説明

多段スイッチ及びこれを用いた車両用表示システム

【課題】主に車両用制御システムの操作に使用される多段スイッチ及び車両用表示システムに関し、多様な操作を行いうるものを提供することを目的とする。
【解決手段】複数のプッシュスイッチ22と、プッシュスイッチ22の上方に配置された可動台31と、可動台31の上面に配置されたタッチパネル32と、前記タッチパネル32の周囲に配置された可動パネル33を備え、可動台31とタッチパネル32と可動パネル33は一体として傾動し、可動パネル33の上面を押圧すると、プッシュスイッチ22が押圧されるよう構成されることにより、タッチパネル32の操作だけでなく、可動パネル33の上面の押圧による操作も可能であるため、多様な操作を行いうる多段スイッチ40を実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に車両用制御システムの操作に用いられる多段スイッチ及び車両用表示システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車両のカーナビゲーションシステムやオーディオシステム等の車両用制御システムの操作には、パネルの上面等を押圧操作する多段スイッチが広く用いられている。
【0003】
このような従来の多段スイッチについて、図9および図10を用いて説明する。
【0004】
図9は従来の多段スイッチの断面図、図10は同分解斜視図であり、同図において、配線基板1上面には、マイコン等の制御回路2、LED等の発光素子3、プッシュスイッチ4が実装され、配線基板1上下面の配線により発光素子3、プッシュスイッチ4が制御回路2に接続されている。
【0005】
また、配線基板1上方に樹脂製の保持板5が設けられ、保持板5の上方に同じく樹脂製の可動板6が配置されている。そして、配線基板1、保持板5、可動板6は、下カバー7上に配置される。
【0006】
ここで、保持板5には複数の貫通孔5Aが、可動板6にも貫通した透過窓6Aが設けられ、発光素子3からの光が通過するよう構成されている。
【0007】
また、棒状の軸8が可動板6の一端に挿入され、下カバー7に設けられた軸受7Aに軸8の両端が保持され、可動板6が軸8を支点として傾動可能に構成されている。また、この可動板6の傾動によりプッシュスイッチ4が押圧され、ON/OFFの切替が可能な構成となっている。
【0008】
そして、可動板6に設けられた透過窓6Aの上方にタッチセンサ9が配置され、タッチセンサ9の上方には表示板10が配置される。なお、このタッチセンサ9から延出した配線ケーブル9Aは配線基板1の制御回路2に接続され、制御回路2でタッチセンサ9が操作者に押圧操作されたことを検知可能なよう構成されている。
【0009】
また、表示板10には複数の操作部10Aが設けられると共に、操作部10Aの近傍には透光部10Bが設けられている。
【0010】
そして、上カバー11が表示板10を孔部11Aから露出させるよう覆って、多段スイッチ15が構成されている。
【0011】
このように構成された多段スイッチ15は車両のステアリングホイール(図示せず)上面に表示板10を露出させて配置されると共に、車両の空調システムやオーディオシステムを制御する制御機器(図示せず)に接続される。
【0012】
そして、操作者が表示板10上の複数の操作部10Aから一つを触れるように操作すると、タッチセンサ9の押圧位置を制御回路2が検出すると共に、制御回路2が操作した操作部10Aに対応した発光素子3を発光し、操作した操作部10A近傍の透光部10Bが発光する。そして、さらに操作者が表示板10を押し込むと、可動板6が傾動し、プッシュスイッチ4がONして、制御回路2は、多段スイッチ15に接続された制御機器に操作した操作部10Aに対応した信号を出力する。
【0013】
つまり、多段スイッチ15は操作部10Aに接触すると検出されるタッチセンサ9と、更に押し込んでONするプッシュスイッチ4で二段のスイッチを構成しており、一つのタッチセンサ9と一つのプッシュスイッチ4を用いた簡易な構成で複数の操作部10Aのいずれが押圧操作されたか検知可能なものであった。
【0014】
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2009−135059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
前記従来の多段スイッチ15においては、タッチセンサ9とプッシュスイッチ4を用い、二段階の押圧状態を検出することが出来たが、多段スイッチ15に接続される制御機器の機能は複雑になってきており、従来の多段スイッチ15では、制御機器に対し多様な制御をさせるに困難になってきている、という課題があった。
【0017】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、多様な操作を行いうる多段スイッチを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的を達成するために本発明は、特に、複数のプッシュスイッチの上方に配置された可動台と、可動台の上面に配置されたタッチパネルと、タッチパネルの周囲に配置された可動パネルを備え、可動台とタッチパネルと可動パネルは一体として傾動し、可動パネルの上面を押圧すると、プッシュスイッチが押圧されるよう構成される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数のプッシュスイッチの上方に配置された可動台と、可動台の上面に配置されたタッチパネルと、タッチパネルの周囲に配置された可動パネルを備え、可動台とタッチパネルと可動パネルは一体として傾動し、可動パネルの上面を押圧すると、プッシュスイッチが押圧されるよう構成されることにより、タッチパネルの操作だけでなく、可動パネルの上面の押圧による操作も可能であるため、多様な操作を行いうる多段スイッチを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施の形態による多段スイッチの分解斜視図
【図2】同多段スイッチの上面図
【図3】同多段スイッチの断面図
【図4】同多段スイッチを用いた車両用表示システムの配置図
【図5】同多段スイッチを用いた車両用表示システムの画面図
【図6】同多段スイッチの動作状態を示す断面図
【図7】同多段スイッチを用いた車両用表示システムの画面図
【図8】同多段スイッチを用いた車両用表示システムの画面図
【図9】従来の多段スイッチの断面図
【図10】同多段スイッチの分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図8を用いて説明する。
【0022】
なお、これらの図面は構成を判り易くするために、部分的に寸法を拡大して表している。
【0023】
(実施の形態)
図1は本発明の一実施の形態による多段スイッチの分解斜視図、図2は同上面図である。また、図3は図2で示すA−A断面における断面図である。
【0024】
ここで、多段スイッチ40は、配線基板21と、配線基板21の上面に配置されたプッシュスイッチ22と、配線基板21の下面に配置されたマイコン等の制御回路23と、配線基板21の上方に配置されたガイド24と、ガイド24に接触しつつ傾動する可動ユニット25と、可動ユニット25がその上面を露出させて配置される筐体26と、配線基板21の下方に配置された下カバー27を備えている。
【0025】
そして、配線基板21は上下面に配線パターンが形成された方形の配線基板である。また、プッシュスイッチ22は、配線基板21の上面の略中央に配置された第一のプッシュスイッチ22Aと、第一のプッシュスイッチ22Aを中心とした同心円C1の円周上に配置される第二のプッシュスイッチ22B〜22Eを備えている。また、配線基板21の下面に配置された制御回路23は、第一のプッシュスイッチ22A及び第二のプッシュスイッチ22B〜22Eと配線基板21の上下面の配線を介して電気的に接続される。
【0026】
また、ガイド24は、板状の基部24Aに五箇所の方形筒状の角孔24Bと四方の角孔24Bの側方に断面が凹凸により形成された四つのガイド部24Cを備えている。そしてガイド24は、角孔24Bの内側にプッシュスイッチ22が位置するよう、配線基板21上に配置される。
【0027】
そして、可動ユニット25は、可動台31とタッチパネル32と可動パネル33から構成される。
【0028】
ここで、可動台31は下面に五つの突起31Aを備え、突起31Aはガイド24の角孔24Bに挿入され、突起31Aの先端でプッシュスイッチ22の上面を押圧可能なように構成されている。そして、可動台31は下面開放の方形箱状で前後の側面両端には突起31Bを備えると共に、可動台31の下面に設けられた断面凹凸状の突起(図示せず)でガイド24のガイド部24Cに対し上下方向に摺動可能に接触している。
【0029】
また、タッチパネル32は、可動台31の上面に配置される静電式や抵抗膜式等のタッチパネルである。ここで、タッチパネル32の右側面からフレキシブルプリント配線板32Aが延出しており、フレキシブルプリント配線板32Aの他端は、配線基板21に接続している。これにより、タッチパネル32から操作者の押圧位置に対応した信号が制御回路23に入力される。
【0030】
また、可動パネル33は額縁状で、タッチパネル32を挟んで可動台31に対し、突起31Bに係止されることで固定される。そして、可動パネル33の中央に設けられた角孔33Aから、タッチパネル32が露出している。
【0031】
つまり、可動ユニット25の上面が押圧されると、可動ユニット25が下方に傾動しながら移動し、突起31Aの先端がプッシュスイッチ22の上面を押圧するよう構成される。
【0032】
また、筐体26は下面開放の方形箱状で、傾斜した上面26Aに角孔26Bを備えている。ここで、角孔26Bには、可動ユニット25が挿入され、可動パネル33とタッチパネル32の上面が角孔26Bから露出している。
【0033】
そして、下カバー27が下方から配線基板21を覆い、下カバー27と配線基板21とガイド24が筐体26の下面にネジ等で固定されている。
【0034】
このように構成された多段スイッチ40は、図4の配置図で示すように、例えば、車両の運転席と助手席の間のセンターコンソールに配置される。そして、車両のディスプレイ装置41に電気的に接続され、多段スイッチ40とディスプレイ装置41で車両用表示システム42が構成されている。
【0035】
また、車両用表示システム42は、空調システム43、オーディオシステム44、カーナビゲーションシステム45、電話・メールシステム46等の車両用制御システムに電気的に接続され、操作者は多段スイッチ40を操作して各車両用制御システムに所望の動作をさせる。
【0036】
次に多段スイッチ40を操作した際のディスプレイ装置41の表示の変化について主に図5〜図8を用いて説明する。
【0037】
図5で示す画面図は、ディスプレイ装置41の表示がメニュー画面となる初期表示である。このメニュー画面の表示を第一階層の表示とする。
【0038】
同図において、ディスプレイ装置41に地図表示51がされ、地図表示51の四方にアイコン表示52A〜52Dが表示されている。
【0039】
ここで、左上のアイコン表示52Aは空調システム43を示すアイコン表示で、左下のアイコン表示52Bはカーナビゲーションシステム45を示すアイコン表示である。また、右上のアイコン表示52Cはオーディオシステム44を示すアイコン表示で、右下のアイコン表示52Dは電話・メールシステム46を示すアイコン表示である。
【0040】
これらのアイコン表示52A〜52Dを選択することで、ディスプレイ装置41の表示はアイコン表示52A〜52Dに対応した各車両用制御システムの操作を行う表示画面(第二階層の表示とする)に移行する。
【0041】
ここで、例えばアイコン表示52Cを選択する場合について説明する。アイコン表示52Cを選択するには、図2で示す可動パネル33の上面の点Dを操作者が押圧する。
【0042】
ここで、図6は可動パネル33の点Dが押圧された際の断面図である。同図において、プッシュスイッチ22のうち、点Dの下方に最も近い第二のプッシュスイッチ22Dが押し込まれONする。一方、点Dの下方から最も離れた第二のプッシュスイッチ22CはONしない。そして、中央の第一のプッシュスイッチ22Aは若干押し込まれており、ONして節度感を発生する。これにより、第二階層の表示となる図7の表示画面に移行する。
【0043】
なお、プッシュスイッチ22のうち、第一のプッシュスイッチ22AのみがONした際に節度感を発生し、第二のプッシュスイッチ22B〜22EはONしても節度感を発生しないプッシュスイッチである。第二のプッシュスイッチ22DはONしているが節度感を発生せず、第一のプッシュスイッチ22AはONして、節度感を発生しているので、操作者は節度感を一度感じた際に、操作が確定したことを認識できるので、操作感が向上する。
【0044】
前述においては、可動パネル33の点Dが押圧され、それに対応したアイコン52Cが選択された場合について説明したが、図2の可動パネル33の点B、点C、点Eが押圧された場合には、それぞれのアイコンに対応した第二階層の表示に移行する。
【0045】
つまり、可動パネル33の上面を押圧することで、車両用制御システムの操作をする第二階層の表示に移行するものとなっている。
【0046】
このように操作者が点B〜Eを押圧するとプッシュスイッチ22のON、OFFが切り替わる。ここで各押圧位置を押圧した際の第一のプッシュスイッチ22A及び第二のプッシュスイッチ22B〜22Eの状態を(表1)に示す。
【0047】
(表1)において、「ON」はプッシュスイッチ22がONの状態、「OFF」はプッシュスイッチ22がOFFの状態、「ON/OFF」はプッシュスイッチ22がON、OFFのいずれの状態でも良いことを示している。
【0048】
【表1】

【0049】
つまり、押圧位置近傍の第二のプッシュスイッチと中央に位置する第一のプッシュスイッチ22AがONし、押圧位置から最も離れた第二のプッシュスイッチはOFFのままとなる。この規則に従い、制御回路23が可動パネル33のいずれの位置が押圧されたか判定を行う。
【0050】
また、図7の表示画面において、操作者がタッチパネル32の上面を操作すると、車内のスピーカから流れる楽曲を変更することができる。
【0051】
ここで、同図に示すのは、オーディオシステム44の操作を行うための表示で、タグ表示部61は、オーディオシステム44のハードディスクに保存された楽曲を、「Playlist」のタグ61Aで示す複数の楽曲をまとめたアルバムのタイトル順や、「Artist」のタグ61Bで示す歌手順に表示を切り替えるためのタグ表示である。
【0052】
そして、同図では「Playlist」のタグ61Aが選択されており、リスト表示部62には、「Playlist1」から「Playlist7」が表示されている。また同図では「Playlist4」が選択表示63として、現在選択されていることが示されている。この「Playlist4」の楽曲がスピーカから流れている。
【0053】
なお、選択表示63はリスト表示部62内で、他の選択されていない「Playlist1」〜「Playlist3」、「Playlist5」〜「Playlist7」とは、表示される色が変わる等して、現在選択されていることが判るようになっている。
【0054】
また、階層変更アイコン表示64として「Back」という表示がされており、この階層変更アイコン表示64を選択することで、第二階層の表示から第一階層の表示となるメニュー表示に移行する。
【0055】
そして、階層変更アイコン表示65として「Track」という表示がされており、この階層変更アイコン表示65を選択することで、選択表示63の対象を構成する楽曲を示す第三階層の表示に移行する。
【0056】
ここで、操作者がタッチパネル32の上面を前後方向になぞると、選択表示63が「Playlist4」から「Playlist5」あるいは「Playlist3」に変化し、車内のスピーカから流れる楽曲が、「Playlist5」あるいは「Playlist3」の一曲目に対応した楽曲に変化する。
【0057】
さらに、例えば「Playlist4」が選択された状態で、可動パネル33の点Eを押圧すると、階層変更アイコン表示65が選択され、図8で示す第三階層の表示に移行する。
【0058】
同図において、リスト表示部71に示される、「Track1」〜「Track7」は、「Playlist4」に対応したアルバムを構成する複数の楽曲の表示である。ここで、選択表示72として「Track1」が選択され、スピーカから「Track1」の楽曲が流れている。また、右上には「Back」として階層変更アイコン表示73が、左下には「Menu」として初期復帰アイコン表示74が表示されている。
【0059】
ここで、操作者がスピーカから流れる楽曲を変更したい場合には、前述のようにタッチパネル32の上面を前方向になぞって操作する。この操作により、選択表示72が「Track1」から「Track2」、続けて「Track3」へと順次変化し、スピーカから流れる楽曲が変更される。
【0060】
また、操作者が可動パネル33の点Dを押圧すると、階層変更アイコン表示73を選択できる。この操作により、図8で示した第三階層の表示から図7で示した第二階層の表示にディスプレイ装置41の表示を変化させることができる。
【0061】
さらに、操作者が可動パネル33の点Cを押圧すると、初期復帰アイコン表示74を選択できる。この操作により、図8で示した第三階層の表示から図5で示した第一階層のメニュー表示にディスプレイ装置41の表示を変化させることができる。
【0062】
つまり、可動パネル33を押圧することで、ディスプレイ装置41に表示される階層を、第一階層から第二階層へ、あるいは第三階層から第一階層、第二階層へ変化させることができる。
【0063】
これにより、例えば操作者がオーディオシステム44の操作画面から、電話・メールシステム46の操作画面に切り替える場合において、第一階層に対する第三階層といった二段階以上、下位の階層の表示がオーディオシステム44の操作画面として表示されていたとしても、初期復帰アイコン表示74を選択することで、メニュー表示に復帰できる。そして、メニュー表示においてアイコン52Dを選択することで、電話・メールシステム46に関する操作をすぐに行うことが可能となる。つまり、各階層の表示が複雑化していても、異なる車両用制御システムに対しスムーズな操作が可能となっている。
【0064】
また、タッチパネル32に対する操作ではなく、可動パネル33に対する操作で各階層の表示が切り替わるため、操作者は可動パネル33の操作と各階層の表示とを関連付けて認識できる。これにより、各階層の表示を切り替える際の誤操作が抑制される。
【0065】
このように本実施の形態によれば、複数のプッシュスイッチ22と、プッシュスイッチ22の上方に配置された可動台31と、可動台31の上面に配置されたタッチパネル32と、前記タッチパネル32の周囲に配置された可動パネル33を備え、可動台31とタッチパネル32と可動パネル33は一体として傾動し、可動パネル33の上面を押圧すると、複数のプッシュスイッチ22が押圧されるよう構成されることにより、タッチパネル32の操作だけでなく、可動パネル33の上面の押圧による操作も可能であるため、多様な操作を行いうる多段スイッチ40を実現できる。
【0066】
また、第二のプッシュスイッチ22B〜22Eは、第一のプッシュスイッチ22Aを中心とした同心円の円周上に配置されるよう構成され、可動パネル33上面のどの点を押圧しても、同様の傾動角度で確定できるので、操作感のよい多段スイッチ40を実現できる。
【0067】
さらに、第一のプッシュスイッチ22Aに節度感を備えさせ、第二のプッシュスイッチ22B〜22Eには節度感を備えさせないことにより、操作者は一度の節度感で操作が確定したことを認識できるため、より操作感のよい多段スイッチ40が実現できる。
【0068】
そして、多段スイッチ40に電気的に接続されたディスプレイ装置41を備え、多段スイッチ40の可動パネル33を操作すると、ディスプレイ装置41の表示が切り替わるよう車両用表示システム42を構成しているので、タッチパネル32だけではなく可動パネル33の操作も用いているため、より操作者の意図をスムーズに反映した多様な操作が可能となる。
【0069】
さらに、ディスプレイ装置41は、車両用制御システムの選択を行う第一階層の表示から可動パネル33の操作により切り替わった下位の階層の表示をするもので、下位の階層の表示を表示した状態で可動パネル33を操作すると第一階層の表示にディスプレイ装置41の表示が切り替わるよう構成しているので、他の車両用制御システムに対しディスプレイ装置41を介して操作を行いたい場合であっても、よりスムーズな操作が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明による多段スイッチ及びこれを用いた車両用表示システムは、多様な操作を行いうるという有利な効果を有し、主に車両用制御システムの操作用として有用である。
【符号の説明】
【0071】
21 配線基板
22 プッシュスイッチ
22A 第一のプッシュスイッチ
22B〜22E 第二のプッシュスイッチ
23 制御回路
24 ガイド
24A 基部
24B、26B、33A 角孔
24C ガイド部
25 可動ユニット
26 筐体
26A 上面
27 下カバー
31 可動台
31A、31B 突起
32 タッチパネル
32A フレキシブルプリント配線板
33 可動パネル
40 多段スイッチ
41 ディスプレイ装置
42 車両用表示システム
43 空調システム
44 オーディオシステム
45 カーナビゲーションシステム
51 地図表示
52A〜52D アイコン表示
61 タグ表示部
61A、61B タグ
62 リスト表示部
63 選択表示
64、65、73 階層変更アイコン表示
71 リスト表示部
72 選択表示
74 初期復帰アイコン表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプッシュスイッチと、前記プッシュスイッチの上方に配置された可動台と、前記可動台の上面に配置されたタッチパネルと、前記タッチパネルの周囲に配置された可動パネルを備え、前記可動台と前記タッチパネルと前記可動パネルは一体として傾動し、前記可動パネルの上面を押圧すると、前記プッシュスイッチが押圧される多段スイッチ。
【請求項2】
前記プッシュスイッチは、第一のプッシュスイッチと複数の第二のプッシュスイッチを備え、前記第二のプッシュスイッチは前記第一のプッシュスイッチを中心とした同心円の円周上に配置された請求項1記載の多段スイッチ。
【請求項3】
前記第一のプッシュスイッチは節度感を備え、前記第二のプッシュスイッチは節度感を備えない請求項2記載の多段スイッチ。
【請求項4】
請求項1記載の多段スイッチと、前記多段スイッチに電気的に接続されたディスプレイ装置を備え、前記多段スイッチの前記可動パネルを操作すると、前記ディスプレイ装置の表示が切り替わる車両用表示システム。
【請求項5】
前記ディスプレイ装置は、車両用制御システムの選択を行う第一階層の表示から前記可動パネルの操作により切り替わった下位の階層の表示に移行するもので、前記下位の階層の表示を表示した状態で前記可動パネルを操作すると前記第一階層の表示に前記ディスプレイ装置の表示が切り替わる請求項4記載の車両用表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−248502(P2012−248502A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121366(P2011−121366)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】