説明

実装設計支援装置、実装設計支援方法及びプログラム

【課題】電子部品間の配線距離を視覚的に把握することで、電子部品の最適な配置を支援することができる実装設計支援装置、実装設計支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】画面表示された複数の電子部品101〜105の中の一の電子部品101と、電子部品101に接続すべき電子部品102,103,104それぞれとの配線距離を算出する。算出した配線距離、及び、電子部品101に対応する制約条件に基づいて表示色を決定し、決定した表示色で、ラッツネストL1,L2,L3それぞれを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示部に表示された複数の電子部品の配線を行う実装設計支援装置、実装設計支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、プリント基板又はセラミック基板上における電子部品の配置、又は配線の配置等の実装設計は、Computer Aided Design(CAD)と言われる基板設計装置を用いて効率的に行われている。この基板設計装置は、モニタ上に表示される基板にネット定義された電子部品を順次配置していけば、自動的に、ラッツネストと呼ばれる電子部品のピン間を接続する配線を表示する。ラッツネストを自動的に表示することで、設計者は、電子部品間を配線するといった煩雑な作業を省くことができる。ところが、電子部品にはピンが複数あり、電子部品のピン間をつなぐラッツネストの本数が多くなるため、視認性が低下するといった問題があった。
【0003】
特許文献1には、複数のラッツネストをより視認しやすくするために、電子部品間に繋がっているラッツネストを、本数に応じた線幅、色又は形状で表示する装置が開示されている。この特許文献1により、全てのラッツネストを画面上に表示しても電子部品の繋がりを認識しやすくすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−345844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、設計者は、特許文献1により部品間の繋がりを把握することはできても、配線する部品間の距離が最適であるかなどは把握できない。その結果、特許文献1では、スムーズな実装設計を行うことができないおそれがある。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電子部品間の配線距離を視覚的に把握することができる実装設計支援装置、実装設計支援方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する実装設計支援装置は、表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶する記憶部と、前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する前記記憶部から読み出した制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定する配線決定部と、該配線決定部が配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線距離を算出する配線距離算出部と、前記配線距離算出部が算出した配線距離、及び前記制約条件に基づいて、表示形態を決定する表示形態決定部と、該表示形態決定部が決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品間を接続する直線を前記表示部に表示する表示制御部とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本願に開示する実装設計支援装置の一観点によれば、電子部品間の配線距離を視覚的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態に係る実装設計支援装置の表示画面の一例を示す図である。
【図2】実施の形態に係る実装設計支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】実装設計支援装置が有する機能を示すブロック図である。
【図4】配線距離の算出を説明するための模式図である。
【図5】ラッツネストの表示色を決定する方法を説明するための模式図である。
【図6】電子部品間の配線に生じるノイズを説明するための模式図である。
【図7】受信側が受信する信号の波形を示す図である。
【図8】シミュレーション解析を説明するための模式図である。
【図9】図8の回路で受信側が受信する信号の電圧波形を示す模式図である。
【図10】実装設計支援装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】実装設計支援装置が実行する処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に係る実装設計支援装置、実装設計支援方法、及びプログラムの好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
本実施の形態に係る実装設計支援装置は、プリント基板又はセラミック基板上における電子部品(例えば、Integrated Circuit(IC))の配置、又は配線の配置等の実装設計を支援するための装置である。以下では、実装設計支援装置は、モニタを備えた一般的なパーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)として説明するが、モニタを備えずに、独立したモニタに接続して使用するコンピュータとしてもよいし、実装設計専用のコンピュータとしてもよいし、携帯電話機又はPersonal Digital Assistant(PDA)等であってもよい。
【0012】
図1は、実施の形態に係る実装設計支援装置の表示画面の一例を示す図である。
【0013】
本実施の形態に係る実装設計支援装置の画面には、プリント基板又はセラミック基板に相当する画像(以下、基板という)100、及びプリント基板等に実装する電子部品に相当する画像(以下、電子部品という)101,102,103,104,105が表示される。電子部品101,102,103,104,105は、設計者の操作より動かされて、基板100上における設計者の所望の位置に配される。
【0014】
設計者が操作することによって、配線を行う電子部品が指定された場合、その電子部品と接続すべき他の電子部品が特定される。本実施の形態では、電子部品101に対して、電子部品102,103,104それぞれが接続されるものとする。そして、実装設計支援装置の画面には、電子部品間を接続する一本の直線(以下、ラッツネストという)が表示される。具体的には、電子部品101,102を接続するラッツネストL1、電子部品101,103を接続するラッツネストL2、及び電子部品101,104を接続するラッツネストL3がそれぞれ表示される。なお、図1では、ラッツネストL1,L2,L3は、点線で表示されているが、全て同じ実線であってもよいし、それぞれ異なる種類の線であってもよい。
【0015】
ラッツネストL1,L2,L3は、接続する電子部品間の配線本数、及び配線距離に応じた線幅、及び表示色で表示される。配線本数は、同じ信号が入出力される電子部品のピン同士を繋ぐ信号線の本数である。ラッツネストL1,L2,L3は、電子部品間の配線本数が多くなるにつれ、太い線幅で表示される。例えば、電子部品101,102を接続するラッツネストL1は、電子部品101,104を接続するラッツネストL3より太く表示されているが、これは、電子部品101,102間の配線本数が電子部品101,104間の配線本数より多いことを示している。
【0016】
配線距離は、電子部品間の直線距離、又は後述のマンハッタン距離である。電子部品間の配線距離が長い場合、電子部品に伝送ノイズによる影響が及ぶおそれがあるため、より短い方が好ましい。そこで、ラッツネストL1,L2,L3は、電子部品間の直線距離が長い場合には、危険又は警告感がでる赤色で表示され、短い場合には安全感がでる青色で表示される。また、電子部品間の配線距離が長い場合であって、電子部品間の配線に対してノイズ対策を行う必要がある場合には、該当する電子部品間のラッツネスト(図1ではラッツネストL3)上に、警告マーク106が表示される。
【0017】
このように、電子部品間の配線本数が複数であっても、一本のラッツネストで表示することで、設計者は、電子部品間の接続関係を把握しやすくなる。また、電子部品間の配線強度は、電子部品間の配線本数によって決まるが、配線本数に応じてラッツネストL1,L2,L3の線幅を変更することで、設計者は、視覚的に電子部品間の配線強度を把握しやすくなる。さらに、設計者は、ラッツネストの表示色により電子部品間の配線距離を視覚的に認識することができるため、ラッツネストが赤色の場合には、各電子部品を互いに近づけるなど、電子部品の最適な配置を行うことができる。また、警告マーク106を表示することで、設計者に、電子部品間の配線距離がより短くなるよう電子部品の配置の変更、又はノイズ対策の実行を促すことができる。
【0018】
なお、電子部品101,102,103,104,105は、設計者の操作により移動可能としてあり、表示位置が変更された場合、変更後の電子部品間の配線距離に応じて、ラッツネストの表示色が変更される。これにより、設計者は、ラッツネストL1,L2,L3を視認しながら、各電子部品を移動させることで、最適な実装設計が可能となる。
【0019】
以下、実装設計支援装置の具体的な構成及び動作について詳述する。
【0020】
図2は、実施の形態に係る実装設計支援装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0021】
実装設計支援装置1は、Central Processing Unit(CPU)11、Read Only Memory(ROM)12、Random Access Memory(RAM)13、ハードディスクドライブ(以下、HDDという)14、及び入出力部15等のハードウェア各部を備えている。これらのハードウェア各部はバスを介して相互に接続されている。入出力部15は、モニタ16、マウス17及びキーボード18などと接続するためのインターフェースである。
【0022】
CPU11は、ROM12に予め格納されているプログラム12aを適宜RAM13に読み出して実行すると共に、上述したハードウェア各部の動作を制御する。ROM12は、プログラム12aを格納している。RAM13は、例えばStatic RAM(SRAM)、Dynamic RAM(DRAM)、フラッシュメモリ等である。RAM13は、CPU11によるプログラム12aの実行時に発生する種々のデータを一時的に記憶する。
【0023】
HDD14は、必要な各種データ及びプログラムを記憶する。プログラム12aは、Compact Disc-ROM(CD−ROM)、Digital Versatile Disc-ROM(DVD−ROM)、またはMagneto-Optical disk(MO)等の記録媒体3によりHDD14にインストールし、又はネットワークからダウンロードして使用する形態でもよい。
【0024】
以下に、CPU11がプログラム12aを実行することで、実装設計支援装置1で実現される機能について説明する。図3は、実装設計支援装置1が有する機能を示すブロック図である。実装設計支援装置1は、操作受付部20、表示部21、部品情報記憶部22、配線決定部23、本数計数部24、線幅決定部25、配線距離算出部26、配線色決定部27、シミュレーション実行判定部28及びシミュレーション実行部29等の機能を有している。
【0025】
操作受付部20は、設計者によるマウス17を介した操作、例えば表示した電子部品の選択又は移動等の操作を受け付ける。表示部21は、基板100及び電子部品101,102,103,104,105、並びに、ラッツネストL1,L2,L3等をモニタ16に表示する。また、表示部21は、設計者による操作に従い、表示した電子部品101,102,103,104,105の表示位置、ラッツネストL1,L2,L3の表示色等を変更する。
【0026】
部品情報記憶部22は、モニタ16に表示される電子部品に関する部品情報が予め格納してある。部品情報は、電子部品に関する特性情報、電子部品と接続する他の電子部品を特定するための情報、他の電子部品のどのピンと接続するかなどの電子部品間の配線内容、及び、配線する場合の制約条件等である。
【0027】
配線決定部23は、電子部品間の配線を決定する。例えば図1において、電子部品101に対する配線を行う場合、配線決定部23は、電子部品101の部品情報を、部品情報記憶部22から取得する。そして、配線決定部23は、その部品情報に基づいて、電子部品101と接続すべき電子部品102,103,104を特定し、電子部品間を接続する配線を決定する。本数計数部24は、配線決定部23が配線を行った結果に基づいて、電子部品間の配線本数を計数(特定)する。
【0028】
線幅決定部25は、本数計数部24が計数した電子部品間の配線本数に応じてラッツネストの線幅を決定する。例えば、電子部品101,102間の配線本数が10本、電子部品101,103間の配線本数が8本、電子部品101,104間の配線本数が6本とする。この場合、線幅決定部25は、配線本数が一番多い電子部品101,102間のラッツネストL1の線幅を3mmと決定する。そして、電子部品101,103間のラッツネストL2の線幅は、(3mm/10本)×8本=2.4mmと決定し、電子部品101,104間のラッツネストL3の線幅は、(3mm/10本)×6本=1.8mmと決定する。表示部21は、線幅決定部25が決定した線幅でラッツネストL1,L2,L3を表示する。
【0029】
なお、線幅決定部25は、基板全体に対する配線強度によって線幅決定するのではなく、処理対象の電子部品毎に線幅を決定する。例えば、図1において、電子部品105が、電子部品101以外の他の電子部品と接続する場合、そのラッツネストの線幅は、電子部品101に対して決定したラッツネストL1,L2、L3の線幅とは無関係に決定される。
【0030】
配線距離算出部26は、接続する電子部品間の配線距離を算出する。図4は、配線距離の算出を説明するための模式図である。図4は、電子部品Aと電子部品Bとを接続する場合に、電子部品A,B間の配線距離を算出する方法について示している。また、図4では、紙面横方向をx軸とし、紙面縦方向をy軸としている。配線距離算出部26は、電子部品A,Bそれぞれの座標位置を取得する。このとき、電子部品A,Bの中心部の座標位置を取得してもよいし、同じ信号線を接続する電子部品A,Bのピンの座標位置を取得してもよい。配線距離算出部26は、電子部品A,Bのx軸方向の距離a、及びy軸方向の距離bを算出する。そして、配線距離算出部26は、距離aと距離bとを加算したマンハッタン距離a+bを配線距離として算出する。あるいは、配線距離算出部26は、電子部品A,Bの直線距離cを、配線距離として算出する。配線距離算出部26が算出する配線距離は、マンハッタン距離a+b、又は直線距離cの何れでもよい。
【0031】
配線色決定部27は、配線距離算出部26が算出した配線距離に基づくラッツネストの表示色を決定する。より具体的には、配線距離算出部26は、配線距離算出部26が算出した配線距離が、部品情報に含まれる制約条件を満たしているか否かを判定する。制約条件では、ノイズを考慮して算出される下限値(又は上限値)と、ノイズマージンを考慮し、例えば設計者により経験的に導き出される上限値(又は下限値)とを有する配線距離の制限範囲が決められている。配線色決定部27は、配線距離算出部26が算出した配線距離が、配線距離の制限範囲内か、制限範囲外かによって、ラッツネストの表示色を決定する。
【0032】
図5は、ラッツネストの表示色を決定する方法を説明するための模式図である。図5は、配線距離算出部26が算出した配線距離と、ラッツネストの表示色との関係を示している。配線距離算出部26が算出した配線距離が制限範囲の下限値未満である場合、配線色決定部27は、青色の表示色を決定する。また、配線距離算出部26が算出した配線距離が制限範囲の上限値を超えている場合、配線色決定部27は、赤色の表示色を決定する。配線距離算出部26が算出した配線距離が制限範囲内である場合、配線色決定部27は、規則的にRGBの色濃度を変化させて、配線距離が下限値から上限値に近づくにつれて青色から赤色となる表示色を決定する。例えば、制限範囲の上限値が11cm、下限値が8cmとした場合、配線色決定部27は、0.5cm間隔でRGBの色濃度を6段階に変化させ、配線距離算出部26が算出した配線距離に対応する表示色を決定する。表示部21は、配線色決定部27が決定した表示色でラッツネストを表示する。
【0033】
シミュレーション実行判定部28は、シミュレーション解析を実行するか否かを判定するための事前判定処理を実行する。シミュレーション解析は、電子部品間の配線にノイズ対策が必要であるか否かを判定するための処理である。配線距離算出部26が算出した配線距離が制限範囲の上限値を超えている場合、すなわち、配線色決定部27が赤色の表示色を決定した場合、電子部品にはノイズの影響が及ぶ可能性が高い。そこで、シミュレーション解析を行い、電子部品間の配線にノイズ対策を行う必要があるか否かを判定する必要がある。ところが、シミュレーション解析を実行した場合、処理時間が長くなる。そこで、シミュレーション実行判定部28が事前判定処理を実行することで、配線距離算出部26が算出した配線距離が制限範囲の上限値を超えている場合でも、不必要なシミュレーション解析が行われないようにすることができる。シミュレーション実行判定部28が行う事前判定処理は、後に詳述する。
【0034】
シミュレーション実行部29は、シミュレーション実行判定部28の判定結果に従い、シミュレーション解析を実行する。シミュレーション実行部29がシミュレーション解析を実行することで、電子部品間の配線にノイズ対策を行うか否かが判定される。シミュレーション解析を実行したシミュレーション実行部29がノイズ対策が必要であると判定した場合、表示部21は、警告マーク106(図1参照)を表示する。シミュレーション解析については、後に詳述する。
【0035】
以下に、シミュレーション実行判定部28が行う事前判定処理について詳述する。
【0036】
図6は、電子部品間の配線に生じるノイズを説明するための模式図である。図6では、信号の送信側の電子部品(以下、単に送信側という)の出力抵抗R1と、受信側の電子部品(以下、単に受信側という)の入力抵抗R2とを接続した回路を示している。受信側は、送信側から出力された信号に、ノイズが重畳した信号を受信する。具体的には、送信側から出力された信号Aは、線路上のインピーダンス(図示せず)及び受信側の入力抵抗R2を通過する。このとき、信号は、インピーダンス及び入力抵抗R2の大きさの相違により反射され、受信側から送信側に向かう反射波Bが生じる。同様に、この反射波は、線路上のインピーダンス及び出力抵抗R1により、送信側から受信側に向かう反射波Cが生じる。この反射が繰り返し行われることになり、送信側から出力された信号は、反射波が要因となり歪みが生じる。
【0037】
図7は、受信側が受信する信号の波形を示す図である。図中の横軸は経過時間[nsec]を表し、縦軸は信号の電圧[V]を表している。図中のVOHは、受信側が安定した動作を行うための最低電圧値であり、受信側は、VOH以上の電圧の信号を受信することで、Highの信号を受信したことになり、安定した動作を開始する。受信側は、反射波を受信する都度、送信側から送信された信号に歪みが生じている。反射波は、時間の経過と共に収束していく。従って、電圧がVOH以上に達した後に最初の反射波が重畳した場合、合成された信号波形は、VOH以上の値に落ち着くまでの時間が長引くとともに、ピーク電圧値が許容値を超えるおそれがある。なお、最初の反射波とは、受信側から送信側に反射し、さらに、送信側で受信側に反射した信号(図6における反射波B,C)である。
【0038】
そこで、シミュレーション実行判定部28は、電圧がVOH以上に達する時間(立ち上がり時間)前に、受信側が最初の反射波を受信できる抵抗R1,R2間の線路長(許容上限値)dを算出する。シミュレーション実行判定部28は、配線距離算出部26が算出した配線距離が、線路長dよりも長い場合には、受信側にノイズの影響が及ぶ可能性が高いと判定する。この場合、シミュレーション実行判定部28は、伝送ノイズをさらに詳細に検討する必要がある、すなわち、シミュレーション実行判定部28は、シミュレーション解析を実行すると判定する。なお、電子部品間の配線が複数ある場合には、シミュレーション実行判定部28は、各配線毎に線路長dを算出し、シミュレーション解析を実行するか否かを判定する。
【0039】
例えば、信号が線路上を伝播する速度は線路定数から求まり、基板材料にガラスエポキシ材を使用した場合には、通常、約7ns/m程度となる。この場合、信号が抵抗R1,R2間を往復するのに要する時間T1は、(2×d)×7ns/mとなる。これに対し高速ゲートの信号の立ち上がり時間T2は、1.5ns程度であるので、時間T1,T2が同じとなる線路長dは、1.5ns/(2×7ns/m)=11cmとなる。線路長dが11cmより大きい場合には、時間T1は時間T2より長くなり、受信側は、立ち上がり時間前に最初の反射波を受信できる。一方、線路長dが11cm以下の場合には、時間T1は時間T2より短くなり、受信側は、立ち上がり時間後に最初の反射波を受信する。
【0040】
すなわち、信号が線路上を伝播する時間をVo(ns/m)、信号の立ち上がり(立ち下がり)時間をTrf(ns)、線路長をd(m)とした場合、シミュレーション実行判定部28は、線路長d≦Trf/(2×Vo)の場合には、伝送ノイズを考慮しないと判定する。一方、線路長d>Trf/(2×Vo)の場合には、シミュレーション実行判定部28は、伝送ノイズをさらに詳細に検討する必要があるためシミュレーション解析を実行すると判定する。
【0041】
次に、シミュレーション実行部29が行うシミュレーション解析について詳述する。
【0042】
図8は、シミュレーション解析を説明するための模式図である。図8は、図6と同様に、送信側の出力抵抗R1と、受信側の入力抵抗R2とを接続した回路であり、さらに接続線路上の特性インピーダンスZ0を示している。また図8において、信号が抵抗R1,R2間を伝播する時間を時間τとする。
【0043】
送信側が振幅V0の電圧の信号を出力した場合、その信号は、時間τ後に受信側に到達し、特性インピーダンスZ0と受信側の入力抵抗R2の不整合によって、振幅Vr1の電圧の反射波が生じる。この反射波は、再度、送信側に伝播し、送信側でのインピーダンス不整合により振幅がVr2の電圧の反射波が生じる。さらに、この反射波は受信側で振幅がVr3の電圧の反射波を生じる。ここで、出力抵抗R1、特性インピーダンスZ0、及び入力抵抗R2の関係は、R1<<Z0、R2>>Z0である。この関係により、受信側に入力される伝送ノイズは、時間とともに収束していく傾向がある。
【0044】
図9は、図8の回路で受信側が受信する信号の電圧波形を示す模式図である。図中の横軸は経過時間[nsec]を表し、縦軸は信号の電圧[V]を表しており、時間τ、3τ、5τ,7τ,9τにおける電圧値を示している。図中のVOHは、受信側が安定した動作を行うための最低電圧値であり、SOHは、受信側が受信できる最高電圧値である。受信側は、SOH以上の電圧の信号を受信することで、破壊され、又は誤動作が生じる。図9に示すように、送信側から出力された信号が受信側に到達したときの電圧値V(τ)が受信側に入力される最大電圧となり、反射波が再び受信側へ戻ってきたときの電圧値V(3τ)が最小電圧となっている。このV(τ)及びV(3τ)は、以下により算出できる。
【0045】
【数1】

【0046】
シミュレーション実行部29は、算出したV(τ)がSOH以下で、かつ、V(3τ)がVOH以上であるかの判断を行う。V(τ)がSOH以下、V(3τ)がVOH以上の場合、シミュレーション実行部29は、判定を行った配線に対して伝送ノイズ対策が必要であると判定する。
【0047】
以下に、実装設計支援装置1における動作について詳述する。図10及び図11は、実装設計支援装置1が実行する処理の手順を示すフローチャートである。図10及び図11に示す処理は、CPU11により実行される。
【0048】
CPU11は、モニタに表示する電子部品等の画像及び表示位置を決定し(S1)、決定した位置に該当する画像を表示する(S2)。次に、CPU11は、表示した一の電子部品(例えば電子部品101)の部品情報を取得し(S3)、一の電子部品と接続する他の電子部品(例えば電子部品102,103,104)を特定し、それぞれの電子部品間を接続する配線を決定する(S4)。
【0049】
次に、CPU11は、決定した電子部品間の配線本数を計数し(S5)、計数結果に基づいてラッツネストの線幅を決定する(S6)。具体的に、CPU11は、配線本数が多くなるにつれ線幅を太くし、本数が少なくなるにつれ線幅を細くする。CPU11は、電子部品間の配線距離を算出する(S7)。配線距離は、上述したように、マンハッタン距離であってもよいし、電子部品間の直線距離であってもよい。
【0050】
CPU11は、S3で取得した部品情報に含まれる制約条件と、S7で算出した配線距離とに基づいて、ラッツネストの表示色を決定する(S8)。例えば、CPU11は、算出した配線距離が制約条件に含まれる制限範囲の下限値未満である場合、青色の表示色を決定する。また、CPU11は、算出した配線距離が制限範囲の上限値を超えている場合、赤色の表示色を決定する。さらに、CPU11は、配線色が制限範囲内である場合、規則的にRGBの色濃度を変化させて、配線色が下限値から上限値に近づくにつれて青色から赤色となる表示色を決定する。その後、CPU11は、S6で決定した線幅、及びS8で決定した表示色により、電子部品間を接続するラッツネストを表示する(S9)。
【0051】
次に、CPU11は、S7で算出した配線距離が、制約条件に含まれる制限範囲の上限値以上であるか否かを判定する(S10)。配線距離が上限値以上でない場合(S10:NO)、CPU11は、ラッツネストで接続した電子部品間の配線にはノイズ対策が必要ないと判定し、S17の処理に移る。配線距離が上限値以上の場合(S10:YES)、CPU11は、事前判定処理を実行する(S11)。事前判定処理では、シミュレーション解析を実行するか否かの判定が行われる。具体的には、上述したように、CPU11は、電子部品間を接続する一の配線の線路長dを算出し、S7で算出した配線距離が線路長dを超えているか否かを判定する。超えている場合には、CPU11は、シミュレーション解析を実行すると判定する。
【0052】
CPU11は、事前判定処理の結果、シミュレーション解析を実行するか否かを判定する(S12)。シミュレーション解析を実行しないと判定した場合(S12:NO)、CPU11は、S16の処理に移る。シミュレーション解析を実行すると判定した場合(S12:YES)、CPU11は、シミュレーション解析を実行する(S13)。シミュレーション解析では、CPU11は、受信側が受信する信号の最大及び最小電圧値を算出し、最大電圧値が受信側のSOH以下、かつ、最小電圧値がVOH以上であるかを判定する。CPU11は、最大電圧値がSOH以下、かつ、最小電圧値がVOH以上の場合に、ノイズ対策が必要であると判定する。
【0053】
CPU11は、シミュレーション解析の結果、ノイズ対策が必要であるか否かを判定する(S14)。ノイズ対策が必要であると判定した場合(S14:YES)、CPU11は、該当するラッツネスト上に警告マーク106を表示する(S15)。ノイズ対策が必要でないと判定した場合(S14:NO)、又は、警告マークを表示した後、CPU11は、処理対象となっている電子部品間の配線全てに対して事前判定処理等の処理が終了したか否かを判定する(S16)。全配線に対しての処理が終了していない場合(S16:NO)、CPU11は、S11の処理に戻り、電子部品間を接続する他の配線に関しても、事前判定処理を実行する。なお、S11からS16を繰り返す場合、警告マークが既に表示されている場合には、CPU11は、S15の処理を省略する。全配線に対しての処理が終了した場合(S16:YES)、CPU11は、S17の処理を実行する。
【0054】
CPU11は、S4で一の電子部品に対して配線した他の電子部品全てに対して、ラッツネストを表示したか否かを判定する(S17)。例えば図1の場合、電子部品101は、電子部品102,103,104それぞれと配線される。そして、CPU11は、電子部品101,102間のラッツネストL1を表示した後、電子部品101,103間、及び電子部品101,104間のラッツネストを表示したか否かを判定する。全ラッツネストを表示していない場合(S17:NO)、CPU11は、S5の処理に戻り、他の電子部品の組み合わせについて同様の処理を行う。全ラッツネストを表示した場合(S17:YES)、CPU11は、本処理を終了する。
【0055】
なお、表示した電子部品の移動操作を受け付けた場合、CPU11は、S7からS16の処理を実行することで、移動後の電子部品に対してラッツネストの表示色を決定し、事前判定処理及びシミュレーション解析等を実行する。
【0056】
以上説明したように、本実施の形態では、電子部品間の配線本数が複数であっても、一本のラッツネストで表示することで、設計者は、電子部品間の接続関係を把握しやすくなる。また、電子部品間の配線本数に応じてラッツネストの線幅を決定することで、設計者は、視覚的に電子部品間の配線強度を把握しやすくなる。さらに、設計者は、ラッツネストの表示色により電子部品間の配線距離を視覚的に認識することができる。これにより、設計者は、例えばラッツネストが赤色の場合には、各電子部品を互いに近づけるなど、電子部品の最適な配置を行うことができる。また、警告マーク106を表示することで、設計者に、電子部品間の配線距離がより短くなるよう電子部品の配置の変更、又はノイズ対策の実行を促すことができる。以上のように、設計者は、電子部品を最適に配置することができ、スムーズな実装設計を行うことができる。
【0057】
以上、本発明の好適な一実施の形態について、具体的に説明したが、各構成及び動作等は適宜変更可能であって、上述の実施の形態に限定されることはない。
【0058】
以下に、上述の実施形態を含む実施形態に関し、更に付記を開示する。
【0059】
(付記1)
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶する記憶部と、
前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する前記記憶部から読み出した制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定する配線決定部と、
該配線決定部が配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線距離を算出する配線距離算出部と、
前記配線距離算出部が算出した配線距離、及び前記制約条件に基づいて、表示形態を決定する表示形態決定部と、
該表示形態決定部が決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品間を接続する直線を前記表示部に表示する表示制御部と
を備える実装設計支援装置。
【0060】
(付記2)
前記表示形態決定部は、
前記配線距離算出部が算出した配線距離、及び前記制約条件に基づいて、表示色を決定するようにしてある
付記1に記載の実装設計支援装置。
【0061】
(付記3)
前記表示部に表示された電子部品の位置を変更する位置変更部
をさらに備え、
前記配線距離算出部は、
前記位置変更部が前記一又は他の電子部品の位置を変更する都度、配線距離を算出するようにしてある
付記1又は2に記載の実装設計支援装置。
【0062】
(付記4)
前記記憶部は、
電子部品の特性情報を記憶してあり、
前記記憶部に記憶してある前記一及び他の電子部品に対応する特性情報に基づいて、前記一及び他の電子部品間の配線距離の許容上限値を算出する上限値算出部と、
前記配線距離算出部が算出した配線距離が、前記上限値算出部が算出した許容上限値を超えているか否かを判定する判定部と、
該判定部が超えていると判定した場合、前記一及び他の電子部品間の配線にノイズ対策が必要であるか否か判定する処理を実行する実行部と
をさらに備え、
前記表示制御部は、
前記実行部が処理を実行した結果、ノイズ対策が必要であると判定された場合、前記直線と共に警告画像を表示するようにしてある
付記1から3の何れか一つに記載の実装設計支援装置。
【0063】
(付記5)
前記配線距離算出部は、
前記一及び他の電子部品間のマンハッタン距離を算出するようにしてある
付記1から4の何れか一つに記載の実装設計支援装置。
【0064】
(付記6)
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶する記憶部と、
前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する前記記憶部から読み出した制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定する配線決定部と、
該配線決定部が配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線本数を特定する特定部と、
該特定部が特定した配線本数に基づいて、表示形態を決定する表示形態決定部と、
該表示形態決定部が決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品を接続する線を表示する表示制御部と
を備える実装設計支援装置。
【0065】
(付記7)
前記表示形態決定部は、
前記特定部が特定した配線の本数に応じて、表示する線幅を決定するようにしてある
付記6に記載の実装設計支援装置。
【0066】
(付記8)
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶する記憶部に記憶された、前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定し、
配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線距離を算出し、
算出した配線距離、及び前記制約条件に基づいて、表示形態を決定し、
決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品間を接続する直線を前記表示部に表示する
実装設計支援方法。
【0067】
(付記9)
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶する記憶部に記憶された、前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定し、
配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線本数を特定し、
特定した配線本数に基づいて、表示形態を決定し、
決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品を接続する線を表示する
実装設計支援方法。
【0068】
(付記10)
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶するコンピュータで実行されるプログラムにおいて、
コンピュータを、
前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する前記記憶部から読み出した制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定する配線決定部、
該配線決定部が配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線距離を算出する配線距離算出部、
前記配線距離算出部が算出した配線距離、及び前記制約条件に基づいて、表示形態を決定する表示形態決定部、及び、
該表示形態決定部が決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品間を接続する直線を前記表示部に表示する表示制御部
として機能させるプログラム。
【0069】
(付記11)
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶するコンピュータで実行されるプログラムにおいて、
コンピュータを、
前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する前記記憶部から読み出した制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定する配線決定部、
該配線決定部が配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線本数を特定する特定部、
該特定部が特定した配線本数に基づいて、表示形態を決定する表示形態決定部、及び、
該表示形態決定部が決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品を接続する直線を表示する表示制御部
として機能させるプログラム。
【0070】
(付記12)
付記11に記載されたプログラムが記録されており、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【0071】
(付記13)
付記12に記載されたプログラムが記録されており、コンピュータでの読み取りが可能な記録媒体。
【符号の説明】
【0072】
20 操作受付部(位置変更部)
21 表示部(表示制御部)
22 部品情報記憶部(記憶部)
23 配線決定部(配線決定部)
24 本数計数部(特定部)
25 線幅決定部(表示形態決定部)
26 配線距離算出部
27 配線色決定部(表示形態決定部)
28 シミュレーション実行判定部
29 シミュレーション実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶する記憶部と、
前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する前記記憶部から読み出した制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定する配線決定部と、
該配線決定部が配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線距離を算出する配線距離算出部と、
前記配線距離算出部が算出した配線距離、及び前記制約条件に基づいて、表示形態を決定する表示形態決定部と、
該表示形態決定部が決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品間を接続する直線を前記表示部に表示する表示制御部と
を備える実装設計支援装置。
【請求項2】
前記表示形態決定部は、
前記配線距離算出部が算出した配線距離、及び前記制約条件に基づいて、表示色を決定するようにしてある
請求項1に記載の実装設計支援装置。
【請求項3】
前記表示部に表示された電子部品の位置を変更する位置変更部
をさらに備え、
前記配線距離算出部は、
前記位置変更部が前記一又は他の電子部品の位置を変更する都度、配線距離を算出するようにしてある
請求項1又は2に記載の実装設計支援装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
電子部品の特性情報を記憶してあり、
前記記憶部に記憶してある前記一及び他の電子部品に対応する特性情報に基づいて、前記一及び他の電子部品間の配線距離の許容上限値を算出する上限値算出部と、
前記配線距離算出部が算出した配線距離が、前記上限値算出部が算出した許容上限値を超えているか否かを判定する判定部と、
該判定部が超えていると判定した場合、前記一及び他の電子部品間の配線にノイズ対策が必要であるか否か判定する処理を実行する実行部と
をさらに備え、
前記表示制御部は、
前記実行部が処理を実行した結果、ノイズ対策が必要であると判定された場合、前記直線と共に警告画像を表示するようにしてある
請求項1から3の何れか一つに記載の実装設計支援装置。
【請求項5】
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶する記憶部と、
前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する前記記憶部から読み出した制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定する配線決定部と、
該配線決定部が配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線本数を特定する特定部と、
該特定部が特定した配線本数に基づいて、表示形態を決定する表示形態決定部と、
該表示形態決定部が決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品を接続する線を表示する表示制御部と
を備える実装設計支援装置。
【請求項6】
前記表示形態決定部は、
前記特定部が特定した配線の本数に応じて、表示する線幅を決定するようにしてある
請求項5に記載の実装設計支援装置。
【請求項7】
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶する記憶部に記憶された、前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定し、
配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線距離を算出し、
算出した配線距離、及び前記制約条件に基づいて、表示形態を決定し、
決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品間を接続する直線を前記表示部に表示する
実装設計支援方法。
【請求項8】
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶する記憶部に記憶された、前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定し、
配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線本数を特定し、
特定した配線本数に基づいて、表示形態を決定し、
決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品を接続する線を表示する
実装設計支援方法。
【請求項9】
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶するコンピュータで実行されるプログラムにおいて、
コンピュータを、
前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する前記記憶部から読み出した制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定する配線決定部、
該配線決定部が配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線距離を算出する配線距離算出部、
前記配線距離算出部が算出した配線距離、及び前記制約条件に基づいて、表示形態を決定する表示形態決定部、及び、
該表示形態決定部が決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品間を接続する直線を前記表示部に表示する表示制御部
として機能させるプログラム。
【請求項10】
表示部に表示される電子部品に配線する場合の制約条件を記憶するコンピュータで実行されるプログラムにおいて、
コンピュータを、
前記表示部に表示された複数の電子部品の中の一の電子部品に対応する前記記憶部から読み出した制約条件に基づいて、前記一の電子部品と、該一の電子部品と接続すべき他の電子部品との配線を決定する配線決定部、
該配線決定部が配線を決定した前記一及び他の電子部品間の配線本数を特定する特定部、
該特定部が特定した配線本数に基づいて、表示形態を決定する表示形態決定部、及び、
該表示形態決定部が決定した表示形態で、前記一及び他の電子部品を接続する直線を表示する表示制御部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−192203(P2011−192203A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59804(P2010−59804)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】