害獣害虫等の生物駆除装置
【課題】台紙等のリサイクル可能な素材も害獣害虫等と一緒に廃棄せざるを得ない課題があった。
【解決手段】表面に粘着剤を設けた板状体１を有する害獣害虫等の生物駆除装置において、板状体１が、厚紙からなる台紙２と、台紙２に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙３とからなり、台紙２と剥離紙３とが剥離することができる害獣害虫等の生物駆除装置による。
【解決手段】表面に粘着剤を設けた板状体１を有する害獣害虫等の生物駆除装置において、板状体１が、厚紙からなる台紙２と、台紙２に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙３とからなり、台紙２と剥離紙３とが剥離することができる害獣害虫等の生物駆除装置による。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ゴキブリ、ハエ等の昆虫、ネズミ等の小ほ乳類など食品を食害したり、疫病を媒介したりする可能性のある害獣害虫等の生物を捕獲したり駆除する駆除装置に関する。特に家庭のダイニングキッチンや、食品販売店、料理屋等の食品を多量に保管する室内において、ゴキブリやハエ、ネズミ等を誘引して捕獲駆除する駆除装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
害獣害虫等の生物駆除装置としては、殺虫剤や殺鼠剤をそれらの生物の好む食材に混ぜたものを、それらの生物の通過するような場所において殺して駆除する方法が知られている。別の害獣害虫等の生物駆除装置としては、従来から粘着剤を使用して、粘着剤の上に誘引材を含浸させた誘引物を置いた装置は、様々な態様のものが知られている。
【０００３】
そして従来の誘引物は、害獣害虫等の生物の好む食材や合成有機物等の中に香料等の誘引成分を含ませた誘引材から作られていた。また、合成樹脂材の表面に誘引成分を含む素材を吹付けたり塗ったりしてなる誘引物も公知であった。
【０００４】
更に、本願出願人は、特願２００５−１０７３５７号で、「害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物を使用して、害獣害虫等の生物を誘引して捕獲することを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物を、粘着剤を表面に設けた部材上に置いて、害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲することを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置、及び害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物をスぺーサーとして形成し、粘着剤を一面に設けた板状体に折り線部を設け、折り線部により粘着剤面同士を対面するように折り畳み可能な板状体の、それぞれの粘着剤面に合成樹脂性誘引物であるスぺーサーを設けて害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲するとともに、スぺーサーは板状体を折り畳んだ状態で互いのスぺーサーが当接する位置に設けられ粘着剤同士を接着させないことを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置」を提案している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
様々な殺虫剤や殺鼠剤などを含入させた食材を誘引材として使用する場合、常に幼児やペット等の誤食や料理店、食品店における食品への誤混入の虞れがあり、その使用を非常に慎重に行う課題があった。また、従来の粘着剤を使用して、粘着剤の上に誘引材を含浸させた誘引物を置いた駆除装置は、誘引材が生物の好む食材や合成有機物等の中に香料等の誘引成分を含ませてあるため、時間の経過とともに香料の成分が揮発して抜けてしまい誘引材として機能しなくなる問題点や、食材や有機物の腐敗により誘引材自体が機能しなくなる問題点があった。
【０００６】
また、合成樹脂材の表面に誘引成分を含む素材を吹付けたり塗ったりしてなる誘引物を使用した駆除装置も、時間の経過とともに香料の成分が揮発して抜けてしまい誘引材として機能しなくなる問題点があった。
【０００７】
更に、本願出願人による特願２００５−１０７３５７号は、上述の問題点を解決した装置であるが、ネズミ、ゴキブリ等の害獣害虫を粘着剤で捕らえた後に、廃棄処分する場合、捕らえた害獣害虫と装置全体ごと行政区ごとにもえるゴミ、或いはもえないゴミ等のゴミとして廃棄するしかなかった。
【０００８】
そのため、粘着剤を表面に設けた部材である板状体を構成する台紙等のリサイクル可能な紙製素材まで廃棄されてしまう課題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため、表面に粘着剤を設けた板状体を有する害獣害虫等の生物駆除装置において、板状体が、厚紙からなる台紙と、台紙に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙とからなり、台紙と剥離紙とが剥離することができることを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置を提案する。
【００１０】
また、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物をスぺーサーとして形成し、粘着剤を一面に設けた板状体に折り線部を設け、折り線部により粘着剤面同士を対面するように折り畳み可能な板状体の、それぞれの粘着剤面に合成樹脂性誘引物であるスぺーサーを設けて害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲するとともに、スぺーサーは板状体を折り畳んだ状態で互いのスぺーサーが当接する位置に設けられ粘着剤同士を接着させない害獣害虫等の生物駆除装置において、
板状体が、厚紙からなる台紙と、台紙に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙とからなり、台紙と剥離紙とが剥離することができることを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置を提案する。
【００１１】
更に、厚紙からなる台紙の四辺が折返し部を有し、折返し部が剥離紙の四辺上面と接着剥離自在な構成の台紙である０００９欄又は００１０欄記載の害獣害虫等の生物駆除装置を提案する。
【発明の効果】
【００１２】
この発明によれば、板状体をリサイクル可能な台紙と粘着剤を設けた剥離紙とから構成し、容易にこの台紙を剥離紙から剥離できるため、害獣害虫と粘着剤を設けた剥離紙のみを廃棄して、リサイクル可能な台紙等の紙素材はリサイクルに回すことが可能になったため紙原料の過剰消費を防ぐことができる効果がある。
【００１３】
また、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物を使用することにより、匂い成分等の誘引性成分を合成樹脂性誘引物自体に従来と比較して非常に長期間保持することができ、長期間匂い成分等の誘引性成分を発生し続けることができる。そのため、害獣害虫等の生物駆除装置としての機能を長期間保持することができるようになった。
【００１４】
また、香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物が、合成樹脂成形からなるため、その合成樹脂性誘引物の対象の害虫害獣の好む形状、色彩、香り、また駆除装置を置く場所等の環境に合わせた形状、色彩、香りを選択して変更して製造することが容易にできるようになった。
【００１５】
更に、殺虫剤や殺鼠剤などの人体に危険な成分が入っていないため安全性があり、幼児やペットが近づく可能性のある場所にも設置することができる。
【００１６】
更にまた、請求項２に係る発明であると、合成樹脂性誘引物がスペーサーからなり、スぺーサーは部材を折り畳んだ状態で互いのスぺーサーが当接する位置に設けられ粘着剤同士を接着させないため、商品として販売、流通させる場合、折り畳んで接着材が内面になって取扱いが容易であるとともに、駆除装置として設置する場合は、本を開くように開くだけでスペーサーがそのままの状態で誘引物となり駆除装置として使用できるので、取扱いや設置が非常に容易になったという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
この発明の１つの実施形態を示す図１乃至図７に基づいて説明する。図１は、合成樹脂性誘引物がスぺーサーである害獣害虫等の生物駆除装置の実施形態であり、折り線部によって表面側へ折り畳み可能な板状体を開いた状態の平面図、図２は同じく台紙を取り除いた剥離紙のみを開いた状態の平面図、図３は同じく台紙のみを開いた状態の平面図、図４は同じく折り畳み可能な板状体を折り畳んだ状態の平面図、図５は、図４のＡＡ線断面図、図６は、合成樹脂性誘引物であるスペーサーの斜視図である。
【００１８】
この発明の実施形態である害獣害虫等の生物駆除装置は、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂材からなる合成樹脂性誘引物４を、粘着剤を表面に設けた板状体１上に置いて、害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲する害獣害虫等の生物駆除装置である。板状体１は、厚紙からなる台紙２と、台紙２に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙３とからなり、台紙２と剥離紙３とは、作業者の手で容易に剥離することができる。
【００１９】
次に、この発明の好ましい実施形態の一つである害獣害虫等の生物駆除装置は、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物４をスペーサー４として形成し、粘着剤を一面に設けた板状体１に折り線部１０を設け、折り線部１０により粘着剤面同士を対面するように折り畳み可能な板状体１の、それぞれの粘着剤面に合成樹脂性誘引物であるスペーサー４を設けて害獣害虫等の生物を誘引し、粘着剤によって捕獲する。スペーサー４は、板状体１を折り畳んだ状態で互いのスペーサー４が当接する位置に設けられるため、粘着剤面同士は接触せず接着させない。
【００２０】
板状体１は、厚紙からなる台紙２と、台紙２に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙３とからなり、台紙２と剥離紙３とは剥離することができる。厚紙からなる台紙２は、その四辺に折返し部２０を有し、折返し部２０が剥離紙３の四辺上面に設けられた接着剥離剤３０によって接着剥離自在な構成であり、より好ましい実施例としては折返し部２０が剥離紙３の四辺上面にのみ設けられた接着剥離剤３０の場所でのみ接着剥離自在な構成とし、それ以外の場所では台紙２と剥離紙３は面で接触しているのみで接着していない。
【００２１】
板状体１は、平面長方形に形成され長手方向中央に折り線部１０を有し折り線部１０によって粘着剤が設けられている剥離紙３の表面側へ折り畳み可能である。板状体１の剥離紙３の粘着剤面上にスペーサー４を置いて粘着剤に接着して固定している。このスペーサー４の剥離紙３の粘着剤面上における位置は、板状体１を折り畳んだ状態で互いのスペーサー４、４が当接する位置に設けらている。
【００２２】
スペーサー４は合成樹脂性誘引物であり、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成される。スペーサー４は、この実施形態での形状はリング状であり、厚さ２〜５ｍｍ、幅２〜５ｍｍ、輪の直径１５〜２０ｍｍ程度である。スペーサー４の形状、大きさは、その厚さが板状体１を折り線部３から粘着剤面２側へ折り曲げたとき、スペーサー４、４同士が当接して、剥離紙３の粘着剤面同士が接着しないような厚さであればよく、全体はリング状でなくても対象の害生物の大きさや好みに対応した形状、大きさであればよい。
【００２３】
この発明の実施形態では剥離紙３の表面の粘着剤は、ポリブデン、ゴムからなる。
【００２４】
スペーサー４である合成樹脂性誘引物は、ポリプロピレン樹脂等の硬質合成樹脂原料に、害獣害虫等の生物を誘引する香料等を混入して形成する。香料の性質は、油性で混入時に液状であり合成樹脂原料に均質に混入可能であればよい。
【００２５】
合成樹脂性誘引物であるスペーサー４の製造方法の実施例についてフローチャートを示す図７に基づいて説明する。硬質合成樹脂原料としてポリプロピレン樹脂原料４０を使用し、香料として油性の香料であるピーナッツバターオイル４１を使用する。用意されたポリプロピレン樹脂原料４０にピーナッツバターオイル４１を加え一緒に攪拌機５により攪拌する。この攪拌時の全体の重量は２〜３ｋｇであるが、香料４１がポリプロピレン樹脂原料４０に均質に混じるように攪拌可能な装置なら２５ｋｇ程度を単位として攪拌することも可能である。この実施例ではポリプロピレン樹脂原料４０に対するピーナッツバターオイル等の香料４１の重量比は、約１００：３であるが、香料の性質や対象の害獣害虫等の生物の違いによって適宜変更する。
【００２６】
攪拌機５によってピーナッツバターオイル４１がポリプロピレン樹脂原料４０に均質に混入されたものを成型機の金型６に流し入れて固めて成型する。この実施例では、金型６はリング状のスペーサー用の形状をしたものであるが、円盤状、角板状等の形状でもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【００２７】
この発明は、ゴキブリ、ハエ等の昆虫、ネズミ等の小ほ乳類など食品を食害したり、疫病を媒介したりする可能性のある害獣害虫等の生物が出没する食品販売店、料理屋、また家庭のダイニングキッチンなどに置いて利用する可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】この発明の害獣害虫等の生物駆除装置の実施形態であり、折り線部によって表面側へ折り畳み可能な板状体を開いた状態の平面図
【図２】同じく台紙を取り除いた剥離紙のみを開いた状態の平面図
【図３】同じく台紙のみを開いた状態の平面図
【図４】同じく板状体を折り畳んだ状態の平面図
【図５】図４のＡＡ線断面図
【図６】合成樹脂性誘引物であるスペーサーの斜視図
【図７】合成樹脂性誘引物の製造方法の実施例を示すフローチャート図
【符号の説明】
【００２９】
１ 板状体
１０ 折り線部
２ 台紙
２０ 折返し部
３ 剥離紙
３０ 接着剥離剤
４ スペーサー（合成樹脂性誘引物）
４０ 合成樹脂原料
４１ 香料
５ 攪拌機
６ 成型機の金型
【技術分野】
【０００１】
この発明は、ゴキブリ、ハエ等の昆虫、ネズミ等の小ほ乳類など食品を食害したり、疫病を媒介したりする可能性のある害獣害虫等の生物を捕獲したり駆除する駆除装置に関する。特に家庭のダイニングキッチンや、食品販売店、料理屋等の食品を多量に保管する室内において、ゴキブリやハエ、ネズミ等を誘引して捕獲駆除する駆除装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
害獣害虫等の生物駆除装置としては、殺虫剤や殺鼠剤をそれらの生物の好む食材に混ぜたものを、それらの生物の通過するような場所において殺して駆除する方法が知られている。別の害獣害虫等の生物駆除装置としては、従来から粘着剤を使用して、粘着剤の上に誘引材を含浸させた誘引物を置いた装置は、様々な態様のものが知られている。
【０００３】
そして従来の誘引物は、害獣害虫等の生物の好む食材や合成有機物等の中に香料等の誘引成分を含ませた誘引材から作られていた。また、合成樹脂材の表面に誘引成分を含む素材を吹付けたり塗ったりしてなる誘引物も公知であった。
【０００４】
更に、本願出願人は、特願２００５−１０７３５７号で、「害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物を使用して、害獣害虫等の生物を誘引して捕獲することを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物を、粘着剤を表面に設けた部材上に置いて、害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲することを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置、及び害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物をスぺーサーとして形成し、粘着剤を一面に設けた板状体に折り線部を設け、折り線部により粘着剤面同士を対面するように折り畳み可能な板状体の、それぞれの粘着剤面に合成樹脂性誘引物であるスぺーサーを設けて害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲するとともに、スぺーサーは板状体を折り畳んだ状態で互いのスぺーサーが当接する位置に設けられ粘着剤同士を接着させないことを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置」を提案している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
様々な殺虫剤や殺鼠剤などを含入させた食材を誘引材として使用する場合、常に幼児やペット等の誤食や料理店、食品店における食品への誤混入の虞れがあり、その使用を非常に慎重に行う課題があった。また、従来の粘着剤を使用して、粘着剤の上に誘引材を含浸させた誘引物を置いた駆除装置は、誘引材が生物の好む食材や合成有機物等の中に香料等の誘引成分を含ませてあるため、時間の経過とともに香料の成分が揮発して抜けてしまい誘引材として機能しなくなる問題点や、食材や有機物の腐敗により誘引材自体が機能しなくなる問題点があった。
【０００６】
また、合成樹脂材の表面に誘引成分を含む素材を吹付けたり塗ったりしてなる誘引物を使用した駆除装置も、時間の経過とともに香料の成分が揮発して抜けてしまい誘引材として機能しなくなる問題点があった。
【０００７】
更に、本願出願人による特願２００５−１０７３５７号は、上述の問題点を解決した装置であるが、ネズミ、ゴキブリ等の害獣害虫を粘着剤で捕らえた後に、廃棄処分する場合、捕らえた害獣害虫と装置全体ごと行政区ごとにもえるゴミ、或いはもえないゴミ等のゴミとして廃棄するしかなかった。
【０００８】
そのため、粘着剤を表面に設けた部材である板状体を構成する台紙等のリサイクル可能な紙製素材まで廃棄されてしまう課題があった。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
上記課題を解決するため、表面に粘着剤を設けた板状体を有する害獣害虫等の生物駆除装置において、板状体が、厚紙からなる台紙と、台紙に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙とからなり、台紙と剥離紙とが剥離することができることを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置を提案する。
【００１０】
また、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物をスぺーサーとして形成し、粘着剤を一面に設けた板状体に折り線部を設け、折り線部により粘着剤面同士を対面するように折り畳み可能な板状体の、それぞれの粘着剤面に合成樹脂性誘引物であるスぺーサーを設けて害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲するとともに、スぺーサーは板状体を折り畳んだ状態で互いのスぺーサーが当接する位置に設けられ粘着剤同士を接着させない害獣害虫等の生物駆除装置において、
板状体が、厚紙からなる台紙と、台紙に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙とからなり、台紙と剥離紙とが剥離することができることを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置を提案する。
【００１１】
更に、厚紙からなる台紙の四辺が折返し部を有し、折返し部が剥離紙の四辺上面と接着剥離自在な構成の台紙である０００９欄又は００１０欄記載の害獣害虫等の生物駆除装置を提案する。
【発明の効果】
【００１２】
この発明によれば、板状体をリサイクル可能な台紙と粘着剤を設けた剥離紙とから構成し、容易にこの台紙を剥離紙から剥離できるため、害獣害虫と粘着剤を設けた剥離紙のみを廃棄して、リサイクル可能な台紙等の紙素材はリサイクルに回すことが可能になったため紙原料の過剰消費を防ぐことができる効果がある。
【００１３】
また、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物を使用することにより、匂い成分等の誘引性成分を合成樹脂性誘引物自体に従来と比較して非常に長期間保持することができ、長期間匂い成分等の誘引性成分を発生し続けることができる。そのため、害獣害虫等の生物駆除装置としての機能を長期間保持することができるようになった。
【００１４】
また、香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物が、合成樹脂成形からなるため、その合成樹脂性誘引物の対象の害虫害獣の好む形状、色彩、香り、また駆除装置を置く場所等の環境に合わせた形状、色彩、香りを選択して変更して製造することが容易にできるようになった。
【００１５】
更に、殺虫剤や殺鼠剤などの人体に危険な成分が入っていないため安全性があり、幼児やペットが近づく可能性のある場所にも設置することができる。
【００１６】
更にまた、請求項２に係る発明であると、合成樹脂性誘引物がスペーサーからなり、スぺーサーは部材を折り畳んだ状態で互いのスぺーサーが当接する位置に設けられ粘着剤同士を接着させないため、商品として販売、流通させる場合、折り畳んで接着材が内面になって取扱いが容易であるとともに、駆除装置として設置する場合は、本を開くように開くだけでスペーサーがそのままの状態で誘引物となり駆除装置として使用できるので、取扱いや設置が非常に容易になったという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
この発明の１つの実施形態を示す図１乃至図７に基づいて説明する。図１は、合成樹脂性誘引物がスぺーサーである害獣害虫等の生物駆除装置の実施形態であり、折り線部によって表面側へ折り畳み可能な板状体を開いた状態の平面図、図２は同じく台紙を取り除いた剥離紙のみを開いた状態の平面図、図３は同じく台紙のみを開いた状態の平面図、図４は同じく折り畳み可能な板状体を折り畳んだ状態の平面図、図５は、図４のＡＡ線断面図、図６は、合成樹脂性誘引物であるスペーサーの斜視図である。
【００１８】
この発明の実施形態である害獣害虫等の生物駆除装置は、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂材からなる合成樹脂性誘引物４を、粘着剤を表面に設けた板状体１上に置いて、害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲する害獣害虫等の生物駆除装置である。板状体１は、厚紙からなる台紙２と、台紙２に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙３とからなり、台紙２と剥離紙３とは、作業者の手で容易に剥離することができる。
【００１９】
次に、この発明の好ましい実施形態の一つである害獣害虫等の生物駆除装置は、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物４をスペーサー４として形成し、粘着剤を一面に設けた板状体１に折り線部１０を設け、折り線部１０により粘着剤面同士を対面するように折り畳み可能な板状体１の、それぞれの粘着剤面に合成樹脂性誘引物であるスペーサー４を設けて害獣害虫等の生物を誘引し、粘着剤によって捕獲する。スペーサー４は、板状体１を折り畳んだ状態で互いのスペーサー４が当接する位置に設けられるため、粘着剤面同士は接触せず接着させない。
【００２０】
板状体１は、厚紙からなる台紙２と、台紙２に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙３とからなり、台紙２と剥離紙３とは剥離することができる。厚紙からなる台紙２は、その四辺に折返し部２０を有し、折返し部２０が剥離紙３の四辺上面に設けられた接着剥離剤３０によって接着剥離自在な構成であり、より好ましい実施例としては折返し部２０が剥離紙３の四辺上面にのみ設けられた接着剥離剤３０の場所でのみ接着剥離自在な構成とし、それ以外の場所では台紙２と剥離紙３は面で接触しているのみで接着していない。
【００２１】
板状体１は、平面長方形に形成され長手方向中央に折り線部１０を有し折り線部１０によって粘着剤が設けられている剥離紙３の表面側へ折り畳み可能である。板状体１の剥離紙３の粘着剤面上にスペーサー４を置いて粘着剤に接着して固定している。このスペーサー４の剥離紙３の粘着剤面上における位置は、板状体１を折り畳んだ状態で互いのスペーサー４、４が当接する位置に設けらている。
【００２２】
スペーサー４は合成樹脂性誘引物であり、害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成される。スペーサー４は、この実施形態での形状はリング状であり、厚さ２〜５ｍｍ、幅２〜５ｍｍ、輪の直径１５〜２０ｍｍ程度である。スペーサー４の形状、大きさは、その厚さが板状体１を折り線部３から粘着剤面２側へ折り曲げたとき、スペーサー４、４同士が当接して、剥離紙３の粘着剤面同士が接着しないような厚さであればよく、全体はリング状でなくても対象の害生物の大きさや好みに対応した形状、大きさであればよい。
【００２３】
この発明の実施形態では剥離紙３の表面の粘着剤は、ポリブデン、ゴムからなる。
【００２４】
スペーサー４である合成樹脂性誘引物は、ポリプロピレン樹脂等の硬質合成樹脂原料に、害獣害虫等の生物を誘引する香料等を混入して形成する。香料の性質は、油性で混入時に液状であり合成樹脂原料に均質に混入可能であればよい。
【００２５】
合成樹脂性誘引物であるスペーサー４の製造方法の実施例についてフローチャートを示す図７に基づいて説明する。硬質合成樹脂原料としてポリプロピレン樹脂原料４０を使用し、香料として油性の香料であるピーナッツバターオイル４１を使用する。用意されたポリプロピレン樹脂原料４０にピーナッツバターオイル４１を加え一緒に攪拌機５により攪拌する。この攪拌時の全体の重量は２〜３ｋｇであるが、香料４１がポリプロピレン樹脂原料４０に均質に混じるように攪拌可能な装置なら２５ｋｇ程度を単位として攪拌することも可能である。この実施例ではポリプロピレン樹脂原料４０に対するピーナッツバターオイル等の香料４１の重量比は、約１００：３であるが、香料の性質や対象の害獣害虫等の生物の違いによって適宜変更する。
【００２６】
攪拌機５によってピーナッツバターオイル４１がポリプロピレン樹脂原料４０に均質に混入されたものを成型機の金型６に流し入れて固めて成型する。この実施例では、金型６はリング状のスペーサー用の形状をしたものであるが、円盤状、角板状等の形状でもかまわない。
【産業上の利用可能性】
【００２７】
この発明は、ゴキブリ、ハエ等の昆虫、ネズミ等の小ほ乳類など食品を食害したり、疫病を媒介したりする可能性のある害獣害虫等の生物が出没する食品販売店、料理屋、また家庭のダイニングキッチンなどに置いて利用する可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】この発明の害獣害虫等の生物駆除装置の実施形態であり、折り線部によって表面側へ折り畳み可能な板状体を開いた状態の平面図
【図２】同じく台紙を取り除いた剥離紙のみを開いた状態の平面図
【図３】同じく台紙のみを開いた状態の平面図
【図４】同じく板状体を折り畳んだ状態の平面図
【図５】図４のＡＡ線断面図
【図６】合成樹脂性誘引物であるスペーサーの斜視図
【図７】合成樹脂性誘引物の製造方法の実施例を示すフローチャート図
【符号の説明】
【００２９】
１ 板状体
１０ 折り線部
２ 台紙
２０ 折返し部
３ 剥離紙
３０ 接着剥離剤
４ スペーサー（合成樹脂性誘引物）
４０ 合成樹脂原料
４１ 香料
５ 攪拌機
６ 成型機の金型
【特許請求の範囲】
【請求項１】
表面に粘着剤を設けた板状体を有する害獣害虫等の生物駆除装置において、板状体が、厚紙からなる台紙と、台紙に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙とからなり、台紙と剥離紙とが剥離することができることを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置。
【請求項２】
害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物をスぺーサーとして形成し、粘着剤を一方の面に設けた板状体に折り線部を設け、折り線部により粘着剤面同士を対面するように折り畳み可能な板状体の、それぞれの粘着剤面に合成樹脂性誘引物であるスぺーサーを設けて害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲するとともに、スぺーサーは板状体を折り畳んだ状態で互いのスぺーサーが当接する位置に設けられ粘着剤同士を接着させない害獣害虫等の生物駆除装置において、
板状体が、厚紙からなる台紙と、台紙に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙とからなり、台紙と剥離紙とが剥離することができることを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置。
【請求項３】
厚紙からなる台紙の四辺が折返し部を有し、折返し部が剥離紙の四辺上面と接着剥離自在な構成の台紙である請求項１又は請求項２記載の害獣害虫等の生物駆除装置。
【請求項１】
表面に粘着剤を設けた板状体を有する害獣害虫等の生物駆除装置において、板状体が、厚紙からなる台紙と、台紙に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙とからなり、台紙と剥離紙とが剥離することができることを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置。
【請求項２】
害獣害虫等の生物を誘引する香料を合成樹脂原料に混入して形成した合成樹脂性誘引物をスぺーサーとして形成し、粘着剤を一方の面に設けた板状体に折り線部を設け、折り線部により粘着剤面同士を対面するように折り畳み可能な板状体の、それぞれの粘着剤面に合成樹脂性誘引物であるスぺーサーを設けて害獣害虫等の生物を誘引し粘着剤によって捕獲するとともに、スぺーサーは板状体を折り畳んだ状態で互いのスぺーサーが当接する位置に設けられ粘着剤同士を接着させない害獣害虫等の生物駆除装置において、
板状体が、厚紙からなる台紙と、台紙に剥離可能に接着され表面に粘着剤を設けた剥離紙とからなり、台紙と剥離紙とが剥離することができることを特徴とする害獣害虫等の生物駆除装置。
【請求項３】
厚紙からなる台紙の四辺が折返し部を有し、折返し部が剥離紙の四辺上面と接着剥離自在な構成の台紙である請求項１又は請求項２記載の害獣害虫等の生物駆除装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００７−１６６９４７（Ｐ２００７−１６６９４７Ａ）
【公開日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３６７３８６（Ｐ２００５−３６７３８６）
【出願日】平成１７年１２月２１日（２００５．１２．２１）
【出願人】（５９４０６３６７０）シマダ商事株式会社 (12)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１２月２１日（２００５．１２．２１）
【出願人】（５９４０６３６７０）シマダ商事株式会社 (12)
【Ｆターム（参考）】
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