説明

容器の殺菌方法及び器具

容器(102)を殺菌するための方法(20)及び器具(100)が、本書で開示されている。この方法(20)は、過酸化水素溶液を容器(102)にかけて、アルカリ溶液を過酸化水素と反応させ、ヒドロキシル・ラジカルを生成して微生物を殺す。アルカリ溶液の使用により、殺菌処理が低温且つより速い速度で進行することが可能である。水酸化ナトリウム溶液は、好適なアルカリ溶液である。処理温度は、100℃よりも低いのが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を殺菌又は消毒するための方法及び器具に関する。より詳細には、本発明は、比較的低温で容器を殺菌するための方法及び器具に関する。
【背景技術】
【0002】
食品及び医療用容器の殺菌は、容器に存在する可能性のある微生物を殺す必要性がある。食品容器を適切に殺菌しないと、容器の中の食品の汚染をもたらして、食品の消費者の病気につながり時として死に至る。食品業界は、食品容器を殺菌して無菌容器を作るための様々な方法を開発している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の無菌容器は、一般に過酸化水素を用いて殺菌する。米国連邦規制基準(「CFR」)のタイトル37、178.1005項に規定されているように、米国食品医薬品局(「FDA」)は、35%以下の過酸化水素を含む過酸化水素溶液を安全に使用してポリマーと食品との接触面を殺菌するのがよい、と定めている。過酸化水素を用いた殺菌は、一般に、過酸化水素からヒドロキシル・ラジカルを生成させ、容器材料の微生物を不活性化するために高い温度又は紫外線を要する。過酸化水素からフリー・ラジカルを生成するのに必要な温度は、通常65℃を超え、多くの場合120℃から135℃の範囲である。
【0004】
大部分の食品容器は、プラスチックボトルといったポリマー材料からなる。FDAは、過酸化水素を用いるポリマー材料のリストを提供している。このリストは、CFRの178.1005(e)の37に規定されているように、エチレン・アクリル酸共重合体、一酸化炭素・エチレン共重合体、エチレン・メチル・アクリレート(ethylene−methyl acrylate)共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ionomeric resin、イソブチレンポリマー、オレフィンポリマー、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレン・テレフタレート(「PET」)、ポリ−1−ブテン樹脂及びブタン/エチレン共重合体、ポリスチレン及びゴム変性ポリスチレンポリマー及びビニリデン・クロライド/メチル(chloride/methyl)・アクリレート共重合体を含む。プラスチックボトルの殺菌は、ボトルが完全に流体となり、殺菌処理の際に変形するため、高温では難しい。さらに、108℃で沸騰する過酸化物の残留物(35%)を蒸発させるために、乾燥処理を延長することを要する。さらに、PETといったいくつかのプラスチック材料は、過酸化物に結合、吸着又は吸着するため、CFRの178.1005(d)の37に規定されFDAが要求する食品容器の0.5ppmの残留限界を達成するのが難しい。
【0005】
殺菌する1つの方法が、Sizerらによって、米国特許第5326542号の「大型容器を殺菌するための方法及び器具」で開示されており、これは、食品用大型容器を殺菌するために紫外線を用いている。
【0006】
他の方法が、Sizerらによって、米国特許第5770232号の「食品包装機械の食品接触面の殺菌方法及び殺菌溶液」で開示されており、これは、0.1重量%から約1重量%の過酸化水素溶液及び約0.001重量%から約0.1重量%の酸性ピロリン酸ナトリウムを使用して、約70℃の温度で少なくとも15分間かけることを開示している。
【0007】
別の方法が、Friskによって、米国特許第5928607号の「ボトル殺菌方法及び器具」で開示されており、これは、エキシマランプからの紫外線照射を使用し、酸素からオゾンを生成してプラスチックボトルを殺菌することを開示している。
【0008】
別の方法が、Lentschらによって、ニュージーランド特許第282691号の「ペルオキシカルボン酸、カルボン酸、過酸化物及び担体を具えた成分を用いた食品及び調理器具の消毒及び脱染方法」で開示されており、これは、1−20重量%のペルオキシカルボン酸、10−50重量%のカルボン酸、3−35重量%の過酸化水素の濃縮成分及びバランスとしての担体の消毒を開示している。
【0009】
さらに別の方法が、Wangによって、欧州特許第0411970号の「過酸化水素、過酸、及び紫外線照射を用いた容器の殺菌」で開示されており、これは、8−12秒間300ナノメートルよりも短い波長の紫外線とともに、20℃−30℃の温度で15%から20%の間の濃度の過酸化水素及び過酢酸を使用して、枯草菌の胞子の数が6.0の対数換算よりも大きくなることを開示している。
【0010】
さらに別の方法が、Smithらによって、米国特許番号第6479454号の「過酸化水素及びオクチル・アミン・オキシドを有する抗菌成分及び方法」で開示されており、これは、アミン・オキシドの過酸化水素の成分を使用して食品接触面を消毒することを開示している。
【0011】
別の方法が、Taggartによって、米国特許第6209591号の「無菌処理用器具に充填する容器を提供するための器具及び方法」で開示されており、これは、155℃の温度で、無菌の空気の状態を有する殺菌チャンバの中のボトルに霧状の過酸化水素をスプレーすることを開示している。
【0012】
別の方法が、Taggartによって、米国特許第6536188号の「無菌包装のための方法及び器具」で開示されており、これは、過酸化水素の活性化及び除去のために熱い過酸化水素をボトルにスプレーすることを約24秒間許容して、ボトルに酸度が低い飲料を充填することを開示している。
【0013】
Hall,IIらによる米国特許第5344652号の「防食殺菌剤」が開示されており、これは、過酸化水素、過酢酸及び酢酸である第1の成分と、VICTAWET(登録商標)、すなわち脂肪族アルコール(2−エチル ヘキシル)及び五酸化リンの水酸化ナトリウム反応生成物である第2の成分を含む2つの成分から成る。VICTAWET(登録商標)は、過酸化物/過酢酸の殺生物剤の腐食を減らす。
【0014】
Nystromらによる米国特許第5900111号の「加熱及び過酸化水素を用いる使用済みの紙の繊維の消毒処理」は、過酸化水素で古紙を消毒し水酸化ナトリウムを使用して消毒処理の際に繊維の流れのpHを調整することを開示している。
【0015】
日本国特許公開番号第02−154763号の「過酸化水素を除去するための方法」は、チオ硫酸ナトリウム、ピルビン酸ナトリウム、ペルオキシダーゼ及び金属触媒から基本的に成る除去剤を用いることによって、過酸化水素の殺菌処理にさらされ、紫外線にもさらされたソフトのコンタクトレンズから過剰な過酸化水素を除去することを開示している。
【0016】
日本国特許公開番号第07−291236号の「食品容器の殺菌方法」は、食品容器の内部に送り込まれる殺菌剤であって、過酸化水素、過酢酸、過酸化水素及び過酢酸又は次亜塩素酸ナトリウムの混合物である殺菌剤を具える温水を使用することを開示している。
【0017】
従来技術は、容器、特に食品容器を殺菌するための多くの様々な方法を開示しているが、迅速な方法で低温で過酸化水素を使用して、コストを減らし、生産性を満たす容器を増やし、最も重要なことには十分に容器を殺菌する必要が依然としてある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、低温での殺菌処理に必要な溶液を提供する。本発明は、過酸化水素及びアルカリ溶液の2つの成分からなる溶液を用いることによって実行できる。アルカリ溶液は、過酸化水素と素早く反応して、微生物を破壊するためのヒドロキシル・ラジカルを有する活性酸素種を生成する。
【0019】
本発明のある態様は、容器を殺菌するための方法である。この方法は、1%から50%の過酸化水素を有する過酸化水素溶液を容器にかけることによって開始する。過酸化水素溶液を35℃から100℃の範囲の温度でかける。次に、過酸化水素溶液が、少なくとも1秒の賦活時間、容器で活性化するのを許容する。続いて、賦活時間の後に、アルカリ溶液を容器にかける。アルカリ溶液は、10−14の範囲のpHを有する。アルカリ溶液を35℃から100℃の範囲の温度でかける。次に、容器を滅菌水で洗い流して、残留アルカリ溶液及び残留過酸化水素を除去する。
【0020】
本発明の他の態様は、プラスチックボトルを殺菌する方法である。この方法は、プラスチックボトルの外面及びプラスチックボトルの内面に30%から40%の過酸化水素を有する過酸化水素溶液をかけることによって始まる。過酸化水素溶液を、40℃から60℃の範囲の温度でかける。次に、過酸化水素溶液が、1秒から10秒の賦活時間、プラスチックボトルの外面及びプラスチックボトルの内面で活性化するのを許容する。続いて、賦活時間の後に、プラスチックボトルの外面及びプラスチックボトルの内面に0.25規定の水酸化ナトリウム溶液をかける。0.25規定の水酸化ナトリウム溶液は、11−13の範囲のpHを有する。0.25規定の水酸化ナトリウム溶液を、50℃から75℃の範囲の温度でかける。次に、容器を滅菌水で洗い流して、残留水酸化ナトリウム及び残留過酸化水素を除去する。
【0021】
本発明に係るさらにもう一つの態様は、低温で容器を殺菌する方法である。この方法は、容器に1%から50%の過酸化水素を有する過酸化水素溶液をかけることによって始まる。過酸化水素溶液を、65℃以下の温度でかける。次に、過酸化水素溶液が、1秒から30秒の賦活時間、容器で活性化するのを許容する。続いて、賦活時間の後に、容器にアルカリ溶液をかける。アルカリ溶液は、10−14の範囲のpHを有する。アルカリ溶液を、65℃以下の温度でかける。次に、容器を滅菌水で洗い流して、残留アルカリ溶液及び残留過酸化水素を除去する。
【0022】
本発明に係るさらにもう一つの態様は、低温で容器を殺菌する方法及び容器に流動性のある食品を低温で無菌で充填する方法である。この方法は、容器に1%から50%の過酸化水素を有する過酸化水素溶液をかけることによって始まる。過酸化水素溶液を、約60℃の温度でかける。次に、過酸化水素溶液が、1秒から30秒の範囲の賦活時間、容器で活性化するのを許容する。続いて、賦活時間の後に、容器にアルカリ溶液をかける。アルカリ溶液は、10−14の範囲のpHを有する。アルカリ溶液を、約60℃の温度でかける。次に、容器を洗い流して、残留アルカリ溶液及び残留過酸化水素を除去する。次に、容器に60℃から80℃の範囲の低温で流動性のある食品を無菌で熱充填する。流動性のある食品は、オレンジジュース、スープ、他のジュース、及び流動性のある食品に似たものでよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1に示すように、容器、特に食品容器を殺菌する一般的な方法を、符号20で示す。ブロック21では、殺菌のための容器を用意する。この容器は、内面及び外面を有しており、好適には両面の殺菌を要する。この容器は、アイケア製品用、医療用容器等といった殺菌を要する他のタイプの容器が本発明の範囲内であるけれども、好適には食品容器である。好適には、この容器は、他の材料から成る容器が本発明の範囲及び精神の中にあるけれども、ポリマー材料又はガラスから成る。好適には、ポリマー材料はPET又は高密度ポリエチレンである。
【0024】
ブロック22で、1%から50%の過酸化水素溶液を容器の内面及び外面にかける。過酸化水素溶液を、好適には、35℃から100℃の範囲の温度、より好適には、35℃から85℃の範囲の温度、さらにより好適には、40℃から60℃の範囲の温度、最も好適には、50℃又は60℃の温度でかける。過酸化水素溶液は、好適には、1%から50%の範囲、より好適には、30%から40%の範囲、最も好適には35%の過酸化水素濃度を有している。好適には、液状の過酸化水素を容器にかける。代替的に、過酸化水素の蒸気をかけて、容器の表面で濃縮できる。過酸化水素溶液は、好適には30秒、より好適には30秒よりも短い、さらにより好適には10秒よりも短い、最も好適には1秒以下の賦活時間、容器の面に留まることができる。
【0025】
賦活時間の後に、ブロック23で説明するように、アルカリ溶液を容器の面にかける。アルカリ溶液は、好適には、10から14の範囲、より好適には11から13の範囲、最も好適には12.5又は12.9のpHを有する。アルカリ溶液は、好適には、水酸化ナトリウム溶液又は水酸化カリウム溶液である。しかしながら、当業者は、本発明の範囲及び精神から逸脱しない範囲で他のアルカリ溶液を用いてもよいことを理解するであろう。アルカリ溶液を、好適には35℃から100℃の範囲、より好適には35℃から85℃の範囲、さらにより好適には50℃から75℃の範囲、最も好適には65℃又は60℃の温度でかける。アルカリ溶液は、好適には、0.05規定の水酸化ナトリウム溶液(ほぼ0.20%の濃度の水酸化ナトリウム)である。代替的に、1規定の水酸化ナトリウム溶液をアルカリ溶液として用いる。さらに、別の代替的な実施例では、0.1規定の水酸化カリウム溶液をアルカリ溶液として用いる。アルカリ溶液は、過酸化水素と反応して、容器の面の微生物を殺す活性酸素種及びヒドロキシル・ラジカルを生成する。アルカリ溶液は、殺菌時間を短くして無菌状態を達成する。さらに、アルカリ溶液は、容器による過酸化水素の吸収さらには過酸化水素の残留物を減らす。さらに、アルカリ溶液によって、殺菌処理を従来技術の殺菌方法よりも低温で実施でき、より薄い壁を有する容器の使用が可能となる。
【0026】
ブロック24で、容器の内面及び外面を洗い流して過酸化水素の残留物さらにはアルカリ溶液を除去する。好適には、容器の面を滅菌水で洗い流すか、又は代替的にクエン酸又は他の同様な酸といった酸で洗い流してよい。洗浄に続いて、容器に製品を充填する。好適には、容器にオレンジジュース(酸性度の高い製品)、牛乳(酸性度の低い製品)、水、ジュース、スープ又は他の同様な食品といった食品を充填する。より好適には、容器に、流動性を有する食品を好適には60℃から70℃の範囲の温度で無菌状態で熱充填する。これにより、低い温度での熱充填が容器を熱変形させないため、安価なより薄い壁を有する容器の使用が可能となる。一般的に、安価な薄い壁を有する容器は、80℃付近又はそれよりも高い温度で変形するであろう。
【0027】
より特別な殺菌方法を図2に示す。特別な殺菌方法を全体として符号30で示す。ブロック31では、PET又はPETの派生物から成るボトルを、通常、充填機の上に殺菌用として用意する。大部分の水のボトル及びオレンジジュースの容器は、PET又はPETの派生物からなる。
【0028】
ブロック32で、1%から50%の過酸化水素溶液を容器の内面及び外面にかける。過酸化水素溶液を、好適には、35℃から100℃の範囲の温度、より好適には、35℃から85℃の範囲の温度、さらにより好適には、40℃から60℃の範囲の温度、最も好適には、50℃又は60℃の温度でかける。過酸化水素溶液は、好適には、1%から50%の範囲、より好適には、30%から40%の範囲、最も好適には35%の過酸化水素濃度を有している。好適には、液状の過酸化水素を容器にかける。代替的に、過酸化水素の蒸気をかけて、容器の面で濃縮できる。過酸化水素溶液は、上限はないが、好適には30秒、より好適には30秒よりも短い、さらにより好適には10秒よりも短い、最も好適には1秒以下の賦活時間、容器の面に留まることができる。
【0029】
賦活時間の後に、ブロック33で説明するように、水酸化ナトリウム溶液を容器の面にかける。水酸化ナトリウム溶液は、好適には、10から14の範囲、より好適には11から13の範囲、最も好適には12.5又は12.9のpHを有する。水酸化ナトリウム溶液を、好適には、約65℃又は約60℃の温度でかける。水酸化ナトリウム溶液は、好適には、0.05規定の水酸化ナトリウム溶液(ほぼ0.20%の濃度の水酸化ナトリウム)である。代替的に、1規定の水酸化ナトリウム溶液をアルカリ溶液として用いる。水酸化ナトリウム溶液は、過酸化水素と反応して、容器の面の微生物を殺す活性酸素種及び/又はヒドロキシル・ラジカルを生成する。水酸化ナトリウム溶液は、殺菌時間を短くして無菌状態を達成する。さらに、水酸化ナトリウム溶液は、容器による過酸化水素の吸収さらには過酸化水素の残留物を減らす。さらに、水酸化ナトリウム溶液によって、殺菌処理を従来技術の殺菌方法よりも低温で実施でき、より薄い壁を有する容器の使用が可能となる。
【0030】
ブロック34で、PETボトルの内面及び外面を洗い流して過酸化水素の残留物さらには水酸化ナトリウム溶液を除去する。好適には、容器の面を滅菌水で洗い流す。洗浄に続いて、容器に製品を充填する。好適には、容器にオレンジジュース(酸性度の高い製品)、牛乳(酸性度の低い製品)、水、ジュース、スープ又は他の同様な食品といった食品を充填する。より好適には、容器に、好適には60℃から80℃、より好適には60℃から80℃の範囲の温度で流動性を有する食品を無菌で熱充填する。これにより、低温の熱充填は容器を熱変形させないため、安価な薄い壁を有する容器を使用できる。一般的に、安価な薄い壁を有する容器が、80℃付近又はそれよりも高い温度で変形するであろう。
【0031】
異なる手順を具える代替的な方法を図3に示す。この方法は、全体として符号40で表す。ブロック41では、PET又はPETの派生物から成るボトルが、通常、充填機の上に殺菌用に用意されている。大部分の水のボトル及びオレンジジュースの容器が、PET又はPETの派生物から成る。
【0032】
ブロック42で説明するように、まず、水酸化ナトリウム溶液を容器の内面及び外面にかける。水酸化ナトリウム溶液は、好適には、約12.5のpHを有するのが好ましい。水酸化ナトリウム溶液を、好適には、35℃から100℃の範囲の温度、より好適には、35℃から85℃の範囲の温度、さらにより好適には、50℃から75℃の範囲の温度、最も好適には、65℃又は約60℃の温度でかける。水酸化ナトリウム溶液は、好適には水酸化ナトリウムの0.05モル溶液(約0.20%濃度の水酸化ナトリウムである。代替的に、1規定の水酸化ナトリウム溶液をアルカリ溶液として用いる。
【0033】
ブロック43のように、1%から50%の過酸化水素溶液を容器の内面及び外面にかける。過酸化水素溶液を、好適には、35℃から100℃の範囲の温度、より好適には、35℃から85℃の範囲の温度、さらにより好適には、40℃から60℃の範囲の温度、最も好適には、50℃又は約60℃の温度でかける。過酸化水素溶液は、好適には、1%から50%の範囲、より好適には、30%から40%の範囲、最も好適には35%の過酸化水素濃度を有している。好適には、液状の過酸化水素を容器にかける。代替的に、過酸化水素の蒸気をかける。容器の表面で濃縮できる。水酸化ナトリウム溶液が過酸化水素と反応し、容器の面の微生物を殺すヒドロキシル・ラジカルを生成する。水酸化ナトリウム溶液は、殺菌時間を短くして無菌状態を達成する。さらに、水酸化ナトリウム溶液は、容器による過酸化水素の吸収さらには過酸化水素の残留物を減らす。さらに、水酸化ナトリウム溶液によって、殺菌処理を従来技術の殺菌方法よりも低温で実施でき、より薄い壁を有する容器の使用が可能となる。
【0034】
ブロック44で、PETボトルの内面及び外面を洗い流して過酸化水素の残留物さらには水酸化ナトリウム溶液を除去する。好適には、容器の面を滅菌水で洗い流す。洗浄に続いて、容器に製品を充填する。好適には、容器にオレンジジュース(酸性度の高い製品)、牛乳(酸性度の低い製品)、水、ジュース、スープ又は他の同様な食品といった食品を充填する。より好適には、容器に、好適には60℃から80℃、より好適には60℃から80℃の範囲の温度で流動性を有する食品を無菌で熱充填する。これにより、低温の熱充填は、容器を熱変形させないため、安価な薄い壁を有する容器を使用できる。一般的に、安価な薄い壁を有する容器は、80℃付近又はそれよりも高い温度で変形するであろう。プラスチックの容器はより高い充填温度に耐えることができるが、より厚い壁を有する容器は最高100℃まで充填できる。
【0035】
代替的な殺菌方法を図4に示す。この代替的な殺菌方法は、全体として符号50で表す。ブロック51では、殺菌のための容器を、通常、充填機の上に用意する。この容器は、好適にはポリエチレン又はポリプロピレン材料から成る。大部分の牛乳のジョッキがポリエチレンから成る。
【0036】
ブロック52で、1%から50%の過酸化水素溶液を容器の内面及び外面にかける。過酸化水素溶液を、好適には、35℃から100℃の範囲の温度、より好適には、35℃から85℃の範囲の温度、さらにより好適には、50℃から75℃の範囲の温度、最も好適には、65℃の温度でかける。過酸化水素溶液は、好適には、1%から50%の範囲、より好適には、30%から40%の範囲、最も好適には35%の過酸化水素濃度を有している。好適には、液状の過酸化水素を容器にかける。代替的に、過酸化水素の蒸気をかけて、容器の面で濃縮できる。過酸化水素溶液は、上限はないが、好適には30秒、より好適には30秒よりも短い、さらにより好適には10秒よりも短い、最も好適には1秒以下の賦活時間、容器の表面に留まることができる。
【0037】
賦活時間の後に、ブロック53で説明するように、硫酸鉄溶液を容器の表面にかける。1規定の硫酸鉄溶液を溶液として使用する。硫酸鉄溶液を、好適には、35℃から100℃の範囲、より好適には35℃から85℃の範囲、さらにより好適には40℃から60℃の範囲、最も好適には50℃の温度でかける。硫酸鉄溶液は、過酸化水素と反応して、容器の面の微生物を殺すヒドロキシル・ラジカルを生成する。硫酸鉄溶液は、殺菌時間を短くして無菌状態を達成する。さらに、硫酸鉄溶液は、容器による過酸化水素の吸収さらには過酸化水素の残留物を減らす。さらに、硫酸鉄溶液によって、殺菌処理を従来技術の殺菌方法よりも低温で実施でき、より薄い壁を有する容器の使用が可能となる。
【0038】
ブロック54で、容器の内面及び外面を洗い流して過酸化水素の残留物さらには硫酸鉄溶液を除去する。好適には、容器の面を滅菌水で洗い流す。洗浄に続いて、好適には上記のように、容器に製品を充填する。
【0039】
図5に示すように、容器を殺菌するための器具が、全体として符号100で示されている。内面に通じる開口部120を具える複数の容器102a−cの各々を、好適には、様々なステーションを形成する運搬手段104によって運ぶ。好適な実施例では、第1のステーション106で、過酸化水素を容器102aの内面及び外面にかける。第2のステーション108で、アルカリ溶液を容器102bの内面及び外面にかける。第3のステーション110で、容器102cの内面及び外面を好適には滅菌水で洗い流す。運搬手段104は、好適には、過酸化水素に必要な賦活時間に従って移動するコンベヤベルトである。
【0040】
代替的に、容器102を逆さまに運ぶことで、重力によって溶液の排出を助けて殺菌に続いて容器を洗い流すことができる。
【0041】
またさらに、代替的な実施例では、各容器102をステーションに置いて、様々な溶液及び洗浄液を含むかこれらと液通する取出容器112a−cを容器の上又は下を移動させて、各溶液又は洗浄剤を容器に取り出す。
【0042】
以下の例は、本発明に係る方法の効果を示す。ポリマーの殺菌に最適な条件を確認し、境界領域を調査して処理の効果を制限する条件を決定するため、実験を計画した。表で説明するように、ポリマー材料に10個の枯草菌(ATCC9372)を植菌した。ポリエチレンの細片に約100マイクロリットルを滴下して、ポリエチレンの細片の面に塗って面をコーティングすることによって、各ポリマーの細片に植菌した。培養物を殺菌の前に乾燥できた。適切な処理溶液の中で小片を積極的に撹拌することによって、ポリエチレンの各細片を処理した。そして、処理した各々のポリマー細片をカタラーゼで処理して残留過酸化物を不活性化し、35℃で2日間培養したTGEを用いて塗布及び平板培養した。
【0043】
表1において、NaOHの対照、植菌していない未処理の対照、及び本発明に係る2つの方法が評価され、この結果を表1で説明する。5つの複製したポリマーの小片を、本発明に係る2つの各方法に使用した。対数測定値を各非対数測定値の下方に設けた。第1の方法は、まず過酸化水素を使用した後に水酸化ナトリウムのアルカリ溶液を使用した。第2の方法は、まず水酸化ナトリウムのアルカリ溶液を使用した後に過酸化水素を使用した。殺菌を50℃で実施した。
【0044】
【表1】

【0045】
表1に示すように、本発明に係る方法(右寄りの2つの欄)によって微生物を殺した。未処理の対照が、1,800,000のコロニー形成単位(「CFU」)を有していたのに対し、本発明に係る方法は、ポリマーの細片を首尾よく殺菌して<10CFUの値を得た。さらに、CFUの対数換算は、基本的にlog6.26から<1.0であった。
【0046】
【表2】

【0047】
表2で、微生物をペトリ皿の上に付けて延ばし、処理に先立って乾燥できる場合の試験結果を示す。殺菌条件の厳格さは、アルカリ処理の濃度を減らし、不活性な撹拌していない溶液を使用することによって、前の試験よりも減った。植菌しない未処理の対照の結果が第2欄に記載され、0.25規定のNaOH対照の結果が第3欄に記載され、35%のH溶液をかけて30秒の賦活時間をおいてから10秒の賦活時間を有するカタラーゼをかけた場合の結果が第4欄に記載され、35%のH溶液をかけて30秒の賦活時間をおいてから10秒の賦活時間を有する0.25規定のNaOH溶液をかけた場合の結果が第5欄に記載され、3.5%のH溶液をかけて30秒の賦活時間をおいてから10秒の賦活時間を有するカタラーゼをかけた場合の結果が第6欄に記載され、3.5%のH溶液をかけて30秒の賦活時間をおいてから10秒の賦活時間を有する0.25規定のNaOH溶液をかけた場合の結果が第7欄に記載され、10秒の賦活時間を有する0.25規定のNaOH溶液をかけた後に、35%のH溶液をかけて10秒の賦活時間をおき、その後、10秒の賦活時間を有するカタラーゼをかけた場合の結果が第8欄に記載されている。対数測定値を各非対数測定値の下方に設けた。殺菌は、50℃で行った。表2の結果は、明らかに、処理の組み合わせの相乗効果を規定する。第2欄は、1皿当たり10の6.66乗の微生物を有する植菌しない未処理の対照である。第3欄は、0.25%の水酸化ナトリウムを用いた処理における生存を表しており、明らかに殺菌を示さない。30秒の過酸化水素処理(第4欄)が、4.35の対数値の不活性化(処理の10秒当たり1.45の対数値)をもたらす一方で、水酸化ナトリウムと過酸化水素との組み合わせ(第5欄)が、1の大きな対数値の細菌の不活性化をもたらす。3.5%の濃度の過酸化水素のみ(第6欄)及び0.25%の水酸化ナトリウムとの組み合わせ(第7欄)は、このような条件の下での効果を有しなかった。35%の過酸化水素による10秒の短い処理と組み合わせた0.25規定の水酸化ナトリウムによる胞子の前処理は、2.48の対数値の細菌を不活性化した。このような単位時間当たりの殺菌率は、過酸化水素を用いた処理により著しく増加した(10秒当たり1.45の対数値)。過酸化水素/水酸化ナトリウムの組み合わせを用いた両処理は、微生物不活性の大規模な増加をもたらした。第5欄の殺菌方法が最も良い結果を有した。
【0048】
表3では、0.1規定の水酸化カリウム(KOH)を、35℃の温度で30秒間3%の過酸化水素とともに用いた。結果は、このような処理がこれらの処理条件の下で有効でなかったことを示す。
【0049】
【表3】

【0050】
グラフ1及びグラフ2は、60℃、70℃、80℃の3つの異なる温度で熱充填したプラスチックボトルの変形を示す。60℃で熱充填したボトルは、あまり変形が無く、直径が0.43ミリメートル変化するだけである。70℃で熱充填したボトルは、より大きな変形量を有し、高さが縮んで、直径の変形が2.17ミリメートルである。80℃で熱充填したボトルは、最も大きな変形量を有し、高さが197.11ミリメートルまで縮んで、直径の変形は3.63ミリメートルである。本発明によって、好適には60℃から80℃の範囲で、より好適には60℃から70℃の範囲で、無菌で流動性を有する食品の熱充填が可能となる。これにより、グラフ1及び2に示すように、低温での熱充填は容器を熱変形させないため、安価なより薄い壁を有する容器の使用が可能となる。グラフ1及び2に示すように、安価なより薄い壁を有する容器は、80℃付近又はそれ以上の温度で変形するであろう。
【0051】

【0052】

【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】図1は、本発明の一般的な方法を示すフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の特別な方法を示すフローチャートである。
【図3】図3は、本発明の特別な方法を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の特別な方法を示すフローチャートである。
【図5】図5は、本発明の器具によって殺菌される容器の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を殺菌する方法であって、
前記方法が、35℃から100℃の範囲の温度で、容器に1%から50%の過酸化水素を有する過酸化水素溶液をかけるステップと、
前記過酸化水素溶液が、賦活時間、前記容器で活性化することを許容するステップと、
前記賦活時間に続いて、前記容器に、35℃から100℃の範囲の温度で、10−14の範囲のpHを有するアルカリ溶液をかけるステップと、
滅菌水で前記容器を洗い流して、残留アルカリ溶液及び残留過酸化水素を除去するステップと、
を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記アルカリ溶液が、水酸化ナトリウム溶液であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アルカリ溶液が、水酸化カリウム溶液であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アルカリ溶液が、硫酸鉄溶液であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アルカリ溶液が、約12.5のpHを有する0.05規定の水酸化ナトリウム溶液であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
まず、前記アルカリ溶液を容器にかけてから、前記過酸化水素溶液を前記容器にかけて前記アルカリ溶液と反応させ、活性酸素種及び/又はヒドロキシル・ラジカルを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記過酸化水素溶液が、約35%の過酸化水素濃度を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記容器が、ペット(PET)ボトル、ポリエチレンボトル又はポリプロピレンボトルであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
まず、前記過酸化水素溶液を前記容器にかけて、前記賦活時間を30秒取り、
その後、前記アルカリ溶液を前記容器にかけて前記過酸化水素と反応させてヒドロキシル・ラジカルを生成することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
プラスチックボトルを殺菌する方法であって、
前記方法が、40℃から60℃の範囲の温度で、前記プラスチックボトルの外面及び前記プラスチックボトルの内面に30%から40%の過酸化水素を有する過酸化水素溶液をかけるステップと、
前記過酸化水素溶液が、賦活時間、前記プラスチックボトルの外面及び前記プラスチックボトルの内面で活性化することを許容するステップと、
前記賦活時間に続いて前記プラスチックボトルの外面及び前記プラスチックボトルの内面に、50℃から75℃の範囲の温度で、11−13の範囲のpHを有する0.05規定の水酸化ナトリウム溶液をかけるステップと、
滅菌水で前記容器を洗い流して、残留水酸化ナトリウム及び残留過酸化水素を除去するステップと、
を具えることを特徴とするプラスチックボトルを殺菌する方法。
【請求項11】
前記プラスチックボトルが、ペット(PET)ボトル、ポリエチレンボトル又はポリプロピレンボトルであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記過酸化水素溶液の蒸気をかけることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
低温で容器を殺菌する方法であって、
前記方法が、65℃以下の温度で、前記容器に1%から50%の過酸化水素を有する過酸化水素溶液をかけるステップと、
前記過酸化水素溶液が、1秒から30秒の範囲の賦活時間、前記容器で活性化することを許容するステップと、
前記賦活時間に続いて、前記容器に、65℃以下の温度で、10−14の範囲のpHを有するアルカリ溶液をかけるステップと、
滅菌水で前記容器を洗い流して、残留アルカリ溶液及び残留過酸化水素を除去するステップと、
を具えることを特徴とする低温で容器を殺菌する方法。
【請求項14】
前記アルカリ溶液が、約12.5のpHを有する0.05規定の水酸化ナトリウム溶液であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
まず、前記アルカリ溶液を前記容器にかけてから、前記過酸化水素溶液を前記容器にかけて前記アルカリ溶液と反応させ、活性酸素種及び/又はヒドロキシル・ラジカルを生成することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記過酸化水素溶液が、約35%の過酸化水素濃度を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記容器が、ペット(PET)ボトル、ポリエチレンボトル又はポリプロピレンボトルであることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
まず、前記過酸化水素溶液を前記容器にかけて、前記賦活時間を30秒取り、
その後、前記アルカリ溶液を前記容器にかけて前記過酸化水素と反応させてヒドロキシル・ラジカルを生成することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
さらに、殺菌した前記容器に食品を充填するステップを具えることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記食品が高酸性食品であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
容器を殺菌する器具であって、
前記器具が、前記器具を通して複数の容器を移動させるための運搬機構と、
複数の容器の各内面及び外面に過酸化水素をかけるためのステーションと、
水酸化ナトリウム、硫酸鉄溶液又は水酸化カリウム溶液の中から選択され、前記過酸化水素と反応してヒドロキシル・ラジカルを生成する活性剤を、複数の容器の前記各内面及び外面にかけるためのステーションと、
を具えることを特徴とする容器を殺菌する器具。
【請求項22】
さらに、前記複数の容器の前記各内面及び外面を洗い流すためのステーションを具えることを特徴とする請求項21に記載の器具。
【請求項23】
さらに、前記複数の容器の各々に食品を充填するためのステーションを具えることを特徴とする請求項22に記載の器具。
【請求項24】
前記運搬手段に沿って運ぶ際に、前記複数の容器の各々を逆さにすることを特徴とする請求項21に記載の器具。
【請求項25】
前記活性剤が、水酸化ナトリウム溶液であることを特徴とする請求項21に記載の器具。
【請求項26】
容器を殺菌する方法であって、
前記方法が、約60℃の温度で、容器に1%から50%の過酸化水素を有する過酸化水素溶液をかけて、前記過酸化水素溶液が、賦活時間、前記容器で活性化することを許容するステップと、
前記賦活時間に続いて、前記容器に、約60℃の範囲の温度で、10−14の範囲のpHを有するアルカリ溶液をかけるステップと、
滅菌水で前記容器を洗い流して、残留アルカリ溶液及び残留過酸化水素を除去するステップと、
前記容器に、60℃から80℃の範囲の温度で、流動性のある食品を熱充填するステップと、
を具えることを特徴とする容器を殺菌する方法。
【請求項27】
前記流動性を有する食品が、オレンジジュースであることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記アルカリ溶液が、約12.5のpHを有する0.05規定の水酸化ナトリウム溶液であることを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記過酸化水素溶液が、約35%の過酸化水素濃度を有することを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記容器が、ペット(PET)ボトル、ポリエチレンボトル又はポリプロピレンボトルであることを特徴とする方法。
【請求項31】
プラスチックボトルを殺菌する方法であって、
前記方法が、約60℃の温度で、前記プラスチックボトルの外面及び前記プラスチックボトルの内面に30%から40%の過酸化水素を有する過酸化水素溶液をかけるステップと、
前記過酸化水素溶液が、賦活時間、前記プラスチックボトルの外面及び前記プラスチックボトルの内面で活性化することを許容するステップと、
前記賦活時間に続いて、前記プラスチックボトルの外面及び前記プラスチックボトルの内面に、約60℃の温度で、11−13の範囲のpHを有する0.05規定の水酸化ナトリウム溶液をかけるステップと、
滅菌水で前記容器を洗い流して、残留水酸化ナトリウム及び残留過酸化水素を除去するステップと、
前記容器に、60℃から80℃の範囲の温度で、流動性のある食品を熱充填するステップと、
を具えることを特徴とするプラスチックボトルを殺菌する方法。
【請求項32】
前記流動性を有する食品が、オレンジジュースであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記アルカリ溶液が、約12.5のpHを有する0.05規定の水酸化ナトリウム溶液であることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記過酸化水素溶液が、約35%の過酸化水素濃度を有することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記プラスチックボトルが、ペット(PET)ボトル、ポリエチレンボトル又はポリプロピレンボトルであることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記過酸化水素溶液の蒸気をかけることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記流動性を有する食品を、前記プラスチックボトルの熱変形が起きない70℃よりも低い温度で熱充填することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記流動性を有する食品を、前記プラスチックボトルの熱変形が起きない60℃から70℃の間の範囲の温度で熱充填することを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項39】
請求項26又は請求項31に記載の前記方法を実施するための器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−529917(P2008−529917A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−556217(P2007−556217)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/004840
【国際公開番号】WO2006/088749
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(507272832)
【Fターム(参考)】