説明

安定な液体薬剤のための方法および組成物

本発明は、医薬活性化合物と、タンパク質または加水分解されたタンパク質とを含む粉末化組成物を特徴とする。特に、前記粉末化組成物は、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が前記医薬活性化合物に結合した、経口投与にとって好適な安定な溶液または分散物を形成する。本発明はまた、嚥下障害を有する患者などに前記組成物を投与する方法;該組成物の液体または半固体製剤;該組成物を調製するための方法;および該組成物を含むキットも提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
本出願は、2009年12月18日に出願された米国特許仮出願第61/287,988号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、医薬活性化合物の液体製剤に関する。特に、本発明は、液体と粉末化組成物とを混合することにより調製された液体製剤に関する。得られる液体製剤は、タンパク質が医薬活性化合物に結合した安定な溶液または分散物である。このタンパク質は、完全長のものであっても、またはその様々な加水分解断片であってもよい。また、粉末化組成物を調製するための方法、ならびに液体製剤を調製するためのキットも本明細書で提供される。
【背景技術】
【0003】
一般的集団の約13%を包含するに過ぎないが、高齢患者は全ての処方される薬剤の約33%を占める。平均的な外来高齢者はほぼ6種の薬剤を同時に摂取するが、高齢者福祉施設の患者は7〜10種の薬剤を摂取することがある。一般的には、ピル(例えば、カプセル剤、ゲルキャップ、または錠剤)が大きくなるほど、薬剤の嚥下が困難になる。高齢者にとっては、薬剤の嚥下は困難であるか、または痛みを伴う可能性があり、一般的には嚥下障害と呼ばれる症状が患者による低いコンプライアンスをもたらすことがある。嚥下障害はまた、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病など)、精神疾患、代謝疾患、および内分泌疾患などのいくつかの慢性疾患と関連する。それはまた、放射線または化学療法を受けている患者にとっても問題となり得る。
【0004】
薬剤を使用している嚥下障害に罹患している患者については、薬剤を粉砕し、粘度および味のマスキングのために、それをアップルソースなどの好みの液体または柔らかい食品に混合することが該患者または医療専門家の一般的な実務である。いくつかの例においては、複数の薬剤を粉砕した後、患者の食品または飲料内に一緒に混合することができる。この実務によりコンプライアンスは増加するが、有効性成分含量、薬剤安定性、および薬物動態は低下し、薬剤の有効性に有害に作用することがある。
【0005】
液体製剤は、より容易な投与をもたらすために小児用薬剤に広く用いられてきた。これらの製剤は当業界ではよく知られており、例えば、アモキシシリン、オウグメンチン、およびガチフロキサシンなどの様々な抗生物質;ザフィルルカスト(Acclolate(登録商標))などの抗喘息剤;ならびにジドブジン、ラミブジン、スタブジン、およびアバカビルなどの抗ウイルス剤が挙げられる。対照的に、高齢患者または嚥下困難を有する他の成人患者のための液体製剤を開発する体系的な努力はほとんど為されてこなかった。実際、配合する薬剤師は、高齢患者のための液体製剤を作製することを試みることができるが、あらゆる製剤にとって一貫性のある、信頼できる方法は開発されていない。
【0006】
上記の問題は、最適でない、および/または一貫性のない投薬を誘導し、これは疾患の進行に影響し、長期間の健康管理の増加を誘導し得る。かくして、様々な薬剤を送達するための安定で有効な液体製剤が必要である。
【発明の概要】
【0007】
第1の態様において、本発明は、医薬活性化合物を患者に投与する方法であって、医薬活性化合物と、500 Da〜10,000,000 Daであるタンパク質または加水分解されたタンパク質とを含む粉末化組成物を用意する工程;該粉末化組成物と、液体または半固体とを混合して、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が前記医薬活性化合物に結合した安定な溶液または分散物を形成させる工程;ならびに該溶液または分散物を前記患者に経口投与する工程を含む、前記方法を特徴とする。
【0008】
第1の態様の一実施形態においては、前記方法は、1:1〜1:1,000の比率で存在する、医薬活性化合物とタンパク質または加水分解されたタンパク質とを含む。別の実施形態においては、前記組成物は、1%〜30%(w/w)の医薬活性化合物と、90%〜99%(w/w)のタンパク質または加水分解されたタンパク質とを含む。さらに別の実施形態においては、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質は、500 Da〜1,000,000 Daである。
【0009】
第1の態様の別の実施形態においては、本発明は、前記組成物が変性しているか、または部分的に変性している方法を含む。一実施形態においては、粉末のサイズは、1〜100メッシュである。さらに別の実施形態においては、本発明は、液体が水または水溶液である方法を特徴とする。
【0010】
第1の態様の一実施形態においては、本発明は、分散物の粘度が1 cP〜450 cPである方法を特徴とする。別の実施形態においては、分散物の粘度は50,000 cP〜200,000 cPである。
【0011】
第1の態様のさらなる実施形態においては、医薬活性化合物は、500 Da未満である。
【0012】
特定の実施形態においては、前記医薬活性化合物は、5-HT1A受容体アゴニスト、5-HT2受容体アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン受容体アゴニスト、β-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、麻酔剤、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、抗生物質、抗コリン剤、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗精神病剤、抗血小板剤、抗ウイルス剤、抗不安剤、コレステロール低下剤、ドーパミンアゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、エイコサノイド阻害剤、糖質コルチコイド、イオンチャンネル遮断剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、N-メチルd-アスパラギン酸受容体アンタゴニスト、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、プロスタグランジン、プロトンポンプ阻害剤、レニンアンタゴニスト、セロトニン作動薬、ステロイド性抗炎症剤、三環系抗鬱剤、トロンボキサンA2アゴニスト、トリプタン、血管拡張剤、または栄養補給食品のうちの1種以上である。
【0013】
第1の態様の別の実施形態においては、本発明は、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質がゼラチン(例えば、A型ゼラチンおよびB型ゼラチン)、カゼイン、乳清タンパク質(例えば、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、ウシ血清アルブミン、グリコマクロペプチド、免疫グロブリン、ラクトフェリン、およびラクトペルオキシダーゼ)、アルブミン(例えば、ウシ血清アルブミンおよびヒト血清アルブミン)、または大豆タンパク質(β-コングリシニンおよびグリシニン)のうちの1種以上である方法を特徴とする。さらなる実施形態においては、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質は、70%〜95%(w/w)の乳清タンパク質または80%〜95%(w/w)のカゼインを含む。
【0014】
第1の態様のさらなる実施形態においては、本発明は、前記組成物が吸収促進剤(例えば、キトサン、A型ゼラチン、およびB型ゼラチン)、抗菌剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、安息香酸プロピル、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、およびソルビン酸カルシウム)、酸化防止剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、安息香酸プロピル、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、およびソルビン酸カルシウム)、緩衝剤(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、およびその製薬上許容し得る塩)、着色料、分散剤(例えば、ポリビニルピロリジン、アルキルヒドロキシセルロース、デキストリン、シクロデキストリン、およびポリヒドロキシアルコール)、香料、保存剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸および4-ヒドロキシ安息香酸エステル)、可溶化剤(例えば、200 Da〜1000 Daのポリエチレングリコール、ソルビトール、グリコールポリオール、およびジプロピレングリコールポリエチレン)、安定化剤(例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、およびアルギン酸ナトリウム)、界面活性剤(例えば、ポリオキシルグリセリド、カプリレート、ラウレート、オレエート、モノエチルエーテル、ソルビタンに基づく非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンに基づく界面活性剤、乳化剤ブレンド、コハク酸トコフェロールポリエチレングリコール1000)、甘味料(例えば、L-アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、ステビアサッカリン塩、シクラミン酸塩、アセフルファム-K、アスパルテーム、スクラロース、グリチルリチン酸塩、グルコース、キシロース、リボース、マンノース、フルクトース、デキストロース、ソルビトール、マンニトール、チミジン、およびモネリン)、矯味剤(例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラゲナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、もしくはカルボキシメチルセルロースナトリウム)、粘度制御剤(例えば、ゼラチン、アルギン酸、アガロース、寒天、カラゲナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカント、カラヤゴム、天然ゴム、メチルセルロース、グルコマンナン、ガラクトマンナン、およびグラマン)、ならびにビタミンからなる群より選択される1種以上の薬剤をさらに含む方法を特徴とする。さらなる実施形態においては、緩衝剤の量は、6〜8のpHを有する分散物をもたらす。さらに別の実施形態においては、pHは6.8〜7.2である。
【0015】
第2の態様において、本発明は、医薬活性化合物と、500 kDaより大きいタンパク質または加水分解されたタンパク質とを含む粉末化組成物であって、液体または半固体と混合した場合、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が前記医薬活性化合物に結合した経口投与にとって好適な安定な溶液または分散物を形成する、前記組成物を特徴とする。
【0016】
第2の態様の一実施形態においては、前記医薬活性化合物と前記タンパク質または加水分解されたタンパク質とは、1:1〜1:1000の比率で存在する。
【0017】
第2の態様の別の実施形態においては、前記組成物は、1%〜30%(w/w)の前記医薬活性化合物と、90%〜99%(w/w)の前記タンパク質または加水分解されたタンパク質とを含む。さらなる実施形態においては、前記組成物は変性しているか、または部分的に変性している。さらに別の実施形態においては、前記粉末のサイズは1〜100メッシュである。1つの特定の実施形態においては、前記液体は水または水溶液である。
【0018】
第2の態様の一実施形態においては、分散物の粘度は、1〜450 cPである。別の実施形態においては、分散物の粘度は、50,000 cP〜200,000 cPである。
【0019】
第2の態様の一実施形態においては、本発明は、医薬活性化合物が500 Daより大きい粉末化組成物を特徴とする。さらなる実施形態においては、前記医薬活性化合物は、5-HT1A受容体アゴニスト、5-HT2受容体アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン受容体アゴニスト、β-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、麻酔剤、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、抗生物質、抗コリン剤、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗精神病剤、抗血小板剤、抗ウイルス剤、抗不安剤、コレステロール低下剤、ドーパミンアゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、エイコサノイド阻害剤、糖質コルチコイド、イオンチャンネル遮断剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、N-メチルd-アスパラギン酸受容体アンタゴニスト、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、プロスタグランジン、プロトンポンプ阻害剤、レニンアンタゴニスト、セロトニン作動薬、ステロイド性抗炎症剤、三環系抗鬱剤、トロンボキサンA2アゴニスト、トリプタン、血管拡張剤、または栄養補給食品のうちの1種以上である。
【0020】
第2の態様の別の実施形態においては、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質は、ゼラチン(例えば、A型ゼラチンおよびB型ゼラチン)、カゼイン、乳清タンパク質(例えば、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、ウシ血清アルブミン、グリコマクロペプチド、免疫グロブリン、ラクトフェリン、およびラクトペルオキシダーゼ)、アルブミン(例えば、ウシ血清アルブミンおよびヒト血清アルブミン)、または大豆タンパク質(β-コングリシニンおよびグリシニン)のうちの1種以上である。さらなる実施形態においては、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質は、70%〜95%(w/w)の乳清タンパク質または80%〜95%(w/w)のカゼインを含む。
【0021】
第2の態様のさらなる実施形態においては、本発明は、吸収促進剤(例えば、キトサン、A型ゼラチン、およびB型ゼラチン)、抗菌剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、安息香酸プロピル、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、およびソルビン酸カルシウム)、酸化防止剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、安息香酸プロピル、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、およびソルビン酸カルシウム)、緩衝剤(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、およびその製薬上許容し得る塩)、着色料、分散剤(例えば、ポリビニルピロリジン、アルキルヒドロキシセルロース、デキストリン、シクロデキストリン、およびポリヒドロキシアルコール)、香料、保存剤(例えば、エチレンジアミン四酢酸および4-ヒドロキシ安息香酸エステル)、可溶化剤(例えば、200 Da〜1000 Daのポリエチレングリコール、ソルビトール、グリコールポリオール、およびジプロピレングリコールポリエチレン)、安定化剤(例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、およびアルギン酸ナトリウム)、界面活性剤(例えば、ポリオキシルグリセリド、カプリレート、ラウレート、オレエート、モノエチルエーテル、ソルビタンに基づく非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンに基づく界面活性剤、乳化剤ブレンド、コハク酸トコフェロールポリエチレングリコール1000)、甘味料(例えば、L-アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、ステビアサッカリン塩、シクラミン酸塩、アセフルファム-K、アスパルテーム、スクラロース、グリチルリチン酸塩、グルコース、キシロース、リボース、マンノース、フルクトース、デキストロース、ソルビトール、マンニトール、チミジン、およびモネリン)、矯味剤(例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラゲナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、もしくはカルボキシメチルセルロースナトリウム)、粘度制御剤(例えば、ゼラチン、アルギン酸、アガロース、寒天、カラゲナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカント、カラヤゴム、天然ゴム、メチルセルロース、グルコマンナン、ガラクトマンナン、およびグラマン)、ならびにビタミンからなる群より選択される1種以上の薬剤をさらに含む組成物を特徴とする。さらなる実施形態においては、前記緩衝剤の量は、6〜8のpHを有する分散物をもたらす。さらに別の実施形態においては、pHは6.8〜7.2である。
【0022】
第3の態様において、本発明は、本明細書に記載の粉末化組成物と、液体または半固体とを混合することにより調製された液体または半固体製剤を特徴とする。一実施形態においては、前記液体は水溶液である。別の実施形態においては、pHは6〜8(例えば、6.8〜7.2)である。さらに別の実施形態においては、粘度は1 cP〜450 cPまたは50,000 cP〜200,000 cPである。
【0023】
第4の態様において、本発明は、10℃〜50℃の範囲の第1の温度で水溶液中にタンパク質または加水分解されたタンパク質を分散させて、タンパク質混合物を形成させること;有効量の医薬活性化合物を該タンパク質混合物に添加すること;タンパク質または加水分解されたタンパク質の量が前記化合物の有効量を超えている場合、該化合物を前記タンパク質混合物に添加する前または後に、該タンパク質混合物を23℃〜60℃の範囲の第2の温度に加熱すること;該混合物を5℃〜23℃の範囲の第3の温度に冷却すること;ならびに水溶液から前記混合物を分離して、粉末化組成物を取得することを含む、粉末化組成物を調製する方法を特徴とする。
【0024】
第4の態様の一実施形態においては、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質は、ゼラチン、カゼイン、乳清タンパク質、アルブミン、または大豆タンパク質のうちの1種以上である。別の実施形態においては、前記水溶液は水またはバッファーである。さらなる実施形態においては、前記バッファーは6〜8のpHを有する。
【0025】
第4の態様の別の実施形態においては、前記方法は、吸収促進剤、抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、着色料、分散剤、香料、保存剤、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、甘味料、矯味剤、粘度制御剤、およびビタミンからなる群より選択される1種以上の薬剤をさらに含む水溶液を含む。
【0026】
第4の態様の一実施形態においては、第1の温度範囲は、20℃〜25℃である。別の実施形態においては、第2の温度範囲は、25℃〜37℃である。さらに別の実施形態においては、第3の温度範囲は、23℃〜37℃である。
【0027】
第5の態様において、本発明は、液体と混合して、患者への経口投与にとって好適な安定な溶液または分散物を形成することができる粉末化組成物であって、1%〜30%(w/w)の医薬活性化合物と、70%〜99%(w/w)の500 kDaより大きいタンパク質または加水分解されたタンパク質とを含み、前記化合物が前記タンパク質に結合した前記組成物;液体;および粉末化組成物と液体との混合に関する説明書を含むキットを特徴とする。一実施形態においては、前記粉末化組成物は、5-HT1A受容体アゴニスト、5-HT2受容体アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン受容体アゴニスト、β-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、麻酔剤、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、抗生物質、抗コリン剤、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗精神病剤、抗血小板剤、抗ウイルス剤、抗不安剤、コレステロール低下剤、ドーパミンアゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、エイコサノイド阻害剤、糖質コルチコイド、イオンチャンネル遮断剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、N-メチルd-アスパラギン酸受容体アンタゴニスト、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、プロスタグランジン、プロトンポンプ阻害剤、レニンアンタゴニスト、セロトニン作動薬、ステロイド性抗炎症剤、三環系抗鬱剤、トロンボキサンA2アゴニスト、トリプタン、血管拡張剤、または栄養補給食品からなる群より選択される医薬活性化合物を含む。別の実施形態においては、前記粉末化組成物は、ゼラチン、カゼイン、乳清タンパク質、アルブミン、および大豆タンパク質からなる群より選択されるタンパク質または加水分解されたタンパク質を含む。
【0028】
第5の態様のさらに別の実施形態においては、前記液体は、吸収促進剤、抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、着色料、分散剤、香料、保存剤、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、甘味料、矯味剤、粘度制御剤、およびビタミンからなる群より選択される1種以上の薬剤を含む。
【0029】
定義
本明細書で用いられる「結合した」および「結合する」とは、2個の分子を一緒に保持する非共有的または共有的相互作用を指す。例えば、2個のそのような分子は、医薬活性化合物とタンパク質であってよい。非共有的相互作用としては、限定されるものではないが、水素結合、荷電した基の間のイオン相互作用、静電結合、ファンデルワールス相互作用、非極性基間の疎水性相互作用、親油性相互作用、およびLogPに基づく引力が挙げられる。
【0030】
「複合体」とは、完全長タンパク質または加水分解されたタンパク質に結合した医薬化合物を意味する。
【0031】
「薬剤クラスタンパク質」とは、医薬活性化合物のクラスに結合するタンパク質を意味する。
【0032】
本明細書で用いられる語句「有効量の医薬活性化合物」とは、患者に対して治療的利益を提供するであろう液体製剤中の利用可能な量の1種以上の化合物を指す。
【0033】
「薬理作用団」は、その治療機能を付与する医薬活性化合物中に存在する官能基を意味する。
【0034】
「安定な分散物」は、液体または半固体の食品中で混合される医薬活性化合物を安定化させる分散物を意味する。
【0035】
「患者」は、限定されるものではないが、ヒトまたは非ヒト動物などの哺乳動物を意味する。
【0036】
「加水分解されたタンパク質」は、完全長タンパク質中の1個以上のペプチド結合の破壊により形成されるタンパク質断片を意味する。
【0037】
終点による数値範囲に関する本明細書の記述は、その範囲内に包含される全ての数を含むことが意図される(例えば、1〜5の記述は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、および5を含む)。
【0038】
本明細書で用いられる「a」または「an」は、別途指摘しない限り、「少なくとも1」または「1以上」を意味する。さらに、単数形「a」、「an」および「the」は、本文が明確に別途指示しない限り、複数の指示対象を含む。かくして、例えば、「化合物(a compound)」を含む組成物に対する参照は、2種以上の化合物の混合物を含む。
【0039】
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】水中で製剤化された10 mg/kg、3.2 mg/kg、または1 mg/kgのフェンタニルで処理したマウスにおける、時間に対する痛覚抑制(疼痛の減少)を示すグラフである。
【図1B】ウシ血清アルブミン(BSA)との結合状態で製剤化された10 mg/kg、3.2 mg/kg、または1 mg/kgのフェンタニルで処理したマウスにおける、時間に対する痛覚抑制を示すグラフである。
【図2】水中で製剤化されたフェンタニルと、BSAに結合したフェンタニルとで処理したマウスにおける時間に対する痛覚抑制を比較するグラフである。データは、BSAに結合したフェンタニルが、水中で製剤化されたフェンタニルよりも高い鎮痛応答をもたらしたことを示している(1 mg/kgおよび3.2 mg/kgの水中のフェンタニルとBSA製剤に関する結果を比較されたい)。
【図3】塩水中で投与されたか、またはBSAに結合したケトプロフェンに関する吸収プロフィールを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、医薬活性化合物とタンパク質、典型的には、加水分解されたタンパク質との複合体を含む粉末化組成物を特徴とする。粉末化組成物を液体媒体と混合し、再構成させて、ピルを嚥下することが困難な患者による経口摂取にとって好適な薬剤の安定な液体溶液または分散物を提供することができる。本発明は、好ましくは、500ダルトン(Da)以下の分子量を有する、医薬活性化合物などの有機分子の普遍的アクセプターとしてタンパク質を用いる。本発明を、血漿タンパク質に結合する実質的にあらゆる医薬活性化合物に適用することができる。驚くべきことに、これは、前記化合物が親油性であるか、荷電しているか、または中性である場合にも当てはまる。そのような普遍的アクセプターとして役立つタンパク質の能力は、構造タンパク質の複雑な物理化学的性質および幾何学的性質に起因する。血漿タンパク質(例えば、ヒトおよび動物中のもの)ならびに他の起源に由来するタンパク質は、それが合成のものであっても、または天然のものであっても、荷電分子と非荷電分子の堅い結合を可能にする多くの異なる結合領域を有する。言い方を変えれば、タンパク質は、これらのタンパク質への全ての型の有機分子および有機分子の塩の結合を可能にする、陰イオン性、陽イオン性、および親油性の部位を有する。これらの様々な結合領域および部位を用いることにより、医薬活性化合物とタンパク質との間で複合体を形成させることができる。
【0042】
粉末組成物および液体製剤を調製する方法
液体と混合して、医薬活性化合物の安定な溶液または分散物を提供することができる粉末組成物を調製するための方法が本明細書で提供される。本発明の方法を用いて、薬剤のエステルなどの、一般的には液体媒体中で不安定であると考えられる様々な医薬活性化合物を安定化することができる。そのような化合物は、いくつかの理由から、液体製剤として提供することが難しいものであってよい。例えば、液体媒体は、時間と共に薬剤の加水分解を誘導することが多い。本発明は、前記薬剤と、例えば、加水分解された、または部分的に加水分解されたタンパク質とを混合することにより、これらの問題を解決する。薬剤のタンパク質への結合は、薬剤を溶液から取り出し、かくして、分子を分解から安定化する。この方法は、荷電(陽イオン性もしくは陰イオン性)しているか、中性であるか、親油性であるか、または両性イオン性であってよい全ての薬剤、栄養補給食品、または栄養補助食品に適用可能である。また、それを疎水性および親水性薬剤、薬剤の全ての塩形態、全ての多形相、ならびに通常は液体媒体中で安定でない他の薬剤に適用することもできる。
【0043】
一般的には、前記粉末化組成物を調製するための方法は、下記工程:
加水分解されたタンパク質を水溶液中に分散させて、タンパク質混合物を形成させる工程であって、この工程を室温23℃で、もしくは変性させることなく可溶化を促進する上昇した温度で実施し、公知の方法を用いてそれぞれのタンパク質について最適温度を決定することができる、前記工程;
有効量の医薬活性化合物を前記タンパク質混合物に添加し、該混合物を加熱して、薬剤をタンパク質に結合させる工程であって、該タンパク質の量が、典型的には、前記化合物の有効量を超えており、この工程を可溶化のための最適温度(例えば、23℃〜60℃)で実施する、前記工程;
前記混合物を冷却する工程(例えば、5℃〜23℃の温度に);および
前記水溶液から前記混合物を分離して、粉末化組成物を取得する工程(例えば、濾過または遠心分離による)、
を含む。
【0044】
前記方法は、追加の工程および改変を含んでもよい。例えば、一度分離が完了したら、得られた生成物を凍結乾燥によりさらに乾燥させて、脱水粉末を得ることができる。次いで、この粉末を、色、粘度、味特性を最適化するのに一般的に用いられる賦形剤、および抗菌剤などの標準的な成分と共に水溶液中で再構成させることができる。
【0045】
別の例では、前記水溶液は、吸収促進剤、抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、着色料、分散剤、香料、保存剤、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、甘味料、矯味剤、粘度制御剤、ビタミン、または本明細書に記載の他の添加物もしくは薬剤などの追加の成分を含んでもよい。さらに、さらなる工程をプロセス中に含ませて、他の添加物または薬剤を添加することができる。
【0046】
本発明の組成物中で用いることができる他の添加物または薬剤の例としては、限定されるものではないが、吸収促進剤、アジュバント、抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、キレート剤、粘滑剤、乳化破壊剤、脱臭剤、洗剤、分散剤、染料乳化剤、充填剤、ゲル化剤、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム、もしくはカオリン)、植物薬、可塑剤、保存剤、溶媒、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、増粘剤(例えば、キサンタンガム、脂肪酸、脂肪酸の塩もしくはエステル、脂肪アルコール、変性セルロース、改変鉱物材料、もしくは合成ポリマー)、粘度制御剤、ビタミン、または湿潤剤が挙げられる。
【0047】
極性分子のためのものなどの、吸収促進剤の例としては、限定されるものではないが、キトサン、A型ゼラチン、およびB型ゼラチンが挙げられる。
【0048】
抗菌剤の例としては、パラベン(例えば、メチルパラベンおよびプロピルパラベン)、ベンゾエート(例えば、安息香酸ナトリウムおよび安息香酸プロピル)、ならびにソルビン酸塩(例えば、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、およびソルビン酸カルシウム)が挙げられる。
【0049】
酸化防止剤の例としては、限定されるものではないが、ビタミンC、ビタミンE、または天然トコフェロールの混合物が挙げられる。
【0050】
緩衝剤の例としては、限定されるものではないが、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、または他の薬剤もしくは化合物と共に用いた場合、6〜8、および最も好ましくは、6.8〜7.2の安定なpHをもたらすそれらの塩形態が挙げられる。
【0051】
分散剤の例としては、限定されるものではないが、ポリビニルピロリジン(PVD)などのポリマーに基づく分散剤;ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのアルキルヒドロキシセルロース;ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよびヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンなどの様々なデキストリンおよびシクロデキストリン;ならびに全てのGRASポリヒドロキシアルコールが挙げられる。
【0052】
保存剤の例としては、限定されるものではないが、エチレンジアミン四酢酸またはメチル、エチル、プロピルおよびブチル類似体などの1種以上の4-ヒドロキシ安息香酸エステルが挙げられる。
【0053】
可溶化剤の例としては、限定されるものではないが、単独で、またはソルビトールとの組合わせで200〜1000 Da、ならびに最も好ましくは、PEG 200、400および600の範囲の重量を有するポリエチレングリコールなどの多価アルコール、ジプロピレングリコールポリエチレン、他のグリコールポリオール、エタノール、およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が挙げられる。安定化剤の例としては、限定されるものではないが、グリセリン、ペンタエリスリトール、またはアルギン酸ナトリウムが挙げられる。
【0054】
界面活性剤の例としては、限定されるものではないが、Labrafril(登録商標)R 1944 CS(オレオイルマクロゴールグリセリド)、Labrafril(登録商標)M 2125 CS(リノレオイルマクロゴールグリセリド)、Labrasol(登録商標)(カプリロカプロイルマクロゴールグリセリド)などのポリオキシグリセリド;Capryol(商標)90(プロピレングリコールモノカプリル酸)、およびCapryol(商標)PGMC(プロピレングリコールカプリル酸)などのカプリレート(カプリル酸エステル);Lauroglycol(商標)90(プロピレングリコールモノラウリン酸)およびLauroglycol(商標)FCC(プロピレングリコールラウリン酸)などのラウレート(ラウリン酸エステル);Plurol(登録商標)Oleique CC497(ポリグリセリルオレイン酸)などのオレエート(オレイン酸エステル);Transcutol(登録商標)HP(ジエチレングリコールモノエチルエーテル)などのモノエチルエーテル;Span(登録商標)20(モノラウリン酸ソルビタン)、Span(登録商標)80(オレイン酸ソルビタン)、およびSpan(登録商標)85(トリオレイン酸ソルビタン)などのソルビタンに基づく非イオン性界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンに基づく界面活性剤、例えば、Tween(登録商標)60(ポリソルベート60)およびTween(登録商標)80(ポリソルベート80);Tandem(登録商標)552/522 K(モノ-ジグリセリドおよびポリソルベート60)およびAtmos(登録商標)300K(モノ-ジグリセリドおよびプロピレングリコール)などの乳化剤ブレンド;ならびにコハク酸トコフェロールポリエチレングリコール1000が挙げられる。
【0055】
粘度制御剤の例としては、ゼラチン、アルギン酸、アガロース、寒天、カラゲナン、ガム(例えば、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカント、カラヤゴム、および天然ゴム)、ならびに多糖類(例えば、メチルセルロース、グルコマンナン、ガラクトマンナン、およびグラマン)が挙げられる。
【0056】
ビタミンの例としては、限定されるものではないが、水溶性ビタミン(例えば、ビタミンB1〜5、6、7、9、および12ならびにC;ならびに脂溶性ビタミン(例えば、ビタミンA、D、E、またはK)が挙げられる。
【0057】
嚥下障害を有する患者については、溶液または分散物の粘度が重要な検討事項であり得る。嚥下障害を有する患者は、典型的には、好適な粘度を有する食品に対して、その食事制限が必要である。National Dysphagia Dietによれば、食事は、薄い(1〜50 cP)、ネクター状(51〜350 cP)、蜂蜜状(351〜1750 cP)、またはスプーンで掬える粘度(>1751 cP)であると分類される液体または半固体を含んでもよい(The National Dysphagia Diet Task Force, The National Dysphagia Diet: Standardization for Optimal Care. Chicago, IL, American Dietetic Association; 2002)。本明細書に記載の溶液または分散物の粘度は、任意の有用な範囲であってよい(例えば、1〜450 cP、1〜1,000 cP、1〜2,000 cP、1〜200,000 cP、50〜1,000 cP、50〜2,000 cP、500〜100,000 cP、1,000〜200,000 cP、または50,000〜200,000 cP)。一例においては、前記溶液または分散物の粘度は、1〜450 cPである。別の例においては、前記溶液または分散物の粘度は、50,000〜200,000 cPである。
【0058】
必要に応じて、前記組成物は、より味の良い調製物を提供するために着色料、香料、甘味料、または矯味剤を含有してもよい。着色料の例としては、二酸化チタンおよびKirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第5巻、第4版、2009年8月、837〜884頁に見出すことができる染料が挙げられる。香料の例としては、ペパーミント、メントール、オレンジ、レモン、ミント、シナモン、チェリー、ライム、バニラ、タンジェリン、および、組入れられるものとする、National Academy of Sciences- National Research Council,「Chemicals Used in Food Processing」、Publication 1274, pp. 63-258 (1965)に記載の他の香料が挙げられる。甘味料の例としては、L-アスパルチルフェニルアラニンメチルエステルのペプチド;ステビアサッカリン塩(例えば、主にレバウジオシドAを含有するRebianaなどのステビオールグリコシド)、シクラミン酸塩、アセフルファム-K、アスパルテーム、スクラロース、およびグリチルリチン酸塩などの水溶性甘味料;グルコース、キシロース、リボース、マンノース、フルクトース、デキストロース、ソルビトール、およびマンニトールなどの天然甘味料;ならびにチミジンおよびモネリンなどのタンパク質に基づく甘味料が挙げられる。矯味剤の例としては、アルギン酸ナトリウムなどのコロイド性多糖類;ならびにキサンタンガム、カラゲナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの他の矯味剤が挙げられる。
【0059】
前記方法は、いくつかのプロセス後工程を含んでもよい。例えば、前記粉末化組成物を、加熱、オートクレーブ、またはプラズマ酸化を用いる処理などによりさらに滅菌し;グラインダーまたはミルなどを用いることにより粉砕し;凍結乾燥することができる。
【0060】
本明細書に記載の方法に対するさらなる改変は、製薬業界でよく知られた、例えば、「Remington: The Science and Practice of Pharmacy」(第20版、A. R. Gennaro(編)、2000, Lippincott Williams & Wilkins)に記載の任意の方法を含んでもよい。
【0061】
前記粉末化組成物を、当業者には公知の様々な方法を用いて特性評価することができる。前記粉末化組成物内の粉末の特徴を、粉末回折、光散乱、および顕微鏡観察(原子間力顕微鏡法および走査トンネル顕微鏡法)などの任意の数の方法を用いて容易に決定することができる。前記粉末のサイズを、メッシュサイズの決定などの任意の有用な方法により決定することができる。粘度を、血流計または粘度計などの任意の有用な方法により決定することができる。
【0062】
さらに、前記ペプチドに結合した医薬活性化合物の量を決定するために、該ペプチドを該化合物から消化して、任意の有用な方法(例えば、HPLC法;電子スプレー質量分析法などの質量分析法;または製薬業界により一般的に用いられる他の分析方法)により正確な組成を決定することができる。
【0063】
前記製剤中の1種以上の化合物の濃度は、投与される薬剤の用量、および投与経路などのいくつかの因子に応じて変化するであろう。当業者であれば、好適な用量の最適化を、前記組成物中で用いられる化合物または化合物の組合せの薬物動態を考慮して容易に行うことができる。用量の設定において考慮すべき因子としては、化合物の比活性;患者の症状または症候の重篤度;患者の年齢、症状、体重、性別、および食事;同時に行う療法の使用(または不使用);ならびに他の臨床因子が挙げられる。
【0064】
投与は、日に、週に(もしくは他の複数の日数間隔で)1回もしくは複数回、または間欠的スケジュールにあってよく、そのサイクルを所与の回数(例えば、2〜10サイクル)または無期限に繰り返してもよい。あるいは、前記組成物を、症候が起こる時に投与してもよい。
【0065】
典型的には、前記組成物を毎日投与する。一実施形態においては、前記組成物は、1%〜30%(w/w)の1種以上の化合物と、90%〜99%(w/w)のタンパク質とを含む。別の実施形態においては、前記組成物は、500 Da〜1,000,000 Daであるタンパク質または加水分解されたタンパク質をさらに含む。好ましい実施形態においては、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質は、500 kDaより大きい。
【0066】
前記組成物は、1:1〜1:1000(例えば、1:1、1:2、1:5、1:10、1:25、1:50、1:100、1:500、1:750、1:1000、およびその間の他の比率)などの有用な重量比の医薬活性化合物とタンパク質または加水分解されたタンパク質とを含んでもよい。好ましい重量比としては、1:10〜1:100(例えば、1:10〜1:20、1:10〜1:50、1:20〜1:100)が挙げられる。これらの重量比を%で表してもよく、その場合、タンパク質に対する化合物の割合(%)は1〜10重量%の範囲であってよい。最も一般的には、タンパク質に対する化合物の%は、1〜5%の範囲にあるであろう。
【0067】
医薬活性化合物とタンパク質との比率を、タンパク質の利用可能な結合部位を単位として表すこともできる。典型的には、化合物の量に対するタンパク質中の利用可能な結合部位は、大過剰にあり、過剰な結合部位の範囲は、1,000〜10,000,000以上の範囲(例えば、5,000〜10,000,000;5,000〜100,000,000;または1,000〜100,000,000)にあってもよい。
【0068】
典型的には、本発明の組成物を、患者に投与すべき時間になるまで粉末形態で保持し、その時点で粉末を液体担体と混合して、安定な液体製剤を形成させる。例えば、前記粉末化組成物を、水またはミルクなどの様々な液体のいずれかの中で混合して、液体溶液または分散物(例えば、懸濁液、コロイド、乳濁液など)を形成させることができる。別の例においては、前記組成物を、プリンまたはアップルソースなどの半固体の、または柔らかい食品中に混合することができる。
【0069】
製薬業界または化学業界の当業者であれば、分散物の安定性を容易に決定することができる。例えば、分散物内の医薬活性化合物の分解産物を、時間の関数として測定することができる。別の例においては、沈降率を平衡条件下で決定することができる。
【0070】
また、前記粉末化組成物を含むキットも本明細書で提供される。例えば、キットは、本明細書に記載の粉末化組成物、液体、および粉末化組成物と液体との混合に関する説明書を含む。前記キットは、粉末化組成物と液体とを混合するのに用いることができる容器をさらに含んでもよい。
【0071】
キットの液体は、水またはバッファーなどの任意の水溶液であってよい。前記液体はまた、本明細書に記載の任意の薬剤のうちの1種以上を含んでもよい。薬剤の例としては、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、保存剤、矯味剤、甘味料、香料、分散剤、着色料、緩衝剤、吸収促進剤、酸化防止剤、またはビタミンが挙げられる。
【0072】
タンパク質
上記で考察されたように、本発明の粉末化組成物は、1種以上の医薬活性化合物とタンパク質とを含有する。前記タンパク質は、許容可能であり、医学的に認可された薬物動態パラメーターが得られるような、単一のよく特性評価されたタンパク質または類似する分子量もしくは異なる分子量を有するタンパク質の組合せであってよい。
【0073】
当業者であれば、薬物動態パラメーターを容易に決定することができる。薬物動態(PK)分析を、非コンパートメント方法(モデル非依存的)またはコンパートメント方法により実施することができる。非コンパートメント方法は、濃度-時間グラフの曲線下面積を見積もることにより薬剤への曝露を評価する。コンパートメント方法は、動的モデルを用いて濃度-時間グラフを評価する。非コンパートメント方法は、それらが特定のコンパートメントモデルを前提とせず、生物学的同等性試験にとっても許容可能である正確な結果をもたらす点でより用途が広いことが多い。
【0074】
非コンパートメントPK分析は、全薬剤曝露の評価に高度に依存する。全薬剤曝露は、最も一般的な面積評価方法である台形公式(数学的微分方程式)を用いる曲線下面積(「AUC」)法により見積もられることが最も多い。台形公式における「x」の長さへの依存性のため、面積の見積もりは血液/血漿サンプリングスケジュールに高度に依存する。例えば、時点が近いほど、濃度-時間曲線の実際の形状により近い台形が得られる。
【0075】
コンパートメントPK分析は、濃度-時間曲線を記述し、予測するために動的モデルを使用する。PKコンパートメントモデルは、反応速度論および熱力学などの他の科学的分野において用いられる動的モデルと類似することが多い。いくつかの非コンパートメント分析に対するコンパートメント分析の利点は、任意の時間で濃度を予測する能力である。しかしながら、欠点として、適切なモデルの開発および認証の困難性が挙げられる。曲線ストリッピングに基づくコンパートメントフリーモデリングは、この制限を負わない。最も単純なPKコンパートメントモデルは、静脈内ボーラス投与および一次反応に関する1コンパートメントPKモデルである。最も複雑なPKモデル(PBPKモデルと呼ばれる)は、開発および認証を容易にするための生理的情報の使用に依存する。
【0076】
濃度-時間プロフィールを、任意の有用な生物分析技術により構築することができるが、適切な生物分析方法は選択的かつ高感度であるべきである。そのような方法の例としては、生物マトリックス(例えば、血漿)中の薬剤の濃度を測定するための化学的技術;ならびに三連四重極質量分析計を用いるLC-MSおよび/またはタンデム質量分析などの、高感度で生物マトリックス(例えば、血液もしくは尿)中の低用量および長時間のデータを観察するための質量分析が挙げられる。
【0077】
特定のタンパク質(複数も可)が、全クラスの医薬活性化合物に結合する薬剤クラスのタンパク質として作用してもよい。医薬活性化合物のクラスの例としては、典型的には、変性ヒドロキシグルタル酸成分の薬理作用団を含む脂質低下剤のクラスであるスタチン;カルシウムチャンネル遮断剤のクラスであるジヒドロピリジン;高血圧および心不全を治療するのに用いられる分子のクラスであるアンジオテンシン変換酵素阻害剤;またはAIDS関連疾患を治療するのに用いられる分子のクラスである特定の型のプロテアーゼ阻害剤が挙げられる。
【0078】
薬剤クラスのタンパク質を、様々な方法を用いて決定することができる。例えば、特定のタンパク質を選択して、医薬活性化合物のクラス中に存在する特定の薬理作用団に結合させることができる。スタチンは、典型的には変性ヒドロキシグルタル酸成分の薬理作用団を有するため、薬剤クラスのタンパク質はヒドロキシグルタル酸成分とイオン結合を形成する正に帯電したアミノ酸を含んでもよい。かくして、それぞれの薬剤の化学クラスは、複合体における好ましい結合パートナーとして特定の薬剤クラスのタンパク質を有してもよい。
【0079】
しかしながら、特定の薬剤クラスのタンパク質が常に必要であるわけではない。タンパク質としては、任意の起源(例えば、天然もしくは合成)に由来するもの;陽イオン相互作用、陰イオン相互作用、もしくは他の中性的な堅い結合相互作用のための複数の結合部位を有するもの;または親油性アミノ酸(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、プロリン、フェニルアラニン、チロシン、もしくはトリプトファン)または親水性アミノ酸(例えば、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン、もしくはグルタミン)のポケットを有するものが挙げられる。例えば、いくつかのタンパク質は、あらゆる型の化合物の非特異的結合を可能にする部位を含む。好ましくは、前記タンパク質と治療剤との相互作用は、非共有的相互作用である。そのようなタンパク質の例としては、ゼラチン、カゼイン、乳清タンパク質、アルブミン、および大豆タンパク質が挙げられる。
【0080】
この方法に対する特定の目的のタンパク質は、A型ゼラチンおよびB型ゼラチンなどのゼラチンである。ゼラチンに基づく組成物の例としては、様々な粘度で形成させることができるJell-O(登録商標)が挙げられる。別のタンパク質は、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、ウシ血清アルブミン、グリコマクロペプチド(カゼイン由来タンパク質)、免疫グロブリン(例えば、IgG1、IgG2、IgGA、およびIgM)、ラクトフェリン、ならびにラクトペルオキシダーゼなどの、乳清中に認められる1種以上のタンパク質を指してもよい乳清タンパク質である。また、乳清タンパク質としては、ラクトース、カルシウム、または脂質(例えば、スフィンゴ脂質もしくはコンジュゲート化リノレン酸)などの他の薬剤も挙げられる。乳清を、濃縮物または単離物としてさらに定義することができる。さらに別の特定のタンパク質は、ウシ血清アルブミンまたはヒト血清アルブミンなどのアルブミンである。アルブミンは、濃縮物または単離物として存在してもよい。さらに、アルブミンを、脱脂粉乳などの任意の形態で供給することができる。特定の目的の別のタンパク質は、β-コングリシニン(もしくは7S型)またはグリシニン(11S型)などの大豆中に認められる1種以上のタンパク質を指してもよい大豆タンパク質である。
【0081】
前記組成物は、1種以上のタンパク質または加水分解されたタンパク質の任意の組合せを含んでもよい。例えば、前記組成物は、乳清タンパク質とカゼインの両方、大豆タンパク質とカゼインの両方、乳清タンパク質とアルブミンの両方、または乳清タンパク質と大豆タンパク質の両方を含む。
【0082】
前記化合物の制御された放出のために、タンパク質の組合せ内のタンパク質またはタンパク質の1種として、カゼインを用いることができる。カゼインは胃内でゲルを形成する傾向があり、これを用いて時間をかけてゆっくりと化合物を放出させることができる。
【0083】
本明細書で用いられる通り、前記タンパク質を加水分解して、より高い水溶性および薬剤または薬剤クラスに対するより高い特異性を有する、より小さい加水分解されたタンパク質を誘導することができる。加水分解されたタンパク質としては、完全長タンパク質中のアミノ酸の1%〜99%(例えば、10%〜95%、10%〜75%、10%〜50%、20%〜95%、20%〜75%、20%〜50%、30%〜95%、40%〜95%、または50%〜95%)を含有する断片などの、完全長タンパク質よりも短い任意のタンパク質断片が挙げられる。より小さい断片はまた、抗原応答を引き起こす可能性も低いであろう。さらに、加水分解されたタンパク質は、水溶性分散特性を有する可能性が高い。さらに、いくつかの実施形態においては、前記タンパク質を変性させるか、または部分的に変性させることができる。
【0084】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質は、500〜10,000,000 Da(例えば、500 Da〜100,000 Da、500 Da〜500,000 Da、500 Da〜10,000,000 Da、1,000 Da〜100,000 Da、1,000 Da〜500,000 Da、および1,000 Da〜10,000,000 Da)などの任意の有用なサイズのものであってよい。全ての事例において、前記タンパク質のサイズは完全長タンパク質から加水分解されたタンパク質まで変化する。加水分解されたタンパク質を、完全長タンパク質中の1個以上のペプチド結合(またはアミド結合)を破壊する任意の方法により調製することができる。ペプチド結合を、加水分解(例えば、水もしくはバッファー中の酸、塩基、熱、もしくは細菌抽出物のうちの1種以上を用いる処理)により;酵素(例えば、ペプシン、トリプシン、パパイン、ブロメライン、フィシン、サーモリシン、レンネット、Alcalase(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Protamex(登録商標)、Novo-Pro(商標)D、もしくはFlavourzyme(登録商標))などの使用による完全な、もしくは限定的なタンパク質分解により;またはその任意の組合せにより破壊することができる。加水分解の程度を、ペプチドもしくは加水分解されたペプチドのカラムクロマトグラフィー、分子篩、または直接配列決定などの任意の方法により決定することができる。
【0085】
最も一般的には、部分的酵素的加水分解により、加水分解されたタンパク質を形成させる。かくして、加水分解されたタンパク質は、500 Daほどの大きさの分子量を有する5アミノ酸ほどの大きさの断片であってよい。前記タンパク質の最も好ましいサイズは、溶液もしくは分散物中での良好な溶解を可能にするサイズ;または溶液もしくは分散物中で均一な懸濁液を形成するサイズであろう。前記タンパク質は、該タンパク質の溶解度基準および全体の表面電荷密度に基づいてサイズが変化してもよい。
【0086】
前記タンパク質はまた、より大きい性質のものであってもよく、懸濁液(例えば、半固体食品)中で用いることができる。より大きいタンパク質を用いる場合、酸性条件を用いることにより、または熱を用いることにより、これらのタンパク質を加水分解することができる。例えば、熱または酸性条件をカゼインのために用いて、どのカゼイン塩形態が医薬活性化合物に結合し、捕捉するかを決定することができる。カゼインを用いる場合、前記組成物は、典型的には、前記化合物の遅延放出製剤をもたらすであろう。かくして、前記タンパク質の性質は、迅速な放出形態を可能にするものであってよく、これを変化させて遅延放出形態を作製することができる。
【0087】
サイズに加えて、前記タンパク質の他の物理的特徴も考慮することができる。理想的には、前記医薬活性化合物を前記タンパク質に堅く結合させる。前記化合物と前記タンパク質との結合は、共有的であってよいが、より好ましくは、非共有的である(例えば、静電結合による、ファンデルワールス相互作用による、複数の非共有結合領域による、親油性相互作用による、またはLog Pに基づく引力による)。いくつかの事例では、遊離ヒドロキシルを有する特定の化合物を、ペプチド上の遊離カルボキシル官能基に共有結合させることによって、化合物とペプチドとの間にエステル結合を形成させることができる。最終的に、化合物-タンパク質複合体が胃の酸環境に曝露された時、エステル結合は加水分解される。さらに、前記ペプチドは、胃のプロテアーゼにより胃中で消化され、およびある程度までは腸のプロテアーゼにより消化されるであろう。この作用は、結合した化合物を遊離させ、消化管へのその通常の吸収を可能にするであろう。
【0088】
医薬活性化合物
本発明の組成物および方法における使用のための好適な医薬活性化合物またはその組合せは、一般的には、典型的には500 Da未満であるものを含む。好適な化合物としては、Physician's Desk Reference (PDR)、Merck Manual、または医学書のGoodmanおよびGilmanの最新版に記載のものが挙げられる。
【0089】
必要に応じて、前記化合物を、製薬業界で一般的に用いられる非毒性酸付加塩または金属錯体などの製薬上許容し得る塩として投与することができる。酸付加塩の例としては、酢酸、乳酸、パモ酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、パルミチン酸、スベリン酸、サリチル酸、酒石酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、もしくはトリフルオロ酢酸などの有機酸;タンニン酸、カルボキシメチルセルロースなどのポリマー酸;ならびに塩酸、塩化臭素酸、硫酸、リン酸などの無機酸が挙げられる。金属錯体としては、亜鉛、鉄などが挙げられる。
【0090】
化合物またはその組合せの例としては:
5-HT1A受容体アゴニスト(例えば、ブスピロンおよびタンドスピロン);
5-HT2受容体アンタゴニスト、例えば、5-HT2A、5-HT2Bおよび5-HT2c受容体アンタゴニスト(例えば、サルポグレラート、アセナピン、クロザピン、およびオランザピン);
α-アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、フェニレフリン、プソイドエフェドリン、およびオキシメタゾリン);
α-アドレナリン受容体もしくはα-遮断剤としても知られるα-アドレナリン受容体アンタゴニスト(例えば、フェノキシベンザミン、フェントラミン、プラゾシン、およびドキサゾシン);
β-アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、サルブタモール、アルブテロール、レバルブテロール、テルブタリン、ビトルテロール、サルメテロール、ホルモテロール、およびバンブテロール);
β-アドレナリン受容体もしくはβ-遮断剤としても知られるβ-アドレナリン受容体アンタゴニスト(例えば、カルベジロール、プロプラノロール、ナドロール、チモロール、ピンドロール、ラベタロール、メトロプロロール、アテナロール、エスモロール、およびアセブトロール);
アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えば、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、およびタクリン);
麻酔剤(例えば、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、およびプロカイン);
アンジオテンシン受容体アンタゴニスト(例えば、バルサルタン、ロサルタン、オルメサルタン、およびイルベサルタン);
アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例えば、カプトプリル、エナラプリル、リシノプリル、およびラミプリル);
ペニシリン(例えば、アモキシシリン、アンピシリン、およびクロキシシリン)、セファロスポリン(例えば、セファゾリン、セフィキシム、セフタジジム、およびセフトリアキソン)、ポリミキシン、キノロン(例えば、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、モキシフロキサシン、ガチフロキサシン、およびゲミフロキサシン)、スルホンアミド(例えば、スルファイソジミジン、スルファニラミド、スルファジアジン、スルファメトキサゾール、スルファジメトキシン、およびスルファメトキシピリダジン)、グリコペプチド(例えば、バンコマイシン)、アミノグリコシド(例えば、ストレプトマイシン、ネオマイシン、スペクチノマイシン、ゲンタマイシン、およびカナマイシン)、マクロライド(例えば、エリスロマイシン、アジスロマイシン、およびケトライド)、テトラサイクリン(例えば、ドキシサイクリン、クロルテトラサイクリン、メサイクリン、およびチゲサイクリン)、環状リポペプチド(例えば、ダプトマイシン)、オキサゾリジノン(例えば、リネゾリドおよびトレゾリド)、ならびに他の治療剤との組合せ(例えば、アモキシシリンとクラブラン酸)などの抗生物質;
抗コリン剤(例えば、イプラトロピウムブロミド、オキシトロピウムブロミド、およびチオトロピウム);
抗凝固剤(例えば、ヘパリン、クマジン、エノキサパリン、ワルファリン、アピキサバン、およびリバロキサバン);
抗痙攣剤(例えば、ガバペンチン、トピラマート、ヒダントイン、ベンゾジアゼピン、ゾニサミド、バルプロン酸、エトスクシミド、カルバマゼピン、プリミドン、ラモトリジン、フェルバメート、レベチラセタム、およびチアガビン);
抗鬱剤(例えば、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、デスベンラファキシン、デュロキセチン、ミルナシプラン、ベンラファキシン、ブプロピオン、およびアトモキセチン);
抗糖尿病剤(例えば、インスリン、メトホルミン、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、レパグリニド、ナテグリニド、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、ミグリトール、アカルボース、リラグルチド、ビルダグリプチン、およびシタグリプチン);
抗真菌剤(例えば、クロトリマゾール、シクロピロックス、ケトコナゾール、イトラコナゾール、フルコナゾール、アバファンジン、塩酸テルビナフィン、アモロルフィン、ナフチフィン、およびブテナフィン);
抗炎症剤(例えば、アスピリン、ジクロフェナク、およびシクロオキシゲナーゼ阻害剤、例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、およびナプロキセン);
抗ヒスタミン剤(例えば、カルビノキサミン、クレマスチン、ジメンヒドリナート、ピリラミン、トリペレナミン、クロルフェニラミン、ブロムフェニラミン、ヒドロキシジン、シクリジン、アクリバスチン、セトリリジン、アゼラスチン、ロラタジン、フェキソフェナジン、ドキセピン、ジフェンヒドラミン、ならびにアミトリプチリン、イミプラミン、プロメタジン、クロルプロマジン、およびノルトリプチリンなどの抗ヒスタミン活性を有する全ての三環系抗鬱剤);
抗精神病剤(例えば、5-HT2A受容体アンタゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、ハロペリドール、ドロペリドール、クロルプロマジン、フルフェナジン、ペルファナジン、プロクロルペラジン、チオリダジン、アリピプラゾール、トリフルオペラジン、メソリダジン、ペリシアジン、プロマジン、トリフルプロマジン、プロメタジン、クロルプロチキセン、フルペンチキソール、チオチキセン、ズクロペンチキソール、クロザピン、オランザピン、リスペリドン、クエチアピン、ジプラシドン、およびゾテピン);
抗血小板剤(例えば、アブシキシマブ、エプチフィバチド、チロフィバン、クロピドグレル、チクロピジン、プラスグレル、ベラプロスト、プロスタサイクリン、イロプロスト、トレプロスチニル、アスピリン、ジタゾール、クロリクロメン、ジピリダモール、およびトリフルサル);
抗血栓剤(例えば、アスピリン、ジピリダモール、クロピドグレル、プラスゲル、およびカングレロール);
抗ウイルス剤、例えば、DNA抗ウイルス剤(例えば、アシクロビル、バラシクロビル、ガンシクロビル、ファムシクロビル、ビダラビン、ホスカルネット、トロマンタジン、リファンピシン、エンテカビル、ラミブジン、テルビブジン、アデフォビル、スタブジン、ジドブジン、アバカビル、およびテノフォビル)、一般的な核酸阻害剤(例えば、シドフォビル、インターフェロンα-2b、ペグインターフェロンα-2a、リバビリン、およびタリバビリン)、ならびにRNA抗ウイルス剤(例えば、ボセプレビル、テラプレビル、プレコナリル、アルビドール、アマンタジン、リマンタジン、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、およびラニナミビル);
抗不安剤(例えば、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、ジアゼパム、ロラゼパム、ベンゾジアゼピン、および5-HT1A受容体アゴニスト);
コレステロール低下剤、例えば、スタチン(例えば、アトルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、およびルソバスタチン);
ドーパミンアゴニスト(例えば、アポモルフィン、ブロモクリプチン、カベルゴリン、リスリド、ペルゴリド、ピリベジル、プラミペキソール、およびロピニロール);
ドーパミンアンタゴニスト(例えば、アミスルプリドおよびセルチンドール);
エイコサノイド阻害剤(例えば、ザフィルルカスト、ジロイトン、およびモンテルカスト);
糖質コルチコイド(例えば、ベクロメタゾン、ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリムシノロン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、およびアルドステロン);
イオンチャンネル遮断剤、例えば、カルシウムチャンネル遮断剤(例えば、ニフェジピン、アムロジピン、フェロジピン、フルナリジン、ジルチアゼム、ベラパミル、ニフェジピン、およびニモジピン)またはナトリウムチャンネル遮断剤(例えば、プロカインアミド、キニジン、アジマリン、ジソピラミド、プラジマリン、スパルテイン、リドカイン、メキシレチン、トカイニド、アプリンジン、エンカイニド、フレカイニド、ロルカイニド、モリシジン、およびプロパフェノン);
モノアミンオキシダーゼB阻害剤(例えば、セレギリンおよびラサギリン);
N-メチルd-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト(例えば、デキストロメトルファンおよびメマンチン);
ノルエピネフリン再取込み阻害剤(例えば、レボキセチン、デュロキセチン、およびアミトリプチリン);
オピオイド(例えば、モルヒネ、コデイン、メペリジン、およびオキシコドン);
プロスタグランジン(例えば、エポプロステロールおよびアルプロスタジル);
プロトンポンプ阻害剤(例えば、オメプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ランソプラゾール、およびラベプラゾール);
レニンアンタゴニスト(例えば、アリスキレンおよびレニンアンタゴニスト活性を有する抗鬱剤、例えば、シタロプラム、エスシタロプラム、およびフルオキセチン);
セロトニン作動薬(例えば、選択的セロトニン再取込み阻害剤、セロトニンアゴニスト、およびセロトニン部分アゴニスト);
ステロイド性抗炎症剤(例えば、ヒドロコルチゾン、酢酸コルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン、酢酸デオキシコルチコステロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、およびアルドステロン);
三環系抗鬱剤(例えば、アミトリプチリンおよびイミプラミン);
トロンボキサンA2アゴニスト(例えば、ラマトロバンおよびセラトロダスト);ならびに
トリプタン(例えば、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、およびゾルミトリプタン);
血管拡張剤(例えば、グリセリルトリニトラート、硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、リンシドミン、モルシドミン、四硝酸ペンタエリスリトール、およびフロセキナン);ならびに
混合剤、例えば、ペントキシフィリンとシロスタゾール、
が挙げられる。
【0091】
特に好ましい化合物またはその組合せとしては、高齢者または嚥下障害を有する人により一般的に摂取されるものが挙げられる。高齢者により摂取される化合物の例としては、パーキンソン病、アルツハイマー病、認知症、ハンチントン舞踏病、および内因性鬱病などのCNS障害;鬱血性心不全、末梢動脈疾患、不整脈、および高血圧症などの心血管疾患;喘息および慢性閉塞性肺疾患などの肺疾患;ウイルス、細菌もしくは菌類の感染症;胆嚢疾患、憩室炎、過敏性腸疾患、胃食道逆流、ならびに胃潰瘍および腸潰瘍などの胃腸疾患;尿失禁などの泌尿器疾患、骨関節炎症状などの女性の健康問題;良性前立腺過形成などの男性の健康問題;頭部および頸部の癌、肺癌、乳癌、ならびに結腸癌などの癌;ならびに下垂体機能および副腎機能に関連する内分泌障害の治療のための薬剤が挙げられる。
【0092】
前記医薬活性化合物としては、異なるか、または同じ病因の1種以上の共通の疾患を治療するための任意の型の化合物またはその組合せが挙げられる。これらの化合物および組合せとしては、CNS障害を治療するための化合物;心血管疾患を治療するための1種以上の薬剤;疼痛および炎症を治療するための1種以上の薬剤;胃腸疾患を治療するための1種以上の薬剤;感染症を治療するための1種以上の抗生物質、抗ウイルス剤もしくは抗真菌剤;または複雑な複数の独立した疾患状態を治療するための1種以上の化合物が挙げられる。
【0093】
CNS障害(例えば、アルツハイマー病、認知症、およびパーキンソン病)を治療するための化合物の例としては、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、NMDA受容体アンタゴニスト、抗精神病剤、抗不安剤、レボドパ、ドーパミンアゴニスト、モノアミンオキシダーゼB阻害剤が挙げられる;肺疾患(例えば、喘息)を治療するための化合物としては、β-アドレナリン受容体アゴニスト、抗コリン剤、エイコサノイド阻害剤、および吸入もしくは経口糖質コルチコイドが挙げられる;心血管疾患(例えば、心不全)を治療するための化合物としては、β-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、および血管拡張剤が挙げられる;疼痛および炎症を治療するための化合物としては、抗炎症剤、麻酔剤、およびオピオイドが挙げられる;胃腸疾患(例えば、過敏性腸疾患、胃食道逆流、または胃潰瘍および腸潰瘍)を治療するための化合物としては、セロトニン作動薬、三環系抗鬱剤、抗コリン剤、アヘン剤、プロトンポンプ阻害剤、およびH2受容体アンタゴニスト(例えば、シメチジン)が挙げられる;ならびに血管疾患を治療するための化合物としては、抗血栓剤、抗凝固剤、コレステロール低下剤、または抗血小板剤が挙げられ、ここで、これらの化合物の例は本明細書に提供されている。
【0094】
他の好適な化合物またはその組合せとしては、頻繁に、例えば、1日に少なくとも1回摂取されるものが挙げられる。そのような化合物の例としては、α-アドレナリン受容体アゴニスト(例えば、フェニレフリンもしくはプソイドエフェドリン);鎮痛剤(例えば、フィゾスチグミン、ネオスチグミン、もしくはプロカイン);麻酔剤;抗痙攣剤(例えば、ガバペンチン);抗コリン化合物;抗ヒスタミン剤(例えば、ジフェンヒドラミン);非ステロイド性抗炎症剤などの抗炎症化合物;β2受容体アンタゴニスト(例えば、プロプラノロール);シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えば、イブプロフェン、ケトプロフェン、もしくはナプロキセン);ナトリウムチャンネル遮断剤もしくはカルシウムチャンネル遮断剤などのイオンチャンネル遮断化合物;N-メチルd-アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト(例えば、デキストロメトルファン);ノルエピネフリン再取込み阻害剤;選択的セロトニン再取込み阻害剤;セロトニンアゴニスト;セロトニン部分アゴニスト;三環系抗鬱剤(例えば、アミトリプチリンもしくはイミプラミン);および/またはトリプタン(例えば、アルモトリプタン、エレトリプタン、フロバトリプタン、ナラトリプタン、リザトリプタン、スマトリプタン、もしくはゾルミトリプタン)が挙げられる。
【0095】
2種以上の化合物の組合せを患者に投与することができる。組合せの例としては、心不全もしくは血管疾患の治療のための化合物の組合せ;2種の抗生物質;または高血圧症と心不全もしくは喘息と血管疾患などの混合治療必要性の治療のための2種の化合物が挙げられる。
【0096】
医薬活性化合物はまた、任意の栄養補給食品および治療的または予防的健康目的を有する物質の組合せも包含する。栄養補給食品の例としては、ナイアシン、カルニチン、アセチルカルニチン、コエンザイムQ10、ポリコサノール、ビタミン、ならびに天然の酸化防止剤、例えば、リポ酸、ビタミンE、およびビタミンCが挙げられる。
【0097】
本発明のさらなる特徴および利点を、以下の実施例によりさらに例示するが、これはいかなる意味でも本発明を限定することを意図するものではない。
【0098】
(実施例)
【実施例1】
【0099】
液体製剤の一般的な調製
容器中で、加水分解された乳清タンパク質などの水溶性分散特性を有するタンパク質を、水またはバッファーなどの水性溶媒を含む溶液または懸濁液中に入れた。次いで、薬剤の濃縮物を標準的かつ特異的かつ公知の方法を用いて調製して、薬剤を溶液中に入れた。タンパク質溶液を約37℃に加温し、薬剤濃縮物を一定に撹拌しながらゆっくりと添加する。薬剤をタンパク質との平衡まで結合させる。タンパク質は薬剤生成物に対して大過剰であり、かくして、薬剤生成物の大部分を平衡で結合させた。典型的には、結合される薬剤の量に対するタンパク質中の利用可能な結合部位は大過剰にあり、過剰な結合部位の範囲は1,000〜10,000,000以上の範囲にあってよい。重量を考慮に入れれば、タンパク質に対する薬剤の割合(%)は、1重量%〜10重量%の範囲であろう。最も一般的には、タンパク質生成物に対する薬剤生成物は、1〜5%の範囲であろう。平衡に達した後、タンパク質:薬剤複合体を室温または23℃まで最小限に冷却し、濾過し、水溶液中に再懸濁した。着色料、保存剤、矯味剤、および他の薬剤を水溶液に添加して、最適な粘度を誘導することができる。
【実施例2】
【0100】
平衡透析により測定されるウシ血清アルブミン(BSA)へのフェンタニルの結合
標準的な2コンパートメント平衡透析法を用いて、BSAへのフェンタニルの結合を測定した。コンパートメント「A」中に、25 mMリン酸バッファーpH 7中の0.78 mMフェンタニル溶液および95 mg/ml BSAを入れた。コンパートメント「B」中に、25 mMリン酸バッファーpH 7を入れた。コンパートメントAおよびBを室温で4日間かけて平衡に到達させた。サンプルを1/10,000に希釈した後、フェンタニル濃度を、以下のプロトコルを用いて、Agilent 6400三連四重極質量分析計(Agilent Technologies, Santa Clara, California, USA)を用いて測定し、その結果を以下の表3に報告する。
【0101】
サンプル調製
血漿サンプル(50μL)を、予め重量を計測した遠心管中で、1%ピリジン(200μL)を含有するアセトンと混合した。全てのサンプルを4℃で10分間、15,000 rpmで遠心分離した。サンプルの重量を記録した後、上清を2つ目の予め重量を計測した遠心管に移し、SpeedVac濃縮器を用いることにより、減圧下で容量を減少させた。残留するアセトンを含まないサンプル容量を重量により決定した。濃縮後の平均サンプル容量は、約40μLであった。
【0102】
LC-MS/MSによる分析
5μLアリコートのそれぞれの処理されたサンプルを、Agilent 6460 Triple Quad LC/MSと連動させた1200シリーズAgilent液体クロマトグラフ上での液体クロマトグラフィーにかけた。クロマトグラフ条件を表1にまとめる。フェンタニルまたはケトプロフェンの検出はMRMによるものであった。フェンタニルの前駆体イオンは337 m/zであり、生成物イオンは188および105 m/z(m+1)であった。ケトプロフェンの前駆体イオンは255 m/zであり、生成物イオンは209および105 m/z(m+1)であった。質量分析条件を表2にまとめる。
【表1】

【表2】

【0103】
以下の表3に提供される結果は、3回の別々の測定後に、フェンタニルがBSAタンパク質に結合することが示されたことを示していた。
【表3】

【実施例3】
【0104】
水中で製剤化されたか、またはBSAに結合したフェンタニルを与えたマウスにおける痛覚抑制(鎮痛)
平均32グラムの体重のマウスに、水溶液中で調製されたか、またはBSAに結合させた後のフェンタニルをp.o.(経口)強制投与した。等モル量のフェンタニル塩基を各製剤中で用いた。55℃での水刺激を用いる尾の引っ込め反射により、鎮痛を評価した。その結果を図1A、1Bおよび2に提供する。
【0105】
図1Aおよび1Bに提供されるデータは、水中で製剤化されたフェンタニル、またはBSAと結合した状態で製剤化されたフェンタニルが両方とも、用量依存的関係で鎮痛を誘導する同等の効力を有することを示している(図1Aおよび1Bに提供される各データポイントは、3回の別々の測定を表す)。図2は、水中で製剤化されたフェンタニルとBSAに結合したフェンタニルとの直接比較を提示する(図1Aおよび1Bに提供される通り)。これらの実験において、BSAに結合したフェンタニルは、より大きい鎮痛応答をもたらした(BSA製剤と比較した1および3.2 mg/kgの水中のフェンタニルに関するデータを参照されたい)。
【実施例4】
【0106】
平衡透析により測定されるウシ血清アルブミン(BSA)へのケトプロフェンの結合
標準的な2コンパートメント平衡透析法を用いて、BSAへのケトプロフェンの結合を測定した。コンパートメント「A」中に、0.9%NaCl中に143 mg/mlのBSAと共にケトプロフェンの0.608 mM溶液を入れた。コンパートメント「B」中に、0.9%NaClを入れた。コンパートメントAおよびBを、室温で3日間かけて平衡に到達させた。サンプルを1/1,000に希釈した後、ケトプロフェン濃度を、Agilent 6400三連四重極質量分析計(Agilent Technologies, Santa Clara, California, USA)を用いて測定した(上記のプロトコルを参照されたい)。4回の測定に関する結果を以下の表4に提供する。
【表4】

【実施例5】
【0107】
0.9%NaCl中で製剤化されたケトプロフェンとBSA溶液に結合したケトプロフェンの薬物動態吸収プロフィールの比較
平均32グラムの体重のマウスに、0.9%NaCl中で製剤化されたか、または143 mg/mlでBSAに結合した1、3.2、または10 mg/kgのケトプロフェンを強制投与した。ケトプロフェン投与の30分後に、マウスをイソフルランで麻酔し、胸を開き、1 mlのシリンジ(22Gの1インチ針)を用いて左心室から心穿刺により血液を採取した。
【0108】
血液を1 mlのEDTA処理されたマイクロ容器に入れ、氷上で保存した。1500 rpmで15分間の遠心分離を用いて全血から血漿を分離させた。遊離血漿を氷上で保存し、Agilent 6400三連四重極質量分析計(Agilent Technologies, Santa Clara, California, USA)を用いてケトプロフェンの存在について分析した。塩水中で投与されたケトプロフェンおよびBSAに結合したケトプロフェンに関する吸収プロフィールを決定し、図3に提供する。各データポイントは3回の別々の測定の平均である。1 mg/kgおよび3.2 mg/kgでは、BSAに結合したケトプロフェンと塩水中で投与したケトプロフェンの吸収の間に差異はなかった。高用量のケトプロフェン(10 mg/kg)に関するデータは、BSAがケトプロフェンの吸収を容易にし、薬剤の生体利用率を増加させることができることを示している。
【0109】
本明細書に記載の全ての刊行物、特許出願、および特許は、参照により本明細書に組入れられるものとする。
【0110】
本発明の記載された方法および系の様々な改変および変更は、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、当業者には明らかであろう。本発明を特定の望ましい実施形態と共に説明してきたが、特許請求された本発明が、そのような特定の実施形態に不当に制限されるべきではないことが理解されるべきである。実際、医学、薬学の分野、または関連する分野の当業者には明らかである本発明を実施するための記載された様式の様々な改変は、本発明の範囲内にあると意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に医薬活性化合物を投与する方法であって、
(a)医薬活性化合物と、500 Da〜10,000,000 Daであるタンパク質または加水分解されたタンパク質とを含む粉末化組成物を用意する工程;
(b)前記粉末化組成物と、液体または半固体とを混合して、前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が前記医薬活性化合物に結合した安定な溶液または分散物を形成させる工程;および
(c)前記溶液または分散物を前記患者に経口投与する工程、
を含む、前記方法。
【請求項2】
前記医薬活性化合物と前記タンパク質または加水分解されたタンパク質とが、1:1〜1:1,000の比率で存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記組成物が、1%〜30%(w/w)の前記医薬活性化合物と、90%〜99%(w/w)の前記タンパク質または加水分解されたタンパク質とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、500 Da〜1,000,000 Daである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記組成物が変性しているか、または部分的に変性している、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記粉末のサイズが、1〜100メッシュである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液体が水または水溶液である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
分散物の粘度が1 cP〜450 cPである、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
分散物の粘度が50,000 cP〜200,000 cPである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記医薬活性化合物が500 Da未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記医薬活性化合物が、5-HT1A受容体アゴニスト、5-HT2受容体アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン受容体アゴニスト、β-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、麻酔剤、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、抗生物質、抗コリン剤、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗精神病剤、抗血小板剤、抗ウイルス剤、抗不安剤、コレステロール低下剤、ドーパミンアゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、エイコサノイド阻害剤、糖質コルチコイド、イオンチャンネル遮断剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、N-メチルd-アスパラギン酸受容体アンタゴニスト、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、プロスタグランジン、プロトンポンプ阻害剤、レニンアンタゴニスト、セロトニン作動薬、ステロイド性抗炎症剤、三環系抗鬱剤、トロンボキサンA2アゴニスト、トリプタン、血管拡張剤、または栄養補給食品のうちの1種以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、ゼラチン、カゼイン、乳清タンパク質、アルブミン、または大豆タンパク質のうちの1種以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、A型ゼラチンおよびB型ゼラチンからなる群より選択されるゼラチンである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、ウシ血清アルブミン、グリコマクロペプチド、免疫グロブリン、ラクトフェリン、およびラクトペルオキシダーゼからなる群より選択される乳清タンパク質である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、ウシ血清アルブミンおよびヒト血清アルブミンからなる群より選択されるアルブミンである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、β-コングリシニンおよびグリシニンからなる群より選択される大豆タンパク質である、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、70%〜95%(w/w)の乳清タンパク質または80%〜95%(w/w)のカゼインを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、吸収促進剤、抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、着色料、分散剤、香料、保存剤、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、甘味料、矯味剤、粘度制御剤、およびビタミンからなる群より選択される1種以上の薬剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記薬剤が、キトサン、A型ゼラチン、およびB型ゼラチンからなる群より選択される吸収促進剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記薬剤が、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、安息香酸プロピル、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、およびソルビン酸カルシウムからなる群より選択される抗菌剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記薬剤が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、およびその製薬上許容し得る塩からなる群より選択される緩衝剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
緩衝剤の量が6〜8のpHを有する分散物をもたらす、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記pHが6.8〜7.2である、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記薬剤が、ポリビニルピロリジン、アルキルヒドロキシセルロース、デキストリン、シクロデキストリン、およびポリヒドロキシアルコールからなる群より選択される分散剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項25】
前記薬剤が、エチレンジアミン四酢酸および4-ヒドロキシ安息香酸エステルからなる群より選択される保存剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項26】
前記薬剤が、200 Da〜1000 Daのポリエチレングリコール、ソルビトール、グリコールポリオール、およびジプロピレングリコールポリエチレンからなる群より選択される可溶化剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項27】
前記薬剤が、グリセリン、ペンタエリスリトール、およびアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される安定化剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項28】
前記薬剤が、ポリオキシグリセリド、カプリレート、ラウレート、オレエート、モノエチルエーテル、ソルビタンに基づく非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンに基づく界面活性剤、乳化剤ブレンド、およびコハク酸トコフェロールポリエチレングリコール1000からなる群より選択される界面活性剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記薬剤が、L-アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、ステビアサッカリン塩、シクラミン酸塩、アセフルファム-K、アスパルテーム、スクラロース、グリチルリチン酸塩、グルコース、キシロース、リボース、マンノース、フルクトース、デキストロース、ソルビトール、マンニトール、チミジン、およびモネリンからなる群より選択される甘味料である、請求項18に記載の方法。
【請求項30】
前記薬剤が、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラゲナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、またはカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群より選択される矯味剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項31】
前記薬剤が、ゼラチン、アルギン酸、アガロース、寒天、カラゲナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカント、カラヤゴム、天然ゴム、メチルセルロース、グルコマンナン、ガラクトマンナン、およびグラマンからなる群より選択される粘度制御剤である、請求項18に記載の方法。
【請求項32】
医薬活性化合物、および500 kDaより大きいタンパク質または加水分解されたタンパク質を含む粉末化組成物であって、液体または半固体と混合した場合、該タンパク質または加水分解されたタンパク質が前記医薬活性化合物に結合した、経口投与にとって好適な安定な溶液または分散物を形成する、前記組成物。
【請求項33】
前記医薬活性化合物と前記タンパク質または加水分解されたタンパク質とが、1:1〜1:1000の比率で存在する、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
前記組成物が、1%〜30%(w/w)の医薬活性化合物と、90%〜99%(w/w)のタンパク質または加水分解されたタンパク質とを含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項35】
前記組成物が変性しているか、または部分的に変性している、請求項32に記載の組成物。
【請求項36】
前記粉末のサイズが1〜100メッシュである、請求項32に記載の組成物。
【請求項37】
前記液体が水または水溶液である、請求項32に記載の組成物。
【請求項38】
前記分散物の粘度が1〜450 cPである、請求項32に記載の組成物。
【請求項39】
前記分散物の粘度が50,000 cP〜200,000 cPである、請求項32に記載の組成物。
【請求項40】
前記医薬活性化合物が500 Daより大きい、請求項32に記載の組成物。
【請求項41】
前記医薬活性化合物が、5-HT1A受容体アゴニスト、5-HT2受容体アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン受容体アゴニスト、β-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、麻酔剤、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、抗生物質、抗コリン剤、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗精神病剤、抗血小板剤、抗ウイルス剤、抗不安剤、コレステロール低下剤、ドーパミンアゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、エイコサノイド阻害剤、糖質コルチコイド、イオンチャンネル遮断剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、N-メチルd-アスパラギン酸受容体アンタゴニスト、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、プロスタグランジン、プロトンポンプ阻害剤、レニンアンタゴニスト、セロトニン作動薬、ステロイド性抗炎症剤、三環系抗鬱剤、トロンボキサンA2アゴニスト、トリプタン、血管拡張剤、または栄養補給食品のうちの1種以上である、請求項32に記載の組成物。
【請求項42】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、ゼラチン、カゼイン、乳清タンパク質、アルブミン、または大豆タンパク質のうちの1種以上である、請求項32に記載の組成物。
【請求項43】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、A型ゼラチンおよびB型ゼラチンからなる群より選択されるゼラチンである、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、α-ラクトアルブミン、β-ラクトグロブリン、ウシ血清アルブミン、グリコマクロペプチド、免疫グロブリン、ラクトフェリン、およびラクトペルオキシダーゼからなる群より選択される乳清タンパク質である、請求項42に記載の組成物。
【請求項45】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、ウシ血清アルブミンおよびヒト血清アルブミンからなる群より選択されるアルブミンである、請求項42に記載の組成物。
【請求項46】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、β-コングリシニンおよびグリシニンからなる群より選択される大豆タンパク質である、請求項42に記載の組成物。
【請求項47】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、70%〜95%(w/w)の乳清タンパク質または80%〜95%(w/w)のカゼインを含む、請求項42に記載の組成物。
【請求項48】
吸収促進剤、抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、着色料、分散剤、香料、保存剤、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、甘味料、矯味剤、粘度制御剤、およびビタミンからなる群より選択される1種以上の薬剤をさらに含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項49】
前記薬剤が、キトサン、A型ゼラチン、およびB型ゼラチンからなる群より選択される吸収促進剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記薬剤が、メチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸ナトリウム、安息香酸プロピル、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、およびソルビン酸カルシウムからなる群より選択される抗菌剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
前記薬剤が、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、リン酸、およびその製薬上許容し得る塩からなる群より選択される緩衝剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項52】
緩衝剤の量が6〜8のpHを有する分散物をもたらす、請求項52に記載の組成物。
【請求項53】
pHが6.8〜7.2である、請求項53に記載の組成物。
【請求項54】
前記薬剤が、ポリビニルピロリジン、アルキルヒドロキシセルロース、デキストリン、シクロデキストリン、およびポリヒドロキシアルコールからなる群より選択される分散剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項55】
前記薬剤が、エチレンジアミン四酢酸および4-ヒドロキシ安息香酸エステルからなる群より選択される保存剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項56】
前記薬剤が、200 Da〜1000 Daのポリエチレングリコール、ソルビトール、グリコールポリオール、およびジプロピレングリコールポリエチレンからなる群より選択される可溶化剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項57】
前記薬剤が、グリセリン、ペンタエリスリトール、およびアルギン酸ナトリウムからなる群より選択される安定化剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項58】
前記薬剤が、ポリオキシグリセリド、カプリレート、ラウレート、オレエート、モノエチルエーテル、ソルビタンに基づく非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタンに基づく界面活性剤、乳化剤ブレンド、およびコハク酸トコフェロールポリエチレングリコール1000からなる群より選択される界面活性剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項59】
前記薬剤が、L-アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、ステビアサッカリン塩、シクラミン酸塩、アセフルファム-K、アスパルテーム、スクラロース、グリチルリチン酸塩、グルコース、キシロース、リボース、マンノース、フルクトース、デキストロース、ソルビトール、マンニトール、チミジン、およびモネリンからなる群より選択される甘味料である、請求項48に記載の組成物。
【請求項60】
前記薬剤が、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、カラゲナン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、微結晶性セルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムからなる群より選択される矯味剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項61】
前記薬剤が、ゼラチン、アルギン酸、アガロース、寒天、カラゲナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、トラガカント、カラヤゴム、天然ゴム、メチルセルロース、グルコマンナン、ガラクトマンナン、およびグラマンからなる群より選択される粘度制御剤である、請求項48に記載の組成物。
【請求項62】
請求項32〜61のいずれか1項に記載の粉末化組成物と、液体または半固体とを混合することにより調製された液体または半固体製剤。
【請求項63】
前記液体が水溶液である、請求項62に記載の液体製剤。
【請求項64】
pHが6〜8である、請求項63に記載の液体製剤。
【請求項65】
pHが6.8〜7.2である、請求項64に記載の液体製剤。
【請求項66】
粘度が1 cP〜450 cPである、請求項62に記載の液体製剤。
【請求項67】
粘度が50,000 cP〜200,000 cPである、請求項62に記載の液体製剤。
【請求項68】
粉末化組成物を調製するための方法であって、
10℃〜50℃の範囲の第1の温度で水溶液中にタンパク質または加水分解されたタンパク質を分散させて、タンパク質混合物を形成させること;
前記タンパク質混合物に有効量の医薬活性化合物を添加すること;
前記化合物を前記タンパク質混合物に添加する前または後に、該タンパク質混合物を23℃〜60℃の範囲の第2の温度に加熱すること、ここで前記タンパク質または加水分解されたタンパク質の量が前記化合物の有効量を超えている;
前記混合物を5℃〜23℃の範囲の第3の温度に冷却すること;および
前記水溶液から前記混合物を分離して、前記粉末化組成物を取得すること、
を含む、前記方法。
【請求項69】
前記タンパク質または加水分解されたタンパク質が、ゼラチン、カゼイン、乳清タンパク質、アルブミン、または大豆タンパク質のうちの1種以上である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記水溶液が水またはバッファーである、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記バッファーが6〜8のpHを有する、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記水溶液が、吸収促進剤、抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、着色料、分散剤、香料、保存剤、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、甘味料、矯味剤、粘度制御剤、およびビタミンからなる群より選択される1種以上の薬剤をさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項73】
前記第1の温度範囲が20℃〜25℃である、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
前記第2の温度範囲が25℃〜37℃である、請求項68に記載の方法。
【請求項75】
前記第3の温度範囲が23℃〜37℃である、請求項68に記載の方法。
【請求項76】
(a)液体と混合させて、患者への経口投与にとって好適な安定な溶液または分散物を形成することができる粉末化組成物であって、
i. 1%〜30%(w/w)の医薬活性化合物および
ii. 70%〜99%(w/w)の500 kDaより大きいタンパク質または加水分解されたタンパク質、
を含み、前記化合物が前記タンパク質に結合した、前記組成物;
(b)液体;ならびに
(c)前記粉末化組成物と前記液体との混合に関する説明書、
を含むキット。
【請求項77】
前記粉末化組成物が、5-HT1A受容体アゴニスト、5-HT2受容体アンタゴニスト、α-アドレナリン受容体アゴニスト、α-アドレナリン受容体アンタゴニスト、β-アドレナリン受容体アゴニスト、β-アドレナリン受容体アンタゴニスト、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、麻酔剤、アンジオテンシン受容体アンタゴニスト、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、抗生物質、抗コリン剤、抗凝固剤、抗痙攣剤、抗鬱剤、抗糖尿病剤、抗真菌剤、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、抗精神病剤、抗血小板剤、抗ウイルス剤、抗不安剤、コレステロール低下剤、ドーパミンアゴニスト、ドーパミンアンタゴニスト、エイコサノイド阻害剤、糖質コルチコイド、イオンチャンネル遮断剤、モノアミンオキシダーゼB阻害剤、N-メチルd-アスパラギン酸受容体アンタゴニスト、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、プロスタグランジン、プロトンポンプ阻害剤、レニンアンタゴニスト、セロトニン作動薬、ステロイド性抗炎症剤、三環系抗鬱剤、トロンボキサンA2アゴニスト、トリプタン、血管拡張剤、または栄養補給食品からなる群より選択される医薬活性化合物を含む、請求項76に記載のキット。
【請求項78】
前記粉末化組成物が、ゼラチン、カゼイン、乳清タンパク質、アルブミン、および大豆タンパク質からなる群より選択されるタンパク質または加水分解されたタンパク質を含む、請求項76に記載のキット。
【請求項79】
前記液体が、吸収促進剤、抗菌剤、酸化防止剤、緩衝剤、着色料、分散剤、香料、保存剤、可溶化剤、安定化剤、界面活性剤、甘味料、矯味剤、粘度制御剤、およびビタミンからなる群より選択される1種以上の薬剤を含む、請求項76に記載のキット。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−515004(P2013−515004A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544920(P2012−544920)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2010/061135
【国際公開番号】WO2011/075691
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(512159672)エクソドス ライフ サイエンシーズ リミテッド パートナーシップ (3)
【Fターム(参考)】