安否確認システム、安否確認方法
【課題】対象者がメッセージを聞き逃さない位置で音声を再生する。
【解決手段】装置内に人感センサ、制御部、ネットワーク接続部を持ち、POP動作にてメールを受信する装置において、人感センサの反応をトリガにメールを受信して、受信した内容を音声に変換し、再生する。人感センサ部が対象者の動作を検知すると、制御部は、その検知情報をメモリに溜めると共にネットワーク部を利用してメールのPOP受信を行う。メールサーバから取得したINDEX(索引)の中に、特定のSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールをメモリ部へ保存し、制御部は、音声再生部を利用して、メモリに保存したメールの内容を読み上げる。
【解決手段】装置内に人感センサ、制御部、ネットワーク接続部を持ち、POP動作にてメールを受信する装置において、人感センサの反応をトリガにメールを受信して、受信した内容を音声に変換し、再生する。人感センサ部が対象者の動作を検知すると、制御部は、その検知情報をメモリに溜めると共にネットワーク部を利用してメールのPOP受信を行う。メールサーバから取得したINDEX(索引)の中に、特定のSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールをメモリ部へ保存し、制御部は、音声再生部を利用して、メモリに保存したメールの内容を読み上げる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安否確認システムに関し、特に一人暮らしの遠隔地居住者の安否確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化や核家族化、都心集中型の傾向があり、一人暮らしの高齢者が増え続けている。また、夫婦のいずれか片方の単身赴任や、家族が居住する地域外への通勤・通学のために一人暮らしを始める子弟等も従来より多数存在している。
【0003】
このような背景があり、家族と離れて暮らしている高齢者等の遠隔地居住者が、日常生活を普通に過ごしているか否か、別居している家族が電子メール等で確認できる装置の開発が進んでいる。なお、電子メールには、SMS(Short Message Service)で送受信される文字メッセージも含まれる。
【0004】
関連する技術として、特許文献1(特開2004−005375号公報)にモニタリングシステムが開示されている。このモニタリングシステムは、所定の検知エリアを有し当該検知エリア内の人体の動きを検知する行動検知センサ(sensor)と、行動検知センサの検知信号の履歴情報を記憶する記憶部、及び、外部からの送信要求信号に応じて記憶部に記憶された履歴情報を外部へ出力する通信部を具備した監視装置と、監視装置に送信要求信号を出力して監視装置から履歴情報を取得し、取得した履歴情報を電子メールのフォーマットに変換してメールサーバに出力するセンタ装置と、メールサーバから履歴情報を含む電子メールを受信する受信部及び受信した電子メールの内容を表示する表示部を具備した携帯電話とで構成される。
【0005】
同様に、特許文献2(特開2002−342864号公報)にモニタリングシステムが開示されている。このモニタリングシステムは、所定の検知エリアを有し当該検知エリア内の人体の動きを検知する行動検知センサと、行動検知センサの出力信号の履歴情報を記憶し、送信要求に応じて履歴情報を外部へ出力する監視装置と、監視装置から出力された履歴情報を受信し、受信した履歴情報を表示部に表示させる携帯電話とを備え、監視装置は、履歴情報を外部へ出力する際に、履歴情報を電子メールのフォーマットに変換して電子メールで送信する。
【0006】
しかしながら、上記の各関連技術においては、次のような課題がある。
【0007】
例えば、送られてきたセンサの反応結果を見て、観測者が対象者と連絡を取りたくなった場合、一般的に観測者は電話にて連絡を取ることが推測されるが、この場合、対象者が家の中の、しかも電話に気付ける位置にいないと電話が繋がらないという欠点があり、連絡をしても行き違いになることがある。
【0008】
上記の課題の対処法として、いわゆる留守録と呼ばれている、10秒程度のメッセージを録音できる機能を備えた電話機もあるが、特に高齢者の場合、操作がわからないことや、留守録が残っていることに気付かない事が往々としてあり、思うように連絡が取れないことがある。
【0009】
更に、関連する技術として、特許文献3(特開2003−076643号公報)に通信端末装置および通信端末装置を適用した駅運転指令システムが開示されている。この関連技術では、通信端末装置が、指令メールを入力し、テキストメールとして送信する指令メール送信手段と、受信したテキストメールを蓄積するメール蓄積手段と、メール蓄積手段から周期的に蓄積されたテキストメールを受信し、受信したテキストメールに指示メールのフラグが設定されている場合には、合成音声変換を施して音声指令を自動再生する指令通知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
しかし、上記の関連技術の場合は、メールは一度メール蓄積手段に蓄積され、それを周期的に指令通知手段が確認し、蓄積されているメールに所定のフラグが設定されていれば音声指令を自動再生する構成となっている。すなわち、所定の周期で、蓄積されているメールをまとめて確認し、確認した時点で、メールに所定のフラグが設定されていれば自動再生の処理に移行する構成となっているため、音声を再生する装置の周辺に、音声を聞かせたい相手(対象者)がいるかいないか確認することは意図されていない。よって、音声でメッセージを再生しても、音声を聞かせたい相手(対象者)に伝わらないという可能性が考えられる。
【0011】
また、特許文献4(特開2002−314613号公報)に電子メール自動転送システムが開示されている。この関連技術では、通信端末器から、特定のイベント情報によって特定された転送トリガ条件を、所定のルールに従って、電子メールに付加して通信ネットワーク上に配置された通信サーバ装置に送信し、通信サーバ装置では、上記電子メールを上記転送トリガ条件とともに受信し、登録し、上記転送トリガ条件に含まれているイベント情報が上記転送トリガ条件を満たすかどうかを監視しながら、その転送トリガ条件が成立したときには、上記転送トリガ条件に従って、対応した電子メールを、対応した転送先の通信端末器に自動転送することを特徴とする、通信ネットワーク上で電子メールを自動転送する。
【0012】
しかし、上記の関連技術の場合は、メール内容は、通信端末器(携帯電話機)に自動的に送られるので、その時に、充電中等の理由で通信端末器を所持していない場合や、バッテリー切れで通信端末器を使用できない場合、他の行動中で通信端末器を操作できない状況にある場合、或いは、マナーモード等の設定によりメールに気付かない場合、メッセージを見逃してしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2004−005375号公報
【特許文献2】特開2002−342864号公報
【特許文献3】特開2003−076643号公報
【特許文献4】特開2002−314613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の安否確認システムは、対象者が正常に日常生活を行っているかの情報を知るためのものである。
【0015】
主な使用シーンとしては、別居している家族が、離れて暮らしている特に一人暮らしの対象者の生活状況を把握するための手段として、対象者宅に、本発明に係る簡易式安否確認装置(対象者側の通信装置)を設置する。
【0016】
本発明に係る簡易式安否確認装置は、対象者が当該装置へ接近、又は当該装置の近傍を通過した際に人感センサが反応するので、その反応の時間や回数をメモリ13に貯え、観測者側にメールで通知する。観測者は、そのメールを見て対象者の安否を確認する。
【0017】
この結果を見て観測者が対象者と連絡を取りたくなった場合、一般的に観測者は電話にて連絡を取ることが推測されるが、この場合、対象者が家の中の、しかも電話に気付ける位置にいないと電話が繋がらないという欠点があった。
【0018】
その対処法として、いわゆる留守録と呼ばれている、10秒程度のメッセージを録音できる機能を備えた電話機もあるが、特に高齢者の場合、操作がわからないことや、留守録が残っていることに気付かない事が往々としてあり、思うように連絡が取れないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の安否確認システムは、対象者が利用する第1の通信装置と、観測者が利用し、第1の通信装置に対して、所定のキーワードが件名に付加されたメールを送信する第2の通信装置と、第1の通信装置と第2の通信装置との間で送受信されるメールを蓄積するメールサーバとを含む。第1の通信装置は、対象者を検知するための検出部と、対象者が検知された際の検知情報を蓄積する記憶部と、任意の時刻に、蓄積された検知情報を第2の通信装置に通知する通知部と、対象者が検知された際に、メールサーバからメールの索引を取得するメール受信部と、メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する制御部とを具備する。なお、第1の通信装置と第2の通信装置は、同じ構成でも良い。
【0020】
本発明の安否確認方法では、対象者が利用する第1の通信装置において、対象者を検知し、対象者が検知された際の検知情報を蓄積し、任意の時刻に、蓄積された検知情報を、観測者が利用する第2の通信装置に通知する。また、第2の通信装置において、所定のキーワードをメールの件名に付加し、第1の通信装置に対して、当該メールを送信する。また、メールサーバにおいて、第1の通信装置と第2の通信装置との間で送受信されるメールを蓄積する。また、第1の通信装置において、対象者が検知された際に、メールサーバからメールの索引を取得し、メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する。
【0021】
本発明のプログラムは、対象者を検知するステップと、対象者が検知された際の検知情報を蓄積するステップと、任意の時刻に、蓄積された検知情報を、観測者が利用する外部の通信装置に通知するステップと、対象者が検知された際に、外部の通信装置から送信されたメールの索引を取得するステップと、メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認するステップと、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生するステップとを計算機に実行させるためのプログラムである。なお、本発明のプログラムは、記憶装置や記憶媒体に格納することが可能である。
【発明の効果】
【0022】
対象者がメッセージを聞き逃さない位置で音声を再生できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態における安否確認システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る通信装置の外観構造の一例を示す図である。
【図3A】本発明に係る安否確認方法の手順を示すフローチャートである。
【図3B】本発明に係る安否確認方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る通信装置を親機と子機に分離した事例を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態における安否確認システムの構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施形態における安否確認システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
ここでは、在宅状況を監視される側(高齢者、子弟、その他の遠隔地居住者等)を「対象者」と呼ぶ。また、対象者の安否を確認する側(別居している家族等)を「観測者」と呼ぶ。
【0025】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態における安否確認システムは、対象者側通信装置(第1の通信装置)10と、観測者側通信装置(第2の通信装置)20を含む。
【0026】
対象者側通信装置10は、対象者が利用する通信装置である。対象者側通信装置10は、簡易式安否確認装置として使用される。また、観測者側通信装置20は、観測者が利用する通信装置である。対象者側通信装置10と観測者側通信装置20は、ネットワーク100を介して互いに通信可能である。
【0027】
対象者側通信装置10は、制御部11と、人感センサ12と、メモリ13と、ネットワーク接続部14と、音声再生部15と、ボタン操作部16を備える。
【0028】
制御部11は、人感センサ12が対象者の動作を検知すると、その検知情報をメモリ13に溜める(蓄積する)。ここでは、検知情報として、検出データと時刻データの組合せを想定している。
【0029】
例えば、破線で示した対象者の動線のように、対象者が人感センサ12の検知エリア内に侵入(接近/横断)すると、人感センサ12が動作し、制御部11に検出データを伝達する。制御部11は、人感センサ12からの検出データを、内部でカウントしている時刻データに関連付けて、検知情報としてメモリ13に蓄積する。なお、人感センサ12の検知エリアは、対象者が音声再生部15からの音声を聞き取れる範囲(可聴エリア)であると好適である。
【0030】
例えば、メモリ13には、1日の時間を1時間毎、30分毎等に区切った領域が割り当てられている。人感センサ12が反応すると、検出を表す信号が制御部11に届き、制御部11が認識する信号のレベルの「High」と「Low」が切り替わる。制御部11は、人感センサ12から検出を表す信号を受信すると、メモリ13に対し、検出時間に相当する領域に、検出を表す信号に基づく検出データを格納する。或いは、メモリ13には、1日の時間を1時間毎、30分毎等に区切った領域毎に変数を用意しておき、制御部11は、人感センサ12から検出を表す信号を受信すると、メモリ13に対し、検出時間に相当する変数をインクリメント(increment)するようにしても良い。
【0031】
なお、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)等のカメラを別途設置し、人感センサ12と当該カメラを連動させ、人感センサ12が対象者の動作を検知した際に、カメラにて対象者の写真を撮影し、写真の画像データを検出データ及び時刻データに関連付けて、検知情報としてメモリ13に蓄積するようにしても良い。
【0032】
同時に、制御部11は、ネットワーク接続部14を利用して、メールのPOP受信を行い、ネットワーク100上のメールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。
【0033】
制御部11は、取得したINDEX(索引)の中に、特定のSUBJECT(件名)のメールがあるか確認する。制御部11は、特定のSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールをメモリ13へ保存する。このとき、制御部11は、SUBJECT(件名)の代わりに、特定の送信元アドレス(観測者のメールアドレス)のメールがあるか確認するようにすることも考えられる。
【0034】
なお、特定のSUBJECT(件名)とは、所定のキーワードが付加されたSUBJECT(件名)のことである。キーワードの例としては、「安否確認」といった特定の文言や、観測者が任意に決定した不規則な文字列(文字、数字、記号を含む)等が考えられる。キーワードは、迷惑メールや間違いメールと区別可能な文字列であれば好適である。
【0035】
また、SUBJECT(件名)におけるキーワードの入力位置は、文頭、文末、或いは先頭から所定の文字数目から任意の文字数分(例えば、先頭から5文字目から4文字分)等のように指定できるようにしても良い。このとき、対象者側通信装置10は、メールを受信した際、SUBJECT(件名)を参照し、予め決められた入力位置にある文字列が所定のキーワードと一致すれば、そのメールをメモリ13へ保存する。
【0036】
また、キーワードは、対象者側通信装置10に対する命令(コマンド)として使用されるものでも良い。例えば、音声再生用のキーワードの他に、対象者側通信装置10の設定変更用のキーワードを用意しても良い。設定変更の内容としては、人感センサ12による検出の時間間隔の変更、観測者側通信装置20へのメール送信時刻(メモリ13からの検知情報の読取時刻)の変更、メール送信先アドレスの追加や変更等が考えられる。
【0037】
制御部11は、音声再生部15を利用して、メモリ13に保存したメールの内容を読み上げる。ここでは、制御部11は、メモリ13に保存したメールの本文の内容を音声に変換して再生し、音声再生部15から音声を出力する。無論、ディスプレイ等の表示装置を別途設置し、音声の再生と同時に、メールの本文の内容を表示装置に表示するようにしても良い。
【0038】
制御部11は、一定時間内に、ボタン操作部16への操作(ボタン押下)があった場合、押下されたボタンに応じた処理を行う。なお、ボタン操作に伴う処理を行わない場合、ボタン操作部16は無くても良い。
【0039】
図2に、対象者側通信装置の外観構造の一例を示す。
ボタン操作部16は、取消ボタン161と、緊急通報ボタン162を備える。
【0040】
取消ボタン161は、対象者が音声再生中のメールの内容をメモリから消去するために押下するボタンである。
【0041】
制御部11は、対象者が取消ボタン161を押下したことを検知することで、音声再生中のメール内容をメモリから消去する。制御部11は、一定時間が経過しても取消ボタンが押下されなかった場合は、対象者が音声再生の内容に気付かなかったものと判断し、次回の人感センサ12の反応時に、再度メールの本文の内容を音声に変換して再生する。
【0042】
緊急通報ボタン162は、対象者が観測者に緊急通報を通知するために押下するボタンである。
【0043】
制御部11は、対象者が緊急通報ボタン162を押下したことを検知することで、ネットワーク接続部14を利用して、観測者に緊急通報を通知する。例えば、制御部11は、緊急通報を、メモリ13の別領域に記憶されている観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知するようにしても良い。この場合、緊急通報の内容は、予めメモリ13の別領域に記憶されているものとする。また、観測者側通信装置20は、緊急通報の通知を受けて、通知内容を音声に変換して自動的に再生するようにしても良い。或いは、緊急通報の通知に応じて、警報(アラーム)やBeep音を発生するようにしても良い。
【0044】
また、緊急通報ボタン162の近傍にカメラを別途設置し、緊急通報ボタン162とカメラを連動させ、緊急通報ボタン162が押下された際に、カメラにて対象者の写真を撮影し、緊急通報と共に当該写真の画像データを、メモリ13の別領域に記憶されている観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知するようにしても良い。
【0045】
[本人確認]
なお、取消ボタン161及び緊急通報ボタン162は、指紋認証・静脈認証等の生体認証を行うための読取機能を有していても良い。また、取消ボタン161及び緊急通報ボタン162の近傍にカメラを設置して顔認証・虹彩認証を行うようにすることや、カメラの代わりにマイクを設置して音声認証を行うようにすることも考えられる。これにより、制御部11は、取消ボタン161及び緊急通報ボタン162が押下された際に、対象者の本人確認を行うことが可能になる。この場合、制御部11は、対象者本人と認証した場合のみ、押下されたボタンに応じた処理を行う。
【0046】
[ハードウェアの例示]
対象者側通信装置10及び観測者側通信装置20の例として、IP電話機(IP phone)、PC(パソコン)、アプライアンス(appliance)、固定電話機、携帯電話機、インターホン、ドアホン、カーナビ(カーナビゲーションシステム)、携帯型ゲーム機、家庭用ゲーム機、ガジェット(電子機器)、双方向テレビ、デジタルチューナー、デジタルレコーダー、情報家電(information home appliance)、OA(Office Automation)機器等が考えられる。また、対象者側通信装置10及び観測者側通信装置20は、計算機に接続される拡張ボードや周辺機器、或いは、物理マシン上に構築された仮想マシン(Virtual Machine(VM))でも良い。更に、対象者側通信装置10及び観測者側通信装置20は、車両や船舶、航空機等の移動体に搭載されていても良い。
【0047】
制御部11の例として、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコントローラ、或いは、専用の機能を有する半導体集積回路(Integrated Circuit(IC))等が考えられる。
【0048】
人感センサ12の例として、焦電型赤外線センサを想定している。一般的に、人感センサ12は、赤外線、超音波、可視光等を用いて、人間の所在を検知するためのセンサである。
【0049】
メモリ13の例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置、又は、DVD(Digital Versatile Disk)等のリムーバブルディスクや、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等の記憶媒体(メディア)等が考えられる。
【0050】
ネットワーク接続部14の例として、ネットワーク通信に対応した基板(マザーボードやI/Oボード)等の半導体集積回路、NIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタや同様の拡張カード、アンテナ等の通信装置、接続口(コネクタ)等の通信ポート等が考えられる。
【0051】
また、ネットワーク接続部14が利用するネットワーク100の例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線LAN(Wireless LAN)、WAN(Wide Area Network)、バックボーン(Backbone)、ケーブルテレビ(CATV)回線、固定電話網、携帯電話網、WiMAX(IEEE 802.16a)、3G(3rd Generation)、専用線(lease line)、IrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth(登録商標)、シリアル通信回線、データバス等が考えられる。
【0052】
音声再生部15の例として、スピーカ等の音声出力装置を想定している。また、音声出力装置と共に、LED(Light Emitting Diode)等の発光装置、LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)等の表示装置、出力内容を用紙等に印刷するプリンタ等の印刷装置、又は、出力内容を壁やスクリーンに投影するプロジェクタ等の映写装置、或いは、外部の表示装置や記憶装置に情報を出力するためのインターフェース(I/F:interface)等を組み合わせることが考えられる。
【0053】
ボタン操作部16の例として、ボタンやタッチパネル(touch panel)等の入力装置を想定している。なお、ボタン操作部16は、キーボードやキーパッド、マウスで操作可能な画面上のキーパッド等でも良い。
【0054】
但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0055】
[動作の説明]
図3A、図3Bのフローチャートを使用して、通常状態の観測者側への通知手順、及び対象者側のメールの処理手順について説明する。
【0056】
(1)ステップS101
人感センサ12は、対象者が検知エリア内に侵入(接近/横断)した場合、対象者を検知する。
【0057】
(2)ステップS102
制御部11は、人感センサ12による対象者の検知があると、その検知情報をメモリ13に溜める。
【0058】
(3)ステップS103
制御部11は、任意の時刻(所定の時刻)になると、メモリ13に蓄積された対象者の過去数時間分の検知情報を読み取る。ここで、任意の時刻として、予め観測者がメールを貰いたい時間を指定することができる。例えば、8時と20時のように、複数の時間を設定できるようにすれば、情報通知メールの一日当りの受信回数も自由に選択することが可能となる。
【0059】
(4)ステップS104
制御部11は、読み取った検知情報をメールフォーマットに変換し、メモリ13の別領域に記憶されている観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知する。なお、制御部11は、メモリ13に蓄積された検知情報がない場合、人感センサ12による対象者の検知がない旨を示す未検知情報を用意し、この未検知情報をメールフォーマットに変換し、メモリ13の別領域に記憶されている観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知する。
【0060】
(5)ステップS105
観測者は、観測者側通信装置20で電子メールを受信し、電子メールにて通知された情報を見て、対象者の体調や生活環境について心配点があり、コメントをしたくなった場合には、対象者のメールアドレスへ電子メールを送信する。その際、観測者は、メールのSUBJECT(件名)に所定のキーワードを入力する。すなわち、観測者は、対象者のメールアドレスへ、所定のキーワードがSUBJECT(件名)のメールを送信する。
【0061】
(6)ステップS106
制御部11は、ネットワーク接続部14を利用して、メールのPOP受信を行い、ネットワーク100上のメールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。ここでは、制御部11は、人感センサ12による対象者の検知に応じて、メールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。すなわち、ステップS101の処理の後、ステップS102の処理と並行して、ステップS106の処理を開始する。この時点では、メールサーバ上にあるメールは、ステップS101での人感センサ12による対象者の検知の前(前回の検知時)に観測者から送信されたメールである。なお、ステップS101での人感センサ12による対象者の検知の後、対象者がその場に留まり、対象者の検知状態が継続している場合、ステップS105で観測者から送信された最新のメールも対象とすることができる。例えば、制御部11は、人感センサ12での対象者の検知状態が継続している限り、周期的にメールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。
(7)ステップS107
制御部11は、メールサーバから取得したINDEX(索引)の中に、所定のキーワードがSUBJECT(件名)のメールがあるか確認する。
【0062】
(8)ステップS108
制御部11は、所定のキーワードがSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールの本文の内容をメモリ13へ保存する。
【0063】
(9)ステップS109
制御部11は、メモリ13に保存されているメールがあるか確認する。
【0064】
(10)ステップS110
制御部11は、メモリ13に保存されているメールがある場合、履歴の古い順にメールの本文の内容を音声に変換して再生し、音声再生部15から出力し、対象者に通知する。なお、実際には、履歴の新しい順にメールの本文の内容を音声に変換して再生するようにしても良い。
【0065】
(11)ステップS111
制御部11は、メールの本文の内容を音声で再生した際、一定時間内(例えば、音声再生中)に取消ボタンが押下されたか確認する。
【0066】
(12)ステップS112
制御部11は、一定時間内に取消ボタンが押下された場合、音声再生中のメールの本文の内容をメモリ13から消去する。このとき、制御部11は、取消ボタンが押下された場合、一度でも再生された全てのメールの本文の内容をメモリ13から一括消去することを選択可能にしても良い。メールの件数によっては、一件ずつメールの本文の内容をメモリ13から消去するのは時間と手間がかかる場合があるためである。
【0067】
なお、制御部11は、メールの本文の内容を音声で再生した時間や、当該メールのSUBJECT(件名)又は本文の内容の一部(全部)、更に、一定時間内に取消ボタンが押下された場合には取消ボタンが押下された時間又は押下されたか否かを示す情報を、メール再生履歴としてメモリ13に貯えるようにしても良い。この場合、制御部11は、ステップS103、ステップS104で、検知情報を観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知する際に、検知情報と共にメール再生履歴をメールフォーマットに変換し、観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知する。
【0068】
また、制御部11は、取消ボタンが押下されなかったメールについては、一定期間(例えば、取得時から1ヵ月)の経過後に、自動的に当該メールの本文の内容をメモリ13から消去するようにしても良い。情報が古すぎるメールは、確認する必要性や重要度が低下するためである。この場合、制御部11は、取消ボタンが押下されることなく当該メールが消去された旨の情報をメールフォーマットに変換し、観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知するようにすると好適である。
【0069】
[本発明の特徴]
以上説明したように、本発明においては、以下に記載するような特徴を有する。
【0070】
本発明では、人感センサの検出(対象者の検知)をトリガに自動でメールの受信、音声再生を行うので、対象者がメッセージを逃さない位置(検知エリア内)で音声を再生できる。
【0071】
また、本発明では、人感センサの検出をトリガに自動でメールの受信、音声再生を行うので、一般的なPOPメール受信で実施されている、一定時間間隔でメール受信を行う場合と比べて、観測者の送信したメールをよりロスなく、対象者に伝達できる。
【0072】
観測者からメールが届いた場合、本発明のメール受信方法を用いることで、人感センサが対象者を検出した時点で、メールの受信及び音声再生を行い、対象者にメッセージを伝えることができる。一方、一般的に実施されている時間間隔のPOP受信を行った場合、周期的にメールを受信し、次に対象者が装置周辺へ接近した時点でメッセージを伝えることになる。すなわち、メールを受信するタイミングと、メッセージを伝えるタイミングがずれることになる。
【0073】
また、本発明では、人感センサの検出をトリガに自動でメールの受信を行うので、一般的に実施されている一定時間間隔でメールの受信を行う場合と比べて、無駄な処理負荷及び消費電力の発生の抑制や、パケットの節約ができ、通信費の削減ができる。これは、一定時間間隔で受信をする場合は、夜中や外出時等、メールを受信しても処理(対象者に伝えることができない)ない時間であってもメールの到着確認を常に実施するので、無駄な処理負荷や消費電力が発生し、パケットの増加により通信費がかさむが、本発明では、メールを処理(対象者に通知)できる状態であることを検知した上で、初めて受信を行うため、効率良くメール受信ができる。
【0074】
また、本発明では、人感センサの検出をトリガに自動でメールの受信、音声再生を行うので、対象者は何も操作しなくてもメッセージを聞ける。
【0075】
また、本発明では、人感センサの検出をトリガにして自動的にメールの受信、音声再生を行うので、メッセージを伝える方式を音声再生のみに特化し、メールを自動削除するようにすれば、装置はディスプレイや複数のボタン等を用意しなくても済むため、低コストで装置を製造できる。
【0076】
また、本発明では、SUBJECT(件名)で受信メールにフィルタ(filter)をかけるので、対象者にとって必要な情報だけを自動で選択し、再生することができる。
【0077】
[センサの変更例]
なお、上記の例では、人感センサとして焦電型赤外線センサを挙げたが、超音波センサやマイクロ波センサ等でも良い。また、対象者が装置に接触したことを検出する方式を採用する場合には、触感センサ、衝撃センサ、振動センサ等でも良い。また、対象者が装置を移動させたことを検出する方式を採用する場合には、加速度センサや傾斜センサ等でも良い。実際には、これらのセンサの組み合わせでも良い。
【0078】
[対象者側通信装置を親機と子機に分離]
また、図4のように、対象者側通信装置10について、人感センサを無線化して子機として独立させ、親機と子機の関係にすることもできる。この場合、メールの内容は親機側のメモリに格納することとする。それにより、複数の子機と親子関係を持たせても、人感センサの反応があった子機に対して音声メッセージを流すことができる。具体的には、無線部を通してメモリ13に溜めた内容を子機に伝えることで、子機でメールの内容を再生する。
【0079】
図4では、対象者側通信装置10は、親機10Aと、子機10Bを含む。
【0080】
親機10Aは、制御部11Aと、メモリ13Aと、ネットワーク接続部14Aと、無線部17Aを備える。
【0081】
子機10Bは、制御部11Bと、人感センサ12Bと、音声再生部15Bと、ボタン操作部16Bと、無線部17Bを備える。
【0082】
制御部11A及び制御部11Bは、図1の制御部11に相当する。人感センサ12Bは、図1の人感センサ12に相当する。メモリ13Aは、図1のメモリ13に相当する。ネットワーク接続部14Aは、図1のネットワーク接続部14に相当する。音声再生部15Bは、図1の音声再生部15に相当する。ボタン操作部16Bは、図1のボタン操作部16に相当する。
【0083】
無線部17Aと無線部17Bは、互いに無線通信でデータの送受信を行う。ここでは、無線部17Aと無線部17Bの間の無線通信の例として、赤外線通信等の近距離無線通信を想定しているが、実際には、遠距離無線通信や、物理的な回線接続による近距離の有線通信であっても良い。
【0084】
子機10Bが複数である場合には、いずれかの子機10Bにおいて、人感センサ12Bが対象者を検知した時点で、制御部11Bが、無線部17Bを介して、親機10Aのメモリ13Aに保存されたメールを取得し、音声再生部15Bでの音声再生を行う。また、制御部11Bは、メールの本分の内容の音声再生中にボタン操作部16Bの取消ボタンが押下された場合には、親機10Aに対して、当該メールの本分の内容をメモリ13Aから消去する旨の要求を行う。親機10Aにおいて、制御部11Aは、子機10Bからのメールの消去要求に応じて、該当するメールの本分の内容をメモリ13Aから消去する。
【0085】
[固定メッセージの使用]
対象者側通信装置10のメモリ13に、決められた文言の固定メッセージと、所定の数字とを対応付けて用意しておく。これにより、観測者側通信装置20から、所定の数字がメールの本文又はSUBJECT(件名)に付加されたメールを受信することで、受信したメールの本文又はSUBJECT(件名)に付加された数字に対応した固定メッセージを音声再生することができるようになる。
【0086】
例えば、本文に「1」が入力されていると、「夜電話をします。」、「2」と入力されていると、「電話を下さい」等の固定メッセージを再生する。
【0087】
なお、この所定の数字は、観測者側通信装置20において、観測者が押下したボタンに割り当てられた数字でも良い。
【0088】
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態における「対象者」と「観測者」を入れ替える。すなわち、「対象者」と「観測者」の立場が逆転する。この場合、対象者側通信装置10と、観測者側通信装置20の役割が入れ替わり、対象者から観測者へのメッセージを観測者側で音声再生する。
【0089】
例えば、家族と離れて暮らしている高齢者等の遠隔地居住者の側も、別居している家族に対して確実にメッセージを伝えたい場合や、家族の安否を確認したい場合があると考えられる。本実施形態は、このような需要に応えるものである。
【0090】
図5を参照すると、本発明の第2実施形態における安否確認システムは、対象者側通信装置10と、観測者側通信装置20を含む。
【0091】
対象者側通信装置10は、対象者が利用する通信装置である。また、観測者側通信装置20は、観測者が利用する通信装置である。対象者側通信装置10と観測者側通信装置20は、ネットワーク100を介して互いに通信可能である。
【0092】
図5に示す対象者側通信装置10は、図1に示す観測者側通信装置20と同様である。
【0093】
本実施形態における観測者側通信装置20は、制御部21と、人感センサ22と、メモリ23と、ネットワーク接続部24と、音声再生部25と、ボタン操作部26を備える。
【0094】
図5に示す制御部21、人感センサ22、メモリ23、ネットワーク接続部24、音声再生部25、及びボタン操作部26は、基本的に、図1に示す制御部11、人感センサ12、メモリ13、ネットワーク接続部14、音声再生部15、及びボタン操作部16と同様である。
【0095】
制御部21は、人感センサ22が観測者の動作を検知すると、その検知情報をメモリ23に溜める。ここでは、検知情報として、検出データと時刻データの組合せを想定している。
【0096】
例えば、破線で示した観測者の動線のように、観測者が人感センサ22の検知エリア内に侵入(接近/横断)すると、人感センサ22が動作し、制御部21に検出データを伝達する。制御部21は、人感センサ22からの検出データを、内部でカウントしている時刻データに関連付けて、検知情報としてメモリ23に蓄積する。なお、人感センサ22の検知エリアは、観測者が音声再生部25からの音声を聞き取れる範囲(可聴エリア)であると好適である。
【0097】
同時に、制御部21は、ネットワーク接続部24を利用して、メールのPOP受信を行い、ネットワーク100上のメールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。
【0098】
制御部21は、取得したINDEX(索引)の中に、特定のSUBJECT(件名)のメールがあるか確認する。制御部21は、特定のSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールをメモリ23へ保存する。このとき、制御部21は、SUBJECT(件名)の代わりに、特定の送信元アドレス(対象者のメールアドレス)のメールがあるか確認するようにすることも考えられる。
【0099】
制御部21は、音声再生部25を利用して、メモリ23に保存したメールの内容を読み上げる。ここでは、制御部21は、メモリ23に保存したメールの本文の内容を音声に変換して再生し、音声再生部25から音声を出力する。無論、ディスプレイ等の表示装置を別途設置し、音声の再生と同時に、メールの本文の内容を表示装置に表示するようにしても良い。
【0100】
制御部21は、一定時間内に、ボタン操作部26への操作(ボタン押下)があった場合、押下されたボタンに応じた処理を行う。
【0101】
<第3実施形態>
以下に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせて、「対象者」と「観測者」が同じ構成の装置を利用するようにする。例えば、「家族」と、「離れて暮らしている高齢者等の遠隔地居住者」とが、互いに相手側の「観測者」となり、相手側からは「対象者」となる。すなわち、「対象者」と「観測者」は、対等の関係である。
【0102】
図6を参照すると、本発明の第3実施形態における安否確認システムは、対象者側通信装置10と、観測者側通信装置20を含む。
【0103】
対象者側通信装置10は、対象者が利用する通信装置である。また、観測者側通信装置20は、観測者が利用する通信装置である。対象者側通信装置10と観測者側通信装置20は、ネットワーク100を介して互いに通信可能である。
【0104】
対象者側通信装置10は、制御部11と、人感センサ12と、メモリ13と、ネットワーク接続部14と、音声再生部15と、ボタン操作部16を備える。
【0105】
図6に示す制御部11、人感センサ12、メモリ13、ネットワーク接続部14、音声再生部15、及びボタン操作部16は、基本的に、図1に示す制御部11、人感センサ12、メモリ13、ネットワーク接続部14、音声再生部15、及びボタン操作部16と同様である。
【0106】
観測者側通信装置20は、制御部21と、人感センサ22と、メモリ23と、ネットワーク接続部24と、音声再生部25と、ボタン操作部26を備える。
【0107】
図6に示す制御部21、人感センサ22、メモリ23、ネットワーク接続部24、音声再生部25、及びボタン操作部26は、基本的に、図1に示す制御部11、人感センサ12、メモリ13、ネットワーク接続部14、音声再生部15、及びボタン操作部16と同様である。
【0108】
<本発明の特徴>
本発明は、装置内に人感センサ、制御部、ネットワーク接続部を持ち、POP動作にてメールを受信する装置において、人感センサの反応をトリガにメールを受信して、受信した内容を音声に変換し、再生することを特徴としている。
【0109】
人感センサが対象者の動作を検知すると、制御部はその検知情報をメモリに溜めると共にネットワーク接続部を利用してメールのPOP受信を行う。
【0110】
メールサーバから取得したINDEX(索引)の中に、特定のSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールをメモリへ保存し、制御部は音声再生部を利用して、メモリに保存したメールの内容を読み上げる。
【0111】
本発明では、センサの反応があった際にPOP受信を行うことにより、パケット通信量の節約と、それによる通信費の削減を実現する。
【0112】
また、本発明では、センサの反応があった際にメールを確認し、音声メッセージを流すことにより、メッセージを伝えたい相手に確実に聞かせることができる。
【0113】
本発明を適用することで、見守り端末、モニタリングシステム、安否確認装置等と名づけられた介護用端末において、観測者側のメッセージを対象者に効率良く伝えることができる。
【0114】
観測者側は、メールにて気軽に対象者と連絡を取ることができる。
【0115】
また、人感センサの反応をトリガにしているので、不要なタイミングでのメール受信の通信費の削減ができ、煩わしい手順を要せず自動でメッセージを流すことができ、画面表示やボタン操作が不要の場合には、画面表示やボタン操作等に関する機構が要らず、製造コストを削減することができる。
【0116】
更に、本発明に係る通信装置では、ボタン操作を不要とし、センサの反応があった際にメールを自動的に確認し、音声メッセージに変換して再生するため、対象者は人間でなくても良い。例えば、ペットの飼い主等が、本発明に係る通信装置を介して、外出中に家に残してきたペットの様子を携帯端末等で確認し、音声メッセージによる特別な指示を行うような用途も考えられる。
【0117】
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
10… 対象者側通信装置
10A… 親機
10B… 子機
20… 観測者側通信装置
11、11A、21… 制御部
12、12B、22… 人感センサ
13、13A、23… メモリ
14、14A、24… ネットワーク接続部
15、15B、25… 音声再生部
16、16B、26… ボタン操作部
17A、17B… 無線部
【技術分野】
【0001】
本発明は、安否確認システムに関し、特に一人暮らしの遠隔地居住者の安否確認システムに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化や核家族化、都心集中型の傾向があり、一人暮らしの高齢者が増え続けている。また、夫婦のいずれか片方の単身赴任や、家族が居住する地域外への通勤・通学のために一人暮らしを始める子弟等も従来より多数存在している。
【0003】
このような背景があり、家族と離れて暮らしている高齢者等の遠隔地居住者が、日常生活を普通に過ごしているか否か、別居している家族が電子メール等で確認できる装置の開発が進んでいる。なお、電子メールには、SMS(Short Message Service)で送受信される文字メッセージも含まれる。
【0004】
関連する技術として、特許文献1(特開2004−005375号公報)にモニタリングシステムが開示されている。このモニタリングシステムは、所定の検知エリアを有し当該検知エリア内の人体の動きを検知する行動検知センサ(sensor)と、行動検知センサの検知信号の履歴情報を記憶する記憶部、及び、外部からの送信要求信号に応じて記憶部に記憶された履歴情報を外部へ出力する通信部を具備した監視装置と、監視装置に送信要求信号を出力して監視装置から履歴情報を取得し、取得した履歴情報を電子メールのフォーマットに変換してメールサーバに出力するセンタ装置と、メールサーバから履歴情報を含む電子メールを受信する受信部及び受信した電子メールの内容を表示する表示部を具備した携帯電話とで構成される。
【0005】
同様に、特許文献2(特開2002−342864号公報)にモニタリングシステムが開示されている。このモニタリングシステムは、所定の検知エリアを有し当該検知エリア内の人体の動きを検知する行動検知センサと、行動検知センサの出力信号の履歴情報を記憶し、送信要求に応じて履歴情報を外部へ出力する監視装置と、監視装置から出力された履歴情報を受信し、受信した履歴情報を表示部に表示させる携帯電話とを備え、監視装置は、履歴情報を外部へ出力する際に、履歴情報を電子メールのフォーマットに変換して電子メールで送信する。
【0006】
しかしながら、上記の各関連技術においては、次のような課題がある。
【0007】
例えば、送られてきたセンサの反応結果を見て、観測者が対象者と連絡を取りたくなった場合、一般的に観測者は電話にて連絡を取ることが推測されるが、この場合、対象者が家の中の、しかも電話に気付ける位置にいないと電話が繋がらないという欠点があり、連絡をしても行き違いになることがある。
【0008】
上記の課題の対処法として、いわゆる留守録と呼ばれている、10秒程度のメッセージを録音できる機能を備えた電話機もあるが、特に高齢者の場合、操作がわからないことや、留守録が残っていることに気付かない事が往々としてあり、思うように連絡が取れないことがある。
【0009】
更に、関連する技術として、特許文献3(特開2003−076643号公報)に通信端末装置および通信端末装置を適用した駅運転指令システムが開示されている。この関連技術では、通信端末装置が、指令メールを入力し、テキストメールとして送信する指令メール送信手段と、受信したテキストメールを蓄積するメール蓄積手段と、メール蓄積手段から周期的に蓄積されたテキストメールを受信し、受信したテキストメールに指示メールのフラグが設定されている場合には、合成音声変換を施して音声指令を自動再生する指令通知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
しかし、上記の関連技術の場合は、メールは一度メール蓄積手段に蓄積され、それを周期的に指令通知手段が確認し、蓄積されているメールに所定のフラグが設定されていれば音声指令を自動再生する構成となっている。すなわち、所定の周期で、蓄積されているメールをまとめて確認し、確認した時点で、メールに所定のフラグが設定されていれば自動再生の処理に移行する構成となっているため、音声を再生する装置の周辺に、音声を聞かせたい相手(対象者)がいるかいないか確認することは意図されていない。よって、音声でメッセージを再生しても、音声を聞かせたい相手(対象者)に伝わらないという可能性が考えられる。
【0011】
また、特許文献4(特開2002−314613号公報)に電子メール自動転送システムが開示されている。この関連技術では、通信端末器から、特定のイベント情報によって特定された転送トリガ条件を、所定のルールに従って、電子メールに付加して通信ネットワーク上に配置された通信サーバ装置に送信し、通信サーバ装置では、上記電子メールを上記転送トリガ条件とともに受信し、登録し、上記転送トリガ条件に含まれているイベント情報が上記転送トリガ条件を満たすかどうかを監視しながら、その転送トリガ条件が成立したときには、上記転送トリガ条件に従って、対応した電子メールを、対応した転送先の通信端末器に自動転送することを特徴とする、通信ネットワーク上で電子メールを自動転送する。
【0012】
しかし、上記の関連技術の場合は、メール内容は、通信端末器(携帯電話機)に自動的に送られるので、その時に、充電中等の理由で通信端末器を所持していない場合や、バッテリー切れで通信端末器を使用できない場合、他の行動中で通信端末器を操作できない状況にある場合、或いは、マナーモード等の設定によりメールに気付かない場合、メッセージを見逃してしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2004−005375号公報
【特許文献2】特開2002−342864号公報
【特許文献3】特開2003−076643号公報
【特許文献4】特開2002−314613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の安否確認システムは、対象者が正常に日常生活を行っているかの情報を知るためのものである。
【0015】
主な使用シーンとしては、別居している家族が、離れて暮らしている特に一人暮らしの対象者の生活状況を把握するための手段として、対象者宅に、本発明に係る簡易式安否確認装置(対象者側の通信装置)を設置する。
【0016】
本発明に係る簡易式安否確認装置は、対象者が当該装置へ接近、又は当該装置の近傍を通過した際に人感センサが反応するので、その反応の時間や回数をメモリ13に貯え、観測者側にメールで通知する。観測者は、そのメールを見て対象者の安否を確認する。
【0017】
この結果を見て観測者が対象者と連絡を取りたくなった場合、一般的に観測者は電話にて連絡を取ることが推測されるが、この場合、対象者が家の中の、しかも電話に気付ける位置にいないと電話が繋がらないという欠点があった。
【0018】
その対処法として、いわゆる留守録と呼ばれている、10秒程度のメッセージを録音できる機能を備えた電話機もあるが、特に高齢者の場合、操作がわからないことや、留守録が残っていることに気付かない事が往々としてあり、思うように連絡が取れないことがある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の安否確認システムは、対象者が利用する第1の通信装置と、観測者が利用し、第1の通信装置に対して、所定のキーワードが件名に付加されたメールを送信する第2の通信装置と、第1の通信装置と第2の通信装置との間で送受信されるメールを蓄積するメールサーバとを含む。第1の通信装置は、対象者を検知するための検出部と、対象者が検知された際の検知情報を蓄積する記憶部と、任意の時刻に、蓄積された検知情報を第2の通信装置に通知する通知部と、対象者が検知された際に、メールサーバからメールの索引を取得するメール受信部と、メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する制御部とを具備する。なお、第1の通信装置と第2の通信装置は、同じ構成でも良い。
【0020】
本発明の安否確認方法では、対象者が利用する第1の通信装置において、対象者を検知し、対象者が検知された際の検知情報を蓄積し、任意の時刻に、蓄積された検知情報を、観測者が利用する第2の通信装置に通知する。また、第2の通信装置において、所定のキーワードをメールの件名に付加し、第1の通信装置に対して、当該メールを送信する。また、メールサーバにおいて、第1の通信装置と第2の通信装置との間で送受信されるメールを蓄積する。また、第1の通信装置において、対象者が検知された際に、メールサーバからメールの索引を取得し、メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する。
【0021】
本発明のプログラムは、対象者を検知するステップと、対象者が検知された際の検知情報を蓄積するステップと、任意の時刻に、蓄積された検知情報を、観測者が利用する外部の通信装置に通知するステップと、対象者が検知された際に、外部の通信装置から送信されたメールの索引を取得するステップと、メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認するステップと、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生するステップとを計算機に実行させるためのプログラムである。なお、本発明のプログラムは、記憶装置や記憶媒体に格納することが可能である。
【発明の効果】
【0022】
対象者がメッセージを聞き逃さない位置で音声を再生できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態における安否確認システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る通信装置の外観構造の一例を示す図である。
【図3A】本発明に係る安否確認方法の手順を示すフローチャートである。
【図3B】本発明に係る安否確認方法の手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明に係る通信装置を親機と子機に分離した事例を説明するための図である。
【図5】本発明の第2実施形態における安否確認システムの構成例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3実施形態における安否確認システムの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
ここでは、在宅状況を監視される側(高齢者、子弟、その他の遠隔地居住者等)を「対象者」と呼ぶ。また、対象者の安否を確認する側(別居している家族等)を「観測者」と呼ぶ。
【0025】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態における安否確認システムは、対象者側通信装置(第1の通信装置)10と、観測者側通信装置(第2の通信装置)20を含む。
【0026】
対象者側通信装置10は、対象者が利用する通信装置である。対象者側通信装置10は、簡易式安否確認装置として使用される。また、観測者側通信装置20は、観測者が利用する通信装置である。対象者側通信装置10と観測者側通信装置20は、ネットワーク100を介して互いに通信可能である。
【0027】
対象者側通信装置10は、制御部11と、人感センサ12と、メモリ13と、ネットワーク接続部14と、音声再生部15と、ボタン操作部16を備える。
【0028】
制御部11は、人感センサ12が対象者の動作を検知すると、その検知情報をメモリ13に溜める(蓄積する)。ここでは、検知情報として、検出データと時刻データの組合せを想定している。
【0029】
例えば、破線で示した対象者の動線のように、対象者が人感センサ12の検知エリア内に侵入(接近/横断)すると、人感センサ12が動作し、制御部11に検出データを伝達する。制御部11は、人感センサ12からの検出データを、内部でカウントしている時刻データに関連付けて、検知情報としてメモリ13に蓄積する。なお、人感センサ12の検知エリアは、対象者が音声再生部15からの音声を聞き取れる範囲(可聴エリア)であると好適である。
【0030】
例えば、メモリ13には、1日の時間を1時間毎、30分毎等に区切った領域が割り当てられている。人感センサ12が反応すると、検出を表す信号が制御部11に届き、制御部11が認識する信号のレベルの「High」と「Low」が切り替わる。制御部11は、人感センサ12から検出を表す信号を受信すると、メモリ13に対し、検出時間に相当する領域に、検出を表す信号に基づく検出データを格納する。或いは、メモリ13には、1日の時間を1時間毎、30分毎等に区切った領域毎に変数を用意しておき、制御部11は、人感センサ12から検出を表す信号を受信すると、メモリ13に対し、検出時間に相当する変数をインクリメント(increment)するようにしても良い。
【0031】
なお、CCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)等のカメラを別途設置し、人感センサ12と当該カメラを連動させ、人感センサ12が対象者の動作を検知した際に、カメラにて対象者の写真を撮影し、写真の画像データを検出データ及び時刻データに関連付けて、検知情報としてメモリ13に蓄積するようにしても良い。
【0032】
同時に、制御部11は、ネットワーク接続部14を利用して、メールのPOP受信を行い、ネットワーク100上のメールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。
【0033】
制御部11は、取得したINDEX(索引)の中に、特定のSUBJECT(件名)のメールがあるか確認する。制御部11は、特定のSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールをメモリ13へ保存する。このとき、制御部11は、SUBJECT(件名)の代わりに、特定の送信元アドレス(観測者のメールアドレス)のメールがあるか確認するようにすることも考えられる。
【0034】
なお、特定のSUBJECT(件名)とは、所定のキーワードが付加されたSUBJECT(件名)のことである。キーワードの例としては、「安否確認」といった特定の文言や、観測者が任意に決定した不規則な文字列(文字、数字、記号を含む)等が考えられる。キーワードは、迷惑メールや間違いメールと区別可能な文字列であれば好適である。
【0035】
また、SUBJECT(件名)におけるキーワードの入力位置は、文頭、文末、或いは先頭から所定の文字数目から任意の文字数分(例えば、先頭から5文字目から4文字分)等のように指定できるようにしても良い。このとき、対象者側通信装置10は、メールを受信した際、SUBJECT(件名)を参照し、予め決められた入力位置にある文字列が所定のキーワードと一致すれば、そのメールをメモリ13へ保存する。
【0036】
また、キーワードは、対象者側通信装置10に対する命令(コマンド)として使用されるものでも良い。例えば、音声再生用のキーワードの他に、対象者側通信装置10の設定変更用のキーワードを用意しても良い。設定変更の内容としては、人感センサ12による検出の時間間隔の変更、観測者側通信装置20へのメール送信時刻(メモリ13からの検知情報の読取時刻)の変更、メール送信先アドレスの追加や変更等が考えられる。
【0037】
制御部11は、音声再生部15を利用して、メモリ13に保存したメールの内容を読み上げる。ここでは、制御部11は、メモリ13に保存したメールの本文の内容を音声に変換して再生し、音声再生部15から音声を出力する。無論、ディスプレイ等の表示装置を別途設置し、音声の再生と同時に、メールの本文の内容を表示装置に表示するようにしても良い。
【0038】
制御部11は、一定時間内に、ボタン操作部16への操作(ボタン押下)があった場合、押下されたボタンに応じた処理を行う。なお、ボタン操作に伴う処理を行わない場合、ボタン操作部16は無くても良い。
【0039】
図2に、対象者側通信装置の外観構造の一例を示す。
ボタン操作部16は、取消ボタン161と、緊急通報ボタン162を備える。
【0040】
取消ボタン161は、対象者が音声再生中のメールの内容をメモリから消去するために押下するボタンである。
【0041】
制御部11は、対象者が取消ボタン161を押下したことを検知することで、音声再生中のメール内容をメモリから消去する。制御部11は、一定時間が経過しても取消ボタンが押下されなかった場合は、対象者が音声再生の内容に気付かなかったものと判断し、次回の人感センサ12の反応時に、再度メールの本文の内容を音声に変換して再生する。
【0042】
緊急通報ボタン162は、対象者が観測者に緊急通報を通知するために押下するボタンである。
【0043】
制御部11は、対象者が緊急通報ボタン162を押下したことを検知することで、ネットワーク接続部14を利用して、観測者に緊急通報を通知する。例えば、制御部11は、緊急通報を、メモリ13の別領域に記憶されている観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知するようにしても良い。この場合、緊急通報の内容は、予めメモリ13の別領域に記憶されているものとする。また、観測者側通信装置20は、緊急通報の通知を受けて、通知内容を音声に変換して自動的に再生するようにしても良い。或いは、緊急通報の通知に応じて、警報(アラーム)やBeep音を発生するようにしても良い。
【0044】
また、緊急通報ボタン162の近傍にカメラを別途設置し、緊急通報ボタン162とカメラを連動させ、緊急通報ボタン162が押下された際に、カメラにて対象者の写真を撮影し、緊急通報と共に当該写真の画像データを、メモリ13の別領域に記憶されている観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知するようにしても良い。
【0045】
[本人確認]
なお、取消ボタン161及び緊急通報ボタン162は、指紋認証・静脈認証等の生体認証を行うための読取機能を有していても良い。また、取消ボタン161及び緊急通報ボタン162の近傍にカメラを設置して顔認証・虹彩認証を行うようにすることや、カメラの代わりにマイクを設置して音声認証を行うようにすることも考えられる。これにより、制御部11は、取消ボタン161及び緊急通報ボタン162が押下された際に、対象者の本人確認を行うことが可能になる。この場合、制御部11は、対象者本人と認証した場合のみ、押下されたボタンに応じた処理を行う。
【0046】
[ハードウェアの例示]
対象者側通信装置10及び観測者側通信装置20の例として、IP電話機(IP phone)、PC(パソコン)、アプライアンス(appliance)、固定電話機、携帯電話機、インターホン、ドアホン、カーナビ(カーナビゲーションシステム)、携帯型ゲーム機、家庭用ゲーム機、ガジェット(電子機器)、双方向テレビ、デジタルチューナー、デジタルレコーダー、情報家電(information home appliance)、OA(Office Automation)機器等が考えられる。また、対象者側通信装置10及び観測者側通信装置20は、計算機に接続される拡張ボードや周辺機器、或いは、物理マシン上に構築された仮想マシン(Virtual Machine(VM))でも良い。更に、対象者側通信装置10及び観測者側通信装置20は、車両や船舶、航空機等の移動体に搭載されていても良い。
【0047】
制御部11の例として、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、マイクロコントローラ、或いは、専用の機能を有する半導体集積回路(Integrated Circuit(IC))等が考えられる。
【0048】
人感センサ12の例として、焦電型赤外線センサを想定している。一般的に、人感センサ12は、赤外線、超音波、可視光等を用いて、人間の所在を検知するためのセンサである。
【0049】
メモリ13の例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリ等の半導体記憶装置、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置、又は、DVD(Digital Versatile Disk)等のリムーバブルディスクや、SDメモリカード(Secure Digital memory card)等の記憶媒体(メディア)等が考えられる。
【0050】
ネットワーク接続部14の例として、ネットワーク通信に対応した基板(マザーボードやI/Oボード)等の半導体集積回路、NIC(Network Interface Card)等のネットワークアダプタや同様の拡張カード、アンテナ等の通信装置、接続口(コネクタ)等の通信ポート等が考えられる。
【0051】
また、ネットワーク接続部14が利用するネットワーク100の例として、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線LAN(Wireless LAN)、WAN(Wide Area Network)、バックボーン(Backbone)、ケーブルテレビ(CATV)回線、固定電話網、携帯電話網、WiMAX(IEEE 802.16a)、3G(3rd Generation)、専用線(lease line)、IrDA(Infrared Data Association)、Bluetooth(登録商標)、シリアル通信回線、データバス等が考えられる。
【0052】
音声再生部15の例として、スピーカ等の音声出力装置を想定している。また、音声出力装置と共に、LED(Light Emitting Diode)等の発光装置、LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)等の表示装置、出力内容を用紙等に印刷するプリンタ等の印刷装置、又は、出力内容を壁やスクリーンに投影するプロジェクタ等の映写装置、或いは、外部の表示装置や記憶装置に情報を出力するためのインターフェース(I/F:interface)等を組み合わせることが考えられる。
【0053】
ボタン操作部16の例として、ボタンやタッチパネル(touch panel)等の入力装置を想定している。なお、ボタン操作部16は、キーボードやキーパッド、マウスで操作可能な画面上のキーパッド等でも良い。
【0054】
但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0055】
[動作の説明]
図3A、図3Bのフローチャートを使用して、通常状態の観測者側への通知手順、及び対象者側のメールの処理手順について説明する。
【0056】
(1)ステップS101
人感センサ12は、対象者が検知エリア内に侵入(接近/横断)した場合、対象者を検知する。
【0057】
(2)ステップS102
制御部11は、人感センサ12による対象者の検知があると、その検知情報をメモリ13に溜める。
【0058】
(3)ステップS103
制御部11は、任意の時刻(所定の時刻)になると、メモリ13に蓄積された対象者の過去数時間分の検知情報を読み取る。ここで、任意の時刻として、予め観測者がメールを貰いたい時間を指定することができる。例えば、8時と20時のように、複数の時間を設定できるようにすれば、情報通知メールの一日当りの受信回数も自由に選択することが可能となる。
【0059】
(4)ステップS104
制御部11は、読み取った検知情報をメールフォーマットに変換し、メモリ13の別領域に記憶されている観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知する。なお、制御部11は、メモリ13に蓄積された検知情報がない場合、人感センサ12による対象者の検知がない旨を示す未検知情報を用意し、この未検知情報をメールフォーマットに変換し、メモリ13の別領域に記憶されている観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知する。
【0060】
(5)ステップS105
観測者は、観測者側通信装置20で電子メールを受信し、電子メールにて通知された情報を見て、対象者の体調や生活環境について心配点があり、コメントをしたくなった場合には、対象者のメールアドレスへ電子メールを送信する。その際、観測者は、メールのSUBJECT(件名)に所定のキーワードを入力する。すなわち、観測者は、対象者のメールアドレスへ、所定のキーワードがSUBJECT(件名)のメールを送信する。
【0061】
(6)ステップS106
制御部11は、ネットワーク接続部14を利用して、メールのPOP受信を行い、ネットワーク100上のメールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。ここでは、制御部11は、人感センサ12による対象者の検知に応じて、メールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。すなわち、ステップS101の処理の後、ステップS102の処理と並行して、ステップS106の処理を開始する。この時点では、メールサーバ上にあるメールは、ステップS101での人感センサ12による対象者の検知の前(前回の検知時)に観測者から送信されたメールである。なお、ステップS101での人感センサ12による対象者の検知の後、対象者がその場に留まり、対象者の検知状態が継続している場合、ステップS105で観測者から送信された最新のメールも対象とすることができる。例えば、制御部11は、人感センサ12での対象者の検知状態が継続している限り、周期的にメールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。
(7)ステップS107
制御部11は、メールサーバから取得したINDEX(索引)の中に、所定のキーワードがSUBJECT(件名)のメールがあるか確認する。
【0062】
(8)ステップS108
制御部11は、所定のキーワードがSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールの本文の内容をメモリ13へ保存する。
【0063】
(9)ステップS109
制御部11は、メモリ13に保存されているメールがあるか確認する。
【0064】
(10)ステップS110
制御部11は、メモリ13に保存されているメールがある場合、履歴の古い順にメールの本文の内容を音声に変換して再生し、音声再生部15から出力し、対象者に通知する。なお、実際には、履歴の新しい順にメールの本文の内容を音声に変換して再生するようにしても良い。
【0065】
(11)ステップS111
制御部11は、メールの本文の内容を音声で再生した際、一定時間内(例えば、音声再生中)に取消ボタンが押下されたか確認する。
【0066】
(12)ステップS112
制御部11は、一定時間内に取消ボタンが押下された場合、音声再生中のメールの本文の内容をメモリ13から消去する。このとき、制御部11は、取消ボタンが押下された場合、一度でも再生された全てのメールの本文の内容をメモリ13から一括消去することを選択可能にしても良い。メールの件数によっては、一件ずつメールの本文の内容をメモリ13から消去するのは時間と手間がかかる場合があるためである。
【0067】
なお、制御部11は、メールの本文の内容を音声で再生した時間や、当該メールのSUBJECT(件名)又は本文の内容の一部(全部)、更に、一定時間内に取消ボタンが押下された場合には取消ボタンが押下された時間又は押下されたか否かを示す情報を、メール再生履歴としてメモリ13に貯えるようにしても良い。この場合、制御部11は、ステップS103、ステップS104で、検知情報を観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知する際に、検知情報と共にメール再生履歴をメールフォーマットに変換し、観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知する。
【0068】
また、制御部11は、取消ボタンが押下されなかったメールについては、一定期間(例えば、取得時から1ヵ月)の経過後に、自動的に当該メールの本文の内容をメモリ13から消去するようにしても良い。情報が古すぎるメールは、確認する必要性や重要度が低下するためである。この場合、制御部11は、取消ボタンが押下されることなく当該メールが消去された旨の情報をメールフォーマットに変換し、観測者のメールアドレスへ電子メールにて通知するようにすると好適である。
【0069】
[本発明の特徴]
以上説明したように、本発明においては、以下に記載するような特徴を有する。
【0070】
本発明では、人感センサの検出(対象者の検知)をトリガに自動でメールの受信、音声再生を行うので、対象者がメッセージを逃さない位置(検知エリア内)で音声を再生できる。
【0071】
また、本発明では、人感センサの検出をトリガに自動でメールの受信、音声再生を行うので、一般的なPOPメール受信で実施されている、一定時間間隔でメール受信を行う場合と比べて、観測者の送信したメールをよりロスなく、対象者に伝達できる。
【0072】
観測者からメールが届いた場合、本発明のメール受信方法を用いることで、人感センサが対象者を検出した時点で、メールの受信及び音声再生を行い、対象者にメッセージを伝えることができる。一方、一般的に実施されている時間間隔のPOP受信を行った場合、周期的にメールを受信し、次に対象者が装置周辺へ接近した時点でメッセージを伝えることになる。すなわち、メールを受信するタイミングと、メッセージを伝えるタイミングがずれることになる。
【0073】
また、本発明では、人感センサの検出をトリガに自動でメールの受信を行うので、一般的に実施されている一定時間間隔でメールの受信を行う場合と比べて、無駄な処理負荷及び消費電力の発生の抑制や、パケットの節約ができ、通信費の削減ができる。これは、一定時間間隔で受信をする場合は、夜中や外出時等、メールを受信しても処理(対象者に伝えることができない)ない時間であってもメールの到着確認を常に実施するので、無駄な処理負荷や消費電力が発生し、パケットの増加により通信費がかさむが、本発明では、メールを処理(対象者に通知)できる状態であることを検知した上で、初めて受信を行うため、効率良くメール受信ができる。
【0074】
また、本発明では、人感センサの検出をトリガに自動でメールの受信、音声再生を行うので、対象者は何も操作しなくてもメッセージを聞ける。
【0075】
また、本発明では、人感センサの検出をトリガにして自動的にメールの受信、音声再生を行うので、メッセージを伝える方式を音声再生のみに特化し、メールを自動削除するようにすれば、装置はディスプレイや複数のボタン等を用意しなくても済むため、低コストで装置を製造できる。
【0076】
また、本発明では、SUBJECT(件名)で受信メールにフィルタ(filter)をかけるので、対象者にとって必要な情報だけを自動で選択し、再生することができる。
【0077】
[センサの変更例]
なお、上記の例では、人感センサとして焦電型赤外線センサを挙げたが、超音波センサやマイクロ波センサ等でも良い。また、対象者が装置に接触したことを検出する方式を採用する場合には、触感センサ、衝撃センサ、振動センサ等でも良い。また、対象者が装置を移動させたことを検出する方式を採用する場合には、加速度センサや傾斜センサ等でも良い。実際には、これらのセンサの組み合わせでも良い。
【0078】
[対象者側通信装置を親機と子機に分離]
また、図4のように、対象者側通信装置10について、人感センサを無線化して子機として独立させ、親機と子機の関係にすることもできる。この場合、メールの内容は親機側のメモリに格納することとする。それにより、複数の子機と親子関係を持たせても、人感センサの反応があった子機に対して音声メッセージを流すことができる。具体的には、無線部を通してメモリ13に溜めた内容を子機に伝えることで、子機でメールの内容を再生する。
【0079】
図4では、対象者側通信装置10は、親機10Aと、子機10Bを含む。
【0080】
親機10Aは、制御部11Aと、メモリ13Aと、ネットワーク接続部14Aと、無線部17Aを備える。
【0081】
子機10Bは、制御部11Bと、人感センサ12Bと、音声再生部15Bと、ボタン操作部16Bと、無線部17Bを備える。
【0082】
制御部11A及び制御部11Bは、図1の制御部11に相当する。人感センサ12Bは、図1の人感センサ12に相当する。メモリ13Aは、図1のメモリ13に相当する。ネットワーク接続部14Aは、図1のネットワーク接続部14に相当する。音声再生部15Bは、図1の音声再生部15に相当する。ボタン操作部16Bは、図1のボタン操作部16に相当する。
【0083】
無線部17Aと無線部17Bは、互いに無線通信でデータの送受信を行う。ここでは、無線部17Aと無線部17Bの間の無線通信の例として、赤外線通信等の近距離無線通信を想定しているが、実際には、遠距離無線通信や、物理的な回線接続による近距離の有線通信であっても良い。
【0084】
子機10Bが複数である場合には、いずれかの子機10Bにおいて、人感センサ12Bが対象者を検知した時点で、制御部11Bが、無線部17Bを介して、親機10Aのメモリ13Aに保存されたメールを取得し、音声再生部15Bでの音声再生を行う。また、制御部11Bは、メールの本分の内容の音声再生中にボタン操作部16Bの取消ボタンが押下された場合には、親機10Aに対して、当該メールの本分の内容をメモリ13Aから消去する旨の要求を行う。親機10Aにおいて、制御部11Aは、子機10Bからのメールの消去要求に応じて、該当するメールの本分の内容をメモリ13Aから消去する。
【0085】
[固定メッセージの使用]
対象者側通信装置10のメモリ13に、決められた文言の固定メッセージと、所定の数字とを対応付けて用意しておく。これにより、観測者側通信装置20から、所定の数字がメールの本文又はSUBJECT(件名)に付加されたメールを受信することで、受信したメールの本文又はSUBJECT(件名)に付加された数字に対応した固定メッセージを音声再生することができるようになる。
【0086】
例えば、本文に「1」が入力されていると、「夜電話をします。」、「2」と入力されていると、「電話を下さい」等の固定メッセージを再生する。
【0087】
なお、この所定の数字は、観測者側通信装置20において、観測者が押下したボタンに割り当てられた数字でも良い。
【0088】
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態における「対象者」と「観測者」を入れ替える。すなわち、「対象者」と「観測者」の立場が逆転する。この場合、対象者側通信装置10と、観測者側通信装置20の役割が入れ替わり、対象者から観測者へのメッセージを観測者側で音声再生する。
【0089】
例えば、家族と離れて暮らしている高齢者等の遠隔地居住者の側も、別居している家族に対して確実にメッセージを伝えたい場合や、家族の安否を確認したい場合があると考えられる。本実施形態は、このような需要に応えるものである。
【0090】
図5を参照すると、本発明の第2実施形態における安否確認システムは、対象者側通信装置10と、観測者側通信装置20を含む。
【0091】
対象者側通信装置10は、対象者が利用する通信装置である。また、観測者側通信装置20は、観測者が利用する通信装置である。対象者側通信装置10と観測者側通信装置20は、ネットワーク100を介して互いに通信可能である。
【0092】
図5に示す対象者側通信装置10は、図1に示す観測者側通信装置20と同様である。
【0093】
本実施形態における観測者側通信装置20は、制御部21と、人感センサ22と、メモリ23と、ネットワーク接続部24と、音声再生部25と、ボタン操作部26を備える。
【0094】
図5に示す制御部21、人感センサ22、メモリ23、ネットワーク接続部24、音声再生部25、及びボタン操作部26は、基本的に、図1に示す制御部11、人感センサ12、メモリ13、ネットワーク接続部14、音声再生部15、及びボタン操作部16と同様である。
【0095】
制御部21は、人感センサ22が観測者の動作を検知すると、その検知情報をメモリ23に溜める。ここでは、検知情報として、検出データと時刻データの組合せを想定している。
【0096】
例えば、破線で示した観測者の動線のように、観測者が人感センサ22の検知エリア内に侵入(接近/横断)すると、人感センサ22が動作し、制御部21に検出データを伝達する。制御部21は、人感センサ22からの検出データを、内部でカウントしている時刻データに関連付けて、検知情報としてメモリ23に蓄積する。なお、人感センサ22の検知エリアは、観測者が音声再生部25からの音声を聞き取れる範囲(可聴エリア)であると好適である。
【0097】
同時に、制御部21は、ネットワーク接続部24を利用して、メールのPOP受信を行い、ネットワーク100上のメールサーバからメールのINDEX(索引)を取得する。
【0098】
制御部21は、取得したINDEX(索引)の中に、特定のSUBJECT(件名)のメールがあるか確認する。制御部21は、特定のSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールをメモリ23へ保存する。このとき、制御部21は、SUBJECT(件名)の代わりに、特定の送信元アドレス(対象者のメールアドレス)のメールがあるか確認するようにすることも考えられる。
【0099】
制御部21は、音声再生部25を利用して、メモリ23に保存したメールの内容を読み上げる。ここでは、制御部21は、メモリ23に保存したメールの本文の内容を音声に変換して再生し、音声再生部25から音声を出力する。無論、ディスプレイ等の表示装置を別途設置し、音声の再生と同時に、メールの本文の内容を表示装置に表示するようにしても良い。
【0100】
制御部21は、一定時間内に、ボタン操作部26への操作(ボタン押下)があった場合、押下されたボタンに応じた処理を行う。
【0101】
<第3実施形態>
以下に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と第2実施形態を組み合わせて、「対象者」と「観測者」が同じ構成の装置を利用するようにする。例えば、「家族」と、「離れて暮らしている高齢者等の遠隔地居住者」とが、互いに相手側の「観測者」となり、相手側からは「対象者」となる。すなわち、「対象者」と「観測者」は、対等の関係である。
【0102】
図6を参照すると、本発明の第3実施形態における安否確認システムは、対象者側通信装置10と、観測者側通信装置20を含む。
【0103】
対象者側通信装置10は、対象者が利用する通信装置である。また、観測者側通信装置20は、観測者が利用する通信装置である。対象者側通信装置10と観測者側通信装置20は、ネットワーク100を介して互いに通信可能である。
【0104】
対象者側通信装置10は、制御部11と、人感センサ12と、メモリ13と、ネットワーク接続部14と、音声再生部15と、ボタン操作部16を備える。
【0105】
図6に示す制御部11、人感センサ12、メモリ13、ネットワーク接続部14、音声再生部15、及びボタン操作部16は、基本的に、図1に示す制御部11、人感センサ12、メモリ13、ネットワーク接続部14、音声再生部15、及びボタン操作部16と同様である。
【0106】
観測者側通信装置20は、制御部21と、人感センサ22と、メモリ23と、ネットワーク接続部24と、音声再生部25と、ボタン操作部26を備える。
【0107】
図6に示す制御部21、人感センサ22、メモリ23、ネットワーク接続部24、音声再生部25、及びボタン操作部26は、基本的に、図1に示す制御部11、人感センサ12、メモリ13、ネットワーク接続部14、音声再生部15、及びボタン操作部16と同様である。
【0108】
<本発明の特徴>
本発明は、装置内に人感センサ、制御部、ネットワーク接続部を持ち、POP動作にてメールを受信する装置において、人感センサの反応をトリガにメールを受信して、受信した内容を音声に変換し、再生することを特徴としている。
【0109】
人感センサが対象者の動作を検知すると、制御部はその検知情報をメモリに溜めると共にネットワーク接続部を利用してメールのPOP受信を行う。
【0110】
メールサーバから取得したINDEX(索引)の中に、特定のSUBJECT(件名)のメールがあった場合、そのメールをメモリへ保存し、制御部は音声再生部を利用して、メモリに保存したメールの内容を読み上げる。
【0111】
本発明では、センサの反応があった際にPOP受信を行うことにより、パケット通信量の節約と、それによる通信費の削減を実現する。
【0112】
また、本発明では、センサの反応があった際にメールを確認し、音声メッセージを流すことにより、メッセージを伝えたい相手に確実に聞かせることができる。
【0113】
本発明を適用することで、見守り端末、モニタリングシステム、安否確認装置等と名づけられた介護用端末において、観測者側のメッセージを対象者に効率良く伝えることができる。
【0114】
観測者側は、メールにて気軽に対象者と連絡を取ることができる。
【0115】
また、人感センサの反応をトリガにしているので、不要なタイミングでのメール受信の通信費の削減ができ、煩わしい手順を要せず自動でメッセージを流すことができ、画面表示やボタン操作が不要の場合には、画面表示やボタン操作等に関する機構が要らず、製造コストを削減することができる。
【0116】
更に、本発明に係る通信装置では、ボタン操作を不要とし、センサの反応があった際にメールを自動的に確認し、音声メッセージに変換して再生するため、対象者は人間でなくても良い。例えば、ペットの飼い主等が、本発明に係る通信装置を介して、外出中に家に残してきたペットの様子を携帯端末等で確認し、音声メッセージによる特別な指示を行うような用途も考えられる。
【0117】
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
10… 対象者側通信装置
10A… 親機
10B… 子機
20… 観測者側通信装置
11、11A、21… 制御部
12、12B、22… 人感センサ
13、13A、23… メモリ
14、14A、24… ネットワーク接続部
15、15B、25… 音声再生部
16、16B、26… ボタン操作部
17A、17B… 無線部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者が利用する第1の通信装置と、
観測者が利用し、前記第1の通信装置に対して、所定のキーワードが件名に付加されたメールを送信する第2の通信装置と、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で送受信されるメールを蓄積するメールサーバと
を含み、
前記第1の通信装置は、
前記対象者を検知するための検出部と、
前記対象者が検知された際の検知情報を蓄積する記憶部と、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を前記第2の通信装置に通知する通知部と、
前記対象者が検知された際に、前記メールサーバからメールの索引を取得するメール受信部と、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する制御部と
を具備する
安否確認システム。
【請求項2】
請求項1に記載の安否確認システムであって、
前記記憶部は、所定の数字と所定のメッセージとを対応付けて保持し、
前記制御部は、メールの本分の内容に前記所定の数字が示されていれば、前記所定のメッセージを音声再生する
安否確認システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の安否確認システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記第2の通信装置に対して、所定のキーワードが件名に付加されたメールを送信するメール送信部
を更に具備し、
前記第2の通信装置は、
前記観測者を検知するための検出部と、
前記観測者が検知された際の検知情報を蓄積する記憶部と、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を前記第1の通信装置に通知する通知部と、
前記観測者が検知された際に、前記メールサーバからメールの索引を取得するメール受信部と、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する制御部と
を具備する
安否確認システム。
【請求項4】
対象者を検知するための検出部と、
前記対象者が検知された際の検知情報を蓄積する記憶部と、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を、観測者が利用する外部の通信装置に通知する通知部と、
前記対象者が検知された際に、前記外部の通信装置から送信されたメールの索引を取得するメール受信部と、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する制御部と
を具備する
通信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の通信装置であって、
前記記憶部は、所定の数字と所定のメッセージとを対応付けて保持し、
前記制御部は、メールの本分の内容に前記所定の数字が示されていれば、前記所定のメッセージを音声再生する
通信装置。
【請求項6】
対象者が利用する第1の通信装置において、
対象者を検知することと、
前記対象者が検知された際の検知情報を蓄積することと、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を、観測者が利用する第2の通信装置に通知することと、
前記第2の通信装置において、
所定のキーワードをメールの件名に付加し、前記第1の通信装置に対して、当該メールを送信することと、
メールサーバにおいて、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で送受信されるメールを蓄積することと、
前記第1の通信装置において、
前記対象者が検知された際に、前記メールサーバからメールの索引を取得することと、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認することと、
所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生することと
を含む
安否確認方法。
【請求項7】
請求項6に記載の安否確認方法であって、
前記第1の通信装置において、
所定の数字と所定のメッセージとを対応付けて保持することと、
受信したメールの本分の内容に前記所定の数字が示されていれば、前記所定のメッセージを音声再生することと
を更に含む
安否確認方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の安否確認方法であって、
前記第1の通信装置において、
所定のキーワードをメールの件名に付加し、前記第2の通信装置に対して、当該メールを送信することと、
前記第2の通信装置において、
前記観測者を検知することと、
前記観測者が検知された際の検知情報を蓄積することと、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を前記第1の通信装置に通知することと、
前記観測者が検知された際に、前記メールサーバからメールの索引を取得することと、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認することと、
所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生することと
を更に含む
安否確認方法。
【請求項9】
対象者を検知するステップと、
前記対象者が検知された際の検知情報を蓄積するステップと、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を、観測者が利用する外部の通信装置に通知するステップと、
前記対象者が検知された際に、前記外部の通信装置から送信されたメールの索引を取得するステップと、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認するステップと、
所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生するステップと
を計算機に実行させるための
プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムであって、
所定の数字と所定のメッセージとを対応付けて保持するステップと、
メールの本分の内容に前記所定の数字が示されていれば、前記所定のメッセージを音声再生するステップと
を更に計算機に実行させるための
プログラム。
【請求項1】
対象者が利用する第1の通信装置と、
観測者が利用し、前記第1の通信装置に対して、所定のキーワードが件名に付加されたメールを送信する第2の通信装置と、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で送受信されるメールを蓄積するメールサーバと
を含み、
前記第1の通信装置は、
前記対象者を検知するための検出部と、
前記対象者が検知された際の検知情報を蓄積する記憶部と、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を前記第2の通信装置に通知する通知部と、
前記対象者が検知された際に、前記メールサーバからメールの索引を取得するメール受信部と、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する制御部と
を具備する
安否確認システム。
【請求項2】
請求項1に記載の安否確認システムであって、
前記記憶部は、所定の数字と所定のメッセージとを対応付けて保持し、
前記制御部は、メールの本分の内容に前記所定の数字が示されていれば、前記所定のメッセージを音声再生する
安否確認システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の安否確認システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記第2の通信装置に対して、所定のキーワードが件名に付加されたメールを送信するメール送信部
を更に具備し、
前記第2の通信装置は、
前記観測者を検知するための検出部と、
前記観測者が検知された際の検知情報を蓄積する記憶部と、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を前記第1の通信装置に通知する通知部と、
前記観測者が検知された際に、前記メールサーバからメールの索引を取得するメール受信部と、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する制御部と
を具備する
安否確認システム。
【請求項4】
対象者を検知するための検出部と、
前記対象者が検知された際の検知情報を蓄積する記憶部と、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を、観測者が利用する外部の通信装置に通知する通知部と、
前記対象者が検知された際に、前記外部の通信装置から送信されたメールの索引を取得するメール受信部と、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認し、所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生する制御部と
を具備する
通信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の通信装置であって、
前記記憶部は、所定の数字と所定のメッセージとを対応付けて保持し、
前記制御部は、メールの本分の内容に前記所定の数字が示されていれば、前記所定のメッセージを音声再生する
通信装置。
【請求項6】
対象者が利用する第1の通信装置において、
対象者を検知することと、
前記対象者が検知された際の検知情報を蓄積することと、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を、観測者が利用する第2の通信装置に通知することと、
前記第2の通信装置において、
所定のキーワードをメールの件名に付加し、前記第1の通信装置に対して、当該メールを送信することと、
メールサーバにおいて、
前記第1の通信装置と前記第2の通信装置との間で送受信されるメールを蓄積することと、
前記第1の通信装置において、
前記対象者が検知された際に、前記メールサーバからメールの索引を取得することと、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認することと、
所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生することと
を含む
安否確認方法。
【請求項7】
請求項6に記載の安否確認方法であって、
前記第1の通信装置において、
所定の数字と所定のメッセージとを対応付けて保持することと、
受信したメールの本分の内容に前記所定の数字が示されていれば、前記所定のメッセージを音声再生することと
を更に含む
安否確認方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の安否確認方法であって、
前記第1の通信装置において、
所定のキーワードをメールの件名に付加し、前記第2の通信装置に対して、当該メールを送信することと、
前記第2の通信装置において、
前記観測者を検知することと、
前記観測者が検知された際の検知情報を蓄積することと、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を前記第1の通信装置に通知することと、
前記観測者が検知された際に、前記メールサーバからメールの索引を取得することと、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認することと、
所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生することと
を更に含む
安否確認方法。
【請求項9】
対象者を検知するステップと、
前記対象者が検知された際の検知情報を蓄積するステップと、
任意の時刻に、前記蓄積された検知情報を、観測者が利用する外部の通信装置に通知するステップと、
前記対象者が検知された際に、前記外部の通信装置から送信されたメールの索引を取得するステップと、
前記メールの索引を基に、所定のキーワードが件名に付加されたメールの有無を確認するステップと、
所定のキーワードが件名に付加されたメールがあれば、当該メールの本分の内容を音声メッセージに変換して再生するステップと
を計算機に実行させるための
プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムであって、
所定の数字と所定のメッセージとを対応付けて保持するステップと、
メールの本分の内容に前記所定の数字が示されていれば、前記所定のメッセージを音声再生するステップと
を更に計算機に実行させるための
プログラム。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2012−73764(P2012−73764A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217347(P2010−217347)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000197366)NECアクセステクニカ株式会社 (1,236)
【Fターム(参考)】
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