説明

容器を反転させるための装置

本発明は、容器反転装置に関する。この反転装置は、装置の入口で第1の方向に向けられ、装置の出口で第2の方向に向けられるネック部を有する容器を反転させることができる。この反転装置は、容器のネック部を保持するための少なくとも1つのクランプ(45)を有している。前記クランプ(45)は、固定ブラケット(47)によりベルト(49)に装着され、また、容器を反転させるために、このベルトは、少なくとも1つのプーリ(33)の周りを通り、前記クランプをプーリ(33)の一側から他側に移動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器を反転させるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、容器を洗浄したり充填したりし得る方向に容器を向ける装置が、知られている。しかし、このような容器の製造中又はパッケージング中、容器の垂直方向の向きは、時々、変更されなければならない。
【0003】
従来技術では、また、ボトルのような容器が、このような容器の製造後に製造マシン又は処理用のマシンを離れる際に、この容器の内壁を洗浄することを可能にする洗浄装置が知られている。洗浄ステーションには、ほぼ垂直軸線に沿って延びる送風チューブが装着されている。このチューブにより支持され、この目的のために特別に設計されたノズルにより、加圧ガス源が、容器の内壁に送風ガスを送る。容器は、この容器の開口部(即ち、ネック部)がクランプのような把持手段により下向きにされた状態で支持され、送風チューブに対して平行に移動される。そして、加圧ガスが噴射され、かくして、容器の開口部が下向きに配置されているために、埃や固形のごみが、容器から吹き飛ばされる。
【0004】
より詳細には、容器がボトルである場合、ボトルは、通常、ネック部が把持された状態で、このような洗浄装置に到達する。この場合、ボトルは、ボトルのネック部と、従ってボトルの開口部とが、少なくとも洗浄装置の洗浄ゾーンで下向きにされるように、反転されなければならない。
【0005】
従来技術では、下向きにされたボトルのネック部を洗浄装置に位置付け得るボトル反転装置が、すでに提案されている。このような反転装置には、カムが装着され、キャリッジ(又はローラーを有する他のメカニズム)に取着されたクランプは、キャリッジが移動したときに、上向きにされた状態でクランプによりネック部が把持されたボトルが、クランプを支持するキャリッジとカムとの共働動作により反転され、かくしてネック部が下向きにされるように、配置されている。そして、上昇並びに下降用のメカニズムが、ボトルを送風チューブに沿って移動させることを可能にしている。
【0006】
特に、ほぼ螺旋形状の反転カムが知られている。しかし、このような反転カムは、反転マシンを高速ボトル洗浄マシンと組み合わせることが望まれる場合に、使用が非常に難しくなる。特に、このような螺旋形状の反転カムを囲むように設計された反転装置は、ボトルを高速で洗浄することが望まれる場合に、調整するのが非常に難しい。
【0007】
本発明は、従来技術の欠点を克服する、容器を反転させるための装置に関する。
【発明の概要】
【0008】
本発明に係われば、反転装置は、容器のネック部を把持するためのクランプが留め具により取着されたベルトと、このベルトが少なくとも部分的に巻かれた少なくとも1つのプーリとを有し、また、容器を反転させるために、プーリの径方向で対向した2つの位置にクランプの留め具を通すように、プーリの周りでベルトを移動させるための手段が、設けられている。
【0009】
本発明の一態様に係われば、前記ベルトは、2つのプーリ間に支持され、また、このベルトは、前記移動させるための手段の駆動部分によって移動するように駆動される第1のキャリッジに取着され、かくして、このキャリッジが前記駆動部分により駆動されることによって、ベルトが移動されるようになっている。
【0010】
本発明の一態様に係われば、この反転装置は、反転メカニズムの装填並びに非装填位置を調節するための手段を有している。
【0011】
本発明の一態様に係われば、前記装填並びに非装填位置を調節するための手段は、フレームに取着された固定ストッパーを有している。
【0012】
本発明の一態様に係われば、前記留め具は、前記ストッパーがないときに、前記クランプが下方へとわずかに傾斜されるように配置され、また、反転メカニズムのフレームに対する前記ストッパーの高さは、クランプが、容器を待つ位置の所定の基準位置にあるように、調節されている。
【0013】
本発明の一態様に係われば、この反転装置は、前記クランプの「反転」位置を調節するための手段を有している。
【0014】
本発明の一態様に係われば、前記クランプの「反転」位置を調節するための手段は、前記駆動手段への接続用の第1のバーに取着された前記ベルトへの、前記第1のキャリッジの装着位置を調節するための手段を有している。
【0015】
本発明の一態様に係われば、前記駆動手段は、ベルトに取着された前記キャリッジに第1のバーにより接続され、この第1のバーは、ガイドに沿って摺動可能で、かつ他のバーにより前記駆動手段に接続された第2のキャリッジに取着され、また、前記他のバーは、第2の固定ストッパーに面した第1の可動ストッパーを支持している。
【0016】
本発明の一態様に係われば、この反転装置は、前記反転メカニズムのクリアランス並びに調節エラーをなくするための手段を有している。
【0017】
本発明の一態様に係われば、前記反転メカニズムのクリアランス並びに調節エラーをなくすための手段は、一端部が前記プーリを支持するフレームに装着され、他端部がプーリに装着されている、調節可能な長さの部材を有している。
【0018】
本発明の一態様に係われば、前記フレームの一部は、第2のバーにより、ガイドに沿って可動の第2のキャリッジに接続され、第4のバーが、この第2のキャリッジを、一方では、前記固定ストッパーと、調節可能な長さの部材の第1の端部とに接続し、他方では、調節ストッパーに接続し、また、前記調節可能な長さの部材は、第5のバーにより前記駆動手段に取着された第2の端部を有している。
【0019】
本発明の一態様に係われば、前記第2のストッパーは、この第2のストッパーの、前記第1のストッパーの移動に対する位置を調節するための部材を有し、前記駆動手段の位置にかかわらず、前記第4のバーを前記調節ストッパーに押圧し続け得る垂直方向の力を与え得る。
【0020】
本発明の一態様に係われば、前記調節可能な長さの部材は、ばねメカニズムにより形成され、このばねメカニズムの、静止時の伸びは、最初、前記反転メカニズムに対する静的力のバランスを保つように調節され、また、前記ばねメカニズムの伸び係数は、前記クランプに装填されたボトルの反転移動中の、反転メカニズムに対する動的力のバランスを保つように計算されている。
【0021】
本発明の一態様に係われば、前記駆動手段は、前記反転メカニズムに取着されたローラーカム従動車とカムとを有し、前記ローラーカム従動車は、カルーセル上で、反転メカニズムのフレームに装着され、カルーセルの回転中、このローラーカム従動車は、反転メカニズムが所定の角位置に移動するときに、垂直コースに従うようになっている。
【0022】
本発明の一態様に係われば、この反転装置は、互いに平行に動作する複数の反転メカニズムを有している。
【0023】
本発明の一態様に係われば、反転軸線は、前記複数の反転メカニズムが複数のボトルを同時に反転し得る角ピッチで夫々配置された円に対して正接をなしている。
【0024】
本発明は、以下の説明と添付図面とにより、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係わる反転装置の概略図を示している。
【図2】ある位置にある、本発明の一実施形態の概略図を示している。
【図3】異なる位置にある、本発明の一実施形態の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明に係わる反転装置の概略的な上面図を示している。この装置は、全体が、参照符号1で示され、全体が示されない処理マシンの一部を形成している。上から見るとネック部のみが示されている複数の容器、この場合はボトルが、反転装置1の入口19へと少なくとも1本ずつ導かれる。ボトル10を考えた場合、このボトルは、矢印Aの移動方向に従って反転装置1に送られる。個々の反転メカニズム5には、ボトルのネック部を把持するクランプ7が設けられている。この反転装置5は、ボトルを反転位置3に位置させるように、ボトル10を矢印Bの方向に反転させる。この工程は、移送軸線D1に垂直な水平軸線Xを中心としてクランプ7を回動させることにより果たされ、かくして、クランプ7が、破線9で示された位置に反転する。所定の処理が装置1で適用されると、個々の反転メカニズム5は、位置3に反転されたボトルが最初の位置10に戻るように、矢印Cの方向に反転移動を行う。次に、この反転装置は、処理されて再び最初の位置に反転されたボトルが矢印Dの方向に送られるように、更なるピッチで進む。
【0027】
図1に見られ得る特定の実施形態では、前記反転メカニズム5のような単一の反転装置を使用する代わりに、本発明の反転装置1は、前記反転メカニズム5と同一の、軸線D1,D2,D3,D4に沿って夫々アライメントされた幾つかの反転メカニズム(この場合、4つのメカニズムが図示されている)を有している。これら軸線D1,D2,D3,D4間の角ピッチは、各反転メカニズムの水平軸線を中心とした反転移動によりもたらされる接近にもかかわらず、反転されたボトルが、ぶつかり合うことなく、図1に部分的に示された処理マシンに設けられた処理装置により処理され得るように、計算されている。
【0028】
特定の適用例では、前記処理マシンは、中心軸線11を有する円形のターンテーブル、即ちカルーセル21を備えている。このカルーセル21は、4つの反転されたボトルの各々中に加圧されて噴射されるすすぎ用の流体をブロアするための少なくとも4つのノズル並びに/若しくはチューブを有している。これら4つの反転されたボトルがすすがれると、前記メカニズム5のような4つの反転メカニズムが、反転装置の移送用のカルーセル21上で、これら4つのボトルを再び反転させて、これらボトルが例えば装置から取り外され得るように、導入時に位置された外側位置にこれらボトルを戻す。
【0029】
このような平行の移動は、前記各軸線D1,D2,D3,D4が、この軸線の隣の軸線に対して、ボトルを反転させ得るのに十分な角度のスペースを有するという事実により、可能とされる。
【0030】
図2並びに3は、単一のボトル用の反転メカニズムの概略図を、2つの異なる位置で示している。これら図の動作が、図1のように互いに平行に配置された複数のメカニズムにおいて繰り返され得ることは、理解される。
【0031】
図2では、クランプ45が、反転移動が始まる前の、最初の位置の反転メカニズムに示されている。従来技術で知られているように、このクランプ45は、ボトルのネック部を把持し、従って、ボトルの向きは、図の上方に方向付けられる。このクランプは、2つのプーリ、即ち第1のプーリ33と第2のプーリ39との回転により駆動されるベルト49に、枢支された留め具47により装着されている。
【0032】
前記クランプ45は、ベルト49が後述されるような動作に設定されているときに、クランプが、前記プーリ33の周りを矢印F5の方向に回動し始め、そして、クランプが、向きを変えて、クランプに把持された容器を反転させ得るように、プーリ33の径方向で対向した2つのポイントを通るように、留められている。図2の実施形態に示されている反転メカニズムは、前記ベルト49を移動させ得る駆動手段を有している。
【0033】
この駆動手段は、実質的に、カムメカニズムのような駆動部分79,81を有し、この駆動部分は、ベルト49のストランド51に取着された第1のキャリッジ53を移動させ、かくして、ストランドは、矢印F4により示された降下移動で、反転移動の第1の部分に駆動される。
【0034】
前記駆動手段が、反転移動を開始するように制御されるとき、ベルトの前記ストランド51は、ベルトがクランプ45を矢印F5の方向に駆動させるように、前記キャリッジ53の移動により矢印F4の方向に駆動される。駆動される距離は、前記留め手段47と、これに関連したクランプ45とが、前記プーリ33の(垂直平面で考えられる)一側から他側へと、従って、クランプを反転させるプーリ33の径方向で対向した少なくとも2つのポイントを移動する程度である。この反転の終了時に、前記駆動手段は、キャリッジ53の移動を停止し、適切な処理が、クランプ45により支持され、かつ反転されたボトルに適用され得る。
【0035】
ボトルを反転させ、このボトルを装填ポイントに戻すために、前記駆動手段が、前記キャリッジ53を前記矢印F4とは反対の方向へと移動させるように制御し、かくして、クランプ45が、プーリ33を中心として前記矢印F5とは反対の方向に回動される。そして、例えば水洗処理されたボトルが、クランプ45から非装填され、前記移送用のカルーセル21へと戻されることができる(図1を見よ)。
【0036】
図2の実施形態には、前記反転メカニズムの装填と非装填との位置を調節するための手段が、設けられている。この装填と非装填との位置を調節するための手段により、クランプ45の装填位置が、移送用メカニズムのフレーム35に取着されたストッパー85によって決定される。移送用メカニズムの効果的な調節を行うために、前記枢支された留め具47は、ストッパー85がないときに、クランプ45が下方へとわずかに傾斜されるように、計算されている。このストッパー85の、反転メカニズムのフレーム35に対する高さは、ボトルを待つ位置のクランプ45が、ベルト49の方向に対して垂直、従って水平であるように、調節されている。
【0037】
図2の実施形態には、クランプ45の「反転」位置を調節するための手段が、設けられている。
特に、クランプ45の「反転」位置を調節するための手段は、前記駆動手段79,81に接続されるための第1のバー55に取着された前記第1のキャリッジ53の装着のための位置を調節するための手段を有している。特に、この第1のキャリッジ53は、ベルトの片側に装着された2つのプレートからなっている。これらプレートは、ベルトの一側で一緒に結合されている。キャリッジ53とベルト49とは、ねじのような接続部材により取着されている。反転メカニズムの調節中に、操作者は、これらねじを緩めて、キャリッジ53の正確な位置が得られるまでキャリッジ53をベルトに沿って摺動させる。そして、操作者は、キャリッジをベルトに取着するように、ねじを再び締めることができる。
【0038】
従って、前記駆動手段79,81が、前記第1のバー55により、ベルト49のストランド51に取着された第1のキャリッジ53に接続される。この第1のバー55は、ガイド57に沿って摺動し得る第2のキャリッジ59に取着されている。また、この第2のキャリッジ59は、他のバー61により、前記駆動手段に接続されている。
【0039】
この他のバー61は、第2のストッパー65に面した第1のストッパー63を支持している。この第2のストッパーの位置は、第1のストッパー63と一緒の移動を低減するように、調節されることができ、この移動は、矢印F2により示されている。第1のストッパー63が、第2のストッパー65に接触したときに、クランプ45が、反転移動F5を終える。
【0040】
図示されない他の実施形態では、前記ストッパー65の位置は、調節可能ではなく、従って、移動F2も、調節可能ではない。このストッパーは、駆動手段79,81の移動により完全に決定される。
【0041】
図2の実施形態には、反転メカニズムのクリアランスと調節エラーとをなくすための手段が、設けられている。
従って、前記第1のプーリ33は、反転メカニズムのフレーム35のベアリングに取着された第1のシャフト31に装着されている。また、前記第2のプーリ39は、調節可能な長さの手段37の一端部で接続バー43により、反転メカニズムのフレーム35に取着された第2のシャフト41に装着されている。前記調節可能な長さの手段37は、他端部が、フレーム35に取着されている。
【0042】
更に、この調節可能な手段37に取着されたフレーム35の一部は、前記ガイド57のようなガイドに沿って移動され得る第3のキャリッジ75に、第2のバー77により接続されている。更に、第4のバー69が、前記第3のキャリッジ75を、一方では、固定ストッパー65と、第2の調節可能な長さの部材73の第1の端部とに接続し、他方では、調節ストッパー67に接続している。第2の調節可能な長さの部材73は、第5のバー71により前記駆動手段79,81に取着された第2の端部を有している。
【0043】
部材63,65,67,69,及び73の全ては、ボトル(上述された)を反転させるメカニズムの第1の目的と、例えば洗浄ノズルに沿って各ボトルを垂直方向に移動させる第2の目的との間の移行を与えるために、ある。カムのような前記駆動手段81は、重ねられた2つのランプを有している。
【0044】
第1のランプは、反転を与えるために使用される。この反転中に、部材61,59,及び55の全ては、垂直方向に移動する。前記フレーム35は、接続バー69をストッパー67に保持させるばねのような第2の調節可能な手段73の圧力により、移動しない。従って、部材61,59,55,及び53の全ては、部材35,51,47,41,39,37,43,31,及び33の全てに対して相対的に移動し、かくして、ベルトを移動させて、クランプを反転させることを可能にする。
【0045】
ローラーのような前記駆動手段79が、前記カムの第1のランプの一端にあるとき、反転が完了する。前記両ストッパー63,65は、接触する。ばねのような前記第2の調節可能な手段73は、伸ばされるが、まだ、第1のアッセンブリ61,59,及び55と、第2のアッセンブリ35,51,47,41,39,37,43,31,及び33との間の結合(cohesion)を確実にする十分な圧力を与える。
【0046】
ローラーのような前記駆動手段79が、第2のランプ上で回転すると、前記2つのアッセンブリが、支持体83に対して垂直方向で摺動し、前記バー69が、前記ストッパー67から分離し、このストッパーは、支持体83に対して固定される。そして、反転されたボトルは、下方へと垂直方向に移動される。
【0047】
好ましくは、前記第3のキャリッジ75は、第2のキャリッジ59と同じガイドに沿って摺動し、これと同じパスをたどる。このガイド57は、前記フレームに取着され、また、例えば、駆動手段79,81が接続された固定部材とに取着されている。
【0048】
好ましくは、前記両調節可能な長さの部材が、ばねメカニズム(sprung mechanisms)で構成されているとき、これらばねメカニズムの、静止時の伸びは、最初、反転メカニズムに対する静的力のバランスを保つように調節され、これらばねメカニズムの伸び係数は、クランプ45に装填されたボトルの反転移動の間の、反転メカニズムに対する動的力のバランスを保つように、計算されている。
【0049】
図3は、「反転」位置にある図2の反転メカニズムを示している。これら2つの形態を比較し得るために、前記ガイド57の軸線が、位置を参照するように使用されている。更に、幾つかの参照符号が省略され、図2の対応部材が、説明のために参照されるべきである。
【0050】
図3では、前記第1のストッパー63が、前記第2の固定ストッパー65と接触している。また、前記第1のキャリッジ53が、下方位置に示され、前記クランプ45が、「反転」位置に示されている。
【0051】
好ましくは、前記駆動手段は、カム81と、第3のバー61並びに/若しくは第5のバー71に取着されたローラーカム従動車(cam follower roller)79とを有している。上述された5つのバーの全てとフレーム35とを有する反転メカニズムは、図1のカルーセル21のようなカルーセルに、カム従動車79を有し、カルーセルが回転すると、このカム従動車が、反転メカニズムの、所定の角位置への通過中に、垂直方向のコースに従うようになっている。
【0052】
他の実施形態では、反転は、ボトルのような容器のネック部が図1によって示されたように配置されたクランプ45の下方移動により、補われる。図を複雑にしないように図2並びに3には示されない容器が下降すると、ロッド(図示されず)が、空気のような洗浄流体並びに/若しくは殺菌流体をブロア並びに/若しくは噴射するために容器中に挿入され得ることに注目すべきである。この場合、ロッド(図2並びに3に示されず)は、反転された容器の中央軸線と垂直方向で平行に位置され、このロッドが接続されたブロア並びに/若しくは噴射メカニズム(図示されず)は、反転された容器の、上側位置から、流体をブロア並びに/若しくは噴射するためのゾーンへの通過を検出する下側位置検出センサー(図示されず)により、駆動される。プログラムされたブロア並びに/若しくは噴射の動作が完了すると、前記カム従動車79が、クランプ45に装着された容器を反転移動させる。この容器は、図3の右側のストランドに沿って上昇し、反転装置の調節のために上述された上側反転位置に戻る。そして、この移動は、ネック部が上向きになった容器を変位し続ける。
【0053】
前記ストッパー65は、ベルトの図3の「右側」のストランド51の直線部分の入口の「上側」反転位置を越えた下降の継続を可能にするように配置されなければならないことに、注意すべきである。この場合、このストッパーは、本発明の装置の調節に実施され得る簡単な適用方法である。この目的のために、図2並びに3の「右側」のストランド51に沿ったキャリッジ53の移動を調節することにより、クランプ45は、図2のプーリ33の「左側」の位置から、図3のプーリ33の「右側」の位置に移動し、そして、ブロア並びに/若しくは噴射メカニズムのロッドのブロア並びに/若しくは噴射ゾーンまで、下方向に、「右側」のストランド51に沿って再び移動することを確実にする。クランプ45が、移動を終了すると、前記カム従動車79は、カム81の一部に接触して、クランプ45の移動を反転させる。このクランプは、プーリ33の「右側」の上側位置に達するまで図2の「右側」のストランドに沿って上昇する。カム従動車は、最後に、逆の反転移動を生じさせて、クランプとボトルのような容器とを、図2のプーリ33の「左側」の最初の位置に持っていく。この位置で、クランプは、洗浄並びに/若しくはブロア後のボトルを開放するように開成される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置の一方の位置で第1の方向に向けられ、装置の他方の位置で、第1の方向とは反対の第2の方向に向けられるネック部を夫々有する複数の容器を反転させるための装置において、各容器のネック部を把持するためのクランプ(45)が留め具(47)により取着されたベルト(49)と、このベルトが少なくとも部分的に巻かれた少なくとも1つのプーリ(33)とを具備し、また、この容器を反転させるために、前記プーリの径方向で対向した2つの位置にクランプの前記留め具(47)を通すように、前記プーリの周りで前記ベルトを移動させるための手段(79,81,53)が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ベルト(49)は、2つのプーリ(33,39)間に支持され、また、このベルトは、前記移動させるための手段の駆動部分(79,81)によって移動するように駆動される第1のキャリッジ(53)に取着され、かくして、このキャリッジ(53)が前記駆動部分により駆動されることよって、前記ベルト(49)が移動されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
反転メカニズムの装填並びに非装填位置を調節するための手段を具備していることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記装填並びに非装填位置を調節するための手段は、フレーム(35)に取着された固定ストッパー(85)を有していることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記留め具(47)は、前記ストッパー(85)がないときに、前記クランプ(45)が下方へとわずかに傾斜されるように、枢支並びに配置され、また、反転メカニズムの前記フレーム(35)に対する前記ストッパー(85)の高さは、前記クランプ(45)が、容器を待つ位置の所定の基準位置にあるように、調節されていることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記クランプ(45)の「反転」位置を調節するための手段を具備していることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1に記載の装置。
【請求項7】
前記クランプ(45)の「反転」位置を調節するための手段は、前記駆動手段(79,81)への接続用の第1のバー(55)に取着された前記ベルト(49)への、前記第1のキャリッジ(53)の装着位置を調節するための手段を有していることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記駆動手段(79,81)は、前記ベルト(49)に取着された前記第1のキャリッジ(53)に第1のバー(55)によって接続され、この第1のバー(55)は、ガイド(57)に沿って摺動可能で、かつ他のバー(61)により前記駆動手段に接続された第2のキャリッジ(59)に取着され、また、前記他のバー(61)は、第2のストッパー(65)に面した第1の可動ストッパー(63)を支持していることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記反転メカニズムのクリアランス並びに調節エラーをなくすための手段を具備していることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1に記載の装置。
【請求項10】
前記反転メカニズムのクリアランス並びに調節エラーをなくすための手段は、一端部が前記プーリ(33,41)を支持する前記フレーム(35)に装着され、他端部がプーリ(39)に装着されている、調節可能な長さの部材(37)を有していることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記フレーム(35)の一部は、第2のバー(77)により、ガイド(57)に沿って可動の第2のキャリッジ(75)に接続され、第4のバー(69)が、この第2のキャリッジ(75)を、一方では、前記固定ストッパー(65)と、調節可能な長さの部材(73)の第1の端部とに接続し、他方では、調節ストッパー(67)に接続し、また、前記調節可能な長さの部材(73)は、第5のバー(71)により前記駆動手段(79,81)に取着された第2の端部を有していることを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2のストッパー(65)は、この第2のストッパーの、前記第1のストッパー(63)の移動に対する位置を調節するための部材を有し、前記駆動手段の位置にかかわらず、前記第4のバー(69)を前記調節ストッパー(67)に押圧し続け得る垂直方向の力を与え得ることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記調節可能な長さの部材は、ばねメカニズムにより形成され、このばねメカニズムの、静止時の伸びは、最初、前記反転メカニズムに対する静的力のバランスを保つように調節され、前記ばねメカニズムの伸び係数は、前記クランプ(45)に装填されたボトルの反転移動中の、前記反転メカニズムに対する動的力のバランスを保つように計算されていることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1に記載の装置。
【請求項14】
前記駆動手段は、前記反転メカニズムに取着されたローラーカム従動車(79)とカム(81)とを有し、前記ローラーカム従動車は、カルーセル(21)上で、反転メカニズムのフレームに装着され、カルーセルの回転中に、このローラーカム従動車は、反転メカニズムが所定の角位置に移動するときに、垂直コースに従うようになっていることを特徴とする請求項2ないし13のいずれか1に記載の装置。
【請求項15】
互いに平行に動作する複数の反転メカニズムを具備していることを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1に記載の装置。
【請求項16】
反転軸線が、前記複数の反転メカニズムが複数のボトルを同時に反転し得る角ピッチで夫々配置された円に対して正接をなしていることを特徴とする請求項15に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−545505(P2009−545505A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−522214(P2009−522214)
【出願日】平成19年7月23日(2007.7.23)
【国際出願番号】PCT/EP2007/057572
【国際公開番号】WO2008/015121
【国際公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【出願人】(506208528)スィデル・パルティスィパスィヨン (44)
【Fターム(参考)】