多翼送風機
【課題】従来の多翼送風機では、電動機からの加振に対する羽根車の共振を抑制するためにゴム製のリングなど損失係数が大きい素材の別部品が必要となるため、構造が複雑となりコストが増加するという課題がある。また、長期間の使用によってゴムが劣化して振動を絶縁する効果が低下した場合、電動機からの振動が羽根車に伝達してしまい共振現象が励起され、騒音が発生するという課題がある。
【解決手段】図8に示すように、電動機の加振力の周波数に対して羽根車5の固有振動モードの周波数が異なるように外周リング11を吸込側開口端12から一定の距離を保って配置し、羽根9の断面係数が主板8側で最も大きく、吸込側開口端12になるほど小さくなるようにすることで共振現象の励起を抑制できるため、構造が簡単で低コストにでき、長期間安定して騒音の発生を防止できる。
【解決手段】図8に示すように、電動機の加振力の周波数に対して羽根車5の固有振動モードの周波数が異なるように外周リング11を吸込側開口端12から一定の距離を保って配置し、羽根9の断面係数が主板8側で最も大きく、吸込側開口端12になるほど小さくなるようにすることで共振現象の励起を抑制できるため、構造が簡単で低コストにでき、長期間安定して騒音の発生を防止できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の換気に使用する天井埋込形換気扇等に用いる多翼送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の多翼送風機は図12に示すように、ベルマウス101を有するファンケーシング102と、ファンケーシング102内に回転駆動可能に設置された羽根車103と、羽根車103を駆動する電動機104から構成されている。羽根車103は、主板105の外周側に複数の羽根106を有し、羽根106の外周よりも外径が大きい外周リング107を羽根車103の吸込側端部108に設けている。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この構成において、電動機から発生する電磁振動の周波数と羽根車の固有振動モードの周波数が一致すると、共振現象が励起され羽根車の振動が増幅し、騒音が発生する。電磁振動の加振力は回転軸の円周方向に作用するため、羽根車の固有振動モードが、主板と外周リングを支持点とする羽根の曲げ変形によって主板と吸込側開口端が円周方向の逆位相にねじれる挙動である場合、加振に対して応答しやすいと共に、羽根がスピーカーの振動板の働きをして、過大な騒音になり易い。また、この固有振動モードの周波数は主板と外周リングの間の距離、すなわち羽根の長さに依存しているため、共振現象を抑制するには羽根の長さを変更することが最も効果的である。しかし、羽根の長さは多翼送風機として送風性能から決められており、簡単に変更することができない。
【0004】
そこで、電動機からの振動を絶縁する構造にして共振現象の励起を抑制し、騒音の発生を防止するものが広く知られている。(例えば特許文献2参照)。
【0005】
以下、その多翼送風機について図13を参照しながら説明する。
【0006】
羽根車109の羽根ボス110の内径を電動機の回転軸111外径より大きくするとともに、羽根ボス110の両端側にゴム製のリング112が入る凹部113を設け、回転軸111に羽根ボス110を挿入しワッシャ114を当てて、ねじ115で止めることで、羽根車109がワッシャ114とねじ115とにより押圧され回転軸111から浮いた状態となる。回転軸111からの電磁振動がリング112によって絶縁されて羽根車109に伝達されなくなるため、羽根車109が持つ固有振動数と共振しなくなり、騒音の発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−173596号公報(第2図)
【特許文献2】実開平5−1899号公報(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来の多翼送風機では、振動を絶縁するためにゴム製のリングなど損失係数が大きい素材の別部品が必要となるため、構造が複雑となりコストが増加するという課題があった。また、長期間の使用によってゴムが劣化して振動を絶縁する効果が低下した場合、電動機からの振動が羽根車に伝達してしまい共振現象が励起され、騒音が発生するという課題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、構造が簡単で低コストに共振現象の励起を抑制でき、長期間安定して騒音の発生を防止できる多翼送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の多翼送風機は、上記目的を達成するために、円板状の主板の外周側に円周方向に沿う複数の羽根を有し、これらの羽根の外周面に沿って外周リングを設けた樹脂製の羽根車の回転中心に電動機の回転軸を接続した多翼送風機において、前記外周リングの外径が前記羽根の外周面の径より大きく、前記電動機から発生される円周方向の加振力の周波数と、前記羽根車に存在する前記羽根の曲げ変形によって前記主板と吸込側開口端が円周方向の逆位相にねじれる固有振動モードの周波数が異なるように前記外周リングを配置したことにより、羽根車の共振現象の励起を抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電動機の加振力の周波数に対して羽根車の固有振動モードの周波数が異なるように外周リングを配置することで共振現象の励起を抑制できるため、構造が簡単で低コストにでき、長期間安定して騒音の発生を防止できる多翼送風機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1の側断面図
【図2】本発明の実施の形態1の羽根車の側断面図
【図3】(a)外周リングを吸込側開口端に設けて計算した解析結果を示す図(b)本発明の実施の形態1を計算した解析結果を示す図
【図4】外周リングと吸込側開口端の距離を変化させたときの固有振動モードの周波数変化を示すグラフ
【図5】外周リングの厚みを変化させたときの固有振動モードの周波数の変化のグラフ
【図6】本発明の実施の形態2の側断面図
【図7】本発明の実施の形態2の外周リングの部分側断面図
【図8】本発明の実施の形態3の羽根車の側断面図
【図9】本発明の実施の形態3の羽根と主板の接合部の斜視拡大図
【図10】本発明の実施の形態4の外周リングの部分側断面図
【図11】本発明の実施の形態4の羽根車の上面拡大図
【図12】従来の多翼送風機を示す横断面図
【図13】従来の多翼送風機の羽根ボス部を示す部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の請求項1記載の多翼送風機は、円板状の主板の外周側に円周方向に沿う複数の羽根を有し、これらの羽根の外周面に沿って外周リングを設けた樹脂製の羽根車の回転中心に電動機の回転軸を接続した多翼送風機において、前記外周リングの外径が前記羽根の外周面の径より大きく、前記電動機から発生される円周方向の加振力の周波数と、前記羽根車に存在する前記羽根の曲げ変形によって前記主板と吸込側開口端が円周方向の逆位相にねじれる固有振動モードの周波数が異なるように前記外周リングを配置したものであり、羽根車の共振現象の励起を抑制できるという作用を有する。また、羽根が主板の片側のみに配置され、外周リングを吸込側開口端から一定の距離を保って配置したことを特徴としたものであり、主板と外周リングによる支点間距離を変化することで羽根の曲げ剛性を変更できるため、固有振動モードの周波数を変更できるという作用を有する。また、羽根の回転軸方向の断面における断面係数が、主板側が最も大きく、吸込側開口端側になるほど小さくなることを特徴としたものであり、羽根の重心位置を主板側に移動することで、固有振動モードの周波数を高めることができるという作用を有する。
【0014】
本発明の請求項2記載の多翼送風機は、請求項1記載の多翼送風機において、外周リングの円周方向の断面形状がコの字形であり、回転軸方向の主板側の面に窪みがあることを特徴としたものであり、外周リングの剛性を維持したまま軽量化することで、羽根に付加される質量を低減でき、起動時や運転時に加わる電動機への負荷を低減できるという作用を有する。
【0015】
本発明の請求項3記載の多翼送風機は、請求項1または2記載の多翼送風機において、外周リングの円周方向の断面形状が平行四辺形であり、外周側に向かって主板側に傾斜していることを特徴としたものであり、外周リングの剛性を維持したまま送風による渦発生を少なくすることで、乱流騒音の発生を低減できるという作用を有する。
【0016】
本発明の請求項4記載の多翼送風機は、請求項1から3いずれか記載の多翼送風機において、外周リングと吸込側開口端の距離を羽根全長の25〜50%としたものであり、固有振動モードの周波数を効果的に変更できるという作用を有する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明における実施の形態1の側断面図、図2は羽根車の側断面図である。
【0019】
図1に示すように、多翼送風機1は吸込口2と吹出口3を有するファンケーシング4と、ファンケーシング4内部に配置された羽根車5と、羽根車5と回転軸6が接続され、ファンケーシング4に固定された電動機7から構成されており、電動機7の駆動により羽根車5を回転させ、吸込口2から空気を吸い込み、吹出口3から空気を吹き出すようになっている。
【0020】
電動機7は例えばDCブラシレスモーターを用いており、その構造上、運転時に回転軸6の円周方向に加振力が発生し、その加振周波数は回転数に比例して変化することが知られている。例えばその加振周波数をFm(Hz)、回転数をRm(1/min)、係数をαとすると、Fm=α×Rm/60(Hz)で表すことができる。係数αが18のDCブラシレスモーターの場合、回転数Rmが740(1/min)のとき加振周波数Fmは220(Hz)となる。
【0021】
羽根車5は樹脂による一体射出成形品であり、その材質は例えばポリプロピレン(PP)を用いているが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチロール(ABS)など他の熱可逆性樹脂を用いる場合もある。樹脂製であるため、振動減衰率が高く加振力が伝達しても過度の振動や騒音放射を発生しにくいが、共振現象が励起すると加振力に対して大きな応答となり、過大な振動を発生することがある。
【0022】
図2に示すように、羽根車5は円板状の主板8の外周側に円周方向に沿う複数の羽根9を有し、これらの羽根9の外周面10に沿って外周リング11を設けている。外周リング11は羽根車5の吸込側開口端12から主板8側に距離を保って配置しており、羽根長さをL1、外周リング11と吸込側開口端12との距離をL2とすれば、例えばL1=90mm、L2=30mmであり、L2/L1×100=33%となる。また、外周リング11の回転軸方向の厚みをT1とすればT1=3mmとしており、羽根長さL1に対してT1/L1×100=3.3%となる。このように、外周リング11を吸込側開口端から一定の距離を保つ位置に配置すると、主板8と外周リング11による支点間距離を変化することで羽根9の曲げ剛性を変更できるため、羽根車5に存在する主板8と吸込側開口端12が円周方向の逆位相にねじれる固有振動モードの周波数を変更することができる。
【0023】
図3に固有振動モードの周波数を変更できる例として、有限要素法による固有値解析を用いて計算した結果を示す。
【0024】
(a)は外周リングを吸込側開口端に設けたもので、固有振動モードの周波数は220Hz、(b)は本発明の前提の形態1によるもので、固有振動モードの周波数は315Hzである。図3に示すとおり、(a)(b)とも、主板8と吸込側開口端12が円周方向の逆位相にねじれる挙動を示しており、外周リング11の位置を変更することで固有振動モードの周波数が(a)の220Hzから(b)の315Hzに40%程度増加していることがわかる。
【0025】
図4は外周リング11と吸込側開口端12の距離を変化させたときの固有振動モードの周波数の変化を示すグラフである。L2/L1が大きくなると周波数が増加し、25%〜50%で周波数を元の220Hzから300Hz〜320Hzに高める効果がある。しかし、L2/L1が50%を超えると、外周リング11と吸込側開口端12との間が片持ち梁として作用する現象が発生し、固有振動モードは低下の傾向となる。効果的に周波数を高めるためには外周リング11と吸込側開口端12の距離を25〜50%とすることが望ましい。
【0026】
図5は外周リング11の厚みT1を変化させたときの周波数の変化のグラフである。図5に示すとおり、T1/L1が3%以上となると、厚みT1=0mmの200Hzに対して300Hz以上に高め、大きな効果が得られることがわかる。厚みが大きいほど効果は高まるが、この厚みを単純に増加させると羽根出口側の流路を塞ぐ面積が増加することで風量が低下する。送風性能への影響を考慮すると5%以下に留めるのが望ましい。
【0027】
上記構成において、電動機7の加振周波数が220Hzとすれば、外周リング11を吸込側開口端12に設けると羽根車5の固有振動モードの周波数が220Hzで一致、共振現象が励起するが、外周リング11の位置を変更することで固有振動モードの周波数が300Hz以上に変更できるため、共振現象の励起が抑制されて騒音の発生を防止することができる。また、振動を絶縁するゴムなどの別部品を使用しないため、劣化もなく長期間安定して共振現象を抑制する効果を得られる。なお、電動機7の加振周波数は回転数によって変化するため、多翼送風機1としての使用回転数範囲を考慮して羽根車5の固有振動モードの周波数を変更する必要がある。
【0028】
最近では、コンピュータ性能やソフトウェアの発達により有限要素法による固有値解析も簡単に実施できる環境が整っているため、樹脂の一体成形品であっても、金型設計前に固有値解析を実施することで適切な外周リングの位置を求めることが可能である。
【0029】
また、羽根車5は、樹脂一体成形品であり別部品や複雑な分割金型による製造の必要はない。図2に示すように、外周リングの内径D2が主板の外径D1よりも回転軸6方向に重複する部分が存在しないように大きく、例えばD1=236mm、D2=240mmとすることで、一般的な上下二面方式の金型で成型可能となり、低コストにできる。
【0030】
(実施の形態2)
図6は長さの異なる羽根を主板の両側に配置した実施の形態2の羽根車の側断面図、図7は外周リングの部分側断面図である。なお、実施の形態1と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0031】
図6に示すように、羽根車5の主板8の両側に羽根9が配置され、その長さをL1、L3とするとL1=70mm、L3=20mmで長さの比は3:1である。外周リング11を長い方の羽根9の吸込側開口端12からL2=20mmの位置に設けており、L2/L1=30%となる。羽根9を途中で分割することによって、羽根9の全長を変えることなく、主板8と外周リング11による支点間距離を前提の形態1よりも短くできるため、羽根車5の固有振動モードの周波数をさらに大きく変更できる。その結果、電動機7の加振周波数が回転数によって大きく変化しても、広い周波数範囲で共振を抑制できるという効果が得られる。
【0032】
また、主板8には回転対称に複数の穴13が開けられている。この穴13から空気が通過するため、吸込口2が片側にしかない構成にも使用でき、両側の羽根9が有効に仕事をするため、送風性能を維持できるという効果が得られる。
【0033】
図7に示すように、外周リング11の円周方向の断面形状はコの字形であり、主板側の面に窪み14がある。外周リング11と羽根9の連結距離を変化しないで、断面剛性を維持したまま内部の肉を減じて羽根車5の軽量化を図れるため、起動時や運転時に加わる電動機7への負荷を低減できる。
【0034】
(実施の形態3)
図8は本発明における実施の形態3の羽根車の側断面図、図9は羽根と主板の接合部の斜視拡大図である。なお、実施の形態1および2と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0035】
図8に示すように、羽根9の断面係数が主板8側で最も大きく、吸込側開口端12になるほど小さくなるようにするために、板厚を一定にして翼弦長を主板8側で最も大きく、吸込側開口端12になるほど小さくなるように分布させている。主板8側の翼弦長をB1、吸込側開口端12の翼弦長をB2とすると、例えばB1=25mm、B2=20mmとする。主板8側で断面係数が最も大きくなることで、羽根9の重心位置が主板8側に移動するため、固有振動モードの周波数を高めることができる。
【0036】
また、羽根9の外周面10の径D3が外周リング11の内径D2よりも大きく、例えばD3=244、D2=240とすることで、羽根と外周リングが立体的に組み合う形での連結となっている。外周リング11と羽根9の接合面が増加することで、運転時にこの個所に発生する応力を低減できる。
【0037】
図9に示すように、羽根9と主板8の接合部15が曲面で形成されており、この部分における応力集中係数を低減することで、さらに運転時に発生する応力を低減できる。
【0038】
(実施の形態4)
図10は本発明における実施の形態4の羽根車の外周リングの部分側断面図、図11は羽根車の上面拡大図である。なお、実施の形態1〜3と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0039】
図10に示すように、外周リング11の円周方向の断面形状が平行四辺形であり、外周方向に向かって主板8側に傾斜している。断面形状を平行四辺形にしても、もとの長方形と断面係数は同等であるため、剛性は維持できる。また、外周リング11の内周面の主板8側の角部16を曲面で形成している。外周リング11を吸込側開口端12から距離を保って配置すると、羽根車5から出る風速の速い流れ場にさらされ渦が発生しやすくなるが、流れの方向に沿った形状とし、同時に最も対抗渦が発生しやすい角部16を曲面とすることで、渦発生を少なくすることができる。さらに、吸込側開口端12の内周側17を曲面で形成しているため、吸込流と羽根端面の干渉による渦発生を少なくすることができる。このように渦発生を少なくする構成によって、運転時の乱流騒音の発生を低く抑えることができるという効果が得られる。
【0040】
また、羽根9の吸込側開口端12の外周側18を曲面で形成することで、衝撃吸収性を高めることができるため、メンテナンスや掃除などで羽根車5を分解した際に不意の落下による羽根9が破損することなどを防止できる。
【0041】
また、図11に示すように、羽根9と外周リング11の回転軸6方向の接合部19が曲面でつながるように形成している。この部分の応力集中係数を低減することで、運転時に発生する応力を低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の多翼送風機は、室内の換気に使用する天井埋込形換気扇等に用いる用途として有用である。また、冷暖房エアコンの室内ユニットや空気清浄機などの送風機としての用途にも適することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 多翼送風機
2 吸込口
3 吹出口
4 ファンケーシング
5 羽根車
6 回転軸
7 電動機
8 主板
9 羽根
10 外周面
11 外周リング
12 吸込側開口端
13 穴
14 窪み
15 接合部
16 角部
17 内周側
18 外周側
19 接合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内の換気に使用する天井埋込形換気扇等に用いる多翼送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の多翼送風機は図12に示すように、ベルマウス101を有するファンケーシング102と、ファンケーシング102内に回転駆動可能に設置された羽根車103と、羽根車103を駆動する電動機104から構成されている。羽根車103は、主板105の外周側に複数の羽根106を有し、羽根106の外周よりも外径が大きい外周リング107を羽根車103の吸込側端部108に設けている。(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この構成において、電動機から発生する電磁振動の周波数と羽根車の固有振動モードの周波数が一致すると、共振現象が励起され羽根車の振動が増幅し、騒音が発生する。電磁振動の加振力は回転軸の円周方向に作用するため、羽根車の固有振動モードが、主板と外周リングを支持点とする羽根の曲げ変形によって主板と吸込側開口端が円周方向の逆位相にねじれる挙動である場合、加振に対して応答しやすいと共に、羽根がスピーカーの振動板の働きをして、過大な騒音になり易い。また、この固有振動モードの周波数は主板と外周リングの間の距離、すなわち羽根の長さに依存しているため、共振現象を抑制するには羽根の長さを変更することが最も効果的である。しかし、羽根の長さは多翼送風機として送風性能から決められており、簡単に変更することができない。
【0004】
そこで、電動機からの振動を絶縁する構造にして共振現象の励起を抑制し、騒音の発生を防止するものが広く知られている。(例えば特許文献2参照)。
【0005】
以下、その多翼送風機について図13を参照しながら説明する。
【0006】
羽根車109の羽根ボス110の内径を電動機の回転軸111外径より大きくするとともに、羽根ボス110の両端側にゴム製のリング112が入る凹部113を設け、回転軸111に羽根ボス110を挿入しワッシャ114を当てて、ねじ115で止めることで、羽根車109がワッシャ114とねじ115とにより押圧され回転軸111から浮いた状態となる。回転軸111からの電磁振動がリング112によって絶縁されて羽根車109に伝達されなくなるため、羽根車109が持つ固有振動数と共振しなくなり、騒音の発生を防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−173596号公報(第2図)
【特許文献2】実開平5−1899号公報(第2図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来の多翼送風機では、振動を絶縁するためにゴム製のリングなど損失係数が大きい素材の別部品が必要となるため、構造が複雑となりコストが増加するという課題があった。また、長期間の使用によってゴムが劣化して振動を絶縁する効果が低下した場合、電動機からの振動が羽根車に伝達してしまい共振現象が励起され、騒音が発生するという課題があった。
【0009】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、構造が簡単で低コストに共振現象の励起を抑制でき、長期間安定して騒音の発生を防止できる多翼送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の多翼送風機は、上記目的を達成するために、円板状の主板の外周側に円周方向に沿う複数の羽根を有し、これらの羽根の外周面に沿って外周リングを設けた樹脂製の羽根車の回転中心に電動機の回転軸を接続した多翼送風機において、前記外周リングの外径が前記羽根の外周面の径より大きく、前記電動機から発生される円周方向の加振力の周波数と、前記羽根車に存在する前記羽根の曲げ変形によって前記主板と吸込側開口端が円周方向の逆位相にねじれる固有振動モードの周波数が異なるように前記外周リングを配置したことにより、羽根車の共振現象の励起を抑制できる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電動機の加振力の周波数に対して羽根車の固有振動モードの周波数が異なるように外周リングを配置することで共振現象の励起を抑制できるため、構造が簡単で低コストにでき、長期間安定して騒音の発生を防止できる多翼送風機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1の側断面図
【図2】本発明の実施の形態1の羽根車の側断面図
【図3】(a)外周リングを吸込側開口端に設けて計算した解析結果を示す図(b)本発明の実施の形態1を計算した解析結果を示す図
【図4】外周リングと吸込側開口端の距離を変化させたときの固有振動モードの周波数変化を示すグラフ
【図5】外周リングの厚みを変化させたときの固有振動モードの周波数の変化のグラフ
【図6】本発明の実施の形態2の側断面図
【図7】本発明の実施の形態2の外周リングの部分側断面図
【図8】本発明の実施の形態3の羽根車の側断面図
【図9】本発明の実施の形態3の羽根と主板の接合部の斜視拡大図
【図10】本発明の実施の形態4の外周リングの部分側断面図
【図11】本発明の実施の形態4の羽根車の上面拡大図
【図12】従来の多翼送風機を示す横断面図
【図13】従来の多翼送風機の羽根ボス部を示す部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の請求項1記載の多翼送風機は、円板状の主板の外周側に円周方向に沿う複数の羽根を有し、これらの羽根の外周面に沿って外周リングを設けた樹脂製の羽根車の回転中心に電動機の回転軸を接続した多翼送風機において、前記外周リングの外径が前記羽根の外周面の径より大きく、前記電動機から発生される円周方向の加振力の周波数と、前記羽根車に存在する前記羽根の曲げ変形によって前記主板と吸込側開口端が円周方向の逆位相にねじれる固有振動モードの周波数が異なるように前記外周リングを配置したものであり、羽根車の共振現象の励起を抑制できるという作用を有する。また、羽根が主板の片側のみに配置され、外周リングを吸込側開口端から一定の距離を保って配置したことを特徴としたものであり、主板と外周リングによる支点間距離を変化することで羽根の曲げ剛性を変更できるため、固有振動モードの周波数を変更できるという作用を有する。また、羽根の回転軸方向の断面における断面係数が、主板側が最も大きく、吸込側開口端側になるほど小さくなることを特徴としたものであり、羽根の重心位置を主板側に移動することで、固有振動モードの周波数を高めることができるという作用を有する。
【0014】
本発明の請求項2記載の多翼送風機は、請求項1記載の多翼送風機において、外周リングの円周方向の断面形状がコの字形であり、回転軸方向の主板側の面に窪みがあることを特徴としたものであり、外周リングの剛性を維持したまま軽量化することで、羽根に付加される質量を低減でき、起動時や運転時に加わる電動機への負荷を低減できるという作用を有する。
【0015】
本発明の請求項3記載の多翼送風機は、請求項1または2記載の多翼送風機において、外周リングの円周方向の断面形状が平行四辺形であり、外周側に向かって主板側に傾斜していることを特徴としたものであり、外周リングの剛性を維持したまま送風による渦発生を少なくすることで、乱流騒音の発生を低減できるという作用を有する。
【0016】
本発明の請求項4記載の多翼送風機は、請求項1から3いずれか記載の多翼送風機において、外周リングと吸込側開口端の距離を羽根全長の25〜50%としたものであり、固有振動モードの周波数を効果的に変更できるという作用を有する。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は本発明における実施の形態1の側断面図、図2は羽根車の側断面図である。
【0019】
図1に示すように、多翼送風機1は吸込口2と吹出口3を有するファンケーシング4と、ファンケーシング4内部に配置された羽根車5と、羽根車5と回転軸6が接続され、ファンケーシング4に固定された電動機7から構成されており、電動機7の駆動により羽根車5を回転させ、吸込口2から空気を吸い込み、吹出口3から空気を吹き出すようになっている。
【0020】
電動機7は例えばDCブラシレスモーターを用いており、その構造上、運転時に回転軸6の円周方向に加振力が発生し、その加振周波数は回転数に比例して変化することが知られている。例えばその加振周波数をFm(Hz)、回転数をRm(1/min)、係数をαとすると、Fm=α×Rm/60(Hz)で表すことができる。係数αが18のDCブラシレスモーターの場合、回転数Rmが740(1/min)のとき加振周波数Fmは220(Hz)となる。
【0021】
羽根車5は樹脂による一体射出成形品であり、その材質は例えばポリプロピレン(PP)を用いているが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチロール(ABS)など他の熱可逆性樹脂を用いる場合もある。樹脂製であるため、振動減衰率が高く加振力が伝達しても過度の振動や騒音放射を発生しにくいが、共振現象が励起すると加振力に対して大きな応答となり、過大な振動を発生することがある。
【0022】
図2に示すように、羽根車5は円板状の主板8の外周側に円周方向に沿う複数の羽根9を有し、これらの羽根9の外周面10に沿って外周リング11を設けている。外周リング11は羽根車5の吸込側開口端12から主板8側に距離を保って配置しており、羽根長さをL1、外周リング11と吸込側開口端12との距離をL2とすれば、例えばL1=90mm、L2=30mmであり、L2/L1×100=33%となる。また、外周リング11の回転軸方向の厚みをT1とすればT1=3mmとしており、羽根長さL1に対してT1/L1×100=3.3%となる。このように、外周リング11を吸込側開口端から一定の距離を保つ位置に配置すると、主板8と外周リング11による支点間距離を変化することで羽根9の曲げ剛性を変更できるため、羽根車5に存在する主板8と吸込側開口端12が円周方向の逆位相にねじれる固有振動モードの周波数を変更することができる。
【0023】
図3に固有振動モードの周波数を変更できる例として、有限要素法による固有値解析を用いて計算した結果を示す。
【0024】
(a)は外周リングを吸込側開口端に設けたもので、固有振動モードの周波数は220Hz、(b)は本発明の前提の形態1によるもので、固有振動モードの周波数は315Hzである。図3に示すとおり、(a)(b)とも、主板8と吸込側開口端12が円周方向の逆位相にねじれる挙動を示しており、外周リング11の位置を変更することで固有振動モードの周波数が(a)の220Hzから(b)の315Hzに40%程度増加していることがわかる。
【0025】
図4は外周リング11と吸込側開口端12の距離を変化させたときの固有振動モードの周波数の変化を示すグラフである。L2/L1が大きくなると周波数が増加し、25%〜50%で周波数を元の220Hzから300Hz〜320Hzに高める効果がある。しかし、L2/L1が50%を超えると、外周リング11と吸込側開口端12との間が片持ち梁として作用する現象が発生し、固有振動モードは低下の傾向となる。効果的に周波数を高めるためには外周リング11と吸込側開口端12の距離を25〜50%とすることが望ましい。
【0026】
図5は外周リング11の厚みT1を変化させたときの周波数の変化のグラフである。図5に示すとおり、T1/L1が3%以上となると、厚みT1=0mmの200Hzに対して300Hz以上に高め、大きな効果が得られることがわかる。厚みが大きいほど効果は高まるが、この厚みを単純に増加させると羽根出口側の流路を塞ぐ面積が増加することで風量が低下する。送風性能への影響を考慮すると5%以下に留めるのが望ましい。
【0027】
上記構成において、電動機7の加振周波数が220Hzとすれば、外周リング11を吸込側開口端12に設けると羽根車5の固有振動モードの周波数が220Hzで一致、共振現象が励起するが、外周リング11の位置を変更することで固有振動モードの周波数が300Hz以上に変更できるため、共振現象の励起が抑制されて騒音の発生を防止することができる。また、振動を絶縁するゴムなどの別部品を使用しないため、劣化もなく長期間安定して共振現象を抑制する効果を得られる。なお、電動機7の加振周波数は回転数によって変化するため、多翼送風機1としての使用回転数範囲を考慮して羽根車5の固有振動モードの周波数を変更する必要がある。
【0028】
最近では、コンピュータ性能やソフトウェアの発達により有限要素法による固有値解析も簡単に実施できる環境が整っているため、樹脂の一体成形品であっても、金型設計前に固有値解析を実施することで適切な外周リングの位置を求めることが可能である。
【0029】
また、羽根車5は、樹脂一体成形品であり別部品や複雑な分割金型による製造の必要はない。図2に示すように、外周リングの内径D2が主板の外径D1よりも回転軸6方向に重複する部分が存在しないように大きく、例えばD1=236mm、D2=240mmとすることで、一般的な上下二面方式の金型で成型可能となり、低コストにできる。
【0030】
(実施の形態2)
図6は長さの異なる羽根を主板の両側に配置した実施の形態2の羽根車の側断面図、図7は外周リングの部分側断面図である。なお、実施の形態1と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0031】
図6に示すように、羽根車5の主板8の両側に羽根9が配置され、その長さをL1、L3とするとL1=70mm、L3=20mmで長さの比は3:1である。外周リング11を長い方の羽根9の吸込側開口端12からL2=20mmの位置に設けており、L2/L1=30%となる。羽根9を途中で分割することによって、羽根9の全長を変えることなく、主板8と外周リング11による支点間距離を前提の形態1よりも短くできるため、羽根車5の固有振動モードの周波数をさらに大きく変更できる。その結果、電動機7の加振周波数が回転数によって大きく変化しても、広い周波数範囲で共振を抑制できるという効果が得られる。
【0032】
また、主板8には回転対称に複数の穴13が開けられている。この穴13から空気が通過するため、吸込口2が片側にしかない構成にも使用でき、両側の羽根9が有効に仕事をするため、送風性能を維持できるという効果が得られる。
【0033】
図7に示すように、外周リング11の円周方向の断面形状はコの字形であり、主板側の面に窪み14がある。外周リング11と羽根9の連結距離を変化しないで、断面剛性を維持したまま内部の肉を減じて羽根車5の軽量化を図れるため、起動時や運転時に加わる電動機7への負荷を低減できる。
【0034】
(実施の形態3)
図8は本発明における実施の形態3の羽根車の側断面図、図9は羽根と主板の接合部の斜視拡大図である。なお、実施の形態1および2と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0035】
図8に示すように、羽根9の断面係数が主板8側で最も大きく、吸込側開口端12になるほど小さくなるようにするために、板厚を一定にして翼弦長を主板8側で最も大きく、吸込側開口端12になるほど小さくなるように分布させている。主板8側の翼弦長をB1、吸込側開口端12の翼弦長をB2とすると、例えばB1=25mm、B2=20mmとする。主板8側で断面係数が最も大きくなることで、羽根9の重心位置が主板8側に移動するため、固有振動モードの周波数を高めることができる。
【0036】
また、羽根9の外周面10の径D3が外周リング11の内径D2よりも大きく、例えばD3=244、D2=240とすることで、羽根と外周リングが立体的に組み合う形での連結となっている。外周リング11と羽根9の接合面が増加することで、運転時にこの個所に発生する応力を低減できる。
【0037】
図9に示すように、羽根9と主板8の接合部15が曲面で形成されており、この部分における応力集中係数を低減することで、さらに運転時に発生する応力を低減できる。
【0038】
(実施の形態4)
図10は本発明における実施の形態4の羽根車の外周リングの部分側断面図、図11は羽根車の上面拡大図である。なお、実施の形態1〜3と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
【0039】
図10に示すように、外周リング11の円周方向の断面形状が平行四辺形であり、外周方向に向かって主板8側に傾斜している。断面形状を平行四辺形にしても、もとの長方形と断面係数は同等であるため、剛性は維持できる。また、外周リング11の内周面の主板8側の角部16を曲面で形成している。外周リング11を吸込側開口端12から距離を保って配置すると、羽根車5から出る風速の速い流れ場にさらされ渦が発生しやすくなるが、流れの方向に沿った形状とし、同時に最も対抗渦が発生しやすい角部16を曲面とすることで、渦発生を少なくすることができる。さらに、吸込側開口端12の内周側17を曲面で形成しているため、吸込流と羽根端面の干渉による渦発生を少なくすることができる。このように渦発生を少なくする構成によって、運転時の乱流騒音の発生を低く抑えることができるという効果が得られる。
【0040】
また、羽根9の吸込側開口端12の外周側18を曲面で形成することで、衝撃吸収性を高めることができるため、メンテナンスや掃除などで羽根車5を分解した際に不意の落下による羽根9が破損することなどを防止できる。
【0041】
また、図11に示すように、羽根9と外周リング11の回転軸6方向の接合部19が曲面でつながるように形成している。この部分の応力集中係数を低減することで、運転時に発生する応力を低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の多翼送風機は、室内の換気に使用する天井埋込形換気扇等に用いる用途として有用である。また、冷暖房エアコンの室内ユニットや空気清浄機などの送風機としての用途にも適することができる。
【符号の説明】
【0043】
1 多翼送風機
2 吸込口
3 吹出口
4 ファンケーシング
5 羽根車
6 回転軸
7 電動機
8 主板
9 羽根
10 外周面
11 外周リング
12 吸込側開口端
13 穴
14 窪み
15 接合部
16 角部
17 内周側
18 外周側
19 接合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状の主板の外周側に円周方向に沿う複数の羽根を有し、これらの羽根の外周面に沿って外周リングを設けた樹脂製の羽根車の回転中心に電動機の回転軸を接続した多翼送風機において、前記外周リングの外径が前記羽根の外周面の径より大きく、前記電動機から発生される円周方向の加振力の周波数と、前記羽根車に存在する前記羽根の曲げ変形によって前記主板と吸込側開口端が円周方向の逆位相にねじれる固有振動モードの周波数が異なるように前記外周リングを配置し、
前記羽根が前記主板の片側のみに配置され、前記外周リングを前記吸込側開口端から一定の距離を保って配置し、
羽根の回転軸方向の断面における断面係数が、主板側が最も大きく、吸込側開口端側になるほど小さくなることを特徴とした多翼送風機。
【請求項2】
外周リングの円周方向の断面形状がコの字形であり、回転軸方向の主板側の面に窪みがあることを特徴とした請求項1記載の多翼送風機。
【請求項3】
外周リングの円周方向の断面形状が平行四辺形であり、外周側に向かって主板側に傾斜していることを特徴とした請求項1または2記載の多翼送風機。
【請求項4】
外周リングと吸込側開口端の距離を羽根長さの25〜50%とした請求項1から3いずれか記載の多翼送風機。
【請求項1】
円板状の主板の外周側に円周方向に沿う複数の羽根を有し、これらの羽根の外周面に沿って外周リングを設けた樹脂製の羽根車の回転中心に電動機の回転軸を接続した多翼送風機において、前記外周リングの外径が前記羽根の外周面の径より大きく、前記電動機から発生される円周方向の加振力の周波数と、前記羽根車に存在する前記羽根の曲げ変形によって前記主板と吸込側開口端が円周方向の逆位相にねじれる固有振動モードの周波数が異なるように前記外周リングを配置し、
前記羽根が前記主板の片側のみに配置され、前記外周リングを前記吸込側開口端から一定の距離を保って配置し、
羽根の回転軸方向の断面における断面係数が、主板側が最も大きく、吸込側開口端側になるほど小さくなることを特徴とした多翼送風機。
【請求項2】
外周リングの円周方向の断面形状がコの字形であり、回転軸方向の主板側の面に窪みがあることを特徴とした請求項1記載の多翼送風機。
【請求項3】
外周リングの円周方向の断面形状が平行四辺形であり、外周側に向かって主板側に傾斜していることを特徴とした請求項1または2記載の多翼送風機。
【請求項4】
外周リングと吸込側開口端の距離を羽根長さの25〜50%とした請求項1から3いずれか記載の多翼送風機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−53634(P2013−53634A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−278988(P2012−278988)
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2009−1283(P2009−1283)の分割
【原出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月21日(2012.12.21)
【分割の表示】特願2009−1283(P2009−1283)の分割
【原出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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