説明

多色成形品の製造方法、及び成形型

【課題】第1成形品と第2成形品との接合強度をより高くすることが可能な多色成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】第1成形空間91に第1溶融樹脂を射出してドアトリム本体30を成形する第1成形工程と、第2成形空間92に第1溶融樹脂とは異なる色の第2溶融樹脂を射出してオーナメント40を成形する第2成形工程と、を備え、第1成形工程においては、第1可動型71、第2可動型72、第3可動型73によって突部を成形するための各成形面を形成し、第1成形空間91に第1溶融樹脂を射出することで、貫通孔33Aが形成された状態の突部33を成形し、第2成形工程においては、第2溶融樹脂を貫通孔33Aに充填させるとともに突部33が嵌合された状態の凹部43を成形することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多色成形品の製造方法、及び成形型に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1成形品と、この第1成形品とは異種の材質あるいは同種の材質で色が異なるものからなる第2成形品とを備えて構成された多色成形品として、例えば下記特許文献1に記載のものが知られている。この多色成形品(車両用ドアトリム)では、第1成形品と第2成形品とが溝部において接合されている。これにより、第1成形品と第2成形品との境界(異なる色同士の境界)が溝部に形成されることとなるため、当該境界部分を目視しづらくなり、外観見栄えを向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−130914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の多色成形品では、第1成形品と第2成形品が境界部分において面接触状態で接合している。このような面接触状態で接合されている場合であっても、通常使用時(例えばドアトリムであればドアの開閉時など)においては、十分な接合強度を確保することができる。しかしながら、例えばメンテナンス時などに多色成形品を他部材から取り外す場合などには、より強い外力が多色成形品に作用する事態が想定される。このため、第1成形品と第2成形品との接合強度をより高くすることが求められている。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、第1成形品と第2成形品との接合強度をより高くすることが可能な多色成形品の製造方法を提供することを目的とする。また、このような多色成形品を成形可能な成形型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明における多色成形品の製造方法は、第1成形品と、前記第1成形品とは異種の材質あるいは同種の材質で色が異なるものからなる第2成形品とを備え、前記第1成形品と前記第2成形品との境界に溝部が形成された多色成形品の製造方法であって、前記多色成形品は、前記第1成形品から前記第2成形品に向かって突き出す突部が、前記第2成形品に形成された凹部に嵌合された状態で成形されるとともに、前記第2成形品の一部が、前記突部の一部を貫通することで形成された貫通孔に挿通された状態で成形されるものとされ、当該多色成形品の製造方法は、前記第1成形品を成形する第1成形空間を形成し、当該第1成形空間に第1溶融樹脂を射出して前記第1成形品を成形する第1成形工程と、前記第2成形品を成形する第2成形空間を形成し、当該第2成形空間に前記第1溶融樹脂とは異なる色の第2溶融樹脂を射出して前記第2成形品を成形する第2成形工程と、を備え、前記第1成形工程においては、第1可動型、第2可動型、第3可動型を、前記第2成形空間に進入させることで、前記第1成形空間における前記第2成形空間側の開口を閉塞するとともに、前記溝部の内面を成形するための内面成形面に前記第1可動型を当接させることで、前記第1可動型によって、前記突部における前記貫通孔の貫通方向の両面のうち、一方側の面を成形するための第1成形面を形成し、前記第2可動型によって、前記突部の突出端面を成形するための第2成形面を形成し、前記第3可動型によって、前記突部における前記貫通孔の貫通方向の両面のうち、他方側の面を成形するための第3成形面を形成するとともに、前記第3成形面から突き出す貫通孔成形用突部の突出端面を前記第1成形面に当接させた状態とし、前記第1成形面、前記第2成形面、前記第3成形面を含む前記第1成形空間に前記第1溶融樹脂を射出することで、前記貫通孔成形用突部によって前記貫通孔が形成された状態の前記突部を成形し、前記第2成形工程においては、前記第1可動型、前記第2可動型及び前記第3可動型を前記第2成形空間から離脱させ、これによって生じた空間に前記第2溶融樹脂を射出することで、前記第2溶融樹脂を前記貫通孔に充填させるとともに、前記突部が嵌合された状態の前記凹部を成形することに特徴を有する。
【0007】
本発明においては、第1成形品から突き出す突部が第2成形品に形成された凹部に嵌合された状態で多色成形品を成形することができる。さらに、第2成形品の一部が、突部に形成された貫通孔に挿通された状態で成形される。これにより、第1成形品と第2成形品とが面接触状態で接合している構成と比較して、その接合強度をより高くすることができる。
【0008】
上記製造方法において、前記第1可動型は、第1カム面を有するカムスライド型とされ、前記第2可動型は、前記第1カム面とは傾斜角度が異なる第2カム面を有するカムスライド型とされ、前記第1成形工程においては、前記第1カム面及び前記第2カム面に対して、同一の駆動装置によって駆動される第1カムドライバ及び第2カムドライバをそれぞれ押し当て、前記第1可動型及び前記第2可動型の双方を前記内面成形面側に移動させることで、前記第1可動型及び前記第2可動型をそれぞれ前記第2成形空間に進入させるとともに、前記第1カム面の傾斜角度と前記第2カム面の傾斜角度の差に比例した分だけ、前記第1可動型における前記内面成形面との当接面を前記第2可動型における前記第2成形面よりも前記内面成形面側に配することで、前記第1成形面を形成するものとすることができる。
【0009】
上記方法においては、第1カム面と第2カム面の傾斜角度を異なるものとし、両傾斜角度の差に比例した分だけ、第1可動型における内面成形面との当接面を第2可動型における第2成形面よりも内面成形面側に配することで、第1成形面を形成することができる。このように、第1カム面と第2カム面の傾斜角度を異なるものとすることで、同一の駆動装置を用いて各カムドライバ(第1カムドライバ及び第2カムドライバ)を駆動させる場合、すなわち、各カムドライバの移動量が同じである場合においても、第1可動型と第2可動型の移動量を異なるものとすることができ、第1成形面を形成することができる。言い換えると、第1可動型と第2可動型を同一の駆動装置で駆動させることができ、多色成形品の製造に係るコストを低減できる。
【0010】
また、仮に、第1可動型及び第2可動型にシリンダなどの駆動装置を直接取り付けて移動させる場合、第1可動型及び第2可動型の移動方向と同一直線状上に駆動装置を配置する必要がある。この点、カムスライド型、カムドライバを用いたカムスライド機構であれば、各可動型の移動方向によらずカムドライバ及び駆動装置を配置することができ、装置設計時の自由度が向上する。
【0011】
また、第1可動型及び第2可動型に駆動装置を直接取り付ける構成の場合、第1可動型及び第2可動型のサイズが小さくなると、駆動装置の取り付けが困難となる。この点、カムスライド機構であれば、第1可動型及び第2可動型に駆動装置を直接取り付ける必要がないため、第1可動型及び第2可動型の大きさによらず容易に適用することができる。
【0012】
次に、上記課題を解決するために、本発明の成形型は、第1成形品と、前記第1成形品とは異種の材質あるいは同種の材質で色が異なるものからなる第2成形品とを備え、前記第1成形品と前記第2成形品との境界に溝部が形成された多色成形品を成形するための成形型であって、前記多色成形品は、前記第1成形品から前記第2成形品に向かって突き出す突部が、前記第2成形品に形成された凹部に嵌合された状態で成形されるとともに、前記第2成形品の一部が、前記突部の一部を貫通することで形成された貫通孔に挿通された状態で成形されるものとされ、当該成形型は、互いに開閉可能なように設けられ、前記溝部を成形するための溝部成形用突部を有する一対の型と、前記一対の型との間に、前記第1成形品を成形するための第1成形空間及び前記第2成形品を成形するための第2成形空間を形成可能な第1可動型、第2可動型及び第3可動型を備え、前記第1可動型、前記第2可動型及び前記第3可動型は、前記第2成形空間に進入することで、前記第1成形空間における前記第2成形空間側の開口を閉塞可能な構成であって、前記第1可動型は、前記突部の側面に当接された状態において、前記突部における前記貫通孔の貫通方向の両面のうち、一方側の面を成形するための第1成形面を形成するものであって、前記第2可動型は、前記突部の突出端面を成形するための第2成形面を有し、前記第3可動型は、前記突部における前記貫通孔の貫通方向の両面のうち、他方側の面を成形するための第3成形面と、前記第3成形面から突き出す貫通孔成形用突部とを有し、前記第1成形面、前記第2成形面、前記第3成形面を含む前記第1成形空間に前記第1溶融樹脂が射出されることで、前記貫通孔成形用突部によって前記貫通孔が形成された状態の前記突部を成形可能とされ、前記突部が成形された後、前記第1可動型、前記第2可動型及び前記第3可動型が、前記第2成形空間から離脱することで生じた空間に前記第2溶融樹脂が射出されることで、前記貫通孔に前記第2溶融樹脂が充填されるとともに、前記突部が嵌合された状態の前記凹部が成形される構成であることに特徴を有する。
【0013】
本発明においては、第1成形品から突き出す突部が第2成形品に形成された凹部に嵌合された状態で多色成形品を成形することができる。さらに、第2成形品の一部が、突部に形成された貫通孔に挿通された状態で成形される。これにより、第1成形品と第2成形品との接合強度をより高くすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1成形品と第2成形品との接合強度をより高くすることが可能な多色成形品の製造方法を提供することができる。また、このような多色成形品を成形可能な成形型を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係るドアトリムを示す斜視図
【図2】本発明の一実施形態に係る成形型を示す断面図(図1のA−A線で切断した図に対応)
【図3】図2の状態から各可動型を前進させて第1成形空間を形成した状態を示す断面図
【図4】図3の状態から各可動型を後退させて第2成形空間を形成した状態を示す断面図
【図5】図4の状態から第2成形空間に樹脂を射出した状態を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5によって説明する。本実施形態では、多色成形品として、車両ドアに取り付けられるドアトリム10を例示する。図1は、本実施形態のドアトリム10の斜視図である。ドアトリム10は、図1に示すように、板状に形成されたドアトリム本体30(トリムボード、第1成形品)と、ドアトリム本体30の内側に配される形で形成されたオーナメント40(第2成形品)とを備えている。また、ドアトリム10は、スピーカグリル16、ドアポケット18、ドアトリム本体30の表側(車室内側)に張り出す形で配されているアームレスト19などを備えている。
【0017】
ドアトリム本体30及びオーナメント40は、例えば、ポリプロピレン(ポリオレフィン系樹脂)等の熱可塑性合成樹脂によって形成されており、各々色が異なる異種の材質で形成されている。なお、ドアトリム本体30及びオーナメント40は、色が異なるものであればよく、同種の材質で形成されていてもよい。
【0018】
ドアトリム本体30とオーナメント40との境界には、溝部23が全周に亘って凹設されている。溝部23は、図1及び図5に示すように、ドアトリム10の表側の面(意匠面10A)を凹ませることで形成されている。本実施形態においては、図5に示すように、溝部23を構成する壁部(一対の溝部側壁部、及び溝部底壁部)のうち、溝部底壁部31(奥壁部)及び一方の溝部側壁部32がドアトリム本体30に形成され、他方の溝部側壁部42がオーナメント40に形成されている。このように、ドアトリム10においては、ドアトリム本体30とオーナメント40との境界(異なる色の境界)を溝部23の内部に配することで、色の境界を目視しづらくし、意匠性を高くしている。
【0019】
また、ドアトリム本体30の溝部底壁部31には、図5に示すように、オーナメント40に向かって突き出す形で突部33が形成されている。オーナメント40の溝部側壁部42においては、突部33が嵌合された凹部43が形成されている。そして、突部33の一部を、その板厚方向(図5の上下方向)に貫通することで、平面視円形状をなす貫通孔33Aが形成されている。
【0020】
この貫通孔33Aには、図5に示すように、オーナメント40における挿通部45(第2成形品の一部)が挿通されている。挿通部45は、オーナメント40の凹部43において対向する両側面とそれぞれ連結する形で形成されており、貫通孔33Aの円形状に対応した円柱状をなしている。
【0021】
突部33(及び凹部43)は、例えば、溝部23の延設方向に沿って複数個配列されており、貫通孔33Aは例えば、平面視円形状をなすものとされる(図1参照)。なお、図1においては、突部33を図示しやすくするため、溝部23の溝幅に対して突部33を大きく図示してある。
【0022】
次に、ドアトリム10(ドアトリム本体30及びオーナメント40)を成形する成形型50の構成について、図2ないし図5の図面を参照しながら説明する。成形型50は、図2に示すように、下型51(コア型)と、この下型51の上方に対向して配置された上型61(キャビ型)と、下型51の内部に組み込まれた第1可動型71、第2可動型72、第3可動型73と、第1可動型71を移動させるための第1カムドライバ81と、第2可動型72を移動させるための第2カムドライバ82とを備えている。
【0023】
下型51及び上型61(一対の型)は、互いに開閉可能に設けられている。本実施形態の成形型50においては、下型51及び上型61、各可動型71,72,73によって、ドアトリム10を成形するための成形空間90(キャビティ)を形成し、この成形空間90に溶融樹脂を射出することで、ドアトリム本体30及びオーナメント40を一体的に成形することが可能となっている。なお、このような各可動型71,72,73は、中子と呼ばれることもある。
【0024】
以下の説明では、成形空間90のうち、ドアトリム本体30を成形する空間を第1成形空間91と呼び、オーナメント40を成形する空間を第2成形空間92と呼ぶものとする。なお、本実施形態の成形型50は、第1成形空間91内に連通して配置された第1ゲート(図示せず)と、第2成形空間92内に連通して配置された第2ゲート(図示せず)と、を備えており、第1成形空間91及び第2成形空間92に対して個別に溶融樹脂を供給可能な構成となっている。
【0025】
上型61における下型51との対向面は、ドアトリム10の意匠面10Aの形状に倣った形状をなしている。そして、上型61における下型51との対向面には、溝部23を形成するための溝部成形用突部62が形成されている。つまり、溝部成形用突部62における一対の側面62B,62C、及び突出端面62Aは、溝部23の内面を成形するための面である。なお、上型61における下型51との対向面には、第1可動型71との当接箇所(溝部成形用突部62の側面62Bの一部)を除いて、シボ模様が形成されている。このシボ模様によってドアトリム10の意匠面10Aにシボ模様が形成される。
【0026】
下型51における上型61との対向面は、ドアトリム10の裏面(意匠面10Aと反対側の面)の形状に倣った形状をなしている。下型51及び可動型71,72における上型61との対向面において、溝部成形用突部62と対向する箇所には、図2に示すように、溝部23を形成するための溝部成形用凹部54が形成されている。
【0027】
溝部成形用凹部54は、図2に示すように、下型51、可動型71,72によって、下方に凹む形で形成されている。具体的には、溝部成形用凹部54を構成する底面及び一対の側面のうち、底面54A及び一方の側面54Bは、下型51に設けられており、他方の側面が可動型71,72の側面71B,72Bによって構成されている。
【0028】
溝部成形用凹部54の底面54Aは、溝部底壁部31の外面を成形する面である。また、側面54Bは、ドアトリム本体30側の溝部側壁部32の外面を成形する面である。また、可動型71,72の側面71B,72Bは、オーナメント40側の溝部側壁部42の外面を成形する面である。
【0029】
本実施形態では、各可動型71,72,73が後退位置(図2に示す位置)にある状態において、第1成形空間91と第2成形空間92とが連通される構成となっている。また、各可動型71,72,73が前進位置(図3に示す位置)にある状態においては、各可動型71,72,73が第2成形空間92に進入することで、各可動型71,72,73によって、第1成形空間91における第2成形空間92側の開口を閉塞する構成となっている。
【0030】
第1可動型71及び第2可動型72は、上下方向に隣接する形で配されており、第2可動型72の上方に第1可動型71が配されている。第1可動型71及び第2可動型72は、上型61及び下型51の型閉じ方向と交差する方向(水平方向、図2の左右方向)に移動可能に取り付けられている。
【0031】
第1可動型71の側面71Bは、後退位置においては、図2に示すように、溝部成形用突部62の側面62B(溝部の内面を成形するための内面成形面)と隙間を空けて対向する形で配されている。第1可動型71の側面71B(第1可動型における内面成形面との当接面)は、前進位置においては、図3に示すように、溝部成形用突部62の側面62Bと隙間なく当接する形で配されている。
【0032】
第2可動型72における側面72Bは、後退位置においては、第1可動型71における側面71Bと面一をなす形で配されている。第2可動型72における側面72Bは、前進位置においては、第3可動型73における側面73Bに当接する構成となっている。
【0033】
第3可動型73は、下型51の底面54Aに形成された縦穴55の内部に収容されている。第3可動型73は、油圧シリンダ75に連結されており、油圧シリンダ75によって上下方向に移動可能とされている。これにより、第3可動型73は、縦穴55の内部に収容された後退位置と、この後退位置から上方に移動した前進位置との間を移動可能とされている。
【0034】
また、第3可動型73の上面73A(第3成形面)からは、貫通孔成形用突部74が上方に向かって突き出している。この貫通孔成形用突部74は、ドアトリム本体30における突部33の貫通孔33Aを形成するためのもので、平面視円形状をなす貫通孔33Aに対応した棒状をなしている。
【0035】
第3可動型73は、前進位置においては、貫通孔成形用突部74を含む先端部が第2成形空間92に進入するともに、貫通孔成形用突部74の突出端面74Aが第1可動型71の下面71Aに当接する構成となっている。
【0036】
本実施形態において、第1可動型71及び第2可動型72は、それぞれカム面を有するカムスライド型であって、カムスライド機構65によって、後退位置から前進位置に移動される構成となっている。カムスライド機構65は、第1可動型71の第1カム面71D、第2可動型72の第2カム面72D、第1カムドライバ81、第2カムドライバ82、油圧シリンダ83を備えている。
【0037】
第1可動型71において、溝部成形用突部62とは反対側(図5における右側)の側面は、溝部成形用突部62に向かうにつれて下降傾斜する第1カム面71Dとされる。第1カムドライバ81は、第1カム面71Dと同じ角度で傾斜するカム面81Dを有しており、そのカム面81Dが第1カム面71Dに接触する形で設けられている。なお、両第1カム面71D,81Dの間には、例えば、滑り材が介在されており、両カム面は互いに摺動可能になっている。
【0038】
第2可動型72において、溝部成形用突部62とは反対側の側面は、溝部成形用突部62に向かうにつれて下降傾斜する第2カム面72Dとされる。第2カムドライバ82は、第2カム面72Dと同じ角度で傾斜するカム面82Dを有しており、そのカム面82Dが第2カム面72Dに接触する形で設けられている。なお、両第2カム面72D,82Dの間には、例えば、滑り材が介在されており、両カム面は互いに摺動可能になっている。
【0039】
第1カムドライバ81及び第2カムドライバ82は、油圧シリンダ83(同一の駆動装置)にそれぞれ連結されている。これにより、油圧シリンダ83を駆動させることで、第1カムドライバ81及び第2カムドライバ82の双方を、下型51及び上型61の型開き方向(図2の上下方向)に移動可能な構成となっている。
【0040】
第1カム面71Dは、第1カムドライバ81の移動方向(図2の上下方向)に対して傾斜している。これにより、第1カムドライバ81を上昇させることで、第1カムドライバ81のカム面81Dに対して第1可動型71の第1カム面71Dが摺動するとともに、カム面81Dによって第1カム面71Dが押圧される。これにより、第1可動型71を前進位置側(溝部成形用突部62側(内面成形面側)、図2の左側)に移動可能な構成となっている。
【0041】
第2カム面72Dは、第2カムドライバ82の移動方向(図2の上下方向)に対して傾斜している。これにより、第2カムドライバ82を上昇させることで、第2カムドライバ82のカム面82Dに対して第2可動型72の第2カム面72Dが摺動するとともに、カム面82Dによって第2カム面72Dが押圧される。これにより、第2可動型72を前進位置側(溝部成形用突部62側(内面成形面側)、図2の左側)に移動可能な構成となっている。
【0042】
本実施形態では、第1カムドライバ81及び第2カムドライバ82は、油圧シリンダ83によって、同時に駆動される構成となっている。つまり、第1カムドライバ81及び第2カムドライバ82の移動量は同じとなる。そして、第1カムドライバ81の移動方向に対する第1カム面71Dの傾斜角度D1は、第2カムドライバ82の移動方向に対する第2カム面72Dの傾斜角度D2よりも、大きく設定されている。
【0043】
このため、第1カムドライバ81及び第2カムドライバ82が同じ量だけ上昇した際には、傾斜角度D1と傾斜角度D2の差に比例した分だけ、第1可動型71が第2可動型72よりも大きく前進(図2の左側に移動)する構成となっている。具体的には、第1カムドライバ81の上昇量及び第2カムドライバ82の上昇量を共にY1とすると、第1可動型71の前進量X1は、X1=Y1*tanD1となり、第2可動型72の前進量X2は、X2=Y1*tanD2となる。
【0044】
これにより、後退位置においては、第1可動型71における側面71Bと第2可動型72における側面72Bとが面一をなしている構成としつつも、前進位置においては、第1可動型71の側面71B(内面成形面との当接面)が第2可動型72の側面72B(第2成形面)よりも溝部成形用突部62側(内面成形面側)に配される。その結果、前進位置においては、図3に示すように、第1可動型71の下面71Aの一部が、第2可動型72の上面よりも溝部成形用突部62側に配された状態とすることができ、突部33の上面33Bを成形するための成形面(第1成形面)を形成することができる。
【0045】
また、第1可動型71及び第2可動型72は、図示しない付勢手段(コイルバネなど)によって、後退位置側に付勢されている。このため、図3に示す状態(第1可動型71及び第2可動型72が前進位置にある状態)から、各カムドライバ81,82を下降させることで、第1可動型71及び第2可動型72を溝部成形用突部62から遠ざかる方向に移動させることができ、後退位置まで退避させることができる。
【0046】
次に、成形型50によるドアトリム10(ドアトリム本体30及びオーナメント40)の製造方法について、図3ないし図5の図面を参照しながら説明する。本実施形態におけるドアトリム10の製造方法は、ドアトリム本体30を成形する第1成形工程と、オーナメント40を成形する第2成形工程と、を備えている。
【0047】
<第1成形工程>
まず、図3に示すように、油圧シリンダ83を駆動させ、第1カムドライバ81及び第2カムドライバ82を同時に上昇させる。これによって、第1可動型71及び第2可動型72が後退位置から前進位置まで移動する。これにより、第1可動型71の側面71Bが、溝部成形用突部62の側面62Bに押し当てられ、第1可動型71の下面71Aの一部によって、突部33の上面33B(突部における貫通孔の貫通方向の両面のうち、一方側の面)を成形するための成形面(第1成形面)が形成される。また、第2可動型72の側面72Bによって、突部33の突出端面33Dを成形するための成形面(第2成形面)が形成される。
【0048】
次に、油圧シリンダ75によって、第3可動型73を前進(上昇)させ、貫通孔成形用突部74の突出端面74Aを第1可動型71の下面71A(第1成形面)に当接させた(押し当てた)状態とする。この状態では、第2可動型72の側面72Bの下部が、第3可動型73の側面73Bに当接した状態となる。これにより、第3可動型73の上面73Aによって、突部33の下面33C(突部における貫通孔の貫通方向の両面のうち、他方側の面)を成形するための成形面(第3成形面)が形成される。
【0049】
上記のように、第1可動型71、第2可動型72、第3可動型73をそれぞれ前進位置に移動させ、第2成形空間92に進入させることで、第1可動型71の下面71A、第2可動型72の側面72B、第3可動型73の上面73Aの一部を含む第1成形空間91を形成することができる。言い換えると、第1可動型71、第2可動型72、第3可動型73によって、第1成形空間91における第2成形空間92側の開口を閉塞することができる。
【0050】
なお、ここで言う「第1成形空間91における第2成形空間92側の開口を閉塞した状態」とは、第1成形空間91に溶融樹脂を射出した際に、その溶融樹脂が、第1可動型71、第2可動型72、第3可動型73によって遮断され、第2成形空間92側に流れ込まない状態のことである。なお、溝部成形用突部62の側面62Bにおいて、第1可動型71の側面71Bとの当接箇所には、シボ模様が形成されていないため、側面71Bを押し当てた際に隙間が生じることがない。
【0051】
第1成形空間91が形成された状態で、図3に示すように、第1成形空間91内に連通して配置された第1ゲート(図示せず)から溶融樹脂(第1溶融樹脂)を射出することで、第1成形空間91内に第1溶融樹脂を充填する。やがて、この第1溶融樹脂が冷え固まると、突部33を有するドアトリム本体30が成形され、突部33においては、貫通孔成形用突部74によって、貫通孔33Aが形成された状態となる。
【0052】
<第2成形工程>
ドアトリム本体30が成形された後、第1可動型71、第2可動型72、第3可動型73をそれぞれ後退位置に退避させる。これにより、図4に示すように、第2成形空間92が形成された状態となる。つまり、第2成形空間92は、下型51、上型61、各可動型71,72,73、ドアトリム本体30に囲まれた空間である。
【0053】
この状態で、第2成形空間92内に連通して配置された第2ゲート(図示せず)から、ドアトリム本体30を形成する樹脂とは異種の材質(あるいは同種の材質)で色が異なるものからなる溶融樹脂(第2溶融樹脂)を射出することで、第2成形空間92内に第2溶融樹脂を充填する(図5参照)。
【0054】
第2成形空間92内に第2溶融樹脂を射出することで、ドアトリム本体30の端部においては、ドアトリム本体30を形成する樹脂と第2溶融樹脂とが互いに融けて混ざり合う。また、ドアトリム本体30の突部33の周辺においては、各可動型71,72,73を第2成形空間92から離脱させることで生じた空間、すなわち、突部33の下面33C、上面33B、突出端面33Dを囲む空間に第2溶融樹脂が射出される。これによって、突部33を囲む形で第2溶融樹脂が充填される(凹部43に対応)とともに、第2溶融樹脂が貫通孔33Aに充填される。
【0055】
やがて、第2溶融樹脂が冷え固まるとオーナメント40が成形され、これと同時に、ドアトリム本体30とオーナメント40との境界において両部品が接合された状態となる。また、オーナメント40においては、突部33が嵌合された状態で凹部43が成形され、オーナメント40の挿通部45が、貫通孔33Aに挿通された状態で成形される。
【0056】
なお、ドアトリム本体30とオーナメント40との接合力を高くするためには、ドアトリム本体30とオーナメント40(第2溶融樹脂)との混融を促進することが好ましい。このため、ドアトリム本体30の冷却時間をなるべく短くし、ドアトリム本体30が完全に冷え固まる前に、第2溶融樹脂を射出することが好ましい。
【0057】
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態においては、ドアトリム本体30から突き出す突部33がオーナメント40に形成された凹部43に嵌合された状態でドアトリム10を成形することができる。さらに、オーナメント40の挿通部45が、突部33に形成された貫通孔33Aに挿通された状態で成形される。これにより、ドアトリム本体30とオーナメント40とが面接触状態で接合されている構成と比較して、接合強度をより高くすることができる。また、挿通部45は、凹部43の両側面とそれぞれ連結されているため、より強度を高くすることができる。
【0058】
また、本実施形態においては、第1カム面71Dと第2カム面72Dの傾斜角度を異なるものとし、両傾斜角度の差に比例した分だけ、第1可動型71における溝部成形用突部62の側面62Bとの当接面(側面71B)を第2可動型72の側面72Bよりも側面62B側に突き出した位置に配することで、第1可動型71の下面71Aによって、突部33の下面33Cを成形するための成形面(第1成形面)を形成することができる。
【0059】
このように、第1カム面71Dと第2カム面72Dの傾斜角度を異なるものとすることで、同一の駆動装置(油圧シリンダ83)を用いて各カムドライバ81,82を駆動させる場合、すなわち、各カムドライバ81,82の移動量が同じである場合においても、第1可動型71と第2可動型72の移動量を異なるものとすることができ、第1成形面を形成することができる。言い換えると、第1可動型71と第2可動型72を同一の駆動装置で駆動させる構成とすることができ、ドアトリム10の製造に係るコストを低減できる。
【0060】
また、仮に、第1可動型71及び第2可動型72にシリンダなどの駆動装置を直接取り付けて移動させる場合、第1可動型71及び第2可動型72の移動方向と同一直線状上に駆動装置を配置する必要がある。この点、カムスライド型、カムドライバによるカムスライド機構65であれば、各可動型71,72の移動方向によらずカムドライバ81,82及び油圧シリンダ83を配置することができ、装置設計時の自由度が向上する。
【0061】
また、第1可動型71及び第2可動型72に油圧シリンダなどの駆動装置を直接取り付ける構成の場合、第1可動型71及び第2可動型72のサイズが小さくなると、駆動装置の取り付けが困難となる。この点、カムスライド機構65であれば、第1可動型71及び第2可動型72に駆動装置を直接取り付ける必要がないため、第1可動型71及び第2可動型72の大きさによらず容易に適用することができる。
【0062】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0063】
(1)上記実施形態においては、多色成形品として、ドアトリム10を例示し、第1成形品として、ドアトリム本体30、第2成形品としてオーナメント40を例示したが、これに限定されない。本発明は、2色以上の成形品を含む多色成形品について適用可能である。
【0064】
(2)突部33及び凹部43は、互いに嵌合可能な形状であればよく、その形状は適宜変更可能である。
【0065】
(3)貫通孔33Aの形状は、平面視円形状に限定されず、適宜変更可能である。また、貫通孔成形用突部74の形状も貫通孔33Aの形状に応じて適宜変更可能である。
【0066】
(4)第1可動型71、第2可動型72を移動させる手段は、カムスライド機構65に限定されない。第1可動型71、第2可動型72に各々油圧シリンダなどの駆動装置を直接取り付けることで、第1可動型71及び第2可動型72を個別に移動させる構成としてもよい。
【0067】
(5)第1カムドライバ81及び第2カムドライバ82は、一体部品として構成されていてもよい。
【0068】
(6)第1可動型71、第2可動型72、第3可動型73の駆動装置として油圧シリンダを例示したが、これに限定されない。駆動装置として、例えば、空気圧シリンダや電気モータなどを用いてもよい。
【0069】
(7)第1成形工程において、第1可動型71、第2可動型72、第3可動型73を駆動させる順番は、上記実施形態で例示した順番に限定されず適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0070】
10…ドアトリム(多色成形品)、23…溝部、30…ドアトリム本体(第1成形品)、33…突部、33A…貫通孔、33B…突部33の上面(突部における貫通孔の貫通方向の両面のうち、一方側の面)、33C…突部33の下面(突部における貫通孔の貫通方向の両面のうち、他方側の面)、33D…突部33の突出端面、40…オーナメント(第2成形品)、43…凹部、45…挿通部(第2成形品の一部)、50…成形型、51…下型(一対の型を構成)、61…上型(一対の型を構成)、62…溝部成形用突部、62B…溝部成形用突部の側面(溝部の内面を成形するための内面成形面)、71…第1可動型、71A…第1可動型71の下面(第1成形面)、71B…第1可動型71の側面(第1可動型における内面成形面との当接面)、71D…第1カム面、72…第2可動型、72B…第2可動型72の側面(第2成形面)、72D…第2カム面、73…第3可動型、73A…第3可動型73の上面(第3成形面)、74…貫通孔成形用突部、74A…貫通孔成形用突部の突出端面、81…第1カムドライバ、82…第2カムドライバ、83…油圧シリンダ(同一の駆動装置)、91…第1成形空間、92…第2成形空間、D1…第1カム面の傾斜角度、D2…第2カム面の傾斜角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1成形品と、前記第1成形品とは異種の材質あるいは同種の材質で色が異なるものからなる第2成形品とを備え、前記第1成形品と前記第2成形品との境界に溝部が形成された多色成形品の製造方法であって、
前記多色成形品は、前記第1成形品から前記第2成形品に向かって突き出す突部が、前記第2成形品に形成された凹部に嵌合された状態で成形されるとともに、前記第2成形品の一部が、前記突部の一部を貫通することで形成された貫通孔に挿通された状態で成形されるものとされ、
当該多色成形品の製造方法は、
前記第1成形品を成形する第1成形空間を形成し、当該第1成形空間に第1溶融樹脂を射出して前記第1成形品を成形する第1成形工程と、
前記第2成形品を成形する第2成形空間を形成し、当該第2成形空間に前記第1溶融樹脂とは異なる色の第2溶融樹脂を射出して前記第2成形品を成形する第2成形工程と、を備え、
前記第1成形工程においては、
第1可動型、第2可動型、第3可動型を、前記第2成形空間に進入させることで、前記第1成形空間における前記第2成形空間側の開口を閉塞するとともに、
前記溝部の内面を成形するための内面成形面に前記第1可動型を当接させることで、前記第1可動型によって、前記突部における前記貫通孔の貫通方向の両面のうち、一方側の面を成形するための第1成形面を形成し、
前記第2可動型によって、前記突部の突出端面を成形するための第2成形面を形成し、
前記第3可動型によって、前記突部における前記貫通孔の貫通方向の両面のうち、他方側の面を成形するための第3成形面を形成するとともに、前記第3成形面から突き出す貫通孔成形用突部の突出端面を前記第1成形面に当接させた状態とし、
前記第1成形面、前記第2成形面、前記第3成形面を含む前記第1成形空間に前記第1溶融樹脂を射出することで、前記貫通孔成形用突部によって前記貫通孔が形成された状態の前記突部を成形し、
前記第2成形工程においては、
前記第1可動型、前記第2可動型及び前記第3可動型を前記第2成形空間から離脱させ、これによって生じた空間に前記第2溶融樹脂を射出することで、前記第2溶融樹脂を前記貫通孔に充填させるとともに、前記突部が嵌合された状態の前記凹部を成形することを特徴とする多色成形品の製造方法。
【請求項2】
前記第1可動型は、第1カム面を有するカムスライド型とされ、
前記第2可動型は、前記第1カム面とは傾斜角度が異なる第2カム面を有するカムスライド型とされ、
前記第1成形工程においては、
前記第1カム面及び前記第2カム面に対して、同一の駆動装置によって駆動される第1カムドライバ及び第2カムドライバをそれぞれ押し当て、前記第1可動型及び前記第2可動型の双方を前記内面成形面側に移動させることで、前記第1可動型及び前記第2可動型をそれぞれ前記第2成形空間に進入させるとともに、
前記第1カム面の傾斜角度と前記第2カム面の傾斜角度の差に比例した分だけ、前記第1可動型における前記内面成形面との当接面を、前記第2可動型における前記第2成形面よりも前記内面成形面側に配することで、前記第1成形面を形成することを特徴とする請求項1に記載の多色成形品の製造方法。
【請求項3】
第1成形品と、前記第1成形品とは異種の材質あるいは同種の材質で色が異なるものからなる第2成形品とを備え、前記第1成形品と前記第2成形品との境界に溝部が形成された多色成形品を成形するための成形型であって、
前記多色成形品は、前記第1成形品から前記第2成形品に向かって突き出す突部が、前記第2成形品に形成された凹部に嵌合された状態で成形されるとともに、前記第2成形品の一部が、前記突部の一部を貫通することで形成された貫通孔に挿通された状態で成形されるものとされ、
当該成形型は、
互いに開閉可能なように設けられ、前記溝部を成形するための溝部成形用突部を有する一対の型と、
前記一対の型との間に、前記第1成形品を成形するための第1成形空間及び前記第2成形品を成形するための第2成形空間を形成可能な第1可動型、第2可動型及び第3可動型を備え、
前記第1可動型、前記第2可動型及び前記第3可動型は、前記第2成形空間に進入することで、前記第1成形空間における前記第2成形空間側の開口を閉塞可能な構成であって、
前記第1可動型は、前記溝部成形用突部の側面に当接された状態において、前記突部における前記貫通孔の貫通方向の両面のうち、一方側の面を成形するための第1成形面を形成するものであって、
前記第2可動型は、前記突部の突出端面を成形するための第2成形面を有し、
前記第3可動型は、前記突部における前記貫通孔の貫通方向の両面のうち、他方側の面を成形するための第3成形面と、前記第3成形面から突き出す貫通孔成形用突部とを有し、
前記第1成形面、前記第2成形面、前記第3成形面を含む前記第1成形空間に第1溶融樹脂が射出されることで、前記貫通孔成形用突部によって前記貫通孔が形成された状態の前記突部を成形可能とされ、
前記突部が成形された後、前記第1可動型、前記第2可動型及び前記第3可動型が、前記第2成形空間から離脱することで生じた空間に第2溶融樹脂が射出されることで、前記貫通孔に前記第2溶融樹脂が充填されるとともに、前記突部が嵌合された状態の前記凹部が成形される構成であることを特徴とする成形型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−218390(P2012−218390A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−89162(P2011−89162)
【出願日】平成23年4月13日(2011.4.13)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】