説明

容器ヒートシール装置

【課題】効率的な作業が可能であり、かつ様々な大きさ・形状の容器に対応可能な容器ヒートシール装置を提供する。
【解決手段】収容体101と蓋体102とからなる容器100に、上方からシールヘッド10を降下し当接させて、蓋体102の周縁部を収容体101の周縁部に熱圧着し閉鎖する容器ヒートシール装置であって、シールヘッド10の蓋体102に当接する底面部に、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜するテーパー状の凹部Xを形成し、容器100の大きさに合わせて、シールヘッド10を、凹部Xが蓋体102の周縁部に当接する位置まで降下するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収容体と蓋体とからなる容器を熱圧着して閉鎖する容器ヒートシール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な内容物を収容するために、例えば図22に示すような容器100が用いられている。容器100は、内容物を収容する収容体101と、収容体101を上方から覆うようにして取り付けられる蓋体102から構成されている。容器100はプラスチック等により形成された柔軟性容器であり、蓋体102を収容体101に取り付けた後、蓋体102の周縁部を収容体101の周縁部に熱圧着することにより閉鎖するようになっている。
【0003】
図23は、収容体101に内容物300が収容され、蓋体102が取り付けられた様子を示す断面図である。こうした容器100にはジュース等の液体を収容することも可能であるが、ここでは内容物300として菓子やドライフルーツ等の固形物が収容されている。収容体101の上端周縁部は鍔状に形成されており、蓋体102の周縁部は内側から外側に向けて一旦盛り上がった後、下向きに折曲されて断面略L字形となるように形成されている。そして、蓋体102の周縁部の下面に形成された凹部に、収容体101の鍔状の周縁部が嵌まるようになっている。
図24は、内容物300が収容された容器100が熱圧着によりシールされた状態を示す平面図である。蓋体102の周縁部が収容体101の周縁部に熱圧着されているが、内容物200が固形物であるため、周縁部全体を熱圧着するのではなく、周縁部のうち3ヵ所のシールポイントSのみが熱圧着されている。
【0004】
このように、周縁部のうち数ヶ所のシールポイントSをシールする場合(以下、「ポイントシール」という。)、図25に示すようなポイントシール装置500が用いられる。ポイントシール装置500の先端には、上側突起部501と下側支持部502が設けられており、上側突起部501は電熱等により高温に保たれている。
そして、上側突起部501と下側支持部502の間に、容器100の周縁部を挟んだ後、ハンドル503,504を握って周縁部を熱圧着し、これをシールしたい任意の位置で繰り返し行うことにより、ポイントシールするようになっている。
【0005】
一方、収容体に蓋体を熱圧着させる装置として、特許文献1には、カップの開口面にシールシートを被せて、上から、底面に凹部を設けたホットプレートを押し当てるようにした発明が記載されている。
また、特許文献2には、容器の開口部に蓋体を被せて、上から、底面に凹部を設けたシールヘッドを下降させて融着させるようにした発明が記載されている。
【特許文献1】特開2001−155247号公報
【特許文献2】特開平7−17502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ポイントシール装置500を用いた場合には、様々な容器に対応することができるが、容器の周縁部を挟んでハンドル503,504を握る動作を何度も繰り返す必要があるため、時間がかかり煩雑である。
【0007】
一方、特許文献1や特許文献2に記載された発明によれば、ホットプレート(シールヘッド)を用いて収容体と蓋体を熱圧着させることができるので効率的であるが、予め決まった大きさ・形状の容器についてしか対応できない。
【0008】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、効率的な作業が可能であり、かつ様々な大きさ・形状の容器に対応可能な容器ヒートシール装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明の容器ヒートシール装置は、収容体と蓋体とからなる容器に、上方からシールヘッドを降下し当接させて、前記蓋体の周縁部を前記収容体の周縁部に熱圧着し閉鎖する容器ヒートシール装置であって、前記シールヘッドの前記蓋体に当接する底面部に、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜するテーパー状の凹部を形成し、前記容器の大きさに合わせて、前記シールヘッドを、前記凹部が前記蓋体の周縁部に当接する位置まで降下するようにしたことを特徴とする。
ここで、「容器の大きさに合わせて」とは、容器を閉鎖するために熱圧着させる部分である、蓋体の周縁部と収容体の周縁部の大きさに合わせてという意味である。容器の大きさが異なれば、シールヘッドの凹部における蓋体周縁部との当接位置が異なってくるため、それに合わせてシールヘッドの降下位置が変化するのである。以下の請求項においても同様である。
【0010】
請求項2に係る発明の容器ヒートシール装置は、収容体と蓋体とからなる容器に、上方からシールヘッドを降下し当接させて、前記蓋体の周縁部を前記収容体の周縁部に熱圧着し閉鎖する容器ヒートシール装置であって、前記シールヘッドの前記蓋体に当接する底面部に、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜する複数の突条部を形成し、前記容器の大きさに合わせて、前記シールヘッドを、前記突条部が前記蓋体の周縁部に当接する位置まで降下するようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の容器ヒートシール装置において、前記複数の突条部を、前記シールヘッドの周方向に沿って均等間隔に配置したことを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載の容器ヒートシール装置において、前記シールヘッドを前記容器に対して水平方向に回動可能としたことを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載の容器ヒートシール装置において、前記容器を前記シールヘッドに対して水平方向に回動可能としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明においては、シールヘッドの蓋体に当接する底面部に、中心部側から周縁部側に向けて傾斜するテーパー状の凹部が形成されている。従って、蓋体と収容体の周縁部の全周に亘ってヒートシールすることができる。
そして、ヒートシールを行うときには、その凹部が蓋体の周縁部に当接する位置までシールヘッドを降下するようになっている。熱圧着させる容器の蓋体の周縁部が大きい場合には、蓋体はシールヘッドの凹部の周縁部側の位置で当接する。一方、熱圧着させる容器の蓋体の周縁部が小さい場合には、蓋体はシールヘッドの凹部の中心部側の位置で当接する。従って、容器の大きさに合わせて必要な位置までシールヘッドを降下させることで、様々な大きさの容器をヒートシールすることができる。
また、容器が正確にセットされずに蓋体が傾いた場合にも、シールヘッドのテーパー状の凹部によりシールヘッドと蓋体を適切に当接させることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明においては、シールヘッドの蓋体に当接する底面部に、中心部側から周縁部側に向けて傾斜する複数の突条部が形成されている。従って、蓋体と収容体の周縁部のうち複数のシールポイントを突条部によりヒートシールすることができる。
そして、ヒートシールを行うときには、その突条部が蓋体の周縁部に当接する位置までシールヘッドを降下するようになっている。熱圧着させる容器の蓋体の周縁部が大きい場合には、蓋体はシールヘッドの突条部の周縁部側の位置で当接する。一方、熱圧着させる容器の蓋体の周縁部が小さい場合には、蓋体はシールヘッドの突条部の中心部側の位置で当接する。従って、容器の大きさに合わせて必要な位置までシールヘッドを降下させることで、様々な大きさの容器をヒートシールすることができる。
また、容器が正確にセットされずに蓋体が傾いた場合にも、シールヘッドの突条部によりシールヘッドと蓋体を適切に当接させることができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明においては、複数の突条部が、シールヘッドの周方向に沿って均等間隔に配置されている。従って、蓋体と収容体の周縁部のシールポイントが均等間隔になり、バランス良くヒートシールすることができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明においては、シールヘッドが容器に対して水平方向に回動可能となっている。従って、いったんシールヘッドを降下させて蓋体と収容体の周縁部のある位置を熱圧着させた後、シールヘッドを上昇させるとともに、シールヘッドを水平方向に回転させ、もう一度シールヘッドを降下させて蓋体と収容体の周縁部の別の位置を熱圧着させることができる。これにより、様々な形状の容器をヒートシールすることができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明においては、容器がシールヘッドに対して水平方向に回動可能となっている。従って、いったんシールヘッドを降下させて蓋体と収容体の周縁部のある位置を熱圧着させた後、シールヘッドを上昇させるとともに、容器を水平方向に回転させ、もう一度シールヘッドを降下させて蓋体と収容体の周縁部の別の位置を熱圧着させることができる。これにより、様々な形状の容器をヒートシールすることができる。
【0019】
本発明の基本的な特徴は、「シールヘッドの底面部に、中心部から周縁部に向けて下向きに傾斜するテーパー状の凹部を形成した点」にある(請求項1)。また、「シールヘッドの底面部に、中心部から周縁部に向けて下向きに傾斜する複数の突条部を形成した点」にある(請求項2)。そして、いずれにおいても、「容器の大きさに合わせて、シールヘッドを降下させるようにした点」を重要な構成要件としている。そしてこれにより、様々な大きさ・形状の容器に対応可能となっている。
これに対して、特許文献1には、「ホットプレートの底面にカップ径に対応した凹部を形成し、かつ該凹部の周面を外方に向けて広がるテーパー面となしたもの」が記載されている。また、特許文献2には、「シールヘッドの凹部の内周面に傾斜面を形成したもの」が記載されている。
しかしながら、特許文献1のテーパー面は、ホットプレートの凹部の底面がシールシートに直接触れないように設けられたものである。また、特許文献2の傾斜面は、容器の天面部の形状に合わせて適宜選択されるものである。いずれの場合にも、本発明のように様々な大きさ・形状の容器をヒートシールするための構成ではなく、本発明とはその作用効果が大きく異なるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の実施形態に係る容器ヒートシール装置について説明する。まず、図1乃至図3を参照して、本発明の実施形態に係る容器ヒートシール装置の基本構成について説明する。図1は本発明の実施形態に係る容器ヒートシール装置200を示す正面図である。図2は、容器ヒートシール装置200のターンテーブル1を示す平面図である。図3は、図2のA−A拡大断面図であり、容器100が装着された状態を示している。
【0021】
図1に示すように、容器ヒートシール装置200の本体部5からは、上方に向けて回転軸8が延設されており、回転軸8の上端にはターンテーブル1が固定されている。本体部5内には回転軸8を回転させる動力機構が設けられており、この動力機構によりターンテーブル1が水平方向に時計回りに回転するようになっている。
本体部5には位置決めセンサ6が取り付けられており、ターンテーブル1に取り付けられた位置決め片9を検知して、ターンテーブル1を所望の位置で停止するようになっている。また、本体部5には、有無確認センサ7,7が取り付けられており、ターンテーブル1に容器100が装着されているか否かを検知するようになっている。
【0022】
ターンテーブル1の上方には、容器100を熱圧着させるためのシール機構が設けられている。このシール機構は、支持部4と、支持部4に取り付けられ下方に向けて伸縮可能なシリンダー3と、シリンダー3の下端に取り付けられたヒータ部2と、ヒータ部2の下面に取り付けられたシールヘッド10から構成されている。
シリンダー3が下方に伸縮することにより、シールヘッド10は下降及び上昇するようになっている。このシリンダー3は、例えばエアシリンダーであり、シールヘッド10を蓋体の周縁部に当接する位置まで降下させ、さらに下向きの圧力を加えてシールヘッド10で蓋体の周縁部と収容体の周縁部を熱圧着するようになっている。また、ヒータ部2によりシールヘッド10は熱せられ、容器100をヒートシールできるように高温に保たれるようになっている。
【0023】
図2に示すように、ターンテーブル1には、容器100を装着するための3ヶ所の装着枠11,12,13が取り付けられている。この装着枠11,12,13は、中心に開口部を有するリング状部材であり、ターンテーブル1に固定される水平部と、装着された容器100を支える垂直部とからなる断面略L字形に形成されている。そして、ターンテーブル1の周方向に沿って均等に設けられた穴に嵌め込まれ、ネジで固定されている。また、装着枠11,12,13は、ヒートシールする容器100の大きさに合わせて、開口部の大きさが異なるものに取り替えることができるようになっている。なお、装着枠の数は特に限定されるものではない。
【0024】
図2では、容器ヒートシール装置200のシールヘッド10の位置を二点鎖線で示している。従って図2に示す状態においては、装着枠13の位置でヒートシールが行われる。また、このとき位置決めセンサ6の正面には、位置決め片9がある。位置決め片9は、ターンテーブル1の周縁部3ヶ所に均等間隔で取り付けられており、3分の1回転するごとに、装着枠11,12,13がシールヘッド10の真下に位置するようになっている。
【0025】
また、図3に示すように、ターンテーブル1に容器100が装着された状態では、収容体101の鍔状の周縁部と、蓋体102の断面略L字形の周縁部とで形成された下向きの凹部に、装着枠12の垂直部が嵌着されて下から支持するようになっている。装着枠11及び装着枠13についても同様である。また、装着枠12の位置では、装着された容器100の下部を有無確認センサ7,7が検知するようになっている。有無確認センサ7,7により容器100の存在が検知されれば、ターンテーブル1は次の位置に向けて3分の1回転し、容器100はシールヘッド10の真下へと進む。有無確認センサ7,7により容器100の存在が検知されなければ、ターンテーブル1は次の位置に向けて回転せず、そのままの位置に留まる。
【0026】
上記基本構成の容器ヒートシール装置200は次のように使用する。
まず、図2に示す装着枠11及び装着枠12の位置に容器100を装着する。
次にターンテーブル1が3分の1回転し、シールヘッド10の真下に容器100が進む。このとき有無確認センサ7,7は次の容器100を検知する。また作業者は、空の装着枠に容器100を装着する。同時に、シールヘッド10が降下し容器100をヒートシールする。
次にシールヘッド10が上昇すると、ターンテーブル1は3分の1回転する。作業者は、ヒートシールされた容器100を装着枠から取り出し、新たな容器100を装着する。
これを繰り返すことにより、容器100が順次ヒートシールされていく。
【0027】
以下に示す実施形態1乃至実施形態3は、上記基本構成の容器ヒートシール装置200におけるシールヘッドの構成とその作用効果について説明するものである。
【0028】
(実施形態1)
次に、本発明の実施形態1に係る容器ヒートシール装置について説明する。図4は、実施形態1に係る容器ヒートシール装置のシールヘッド10を示す底面図であり、図5は、図4のC−C断面図である。
図4及び図5に示すように、シールヘッド10は、厚みのある円盤状の金属体であり、底面部に凹部Xが形成されている。シールヘッド10の底面部の凹部Xは、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜するテーパー状に形成されており、容器100をヒートシールするときに容器100の蓋体102の周縁部に当接するシール部10aが設けられている。また、底面部の中心には平坦部10bが設けられており、平坦部10bの中心を貫通する固定ネジ10cにより、シールヘッド10がヒータ部2に取り付けられるようになっている。
なお、平坦部10bは必ずしも必要ではなく、シールヘッド10の中心部側から周縁部側までの全体をテーパー状に形成してもよい。また、シールヘッド10の周縁部側に平坦部を形成してもよい。
【0029】
次に、実施形態1に係る容器ヒートシール装置の作用効果について説明する。
図6は、実施形態1に係るヒートシール装置のシール前の状態を示す断面図であり、図7は、シール時の状態を示す断面図である。いずれも図2の装着枠13におけるB−B拡大断面図に相当する。
図6に示すように、ターンテーブル1が回転して容器100がシールヘッド10の真下の位置に来ると、シリンダー3が伸びてシールヘッド10が降下を開始する。このときシールヘッド10は、シールヘッド10の底面部に形成された凹部Xのシール部10aが蓋体102の周縁部に当接する位置まで降下し、さらに下向きの圧力が加えられる。すると図7に示すように、シールヘッド10のシール部10aにより、蓋体102の周縁部が収容体101の周縁部に熱圧着され、容器100が閉鎖される。
【0030】
一方、図8は、実施形態1に係る容器ヒートシール装置において、図6、図7とは大きさの異なる容器をヒートシールしたときの状態を示す断面図である。
図8においては、蓋体104及び収容体103の周縁部の大きさが、図6、図7のものよりも小さい。このときシールヘッド10のシール部10aにおける、蓋体104と当接する位置は、図7における当接位置よりも中心部側になっている。このように、容器の大きさが異なれば、シールヘッド10のシール部10aにおける蓋体104の周縁部との当接位置が異なってくるため、それに合わせてシールヘッド10の降下位置が変化するのである。例えば、開口部の大きさが異なる装着枠に変更することにより、図8における蓋体104の高さが、図7における蓋体102の高さと等しくなるようにセッティングしたとする。このとき、図8におけるシールヘッド10の降下位置は、図7における降下位置よりも低くなる。
【0031】
一方、図9は、実施形態1に係る容器ヒートシール装置において、装着枠に傾いて装着された容器をヒートシールしたときの状態を示す断面図である。
図9においては、シールヘッド10のシール部10aにおける、蓋体106と当接する位置は、左側では中心部側になっており、右側では周縁部側になっており、左右で偏りが生じている。そして、この場合においても、シールヘッド10は左右同時に蓋体106の周縁部と当接するようになっている。
【0032】
このように、実施形態1に係る容器ヒートシール装置においては、シールヘッド10の蓋体102に当接する底面部に、中心部側から周縁部側に向けて傾斜するテーパー状の凹部Xが形成されている。従って、蓋体102と収容体101の周縁部の全周に亘ってヒートシールすることができる。
そして、ヒートシールを行うときには、その凹部Xのシール部10aが蓋体102の周縁部に当接する位置までシールヘッド10を降下するようになっている。熱圧着させる容器100の蓋体102の周縁部が大きい場合には、蓋体102はシールヘッド10の凹部Xのシール部10aの周縁部側の位置で当接する。一方、熱圧着させる容器100の蓋体104の周縁部が小さい場合には、蓋体104はシールヘッド10の凹部Xのシール部10aの中心部側の位置で当接する。従って、容器100の大きさに合わせて必要な位置までシールヘッド10を降下させることで、様々な大きさの容器100をヒートシールすることができる。
また、容器100が正確にセットされずに蓋体106が傾いた場合にも、シールヘッド10のテーパー状の凹部Xのシール部10aによりシールヘッド10と蓋体106を適切に当接させることができる。
【0033】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る容器ヒートシール装置について説明する。図10は、実施形態2に係る容器ヒートシール装置のシールヘッド20を示す底面図であり、図11は、図10のD−D断面図である。
図10及び図11に示すように、シールヘッド20は、厚みのある円盤状の金属体である。シールヘッド20の底面部には、4本の突条部21,21,21,21が形成されている。突条部21は、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜しており、容器100をヒートシールするときに容器100の蓋体102の周縁部に当接するシール部21aが設けられている。突条部21の横断面形状は、三角形、四角形、かまぼこ型等にすることができる。また、底面部の中心には平坦部20bが設けられており、平坦部20bの中心を貫通する固定ネジ20cにより、シールヘッド20がヒータ部2に取り付けられるようになっている。
なお、平坦部20bは必ずしも必要ではなく、シールヘッド20の中心部側から周縁部側までの全体に突条部21を形成してもよい。また、シールヘッド20の周縁部側に平坦部を形成してもよい。
【0034】
また、突条部21の数は複数であれば特に限定されず、2本や3本、又は5本以上であってもよい。ただし、複数の突条部21は、シールヘッド20の周方向に沿って均等間隔に配置することが好ましい。
【0035】
また、シールヘッド20の底面部のうち突条部21が形成されていない部分は、実施形態1と異なり、蓋体102の周縁部とは当接しない非シール部20aである。この非シール部20aについては、図11(a)に示すように、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜するテーパー状に形成してもよいし、図11(b)に示すように、平坦部20bと面一となるように形成してもよい。
ただし、後述するような円形以外の様々な形状の蓋体を持つ容器をヒートシールするためには、突条部21よりも先に非シール部20aが蓋体と当接することがないように、図11(b)に示すような平坦な形状とすることが好ましい。
【0036】
次に、実施形態2に係る容器ヒートシール装置の作用効果について説明する。
図12は、実施形態2に係るヒートシール装置のシール前の状態を示す断面図であり、図13は、シール時の状態を示す断面図である。いずれも図2の装着枠13におけるB−B拡大断面図に相当する。
図12に示すように、ターンテーブル1が回転して容器100がシールヘッド20の真下の位置に来ると、シリンダー3が伸びてシールヘッド20が降下を開始する。このときシールヘッド20は、シールヘッド20の底面部に形成された突条部21のシール部21aが蓋体102の周縁部に当接する位置まで降下し、さらに下向きの圧力が加えられる。すると図13に示すように、突条部21のシール部21aにより、蓋体102の周縁部が収容体101の周縁部に熱圧着され、容器100が閉鎖される。
【0037】
実施形態2に係る容器ヒートシール装置においても、実施形態1に係る容器ヒートシール装置と同様に、大きさの異なる容器をヒートシールすることが可能である。すなわち、蓋体102の周縁部の大きさに合わせてシールヘッド20が降下し、容器の大きさに関わらず突条部21のシール部21aと蓋体102の周縁部を当接させることができる。
また、装着枠に傾いて装着された容器をヒートシールする場合も、実施形態1に係る容器ヒートシール装置と同様に、左右の当接位置を偏らせることで対応することができる。
【0038】
図14は、実施形態2に係る容器ヒートシール装置によりシールした後の容器100を示す平面図である。図14に示すように蓋体102の周縁部の4ヶ所のシールポイントSが熱圧着されている。
一方、図15は、蓋体108の形状が正方形である場合の、シール後の容器を示す平面図である。この場合蓋体108の各辺の中央部がシールポイントSになっている。このように、実施形態2に係る容器ヒートシール装置は、蓋体の形状が円形以外であっても対応可能である。
【0039】
このように、実施形態2に係る容器ヒートシール装置においては、シールヘッド20の蓋体102に当接する底面部に、中心部側から周縁部側に向けて傾斜する複数の突条部21が形成されている。従って、蓋体102と収容体101の周縁部のうち複数のシールポイントSを突条部21によりヒートシールすることができる。
そして、ヒートシールを行うときには、その突条部21が蓋体102の周縁部に当接する位置までシールヘッド20を降下するようになっている。熱圧着させる容器100の蓋体102の周縁部が大きい場合には、蓋体102はシールヘッド20の突条部21の周縁部側の位置で当接する。一方、熱圧着させる容器100の蓋体102の周縁部が小さい場合には、蓋体102はシールヘッド20の突条部21の中心部側の位置で当接する。従って、容器100の大きさに合わせて必要な位置までシールヘッドを降下させることで、様々な大きさの容器100をヒートシールすることができる。
また、容器100が正確にセットされずに蓋体102が傾いた場合にも、シールヘッド20の突条部21によりシールヘッド20と蓋体102を適切に当接させることができる。
【0040】
また、4本の突条部が、シールヘッド20の周方向に沿って均等間隔に配置されている。従って、蓋体102と収容体101の周縁部のシールポイントSが均等間隔になり、バランス良くヒートシールすることができる。
【0041】
なお、図16は、実施形態2に係る容器ヒートシール装置のシールヘッドの変形例を示す底面図である。図16では、シールヘッド30の底面部に、3本の突条31,31,31を周方向にそって均等間隔に形成してある。シールヘッド30を用いてヒートシールをした場合には、図17に示すように蓋体102の周縁部の3ヶ所のシールポイントSが熱圧着される。
【0042】
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る容器ヒートシール装置について説明する。図18は、実施形態3に係る容器ヒートシール装置のシールヘッド40を示す底面図であり、図19は、実施形態3に係る容器ヒートシール装置によりシールした後の容器を示す平面図である。なお、シールヘッド40のE−E断面図は、図11と同様であるため省略する。
図18に示すように、シールヘッド40は、厚みのある円盤状の金属体である。シールヘッド40の底面部には、2本の突条部41,41が一直線上に形成されている。突条部41は、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜しており、容器100をヒートシールするときに容器100の蓋体110の周縁部に当接するシール部41aが設けられている。また、底面部の中心には平坦部40bが設けられており、平坦部40bの中心を貫通する固定ネジ40cにより、シールヘッド40がヒータ部2に取り付けられるようになっている。
なお、平坦部40bは必ずしも必要ではなく、シールヘッド40の中心部側から周縁部側までの全体に突条部41を形成してもよい。また、シールヘッド40の周縁部側に平坦部を形成してもよい。
【0043】
また、シールヘッド40の底面部のうち突条部41が形成されていない部分は、実施形態1と異なり、蓋体110の周縁部とは当接しない非シール部40aである。この非シール部40aについては、図11(a)に示すように、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜するテーパー状に形成してもよいし、図11(b)に示すように、平坦部40bと面一となるように形成してもよい。
ただし、図19に示すような矩形状の蓋体110を持つ容器をヒートシールするためには、突条部41よりも先に非シール部40aが蓋体110と当接することがないように、図11(b)に示すような平坦な形状とすることが好ましい。
【0044】
一方、シールヘッド40は、ターンテーブル1に装着され真下まで移動されてきた容器100に対して、水平方向に回動可能となっている。回動は90°ごとに回転するようになっている。
【0045】
次に、実施形態3に係る容器ヒートシール装置の作用効果について説明する。
図20及び図21は、実施形態3に係るヒートシール装置のシール時の状態を示す断面図である。
ターンテーブル1が回転して容器100がシールヘッド40の真下の位置に来ると、シリンダー3が伸びてシールヘッド40が降下を開始する。このときシールヘッド40は、シールヘッド40の底面部に形成された突条部41のシール部41aが蓋体110の周縁部に当接する位置まで降下し、さらに下向きの圧力が加えられる。すると図20に示すように、シールヘッド40のシール部40aにより、蓋体110の周縁部が収容体109の周縁部に熱圧着され、容器100が閉鎖される。
【0046】
なお、図20では、図19に示す蓋体110のシールポイントSのうち、短辺に存在する2ヶ所のシールポイントSをシールしている。従って、蓋体110はシールヘッド40の突条部41の周縁部側の位置で当接している。
【0047】
次に、シリンダー3が縮んでシールヘッド40が上昇した後、シールヘッド40が90°回転する。そして再びシリンダー3が降下し、図21に示すように、突条部41のシール部41aにより、蓋体110の周縁部が収容体109の周縁部に熱圧着され、容器100が閉鎖される。
なお、図21では、図19に示す蓋体110のシールポイントSのうち、長辺に存在する2ヶ所のシールポイントSをシールしている。従って、蓋体110はシールヘッド40の突条部41の中心部側の位置で当接している。
以上により、図19に示すような矩形状の蓋体110のヒートシールが完了する。
【0048】
このように、実施形態3に係る容器ヒートシール装置においては、シールヘッド40が容器100に対して水平方向に回動可能となっている。従って、いったんシールヘッド40を降下させて蓋体110と収容体109の周縁部のある位置を熱圧着させた後、シールヘッド40を上昇させるとともに、シールヘッド40を水平方向に回転させ、もう一度シールヘッド40を降下させて蓋体110と収容体109の周縁部の別の位置を熱圧着させることができる。これにより、様々な形状の容器100をヒートシールすることができる。
さらに、突条部40の本数や、シールヘッド40の回転角度を変更することが可能であり、その組み合わせにより、矩形状以外の多角形や、不定形についても適用することが可能である。
【0049】
また、実施形態3においては、シールヘッド40を容器100に対して水平方向に回動可能としたが、反対に、容器100をシールヘッド40に対して水平方向に回動可能としてもよい。
これによれば、いったんシールヘッド40を降下させて蓋体110と収容体109の周縁部のある位置を熱圧着させた後、シールヘッド40を上昇させるとともに、容器100を水平方向に回転させ、もう一度シールヘッド40を降下させて蓋体110と収容体109の周縁部の別の位置を熱圧着させることができる。
【0050】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る容器ヒートシール装置によれば、効率的な作業が可能であり、かつ様々な大きさ・形状の容器に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態に係る容器ヒートシール装置を示す正面図である。
【図2】容器ヒートシール装置のターンテーブルを示す平面図である。
【図3】図2のA−A拡大断面図である。
【図4】実施形態1に係る容器ヒートシール装置のシールヘッドを示す底面図である。
【図5】図4のC−C断面図である。
【図6】実施形態1に係る容器ヒートシール装置のシール前の状態を示す断面図である。
【図7】実施形態1に係る容器ヒートシール装置のシール時の状態を示す断面図である。
【図8】実施形態1に係る容器ヒートシール装置のシール時の状態を示す断面図である。
【図9】実施形態1に係る容器ヒートシール装置のシール時の状態を示す断面図である。
【図10】実施形態2に係る容器ヒートシール装置のシールヘッドを示す底面図である。
【図11】図10のD−D断面図である。
【図12】実施形態2に係る容器ヒートシール装置のシール前の状態を示す断面図である。
【図13】実施形態2に係る容器ヒートシール装置のシール時の状態を示す断面図である。
【図14】実施形態2に係る容器ヒートシール装置によりシールした後の容器を示す平面図である。
【図15】実施形態2に係る容器ヒートシール装置によりシールした後の容器を示す平面図である。
【図16】実施形態2に係る容器ヒートシール装置のシールヘッドの変形例を示す底面図である。
【図17】図16の変形例の容器ヒートシール装置によりシールした後の容器を示す平面図である。
【図18】実施形態3に係る容器ヒートシール装置のシールヘッドを示す底面図である。
【図19】実施形態3に係る容器ヒートシール装置によりシールした後の容器を示す平面図である。
【図20】実施形態3に係る容器ヒートシール装置のシール時の状態を示す断面図である。
【図21】実施形態3に係る容器ヒートシール装置のシール時の状態を示す断面図である。
【図22】容器を示す分解斜視図である。
【図23】収容体に蓋体が取り付けられた様子を示す断面図である。
【図24】従来例に係るポイントシール装置によりシールした後の容器を示す平面図である。
【図25】従来例に係るポイントシール装置を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 ターンテーブル
2 ヒータ部
3 シリンダー
4 支持部
5 本体部
6 位置決めセンサ
7 有無確認センサ
8 回転軸
9 位置決め片
10 シールヘッド
10a シール部
10b 平坦部
10c 固定ネジ
11 装着枠
12 装着枠
13 装着枠
20 シールヘッド
20a 非シール部
20b 平坦部
20c 固定ネジ
21 突条部
21a シール部
30 シールヘッド
30a 非シール部
30b 平坦部
30c 固定ネジ
31 突条部
31a シール部
40 シールヘッド
40a 非シール部
40b 平坦部
40c 固定ネジ
41 突条部
41a シール部
100 容器
101 収容体
102 蓋体
103 収容体
104 蓋体
105 収容体
106 蓋体
107 収容体
108 蓋体
109 収容体
110 蓋体
200 容器ヒートシール装置
300 内容物
500 ポイントシール装置
501 上側突起部
502 下側支持部
503 ハンドル
504 ハンドル
S シールポイント
X 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容体と蓋体とからなる容器に、上方からシールヘッドを降下し当接させて、前記蓋体の周縁部を前記収容体の周縁部に熱圧着し閉鎖する容器ヒートシール装置であって、
前記シールヘッドの前記蓋体に当接する底面部に、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜するテーパー状の凹部を形成し、
前記容器の大きさに合わせて、前記シールヘッドを、前記凹部が前記蓋体の周縁部に当接する位置まで降下するようにしたことを特徴とする容器ヒートシール装置。
【請求項2】
収容体と蓋体とからなる容器に、上方からシールヘッドを降下し当接させて、前記蓋体の周縁部を前記収容体の周縁部に熱圧着し閉鎖する容器ヒートシール装置であって、
前記シールヘッドの前記蓋体に当接する底面部に、中心部側から周縁部側に向けて下向きに傾斜する複数の突条部を形成し、
前記容器の大きさに合わせて、前記シールヘッドを、前記突条部が前記蓋体の周縁部に当接する位置まで降下するようにしたことを特徴とする容器ヒートシール装置。
【請求項3】
前記複数の突条部を、前記シールヘッドの周方向に沿って均等間隔に配置したことを特徴とする請求項2に記載の容器ヒートシール装置。
【請求項4】
前記シールヘッドを前記容器に対して水平方向に回動可能としたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の容器ヒートシール装置。
【請求項5】
前記容器を前記シールヘッドに対して水平方向に回動可能としたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の容器ヒートシール装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2009−40465(P2009−40465A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−207296(P2007−207296)
【出願日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【特許番号】特許第4072566号(P4072566)
【特許公報発行日】平成20年4月9日(2008.4.9)
【出願人】(507270171)株式会社イシカワ (3)
【Fターム(参考)】