説明

学習用映像と学習用プログラムとを記録した記録媒体

【課題】記録媒体がDVD再生装置にセットされたときには学習用映像のみが読み出されてテレビジョン受像機に再生でき、コンピュータにセットされたときには学習用プログラムが自動実行され、操作し易いコンピュータ操作学習用の表示が行われるようにする。
【解決手段】記録媒体に、アプリケーションプログラムの操作を学習するための学習用映像と、コンピュータによって実行可能な学習用プログラムとを記録しており、DVD再生装置にセットされたときにはDVD再生装置が学習用映像を読み出し可能とし、コンピュータにセットされたときにはコンピュータが学習用プログラムを読み出して実行可能とする。学習用プログラムは、コンピュータの表示手段に対してメイン画面と操作画面を表示し、メイン画面においては学習用映像の再生画面とアプリケーション画面とが切替え可能なように表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ操作を学習するための学習用映像と学習用プログラムとを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ(以下、単に「コンピュータ」という。)で実行されるワープロソフトや表計算ソフト等のアプリケーションプログラムの操作を学習するためのビデオソフト等が販売されている。この種の学習用ビデオソフトには、コンピュータディスプレイに表示される画面が映像として録画されており、アプリケーションプログラムを起動してから所定の書類が出来上がるまでの一連の操作をナレーションと共に記録している。従って、初心者はこの学習用ビデオソフトをテレビジョン受像機に接続したビデオ再生装置にセットして再生することにより、テレビジョン受像機に表示される映像を見ながら、アプリケーションプログラムのコンピュータ操作を学習することができる。しかしながら、ビデオソフトの場合には、テレビジョン受像機とコンピュータを別々の部屋に設置していると、実際にコンピュータ操作を行いながら学習用映像を見ることができず、学習の際に別々の部屋を頻繁に行き来しなければならないという煩わしさがある。
【0003】
ところで近年はDVD(Digital Versatile Disc)再生装置が普及しており、DVDに記録された映像を一般家庭のテレビジョン受像機に再生表示できるようになってきている。またDVD読取装置を内蔵したコンピュータも普及しており、コンピュータディスプレイに、DVDに記録された映像を表示できるようになっている。そのため、従来の学習用ビデオソフトとして提供されていた学習用映像を、DVDに記録して提供することにより、テレビジョン受像機だけでなく、コンピュータディスプレイでも学習用映像を表示することができるようになり、コンピュータディスプレイに表示される学習用映像の再生画面とアプリケーションプログラムのアプリケーション画面とを切り替えることによって、学習用映像を見た後その場で実際に操作の練習を行えるという利点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、DVDに学習用映像を記録しただけでは、コンピュータにおいて学習用映像の再生画面とアプリケーションプログラムのアプリケーション画面とを切り替えながら学習を進める場合、映像再生プログラムとアプリケーションプログラムをそれぞれ個別に起動させる必要があると共に、画面切替え操作を手動で行うことが必要になる。そのため、コンピュータの初心者がDVDに記録された学習用映像を見ながらアプリケーションプログラムの操作練習を行おうとする場合、事前にアプリケーションプログラムの起動方法と、手動による画面切替え方法を習得しておく必要がある。
【0005】
またアプリケーション画面を最前面に切り替えた場合であっても、アプリケーション画面の裏側で学習用映像の再生が継続していることがあり、次に再生画面に切替えたときには既に学習用映像の再生が終了していることがある。この場合、学習用映像をどこまで見たのかが判らなくなり、アプリケーション画面に切替えた時点の続きを見たい場合には学習用映像を最初から再生しなければならない。また画面切替え時に、誤って一方のプログラムの終了操作を行ってしまう可能性もある。従って、DVDに学習用映像を記録しただけでは、アプリケーションの起動操作や画面の切替え操作が煩雑であり、特にコンピュータの初心者にとっては操作性が悪いという問題ある。
【0006】
そこで本発明は、DVD等の記録媒体に、アプリケーションプログラムの操作を学習するための学習用映像と、コンピュータによって実行可能な学習用プログラムとを記録し、テレビジョン受像機に接続されたDVD再生装置にセットされたときには学習用映像のみが読み出されてテレビジョン受像機に再生表示できるようにすると共に、コンピュータのDVD読取装置にセットされたときには学習用プログラムが自動実行され、操作し易いコンピュータ操作学習用の表示がなされるようにした記録媒体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明が解決手段として採用したところは、アプリケーションプログラム(AP)の操作を学習するための学習用映像(14)と、コンピュータ(4)によって実行可能な学習用プログラム(17)とを記録した記録媒体であって、前記学習用映像はテレビジョン受像機に接続されるDVD再生装置(3)が自動アクセス可能なフォルダ(10)に格納されており、前記記録媒体が前記DVD再生装置(3)にセットされたときに、前記DVD再生装置(3)が前記学習用映像(14)を読み出して再生することが可能であり、前記コンピュータ(4)は、DVD読取装置(6)と、操作入力手段(7)と、表示手段(8)とを備え、前記アプリケーションプログラム(AP)が予めインストールされた構成であり、前記学習用プログラム(17)は、前記コンピュータ(4)によって自動実行されるように設定されており、前記記録媒体が前記DVD読取装置(6)にセットされたときに、前記コンピュータ(4)が前記学習用プログラム(17)を読み出して実行するように構成されており、前記学習用プログラム(17)は、前記コンピュータ(4)を、前記学習用映像(14)を読み出して再生する映像再生手段(25)、前記アプリケーションプログラム(AP)を読み出して実行するアプリケーション実行手段(26)、前記映像再生手段(25)によって再生される前記学習用映像(14)の再生画面と、前記アプリケーション実行手段(26)によって表示されるアプリケーション画面とを択一的に選択して前記表示手段(8)の一部の領域にメイン画面(F1)として表示させるメイン画面表示手段(27)、前記メイン画面表示手段(27)における前記再生画面と前記アプリケーション画面を切替操作するための操作画面(F2)を前記表示手段(8)の前記メイン画面(F1)とは異なる領域に表示させる操作画面表示手段(28)、および、前記操作入力手段(7)からの入力に基づいて前記メイン画面表示手段(27)を制御し、前記メイン画面(F1)の表示を前記再生画面と前記アプリケーション画面とで切り替える制御手段(29)として機能させると共に、前記メイン画面(F1)に前記アプリケーション画面が表示されているときには、前記アプリケーション実行手段(26)が前記操作入力手段(7)からの入力に応じて前記アプリケーションプログラム(AP)に基づく処理を行い、前記アプリケーション画面に反映させるようにした点にある。
【0008】
上記構成の記録媒体によれば、記録媒体がDVD再生装置にセットされたときには、DVD再生装置が学習用映像を読み出して再生することができると共に、記録媒体がコンピュータのDVD読取装置にセットされたときには、コンピュータが学習用プログラムを読み出して自動実行することができる。そして学習用プログラムがコンピュータにおいて自動実行されたときには、表示手段にメイン画面と操作画面が表示され、操作画面に対する操作を行うことにより、メイン画面の表示を学習用映像の再生画面とアプリケーションプログラムのアプリケーション画面とで切り替えることができるようになっている。
【0009】
また上記記録媒体において、前記学習用プログラムによって機能する前記制御手段(29)は、前記メイン画面(F1)における表示を前記再生画面から前記アプリケーション画面に切替える際に前記映像再生手段(25)による前記学習用映像(14)の再生を一時停止させ、前記アプリケーション画面から前記再生画面に切替える際に前記映像再生手段(25)による前記学習用映像(14)の再生を前記一時停止位置から再開させることが好ましい。この場合、メイン画面における表示を再生画面からアプリケーション画面に切替える際、ユーザは学習用映像の再生を一時停止させるための操作を行う必要がなく、操作性が向上する。
【0010】
また上記記録媒体に記録された前記学習用映像(14)は時系列に分割された複数の項目(P1,P2,…,Pn)から成り、前記記録媒体には、前記学習用映像(14)の各項目に対応して操作内容を説明するテキストデータ(19)が格納されており、前記学習用プログラムによって機能する前記操作画面表示手段(28)は、前記映像再生手段(25)によって再生中の項目に対応する前記テキストデータ(19)を読み出して前記操作画面(F2)に表示すると共に、前記映像再生手段(25)による再生が一時停止した場合にも前記テキストデータ(19)に基づく表示を継続させることが好ましい。この場合、メイン画面にアプリケーション画面を表示させた状態でアプリケーションプログラムの操作練習を行う際、操作画面において表示が継続されるテキストデータに基づく表示を参照できる。
【0011】
また上記記録媒体において、前記学習用プログラムによって機能する前記操作画面表示手段(28)は、前記操作画面(F2)において前記複数の項目(P1,P2,…,Pn)の一覧表示(33)を行うと共に、前記映像再生手段(25)によって再生中である項目の項目表示(32)を行うことが好ましい。この場合、操作画面に表示される一覧表示と、再生中である項目の項目表示とを参照することにより、ユーザは現在の学習進捗状況を把握できる。
【0012】
また上記記録媒体において、前記学習用プログラムによって機能する前記制御手段(29)は、前記複数の項目(P1,P2,…,Pn)の一覧表示(33)の中から、前記操作入力手段(7)を介して一の項目が選択された場合に、当該一の項目が再生されるように前記映像再生手段(25)を制御することが好ましい。この場合、ユーザが学習したい項目を選んでその項目の学習を行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る学習用映像と学習用プログラムとを記録した記録媒体によれば、テレビジョン受像機に接続されたDVD再生装置にセットされたときには学習用映像のみが読み出されてテレビジョン受像機に学習用映像が表示され、コンピュータのDVD読取装置にセットされたときには学習用プログラムが自動実行され、コンピュータの表示手段には操作し易いコンピュータ操作学習用の表示が行われる。すなわち、表示手段にはメイン画面と操作画面とが表示され、操作画面に対して操作を行うことにより、メイン画面の表示を学習用映像の再生画面とアプリケーションプログラムのアプリケーション画面とで切り替えることができるようになり、コンピュータの初心者であっても簡単な操作で学習用映像の再生画面とアプリケーション画面を切り替えることができる。このときメイン画面の切替えは、学習用プログラムによって機能する制御手段の命令によって行われるので、誤ってアプリケーションプログラムを終了させてしまうこともない。またコンピュータによって自動実行される学習用プログラムは、コンピュータを映像再生手段及びアプリケーション実行手段として機能させるので、ユーザは手動操作で映像再生プログラムやアプリケーションプログラムを起動する必要はなく、操作性が向上する。
【0014】
またメイン画面における表示を再生画面からアプリケーション画面に切替える際、映像再生手段による学習用映像の再生を一時停止させると共に、アプリケーション画面から再生画面に切替える際、映像再生手段による学習用映像の再生を一時停止位置から再開させることにより、ユーザは学習用映像の再生を一時停止させるための操作を行う必要がなく、操作性が更に向上する。
【0015】
また学習用映像は時系列に分割された複数の項目から成り、記録媒体には学習用映像の各項目に対応して操作内容を説明するテキストデータが格納されており、操作画面表示手段が、映像再生手段で再生中の項目に対応するテキストデータを読み出して操作画面に表示すると共に、映像再生手段による再生が一時停止した場合にもそのテキストデータに基づく表示を継続させることにより、ユーザはメイン画面にアプリケーション画面を表示させた状態でアプリケーションプログラムの操作練習を行う際に、操作画面のテキストデータに基づく表示を参照でき、操作内容を把握し易いという利点がある。
【0016】
また操作画面表示手段が、操作画面において学習用映像に含まれる複数の項目の一覧表示を行うと共に、映像再生手段によって再生中である項目の項目表示を行うことにより、ユーザは操作画面に表示される一覧表示と、再生中である項目の項目表示とを参照することにより、アプリケーションプログラムの操作に関する学習の進捗状況を把握できる。
【0017】
また学習用映像に含まれる複数の項目の一覧表示の中から、操作入力手段を介して一の項目が選択された場合に、制御手段が、当該一の項目が再生されるように映像再生手段を制御することにより、ユーザが学習したい項目を選んでその項目の映像を見ることができ、学習効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。図1は本発明の記録媒体1の利用態様を示す図である。記録媒体1は、コンピュータのアプリケーションプログラムの操作を学習するための学習用映像と、コンピュータによって実行可能な学習用プログラムとをDVDフォーマットで記録した記録媒体である。この記録媒体1は、図1に示す如く、テレビジョン受像機2に接続されるDVD再生装置3が学習用映像を読み出すことができるように構成されると共に、コンピュータ4が記録データを読み出すことができるように構成される。
【0019】
コンピュータ4は、コンピュータ本体5と、コンピュータ本体5に内蔵されたDVD読取装置6と、キーボード7a及びマウス7bから成る操作入力手段7と、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等から成る表示装置8とを備えている。またコンピュータ4は学習用映像と共に記録されたナレーション等の音声を発生させるために更にスピーカーを備えたものであることが好ましい。尚、図例ではコンピュータ4はデスクトップ型のコンピュータである場合を示しているが、ノート型のコンピュータであっても構わない。
【0020】
記録媒体1がテレビジョン受像機2に接続されるDVD再生装置3に対してセットされたときにはDVD再生装置3が学習用映像を読み出して再生し、テレビジョン受像機2に対して学習用映像を表示する。また記録媒体1がコンピュータ4にセットされたときにはコンピュータ4が学習用プログラムを自動実行するように構成される。
【0021】
図2は記録媒体1に記録されるデータ構造を示す図であり、図3は記録媒体1に記録される学習用映像A、チャプター情報A、セクション情報A及びテキストデータAの関係を示す図である。図2に示すように、記録媒体1には映像用フォルダ10と音声用フォルダ11とプログラム用フォルダ12が設けられ、各映像用フォルダ10にはMPEG2フォーマット等のDVD再生装置3で読取・再生可能なフォーマットで記録されたメニュー映像13及び学習用映像14が格納されると共に、学習用映像14に対応付けられたチャプター情報15が格納されている。図例では、学習用映像14として、学習用映像A、学習用映像B及び学習用映像Cが格納されており、学習用映像A〜Cのそれぞれに対応してチャプター情報A〜Cが格納されている。学習用映像A〜Cはそれぞれ学習テーマに基づいて編集されたセクション毎に構成されており、例えば学習用映像Aは基本操作編、学習用映像Bは応用操作編、学習用映像Cは実践編のように構成され、学習用映像A〜Cを全て見ることによりアプリケーションプログラムに関する一定レベルの操作を学習することができるようになっている。また図3に示すように、学習用映像Aは学習テーマの進行度合いに応じて時系列に分割した複数の項目(項目P1〜Pn)から成り、これに対応するチャプター情報Aは各項目の先頭アドレスを指定する情報(チャプターC1〜Cn)を含む情報である。従って、チャプター情報Aを参照することにより、学習用映像Aを各項目の先頭にジャンプさせることができる。尚、メニュー映像13は学習用映像A〜Cのうち再生する学習用映像をユーザが選択可能とするためのセクション選択画面を表示する映像である。
【0022】
実施例では学習用映像A〜Cがそれぞれ別ファイルで格納されている場合を例示しているが、これらを一つのファイルで構成しても良い。また学習用映像A〜Cには操作内容を解説するナレーション等の音声データが含まれる。尚、本実施例では音声用フォルダ11には何も格納していない。また映像用フォルダ10の名称を、DVD再生装置3が自動アクセス可能な名称(例えば、図2の如く「VIDEO TS」等)に設定しておくことにより、記録媒体1をDVD再生装置3にセットしたとき、DVD再生装置3が映像用フォルダ10に対して自動アクセスし、そこに格納されたメニュー映像13及び学習用映像14を読み出して再生できるようになる。
【0023】
記録媒体1の最上位(ルートディレクトリ)には、「Autorun.inf」等で定義された自動実行情報16と、コンピュータ4によって実行可能な学習用プログラム17と、学習用プログラム17が参照するセクション情報18が格納される。自動実行情報16には、学習用プログラム17を実行する命令が記述される。また自動実行情報16には学習用プログラム17にアクセスするための任意のパスを設定することができるので、必ずしも学習用プログラム17は記録媒体1の最上位に記録しておく必要はない。またセクション情報18も記録媒体1の最上位に記録しておく必要はなく、プログラム用フォルダ12に格納しておいても良い。セクション情報18は、学習用映像A〜Cに対応するセクション情報A〜Cを有しており、学習用映像の時系列に分割された各項目に対応する項目名がテキスト形式で格納されている。例えば、図3に示すようにセクション情報Aには、学習用映像Aの項目1に対応して「用紙設定」、項目2に対応して「入力」、項目3に対応して「文字列の選択」、・・・、項目nに対応して「保存」という項目名が格納されている。
【0024】
プログラム用フォルダ12には、学習用プログラム17が参照するテキストデータ19が記録されている。テキストデータ19は、学習用映像A〜Cに対応するテキストデータA〜Cを有しており、学習用映像の時系列に分割された項目毎に、操作内容を解説する説明文がテキスト形式で格納されている。例えば、図3に示すようにテキストデータAには、学習用映像Aの項目1に対応して「余白の縦を○○、横を○○に設定しましょう。・・・・・。」というように操作内容を解説する説明文が格納される。同様に、学習用映像Aの項目2、3、・・・、nに対応して各項目における操作内容を解説する説明文がテキスト形式で格納される。尚、このテキストデータ19は学習用映像14に含まれるナレーション等の音声データをテキストデータ化したものであっても良い。
【0025】
上記データ構造を有する記録媒体1はテレビジョン受像機2に接続されるDVD再生装置3に対してセットされたとき、DVD再生装置3が映像用フォルダ10に自動アクセスし、そこに格納されたメニュー映像13、学習用映像14及びチャプター情報15を読み出して再生するので、テレビジョン受像機2の全画面に対して学習用映像が表示される。そしてDVD再生装置3のリモコン3a等を操作することにより、メニュー映像から任意のセクションを選択して再生できると共に、学習用映像を任意のチャプターに進めることができる。
【0026】
これに対して、記録媒体1をコンピュータ4にセットしたときには、コンピュータ4が自動実行情報16に基づいて学習用プログラム17を自動実行し、DVD再生装置3が再生する学習用映像の表示態様とは異なった表示態様で、表示装置8に対して操作性し易いコンピュータ操作学習用の表示が行われる。
【0027】
図4はコンピュータ4の詳細構成を示す図である。コンピュータ4は、上述のDVD読取装置6の他、コンピュータ本体5の内部に、プログラムを実行するCPU20、操作入力手段7からの入力を受け付ける入力受付部21、表示装置8に表示用の画像を出力する表示出力部22、CPU20がプログラムを実行する際に一時的にデータを格納するためのメモリ23、及びオペレーティングシステムOSとアプリケーションプログラムAPが予めインストールされた磁気ディスク装置24を備えている。アプリケーションプログラムAPは特に限定するものではないが、例えばワープロソフト、表計算ソフト、電子メールソフト等のアプリケーションプログラムであり、記録媒体1による操作学習の対象となるアプリケーションプログラムである。尚、DVD読取装置6には記録媒体1に記録されたデータを読み出す読出部6aが設けられており、この読出部6aはCPU20からの指令に応じて記録媒体1からデータを読み出してCPU20に出力するように構成されている。
【0028】
コンピュータ4のDVD読取装置6に記録媒体1を入れてセットすると、コンピュータ4はオペレーティングシステムOSの機能により、図5のフローチャートに沿った処理を実行する。DVD読取装置6に記録媒体1を入れてセットすると(ステップS1)、CPU20が記録媒体1のルートディレクトリを検索し、自動実行情報16が格納されているか否かを調べる。本実施形態の記録媒体1は、上述のようにルートディレクトリに自動実行情報16を格納しているので、CPU20がその自動実行情報16を取得する(ステップS2)。次にCPU20は自動実行情報16に記述された命令に従い、記録媒体1に記録された学習用プログラム17を読み出して実行する(ステップS3)。そしてコンピュータ4において学習用プログラム17は起動状態となる(ステップS4)。従って、ユーザはコンピュータ4のDVD読取装置6に対して記録媒体1をセットするだけで、学習用プログラム17を起動することができる。このようにコンピュータ4に記録媒体1をセットすると、オペレーティングシステムOSは記録媒体1をコンピュータプログラムが記録された記録媒体として認識し、学習用プログラム17を自動実行するので、学習用プログラム17とは異なる独立した映像再生プログラムが自動で起動することはない。
【0029】
図6は学習用プログラム17の起動状態で、CPU20により実現される機能を示すブロック図であり、図7は学習用プログラム17の起動状態における表示装置8の表示画面を示す図である。CPU20は学習用プログラム17を実行することにより、映像再生部25、アプリケーション実行部26、メイン画面表示部27、操作画面表示部28、および制御部29として機能する。
【0030】
映像再生部25は、記録媒体1の映像用フォルダ10に記録されたメニュー映像13、学習用映像14及びチャプター情報15を読み出して学習用映像A〜Cを再生し、その映像をメイン画面表示部27に出力する。また映像再生部25は学習用映像14の再生中の項目に対応するチャプター情報15をメモリ23の第一格納部23aに格納し、再生の進行に伴ってそのチャプター情報を逐次更新していくと共に、学習用映像14の再生を一時停止するときにはその一時停止位置を第二格納部23bに格納する。また更に、映像再生部25は再生中の項目に対応するチャプター情報15を操作画面表示部28に出力する。
【0031】
アプリケーション実行部26は、磁気ディスク装置24にインストールされたアプリケーションプログラムAPを読み出して実行する処理部であり、アプリケーション実行部26が表示するアプリケーション画面をメイン画面表示部27に出力する。
【0032】
メイン画面表示部27は、図7に示すように表示装置8の一部の領域にメイン画面F1を表示する。図例では表示装置8の全画面の上部から中央部に対してメイン画面F1を配置した場合を示している。メイン画面表示部27は、映像再生部25によって再生される学習用映像14の再生画面と、アプリケーション実行部26によって表示されるアプリケーション画面とを択一的に選択して表示装置8のメイン画面F1に対して表示する。
【0033】
操作画面表示部28は、図7に示すように表示装置8の残部の領域に操作画面F2を表示する。図例ではメイン画面F1の下の領域に対して操作画面F2を配置した場合を示している。また操作画面表示部28は、記録媒体1に記録されたセクション情報18を取得するように構成されており、映像再生部25から入力する再生中のチャプター情報15に基づいて現在再生中のセクション及び項目を特定し、操作画面F2に対して再生中のセクションに含まれる複数の項目の一覧及び再生中の項目を表示する。また操作画面表示部28は、記録媒体1に記録されたテキストデータ19を取得して再生中の項目に対応した説明文を操作画面F2に表示する。操作画面F2には、メイン画面F1に表示される学習用映像の進行状態を表示するインジケータ31、再生中の項目を表示する項目表示欄32、再生中のセクションに含まれる複数の項目の一覧を表示する一覧表示欄33、再生中の項目に対応した説明文を表示するインフォメーション表示欄34が表示される。また操作画面F2には、ユーザが操作するためのボタンとして、学習用映像の巻き戻し操作や停止操作、再生操作、早送り操作等を行うための映像操作ボタン35、メイン画面F1の学習用映像をメニュー映像に戻すためのメニューボタン36、学習用プログラム17の実行を終了するための終了ボタン37、音量を操作するための音量ボタン38、アプリケーションプログラムAPがデフォルト設定の格納場所にインストールされていない場合にその格納場所を指定するためのオプションボタン39、インフォメーション表示欄34に説明文を表示させるためのボタン40、及び、メイン画面F1で再生中の学習用映像を一時停止させ、メイン画面F1の表示を学習用映像の再生画面からアプリケーション画面に切り替えるための学習ボタン41が表示される。
【0034】
制御部29は、操作入力手段7からの入力に基づいて、映像再生部25、アプリケーション実行部26、メイン画面表示部27及び操作画面表示部28を制御するように構成される。例えば、学習ボタン41が操作されたときには、映像再生部25に対して映像の再生を一時停止させる命令を出力し、メイン画面表示部27に対してメイン画面F1の表示を再生画面からアプリケーション画面に切り替える命令を出力する。そしてアプリケーション実行部26を機能させる。このとき、アプリケーションプログラムAPが起動状態にない場合には、アプリケーション実行部26に対してアプリケーションプログラムAPの起動を命令する。そしてメイン画面F1にアプリケーション画面を表示させた後、メイン画面F1に対してユーザが何らかの操作を行った場合には、その入力信号がアプリケーション実行部26に導かれるように制御する。これにより、アプリケーション実行部26は、アプリケーションプログラムAPに従ってユーザの入力操作に基づく処理を行い、アプリケーション画面に反映させる。そのため、ユーザは、メイン画面F1に表示されたアプリケーション画面に対する直接の操作が可能になり、アプリケーションプログラムAPに関する実際の操作の練習を行えるようになる。
【0035】
また制御部29は、メイン画面F1にアプリケーション画面が表示されている場合であっても、操作画面F2に対してユーザが何らかの操作を行った場合には、その入力信号に基づいた処理を行い、映像再生部25、アプリケーション実行部26、メイン画面表示部27又は操作画面表示部28を制御する。例えば、メイン画面F1にアプリケーション画面が表示されているとき、ユーザが映像操作ボタン35に含まれる再生ボタンを押した場合には、制御部29は映像再生部25に対して再生指示を与えると共に、メイン画面表示部27に対してメイン画面F1の表示をアプリケーション画面から学習用映像の再生画面に切り替える命令を出力する。そしてメイン画面F1に学習用映像の再生画面を表示させた後、メイン画面F1に対してユーザが何らかの操作を行ったとしても、その入力信号をアプリケーション実行部26に導かないように制御する。
【0036】
図8はコンピュータ4が学習用プログラム17を起動した後、コンピュータ4において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。学習用プログラム17が実行されると、CPU20において制御部29が機能し、その制御部29の制御下で更にメイン画面表示部27及び操作画面表示部28が機能して表示装置8に対してメイン画面F1と操作画面F2を表示する(ステップS10)。制御部29は映像再生部25を機能させ、記録媒体1の映像用フォルダ10からメニュー映像13を読み出し、そのメニュー映像をメイン画面F1に表示させる(ステップS11,S12)。制御部29は、メニュー映像として表示されるセクション選択画面において、再生するセクションの選択が行われたか否かを判定し(ステップS13)、操作入力手段7を介してセクションの選択が行われればステップS14に進む。そして制御部29が映像再生部25に命令することにより、映像再生部25は映像用フォルダ10から指定されたセクションの学習用映像14を読み出す(ステップS14)。また操作画面表示部28は指定されたセクションに対応するセクション情報18とテキストデータ19を読み出す(ステップS15)。そして映像再生部25は学習用映像14の再生を開始する(ステップS16)。このとき、映像再生部25は、学習用映像14の再生中の項目に対応するチャプター情報15をメモリ23の第一格納部23aに格納すると共に、操作画面表示部28に対して出力する。尚、メモリ23に格納されるチャプター情報15は学習用画像14の再生進行に伴い、適宜更新されていく。そして操作画面表示部28はセクション情報18に基づいて操作画面F2の一覧表示欄33に対して再生中のセクションに含まれる複数の項目の一覧を表示する(ステップS17)。また操作画面表示部28は再生中の項目名を項目表示欄32に対して表示すると共に、学習用画像14の再生進行に伴ってその項目表示を逐次更新していく(ステップS18)。更に操作画面表示部28は、再生中の項目に対応するアプリケーションプログラムの操作に関する説明文をインフォメーション表示欄34に対して表示すると共に、学習用画像14の再生進行に伴ってその説明文の表示を逐次更新していく(ステップS19)。
【0037】
映像再生部25は指定されたセクションに対応する学習用映像の再生が終了したか否かを判定し(ステップS20)、再生が終了した場合には次のセクションがあるか否かを判定する(ステップS21)。そして次のセクションがある場合には、映像再生部25が次のセクションを自動指定し(ステップS22)、ステップS14以降の処理を繰り返す。これに対して次のセクションが存在せず、学習用映像14の最後まで再生が終了した場合にはステップS11に戻り、映像再生部25は記録媒体1からメニュー映像13を読み出し、そのメニュー映像をメイン画面F1に表示させる。
【0038】
記録媒体1をコンピュータ4にセットしたときには、以上のような処理により、表示装置8にメイン画面F1と操作画面F2が表示され、メイン画面1において学習用映像14の再生画面が表示される。この処理中においては、制御部29は操作入力手段7から何らかの入力があるか否かを常に監視しており、操作画面F2の各ボタン35〜41に対する操作が行われた場合には、割込処理としてそれらボタン操作に応じた処理を実行する。例えば、学習用映像の巻き戻しや早送り操作等、映像操作ボタン35に対する操作が行われた場合にはその操作に対応する処理を行うように映像再生部25に命令すると共に、メニューボタン36が操作された場合には任意のステップからステップS11に処理をスキップさせてメニュー映像をメイン画面F1に表示させる。また操作画面F2の一覧表示欄33に表示される複数の項目の一覧表示のうちからひとつの項目が選択される操作が行われた場合には、その選択された項目に対応するチャプター情報15を取得し、学習用映像の再生画面を選択された項目にジャンプさせる。また終了ボタン37が操作された場合には、学習用映像の再生を終了させると共に、学習用プログラム17の実行を終了させる。
【0039】
次に、学習ボタン41が操作された場合の割込処理について説明する。学習ボタン41が操作されると、メイン画面F1の表示が学習用映像の再生画面からアプリケーション画面に切り替わり、ユーザはメイン画面F1に表示されるアプリケーション画面に対して操作を行うことができるようになる。図9は学習ボタン41がクリック操作された場合の割込処理を示すフローチャートである。制御部29は、操作画面F2の学習ボタン41が操作されたことを検知すると、図8の任意のステップから図9のステップS30に処理を進める。そして学習用映像を再生中であるか否かを判断し(ステップS30)、再生中である場合にはその学習用映像の再生を一時停止させると共に、その一時停止位置をメモリ23に格納する(ステップS31)。尚、学習用映像が再生中でない場合にはステップS30からステップS32に進む。
【0040】
そして制御部29はアプリケーション実行部26を機能させる。アプリケーション実行部26はアプリケーションプログラムAPが既に起動しているか否かを判定し(ステップS32)、起動していない場合には磁気ディスク装置24からアプリケーションプログラムAPを読み出して起動する(ステップS33)。そして制御部29はメイン画面表示部27に対してメイン画面F1の表示を学習用映像の再生画面からアプリケーション実行部26が出力するアプリケーション画面に切り替えるように命令する。この命令に応答してメイン画面表示部27は例えばアプリケーション画面をメイン画面F1の最前面に設定することにより、メイン画面F1の表示をアプリケーション画面に切り替える(ステップS34)。メイン画面F1にアプリケーション画面が表示されると、メイン画面F1に対してユーザが操作を行った場合、その操作情報はアプリケーション実行部26に入力する。そしてアプリケーション実行部26は操作入力手段7から入力された操作に基づいてアプリケーションプログラムAPで規定された処理を行い、アプリケーション画面に反映させる(ステップS35)。したがって、ユーザはメイン画面F1に表示されるアプリケーション画面に対して任意の操作が行えるようになり、メイン画面F1でのアプリケーションプログラムAPの操作練習が行える。
【0041】
以上のような割込処理により、ユーザが例えば学習用映像を一定時間見た後、学習用映像から学んだ操作を実際に練習したい場合には、学習ボタン41をクリック操作するだけで、学習用映像の再生が一時停止されると共に、メイン画面F1の表示が再生画面からアプリケーション画面に切替えられ、メイン画面F1においてアプリケーションプログラムAPの操作練習が可能になるので、初心者であっても画面の切替え操作を簡単に行うことができ、アプリケーションプログラムAPの操作練習を効率良く行える。また操作画面表示部28は、学習用映像の再生が一時停止してからも、操作画面F2のインジケータ31、項目表示欄32、一覧表示欄33、インフォメーション表示欄34の表示をそのままの状態で継続するので、メイン画面F1の表示をアプリケーション画面に切替えた後にも、ユーザはインフォメーション表示欄34に表示される操作内容の説明文を参照しながらアプリケーションプログラムAPの操作練習を行うことができる。そのため、初心者であってもスムーズに操作練習を進めていくことができ、効率的な学習が行える。
【0042】
図9の割込処理を実行中、制御部29は操作画面F2に対して何らかの入力があるか否かを常に監視しており、操作画面F2における特定のボタンに対する操作が行われた場合には、更なる割込処理としてそれらボタン操作に応じた処理を実行する。例えば、終了ボタン37が操作された場合には、アプリケーション実行部26に対してアプリケーションプログラムAPの実行を終了するように命令すると共に、アプリケーションプログラムAPが終了した後には学習用プログラム17の実行を終了させる。また一時停止中の学習用映像の再生指示が行われた場合には、メイン画面F1の表示をアプリケーション画面から学習用映像の再生画面に切替え、一時停止した学習用映像の再生を再開させる。
【0043】
図10は学習用映像の再生指示が与えられた場合の割込処理を示すフローチャートである。制御部29は、操作画面F2において学習用映像の再生ボタンが操作されたことを検知すると、図8及び図9の任意のステップから図10のステップS40に処理を進める。但し、図8のフローチャートにおいて学習用映像が既に再生中である場合には、再生ボタンの操作は無視され、図10の処理は行わない。
【0044】
図10の割込処理を開始すると、制御部29は、まずアプリケーションプログラムAPが起動中であるか否かを判断し(ステップS40)、起動中である場合にはメイン画面表示部27に対してメイン画面F1の表示をアプリケーション画面から学習用映像の再生画面に切り替えるように命令する。この命令に応答してメイン画面表示部27は例えばアプリケーション画面をメイン画面F1の最背面に設定することにより、メイン画面F1の表示を学習用映像の再生画面に切り替える(ステップS41)。尚、アプリケーションプログラムAPが起動していない場合はステップS40からS42に進む。またアプリケーションプログラムAPは起動しているが、メイン画面F1において既にアプリケーション画面が最背面に設定されている場合には、ステップS41の処理は省略することができる。
【0045】
そして制御部29は学習用映像の再生が一時停止中であるか否かを判断し(ステップS42)、一時停止中でない場合にはメイン画面F1にメニュー映像から表示すべく、図8のフローチャートのステップS11に処理を進める。これに対し、学習用映像の再生が一時停止中である場合には、映像再生部25に対して一時停止位置からの再生を再開するように命令する。そして映像再生部25は、メモリ23に格納した一時停止位置を読み出し(ステップS43)、その一時停止位置から学習用映像の再生を再開する(ステップS44)。その後、図8のフローチャートのステップS18に処理を進め、メイン画面F1に学習用映像の再生画面を表示すると共に、学習用映像の再生進行に伴って操作画面F2に表示される再生中の項目表示欄32やインフォメーション表示欄34を逐次更新していく。
【0046】
図10の処理により、学習用映像の再生が一時停止中である場合には、映像再生部25が学習用映像の再生を再開する際、一時停止した位置から再生を再開するので、ユーザは前回の再生の続きから学習用映像を見ることができる。そのため、例えばユーザが学習用映像を一定時間見てからメイン画面F1をアプリケーション画面に切替えてアプリケーションプログラムAPの操作練習を行った後、再び学習用映像の再生画面を見るときには、学習用映像の再生を指示するだけで、アプリケーション画面に切替えた時点の続きから学習用映像を見ることができる。
【0047】
以上説明した記録媒体1は、アプリケーションプログラムAPの操作を学習するための学習用映像14と、コンピュータ4によって実行可能な学習用プログラム17とを記録しており、そのうち学習用映像14はテレビジョン受像機2に接続されるDVD再生装置3が自動アクセス可能な映像用フォルダ10に格納されている。そのため、記録媒体1がDVD再生装置3にセットされたときには、DVD再生装置3が学習用映像14を自動で読み出して再生することが可能である。また学習用プログラム17は、記録媒体1のルートディレクトリに格納された自動実行情報16によりコンピュータ4が自動で読み出して実行できるように設定されている。そのため、記録媒体1がコンピュータ4のDVD読取装置6にセットされたときには、コンピュータ4が学習用プログラム17を自動で読み出して実行することが可能である。
【0048】
この記録媒体1に記録された学習用プログラム17は、コンピュータ4において実行されると、表示装置8に対してメイン画面F1と操作画面F2とを表示させると共に、メイン画面F1には学習用映像14の再生画面と、アプリケーションプログラムAPのアプリケーション画面とを択一的に選択して表示させ、操作画面F2にはメイン画面F1における学習用映像14の再生画面とアプリケーション画面とを切替操作するためのボタンなどを表示させる。そしてメイン画面F1に学習用映像14の再生画面が表示されているときには、ユーザに対してアプリケーションプログラムAPの操作を学習するための学習用映像を提供するので、ユーザはメイン画面F1の学習用映像を見ることによりアプリケーションプログラムAPの操作を学ぶことができる。このときメイン画面F1の表示は、記録媒体1がDVD再生装置3にセットされたときにテレビジョン受像機2に映し出される表示と同じである。これに対し、メイン画面F1にアプリケーション画面が表示されているときには、アプリケーション実行部26が操作入力手段7からの入力に応じてアプリケーションプログラムAPに基づく処理を行い、その処理結果をメイン画面F1のアプリケーション画面に反映させるので、ユーザはメイン画面F1のアプリケーション画面の表示を見ながらアプリケーションプログラムAPの操作の練習を行うことができる。
【0049】
したがって、記録媒体1をコンピュータ4にセットする場合には、ユーザ自身が、映像再生プログラムとアプリケーションプログラムをそれぞれ個別に起動させるための手動操作を行う必要がなく、コンピュータの初心者であっても簡単にアプリケーションプログラムAPに関する操作の学習を始めることができる。またメイン画面F1の表示を再生画面とアプリケーション画面とで切替えるためには、ユーザは操作画面F2に対して所定のボタンをクリックするなど簡単な操作を行うだけで良いので、操作が簡単であり、特にコンピュータの初心者にとっては操作し易いユーザインタフェースとなっている。
【0050】
またメイン画面F1における表示を学習用映像14の再生画面からアプリケーション画面に切替える際には、映像再生部25による学習用映像14の再生を自動で一時停止させると共に、アプリケーション画面から再び再生画面に切替える際には、映像再生部25による学習用映像14の再生を一時停止させた位置から再開させるので、ユーザ自身が一時停止操作を行う必要はなく、この点においても操作性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る記録媒体の一利用態様を示す図である。
【図2】記録媒体に記録されるデータ構造を示す図である。
【図3】記録媒体に記録される学習用映像、チャプター情報、セクション情報及びテキストデータの関係を示す図である。
【図4】コンピュータの詳細構成を示す図である。
【図5】記録媒体をコンピュータにセットしたときに、コンピュータによって実行される処理手順を示すフローチャートである。
【図6】学習用プログラムを実行することによりコンピュータにおいて実現される機能を示すブロック図である。
【図7】学習用プログラムの起動状態でのコンピュータの表示装置における表示画面を示す図である。
【図8】コンピュータが学習用プログラムを起動した後、コンピュータにおいて行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】学習ボタンがクリック操作された場合の割込処理を示すフローチャートである。
【図10】学習用映像の再生指示が与えられた場合の割込処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
1 記録媒体
2 テレビジョン受像機
3 DVD再生装置
4 コンピュータ
6 DVD読取装置
7 操作入力手段
8 表示装置(表示手段)
10 映像用フォルダ
14 学習用映像
15 チャプター情報
16 自動実行情報
17 学習用プログラム
18 セクション情報
19 テキストデータ
20 CPU
25 映像再生部
26 アプリケーション実行部
27 メイン画面表示部
28 操作画面表示部
29 制御部
32 項目表示欄
33 一覧表示欄
34 インフォメーション表示欄
41 学習ボタン
F1 メイン画面
F2 操作画面
AP アプリケーションプログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションプログラム(AP)の操作を学習するための学習用映像(14)と、コンピュータ(4)によって実行可能な学習用プログラム(17)とを記録した記録媒体であって、
前記学習用映像はテレビジョン受像機に接続されるDVD再生装置(3)が自動アクセス可能なフォルダ(10)に格納されており、前記記録媒体が前記DVD再生装置(3)にセットされたときに、前記DVD再生装置(3)が前記学習用映像(14)を読み出して再生することが可能であり、
前記コンピュータ(4)は、DVD読取装置(6)と、操作入力手段(7)と、表示手段(8)とを備え、前記アプリケーションプログラム(AP)が予めインストールされた構成であり、
前記学習用プログラム(17)は、前記コンピュータ(4)によって自動実行されるように設定されており、前記記録媒体が前記DVD読取装置(6)にセットされたときに、前記コンピュータ(4)が前記学習用プログラム(17)を読み出して実行するように構成されており、
前記学習用プログラム(17)は、前記コンピュータ(4)を、
前記学習用映像(14)を読み出して再生する映像再生手段(25)、
前記アプリケーションプログラム(AP)を読み出して実行するアプリケーション実行手段(26)、
前記映像再生手段(25)によって再生される前記学習用映像(14)の再生画面と、前記アプリケーション実行手段(26)によって表示されるアプリケーション画面とを択一的に選択して前記表示手段(8)の一部の領域にメイン画面(F1)として表示させるメイン画面表示手段(27)、
前記メイン画面表示手段(27)における前記再生画面と前記アプリケーション画面を切替操作するための操作画面(F2)を前記表示手段(8)の前記メイン画面(F1)とは異なる領域に表示させる操作画面表示手段(28)、および、
前記操作入力手段(7)からの入力に基づいて前記メイン画面表示手段(27)を制御し、前記メイン画面(F1)の表示を前記再生画面と前記アプリケーション画面とで切り替える制御手段(29)として機能させると共に、
前記メイン画面(F1)に前記アプリケーション画面が表示されているときには、前記アプリケーション実行手段(26)が前記操作入力手段(7)からの入力に応じて前記アプリケーションプログラム(AP)に基づく処理を行い、前記アプリケーション画面に反映させることを特徴とする学習用映像と学習用プログラムとを記録した記録媒体。
【請求項2】
前記制御手段(29)は、前記メイン画面(F1)における表示を前記再生画面から前記アプリケーション画面に切替える際には前記映像再生手段(25)による前記学習用映像(14)の再生を一時停止させ、前記アプリケーション画面から前記再生画面に切替える際には前記映像再生手段(25)による前記学習用映像(14)の再生を前記一時停止位置から再開させることを特徴とする請求項1記載の学習用映像と学習用プログラムとを記録した記録媒体。
【請求項3】
前記学習用映像(14)は時系列に分割された複数の項目(P1,P2,…,Pn)から成り、
前記記録媒体には、前記学習用映像(14)の各項目に対応して操作内容を説明するテキストデータ(19)が格納されており、
前記操作画面表示手段(28)は、前記映像再生手段(25)によって再生中の項目に対応する前記テキストデータ(19)を読み出して前記操作画面(F2)に表示すると共に、前記映像再生手段(25)による再生が一時停止した場合にも前記テキストデータ(19)に基づく表示を継続させることを特徴とする請求項1又は2記載の学習用映像と学習用プログラムとを記録した記録媒体。
【請求項4】
前記操作画面表示手段(28)は、前記操作画面(F2)において前記複数の項目(P1,P2,…,Pn)の一覧表示(33)を行うと共に、前記映像再生手段(25)によって再生中である項目の項目表示(32)を行うことを特徴とする請求項3記載の学習用映像と学習用プログラムとを記録した記録媒体。
【請求項5】
前記制御手段(29)は、前記複数の項目(P1,P2,…,Pn)の一覧表示(33)の中から、前記操作入力手段(7)を介して一の項目が選択された場合に、当該一の項目が再生されるように前記映像再生手段(25)を制御することを特徴とする請求項4記載の学習用映像と学習用プログラムとを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−286918(P2008−286918A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130324(P2007−130324)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(507159924)株式会社マジカルビット (1)
【Fターム(参考)】