説明

大容量の変圧器の冷却水供給方法及び装置

【課題】 RO膜の目詰まりを抑制し、これに伴い冷却塔に補給する新たな冷却水の流量の低下を防止し、そのためのポンプ出力の低減を図り運転効率の向上を実現するための大容量の変圧器の冷却水供給方法及び装置を提供する。
【解決手段】 原水供給源から供給された原水に対し、逆浸透膜からなるRO膜を通過させて冷却水を形成し、当該冷却水を用いて大容量の変圧器の冷却を行うための冷却水供給方法において、前記冷却水に対して殺菌作用を有し、かつ、前記RO膜に損傷を与える化合物の水溶液を、予め前記RO膜に対して通過させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、冷却塔に供給される冷却水の大容量の変圧器の冷却水供給方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
超高圧地下変電所等で使用している大容量の変圧器を冷やすために、冷却塔における冷却水との熱交換が利用されている。熱交換により温められた冷却水は、冷却塔で冷却される。熱交換の際、冷却水は蒸発して変圧器の熱を奪う。この冷却水の蒸発のため、冷却塔内の冷却水は濃縮される。濃縮されると、冷却水にスケール化が生じる。このスケールは水垢のことで、主に水道水に含まれるカルシウム分、シリカ分である。このようなスケール化が生じた冷却水を放置すると、冷却塔の腐食や、冷却効率の低下が生じることになる。
【0003】
これを防止するため、冷却塔内の冷却水は、その導電率が計測され、所定の導電率より高い場合は冷却水を排水し、新たな冷却水が補給される。この新たな冷却水として、導電率の低いものを供給すれば、徐々に導電率が高くなる冷却水の交換間隔を長くすることができるが、水の使用量が増大してしまう。また、あまりにも導電率の低い冷却水を用いると、当該冷却水を長期にわたり使用することになるので、冷却水中に藻が発生する。藻の発生は、運転上好ましくない。
【0004】
このため、冷却水の蒸発量や排水量をもとに最適な補給冷却水の水質を求めて、これを供給することとしている。このような冷却水を得るために、まず、薬品を使用することにより水質を変化させる方法が考えられるが、変圧器を冷却するような冷却水量の多い冷却塔には、薬品処理がコスト的に困難である。したがって、この所定水質の冷却水は、水道水等の原水に、汚れを除去するための物理ろ過を行うUF(ウルトラフィルター)による処理を行い、この後RO膜(逆浸透膜)によりイオンを除去して形成される。
【0005】
しかしながら、このRO膜は目詰まりを生じやすく、目詰まりが生じると流量が低下し、ポンプ出力も大きくなって運転効率が悪くなる。このため、定期的な薬品洗浄が必要となり、メンテナンス費用がかかる。
【0006】
一方、冷却塔への補給水を少なくして、かつ冷却水のスケール成分濃度を低く維持し、スケール生成を防止するための冷却装置が特許文献1に開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2002−310595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載の冷却装置は、使用後のスケール化が発生している冷却水を再利用するためのブロー処理にRO膜を用いている。このため、RO膜に目詰まりが生じやすく、やはり定期的なRO膜のメンテナンスが必要であり、その間隔が短いものである。
【0009】
この発明は上記従来技術を考慮したものであって、RO膜の目詰まりを抑制し、これに伴い冷却塔に補給する新たな冷却水の流量の低下を防止し、そのためのポンプ出力の低減を図り運転効率の向上を実現するための大容量の変圧器の冷却水供給方法及び装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するため、本願出願人は、冷却水の水質を故意に悪くしたら、つまり、除去すべきイオンの量を多くしたら、RO膜の目詰まりはどうなるのだろうかと考え、次亜塩素酸ナトリウムを添加してみたところ、冷却水に藻が生えることなく、RO膜の目詰まりも減少することを見出した。
【0011】
これは、次亜塩素酸ナトリウムを添加したことにより、RO膜が次亜塩素酸ナトリウムと反応して、化学的損傷をおこし、RO膜に穴が生じたためである。つまり、次亜塩素酸ナトリウムは、その殺菌作用により藻の発生を低減させるとともに、RO膜と化学的に反応して、反応した部分が穴となったため、RO膜を冷却水が通過しやすくなったからである。
【0012】
そこで、本願出願人は、RO膜に開口を設けた後に、原水を通過させて冷却水を形成することを創作した。さらに、この次亜塩素酸ナトリウム水溶液の添加量を調整することにより、RO膜を通過するイオン量を調整することができ、所望の水質の冷却水を得ることができるものとした。この結果、RO膜の目詰まりも抑制でき、さらに冷却水の流量の低下を防止でき、ポンプ出力も低減させることができた。したがって、冷却水のメンテナンスを減少させることもできた。そして、具体的に、以下の発明を創作するに至った。
【0013】
前記目的を達成するため、請求項1の発明では、原水供給源から供給された原水に対し、逆浸透膜からなるRO膜を通過させて冷却水を形成し、当該冷却水を用いて大容量の変圧器の冷却を行うための冷却水供給方法において、前記冷却水に対して殺菌作用を有し、かつ、前記RO膜に損傷を与える化合物の水溶液を、予め前記RO膜に対して通過させることを特徴とする大容量の変圧器の冷却水供給方法を提供する。
【0014】
また、請求項2の発明では、請求項1の発明において、前記化合物は、塩素系無機化合物であることを特徴としている。
【0015】
また、請求項3の発明では、請求項1又は2の発明において、前記RO膜に対する前記化合物の添加量を調整することにより、前記RO膜の損傷割合を調整することを特徴としている。
【0016】
また、請求項4の発明では、請求項2又は3の発明において、前記塩素系無機化合物は、次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴としている。
【0017】
さらに、請求項5の発明では、原水供給源と、当該原水供給源から供給された原水に対し、限外ろ過を行うためのろ過装置と、当該ろ過装置を通過した原水を、逆浸透膜からなるRO膜を通過させるRO装置とを備えた大容量の変圧器を冷却するための冷却塔に対する大容量の変圧器の冷却水供給装置であって、前記RO膜は、塩素系無機化合物水溶液を通して前処理されることを特徴とする大容量の変圧器の冷却水供給装置を提供する。
【0018】
また、請求項6の発明では、請求項5の発明において、前記塩素系無機化合物水溶液は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液であることを特徴としている。
【0019】
また、請求項7の発明では、請求項5又は6の発明において、前記前処理されたRO膜は、脱塩率が95.05%であることを特徴としている。
【0020】
また、請求項8の発明では、請求項5〜7のいずれかの発明において、前記前処理は、0.167mg/lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液が、2.4m3/hの流速で、90日間、前記RO膜に通されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
請求項1の発明によれば、冷却水に対して殺菌作用を有し、かつ、RO膜に損傷を与える化合物を予め前記RO膜に対して通過させるため、大容量の変圧器の冷却水として供給される冷却水は、殺菌作用が備わり、さらに損傷のないRO膜に比べて多くのイオンが通過することになる。したがって、その殺菌作用から冷却水に藻が生えることを抑制でき、さらに、RO膜の目詰まりを抑制し、冷却水の流量の低下を防止でき、ポンプ出力も低減させることができる。さらに、メンテナンスの不要期間を長くすることができる。
【0022】
請求項2の発明によれば、化合物は、塩素系無機化合物であるため、確実にRO膜に損傷を与えることができる。
【0023】
請求項3の発明によれば、RO膜に対する化合物の添加量を調整して、RO膜の損傷割合を調整するので、RO膜を通過するイオン量を調整することができ、所望の水質の冷却水を得ることができる。この添加量の調整は、化合物の質量に対する濃度や添加時間、あるいは添加日数等で調整することができる。
【0024】
請求項4の発明によれば、次亜塩素酸ナトリウムを用いてRO膜に損傷を与えるため、確実にRO膜に化学損傷をおこさせてRO膜に開口を設けることができる。
【0025】
請求項5の発明によれば、RO膜に対して塩素系無機化合物水溶液を通して前処理を行った後、当該RO膜を、大容量の変圧器の冷却塔に供給するための冷却水供給装置に用いる。このため、塩素系無機化合物により化学損傷を起こし、開口部を有することになる。このため、この開口部のRO膜に対する開口率を変化させることにより、RO膜を通過するイオン量を調整することができ、所望の水質の冷却水を得ることができる。この前処理により、RO膜の目詰まりを抑制することができる。したがって、冷却水の流量の低下を防止でき、ポンプ出力も低減させることができる。
【0026】
請求項6の発明によれば、次亜塩素酸ナトリウムを用いてRO膜に損傷を与えるため、確実にRO膜に化学損傷をおこさせてRO膜に開口を設けることができる。
【0027】
請求項7の発明によれば、通常のRO膜の脱塩率が99.15%であるのに対し、次亜塩素酸ナトリウムにより前処理を施すことにより、脱塩率が4.1%減少することになる。このため、前処理を施さないRO膜と同じ流量を得たい場合、脱塩率の低下分だけRO膜が開口しているので、ポンプ出力を低減することができる。
【0028】
請求項8の発明によれば、簡単な方法で、前処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
この発明は、原水供給源から供給された原水に対し、逆浸透膜からなるRO膜を通過させて冷却水を形成する際に前記冷却水に対して殺菌作用を有し、かつ、前記RO膜に損傷を与える化合物の水溶液を、予め前記RO膜に対して通過させ、RO膜の目詰まりを抑制し、冷却水の流量の低下を防止でき、ポンプ出力も低減させ、冷却水の藻の発生を抑制することができる大容量の変圧器の冷却水供給方法及び装置である。
【実施例】
【0030】
図1はこの発明に係る冷却水供給装置の概略図である。
【0031】
図示したように、この発明に係る冷却水供給装置1は、原水貯槽2と、活性炭ろ過装置3と、UF装置4と、ろ過水貯槽5と、RO装置6で構成される。原水貯槽2には、水道水等の原水が貯められる。この原水貯槽2内の原水は、ポンプ10により活性炭ろ過装置3に送水される。活性炭ろ過装置3は、ろ材に活性炭を用いたものであり、活性炭層を有するものである。原水をこの活性炭ろ過装置3に通すことにより、原水中に含まれる残留塩素が取り除かれる。この活性炭ろ過槽3は、定期的に水を逆から流す逆洗浄が行われる。
【0032】
活性炭ろ過槽3を通過した原水は、UF装置4内に流入する。UF装置4には、UF(ウルトラフィルター)が備わり、原水中の浮遊物質を取り除くものである。すなわち、UF装置4は、原水に対して限外ろ過を施すものである。このUF装置4も、活性炭ろ過槽3と同様に、定期的に逆洗浄が行われる。UF装置4を通過した原水は、ろ過水貯槽5に貯められる。
【0033】
ろ過水貯槽5内の原水は、ポンプ11によりRO装置6に圧送される。RO装置6には、RO膜(逆浸透膜)が備わり、この浸透圧より高い圧力で送水された原水は、脱イオン水となる。このRO装置6に備わるRO膜に対して、前処理が行われる。この前処理については、後述する。
【0034】
RO装置6を通過した冷却水は、導電率計測装置9により、導電率を計測される。この導電率が、演算やシミュレーションにより求めた、冷却塔8に供給するのに最適なものであれば、マット水槽7に貯められる。所定導電率でない場合には、戻り通路12からろ過水貯槽5に戻され、再びRO装置6により脱イオン化処理が施される。マット水槽7に貯められた冷却水は、冷却塔8内の水位が低下した場合や、冷却水の導電率が高くなった場合に、冷却塔8に適宜補給される。この冷却塔8により、大容量の変圧器18(図3参照)を冷却する。
【0035】
上記RO膜の前処理について、以下説明する。
【0036】
通常のRO膜を通せば、その高い脱塩能力のため、通過する冷却水は導電率がかなり低いものとなる。しかし、上述したように、導電率が低すぎても藻の発生が懸念されるため、ある程度導電率を高くする必要がある。このため、RO膜の開口率を変化させて、任意の水質を得ることができるようにした。具体的な方法として、塩素系無機化合物を添加した水道水を予めRO膜に流している。これによりRO膜が化学損傷を起こし、開口部を有することになる。塩素系無機化合物の添加量を調整することにより、RO膜の開口率を変化させることができる。したがって、RO膜を通過するイオン量を調整することができ、所望の水質の冷却水を得ることができる。
【0037】
このような前処理を施すことにより、目詰まりを抑制でき、RO膜の寿命を長期化することができる。したがって、冷却水の流量の低下を防止でき、上記ポンプ11のポンプ出力も低減させることができる。すなわち、この発明に係る大容量の変圧器の冷却水供給方法は、冷却塔への冷却水の供給前に、予めRO膜に対して損傷を起こさせることである。これにより、RO膜に関するメンテナンスの不要期間を長くすることができる。
【0038】
以上より、前処理を施すためには、RO膜に化学損傷(酸化)を起こさせるものであり、さらに冷却水の藻の発生を抑えるという点で、殺菌作用を有するものが好ましいといえる。この点で、塩素系無機化合物としては、次亜塩素酸ナトリウムが好ましいが、このような作用を有する化学薬品(化合物)であれば、次亜塩素酸ナトリウム水溶液に限られることはない。
【0039】
上記のような作用を有するものとしては、クロラミン、Nクロロイソシアヌル酸塩、二酸化塩素がある。これらについてのRO膜に対する化学損傷は、濃度とpHにより変化する。
【0040】
pHの管理が不要であり、殺菌効果が大きく、コスト面や取り扱いの容易性の面から考慮すると、やはり上述した次亜塩素酸ナトリウムを用いることが好適ではある。
【0041】
次亜塩素酸ナトリウムの水道水への添加は、添加日数等によりその添加量を変更して調整することができるが、0.167mg/lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液を、2.4m3/hの流速で、90日間、RO膜に通すことが好ましい。なお、この前処理を施すと、脱塩率が99.15%から95.05%に低減する。
【0042】
本願出願人は、このような前処理行ったRO膜と、前処理を行わなかったRO膜の流量(l/分)とポンプ出力(%)を比較して実験した。RO膜を冷却水供給装置に適用して、使用から9日後では、30(l/分)の流量を維持するのに、前処理を行わなかったRO膜のポンプ出力は75.3%に対し、前処理後のRO膜では66.2%であった。49日後では、同じ流量で、前処理を行わなかったRO膜のポンプ出力は83.4%に対し、前処理後のRO膜では73.0%であった。いずれも、前処理を施したRO膜のほうが、少ないポンプ出力であり、電力の節約に寄与している。また、104日後にいずれのポンプ出力も100%としたところ、前処理を行わなかったRO膜では、20.0(l/分)の流量しか得られなかったのに対し、前処理を行ったRO膜では、29.1(l/分)の流量が得られ、やはり前処理を行ったほうが、少ないポンプ出力で大きな流量を流すことができることがわかる。
【0043】
この実験結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
図2は使用水量と濃縮倍率の関係を示すグラフ図である。横軸は濃縮倍率、縦軸は使用水量を示す。なお、濃縮倍率とは、交換すべきと定めた導電率の値を供給冷却水の導電率の値で割ったものである。したがって、濃縮倍率が高いと、供給される冷却水の導電率は低い。
【0046】
図示したように、濃縮倍率が高く(導電率が低く)なれば、使用水量、すなわち原水量が減少するため、節水となる。しかし、所定の濃縮倍率(図のT点)より高くなると、使用水量はそれほど変わらないことが分かる。上述したように、あまり低い導電率の冷却水は、藻の発生が懸念される。したがって、少ない水量で、かつ藻の発生を抑えることができる冷却水としては、T点における冷却水が最適な水質であるといえる。
【0047】
通常のRO膜を用いて原水処理をした場合、このT点より高い濃縮倍率の冷却水が得られる。したがって、上記前処理を施すことにより、濃縮倍率をT点まで下げて、節水を図り、ポンプ出力の低減を図ることができる。この最適な水質基準は、使用する冷却塔での冷却水蒸発量等により、変化するものであり、演算やシミュレーション等により求めることができる。
【0048】
図3はこの発明に係る冷却水供給装置の一部を示す概略図である。
【0049】
上記のような前処理を行われたRO膜をRO装置6に配設して、水道水又は地下水等の原水を通過させる。RO装置6を通過した所定導電率の冷却水は、マット水槽7に溜められる。冷却水は、ここからポンプ13により補給水槽14に送水される。この補給水槽14から、冷却水が補給水として冷却塔8の下部に備わる貯水槽15に補給される。貯水槽15内の冷却水は、ポンプ16により冷却塔8の上部の散水管17から散水される。
【0050】
大容量の変圧器である冷却対象物18には、往きと還りの冷水配管19,20が冷却塔8内を通って配設される。この冷水配管19,20内の冷水が、冷却塔8内でモータ21により回転するファン22により冷やされた冷却水と熱交換される。すなわち、冷却対象物18を冷却して温められた冷水は、往き冷水配管19を通って冷却塔8内に入り、冷却水と熱交換されて冷やされた後、還り冷水配管20を通って冷却対象物18を再び冷却する。
【0051】
冷却塔8内での熱交換により、冷却水が蒸発して電導度が高くなったときは、貯水槽15から排水される。
【0052】
一方、最適な水質の冷却水を得る方法として、上記方法以外に、前処理を施さないRO膜を通過した冷却水に、原水をブレンドする方法がある。すなわち、原水供給源と、当該原水供給源から供給された原水に対し、限外ろ過を行うためのろ過装置と、当該ろ過装置を通過した原水を、逆浸透膜からなるRO膜を通過させるRO装置とを備えた冷却塔に対する冷却水供給装置であって、前記RO装置を通過した冷却水に、前記原水供給源から原水が供給されてブレンド水を形成するものである。
【0053】
このような方法によっても、通常のRO膜を通過した冷却水よりも導電率を低減させることができ、同様の効果を得ることができる。また、原水を混ぜるだけの簡単な構成で、所望の水質の冷却水を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明に係る冷却水供給装置の概略図である。
【図2】導電率と濃縮倍率の関係を示すグラフ図である。
【図3】この発明に係る冷却水供給装置の一部を示す概略図である。
【符号の説明】
【0055】
1:冷却水供給装置、2:原水貯槽、3:活性炭ろ過装置、4:UF装置、5:ろ過水貯槽、6:RO装置、7:マット水槽、8:冷却塔、9:導電率計測装置、10:ポンプ、11:ポンプ、12:戻り通路、13:ポンプ、14:補給水槽、15:貯水槽、16:ポンプ、17:散水管、18:冷却対象物、19:往き冷水配管、20:還り冷水配管、21:モータ、22:ファン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水供給源から供給された原水に対し、逆浸透膜からなるRO膜を通過させて冷却水を形成し、当該冷却水を用いて大容量の変圧器の冷却を行うための冷却水供給方法において、
前記冷却水に対して殺菌作用を有し、かつ、前記RO膜に損傷を与える化合物の水溶液を、予め前記RO膜に対して通過させることを特徴とする大容量の変圧器の冷却水供給方法。
【請求項2】
前記化合物は、塩素系無機化合物であることを特徴とする請求項1に記載の大容量の変圧器の冷却水供給方法。
【請求項3】
前記RO膜に対する前記化合物の添加量を調整することにより、前記RO膜の損傷割合を調整することを特徴とする請求項1又は2に記載の大容量の変圧器の冷却水供給方法。
【請求項4】
前記塩素系無機化合物は、次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の大容量の変圧器の冷却水供給方法。
【請求項5】
原水供給源と、
当該原水供給源から供給された原水に対し、限外ろ過を行うためのろ過装置と、
当該ろ過装置を通過した原水を、逆浸透膜からなるRO膜を通過させるRO装置とを備えた大容量の変圧器を冷却するための冷却塔に対する大容量の変圧器の冷却水供給装置であって、
前記RO膜は、塩素系無機化合物水溶液を通して前処理されることを特徴とする大容量の変圧器の冷却水供給装置。
【請求項6】
前記塩素系無機化合物水溶液は、次亜塩素酸ナトリウム水溶液であることを特徴とする請求項5に記載の大容量の変圧器の冷却水供給装置。
【請求項7】
前記前処理されたRO膜は、脱塩率が95.05%であることを特徴とする請求項5又は6に記載の冷却水供給装置。
【請求項8】
前記前処理は、0.167mg/lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液が、2.4m3/hの流速で、90日間、前記RO膜に通されることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の冷却水供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−218679(P2008−218679A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53609(P2007−53609)
【出願日】平成19年3月5日(2007.3.5)
【出願人】(000141060)株式会社関電工 (115)
【Fターム(参考)】