説明

定着装置

【課題】 小サイズ紙の生産性を最大化しつつも、記録材のサイズに依らずコールドオフセットおよびホットオフセットを防止できるベルト定着装置を提供すること。
【解決手段】 前記加熱体が長手方向の基準位置から長手方向に単位長さ当たりの抵抗値が連続的に又は段階的に小さくなる領域を有する第1の抵抗発熱体と、長手方向の基準位置から長手方向に単位長さ当たりの抵抗値が連続的に又は段階的に大きくなる領域を有する第2の抵抗発熱体を短手方向に並列して備え、前記第1の抵抗発熱体へ印加する時間平均電圧に対する第2の抵抗発熱体へ印加する時間平均電圧の比率である通電比率を調整するための通電比率制御手段を有し、前記通電比率に応じて前記目標温度設定手段が設定する前記目標温度が異なることを特徴とする定着装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複写機やプリンタ、ファクシミリなどの電子写真方式を用いた画像形成装置に用いられる定着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の複写機、レーザービームプリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置は、画像形成部で記録材上に形成担持させた未定着トナー画像を記録材上に定着させることを目的としている。定着装置としては加熱された定着ローラと加圧ローラとの定着ニップ部で記録材を挟持搬送し、加熱・加圧して未定着トナー画像を記録材上に定着させる熱ローラ方式が一般に用いられている。
【0003】
近年では、省エネルギー化、又は電源ONから画像出力までの時間(ウォームアップタイム)の短縮を実現するため、定着ベルト方式の定着装置が実用化されている。
【0004】
例えば、特許文献1記載の定着装置は加熱体である板状セラミックヒータと、加圧部材である加圧ローラとの間に、定着ベルトを介して定着ニップ部を形成し、定着ベルトを加圧ローラと共に回転させる構成である。そして、定着ニップ部において、記録材を搬送しながら加熱・加圧して、未定着トナー画像を記録材に定着させる。
【0005】
このような定着ベルト方式の定着装置は、従来の熱ローラ方式の定着装置と比較して、定着部材の熱容量が非常に小さいため、加熱体からの熱エネルギーを効率良く使用することができる。従って、定着ベルト方式の定着装置はウォームアップタイムを大幅に短縮することができる。更に、ウォームアップタイムが短いため、待機中に定着部材を予熱する必要が無く、大幅な消費電力の削減が可能である。
【0006】
一方、定着ベルト方式の定着装置では非通紙部昇温と呼ばれる問題が顕著に発生する。これは、幅方向のサイズが小さい記録材(以後、小サイズ紙と称す)を連続してい定着処理すると、長手方向における記録材が通過しない領域(以後、非通紙部と称す)の定着装置の各部材(加熱体、定着ベルト、加圧ローラなど)の温度が過度に上昇する現象である。
【0007】
長手方向における記録材の通紙領域(以後、通紙部と称す)の各部材の温度は、記録材に熱量が奪われながらも、加熱体から供給される熱によって所定の温度となるように電力供給制御される。一方、非通紙部の各部材の温度は、記録材にその熱量が奪われず、且つ、加熱体から熱が供給されるため、温度上昇してしまう。
この温度上昇により、各部材の温度が高温になりすぎると、例えば、定着ベルトの離型層の接着性の低下や定着ベルトおよび加圧ローラに設ける弾性層の軟化等の熱劣化が発生する。
【0008】
定着ベルト方式の定着装置は熱ローラ定着装置と比較して、熱容量の小さい定着部材を用いているため、非通紙部昇温が大きくなり易い。
【0009】
このような問題を防止するため、非通紙部の温度を検知して、該温度が所定温度に達すると、単位時間当たりに定着処理を行う記録材の枚数を低下させる(以後、スループットダウンと称す)ことで非通紙部昇温を低減する方法が提案および実用化されている。
【0010】
例えば、特許文献2の定着装置では、非通紙部に配置した温度検知手段の検知温度が所定温度に達する毎に、スループットダウンさせる制御が提案されている。
【0011】
また、特許文献3の定着装置では長手方向の発熱量分布が互いに異なる複数の抵抗発熱体を有する加熱体を用いたベルト定着方式の定着装置を提案している。具体的には、長手方向の発熱量分布が中央高の抵抗発熱体に印加する時間平均電圧に対する発熱量分布が端部高の抵抗発熱体へ印加する時間平均電圧の比率(以後、通電比率と称す)を調整する制御としている。該制御により、加熱体としての発熱量分布を記録材の幅方向サイズに応じて切り替える構成を提案している。更に具体的には、記録材の幅方向サイズが小さいほど通電比率を小さくする構成としている。この構成では非通紙部昇温が低減されるので、スループットダウンが発生しにくくなり、ユーザのストレスを軽減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平4−204980号公報
【特許文献2】特開2002−169413号公報
【特許文献3】特開2009−075433号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
近年の省エネルギー化の高まりによって、定着部材の温度が比較的低い温度でも定着可能なトナーとして、溶融温度が低いトナーが提案および実用化されている。
【0014】
一般的に溶融温度が低いトナーは溶融が開始する温度を超えると、その粘度が急激に低下しやすく、ホットオフセットが発生する温度が大幅に低下してしまう。そのため、定着装置としては定着部材の温度をより精度良く維持することが必要となる。
【0015】
然しながら、筆者らが鋭意検討した結果、特許文献3の定着装置では通電比率によって通紙部の定着ベルトの温度が変わることがわかった。
【0016】
上記現象が発生する理由について以下に説明する。
【0017】
記録材の搬送方向に於けるセラミックヒータのサーミスタ面側の温度分布は、通電比率が小さくなるほど中央部の温度が低くなる。通電比率が大きくなるほ中央部の温度が高くなる。ここで、セラミックヒータの温度を検知するためのサーミスタは発熱量分布が端部高の抵抗発熱体と対向して配置されている。そのため、サーミスタの目標温度が一定の場合、通電比率が小さくなるほど記録材の搬送方向に於いて両端部の温度が高い温度分布となる。
【0018】
一方で、セラミックヒータの定着ベルトを接触加熱する側の面における、記録材の搬送方向の温度分布は通電比率に依らずほぼ均一であるが、その温度は通電比率が小さいほど高くなる。これは、抵抗発熱体側の面における温度分布が、その熱がセラミック基板を通過する間に馴らされるためである。
【0019】
つまり、特許文献3の定着装置は、通電比率を変えるとセラミックヒータの定着ベルト側の面の温度が変わるため、定着ベルトの温度が変わってしまうのである。具体的には、通電比率を小さく設定する、幅方向のサイズが小さい記録材の定着処理中ほど、定着ベルトの温度が高くなる。そのため、溶融温度が低トナーを用いると、例えばA5縦等の小サイズ紙におけるホットオフセットと、例えばA4横等の幅方向のサイズが大きな記録材に於ける、コールドオフセットを両立することが出来なかった。
【0020】
以上から本発明は、通電比率に依らず定着ベルトの温度を安定的に維持することが可能であり、小サイズ紙の生産性を最大化しつつも、記録材のサイズに依らずコールドオフセットおよびホットオフセットを防止できるベルト定着装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
(手段)
定着部材と、該定着部材を前記加熱体に密着させて定着ニップ部を形成する加圧部材と、該定着部材を加熱するための加熱体と、通紙され得る全てのサイズの記録材が通過する領域における前記加熱体の温度を検知する第1の温度検知手段と、前記温度検知手段の検知温度が目標温度となるように、前記加熱体に供給する電力を制御する電力供給制御手段と、前記目標温度を定める目標温度決定手段を有し、前記定着ニップ部でトナー像を担持した記録材を挟持搬送し、加熱及び加圧により該トナー像を記録材に定着させる定着装置であって、前記加熱体が長手方向の基準位置から長手方向に単位長さ当たりの抵抗値が連続的に又は段階的に小さくなる領域を有する第1の抵抗発熱体と、長手方向の基準位置から長手方向に単位長さ当たりの抵抗値が連続的に又は段階的に大きくなる領域を有する第2の抵抗発熱体を短手方向に並列して備え、前記第1の抵抗発熱体へ印加する時間平均電圧に対する第2の抵抗発熱体へ印加する時間平均電圧の比率である通電比率を調整するための通電比率制御手段を有し、前記通電比率に応じて、前記目標温度設定手段が設定する前記目標温度が異なることを特徴とする定着装置。
【0022】
(作用)
通電比率によって、通紙部の定着ベルトの温度が変わる原因は、加熱体の温度を検知する温度検知手段が検知する温度と定着ベルト側の加熱体面の温度差が変わることに起因する。
【0023】
そこで、本発明では通電比率に応じて、目標温度設定手段が加熱体の目標温度を適宜変える構成により、定着ベルトの温度をほぼ同じ温度にすることができる。そのため、溶融温度が低いトナーを用いる場合に於いても、記録材の幅方向のサイズに依らずコールドオフセットとホットオフセットの両方を防止することができる。
【0024】
つまり、本発明の定着装置により、通電比率に依らず定着ベルトの温度を安定的に維持することが可能であり、小サイズ紙の生産性を最大化しつつも、記録材のサイズに依らずコールドオフセットおよびホットオフセットを防止できるベルト定着装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、定着部材と、該定着部材を前記加熱体に密着させて定着ニップ部を形成する加圧部材と、該定着部材を加熱するための加熱体と、通紙され得る全てのサイズの記録材が通過する領域における前記加熱体の温度を検知する第1の温度検知手段と、前記温度検知手段の検知温度が目標温度となるように、前記加熱体に供給する電力を制御する電力供給制御手段と、前記目標温度を定める目標温度決定手段を有し、前記定着ニップ部でトナー像を担持した記録材を挟持搬送し、加熱及び加圧により該トナー像を記録材に定着させる定着装置であって、前記加熱体が長手方向の基準位置から長手方向に単位長さ当たりの抵抗値が連続的に又は段階的に小さくなる領域を有する第1の抵抗発熱体と、長手方向の基準位置から長手方向に単位長さ当たりの抵抗値が連続的に又は段階的に大きくなる領域を有する第2の抵抗発熱体を短手方向に並列して備え、前記第1の抵抗発熱体へ印加する時間平均電圧に対する第2の抵抗発熱体へ印加する時間平均電圧の比率である通電比率を調整するための通電比率制御手段を有し、前記通電比率に応じて、前記目標温度設定手段が設定する前記目標温度が異なることを特徴とする定着装置によって、通電比率に依らず定着ベルトの温度を安定的に維持することが可能であり、小サイズ紙の生産性を最大化しつつも、記録材のサイズに依らずコールドオフセットおよびホットオフセットを防止できるベルト定着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の定着ヒータの発熱体形状を説明する図。
【図2】本発明の定着装置を用いた画像形成装置を説明する図。
【図3】本発明の定着装置を説明する図。
【図4】本発明の定着装置を説明する図。
【図5】本発明の定着ヒータへの電力供給経路を説明する図。
【図6】本発明の定着装置において小サイズ紙を通紙する際の定着ベルトの温度分布を説明する図。
【図7】本発明の通電比率および閾値温度の設定値を説明する図。
【図8】本発明のヒータ面に於ける温度分布を説明する図。
【図9】比較例の定着装置の定着ベルトの温度を説明する図。
【図10】本発明の通電比率と目標温度との関係を説明する図。
【図11】本発明の定着装置の定着処理制御を説明する図。
【図12】本発明の定着装置の定着ベルトの温度を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(第1の実施例)
図2は上記カラーレーザプリンタの画像形成部の一例の構成略図である。本例のカラーレーザプリンタは、電子写真プロセス利用、中間転写ドラムタイプのものである。
【0028】
101は有機感光体やアモルファスシリコン感光体でできた感光ドラム(像担持体)であり、矢示の反時計方向に所定のプロセス速度(周速度)で回転駆動される。感光ドラム101はその回転過程で帯電ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様な帯電処理を受ける。
【0029】
次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103により、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。レーザ光学箱110は不図示の画像読み取り装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)したレーザ光103を出力して感光ドラム101面を走査露光するもので、この走査露光により感光ドラム101面には走査露光した目的画像情報に対応した静電潜像が形成される。109はレーザ光学箱110からの出力レーザ光103を感光ドラム101の露光位置に偏向させるミラーである。
【0030】
フルカラー画像形成の場合は、目的のフルカラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器104Yの作動でイエロートナー画像として現像される。そのイエロートナー画像は感光ドラム101と中間転写ドラム105との接触部(或いは近接部)である1次転写部T1において中間転写ドラム105面に転写される。中間転写ドラム105面に対するトナー画像転写後の感光ドラム101面はクリーナ107により転写残トナー等の付着残留物の除去を受けて清掃される。
【0031】
上記のような帯電・走査露光・現像・一次転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画像の第2の色分解成分画像(例えはマゼンタ成分画像、マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現像器104BKが作動)の各色分解成分画像について順次実行され、中間転写ドラム105面にイエロートナー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒トナー画像の4色のトナー画像が順次重ねて転写されて、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像が形成される。
【0032】
中間転写ドラム105は、金属ドラム上に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を設けたもので、感光ドラム101に接触して或いは近接して感光ドラム101とほぼ同じ周速度で矢示の時計方向に回転駆動され、中間転写ドラム105の金属ドラムにバイアス電位を与えて感光ドラム101との電位差で感光ドラム101側のトナー画像を前記中間転写ドラム105面側に転写させる。上記の中間転写ドラム105面に形成されたカラートナー画像は、前記中間転写ドラム105と転写ローラ106との接触ニップ部である二次転写部T2において、前記二次転写部T2に給紙部(不図示)から搬送ローラ対、トップセンサ(レジストセンサ)等を含むシートパス(いずれも不図示)を通って所定のタイミングで送り込まれた記録材(転写材、用紙)Pの面に転写されていく。転写ローラ106は記録材Pの背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間転写ドラム105面倒から記録材P側へ合成カラートナー画像を順次に一括転写する。
【0033】
二次転写部T2を通過した記録材Pは中間転写ドラム105面から分離されて定着装置(像加熱装置)100へ導入され、未定着トナー画像の加熱定着処理を受けて、機外の不図示の排紙トレーに排出される。
【0034】
記録材Pに対するカラートナー画像転写後の中間転写ドラム105はクリーナ108により転写残トナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて清掃される。このクリーナ108は常時は中間転写ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過程において中間転写ドラム105に接触状態に保持される。また転写ローラ106も常時中間転写ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写ドラム105から記録材Pに対するカラートナー画像の二次転写実行過捏において中間転写ドラム105に転写材Pを介して接触状態に保持される。
【0035】
本例のプリンタは、白黒画像などモノカラー画像のプリントモードも実行できる。また両面画像プリントモードも実行できる。両面画像プリントモードの場合は、定着装置100を出た1面目画像プリント済みの記録材Pは不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び二次転写部T2へ送り込まれて2面に対するトナー画像転写を受け、再度、定着装置100に導入されて2面に対するトナー画像の定著処理を受けることで両面画像プリントが出力される。
【0036】
次に、本実施例にて用いられるトナーについて説明する。
【0037】
トナーは、結着樹脂、着色剤、そして、必要に応じてその他の添加剤を含む着色樹脂粒子と、コロイダルシリカ微粉末のような外添剤が外添されている着色粒子とを有しており、粉砕法により製造した負帯電性のポリエステル系樹脂であり、体積平均粒径は5μm以上、9μm以下が好ましい。本実施例では7.2μmであった。
【0038】
尚、本実施例にて用いられるトナーについて、体積平均粒径は以下に示す装置及び方法にて測定した。測定装置としては、コールターカウンターTA−II型(コールター社製)、個数平均分布、体積平均分布を出力するためのインターフェース(日科機製)及びCX−Iパーソナルコンピュータ(キヤノン製)を使用し、電界水溶液として、一級塩化ナトリウムを用いて調製した1%NaCl水溶液を使用した。測定方法は以下に示す通りである。即ち、上記の電界水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩を0.1ml加え、測定試料を0.5〜50mg加える。試料を懸濁した電界水溶液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、上記のコールターカウンターTA−II型により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布を求める。こうして求めた体積平均分布より、体積平均粒径を得る。
【0039】
尚、本実施例のトナーは定着ベルト温度が170℃以上でホットオフセットが発生し、定着ベルト温度が160℃以下で所謂コールドオフセットが発生する。
図3は本実施例における定着装置100の概略構成図である。本実施例の定着装置100は、定着ベルト方式の定着装置である。
【0040】
20は定着ベルトであり、ステンレスからなるベルト状の基層部材の周面上にシリコーンゴムからなる弾性層を設け、該弾性層周面上にPFAからならチューブを被覆したエンドレスベルト状の定着部材である。22は加圧ローラである。17は加熱体保持部材としての、横断面略半円弧状樋型の耐熱性・剛性を有するヒータホルダ、16は加熱体としての定着ヒータであり、ヒータホルダ17の下面に該ヒータホルダの長手に沿って配設してある。定着ベルト20はこのヒータホルダ17にルーズに外嵌させてある。
【0041】
ヒータホルダ17は、耐熱性の高い液晶ポリマー樹脂で形成し、定着ヒータ16を保持し、定着ベルト20をガイドする役割を果たす。本実施例においては、液晶ポリマーとして、デュポン社のゼナイト7755(商品名)を使用した。
【0042】
加圧ローラ22は、ステンレス製の芯金に、射出成形により、厚み約3mmのシリコーンゴム層を形成し、その上に厚み約40μmのPFA樹脂チューブを被覆してなる。この加圧ローラ22は芯金の両端部を装置フレーム24の不図示の奥側と手前側の側板間に回転自由に軸受保持させて配設してある。この加圧ローラ22の上側に、前記の定着ヒータ16・ヒータホルダ17・定着ベルト20等から成る定着ベルトユニットをヒータ16側を下向きにして加圧ローラ22に並行に配置し、ヒータホルダ17の両端部を不図示の加圧機構により片側156.8N(16kgf)、総圧313.6N(32kgf)の力で加圧ローラ22の軸線方向に附勢することで、定着ヒータ16の下向き面を定着ベルト20を介して加圧ローラ22の弾性層に該弾性層の弾性に抗して所定の押圧力をもって圧接させ、加熱定着に必要な所定幅の定着ニップ部27を形成させてある。
【0043】
19と18は第一と第二の温度検知手段としてのメインとサブの2つのサーミスタである。図4に、本実施例の定着装置における、定着ヒータ16、メインサーミスタ19、サブサーミスタ18の位置関係をあらわす斜視模型図を示す。メインサーミスタ19は点線で示す通紙基準位置において、サブサーミスタ18は通紙基準から145mm端部方向に離れた位置において、定着ヒータ16の裏面に接触するよう配置されている。
【0044】
メインサーミスタ19は最小の記録材が通過する位置に配置され、定着ヒータ16の温度を検知する。メインサーミスタ19はその検知温度が目標温度となるように定着ヒータ16へ供給する電力を制御する役割を果たす。
【0045】
サブサーミスタ18は小サイズ紙が通過しない位置に配置され、非通紙部の定着ヒータ16の温度を検知する。詳細な動作は後述するが、サブサーミスタ18の検知温度が所定温度(閾値温度)に達すると、スループットダウン動作を行うことにより、非通紙部の昇温を防止する。このスループットダウン動作により定着ベルト等の各部材の熱劣化を軽減できることは前述の通りである。
【0046】
加圧ローラ22は駆動手段(図不示)により矢印の方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ22の回転駆動による該加圧ローラ22の外面と定着ベルト20との、定着ニップ部における圧接摩擦力により円筒状の定着ベルト20に回転力が作用して該定着ベルト20がその内面側が定着ヒータ16の下向き面に密着して摺動しながらヒータホルダ17の外回りを矢印の方向に従動回転状態になる。定着ベルト20内面にはグリスが塗布され、ヒータホルダ17と定着ベルト20内面との摺動性を確保している。
【0047】
加圧ローラ22が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着ベルト20が従動回転状態になると定着ヒータ16に通電がなされる。該定着ヒータ16が昇温して所定の温度に立ち上げ温調された状態になると、定着ニップ部の定着ベルト20と加圧ローラ22との間に未定着トナー像を担持した記録材Pが入り口ガイド23に沿って案内される。定着ニップ部にでは、記録材Pのトナー像担持面側が定着ベルト20の外面に密着して定着ベルト20と一緒に定着ニップ部を挟持搬送されていく。
【0048】
この挟持搬送過程において、定着ヒータ16の熱が定着ベルト20を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像が記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。定着ニップ部を通過した記録材Pは定着ベルト20から曲率分離され、定着排紙ローラ26で排出される。
【0049】
次に、図1および図8を用いて本実施例の定着ヒータについて説明する。図1は本実施形態のヒータ16の抵抗発熱体の模式図であり、図8は定着ヒータ16の層構成を示す断面図である。
【0050】
定着ヒータ16はアルミナの基板12a上に、銀・パラジウム合金を含んだ導電ペーストをスクリーン印刷法によって均一な10μm程度の厚さの膜状に塗布することで抵抗発熱体401、402を形成している。更に、その上に、耐圧ガラスによるガラスコートGを施した、セラミックヒータである。定着ヒータ16は抵抗発熱体が形成された面を上向きにしてヒータホルダ17に固定して支持させる。更に、定着ベルト20との接触面側の基板12aには摺動層として厚さ10μm程度のポリイミド層405を設けている。ポリイミド層405により、定着ベルト20と定着ヒータ16との摺擦抵抗を低減して、駆動トルクの低減および定着ベルト20内面の磨耗を防止している。
【0051】
図1に示すように定着ヒータ16は抵抗発熱体を短手方向に3本並列して配置される。
【0052】
両側の2本の発熱体が中央部で抵抗値が大きく(発熱量が大きく)、端部で抵抗値が小さい(発熱量が小さい)第一の抵抗発熱体401である。
【0053】
中央の1本の発熱体が中央部で抵抗値が小さく(発熱量が小さく)、端部で抵抗値が大きい(発熱量が大きい)第二の抵抗発熱体402である。
【0054】
抵抗発熱体は短手方向に対称形状であり、抵抗発熱体の厚みを一定として、短手方向の幅を長手方向で連続的に変化させることにより、抵抗値を変化させている。
【0055】
また、抵抗発熱体401及び402の長手方向の長さは、A4横が定着できるように、320mmである。
【0056】
次に、本実施例の定着ヒータ16への電力供給制御手段について、図5を用いて説明する。図5は本実施例における商用電源201から定着ヒータ16への電力供給経路を示す模式図である。
【0057】
第1および第2の抵抗発熱体401、402は、夫々トライアック200aと200bに接続され、独立に電力供給制御手段に接続されており、CPU203により、異なる電力を独立に供給できる。通電比率制御手段としての処理装置(CPU)204がCPU203に接続され、トライアック200aと200bとの通電比率を可変制御できる。
【0058】
メインサーミスタ109により検知されたアナログ情報は、A/D変換回路202によりデジタル情報に変換され、CPU203に入力される。CPU203は入力された定着ヒータ16の温度情報と予め設定される目標温度とを比較する。そして、その差分からトライアック200を介して、商用電源201から抵抗発熱体108への供給電力をPID制御(比例、微分、積分制御)し、定着ヒータ16の温度が所定の定着温度になるように制御する。定着ヒータ16の温度を目標温度に維持することにより、定着ベルト20の温度は定着可能な温度に維持される。
【0059】
電力供給手段による電力供給量調節方法としては、所謂、位相制御方式または波数制御方式などを採用することができ、電源回路構成、印加電圧などから高調波電流やフリッカーの発生を鑑みて適宜決定すればよい。本実施例では位相制御方式を採用している。
【0060】
次に、非通紙部昇温に関して説明する。
【0061】
図6は本実施例の定着装置に於いて、小サイズ紙としてB5縦を連続して通紙した場合に、定着ベルトの非通紙部の最大温度が220℃となるタイミングにおける定着ベルト20の長手方向の温度分布を示す図である。尚、図6は通電比率制御手段により、通電比率を変化させた場合を示していおり、実線(1)が100%、中太線(2)が50%、大太線(3)が0%を示す。尚、本実験におけるメインサーミスタ109の目標温度は210℃である。
【0062】
尚、本実施例の定着装置で用いる定着ベルトは、その表面温度が220℃を超えるとシリコーンゴムと離型層とを接着する接着剤の接着性が損なわれる。そのため、非通紙部の温度としては220℃を超えないようにスループットダウンする必要がある。
【0063】
図6のように、(1)は10枚の定着処理を行った後に、非通紙部の最大温度が220℃となり、この時のサブサーミスタ108の検知温度は260℃(D3)である。従って、サブサーミスタ108の検知温度が260℃に達すると、生産性を例えば約30ppmから20ppmにスループットダウンする必要がある。
【0064】
(2)は50枚の定着処理を行った後に、非通紙部の最大温度が220℃となり、この時のサブサーミスタ108の検知温度は240℃(D4)である。従って、サブサーミスタ108の検知温度が240℃に達すると生産性を例えば約30ppmから20ppmにスループットダウンする必要がある。
【0065】
(3)は100枚の定着処理を行った後に、非通紙部の最大温度が220℃となり、この時のサブサーミスタ108の検知温度は240℃は220℃(D5)である。従って、サブサーミスタ108の検知温度が220℃に達すると生産性を例えば約30ppmから20ppmにスループットダウンする必要がある。
【0066】
このように、通電比率を小さくすると、抵抗発熱体402の発熱量が減少するので、非通紙部昇温が小さくなり、スループットダウンさせるまでの通紙枚数が多くなる。
【0067】
また、上記の様に、通電比率を変更すると、非通紙部の定着ベルト20の最大温度と、サブサーミスタ108の検知温度との関係が大きく変化する。そのため、通電比率に依らず、スループットダウンを開始するためのサブサーミスタ108の検知温度(以下、閾値温度と称す)が同じ温度では以下の問題が発生する。まず、通電比率が高い場合に非通紙部温度が220を超えない条件で閾値温度を設定すると、通電比率が低い場合に非通紙部昇温がそれほど高くない状態でスループットダウンしてしまう。逆に、通電比率が低い場合で非通紙部温度が220を超えない条件で閾値温度を設定すると、通電比率が高い場合で非通紙部の温度が220℃を超えてしまう。
【0068】
従って、本実施例の定着装置では図7に示すように通電比率に応じて閾値温度を設定している。設定温度は図7の通りである。
【0069】
次に、本実施例の特徴的な部分である、通電比率に応じてメインサーミスタ109の目標温度を決定する方法について説明する。図8は通電比率を変えた時の、定着ヒータ106の発熱体側の面の短手方向における温度分布を示す図である。尚、(a)が通電比率1.0、(b)が通電比率0.5、(C)が通電比率0.0を示す。
【0070】
図10の通り、通電比率が異なると温度分布形状が大きく異なる。本実施例の定着装置では、メインサーミスタ109を短手方向において、ヒータ面のほぼ中心位置に配置している。従って、メインサーミスタ109の目標温度を通電比率に依らず例えば210℃とした場合、通電比率が小さいほど定着ヒータ106の温度、特に、定着ベルト20と接触する側の面の温度が高くなり、定着ベルトの温度が高くなる。図9は通電比率を変更して定着処理を行う際の通紙域における定着ベルト20の温度を示す図である。(a)が通電比率1.0、(b)が通電比率0.5、(C)が通電比率0.0を示し、本実験でのメインサーミスタ109の目標温度は210℃である。
【0071】
図9の通り、通電比率が1.0の時は、定着ベルト20の温度は160℃であるが、通電比率が0.5、および0.0の時の定着ベルト20の温度はそれぞれ165℃、173℃となる。前述のように、本実施例で用いるトナーは160℃以上でコールドオフセットを、170℃以下でホットオフセットが発生する。従って、メインサーミスタ109の目標温度が通電比率に依らず210℃の場合、通電比率が0.0の時にホットオフセットが発生してしまう。
【0072】
逆に、メインサーミスタ109の目標温度を低い温度に設定すると、通電比率が0.0の場合に於けるホットオフセットは防止できるが、通電比率が1.0の場合に於けるコールドオフセットが防止できない。つまり、通電比率に依らずメインサーミスタ109の目標温度が同じ温度の場合は、コールドオフセットとホットオフセットの両方を満足することが出来ないのである。
【0073】
図10は、本実施例の定着装置に於ける通電比率に対するメインサーミスタ109の目標温度を示す図であり、通電比率が小さいほどメインサーミスタ109の目標温度を低い温度に設定している。
【0074】
これに従って、定着処理を行う際の通紙域における定着ベルト20の温度を図12に示す。尚、(a)が通電比率1.0、(b)が通電比率0.5、(C)が通電比率0.0で示す。この時の温度推移は通電比率に依らずほぼ165℃となり、コールドオフセットおよびホットオフセットが発生することは無い。
【0075】
本実施例の定着装置が定着処理を行う際の、通電比率、閾値温度およびメインサーミスタ109の目標温度を決定するまでのフローチャートを図11に示す。
【0076】
複写モードの記録材情報の記録材の幅方向サイズから、図7に従って通電比率と閾値温度を決定する(A2)、(A3)。通電比率が決定されると、図10に従ってメインサーミスタ19の目標温度を決定し(A4)、定着ヒータ106への通電が開始される(A5)。通電開始後、メインサーミスタ109の検知温度Tが170℃になると、感光ドラム101上への画像形成が開始される(A6)(A7)。定着ベルト20の通紙部の温度が165℃に達するタイミングで記録材が定着ニップに達し、メインサーミスタ109の検知温度が図12で定めた温度となるように、定着ヒータへの給電がなされる。最終紙が定着ニップを通過すると、速やかに定着ヒータ106への給電および、加圧ローラ22の駆動が停止する(A9)(A10)。
【0077】
上記の動作により、通電比率に依らず、定着ベルト20の通紙部の温度が安定的に165℃程度となり、コールドオフセットおよびホットオフセットが防止可能であることは前述の通りである。
【0078】
尚、本実施例の定着ヒータは抵抗発熱体の厚みを一定として、短手方向の幅を円弧形状で連続的に変化させることで、連続的に抵抗値を変化させているが、段階的に変化させる形状でも良い。更に、抵抗発熱体の短手方向の幅を一定にして、厚みを連続的に、又は段階的に長手方向で変化させる方法でも作成した定着ヒータでも同様の効果が得られることは言うまでも無い。
【0079】
更に、メインサーミスタの目標温度は記録材の坪量、表面性などから記録材の種類毎に設定することが好ましいことは言うまでも無い。加えて、本実施例のように通電比率が小さいほど低い目標温度に設定することにより、通電比率に依らず定着ベルト温度が安定することは言うまでもない。更に、本実施例では記録材の幅方向のサイズに応じて段階的に閾値温度およびメインサーミスタの目標温度を設定しているが、幅方向のサイズに対して線形的に設定する手法でも本実施例の定着装置と同様の効果を得ることが出来ることは言うまでも無い。
【0080】
更に、本実施例の定着ヒータは記録材搬送方向において、両端に発熱量分布が中央高の抵抗発熱体を、中央に発熱量分布が端部高の抵抗発熱体を並列した構成であるが、この配列は逆でも構わない。この配列の場合は、小さい通電比率を用いるほど、メインサーミスタの目標温度を高い温度に設定することで、通電比率に依らず定着ベルトの温度を安定的に維持できることは言うまでも無い。
【0081】
以上の説明したように、本実施例により、通電比率に依らず定着ベルトの温度を安定的に維持することが可能であり、小サイズ紙の生産性を最大化しつつも、記録材のサイズに依らずコールドオフセットおよびホットオフセットを防止できるベルト定着装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0082】
16 定着ヒータ
17 ヒータホルダ
18 サブサーミスタ
19 メインサーミスタ
20 定着ベルト
21 制御回路部
22 加圧ローラ
23 入口ガイド
26 定着排紙ローラ
27 定着ニップ部
28 ヒータ駆動回路部
45 センサ
100 定着装置
101 感光ドラム
102 帯電装置
103 レーザー
104 現像器
105 中間転写ドラム
106 転写ローラ
107 クリーナ
108 クリーナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定着部材と、該定着部材を前記加熱体に密着させて定着ニップ部を形成する加圧部材と、該定着部材を加熱するための加熱体と、
通紙され得る全てのサイズの記録材が通過する領域における前記加熱体の温度を検知する第1の温度検知手段と、
前記温度検知手段の検知温度が目標温度となるように、前記加熱体に供給する電力を制御する電力供給制御手段と、
前記目標温度を定める目標温度決定手段を有し、
前記定着ニップ部でトナー像を担持した記録材を挟持搬送し、加熱及び加圧により該トナー像を記録材に定着させる定着装置であって、
前記加熱体が長手方向の基準位置から長手方向に単位長さ当たりの抵抗値が連続的に又は段階的に小さくなる領域を有する第1の抵抗発熱体と、
長手方向の基準位置から長手方向に単位長さ当たりの抵抗値が連続的に又は段階的に大きくなる領域を有する第2の抵抗発熱体を短手方向に並列して備え、
前記第1の抵抗発熱体へ印加する時間平均電圧に対する第2の抵抗発熱体へ印加する時間平均電圧の比率である通電比率を調整するための通電比率制御手段を有し、
前記通電比率に応じて、前記目標温度設定手段が設定する前記目標温度が異なることを特徴とする定着装置。
【請求項2】
前記記録材の幅方向のサイズにより、前記通電比率制御手段が設定する通電比率が異なることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
【請求項3】
前記温度検知手段を前記第2の抵抗発熱体と対向する位置に備え、
前記通電比率制御手段が設定する通電比率が小さくなるほど、前記目標温度設定手段が前記目標温度を低く設定することを特徴とする請求項1若しくは2記載の定着装置。
【請求項4】
前記温度検知手段を前記第1の抵抗発熱体と対向する位置に備え、
前記通電比率制御手段が設定する通電比率が小さくなるほど、前記目標温度設定手段が前記目標温度を高く設定することを特徴とする請求項1若しくは2記載の定着装置。
【請求項5】
更に、記録材の通過速度、記録材の長さ、記録材の厚み、記録材の重量、前記加熱の初期温度により、前記目標温度設定手段が設定する前記目標温度が異なることを特徴とする請求項1から4記載の定着装置。
【請求項6】
前記定着部材が前記加熱体を内包し、且つ、該加熱体と接触して加熱される無端状のベルトであることを特徴とする請求項1から5記載の定着装置。
【請求項7】
前記加熱体がセラミック基板上に抵抗発熱体を形成してなるセラミックヒータであることを特徴とする請求項1から6記載の定着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−53475(P2011−53475A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202775(P2009−202775)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】