実質的に剛性で折り畳み可能なライナー、フレキシブルな襠付きまたは襠無しライナー、それらの製造方法、及びライナーにおけるチョークオフ抑制方法
本開示は、特に少量の保管及び分配システムに適し得る、ブロー成形された、剛性で折り畳み可能なライナーに関する。剛性で折り畳み可能なライナーは、例えば、外容器無しで使用される、自立ライナーであってよく、固定された圧力分配缶から分配されてもよい。剛性で折り畳み可能なライナーにおける折り目は、実質的に排除され得るため、ピンホール、溶接割れ、及びオーバーフローに関連する問題が実質的に低減または排除される。本開示は、また、サイズを拡大縮小可能で、200L以上の保管に使用可能な、襠付きまたは襠無しライナーに関する。フレキシブルな襠付きライナーは、当該ライナーが分配缶内に導入可能なように折り畳み可能である。ライナーは、厚い材料で作られて、ピンホールに関連する問題を実質的に低減または排除でき、また、より強固な溶接を含んで、溶接割れに関連する問題を実質的に低減または排除してもよい。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2009年7月9日に出願されたUS仮出願第61/224,274号、2009年8月24日に出願されたUS仮出願第61/236,295号、2009年10月15日に出願されたUS仮出願第61/251,870号、及び2010年1月14日に出願されたUS仮出願第61/294,928号に対する35 U.S.C §119(e)に基づく優先権の利益を主張し、これら全ての内容は全体的に参照により本明細書に援用される。
[発明の分野]
本開示は、ライナーをベースにした保管及び分配システムに関する。より具体的には、本開示は、実質的に剛性のコンテナ、折り畳み可能なライナー、フレキシブルな襠付きまたは襠無しライナー、およびこれらの製造方法に関する。本開示はまた、ライナーにおけるチョークオフを抑制する方法に関する。
[発明の背景]
多くの製造工程は、例えば、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、スラリー、清浄調合物、ドーパント、無機物、有機物、金属有機物、生物液剤、調合薬、及び放射性化学薬品等の超高純度液体の使用を必要とする。そのような適用は、超高純度液体における粒子の数及びサイズの最小化を必要とする。具体的には、超高純度液体がマイクロエレクトロニクス製造工程の多くの局面で使用されるため、半導体メーカーは、プロセス化学薬品及び化学的操作機器用に厳密な粒子濃度仕様を確立した。製造工程中に使用された液体がハイレベルの粒子または気泡を含んでいるのであれば、粒子または気泡はシリコンの固体表面上に堆積する可能性があるので、そのような仕様は必要である。言い換えると、粒子または気泡は、製品欠損、品質低下、及び信頼性低下につながり得る。
【0002】
したがって、そのような超高純度液体の保管、輸送、及び分配は、保持された液体を適切に保護することができる容器を必要とする。この業界で典型的に使用される2種類の容器は、ガラス製またはプラスチック製の単純な剛壁の容器と、折畳み可能なライナーをベースにした容器とである。物理的強度、厚い壁、安いコスト、また製造の容易さを理由として剛壁の容器が従来使用されている。しかしながら、液体を加圧分配する場合、そのような容器は、気液界面を取り込み得る。この圧力増加は、容器において、例えば、フォトレジスト等の保持された液体にガスを溶解させ、分配系統において、液体中に望まれない粒子及び気泡を発生させ得る。
【0003】
あるいは、例えば、ATMIにより販売されるNOWpac(登録商標)分配システム等の折り畳み可能なライナーをベースとした容器は、分配中に、容器内の液体を直接的にガスで加圧するのとは対照的に、ライナーをガスで加圧することにより、そのような気液界面を低減することができる。しかしながら、周知のライナーは、環境条件に対して適切な保護をもたらすことができない可能性がある。例えば、容器の輸送によりもたらされる振動等の振動による弾性変形により時折生じるピンホール破損及び溶接割れに対して、現在のライナーをベースにした容器は、保持された液体を保護し損なう可能性がある。輸送による振動は、ライナーを出荷場所と最終仕向地との間で何度も(例えば、何千から何百万回)弾性変形させ得るか、あるいは曲げ得る。振動が大きいほど、ピンホール及び溶接割れが生じることになる可能性が高まる。ピンホール及び溶接割れの他の原因には、衝撃効果、落下、または容器の大きな振幅動作が含まれる。ガスがピンホールや溶接割れを介して取り込まれることにより、ガスが溶液に入り込んでしまい、気泡となってウェハー上に現れることになるので、保持された液体を徐々に汚染する可能性がある。
【0004】
さらに、折り畳み可能なライナーは、所定量の液体で満たされるように構成されている。しかしながら、ライナーが容器の内部に収められたときに皺がライナーに形成されるので、ライナーはそれぞれの外容器内にきれいにフィットしない。これらの皺は、皺によって占められたライナーの空間を満たすことを妨げる可能性がある。したがって、容器が所定量の液体で満たされるときに、液体は容器から溢れ、液体を損失することになりがちである。すでに述べたように、そのような液体は、一般的に、例えば、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、ドーパント、無機物、有機物、生物液剤、調合薬、及び放射性化学薬品等の超高純度の液体であり、このような超高純度の液体は、例えば、2,500ドル/L以上と非常に高価になり得る。したがって、少量が溢れることさえ望ましくない。
【0005】
したがって、従来の剛壁であり、折り畳み可能なライナーをベースとした容器によってもたらされる不利益を含まない、超高純度液体のためのより良いライナーシステムに関する技術が必要である。実質的に剛性で折り畳み可能なライナーと、フレキシブルな襠付きまたは襠無しライナーとに関する技術が必要とされる。ピンホール、溶接割れ、ガス圧力飽和、オーバーフローに関連した問題に対処する、ライナーをベースにした保管及び分配システムに関する技術が必要とされる。ライナー内に閉じ込められた余分なガスをもたらし得る、ライナーにおける過剰な皺に関連した問題に対処する、ライナーをベースとした保管及び分配システムに関する技術が必要とされる。また、チョークオフを抑制あるいは排除するように構成されるライナーに関する技術が必要とされる。
[発明の概要]
本開示は、一実施形態において、オーバーパックとライナーとを含むライナーを基本とした保管システムに関する。ライナーはオーバーパック内に設けられてもよい。ライナーは、ライナーの内部空洞を形成する実質的に剛性のライナー壁を備えてもよく、剛性のライナー壁は、ライナーが、膨張した状態で実質的に自立するものの、内部空洞内から流体を分配するために約20psi未満の圧力で折り畳み可能な厚さを有している。
【0006】
別の実施形態における本開示は、ライナーの内部空洞を形成するライナー壁と、分配能力を高めるためにライナーの一般的に底にあるサンプ領域とを備えるライナーに関する。
別の実施形態において、本開示は、高純度材料を半導体プロセスに供給する方法に関し、この方法は、高純度材料が内部に保管された実質的に剛性の自立容器を提供することを含む。容器は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成される容器壁と、内部にある浸漬管であって、そこから高純度材料を分配するための浸漬管とを備える。浸漬管は、下流半導体プロセスに接続される。この方法は、また、高純度材料を浸漬管を介して容器から分配し、下流半導体プロセスに高純度材料を供給することを含む。
【0007】
複数の実施形態が開示されるが、本開示のさらに他の実施形態は、以下の詳細な説明から当業者にとって明らかであろう。以下の詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を示し、説明している。理解されるであろうように、本開示の様々な実施形態は、様々な明らかな局面において本発明の精神及び範囲を逸脱することなく全て変更が可能である。したがって、図面及び詳細な説明は、事実上例示としてみなされるものであり、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本開示の種々の実施形態を形成するものとして見なされる主題を具体的に指摘し、明確に主張する特許請求の範囲で完結するものの、本発明は、添付の図面と併用される以下の説明からより良く理解されるであろうと考えられる。
【図1】本開示の1つの実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図である。
【図2】バリア増強材を本開示の1つ実施形態に係るライナーに適用する方法に関するフローチャートである。
【図3】本開示の別の実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図である。
【図4】本開示の1つの実施形態に係る、サンプを有するライナーを示す破断図である。
【図5】本開示の別の実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図である。
【図6】本開示のさらなる実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図および上面図である。
【図7A】本開示の1つの実施形態に係るライナーの斜視図である。
【図7B】膨張した状態で示された図7Aにおけるライナーの斜視図である。
【図7C】図7Aに示されたライナーの上面図である。
【図7D】図7Bに示されたライナーの上面図である。
【図7E】本開示の1つの実施形態に係るインジェクションブロー成形プロセスにおけるライナーの首部を示す。
【図8A】本開示の別の実施形態に係る膨張した状態のライナーの斜視図である。
【図8B】つぶれた状態で示された図11Aにおけるライナーの斜視図である。
【図9】本開示のさらに別の実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの前面断面図、側面断面図および上面図である。
【図10A】本開示の1つの実施形態に係るライナーのためのコネクタの破断図である。
【図10B】本開示の別の実施形態に係るライナーのためのコネクタの破断図である。
【図11】本開示の1つの実施形態に係るライナーのためのライナーの破断図である。
【図12A】本開示の1つの実施形態に係るライナーのためのコネクタの破断図である。
【図12B】本開示の1つの実施形態に係り、チューブが充填後に溶接にて閉じられている、図12Aの実施形態を示す。
【図12C】本開示の1つの実施形態に係り、コネクタに固定された保護オーバーキャップを含む図12Bの実施形態を示す。
【図13】本開示のいくつかの実施形態に係る、取っ手を有するライナーの斜視図である。
【図14A】本開示のいくつかの実施形態に係る、2つの部分構成のオーバーパックを有するライナーの斜視図である。
【図14B】本開示のいくつかの実施形態に係る、図14Aのオーバーパックが接続されたライナーの斜視図である。
【図15】本開示の1つの実施形態に係るライナーの破断図である。
【図16】本開示のある実施形態で使用され得るオーバーパックの斜視図である。
【図17A】本開示のいくつかの実施形態に係る、つぶれた状態にあるライナーの端面図である。
【図17B】本開示の1つの実施形態に係る膨張したライナーの斜視図である。
【図18】転移点を有する膨張したライナーの図である。
【図19A】本開示のいくつかの実施形態に係る、二次的な折り目を示している、つぶれたライナーの斜視図である。
【図19B】本開示のいくつかの実施形態に係る、図19Aの膨張したライナーの斜視図である。
【図20】本開示のいくつかの実施形態に係る、オーバーパックの中に入る途中のライナーの斜視図である。
【図21A】本開示のいくつかの実施形態に係る、完全に膨張していないライナーの底の斜視図である。
【図21B】本開示のいくつかの実施形態に係る、完全に膨張しているライナーの底の斜視図である。
【図22A】本開示のいくつかの実施形態に係る、膨張ビューにおけるライナーの底の斜視図である。
【図22B】本開示のいくつかの実施形態に係る、つぶれた状態のライナーの底の斜視図である。
【図23A】ライナーをインジェクションブロー成形するプロセスのインジェクション工程の側面断面図であって、本開示の1つの実施形態に従ってライナープリフォームが製造されている。
【図23B】本開示の1つの実施形態に従ってライナーをインジェクションブロー成形するプロセスのインジェクション工程の側面断面図であって、ライナープリフォームがプリフォームモードから取り外されている。
【図23C】本開示の1つの実施形態に従ってライナーをインジェクションブロー成形するプロセスのプリフォームコンディショニング工程の側面断面図である。
【図23D】本開示の1つの実施形態に従ってライナーをインジェクションブロー成形するプロセスのブロー成形工程の側面断面図である。
【図23E】本開示の1つ実施形態に従ってライナーをインジェクションブロー成形するプロセスの別のブロー成形工程の側面断面図である。
【図24A】本開示の1つの実施形態に従ってライナーに保管された分配液のための分配キャニスターのワイヤーフレームの斜視図である。
【図24B】時間に対して圧力をプロットしたグラフであって、ライナーの中身が空に近づくにつれて入口ガス圧がどのように急激に上昇するのかを示している。
【図25】運搬カートを介して圧力容器内に装填される本開示の1つの実施形態に係るライナーを示す斜視図である。
【図26A】キャップを含む本開示の1つの実施形態による、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーまたは実質的に剛性のライナーの斜視図である。
【図26B】コネクタを備える本開示の1つの実施形態による、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーまたは実質的に剛性のライナーの斜視図である。
【図26C】誤接続防止クロージャーを有する本開示の1つの実施形態による、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーまたは実質的に剛性のライナーの斜視図である。
【図26D】誤接続防止コネクタを有する本開示の1つの実施形態による、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーまたは実質的に剛性のライナーの斜視図である。
【図27A】本開示の1つの実施形態による、2D襠付きライナーの前面図である。
【図27B】本開示の1つの実施形態による、2D襠付きライナーの側面図である。
【図27C】本開示の1つの実施形態による、プリーツを有する2D襠付きライナーの前面図である。
【図28A】本開示の1つの実施形態に係る、オーバーパック内の襠付きまたは襠無し溶接ライナーの2つの側面断面図であって、一方はライナーがベローズによりオーバーパックに接続されているのを示し、他方はライナーがフレキシブルテザーによりオーバーパックに接続されているのを示している。
【図28B】本開示の1つの実施形態に係る、図28Aのベローズの拡大断面図である。
【図29A】本開示のいくつかの実施形態による、角が取り除かれたライナーを示す。
【図29B】本開示のいくつかの実施形態による、ライナー上の溶接線を示す。
【図30A】本開示の1つの実施形態による、2つのチャネルを有するコネクタの図である。
【図30B】本開示の1つの実施形態による、2つのチャネルを有するコネクタを備えた実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図である。
【図31】本開示の1つの実施形態による、ライナーとオーバーパックとのシステムを示す。
【図32】本開示の1つの実施形態による、空気袋を含むライナーとオーバーパックとのシステムを示す。
【図33】本開示の別の実施形態による、ライナーとオーバーパックとのシステムを示す。
【図34】本開示の1つの実施形態による、ライナーをオーバーパックから吊すことを含むライナーとオーバーパックとのシステムを示す。
【図35A】本開示の1つの実施形態によるライナーの内面上のテクスチャーを示す。
【図35B】図35Aに示された実施形態に係るライナーの合わさった2つの面を示す。
【図36】本開示の1つの実施形態によるライナーを示す。
【図37A】本開示の別の実施形態によるライナーを示す。
【図37B】本開示の別の実施形態による別のライナーを示す。
【図38A】本開示の1つの実施形態によるライナーを示す。
【図38B】本開示の1つの実施形態による図38Aのライナーと、ライナーがつぶれることになる方向とを示す。
【図39A】本開示の1つの実施形態によるフレームワークを備えるライナーを示す。
【図39B】本開示の1つの実施形態による図36Aに示されたライナーのフレームワークの格子を示す。
【図40】本開示の別の実施形態によるライナーを示す。
【図41A】本開示の1つの実施形態によるレールに接続するライナーを示す。
【図41B】本開示の1つの実施形態による図38Aに示された実施形態のレールを示す。
【図42】本開示の1つの実施形態によるライナーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[詳細な説明]
本開示は、新規で有利な、ライナーを基本とした保管分配システムに関する。より具体的には、本開示は、新規で有利な、襠付きまたは襠無しライナーを含む実質的に剛性で折り畳み可能なライナー及びフレキシブルライナーと、そのようなライナーを製造するための方法とに関する。本開示は、ライナーにおけるチョークオフ(閉塞)を防止または排除するための方法にも関する。より具体的には、本開示は、例えば、約2000L以下、より望ましくは200L以下の液体の保管等、特に少量の保管及び分配システムに適し得るブロー成形された実質的に剛性で折り畳み可能なライナーに関する。実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、不活性な特性を有する材料から形成することができる。さらに、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、例えば、外容器なしで使用される自立ライナーであってもよく、また、ポンプまたは加圧流体を使用して分配されてもよい。結果として折り目または継ぎ目を伴ってフィルムを溶接することにより形成されるある先行技術のライナーとは異なり、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーにおける折り目は実質的に排除され得るので、ピンホール、溶接割れ、オーバーフローに関連する問題が実質的に軽減または排除され得る。
【0010】
また、本開示は、フレキシブルな襠付きまたは襠無しライナーに関し、このライナーはサイズを拡大縮小可能であり、200L以上の保管用に使用され得る。フレキシブルなライナーは、ライナーが、例えば、圧力容器、缶、ボトル、またはドラムといった分配容器であって、圧力容器、缶、ボトル、またはドラムに限定されない分配容器へ導入可能に、折り畳み可能であってもよい。しかしながら、ある先行技術のライナーとは異なり、他の物の中では、本開示のフレキシブルなライナーは、より厚い材料で作られて、ピンホールに関連した問題を実質的に軽減または排除してもよく、また、さらに強固な溶接を含んで、溶接割れに関連する問題を実質的に軽減または排除してもよい。フレキシブルなライナーは、さらに、折り目の数が実質的に減少するように構成され得る。
【0011】
そのようなライナーの使用例は、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、スラリー、洗浄剤、ドーパント、無機物、有機物、金属有機物、TEOS、生物の液体、調合薬、及び放射性化学薬品の輸送及び分配することを含み得るものの、これらに限定されない。しかしながら、そのようなライナーは、さらに、他の産業において使用されてもよく、他の製品であって、例えば、塗料、ソフトドリンク、食用油、農薬、健康及び口腔衛生製品、及びトイレタリー製品等であって、これらに限定されない他の製品の輸送及び分配に使用されてもよい。当業者は、そのようなライナーの利点及びライナーの製造プロセスを認識することになるので、様々な産業への適合性と、様々な製品の輸送及び分配への適合性とを認識するであろう。
【0012】
また、本開示は、ライナーにおけるチョークオフを制限または排除する方法に関する。一般的に言えば、チョークオフは、ライナーが締まり、最終的に、ライナー自体またはライナーの内部構造がつぶれて、相当量の液体より上にチョークオフポイントを形成するときに生じるものとして説明され得る。チョークオフが生じると、ライナー内に配置された液体の完全利用が妨げられることがあり、液体の完全利用が妨げられることは、例えばマイクロ電子デバイス製品の製造等のような工業プロセスで利用される特殊な化学試薬が驚くほど高価となり得るので重要な問題である。チョークオフを防止または処理する様々な方法は、2008年月1月30日の国際出願日を有する“Prevention Of Liner Choke−off In Liner−based Pressure Dispensation System”と題されたPCT出願番号PCT/US08/52506に記載されており、PCT/US08/52506は、ここで参照によりその全体が本明細書に援用される。
<実質的に剛性で折り畳み可能なライナー>
上述のように、本開示は、ブロー成形された実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの様々な実施形態に関し、このライナーは、例えば約2000L以下の液体、より望ましくは約200L以下の液体の保管等の少量の保管及び分配システムに特に適し得る。したがって、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、例えば、集積回路またはフラットパネルディスプレイ産業で使用される非常に高価(例えば、約2,500ドル/L以上)となり得る高純度液体の保管に適し得る。
【0013】
ここで使用されるように、「剛性」または「実質的に剛性」という用語は、あらゆる標準的な辞書の定義に加えて、第1の圧力の環境下にあるときに物体または材料の形状及び/または体積を実質的に保持する、物体または材料の特性を含むことも意味されるものの、その形状及び/または体積は、上昇または低下した圧力の環境下で変化してもよい。物体または材料の形状及び/または体積を変更するために必要とされる圧力の上昇量または低下量は、材料または物体の望ましい用途に依存してもよく、また適用ごとに変化してもよい。
【0014】
図1は、本開示の実質的に剛性で折り畳み可能なライナー100の1つの実施形態の断面図を図示している。ライナー100は、実質的に剛性のライナー壁102と、内部空洞部104と、口部106とを含み得る。
【0015】
ライナー壁102は、一般的に、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムにおけるライナーよりも厚くてもよい。ライナー壁102の厚みを増加することにより、ライナー100の剛性及び強度が増す。1つの実施形態においては、図1に示されるように、ライナー100は、その剛性により自立することが可能であり、例えば、ガラスボトルといった、従来の剛性壁の容器と同様に使用されることが可能である。他の実施形態では、ライナー100は、充填、輸送、及び保管の間に自立可能である。すなわち、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムにおけるライナーのようにライナーを支持するための外部容器は必要ではない。1つの実施形態では、化学薬品配送中にライナー100から液体を加圧分配する際に圧力容器が使用されてもよい。さらなる実施形態では、ライナー100は、自立容器システムであってもよい。そのような実施形態は、外容器に関連するコストを実質的に排除することによって、容器システムの全体コストを低減し得る。さらに、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムでは、ライナー及び外容器はともに、一般的に再使用不能であり、廃棄される必要がある。本開示の様々な実施形態において、外容器は必要ではないので、ライナーのみが配設されるであろうことにより、廃棄物が実質的に減少または最小限にされ得る。1つの実施形態では、ライナー壁102は、約0.05mmから約3mmの厚さでもよく、望ましくは約0.2mmから約1mmの厚さであってもよい。しかしながら、この厚さは、ライナーの体積に応じて変化し得る。一般的に、ライナー100は、ピンホールの発生を実質的に低減または排除するのに十分に厚く剛性であり得る。
【0016】
ライナー壁102の厚さがライナー100に剛性をもたらすことができる一方で、所定量の圧力または真空がライナー100に加えられた際に、ライナー壁102が内部空洞部104から液体を分配するように折り畳み可能であるように厚さが選択される。1つの実施形態では、ライナー100の分配能力は、ライナー壁102のために選択された厚さに基づいて制御されてもよい。即ち、ライナー壁102が厚いほど、内部空洞部104内から液体を完全に分配するために加えることが必要になるであろう圧力は増大する。さらなる実施形態において、ライナー100は、出荷スペースを節約するために、最初は、つぶれた状態または折り畳まれた状態で出荷されてもよく、1つの出荷でより多くのライナー100が、例えば、化学製品供給業者等の受取人に出荷されることが可能である。続いて、ライナー100は、上述の様々な液体または製品のいずれかで充填され得る。
【0017】
ライナー口部106は、一般的に剛性であってもよく、いくつかの実施形態において、口部106はライナー壁102より剛性であってもよい。好適に螺合されたキャップ108を口部106が受容し得るように、口部106は、ネジが切られていてもよいし、ネジが切られたフィットメントポートを含んでいてもよい。例えば、差し込み、スナップフィット等のあらゆる他の適切な接続機構が、ネジの代わりに、またはネジに加えて使用され得ることは認識される。いくつかの実施形態においては、ライナー口部106がライナー壁102より剛性となり得るので、ライナー口部付近の領域は、分配中に加圧されたときに、ライナー壁102ほどつぶれない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態において、、ライナー内の内容物が加圧分配されるときに、ライナー口部付近の領域が完全につぶれない場所であるデッドスペースに液体が留められてしまう可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、圧力分配システム及び出力ラインの対応するコネクタと接続するためのコネクタ110または接続手段が、口部付近のライナーの一般的に剛性の領域を実質的に貫通または埋めている。即ち、液体が加圧分配中に留められてしまわないように、コネクタ110が実質的にこのデッドスペースを埋めることで、デッドスペースにおける無駄が低減または排除される。コネクタ110は、いくつかの実施形態においては、例えばプラスチック等のような実質的に剛性の材料で製造されてもよい。
【0018】
さらなる実施形態において、ライナー100は、当該ライナー100の下端または遠位端に、ライナー100からの流体出口の一点として機能する開口部を有する、(図1において破線で図示された)内部中空の浸漬管120を具備されてもよい。内部中空の浸漬管120は、コネクタ110と一体となっていてもよいし、コネクタ110と別体となっていてもよい。この場合、ライナー100内の内容物は、浸漬管120を介してライナー100から直接受けてもよい。図1は、任意付加的な浸漬管120を備え得るライナーを図示しているものの、ここに記載された様々な実施形態によるライナー100は、多くの場合、好ましくは、浸漬管を一切備えていない。浸漬管120の使用を含むライナー100のいくつかの実施形態では、浸漬管120は、ライナー100内の内容物をポンプ分配するのにも使用されてもよい。
【0019】
ライナー100は、一般的に滑らかな外面を有する比較的単純化した設計を有してもよいし、ライナー100は、例えば、凹凸を含み、凹凸に限定されない比較的複雑な設計を有してもよい。1つの実施形態において、例えば、ライナー100は、他の実施形態と共に本明細書で説明されるチョークオフを防ぐためにテキスチャード加工されてもよい。即ち、ライナー内の液体を留めて液体の適切に分配されるのを阻害するようにライナー自体がつぶれてしまうのを防ぐために、ライナー100はテキスチャード加工されていてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、ライナー100は、プラスチック、ナイロン、EVOH、ポリオレフィン、または他の天然または合成ポリマー等の1つ以上のポリマーを使用して製造されてもよい。さらなる実施形態では、ライナー100は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ(ブチレン2、6−ナフタレート)(PBN)、ポリエチレン(PE)、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及び/またはポリプロピレン(PP)を使用して製造されてもよい。例えば、PENを使用して作られたライナーは、より低い浸透性を有しているので、ライナー100の外部からガスがライナー壁102を浸透して、ライナー100内に保管された液体を汚染するのを低減できる。PE、LLDPE、LDPE、MDPE、HDPE及び/またはPPを使用して作られたライナーは、例えば約2000L以下の液体の保管等、さらに大きな保管及び分配システムにも適し得る。
【0021】
この見出しの下で説明された実質的に剛性の折り畳み可能なライナーに加え、代替実施形態では、PEN、PET、またはPBN、及び任意追加的なあらゆる適切な混合物または共重合体の混合物を使用して、上述の剛性壁容器に類似した一般的に剛性のライナーを作成してもよく、そのような剛性ライナーは、例えば、半導体産業に導入されて、高純度液体と共に使用されてもよい。PEN、PET、またはPBNで構成されるそのようなライナーは、他のプラスチック容器と比べて化学的適合性が向上し、また、ガラスボトルに比べて使用が安全であるので、一般的に従来の剛性壁容器に確保されている産業においてこれらのライナーを使用することができる。いくつかの実施形態における本開示のPENライナーは、例えば、1回のみ使用されるように設計されてもよい。ガラスボトルに関連し得る、所有権、出荷、衛生等のコストを含む全ての要因を考慮した場合、そのようなライナーはガラスボトルよりも低い全体コストを有し得るので、そのようなライナーは、先行技術のガラスボトルの有力な代替品となり得る。さらに、周知のようにガラスは破損する可能性があり、ガラスの破損は、ボトル内の材料の汚染または紛失をもたらすだけでなく、安全性の問題も生じ得るので、PENライナーは、ガラスよりも有利となり得る。対照的に、本開示のPENライナーは、破損に強くなり得る。いくつかの実施形態では、PENライナーは、オーバーパックを使用しなくてもよい自立ライナーであってもよい。他の実施形態では、オーバーパックは、ライナーと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態において、PENライナーは、ライナーの内容物の分配能力を向上させるのを助長するサンプを含んでもよく、サンプは、以下に詳細に説明され、PENの実施形態において、実質的に同様の方法で使用されるであろう。いくつかの実施形態におけるPENライナーの分配は、ポンプ分配及び圧力分配を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、PENライナーは、一般的に折り畳み不能の可能性があるので、圧力分配は、本明細書に記載される他の実施形態の場合であり得るようなライナーの外壁に対して圧力を加えるのとは対照的に、ライナーの内容物に直接圧力を加えてもよい。いくつかの実施形態では、PENライナーは、二酸化炭素排出を削減し得る。PENライナーの実施形態は、本開示で説明された他のライナーと実質的に同様な方法で使用され得る。
【0022】
代替実施形態において、ライナー100は、例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、及びパーフルオロアルコキシ(PFA)等であるものの、これらに限定されないフッ素重合体を使用して製造されてもよい。いくつかの実施形態では、ライナー100は、複数の層を備えてもよい。例えば、ある実施形態においては、ライナー100は、内面層、コア層、及び外層、または他の適切なあらゆる数の層を含んでもよい。複数の層は、1つ以上の異なるポリマーまたは複数の他の適切な材料で構成されてもよい。例えば、内面層は、フッ素重合体(例えば、PCTFE、PTFE、FEP、PFA等)を使用して製造されてもよく、また、コア層は、例えば、ナイロン、EVOH、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PCTFE等の材料を使用して製造されたガスバリア層であってもよい。外層も、適切なあらゆる様々な材料を使用して製造されてもよく、外層は、内面層及びコア層に選択された材料に依存してもよい。本明細書に記載された実質的に剛性のライナーの様々な実施形態が本明細書に開示された材料の任意の適切な組み合わせから製造されてもよいことは認識される。
【0023】
さらなる代替実施形態では、本開示のポリマーライナーは、例えば、AL(アルミニウム)、鋼、被覆鋼、ステンレス鋼、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Mo(モリブデン、W(タングステン)、クロム銅の二重層、チタン銅の二重層、または他のあらゆる適切な金属材料または材料の組み合わせ等であって、これらに限定されない金属外層を使用して製造されてもよい。いくつかの実施形態において、金属で被覆されたライナーは、例えば、TEOS(オルト珪酸テトラエチル)からのSiO2、またはSiCl4(四塩化珪素)、MO(金属有機物)、TiCl4(四塩化チタン)からのTiO2、または他の適切な金属酸化材料、または他のあらゆる適切な金属、またはその組み合わせ等の保護誘電体で上塗りされてもよい。金属ライナーは、超高純度物質を含む物質の保管及び出荷に有利となり得る。その理由は、金属ライナーは、気体に対して実質的に不浸透性となり得るので、内容物の酸化及び/または加水分解を低減し、ライナーに収容された物質の純度を維持からである。金属の不浸透性により、本実施形態のライナーは、ピンホールまたは溶接割れが実質的になくなり得り、非常に強固で一貫した充填容積を有し得る。
【0024】
さらに他の実施形態において、本開示のライナーは、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、薄肉の鋼、または他のあらゆる適切な金属材料、または材料の組み合わせ等であって、これらに限定されない金属製容器を使用して製造されてもよい。いくつかの実施形態では、高純度化学薬品と金属壁との相互作用を低減するために、これらの金属製容器は、内面が不活性フィルムで被覆される。フィルムは、化学薬品の相互作用及び金属製容器内の化学薬品の劣化を低減するために、特に選ばれた不活性金属、金属酸化物、金属窒化物、または金属炭化物であってもよい。金属の剛性により、本実施形態のライナーは、ピンホールまたは溶接割れが実質的になくなり得り、非常に強固で一貫した充填容積を有し得る。
【0025】
しかしながら、従来、金属缶は、使用するのが高価となってきていた。例えば、金属製容器のコストが容器に保管された物質のコストよりも高くなることが頻繁にあり得る。したがって、コスト効率を良くするために、そのような金属製容器は、一般的に、繰り返し使用される。金属製容器が繰り返し使用されることで、今度は、再使用のために容器を送り返し、再充填の前に容器を適切に洗浄することが要求される。容器を送り返し、再使用のために容器を洗浄することは、時間の浪費になり得るとともに、高いコストになり得る。しかしながら、本開示のいくつかの実施形態では、剛性の折り畳み可能な金属製容器は、例えば、先行技術の金属製容器に比べて比較的薄い金属ライナーの壁を製造することで、コスト効率の良い一度きりの使用のために製造されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ライナー壁は、0.5〜3.0mmの厚さであってもよい。より好ましくは、壁は、いくつかの実施形態では、0.6〜2mmの厚さであってもよい。この壁の厚さによって、本開示の金属ライナーを、実質的に剛性ではあるものの、圧力下でつぶれるようにすることができる。金属ライナーは、いくつかの実施形態では、例えば、最大約2000Lもの一般的に大きな体積を保持するためのサイズを有していてもよい一方で、他の実施形態では、金属ライナーは、約200L以下を保持するためのサイズにされてもよい。いくつかの実施形態では、金属は、例えば、化学蒸着等であって、化学蒸着等に限定されない蒸着が適用されてもよい。
【0026】
別の実施形態では、金属で被膜され得るプラスチックライナーが提供されてもよい。例えば、ライナーは、例えば、PP、PE、PET、PEN、HDPEまたは他のあらゆる適切なポリマー、または上述のようなポリマーの組み合わせ等のポリマーから形成されてもよい。ライナーの外部は、例えばアルミニウム等であって、アルミニウム等に限定されないもので金属化されてもよい。本実施形態によるポリマーライナーの外部を金属化するために、あらゆる適切な金属が使用され得ることは認識されるであろう。ライナーは、例えば、めっき、電気めっき、スプレー等の、任意の適切な方法によって金属化されてもよい。ライナーの外部を金属化することにより、ガスの浸透性の影響が実質的に低減または排除され得る。金属被膜によってもたらされる不浸透性により、本実施形態のライナーは、ピンホールまたは溶接割れが実質的になくなり得り、非常に強固で一貫した充填容積を有し得る。上述のライナーと同様に、この種の金属被覆ライナーも、いくつかの実施形態において、最大約2000Lを保持するサイズとなり得る一方で、他の実施形態は、約200L以下を保持するサイズとなり得る。本明細書に記載された金属ライナー及び金属被覆ライナーは、折り目、プリーツ、取っ手、サンプ、及び/または他のあらゆるライナーの構成、及び/または他の実施形態を参照しつつ本明細書に記載された特徴を含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示のライナーは、例えば、エポキシアミンコーティング等のバリア増強コーティングで被覆されてもよい。しかしながら、他の適切なコーティングポリマーまたはポリマーの混合物がバリア増強コーティングとして使用され得ることは認識される。ライナーがPETまたは他のポリマー材料で構成される場合、このコーティングは特に有利となり得るが、しかしながら、このコーティングは本開示で熟考されたライナーのうちのいずれにも適用されてもよい。エポキシアミンコーティングの適用により、ガスの浸透性が二方向で低減し得る。即ち、このコーティングは、ライナーに入り込む可能性があるガスの量とともに、ライナーから出る可能性があるガスの量を低減し得る。このコーティングを適用することにより、ライナー及びライナーの内容物の貯蔵寿命も増加し得る。さらに、バリア増強コーティングの適用は、酸素または水分の透過性を低減し得り、より広範囲の材料、例えば、没食子酸洗浄剤及び/またはCVD前駆体物質等の、空気反応性を示す液体であって、この液体に限定されない材料をライナーに保管することを可能にし得る。
【0028】
コーティングは、折り畳みに先立ってまたはライナーが完全に組み立てられた後にバッグ上にスプレーされてもよい。コーティングは、ライナーの内側及び/または外側に適用されてもよく、または複数の層を備えた実施形態では、コーティングはライナーの1つの層または全ての層の片面または両面に適用されてもよいことは理解されるであろう。コーティングは、所望の貯蔵寿命に依存して様々な厚さで適用されてもよく、例えば、コーティングが厚いほど、貯蔵寿命は長くなる。しかしながら、バリア増強コーティングは、あらゆる適切な厚さで適用されてもよく、所望の用途に応じた様々な時間で硬化し得ることは認識されるであろう。さらに、バリアフィルムの架橋密度及びバリアフィルムの表面粘着力は、所望のバリア保護の程度に応じて変わり得る。一般的には、ライナー表面は、ライナーのバリア性を高めるために、例えば、コーティングを適用する等して、化学的に、物理的に、電気化学的にまたは静電気的に変更され得る。いくつかの実施形態では、バリア増強材は、一般的に、図2のフローチャートに図示された方法でライナーに適用され得る。1つのステップ202では、被覆材料を受けるための準備において表面を洗浄するためにイオン化された空気をライナー上に吹きつけるのに、ファンが用いられ得る。1つの実施形態においては、ステップ204に示すように、その後、電荷が印加されてもよい。その後、バリア増強材は、例えば、静電スプレーガン206を使用してライナーに適用されてもよい。しかし、静電スプレーガン206の使用に限定されない。ライナーがコーティング適用領域を通過するときに、チャックはライナーを回転させてもよく、これにより、均一なコーティングの適用が確保される。余分なスプレーは、回収され、廃棄され得る。その後、被覆ライナーは、硬化炉208で硬化され得る。
【0029】
別の実施形態において、コーティングバリアは、コーティングとしてではなく別のライナー層として設けられてもよい。
本開示のライナーは、多くの有利な形状をとり得る。図3に見えるように、1つの実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー320は、ライナーの底部が、丸みを帯びているか、またはボウル形状322となるように構成されてもよい。そのような実施形態では、丸みの程度は様々であってもよい。いくつかの実施形態においては、ライナー320がさらに自立するように底面を丸くしてもよい。さらに別の実施形態では、丸みは、ライナーが、好ましくは、外容器、オーバーパック、またはスリーブとともに使用され得るような程度であってもよい。底面の丸みは、例えば、浸漬管をライナーの底部に適切に向けるのを補助し得るので、丸い底部を有するライナーの実施形態は、例えば、ポンプ分配用途等において化学的利用の向上に役立ち得る。そのような実施形態は、例えば不透明なライナーの場合に特に有用となる可能性があり、化学的利用及び浸漬管の位置合わせも向上する可能性がある。
【0030】
図4に示すように、ライナーの別の実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー402は、分配能力向上を補助し得るサンプ406を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ライナー402は、オーバーパック404内に配置されてもよい。サンプ406は、サンプ406を形成する窪みまたはカップ408を規定するライナーの底部における一般的に剛性の材料の領域であってもよい。図4に見えるように、窪み領域408は、ライナー402内の液体を窪み領域408に流し込んでもよい。ライナー402へ差し込まれ得る浸漬管410は、その後、ライナー内の液体を実質的に全てを分配するのに使用されてもよく、これにより、方向付けサンプ406のない先行技術のライナーよりも、より多くの液体を分配することができる。サンプは、いくつかの実施形態では、ライナーと同じ材料で作られてもよいし、サンプは、例えば、他の種類のプラスチック等の、別の適切な材料で作られてもよい。サンプを備えたライナーの使用は、つぶれない、または完全につぶれないライナーを使用する場合に特に有利となり得る。
【0031】
ライナー100は、図1に示すように、比較的単純な設計を有していてもよいので、いくつかの実施形態では、ライナー壁は、実質的に剛性のライナー壁102に殆どまたは実質的に折り目を有していなくてもよい。図5に示される1つの実施形態では、例えば、ライナー500は、従来の水またはソーダボトルと同様に成形されてもよい。したがって、本開示の様々な実施形態のさらなる利点は、固定された充填容積を含む。即ち、ライナー100は、特定の容積用に設計することができ、そして、実質的に剛性のライナー壁102には殆どまたは実質的に折り目がなくなり得るので、ライナー100が特定の体積で充填されたときに、オーバーフローは実質的に生じないはずである。上述したように、そのようなライナー100に保管された液体は、一般的に非常に高くなり得り、例えば、約2,500ドル/L以上となり得る。したがって、オーバーフローの量が少しでも減ることが望ましくなり得る。さらに、ライナー内に閉じ込められたガス量は、ライナーが実質に剛性であり、充填前にライナー内にガスを閉じ込める位置をもたらすアンダーカットまたは折り目が概ね存在していなければ、最小限となり得る。
【0032】
さらに、ライナーは、内部空洞部内から液体を分配する能力を補助するように成形されてもよい。1つの実施形態では、図6に図示されるように、ライナー600は、当該ライナー600の剛性領域、例えば、ライナー壁602から口部606への移行部付近の領域を限定することができる折り目または凹み610を含んでもよい。折り目610は、ライナーに形成されてもよいし、モールド成形後に加えられてもよい。折り目610は、ライナー600のつぶれパターンまたは折り畳みパターンを制御するように設計され得る。1つの実施形態では、ライナー600は、口部606付近に2つまたは4つの折り目を含んでもよい。しかしながら、折り目610は、ライナー壁602のあらゆる適切な部位に位置してもよく、また、ライナー600のつぶれパターンまたは折り畳みパターンを制御し、つぶれている間にライナー600から流出する可能性がある粒子の数を低減または最小限化するように適切に構成されてもよいことが認識される。折り目610は、ライナー600が完全、またはほぼ完全につぶれたときに、折り目610が、生じた折り目及び/またはライナー内のガス閉じ込め位置の数を低減または最小限化するように構成されてもよい。
【0033】
図7A−7Dに図示された別の実施形態では、実質的に剛性で折り畳み可能なライナー700は、ライナー700の垂直方向長さに延在する複数のプリーツ704を一般的に含んでもよく、いくつかの場合において、これらプリーツ704は、ライナー700の首部702から底部まで、ライナー700の垂直方向長さの実質的に全体に延在する。より具体的には、図7A及び7Cに見えるように、しぼんだまたはつぶれた状態706では、プリーツ付きライナー700は、ライナー700の円周上に配置された一般的には並列なまたはパターン化された複数のプリーツ704を備えてもよい。図7B及び7Dに示されるように、膨らんだまたは膨張した状態708では、ライナー700のプリーツ704は、一般的に開かれ、ライナーは、収縮状態706でのライナーの円周または直径より大きい、円周または直径まで膨張する。いくつかの実施形態では、ライナー700は、しぼんだ状態706では、一般にコンパクトになり得り、収縮状態のときのライナーの一般的にコンパクトなサイズにより、剛性外容器の内部にライナーを配置することが比較的容易となり得る。垂直なプリーツ704により、充填中のライナーの迅速な膨張と、分配中の迅速な収縮が可能となり得る。いくつかの実施形態では、図7Eに示すように、首部702は、先行技術ライナーの首部より薄くてもよい。首部を構成する材料は一般的に薄い可能性があるので、そうでないものよりも首部の領域はより柔軟になり得る。これにより、剛性外容器内への挿入をより比較的容易に行うことが可能になり、より完全な充填及び/またはより完全なライナーからの排出を行うことが可能になり得る。プリーツの結果としてライナーがつぶれる方法により及び/またはライナーの首部を構成する比較的薄い材料により、本実施形態もチョークオフ(閉塞)を防止し得る。
【0034】
図8A及び8Bに図示された、さらなる実施形態では、実質的に剛性で折り畳み可能なライナー800は、非垂直方向のまたは螺旋の複数のプリーツ804を備えてもよく、複数のプリーツ804は、ライナー800の垂直方向長さに延在してもよく、ある場合においては、ライナーの首部から底部まで、ライナーの垂直方向長さの実質的に全体に延在する。より具体的には、膨張した状態のライナーを示す図8Aにおいて見ることができるように複数のプリーツ804の各々は、一般的に、ライナー800の上部からライナーの底部まで実質的な直線ではなく、その代わり、各プリーツは、一般的に、ライナーの上部から底部に延びるにつれ、ライナーの横方向に、傾斜しているか、巻いているか、または曲がっている等していてもよい。複数のプリーツ804の各々は、ライナー800の垂直方向長さの周りに傾斜する程度、巻いている程度、曲がっている程度等が実質的に均一であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、複数のプリーツ804の各々は、均一にまたは非均一に、あらゆる適切な程度でライナーの周囲に他のプリーツと共に傾斜しているか、巻いているか、または曲がっていてもよい。理解され得るように、図8Bに示されるように、ライナー800の内容物が排出または分配されてライナー800がつぶれ始めるとき、複数の螺旋状のプリーツ804は、一般的に、ライナーの上部に対してライナーの底部を捩れさせることになる。ライナーを捩るとライナーの底部からライナーの上部へライナーの内容物が押し込まれるので、この捩れの動きによって、より効率的なつぶれ、及び/またはライナーの内容物のより完全な排出が可能になり得る。螺旋状のプリーツ、及び、つぶれる間に生じる、結果としての捩れの動きにより、本実施形態もチョークオフを防ぎ得る。
【0035】
図9に図示された、さらなる実施形態では、実質的に剛性で折り畳み可能なライナー900は、練り歯磨きチューブと同様の方法で成形されてもよく、一般的に平たくつぶれるように構成されてもよい。そのような構成は、つぶれにくい部位に閉じ込められた液体の量を低減または最小限化するのを補助することができ、完全にライナーをつぶすのに必要な圧力または真空の量を減らすことができる。ライナー900の形状も、つぶれる間にライナー900の折り目を低減し得る。そうでなければ折り目線で粒子の発生を引き起こし得るので、ライナー内の液体が汚染される。同様に、本開示の実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの多くの実施形態のように、ライナー900の構成は、気泡が閉じ込められる場所の数を低減または最小限化することができる。そのような実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、例えば図9に図示された口部906付近の傾斜部912等のような、傾斜部も含んでもよく、そのような傾斜部は、分配開始時に上部にできた空間のガスを円滑に除去するのを補助し得る。別の実施形態において、本開示の1つの実施形態によるライナーは、四角にされた底部ではなく、図3に図示されるような実質的に丸い底部を有してもよい。
【0036】
本開示のさらなる実施形態に係るライナーは自立しなくてもよく、また、さらに別の実施形態においては、スリーブ916がライナーを支持するために設けられてもよい。スリーブ916は、側壁920及び底部922を含んでもよい。スリーブ916は、実質的にライナー900と離れていてもよい。つまり、ライナー9は、取り外し可能であってもよく、またはスリーブ916の内部に取り外し可能に取り付けられてもよい。ライナー900は、スリーブ916に接着接合される必要はないが、接合される必要はある。しかしながら、いくつかの実施形態では、ライナー900は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、スリーブ916に粘着接合され得る。1つの実施形態では、スリーブ916は、犠牲的なオーバーパックまたは外容器であると一般的に見なされ得る。スリーブ916は、任意の適切な高さであってよく、また、いくつかの実施形態では、スリーブ916は、実質的にライナー900と同じ高さまたはそれより高くなり得る。スリーブ916がそのような高さである実施形態では、スリーブ916及びライナー900の輸送を補助するために取っ手918が設けられてもよい。スリーブ916は、プラスチック、ナイロン、EVOH、ポリオレフィンあるいは他の天然または合成ポリマーを含む1つ以上のポリマーを使用して作られてもよく、使い捨てであってもよい。他の実施形態では、スリーブ916は、再利用可能であってもよい。
【0037】
2いくつかの実施形態では、充填及び分配を容易にするとともに、保管中に空気及び他の汚染物質からライナーの内容物を保護するために、図10A−14Cに示されるようなコネクタが剛性のライナーまたは剛性で折り畳み可能なライナーとともに使用されてもよい。図10A及び10Bに見えるように、ライナー1000は、ライナー1000と一体化され得るか、またはライナーに固定して取り付けられ得る首部1002を含んでもよい。保護オーバーキャップ1006の内面の相補的なネジ部と連結するために、首部1002は、外面上にネジ部1004を有してもよい。しかしながら、ライナーの首部及び/またはコネクタに取り外し可能にキャップを取り付ける、例えば、摩擦フィット、スナップフィット等のあらゆる適切な方法が使用され得ることは認識されるであろう。コネクタ1008は、ライナー1000の首部1002の内部に嵌合するように構成され得るベース部1010を含んでもよい。コネクタ1008は、肩部またはレッジ1012を備えてもよく、コネクタ1008のベース部1010がライナーの首部1002に位置したときに、肩部1012が、ライナーの首部1002の上端に全体的に当接することにより、コネクタ1008とライナー1000との間に密閉が形成される。いくつかの実施形態では、保護キャップ1006は、コネクタ1008と一体化されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、保護キャップ1006とコネクタ1008とは別々の部品であってもよく、さらに、これら保護キャップ1006及びコネクタ1008は、保管手順及び/または分配手順のために、取り外し可能に互いに固定されてもよい。
【0038】
図10Aに示されるように、1つの実施形態では、ボトル1000を密閉することで、ボトル1000内のあらゆる物質を確実に収容し得る隔壁1016がコネクタ1008内、あるいはコネクタ1008に隣接して配置されてもよい。また、コネクタ1008は、隔壁1016からベース1010の垂直方向長さの全体に延在し、分配が開始されるとライナー1000の内容物がコネクタを通過するのを可能にする中空管または領域1018を含んでもよい。ライナーの内容物を分配するために、ニードルまたはカニューレ1020がライナー1000を密閉する隔壁1016に接触してこの隔壁1016に刺さることが可能に、ニードルまたはカニューレ1020がコネクタ1008及び/または保護キャップ1006内の開口部を通って導入されてもよい。
【0039】
図10Bに示された別の実施形態において、ライナー内のあらゆる物質も確実に収容するボトル1000を密閉可能な折れ易いディスク1024が、コネクタ1008のベース内にまたはこのベースに隣接して配置されてもよい。また、コネクタ1008は、折れ易いディスク1024からベース1010の垂直方向長さの全体に延在し、分配が開始されるとライナーの内容物がコネクタ1008を通過するのを可能にする中空管または領域1018を含んでもよい。キャップ1006は、コネクタ、好ましくはコネクタ1008のベースに固定されてもよい。ボトルが十分に加圧されて、折れ易いディスク1024が破裂し、ライナー1000の内容物が分配され始めることが可能になるように、ボトル1000の内容物は圧力分配されてもよい。
【0040】
図11は、コネクタ1102の別の実施形態を示し、コネクタ1102は、コネクタ本体1104に形成されたポート1110−1116を含んでもよい。ポートは、例えば、液体またはガスがライナーに入ることを可能にする液体/ガス入口ポート1110、通気排出口1112、液体排出口1114、及び/または、ライナーの内容物が取り出されることを可能にする分配ポート1116を含んでもよい。
【0041】
図12A−12Cは、容器に物質を充填した後にコネクタがどのように密閉されるのかという別の実施形態を示す。図12Aに示されるように、管1204は、コネクタ1202の本体に垂直に嵌入されてもよい。管1204は、例えば熱可塑性樹脂またはガラス等のあらゆる適切な材料で構成されてもよい。ライナーは、管1204を介して内容物が充填されてもよい。ライナーが充填された後、図12Bに示されるように、管1204は溶接にて閉鎖部1206が形成されてもよく、さもなければ密閉されてもよい。その後、保護キャップ1208が、図12Cに示されるように、取り外し可能にコネクタ1202に固定されてもよい。本実施形態のコネクタアセンブリは、ライナー用の実質的に漏れ止め閉鎖機構を設けてもよい。さらに、本実施形態のこの密閉は、上述の密閉する実施形態と併せて使用されてもよい。
【0042】
1つの実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー及びオーバーパックに取っ手が含まれてもよい。図13に示されるように、剛性で折り畳み可能なライナー1302は、ライナー1302の首部1306に固定された取っ手1304を有してもよい。ライナーの首部1306でライナー1302に接続されたハンドル1304の2つの自由端と実質的に同じ高さでオーバーパック1310を囲む縁またはチャイム1312を有するオーバーパック1310内にライナー1302が挿入されてもよい。取っ手の端は、さねはぎ継ぎ、スナップフィット、またはチャイムに取っ手の端を取り外し可能に固定する他のあらゆる手段により、オーバーパック1310のチャイム1312に取り付けてもよい。そのような実施形態では、ライナーの開口部1314を含むライナー1302の上部に印加される、あらゆる下方向の力は、一般的に、取っ手に伝達された後、チャイム1312及びオーバーパック1310へと伝達されることで、ライナー1302上の圧力が低減される。別の実施形態では、また、取っ手1304の2つの端は、ライナー1302に取り付けられてもよい。
【0043】
図14A及び14Bに示されるように、別の実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー1402は、下部オーバーパック1404と、上部オーバーパック1406を備える2つの部分から形成されるオーバーパックと共に使用されてもよい。図14Aにおいて見ることができるように、ライナー1402は、最初に下部オーバーパック1404内に差し込まれてもよい。その後、上部オーバーパック1406は、ライナー1402の上部上に置かれ、図14Bに見ることができるように上部オーバーパック1406が下部オーバーパック1404に接続されるように押し下げられてもよい。例えば、スナップフィットまたはスクリューフィット等であって、これらに限定されない任意の適切な手段により、上部オーバーパック1406は、下部オーバーパック1404に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、分配が開始されたときに、加圧を用いてライナー1402をつぶせるように、上部オーバーパック1406は下部オーバーパック1404に対して密閉されてもよい。密閉は、周知のあらゆる手段によって達成されてもよい。上部オーバーパック1406は、ライナーの首部1416にて、ライナー1402に取り付けられてもよい。上部オーバーパック1406は、システムの輸送または移動をより簡単にするために、1つ以上の取っ手1414を含んでもよい。本実施形態では、ライナーのクロージャー1418を含むライナー1402の上部に印加され得る下方への力が、一般的に、上部オーバーパック1406に伝達された後、底部オーバーパック1404へと伝達され得ることにより、ライナー自体上の圧力が最小限化または低減される。
【0044】
別の実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー1502は、図15に示されるような上部オーバーパック1504内に配置されてもよい。ライナー1502のライナー首部1512は、いくつかの実施形態では、ライナーの移動をより簡単にするために、1つ以上の取っ手1508を含んでもよい。取っ手1508は、ライナーの首部1512と一体的に構成されてもよいし、取っ手1508は、周知のあらゆる手段によりライナーに固定して取り付けられてもよく、例えば、取っ手がライナーとともにブロー成形されてもよい。ライナー1502の壁は、他の部分より厚いいくつかの部分1506を有してもよい。これらのより厚い壁の部分1506は、垂直方向に増加した厚みをもたらしてもよい。しかし、これら部分は、分配が開始されたとき、ライナー1502がつぶれる能力を妨げはしない。これらのより厚い部分1506の厚みは、いくつかの実施形態においては、他のライナー壁部分よりも、例えば、約2倍から約10倍厚くてもよい。しかしながら、他の実施形態において、このより厚い壁部分は、あらゆる程度のさらなる厚みを有してもよいことは認識されるであろう。増加した厚みを有するライナー壁の部分が1つ以上あってもよく、例えば、いくつかの実施形態では、1つ、2つ、3つ、または4つ、またはそれ以上のそのような部分が存在してもよい。そのような実施形態では、ライナー1502のクロージャー1510を含むライナー1502の上部上における下方へのあらゆる力は、一般的に、ライナー1502のより厚い壁部1506へと伝達された後、オーバーパック1504へと伝達されることにより、ライナー1502上の圧力が軽減される。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態では、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、ライナー壁の厚さ、ライナーに使用される材料、及び折り目の設計に応じて、90%を超える分配能力、望ましくは、97%を超える分配能力、さらに望ましくは、最大99.9%の分配能力を得られ得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、剛性で折り畳み可能なライナーは、剛性で折り畳み可能なライナーに1つ以上の「強固な折り目」及び/または、1つ以上の「事前折り目」または「二次的折り目」を含み得る折り畳みパターンを含むように構成されてもよい。そのようなライナーは、いくつかの実施形態において、例えば、オーバーパック自体の直径と比べて比較的小さな直径の開口部を有し得るオーバーパックへのライナーの差し込み、またはオーバーパックからのライナーの取り除きができ得る比較的小さな円周領域へライナーが実質的に一様につぶれて入るように形成されてもよい。図16に見ることができるように、産界で既に使用されている周知のオーバーバックに一般的に似たオーバーパック1600は、オーバーパック1600の大きな直径よりも小径の開口部1602を有してもよい。本実施形態の剛性で折り畳み可能なライナーを使用することは、いくつかの理由で従来のフレキシブルライナーを使用するのに比べて有利となり得る。例えば、従来のフレキシブルライナーは、出荷中に動き回るので、ピンホールまたは溶接割れが形成されがちになり得る。トラック、列車、または他の輸送手段が動くと、オーバーパック内の従来のフレキシブルライナーも動く可能性がある。ライナーが動きにさらされるほど、ライナー内に小さな穴が生じることになるリスクが高まる。従来のフレキシブルライナーより丈夫な材料で作られている剛性で折り畳み可能なライナーを使用することは、出荷中に溶接割れやピンホールが増大し得るリスクを大幅に低減し得る。従来のフレキシブルライナーは、充填されるときに皺が形成されるという不利な点を有する可能性があり、この不利な点は、ライナー中に保持できる材料の量を制限する可能性や、または、ライナー内に閉じ込められるガスの体積を増加させる可能性があり、そして、完全な分配を困難または不可能にする可能性もある。出荷中に皺に加わる圧力は、皺のない領域に比べて大きくなり、この皺の部分でライナーに小さな裂け目が生じる可能性があるので、従来のフレキシブルライナーにおけるそのような皺は、溶接割れ及び/またはピンホールを増大させ得る可能性の一因にもなり得る。本開示のいくつかの実施形態における剛性で折り畳み可能なライナーは、そのような皺を増大させない可能性があるものの、代わりに、ライナーの折り目に沿って所定容積に膨張し得るので、材料を保管する、より大きく、より一貫した内部容積を可能にし得る。皺の減少は、また、ライナーにおいて大きな圧力の領域を排除し得る。オーバーパック1600とともに使用される際の、従来のフレキシブルライナーに対する本開示の様々な実施形態のさらに別の利点は、この剛性で折り畳み可能なライナーが、従来のフレキシブルライナーよりもオーバーパック1600から容易に取り除くことが可能であるということになり得る。オーバーパック開口部1602を通じてオーバーパック1600から従来のライナーを取り除く際、ライナーの上部が開口部1602を通じて引っ張られ、ライナーの材料の大部分も含み得るライナーの底部をオーバーパック1600の比較的小さな開口部1602から取り出すことが難しくなるので、著しい量の分配されない内容物がライナーの底部に蓄積し得る。しかしながら、本実施形態は、(以下に詳細に述べる)ライナーの折り目により決められた所定の形状へとつぶれ得る。これにより、ライナーが開口部1602を通じて引っ張られるときに、ライナーの底部の過剰な材料の蓄積を、分配能力の向上とともに、実質的に低減または排除し得る。したがって、オーバーパック1600から空のライナーを取り除くことが実質的により容易になり得る。
【0047】
図17Aは、ライナー1700がつぶれた状態にあるときの、所定の折り目を有するライナー1700の1つの実施形態の端面図を示す。本実施形態において、ライナー1700は4アーム設計を有し、端から見たときに、つぶれた状態において、ライナー1700が4つのアーム1702を有していることを意味する。いくつかの実施形態では、各アーム1702は、概して、同じ比率及び寸法を有し得る。他の実施形態では、アームは、異なるまたは変化する寸法を有し得る。本実施形態のライナーは、浸漬管なしで使用されてもよい。他の実施形態では、ライナーは、浸漬管を含んでもよい。図17Bに見ることができるように、ライナー1710は、本体1712、フィットメント724を含むフィットメント端部1720、ライナーがオーバーパック内に挿入された際にオーバーパック容器の底部に接触する静止端部1716、フィットメント端部に最も近い本体をフィットメント端部1720に接続する移行領域1724、及び静止端部付近の本体を静止端部1716に接続する移行領域1726を有してもよい。見ることができるように、ライナー1710自体が垂直方向に向けられたとき、全ての折り目は、実質的に垂直方向に配向され得る。気泡はライナー1710の上部まで折り目に沿って垂直方向に移動する傾向がある可能性があるので、垂直な折り目によって、より容易に、ライナー内容物に存在し得るあらゆる気泡を逃がしたり、または取り除くことができるようになり得る。
【0048】
4アーム設計を有するライナーの本体は、概して、8つの折り目を有して形成され得る。ライナーがつぶれた状態にあるとき、図17Aを再び参照すると最も分かるように、8つの垂直の折り目1704が、ライナーの一端からライナーの他端へ延在し、ライナーの端部から見た場合に、4つのアームの星状形状を概ね形成し得る。本実施形態は4つのアーム設計に関して記載され、示されているが、本開示が3つのアーム、5つのアーム、6つのアーム、及びあらゆる他の数のアームの設計を有するライナーの実施形態をも含むことは理解されるはずである。
【0049】
図17Bを再び参照すると、フィットメント端部1720上に配置されたフィットメント1724は、ライナー1710と一体であってもよい。いくつかの実施形態では、フィットメント1724は、ライナーの残りの部分を構成する材料よりも厚い材料で構成されてもよく、また、いくつかの実施形態では、ライナーの残りの部分を構成する材料より強い材料で構成されてもよい。本開示の他の部分に詳細に記載されているように、フィットメントは、コネクタ及び/またはキャップを密閉及び/または分配のためにライナー/オーバーパックに取り付け可能に、オーバーパック1600における開口部1602に連結するように構成されてもよい。
【0050】
できるだけ多くの内容物を保持し、空間の無駄を回避するために、ライナー1710の静止端部1716は、ライナーが充填される際に、概して、膨張する。同様に、ライナーがつぶれると、ライナー1710の静止端部1716は、概して、その折り目に実質的に正確に沿ってつぶれ、オーバーパックからのライナーの容易な除去を確実にするとともに、ほとんど全ての材料がライナー1710から分配され得るのを確実にもする。
【0051】
図18に見えるように、折り目を有するライナー1802のいくつかの実施形態では、1つ以上の反転位置1806がライナーの本体1810とライナーの静止端部1808との間の移行領域1804あたりで発生する可能性がある。反転位置1806は、ライナーの分配及び/またはつぶれを困難にするように外方向に曲がる領域、または、ライナーを材料で完全に満たすためにライナーを実質的に完全に膨張させることを困難にするように内方向に曲がる領域となり得るので、望ましくない可能性がある。
【0052】
いくつかの実施形態では、反転位置は、ライナーにおける適切な場所に二次的折り目を含むことにより、制限されてもよいし、概ね除去されてもよい。例えば、図19A及び19Bで示されるように、二次的折り目または事前の折り目1904がライナーに含まれていてもよく、二次的折り目または事前の折り目1904は、図示されるように、ライナー1906の本体からライナーの移行領域を通ってライナー1900の静止端部の頂点1908へと延在してもよい。これらの二次的折り目または事前の折り目1904は、例えば図18に示される反転位置等のような反転位置を回避するのを補助し得る。図19Bに最もよく見えるように、ライナーが二次的折り目1904または事前の折り目により案内されるように膨張及びつぶれる傾向により反転位置の形成が回避され得る。
【0053】
同様に、さらなる垂直な二次的折り目がライナーに含まれてもよく、さらなる垂直な二次的折り目は、ライナーがつぶれてオーバーパックの開口部内に挿入されるとき及びこの開口部から引き出されるときに、ライナーの円周領域をさらに縮小し得る。ライナーがつぶれてオーバーパックの開口部内に挿入されるとき及びこの開口部から引き出されるときに、さらなる垂直な二次的折り目がライナーの円周領域をさらに縮小し得ることは、図20に見ることができる。図20は、ライナー2000が開口部2008内に挿入されているところ、または開口部2008から引き出されているところを示している。図示されたこの実施形態では、二次的折り目2006は、アーム2010上の略半分の所に配置されており、これにより、ライナー2000のアーム2010が占める円周領域を二次的折り目2006がない場合に比べて小さくできる。しかしながら、二次的折り目2006がアーム2010上の任意の適切な所に配置され得ることは認識されるであろう。
【0054】
いくつかの実施形態において、図21Aで示されるように、ライナー2102の静止端部2106に形成された折り目により形成される、ライナー2102の角部2104は、完全に膨張できない可能性があるので、ライナー2102内に収容され得る材料の量を制限し得る。上述のように、ライナーができるだけ多くの液体を保持できるように、静止端部をできるだけ大きく膨張させることが好ましい可能性がある。図21Bに見ることができるように、本実施形態におけるライナー2122の静止端部2124は、より完全に膨張し得る。ライナー2122の静止端部2124がより完全に膨張し得ることは、1つの実施形態において、例えば、遷移角2128が35°と55°との間、好ましくは、例えば、約45°の場合に達成され得る。遷移角2128は、ライナー2122の本体2130の実質的な垂線及び折り目と、静止端部2124の頂点2136との間に形成される角度となり得る。1つの実施形態において好ましい約45°の遷移角は、図21Bに示されるように、静止端部2124がその角度においてより完全に膨張し得るという点で、幾分、「魔法の」角度となり得る。しかしながら、好ましい約45°より大きいまたは小さい遷移角も本開示の精神および範囲の内にあることは認識されるであろう。
【0055】
いくつかの実施形態では、つぶれた状態のライナー2200の静止端部2204は、図22Aに示されるように、ライナー2200の本体内部でつぶれてもよい。ライナーの本体の端部とライナーの静止端部の頂点との間の高さが比較的短い場合、静止端部2204は、このようにライナー2200の本体内部でつぶれる傾向があり得る。ライナーが充填されているとき、そのようなライナーは、ライナー2200の高さを有利に低減し得る。図22Bに見ることができるように、本実施形態によるライナー2200は、膨張状態において概ね完全に膨らむ静止端部2204を有してもよい。
【0056】
オーバーパックとの使用では、ライナーがつぶれた状態であるときに、ライナーは、オーバーパック開口部を通じてオーバーパック内に挿入されてもよい。ライナーが、一旦、オーバーパック内にあれば、ライナーは、オーバーパックの外に残され得り、そして、オーバーパック開口部と連結し得るライナーフィットメントを通じて所望の物質で充填され得る。充填によりライナーが膨張すると、ライナーは、実質的にオーバーパックの内部形状に一致し得る円筒に概ね近くなり得る。ライナーの内容物が取り出された後、ライナーは、ライナーフィットメントを通じて当該ライナーを引き出すことにより、オーバーパックの開口部を通じて比較的容易に取り除かれ得る。ライナーがオーバーパックの開口部を通じて引っ張られるときにライナーに加えられる圧力は、ライナーを、ライナーの折り目に沿ってつぶれた状態に概ね戻し得る。これら実施形態のライナー等のような剛性ライナーは、折り畳みパターンを記憶していてもよく、蛇腹と同様に、つぶれるときに、折り目に沿ってつぶれる傾向があってもよい。
【0057】
折り目を含むライナーの実施形態は、ブロー成形、溶接、または他のあらゆる適切な方法により作られてもよい。ライナーにおける折り目は、非常に低い圧力、例えば、ある場合では、約3psiまで下がった圧力でライナーを収縮可能にするヒンジのように作用してもよい。いくつかの実施形態では、これらのライナーは、約99.95%まで分配能力を達成し得る。
【0058】
本開示のライナーは、単一部品として製造されてもよく、それにより、ライナーにおける溶接と継ぎ目、及び溶接と継ぎ目とに関連した問題が排除される。例えば、溶接及び継ぎ目は、製造プロセスを複雑にする可能性があり、そして、ライナーを弱める可能性がある。さらに、ある材料は、あるライナーで使用するには好ましいものの、溶接しにくい。
【0059】
ライナーは、例えば押出ブロー成形、インジェクションブロー成形、インジェクションストレッチブロー成形等のあらゆる適切な製造プロセスを使用して製造可能である。インジェクションブロー成形またはインジェクションストレッチブロー成形を利用する製造プロセスは、他の製造プロセスよりもライナーをより正確な形状にすることができる。インジェクションストレッチブロー成形を使用してライナーを製造する1つの例示的な実施形態が図23A−23Eに図示されている。ライナーを製造するための例示的な実施形態の全てのステップが必要であるとは限らず、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、いくつかのステップが除かれてもよく、または、さらなるステップが加えられてもよいことは認識される。図23Aに図示されるように、上記方法は、プリフォーム金型2354の注入空洞部2352内にポリマーの溶融形態2350を注入することにより、ライナープリフォームを形成することを含んでいてもよい。成形温度及び成形の時間の長さは、ライナープリフォームの製造に選択される1つのまたは複数の材料に依存し得る。いくつかの実施形態では、マルチインジェクション技法が、複数の層を有するプリフォームを形成するのに使用され得る。インジェクション空洞部2352は、一体的なフィットメントポート2358を有するライナープリフォーム2356(図23B)に対応する形状を有してもよい。ポリマーは固まり得り、このようにしてできたライナープリフォーム2356は、プリフォーム成形金型2354から取り出されてもよい。代替実施形態では、複数層プリフォームを含む予め製造されたプリフォームが、本開示のプリフォーム2356に使用され得る。
【0060】
図23Cに図示されるように、いくつかの実施形態では、ライナープリフォーム2356は、ストレッチブロー成形に先立って、ライナープリフォーム2356を適切な状態にするために、洗浄され、加熱されてもよい。その後、ライナープリフォーム2356は、図23Dに図示されるように、所望の完成したライナーのネガティブ像を実質的に有するライナーモールド2360内に挿入されてもよい。ライナープリフォーム2356は、その後、図23Eに図示されるようなライナーモールド2360のイメージにブローまたはストレッチ及びブローされて、一体的なフィットメントポート2358を有するライナーを形成する。ブロー成形気流速度、さらにブロー成形温度及び圧力は、ライナープリフォーム2356の製造のために選択された材料に依存してもよい。
【0061】
ライナーモールド2360のイメージに一旦ブローまたはストレッチブローされると、ライナーは固化し、ライナーモールド2360から取り出され得る。ライナーは、任意の適切な方法によりライナーモールド2360から取り出されてもよい。
【0062】
使用においては、例えば、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、ドーパント、無機物、有機物、または生物の液体、調合薬、または放射性化学薬品等の超高純度の液体がライナーに充填または収容され得る。ライナーには、例えばソフトドリンク、食用油、農薬、健康及び口腔衛生用品、トイレタリー製品等であって、これらに限定されない他の製品が充填され得ることも認識される。必要に応じて、内容物は圧力下で密封されてもよい。ライナーの内容物を分配することが望まれる場合、内容物は、ライナーの口部を通って取り出され得る。本開示の実施形態の各々は、圧力分配によって、またはポンプ分配によって分配されてもよい。圧力分配用途及びポンプ分配用途の双方において、内容物が排出されるとライナーはつぶれてもよい。本開示のライナーの実施形態は、ある場合においては、約100psi未満の圧力で、より好ましくは約50psi未満の圧力で、さらにより好ましくは約20psi未満の圧力で分配されてもよく、ある場合においては、本開示に記載されているように、いくつかの実施形態のライナーの内容物は、著しくさらに低い圧力で分配されてもよい。本明細書に記載されている自立可能なライナーの各実施形態は、ある実施形態では、オーバーパックなしで出荷されてもよく、その後、ライナーの内容物を分配するために受取側設備で加圧容器内に入れられてもよい。分配を補助するため、本開示のライナーはいずれも、浸漬管を有する実施形態を含んでいてもよい。他の実施形態では、本開示のライナーは、浸漬管を有していなくてもよい。
【0063】
1つの実施形態では、ライナーに保管された液体を分配するために、本開示のライナーは、例えば、図24Aに図示されたキャニスタ2400等の加圧容器といった分配キャニスタ内に配置されてもよい。特に、キャニスタへガスを導入して、ライナーをつぶし、キャニスタ2400内のライナー内に保管された液体を液体出口2402を通じて加圧分配するために、ガス入口2404をガス源2408に操作可能に連結することができる。流入するガス及び流出する液体を制御するために、キャニスタ2400は、制御部品2406も含んでもよい。ライナーからの液体の分配を制御するために、コントローラ2410を制御部品2406に操作可能に連結することができる。
【0064】
概して、出口液体圧力は、入口ガス圧力の関数であってもよい。一般的に、もし入口ガス圧力が一定のままである場合、出口液体圧力も分配プロセスにおいて概ね一定となり得るものの、出口液体圧力は、容器が空に近づくにつれて、分配の終わり近くで減少する。ライナーからの流体のそのような分配を制御する手段が、例えば、2007年2月6日に発行された“Liquid Dispensing System”と題された米国特許第7,172,096号と、2007年6月11日が国際出願日の“Liquid Dispensing Systems Encompassing Gas Removal”と題されたPCT出願第PCT/US07/70911号とに記載されており、ここで、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0065】
入口ガス圧力が概ね一定に保持される実施形態では、PCT出願第PCT/US07/70911号に詳細がさらに記載されているように、出口液体圧力を監視することができる。容器またはライナーが空に近づくにつれて、出口液体圧力は減少または下降する。容器が空に近いことの指標として、出口液体圧力におけるそのような減少または下降を検出または感知することを使用することができ、これにより、下降空状態検出と称され得るものが提供される。
【0066】
しかしながら、いくつかの実施形態では、分配プロセス全体にわたって実質的に一定であるように出口液体圧力を制御することは望ましいことであり得る。いくつかの実施形態では、出口液体圧力を実質的に一定に保持するために、入口ガス圧力及び出口液体圧力は監視されてもよく、そして液体出口圧力を一定に保持するために、入口ガス圧力は、制御及び/または放出されてもよい。例えば、ライナーが空に近いときを除き、比較的満たされたライナーの性質により、比較的低い入口ガス圧力が分配プロセスの間に必要とされ得る。ライナーが空に近づくにつれ、一定の出口圧力でさらに液体を分配するためには、より高い入口ガス圧力が一般的に必要とされ得る。したがって、図24Bにおいて分かるように、入口ガス圧力を制御することにより、出口液体分配圧力は、分配プロセスを通じて実質的に一定に保持されてもよい。図24Bは、ライナーが分配の完了に近づくにつれて、入口ガス圧力が増加することを示している。
【0067】
分配プロセスにおけるある時点では、図24Bのグラフ2480に示されるように、ライナーを空にするのに必要な入口ガス圧力の量は急激に比較的高くなり得る。いくつかの実施形態では、上昇する入口ガス圧力を分配プロセスを通じて監視することが空検出機構を提供するのに使用され得る。例えば、1つの実施形態では、入口ガス圧力は監視されてもよく、そして、入口圧力があるレベルに達したときに、ライナーが空であり、分配プロセスが完了したと判定してもよい。このような空検出機構は、時間とエネルギー、ひいては費用を節約するのを補助し得る。
【0068】
いくつかの場合において、(例えば19L以上等のような)著しい体積の内容量を保管する、上述のような金属製の折り畳み可能なライナーを含むライナーのサイズ及び付随する重量は、1人または2人の人間が充填されたライナーを標準的な圧力分配容器内に持ち上げて入れることを困難にし得る。したがって、いくつかの実施形態において、圧力分配容器内へライナーを配置することを一般的に容易にするために、図25に示されるように、剛性折畳みライナーは、実質的に水平に配置されている状態の圧力容器内へ圧力分配のために装填されてもよい。水平に配置された圧力容器2504内へライナー2502を装填することは、約19Lを超える材料を保持するライナーには特に有利となり得る。
【0069】
一般的に、装填システムは、水平に配置された圧力容器2504、運搬カート2506、及びライナー2502を含み得る。水平に配置された圧力容器2504は、水平に配置され得る特製のまたは標準の圧力容器であってもよい。ある実施形態では、水平の圧力容器は、運搬カート2506の高さと概ね互換性のある高さにて、テーブル、架台、または他の表面上で支持され得る。別のさらなる実施形態では、圧力容器2504は、底面に取り付けられた車輪またはローラーを有する、テーブル、架台、または他の表面上に載置されてもよい。これにより、ユーザーは、テーブル、架台等の上に配置される圧力容器を、運搬カート2506上に配置されるかもしれないし、配置されないかもしれないライナー2502のより近くに容易に移動させることができる。さらに別の実施形態では、圧力容器2504を水平姿勢で容易に移動できるように、圧力容器自体が、圧力容器に取り外し可能にまたは固定的に取り付けられた車輪またはローラーを備えてもよい。いくつかの場合において、取り付けられた車輪は、地面に対してある高さまで圧力容器を上昇させ得る。この高さは、運搬カートの高さと概ね互換性がある高さ、つまり、運搬カートと概ね同じ高さか、またはわずかに高い高さである。圧力容器、または圧力容器を保持するテーブルまたは架台に取り付けられ得る車輪またはローラーの数は、1つの車輪またはローラーから任意の適切な数の車輪またはローラーまで様々となり得る。車輪は、例えば、ゴム、プラスチック、金属、または任意の適切な材料または材料の組み合わせ等といった、任意の周知の適切な材料で構成されてもよい。さらに、水平に配置された圧力容器が複数の車輪またはローラーを備える実施形態では、圧力容器が所望の位置に一旦移動されたら、圧力容器が概ね安全に確実にその位置で維持され得るように、圧力容器は、さらに1つの車輪ブレーキまたは複数のブレーキまたは複数のストッパーをも含み得る。圧力容器が1つの車輪ブレーキまたは複数のブレーキまたは複数のストッパーを含むことは、容器にライナーを装填するプロセスの間では特に重要となり得る。そのような実施形態では、圧力容器に配置されたブレーキは、1つまたは任意の他の適切な数であってもよい。同様に、1つ以上のブレーキが、圧力容器を保持するためのテーブルまたは架台の下側に付加されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態における運搬カート2506は、ライナー運搬面2510と、車輪またはローラー2508とを含んでもよい。運搬面2510自体は、金属、プラスチック、ゴム、ガラスまたは他の任意の適切な材料、または材料の組み合わせで構成されてもよい。面2510は、いくつかの実施形態では、運搬カート2506が移動されているときにライナーが所定位置に留まり得るようにテクスチャード加工されてもよい。テクスチャリングは、圧力容器の内部との接触領域を最小化するのを補助し、これにより、ユーザーが圧力容器内にライナーを装填する能力が制限され得る。いくつかの実施形態では、例えば、運搬カートの面2510は、運搬中にライナー2502の固定を補助し得る軽度のグリップとして作用する、隆起した小さな円を面2510上に有してもよい。例えば、ランダムなパターンを含む任意の種類の幾何学形状またはパターンを含む、任意の種類のテクスチャーが運搬カートの面に適用されてもよいことは認識される。テクスチャード面を含むいくつかの実施形態では、テクスチャリングは、圧力容器2504内にライナー2502を装填するためにユーザーが輸送カートの面2510の垂直距離に沿ってライナー2502を比較的容易に移動または摺動させるのを阻害する程度になっていなくてもよい。支持面は、ブラケット、支持材、移動可能なレール等を含み得る。
【0071】
他の実施形態では、運搬面2510は、この運搬面を横切るライナー2502の摺動を高めるように構成されてもよい。例えば、この面は、滑らかで平坦に構成されてもよい。そのような実施形態では、運搬カート2506の少なくとも一端に取り外し可能または移動可能に固定され得る少なくとも1つのリップまたはロックを運搬カートは含み得る。少なくとも1つのリップまたはロックは、運搬カートが移動しているときに、ライナー2502が運搬カート2506から滑り落ちることを回避し得る。
【0072】
、ライナー運搬面2510は、一般的に、本明細書に記載されているライナー等の剛性で折り畳み可能なライナー2502を当該運搬面2510が容易に収容し得るように成形され得る。いくつかの実施形態では、運搬面2510は、この面の水平方向長さを横切って概ね曲がってもよく、これにより、実質的に丸いライナーがその上に確実に配置される架台状の面が形成される。運搬面の曲率の程度は、異なるサイズのライナーを収容するために変化してもよい。別の実施形態では、ほとんどのサイズのライナーが実質的に安全且つ確実に運搬カート2506上に配置され得るような曲率の程度であってもよい。他の実施形態では、所定形状のライナーに概ね適合するように運搬面2510が特別製造されてもよい。さらに他の実施形態では、運搬面2510は、当該運搬面2510の各側面の垂直方向距離に沿って配置された、比較的狭い隆起した面を有して、実質的に平らであってもよく、隆起した面はバンパーとして作用し、ライナー2502を運搬カート2504上に確実且つ安全に配置された状態に保つ。隆起した面、バンパー、またはレールは、例えば、ゴム、プラスチック、または任意の他の適切な材料または材料の組み合わせ等といった、任意の適切な材料で構成されてもよい。
【0073】
運搬カートの移動を概ね容易にできるように、運搬カートは、いくつかの実施形態では、車輪2508も備え得る。運搬カート2506は、例えば3つ以上といった任意の適切な数の車輪を有し得る。車輪は、例えば、ゴム、プラスチック、金属、または任意の適切な材料または材料の組み合わせ等といった、任意の周知の適切な材料で構成されてもよい。
【0074】
使用において、ライナー2502は、運搬カート上で出荷されてもよいし、あるいは、ライナー2502は、ライナーがその目的地に着いたときに、手動またはオートメーションにより運搬カート上に載置されてもよい。ライナーが運搬カート2506上に一旦載置されると、運搬カート上のローラー2508により、ライナーを有するカートを、ライナー2502のサイズまたは重量に関わらず比較的容易に移動させることができる。運搬カート2506は、水平に配置された圧力容器2504にライナー2502を運搬するのに使用されてもよい。あるいは、移動可能な圧力容器を備えた実施形態では、この圧力容器は、運搬カートへ運搬されてもよい。ライナーが運搬カート2506の運搬面2510に沿って分配用圧力容器2504内に摺動され得るように、充填されたライナーを有する運搬カートは、圧力容器と概ね端と端とを接触させて配置されてもよい。
【0075】
図26Aに示される1つの実施形態では、ライナー2600は、本開示のいくつかの実施形態が代わりとなり得るガラスボトルと共に典型的に使用される種類のキャップ2606を含んでもよい。ライナー2600の口部は、既存のガラスボトルのキャップと適合するようにネジが形成されてもよいし、さもなければ既存のガラスボトルのキャップと適合するように構成されてもよい。キャップ2606は、ライナー2600が充填された後ではあるが、内容物が分配される前に締められてもよい。例えば、キャップ2606は、ライナー2600の保管中または出荷中にライナー2600に締められてもよい。別の実施形態では、図26Bに示されるように、また、2010年1月29日に出願された“Closure/Connector for Dispense Containers”と題され、その内容が全体として参照によってここで援用される、米国特許出願第61/299,427号に開示されているように、ライナー2600は、ガラスボトルとともに典型的に使用される種類のコネクタ2620を含んでもよい。ライナー2600は、当該ライナー2600が例えばライナー2600のコネクタ2620等といった既存のガラスボトル用品と互換性を有し得るという事実に加え、既に述べた全ての理由でガラスボトルに代わる有利な選択肢となり得る。いくつかの実施形態において、コネクタ2620も本明細書に開示されたライナーの他実施形態のうちのいずれかとともに使用されてもよい。
【0076】
図26C及び26Dに示された、さらに別の実施形態では、ライナー2630は、誤接続防止クロージャー2640とともに誤接続防止コネクタ2650を含んでもよい。例えば2006年6月5日に出願された“Fluid Storage and Dispensing Systems and Processes”と題され、その内容が全体として参照によってここで本明細書に援用される、米国特許出願第11/915,996号等に開示されているように、誤接続防止クロージャー2640及び誤接続防止コネクタ2650は、いくつかの実施形態では、NOWPak(登録商標)分配システムと互換性を有するように構成されてもよい。誤接続防止コネクタ2650のサンプルは、コネチカット州ダンベリーのATMIのコネクタであってもよいし、または2006年6月13日に出願された米国特許出願第60/813,083号、2006年10月16日に出願された米国特許出願第60/829,623号、及び2007年1月30日に出願された米国特許出願第60/887,194号に開示されたコネクタであってもよい。コネクタを備えたライナーの別の実施形態は、コンテナ内に延在する浸漬管を含んでおらず、「スタビープローブ」とも称されることがあるコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、誤接続クロージャー2640及び誤接続防止コネクタ2650は、本明細書に開示されたライナーの実施形態のうちのいずれかとともに使用されてもよい。
<フレキシブルな襠付きライナー及び襠無し無しライナー>
上述したように、本開示は、フレキシブルな襠付き、または襠無しライナーにも関連しており、このライナーはサイズの拡大縮小が可能であり、200L以上の保管用に使用され得る。したがって、ライナーは、例えばフラットパネルディスプレイ産業に使用される高純度液体の保管に適し得る。
【0077】
図27Aは、本開示の襠付きライナー2700の1つの実施形態の断面図を図示している。ライナー2700の断面形状は、限定されず、あらゆる適切な断面形状が使用され得る。しかしながら、一般的には、ライナー2700は、折られた襠付き縁部2720を有して実質的に平らに折り畳まれてもよく、そのようなライナーは2次元(「2D」)襠付きライナーと本明細書では称され得る。「2次元」という用語がここで使用されるのは、本開示の襠付きライナーの様々な実施形態を理解するのを補助するためであって、「2次元」という用語は限定することを意味していない。いくつかの実施形態では、ライナーは、2つ以上のパネルで構成される、ボトル形状、枕形状等のような比較的簡素な形状の枕型ライナーであってもよい。いくつかの実施形態では、以下でさらに述べるように、2つのパネルを襠無しで、それらの実質的に全周囲に沿って溶接してもよい。さらに別の実施形態では、枕型ライナーは、襠付きの1つ以上の追加されたパネルとともに、2つ以上のパネルを有してもよい。他の実施形態において、ライナーは、例えば円筒、立方体、球、または任意の他の形状等といった、他の形状を形成する3つ以上のパネルで構成されてもよい。いくつかの実施形態では、この種のライナーは、襠付きパネルを備えてもよく、一方、他の実施形態では、この種のライナーは、襠付きでなくてもよい。図27Aに図示された例示的な実施形態では、ライナー2700が概ね3次元の(「3D」)形状に膨張するように、ライナー2700が液体を充填されるときに、襠付き縁部2720は、折り重ねられて実質的に平らな状態から膨張し得る(図27B)。「3次元の」という用語は、本開示の襠付きライナーの様々な実施形態の理解を助けるためにここで使用されており、「3次元の」という用語は、限定することを意味していない。ライナー2700は、3D形状に膨張した際、折り目または皺が実質的になくなり得る。さらに、ライナー2700は、自立してもよい。
【0078】
代替実施形態では、ライナー2700は、襠付きでなくてもよく、代わりに、実質的に丸い形状、半球状、または他の適切な形状の底部を有していてもよい。そのような実施形態では、ライナー2700は、自立していなくてもよく、オーバーパックまたは外容器によって支持されてもよい。同様に、ライナー2700は、図27A及び27Bに示されるように、内部に垂直な継ぎ目が実質的にないように構成されてもよい。むしろ、内部角部は、概ね丸くてもよい。こうすることにより、ライナー2700は、圧力分配またはポンプ分配が開始されると実質的に折り目を生じることなくつぶれ得る。そのような構成は、折り目の中に閉じ込めらた液体の量を低減または最小限化するのを補助し、完全にライナーをつぶすのに必要な圧力または真空の量を低減することができる。ライナー2700の形状は、つぶれる間、ライナー2700の皺の発生も低減することができる。皺の発生を低減できなければ、皺のラインで粒子生成が生じることで、ライナー内の液体が汚染され得る。同様に、ライナー2700の構成は、気泡を閉じ込める箇所の数を低減または最小限化できる。
【0079】
さらに、ライナー2700は、膨張した3D形状では、折り目または皺が実質的になくなり得るので、本開示の様々な実施形態のさらなる利点は、体積の変化量の低減を含む。即ち、ライナー2700は、所定の体積用に設計でき、また、ライナー2700がこの所定の体積で充填されたときに、実質的に剛性のライナー壁2702に折り目は殆どまたは実質的にはできないことになり得るので、オーバーフローは実質的に生じないはずである。既に述べたように、そのようなライナー2700に保管された液体は、非常に高価、例えば、2,500ドル/L以上である可能性がある。したがって、特に多くの場合において、液体の容器はまるごと廃棄されることになるので、オーバーフロー量の小さな減少さえ望ましくなり得る。したがって、オーバーフローの発生を低減または排除することは、オーバーフローによる廃棄を著しく減らすことにつながり得る。さらに、ライナーを基本とした容器システム用の従来のライナーは、サイズが大きくなると、折り目の数が増え、これにより、容積及びオーバーフローの潜在的な変化量が増える。したがって、そのようなライナー2700は、例えば最大200L以上の大きなサイズまで膨張可能であるので、それほど高価でない液体、例えば、約17ドル/Lの液体でさえ、そのオーバーフロー量の減少が著しくなり得る。
【0080】
1つの実施形態では、ライナー2700が液体を充填され、3D形状に膨張したときに、ライナー2700が自立し得るように、襠付き縁部2720は膨張してもよい。いくつかの実施形態では、縁部2720は、膨張して概ね平らな底部を形成してもよい。他の実施形態では、縁部2720は、膨張して、概ね丸みをおびた、または半球状の底部を形成してもよい。いくつかの実施形態では、ライナー2700は液体を充填される前に実質的に平らに折り畳まれ得るので、ライナー2700は、オーバーパックまたは外容器内に折り畳まれて配置され、その後、オーバーパック内に配置されたままで液体を充填され、液体とともに輸送されてもよい。
【0081】
ライナー2700は、ライナー壁2702と、内部空洞部2704と、口部2706と、溶接部2702とを含み得る。いくつかの実施形態において、ライナー2700は、プラスチック、ナイロン、EVOH、ポリオレフィン、または上述の材料またはPEの他の適切な混合物等の他の天然ポリマーまたは合成ポリマー等の1つ以上のポリマーを使用して製造されてもよい。いくつかの実施形態では、ライナー2700は、複数層を備え得る。例えば、ある実施形態では、ライナー2700は、内面層、コア層、及び外層、または他の適切な数の層を含み得る。複数の層は、1つ以上の異なるポリマーまたは複数の他の適切な材料で構成されてもよい。例えば、内面層は、フッ素重合体(例えば、PCTFE、PTFE、FEP、PFA等)を使用して製造されてもよく、また、コア層は、ナイロン、EVOH、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PCTFE等といった材料を使用して製造されたガスバリア層であってもよい。外層も適切なあらゆる様々な材料を使用して製造されてもよく、外層は内面層及びコア層に選択された材料に依存し得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、本開示のライナーは、実質的に剛性の折り畳み可能なライナーに関して上述したように、バリア増強コーティングで被覆されてもよい。1つの実施形態では、バリア増強コーティングを図2に図示されるように、そして詳細に上述したように適用してもよい。
【0083】
ライナー壁2702は、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムにおけるライナーより一般的に厚くてもよい。ライナー壁2702の増加した厚さは、ライナー2700の剛性及び強度を向上させる。この厚さにより、1つの実施形態では、ライナー2700は自立し得る。しかしながら、多くの実施形態では、ライナー2700は、サイズが、例えば最大200L以上と実質的に大きくなるようになり、そして図28A及び28Bに図示されるように、支持用のオーバーパックまたは外容器内に置かれることになる。自立するように構成される実施形態では、外容器は、従来の折り畳み可能なライナーを基本にしたシステムのライナーのように、ライナーを支持するために必要ではない。したがって、いくつかの実施形態では、ライナー2700は、自立する容器システムであってもよい。外容器に関連したコストを実質的に排除することにより、そのような実施形態は、容器システムの全体費用を低減できる。さらに、いくつかの従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムにおいては、ライナー及び外容器はともに、典型的に再使用可能ではなく廃棄される必要がある。本開示の様々な実施形態では、外容器が必要ではないので、ライナーだけが廃棄されることになると考えられるため、廃棄物が実質的に減少または最小限化され得る。1つの実施形態では、ライナー壁2702は、約0.05mmから約3mmの厚さであってもよく、望ましくは約0.1mmから約1mmの厚さであってもよく、さらに望ましくは0.15mmから約0.6mmの厚さであってもよい。しかしながら、この厚さは、ライナーの体積とともに、ライナーが作られる材料に依存して変化し得る。一般的に、ライナー2700は、ピンホールの発生を実質的に低減または排除するのに十分に厚くなり得る。同様に、ライナー壁2702が従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムのライナーより厚くなり得るので、ライナー2700は、不浸透性が向上することになり、例えば、ガスがライナーの壁を通じて内部空洞部2704へ導入されることを回避できる。
【0084】
ライナー2700は、その外縁に沿って溶接線2712を含み得る。しかしながら、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムと異なり、溶接線2712の強度を高め、溶接割れ及び内部空洞部2704内の液体の汚染を回避するのを補助するために、溶接線2712はより厚く、より強固であってもよい。
【0085】
ライナー口部2706は、一般的に剛性であってもよく、いくつかの実施形態では、ライナー壁2702より剛性であってもよい。相補的にネジを形成されたキャップ2708を口部2706が受けることができるように、口部2706は、ネジを形成されてもよいし、またはネジを形成されたフィットメントポート含んでもよい。例えば、差し込み、スナップフィット等の他の任意の適切な連結機構をネジの代わりに、またはネジに加えて使用してもよいことは認識される。口部2706は、一般的に剛性で、ライナー2706の上端に沿って中心に位置していてもよい。中心に位置した口部は、ライナー2700の分配能力を向上させ得る。いくつかの実施形態では、ライナー口部2706がライナー壁2702より剛性が高くなり得るので、ライナー口部付近の領域は、分配中に加圧されると、ライナー壁2702ほどもつぶれない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、ライナー内の内容物の加圧分配中に、液体は、ライナー口部付近の領域が完全につぶれていないデッドスペースに閉じ込められる可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、圧力分配システム及び出力ラインの対応するコネクタに接続するコネクタ2710または接続手段は、実質的に、口部付近のライナーの概ね剛性の領域を実質的に貫通または埋めてもよい。即ち、コネクタ2710は、圧力分配中に液体が閉じ込められないように、実質的にこのデッドスペースを埋めてもよく、これにより、デッドスペースにおける無駄が低減または排除される。
【0086】
実質的に剛性で折り畳み可能なライナーに関して上述されたように、さらなる実施形態では、ライナー2700は、下端または遠位端に開口部を有する、(例えば、図27Aにおいて、破線で図示された)内部中空の浸漬管2750を設けられてもよく、浸漬管2750はライナー2700からの流体の排出位置として作用する。中空の浸漬管2750は、コネクタ2710と一体であってもよいし、別々であってもよい。この場合、ライナー2700内の内容物は浸漬管2750を介してライナー2700から直接受けられてもよい。ライナー2700は、任意追加的な浸漬管2750を備えてもよいものの、ここに記載された様々な実施形態に係るライナー2700は、多くの場合、好ましくは、浸漬管を一切備えていない。
【0087】
ライナー2700は、概ね滑らかな外面を備えた比較的単純なデザインを有してもよいし、ライナー2700は、例えば、凹凸を含み、凹凸に限定されない比較的複雑なデザインを有してもよい。1つの実施形態では、例えば、ライナー2700は、チョークオフを防ぐためにテクスチャード加工されてもよい。即ち、ライナー内の液体を閉じ込めて、液体の適切な分配を妨げるようにライナー自体がつぶれてしまうのを防ぐために、ライナー2700はテクスチャード加工されてもよい。上述したように、チョークオフを防止または処置する様々な方法が、2008年1月30日を国際出願日とする“Prevention Of Liner Choke−off In Liner−based Pressure Dispensation System”と題され、参照によってすでに全体として本明細書に援用された、PCT出願第PCT/US08/52506号に記載されている。さらに、いくつかの実施形態では、図30A及び30Bに示されるように、ライナー内部にチャネル挿入物を設けることにより、チョークオフが排除または低減され得る。これらチャネル挿入物は、より詳細に後述される。図27Cに示される、さらに別の実施形態では、1つまたは複数のクリンプ、プリーツ、または折り目等をライナーの1つ以上の面に溶接することによりチョークオフが改善されてもよい。図27Cは、そのようなクリンプ、プリーツ、または折り目等2742を有するライナー2740を示している。クリンプ、プリーツ、または折り目等の存在は、面を互いに不一致または不均一にすることができ、それら面が互いに密着してライナー内に液体が閉じ込められるのを防止する。
【0088】
さらに、ライナー2700は、内部空洞部内から液体を分配する能力を補助するように成形されてもよい。ライナー2700の形状も、つぶれる間におけるライナー2700の皺を低減し得る。低減しなければ、皺の線の箇所で粒子が発生し、これにより、ライナー内の液体が汚染されることになり得る。同様に、ライナー2700の構成は、気泡が閉じ込められる場所の数を減少または最小限化することができる。ライナー2700は、口部2706付近に傾斜した部分も含み得り、そのような傾斜した部分は分配開始時に上部にできた空間のガスを円滑に除去するのを補助し得る。
【0089】
1つの実施形態では、概ね未充填状態または平らな状態のライナーの幅が、ライナーが挿入され得るオーバーパックの直径より大きくなり得るように、ライナーが構成されてもよい。1つの実施形態では、ライナーは比較的厚くてもよく、例えば約0.1から約1ミリメートル、また好ましくは、約0.15から約0.3ミリメートル、またさらに好ましくは、約0.25ミリメートルの厚さであってもよい。このライナーはオーバーパックとともに使用される典型的なライナーより厚い場合があるので、ライナーは、オーバーパックの内部との接触に起因して曲がる可能性がある。そのような曲がりは、折られた領域を形成し、この領域は浸漬管の補助がなくてもライナーの内容物を圧力分配する間にチョークオフを防止するのを補助し得る。別の実施形態では、浸漬管は、さらにチョークオフを防ぐために使用され得る。
【0090】
図28Aは、オーバーパックまたは外容器2800内のライナー2700を図示している。1つの実施形態では、例えば輸送中に、衝撃を低減することでピンホール及び溶接割れの発生を減少させるために、口部2706またはキャップ2708またはライナー2700は、オーバーパック2800のコネクタ2802に取り付けられてもよい。これにより、ライナー2700がオーバーパック2800内での移動において変動性を有するので、衝撃絶縁または吸収がもたらされる。図28Aに示されるように、1つの実施形態では、ライナー2700は、テザー2802またはフレキシブルチューブによりコネクタ2802に取り付けられてもよい。テザー2806は、ライナーからオーバーパックまでのコネクションをよりフレキシブルにし得る。さらにテザー2806は伸縮自在で、ライナー2700の移動により膨張及び収縮してもよい。あるいは、図28Aにも示され、さらに、図28Bにも拡大して示されるように、ライナー2700は、蛇腹2804によりコネクタ2802に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、蛇腹2804とコネクタ2802とを操作可能に接続している保持部2080により蛇腹2804は取り付けられてもよい。保持部2808は、既存とオーバーパックと協働するようなサイズ及び形状を有してもよい。これにより、蛇腹2804を含む本開示の実施形態を使用するのに新たなオーバーパック/コネクタは必要なくなることになる。蛇腹2804は、ライナー2700の溶接にかかるストレスをさらに軽減し得る。理解されるように、蛇腹2804は、長さが伸びて、ライナーの取り付けに柔軟性をもたらす。
【0091】
いくつかの実施形態では、図29A及び29Bに示されるように、2Dライナーが3D容器を確立して、ライナーにおける折り目または皺を低減することで、ライナーの角部に閉じ込められ得るガスを削減するように、2D溶接ライナーは、一般的に、ライナーの角部に溶接部を有していてもよい。図29Aに示されるように、例えば、枕型ライナー2900は、例えば、ライナー2900が膨張して直角の角部がなくなるように、ライナーの角部2902の領域に複数の溶接部を有していてもよい。図29Bにて分かるように、円筒形状容器内にフィットしてライナーにおける折り目または皺を減らすことにより、ライナーの角部に閉じ込められ得るガスを削減する3D円筒形状ライナーを形成するために、枕型ライナー2900の角部が、例えば、溶接線2906を使用する等して除去される。
【0092】
剛性で折り畳み可能なライナーに関連して上述した実施形態と同様に、本開示のフレキシブルライナーは、いくつかの実施形態において、図4に示された、上述されたようなサンプを含んでもよい。
【0093】
本開示のフレキシブルライナーは、図16−22Bに示され、上述されるように、折り目または代わりに溶接線も含み得る。
本開示のいくつかの実施形態では、フレキシブルな襠付きまたは襠無しライナーは、ライナー壁の厚さ、ライナーに使用される材料、及び任意の襠付き縁部のデザインに応じて、90%を超える分配能力、望ましくは、97%を超える分配能力、さらに望ましくは、最大99.9%の分配能力を得ることが可能である。
【0094】
ライナー2700は、例えば溶接、ヒートシール等のような、あらゆる適切な製造プロセスを使用して製造され得る。図27A及び27Bを参照すると、ライナー2700を製造するための1つの実施形態は、第1パネル2730、第2パネル2732、及び第3の襠付きパネル2733をそれらの縁部に沿って溶接して、概ね枕状のライナーを形成することを含み得り、この枕状ライナーでは、第1及び第2パネルが正面及び背面をそれぞれ形成し、第3パネルがライナー2700の底部端に襠付き縁部2720を形成する。口部またはフィットメントポート2706は、ライナー2700の上縁部に沿って第1及び第2パネルに溶接または接合されてもよい。
【0095】
使用においては、ライナー2700には、例えば、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、ドーパント、無機物、有機物、または生物の液体、調合薬、または放射性化学薬品等の超高純度の液体が充填または収容される。ライナー2700には、例えば、ソフトドリンク、食用油、農薬、健康及び口腔衛生用品、及びトイレタリー用品等であって、これらに限定されない他の製品が充填されてよいことも認識される。必要に応じて、内容物は圧力下で密封されてもよい。ライナー2700の内容物を分配することが望まれる場合、内容物は、ライナーの口部2706を通じて取り出されてもよく、ライナー2700は、内容物が空になると実質的に平らに折り畳まれてもよい。自立フレキシブルライナーを含むいくつかの実施形態では、ライナーは、いくつかの実施形態におけるオーバーパックなしで出荷されてもよい。ライナーの内容物を分配するために、このライナーは受取側設備にて加圧容器内に入れられてもよい。
【0096】
1つの実施形態では、ライナー2700に保管された液体を分配するために、ライナー2700は、例えば、図24Aに図示されるキャニスター2400等の分配キャニスター内に置かれ、上述された方法と実質的に同様の方法で分配されてもよい。特に、ガス入口は、キャニスターへガスを導入するために使用されてもよく、これによりライナー2700がつぶれ、キャニスター2700内部のライナー2700内に保管された液体が液体出口を通じて圧力分配される。さらに、先に記載されたように、一般的に、出口液体圧力は、入口ガス圧力の関数であってもよい。一般的に、もし入口ガス圧力が一定のままである場合、分配プロセスにおいては出口液体圧力も概ね一定となり得るものの、容器が空に近づくにつれて、分配が終わりに近くなると出口液体圧力は減少し得る。ライナーからの流体のそのような分配を制御する手段は、例えば、2007年2月6日に発行され、“Liquid Dispensing System”と題された米国特許第7,172,096号、及び2007年6月11日を国際出願日とする“Liquid Dispensing Systems Encompassing Gas Removal”と題されたPCT出願第PCT/US07/70911号に記載されており、これらの各々は、参照によって既に援用されている。
【0097】
入口ガス圧力が一般に一定に保たれる実施形態では、PCT出願第PCT/US07/70911号に詳細にさらに記載されているように、出口液体圧力を監視することができる。容器またはライナーが空に近づくにつれて、出口液体圧力は減少または下降する。容器が空に近いことを示す手段として出口液体圧力のそのような減少または下降を検出または感知することを使用することができ、これにより、下降空状態検出と称され得るものが提供される。
【0098】
しかしながら、いくつかの実施形態では、分配プロセス全体にわたって出口液体圧力が実質的に一定になるように、出口液体圧力を制御することが望ましくなり得る。いくつかの実施形態では、出口液体圧力を実質的に一定に保持するために、入口ガス圧力及び出口液体圧力を監視してもよく、そして液体出口圧力を一定に保持するために、入口ガス圧力を制御及び/または放出してもよい。例えば、ライナーが空近くであるときを除いて、分配プロセスの間に必要な入口ガス圧力は、比較的完全に充填されたライナーの特性により、比較的低くてもよい。一定の出口圧力でさらに液体を分配するためには、ライナーが空に近づくにつれて、より高い入口ガス圧力が一般に必要となり得る。したがって、図24Bにて分かるように、出口液体分配圧力は、入口ガス圧力を制御することによって、分配プロセスの全体にわたり、実質的に一定に保持され得る。図24Bは、ライナーが分配完了に近づくにつれて、入口ガス圧力が増大することを示している。
【0099】
分配プロセスのある時点では、図24Bのグラフ2480にて示されるように、ライナーを空にするのに必要な入口ガス圧力の量は迅速に比較的高くなり得る。いくつかの実施形態では、空検出機構を提供するために、上昇する入口ガス圧力を分配プロセス全体にわたって監視することが用いられてもよい。例えば、1つの実施形態では、入口ガス圧力を監視してもよく、そして、入力圧力があるレベルに達したときに、ライナーが空になり、分配プロセスが完了したと判定してもよい。このような空検出機構は、時間及びエネルギー、ひいては、費用を節約するのを補助し得る。
<チョークオフ>
上述したように、チョークオフとは、一般的に、ライナーが締まり、最終的にライナー自体またはライナーの内部構造がつぶれて、かなりの量の液体よりも上に位置するチョーク位置が形成されるときに生じるものとして記載され得る。チョークオフが生じると、ライナー内に配置された液体の完全な利用が阻害される。例えばマイクロ電子デバイス製品の製造等のような工業プロセスで利用される特殊な化学試薬は非常に高価となり得るため、液体の完全な利用が阻害されることは著しい問題である。チョークオフを防止または処置する様々な方法が、2008年1月30日を国際出願日とし、“Prevention Of Liner Choke−off In Liner−based Pressure Dispensation System”と題されたPCT出願第PCT/US08/52506号に記載されており、ここで、その全体が参照によって本明細書に援用される。チョークオフ防止手段のいくつかのさらなるシステム及び方法が本明細書に提供されている。いくつかのチョークオフシステム及び方法は、剛性で折り畳み可能なライナーに適用してもよい一方、他の方法は、フレキシブルライナーに適用してもよく、またさらに他の方法は、本明細書に開示された任意の種類のライナー、またはさもなければ周知技術に適用してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、図30A及び30Bに示されるように、ライナー内部にチャネル挿入物を設けることによりチョークオフが排除または低減されてもよい。示され、説明されたチャネル挿入物とともに、他の適切な実施形態のチャネル挿入物を提供することにより、ライナーがそれ自体の上につぶれてしまうのを防止することを補助してもよい。壁が互いに完全に接触するのを防止する通路をチャネルが形成するので、ライナーから流出する流体の開口を提供することができる。そうでなければ流体は閉じ込められてしまうであろう。チャネル挿入物3014は、コネクタ3012と一体であってもよく、既に述べたように、このコネクタ3012はライナー3010の口部3006内に位置決めされていてもよい。他の実施形態では、チャネル挿入物3014は、取り外し可能にコネクタ3012に固定されてもよい。チャンネル挿入物3014は、いくつかの実施形態では、概ねU字形状の断面を有してもよい。しかしながら、他の実施形態では、チャネル挿入物が、一般的に、V形状の、またはジグザグな、または湾曲した、または他の任意の適切な断面形状である断面を有してもよく、このような断面がバリアを形成して壁が互いに完全に接触するのを防ぎ、そうでなければ閉じ込められてしまうであろう流体をコネクタ3012に流すことを可能にすることが認識される。図30A及び30Bに示されるチャネル挿入物は、2つのチャネルを含んでいるものの、単一のチャネルを含み、単一のチャネルに限定されない、他の任意の適切な数のチャネルが本開示の精神及び範囲の範疇であることは当業者により理解されるであろう。チャネルは、例えば、限定ではないが、ライナー下方向の約2/3、ライナー下方向の約1/2、ライナー下方向の約1/3、または他の適切な距離といった、チョークオフの影響を改善するのに十分な任意の距離でライナー内を下ってもよい。その距離は、いくつかの実施形態では、ライナーの形状、及び/またはチョークオフ領域となる可能性が高いライナーの1つ以上の領域の形状に依存し得る。1つの実施形態では、比較的短いチャネル挿入物を使用することの利点は、比較的短いチャネル挿入物がライナーのつぶれをあまり干渉しないことにより、ライナーからの流体の分配が著しく妨害されない可能性があるということである。
【0101】
加圧分配を使用してライナーから材料を分配する間にチョークオフを防ぐ別の実施形態では、中空球形状をした1つ以上の高純度ポリマー構造が、チョークオフを防ぎ、分配を向上するためにライナーの内部に溶接されてもよい。構造が中空となり得るので、ライナーの内容物は中空球のライナーを通って流れ続ける可能性があり、これにより完全なチョークオフが防がれる。
【0102】
他の実施形態では、ライナーの内容物を分配するのを補助するために重力が利用されてもよい。図31に示されるように、ライナー3102は、オーバーパック3106内に挿入されてもよい。ライナーは、供給チューブを有してもよく、このチューブは、いくつかの実施形態では、例えば、任意の適切なプラスチック、または他の材料、または材料の組み合わせで作られる剛性の供給チューブ3108であってもよい。ライナーは、ライナーが充填されるとき、ライナー3104の供給チューブ端がオーバーパックの底部に位置し、ライナー3112の閉端がオーバーパック3106の上部の方向に位置するように、オーバーパック3106内に配置されてもよい。供給チューブ3108は、ライナー3104の供給チューブ端からオーバーパック3106の口部3110まで、この口部を通じて延在してもよい。分配が開始されると、ライナーの内容物は、ライナー3112の底部からまず流出することになる。例えば、圧力またはポンプにより分配する間、ライナー3102内の液体は、分配チューブ3108の方へ下降することになる。液体を閉じ込め得る皺または折り目を生じることなく、重力により、液体は、分配チューブ3108を通じて分配され得る。
【0103】
別の実施形態では、ライナー及びオーバーパックのシステムは、オーバーパックとライナーとの間の領域の中へライナーの内容物よりも重い液体をポンプで送り込むことを含む分配方法を使用してもよい。ライナー外側のより重い液体により発生したライナーの内容物の浮力がライナーを持ち上げて、ライナーの底部をつぶし、これにより分配プロセスが補助され得る。
【0104】
さらに別の実施形態では、図32に見えるように、ライナー3204は、オーバーパック3202内に挿入されてもよい。オーバーパック3202は、1つ以上のブラダー3206を収容してもよい。ブラダー3206は、いくつかの実施形態では、エラストマー材料で作られていてもよい一方、他の実施形態では、ブラダー3206は、任意の適切な材料で作られてもよい。ブラダー3206は、ブラダーが膨張するときに、ブラダーがライナーを押してライナーを一様につぶれさせるように、例えば、ポンプにより膨張されてもよい。いくつかの実施形態では、ブラダー3206は、概ね螺旋状に膨張して、ライナーの内容物を押し出すブラダーのようなサーペンタインであってもよい。他の実施形態では、ブラダー3206は、ブラダーが実質的に同じ割合で膨張することを確実にするために、弾性のあるまたはスプリングのような装置に連結されてもよい。
【0105】
図33に示された別の実施形態では、ライナー3304は、弾性のバルーン状材料で構成されるオーバーパック3302内に置かれてもよい。比較的少量の潤滑流体3306、例えば、水、または生理食塩水、または他の任意の適切な液体が、オーバーパック3302の壁とライナー3304の壁との間に含まれてもよい。例えば、ポンプでの分配が開始されると、弾性のオーバーパック壁は、実質的に均一につぶれることになり、ライナーに皺または折り目が形成されるのを最小限にするのを補助する。
【0106】
図34に示された別の実施形態では、ライナー3403は、オーバーパック3402内に懸架されてもよい。ライナーは、例えばフックまたは任意の他の接続手段3406等のあらゆる適切な手段によっても懸架されてもよい。ライナー3404の上部を複数の箇所でオーバーパック3402の上部に固定することにより、ライナーの側部がどの程度つぶれ得るのかを制限してもよい。ライナーは、1、2、3、または4箇所以上を含む任意の数の箇所で懸架されてもよい。
【0107】
別の実施形態では、ライナー内部の表面は、図35A及び35Bに示されるようなテクスチャード加工面3502で構成されてもよい。ライナーの側部がそれ自体の上につぶれた領域を通じて液体が流れ続けることができる可能性があることにより分配能力が高まるように、ライナーがつぶれたときに、分配チャネル3506がライナーのテクスチャード加工面3502の間に形成されてもよい。
【0108】
さらに別の実施形態では、図36に示されるように、ライナー3602は、ライナーの液状内容物が分配されるときに、ライナーが折り目に沿って捩れることで分配能力が高まるように、十字状に形成された複数の折り目を備えてもよい。折り目の数は、任意の適切な数であってよい。
【0109】
別の実施形態では、図37A及び37Bで示されるように、ライナー3702は、分配が開始されたときに、ライナー3702のつぶれる箇所を調整するのを補助し得る外部エラストマーメッシュ3704を備えてもよい。図37Aに見えるように、1つの実施形態では、ライナーがポンプによる分配または圧力による分配のいずれかにさらされると、ライナー3702上のエラストマーメッシュ3704の力は、分配動作により印加される圧力により、異なる複数の箇所3706にて、インナー3702を内方向につぶし得る。単純に内方向に引っ張られる部分3706は、ライナーの内方向に移動しない部分3708をさらに伸ばし得る。ライナーの伸びた部分が緩んだ状態3710に戻ることにより、ライナー3702は、自然に再びつり合った状態3710になることになる。分配開始時のライナー3702のそのような動きは、ライナー3702の内容物がより迅速に、そして/またはより完全に分配されるのを補助し得る。図37Bは、分配中に圧力が加えられるとライナー3712が実質的に均一に拡張した状態3718及び収縮した状態になり得るエラストマーメッシュ3716を使用するライナー3712の別の実施形態を示す。
【0110】
さらに別の実施形態では、図38A及び38Bに見えるように、分配開始に伴いライナーのつぶれを方向付けてチョークオフを防ぐのを補助するために、形状記憶ポリマーが使用されてもよい。例えば、形状記憶ポリマーは、ライナー3800の少なくとも1つの側部として使用されるか、またはライナーの少なくとも1つの側部に取り付けられてもよい。メモリ形状は、いくつかの実施形態では、例えば、ストリップ3802、3804、3806の形状でライナーに適用されてもよい。ストリップ3802、3804、3806は、例えば、剛性のスペーサー3814、3816、3818により分離されたままであってもよい。図38Bに示されるように、分配が開始されると、形状記憶ポリマー3820は、ユーザーがパーティーホイッスルを吹くとパーティホイッスルが丸まるのに非常に似たように、ライナー3800を巻きつかせてもよい。
【0111】
図39Aに示される別の実施形態では、分配時にライナーの形状を制御して、例えば、チョークオフを防ぐのを補助するために、ホバーマン球体に似た外部フレームワークが使用されてもよい。ホバーマン球体は、その継ぎ目のはさみのような動作により、小さなその標準サイズまで折り畳むことができる。そのようなフレームワーク3906は、ライナー3902がチョークオフを回避する所定の方法でつぶれるのを補助し得る。図39Bに見えるように、フレームワーク3906の各格子3908は、格子3908のアーム3912が互いに近づいたり離れたりするのを可能にするピボット3910を備えてもよい。フレームワーク3906では、ホバーマン球体のように分配中につぶれを方向付けるために、格子は全て一緒に動いてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブルテザーも使用されてもよい。
【0112】
図40は、チョークオフを制限または排除するのを補助し得るライナー4002の別の実施形態を示す。見えるように、ライナー4002は、複数の相互接続されたチューブを備えてもよい。ライナーの内容物がチューブ4004間を自由に流れることを可能にするような方法でチューブ4004は接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ライナー4200の内壁は、分配中に膨張し得るエラストマーで構成されていてもよい。図示されるように、ライナー4002の中心は中空でもよい。いくつかの実施形態では、分配中にライナー4002に加えられた圧力は、中心中空チューブ4002の変形を防いでもよく、これにより、ライナー4002をつぶれ及びチョークオフから安定させるのを補助する。
【0113】
図41A及び41Bに示される別の実施形態では、摺動ポイントレール4108がライナー4102の側部の部分をオーバーパック4104に固定するために使用されてもよく、これにより、分配中にライナー4102がそれ自体の中へつぶれてしまうのを防止する。図41Bは、側方と上方とから見た場合の摺動ポイントレールを示す。ライナー4102には、オーバーパック4104のレール4108内のチャネル内に嵌る突起があってもよい。ライナー内容物が分配されるときに、ライナー4102は、上向きに押されてもよいものの、ライナー4102の壁は、オーバーパック4104の壁に取り付けられたままであってもよい。
【0114】
図42に見ることができるように、チョークオフを制限または排除するのを補助する別の実施形態は、一体化されたピストンを含んでもよい。そのような実施形態では、ライナー4202は、ライナーの側面より高い剛性となり得る底部4206を含んでもよい。したがって、ライナー4206の底部4206の剛性がピストンとして作用して壁を離れた状態に保ち得るので、ライナー壁が、分配時に、互いに向かってつぶれるのを防止し得る。
【0115】
本発明を好ましい実施形態を参照しつつ説明したが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において変更が行われ得ることを認識するであろう。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2009年7月9日に出願されたUS仮出願第61/224,274号、2009年8月24日に出願されたUS仮出願第61/236,295号、2009年10月15日に出願されたUS仮出願第61/251,870号、及び2010年1月14日に出願されたUS仮出願第61/294,928号に対する35 U.S.C §119(e)に基づく優先権の利益を主張し、これら全ての内容は全体的に参照により本明細書に援用される。
[発明の分野]
本開示は、ライナーをベースにした保管及び分配システムに関する。より具体的には、本開示は、実質的に剛性のコンテナ、折り畳み可能なライナー、フレキシブルな襠付きまたは襠無しライナー、およびこれらの製造方法に関する。本開示はまた、ライナーにおけるチョークオフを抑制する方法に関する。
[発明の背景]
多くの製造工程は、例えば、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、スラリー、清浄調合物、ドーパント、無機物、有機物、金属有機物、生物液剤、調合薬、及び放射性化学薬品等の超高純度液体の使用を必要とする。そのような適用は、超高純度液体における粒子の数及びサイズの最小化を必要とする。具体的には、超高純度液体がマイクロエレクトロニクス製造工程の多くの局面で使用されるため、半導体メーカーは、プロセス化学薬品及び化学的操作機器用に厳密な粒子濃度仕様を確立した。製造工程中に使用された液体がハイレベルの粒子または気泡を含んでいるのであれば、粒子または気泡はシリコンの固体表面上に堆積する可能性があるので、そのような仕様は必要である。言い換えると、粒子または気泡は、製品欠損、品質低下、及び信頼性低下につながり得る。
【0002】
したがって、そのような超高純度液体の保管、輸送、及び分配は、保持された液体を適切に保護することができる容器を必要とする。この業界で典型的に使用される2種類の容器は、ガラス製またはプラスチック製の単純な剛壁の容器と、折畳み可能なライナーをベースにした容器とである。物理的強度、厚い壁、安いコスト、また製造の容易さを理由として剛壁の容器が従来使用されている。しかしながら、液体を加圧分配する場合、そのような容器は、気液界面を取り込み得る。この圧力増加は、容器において、例えば、フォトレジスト等の保持された液体にガスを溶解させ、分配系統において、液体中に望まれない粒子及び気泡を発生させ得る。
【0003】
あるいは、例えば、ATMIにより販売されるNOWpac(登録商標)分配システム等の折り畳み可能なライナーをベースとした容器は、分配中に、容器内の液体を直接的にガスで加圧するのとは対照的に、ライナーをガスで加圧することにより、そのような気液界面を低減することができる。しかしながら、周知のライナーは、環境条件に対して適切な保護をもたらすことができない可能性がある。例えば、容器の輸送によりもたらされる振動等の振動による弾性変形により時折生じるピンホール破損及び溶接割れに対して、現在のライナーをベースにした容器は、保持された液体を保護し損なう可能性がある。輸送による振動は、ライナーを出荷場所と最終仕向地との間で何度も(例えば、何千から何百万回)弾性変形させ得るか、あるいは曲げ得る。振動が大きいほど、ピンホール及び溶接割れが生じることになる可能性が高まる。ピンホール及び溶接割れの他の原因には、衝撃効果、落下、または容器の大きな振幅動作が含まれる。ガスがピンホールや溶接割れを介して取り込まれることにより、ガスが溶液に入り込んでしまい、気泡となってウェハー上に現れることになるので、保持された液体を徐々に汚染する可能性がある。
【0004】
さらに、折り畳み可能なライナーは、所定量の液体で満たされるように構成されている。しかしながら、ライナーが容器の内部に収められたときに皺がライナーに形成されるので、ライナーはそれぞれの外容器内にきれいにフィットしない。これらの皺は、皺によって占められたライナーの空間を満たすことを妨げる可能性がある。したがって、容器が所定量の液体で満たされるときに、液体は容器から溢れ、液体を損失することになりがちである。すでに述べたように、そのような液体は、一般的に、例えば、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、ドーパント、無機物、有機物、生物液剤、調合薬、及び放射性化学薬品等の超高純度の液体であり、このような超高純度の液体は、例えば、2,500ドル/L以上と非常に高価になり得る。したがって、少量が溢れることさえ望ましくない。
【0005】
したがって、従来の剛壁であり、折り畳み可能なライナーをベースとした容器によってもたらされる不利益を含まない、超高純度液体のためのより良いライナーシステムに関する技術が必要である。実質的に剛性で折り畳み可能なライナーと、フレキシブルな襠付きまたは襠無しライナーとに関する技術が必要とされる。ピンホール、溶接割れ、ガス圧力飽和、オーバーフローに関連した問題に対処する、ライナーをベースにした保管及び分配システムに関する技術が必要とされる。ライナー内に閉じ込められた余分なガスをもたらし得る、ライナーにおける過剰な皺に関連した問題に対処する、ライナーをベースとした保管及び分配システムに関する技術が必要とされる。また、チョークオフを抑制あるいは排除するように構成されるライナーに関する技術が必要とされる。
[発明の概要]
本開示は、一実施形態において、オーバーパックとライナーとを含むライナーを基本とした保管システムに関する。ライナーはオーバーパック内に設けられてもよい。ライナーは、ライナーの内部空洞を形成する実質的に剛性のライナー壁を備えてもよく、剛性のライナー壁は、ライナーが、膨張した状態で実質的に自立するものの、内部空洞内から流体を分配するために約20psi未満の圧力で折り畳み可能な厚さを有している。
【0006】
別の実施形態における本開示は、ライナーの内部空洞を形成するライナー壁と、分配能力を高めるためにライナーの一般的に底にあるサンプ領域とを備えるライナーに関する。
別の実施形態において、本開示は、高純度材料を半導体プロセスに供給する方法に関し、この方法は、高純度材料が内部に保管された実質的に剛性の自立容器を提供することを含む。容器は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成される容器壁と、内部にある浸漬管であって、そこから高純度材料を分配するための浸漬管とを備える。浸漬管は、下流半導体プロセスに接続される。この方法は、また、高純度材料を浸漬管を介して容器から分配し、下流半導体プロセスに高純度材料を供給することを含む。
【0007】
複数の実施形態が開示されるが、本開示のさらに他の実施形態は、以下の詳細な説明から当業者にとって明らかであろう。以下の詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態を示し、説明している。理解されるであろうように、本開示の様々な実施形態は、様々な明らかな局面において本発明の精神及び範囲を逸脱することなく全て変更が可能である。したがって、図面及び詳細な説明は、事実上例示としてみなされるものであり、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本開示の種々の実施形態を形成するものとして見なされる主題を具体的に指摘し、明確に主張する特許請求の範囲で完結するものの、本発明は、添付の図面と併用される以下の説明からより良く理解されるであろうと考えられる。
【図1】本開示の1つの実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図である。
【図2】バリア増強材を本開示の1つ実施形態に係るライナーに適用する方法に関するフローチャートである。
【図3】本開示の別の実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図である。
【図4】本開示の1つの実施形態に係る、サンプを有するライナーを示す破断図である。
【図5】本開示の別の実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図である。
【図6】本開示のさらなる実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図および上面図である。
【図7A】本開示の1つの実施形態に係るライナーの斜視図である。
【図7B】膨張した状態で示された図7Aにおけるライナーの斜視図である。
【図7C】図7Aに示されたライナーの上面図である。
【図7D】図7Bに示されたライナーの上面図である。
【図7E】本開示の1つの実施形態に係るインジェクションブロー成形プロセスにおけるライナーの首部を示す。
【図8A】本開示の別の実施形態に係る膨張した状態のライナーの斜視図である。
【図8B】つぶれた状態で示された図11Aにおけるライナーの斜視図である。
【図9】本開示のさらに別の実施形態に係る実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの前面断面図、側面断面図および上面図である。
【図10A】本開示の1つの実施形態に係るライナーのためのコネクタの破断図である。
【図10B】本開示の別の実施形態に係るライナーのためのコネクタの破断図である。
【図11】本開示の1つの実施形態に係るライナーのためのライナーの破断図である。
【図12A】本開示の1つの実施形態に係るライナーのためのコネクタの破断図である。
【図12B】本開示の1つの実施形態に係り、チューブが充填後に溶接にて閉じられている、図12Aの実施形態を示す。
【図12C】本開示の1つの実施形態に係り、コネクタに固定された保護オーバーキャップを含む図12Bの実施形態を示す。
【図13】本開示のいくつかの実施形態に係る、取っ手を有するライナーの斜視図である。
【図14A】本開示のいくつかの実施形態に係る、2つの部分構成のオーバーパックを有するライナーの斜視図である。
【図14B】本開示のいくつかの実施形態に係る、図14Aのオーバーパックが接続されたライナーの斜視図である。
【図15】本開示の1つの実施形態に係るライナーの破断図である。
【図16】本開示のある実施形態で使用され得るオーバーパックの斜視図である。
【図17A】本開示のいくつかの実施形態に係る、つぶれた状態にあるライナーの端面図である。
【図17B】本開示の1つの実施形態に係る膨張したライナーの斜視図である。
【図18】転移点を有する膨張したライナーの図である。
【図19A】本開示のいくつかの実施形態に係る、二次的な折り目を示している、つぶれたライナーの斜視図である。
【図19B】本開示のいくつかの実施形態に係る、図19Aの膨張したライナーの斜視図である。
【図20】本開示のいくつかの実施形態に係る、オーバーパックの中に入る途中のライナーの斜視図である。
【図21A】本開示のいくつかの実施形態に係る、完全に膨張していないライナーの底の斜視図である。
【図21B】本開示のいくつかの実施形態に係る、完全に膨張しているライナーの底の斜視図である。
【図22A】本開示のいくつかの実施形態に係る、膨張ビューにおけるライナーの底の斜視図である。
【図22B】本開示のいくつかの実施形態に係る、つぶれた状態のライナーの底の斜視図である。
【図23A】ライナーをインジェクションブロー成形するプロセスのインジェクション工程の側面断面図であって、本開示の1つの実施形態に従ってライナープリフォームが製造されている。
【図23B】本開示の1つの実施形態に従ってライナーをインジェクションブロー成形するプロセスのインジェクション工程の側面断面図であって、ライナープリフォームがプリフォームモードから取り外されている。
【図23C】本開示の1つの実施形態に従ってライナーをインジェクションブロー成形するプロセスのプリフォームコンディショニング工程の側面断面図である。
【図23D】本開示の1つの実施形態に従ってライナーをインジェクションブロー成形するプロセスのブロー成形工程の側面断面図である。
【図23E】本開示の1つ実施形態に従ってライナーをインジェクションブロー成形するプロセスの別のブロー成形工程の側面断面図である。
【図24A】本開示の1つの実施形態に従ってライナーに保管された分配液のための分配キャニスターのワイヤーフレームの斜視図である。
【図24B】時間に対して圧力をプロットしたグラフであって、ライナーの中身が空に近づくにつれて入口ガス圧がどのように急激に上昇するのかを示している。
【図25】運搬カートを介して圧力容器内に装填される本開示の1つの実施形態に係るライナーを示す斜視図である。
【図26A】キャップを含む本開示の1つの実施形態による、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーまたは実質的に剛性のライナーの斜視図である。
【図26B】コネクタを備える本開示の1つの実施形態による、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーまたは実質的に剛性のライナーの斜視図である。
【図26C】誤接続防止クロージャーを有する本開示の1つの実施形態による、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーまたは実質的に剛性のライナーの斜視図である。
【図26D】誤接続防止コネクタを有する本開示の1つの実施形態による、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーまたは実質的に剛性のライナーの斜視図である。
【図27A】本開示の1つの実施形態による、2D襠付きライナーの前面図である。
【図27B】本開示の1つの実施形態による、2D襠付きライナーの側面図である。
【図27C】本開示の1つの実施形態による、プリーツを有する2D襠付きライナーの前面図である。
【図28A】本開示の1つの実施形態に係る、オーバーパック内の襠付きまたは襠無し溶接ライナーの2つの側面断面図であって、一方はライナーがベローズによりオーバーパックに接続されているのを示し、他方はライナーがフレキシブルテザーによりオーバーパックに接続されているのを示している。
【図28B】本開示の1つの実施形態に係る、図28Aのベローズの拡大断面図である。
【図29A】本開示のいくつかの実施形態による、角が取り除かれたライナーを示す。
【図29B】本開示のいくつかの実施形態による、ライナー上の溶接線を示す。
【図30A】本開示の1つの実施形態による、2つのチャネルを有するコネクタの図である。
【図30B】本開示の1つの実施形態による、2つのチャネルを有するコネクタを備えた実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの側面断面図である。
【図31】本開示の1つの実施形態による、ライナーとオーバーパックとのシステムを示す。
【図32】本開示の1つの実施形態による、空気袋を含むライナーとオーバーパックとのシステムを示す。
【図33】本開示の別の実施形態による、ライナーとオーバーパックとのシステムを示す。
【図34】本開示の1つの実施形態による、ライナーをオーバーパックから吊すことを含むライナーとオーバーパックとのシステムを示す。
【図35A】本開示の1つの実施形態によるライナーの内面上のテクスチャーを示す。
【図35B】図35Aに示された実施形態に係るライナーの合わさった2つの面を示す。
【図36】本開示の1つの実施形態によるライナーを示す。
【図37A】本開示の別の実施形態によるライナーを示す。
【図37B】本開示の別の実施形態による別のライナーを示す。
【図38A】本開示の1つの実施形態によるライナーを示す。
【図38B】本開示の1つの実施形態による図38Aのライナーと、ライナーがつぶれることになる方向とを示す。
【図39A】本開示の1つの実施形態によるフレームワークを備えるライナーを示す。
【図39B】本開示の1つの実施形態による図36Aに示されたライナーのフレームワークの格子を示す。
【図40】本開示の別の実施形態によるライナーを示す。
【図41A】本開示の1つの実施形態によるレールに接続するライナーを示す。
【図41B】本開示の1つの実施形態による図38Aに示された実施形態のレールを示す。
【図42】本開示の1つの実施形態によるライナーを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[詳細な説明]
本開示は、新規で有利な、ライナーを基本とした保管分配システムに関する。より具体的には、本開示は、新規で有利な、襠付きまたは襠無しライナーを含む実質的に剛性で折り畳み可能なライナー及びフレキシブルライナーと、そのようなライナーを製造するための方法とに関する。本開示は、ライナーにおけるチョークオフ(閉塞)を防止または排除するための方法にも関する。より具体的には、本開示は、例えば、約2000L以下、より望ましくは200L以下の液体の保管等、特に少量の保管及び分配システムに適し得るブロー成形された実質的に剛性で折り畳み可能なライナーに関する。実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、不活性な特性を有する材料から形成することができる。さらに、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、例えば、外容器なしで使用される自立ライナーであってもよく、また、ポンプまたは加圧流体を使用して分配されてもよい。結果として折り目または継ぎ目を伴ってフィルムを溶接することにより形成されるある先行技術のライナーとは異なり、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーにおける折り目は実質的に排除され得るので、ピンホール、溶接割れ、オーバーフローに関連する問題が実質的に軽減または排除され得る。
【0010】
また、本開示は、フレキシブルな襠付きまたは襠無しライナーに関し、このライナーはサイズを拡大縮小可能であり、200L以上の保管用に使用され得る。フレキシブルなライナーは、ライナーが、例えば、圧力容器、缶、ボトル、またはドラムといった分配容器であって、圧力容器、缶、ボトル、またはドラムに限定されない分配容器へ導入可能に、折り畳み可能であってもよい。しかしながら、ある先行技術のライナーとは異なり、他の物の中では、本開示のフレキシブルなライナーは、より厚い材料で作られて、ピンホールに関連した問題を実質的に軽減または排除してもよく、また、さらに強固な溶接を含んで、溶接割れに関連する問題を実質的に軽減または排除してもよい。フレキシブルなライナーは、さらに、折り目の数が実質的に減少するように構成され得る。
【0011】
そのようなライナーの使用例は、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、スラリー、洗浄剤、ドーパント、無機物、有機物、金属有機物、TEOS、生物の液体、調合薬、及び放射性化学薬品の輸送及び分配することを含み得るものの、これらに限定されない。しかしながら、そのようなライナーは、さらに、他の産業において使用されてもよく、他の製品であって、例えば、塗料、ソフトドリンク、食用油、農薬、健康及び口腔衛生製品、及びトイレタリー製品等であって、これらに限定されない他の製品の輸送及び分配に使用されてもよい。当業者は、そのようなライナーの利点及びライナーの製造プロセスを認識することになるので、様々な産業への適合性と、様々な製品の輸送及び分配への適合性とを認識するであろう。
【0012】
また、本開示は、ライナーにおけるチョークオフを制限または排除する方法に関する。一般的に言えば、チョークオフは、ライナーが締まり、最終的に、ライナー自体またはライナーの内部構造がつぶれて、相当量の液体より上にチョークオフポイントを形成するときに生じるものとして説明され得る。チョークオフが生じると、ライナー内に配置された液体の完全利用が妨げられることがあり、液体の完全利用が妨げられることは、例えばマイクロ電子デバイス製品の製造等のような工業プロセスで利用される特殊な化学試薬が驚くほど高価となり得るので重要な問題である。チョークオフを防止または処理する様々な方法は、2008年月1月30日の国際出願日を有する“Prevention Of Liner Choke−off In Liner−based Pressure Dispensation System”と題されたPCT出願番号PCT/US08/52506に記載されており、PCT/US08/52506は、ここで参照によりその全体が本明細書に援用される。
<実質的に剛性で折り畳み可能なライナー>
上述のように、本開示は、ブロー成形された実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの様々な実施形態に関し、このライナーは、例えば約2000L以下の液体、より望ましくは約200L以下の液体の保管等の少量の保管及び分配システムに特に適し得る。したがって、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、例えば、集積回路またはフラットパネルディスプレイ産業で使用される非常に高価(例えば、約2,500ドル/L以上)となり得る高純度液体の保管に適し得る。
【0013】
ここで使用されるように、「剛性」または「実質的に剛性」という用語は、あらゆる標準的な辞書の定義に加えて、第1の圧力の環境下にあるときに物体または材料の形状及び/または体積を実質的に保持する、物体または材料の特性を含むことも意味されるものの、その形状及び/または体積は、上昇または低下した圧力の環境下で変化してもよい。物体または材料の形状及び/または体積を変更するために必要とされる圧力の上昇量または低下量は、材料または物体の望ましい用途に依存してもよく、また適用ごとに変化してもよい。
【0014】
図1は、本開示の実質的に剛性で折り畳み可能なライナー100の1つの実施形態の断面図を図示している。ライナー100は、実質的に剛性のライナー壁102と、内部空洞部104と、口部106とを含み得る。
【0015】
ライナー壁102は、一般的に、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムにおけるライナーよりも厚くてもよい。ライナー壁102の厚みを増加することにより、ライナー100の剛性及び強度が増す。1つの実施形態においては、図1に示されるように、ライナー100は、その剛性により自立することが可能であり、例えば、ガラスボトルといった、従来の剛性壁の容器と同様に使用されることが可能である。他の実施形態では、ライナー100は、充填、輸送、及び保管の間に自立可能である。すなわち、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムにおけるライナーのようにライナーを支持するための外部容器は必要ではない。1つの実施形態では、化学薬品配送中にライナー100から液体を加圧分配する際に圧力容器が使用されてもよい。さらなる実施形態では、ライナー100は、自立容器システムであってもよい。そのような実施形態は、外容器に関連するコストを実質的に排除することによって、容器システムの全体コストを低減し得る。さらに、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムでは、ライナー及び外容器はともに、一般的に再使用不能であり、廃棄される必要がある。本開示の様々な実施形態において、外容器は必要ではないので、ライナーのみが配設されるであろうことにより、廃棄物が実質的に減少または最小限にされ得る。1つの実施形態では、ライナー壁102は、約0.05mmから約3mmの厚さでもよく、望ましくは約0.2mmから約1mmの厚さであってもよい。しかしながら、この厚さは、ライナーの体積に応じて変化し得る。一般的に、ライナー100は、ピンホールの発生を実質的に低減または排除するのに十分に厚く剛性であり得る。
【0016】
ライナー壁102の厚さがライナー100に剛性をもたらすことができる一方で、所定量の圧力または真空がライナー100に加えられた際に、ライナー壁102が内部空洞部104から液体を分配するように折り畳み可能であるように厚さが選択される。1つの実施形態では、ライナー100の分配能力は、ライナー壁102のために選択された厚さに基づいて制御されてもよい。即ち、ライナー壁102が厚いほど、内部空洞部104内から液体を完全に分配するために加えることが必要になるであろう圧力は増大する。さらなる実施形態において、ライナー100は、出荷スペースを節約するために、最初は、つぶれた状態または折り畳まれた状態で出荷されてもよく、1つの出荷でより多くのライナー100が、例えば、化学製品供給業者等の受取人に出荷されることが可能である。続いて、ライナー100は、上述の様々な液体または製品のいずれかで充填され得る。
【0017】
ライナー口部106は、一般的に剛性であってもよく、いくつかの実施形態において、口部106はライナー壁102より剛性であってもよい。好適に螺合されたキャップ108を口部106が受容し得るように、口部106は、ネジが切られていてもよいし、ネジが切られたフィットメントポートを含んでいてもよい。例えば、差し込み、スナップフィット等のあらゆる他の適切な接続機構が、ネジの代わりに、またはネジに加えて使用され得ることは認識される。いくつかの実施形態においては、ライナー口部106がライナー壁102より剛性となり得るので、ライナー口部付近の領域は、分配中に加圧されたときに、ライナー壁102ほどつぶれない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態において、、ライナー内の内容物が加圧分配されるときに、ライナー口部付近の領域が完全につぶれない場所であるデッドスペースに液体が留められてしまう可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、圧力分配システム及び出力ラインの対応するコネクタと接続するためのコネクタ110または接続手段が、口部付近のライナーの一般的に剛性の領域を実質的に貫通または埋めている。即ち、液体が加圧分配中に留められてしまわないように、コネクタ110が実質的にこのデッドスペースを埋めることで、デッドスペースにおける無駄が低減または排除される。コネクタ110は、いくつかの実施形態においては、例えばプラスチック等のような実質的に剛性の材料で製造されてもよい。
【0018】
さらなる実施形態において、ライナー100は、当該ライナー100の下端または遠位端に、ライナー100からの流体出口の一点として機能する開口部を有する、(図1において破線で図示された)内部中空の浸漬管120を具備されてもよい。内部中空の浸漬管120は、コネクタ110と一体となっていてもよいし、コネクタ110と別体となっていてもよい。この場合、ライナー100内の内容物は、浸漬管120を介してライナー100から直接受けてもよい。図1は、任意付加的な浸漬管120を備え得るライナーを図示しているものの、ここに記載された様々な実施形態によるライナー100は、多くの場合、好ましくは、浸漬管を一切備えていない。浸漬管120の使用を含むライナー100のいくつかの実施形態では、浸漬管120は、ライナー100内の内容物をポンプ分配するのにも使用されてもよい。
【0019】
ライナー100は、一般的に滑らかな外面を有する比較的単純化した設計を有してもよいし、ライナー100は、例えば、凹凸を含み、凹凸に限定されない比較的複雑な設計を有してもよい。1つの実施形態において、例えば、ライナー100は、他の実施形態と共に本明細書で説明されるチョークオフを防ぐためにテキスチャード加工されてもよい。即ち、ライナー内の液体を留めて液体の適切に分配されるのを阻害するようにライナー自体がつぶれてしまうのを防ぐために、ライナー100はテキスチャード加工されていてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、ライナー100は、プラスチック、ナイロン、EVOH、ポリオレフィン、または他の天然または合成ポリマー等の1つ以上のポリマーを使用して製造されてもよい。さらなる実施形態では、ライナー100は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ(ブチレン2、6−ナフタレート)(PBN)、ポリエチレン(PE)、鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、及び/またはポリプロピレン(PP)を使用して製造されてもよい。例えば、PENを使用して作られたライナーは、より低い浸透性を有しているので、ライナー100の外部からガスがライナー壁102を浸透して、ライナー100内に保管された液体を汚染するのを低減できる。PE、LLDPE、LDPE、MDPE、HDPE及び/またはPPを使用して作られたライナーは、例えば約2000L以下の液体の保管等、さらに大きな保管及び分配システムにも適し得る。
【0021】
この見出しの下で説明された実質的に剛性の折り畳み可能なライナーに加え、代替実施形態では、PEN、PET、またはPBN、及び任意追加的なあらゆる適切な混合物または共重合体の混合物を使用して、上述の剛性壁容器に類似した一般的に剛性のライナーを作成してもよく、そのような剛性ライナーは、例えば、半導体産業に導入されて、高純度液体と共に使用されてもよい。PEN、PET、またはPBNで構成されるそのようなライナーは、他のプラスチック容器と比べて化学的適合性が向上し、また、ガラスボトルに比べて使用が安全であるので、一般的に従来の剛性壁容器に確保されている産業においてこれらのライナーを使用することができる。いくつかの実施形態における本開示のPENライナーは、例えば、1回のみ使用されるように設計されてもよい。ガラスボトルに関連し得る、所有権、出荷、衛生等のコストを含む全ての要因を考慮した場合、そのようなライナーはガラスボトルよりも低い全体コストを有し得るので、そのようなライナーは、先行技術のガラスボトルの有力な代替品となり得る。さらに、周知のようにガラスは破損する可能性があり、ガラスの破損は、ボトル内の材料の汚染または紛失をもたらすだけでなく、安全性の問題も生じ得るので、PENライナーは、ガラスよりも有利となり得る。対照的に、本開示のPENライナーは、破損に強くなり得る。いくつかの実施形態では、PENライナーは、オーバーパックを使用しなくてもよい自立ライナーであってもよい。他の実施形態では、オーバーパックは、ライナーと共に使用されてもよい。いくつかの実施形態において、PENライナーは、ライナーの内容物の分配能力を向上させるのを助長するサンプを含んでもよく、サンプは、以下に詳細に説明され、PENの実施形態において、実質的に同様の方法で使用されるであろう。いくつかの実施形態におけるPENライナーの分配は、ポンプ分配及び圧力分配を含んでもよい。しかしながら、いくつかの実施形態において、PENライナーは、一般的に折り畳み不能の可能性があるので、圧力分配は、本明細書に記載される他の実施形態の場合であり得るようなライナーの外壁に対して圧力を加えるのとは対照的に、ライナーの内容物に直接圧力を加えてもよい。いくつかの実施形態では、PENライナーは、二酸化炭素排出を削減し得る。PENライナーの実施形態は、本開示で説明された他のライナーと実質的に同様な方法で使用され得る。
【0022】
代替実施形態において、ライナー100は、例えば、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、及びパーフルオロアルコキシ(PFA)等であるものの、これらに限定されないフッ素重合体を使用して製造されてもよい。いくつかの実施形態では、ライナー100は、複数の層を備えてもよい。例えば、ある実施形態においては、ライナー100は、内面層、コア層、及び外層、または他の適切なあらゆる数の層を含んでもよい。複数の層は、1つ以上の異なるポリマーまたは複数の他の適切な材料で構成されてもよい。例えば、内面層は、フッ素重合体(例えば、PCTFE、PTFE、FEP、PFA等)を使用して製造されてもよく、また、コア層は、例えば、ナイロン、EVOH、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PCTFE等の材料を使用して製造されたガスバリア層であってもよい。外層も、適切なあらゆる様々な材料を使用して製造されてもよく、外層は、内面層及びコア層に選択された材料に依存してもよい。本明細書に記載された実質的に剛性のライナーの様々な実施形態が本明細書に開示された材料の任意の適切な組み合わせから製造されてもよいことは認識される。
【0023】
さらなる代替実施形態では、本開示のポリマーライナーは、例えば、AL(アルミニウム)、鋼、被覆鋼、ステンレス鋼、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Mo(モリブデン、W(タングステン)、クロム銅の二重層、チタン銅の二重層、または他のあらゆる適切な金属材料または材料の組み合わせ等であって、これらに限定されない金属外層を使用して製造されてもよい。いくつかの実施形態において、金属で被覆されたライナーは、例えば、TEOS(オルト珪酸テトラエチル)からのSiO2、またはSiCl4(四塩化珪素)、MO(金属有機物)、TiCl4(四塩化チタン)からのTiO2、または他の適切な金属酸化材料、または他のあらゆる適切な金属、またはその組み合わせ等の保護誘電体で上塗りされてもよい。金属ライナーは、超高純度物質を含む物質の保管及び出荷に有利となり得る。その理由は、金属ライナーは、気体に対して実質的に不浸透性となり得るので、内容物の酸化及び/または加水分解を低減し、ライナーに収容された物質の純度を維持からである。金属の不浸透性により、本実施形態のライナーは、ピンホールまたは溶接割れが実質的になくなり得り、非常に強固で一貫した充填容積を有し得る。
【0024】
さらに他の実施形態において、本開示のライナーは、例えば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、薄肉の鋼、または他のあらゆる適切な金属材料、または材料の組み合わせ等であって、これらに限定されない金属製容器を使用して製造されてもよい。いくつかの実施形態では、高純度化学薬品と金属壁との相互作用を低減するために、これらの金属製容器は、内面が不活性フィルムで被覆される。フィルムは、化学薬品の相互作用及び金属製容器内の化学薬品の劣化を低減するために、特に選ばれた不活性金属、金属酸化物、金属窒化物、または金属炭化物であってもよい。金属の剛性により、本実施形態のライナーは、ピンホールまたは溶接割れが実質的になくなり得り、非常に強固で一貫した充填容積を有し得る。
【0025】
しかしながら、従来、金属缶は、使用するのが高価となってきていた。例えば、金属製容器のコストが容器に保管された物質のコストよりも高くなることが頻繁にあり得る。したがって、コスト効率を良くするために、そのような金属製容器は、一般的に、繰り返し使用される。金属製容器が繰り返し使用されることで、今度は、再使用のために容器を送り返し、再充填の前に容器を適切に洗浄することが要求される。容器を送り返し、再使用のために容器を洗浄することは、時間の浪費になり得るとともに、高いコストになり得る。しかしながら、本開示のいくつかの実施形態では、剛性の折り畳み可能な金属製容器は、例えば、先行技術の金属製容器に比べて比較的薄い金属ライナーの壁を製造することで、コスト効率の良い一度きりの使用のために製造されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ライナー壁は、0.5〜3.0mmの厚さであってもよい。より好ましくは、壁は、いくつかの実施形態では、0.6〜2mmの厚さであってもよい。この壁の厚さによって、本開示の金属ライナーを、実質的に剛性ではあるものの、圧力下でつぶれるようにすることができる。金属ライナーは、いくつかの実施形態では、例えば、最大約2000Lもの一般的に大きな体積を保持するためのサイズを有していてもよい一方で、他の実施形態では、金属ライナーは、約200L以下を保持するためのサイズにされてもよい。いくつかの実施形態では、金属は、例えば、化学蒸着等であって、化学蒸着等に限定されない蒸着が適用されてもよい。
【0026】
別の実施形態では、金属で被膜され得るプラスチックライナーが提供されてもよい。例えば、ライナーは、例えば、PP、PE、PET、PEN、HDPEまたは他のあらゆる適切なポリマー、または上述のようなポリマーの組み合わせ等のポリマーから形成されてもよい。ライナーの外部は、例えばアルミニウム等であって、アルミニウム等に限定されないもので金属化されてもよい。本実施形態によるポリマーライナーの外部を金属化するために、あらゆる適切な金属が使用され得ることは認識されるであろう。ライナーは、例えば、めっき、電気めっき、スプレー等の、任意の適切な方法によって金属化されてもよい。ライナーの外部を金属化することにより、ガスの浸透性の影響が実質的に低減または排除され得る。金属被膜によってもたらされる不浸透性により、本実施形態のライナーは、ピンホールまたは溶接割れが実質的になくなり得り、非常に強固で一貫した充填容積を有し得る。上述のライナーと同様に、この種の金属被覆ライナーも、いくつかの実施形態において、最大約2000Lを保持するサイズとなり得る一方で、他の実施形態は、約200L以下を保持するサイズとなり得る。本明細書に記載された金属ライナー及び金属被覆ライナーは、折り目、プリーツ、取っ手、サンプ、及び/または他のあらゆるライナーの構成、及び/または他の実施形態を参照しつつ本明細書に記載された特徴を含み得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、本開示のライナーは、例えば、エポキシアミンコーティング等のバリア増強コーティングで被覆されてもよい。しかしながら、他の適切なコーティングポリマーまたはポリマーの混合物がバリア増強コーティングとして使用され得ることは認識される。ライナーがPETまたは他のポリマー材料で構成される場合、このコーティングは特に有利となり得るが、しかしながら、このコーティングは本開示で熟考されたライナーのうちのいずれにも適用されてもよい。エポキシアミンコーティングの適用により、ガスの浸透性が二方向で低減し得る。即ち、このコーティングは、ライナーに入り込む可能性があるガスの量とともに、ライナーから出る可能性があるガスの量を低減し得る。このコーティングを適用することにより、ライナー及びライナーの内容物の貯蔵寿命も増加し得る。さらに、バリア増強コーティングの適用は、酸素または水分の透過性を低減し得り、より広範囲の材料、例えば、没食子酸洗浄剤及び/またはCVD前駆体物質等の、空気反応性を示す液体であって、この液体に限定されない材料をライナーに保管することを可能にし得る。
【0028】
コーティングは、折り畳みに先立ってまたはライナーが完全に組み立てられた後にバッグ上にスプレーされてもよい。コーティングは、ライナーの内側及び/または外側に適用されてもよく、または複数の層を備えた実施形態では、コーティングはライナーの1つの層または全ての層の片面または両面に適用されてもよいことは理解されるであろう。コーティングは、所望の貯蔵寿命に依存して様々な厚さで適用されてもよく、例えば、コーティングが厚いほど、貯蔵寿命は長くなる。しかしながら、バリア増強コーティングは、あらゆる適切な厚さで適用されてもよく、所望の用途に応じた様々な時間で硬化し得ることは認識されるであろう。さらに、バリアフィルムの架橋密度及びバリアフィルムの表面粘着力は、所望のバリア保護の程度に応じて変わり得る。一般的には、ライナー表面は、ライナーのバリア性を高めるために、例えば、コーティングを適用する等して、化学的に、物理的に、電気化学的にまたは静電気的に変更され得る。いくつかの実施形態では、バリア増強材は、一般的に、図2のフローチャートに図示された方法でライナーに適用され得る。1つのステップ202では、被覆材料を受けるための準備において表面を洗浄するためにイオン化された空気をライナー上に吹きつけるのに、ファンが用いられ得る。1つの実施形態においては、ステップ204に示すように、その後、電荷が印加されてもよい。その後、バリア増強材は、例えば、静電スプレーガン206を使用してライナーに適用されてもよい。しかし、静電スプレーガン206の使用に限定されない。ライナーがコーティング適用領域を通過するときに、チャックはライナーを回転させてもよく、これにより、均一なコーティングの適用が確保される。余分なスプレーは、回収され、廃棄され得る。その後、被覆ライナーは、硬化炉208で硬化され得る。
【0029】
別の実施形態において、コーティングバリアは、コーティングとしてではなく別のライナー層として設けられてもよい。
本開示のライナーは、多くの有利な形状をとり得る。図3に見えるように、1つの実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー320は、ライナーの底部が、丸みを帯びているか、またはボウル形状322となるように構成されてもよい。そのような実施形態では、丸みの程度は様々であってもよい。いくつかの実施形態においては、ライナー320がさらに自立するように底面を丸くしてもよい。さらに別の実施形態では、丸みは、ライナーが、好ましくは、外容器、オーバーパック、またはスリーブとともに使用され得るような程度であってもよい。底面の丸みは、例えば、浸漬管をライナーの底部に適切に向けるのを補助し得るので、丸い底部を有するライナーの実施形態は、例えば、ポンプ分配用途等において化学的利用の向上に役立ち得る。そのような実施形態は、例えば不透明なライナーの場合に特に有用となる可能性があり、化学的利用及び浸漬管の位置合わせも向上する可能性がある。
【0030】
図4に示すように、ライナーの別の実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー402は、分配能力向上を補助し得るサンプ406を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ライナー402は、オーバーパック404内に配置されてもよい。サンプ406は、サンプ406を形成する窪みまたはカップ408を規定するライナーの底部における一般的に剛性の材料の領域であってもよい。図4に見えるように、窪み領域408は、ライナー402内の液体を窪み領域408に流し込んでもよい。ライナー402へ差し込まれ得る浸漬管410は、その後、ライナー内の液体を実質的に全てを分配するのに使用されてもよく、これにより、方向付けサンプ406のない先行技術のライナーよりも、より多くの液体を分配することができる。サンプは、いくつかの実施形態では、ライナーと同じ材料で作られてもよいし、サンプは、例えば、他の種類のプラスチック等の、別の適切な材料で作られてもよい。サンプを備えたライナーの使用は、つぶれない、または完全につぶれないライナーを使用する場合に特に有利となり得る。
【0031】
ライナー100は、図1に示すように、比較的単純な設計を有していてもよいので、いくつかの実施形態では、ライナー壁は、実質的に剛性のライナー壁102に殆どまたは実質的に折り目を有していなくてもよい。図5に示される1つの実施形態では、例えば、ライナー500は、従来の水またはソーダボトルと同様に成形されてもよい。したがって、本開示の様々な実施形態のさらなる利点は、固定された充填容積を含む。即ち、ライナー100は、特定の容積用に設計することができ、そして、実質的に剛性のライナー壁102には殆どまたは実質的に折り目がなくなり得るので、ライナー100が特定の体積で充填されたときに、オーバーフローは実質的に生じないはずである。上述したように、そのようなライナー100に保管された液体は、一般的に非常に高くなり得り、例えば、約2,500ドル/L以上となり得る。したがって、オーバーフローの量が少しでも減ることが望ましくなり得る。さらに、ライナー内に閉じ込められたガス量は、ライナーが実質に剛性であり、充填前にライナー内にガスを閉じ込める位置をもたらすアンダーカットまたは折り目が概ね存在していなければ、最小限となり得る。
【0032】
さらに、ライナーは、内部空洞部内から液体を分配する能力を補助するように成形されてもよい。1つの実施形態では、図6に図示されるように、ライナー600は、当該ライナー600の剛性領域、例えば、ライナー壁602から口部606への移行部付近の領域を限定することができる折り目または凹み610を含んでもよい。折り目610は、ライナーに形成されてもよいし、モールド成形後に加えられてもよい。折り目610は、ライナー600のつぶれパターンまたは折り畳みパターンを制御するように設計され得る。1つの実施形態では、ライナー600は、口部606付近に2つまたは4つの折り目を含んでもよい。しかしながら、折り目610は、ライナー壁602のあらゆる適切な部位に位置してもよく、また、ライナー600のつぶれパターンまたは折り畳みパターンを制御し、つぶれている間にライナー600から流出する可能性がある粒子の数を低減または最小限化するように適切に構成されてもよいことが認識される。折り目610は、ライナー600が完全、またはほぼ完全につぶれたときに、折り目610が、生じた折り目及び/またはライナー内のガス閉じ込め位置の数を低減または最小限化するように構成されてもよい。
【0033】
図7A−7Dに図示された別の実施形態では、実質的に剛性で折り畳み可能なライナー700は、ライナー700の垂直方向長さに延在する複数のプリーツ704を一般的に含んでもよく、いくつかの場合において、これらプリーツ704は、ライナー700の首部702から底部まで、ライナー700の垂直方向長さの実質的に全体に延在する。より具体的には、図7A及び7Cに見えるように、しぼんだまたはつぶれた状態706では、プリーツ付きライナー700は、ライナー700の円周上に配置された一般的には並列なまたはパターン化された複数のプリーツ704を備えてもよい。図7B及び7Dに示されるように、膨らんだまたは膨張した状態708では、ライナー700のプリーツ704は、一般的に開かれ、ライナーは、収縮状態706でのライナーの円周または直径より大きい、円周または直径まで膨張する。いくつかの実施形態では、ライナー700は、しぼんだ状態706では、一般にコンパクトになり得り、収縮状態のときのライナーの一般的にコンパクトなサイズにより、剛性外容器の内部にライナーを配置することが比較的容易となり得る。垂直なプリーツ704により、充填中のライナーの迅速な膨張と、分配中の迅速な収縮が可能となり得る。いくつかの実施形態では、図7Eに示すように、首部702は、先行技術ライナーの首部より薄くてもよい。首部を構成する材料は一般的に薄い可能性があるので、そうでないものよりも首部の領域はより柔軟になり得る。これにより、剛性外容器内への挿入をより比較的容易に行うことが可能になり、より完全な充填及び/またはより完全なライナーからの排出を行うことが可能になり得る。プリーツの結果としてライナーがつぶれる方法により及び/またはライナーの首部を構成する比較的薄い材料により、本実施形態もチョークオフ(閉塞)を防止し得る。
【0034】
図8A及び8Bに図示された、さらなる実施形態では、実質的に剛性で折り畳み可能なライナー800は、非垂直方向のまたは螺旋の複数のプリーツ804を備えてもよく、複数のプリーツ804は、ライナー800の垂直方向長さに延在してもよく、ある場合においては、ライナーの首部から底部まで、ライナーの垂直方向長さの実質的に全体に延在する。より具体的には、膨張した状態のライナーを示す図8Aにおいて見ることができるように複数のプリーツ804の各々は、一般的に、ライナー800の上部からライナーの底部まで実質的な直線ではなく、その代わり、各プリーツは、一般的に、ライナーの上部から底部に延びるにつれ、ライナーの横方向に、傾斜しているか、巻いているか、または曲がっている等していてもよい。複数のプリーツ804の各々は、ライナー800の垂直方向長さの周りに傾斜する程度、巻いている程度、曲がっている程度等が実質的に均一であってもよい。しかしながら、他の実施形態では、複数のプリーツ804の各々は、均一にまたは非均一に、あらゆる適切な程度でライナーの周囲に他のプリーツと共に傾斜しているか、巻いているか、または曲がっていてもよい。理解され得るように、図8Bに示されるように、ライナー800の内容物が排出または分配されてライナー800がつぶれ始めるとき、複数の螺旋状のプリーツ804は、一般的に、ライナーの上部に対してライナーの底部を捩れさせることになる。ライナーを捩るとライナーの底部からライナーの上部へライナーの内容物が押し込まれるので、この捩れの動きによって、より効率的なつぶれ、及び/またはライナーの内容物のより完全な排出が可能になり得る。螺旋状のプリーツ、及び、つぶれる間に生じる、結果としての捩れの動きにより、本実施形態もチョークオフを防ぎ得る。
【0035】
図9に図示された、さらなる実施形態では、実質的に剛性で折り畳み可能なライナー900は、練り歯磨きチューブと同様の方法で成形されてもよく、一般的に平たくつぶれるように構成されてもよい。そのような構成は、つぶれにくい部位に閉じ込められた液体の量を低減または最小限化するのを補助することができ、完全にライナーをつぶすのに必要な圧力または真空の量を減らすことができる。ライナー900の形状も、つぶれる間にライナー900の折り目を低減し得る。そうでなければ折り目線で粒子の発生を引き起こし得るので、ライナー内の液体が汚染される。同様に、本開示の実質的に剛性で折り畳み可能なライナーの多くの実施形態のように、ライナー900の構成は、気泡が閉じ込められる場所の数を低減または最小限化することができる。そのような実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、例えば図9に図示された口部906付近の傾斜部912等のような、傾斜部も含んでもよく、そのような傾斜部は、分配開始時に上部にできた空間のガスを円滑に除去するのを補助し得る。別の実施形態において、本開示の1つの実施形態によるライナーは、四角にされた底部ではなく、図3に図示されるような実質的に丸い底部を有してもよい。
【0036】
本開示のさらなる実施形態に係るライナーは自立しなくてもよく、また、さらに別の実施形態においては、スリーブ916がライナーを支持するために設けられてもよい。スリーブ916は、側壁920及び底部922を含んでもよい。スリーブ916は、実質的にライナー900と離れていてもよい。つまり、ライナー9は、取り外し可能であってもよく、またはスリーブ916の内部に取り外し可能に取り付けられてもよい。ライナー900は、スリーブ916に接着接合される必要はないが、接合される必要はある。しかしながら、いくつかの実施形態では、ライナー900は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、スリーブ916に粘着接合され得る。1つの実施形態では、スリーブ916は、犠牲的なオーバーパックまたは外容器であると一般的に見なされ得る。スリーブ916は、任意の適切な高さであってよく、また、いくつかの実施形態では、スリーブ916は、実質的にライナー900と同じ高さまたはそれより高くなり得る。スリーブ916がそのような高さである実施形態では、スリーブ916及びライナー900の輸送を補助するために取っ手918が設けられてもよい。スリーブ916は、プラスチック、ナイロン、EVOH、ポリオレフィンあるいは他の天然または合成ポリマーを含む1つ以上のポリマーを使用して作られてもよく、使い捨てであってもよい。他の実施形態では、スリーブ916は、再利用可能であってもよい。
【0037】
2いくつかの実施形態では、充填及び分配を容易にするとともに、保管中に空気及び他の汚染物質からライナーの内容物を保護するために、図10A−14Cに示されるようなコネクタが剛性のライナーまたは剛性で折り畳み可能なライナーとともに使用されてもよい。図10A及び10Bに見えるように、ライナー1000は、ライナー1000と一体化され得るか、またはライナーに固定して取り付けられ得る首部1002を含んでもよい。保護オーバーキャップ1006の内面の相補的なネジ部と連結するために、首部1002は、外面上にネジ部1004を有してもよい。しかしながら、ライナーの首部及び/またはコネクタに取り外し可能にキャップを取り付ける、例えば、摩擦フィット、スナップフィット等のあらゆる適切な方法が使用され得ることは認識されるであろう。コネクタ1008は、ライナー1000の首部1002の内部に嵌合するように構成され得るベース部1010を含んでもよい。コネクタ1008は、肩部またはレッジ1012を備えてもよく、コネクタ1008のベース部1010がライナーの首部1002に位置したときに、肩部1012が、ライナーの首部1002の上端に全体的に当接することにより、コネクタ1008とライナー1000との間に密閉が形成される。いくつかの実施形態では、保護キャップ1006は、コネクタ1008と一体化されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、保護キャップ1006とコネクタ1008とは別々の部品であってもよく、さらに、これら保護キャップ1006及びコネクタ1008は、保管手順及び/または分配手順のために、取り外し可能に互いに固定されてもよい。
【0038】
図10Aに示されるように、1つの実施形態では、ボトル1000を密閉することで、ボトル1000内のあらゆる物質を確実に収容し得る隔壁1016がコネクタ1008内、あるいはコネクタ1008に隣接して配置されてもよい。また、コネクタ1008は、隔壁1016からベース1010の垂直方向長さの全体に延在し、分配が開始されるとライナー1000の内容物がコネクタを通過するのを可能にする中空管または領域1018を含んでもよい。ライナーの内容物を分配するために、ニードルまたはカニューレ1020がライナー1000を密閉する隔壁1016に接触してこの隔壁1016に刺さることが可能に、ニードルまたはカニューレ1020がコネクタ1008及び/または保護キャップ1006内の開口部を通って導入されてもよい。
【0039】
図10Bに示された別の実施形態において、ライナー内のあらゆる物質も確実に収容するボトル1000を密閉可能な折れ易いディスク1024が、コネクタ1008のベース内にまたはこのベースに隣接して配置されてもよい。また、コネクタ1008は、折れ易いディスク1024からベース1010の垂直方向長さの全体に延在し、分配が開始されるとライナーの内容物がコネクタ1008を通過するのを可能にする中空管または領域1018を含んでもよい。キャップ1006は、コネクタ、好ましくはコネクタ1008のベースに固定されてもよい。ボトルが十分に加圧されて、折れ易いディスク1024が破裂し、ライナー1000の内容物が分配され始めることが可能になるように、ボトル1000の内容物は圧力分配されてもよい。
【0040】
図11は、コネクタ1102の別の実施形態を示し、コネクタ1102は、コネクタ本体1104に形成されたポート1110−1116を含んでもよい。ポートは、例えば、液体またはガスがライナーに入ることを可能にする液体/ガス入口ポート1110、通気排出口1112、液体排出口1114、及び/または、ライナーの内容物が取り出されることを可能にする分配ポート1116を含んでもよい。
【0041】
図12A−12Cは、容器に物質を充填した後にコネクタがどのように密閉されるのかという別の実施形態を示す。図12Aに示されるように、管1204は、コネクタ1202の本体に垂直に嵌入されてもよい。管1204は、例えば熱可塑性樹脂またはガラス等のあらゆる適切な材料で構成されてもよい。ライナーは、管1204を介して内容物が充填されてもよい。ライナーが充填された後、図12Bに示されるように、管1204は溶接にて閉鎖部1206が形成されてもよく、さもなければ密閉されてもよい。その後、保護キャップ1208が、図12Cに示されるように、取り外し可能にコネクタ1202に固定されてもよい。本実施形態のコネクタアセンブリは、ライナー用の実質的に漏れ止め閉鎖機構を設けてもよい。さらに、本実施形態のこの密閉は、上述の密閉する実施形態と併せて使用されてもよい。
【0042】
1つの実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー及びオーバーパックに取っ手が含まれてもよい。図13に示されるように、剛性で折り畳み可能なライナー1302は、ライナー1302の首部1306に固定された取っ手1304を有してもよい。ライナーの首部1306でライナー1302に接続されたハンドル1304の2つの自由端と実質的に同じ高さでオーバーパック1310を囲む縁またはチャイム1312を有するオーバーパック1310内にライナー1302が挿入されてもよい。取っ手の端は、さねはぎ継ぎ、スナップフィット、またはチャイムに取っ手の端を取り外し可能に固定する他のあらゆる手段により、オーバーパック1310のチャイム1312に取り付けてもよい。そのような実施形態では、ライナーの開口部1314を含むライナー1302の上部に印加される、あらゆる下方向の力は、一般的に、取っ手に伝達された後、チャイム1312及びオーバーパック1310へと伝達されることで、ライナー1302上の圧力が低減される。別の実施形態では、また、取っ手1304の2つの端は、ライナー1302に取り付けられてもよい。
【0043】
図14A及び14Bに示されるように、別の実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー1402は、下部オーバーパック1404と、上部オーバーパック1406を備える2つの部分から形成されるオーバーパックと共に使用されてもよい。図14Aにおいて見ることができるように、ライナー1402は、最初に下部オーバーパック1404内に差し込まれてもよい。その後、上部オーバーパック1406は、ライナー1402の上部上に置かれ、図14Bに見ることができるように上部オーバーパック1406が下部オーバーパック1404に接続されるように押し下げられてもよい。例えば、スナップフィットまたはスクリューフィット等であって、これらに限定されない任意の適切な手段により、上部オーバーパック1406は、下部オーバーパック1404に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、分配が開始されたときに、加圧を用いてライナー1402をつぶせるように、上部オーバーパック1406は下部オーバーパック1404に対して密閉されてもよい。密閉は、周知のあらゆる手段によって達成されてもよい。上部オーバーパック1406は、ライナーの首部1416にて、ライナー1402に取り付けられてもよい。上部オーバーパック1406は、システムの輸送または移動をより簡単にするために、1つ以上の取っ手1414を含んでもよい。本実施形態では、ライナーのクロージャー1418を含むライナー1402の上部に印加され得る下方への力が、一般的に、上部オーバーパック1406に伝達された後、底部オーバーパック1404へと伝達され得ることにより、ライナー自体上の圧力が最小限化または低減される。
【0044】
別の実施形態では、剛性で折り畳み可能なライナー1502は、図15に示されるような上部オーバーパック1504内に配置されてもよい。ライナー1502のライナー首部1512は、いくつかの実施形態では、ライナーの移動をより簡単にするために、1つ以上の取っ手1508を含んでもよい。取っ手1508は、ライナーの首部1512と一体的に構成されてもよいし、取っ手1508は、周知のあらゆる手段によりライナーに固定して取り付けられてもよく、例えば、取っ手がライナーとともにブロー成形されてもよい。ライナー1502の壁は、他の部分より厚いいくつかの部分1506を有してもよい。これらのより厚い壁の部分1506は、垂直方向に増加した厚みをもたらしてもよい。しかし、これら部分は、分配が開始されたとき、ライナー1502がつぶれる能力を妨げはしない。これらのより厚い部分1506の厚みは、いくつかの実施形態においては、他のライナー壁部分よりも、例えば、約2倍から約10倍厚くてもよい。しかしながら、他の実施形態において、このより厚い壁部分は、あらゆる程度のさらなる厚みを有してもよいことは認識されるであろう。増加した厚みを有するライナー壁の部分が1つ以上あってもよく、例えば、いくつかの実施形態では、1つ、2つ、3つ、または4つ、またはそれ以上のそのような部分が存在してもよい。そのような実施形態では、ライナー1502のクロージャー1510を含むライナー1502の上部上における下方へのあらゆる力は、一般的に、ライナー1502のより厚い壁部1506へと伝達された後、オーバーパック1504へと伝達されることにより、ライナー1502上の圧力が軽減される。
【0045】
本開示のいくつかの実施形態では、実質的に剛性で折り畳み可能なライナーは、ライナー壁の厚さ、ライナーに使用される材料、及び折り目の設計に応じて、90%を超える分配能力、望ましくは、97%を超える分配能力、さらに望ましくは、最大99.9%の分配能力を得られ得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、剛性で折り畳み可能なライナーは、剛性で折り畳み可能なライナーに1つ以上の「強固な折り目」及び/または、1つ以上の「事前折り目」または「二次的折り目」を含み得る折り畳みパターンを含むように構成されてもよい。そのようなライナーは、いくつかの実施形態において、例えば、オーバーパック自体の直径と比べて比較的小さな直径の開口部を有し得るオーバーパックへのライナーの差し込み、またはオーバーパックからのライナーの取り除きができ得る比較的小さな円周領域へライナーが実質的に一様につぶれて入るように形成されてもよい。図16に見ることができるように、産界で既に使用されている周知のオーバーバックに一般的に似たオーバーパック1600は、オーバーパック1600の大きな直径よりも小径の開口部1602を有してもよい。本実施形態の剛性で折り畳み可能なライナーを使用することは、いくつかの理由で従来のフレキシブルライナーを使用するのに比べて有利となり得る。例えば、従来のフレキシブルライナーは、出荷中に動き回るので、ピンホールまたは溶接割れが形成されがちになり得る。トラック、列車、または他の輸送手段が動くと、オーバーパック内の従来のフレキシブルライナーも動く可能性がある。ライナーが動きにさらされるほど、ライナー内に小さな穴が生じることになるリスクが高まる。従来のフレキシブルライナーより丈夫な材料で作られている剛性で折り畳み可能なライナーを使用することは、出荷中に溶接割れやピンホールが増大し得るリスクを大幅に低減し得る。従来のフレキシブルライナーは、充填されるときに皺が形成されるという不利な点を有する可能性があり、この不利な点は、ライナー中に保持できる材料の量を制限する可能性や、または、ライナー内に閉じ込められるガスの体積を増加させる可能性があり、そして、完全な分配を困難または不可能にする可能性もある。出荷中に皺に加わる圧力は、皺のない領域に比べて大きくなり、この皺の部分でライナーに小さな裂け目が生じる可能性があるので、従来のフレキシブルライナーにおけるそのような皺は、溶接割れ及び/またはピンホールを増大させ得る可能性の一因にもなり得る。本開示のいくつかの実施形態における剛性で折り畳み可能なライナーは、そのような皺を増大させない可能性があるものの、代わりに、ライナーの折り目に沿って所定容積に膨張し得るので、材料を保管する、より大きく、より一貫した内部容積を可能にし得る。皺の減少は、また、ライナーにおいて大きな圧力の領域を排除し得る。オーバーパック1600とともに使用される際の、従来のフレキシブルライナーに対する本開示の様々な実施形態のさらに別の利点は、この剛性で折り畳み可能なライナーが、従来のフレキシブルライナーよりもオーバーパック1600から容易に取り除くことが可能であるということになり得る。オーバーパック開口部1602を通じてオーバーパック1600から従来のライナーを取り除く際、ライナーの上部が開口部1602を通じて引っ張られ、ライナーの材料の大部分も含み得るライナーの底部をオーバーパック1600の比較的小さな開口部1602から取り出すことが難しくなるので、著しい量の分配されない内容物がライナーの底部に蓄積し得る。しかしながら、本実施形態は、(以下に詳細に述べる)ライナーの折り目により決められた所定の形状へとつぶれ得る。これにより、ライナーが開口部1602を通じて引っ張られるときに、ライナーの底部の過剰な材料の蓄積を、分配能力の向上とともに、実質的に低減または排除し得る。したがって、オーバーパック1600から空のライナーを取り除くことが実質的により容易になり得る。
【0047】
図17Aは、ライナー1700がつぶれた状態にあるときの、所定の折り目を有するライナー1700の1つの実施形態の端面図を示す。本実施形態において、ライナー1700は4アーム設計を有し、端から見たときに、つぶれた状態において、ライナー1700が4つのアーム1702を有していることを意味する。いくつかの実施形態では、各アーム1702は、概して、同じ比率及び寸法を有し得る。他の実施形態では、アームは、異なるまたは変化する寸法を有し得る。本実施形態のライナーは、浸漬管なしで使用されてもよい。他の実施形態では、ライナーは、浸漬管を含んでもよい。図17Bに見ることができるように、ライナー1710は、本体1712、フィットメント724を含むフィットメント端部1720、ライナーがオーバーパック内に挿入された際にオーバーパック容器の底部に接触する静止端部1716、フィットメント端部に最も近い本体をフィットメント端部1720に接続する移行領域1724、及び静止端部付近の本体を静止端部1716に接続する移行領域1726を有してもよい。見ることができるように、ライナー1710自体が垂直方向に向けられたとき、全ての折り目は、実質的に垂直方向に配向され得る。気泡はライナー1710の上部まで折り目に沿って垂直方向に移動する傾向がある可能性があるので、垂直な折り目によって、より容易に、ライナー内容物に存在し得るあらゆる気泡を逃がしたり、または取り除くことができるようになり得る。
【0048】
4アーム設計を有するライナーの本体は、概して、8つの折り目を有して形成され得る。ライナーがつぶれた状態にあるとき、図17Aを再び参照すると最も分かるように、8つの垂直の折り目1704が、ライナーの一端からライナーの他端へ延在し、ライナーの端部から見た場合に、4つのアームの星状形状を概ね形成し得る。本実施形態は4つのアーム設計に関して記載され、示されているが、本開示が3つのアーム、5つのアーム、6つのアーム、及びあらゆる他の数のアームの設計を有するライナーの実施形態をも含むことは理解されるはずである。
【0049】
図17Bを再び参照すると、フィットメント端部1720上に配置されたフィットメント1724は、ライナー1710と一体であってもよい。いくつかの実施形態では、フィットメント1724は、ライナーの残りの部分を構成する材料よりも厚い材料で構成されてもよく、また、いくつかの実施形態では、ライナーの残りの部分を構成する材料より強い材料で構成されてもよい。本開示の他の部分に詳細に記載されているように、フィットメントは、コネクタ及び/またはキャップを密閉及び/または分配のためにライナー/オーバーパックに取り付け可能に、オーバーパック1600における開口部1602に連結するように構成されてもよい。
【0050】
できるだけ多くの内容物を保持し、空間の無駄を回避するために、ライナー1710の静止端部1716は、ライナーが充填される際に、概して、膨張する。同様に、ライナーがつぶれると、ライナー1710の静止端部1716は、概して、その折り目に実質的に正確に沿ってつぶれ、オーバーパックからのライナーの容易な除去を確実にするとともに、ほとんど全ての材料がライナー1710から分配され得るのを確実にもする。
【0051】
図18に見えるように、折り目を有するライナー1802のいくつかの実施形態では、1つ以上の反転位置1806がライナーの本体1810とライナーの静止端部1808との間の移行領域1804あたりで発生する可能性がある。反転位置1806は、ライナーの分配及び/またはつぶれを困難にするように外方向に曲がる領域、または、ライナーを材料で完全に満たすためにライナーを実質的に完全に膨張させることを困難にするように内方向に曲がる領域となり得るので、望ましくない可能性がある。
【0052】
いくつかの実施形態では、反転位置は、ライナーにおける適切な場所に二次的折り目を含むことにより、制限されてもよいし、概ね除去されてもよい。例えば、図19A及び19Bで示されるように、二次的折り目または事前の折り目1904がライナーに含まれていてもよく、二次的折り目または事前の折り目1904は、図示されるように、ライナー1906の本体からライナーの移行領域を通ってライナー1900の静止端部の頂点1908へと延在してもよい。これらの二次的折り目または事前の折り目1904は、例えば図18に示される反転位置等のような反転位置を回避するのを補助し得る。図19Bに最もよく見えるように、ライナーが二次的折り目1904または事前の折り目により案内されるように膨張及びつぶれる傾向により反転位置の形成が回避され得る。
【0053】
同様に、さらなる垂直な二次的折り目がライナーに含まれてもよく、さらなる垂直な二次的折り目は、ライナーがつぶれてオーバーパックの開口部内に挿入されるとき及びこの開口部から引き出されるときに、ライナーの円周領域をさらに縮小し得る。ライナーがつぶれてオーバーパックの開口部内に挿入されるとき及びこの開口部から引き出されるときに、さらなる垂直な二次的折り目がライナーの円周領域をさらに縮小し得ることは、図20に見ることができる。図20は、ライナー2000が開口部2008内に挿入されているところ、または開口部2008から引き出されているところを示している。図示されたこの実施形態では、二次的折り目2006は、アーム2010上の略半分の所に配置されており、これにより、ライナー2000のアーム2010が占める円周領域を二次的折り目2006がない場合に比べて小さくできる。しかしながら、二次的折り目2006がアーム2010上の任意の適切な所に配置され得ることは認識されるであろう。
【0054】
いくつかの実施形態において、図21Aで示されるように、ライナー2102の静止端部2106に形成された折り目により形成される、ライナー2102の角部2104は、完全に膨張できない可能性があるので、ライナー2102内に収容され得る材料の量を制限し得る。上述のように、ライナーができるだけ多くの液体を保持できるように、静止端部をできるだけ大きく膨張させることが好ましい可能性がある。図21Bに見ることができるように、本実施形態におけるライナー2122の静止端部2124は、より完全に膨張し得る。ライナー2122の静止端部2124がより完全に膨張し得ることは、1つの実施形態において、例えば、遷移角2128が35°と55°との間、好ましくは、例えば、約45°の場合に達成され得る。遷移角2128は、ライナー2122の本体2130の実質的な垂線及び折り目と、静止端部2124の頂点2136との間に形成される角度となり得る。1つの実施形態において好ましい約45°の遷移角は、図21Bに示されるように、静止端部2124がその角度においてより完全に膨張し得るという点で、幾分、「魔法の」角度となり得る。しかしながら、好ましい約45°より大きいまたは小さい遷移角も本開示の精神および範囲の内にあることは認識されるであろう。
【0055】
いくつかの実施形態では、つぶれた状態のライナー2200の静止端部2204は、図22Aに示されるように、ライナー2200の本体内部でつぶれてもよい。ライナーの本体の端部とライナーの静止端部の頂点との間の高さが比較的短い場合、静止端部2204は、このようにライナー2200の本体内部でつぶれる傾向があり得る。ライナーが充填されているとき、そのようなライナーは、ライナー2200の高さを有利に低減し得る。図22Bに見ることができるように、本実施形態によるライナー2200は、膨張状態において概ね完全に膨らむ静止端部2204を有してもよい。
【0056】
オーバーパックとの使用では、ライナーがつぶれた状態であるときに、ライナーは、オーバーパック開口部を通じてオーバーパック内に挿入されてもよい。ライナーが、一旦、オーバーパック内にあれば、ライナーは、オーバーパックの外に残され得り、そして、オーバーパック開口部と連結し得るライナーフィットメントを通じて所望の物質で充填され得る。充填によりライナーが膨張すると、ライナーは、実質的にオーバーパックの内部形状に一致し得る円筒に概ね近くなり得る。ライナーの内容物が取り出された後、ライナーは、ライナーフィットメントを通じて当該ライナーを引き出すことにより、オーバーパックの開口部を通じて比較的容易に取り除かれ得る。ライナーがオーバーパックの開口部を通じて引っ張られるときにライナーに加えられる圧力は、ライナーを、ライナーの折り目に沿ってつぶれた状態に概ね戻し得る。これら実施形態のライナー等のような剛性ライナーは、折り畳みパターンを記憶していてもよく、蛇腹と同様に、つぶれるときに、折り目に沿ってつぶれる傾向があってもよい。
【0057】
折り目を含むライナーの実施形態は、ブロー成形、溶接、または他のあらゆる適切な方法により作られてもよい。ライナーにおける折り目は、非常に低い圧力、例えば、ある場合では、約3psiまで下がった圧力でライナーを収縮可能にするヒンジのように作用してもよい。いくつかの実施形態では、これらのライナーは、約99.95%まで分配能力を達成し得る。
【0058】
本開示のライナーは、単一部品として製造されてもよく、それにより、ライナーにおける溶接と継ぎ目、及び溶接と継ぎ目とに関連した問題が排除される。例えば、溶接及び継ぎ目は、製造プロセスを複雑にする可能性があり、そして、ライナーを弱める可能性がある。さらに、ある材料は、あるライナーで使用するには好ましいものの、溶接しにくい。
【0059】
ライナーは、例えば押出ブロー成形、インジェクションブロー成形、インジェクションストレッチブロー成形等のあらゆる適切な製造プロセスを使用して製造可能である。インジェクションブロー成形またはインジェクションストレッチブロー成形を利用する製造プロセスは、他の製造プロセスよりもライナーをより正確な形状にすることができる。インジェクションストレッチブロー成形を使用してライナーを製造する1つの例示的な実施形態が図23A−23Eに図示されている。ライナーを製造するための例示的な実施形態の全てのステップが必要であるとは限らず、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、いくつかのステップが除かれてもよく、または、さらなるステップが加えられてもよいことは認識される。図23Aに図示されるように、上記方法は、プリフォーム金型2354の注入空洞部2352内にポリマーの溶融形態2350を注入することにより、ライナープリフォームを形成することを含んでいてもよい。成形温度及び成形の時間の長さは、ライナープリフォームの製造に選択される1つのまたは複数の材料に依存し得る。いくつかの実施形態では、マルチインジェクション技法が、複数の層を有するプリフォームを形成するのに使用され得る。インジェクション空洞部2352は、一体的なフィットメントポート2358を有するライナープリフォーム2356(図23B)に対応する形状を有してもよい。ポリマーは固まり得り、このようにしてできたライナープリフォーム2356は、プリフォーム成形金型2354から取り出されてもよい。代替実施形態では、複数層プリフォームを含む予め製造されたプリフォームが、本開示のプリフォーム2356に使用され得る。
【0060】
図23Cに図示されるように、いくつかの実施形態では、ライナープリフォーム2356は、ストレッチブロー成形に先立って、ライナープリフォーム2356を適切な状態にするために、洗浄され、加熱されてもよい。その後、ライナープリフォーム2356は、図23Dに図示されるように、所望の完成したライナーのネガティブ像を実質的に有するライナーモールド2360内に挿入されてもよい。ライナープリフォーム2356は、その後、図23Eに図示されるようなライナーモールド2360のイメージにブローまたはストレッチ及びブローされて、一体的なフィットメントポート2358を有するライナーを形成する。ブロー成形気流速度、さらにブロー成形温度及び圧力は、ライナープリフォーム2356の製造のために選択された材料に依存してもよい。
【0061】
ライナーモールド2360のイメージに一旦ブローまたはストレッチブローされると、ライナーは固化し、ライナーモールド2360から取り出され得る。ライナーは、任意の適切な方法によりライナーモールド2360から取り出されてもよい。
【0062】
使用においては、例えば、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、ドーパント、無機物、有機物、または生物の液体、調合薬、または放射性化学薬品等の超高純度の液体がライナーに充填または収容され得る。ライナーには、例えばソフトドリンク、食用油、農薬、健康及び口腔衛生用品、トイレタリー製品等であって、これらに限定されない他の製品が充填され得ることも認識される。必要に応じて、内容物は圧力下で密封されてもよい。ライナーの内容物を分配することが望まれる場合、内容物は、ライナーの口部を通って取り出され得る。本開示の実施形態の各々は、圧力分配によって、またはポンプ分配によって分配されてもよい。圧力分配用途及びポンプ分配用途の双方において、内容物が排出されるとライナーはつぶれてもよい。本開示のライナーの実施形態は、ある場合においては、約100psi未満の圧力で、より好ましくは約50psi未満の圧力で、さらにより好ましくは約20psi未満の圧力で分配されてもよく、ある場合においては、本開示に記載されているように、いくつかの実施形態のライナーの内容物は、著しくさらに低い圧力で分配されてもよい。本明細書に記載されている自立可能なライナーの各実施形態は、ある実施形態では、オーバーパックなしで出荷されてもよく、その後、ライナーの内容物を分配するために受取側設備で加圧容器内に入れられてもよい。分配を補助するため、本開示のライナーはいずれも、浸漬管を有する実施形態を含んでいてもよい。他の実施形態では、本開示のライナーは、浸漬管を有していなくてもよい。
【0063】
1つの実施形態では、ライナーに保管された液体を分配するために、本開示のライナーは、例えば、図24Aに図示されたキャニスタ2400等の加圧容器といった分配キャニスタ内に配置されてもよい。特に、キャニスタへガスを導入して、ライナーをつぶし、キャニスタ2400内のライナー内に保管された液体を液体出口2402を通じて加圧分配するために、ガス入口2404をガス源2408に操作可能に連結することができる。流入するガス及び流出する液体を制御するために、キャニスタ2400は、制御部品2406も含んでもよい。ライナーからの液体の分配を制御するために、コントローラ2410を制御部品2406に操作可能に連結することができる。
【0064】
概して、出口液体圧力は、入口ガス圧力の関数であってもよい。一般的に、もし入口ガス圧力が一定のままである場合、出口液体圧力も分配プロセスにおいて概ね一定となり得るものの、出口液体圧力は、容器が空に近づくにつれて、分配の終わり近くで減少する。ライナーからの流体のそのような分配を制御する手段が、例えば、2007年2月6日に発行された“Liquid Dispensing System”と題された米国特許第7,172,096号と、2007年6月11日が国際出願日の“Liquid Dispensing Systems Encompassing Gas Removal”と題されたPCT出願第PCT/US07/70911号とに記載されており、ここで、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0065】
入口ガス圧力が概ね一定に保持される実施形態では、PCT出願第PCT/US07/70911号に詳細がさらに記載されているように、出口液体圧力を監視することができる。容器またはライナーが空に近づくにつれて、出口液体圧力は減少または下降する。容器が空に近いことの指標として、出口液体圧力におけるそのような減少または下降を検出または感知することを使用することができ、これにより、下降空状態検出と称され得るものが提供される。
【0066】
しかしながら、いくつかの実施形態では、分配プロセス全体にわたって実質的に一定であるように出口液体圧力を制御することは望ましいことであり得る。いくつかの実施形態では、出口液体圧力を実質的に一定に保持するために、入口ガス圧力及び出口液体圧力は監視されてもよく、そして液体出口圧力を一定に保持するために、入口ガス圧力は、制御及び/または放出されてもよい。例えば、ライナーが空に近いときを除き、比較的満たされたライナーの性質により、比較的低い入口ガス圧力が分配プロセスの間に必要とされ得る。ライナーが空に近づくにつれ、一定の出口圧力でさらに液体を分配するためには、より高い入口ガス圧力が一般的に必要とされ得る。したがって、図24Bにおいて分かるように、入口ガス圧力を制御することにより、出口液体分配圧力は、分配プロセスを通じて実質的に一定に保持されてもよい。図24Bは、ライナーが分配の完了に近づくにつれて、入口ガス圧力が増加することを示している。
【0067】
分配プロセスにおけるある時点では、図24Bのグラフ2480に示されるように、ライナーを空にするのに必要な入口ガス圧力の量は急激に比較的高くなり得る。いくつかの実施形態では、上昇する入口ガス圧力を分配プロセスを通じて監視することが空検出機構を提供するのに使用され得る。例えば、1つの実施形態では、入口ガス圧力は監視されてもよく、そして、入口圧力があるレベルに達したときに、ライナーが空であり、分配プロセスが完了したと判定してもよい。このような空検出機構は、時間とエネルギー、ひいては費用を節約するのを補助し得る。
【0068】
いくつかの場合において、(例えば19L以上等のような)著しい体積の内容量を保管する、上述のような金属製の折り畳み可能なライナーを含むライナーのサイズ及び付随する重量は、1人または2人の人間が充填されたライナーを標準的な圧力分配容器内に持ち上げて入れることを困難にし得る。したがって、いくつかの実施形態において、圧力分配容器内へライナーを配置することを一般的に容易にするために、図25に示されるように、剛性折畳みライナーは、実質的に水平に配置されている状態の圧力容器内へ圧力分配のために装填されてもよい。水平に配置された圧力容器2504内へライナー2502を装填することは、約19Lを超える材料を保持するライナーには特に有利となり得る。
【0069】
一般的に、装填システムは、水平に配置された圧力容器2504、運搬カート2506、及びライナー2502を含み得る。水平に配置された圧力容器2504は、水平に配置され得る特製のまたは標準の圧力容器であってもよい。ある実施形態では、水平の圧力容器は、運搬カート2506の高さと概ね互換性のある高さにて、テーブル、架台、または他の表面上で支持され得る。別のさらなる実施形態では、圧力容器2504は、底面に取り付けられた車輪またはローラーを有する、テーブル、架台、または他の表面上に載置されてもよい。これにより、ユーザーは、テーブル、架台等の上に配置される圧力容器を、運搬カート2506上に配置されるかもしれないし、配置されないかもしれないライナー2502のより近くに容易に移動させることができる。さらに別の実施形態では、圧力容器2504を水平姿勢で容易に移動できるように、圧力容器自体が、圧力容器に取り外し可能にまたは固定的に取り付けられた車輪またはローラーを備えてもよい。いくつかの場合において、取り付けられた車輪は、地面に対してある高さまで圧力容器を上昇させ得る。この高さは、運搬カートの高さと概ね互換性がある高さ、つまり、運搬カートと概ね同じ高さか、またはわずかに高い高さである。圧力容器、または圧力容器を保持するテーブルまたは架台に取り付けられ得る車輪またはローラーの数は、1つの車輪またはローラーから任意の適切な数の車輪またはローラーまで様々となり得る。車輪は、例えば、ゴム、プラスチック、金属、または任意の適切な材料または材料の組み合わせ等といった、任意の周知の適切な材料で構成されてもよい。さらに、水平に配置された圧力容器が複数の車輪またはローラーを備える実施形態では、圧力容器が所望の位置に一旦移動されたら、圧力容器が概ね安全に確実にその位置で維持され得るように、圧力容器は、さらに1つの車輪ブレーキまたは複数のブレーキまたは複数のストッパーをも含み得る。圧力容器が1つの車輪ブレーキまたは複数のブレーキまたは複数のストッパーを含むことは、容器にライナーを装填するプロセスの間では特に重要となり得る。そのような実施形態では、圧力容器に配置されたブレーキは、1つまたは任意の他の適切な数であってもよい。同様に、1つ以上のブレーキが、圧力容器を保持するためのテーブルまたは架台の下側に付加されてもよい。
【0070】
いくつかの実施形態における運搬カート2506は、ライナー運搬面2510と、車輪またはローラー2508とを含んでもよい。運搬面2510自体は、金属、プラスチック、ゴム、ガラスまたは他の任意の適切な材料、または材料の組み合わせで構成されてもよい。面2510は、いくつかの実施形態では、運搬カート2506が移動されているときにライナーが所定位置に留まり得るようにテクスチャード加工されてもよい。テクスチャリングは、圧力容器の内部との接触領域を最小化するのを補助し、これにより、ユーザーが圧力容器内にライナーを装填する能力が制限され得る。いくつかの実施形態では、例えば、運搬カートの面2510は、運搬中にライナー2502の固定を補助し得る軽度のグリップとして作用する、隆起した小さな円を面2510上に有してもよい。例えば、ランダムなパターンを含む任意の種類の幾何学形状またはパターンを含む、任意の種類のテクスチャーが運搬カートの面に適用されてもよいことは認識される。テクスチャード面を含むいくつかの実施形態では、テクスチャリングは、圧力容器2504内にライナー2502を装填するためにユーザーが輸送カートの面2510の垂直距離に沿ってライナー2502を比較的容易に移動または摺動させるのを阻害する程度になっていなくてもよい。支持面は、ブラケット、支持材、移動可能なレール等を含み得る。
【0071】
他の実施形態では、運搬面2510は、この運搬面を横切るライナー2502の摺動を高めるように構成されてもよい。例えば、この面は、滑らかで平坦に構成されてもよい。そのような実施形態では、運搬カート2506の少なくとも一端に取り外し可能または移動可能に固定され得る少なくとも1つのリップまたはロックを運搬カートは含み得る。少なくとも1つのリップまたはロックは、運搬カートが移動しているときに、ライナー2502が運搬カート2506から滑り落ちることを回避し得る。
【0072】
、ライナー運搬面2510は、一般的に、本明細書に記載されているライナー等の剛性で折り畳み可能なライナー2502を当該運搬面2510が容易に収容し得るように成形され得る。いくつかの実施形態では、運搬面2510は、この面の水平方向長さを横切って概ね曲がってもよく、これにより、実質的に丸いライナーがその上に確実に配置される架台状の面が形成される。運搬面の曲率の程度は、異なるサイズのライナーを収容するために変化してもよい。別の実施形態では、ほとんどのサイズのライナーが実質的に安全且つ確実に運搬カート2506上に配置され得るような曲率の程度であってもよい。他の実施形態では、所定形状のライナーに概ね適合するように運搬面2510が特別製造されてもよい。さらに他の実施形態では、運搬面2510は、当該運搬面2510の各側面の垂直方向距離に沿って配置された、比較的狭い隆起した面を有して、実質的に平らであってもよく、隆起した面はバンパーとして作用し、ライナー2502を運搬カート2504上に確実且つ安全に配置された状態に保つ。隆起した面、バンパー、またはレールは、例えば、ゴム、プラスチック、または任意の他の適切な材料または材料の組み合わせ等といった、任意の適切な材料で構成されてもよい。
【0073】
運搬カートの移動を概ね容易にできるように、運搬カートは、いくつかの実施形態では、車輪2508も備え得る。運搬カート2506は、例えば3つ以上といった任意の適切な数の車輪を有し得る。車輪は、例えば、ゴム、プラスチック、金属、または任意の適切な材料または材料の組み合わせ等といった、任意の周知の適切な材料で構成されてもよい。
【0074】
使用において、ライナー2502は、運搬カート上で出荷されてもよいし、あるいは、ライナー2502は、ライナーがその目的地に着いたときに、手動またはオートメーションにより運搬カート上に載置されてもよい。ライナーが運搬カート2506上に一旦載置されると、運搬カート上のローラー2508により、ライナーを有するカートを、ライナー2502のサイズまたは重量に関わらず比較的容易に移動させることができる。運搬カート2506は、水平に配置された圧力容器2504にライナー2502を運搬するのに使用されてもよい。あるいは、移動可能な圧力容器を備えた実施形態では、この圧力容器は、運搬カートへ運搬されてもよい。ライナーが運搬カート2506の運搬面2510に沿って分配用圧力容器2504内に摺動され得るように、充填されたライナーを有する運搬カートは、圧力容器と概ね端と端とを接触させて配置されてもよい。
【0075】
図26Aに示される1つの実施形態では、ライナー2600は、本開示のいくつかの実施形態が代わりとなり得るガラスボトルと共に典型的に使用される種類のキャップ2606を含んでもよい。ライナー2600の口部は、既存のガラスボトルのキャップと適合するようにネジが形成されてもよいし、さもなければ既存のガラスボトルのキャップと適合するように構成されてもよい。キャップ2606は、ライナー2600が充填された後ではあるが、内容物が分配される前に締められてもよい。例えば、キャップ2606は、ライナー2600の保管中または出荷中にライナー2600に締められてもよい。別の実施形態では、図26Bに示されるように、また、2010年1月29日に出願された“Closure/Connector for Dispense Containers”と題され、その内容が全体として参照によってここで援用される、米国特許出願第61/299,427号に開示されているように、ライナー2600は、ガラスボトルとともに典型的に使用される種類のコネクタ2620を含んでもよい。ライナー2600は、当該ライナー2600が例えばライナー2600のコネクタ2620等といった既存のガラスボトル用品と互換性を有し得るという事実に加え、既に述べた全ての理由でガラスボトルに代わる有利な選択肢となり得る。いくつかの実施形態において、コネクタ2620も本明細書に開示されたライナーの他実施形態のうちのいずれかとともに使用されてもよい。
【0076】
図26C及び26Dに示された、さらに別の実施形態では、ライナー2630は、誤接続防止クロージャー2640とともに誤接続防止コネクタ2650を含んでもよい。例えば2006年6月5日に出願された“Fluid Storage and Dispensing Systems and Processes”と題され、その内容が全体として参照によってここで本明細書に援用される、米国特許出願第11/915,996号等に開示されているように、誤接続防止クロージャー2640及び誤接続防止コネクタ2650は、いくつかの実施形態では、NOWPak(登録商標)分配システムと互換性を有するように構成されてもよい。誤接続防止コネクタ2650のサンプルは、コネチカット州ダンベリーのATMIのコネクタであってもよいし、または2006年6月13日に出願された米国特許出願第60/813,083号、2006年10月16日に出願された米国特許出願第60/829,623号、及び2007年1月30日に出願された米国特許出願第60/887,194号に開示されたコネクタであってもよい。コネクタを備えたライナーの別の実施形態は、コンテナ内に延在する浸漬管を含んでおらず、「スタビープローブ」とも称されることがあるコネクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、誤接続クロージャー2640及び誤接続防止コネクタ2650は、本明細書に開示されたライナーの実施形態のうちのいずれかとともに使用されてもよい。
<フレキシブルな襠付きライナー及び襠無し無しライナー>
上述したように、本開示は、フレキシブルな襠付き、または襠無しライナーにも関連しており、このライナーはサイズの拡大縮小が可能であり、200L以上の保管用に使用され得る。したがって、ライナーは、例えばフラットパネルディスプレイ産業に使用される高純度液体の保管に適し得る。
【0077】
図27Aは、本開示の襠付きライナー2700の1つの実施形態の断面図を図示している。ライナー2700の断面形状は、限定されず、あらゆる適切な断面形状が使用され得る。しかしながら、一般的には、ライナー2700は、折られた襠付き縁部2720を有して実質的に平らに折り畳まれてもよく、そのようなライナーは2次元(「2D」)襠付きライナーと本明細書では称され得る。「2次元」という用語がここで使用されるのは、本開示の襠付きライナーの様々な実施形態を理解するのを補助するためであって、「2次元」という用語は限定することを意味していない。いくつかの実施形態では、ライナーは、2つ以上のパネルで構成される、ボトル形状、枕形状等のような比較的簡素な形状の枕型ライナーであってもよい。いくつかの実施形態では、以下でさらに述べるように、2つのパネルを襠無しで、それらの実質的に全周囲に沿って溶接してもよい。さらに別の実施形態では、枕型ライナーは、襠付きの1つ以上の追加されたパネルとともに、2つ以上のパネルを有してもよい。他の実施形態において、ライナーは、例えば円筒、立方体、球、または任意の他の形状等といった、他の形状を形成する3つ以上のパネルで構成されてもよい。いくつかの実施形態では、この種のライナーは、襠付きパネルを備えてもよく、一方、他の実施形態では、この種のライナーは、襠付きでなくてもよい。図27Aに図示された例示的な実施形態では、ライナー2700が概ね3次元の(「3D」)形状に膨張するように、ライナー2700が液体を充填されるときに、襠付き縁部2720は、折り重ねられて実質的に平らな状態から膨張し得る(図27B)。「3次元の」という用語は、本開示の襠付きライナーの様々な実施形態の理解を助けるためにここで使用されており、「3次元の」という用語は、限定することを意味していない。ライナー2700は、3D形状に膨張した際、折り目または皺が実質的になくなり得る。さらに、ライナー2700は、自立してもよい。
【0078】
代替実施形態では、ライナー2700は、襠付きでなくてもよく、代わりに、実質的に丸い形状、半球状、または他の適切な形状の底部を有していてもよい。そのような実施形態では、ライナー2700は、自立していなくてもよく、オーバーパックまたは外容器によって支持されてもよい。同様に、ライナー2700は、図27A及び27Bに示されるように、内部に垂直な継ぎ目が実質的にないように構成されてもよい。むしろ、内部角部は、概ね丸くてもよい。こうすることにより、ライナー2700は、圧力分配またはポンプ分配が開始されると実質的に折り目を生じることなくつぶれ得る。そのような構成は、折り目の中に閉じ込めらた液体の量を低減または最小限化するのを補助し、完全にライナーをつぶすのに必要な圧力または真空の量を低減することができる。ライナー2700の形状は、つぶれる間、ライナー2700の皺の発生も低減することができる。皺の発生を低減できなければ、皺のラインで粒子生成が生じることで、ライナー内の液体が汚染され得る。同様に、ライナー2700の構成は、気泡を閉じ込める箇所の数を低減または最小限化できる。
【0079】
さらに、ライナー2700は、膨張した3D形状では、折り目または皺が実質的になくなり得るので、本開示の様々な実施形態のさらなる利点は、体積の変化量の低減を含む。即ち、ライナー2700は、所定の体積用に設計でき、また、ライナー2700がこの所定の体積で充填されたときに、実質的に剛性のライナー壁2702に折り目は殆どまたは実質的にはできないことになり得るので、オーバーフローは実質的に生じないはずである。既に述べたように、そのようなライナー2700に保管された液体は、非常に高価、例えば、2,500ドル/L以上である可能性がある。したがって、特に多くの場合において、液体の容器はまるごと廃棄されることになるので、オーバーフロー量の小さな減少さえ望ましくなり得る。したがって、オーバーフローの発生を低減または排除することは、オーバーフローによる廃棄を著しく減らすことにつながり得る。さらに、ライナーを基本とした容器システム用の従来のライナーは、サイズが大きくなると、折り目の数が増え、これにより、容積及びオーバーフローの潜在的な変化量が増える。したがって、そのようなライナー2700は、例えば最大200L以上の大きなサイズまで膨張可能であるので、それほど高価でない液体、例えば、約17ドル/Lの液体でさえ、そのオーバーフロー量の減少が著しくなり得る。
【0080】
1つの実施形態では、ライナー2700が液体を充填され、3D形状に膨張したときに、ライナー2700が自立し得るように、襠付き縁部2720は膨張してもよい。いくつかの実施形態では、縁部2720は、膨張して概ね平らな底部を形成してもよい。他の実施形態では、縁部2720は、膨張して、概ね丸みをおびた、または半球状の底部を形成してもよい。いくつかの実施形態では、ライナー2700は液体を充填される前に実質的に平らに折り畳まれ得るので、ライナー2700は、オーバーパックまたは外容器内に折り畳まれて配置され、その後、オーバーパック内に配置されたままで液体を充填され、液体とともに輸送されてもよい。
【0081】
ライナー2700は、ライナー壁2702と、内部空洞部2704と、口部2706と、溶接部2702とを含み得る。いくつかの実施形態において、ライナー2700は、プラスチック、ナイロン、EVOH、ポリオレフィン、または上述の材料またはPEの他の適切な混合物等の他の天然ポリマーまたは合成ポリマー等の1つ以上のポリマーを使用して製造されてもよい。いくつかの実施形態では、ライナー2700は、複数層を備え得る。例えば、ある実施形態では、ライナー2700は、内面層、コア層、及び外層、または他の適切な数の層を含み得る。複数の層は、1つ以上の異なるポリマーまたは複数の他の適切な材料で構成されてもよい。例えば、内面層は、フッ素重合体(例えば、PCTFE、PTFE、FEP、PFA等)を使用して製造されてもよく、また、コア層は、ナイロン、EVOH、ポリエチレンナフタレート(PEN)、PCTFE等といった材料を使用して製造されたガスバリア層であってもよい。外層も適切なあらゆる様々な材料を使用して製造されてもよく、外層は内面層及びコア層に選択された材料に依存し得る。
【0082】
いくつかの実施形態において、本開示のライナーは、実質的に剛性の折り畳み可能なライナーに関して上述したように、バリア増強コーティングで被覆されてもよい。1つの実施形態では、バリア増強コーティングを図2に図示されるように、そして詳細に上述したように適用してもよい。
【0083】
ライナー壁2702は、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムにおけるライナーより一般的に厚くてもよい。ライナー壁2702の増加した厚さは、ライナー2700の剛性及び強度を向上させる。この厚さにより、1つの実施形態では、ライナー2700は自立し得る。しかしながら、多くの実施形態では、ライナー2700は、サイズが、例えば最大200L以上と実質的に大きくなるようになり、そして図28A及び28Bに図示されるように、支持用のオーバーパックまたは外容器内に置かれることになる。自立するように構成される実施形態では、外容器は、従来の折り畳み可能なライナーを基本にしたシステムのライナーのように、ライナーを支持するために必要ではない。したがって、いくつかの実施形態では、ライナー2700は、自立する容器システムであってもよい。外容器に関連したコストを実質的に排除することにより、そのような実施形態は、容器システムの全体費用を低減できる。さらに、いくつかの従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムにおいては、ライナー及び外容器はともに、典型的に再使用可能ではなく廃棄される必要がある。本開示の様々な実施形態では、外容器が必要ではないので、ライナーだけが廃棄されることになると考えられるため、廃棄物が実質的に減少または最小限化され得る。1つの実施形態では、ライナー壁2702は、約0.05mmから約3mmの厚さであってもよく、望ましくは約0.1mmから約1mmの厚さであってもよく、さらに望ましくは0.15mmから約0.6mmの厚さであってもよい。しかしながら、この厚さは、ライナーの体積とともに、ライナーが作られる材料に依存して変化し得る。一般的に、ライナー2700は、ピンホールの発生を実質的に低減または排除するのに十分に厚くなり得る。同様に、ライナー壁2702が従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムのライナーより厚くなり得るので、ライナー2700は、不浸透性が向上することになり、例えば、ガスがライナーの壁を通じて内部空洞部2704へ導入されることを回避できる。
【0084】
ライナー2700は、その外縁に沿って溶接線2712を含み得る。しかしながら、従来の折り畳み可能なライナーを基本としたシステムと異なり、溶接線2712の強度を高め、溶接割れ及び内部空洞部2704内の液体の汚染を回避するのを補助するために、溶接線2712はより厚く、より強固であってもよい。
【0085】
ライナー口部2706は、一般的に剛性であってもよく、いくつかの実施形態では、ライナー壁2702より剛性であってもよい。相補的にネジを形成されたキャップ2708を口部2706が受けることができるように、口部2706は、ネジを形成されてもよいし、またはネジを形成されたフィットメントポート含んでもよい。例えば、差し込み、スナップフィット等の他の任意の適切な連結機構をネジの代わりに、またはネジに加えて使用してもよいことは認識される。口部2706は、一般的に剛性で、ライナー2706の上端に沿って中心に位置していてもよい。中心に位置した口部は、ライナー2700の分配能力を向上させ得る。いくつかの実施形態では、ライナー口部2706がライナー壁2702より剛性が高くなり得るので、ライナー口部付近の領域は、分配中に加圧されると、ライナー壁2702ほどもつぶれない可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、ライナー内の内容物の加圧分配中に、液体は、ライナー口部付近の領域が完全につぶれていないデッドスペースに閉じ込められる可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、圧力分配システム及び出力ラインの対応するコネクタに接続するコネクタ2710または接続手段は、実質的に、口部付近のライナーの概ね剛性の領域を実質的に貫通または埋めてもよい。即ち、コネクタ2710は、圧力分配中に液体が閉じ込められないように、実質的にこのデッドスペースを埋めてもよく、これにより、デッドスペースにおける無駄が低減または排除される。
【0086】
実質的に剛性で折り畳み可能なライナーに関して上述されたように、さらなる実施形態では、ライナー2700は、下端または遠位端に開口部を有する、(例えば、図27Aにおいて、破線で図示された)内部中空の浸漬管2750を設けられてもよく、浸漬管2750はライナー2700からの流体の排出位置として作用する。中空の浸漬管2750は、コネクタ2710と一体であってもよいし、別々であってもよい。この場合、ライナー2700内の内容物は浸漬管2750を介してライナー2700から直接受けられてもよい。ライナー2700は、任意追加的な浸漬管2750を備えてもよいものの、ここに記載された様々な実施形態に係るライナー2700は、多くの場合、好ましくは、浸漬管を一切備えていない。
【0087】
ライナー2700は、概ね滑らかな外面を備えた比較的単純なデザインを有してもよいし、ライナー2700は、例えば、凹凸を含み、凹凸に限定されない比較的複雑なデザインを有してもよい。1つの実施形態では、例えば、ライナー2700は、チョークオフを防ぐためにテクスチャード加工されてもよい。即ち、ライナー内の液体を閉じ込めて、液体の適切な分配を妨げるようにライナー自体がつぶれてしまうのを防ぐために、ライナー2700はテクスチャード加工されてもよい。上述したように、チョークオフを防止または処置する様々な方法が、2008年1月30日を国際出願日とする“Prevention Of Liner Choke−off In Liner−based Pressure Dispensation System”と題され、参照によってすでに全体として本明細書に援用された、PCT出願第PCT/US08/52506号に記載されている。さらに、いくつかの実施形態では、図30A及び30Bに示されるように、ライナー内部にチャネル挿入物を設けることにより、チョークオフが排除または低減され得る。これらチャネル挿入物は、より詳細に後述される。図27Cに示される、さらに別の実施形態では、1つまたは複数のクリンプ、プリーツ、または折り目等をライナーの1つ以上の面に溶接することによりチョークオフが改善されてもよい。図27Cは、そのようなクリンプ、プリーツ、または折り目等2742を有するライナー2740を示している。クリンプ、プリーツ、または折り目等の存在は、面を互いに不一致または不均一にすることができ、それら面が互いに密着してライナー内に液体が閉じ込められるのを防止する。
【0088】
さらに、ライナー2700は、内部空洞部内から液体を分配する能力を補助するように成形されてもよい。ライナー2700の形状も、つぶれる間におけるライナー2700の皺を低減し得る。低減しなければ、皺の線の箇所で粒子が発生し、これにより、ライナー内の液体が汚染されることになり得る。同様に、ライナー2700の構成は、気泡が閉じ込められる場所の数を減少または最小限化することができる。ライナー2700は、口部2706付近に傾斜した部分も含み得り、そのような傾斜した部分は分配開始時に上部にできた空間のガスを円滑に除去するのを補助し得る。
【0089】
1つの実施形態では、概ね未充填状態または平らな状態のライナーの幅が、ライナーが挿入され得るオーバーパックの直径より大きくなり得るように、ライナーが構成されてもよい。1つの実施形態では、ライナーは比較的厚くてもよく、例えば約0.1から約1ミリメートル、また好ましくは、約0.15から約0.3ミリメートル、またさらに好ましくは、約0.25ミリメートルの厚さであってもよい。このライナーはオーバーパックとともに使用される典型的なライナーより厚い場合があるので、ライナーは、オーバーパックの内部との接触に起因して曲がる可能性がある。そのような曲がりは、折られた領域を形成し、この領域は浸漬管の補助がなくてもライナーの内容物を圧力分配する間にチョークオフを防止するのを補助し得る。別の実施形態では、浸漬管は、さらにチョークオフを防ぐために使用され得る。
【0090】
図28Aは、オーバーパックまたは外容器2800内のライナー2700を図示している。1つの実施形態では、例えば輸送中に、衝撃を低減することでピンホール及び溶接割れの発生を減少させるために、口部2706またはキャップ2708またはライナー2700は、オーバーパック2800のコネクタ2802に取り付けられてもよい。これにより、ライナー2700がオーバーパック2800内での移動において変動性を有するので、衝撃絶縁または吸収がもたらされる。図28Aに示されるように、1つの実施形態では、ライナー2700は、テザー2802またはフレキシブルチューブによりコネクタ2802に取り付けられてもよい。テザー2806は、ライナーからオーバーパックまでのコネクションをよりフレキシブルにし得る。さらにテザー2806は伸縮自在で、ライナー2700の移動により膨張及び収縮してもよい。あるいは、図28Aにも示され、さらに、図28Bにも拡大して示されるように、ライナー2700は、蛇腹2804によりコネクタ2802に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、蛇腹2804とコネクタ2802とを操作可能に接続している保持部2080により蛇腹2804は取り付けられてもよい。保持部2808は、既存とオーバーパックと協働するようなサイズ及び形状を有してもよい。これにより、蛇腹2804を含む本開示の実施形態を使用するのに新たなオーバーパック/コネクタは必要なくなることになる。蛇腹2804は、ライナー2700の溶接にかかるストレスをさらに軽減し得る。理解されるように、蛇腹2804は、長さが伸びて、ライナーの取り付けに柔軟性をもたらす。
【0091】
いくつかの実施形態では、図29A及び29Bに示されるように、2Dライナーが3D容器を確立して、ライナーにおける折り目または皺を低減することで、ライナーの角部に閉じ込められ得るガスを削減するように、2D溶接ライナーは、一般的に、ライナーの角部に溶接部を有していてもよい。図29Aに示されるように、例えば、枕型ライナー2900は、例えば、ライナー2900が膨張して直角の角部がなくなるように、ライナーの角部2902の領域に複数の溶接部を有していてもよい。図29Bにて分かるように、円筒形状容器内にフィットしてライナーにおける折り目または皺を減らすことにより、ライナーの角部に閉じ込められ得るガスを削減する3D円筒形状ライナーを形成するために、枕型ライナー2900の角部が、例えば、溶接線2906を使用する等して除去される。
【0092】
剛性で折り畳み可能なライナーに関連して上述した実施形態と同様に、本開示のフレキシブルライナーは、いくつかの実施形態において、図4に示された、上述されたようなサンプを含んでもよい。
【0093】
本開示のフレキシブルライナーは、図16−22Bに示され、上述されるように、折り目または代わりに溶接線も含み得る。
本開示のいくつかの実施形態では、フレキシブルな襠付きまたは襠無しライナーは、ライナー壁の厚さ、ライナーに使用される材料、及び任意の襠付き縁部のデザインに応じて、90%を超える分配能力、望ましくは、97%を超える分配能力、さらに望ましくは、最大99.9%の分配能力を得ることが可能である。
【0094】
ライナー2700は、例えば溶接、ヒートシール等のような、あらゆる適切な製造プロセスを使用して製造され得る。図27A及び27Bを参照すると、ライナー2700を製造するための1つの実施形態は、第1パネル2730、第2パネル2732、及び第3の襠付きパネル2733をそれらの縁部に沿って溶接して、概ね枕状のライナーを形成することを含み得り、この枕状ライナーでは、第1及び第2パネルが正面及び背面をそれぞれ形成し、第3パネルがライナー2700の底部端に襠付き縁部2720を形成する。口部またはフィットメントポート2706は、ライナー2700の上縁部に沿って第1及び第2パネルに溶接または接合されてもよい。
【0095】
使用においては、ライナー2700には、例えば、酸、溶剤、基剤、フォトレジスト、ドーパント、無機物、有機物、または生物の液体、調合薬、または放射性化学薬品等の超高純度の液体が充填または収容される。ライナー2700には、例えば、ソフトドリンク、食用油、農薬、健康及び口腔衛生用品、及びトイレタリー用品等であって、これらに限定されない他の製品が充填されてよいことも認識される。必要に応じて、内容物は圧力下で密封されてもよい。ライナー2700の内容物を分配することが望まれる場合、内容物は、ライナーの口部2706を通じて取り出されてもよく、ライナー2700は、内容物が空になると実質的に平らに折り畳まれてもよい。自立フレキシブルライナーを含むいくつかの実施形態では、ライナーは、いくつかの実施形態におけるオーバーパックなしで出荷されてもよい。ライナーの内容物を分配するために、このライナーは受取側設備にて加圧容器内に入れられてもよい。
【0096】
1つの実施形態では、ライナー2700に保管された液体を分配するために、ライナー2700は、例えば、図24Aに図示されるキャニスター2400等の分配キャニスター内に置かれ、上述された方法と実質的に同様の方法で分配されてもよい。特に、ガス入口は、キャニスターへガスを導入するために使用されてもよく、これによりライナー2700がつぶれ、キャニスター2700内部のライナー2700内に保管された液体が液体出口を通じて圧力分配される。さらに、先に記載されたように、一般的に、出口液体圧力は、入口ガス圧力の関数であってもよい。一般的に、もし入口ガス圧力が一定のままである場合、分配プロセスにおいては出口液体圧力も概ね一定となり得るものの、容器が空に近づくにつれて、分配が終わりに近くなると出口液体圧力は減少し得る。ライナーからの流体のそのような分配を制御する手段は、例えば、2007年2月6日に発行され、“Liquid Dispensing System”と題された米国特許第7,172,096号、及び2007年6月11日を国際出願日とする“Liquid Dispensing Systems Encompassing Gas Removal”と題されたPCT出願第PCT/US07/70911号に記載されており、これらの各々は、参照によって既に援用されている。
【0097】
入口ガス圧力が一般に一定に保たれる実施形態では、PCT出願第PCT/US07/70911号に詳細にさらに記載されているように、出口液体圧力を監視することができる。容器またはライナーが空に近づくにつれて、出口液体圧力は減少または下降する。容器が空に近いことを示す手段として出口液体圧力のそのような減少または下降を検出または感知することを使用することができ、これにより、下降空状態検出と称され得るものが提供される。
【0098】
しかしながら、いくつかの実施形態では、分配プロセス全体にわたって出口液体圧力が実質的に一定になるように、出口液体圧力を制御することが望ましくなり得る。いくつかの実施形態では、出口液体圧力を実質的に一定に保持するために、入口ガス圧力及び出口液体圧力を監視してもよく、そして液体出口圧力を一定に保持するために、入口ガス圧力を制御及び/または放出してもよい。例えば、ライナーが空近くであるときを除いて、分配プロセスの間に必要な入口ガス圧力は、比較的完全に充填されたライナーの特性により、比較的低くてもよい。一定の出口圧力でさらに液体を分配するためには、ライナーが空に近づくにつれて、より高い入口ガス圧力が一般に必要となり得る。したがって、図24Bにて分かるように、出口液体分配圧力は、入口ガス圧力を制御することによって、分配プロセスの全体にわたり、実質的に一定に保持され得る。図24Bは、ライナーが分配完了に近づくにつれて、入口ガス圧力が増大することを示している。
【0099】
分配プロセスのある時点では、図24Bのグラフ2480にて示されるように、ライナーを空にするのに必要な入口ガス圧力の量は迅速に比較的高くなり得る。いくつかの実施形態では、空検出機構を提供するために、上昇する入口ガス圧力を分配プロセス全体にわたって監視することが用いられてもよい。例えば、1つの実施形態では、入口ガス圧力を監視してもよく、そして、入力圧力があるレベルに達したときに、ライナーが空になり、分配プロセスが完了したと判定してもよい。このような空検出機構は、時間及びエネルギー、ひいては、費用を節約するのを補助し得る。
<チョークオフ>
上述したように、チョークオフとは、一般的に、ライナーが締まり、最終的にライナー自体またはライナーの内部構造がつぶれて、かなりの量の液体よりも上に位置するチョーク位置が形成されるときに生じるものとして記載され得る。チョークオフが生じると、ライナー内に配置された液体の完全な利用が阻害される。例えばマイクロ電子デバイス製品の製造等のような工業プロセスで利用される特殊な化学試薬は非常に高価となり得るため、液体の完全な利用が阻害されることは著しい問題である。チョークオフを防止または処置する様々な方法が、2008年1月30日を国際出願日とし、“Prevention Of Liner Choke−off In Liner−based Pressure Dispensation System”と題されたPCT出願第PCT/US08/52506号に記載されており、ここで、その全体が参照によって本明細書に援用される。チョークオフ防止手段のいくつかのさらなるシステム及び方法が本明細書に提供されている。いくつかのチョークオフシステム及び方法は、剛性で折り畳み可能なライナーに適用してもよい一方、他の方法は、フレキシブルライナーに適用してもよく、またさらに他の方法は、本明細書に開示された任意の種類のライナー、またはさもなければ周知技術に適用してもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、図30A及び30Bに示されるように、ライナー内部にチャネル挿入物を設けることによりチョークオフが排除または低減されてもよい。示され、説明されたチャネル挿入物とともに、他の適切な実施形態のチャネル挿入物を提供することにより、ライナーがそれ自体の上につぶれてしまうのを防止することを補助してもよい。壁が互いに完全に接触するのを防止する通路をチャネルが形成するので、ライナーから流出する流体の開口を提供することができる。そうでなければ流体は閉じ込められてしまうであろう。チャネル挿入物3014は、コネクタ3012と一体であってもよく、既に述べたように、このコネクタ3012はライナー3010の口部3006内に位置決めされていてもよい。他の実施形態では、チャネル挿入物3014は、取り外し可能にコネクタ3012に固定されてもよい。チャンネル挿入物3014は、いくつかの実施形態では、概ねU字形状の断面を有してもよい。しかしながら、他の実施形態では、チャネル挿入物が、一般的に、V形状の、またはジグザグな、または湾曲した、または他の任意の適切な断面形状である断面を有してもよく、このような断面がバリアを形成して壁が互いに完全に接触するのを防ぎ、そうでなければ閉じ込められてしまうであろう流体をコネクタ3012に流すことを可能にすることが認識される。図30A及び30Bに示されるチャネル挿入物は、2つのチャネルを含んでいるものの、単一のチャネルを含み、単一のチャネルに限定されない、他の任意の適切な数のチャネルが本開示の精神及び範囲の範疇であることは当業者により理解されるであろう。チャネルは、例えば、限定ではないが、ライナー下方向の約2/3、ライナー下方向の約1/2、ライナー下方向の約1/3、または他の適切な距離といった、チョークオフの影響を改善するのに十分な任意の距離でライナー内を下ってもよい。その距離は、いくつかの実施形態では、ライナーの形状、及び/またはチョークオフ領域となる可能性が高いライナーの1つ以上の領域の形状に依存し得る。1つの実施形態では、比較的短いチャネル挿入物を使用することの利点は、比較的短いチャネル挿入物がライナーのつぶれをあまり干渉しないことにより、ライナーからの流体の分配が著しく妨害されない可能性があるということである。
【0101】
加圧分配を使用してライナーから材料を分配する間にチョークオフを防ぐ別の実施形態では、中空球形状をした1つ以上の高純度ポリマー構造が、チョークオフを防ぎ、分配を向上するためにライナーの内部に溶接されてもよい。構造が中空となり得るので、ライナーの内容物は中空球のライナーを通って流れ続ける可能性があり、これにより完全なチョークオフが防がれる。
【0102】
他の実施形態では、ライナーの内容物を分配するのを補助するために重力が利用されてもよい。図31に示されるように、ライナー3102は、オーバーパック3106内に挿入されてもよい。ライナーは、供給チューブを有してもよく、このチューブは、いくつかの実施形態では、例えば、任意の適切なプラスチック、または他の材料、または材料の組み合わせで作られる剛性の供給チューブ3108であってもよい。ライナーは、ライナーが充填されるとき、ライナー3104の供給チューブ端がオーバーパックの底部に位置し、ライナー3112の閉端がオーバーパック3106の上部の方向に位置するように、オーバーパック3106内に配置されてもよい。供給チューブ3108は、ライナー3104の供給チューブ端からオーバーパック3106の口部3110まで、この口部を通じて延在してもよい。分配が開始されると、ライナーの内容物は、ライナー3112の底部からまず流出することになる。例えば、圧力またはポンプにより分配する間、ライナー3102内の液体は、分配チューブ3108の方へ下降することになる。液体を閉じ込め得る皺または折り目を生じることなく、重力により、液体は、分配チューブ3108を通じて分配され得る。
【0103】
別の実施形態では、ライナー及びオーバーパックのシステムは、オーバーパックとライナーとの間の領域の中へライナーの内容物よりも重い液体をポンプで送り込むことを含む分配方法を使用してもよい。ライナー外側のより重い液体により発生したライナーの内容物の浮力がライナーを持ち上げて、ライナーの底部をつぶし、これにより分配プロセスが補助され得る。
【0104】
さらに別の実施形態では、図32に見えるように、ライナー3204は、オーバーパック3202内に挿入されてもよい。オーバーパック3202は、1つ以上のブラダー3206を収容してもよい。ブラダー3206は、いくつかの実施形態では、エラストマー材料で作られていてもよい一方、他の実施形態では、ブラダー3206は、任意の適切な材料で作られてもよい。ブラダー3206は、ブラダーが膨張するときに、ブラダーがライナーを押してライナーを一様につぶれさせるように、例えば、ポンプにより膨張されてもよい。いくつかの実施形態では、ブラダー3206は、概ね螺旋状に膨張して、ライナーの内容物を押し出すブラダーのようなサーペンタインであってもよい。他の実施形態では、ブラダー3206は、ブラダーが実質的に同じ割合で膨張することを確実にするために、弾性のあるまたはスプリングのような装置に連結されてもよい。
【0105】
図33に示された別の実施形態では、ライナー3304は、弾性のバルーン状材料で構成されるオーバーパック3302内に置かれてもよい。比較的少量の潤滑流体3306、例えば、水、または生理食塩水、または他の任意の適切な液体が、オーバーパック3302の壁とライナー3304の壁との間に含まれてもよい。例えば、ポンプでの分配が開始されると、弾性のオーバーパック壁は、実質的に均一につぶれることになり、ライナーに皺または折り目が形成されるのを最小限にするのを補助する。
【0106】
図34に示された別の実施形態では、ライナー3403は、オーバーパック3402内に懸架されてもよい。ライナーは、例えばフックまたは任意の他の接続手段3406等のあらゆる適切な手段によっても懸架されてもよい。ライナー3404の上部を複数の箇所でオーバーパック3402の上部に固定することにより、ライナーの側部がどの程度つぶれ得るのかを制限してもよい。ライナーは、1、2、3、または4箇所以上を含む任意の数の箇所で懸架されてもよい。
【0107】
別の実施形態では、ライナー内部の表面は、図35A及び35Bに示されるようなテクスチャード加工面3502で構成されてもよい。ライナーの側部がそれ自体の上につぶれた領域を通じて液体が流れ続けることができる可能性があることにより分配能力が高まるように、ライナーがつぶれたときに、分配チャネル3506がライナーのテクスチャード加工面3502の間に形成されてもよい。
【0108】
さらに別の実施形態では、図36に示されるように、ライナー3602は、ライナーの液状内容物が分配されるときに、ライナーが折り目に沿って捩れることで分配能力が高まるように、十字状に形成された複数の折り目を備えてもよい。折り目の数は、任意の適切な数であってよい。
【0109】
別の実施形態では、図37A及び37Bで示されるように、ライナー3702は、分配が開始されたときに、ライナー3702のつぶれる箇所を調整するのを補助し得る外部エラストマーメッシュ3704を備えてもよい。図37Aに見えるように、1つの実施形態では、ライナーがポンプによる分配または圧力による分配のいずれかにさらされると、ライナー3702上のエラストマーメッシュ3704の力は、分配動作により印加される圧力により、異なる複数の箇所3706にて、インナー3702を内方向につぶし得る。単純に内方向に引っ張られる部分3706は、ライナーの内方向に移動しない部分3708をさらに伸ばし得る。ライナーの伸びた部分が緩んだ状態3710に戻ることにより、ライナー3702は、自然に再びつり合った状態3710になることになる。分配開始時のライナー3702のそのような動きは、ライナー3702の内容物がより迅速に、そして/またはより完全に分配されるのを補助し得る。図37Bは、分配中に圧力が加えられるとライナー3712が実質的に均一に拡張した状態3718及び収縮した状態になり得るエラストマーメッシュ3716を使用するライナー3712の別の実施形態を示す。
【0110】
さらに別の実施形態では、図38A及び38Bに見えるように、分配開始に伴いライナーのつぶれを方向付けてチョークオフを防ぐのを補助するために、形状記憶ポリマーが使用されてもよい。例えば、形状記憶ポリマーは、ライナー3800の少なくとも1つの側部として使用されるか、またはライナーの少なくとも1つの側部に取り付けられてもよい。メモリ形状は、いくつかの実施形態では、例えば、ストリップ3802、3804、3806の形状でライナーに適用されてもよい。ストリップ3802、3804、3806は、例えば、剛性のスペーサー3814、3816、3818により分離されたままであってもよい。図38Bに示されるように、分配が開始されると、形状記憶ポリマー3820は、ユーザーがパーティーホイッスルを吹くとパーティホイッスルが丸まるのに非常に似たように、ライナー3800を巻きつかせてもよい。
【0111】
図39Aに示される別の実施形態では、分配時にライナーの形状を制御して、例えば、チョークオフを防ぐのを補助するために、ホバーマン球体に似た外部フレームワークが使用されてもよい。ホバーマン球体は、その継ぎ目のはさみのような動作により、小さなその標準サイズまで折り畳むことができる。そのようなフレームワーク3906は、ライナー3902がチョークオフを回避する所定の方法でつぶれるのを補助し得る。図39Bに見えるように、フレームワーク3906の各格子3908は、格子3908のアーム3912が互いに近づいたり離れたりするのを可能にするピボット3910を備えてもよい。フレームワーク3906では、ホバーマン球体のように分配中につぶれを方向付けるために、格子は全て一緒に動いてもよい。いくつかの実施形態では、フレキシブルテザーも使用されてもよい。
【0112】
図40は、チョークオフを制限または排除するのを補助し得るライナー4002の別の実施形態を示す。見えるように、ライナー4002は、複数の相互接続されたチューブを備えてもよい。ライナーの内容物がチューブ4004間を自由に流れることを可能にするような方法でチューブ4004は接続されてもよい。いくつかの実施形態では、ライナー4200の内壁は、分配中に膨張し得るエラストマーで構成されていてもよい。図示されるように、ライナー4002の中心は中空でもよい。いくつかの実施形態では、分配中にライナー4002に加えられた圧力は、中心中空チューブ4002の変形を防いでもよく、これにより、ライナー4002をつぶれ及びチョークオフから安定させるのを補助する。
【0113】
図41A及び41Bに示される別の実施形態では、摺動ポイントレール4108がライナー4102の側部の部分をオーバーパック4104に固定するために使用されてもよく、これにより、分配中にライナー4102がそれ自体の中へつぶれてしまうのを防止する。図41Bは、側方と上方とから見た場合の摺動ポイントレールを示す。ライナー4102には、オーバーパック4104のレール4108内のチャネル内に嵌る突起があってもよい。ライナー内容物が分配されるときに、ライナー4102は、上向きに押されてもよいものの、ライナー4102の壁は、オーバーパック4104の壁に取り付けられたままであってもよい。
【0114】
図42に見ることができるように、チョークオフを制限または排除するのを補助する別の実施形態は、一体化されたピストンを含んでもよい。そのような実施形態では、ライナー4202は、ライナーの側面より高い剛性となり得る底部4206を含んでもよい。したがって、ライナー4206の底部4206の剛性がピストンとして作用して壁を離れた状態に保ち得るので、ライナー壁が、分配時に、互いに向かってつぶれるのを防止し得る。
【0115】
本発明を好ましい実施形態を参照しつつ説明したが、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において変更が行われ得ることを認識するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライナーを基本とした保管システムであって、
オーバーパックと、
前記オーバーパック内に設けられたライナーであって、前記ライナーは、前記ライナーの内部空洞を形成する実質的に剛性のライナー壁を備え、前記剛性のライナー壁は、前記ライナーが、膨張した状態で実質的に自立しながらも、前記内部空洞内から流体を分配するための約20psi未満の圧力で折り畳み可能である厚さを有する、ライナーと
を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項2】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記実質的に剛性のライナー壁は、前記ライナーを最初の膨張した状態からつぶし、前記つぶれたライナーを前記オーバーパック内に置き、前記オーバーパック内に置かれたときに前記ライナーを実質的に前記ライナーの最初の膨張した状態に膨張させることにより前記ライナーが前記オーバーパック内に配設されるように、少なくとも1回のつぶれ及び膨張に耐え得る、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項3】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、ブロー成形されている、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項4】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、溶接されている、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項5】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナー壁のつぶれるパターンを制御するために、前記実質的に剛性のライナー壁に1つ以上の折り目または凹み目を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項6】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナーのランダムなつぶれを防止するために、前記実質的に剛性のライナー壁に1つ以上の折り目または凹み目を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項7】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナーが所定のパターンでつぶれるように、前記実質的に剛性のライナー壁に1つ以上の折り目または凹み目を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項8】
請求項5に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記実質的に剛性のライナー壁における前記1つ以上の折り目または凹み目は、前記つぶれパターンを制御して、前記内部空洞内から流体を分配するためのチャネルを前記内部空洞内に設け、チョークオフを実質的に排除する、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項9】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、浸漬管を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項10】
請求項9に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
さらに、
分配能力を高めるために、サンプエリアを一般的に前記ライナーの底部に備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項11】
請求項9に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記流体は、ポンプを利用して前記内部空洞から分配される、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項12】
請求項9に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記流体は、圧力の支援を利用して前記内部空洞から分配される、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項13】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成されている、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項14】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、さらに、チョークオフ防止手段を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項15】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナー壁は、金属で構成されている、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項16】
ライナーであって、
前記ライナーの前方パネルと後方パネルとを形成するために溶接された第1のパネルと第2のパネルとを備え、前記第1及び第2のパネルは、0.15mmから3mm厚の間の厚さを有し、前記内部空洞は、複数の実質的に丸い角部を備える、ライナー。
【請求項17】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、
分配能力を高めるために、サンプエリアを一般的に前記ライナーの底部に備える、ライナー。
【請求項18】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、
バリア増強材料の層を備える、ライナー。
【請求項19】
請求項16に記載のライナーであって、
前記ライナーが膨張した状態で実質的に自立するような厚みを有する、ライナー。
【請求項20】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、
前記サンプ空洞内に延在する浸漬管を備える、ライナー。
【請求項21】
請求項20に記載のライナーであって、
流体が前記内部空洞内からポンプ分配される、ライナー。
【請求項22】
請求項21に記載のライナーであって、
圧力により支援されるポンプ分配を利用して流体が分配される、ライナー。
【請求項23】
請求項16に記載のライナーであって、
前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナー壁のつぶれパターンを所定の方法で制御する1つ以上の折り目または凹み目を前記ライナー壁に備える、ライナー。
【請求項24】
請求項16に記載のライナーであって、
オーバーパックまたは圧力容器に収容される、ライナー。
【請求項25】
請求項24に記載のライナーであって、
前記オーバーパックと前記ライナーとの間に圧力を加えることにより前記内部空洞内から流体が分配される、ライナー。
【請求項26】
請求項18に記載のライナーであって、前記ライナー壁は、金属で構成されている、ライナー。
【請求項27】
請求項16に記載のライナーであって、前記ライナー壁は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成されている、ライナー。
【請求項28】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、チョークオフ防止手段を備える、ライナー。
【請求項29】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、
襠付きパネルを形成するために前記第1及び第2のパネルに溶接された第3のパネルを備え、前記ライナーが空であるときには、前記第1、第2、及び第3のパネルは、実質的に平らに折り重なり、前記ライナーが充填されたときには、前記襠付きパネルは膨張し、前記第1、第2、及び第3のパネルは内部空洞を形成する、ライナー。
【請求項30】
高純度材料を半導体プロセスに供給する方法であって、
内部に前記高純度材料が収容された実質的に剛性の自立容器を提供することであって、前記容器は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成される容器壁と、前記内部にある浸漬管であって、前記浸漬管から前記高純度材料を分配するための浸漬管とを有する、実質的に剛性の自立容器を提供することと、
下流半導体プロセスに前記浸漬管を連結することと、
前記浸漬管を介して前記容器から前記高純度材料を分配し、前記下流半導体プロセスに前記高純度材料を供給することと
を備える方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、
前記高純度材料は、ポンプを利用する前記浸漬管を介して分配される、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、
前記容器は、前記ポンプからの真空下で折り畳み可能である、方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、
前記容器は、チョークオフ防止手段を備える、方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法であって、
前記容器壁は、金属で構成される、方法。
【請求項35】
請求項30に記載の方法であって、
前記容器壁は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成される、方法。
【請求項36】
ライナーであって、
前記ライナーの内部空洞を形成するライナー壁であって、前記ライナー壁は約0.5mmから約3mmの間の厚さを有する、ライナー壁を備える、ライナー。
【請求項37】
請求項36に記載のライナーであって、
前記ライナー壁は、実質的に剛性で、前記ライナーが膨張した状態で前記ライナーが実質的に自立するものの、前記内部空洞内から流体を分配するための約20psi未満の圧力で前記ライナーがつぶれることが可能である厚さを有する、ライナー。
【請求項38】
請求項36に記載のライナーであって、
前記ライナー壁は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成される、ライナー。
【請求項39】
請求項36に記載のライナーであって、
さらに、
バリア増強材料の層を備える、ライナー。
【請求項40】
請求項36に記載のライナーであって、
前記ライナーは、前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナーのランダムなつぶれを防止するために、前記ライナー壁に1つ以上の折り目または凹み目を備える、ライナー。
【請求項1】
ライナーを基本とした保管システムであって、
オーバーパックと、
前記オーバーパック内に設けられたライナーであって、前記ライナーは、前記ライナーの内部空洞を形成する実質的に剛性のライナー壁を備え、前記剛性のライナー壁は、前記ライナーが、膨張した状態で実質的に自立しながらも、前記内部空洞内から流体を分配するための約20psi未満の圧力で折り畳み可能である厚さを有する、ライナーと
を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項2】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記実質的に剛性のライナー壁は、前記ライナーを最初の膨張した状態からつぶし、前記つぶれたライナーを前記オーバーパック内に置き、前記オーバーパック内に置かれたときに前記ライナーを実質的に前記ライナーの最初の膨張した状態に膨張させることにより前記ライナーが前記オーバーパック内に配設されるように、少なくとも1回のつぶれ及び膨張に耐え得る、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項3】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、ブロー成形されている、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項4】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、溶接されている、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項5】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナー壁のつぶれるパターンを制御するために、前記実質的に剛性のライナー壁に1つ以上の折り目または凹み目を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項6】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナーのランダムなつぶれを防止するために、前記実質的に剛性のライナー壁に1つ以上の折り目または凹み目を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項7】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナーが所定のパターンでつぶれるように、前記実質的に剛性のライナー壁に1つ以上の折り目または凹み目を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項8】
請求項5に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記実質的に剛性のライナー壁における前記1つ以上の折り目または凹み目は、前記つぶれパターンを制御して、前記内部空洞内から流体を分配するためのチャネルを前記内部空洞内に設け、チョークオフを実質的に排除する、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項9】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、浸漬管を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項10】
請求項9に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
さらに、
分配能力を高めるために、サンプエリアを一般的に前記ライナーの底部に備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項11】
請求項9に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記流体は、ポンプを利用して前記内部空洞から分配される、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項12】
請求項9に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記流体は、圧力の支援を利用して前記内部空洞から分配される、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項13】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成されている、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項14】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナーは、さらに、チョークオフ防止手段を備える、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項15】
請求項1に記載のライナーを基本とした保管システムであって、
前記ライナー壁は、金属で構成されている、ライナーを基本とした保管システム。
【請求項16】
ライナーであって、
前記ライナーの前方パネルと後方パネルとを形成するために溶接された第1のパネルと第2のパネルとを備え、前記第1及び第2のパネルは、0.15mmから3mm厚の間の厚さを有し、前記内部空洞は、複数の実質的に丸い角部を備える、ライナー。
【請求項17】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、
分配能力を高めるために、サンプエリアを一般的に前記ライナーの底部に備える、ライナー。
【請求項18】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、
バリア増強材料の層を備える、ライナー。
【請求項19】
請求項16に記載のライナーであって、
前記ライナーが膨張した状態で実質的に自立するような厚みを有する、ライナー。
【請求項20】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、
前記サンプ空洞内に延在する浸漬管を備える、ライナー。
【請求項21】
請求項20に記載のライナーであって、
流体が前記内部空洞内からポンプ分配される、ライナー。
【請求項22】
請求項21に記載のライナーであって、
圧力により支援されるポンプ分配を利用して流体が分配される、ライナー。
【請求項23】
請求項16に記載のライナーであって、
前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナー壁のつぶれパターンを所定の方法で制御する1つ以上の折り目または凹み目を前記ライナー壁に備える、ライナー。
【請求項24】
請求項16に記載のライナーであって、
オーバーパックまたは圧力容器に収容される、ライナー。
【請求項25】
請求項24に記載のライナーであって、
前記オーバーパックと前記ライナーとの間に圧力を加えることにより前記内部空洞内から流体が分配される、ライナー。
【請求項26】
請求項18に記載のライナーであって、前記ライナー壁は、金属で構成されている、ライナー。
【請求項27】
請求項16に記載のライナーであって、前記ライナー壁は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成されている、ライナー。
【請求項28】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、チョークオフ防止手段を備える、ライナー。
【請求項29】
請求項16に記載のライナーであって、
さらに、
襠付きパネルを形成するために前記第1及び第2のパネルに溶接された第3のパネルを備え、前記ライナーが空であるときには、前記第1、第2、及び第3のパネルは、実質的に平らに折り重なり、前記ライナーが充填されたときには、前記襠付きパネルは膨張し、前記第1、第2、及び第3のパネルは内部空洞を形成する、ライナー。
【請求項30】
高純度材料を半導体プロセスに供給する方法であって、
内部に前記高純度材料が収容された実質的に剛性の自立容器を提供することであって、前記容器は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成される容器壁と、前記内部にある浸漬管であって、前記浸漬管から前記高純度材料を分配するための浸漬管とを有する、実質的に剛性の自立容器を提供することと、
下流半導体プロセスに前記浸漬管を連結することと、
前記浸漬管を介して前記容器から前記高純度材料を分配し、前記下流半導体プロセスに前記高純度材料を供給することと
を備える方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法であって、
前記高純度材料は、ポンプを利用する前記浸漬管を介して分配される、方法。
【請求項32】
請求項31に記載の方法であって、
前記容器は、前記ポンプからの真空下で折り畳み可能である、方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法であって、
前記容器は、チョークオフ防止手段を備える、方法。
【請求項34】
請求項30に記載の方法であって、
前記容器壁は、金属で構成される、方法。
【請求項35】
請求項30に記載の方法であって、
前記容器壁は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成される、方法。
【請求項36】
ライナーであって、
前記ライナーの内部空洞を形成するライナー壁であって、前記ライナー壁は約0.5mmから約3mmの間の厚さを有する、ライナー壁を備える、ライナー。
【請求項37】
請求項36に記載のライナーであって、
前記ライナー壁は、実質的に剛性で、前記ライナーが膨張した状態で前記ライナーが実質的に自立するものの、前記内部空洞内から流体を分配するための約20psi未満の圧力で前記ライナーがつぶれることが可能である厚さを有する、ライナー。
【請求項38】
請求項36に記載のライナーであって、
前記ライナー壁は、ポリエチレンナフタレート(PEN)で構成される、ライナー。
【請求項39】
請求項36に記載のライナーであって、
さらに、
バリア増強材料の層を備える、ライナー。
【請求項40】
請求項36に記載のライナーであって、
前記ライナーは、前記内部空洞内から流体を分配する間、前記ライナーのランダムなつぶれを防止するために、前記ライナー壁に1つ以上の折り目または凹み目を備える、ライナー。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21A−21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図23D】
【図23E】
【図24A】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37A】
【図37B】
【図38A】
【図38B】
【図39A】
【図39B】
【図40】
【図41A】
【図2】
【図24B】
【図41B】
【図42】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図7D】
【図7E】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図15】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21A−21B】
【図22A】
【図22B】
【図23A】
【図23B】
【図23C】
【図23D】
【図23E】
【図24A】
【図25】
【図26A】
【図26B】
【図26C】
【図26D】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28A】
【図28B】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図37A】
【図37B】
【図38A】
【図38B】
【図39A】
【図39B】
【図40】
【図41A】
【図2】
【図24B】
【図41B】
【図42】
【公表番号】特表2012−532807(P2012−532807A)
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−519793(P2012−519793)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/041629
【国際公開番号】WO2011/006146
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/041629
【国際公開番号】WO2011/006146
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(599006351)アドバンスド テクノロジー マテリアルズ,インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】
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