説明

大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置

【課題】大型ディスクカートリッジが挿入される大型カートリッジホルダー内のほぼ中央位置に小型ディスクカートリッジが挿入、保持される小型カートリッジホルダーを設けたディスクローダーにおいて、大型カートリッジホルダー内の小型カートリッジホルダー内へ小型ディスクカートリッジをスムーズに挿入する。
【解決手段】大型ディスクカートリッジが挿入される大型カートリッジホルダー内のほぼ中央位置に小型ディスクカートリッジ2が挿入される小型カートリッジホルダーを設け、小型ディスクカートリッジ2の左右両側2c、2dを左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71の小型ディスクカートリッジ呼び込み用ガイド面73で案内して、小型ディスクカートリッジ2を小型カートリッジホルダー内へ呼び込むように構成されたディスクローダー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MO、DVD、DVD−RAM等の光ディスクや光磁気ディスク、その他の記録及び/又は再生用の大小2種類のディスク(例えば、直径が8cmと12cmの2種類のディスク)が個別に収納された大小2種類のディスクカートリッジをローディングするローディング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
[大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置のフォーマットについての考察]
本発明は放送業務用光ディスクシステム等に適用されるPD(Professional Disc )フォーマットに対応した記録再生ドライブのディスクカートリッジのローディング装置(以下、ディスクローダーと記載する)に関するものであるが、他のフォーマットのディスクローダーにも展開可能な技術も含んでいる。PDフォーマットではディスク直径12cmの大径記録メディアからまず規格化され、ディスク直径8cmの小径ディスクは大径ディスクとの互換ドライブの実現が可能になることを考慮されて規格化されている。いずれも、放送、業務用途に耐えられる高い信頼性への要求に応えるために、メディアはディスクカートリッジに内蔵されている。ここで言う互換ドライブとは、直径12cm、直径8cmの両ディスクカートリッジを特別なアダプターを使用せずにローディング、記録/再生が可能なドライブのことである。従来VTRカセットにおいても2種類、或いは3種類のサイズが規格化され、これら全ての記録、再生が可能なVTRが商品化されている。PDフォーマットにおいても同様の使い勝手をユーザーに提供することを考慮しており、本発明の技術を用いたディスクカートリッジローダーの実現は不可欠である。
【0003】
[従来技術の考察]
ディスクを用いた記録媒体のうちカートリッジ内蔵タイプのディスクカートリッジで、なお且つ大小2種類のディスクが規格化されているものとして、DVD−RAMとMOがある。いずれも記録/再生において高い信頼性が要求されるフォーマットである。この種のディスクカートリッジはメディアコスト面でベア(裸)メディアより不利ではあるが、ディスクを傷や汚れから守り、その取り扱いの容易さと記録/再生における高い信頼性の実現に大きく寄与している。
【0004】
一方、現在市販されているDVD−RAM及びMOドライブにおいて、これらの大小2種類のメディア(カートリッジタイプ)を両方使用できるドライブの商品化例はほとんどない。その理由として、大小両方のメディアを使用したいというDVD−RAM或いはMOユーザーのニーズが少ない、ということが考えられるが、このマーケティング上の要因以外に互換ドライブの商品化の技術的課題として、機構(特にディスクローダー)が複雑なものとなり、結果としてドライブが高価になることが挙げられる。ディスクローダー(特にトレイタイプではなくフロントローディングタイプのローダー)が複雑になる理由としては次の項目がある。
【0005】
(1)ベースユニット上でのディスクカートリッジは大小ともスピンドルモーターの中心がディスクセンターとなるように装着する。このため、大小両カートリッジの位置決め用基準穴位置は共通にできない。従って、小型カートリッジをベースユニットに位置決めする際に、ベースユニット上の位置決め用基準ピンに頼らずに別の方法で位置決めを行うか、或いは大型カートリッジイジェクト時に基準ピンが退避する構造とするか、どちらかの方法を選択する必要がある。VTRカセットの場合は、大小とも基準穴位置が同じなので、ベースユニット側の基準ピンは共通であり退避する必要もない。
【0006】
(2)大小ディスクカートリッジの位置決め基準がディスクのセンター位置のため、ローダーはカートリッジサイズに応じてベースユニットのスピンドルセンター位置への移送量を切り替える必要がある(奥行き方向のセンタリング)。これはフロントローディングタイプのローダーの場合であり、トレイ式のディスクローダーの場合は人間がセンターを合わせてトレイに装着すればよい。但し、トレイ式のディスクローダーはサイズが大きくトレイ排出量も大きいため、ポータブル機器には不向きである。VTRカセットの場合は大小とも基準位置が共通のため、カセット挿入時にローダー内で共通の位置まで突き当て挿入すればよく、ローダーはカセットサイズに応じた動作をする必要がない(但し、リールモーター位置を移動させる必要がある)。
【0007】
(3)フロントローディングシステムにおいては、小型カートリッジのイジェクト過程において広い挿入開口の中心部分に正しくセンタリングする必要がある。多少カートリッジが左右にずれて挿入されてもこれを中心方向へスムーズに案内する構造が不可欠である(横方向のセンタリング)。これは、従来のVTRにおけるカセットコンパーメントにおいても同じ問題となる。
【0008】
(4)カートリッジのシャッターをローディング途中で開く必要があるが、大小カートリッジのシャッターは構造/位置とも共通にするのは不可能なため、それぞれ独立した開閉用機構或いは可動式の複雑な機構が必要になる。VTRカセットの場合は、基準位置が共通なのでシャッターに相当するリッドは大小カセットでほぼ同じ構造になっており、リッド開閉動作は共通の機構にて対応可能である。
【特許文献1】特開2001−283556号公報
【特許文献2】特開2001−332054号公報
【特許文献3】特開2004−5881号公報
【特許文献4】W097/27586号公報
【特許文献5】特開平06−203450号公報
【特許文献6】特公平02−37626号公報
【特許文献7】特公平04−32464号公報
【特許文献8】特公平05−65946号公報
【特許文献9】特公平06−40413号公報
【特許文献10】特開昭62−9953号公報
【特許文献11】特開2000−357357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、記録及び/又は再生用の大小2種類のディスクが個別に収納された大小2種類のディスクカートリッジをこれらに共通の大型カートリッジホルダーを用いてベースユニット上のスピンドルモーターのターンテーブルと記録及び/又は再生手段とに選択的にローディングする大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置であって、大小2種類のディスクカートリッジを大型カートリッジホルダー内に選択的に挿入してベースユニット上に選択的にローディングして、これら大小2種類のディスクカートリッジ内の大小2種類のディスクをベースユニット上のスピンドルモーターのセンターへローディングする際に、小型ディスクカートリッジは大型カートリッジホルダー内に設けられた小型ディスクカートリッジ内に挿入、保持してローディングすることにより、その大小2種類のディスクをベースユニット上のスピンドルモーターのセンターへ正確にローディングすることができるようにし、且つ、その共通(大型)のカートリッジホルダー内の小型のカートリッジホルダー内への小型ディスクカートリッジの挿入操作をスムーズに行える機構を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置は、記録及び/又は再生用の大小2種類のディスクが個別に収納された大小2種類のディスクカートリッジをこれらに共通の大型カートリッジホルダーを用いてベースユニット上のスピンドルモーターのターンテーブルと記録及び/又は再生手段とに選択的にローディングする大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置であって、前記大型カートリッジホルダー内の前記大型ディスクカートリッジの挿入空間のほぼ中央位置に前記小型ディスクカートリッジが挿入される小型カートリッジホルダーが設けられ、該小型カートリッジホルダー内に前記小型ディスクカートリッジを挿入、保持してローディングすることにより、該小型ディスクカートリッジ内の小型ディスクを、前記ベースユニット上にローディングされる前記大型ディスクカートリッジ内の大型ディスクと同様に、前記ベースユニット上のスピンドルモーターのセンターへローディングするように構成され、前記小型ディスクカートリッジは、前記カートリッジホルダー内に設けられた小型カートリッジガイド手段によって案内されて前記小型カートリッジホルダー内に挿入されるように構成されたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置は、大型ディスクカートリッジが挿入されるカートリッジホルダー内に設けられて、小型カートリッジホルダーが挿入される小型カートリッジホルダー内へ小型ディスクカートリッジを挿入する際に、その小型ディスクカートリッジをカートリッジホルダー内に設けられた小型カートリッジガイド手段によって案内させてスムーズに挿入することができる。
【0012】
本発明の大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置は、カートリッジホルダー内に大型ディスクカートリッジが挿入される際に、小型カートリッジガイド手段を付勢手段に抗して大型ディスクカートリッジの外方へ自動的に逃がすことができるので、大型ディスクカートリッジもカートリッジホルダー内へスムーズに挿入することができる。
【0013】
本発明の大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置は、カートリッジホルダー内に小型ディスクカートリッジが挿入される際に、左右一対の小型カートリッジガイド手段によって小型ディスクカートリッジの左右両側を案内させるようにして、小型ディスクカートリッジを小型カートリッジホルダー内よりスムーズに挿入し易い。
【0014】
本発明の大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置は、小型カートリッジガイド手段に大型ディスクカートリッジに対して逃げるためのガイド面が形成され及び/又は小型カートリッジガイド手段がカートリッジホルダーに固着された板バネの先端に固着されているので、カートリッジホルダー内に大型ディスクカートリッジを挿入する際に、小型カートリッジガイド手段をスムーズに逃がし易く、カートリッジホルダー内への大型ディスクカートリッジの挿入操作をスムーズに行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を適用した大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置の実施例について図を参照して説明する。
[大小2種類のディスクカートリッジの説明]
【0016】
図1〜図5によって、大小2種類のディスクカートリッジである大型ディスクカートリッジ1と、小型ディスクカートリッジ2について説明する。
これら大小2種類のディスクカートリッジ1、2は、合成樹脂成形品等からなる上下シェルによって薄型に組み立てられていて、平面形状がほぼ方形状に形成されている。なお、これら大小2種類のディスクカートリッジ1、2の先端1a、2aはほぼ円弧状に形成され、後端1b、2bと左右両側1c、1d及び2c、2dはそれぞれほぼ直線状に形成されている。また、底部1e、2eはフラットに形成され、上部1f、2fの後端からほぼ中央部にかけて平面形状がほぼU字状の隆起部1g、2gが形成されている。
【0017】
そして、これら大小2種類のディスクカートリッジ1、2内にはシャッター開閉用操作部材(シャッター開閉用回転体)である薄型で、円形の盆形状のインナーローター3、4が回転自在に水平状に収納されていて、このインナーローター3、4内にDVD−RAM、MO等の記録及び/又は再生用の大小2種類のディスク5、6が回転自在及び上下動自在に水平に収納されている。そして、大型ディスクカートリッジ1内のディスクが直径12cmの大型(大径)ディスク5に構成され、小型ディスクカートリッジ2内のディスクが直径8cmの小型(小径)ディスク6に構成されている。これらのインナーローター3、4も合成樹脂等にて成形されている。
【0018】
また、これら大小2種類のディスクカートリッジ1、2の底部1e、2eには底部開口7、8が形成されていて、大型ディスクカートリッジ1の底部開口7は中央部から先端1aと後端1bとの間にほぼ直線状に形成され、小型ディスクカートリッジ2の底部開口8は中央部から先端2aにかけてほぼU字状に形成されている。そして、大型ディスクカートリッジ1の底部開口7の中央部7aが後述するターンテーブルの挿入空間に構成され、前後両側部7b、7cが後述する光学ピックアップの挿入空間に構成されている。また、小型ディスクカートリッジ2の底部開口8で、底部2eの中央に位置する部分8aが後述するターンテーブルの挿入空間に構成され、前側に位置する開口部8bが後述する光学ピックアップの挿入空間に構成されている。
【0019】
そして、これら大小2種類のディスクカートリッジ1、2は、インナーローター3、4がそれぞれ図2及び図4に示すシャッター閉位置P1と図3及び図5に示すシャッター開位置P2との間で矢印a、b方向に回転自在に構成されている。そして、これらのインナーローター3、4がシャッター閉位置P1へ矢印a方向へ復帰されている時には、これらのインナーローター3、4によって回動操作される複数のシャッター9、10及びインナーローター3、4の一部によって底部開口7、8が閉塞され、これらインナーローター3、4がシャッター閉位置P1からシャッター開位置P2まで矢印b方向へ回転されると、複数のシャッター9、10が底部開口7、8の左右両側へ逃がされると共に、インナーローター3、4の底部開口3a、4aが大小2種類のディスクカートリッジ1、2の底部開口7、8に重ねられて、これらの底部開口7、8が開放されるように構成されている。
【0020】
なお、大型ディスクカートリッジ1のインナーローター3の外周3bの一部には、後述するディスクローダーのシャッター開閉操作用スライダーによって回転操作される構造部である係合用凹部3c、円弧状ギア3d、ロック用凹部3eが一体成形されていて、大型ディスクカートリッジ1の一方の側面1cに厚さ方向の中央部に沿って前後方向に貫通された状態に形成されたガイド溝13の前後長さ方向のほぼ中央部には長孔14が形成されている。そして、係合用凹部3c及び円弧状ギア3dはこの長孔14内に露出されて回転されるように構成されている。また、大型ディスクカートリッジ1内でガイド溝13の後端側のコーナー部分にはインナーローター3のロック手段であるロックレバー11が回転支点12の周りに回転自在に組み込まれている。
【0021】
そして、このロックレバー11の一端11aがインナーローター3の外周のロック用凹部3e内に回転付勢手段であるバネ作用部11bのバネ力によって係合されるように構成されていて、このロックレバー11の他端11cが大型ディスクカートリッジ1のガイド溝13の前端側に形成された小穴15から外部へ出入り自在に構成されている。
また、小型ディスクカートリッジ2のインナーローター4の外周4aの一部には、後述するディスクローダーのシャッター開閉操作用部材によって回転操作される凹形状の被係合部14が一体成形されていて、この被係合部14は底部開口8の前端開口部分8a内で図4に示すシャッター閉位置P1と図5に示すシャッター開位置P2との間で矢印a、b方向に回動されるように構成されている。
【0022】
そして、この小型ディスクカートリッジ2の底部2eの先端2a側の左右両側部には、後述するディスクローダー31の小型カートリッジホルダー37内での小型ディスクカートリッジ2の第1の位置決め手段の1つである左右一対の位置決めピン60を呼び込むための左右一対の位置決め用凹部16が一体成形されている。また、この小型ディスクカートリッジ2の左右両側2c、2dの先端2aの近傍位置にも、後述する第1の位置決め手段のもう1つである左右一対のクサビ状の位置決め用突起61を呼び込むための左右一対の位置決め用凹部17が一体成形されている。
【0023】
そして、この小型ディスクカートリッジ2の前端の一側部にはインナーローター4のロック手段であるロックレバー18が回転支点17の周りに回転自在に組み込まれていて、このロックレバー18は図示省略した捩りコイルバネ等の回転付勢手段によって図4に示すロック位置へ回転された時に、インナーローター4の外周4aの被ロック部20に係合されて、このインナーローター4がシャッター閉位置P1にてロックされるように構成されている。なお、このロックレバー18の被操作部18aが一方の凹部16内に挿入されている。
なお、図12に示すように、大小2種類のディスクカートリッジ1、2内で、大小2種類のディスク5、6の中央上部位置には、ディスククランパー21がリング状のクランパーホルダー22によって一定範囲内で上下動可能で、かつ、自由回転可能に組み込まれている。
[ディスクローダーの概要説明]
【0024】
図6〜図16によって、前述した大小2種類のディスクカートリッジ1、2を選択的にべースユニット上にローディングするローディング装置であるディスクローダーの概要について説明する。
このディスクローダー31はベースユニット32上に左右方向の中央位置で、やや前側に偏倚された位置にスピンドルモーター33が垂直状に設置され、そのスピンドルモーター33の上部のターンテーブル34は水平に配置されている。
そして、ほぼコ字状に形成されたメインフレーム35が垂直状の左右両側板35aによってベースユニット32の左右両側の上部に架設され、そのベースユニット32の天板35bがスピンドルモーター33の上方位置に水平に架設されている。
【0025】
そして、前述した大型ディスクカートリッジ1がカートリッジ挿入空間36a内に挿入される大型カートリッジホルダー36がメインフレーム35の天板35bの下部に水平に配置され、小型ディスクカートリッジ2がカートリッジ挿入空間37a内に挿入される小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36のカートリッジ挿入空間36a内の左右幅方向のほぼ中央位置に配置されている。
そして、メインフレーム35の左右両側板35a間で、大型カートリッジホルダー36の上下方向の移動空間よりも低い位置にサブフレーム38が水平に架設されていて、このサブフレーム38にモーター39及びマルタクロス(Maltese cross)内蔵のギアトレイ
ン40が搭載されている。
【0026】
また、このメインフレーム35の左右両側板35aの外側には左右一対のカム板41、42が垂直状に取り付けられていて、この左右一対のカム板41、42は左右両側板35aに沿って前後方向である矢印c、d方向に図示省略されたガイド機構によってスライド自在に取り付けられている。また、メインフレーム35の天板35b上に取り付けられた同期用の左右一対の2連ギア44に左右一対のカム板41、42の上端縁に形成された左右一対のラック41a、42aが噛合されている。
【0027】
そして、モーター39の正逆回転駆動によってマルタクロス内蔵のギアトレイン40を介して一方のカム板41が矢印c、d方向にスライド駆動されることにより、ラック41a、2連ギア44、ラック42aを介して他方のカム板42が一方のカム板41と同期して前後方向である矢印c、d方向にスライド駆動されるように構成されている。
そして、大型カートリッジホルダー36の左右両側の前後2箇所に水平に固着された左右各一対のカム従動ピン45と、メインフレーム35の左右両側板35aの前後2箇所に形成されて、左右各一対のカム従動ピン45の中間が水平に貫通されたほぼL形の左右各一対のガイド溝46と、左右一対のカム板41、42の前後2箇所に形成されて、左右各一対のカム従動ピン45の先端が水平に挿入されたほぼZ形の左右各一対のカム溝機構48が大型カートリッジホルダー36とメインフレーム35の左右両側に組み込まれている。
【0028】
従って、モーター39の正逆回転駆動によって左右一対のカム板41、42が同期して矢印c、d方向へスライド駆動されることにより、左右一対のカム機構48によって大型カートリッジホルダー36が図10、図12に実線で示す上昇位置P11にて、図14、図15に1点鎖線で示すように前方(矢印e方向)へ押し出されたイジェクト位置P13から点線で示す引き込み位置P14まで後方(矢印f方向)へ水平に引き込まれた後、図10、図12に1点鎖線で示す下降位置P12であって、図14、図15に2点鎖線で示すように下方(矢印g方向)へ平行移動(下降)されたローディング位置P15との間でほぼL型の移動経路に沿って矢印f、g方向とその逆方向である矢印h、e方向とに往復駆動されるように構成されている。
【0029】
そして、このディスクローダー31は、大型ディスクカートリッジ1を大型カートリッジホルダー36内のカートリッジ挿入空間36a内に選択的に挿入して保持する(以下、この挿入して保持するの表現を「挿入、保持」と記載する)。また、小型ディスクカートリッジ2を大型カートリッジホルダー36内の中央部に位置する小型カートリッジホルダー37内のカートリッジ挿入空間37a内に選択的に挿入、保持する。
そして、大型カートリッジホルダー36によって小型カートリッジホルダー37を一体にイジェクト位置P13から引き込み位置P14まで矢印f方向へ引き込んだ時点で、大型ディスクカートリッジ1内のインナーローター3及び大型ディスク5の中心(センター)O1と小型ディスクカートリッジ2内のインナーローター4及び小型ディスク6の中心(センター)O2をスピンドルモーター33の中心(センター)O3に位置出し(センタリング)する。
【0030】
そして、その後に、大型カートリッジホルダー36と小型カートリッジホルダー37を一緒に引き込み位置P14からローディング位置P15へ矢印g方向へ平行に下降することによって、これら大型ディスクカートリッジ1と小型ディスクカートリッジ2をそれぞれベースユニット32上のローディング位置P15へ選択的にローディングして、これら大型ディスクカートリッジ1内の大型ディスク5の中心O1と、小型ディスクカートリッジ2内の小型ディスク6の中心O2とをスピンドルモーター33上の中心(センター)O3上にあるターンテーブル34上にこれらの中心穴5a、6aによって選択的に、かつ、正確にチャッキングすることができるように構成されている。
[ディスクローダーの詳細説明]
【0031】
図6〜図35によって、ディスクローダーの詳細を説明する。
[大型カートリッジホルダー内での小型ディスクカートリッジの位置決め機構]
図7〜図15に示すように、このディスクローダー31は、小型ディスクカートリッジ2をベースユニット32上にローディングして位置決めする際に、小型ディスクカートリッジ2を小型カートリッジホルダー37内に第1の位置決め手段によって位置決めし、小型カートリッジホルダー37をベースユニット32上に第2の位置決め手段によって位置決めする間接的位置決め方式を採用している。
なお、大型カートリッジホルダー36内のカートリッジ挿入空間36aは、天板36bと、左右一対の底板36cと、左右一対の側板36dによって囲繞された水平で、扁平状の空間に構成されていて、小型カートリッジホルダー37のカートリッジ挿入空間37aは天板37bと、左右一対の底板37cとの間に形成された水平で、扁平状の空間に構成されている。なお、大型カートリッジホルダー36の左右一対の底板36cの左右方向の幅は小さく構成され、小型カートリッジホルダー37の左右一対の底板37cの左右方向の幅は大きく構成されている。また、小型カートリッジホルダー37の左右一対の底板37cの左右両端部に形成された左右一対の小突片37dが大型カートリッジホルダー36の左右一対の底板36cの内側縁の上部に摺動自在に載置されていて、小型カートリッジホルダー37の左右両側部分37eは開放されている。
【0032】
そして、大型カートリッジホルダー36の天板36bに矢印e、f方向に沿って形成された左右一対のガイド溝51内に小型カートリッジホルダー37の天板37a上に固着された左右各一対、合計4個のガイドピン52がスライド自在に係合されたガイド機構が設けられている。そして、このガイド機構によって小型カートリッジホルダー37がガイドされて、この小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36内で、図14、図15に1点鎖線で示すと共に、図21に示す大型カートリッジホルダー36に対する初期位置P16と、図14、図15に点線で示すと共に、図24に示す第2スライド位置P18との間で矢印e方向(イジェクト方向)と矢印f方向(ローディング方向)にスライド可能に構成されている。
【0033】
そして、この小型カートリッジホルダー37と大型カートリッジホルダー36との間に取り付けられたスライド付勢手段である左右一対の引張りコイルバネ52によって小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36に対して初期位置P16まで矢印e方向へスライド付勢されている。
そして、小型カートリッジホルダー37が左右一対の引張りコイルバネ52によって大型カートリッジホルダー36内の図15に1点鎖線で示すと共に、図21、図30に示す初期位置P16まで矢印e方向にスライド復帰されている状態で、図12、図13、図15に示すように、小型ディスクカートリッジ2が小型カートリッジホルダー37内のカートリッジ挿入空間37a内に矢印f方向から挿入されて、左右一対の底板37c上に載置される。
【0034】
すると、図15に実線で示すと共に、図22、図31に示すように、小型ディスクカートリッジ2によって小型カートリッジホルダー37が後述する左右一対の位置決めピン60を介して押されて、この小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36内で、初期位置P16から第1スライド位置P17まで押し込み量L1相当分を左右一対の引張りコイルバネ52に抗して矢印f方向に押し込まれる。
そして、図8、図22、図31に示すように、小型カートリッジホルダー37の左右一対の位置決めピン53が大型カートリッジホルダー36に固着されている左右一対の小型カートリッジホルダー位置決め用板バネ54の第1テーパー付位置決め用突片54aの左右一対の第1位置決め用切欠き55内に嵌合されて、小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36内の第1スライド位置P17に位置決めされる。
【0035】
なお、この時、図13に示すように、小型ディスクカートリッジ2は小型カートリッジホルダー37の天板37bの下面に固着されている左右一対の小型ディスクカートリッジ用の板バネ57によって左右一対の底板37c上に押圧されて固定される。
但し、図15に実線で示すように、この時の小型ディスクカートリッジ2の大型カートリッジホルダー36内への挿入量は小さい値である挿入量L11に設定されている。
【0036】
一方、この時、図4に1点鎖線で示すと共に、図29に示すように、小型カートリッジホルダー37の左右一対の底板37cの上部に垂直状に固着されている第1の位置決め手段の1つである左右一対の位置決めピン60が小型ディスクカートリッジ2の底部2eの先端2a側の左右一対の位置決め用凹部16内に矢印e方向から相対的に挿入される。そして、この後に、後述するように、第1の位置決め手段のもう1つである左右一対のクサビ形状の位置決め用突起61が図5に1点鎖線で示すと共に、図29に示すように、小型ディスクカートリッジ2の左右一対の位置決め用凹部17内に左右両側方向から矢印k方向に同時に挿入(嵌合)される。これにより、小型ディスクカートリッジ2が小型カートリッジホルダー37内に高精度に位置決めされて保持される。
また、この時、図5に示すように、小型ディスクカートリッジ2の左右一対の位置決め用凹部16内に矢印e方向から相対的に挿入された左右一対の位置決めピン60の1つによって小型ディスクカートリッジ2内のロックレバー18の被操作部18aが矢印e方向へ押されて、ロックレバー18が図4に示すロック位置から図5に示すロック解除位置へ回転操作される。すると、インナーローター4が図4に示すシャッター閉位置P1から図5に示すシャッター開位置P2へ矢印b方向へ回転可能となる。
【0037】
このようにして、小型ディスクカートリッジ2が小型カートリッジホルダー37内に保持された状態で、図15で点線と2点鎖線で示すと共に、図23、図32に示すように、小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36と一体にイジェクト位置P13から引き込み位置P14まで矢印f方向に引き込み量L13相当分を水平に引き込まれた後に、ローディング位置P15(=下降位置P12)まで矢印g方向に垂直に下降されると、図12に1点鎖線で示すと共に、図15に2点鎖線で示すように、ベースユニット32上に固着されていて、板金の折り曲げ加工部材等からなる合計3つの位置決め台62、63上に、小型カートリッジホルダー37の左右一対の底板37cの3箇所が水平に載置される。
【0038】
そして、その底板37cの下部に垂直に固着されている第2の位置決め手段である下向きの一対の小型カートリッジホルダー位置決めピン64が、同じく第2の位置決め手段である一対の位置決め台62に形成されている一対の小型カートリッジホルダー位置決め穴65内に上方から嵌合されて、小型カートリッジホルダー37がベースユニット32上に水平に位置決めされる。
これにより、小型ディスクカートリッジ2は、小型カートリッジホルダー37内に一対の位置決めピン60及び位置決め用突起61からなる第1の位置決め手段で位置決めされ、小型カートリッジホルダー37がベースユニット32上に小型カートリッジホルダー位置決め台62、63と小型カートリッジホルダー位置決めピン64とからなる第2の位置決め手段で位置決めされる間接的位置決め方式によってベースユニット32上に高精度に位置決めされる。
【0039】
そして、その小型ディスクカートリッジ2内の小型ディスク6がスピンドルモーター33のターンテーブル34上に中心穴6によって同心状にチャッキングされる。
なお、このディスクチャッキング動作は、図17に示した小型ディスクカートリッジ2内のチャッキングプーリ21によって行われる。
[大型カートリッジホルダー内での大型ディスクカートリッジの位置決め機構]
【0040】
大型カートリッジホルダー36内の小型カートリッジホルダー37が図15に1点鎖線で示すと共に、図21に示す初期位置P16まで左右一対の引張りコイルバネ52によって矢印e方向へスライド復帰されている状態で、図10、図11、図14、図24、図33に示すように、大型ディスクカートリッジ1が大型カートリッジホルダー36のカートリッジ挿入空間36a内に矢印fから挿入されると、その大型ディスクカートリッジ1aの先端1a部分が小型カートリッジホルダー37内のカートリッジ挿入空間37aに矢印f方向から挿入されて、その先端1aが小型カートリッジホルダー37内の左右一対の位置決めピン60に衝突する。
【0041】
この時、図24に実線で示すように、大型カートリッジホルダー36内の一側部に回転支点77を介して取り付けられているロック手段であるロックアーム78が大型ディスクカートリッジ1の一側部1dの先端側に形成されている被ロック用凹部25内にそのロックアーム78自身が有する回転付勢力によって係合し、大型ディスクカートリッジ1が大型カートリッジホルダー36内にロック(保持)される。
【0042】
そして、その大型ディスクカートリッジ1によって小型カートリッジホルダー37が左右一対の位置決めピン60を介して押されて、この小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36内で左右一対の引張りコイルバネ52に抗して矢印f方向へ押されて、初期位置P16から第1スライド位置P17を通過して第2スライド位置P18まで押し込み量L2相当分を矢印f方向へ押し込まれる。
【0043】
但し、図14に実線で示すように、この時の大型ディスクカートリッジ1の大型カートリッジホルダー36内への挿入量は大きい値である挿入量L12に設定されている。
また、図24に示すように、小型カートリッジホルダー37の左右一対の位置決めピン53が大型カートリッジホルダー36に固着されている左右一対の小型カートリッジホルダー位置決め用板バネ54の左右一対の第1テーパー付位置決め用突片54aの左右一対の第1位置決め用切欠き55を通過して、左右一対の第2テーパー付位置決め用突片54bの左右一対の第2位置決め用切欠き56に嵌合されて、小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36内の第2スライド位置P18に位置決めされる。
【0044】
従って、この大型ディスクカートリッジ1の挿入時には、図14に示すように、小型カートリッジホルダー37は大型カートリッジホルダー36内の小型ディスクカートリッジ2の挿入時の停止位置である第1スライド位置P17を通過して第2スライド位置P18まで矢印f方向に押し込まれて位置決め(停止)される。なお、この時、大型ディスクカートリッジ1は小型カートリッジホルダー37の天板37bに固着されている左右一対の大型ディスクカートリッジ用の板バネ58によって左右一対の底板37c上に押圧されて固定される。
【0045】
そして、このようにして、大型ディスクカートリッジ1が小型カートリッジホルダー37内に保持された状態で、図14で点線と2点鎖線で示すように、小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36と一体にイジェクト位置P13から引き込み位置P14まで矢印f方向に、小型ディスクカートリッジ2と同じ引き込み量L13相当分を水平に引き込まれた後に、ローディング位置P15(=下降位置P12)まで矢印g方向に垂直に下降されると、図10に1点鎖線で示すと共に、図14に2点鎖線で示すように、大型ディスクカートリッジ1の底部1eの後端1b側に形成されている左右一対の位置決め穴66がベースユニット32上に垂直状に固着されている左右一対で上向きの円錐形状の位置決めピン67に上方から嵌合される。
【0046】
そして、大型ディスクカートリッジ1の底部1eの後端1c側がその左右一対の位置決めピン67の下端の段部67a上に水平に載置されると共に、その大型ディスクカートリッジ1の底部1eの先端1a側の左右両側がベースユニット32上に固着されている左右一対の大型カートリッジホルダー用位置決め台68上に水平に載置される。
従って、大型ディスクカートリッジ1はベースユニット32上に直接的に位置決めされる。
そして、その大型ディスクカートリッジ1内の大型ディスク5が中心穴5aによって、小型ディスク6と同様に、スピンドルモーター33のターンテーブル34上に同心状にチャッキングされる。
【0047】
以上述べたように、このディスクローダー31における大小2種類のディスクカートリッジ1、2の位置決め機構によれば、小型ディスクカートリッジ2をベースユニット32上における大型ディスクカートリッジ1の装着空間内の中央位置にローディングする際に、この小型ディスクカートリッジ1を小型カートリッジホルダー37を介して間接的に位置決めするように構成したので、ベースユニット32上にローディングされる大型ディスクカートリッジ1が小型ディスクカートリッジ位置決め手段(小型ディスクカートリッジ位置決め台62、63等)に干渉することがない上に、図7に示すように、その位置決め手段(小型ディスクカートリッジ位置決め台62、63等)を記録及び/又は再生手段である光学ピックアップやそれらの駆動系部品のための設置用スペースS1を避けて配置することができる。
【0048】
従って、設計の自由度を著しく向上し、高品質のディスクローダー31を提供することができる。
なお、例えば、小型カートリッジホルダー位置決め台62の下方に十分なスペースを確保できる場合には、下向きの位置決めピン64を大型ディスクカートリッジ1用の円錐形状の位置決めピン67と同様に、円錐形状のピン形状に構成することも可能である。
【0049】
ところで、大小2種類のディスクカートリッジ1、2を選択的にローディングする際、大小2種類のディスク5、6の中心(センター)O1、O2を同じスピンドルモーター33の中心(センター)O3に位置決めする方法として、大小2種類のディスクカートリッジ1、2の大型カートリッジホルダー36内への挿入検出位置を共通にして、大小2種類のディスクカートリッジ1、2の水平方向への引き込み距離を大小2種類のディスクカートリッジ1、2に応じて電気的に変更(調整)する方法も考えられる。但し、この方法は、大型ディスクカートリッジ1の水平方向への引き込み距離が長くなって、ディスクローダーの大型化を招くことになる。
【0050】
そこで、このディスクローダー31では、図14、図15で述べたように、イジェクト位置P13まで矢印e方向にスライド復帰されている大型カートリッジホルダー36内の小型カートリッジホルダー37に小型ディスクカートリッジ2を矢印f方向から挿入、保持する際と、大型カートリッジホルダー36内に大型ディスクカートリッジ1を矢印f方向から挿入、保持する際の大型カートリッジホルダー36に対する小型ディスクカートリッジ2の挿入量L11と、大型カートリッジホルダー36に対する大型ディスクカートリッジ1の挿入量L12とを小型ディスクカートリッジ2と大型ディスクカートリッジ1の大きさ(長さ)に対応された値に設定する。
【0051】
そして、その挿入された小型ディスクカートリッジ2と大型ディスクカートリッジ1を大型カートリッジホルダー36によってイジェクト位置P13から引き込み位置P14まで矢印f方向へ選択的に引き込む際の小型ディスクカートリッジ2と大型ディスクカートリッジ1の引き込み距離(引き込み量)L13を同じ値に設定している。
従って、このディスクローダー31は、小型ディスクカートリッジ2と大型ディスクカートリッジ1のモーター39による引き込み量L13を同じ値の短い距離に設定することができて、ディスクローダー31の小型化を実現できる。
【0052】
なお、小型ディスクカートリッジ2の挿入時における大型カートリッジホルダー36内での小型カートリッジホルダー37の第1スライド位置P17と、大型ディスクカートリッジ1の挿入時における大型カートリッジホルダー36内での小型カートリッジホルダー37の第2スライド位置P18の位置決めは、例えば、検出スイッチによる位置検出とモーター39の制御によって電気的に行うことも可能であるが、このディスクローダー31では、小型カートリッジホルダー37の第1スライド位置P17と第2スライド位置P18とでの位置決めを、前述したように、小型カートリッジホルダー37の左右一対の位置決めピン54を大型カートリッジホルダー36内の左右一対の位置決め用板バネ54の第1、第2の位置決め用切欠き55、56内に選択的に係合されるメカニズムによって行われている。
【0053】
また、大型カートリッジホルダー36のイジェクト位置P13と、引き込み位置P14と、ローディング位置P15との間でのローディング方向(矢印f、g方向)とイジェクト方向(矢印h、e方向)との駆動は、モーター39正逆回転駆動によるギアトレイン40とカム機構43とによるメカニズムと、例えば電気的制御とによって行われる。
なお、図26に示すように、大型カートリッジホルダー36の上部に取り付けられて、この大型カートリッジホルダー36と一体にローディング方向(矢印f方向)及びイジェクト方向(矢印e方向)へ移動される左右一対の位置決め用板バネ54の各一対、合計4つの第1、第2テーパー付位置決め片54a、54bの水平移動経路上に左右各一対、合計4本のリフトピン69が水平状に配置され、これらのリフトピン69はメインフレーム35で片持ち支持されている。
【0054】
そして、図14、図15で説明した大小2種類のディスクカートリッジ1、2のイジェクト時であって、小型カートリッジホルダー37が引き込み位置P14からイジェクト位置P13まで矢印e方向へ水平にイジェクトされる際の途中で、小型カートリッジホルダー37が第2スライド位置P18や第1スライド位置P17を通過する際に、左右一対の位置決め用板バネ54の各一対、合計4つの第1、第2テーパー付位置決め用突片54a、54bが各一対、合計4本のリフトピン69上を弾性に抗して順次乗り上げながら通過するように構成されている。
【0055】
そして、その乗り上げによって、小型カートリッジホルダー36上の左右一対の位置決めピン53が、左右各一対の第1位置決め用切欠き55や第2位置決め用切欠き56から相対的に下方へ離脱されて、大型カートリッジホルダー36に対する小型カートリッジホルダー37の第2スライド位置18と第1スライド位置17での位置決め(ロック)がそれぞれ解除されて、小型カートリッジホルダー37が図14、図15にそれぞれ1点鎖線で示すと共に、図21に示す大型カートリッジホルダー36に対する初期位置P13まで左右一対の引張りコイルバネ52によって矢印e方向へスライド復帰されるように構成されている。
【0056】
この結果、大型ディスクカートリッジ1のイジェクト時であれば、図14に実線で示すと共に、図24、図34に示すように、小型カートリッジホルダー37が引き込み位置P14から第2スライド位置P18まで矢印e方向へ移動された瞬間に、左右一対の位置決めピン53が左右一対の第2位置決め用切欠き56から離脱されて、その小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36に対する第2スライド位置P18から初期位置P16まで左右一対の引張りコイルバネ52によって矢印e方向へ素早く引き戻される。
なお、初期位置P16まで引き戻された大型カートリッジホルダー36内からユーザーが大型ディスクカートリッジ1を矢印e方向へ引き抜く際には、図24に1点鎖線で示すように、ロックアーム78が自身が持つ回転付勢力に抗して大型ディスクカートリッジ1の被ロック用凹部25の外部へ逃げて、ロックが解除されるので、大型ディスクカートリッジ1を大型カートリッジホルダー36外へ容易に引き抜くことができる。
【0057】
また、小型ディスクカートリッジ2のイジェクト時であれば、図15に実線で示すと共に、図23、図31に示すように、小型カートリッジホルダー37が引き込み位置P14から第1スライド位置P17まで矢印e方向へ移動された瞬間に、左右一対の位置決めピン53が左右一対の第1位置決め用切欠き55から離脱されて、その小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36に対する第1スライド位置P17から初期位置P16まで左右一対の引張りコイルバネ52によって矢印e方向へ素早く引き戻される。
[小型ディスクカートリッジの挿入ガイド機構]
【0058】
図10〜図13、図16〜図18に示すように、このディスクローダー31には、小型カートリッジホルダー37の前端部の左右両側位置に小型カートリッジ挿入ガイド手段である左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71が配置されている。これら左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71は合成樹脂成形品等で構成されていて、大型カートリッジホルダー36に固着されている板バネである左右一対の小型カートリッジホルダー位置決め用板バネ54の前端部の下面に固着されている。
そして、これら左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71の垂直状で、互いに平行な左右一対の内側対向面72の前端の左右両側部が小型ディスクカートリッジ挿入方向(矢印f方向)に向ってほぼ45°等で次第に間隔が狭くなる左右一対の小型ディスクカートリッジ呼び込み用ガイド面(傾斜面)73が形成されている。
【0059】
そして、これら左右一対の小型ディスクカートリッジ呼び込み用ガイド面73の左右両側部には小型ディスクカートリッジ挿入方向(矢印f方向)に向って直角状となる小型ディスクカートリッジストッパー面74が形成され、更に、これら左右一対の小型ディスクカートリッジストッパー面74の左右両側部には小型ディスクカートリッジ挿入方向(矢印f方向)に向って次第に下降される俯角状の大型ディスクカートリッジに対する逃げ面75が形成されている。なお、左右一対の小型カートリッジホルダー位置決め用板バネ54の前端部の上部にも、左右一対の逃げ面75と同様の逃げ面76が形成されている。
【0060】
このように構成された小型ディスクカートリッジ2の挿入ガイド機構によれば、前述したように、イジェクト位置P13にスライド復帰されている小型カートリッジホルダー37内に小型ディスクカートリッジ2を矢印f方向から挿入する際に、左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71の左右一対の小型ディスクカートリッジ呼び込み用ガイド面73によって小型ディスクカートリッジ2を小型カートリッジホルダー37の左右方向のセンター上にスムーズに呼び込んで、この小型ディスクカートリッジ2を小型カートリッジホルダー37内に自動的にセンタリングすることができるので、その小型カートリッジホルダー37内への小型ディスクカートリッジ2の挿入操作をスムーズ、かつ、正確に行うことができる。
【0061】
なお、左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71の左右一対の内側対向面72の間隔D1は、小型ディスクカートリッジ2の左右幅寸法D2より僅かに大きく、前後長さ寸法D3より僅かに短く設定することにより、小型ディスクカートリッジ2を小型カートリッジホルダー37内に横向きで挿入しようとした際には、左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71がストッパーとして機能することになり、小型ディスクカートリッジ2の誤挿入防止としても機能する。
【0062】
一方、小型カートリッジホルダー37内に大型ディスクカートリッジ1が挿入される際には、左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71の左右一対の逃げ面75や小型カートリッジホルダー位置決め用板バネ54の左右一対の逃げ面76によって左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71が左右一対の小型カートリッジホルダー位置決め用板バネ54に抗して大型ディスクカートリッジ1の上方へ自動的に逃げることになる。従って、左右一対の小型ディスクカートリッジ挿入ガイド71は大型ディスクカートリッジ1の挿入時の障害になることがなく、その大型ディスクカートリッジ1の小型カートリッジホルダー37内への挿入をスムーズに行うことができる。
[小型ディスクカートリッジの位置決め機構兼用のシャッター開閉機構]
【0063】
図16、図19〜図25に示すように、この小型ディスクカートリッジ2の位置決め機構兼用のシャッター開閉機構81は、小型カートリッジホルダー37の天板37bの上下に組み込まれていて、天板37bの上部に回転支点82を中心にシャッター閉位置P1とシャッター開位置P2との間で矢印a、b方向(図4、図5と同じ方向)に回転されるリミッター83及び小型ディスクカートリッジ2用のシャッター開閉手段であるシャッターオープナー84と、天板37bの上部で、左右一対のシャターオープナー84の下部に配置されて、左右一対の回転支点85を中心に矢印i、J方向に回転される左右一対で左右対称状のリリースレバー87、88と、小型カートリッジホルダー37の天板37bの下部に取り付けられて、左右方向である矢印k、m方向にスライドされる左右一対のロックアーム90と、シャッターオープナー84と小型カートリッジホルダー37の天板37bとの間に架設された捩りコイルバネからなるトグルバネ91とを備えている。
【0064】
そして、リミッター83を介してシャッターオープナー84をリミッター83を介してシャッター開閉方向である矢印a、b方向へ相対的に回転駆動するシャッター開閉用第1駆動ピン97aと、シャッターオープナー84のリミッター83側とは反対側の遊端部であるもう1つの被駆動部84bを矢印a、b方向へ相対的に回転駆動するシャッター開閉用第2駆動ピン97bがメインフレーム35の天板35bの下部の左右両側近傍位置で、矢印e、f方向に互いに偏位された垂直状に固着されている。
なお、シャッターオープナー84の先端84aが下方及び前方へほぼコ字状に折り曲げられて、小型カートリッジホルダー37内に後方から水平状に挿入されていて、その先端84aの最先端が図4、図5に示した小型ディスクカートリッジ2内のインナーローター4の凹部である被係合部98に対する係合部99に形成されている。なお、この被係合部98とシャッターオープナー84の係合部99とは合成樹脂の摩擦粉の発生を少なくするために円形面で接触する形状に構成されている。
【0065】
また、左右一対のロックアーム90は、これらロックアーム90と小型カートリッジホルダー37の天板37bの間に形成された左右各一対のガイドピン92と左右一対のガイド溝93とによるガイド機構で案内されて、天板37bの下部で左右方向である矢印k、m方向に移動自在に保持されている。そして、これら左右一対のロックアーム90の左右一対の先端90aが下方及び内側へほぼコ字状に折り曲げられていて、これらの先端90aの最先端が図4、図5、図29に示した左右一対のクサビ形状の位置決め用突起61に形成されている。
【0066】
また、左右一対のリリースレバー87、88の一端がギア87a、88aによって連動され、他端87b、88bが左右一対のガイドピン92aと円弧状の長孔94によって左右一対のロックアーム90に連動されている。また、シャッターオープナー84の一部から下方へ切り起こされた突起84aによって一方のリリースレバー87が回転駆動されるように構成されている。また、左右一対のロックアーム90をロック方向へスライド付勢する付勢手段である左右一対の捩りコイルバネ95が小型カートリッジホルダー37上の左右一対の取付ピン96の外周に取り付けられていて、これら左右一対の捩りコイルバネ95が左右一対のロックアーム90に固着されている左右一対のバネ当接ピン92bの外側に当接されている。
【0067】
この位置決め機構兼用のシャッター開閉機構81は以上のように構成されていて、図14、図15にそれぞれ1点鎖線で示すと共に、図21、図31に示すように、小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36に対する初期位置P16まで矢印e方向へスライド復帰されている状態では、図4、図19、図20にそれぞれ1点鎖線で示すと共に、図21、図27、図30に示すように、トグルバネ91によってシャッターオープナー84がシャッター開位置P2からシャッター閉位置P1へ矢印a方向へ回転付勢されて停止している。
そして、小型ディスクカートリッジ2が小型カートリッジホルダー37内の図15に1点鎖線で示す位置まで矢印f方向に挿入された時に、前述したように、左右一対の位置決めピン60が図4に1点鎖線で示すように小型ディスクカートリッジ2の底部2eの左右一対の位置決め用凹部15内に矢印e方向から挿入されると共に、図4に1点鎖線で示すように、シャッターオープナー84の先端84aの係合部99が小型ディスクカートリッジ2のインナーローター4の外周の被係合部98内に矢印e方向から相対的に係合される。そして、この時に、図4に一点鎖線で示すように、シャッターオープナー84の回転支点82がインナーローター4及び小型ディスク6の中心O2と同心位置に位置決めされる。
【0068】
そして、前述したように、その小型ディスクカートリッジ2によって小型カートリッジホルダー37が図15に1点鎖線で示す共に、図21に初期位置P16から図15に実線で示すと共に、図22、図31に示す第1スライド位置P17まで矢印f方向に押し出されると、メインフレーム35のシャッター開閉用第1駆動ピン97aにリミッター83の一部が矢印f方向から当接されて、そのリミッター83を介してシャッターオープナー84が回転支点82を中心に図4に2点鎖線で示すと共に、図21、図30に示すシャッター閉位置P1から図22、図31に示す中間位置P3まで、トグルバネ91に抗して矢印b方向へ少し(一定角度)回転される。
【0069】
なお、この時には、シャッターオープナー84の突起84aによって一方のリリースレバー87が矢印i方向へ回転駆動される。すると、他方のリリースレバー88がギア87a、88aを介して矢印j方向へ回転駆動される。この際、左右一対のリリースレバー87、88は左右一対の捩りコイルバネ94の反発力によって矢印i、j方向へ素早く回転駆動される。
すると、その左右一対のリリースレバー87、88によって左右一対のロックアーム90が図20に1点鎖線で示すロック解除位置から図20に実線で示すロック位置まで矢印k方向へ素早くスライド駆動される。
【0070】
これにより、左右一対のロックアーム90の先端90aの左右一対の位置決め用突起61が図4に示すロック解除位置から図5に示すと共に、図29に示すロック位置まで矢印k方向へ移動されて、これら左右一対の位置決め用突起61が小型ディスクカートリッジ2の左右一対の位置決め用凹部17内に矢印k方向から圧入されて、前述したように、小型ディスクカートリッジ2が小型カートリッジホルダー37内にそれぞれ左右一対の位置決めピン60と位置決め用突起61によって位置決め(ロック)される。
【0071】
これに引き続き、前述したように、ディスクローダー31のモーター39によって大型カートリッジホルダー36と一体に小型カートリッジホルダー37が図16に実線で示すと共に、図22、図31に示す第1スライド位置P17から引き込み位置P14まで矢印f方向に水平に引き込まれる際の初期段階で、図20に1点鎖線で示すと共に、図23、図32にに示すように、シャッター開閉用駆動ピン96によってリミッター83を介してシャッターオープナー84がシャッター閉位置P2まで矢印b方向へ回転駆動される。
【0072】
すると、そのシャッターオープナー84の先端84aの係合部98が小型ディスクカートリッジ2のインナーローター4の被係合部97を介してそのインナーローター4を図4に2点鎖線で示す中間位置P3から図5に示すシャッター開位置P2まで矢印b方向へ瞬時に回転駆動される。この際、シャッターオープナー84が図20に実線と1点鎖線で示すシャッター閉位置P1とシャッター開位置P2との中間のデッドポイントDPを矢印b方向へ乗り越えた瞬間に、トグルバネ91による反転機能によってシャッターオープナー84がシャッター開位置P2へ矢印b方向へ瞬時に回転される。
【0073】
また、この際、小型ディスクカートリッジ2内に内蔵されている回転付勢用バネ(図示せず)によってインナーローター4の矢印b方向への回転が助長されることから、インナーローター4はシャッター開位置P2まで矢印b方向へ瞬時に、スムーズに回転することができる。
そして、前述したように、小型ディスクカートリッジ2内のシャッター10が開駆動されて、小型ディスクカートリッジ2の底部開口8が開放され、シャッターオープナー84はトグルバネ91によってシャッター開位置P2に停止、保持することがてきる。
【0074】
なお、小型ディスクカートリッジ2のイジェクト時において、前述したように、小型カートリッジホルダー37が図15に点線で示すと共に、図23、図32に示す引き込み位置P14から図5に1点鎖線で示すと共に、図22、図30に示すイジェクト位置P13まで矢印e方向へスライド駆動される間に、シャッター開閉機構81は前述した動作の逆の動作、即ち、シャッター開閉用第1駆動ピン83によってシャッターオープナー84がリミッター83を介してシャッター開位置P2からシャッター閉位置P1まで矢印a方向へ回転駆動されて、図4に示すように、小型ディスクカートリッジ2内のインナーローター4をシャッター開位置P2からシャッター閉位置P1まで矢印a方向へ自動的に回転復帰する。
【0075】
また、左右一対のロックアーム90が左右一対の捩りコイルバネ95に抗して図20に実線で示すロック位置から1 点鎖線で示すロック解除位置まで矢印m方向へスライド復帰される。
従って、小型ディスクカートリッジ2が図15に1 点鎖線で示す挿入位置まで矢印e方向へ押し出された時には、図4に示すように、左右一対のロック用突起61が小型ディスクカートリッジ2の左右一対の位置決め用凹部17外へ矢印m方向へ離脱されていることになる。
これにより、ユーザーは、小型ディスクカートリッジ2の底部開口8がシャッター10によって既に閉塞されている状態で、小型ディスクカートリッジ2を小型カートリッジホルダー37内から矢印e方向へ安全に抜き取ることができる。
【0076】
ここで、図24、図25、図33〜図35によって、大型ディスクカートリッジ1の挿入時のシャッター開閉機構81の開閉動作を説明する。
前述したように、大型ディスクカートリッジ1が図33に示すように、初期位置P16に復帰されている大型カートリッジホルダー36内に矢印f方向から挿入されて、図24、図34に示すように、小型カートリッジホルダー37が左右一対の位置決めピン60を介して第2スライド位置P18まで矢印f方向へ押し出された際、前述した小型ディスクカートリッジ2の挿入時と同様に、シャッター開閉機構81のシャッターオープナー84がシャッター開閉用第1駆動ピン97aによってリミッター83を介してシャッター閉位置P1からシャッター開位置P2まで矢印b方向へ回転駆動される。
【0077】
但し、この時には、小型カートリッジホルダー37が左右一対の位置決めピン60を介して大型ディスクカートリッジ1の先端1aの前方(矢印f方向)へ押し出されているので、シャッターオープナー84は大型ディスクカートリッジ1の先端1aに接触されることなく回転(いわゆる空振り動作)することができる。
しかも、この後に、小型カートリッジホルダー37が大型カートリッジホルダー36と一体にモーター39によって図24、図34に示す第2スライド位置P18から図25、図35に示す引き込み位置P14まで矢印f方向へ自動的に引き込まれる際に、図35に示されたシャッター開閉用第2駆動ピン97bによってシャッターオープナー84のもう一つの被駆動部84bが矢印b方向へ回転駆動されて、このシャッターオープナー84が図25、図35に示すようにシャッター開位置P2からシャッター閉位置へ自動的に回転復帰されるように構成されている。
【0078】
その上、大型ディスクカートリッジ1の図14で点線で示す引き込み位置P14から1点鎖線で示すイジェクト位置P13への矢印e方向へのイジェクト時には、シャッター開閉駆動用第1駆動ピン97aに対してシャッターオープナー84の被駆動部97bが矢印e方向へ逃げることができるように、リミッター83はシャッターオープナー84に対してシャターオープナー84の駆動方向の逆方向である矢印a方向へは自由に逃げることができるように構成されている。
【0079】
このような、安全機構によれば、大型ディスクカートリッジ1のイジェクト時には、シャッターオープナー84を一切駆動する必要がなく、シンプルな機構を提供できる。
なお、その理由として、大型ディスクカートリッジ1のイジェクト過程で第1駆動ピン97aでシャッターオープナー84をシャッター閉位置P1へ戻そうとすると、小型カートリッジホルダー37のイジェクト位置への復帰過程で行わなければならない。
しかも、この小型カートリッジホルダー37のイジェクトは左右一対の引張りコイルバネ52のバネ力(力量)によって行われることから、これらの引張りコイルバネ52のバネ力を増大すれば、今度は、大小2つのディスクカートリッジ1、2の挿入時に大きな抵抗を受けることになって、その挿入操作に不都合が生じることになる。
【0080】
そこで、上記のように、シャッターオープナー84の駆動は、小型カートリッジホルダー37内への挿入量が小さい小型ディスクカートリッジ2の挿入時にのみ、人手による挿入力を利用して開方向へ回転駆動し、大型カートリッジホルダー36内への挿入量が大きい大型ディスクカートリッジ1の挿入時には、モーター39の駆動力を利用して開閉駆動するように構成されている。
[大型ディスクカートリッジのシャッター開閉機構]
【0081】
この大型ディスクカートリッジ1のシャッター開閉機構10の基本構造は、本発明の出願人が先に出願した先行技術である特開2004−5881号公報等に詳細に開示されていることから、ここでは概略的に説明する。
即ち、図2、図3に示されていて、合成樹脂成形品等で構成されている大型ディスクカートリッジ1用のシャッター開閉手段であるシャッター開閉用ラック102が図11、図12に示すように、大型カートリッジホルダー36内の一方の側部に形成されたラック保持溝103内に、カートリッジ挿入及び抜き取り方向である矢印e、f方向と平行な方向である矢印n、o方向にスライド自在に収納されている。
【0082】
そして、図2、図3、図6に示すように、メインフレーム35の一方の側面に垂直状に取り付けられた幅広ギア104がモーター39によりギアトレイン40を介して矢印n、o方向へ正逆回転駆動されることにより、この幅広ギア104がシャッター開閉用ラック102を外側ラック105を介して図2に示すシャッター閉位置P31と図3に示すシャッター開位置P32との間で矢印p、q方向へスライド駆動するように構成されている。
【0083】
そして、この大型ディスクカートリッジ1のシャッター開閉機構101によれば、図15に実線で示すと共に、図24、図34に示すように、大型ディスクカートリッジ1が大型カートリッジホルダー36内の第2スライド位置P8まで挿入量L12分矢印f方向に挿入されて、ロックアーム24によって大型カートリッジホルダー36内ロックされた時に、図2、図11に示すように、シャッター開閉用ラック102の内側に一体成形されている第1係合アーム105、内側ラック106が大型ディスクカートリッジ1の一方の側面のガイド溝13内に矢印p方向から相対的に挿入されて、第1係合アーム105の先端が大型ディスクカートリッジ1のインナーローター3の外周の凹部3cにその第1係合アーム自身の弾性に抗して係合される。
【0084】
なお、この際に、図2に示すように、シャッター開閉用ラック102の内側ラック106によって大型ディスクカートリッジ1内のロックレバー11の他端11cが押圧されることにより、このロックレバー11の一端11aがバネ作用部11bのバネ力に抗してインナーローター3のロック用凹部3eから外側へ外されて、インナーローター3のロックが解除される。
【0085】
そして、この大型ディスクカートリッジ1の挿入が電気的に検出されると、モーター39によって大型カートリッジホルダー36と一体に大型ディスクカートリッジ1が図15に実線で示す第2スライド位置P18から点線で示す引き込み位置P14まで矢印f方向へ水平に引き込まれる。
その際に、モーター39によって幅広ギア104が図2で矢印n方向へ回転駆動されて、その幅広ギア104がシャッター開閉用ラック102を外側ラック105を介して図2に示すシャッター閉位置P31から図3に示すシャッター開位置P32まで矢印p方向へスライド駆動する。
【0086】
すると、第1係合アーム106及びインナーローター駆動用ラック107によって大型ディスクカートリッジ1内のインナーローター3が図2に示すシャッター閉位置P1から図3に示すシャッター開閉位置P2まで、矢印b方向へ回転駆動されて、前述したように、大型ディスクカートリッジ1のシャッター9が開蓋駆動されて、この大型ディスクカートリッジ1の底部開口7が開放される。
なお、この時、シャッター開閉用ラック102の内側の第2係合アーム108がインナーローター3のロック用凹部3e内に係合して、インナーローター3がロックされる。
【0087】
一方、大型ディスクカートリッジ1のイジェクト時には、モーター39によって大型ディスクカートリッジ1が図14に点線で示す引き込み位置P14から実線で示す第2スライド位置P18まで矢印e方向へ水平に押し出される際に、幅広ギア104がモーター39によって図3で矢印o方向へ回転駆動される。
すると、幅広ギア104によってシャッター開閉用ラック102が図3に示すシャッター開位置P32から図2に示すシャッター閉位置P31まで矢印q方向にへスライド駆動され、上述した動作の逆動作によって、大型ディスクカートリッジ1のインナーローター3が図3に示すシャッター開位置P2から図2に示すシャッター閉位置P1まで矢印a方向へ回転復帰されて、前述したように、大型ディスクカートリッジ1の底部開口7がシャッター9によって自動的に閉塞される。
【0088】
そして、この後に、ユーザーによって大型ディスクカートリッジ1が大型ディスクカートリッジ36から外方である図13で矢印e方向へ抜き取られる際に、ロックレバー11のバネ作用部11bのバネ力によって一端11aがインナーローター3の外周のロック用凹部3e内に再び係合されて、インナーローター3がシャッター閉位置P1に再びロックされる。従って、ユーザーは底部開口7が閉塞されている大型ディスクカートリッジ1を小型カートリッジホルダー37内から矢印e方向へ安全に抜き取ることができる。なお、垂直状の幅広ギア104を介してシャッター開閉用ラック102を駆動することにより、その幅広ギア104をシャッター開閉用ラック102の外側ラック105に係合させたまま、大型カートリッジホルダー36を図15に点線で示す上昇位置P11と2点鎖線で示す下降位置P12との間で上下方向(矢印g、h方向)へスムーズに昇降することができる。
【0089】
以上のように構成され、かつ、以上のように動作される本発明の大小2種類のディスクカートリッジ1、2のディスクローダー31によれば、次のような特徴を得ることができる。
(1)従来実現が困難と思われていた大小2種類のディスクカートリッジ1、2の互換性を有するディスクローダー31をシンプルな構成で実現できる。
(2)大型ディスクカートリッジ1専用のディスクローダー31を大小2種類のディスクカートリッジ1、2の互換性を有するディスクローダー31へアップグレード可能になる。その際、アップグレードのための変更は、ファームウエアとセンサーの追加程度で対応可能となり、ベースユニット32の変更は最低限で済む。
(3)ディスクローダー31の構成がシンプルな構成となっているため、大型(大径)メディア専用ローダーと比較して、大きなコストアップにはならない。
(4)ディスクローダー31の外径寸法の拡大は、大型(大径)専用ローダーに対して数ミリ程度であり、各種情報機器内に組み込む際の小型化を損なうことがない。
(5)ユーザーは用途に応じて記録容量の異なる2種類のメディアを使い分けることが可能になり、ユーザーの使い勝手が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明のディスクローダーに適用される2種類のディスクカートリッジを示した斜視図である。
【図2】同上の大型ディスクカートリッジのシャッター開閉構造を説明するシャッター閉状態の底面図である。
【図3】同上の大型ディスクカートリッジのシャッター開閉構造を説明するシャッター開状態の底面図である。
【図4】同上の小型ディスクカートリッジのシャッター開閉構造を説明するシャッター閉状態の底面図である。
【図5】同上の小型ディスクカートリッジのシャッター開閉構造を説明するシャッター開状態の底面図である。
【図6】本発明のディスクローダー(ディスクローディング装置)の外観を示した斜視図である。
【図7】同上のディスクローダーのベースユニットの斜視図である。
【図8】同上のディスクローダーの大型カートリッジホルダーと小型カートリッジホルダーの位置決め用板バネと小型カートリッジホルダーの位置決めピンを示した斜視図である。
【図9】同上のベースユニット上への大小2種類のディスクカートリッジのローディング状態を説明する透視図である。
【図10】同上のディスクローダーの大小2種類のカートリッジホルダーと大型ディスクカートリッジの挿入及びローディングを説明する図6でA−A矢視での断面図である。
【図11】同上のディスクローダーの大小2種類のカートリッジホルダーとディスクカートリッジの図10の要部を拡大して示した断面図である。
【図12】同上のディスクローダーの大小2種類のカートリッジホルダーと小型ディスクカートリッジの挿入及びローディングを説明する図6でA−A矢視での断面図である。
【図13】図12の要部を拡大して示した断面図である。
【図14】同上のディスクローダーの大型ディスクカートリッジのローディング及びイジェクトを説明する図6でB−B矢視での断面図である。
【図15】同上のディスクローダーの小型ディスクカートリッジのローディング及びイジェクトを説明する図6でB−B矢視での断面図である。
【図16】同上のディスクローダーの大型カートリッジホルダーと小型カートリッジホルダーの下部を示した斜視図である。
【図17】同上のディスクローダーの大型ディスクカートリッジ内の小型ディスクカートリッジの挿入ガイドを説明する斜視図である。
【図18】同上の小型ディスクカートリッジの挿入ガイドの下面図である。
【図19】同上のディスクローダーの小型カートリッジホルダーに取り付けられた小型ディスクカートリッジ用シャッター開閉機構の斜視図である。
【図20】同上の小型ディスクカートリッジ用シャッター開閉機構の平面図である。
【図21】同上のディスクローダーの大型カートリッジホルダー内の小型カートリッジホルダーの初期位置を示した透視状態の平面図である。
【図22】同上のディスクローダーの小型ディスクカートリッジの挿入位置を示した透視状態の平面図である。
【図23】同上のディスクローダーの小型ディスクカートリッジのモーターによる引き込み位置を示した透視状態の平面図である。
【図24】同上のディスクローダーの大型ディスクカートリッジの挿入位置を示した透視状態の平面図である。
【図25】同上のディスクローダーの大型ディスクカートリッジのモーターによる引き込み位置を示した透視状態の平面図である。
【図26】同上のディスクローダーのリフトピンと小型カートリッジホルダー位置決め用板バネとの関係を示した斜視図である。
【図27】同上のディスクローダーの小型ディスクカートリッジのシャッター開閉機構のシャッター閉時の状態を示した斜視図である。
【図28】同上のディスクローダーの小型ディスクカートリッジのシャッター開閉機構のシャッター開時の状態を示した斜視図である。
【図29】同上のディスクローダーのシャッター開閉機構による小型ディスクカートリッジの小型カートリッジホルダー内での位置決め機構を示した透視状態の平面図である。
【図30】同上のディスクローダーの小型ディスクカートリッジの挿入開始を示した透視状態の斜視図である。
【図31】同上のディスクローダーの小型ディスクカートリッジの挿入完了位置を示した透視状態の斜視図である。
【図32】同上のディスクローダーの小型ディスクカートリッジのモーターによる引き込み完了位置を示した透視状態の斜視図である。
【図33】同上のディスクローダーの大型ディスクカートリッジの挿入開始を示した透視状態の斜視図である。
【図34】同上のディスクローダーの大型ディスクカートリッジの挿入完了位置を示した透視状態の斜視図である。
【図35】同上のディスクローダーの大型ディスクカートリッジのモーターによる引き込み完了位置を示した透視状態の斜視図である。
【符号の説明】
【0092】
1 大型ディスクカートリッジ
2 小型ディスクカートリッジ
3 大型ディスクカートリッジのインナーローター
4 小型ディスクカートリッジのインナーローター
5 大型ディスク
6 小型ディスク
7 大型ディスクカートリッジの底部開口
8 小型ディスクカートリッジの底部開口
9 大型ディスクカートリッジのシャッター
10 小型ディスクカートリッジのシャッター
16、17 小型ディスクカートリッジの位置決め用凹部
31 ディスクローダー
32 ベースユニット
33 スピンドルモーター
34 ターンテーブル
36 大型カートリッジホルダー
37 小型カートリッジホルダー
52 引張りコイルバネ
53 小型、大型カートリッジホルダー位置決めピン
54 小型、大型カートリッジホルダー位置決め用板バネ
55 第1の位置決め用切欠き
56 第2の位置決め用切欠き
60 小型ディスクカートリッジ位置決めピン
61 小型ディスクカートリッジ位置決め用突起
62 小型カートリッジホルダー位置決め台
63 小型カートリッジホルダー位置決めピン
67 大型ディスクカートリッジ位置決めピン
68 大型ディスクカートリッジ位置決め台
71 小型ディスクカートリッジ挿入ガイド
73 小型ディスクカートリッジ呼び込み用ガイド面
75 大型ディスクカートリッジ逃げ面
81 小型ディスクカートリッジのシャッター開閉機構
84 シャッターオープナー
90 ロックアーム
91 トグルバネ
97 シャッター開閉用駆動ピン
98 小型ディスクカートリッジの被係合部
99 シャッターオープナーの係合部
101 大型ディスクカートリッジのシャッター開閉機構
102 シャッター開閉用ラック
104 シャッター開閉用幅広ギア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録及び/又は再生用の大小2種類のディスクが個別に収納された大小2種類のディスクカートリッジをこれらに共通の大型カートリッジホルダーを用いてベースユニット上のスピンドルモーターのターンテーブルと記録及び/又は再生手段とに選択的にローディングする大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置であって、
前記大型カートリッジホルダー内の前記大型ディスクカートリッジの挿入空間のほぼ中央位置に前記小型ディスクカートリッジが挿入される小型カートリッジホルダーが設けられ、
該小型カートリッジホルダー内に前記小型ディスクカートリッジを挿入、保持してローディングすることにより、該小型ディスクカートリッジ内の小型ディスクを、前記ベースユニット上にローディングされる前記大型ディスクカートリッジ内の大型ディスクと同様に、前記ベースユニット上のスピンドルモーターのセンターへローディングするように構成され、
前記小型ディスクカートリッジは、前記カートリッジホルダー内に設けられた小型カートリッジガイド手段によって案内されて前記小型カートリッジホルダー内に挿入されるように構成された
ことを特徴とする大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置。
【請求項2】
前記小型カートリッジガイド手段は前記大型カートリッジホルダー上に上下動自在に保持され、
該小型カートリッジガイド手段は、該大型カートリッジホルダー内に前記大型ディスクカートリッジが挿入される際には、付勢手段に抗して該大型ディスクカートリッジの外方へ逃げるように構成された
ことを特徴とする請求項1に記載の大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置。
【請求項3】
前記小型カートリッジガイド手段は挿入される前記小型ディスクカートリッジの両側を案内するように左右一対設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置。
【請求項4】
前記小型カートリッジガイド手段には挿入される前記大型ディスクカートリッジに対して逃げるためのガイド面が形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置。
【請求項5】
前記小型カートリッジガイド手段は前記大型カートリッジホルダーに固定された板バネの先端に固着されている
ことを特徴とする請求項1に記載の大小2種類のディスクカートリッジのローディング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2006−31836(P2006−31836A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−210045(P2004−210045)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】