説明

宣伝手段を持つカートン

ヨーグルトの瓶などの、複数の物品を収容するためのカートンであって、カートンは、頂壁、側壁および底壁を形成するための複数の主要パネル(428、416、429、430)を含む。カートンは、頂壁、側壁および底壁のうちの少なくとも1つの壁(416)から形成される成形パネル(418)をさらに備える。成形パネル(418)は、1つの壁(416)から切り取られる第1の開口(420)の一部および1つの壁の端縁(426)の間に形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を収容するためのカートン、具体的には、カートンの宣伝効果を高める成形パネルが提供されているカートンに関する。
【背景技術】
【0002】
収容することを意図している物品を入れる場所があるよう成形される開口を有するカートンを提供することが知られており、特許文献1および特許文献2はこれの実例である。
【0003】
飲料および食品容器などの多数の物品を梱包するためのカートンはしばしば、高品質な紙板から形成されており、カートンに印刷されている広告を有するカートンを提供するのに必要な、図形の印刷可能な表面を有する。材料の最少量から組み立てられるカートンを使用するとき、図形などの印刷のために利用できる表面積は減少される場合がある。同様に、カートンを組み立てる際に品質の低い紙板の材料を使用する場合、カートンの外部表面は、図形が印刷可能とならず、質が悪くなる可能性がある。したがって、広告およびマーケティングの材料を組み込む他の手段を有するカートンを提供することが望ましい。
【特許文献1】英国特許第2346602号明細書
【特許文献2】英国特許第1481559号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の第1の態様では、ヨーグルトの瓶などの複数の物品を収容するためのカートンを提供し、前記カートンは、前記カートンの頂壁、側壁、および底壁を形成するための複数の主要パネルを備え、前記カートンは、前記カートンの壁の少なくとも1つから切り取られる成形パネルをさらに備え、前記形成パネルは、前記1つのカートンの壁から切り取られる第1の開口による部分および前記1つのカートンの壁の端縁による部分で形成され、成形パネルは、見る人に対する前記カートンの視覚的な影響を高めるための手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
好ましくは、前記第1の開口は、前記カートンの側壁から完全に切り取られ、また略垂直に直線状の端は、利用者が前記成形パネルを見分けることができる視点を提供する、頂壁と底壁との間に広がる略垂直に直線状の端による一部で形成される。
【0006】
好ましくは、前記1つのカートンの壁の前記端縁は、前記形成パネルの第1の端を形成するような外形とされる。
【0007】
好ましくは、第1の開口は、前記成形パネルの第2の端を形成する輪郭を示す端による部分で形成される。
【0008】
好ましくは、前記成形パネルは、前記1つのカートンの壁の物品の特長を模倣するために、前記カートン内に収容される物品の外形と同様に成形される。
【0009】
好ましくは、前記成形パネルは、オブジェクトの図形的表示を含み/示し、また前記オブジェクトの外形の少なくとも一部は、前記第1の開口および切れ目のうちの1つまたは両方により形成される。
【0010】
好ましくは、前記第1の開口および前記端縁は、互いから離間された状態で配置され、前記形成パネルが前記1つの壁と一体になる状態を保つように交差しない。
【0011】
好ましくは、前記成形パネルは、前記カートンに表示されるべきメッセージを見る人に対して前記視覚的な影響を高めるように成形される。
【0012】
好ましくは、表示されるべき前記メッセージは、前記カートンの中身の質を示してもよく、前記質は、例えば、前記中身によって提供される健康上の利点である。
【0013】
好ましくは、前記成形パネルは、前記カートンに表示される商標または商号の知名度をさらに高めるように成形される。
【0014】
以下に添付する図面を参照した上で、本発明の5つの典型的な実施例を説明するが、これら実施例は例示にすぎない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の第1の実施態様を図1に示す。図1は、巻き付け形のカートンの側面パネルなどのカートンの主要パネルを形成するパネル10を示す。図6は、図5に示す第5の実施態様の主要パネル10を備える巻き付け形のカートン450を示し、主要パネル10は、巻き付け形のカートン450の側面パネルを形成する。主要パネル10は、図1に見られるように、垂直に細長く、紙板、またはプラスチックシートもしくは同等物などの他の折畳み可能なシート材料から形成する。図1〜図6に示す実施態様では、主要パネル10は、食品(例えば、ヨーグルト、プディング菓子、果実製品、野菜製品または肉製品など)の瓶、飲料容器(例えば、缶、瓶、カートン、コップ、ガラス製品など)、包装された、またはパッケージ化された乾燥葉(例えば、ティーバッグ、葉巻、たばこなど)、包装されたキャンディーまたは同等物などのパッケージ化された物品のためのカートン450の一部を形成するよう設計されている。
【0016】
図6は、2層に配列されている16個の物品Cを収容するカートン450を示し、それぞれの層は、2×4の列で構成される、合計8個のヨーグルトを含む。しかしながら、異なる配列での他の物品および/または異なる数の物品は、カートン450に収容してもよく、したがって、ブランクは、それに応じたサイズであってもよいことは言うまでもない。さらに、巻き付け形のカートン450が、図示される実施態様の主要パネル10、110、210、310、410が組み込まれたカートンの形態(type)を示すために表わされるが、例示にすぎない。
【0017】
図1を具体的に参照にして、主要パネル10を詳細に説明する。図2〜図6に示している、本発明の他の実施態様はそれぞれ、第1の実施態様と同様の特長を含んでいる。かかる特長は、図において同様の参照数字によって表しているが、理解しやすいように、それに続く実施態様での参照数字は、100、200、300または400を加えた数字になっている。
【0018】
主要パネル10は、組み立てられたカートンに組み入れられるとき、カートンの壁の全部を形成してもよく、または複合カートンの壁の一部だけを形成してもよい(図6に示すようなもの)。主要パネル10は、上端28および下端30を備える。組み立てられたカートンでは、上端28および下端30は、主要パネル10がカートンの側壁を提供するように、主要パネル10と、カートンの頂壁および底壁それぞれとの間のヒンジによる連結によって形成してもよいことは言うまでもない。これは、図5に示す主要パネル410が、巻き付け形のカートン450の側壁を形成し、主要パネル410が、頂壁428と底壁430との間にヒンジで連結されている図6に示す。カートン450の他の側壁429は、頂壁428と底壁430との間にヒンジで連結されている。その結果、壁410、428、429、430は、管状構造のカートン450を形成する。
【0019】
図1の主要パネル10に注目すると、成形パネル18は、パネルの残りが図形部分16を示す、主要パネル10から形成する。図1は、成形パネル18が主要パネル10から形成され、成形パネル18の外形が開口20および主要パネル10の端縁26によって部分的に形成されていることを表わす。主要パネル10の向かい合う他の端縁は、参照符号“27”で表す。主要パネル10の図形部分は、開口20と主要パネル10の他の端縁27とによって形成される。第1の開口20は、図形部分16の上側端28と下側端30との間の想像線(notional line)に沿って広がる、略垂直に直線状の端22を備えている。垂直に直線状の端22は、見る人が成形パネル18の形状を見分けることができる視点を形成するのに役立つ。
【0020】
第1の開口20はまた、第1の輪郭を示す端24によって形成され、端24はまた、成形パネル18の端を形成する。この実施態様では、成形パネル18は、サルまたは恐竜などの、漫画のキャラクターの頭を表す外形の形状を有する。成形パネル18は、端縁26によってできる第2の輪郭を示す端によってさらに形成され、端26はさらに、キャラクターの頭の部分を表すように成形する。成形パネル18は、切り端26と開口20との間の間隔および分離によって図形部分16と一体になる状態を保つ。
【0021】
図1〜図6は、成形パネル単体がカートンの一部を形成している1枚のパネルから形成されていることを表わす。図示される実施態様では、これは側壁であるが、しかしながら、代替の実施態様では、これは頂壁、底壁または端壁パネルとすることもできる。図2、図4、図5および図6は、端縁126、326、426および開口120、320、420は両方とも、組み立てられたカートンの頂壁と底壁との間に実質上広がっていることを表わす。
【0022】
図3では、輪郭を示す端244は、主要パネル210から切り取られる第2の開口240の端を形成していることが理解できる。
【0023】
図4は、端縁326および開口320の組み合わせは、下に向いている矢を表すように成形される成形パネルを形成していることを示す。対称的な形状を有する成形パネル18が形成される。
【0024】
成形パネル18を形成するために、主要パネル10の一部を取り除くことは、カートン450の中身の少なくとも一部を見るために、むき出しにする効果を有することがさらに理解されるであろう。開口および輪郭を示す端縁は、成形パネル18の質を向上させるメッセージと連携するために、カートンの中身の特定の一部がむき出しとなるように選択してもよい。
【0025】
成形パネル18は、潜在的な購入者に対して、カートンの視覚的な影響を高めるために役立つ成形パネルを形成する。成形パネルは、購入者に伝達したいメッセージを目立たせ、強調し、又はそうでなければ表現することができる。このようなメッセージは、例えばパッケージの中身が体重管理、コレステロール降下、免疫システムの強化または腸の健康上の利点などの幾つかの健康上の利点を有することを示す場合もある。このようなメッセージは、本発明のカートン内に梱包される1つ以上の物品、又は本発明のカートンの図形部分または他の部分(頂壁、底壁および側壁を含む)に印刷されている。そうでなければ、前記メッセージは、本発明のカートン内に梱包される1つ以上の物品、又は本発明のカートンの図形部分または他の部分(頂壁、底壁および側壁を含む)によって伝達されても良い。代替的には、成形パネルは、1つ以上の物品、又はカートンの図形部分若しくは他の部分に印刷又は表示される商標、商号又は漫画風の画像(cartoon image)の知名度をさらに高めるように成形される。
【0026】
図1〜図5に示す実施態様のうちのいずれも、図6に示すカートンの一部を形成してもよいことが理解されるであろう。ブランク(図示せず)からのカートン450の構造を考慮すると、好ましくは、カートン450および/またはブランクが構造を完成するために回転または反転させる必要がないので、直進機構を有する機械(straight line machine)で実施可能な、一連の逐次的な折畳み工程および接着工程が必要となる。折畳みのプロセスは、以下に説明するものに限定されず、特定の製造要件により改変することができる。カートン450が物品Cのグループの周囲に形成されることは言うまでもない。しかしながら、図6に示す巻き付け形のカートン450以外のカートンでは、カートンは物品Cを荷積みする前に管状構造に形成してもよい。
【0027】
本発明の他の実施態様では、他の物品をカートンに収容してもよく、また本発明は、2層または2×4の列に配列されるヨーグルトの瓶のための、カートンまたはカートンを形成するためのブランクに限定されないことが想定される。したがって、他の物品を収容するために改変を加えてもよい。
【0028】
本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を加えてもよく、例えば、パネルのサイズおよび形状は、異なるサイズまたは形状の物品を収容するために調整してもよいことを理解することができる。成形パネルは、利用者の様々な要件により成形してもよい。他の変形物もまた、本発明の範囲内で作ってもよい。
【0029】
本明細書で使用される、「上」、「下」、「前」、「後」、「端」、「側」、「内部」、「外部」、「頂壁」、「下部」などの方向についての言及は、それぞれのパネルをかかる方位に限定するものではなく、これらのパネルをお互いから見分けるのに役立つものにすぎないことが認識されるであろう。ヒンジによる連結についてのどんな言及も、必ずしも単折り返し線について言及していると解釈されるべきではなく、実際には、ヒンジによる連結は、本発明の範囲から逸脱することなく、以下の、切り込み線、折れ線または折り目線のうちの1つ以上から形成することができることが想定される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施態様により、成形パネルが提供されているカートンの側壁パネルを示す。
【図2】本発明の第2の実施態様により、成形パネルが提供されているカートンの側壁パネルを示す。
【図3】本発明の第3の実施態様により、成形パネルが提供されているカートンの側壁パネルを示す。
【図4】本発明の第4の実施態様により、成形パネルが提供されているカートンの側壁パネルを示す。
【図5】本発明の第4の実施態様により、成形パネルが提供されているカートンの側壁パネルを示す。
【図6】物品が詰め込まれている図5のカートンの透視図を示す。
【符号の説明】
【0031】
10 主要パネル
16 図形部分
18 成形パネル
20 開口
22 端
24 端
26 端縁
27 端縁
28 上端
30 下端
110 主要パネル
120 開口
126 端縁
210 主要パネル
240 第2の開口
310 主要パネル
320 開口
326 端縁
410 主要パネル
420 開口
426 端縁
428 頂壁
429 側壁
430 底壁
450 カートン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食料品の瓶などの複数の物品を収容するためのカートンであって、前記カートンは、前記カートンの頂壁、両側壁および底壁を形成するための複数の主要パネルと、前記頂壁、両側壁、底壁のうちの一つの壁から形成される成形パネルとを備え、この成形パネルは互いに対向する第1および第2の端縁を有し、前記成形パネルは、前記1つの壁に少なくとも一部が形成された第1の開口と前記第1の端縁との間に配され、前記成形パネルの輪郭の一部は前記第1の開口により、かつ他の一部は前記第1の端縁により形成され、前記成形パネルの形状が前記物品に関連する視覚情報を提供するよう前記第1の端縁および前記第1の開口が輪郭形成されているカートン。
【請求項2】
前記物品にはそれら物品に関連する印刷情報が印刷され、前記視覚情報は前記印刷情報の少なくとも一部を提供する請求項1に記載のカートン。
【請求項3】
前記頂壁、両側壁、底壁のうち少なくとも一つの壁には前記物品に関連する印刷情報が印刷され、前記視覚情報は前記印刷情報の少なくとも一部を提供する請求項1に記載のカートン。
【請求項4】
前記第1の開口の輪郭はその一部が実質上真直ぐな縁により、かつ他の一部が曲がった縁により形成され、前記曲がった縁により前記成形パネルの輪郭の一部が形成され、前記曲がった縁は前記真直ぐな縁に対向配置されている請求項1に記載のカートン。
【請求項5】
前記一つの壁は印刷部を備え、この印刷部は前記真直ぐな縁と前記第2の端縁との間に形成されている請求項4に記載のカートン。
【請求項6】
前記印刷部には前記物品に関連する印刷情報が印刷され、前記視覚情報が前記印刷情報の少なくとも一部を提供するよう前記真直ぐな縁と前記曲がった縁が形成されている請求項5に記載のカートン。
【請求項7】
前記第2の端縁は実質上直線的であり、前記真直ぐな縁と前記第2の端縁は実質上互いに平行である請求項4に記載のカートン。
【請求項8】
前記主要パネルは互いに対向する一対の壁を含み、これら一対の壁は前記1つの壁の両側縁にそれぞれ折り曲げ自在に連結され、前記第1の開口の前記真直ぐな縁は前記1つの壁の前記両側縁に対して実質上直角に配置されている請求項4に記載のカートン。
【請求項9】
前記成形パネルが前記1つの壁の一部を介して前記印刷部と連続するように、前記第1の開口が前記1つの壁のみに形成されている請求項4に記載のカートン。
【請求項10】
前記1つの壁は前記第1および第2の端縁の間に延在する両側縁を備え、前記第1の開口の前記曲がった縁が前記両側縁を結んで延びるように前記第1の開口が前記一つの壁を横断している請求項4に記載のカートン。
【請求項11】
前記成形パネルは前記物品のうちの1つの輪郭形状を真似て成形される請求項1ないし10いずれかの項に記載のカートン。
【請求項12】
前記成形パネルの形状は物の形状である請求項1ないし11いずれかの項に記載のカートン。
【請求項13】
前記第1の開口および前記第1の端が互いに対向配置されている請求項1ないし12いずれかの項に記載のカートン。
【請求項14】
請求項1ないし13いずれかの項に記載のカートンを形成するためのブランク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−501679(P2009−501679A)
【公表日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507972(P2008−507972)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/015335
【国際公開番号】WO2006/116229
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(503056492)ミードウエストヴェイコ・パッケージング・システムズ・エルエルシー (44)
【Fターム(参考)】