液晶表示部11を起立姿勢にした多機能装置1の外観構成を示す斜視図である。
【図11】図11は、液晶表示部11の軸12付近の構成を示す側面図である。
【図12】図12は、原稿載置台5を開いた状態の多機能装置1の外観構成を示す正面図である。
【図13】図13は、待機状態の液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図14】図14は、主機能選択のフローチャート図である。
【図15】図15は、メディア機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図16】図16は、メディア機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図17】図17は、メディア機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図18】図18は、メディア機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図19】図19は、コピー機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図20】図20は、ファクシミリ機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図21】図21は、スキャン機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【符号の説明】
【0141】
1・・・多機能装置
2・・・プリンタ部(画像記録部)
3・・・スキャナ部(画像読取部)
9・・・操作パネル
10A・・・操作キー
11・・・液晶表示部(表示部)
30・・・記録ヘッド
67・・・コンタクトイメージセンサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、被読取媒体の画像を読み取る画像読取部と、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部とを備えてなる多機能装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリンタ機能やスキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を一体的に備えた装置が実用化されている。このように複数の機能を備えた装置は、一般に多機能装置(Multi Function Device)と呼ばれる。
【0003】
多機能装置には、プリンタ機能やコピー機能、ファクシミリ機能等を実現するために、記録用紙に画像記録を行う画像記録部が設けられている。また、多機能装置には、スキャナ機能やコピー機能を実現するために、原稿の画像を読み取る画像読取部が設けられている。
【0004】
プリンタ機能を実現する際には、多機能装置は、コンピュータ等から送信されたデータに基づいて画像記録部を動作させて、該データに基づく画像や文書を記録用紙に記録する。スキャナ機能を実現する際には、多機能装置は、画像読取部を動作させて、所望の原稿の画像を読み取って画像データに変換する。変換された画像データは、コンピュータ等に送信されたり、記録メディアに書き込まれる。コピー機能を実現する際には、多機能装置は、画像読取部を動作させて、所望の原稿の画像を読み取って画像データに変換し、さらに画像記録部を動作させて、該画像データに基づく画像を記録用紙に記録する。ファクシミリ機能を実現する際には、多機能装置は、画像読取部を動作させて、所望の原稿の画像を読み取って画像データに変換し、該画像データをモデム、NCU及び電話線を通じて送信する。また、多機能装置は、モデム、NCU及び電話線を通じて受信したファクシミリデータを、画像記録部を動作させて記録用紙に記録する。
【0005】
また、画像読取部には、各種機能における指令や設定を入力するために操作パネルが設けられている。操作パネルは、複数の操作キーと表示部とから実現されている。使用者は、表示部に表示された案内や設定を確認しながら操作キーを操作して、多機能装置の各種機能を使用する。このような多機能装置には、設置スペースを小さくするために、小型化及び薄型化の要望がある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2005−80129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したような画像読取部及び画像記録部を有する多機能装置では、操作の便宜上、装置の上側に画像読取部を配置し、装置の下側に画像記録部を配置する構成が採用されている。また、操作パネルは、操作キーの操作性や表示部の視認性を考慮すると、装置の上面に配置されていることが望ましい。また、多機能装置により実現される機能が多様化するにつれて、多機能装置の操作が煩雑になるとともに操作キーが増えている。さらに、表示部の視認性を向上するために表示部が大型化されている。これらにより、操作パネルに必要なスペースが大きくなっている。
【0008】
本発明は、これらの点に鑑みてなされたものであり、被読取媒体の画像を読み取る画像読取部と、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部とを備えた多機能装置の小型化及び薄型化を実現できる手段を提供することを目的する。
【0009】
また、本発明の他の目的は、操作キーを効率よく配置して操作パネルの面積を小さくするとともに、操作性を向上することを目的とする。
【0010】
また、本発明のさらに他の目的は、操作パネルにおける表示部の視認性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明は、被読取媒体の画像を読み取る画像読取部と、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部とを備えてなる多機能装置であって、上記画像読取部と上記画像記録部とが、画像読取部を上側にして上下に配置され、且つ装置全体の外形が平面視において略正方形であり、装置上面の正面側に、上記画像読取部及び上記画像記録部に関する指令を入力するための操作キーと、上記画像読取部及び上記画像記録部に関する情報を表示する表示部とを備えてなる操作パネルが設けられたものである。
【0012】
画像読取部及び画像記録部は、画像読取部を上側にして上下に配置される。画像読取りの際には、画像読取り毎に、画像読取部の所定の位置に被読取媒体がセットされる。画像記録の際には、給紙トレイ等に所定枚数が予めセットされた被記録媒体が用いられる。したがって、画像読取部を上側に配置することにより、被読取媒体のセットが容易になる。多機能装置は、装置全体の外形が平面視において略正方形となるように構成されている。操作パネルには、操作キー及び表示部が設けられている。使用者は、画像読取りや画像記録の際に、操作キーを用いて所望の入力を行い、また、表示部の表示を確認する。操作パネルが装置上面の正面側に設けられることにより、操作キーによる入力作業や表示部の表示確認が容易になる。
【0013】
(2)また、上記操作キーは、上記表示部の周囲に配置されたものであってもよい。これにより、表示部の周囲のスペースを有効利用できる。
【0014】
(3)また、上記操作キーは、上記表示部の側方に、該表示部の側縁に沿って一列に配置されたものであってもよい。これにより、表示部の側方のスペースを有効利用できる。
【0015】
(4)また、上記表示部は、上記各操作キーに近接する領域に、各操作キーにより入力され得る指令を各操作キーに関連づけて表示するものであってもよい。これにより、使用者は、操作キーを押下することにより入力され得る指令を表示部の表示により認識することができる。
【0016】
(5)また、上記表示部は、装置正面側を軸として操作パネルに対して起伏するように回動可能なものであってもよい。表示部が操作パネルから起立されることにより、装置正面側からの表示部の視認性が向上する。表示部が操作パネルに倒伏されることにより、装置上面側からの表示部の視認性が向上する。
【0017】
(6)また、上記表示部は、上記操作パネルの幅方向の中央に配置されたものであってもよい。これにより、表示部の両側に操作キーを配置することができる。また、操作キーの配置に対する表示部の位置のバランスがよくなる。
【0018】
(7)また、上記画像読取部は、長方形の被読取媒体の長手方向を装置の幅方向にして、静止姿勢の該被読取媒体に対してイメージセンサを走査することにより画像読取りを行うものであり、上記画像記録部は、長方形の被記録媒体の長手方向を装置の奥行き方向にして、該被記録媒体が反転するようにUターン搬送される間に、該被記録媒体に対して記録ヘッドを走査することにより画像記録を行うものであってもよい。
【0019】
画像読取部においては、長方形の被読取媒体の長手方向を装置の幅方向にして画像読取りを行い、画像記録部においては、長方形の被記録媒体の長手方向を装置の奥行き方向にしてUターン搬送を行うことにより、平面視が略正方形の装置の設置面積を小さくすることができる。また、装置の正面側に操作パネルを配置するためのスペースが形成され、スペースを有効活用して、装置全体の小型化が実現される。また、装置の平面視が略正方形であるため、梱包が容易になってコストを抑えることもできる。
【発明の効果】
【0020】
本多機能装置によれば、画像読取部及び画像記録部を、画像読取部を上側にして上下に配置したので、被読取媒体のセットが容易になり、操作性が向上される。また、装置全体の外形が平面視において略正方形となるように構成され、装置上面の正面側に操作パネルが設けられることにより、操作キーによる入力作業や、表示部の表示確認が容易になり、操作性が向上される。また、装置の小型化が実現される。また、装置の平面視が略正方形であるため、梱包が容易になってコストを抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る多機能装置1の外観構成を示すものである。本多機能装置1は、下部にプリンタ部(画像記録部)2を、上部にスキャナ部3(画像読取部)を一体的に備えたMFD(Multi Function Device)であり、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能及びファクシミリ機能を有する。
【0022】
多機能装置1は、主に不図示のコンピュータと接続されて、該コンピュータから送信された画像データや文書データに基づいて、記録用紙に画像や文書を記録するものである。さらに、多機能装置1は、デジタルカメラ等の外部機器と接続されてデジタルカメラから出力される画像データを記録用紙に記録したり、メモリカード等の各種記録媒体を装填して、該記録媒体に記録された画像データ等を記録用紙に記録することが可能である。また、以下に説明する多機能装置1の構成は、本発明に係る画像記録装置の一例であり、本発明の要旨を変更しない範囲で構成を適宜変更できることは当然である。
【0023】
(プリンタ部)
以下、プリンタ部2の構成について説明する。図1に示すように、多機能装置1の正面側には開口4が形成されており、該開口4を通じて、給紙トレイ20及び排紙トレイ21が多機能装置1に装着される。なお、図1,図4,図10,図12では、給紙トレイ20及び排紙トレイ21が外された状態の多機能装置1を示している。
【0024】
給紙トレイ20には、A4サイズやB5サイズ等の所望のサイズの記録用紙(被記録媒体)が収容される。図2に示すように、給紙トレイ20が多機能装置1に装着されることにより、給紙トレイ20に収容された記録用紙は、その長方形の長手方向が多機能装置1の奥行き方向になる。また、排紙トレイ21は、給紙トレイ20に支持されて、給紙トレイ20の上方に配置される。給紙トレイ20と排紙トレイ21とは、上下二段となって多機能装置1に装着される。
【0025】
多機能装置1に装着された給紙トレイ20の奥側には、分離傾斜板22が配設されている。分離傾斜板22は、給紙トレイ20から繰り出された記録用紙を分離して上方へ案内するものである。
【0026】
分離傾斜板22の上方には、搬送路23が形成されている。搬送路23は、分離傾斜板22の上側から上方且つ多機能装置1の正面側へ曲がって、装置の背面側から正面側へ延出され、さらに、画像記録部24の下側を通過して排紙トレイ21へ通じている。給紙トレイ20から繰り出された記録用紙は、搬送路23により下方から上方へUターンするように案内されて画像記録部24に至る。該記録用紙は、画像記録部24により画像記録が行われた後、排紙トレイ21に排出される。
【0027】
給紙トレイ20の上側には、給紙ローラ25が設けられている。給紙ローラ25は、給紙トレイ20上に積載された記録用紙を1枚ずつ分離して搬送路23へ供給するものである。給紙ローラ25は、給紙トレイ20に接離可能に上下動する給紙アーム26の前端に軸支されている。給紙ローラ25は、複数のギアが噛合されてなる駆動伝達機構27により、LFモータ108(図8参照)の駆動が伝達されて回転する。
【0028】
給紙アーム26は、基端側を軸として上下方向に揺動可能に配設されている。給紙アーム26は、装置に給紙トレイ20が装着された状態では、給紙ローラ25を給紙トレイ20に圧接させるように下側に降下する。給紙アーム26は、給紙トレイ20を装置から外す場合に、バネの付勢力等により上側へ跳ね上がる。給紙アーム26が下側へ下降すると、その先端に軸支された給紙ローラ25が給紙トレイ20上の記録用紙に圧接する。その状態で、給紙ローラ25が回転すると、給紙ローラ25のローラ面と記録用紙との間の摩擦力で最上位置の記録用紙が分離傾斜板22へ送り出される。該記録用紙は、その前端が分離傾斜板22に当接して上方へ案内され、搬送路23へ送り込まれる。給紙ローラ25によって最上位置の記録用紙が送り出される際に、その直下の記録用紙が摩擦や静電気の作用によって共に送り出されたとしても、該記録用紙は分離傾斜板22に当接することにより制止される。
【0029】
搬送路23は、画像記録部24等が配設されている箇所以外は、所定間隔で対向する外側ガイド面と内側ガイド面とから構成されている。例えば、多機能装置1の背面側の搬送路23は、外側ガイド面が多機能装置1のフレームと一体に形成され、内側ガイド面は、ガイド部材28がフレーム内に固定されることにより構成されている。搬送路23の所定箇所、特に搬送路23が曲がっている箇所には、搬送コロ29が設けられている。搬送コロ29は、外側ガイド面又は内側ガイド面からローラ面を露出するようにして、搬送路23の幅方向を軸方向として回転自在に設けられている。搬送コロ29によって、搬送路23が曲がっている箇所においてガイド面に接触する記録用紙の搬送が円滑となる。
【0030】
画像記録部24は、記録ヘッド30を搭載して主走査方向へ往復移動する走査キャリッジ31を備えている。記録ヘッド30には、インクタンク32(図3参照)からインクチューブ33を通じてシアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクが供給される。記録ヘッド30は、その下面に設けられたノズルから、各インクを微小なインク滴として吐出する。走査キャリッジ31が往復動することにより、記録ヘッド30が記録用紙に対して走査され、プラテン34上を搬送される記録用紙に画像記録が行われる。
【0031】
図3に示すように、画像記録部24が配置される搬送路23の上側には、一対のガイドレール35,36が配設されている。ガイドレール35,36は、記録用紙の搬送方向に隔てて、搬送路23の幅方向に延設されている。走査キャリッジ31は、ガイドレール35,36を跨ぐようにして摺動可能に設けられている。記録用紙の搬送方向の上流側に配設されたガイドレール35は、搬送路23の幅方向の長さが走査キャリッジ31の走査幅より長い平板状のものである。ガイドレール35の上面が、走査キャリッジ31の上流側の端部を摺動自在に担持している。
【0032】
記録用紙の搬送方向の下流側に配設されたガイドレール36は、搬送路23の幅方向の長さがガイドレール35とほぼ同じ長さの平板状のものである。ガイドレール36の上面が、走査キャリッジ31の上流側の端部を摺動自在に担持している。ガイドレール36の搬送方向の上流側の端部37は、上方へ向かって略直角に曲折されている。走査キャリッジ31は、ガイドレール36の端部37を不図示の一対のローラにより狭持している。これにより、走査キャリッジ31は、ガイドレール35,36上に摺動自在に担持され、ガイドレール36の端部37を基準として、搬送路23の幅方向に往復移動する。なお、走査キャリッジ31がガイドレール35,36の上面と接触する部位には、摩擦を低減するための摺動部材が適宜設けられる。
【0033】
ガイドレール36の上面には、ベルト駆動機構38が配設されている。ベルト駆動機構38は、搬送路23の幅方向の両端付近にそれぞれ設けられた駆動プーリ39と受動プーリ40と間に、内側に歯が設けられた無端環状のタイミングベルト41が張架されてなるものである。駆動プーリ39の軸にはCRモータ107(図8参照)から駆動力が入力される。駆動プーリ39の回転により、タイミングベルト41が周運動する。なお、タイミングベルト41は無端環状のもののほか、有端のベルトの両端部を走査キャリッジ31に固着するものを用いてもよい。
【0034】
走査キャリッジ31は、タイミングベルト41に固着されている。タイミングベルト41の周運動により、走査キャリッジ31は、端部37を基準としてガイドレール35,36上を往復移動する。走査キャリッジ31には、記録ヘッド30が搭載されている。したがって、記録ヘッド30は、走査キャリッジ31とともに搬送路23の幅方向を主走査方向として往復移動可能である。ガイドレール36には、端部37に沿ってリニアエンコーダのエンコーダストリップ42が配設されている。リニアエンコーダは、フォトインタラプタによりエンコーダストリップ42を検出する。リニアエンコーダの検出信号に基づいて、走査キャリッジ31の往復移動が制御される。
【0035】
図2に示すように、搬送路23の下側には、記録ヘッド30と対向してプラテン34が配設されている。プラテン34は、走査キャリッジ31の往復移動範囲のうち、記録用紙が通過する中央部分に渡って配設されている。プラテン34の幅は、搬送可能な記録用紙の最大幅より十分に大きいものであり、記録用紙の両端は常にプラテン34の上を通過する。
【0036】
図3に示すように、記録ヘッド30による画像記録範囲外、すなわちプラテン34の両側の記録用紙が通過しない範囲には、パージ機構43及び廃インクトレイ44が配設されている。パージ機構43は、記録ヘッド30のノズル等からインクとともに気泡や異物を吸引除去するものである。パージ機構43は、記録ヘッド30のノズル面を覆うキャップ45を備える。キャップ45には、ポンプ機構が接続されている。また、キャップ45は、移動機構により記録ヘッド30のノズル面に接離される。記録ヘッド30の気泡等の吸引除去を行う際には、記録ヘッド30がキャップ45上に位置するように走査キャリッジ31が移動される。その状態でキャップ45が上方へ移動して記録ヘッド30の下面のノズルを密閉するように密着する。そして、キャップ45と連結されたポンプにより記録ヘッド30のノズルからインクが吸引される。
【0037】
廃インクトレイ44は、走査キャリッジ31の画像記録範囲外であってパージ機構43の反対側に配設されている。廃インクトレイ44は、記録ヘッド30のインクの空吐出を受けるものである。この空吐出は、フラッシングと呼ばれる。パージ機構43及び廃インクトレイ44からなるメンテナンスユニットにより、記録ヘッド30内の気泡や混色インクの除去等のメンテナンスが行われる。
【0038】
インクタンク32は、プリンタ部2の正面右側の筐体内に設けられたインクタンク収容部46に収容されている。インクタンク32は、装置内において、記録ヘッド30を搭載する走査キャリッジ31とは別途に設けられている。インクタンク32から走査キャリッジ31へは、インクチューブ33を通じてインクが供給される。
【0039】
インクタンク32は、詳細には、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロー(Y)・ブラック(Bk)の各色インクを貯蔵する4個のインクタンク32C,32M,32Y,32Kである。各インクタンク32C,32M,32Y,32Kは、装置筐体内に設けられたインクタンク収容部46の所定の位置にそれぞれ装填されている。各インクタンク32C,32M,32Y,32Kは、合成樹脂製の筐体内に各色インクが充填されたカートリッジ式のものである。各インクタンク32C,32M,32Y,32Kは、インクタンク収容部46の上方からそれぞれ着脱可能である。
【0040】
インクタンク収容部46に装填された各インクタンク32C,32M,32Y,32Kから記録ヘッド30へは、各色毎に独立したインクチューブ33により各色インクが供給される。各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、合成樹脂製のチューブであり、走査キャリッジ31の走査に応じて撓むような可撓性を有する。各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、インクタンク収容部46の各インクタンク収容位置に設けられた各接合部に、その一端側の開口がそれぞれ接続されている。インクチューブ33Cは、上記インクタンク32Cに対応しておりシアン(C)のインクを供給するためのものである。同様に、インクチューブ33M,33Y,33Kは、それぞれ上記インクタンク32M,32Y,32Kに対応しており、それぞれマゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)のインクを供給するためのものである。
【0041】
インクタンク収容部46から導出された各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、装置の幅方向に沿って中央付近まで引き出されて、装置フレーム等の適当な部材に一旦固定されている。そして、該固定部から走査キャリッジ31までの部分は、装置フレーム等に固定されておらず、走査キャリッジ31の往復移動に追従して姿勢変化する。すなわち、走査キャリッジ31が往復移動方向の一端(図3左側)へ移動するに従い、各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、U字形状の湾曲部分の曲げ半径が小さくなるように撓みながら、走査キャリッジ31の移動方向へ移動する。一方、走査キャリッジ31が往復移動方向の他端(図3右側)へ移動するに従い、各インクチューブ33C,33M,33Y,33Kは、湾曲部分の曲げ半径が大きくなるように撓みながら、走査キャリッジ31の移動方向へ移動する。
【0042】
図2に示すように、画像記録部24の上流側には、一対の搬送ローラ47及びピンチローラ48が設けられている。搬送ローラ47及びピンチローラ48は、搬送路23を搬送されている記録用紙を狭持してプラテン34上へ搬送する。一方、画像記録部24の下流側には、一対の排紙ローラ49及び拍車ローラ50が設けられている。排紙ローラ49及び拍車ローラ50は、記録済みの記録用紙を狭持して搬送する。搬送ローラ47及び排紙ローラ49は、LFモータ108(図8参照)から駆動力が伝達されて、所定の改行幅で間欠駆動する。搬送ローラ47及び排紙ローラ49の回転は同期されている。ロータリーエンコーダが、搬送ローラ47に設けられたエンコーダディスク51をフォトインタラプタで検出し、ロータリーエンコーダの検出信号に基づいて、搬送ローラ47及び排紙ローラ49の回転が制御される。
【0043】
ピンチローラ48は、搬送ローラ47に所定の押圧力で押圧するように付勢されて回転自在に設けられている。搬送ローラ47とピンチローラ48との間に記録用紙が進入した場合には、ピンチローラ48は記録用紙の厚み分だけ退避して該記録用紙を搬送ローラ47とともに狭持する。これにより、搬送ローラ47の回転力が確実に記録用紙へ伝達される。拍車ローラ50も排紙ローラ49に対して同様に設けられたものであるが、記録済みの記録用紙と圧接するので、記録用紙に記録された画像を劣化させないようにローラ面が拍車状に凹凸されている。
【0044】
搬送ローラ47及びピンチローラ48に狭持された記録用紙は、所定の改行幅でプラテン34上を間欠して搬送される。その改行毎に記録ヘッド30が走査されて、記録用紙の前端側から画像記録が行われる。画像記録が行われた記録用紙の前端側は、排紙ローラ49及び拍車ローラ50に狭持される。つまり、記録用紙は前端側を排紙ローラ49及び拍車ローラ50に狭持され、後端側を搬送ローラ47及びピンチローラ48に狭持された状態で所定の改行幅で間欠して搬送され、改行毎に記録ヘッド30により画像記録が行われる。さらに記録用紙が搬送されると、記録用紙の後端が搬送ローラ47及びピンチローラ48を通過して、これらによる狭持が開放される。つまり、記録用紙は、排紙ローラ49及び拍車ローラ50に狭持されて所定の改行幅で間欠して搬送され、改行毎に記録ヘッド30により画像記録が行われる。記録用紙の所定領域に画像記録を行った後は、排紙ローラ49が連続的に回転駆動される。これにより、排紙ローラ49及び拍車ローラ50により狭持された記録用紙が排紙トレイ21へ排出される。
【0045】
図3に示すように、装置正面側には制御基板52が配設されている。制御基板52から記録ヘッド30へはフラットケーブル53を通じて記録用信号等の伝送が行われる。フラットケーブル53は、電気信号を伝送する導体をポリエステルフィルム等の合成樹脂フィルムで覆って絶縁した薄帯状のものである。フラットケーブル53により、制御基板52と記録ヘッド30の制御基板(不図示)とが電気的に接続されている。フラットケーブル53は、走査キャリッジ31から往復移動方向へ導出され、上下方向に略U字形状に曲折されている。この略U字形状の部分は、他の部材に固定されておらず、走査キャリッジ31の往復移動に追従して姿勢変化する。
【0046】
(スキャナ部)
以下、スキャナ部3の構成について詳述する。
図1、図4及び図5に示すように、スキャナ部3は、FBS(Flatbed Scanner)として機能する原稿載置台5に対して、自動原稿搬送機構(ADF:Auto Document Feeder、以下「ADF」という。)6を備えた原稿カバー7が、背面側の蝶番を介して開閉自在に取り付けられてなる。原稿載置台5は、多機能装置1の筐体であり、装置上面の一部を構成している。また、原稿カバー7も、装置の上面の一部を構成している。なお、本実施形態においては、ADF6の構造及び機能は直接関係がないので、図4においては、ADF6用の原稿搬送用開口(原稿画像面露出用開口)は省略されている。
【0047】
図4に示すように、原稿載置台5の上面にはプラテンガラス60が配設されており、図1に示すように原稿カバー7が閉じられた状態では、プラテンガラス60は原稿カバー7に覆われる。この状態で、原稿カバーが装置上面の一部となる。原稿カバー7の下面には、プラテンガラス60上に載置された原稿を押さえるために、スポンジ及び白板等からなる押さえ部材62が配設されている。図5に示すように、原稿載置台5の内部には、画像読取ユニット61が内蔵されている。スキャナ部3をFBSとして使用する場合は、原稿カバー7を開いてプラテンガラス60上に原稿を載置する。プラテンガラス60は、A4サイズ以下の原稿が載置可能であり、長方形の原稿の長手方向を多機能装置1の幅方向としてプラテンガラス60上に載置される。そして、原稿カバー7が閉じられて、原稿がプラテンガラス60上に固定される。画像読取ユニット61がプラテンガラス60に沿って走査されることにより、FBSによる原稿の画像読取りが行われる。
【0048】
プラテンガラス60は、スキャナ部3をFBSとして使用する場合に原稿を載置するものであり、例えば透明なガラス板である。プラテンガラス60の一端側は、原稿搬送ローラ98(図8参照)の下方にまで至っており、ADF6を用いて画像読取りを行う際の読取面をも構成している。
【0049】
図5は、原稿載置台5の内部構成を示すものである。原稿載置台5の筐体の下フレーム63内には、画像読取ユニット61が配設されている。中央にプラテンガラス60を露出するための開口が形成された上カバー71(図6参照)が下フレーム63に嵌合されて、原稿載置台5の筐体が構成される。下フレーム63及び上カバー71は共に合成樹脂製のものである。下フレーム63は、底板を構成するベース部64と、ベース部64の周囲から起立した側壁65と、画像読取ユニット61が配設される部分と操作パネル9の基板等が配設される部分とを仕切る仕切板66とが一体的に成形されたものである。なお、下フレーム63には、さらに、プラテンガラス60を支持するための支持リブや、各種部材をネジ止めするためのボス部、電気配線等のための貫通孔等が設けられているが、これらは原稿載置台5の実施態様に応じて適宜設計されるものなので、詳細な説明は省略する。
【0050】
画像読取ユニット61は、コンタクトイメージセンサ(Contact Image Sensor)67、キャリッジ68、ガイドシャフト69、及びベルト駆動機構70から構成されている。コンタクトイメージセンサ67は、光源を発光させて原稿に光を照射し、原稿からの反射光をレンズにより光電変換素子に導き、光電変換素子が反射光強度に応じた電気信号を出力するいわゆる密着型のイメージセンサである。コンタクトイメージセンサ67は、キャリッジ68に搭載されて、プラテンガラス60の下方を往復移動される。キャリッジ68は、下フレーム63の幅方向に渡って架設されたガイドシャフト69と嵌合し、ベルト駆動機構70により駆動されて、ガイドシャフト69上を摺動するように移動される。キャリッジ68が、コンタクトイメージセンサ67をプラテンガラス60に密着させるように搭載してガイドシャフト69上を移動されることにより、コンタクトイメージセンサ67がプラテンガラス60と平行に移動される。
【0051】
図6に示すように、キャリッジ68は、その上側に担持するようにしてコンタクトイメージセンサ67を搭載している。キャリッジ68の下面には、ガイドシャフト69を上方から跨ぐようにして嵌合するシャフト受け部72が形成されている。シャフト受け部72とガイドシャフト69とが嵌合して、キャリッジ68がガイドシャフト69に担持され、ガイドシャフト69の軸方向にキャリッジ68が摺動自在となっている。シャフト受け部72の側方には、ベルト掴持部73が下方へ突設されている。ベルト掴持部73が、ベルト駆動機構70のタイミングベルト74を掴むことにより、タイミングベルト74とキャリッジ68とが連結される。これにより、ベルト駆動機構70からキャリッジ68に駆動力が伝達されて、ガイドシャフト69上をキャリッジ68が移動する。
【0052】
キャリッジ68の内側には、バネ受け部75が左右2箇所に形成されている。バネ受け部75により位置決めされて、コンタクトイメージセンサ67とキャリッジ68との間にコイルバネ76が介設されている。コイルバネ76により、キャリッジ68に搭載されたコンタクトイメージセンサ67がプラテンガラス60の下面に押し付けられるように密着される。コンタクトイメージセンサ67の両端側には、コロ77が設けられている。コロ77により、プラテンガラス60の下面に押し付けられたコンタクトイメージセンサ67が、キャリッジ68の移動に伴いプラテンガラス60の下面に密着しながら円滑に移動する。
【0053】
図7に示すように、ベルト駆動機構70は、駆動プーリ78と従動プーリ79との間にタイミングベルト74が巻架されて構成されている。タイミングベルト74は、内側に歯が形成された無端ベルトである。駆動プーリ78の軸には、CRモータ112(図8参照)の回転が出力される。駆動プーリ78の回転を受けて、タイミングベルト74が周運動する。駆動プーリ78は、下フレーム63の左奥に配設されている。駆動プーリ78に巻かれたタイミングベルト74は、下フレーム63の正面側へ延出され、ガイドシャフト69の手前に配設された中間プーリ80に巻かれて略直角に曲折し、ガイドシャフト69に沿って下フレーム63の右端まで延出され、該右端付近に配設された従動プーリ79に巻かれることにより、L字状に架設されている。タイミングベルト74の従動プーリ79から中間プーリ80の間の部分、すなわちガイドシャフト69に沿った部分を、キャリッジ68のベルト掴持部73が掴む。これにより、タイミングベルト74とキャリッジ68とが連結される。なお、タイミングベルト74には、無端ベルト以外に、ベルトの両端部がキャリッジ68に固着された有端ベルトを用いることができることは言うまでもない。
【0054】
図1に示すように、原稿カバー7には、原稿トレイ81からADF6内部に形成された原稿搬送路を経て原稿排出トレイ83へ原稿を連続搬送するADF6が備えられている。ADF6による搬送過程において、原稿がプラテンガラス60の読取面を通過し、読取面の下方に待機する画像読取ユニット61が、該原稿の画像を読み取るようになっている。なお、本発明においてADF6は任意の構成であり、スキャナ部3がADF6を具備せず、FBSとしてのみ画像読取を行うものであってもよい。したがって、ADF6の詳細な説明については省略する。
【0055】
スキャナ部3をFBSとして使用する場合には、キャリッジ68がプラテンガラス60の下方をプラテンガラス60と平行に移動されて、キャリッジ68に搭載されたコンタクトイメージセンサ82がプラテンガラス60上に載置された原稿の画像を読み取る。ADF6を使用する場合には、キャリッジ68がプラテンガラス60の読取面の下方に移動して静止し、コンタクトイメージセンサ82が読取面を通過する原稿の画像を読み取る。
【0056】
なお、本実施の形態では、画像読取ユニット61としてコンタクトイメージセンサ82が用いられているが、コンタクトイメージセンサ82に代えて、CCD(Charge Coupled Device)のような縮小光学系のイメージセンサを用いても、本発明の効果が得られることは勿論である。
【0057】
(制御部)
以下、上記プリンタ部2及びスキャナ部3の動作を制御する制御部について説明する。図8は、多機能装置1の制御部100の構成を示している。制御部100は、プリンタ部2及びスキャナ部3を含む多機能装置1の動作を制御するものである。制御部100は、図に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)104を主とするマイクロコンピュータとして構成されており、バス105を介してASIC(Application Specific Integrated Circuit)106に接続されている。
【0058】
ROM102には、多機能装置1の各種動作を制御するためのプログラム等が格納されている。RAM103は、CPU101が上記プログラムを実行する際に用いる各種データを一時的に記録する記憶領域又は作業領域として使用される。
【0059】
ASIC106は、CPU101からの指令に従い、プリンタ部2のCRモータ107又はLFモータ108にそれぞれ通電する相励磁信号等を生成して、該信号をCRモータ107又はLFモータ108の駆動回路109,110に付与する。駆動回路109,110を介して駆動信号がCRモータ107又はLFモータ108に通電されることにより、CRモータ107及びLFモータ108の回転制御が行われる。
【0060】
駆動回路109は、プリンタ部2の走査キャリッジ31に接続されたCRモータ107を駆動させるものである。駆動回路109は、ASIC106からの出力信号を受けて、CRモータ107を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたCRモータ107が回転し、CRモータ107の回転力がベルト駆動機構38を介して、走査キャリッジ31へ伝達されることにより走査キャリッジ31が走査される。
【0061】
駆動回路110は、プリンタ部2の給紙ローラ25、搬送ローラ47、排紙ローラ49及びパージ機構43に接続されたLFモータ108を駆動させるものである。駆動回路110は、ASIC106からの出力信号を受けて、LFモータ108を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたLFモータ108が回転し、LFモータ108の回転力がギアや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して、給紙ローラ25、搬送ローラ47、排紙ローラ49及びパージ機構43へ伝達される。
【0062】
駆動回路111は、記録ヘッド30から所定のタイミングでインクを記録用紙に対して選択的に吐出させるものである。駆動回路111は、CPU65から出力される駆動制御手順に基づいてASIC106において生成された出力信号を受けて、記録ヘッド30を駆動制御する。
【0063】
ASIC106には、プリンタ部2の搬送ローラ47の回転量を検出するためのロータリーエンコーダ、走査キャリッジ31の移動量を検出するためのリニアエンコーダ等が接続されている。これらロータリーエンコーダやリニアエンコーダの検出信号に基づいて、CPU101がASIC106に指令を出力し、該指令に従ってASIC106がCRモータ107及びLFモータ108にそれぞれ通電する相励磁信号等を生成する。
【0064】
ASIC106は、CPU101からの指令に従い、スキャナ部3のCRモータ112又はADF6のLFモータ113にそれぞれ通電する相励磁信号等を生成して、該信号をCRモータ112又はLFモータ113の駆動回路114,115に付与する。駆動回路114,115を介して駆動信号がCRモータ112又はLFモータ113に通電されることにより、CRモータ112及びLFモータ113の回転制御が行われる。
【0065】
駆動回路114は、スキャナ部3のキャリッジ68に接続されたCRモータ112を駆動させるものである。駆動回路114は、ASIC106からの出力信号を受けて、CRモータ112を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたCRモータ112が回転し、CRモータ112の回転力が周知の走査機構を介して、キャリッジ68へ伝達されことによりキャリッジ68が移動される。
【0066】
駆動回路115は、ADF6の搬送ローラ等の駆動部分に接続されたLFモータ113を駆動させるものである。駆動回路115は、ASIC106からの出力信号を受けて、LFモータ113を回転するための電気信号を生成する。電気信号を受けたLFモータ113が回転し、LFモータ113の回転力がギアや駆動軸等からなる周知の駆動機構を介して、ADF6の搬送ローラ等へ伝達される。
【0067】
ASIC106には、スキャナ部3において原稿の画像読取りを行うコンタクトイメージセンサ67が接続されている。ASIC106は、CPU101の指令に基づいて、コンタクトイメージセンサ67の光源から光を照射するための電気信号や光電変換素子から画像データを出力するためのタイミング信号をコンタクトイメージセンサ67に付与する。コンタクトイメージセンサ67は、これら信号を受けて、所定のタイミングで原稿に光を照射し、光電変換素子により変換された画像データを出力する。
【0068】
ASIC106には、多機能装置1に所望の指令を入力する操作キー10を制御するパネルゲートアレイ116が接続されている。パネルゲートアレイ116は、操作キー10の押下を検出して、所定のコード信号を出力する。このキーコードは、複数の操作キー10に対応して割り当てられており、特に、液晶表示部(表示部)11の周囲に配置された操作キー10に対しては、液晶表示部11の表示に関連して複数のキーコードが付与されている。CPU101は、パネルゲートアレイ116から所定のキーコードを受信すると、所定のキー処理テーブルに従って、実行すべき制御処理を行う。キー処理テーブルは、キーコードと制御処理とを対応させてテーブル化したものであり、例えば、ROM102に記憶されている。
【0069】
ASIC106には、液晶表示部11の画面表示を制御するLCDコントローラ117が接続されている。LCDコントローラ117は、CPU101の指令に基づいて、液晶表示部11にプリンタ部2又はスキャナ部3の動作に関する情報を画面に表示させる。
【0070】
また、ASIC106には、各種小型メモリカードが挿入されるスロット部8、コンピュータとパラレルケーブル又はUSBケーブルを介してデータの送受信を行うためのパラレルインタフェース118及びUSBインタフェース119が接続されている。さらに、ASIC106には、ファクシミリ機能を実現するためのNCU(Network Control Unit)120やMODEM121が接続されている。
【0071】
(操作パネル)
以下、多機能装置1の操作パネルについて説明する。図1に示すように、原稿載置台5の正面側には、操作パネル9が設けられている。操作パネル9は、各種操作キー10と液晶表示部11とを具備する。使用者は、操作パネル9を用いて、所望の指令を入力する。多機能装置1は、所定の入力を受けて所定の動作を行う。多機能装置1は、操作パネル9へ入力された指令のほか、コンピュータに接続されて該コンピュータからプリンタドライバやスキャナドライバ等を介して送信される指令によっても動作する。
【0072】
多機能装置1の正面の左上部には、記録媒体である各種小型メモリカードを装填可能なスロット部8が設けられている。スロット部8に装填された小型メモリカードに記録された画像データを読み出してその画像データに関する情報を液晶表示部11に表示させ、任意の画像をプリンタ部3により記録用紙に記録させることができる。このための入力は、操作パネル9から行われる。
【0073】
図9に示すように、液晶表示部11は、平面視が横長矩形であり、その縦寸法が操作パネル9の奥行き寸法より若干小さいものである。したがって、液晶表示部11の奥側及び手前側には、操作パネル9に操作キー10を配置するためのスペースがない。換言すれば、液晶表示部11は、操作パネル9に配置可能な大きさで大型化されている。このような大型の液晶表示部11を用いることにより、液晶表示部11に表示された文字や画像等の視認性が向上する。
【0074】
液晶表示部11は、操作パネル9の幅方向の中央に配置されている。液晶表示部11の幅寸法は、操作パネル9の幅寸法に比べて十分に小さい。したがって、液晶表示部11の側方には、操作パネル9に操作キー10を配置するためのスペースがある。液晶表示部11を操作パネル9の中央に配置することにより、液晶表示部11の左右両側に操作キー10を配置することができる。これにより、操作キー10の配置に対する液晶表示部11の位置のバランスがよくなる。
【0075】
操作キー10は、液晶表示部11の周囲に設けられた操作キー10A、操作パネル9の右端側に設けられた操作キー10B、操作パネル9の左端側に設けられた操作キー10Cの3つに大別される。
【0076】
操作キー10Aは、液晶表示部11の周囲であって、左右の両側方に液晶表示部11の側縁に沿って各々一列に配置されている。このように、液晶表示部11の左右両側に操作キー10Aを配置することにより、液晶表示部11の側方のスペースを有効利用できる。
【0077】
操作キー10Aは、ファクシミリモード、コピーモード、スキャンモード等の各モードを切り替えるためのモードキーであり、さらに各モードにおける各種設定を行うための設定キーも兼ねている。つまり、操作キー10Aには、複数の入力が割り当てられており、各操作キー10Aを押下することにより入力される内容は、液晶表示部11に表示される。この操作キー10Aと液晶表示部11の表示との関係は後述する。
【0078】
操作キー10Bは、多機能装置1の電源をオン/オフするための電源キー、制御部100に登録された電話帳や短縮ダイヤルの検索、通話音量や警告音、入力確認音の音量の変更、各種設定を確定するためのナビゲーションキー、画像記録や画像読取りの開始を入力するためのスタートキー、各種処理の中断を入力するためのストップキー等を備えている。また、操作キー10Cは、電話番号の入力等のためのダイヤルキー等を備えている。なお、操作キー10B及び操作キー10Cの種類は一例であり、本発明の操作キーがこれらに限定されないことは当然である。
【0079】
液晶表示部11は、図1に示すように、その表面と操作パネル9の表面とが同一面となるように、操作パネル9に倒伏する。この液晶表示部11の姿勢を倒伏姿勢と呼ぶ。一方、液晶表示部11は、図10に示すように、操作パネル9に対して起立するように回動可能である。この液晶表示部11の姿勢を起立姿勢と呼ぶ。液晶表示部11が倒伏姿勢にされることにより、液晶表示部11が操作パネル9の表面から突出することがなく、操作パネル9の外観が向上される。また、多機能装置1の上側からの液晶表示部11の表示の視認性が向上される。一方、液晶表示部11が起立姿勢とされることにより、多機能装置1の正面側からの液晶表示部11の表示の視認性が向上される。
【0080】
このような液晶表示部11の回動は、液晶表示部11に設けられた軸12(図11参照)が原稿載置台5に軸支されることにより実現される。液晶表示部11は、所定の厚みの平板形状をなす筐体の内部に、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)が表面側から視認可能に配設されてなる。図には示してないが、液晶表示部11の裏面側からはフラットケーブルが延出され、該フラットケーブルが制御基板52(図3参照)に接続されることにより、制御基板52から電気信号を受けて所定の画面が液晶ディスプレイに表示される。
【0081】
図11に示すように、液晶表示部11の筐体の側面には、軸12が側方へ突設されている。この軸12が原稿載置台5の操作パネル9の中央付近において軸支されることにより、液晶表示部11が軸12回りに回動可能になる。軸12は、倒伏姿勢における装置正面側(図11左側)であって厚み方向の下側の隅部付近から、水平方向(図11手前側)に突出している。図には表れていないが、液晶表示部11の対向する側面にも同様の軸12が設けられている。
【0082】
図11に示すように、原稿載置台5に軸支された液晶表示部11の軸12の上側に嵌合するようにして、係合部材13が配設されている。液晶表示部11が原稿載置台5に軸支された状態において、係合部材13は原稿載置台5に固定されている。係合部材13には、軸12の周方向に並ぶようにして、複数の係止爪14が形成されている。液晶表示部11には、その先端が、隣り合う係止爪14間に合致するように山折り状に曲折された板バネ15が突設されている。
【0083】
図11に示すように、液晶表示部11が倒伏姿勢の場合には、板バネ15は倒伏側端の係止爪14と係合する。倒伏姿勢の液晶表示部11を起立姿勢とするために回動させるには、板バネ15の山折れ状の先端を、係止爪14の先端より軸12の径方向外側へ弾性変形させる必要がある。換言すれば、そのように板バネ15を弾性変形させる力を液晶表示部11に付与しなければ、液晶表示部11は回動されない。これにより、倒伏姿勢の液晶表示部11が回動方向へがたつくことが防止される。
【0084】
使用者が、倒伏姿勢の液晶表示部11の先端部分を持って起立させるように回動させれば、使用者が付与した回動力により、板バネ15の先端は係止爪14に沿って軸12の径方向外側へ弾性変形する。そして、板バネ15の先端が、倒伏側端の係止爪14の先端を超えると、山折れ状に曲折された板バネ15の先端は、その係止爪14とそれに隣接する係止爪14との間の谷間に係合するようにして、軸12の径方向内側へ復元する。板バネ15の先端が係止爪14間の谷間に係合した状態から、液晶表示部11を起立方向又は倒伏方向のいずれに回動させるにも、板バネ15の山折れ状の先端を、係止爪14の先端より軸12の径方向外側へ弾性変形させる力を付与する必要がある。換言すれば、液晶表示部11を使用者がさらに回動させない限り、液晶表示部11は、板バネ15の先端が係止爪14間の谷間に係合した状態で、姿勢を維持する。
【0085】
使用者が、さらに液晶表示部11を回動させると、前述と同様に、板バネ15の先端は係止爪14に沿って軸12の径方向外側へ弾性変形して、板バネ15の先端が、所定の係止爪14の先端を超えると、山折れ状の曲折された板バネ15の先端は、その係止爪14とそれに隣接する係止爪14との間の谷間に係合するようにして、軸12の径方向内側へ復元する。そして、液晶表示部11を使用者がさらに回動させない限り、液晶表示部11は、板バネ15の先端が係止爪14間の谷間に係合した状態で、その姿勢を維持する。このような係止爪14と板バネ15との係合により、所定の回動位置で液晶表示部11の姿勢が維持される。つまり、液晶表示部11を係止爪14と板バネ15が係合する所定の姿勢に仮固定することができる、所謂チルト機構が実現される。
【0086】
図12に示すように、原稿載置台5は、プリンタ部2を構成する装置下部に対して上側に開くように回動可能である。原稿載置台5は、プリンタ部2を構成する装置下部の筐体16の側方(図12左側)にヒンジ機構を介して連結されている。このヒンジ機構により、原稿載置台5が筐体16に対して可動可能になっている。
【0087】
図12に示すように、原稿載置台5が上側へ開かれることにより、筐体16の内部、すなわちプリンタ部2の内部が露出される。この状態で、インクタンク32の交換や搬送路23におけるジャム処理等のメンテナンスを行うことができる。操作パネル9は、原稿載置台5の上面の正面側に設けられているので、原稿載置台5とともに回動する。一方、操作パネル9のうち、液晶表示部11を回動可能に軸支する部分、すなわち液晶表示部11の両側の部分は原稿載置台5とともに回動せず、筐体16に固定されている。この部分を固定部分17と呼ぶ。
【0088】
液晶表示部11を操作パネル9に対して回動可能にするには、その軸12を軸支する部分(固定部分17)を操作パネル9に設ける必要がある。その固定部分17に、操作キー10Aを配置することにより、液晶表示部11の両側の固定部分のスペースが有効利用される。
【0089】
以下、操作キー10Aと液晶表示部11の表示との関係について説明する。液晶表示部11は、各操作キー10Aに近接する領域、すなわち液晶表示部11の画面の左右の領域に、各操作キー10Aにより入力され得る指令を各操作キー10Aに関連づけて表示する。これにより、使用者は、各操作キー10Aを押下することにより入力され得る指令を液晶表示部11の表示により認識することができる。
【0090】
図13に示すように、液晶表示部11の左右には、各々4つの操作キー10Aが配置されている。液晶表示部11の右側に配置された4つの操作キー130,131,132,133はモードキーであり、図14に示すように、これらを押下することにより多機能装置1の主機能選択が行われる(S1)。そして、押下された操作キー130,131,132,133に応じて、ファクシミリ機能(S2)、コピー機能(S3)、スキャナ機能(S4)、又はメディア機能(S5)が設定される。液晶表示部11の左側に配置された4つの操作キー134,135,136,137は、各機能において各種設定を入力したり画面を移動する際に用いられる。
【0091】
図13に示すように、液晶表示部11の画面は、内容表示領域140とキー入力表示領域141とを有する。内容表示領域140は画面の中央部に配置されている。内容表示領域140には、待機状態では現在の日付や時刻が表示され、各機能においては各種設定や画像が表示される。キー入力表示領域141は、画面の左右の端部に分かれて配置されている。キー入力表示領域141は、各操作キー130〜137により入力され得る指令を表示するものである。本実施の形態では、液晶表示部11の左右両側に操作キー130〜137が配置されているので、キー入力表示領域141は画面の左右の端部に配置されている。なお、操作キーが液晶表示部11の左右のいずれか一方にのみ配置されている場合には、キー入力表示領域141も画面の左右いずれか一方にのみ配置すればよい。
【0092】
なお、キー入力表示領域141の配置は、画面の左右に限定されるものではないが、本実施の形態のように液晶表示部11が横長矩形である場合には、液晶表示部11の画面の左右端をキー入力表示領域141とすることにより、内容表示領域140及びキー入力表示領域141を共に見やすいレイアウトにすることができる。また、各操作キー130〜137及び液晶表示部11が横長に配置されるので、これらを多機能装置1の正面側に配置する際にスペースの効率がよい。
【0093】
キー入力表示領域141は、各操作キー130〜137に対応して複数のサブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、最も近接する操作キー130〜137により入力され得る指令が表示される。すなわち、画面右側のキー入力表領域141は、画面の右側に縦一列に配置された4つの操作キー130〜133に対応して、縦に4分割されたサブ領域150〜153を有している。サブ領域150は、操作キー130に対応しており、サブ領域151は、操作キー131に対応しており、サブ領域152は、操作キー132に対応しており、サブ領域153は、操作キー133に対応している。
【0094】
画面左側のキー入力表領域141は、画面の左側に縦一列に配置された4つの操作キー134〜137に対応して、縦に4分割されたサブ領域154〜157を有している。サブ領域154は、操作キー134に対応しており、サブ領域155は、操作キー135に対応しており、サブ領域156は、操作キー136に対応しており、サブ領域157は、操作キー137に対応している。これにより、使用者は、複数の操作キー130〜137のうちいずれの操作キーを押下することにより如何なる指令が入力されるかを、各サブ領域150〜157の表示により認識することができる。
【0095】
図13は、待機状態の多機能装置1の画面表示(第1の表示画面)を示している。図には示していないが、内容表示領域140には、現在の日付や時刻が表示される。サブ領域150には「Media」の表示がなされる。これは、操作キー130が押下されることにより、メディア機能が実行されることを意味する。サブ領域151には「COPY」の表示がなされる。これは、操作キー131が押下されることにより、コピー機能が実行されることを意味する。サブ領域152には「FAX」の表示がなされる。これは、操作キー132が押下されることにより、ファクシミリ機能が実行されることを意味する。サブ領域153には「SCAN」の表示がなされる。これは、操作キー133が押下されることにより、スキャナ機能が実行されることを意味する。
【0096】
なお、サブ領域154〜157の表示は特に示していないが、待機状態において操作キー134〜137が押下されることにより入力される指令がない場合には、ブランク表示とすればよい。一方、待機状態において操作キー134〜137が押下されることにより何らかの指令が入力される場合には、その指令を意味する表示を表示させればよい。なお、本実施の形態において示した表示の順序や言語は一例であり、本発明が本実施の形態に示された表示の順序や言語に限定されないことは言うまでもない。
【0097】
図14に示すように、待機状態において、操作キー130〜133のいずれかが押下されることにより(S1)、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされる。すなわち、待機状態において操作キー130が押下されると、メディア機能が実行可能になる(S2)。また、待機状態において操作キー131が押下されると、コピー機能が実行可能になる(S3)。また、待機状態において操作キー132が押下されると、ファクシミリ機能が実行可能になる(S4)。また、待機状態において操作キー133が押下されると、スキャン機能が実行可能になる(S5)。
【0098】
制御部100は、各操作キー130〜137により入力され得る指令を階層構造として保持している。第1の階層の指令は、各機能を選択するための選択指令であり、第2の階層の指令は、各機能における各種設定のための指令である。つまり、待機状態においてサブ領域150〜153に表示された「Media」、「COPY」、「FAX」、及び「SCAN」に基づく各指令は第1の階層を構成する。そして、第1の階層に指令に対応して、各機能の設定を入力されるための指令により第2の階層が構成されている。
【0099】
図15は、待機状態において「Media」の表示に対応する操作キー130が押下された場合の液晶表示部11の画面表示(第2の表示画面)を示している。これによりメディア機能の実行や各種設定が行われる。メディア機能とは、スロット部8に装填された小型メモリカードに記憶された画像データを読み出して印刷等を行う機能である。この画面においても、画面中央に内容表示領域140が配置され、画面の左右にキー入力表示領域141が配置されている。キー入力表示領域141は、同様に、操作キー130〜137に対応して、サブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、操作キー130〜137により入力され得る第2の階層の指令が表示されている。
【0100】
図15に示すように、内容表示領域140の画面上側には、第1の階層の指令を表示する機能表示領域142が設けられている。機能表示領域142には、第1の表示画面において入力された第1の階層の指令が表示される。図15では、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。これにより、使用者は、各機能の設定画面(第2の表示画面)において、いずれの第1の階層の下の第2の階層の指令を行っているかを認識することができるので、操作性が向上される。
【0101】
図15に示すように、内容表示領域140には、「View Photos」、「Print Index」、「Print All Photos」、及び「Print Photos」の4つが選択可能であることが表示される。「View Photos」は、小型メモリカードに記憶された画像データの画像を液晶表示部11に表示させる機能である。「Print Index」は、小型メモリカードに記憶された画像データの画像をインデックスプリントする機能である。「Print All Photos」は、小型メモリカードに記憶された全画像データの画像を印刷する機能である。「Print Photos」は、小型メモリカードに記憶された画像データのうち任意の画像データの画像を選択して印刷する機能である。
【0102】
図15に示すように、サブ領域150〜153には、「View Photos」、「Print Index」、「Print All Photos」、「Print Photos」がそれぞれ表示される。サブ領域157には、「top」が表示される。「top」の表示は、操作キー137が押下されることにより、図13に示す待機画面に復帰することを意味する。この画面において、操作キー130〜133のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した機能がそれぞれ実行される。また、操作キー137が押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、液晶表示部11の表示が待機状態の画面となる。これにより、使用者は、操作キー130〜137をそれぞれ押下することにより、前述した各機能が実行されることを認識できる。また、各操作キー130〜137に第1の階層の指令と第2の階層の指令とを割り当てることができるので、指令数に対する操作キー数を少なくすることができる。
【0103】
図16は、図15において「View Photos」の表示に対応する操作キー130が押下された場合の液晶表示部11の画面表示を示している。これにより、小型メモリカードに記憶された画像データの基づく画像を液晶表示部11で確認することができる。液晶表示部11の機能表示領域142には、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。また、キー入力表示領域141が表示されず、内容表示領域140が横幅を拡大して表示される。内容表示領域140には、小型メモリカードに記憶された画像データのうちの1つの画像データの画像が表示される。使用者は、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーを操作することにより、別の画像データの画像を内容表示領域140に表示させることができる。また、ストップキーを押下することにより、画像表示が終了する。
【0104】
図17(a)は、図15において「Print Index」の表示に対応する操作キー131が押下された場合の液晶表示部11の画面表示を示している。これにより、小型メモリカードに記憶された画像データの基づく画像をインデックスプリントすることができる。液晶表示部11の機能表示領域142には、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。内容表示領域140には、「6 images/Line fast」及び「5 images/Line fine」の2つが選択可能であることが表示される。「6 images/Line fast」は、インデックスプリントにおいて1行当たり6画像が印刷される設定である。「5 images/Line fine」は、インデックスプリントにおいて1行当たり5画像が印刷される設定である。1行当たり5画像の場合は、1行当たり6画像の場合より印刷速度が遅いが、印刷品質がよくなる。
【0105】
図17(a)に示すように、サブ領域150,151には、「6 images/Line fast」、「5 images/Line fine」がそれぞれ表示される。この画面において、操作キー130,131のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされる。そして、図17(b)に示す画面が表示される。この画面では、液晶表示部11の機能表示領域142には、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。内容表示領域140には、「Print Range Input No.」が表示される。そして、操作キー10Cに含まれるダイヤルキーによりインデックスプリントを行う画像データの範囲が入力される。そして、操作キー10Bに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づくインデックスプリントがプリンタ部2により実行される。
【0106】
図18は、図15において「Print All Photos」又は「Print Photos」の表示に対応する操作キー132,133が押下された場合の液晶表示部11の画面表示を示している。これにより、小型メモリカードに記憶された画像データの基づく画像がプリンタ2により印刷される。液晶表示部11の機能表示領域142には、メディア機能を示す「Media」の表示がなされている。
【0107】
内容表示領域140には、「Print All Photos」又は「Print Photos」において入力可能な各種設定及び現在の設定状況が表示される。具体的には、内容表示領域140には、「Print quality」、「Paper Size」、「Print Size」、「Brightness」、「True 2 Life」、「Cropping」、及び「Borderless」の7種類の設定が表示される。「Print quality」は、印刷品質を意味する。印刷品質として、例えば、標準又は写真のいずれかが設定可能である。内容表示領域140には、「Photo」が表示されており、写真画質が現在設定されていることがわかる。「Paper Size」は、記録用紙サイズを意味する。記録用紙サイズとして、例えば、L版、2L版、はがき、レター、A4等が設定可能である。内容表示領域140には、「Letter」が表示されており、レターサイズが現在設定されていることがわかる。「Print Size」は、印刷サイズを意味する。印刷サイズとして、例えば、6インチ×4インチ等が設定可能である。内容表示領域140には、「6"x4"」が表示されており、6インチ×4インチが現在設定されていることがわかる。「Brightness」は、印刷画像の明るさを意味する。印刷画像の明るさとして、例えば、標準から正側又は負側に2段階で合計5段階の設定が可能である。内容表示領域140には、「0」が表示されており、標準が現在設定されていることがわかる。「True 2 Life」は、画質強調を意味する。画質強調として、例えば、ホワイトバランス、シャープネス及びカラー調整がそれぞれ5段階で設定可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、画質強調の設定が現在されていないことがわかる。「Cropping」は、画像のトリミングを意味する。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、トリミングの設定が現在されていないことがわかる。「Borderless」は、縁なし印刷を意味する。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、縁なし印刷の設定が現在されていないことがわかる。
【0108】
図18(a)に示すように、サブ領域150〜154には、「Print quality」、「Paper Size」、「Print Size」、「Brightness」、「True 2 Life」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。「next」の表示は、操作キー135が押下されることにより、図18(b)に示す次の設定画面に移行することを意味する。「back」の表示は、操作キー136が押下されることにより、一つ前の画面に戻ることを意味する。この画面において、操作キー130〜134のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーにより選択及び決定される。
【0109】
図18(a)において、操作キー135が押下されると、図18(b)に示す画面に移行する。この画面では、サブ領域150,151には、「Cropping」、「Borderless」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。
この画面において、操作キー130,131のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーにより選択及び決定される。このようにして各種設定が入力された後、操作キー10Bに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づく画像印刷がプリンタ部2により実行される。
【0110】
図19は、待機状態において「COPY」の表示に対応する操作キー131が押下された場合の液晶表示部11の画面表示(第2の表示画面)を示している。これによりコピー機能の実行や各種設定が行われる。コピー機能とは、スキャナ部3により画像読取りされた画像をプリンタ部2により印刷する機能である。この画面においても、画面中央に内容表示領域140が配置され、画面の左右にキー入力表示領域141が配置されている。キー入力表示領域141は、同様に、操作キー130〜137に対応して、サブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、操作キー130〜137により入力され得る第2の階層の指令が表示されている。
【0111】
図19に示すように、内容表示領域140の画面上側には、第1の階層の指令を表示する機能表示領域142が設けられている。機能表示領域142には、第1の表示画面において入力された第1の階層の指令が表示される。図19では、コピー機能を示す「COPY」の表示がなされている。これにより、使用者は、各機能の設定画面(第2の表示画面)において、いずれの第1の階層の下の第2の階層の指令を行っているかを認識することができるので、操作性が向上される。
【0112】
内容表示領域140には、コピー機能において入力可能な各種設定及び現在の設定状況が表示される。具体的には、内容表示領域140には、「Quality」、「Enlarge/Reduce」、「Paper Layout」、「Paper Type」、「Paper Size」、「Stack/Sort」、「Brightness」、「Contrast」、及び「Color Adjust」の9種類の設定が表示される。「Quality」は、コピー画質を意味する。コピー画質として、例えば、高速、標準又は高画質のいずれかが設定可能である。内容表示領域140には、「Normal」が表示されており、標準が現在設定されていることがわかる。「Enlarge/Reduce」は、拡大コピー又は縮小コピーを意味する。拡大コピー・縮小コピーとして、例えば、A4からB5への縮小として86%のような設定を選択したり、所定倍率の任意の拡大率又は縮小率が設定可能である。内容表示領域140には、「50%」が表示されており、50%の縮小コピーが現在設定されていることがわかる。「Paper Layout」は、割付コピー又はポスターコピーを意味する。割付コピー・ポスターコピーとして、2枚又は4枚の原稿を1枚の記録用紙に割り付けることや、原稿を例えば3×3のポスターサイズに拡大して9枚の記録用紙に印刷することが設定可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、割付コピー・ポスターコピーが現在設定されていないことがわかる。
【0113】
「Paper Type」は、記録用紙の種類を意味する。記録用紙の種類として、例えば、普通紙、インクジェット光沢紙、OHPフィルムが設定可能である。内容表示領域140には、「Plain」が表示されており、普通紙が現在設定されていることがわかる。「Print Size」は、コピーサイズを意味する。コピーサイズとして、例えば、A4サイズ、B5サイズ、はがきが設定可能である。内容表示領域140には、「A4」が表示されており、A4サイズが現在設定されていることがわかる。「Stack/Sort」は、排紙方法を意味する。排紙トレイ21にソート機能が付加されている場合には、ソートが選択可能である。内容表示領域140には、「Stack」が表示されており、排紙トレイ21に排紙する通常の排紙方法が現在設定されていることがわかる。「Brightness」は、コピーの明るさを意味する。コピーの明るさとして、例えば、標準から正側又は負側に2段階で合計5段階の設定が可能である。内容表示領域140には、「+2」が表示されており、正側に2段階プラスした設定が現在されていることがわかる。「Contrast」は、コピーのコントラストを意味する。コントラストとして、例えば、標準から正側又は負側に2段階で合計5段階の設定が可能である。内容表示領域140には、「-1」が表示されており、負側に1段階マイナスした設定が現在されていることがわかる。「Color Adjust」は、カラー設定を意味する。カラー設定として、例えば、レッド、グリーン、ブルーの各色について、標準から正側又は負側に2段階で合計5段階の設定が可能である。
【0114】
図19(a)に示す画面では(第2の表示画面)では、サブ領域150〜154には、「Quality」、「Enlarge/Reduce」、「Paper Layout」、「Paper Type」、「Paper Size」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。図19(b)に示す画面では(第3の表示画面)では、サブ領域150〜153には、「Stack/Sort」、「Brightness」、「Contrast」、「Color Adjust」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。
【0115】
コピー機能における第2の階層の指令は9種類の設定に対応したものであり、8つの操作キー130〜137より多い。したがって、制御部100は、その指令の一部を図19(a)に示す画面のサブ領域150〜154に表示させて、各操作キー130〜134に各指令を割り当て、残りの指定を図19(b)に示す画面のサブ領域150〜153に表示させて、各操作キー130〜133に各指令を割り当てる。そして、両画面のサブ領域155,156に、これら画面の表示を切り替えるための「next」及び「back」の表示をさせて、各操作キー135,136に各指令を割り当てる。これにより、一つの操作キーに同一階層の複数の指令を割り当てることができるので、同一階層の指令数に対する操作キー数を少なくすることができる。
【0116】
これら画面において、操作キー130〜134のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーにより選択及び決定される。各種設定が入力された後、コピー枚数の入力が、操作キー10Cに含まれるダイヤルキーにより行われる。入力されたコピー枚数は、機能表示領域142に設けられたコピー枚数表示領域143に表示される。そして、操作キー10Bに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づくコピーがプリンタ部2及びスキャナ部3により実行される。
【0117】
図20は、待機状態において「FAX」の表示に対応する操作キー132が押下された場合の液晶表示部11の画面表示(第2の表示画面)を示している。これによりファクシミリ機能の実行や各種設定が行われる。ファクシミリ機能とは、スキャナ部3により画像読取りされた画像をファクシミリデータとして電話回線を通じて発信したり、電話回線を通じて受信したファクシミリデータをプリンタ部2により印刷する機能である。この画面においても、画面中央に内容表示領域140が配置され、画面の左右にキー入力表示領域141が配置されている。キー入力表示領域141は、同様に、操作キー130〜137に対応して、サブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、操作キー130〜137により入力され得る第2の階層の指令が表示されている。
【0118】
図20に示すように、内容表示領域140の画面上側には、第1の階層の指令を表示する機能表示領域142が設けられている。機能表示領域142には、第1の表示画面において入力された第1の階層の指令が表示される。図20では、ファクシミリ機能を示す「FAX」の表示がなされている。これにより、使用者は、各機能の設定画面(第2の表示画面)において、いずれの第1の階層の下の第2の階層の指令を行っているかを認識することができるので、操作性が向上される。
【0119】
内容表示領域140には、ファクシミリ機能において入力可能な各種設定及び現在の設定状況が表示される。具体的には、内容表示領域140には、「Quick Dial」、「Outgoing & Call histry」、「Caller ID history」、「Broadcasting」、「Contrast」、「Fax Resolution」、「Delated Fax」、「Batch TX」、「Real Time TX」、「Polled TX」、「Overseas Mode」及び「Scan Size」の12種類の設定が表示される。「Quick Dial」は、短縮ダイヤルを意味する。短縮ダイヤルは、予め設定して電話帳に登録することができる。「Outgoing & Call histry」及び「Caller ID history」は、通信管理を意味する。通信管理は、直近の送受信のレポートの印刷や送信レポート等を設定することができる。「Broadcasting」は、手動送信を意味する。手動送信はオン/オフが設定可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、手動送信が現在設定されていないことがわかる。「Contrast」は、原稿濃度を意味する。原稿濃度として、例えば、「自動」、「薄く」、「濃く」が設定可能である。内容表示領域140には、「Auto」が表示されており、自動が現在設定されていることがわかる。「Fax Resolution」は、原稿画質を意味する。原稿画質として、例えば、標準、原稿の文字が小さいときに設定される「ファイン」、原稿の文字がさらに細かいときに設定される「スーパーファイン」、原稿に写真等が含まれるときに設定される「シャシン」が設定可能である。内容表示領域140には、「Standard」が表示されており、標準が現在設定されていることがわかる。
【0120】
「Delayed Fax」は、タイマー送信を意味する。タイマー送信では、例えば、送信時刻を指定してファクシミリ送信を行うことができる。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、タイマー送信が現在設定されていないことがわかる。「Batch Fax」は、とりまとめ送りを意味する。とりまとめ送りでは、例えば、同じ相手先に同じ送信時刻で複数のタイマー送信を設定している場合に、1回の通信でまとめて送るように設定することが可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、まとめ送りが現在設定されていないことがわかる。「Real Time TX」は、リアルタイム送信を意味する。リアルタイム送信では、直ぐに相手先にダイヤルし、原稿の画像を読取りながら送信することが可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、リアルタイム送信が現在設定されていないことがわかる。「Polled TX」は、ポーリング送信を意味する。ポーリング送信では、相手側のファクシミリの操作で原稿を自動的に送信することが可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、ポーリング送信が現在設定されていないことがわかる。「Overseas Mode」は、海外送信を意味する。海外送信では、海外へファクシミリ送信するときに、通信エラーを少なくすることが可能である。内容表示領域140には、「Off」が表示されており、海外送信が現在設定されていないことがわかる。「Scan Size」は、原稿サイズを意味する。原稿サイズとして、例えば、A4サイズ、B5サイズ、レターサイズ等が設定可能である。内容表示領域140には、「Letter」が表示されており、レターサイズが現在設定されていることがわかる。
【0121】
図20(a)に示す画面では(第2の表示画面)では、サブ領域150〜154には、「Quick Dial」、「Outgoing & Call histry」、「Caller ID history」、「Broadcasting」、「Contrast」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。図20(b)に示す画面では(第3の表示画面)では、サブ領域150〜154には、「Fax Resolution」、「Delated Fax」、「Batch TX」、「Rea Time TX」、「Polled TX」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。図20(c)に示す画面では(第3の表示画面)では、サブ領域150,151には、「Overseas Mode」、「Scan Size」がそれぞれ表示される。サブ領域155〜157には、「next」、「back」、「top」がそれぞれ表示される。
【0122】
ファクシミリ機能における第2の階層の指令は12種類の設定に対応したものであり、8つの操作キー130〜137より多い。したがって、制御部100は、その指令の一部を図20(a)に示す画面のサブ領域150〜154に表示させて、各操作キー130〜134に各指令を割り当て、残りの指定を図20(b)及び図20(c)に示す画面のサブ領域150〜154にそれぞれ表示させて、各操作キー130〜134に各指令をそれぞれ割り当てる。そして、3つの画面のサブ領域155,156に、これら画面の表示を切り替えるための「next」及び「back」の表示をさせて、各操作キー135,136に各指令を割り当てる。これにより、一つの操作キーに同一階層の複数の指令を割り当てることができるので、同一階層の指令数に対する操作キー数を少なくすることができる。
【0123】
これら画面において、操作キー130〜134のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーにより選択及び決定される。ファクシミリ番号は、操作キー10Cに含まれるダイヤルキーにより入力される。入力されたダイヤルは、内容表示領域140に設けられたファクシミリ番号表示領域144に表示される。つづいて、操作キー10Bに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づくファクシミリ送信がプリンタ部2及びスキャナ部3により実行される。
【0124】
図21(a)は、待機状態において「SCAN」の表示に対応する操作キー133が押下された場合の液晶表示部11の画面表示(第2の表示画面)を示している。これによりスキャン機能の実行や各種設定が行われる。スキャン機能とは、スキャナ部3により原稿の画像読取りを行い、読み取った画像の画像データをスロット部8に装填された小型メモリカード等に記憶させる機能である。この画面においても、画面中央に内容表示領域140が配置され、画面の左右にキー入力表示領域141が配置されている。キー入力表示領域141は、同様に、操作キー130〜137に対応して、サブ領域150〜157に分割されている。各サブ領域150〜157には、操作キー130〜137により入力され得る第2の階層の指令が表示されている。
【0125】
図21(a)に示すように、内容表示領域140の画面上側には、第1の階層の指令を表示する機能表示領域142が設けられている。機能表示領域142には、第1の表示画面において入力された第1の階層の指令が表示される。図21(a)では、スキャン機能を示す「SCAN」の表示がなされている。これにより、使用者は、各機能の設定画面(第2の表示画面)において、いずれの第1の階層の下の第2の階層の指令を行っているかを認識することができるので、操作性が向上される。
【0126】
図21(a)に示すように、内容表示領域140には、「Card」、「E-mail」、「Image」、「OCR」及び「File」の5つが選択可能であることが表示される。「Card」は、スキャナ部3で読み取った画像データを小型メモリカードに記憶させる機能である。「E-mail」は、スキャナ部3で読み取った画像データを電子メールの添付ファイルとする機能である。「Image」は、スキャナ部3により読み取った画像を、多機能装置1に接続されたコンピュータ等に表示させる機能である。「OCR」は、スキャナ部3により読み取った画像データに含まれる文字をテキストデータに変換する機能である。「File」は、スキャナ部3により読み取った画像データを所定の記憶媒体に記憶させる機能である。
【0127】
図21(a)に示すように、サブ領域150〜154には、「Card」、「E-mail」、「Image」、「OCR」、「File」がそれぞれ表示される。サブ領域157には、「top」が表示される。この画面において、操作キー130〜134のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した機能がそれぞれ実行される。また、操作キー137が押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、液晶表示部11の表示が待機状態の画面となる。
【0128】
図21(b)は、図21(a)において「Card」の表示に対応する操作キー130が押下された場合の液晶表示部11の画面表示を示している。これにより、スキャナ部3により読み取られた画像データがスロット部8に装填された小型メモリカードに記憶される。液晶表示部11の機能表示領域142には、スキャン機能を示す「SCAN」の表示がなされている。
【0129】
内容表示領域140には、「Card」において入力可能な各種設定及び現在の設定状況が表示される。具体的には、内容表示領域140には、「Resolution」、「File Type」、「File Name」の設定が表示される。「Resolution」は、スキャン画質を意味する。スキャン画質として、例えば、カラー150dpi、カラー300dpi、カラー600dpi、モノクロ200×100dpi、モノクロ200dpiが設定可能である。内容表示領域140には、「Color 300 dpi」が表示されており、カラー300dpiが現在設定されていることがわかる。「File Type」は、画像データを保存するファイル形式を意味する。ファイル形式として、例えば、PDF形式、JPEG形式、TIFF形式が設定可能である。内容表示領域140には、「JPEG」が表示されており、JPEG形式が現在設定されていることがわかる。「File Name」は、ファイル名を意味する。フィル名は、保存されるファイルの名前であり、任意に名前を付与することができる。
【0130】
この画面において、操作キー130〜132のいずれかが押下されることにより、制御部100から所定のコード信号が出力され、出力されたコード信号に対応する制御がなされて、前述した各設定が入力可能となる。各設定は、例えば、操作キー10Bに含まれるナビゲーションキーや操作キー10Cに含まれるダイヤルキーにより選択、入力及び決定される。そして、操作キー10Cに含まれるスタートキーが押下されることにより、その設定に基づくスキャンがスキャナ部3及びスロット部8により実行される。
【0131】
このように、液晶表示部11のキー入力表示領域141に、液晶表示部11の周囲に配置された操作キー130〜137により入力され得る指令が表示されるので、使用者は、キー入力表示領域141の表示により、各操作キー130〜137により入力される指令を認識でき、装置の操作性が向上される。また、一つの操作キーに複数の指令を割り当てることにより、指令数に対する操作キー数が削減され、各操作キー130〜137及び液晶表示部11が配置されるスペースを小さくすることが可能になる。
【0132】
なお、上記各操作キー130〜137を、緑色、橙色、赤色等のような互いに異なる色に色分けし、液晶表示部11のキー入力表示領域141の各サブ領域を150〜157を、各操作キー130〜137に対応すると同色に表示させることとしてもよい。これにより、使用者は、操作キー130〜137とサブ領域150〜157との位置関係の他、色により各操作キー130〜137により入力される指令が表示されたサブ領域150〜157を認識することができるので、操作性が向上される。
【0133】
さらに、各操作キー130〜137を透光性素材で形成し、操作キー130〜137にLEDを配設することにより、各操作キー130〜137を点灯可能なものとすることもでできる。そして、制御部100は、入力可能な指令を表示させたサブ領域150〜157に対応する操作キー130〜137のみを点灯させることとしてもよい。つまり、図13に示すように、待機状態の操作キー134〜137に何ら指令を割り当てていない場合は、該操作キー134〜137は消灯し、操作キー130〜133のみを点灯させる。これにより、使用者は、サブ領域150〜157の表示の他、光により入力可能な操作キー130〜133を判断することができるので、操作性が向上される。
【0134】
なお、本実施の形態では、多機能装置1は、メディア機能、コピー機能、ファクシミリ機能、及びスキャン機能の4つの機能を有するものとしたが、本発明では、これらのうち少なくとも2つ以上の機能を有するものであればよく、これら4つの機能のすべてを必ずしも必要としないことはいうまでもない。
【0135】
以下、多機能装置1のプリンタ部2、スキャナ部3及び操作パネル9のレイアウトについて説明する。
図1に示すように、プリンタ部2とスキャナ部3とは、スキャナ部3を上側にして上下に配置されている。例えば、スキャナ部3をFBSとして使用する際には、画像読取り毎に、原稿カバー7を開いてプラテンガラス60に原稿を載置することになる。一方、プリンタ部2を使用する際には、複数枚の記録用紙が給紙トレイ20に収容されるので、画像記録毎に記録用紙をセットする必要はない。つまり、プリンタ部2において給紙トレイ20に記録用紙をセットする頻度より、スキャナ部3のプラテンガラス60上に原稿をセットする頻度が高い。したがって、プリンタ部2に対してスキャナ部3を上側に配置することにより、原稿のセットが容易になる。また、スキャナ部3のADF6を使用する際にも、原稿トレイ81が装置の上面にあることにより、原稿のセットが容易になる。
【0136】
多機能装置1の装置全体の外形は、平面視において略正方形である。そして、プリンタ部2においては、長方形の記録用紙の長手方向が装置の奥行き方向となるようにして、記録用紙が給紙トレイ20にセットされる。セットされた記録用紙は、装置の奥行き方向にUターン搬送されて、画像記録部24により画像記録が行われ、装置正面へ排出される。
【0137】
スキャナ部3においては、長方形の原稿の長手方向が装置の幅方向となるようにして、プラテンガラス60上に原稿がセットされる。そして、画像読取ユニット61がプラテンガラス60に対して装置の幅方向に移動して画像読取りが行われる。また、ADF6の原稿トレイ81に原稿がセットされる。そして、装置の幅方向にUターン搬送されて、画像読取ユニット61により画像読取りが行われる。これにより、平面視が略正方形の多機能装置1の設置面積を小さくすることが可能である。
【0138】
プリンタ部2において記録可能な記録用紙の最大サイズがA4サイズであり、スキャナ部3において読取り可能な原稿の最大サイズがA4サイズとすれば、A4サイズの縦横の寸法の差分のスペースを、多機能装置1の正面側に確保することができる。これにより、多機能装置1の設置面積を拡大することなく、装置の正面側に操作パネル9を配置するためのスペースが形成される。つまり、装置のスペースが有効活用され、装置全体の小型化が実現される。
【0139】
操作パネル9は、前述したように確保された装置上面側のスペースであって、装置上面を構成する原稿載置台5に配置されている。操作パネル9には、前述したように、操作キー10A,10B,10C及び液晶表示部11が設けられている。使用者は、画像読取りや画像記録の際に、操作キー10A,10B,10Cを用いて所望の入力を行い、また、液晶表示部11の表示を確認する。操作パネル9が、装置上面の正面側に設けられることにより、操作キー10A,10B,10Cによる入力作業や、液晶表示部11の表示確認が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る多機能装置1の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、プリンタ部2の主要構成を示す断面図である。
【図3】図3は、プリンタ部2の主要構成を示す平面図である。
【図4】図4は、原稿カバー7を開いた状態の多機能装置1の外観構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、原稿載置台5の内部構成を示す平面図である。
【図6】図6は、原稿載置台5の内部構成を示す断面図である。
【図7】図7は、ベルト駆動機構70の構成を示す平面図である。
【図8】図8は、多機能装置1の制御部100の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、操作パネル9の構成を示す平面図である。
【図10】図10は、液晶表示部11を起立姿勢にした多機能装置1の外観構成を示す斜視図である。
【図11】図11は、液晶表示部11の軸12付近の構成を示す側面図である。
【図12】図12は、原稿載置台5を開いた状態の多機能装置1の外観構成を示す正面図である。
【図13】図13は、待機状態の液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図14】図14は、主機能選択のフローチャート図である。
【図15】図15は、メディア機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図16】図16は、メディア機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図17】図17は、メディア機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図18】図18は、メディア機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図19】図19は、コピー機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図20】図20は、ファクシミリ機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【図21】図21は、スキャン機能における液晶表示部11及び操作キー130〜137を示す平面図である。
【符号の説明】
【0141】
1・・・多機能装置
2・・・プリンタ部(画像記録部)
3・・・スキャナ部(画像読取部)
9・・・操作パネル
10A・・・操作キー
11・・・液晶表示部(表示部)
30・・・記録ヘッド
67・・・コンタクトイメージセンサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被読取媒体の画像を読み取る画像読取部と、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部とを備えてなる多機能装置であって、
上記画像読取部と上記画像記録部とが、画像読取部を上側にして上下に配置され、且つ装置全体の外形が平面視において略正方形であり、
装置上面の正面側に、上記画像読取部及び上記画像記録部に関する指令を入力するための操作キーと、上記画像読取部及び上記画像記録部に関する情報を表示する表示部とを備えてなる操作パネルが設けられたものである多機能装置。
【請求項2】
上記操作キーは、上記表示部の周囲に配置されたものである請求項1に記載の多機能装置。
【請求項3】
上記操作キーは、上記表示部の側方に、該表示部の側縁に沿って一列に配置されたものである請求項1に記載に多機能装置。
【請求項4】
上記表示部は、上記各操作キーに近接する領域に、各操作キーにより入力され得る指令を各操作キーに関連づけて表示するものである請求項2又は3に記載の多機能装置。
【請求項5】
上記表示部は、装置正面側を軸として操作パネルに対して起伏するように回動可能なものである請求項1から4のいずれかに記載の多機能装置。
【請求項6】
上記表示部は、上記操作パネルの幅方向の中央に配置されたものである請求項1から5のいずれかに記載の多機能装置。
【請求項7】
上記画像読取部は、長方形の被読取媒体の長手方向を装置の幅方向にして、静止姿勢の該被読取媒体に対してイメージセンサを走査することにより画像読取りを行うものであり、
上記画像記録部は、長方形の被記録媒体の長手方向を装置の奥行き方向にして、該被記録媒体が反転するようにUターン搬送される間に、該被記録媒体に対して記録ヘッドを走査することにより画像記録を行うものである請求項1から6のいずれかに記載の多機能装置。
【請求項1】
被読取媒体の画像を読み取る画像読取部と、被記録媒体に画像記録を行う画像記録部とを備えてなる多機能装置であって、
上記画像読取部と上記画像記録部とが、画像読取部を上側にして上下に配置され、且つ装置全体の外形が平面視において略正方形であり、
装置上面の正面側に、上記画像読取部及び上記画像記録部に関する指令を入力するための操作キーと、上記画像読取部及び上記画像記録部に関する情報を表示する表示部とを備えてなる操作パネルが設けられたものである多機能装置。
【請求項2】
上記操作キーは、上記表示部の周囲に配置されたものである請求項1に記載の多機能装置。
【請求項3】
上記操作キーは、上記表示部の側方に、該表示部の側縁に沿って一列に配置されたものである請求項1に記載に多機能装置。
【請求項4】
上記表示部は、上記各操作キーに近接する領域に、各操作キーにより入力され得る指令を各操作キーに関連づけて表示するものである請求項2又は3に記載の多機能装置。
【請求項5】
上記表示部は、装置正面側を軸として操作パネルに対して起伏するように回動可能なものである請求項1から4のいずれかに記載の多機能装置。
【請求項6】
上記表示部は、上記操作パネルの幅方向の中央に配置されたものである請求項1から5のいずれかに記載の多機能装置。
【請求項7】
上記画像読取部は、長方形の被読取媒体の長手方向を装置の幅方向にして、静止姿勢の該被読取媒体に対してイメージセンサを走査することにより画像読取りを行うものであり、
上記画像記録部は、長方形の被記録媒体の長手方向を装置の奥行き方向にして、該被記録媒体が反転するようにUターン搬送される間に、該被記録媒体に対して記録ヘッドを走査することにより画像記録を行うものである請求項1から6のいずれかに記載の多機能装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2007−36605(P2007−36605A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−216242(P2005−216242)
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月26日(2005.7.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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