説明

容器保持搬送装置および容器保持搬送方法

【課題】容器の保持搬送を安定して行う。
【解決手段】円周経路Rに沿って旋回移動して容器を保持搬送する容器保持部20に、左右一対の開閉軸31R,31Lに開閉自在に支持された左右のクランプアーム21R,21Lを設け、クランプアーム21R,21Lの遊端側に、容器Bの胴部を把持可能な2つの把持面25o,25iを有する把持爪25を揺動軸23を中心に開閉自在に設け、把持爪25を開動方向に付勢する開放コイルばね24と、把持爪25の閉止限となる閉止ストッパ26とを設け、左右の揺動軸23の軸心を結ぶ直線が円周経路Rより外側に位置するように揺動軸23を配置し、左右の把持爪25間から容器保持位置P側に押し込まれる容器Bが、揺動軸23の軸心を結ぶ直線を越え、クランプアーム21R,21Lの閉動力により把持爪25を閉動させて容器Bを4つの把持面25o,25iで容器Bの胴部を抱き込むように保持し容器保持位置P迄移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば液体充填設備などにおいて、搬入コンベヤや充填装置、キャッパー装置、搬出コンベヤやこれらを互いに接続する中間搬送装置に設置される容器保持搬送装置および容器保持搬送方法に関し、一対のクランプアームにより、胴部外径の異なる複数種の容器を把持可能なものである。
【背景技術】
【0002】
左右一対のクランプアームにより胴部外径の異なる複数種の容器を把持可能な容器保持装置は、たとえば特許文献1に開示されている。この容器保持装置は、左右のクランプアームの遊端側の対向面に、V字形に折り曲げられた前後の挟持面を形成し、これらクランプアームにより、前後の挟持面の2等分線上に容器を把持するようにしたものである。
【特許文献1】特開平1−267214号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来構成では、保持搬送時には、容器が4つの挟持面で把持されるが、容器をクランプアーム間に搬入する時やクランプアーム間から排出する時には、容器は2つの挟持面で係止されているだけで、容器が不安定になりやすく、容器を安定して受け渡しすることができないという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解決して、容器の搬送および受け渡しを安定して行うことができる容器保持搬送装置および容器保持搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、
旋回テーブル(14)の外周部に周方向に一定間隔ごとに配置される容器保持部(20)に、搬入経路(L1)から供給される容器(B)を受け取り保持して円周経路(R)に沿って搬送する容器保持装置(10)であって、
容器保持部(20)に、旋回テーブル(14)の旋回軸心(O1)を中心とする半径方向で容器保持位置(OP)を通る保持軸心(Lc)に等間隔あけて配置された左右一対の開閉軸(31R,31L)と、これら各開閉軸(31R,31L)を介して開閉自在にそれぞれ設けられた左右一対のクランプアーム(21R,21L)と、これら左右のクランプアーム(21R,21L)の遊端部に前記開閉軸(31R,31L)と平行な揺動軸(23)を中心に開閉自在に支持されるとともに、容器(B)の側部を把持し得る2つの把持面(25o,25i)がそれぞれ所定の把持角(α)を有して形成された左右一対の把持爪(25)と、前記左右のクランプアーム(21R,21L)にそれぞれ設けられて把持爪(25)を開動方向に付勢する開放付勢部材(24)と、前記左右のクランプアーム(21R,21L)にそれぞれ設けられて把持爪(25)の閉止源を規制する閉止ストッパ(26)と、前記左右のクランプアーム(21R,21L)を前記開閉軸(31R,31L)を介して開閉駆動するアーム開閉機構(30)とを具備し、
且つ前記左右の揺動軸(23)の軸心同士を結ぶ直線が円周経路(R)の外側に位置するように当該左右の揺動軸(23)を配置し、
搬入経路(L1)上の容器(B)が左右の把持爪(25)間に入り、左右の把持爪(25)の4つの把持面(25o,25i)で容器(B)が把持され前記直線から円周経路(R)上の容器保持位置(P)に移動される際に、前記左右のクランプアーム(21R,21L)の閉動と、左右の揺動軸(23)を結ぶ前記直線が円周経路(R)の外側に位置されていることにより、左右の把持爪(25)がそれぞれ閉動されて、前記4つの把持面(25o,25i)のうち、旋回軸心(01)の外周側の2つの把持面(25o)を互いに接近させるように前記4つの把持面(25o,25i)で容器(B)を抱き込んで把持し旋回軸心(01)側に移動させ保持するものである。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の構成において、
クランプアーム(21R,21L)の閉止ストッパ(26)に、把持爪(25)の閉止限を調整可能な閉止調整具(27)を設けたものである。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の構成において、
アーム開閉機構(30)は、
クランプアーム(21R,21L)がそれぞれ固定された左右の前記開閉軸(31R,31L)を互いに逆方向に回転するように連動して左右のクランプアーム(21R,21L)を開閉する連動部材(32)と、旋回テーブル(14)の周方向に配置されて少なくとも容器保持位置(P)の円周経路(R)上で容器(B)を把持するクランプ位置(Pc)に対応して配置される閉動カム(35B)および円周経路(R)上で容器(B)を解放するアンクランプ位置(Pu)に対応して配置される開動カム(35A)と、前記アーム開閉機構(30)は左右一方の前記開閉軸(31R,31L)にカムレバー(34)を介して設けられて前記閉動カム(35A)および前記開動カム(35B)に当接されるカムフォロワ(33)と、クランプアーム(21R,21L)を閉動方向に付勢するとともにカムフォロワ(33)を前記閉動カム(35A)および前記開動カム(35B)にそれぞれ当接させる拘束付勢部材(36)とを有し、
前記開動カム(35A)および前記閉動カム(35B)を水平面内でそれぞれ変位させてクランプアーム(21R,21L)の開度を調整可能な開度調整機構(41,51)を、閉動カム軸(Ca)を中心に閉動カム(35A)を回動してクランプ位置(Pc)に対応する閉動カム(35A)の閉動カム面(35Af)を容器(B)の外径に対応して変位させる閉動カム調整駆動部(44)と、開動カム軸(Cb)を中心に開動カム(35B)を回動してアンクランプ位置(Pu)に対応する開動カム(35B)の開動カム面(35Bd)を容器(B)の外径に対応して変位させる開動カム調整駆動部(54)とを有する回動変位式としたものである。
【0008】
請求項4記載の発明は、
容器(B)を、搬入経路(L1)から旋回テーブル(14)の外周部で円周経路(R)に沿って一定間隔ごとに配置された容器保持部(20)に供給し、
前記容器保持部(20)に具備された、旋回テーブル(14)の旋回軸心(O1)を中心とする半径方向の保持軸心(Lc)に等間隔をあけて配置された左右一対の開閉軸(31R,31L)と、当該開閉軸(31R,31L)を介して開閉自在にそれぞれ設けられた左右のクランプアーム(21R,21L)と、当該左右のクランプアーム(21R,21L)の遊端側にそれぞれ前記開閉軸(31R,31L)と平行に配置され、互いの軸心を結ぶ直線が円周経路(R)の外側に位置する揺動軸(23)と、当該左右の揺動軸(23)に開閉自在に支持されて、容器(B)の側部を把持し得る2つの把持面(25o,25i)がそれぞれ所定の把持角αを有して形成された左右一対の把持爪(25)と、前記左右のクランプアーム(21R,21L)にそれぞれ設けられて把持爪(25)を開動方向に付勢する開放付勢部材(24)と、前記左右のクランプアーム(21R,21L)にそれぞれ設けられて把持爪(25)の閉止限を規制する閉止ストッパ(26)と、を使用し、前記直線より旋回軸心(O1)側に設定された円周経路(R)上の容器保持位置(P)で、前記左右のクランプアーム(21R,21L)により把持爪(25)を介して容器(B)を保持し搬送する容器の保持搬送方法であって、
搬入経路(L1)上の容器(B)が円周経路(R)に接近して、開放状態から閉動される前記左右のクランプアーム(21R,21L)の把持爪(25)間に送り込まれ、当該把持爪(25)の4つの前記把持面(25o,25i)が容器(B)の胴部にそれぞれ当接して保持し、
容器(B)が搬入経路(L1)上を移動されるに従って容器(B)が容器保持位置(P)に向かって押し込まれ、揺動軸(23)の軸心を結ぶ前記直線を越えて移動される際に、クランプアーム(21R,21L)の閉動と、当該直線より左右の揺動軸(23)が円周経路(R)の外側に位置されていることにより、左右の把持爪(23)がそれぞれ閉動されて、前記4つの前記把持面(25o,25i)のうち、旋回軸心(O1)の外周側の2つの把持面(25o)が互いに接近するように前記4つの前記把持面(25o,25i)で容器(B)を抱き込んで把持し容器保持位置(P)まで移動させて保持するものである。
【0009】
なお、括弧内の符号は、参考のために、実施の形態の部材に対応する符号を付したものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1および4記載の発明によれば、左右のクランプアームの遊端部に、開閉自在に支持されて開放付勢部材により開動方向に付勢された把持爪をそれぞれ設けたので、容器の受け取り時や送り出し時に、左右の把持爪の4つの把持面で容器の胴部を把持することができ、安定して容器を受け渡しすることができる。また、クランプアームの遊端部より、把持爪を広く開放することができ、胴部外径の大きい容器を受け渡しできる。
【0011】
さらに、容器が、前記直線を越えて容器保持位置側に容器が供給されると、左右の揺動軸の軸心を結ぶ直線が円周経路より外側に位置するため、クランプアームの閉動力により把持爪が閉動されて、把持爪の4つの把持面のうち外周側の把持面が互いに接近されるように、4つの把持面で容器を抱き込んで容器の胴部を保持しつつ容器保持位置まで移動させることができ、安定して容器を受け渡しできるとともに、容器保持位置で安定して容器を把持することができる。
【0012】
請求項2記載の発明によれば、閉止調整具で把持爪の閉止姿勢を調整することにより、胴部外径の異なる容器であっても容器保持位置に高精度で把持させることができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、開度調整機構により、クランプ位置に対応する開動カムを開動カム軸を中心に回動させて水平面内で変位させるとともに、アンクランプ位置に対応する閉動カムを閉動カム軸を中心に回動させて水平面内で変位させることにより、容器の胴部外径に対応して、クランプ位置およびアンクランプ位置におけるクランプアームの開度を精度良く調整することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る容器保持装置の実施の形態を説明する。
[実施の形態1]
充填設備に設けられて容器保持装置を有する供給搬送装置について、図面を参照して説明する。
【0015】
[充填設備]
図6に示すように、この充填設備は、搬送用のスクリュー軸1aを有する入口コンベヤ(容器搬入装置)1から供給される容器を、供給搬送装置2を介して充填装置(容器搬出装置)3に供給して容器内に液を充填する。ついで容器を充填装置3から第1中間搬送装置4を介して王冠キャッパー5に供給して容器Bの口部にキャップを装着する。さらに容器を、王冠キャッパー5から第2中間搬送装置6を介して増締キャッパー7に供給して容器Bのキャップを増締する。さらに容器を増締キャッパー7から排出搬送装置8を介して出口コンベヤ9に排出するものである。
【0016】
上記供給搬送装置2、第1中間搬送装置4、第2中間搬送装置6および排出搬送装置8の各回転体の外周部に、本発明に係る容器保持装置を有する容器保持部20が設けられている。
【0017】
[供給搬送装置]
供給搬送装置2を参照して容器保持装置を説明する。
図2および図3に示すように、この供給搬送装置2は、テーブル旋回装置15により回転駆動される旋回テーブル14の外周部に一定間隔ごとに配置された容器保持部20を具備し、これら容器保持部20に容器保持装置10がそれぞれ設けられている。そして入口コンベヤ1の搬入経路LIからスクリュー軸1aを介して順次搬入される少なくとも胴部が円形の容器Bを、クランプ位置Pcで容器保持装置10により容器保持部20に受け取り、円周経路Rに沿って容器Bを搬送した後、アンクランプ位置Puで容器保持装置10から充填装置3の保持装置(図示せず)に容器Bを受け渡すように構成されている。充填装置3では、容器Bを充填経路LOに沿って搬送しつつ容器Bに充填液を充填する。
【0018】
この供給搬送装置2は、基台11の旋回軸心O1上に貫設された軸受スリーブ12に、軸受を介して旋回軸13が回転自在に立設され、旋回軸13の上端部に旋回テーブル14が取り付けられている。旋回テーブル14を旋回駆動するテーブル旋回装置15は、旋回軸13の下端部に取り付けられた入力ギヤ15aと、この入力ギヤ15aに噛み合う出力ギヤ15bと、この出力ギヤ15bを減速機を介して回転駆動するテーブル駆動モータ15cとを具備し、このテーブル駆動モータ15cにより旋回テーブル14が所定速度で回転駆動される。
【0019】
[容器保持部]
容器保持部20に設けられた容器保持装置10は、スターホイールやアウターガイドなどを使用しないで、左右一対のクランプアーム21R,21Lにより、胴部外径の異なる容器Bを把持可能なものである。容器保持部20は、旋回テーブル14に旋回軸心O1を中心とする円周経路R上に沿って一定間隔ごとに配置されている。図1,図4および図5に示すように、旋回テーブル14に、旋回軸心O1を中心とする半径方向で容器保持位置Pを通る保持軸心Lcに等しい離間距離Lsをあけて左右一対の開閉軸31R,31Lが軸受スリーブ16を介して回転自在に支持され、これら開閉軸31R,31Lの上部にクランプアーム21R,21Lがそれぞれ固定されている。また開閉軸31R,31Lの下部に、開閉軸31R,31Lを互いに異なる方向に回転させてクランプアーム21R,21Lを開閉させる連動ギヤ(連動部材)32が互いに噛合するように取り付けられている。また、左(または右)の開閉軸31Lの下端部に、クランプアーム21R,21Lを開閉するカムレバー(カム受動部材)34が取り付けられ、カムレバー34の遊端部にカムフォロア(カム受動部材)33が開閉軸31R,31Lに平行な支持ピン34aを介して回転自在に設けられている。さらに、カムレバー34の支持ピン34aと旋回テーブル14の下面に突設された支持ボルトとの間に、クランプアーム21R,21Lを閉動方向に付勢する拘束付勢部材である拘束コイルばね36が連結されている。そして旋回テーブル14の下部で旋回軸心O1の周囲に、カムフォロア33を介してクランプアーム21R,21Lを開閉する開閉カムである閉動カム35Aと開動カム35Bとが配設されている。これら連動ギヤ32、カムレバー34、カムフォロア33、拘束コイルばね36、閉動カム35Aおよび開動カム35Bにより、クランプアーム21R,21Lを開閉するアーム開閉機構30が構成される。
【0020】
また、旋回テーブル14の旋回方向で閉動カム35Aから開動カム35Bまでの間(後述する保持経路部Rb)は、カムが削除されており、この保持経路部Rbでは、拘束コイルばね36のばね力によりクランプアーム21R,21Lが閉止されて容器Bが把持される。この時、必要以上の加圧力がクランプアーム21R,21Lから容器Bに負荷されないように、各容器保持部20には、クランプアーム21R,21Lの閉止限を規制する閉止限調整部37が設けられている。この閉止限調整部37は、旋回テーブル14の下面に突設されたストッパピン37aと、カムレバー34の雌ねじ穴に出退位置調整自在に嵌合されて先端部がストッパピン37aに当接される調整ボルト37bとで構成されている。なお、容器Bを把持する際にクランプアーム21R,21Lの加圧力が大きいと、樹脂製の容器などでは変形するおそれがあり、この場合には、拘束コイルばね36に替えて、加圧力を調整可能なエアシリンダやロータリーアクチュエータなどの加圧調整具に付け替えることもできる。
【0021】
左右のクランプアーム21R,21Lは、図1に示すように、各開閉軸31R,31Lから外周側に互いに広がり中間位置から半径方向に折れ曲がる平面視「くの字形」のアーム本体22と、左右のアーム本体22の遊端部にそれぞれ開閉軸31R,31Lに平行な揺動軸23を介して開閉自在に支持された把持爪25と、アーム本体22の内面凹部と把持爪25の内周側凹部との間に介装されて把持爪25を開動方向に付勢する開放付勢部材である開放コイルばね24と、把持爪25の閉止限を規制する閉止ストッパ26とを具備し、前記閉止ストッパ26は、把持爪25の内周側外面に形成された係止面26aと、アーム本体22の中間部内面に形成された閉止受面26bとで構成されている。
【0022】
またこれら把持爪25は平面視V字形に形成されており、互い対向する内面に、容器Bの胴部で旋回軸心O1から遠い外周側に当接する平坦な外把持面25oと、容器Bの胴部で旋回軸心O1に近い内周側に当接する平坦な内把持面25iとが所定の把持角α(図ではα≒90°)隔てて形成されている。
【0023】
このクランプアーム21R,21Lでは、把持爪25の回動中心となる左右の揺動軸23が、容器保持位置Pから距離Laだけ円周経路Rの外周側にそれぞれ配置されている。これは、搬入経路LIに沿って外周側からクランプアーム21R,21L間に搬入される容器軸心O2が、保持軸心Lcに沿って移動し、左右の揺動軸23の軸心を結ぶ直線との交点Poより内周側に移動すると、クランプアーム21R,21Lの閉動力で、開放コイルばね24に抗して把持爪25を閉動側に回動させ、4つの把持面25o,25iのうち、外周側の把持面25oが接近されるように4つの把持面25o,25iで容器Bの胴部を抱き込んで保持しつつ容器保持位置Pまで引き込ませることができるためであり、この所謂、ドックルジョイントを用いたクランプ機構により、4つの把持面25o.25iをすべて容器Bの胴部に当接させて、安定して容器Bを受け渡しすることができ、かつ容器保持位置Pで容器Bを安定して把持することができる。
【0024】
これら左右のクランプアーム21R,21Lのうち、左のクランプアーム21Lが、左の開閉軸31Lに上下方向に所定の空間部38をあけて上下2本が取り付けられ、右のクランプアーム21Rが、前記空間部38に対応して左の開閉軸31Lに1本取り付けられている。これにより、図2に示すように、クランプアーム21R,21Lの開放時に、隣接する容器保持部20のクランプアーム21R,21Lとの干渉を防止することができて、十分な開放角を確保することができ、胴部外径が大きい容器Bを受け渡しすることができる。また旋回テーブル14における容器保持部20の配設ピッチを小さくすることができ、1つの旋回テーブル14に多くの容器保持部20を配置できることにより、高速搬送に対応することができる。
【0025】
なお、この実施の形態1では、閉止ストッパ26を固定式している。これは、開閉軸31A,31Bや揺動軸23の位置、アーム本体22の長さ、把持爪25の外把持面25oと内把持面25iの形成位置や把持角αなどの設定により、容器の胴部外径が異なっても、容器保持位置Pの位置ずれを小さい範囲に留めることができるためである。しかし、固定式の閉止ストッパ26では、閉止限におけるアーム本体22に対する把持爪25の把持姿勢が一定であるため、胴部外径の異なる容器Bでは、容器保持位置Pに対して少なからず位置ずれが生じることがある。このため、図10に示すように、アーム本体22に対する把持爪25の閉止限の姿勢を調整可能な閉止調整具27をアーム本体22に設けてもよい。たとえばこの閉止調整具27は、アーム本体22に形成した雌ねじ穴に調整ボルト27aを嵌合し、調整ボルト27aの先端部を把持爪25に当接するように構成している。この調整ボルト27aを出退して、把持爪25の閉止限におけるアーム本体22に対する閉止姿勢を調整することにより、図10に示すように、胴部外径D1〜D3の異なる容器Bであっても、クランプアーム21R,21Lにより、高精度で容器保持位置Pに容器Bを把持することが可能となる。
【0026】
[円周経路と開閉動カム]
図2に示すように、旋回軸心O1を中心とし容器保持位置Pを通る円周経路Rは、クランプ位置Pcからアンクランプ位置Puに旋回移動方向に沿って、加圧経路部Raと保持経路部Rbと減圧経路部Rcとが順次設けられ、またアンクランプ位置Puからクランプ位置Pcに旋回移動方向に沿って、開動経路部Rdと復帰経路部Reと閉動経路部Rfとが順次設けられている。
【0027】
前記閉動カム35Aは、図2に示すように、復帰経路部Reの中間部から閉動経路部Rf、クランプ位置Pcおよび加圧経路部Raを含むように配置され、カムフォロワ33が当接されてクランプアーム21R,21Lの開放→閉動→クランプ→加圧把持を行う。また前記開動カム35Bは、減圧経路部Rcからアンクランプ位置Pu、開動経路部Rdを介して復帰経路部Reの中間部にわたって配置され、復帰経路部Reの中間部では、開動カム35Bと閉動カム35Aとが上下方向に重なって配置されている。そして、カムフォロワ33が当接されて、クランプアーム21R,21Lの減圧把持→アンクランプ(保持)→開動→開放を行う。
【0028】
すなわち、図8に示すように、復帰経路部Reでは、カムフォロワ33が閉動カム35Aの開放カム面35Aeを転動してクランプアーム21R,21Lが開放状態に維持される。ついで閉動経路部Rfに入りクランプ位置Pcまでの間は、把持爪25間に容器Bが送り込まれるとともに、カムフォロワ33が閉動カム35Aの閉動カム面35Afを転動し、クランプアーム21R,21Lが開放状態から閉動されて、クランプ位置Pcでは把持爪25により容器Bが無加圧状態で保持される。さらに加圧経路部Raでは、カムフォロワ33が閉動カム35Aの加圧カム面35Aaを転動して拘束コイルばね36のばね力がクランプアーム21R,21Lに漸次作用され、把持爪25を介して容器Bの胴部が所定の加圧力で挟圧把持される。さらにまた保持経路部Rbでは、閉止限調整部37によりカムレバー34の閉止限が規制され、拘束コイルばね36のばね力による適正な加圧力が、クランプアーム21R,21Lから把持爪25に伝達されて容器Bの胴部が把持される。
【0029】
ついで、容器保持部20が減圧経路部Rcからアンクランプ位置Puに移動される間は、カムフォロワ33が開動カム35Bの減圧カム面35Bcを転動して、拘束コイルばね36のばね力が漸次作用しなくなり、アンクランプ位置Puになると、把持爪25により無加圧状態で容器Bの胴部が保持される。さらにアンクランプ位置Puからの開動経路部Rdでは、カムフォロワ33が開動カム35Bの開動カム面35Bdを転動してクランプアーム21R,21Lが急激に開動される。これにより容器Bが充填経路LOに送り出される。さらに復帰経路部Reでは、カムフォロワ33が開動カム35Bの開放カム面35Beから閉動カム35Aの開放カム面35Aeを転動してクランプアーム21R,21Lが開放状態に維持される。
【0030】
[開度調整機構]
図3、図8、図9に示すように、この供給搬送装置2には、容器Bの胴部外径に対応して、閉動カム35Aおよび開動カム35Bをそれぞれ水平面内で変位させてクランプアーム21R,21Lの開度を調整する開動用開度調整機構41と閉動用開度調整機構51とが設けられている。これら開動用・閉動用開度調整機構41,51は、クランプ位置Pcおよびアンクランプ位置Puにおけるカムフォロワ33のカム面当たり位置で、クランプアーム21R,21Lの開度を、把持爪25の4つの把持面25o,25iが無加圧状態で容器Bに当接して保持できるように調整可能に構成したことに特徴を有している。これら開動用・閉動用開度調整機構41,51では、たとえば閉動カム35Aを閉動カム軸Caを中心に回動してカム面を水平面内で変位させるとともに、開動カム35Bを開動カム軸Cbを中心に回動してカム面を水平面内で変位させる回動変位式に構成されている。
【0031】
すなわち、閉動用開度調整機構41は、クランプ位置Pcにおいて、閉動カム35Aを回動させる閉動カム軸Caを、クランプ位置Pcにある容器保持装置10で(カムレバーを取り付けた)左の開閉軸31Lの下方位置か、またはその周囲近傍のカム軸設置域(イ)内に設定している。これにより、閉動カム35Aを閉動カム軸Caを中心に、実線位置から一点鎖線位置に矢印aで示す円弧方向に所定角度だけ回動させることにより、クランプ位置Pcの容器保持装置10におけるカムフォロワ33のカム面当たり位置を、左の開閉軸31Lを中心とするカムフォロワ33の略円弧軌跡に沿って変位量γaだけ変位させ、容器Bの胴部外径に対応してクランプ位置Pcにおけるクランプアーム21R,21Lの開度を拡大することができる。また閉動カム35Aの開放カム面35Aeの全域を外周側に変位させて、クランプアーム21R,21Lの開放角を拡大することができる。
【0032】
また閉動用開度調整機構51は、アンクランプ位置Puにおいて、開動カム35Bを回動させる開動カム軸Cbを、開動カム35Bの入り口側で開動カム35Bを含む外周側のカム軸設置域(ロ)内に設定している。これにより、開動カム35Bを開動カム軸Cbを中心に、実線位置から一点鎖線位置に矢印bで示す円弧方向に所定角度だけ回動させることにより、アンクランプ位置Puにおけるカムフォロワ33のカム面当たり位置を、左の開閉軸31Lを中心とするカムフォロワ33の略円弧軌跡に沿って変位量γbだけ変位させ、クランプアーム21R,21Lの開度を容器Bの胴部外径に対応して拡大させることができる。また開動カム35Bの開放カム面35Be全体を外周側に変位させて、クランプアーム21R,21Lの開放角を拡大することができる。
【0033】
閉動用開度調整機構41の閉動カム調整駆動部44と、開動用開度調整機構51の開動カム調整駆動部54とを、図3、図9を参照して説明する。
閉動用開度調整機構41は、カム軸設置域(イ)に、それぞれ基台11を貫通する軸受スリーブ42を介して回転自在に立設された閉動カム軸Caと、閉動カム軸Caの上端部に取り付けられて閉動カム35Aを支持するカム取付ベース43と、閉動カム軸Caを回動させる閉動カム調整駆動部44とを具備し、この閉動カム調整駆動部44は、閉動カム軸Caの下端部に取り付けられた受動タイミングギヤ45と、減速機付き開度調整モータ(サーボモータ)46により回転駆動される駆動タイミングギヤ47と、受動タイミングギヤ45と駆動タイミングギヤ47との間に巻張されたタイミングベルト48とを有している。
【0034】
開動用開度調整機構51は、カム軸設置域(ロ)に、基台11を貫通する軸受スリーブ52を介して回転自在に配置された開動カム軸Cbと、開動カム軸Cbの上端部に取り付けられて開動カム35Bを支持するカム取付ベース53と、開動カム軸Cbを回動させる開動カム調整駆動部54とで構成されている。この開動カム調整駆動部54は、開動カム軸Cbの下端部に取り付けられた受動タイミングギヤ55と、減速機付き開度調整モータ(サーボモータ)56により回転駆動される駆動タイミングギヤ57と、受動タイミングギヤ55と駆動タイミングギヤ57との間に巻張されたタイミングベルト58とを有している。
【0035】
[搬送動作]
クランプ位置Pcで容器Bを容器保持部20に受け取る時は、図7(a)に示すように、閉動経路部Rfでは、入口コンベヤ1のスクリュー軸1aにより搬入経路LIに沿って送り込まれる容器Bが、開放状態のクランプアーム21R,21L間に搬入されるとともに、カムフォロワ33が閉動カム35Aの開放カム面35Aeから閉動カム面35Afに転動して、クランプアーム21R,21Lが開放限から閉動される。そして、容器Bが把持爪25間に送り込まれて内把持面25iに当接すると、開放コイルばね24に抗して容器Bが把持爪25を押し込み閉動させる。
【0036】
図7(b)に示すように、左右の把持爪25の外把持面25oが容器Bの胴部にそれぞれ当接されて、4つの把持面25o,25iで容器Bが保持され、さらに保持軸心Lcに沿って容器保持位置P側に押し込まれる。
【0037】
図7(c)に示すように、容器軸心O2が保持軸心Lc上で左右の揺動軸23を結ぶ直線との交点Poを通過すると、所謂ドックルジョイントを用いたクランプ機構により、クランプアーム21R,21Lの閉動力が把持爪25に作用し開放コイルばね24に抗して把持爪25を閉動させ、把持爪25の4つの把持面25o,25iで容器Bの胴部を抱き込むように保持しつつ容器保持位置Pまで取り込む。
【0038】
図7(d)に示すように、容器保持位置Pでは、把持爪25により4つの把持面25o,25iにより無加圧状態で容器Bの胴部に当接されて保持される。
さらに加圧経路部Raでは、カムフォロワ33が加圧カム面35Aaを転動して拘束コイルばね36のばね力がクランプアーム21R,21Lに作用し把持爪25により容器Bの胴部が挟圧把持される。そして、閉止限調整部37によりカムレバー34が係止されて、拘束コイルばね36による適正な加圧力で把持爪25により容器Bの胴部が把持される。
【0039】
保持経路部Rbでは、閉止限調整部37によりカムレバー34を介してクランプアーム21R,21Lが閉止限で係止され、ドックルジョイントを用いたクランプ機構であるクランプアーム21R,21Lにより、把持爪25を介して容器Bが安定して把持され搬送される。
【0040】
減圧経路部Rcでは、カムフォロワ33が開動カム35Bの減圧カム面35Bcに乗り上げることにより、拘束コイルばね36による加圧作用が軽減されて、アンクランプ位置Puで加圧しなくなり、把持爪25の外内把持面25o,25iが無加圧状態で胴部に当接されて容器Bが保持される。
【0041】
開動経路部Rdになると、カムフォロワ33が開動カム35Bの開動カム面35Bdに沿って転動されてクランプアーム21R,21Lが急激に開動されるとともに、開放コイルばね24の作用により把持爪25が開動されて、容器Bが2つの内把持面25iで係止されて円周経路Rから充填経路LOに送り出される。
【0042】
上記実施の形態1によれば、
1)クランプアーム21R,21Lの遊端部に、開放コイルばね24により開動方向に付勢された把持爪25をそれぞれ開閉自在に設けたので、クランプアーム21R,21Lを開放した時に把持爪25をクランプアーム21R,21Lより大きく開放することができ、クランプアーム21R,21Lが小さい開放角であっても、把持爪25により胴部外径の大きい容器Bを受け渡しすることができる。
【0043】
2)容器Bの受け取り時や送り出し時に、左右の把持爪25の4つの把持面25o,25iで容器Bの胴部を保持することができ、安定して容器Bを受け渡しすることができる。
【0044】
3)把持爪25の揺動軸23を容器保持位置Pより旋回軸心O1の外周側に配置したので、揺動軸23を結ぶ直線の交点Poより容器保持位置P側に押し込まれた容器Bを、クランプアーム21R,21Lの閉動力により把持爪25で抱き込んで保持し容器保持位置P側に引き込むことができ、また容器保持位置Pで容器Bを安定して把持することができる。
【0045】
4)複数の容器保持部20を旋回テーブル14の外周部に配置し、左右の開閉軸31R,31Lに取り付けられるクランプアーム21R,21Lを上下方向に位置ずれして配置することにより、クランプアーム21R,21Lを開放した時に、隣接する容器保持部20のクランプアーム21R,21Lとの干渉を防止することができ、容器保持部20の配設ピッチを小さくして、旋回テーブル14に多くの容器保持部20を設置することができ、高速搬送が可能となる。
【0046】
5)閉止ストッパ26に、容器保持位置Pで容器Bを把持する把持爪25の閉止姿勢を調整可能な閉止調整具27に設けることにより、クランプアーム21R,21Lにより把持爪25を介して胴部外径の異なる容器Bを高精度で容器保持位置Pに高精度で把持させることができる。これにより、排出搬送装置8などで容器Bに対する作業を高精度で行うことができる。
【0047】
6)閉動用・開動用開度調整機構41,51に設けられた閉動カム・開動カム位置調整駆動部44,54により、閉動カム35Aと開動カム35Bとをそれぞれ水平面内で回動させて、開放カム面35Ae,35Beと閉動カム面35Afと開動カム面35Bdとをそれぞれ変位させることにより、容器Bの胴部外径に対応して、クランプ位置Pcおよびアンクランプ位置Puを基準としてクランプアーム21R,21Lの開度を調整することができ、胴部外径の異なる容器Bを精度良く保持することができる。
【0048】
7)閉動用開度調整機構41において、カム軸設置域(イ)に配置された閉動カム軸Caを中心に閉動カム35Aを回動させるとともに、開動用開度調整機構51において、カム軸設置域(ロ)に配置された開動カム軸Cbを中心に開動カム35Bを回動させることにより、閉動カム35Aと開放カム35Bの開放カム面35Ae,35Beと、閉動カム35Aの閉動カム面35Afのクランプ位置Pcにおけるカムフォロワ33の当たり面と、開動カム35Bの開動カム面35Bdのアンクランプ位置Puにおけるカムフォロワ33の当たり面とを精度良く変位させることができ、容器Bの胴部外径に対応して、クランプ位置Pcやアンクランプ位置Puにおけるクランプアーム21R,21Lの開度を、無加圧で容器Bの胴部を保持できるように精度良く調整することができる。
【0049】
なお、上記実施の形態1において、閉動用・開動用開度調整機構41,51を、閉動カム軸Caを中心に閉動カム35Aを所定角度、水平面内で回動させるとともに、開動カム35Bを開動カム軸Cbを中心に所定角度、水平面内で回動させる回動変位式としたが、図11に示すように、水平面内で直線移動させるスライド式開度調整機構61としてもよい。このスライド式開度調整機構61は、クランプ位置Pcに対応してスライド自在に配置された閉動カム65Aと、アンクランプ位置Puに対応してスライド自在に配置された開動カム65Bと、開動経路部Rdに固定して配置されて開度調整の必要のない開放用の固定カム65Cと、クランプ位置Pcでカムフォロワ33の回動軌跡の接線δ1方向に閉動カム65Aを所定距離δaだけスライドさせる閉動カム移動装置(図示せず)と、アンクランプ位置Puでカムフォロワ33の回動軌跡の接線δ2方向に開動カム65Bを所定距離δbだけスライドさせる開動カム移動装置(図示せず)を具備し、先の実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。前記閉動カム移動装置および開動カム移動装置は、閉動カム35Aおよび開動カム35Bをそれぞれリニアモーションベアリングなどのガイド部材を介して接線δ1,δ2方向にスライド自在に配置し、図示しない流体圧シリンダやアクチュエータなどの駆動装置を設ければよい。
【0050】
上記スライド式開度調整機構61によれば、クランプ位置Pcおよびアンクランプ位置Puで、カムフォロワ33の回動軌跡の接線δ1,δ2方向に、閉動カム65Aおよび開動カム65Bをそれぞれ容器Bの外径に対応して所定距離δa,δbだけスライドさせることにより、閉動カム65Aと開動カム65Bの開放カム面と、閉動カム65Aの閉動カム面と、開動カム65Bの開放カム面とを容易に変位させて、容器Bの胴部外径に対応して、クランプアーム21R,21Lの開度を精度よく調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る容器保持装置の実施の形態1を示す平面図で、(a)はクランプ状態を示し、(b)はアンクランプ状態を示す。
【図2】容器保持装置を具備した供給搬送装置を示す平面図である。
【図3】供給搬送装置の横断面図である。
【図4】容器保持装置の横断面図である。
【図5】図4に示すA−A端面図である。
【図6】充填設備の概略平面図である。
【図7】クランプアームのクランプ動作を説明する平面図で、(a)乃至(d)は容器の搬入からクランプに至る動作を示す。
【図8】アーム開閉機構の閉動カムと開動カムのカム軸設置域を示す平面図である。
【図9】アーム開閉機構の調整駆動部を示す概略平面図である。
【図10】閉止調整具を設けたクランプアームの平面図で、(a)は大径容器の把持状態、(b)は中径容器の把持状態、(c)は小径容器の把持状態を示す。
【図11】開度調整機構の他の実施の形態を示し、スライド式開度調整機構を示す平面図である。
【符号の説明】
【0052】
O1 旋回軸心
O2 容器軸心
R 円周経路
B 容器
P 容器保持位置
Pc クランプ位置
Pu アンクランプ位置
(イ) カム軸設置域
(ロ) カム軸設置域
1 入口コンベヤ
2 供給搬送装置
3 充填装置
10 容器保持装置
13 旋回軸
14 旋回テーブル
15 テーブル旋回装置
20 容器保持部
21R,21L クランプアーム
22 アーム本体
23 揺動軸
24 開放コイルばね(開放付勢部材)
25 把持爪
25o 外把持面
25i 内把持面
26 閉止ストッパ
27 閉止調整具
30 アーム開閉機構
31R,31L 開閉軸
32 連動ギヤ(連動部材)
33 カムフォロワ(受動カム部材)
34 カムレバー(受動カム部材)
35A 閉動カム(開閉カム)
35B 開動カム(開閉カム)
36 拘束コイルばね(拘束付勢部材)
37 閉止限調整部
37a ストッパピン
37b 調整ボルト
38 空間部
Ca 閉動カム軸
Cb 開動カム軸
41 閉動用開度調整機構
44 閉動カム調整駆動部
51 開動用開度調整機構
54 開動カム調整駆動部
61 スライド式開度調整機構
65A 閉動カム
65B 開動カム
65C 固定カム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回テーブルの外周部に周方向に一定間隔ごとに配置される容器保持部に、搬入経路から供給される容器を受け取り保持して円周経路に沿って搬送する容器保持搬送装置であって、
容器保持部に、旋回テーブルの旋回軸心を中心とする半径方向で容器保持位置を通る保持軸心に等間隔あけて配置された左右一対の開閉軸と、これら各開閉軸を介して開閉自在にそれぞれ設けられた左右一対のクランプアームと、これら左右のクランプアームの遊端部に前記開閉軸と平行な揺動軸を中心に開閉自在に支持されるとともに、容器の側部を把持し得る2つの把持面がそれぞれ所定の把持角を有して形成された左右一対の把持爪と、前記左右のクランプアームにそれぞれ設けられて把持爪を開動方向に付勢する開放付勢部材と、前記左右のクランプアームにそれぞれ設けられて把持爪の閉止限を規制する閉止ストッパと、前記左右のクランプアームを前記開閉軸を介して開閉駆動するアーム開閉機構とを具備され、
且つ前記左右の揺動軸の軸心同士を結ぶ直線が円周経路の外側に位置するように当該左右の揺動軸を配置し、
搬入経路上の容器が左右の把持爪間に入り、前記左右のクランプアームの閉動により左右の把持爪の4つの把持面で容器が把持され前記直線から円周経路上の容器保持位置に移動される際に、前記左右のクランプアームの閉動と、左右の揺動軸を結ぶ前記直線が円周経路の外側に位置されていることにより、左右の把持爪がそれぞれ閉動されて、前記4つの把持面のうち、旋回軸心の外周側の2つの把持面が互いに接近するように前記4つの把持面で容器を抱き込んで把持し旋回軸心側に移動させる
ことを特徴とする容器保持搬送装置。
【請求項2】
クランプアームの閉止ストッパに、把持爪の閉止限を調整可能な閉止調整具を設けた
ことを特徴とする請求項1記載の容器保持搬送装置。
【請求項3】
アーム開閉機構は、
クランプアームがそれぞれ固定された左右の開閉軸を互いに逆方向に回転するように連動して左右のクランプアームを開閉する連動部材と、旋回テーブルの周方向に配置されて少なくとも容器保持位置の円周経路上で容器を把持するクランプ位置に対応して配置される閉動カムおよび円周経路上で容器を解放するアンクランプ位置に対応して配置される開動カムと、左右一方の前記開閉軸にカムレバーを介して設けられて前記閉動カムおよび前記開動カムに当接されるカムフォロワと、クランプアームを閉動方向に付勢して前記カムフォロワを前記開動カムおよび前記閉動カムに当接させる拘束付勢部材とを有し、
前記開動カムおよび前記閉動カムを水平面内でそれぞれ変位させてクランプアームの開度を調整可能な開度調整機構を設け、
当該開度調整機構を、閉動カム軸を中心に閉動カムを回動してクランプ位置に対応する閉動カムの閉動カム面を容器の外径に対応して変位させる閉動カム調整駆動部と、前記開動カム軸を中心に開動カムを回動してアンクランプ位置に対応する開動カムの開動カム面を容器の外径に対応して変位させる開動カム調整駆動部とを有する回動変位式とした
ことを特徴とする請求項1または2記載の容器保持搬送装置。
【請求項4】
容器を、搬入経路から旋回テーブルの外周部で円周経路に沿って一定間隔ごとに配置された容器保持部に供給し、
前記容器保持部に具備された、旋回テーブルの旋回軸心を中心とする半径方向の保持軸心に等間隔をあけて配置された左右一対の開閉軸と、当該開閉軸を介して開閉自在にそれぞれ設けられた左右のクランプアームと、当該左右のクランプアームの遊端側にそれぞれ前記開閉軸と平行に配置され、互いの軸心を結ぶ直線が円周経路の外側に位置する揺動軸と、当該左右の揺動軸に開閉自在に支持されて、容器の側部を把持し得る2つの把持面がそれぞれ所定の把持角αを有して形成された左右一対の把持爪と、前記左右のクランプアームにそれぞれ設けられて把持爪を開動方向に付勢する開放付勢部材と、前記左右のクランプアームにそれぞれ設けられて把持爪の閉止限を規制する閉止ストッパと、を使用し、前記左右のクランプアームにより把持爪を介して円周経路上の容器保持位置で容器を保持し搬送する容器の保持搬送方法であって
搬入経路上の容器が円周経路に接近して、開放状態から閉動される前記左右のクランプアームの把持爪間に送り込まれ、当該把持爪の4つの前記把持面が容器の胴部にそれぞれ当接して保持し、
容器が搬入経路上を移動されるに従って容器が容器保持位置に向かって押し込まれ、揺動軸の軸心を結ぶ前記直線を越えて移動される際に、クランプアームの閉動と、当該直線より左右の揺動軸が円周経路の外側に位置されていることにより、左右の把持爪がそれぞれ閉動されて、前記4つの把持面のうち、旋回軸心の外周側の2つの把持面が互いに接近するように前記4つの把持面で容器を抱き込んで把持し容器保持位置まで移動させて保持する
ことを特徴とする容器保持搬送方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−121730(P2012−121730A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−277772(P2011−277772)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【分割の表示】特願2008−140220(P2008−140220)の分割
【原出願日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(000005119)日立造船株式会社 (764)
【Fターム(参考)】