容器充填用能動的滅菌ゾーン
容器を受け入れるように構成された少なくとも1つのグリッパ(122)と、第1フィラーホイール電子線照射野を発生する第1フィラーホイール電子線ユニット(124)とを有するフィラーホイール(47)であって、第1フィラーホイール電子線ユニットが、少なくとも1つのグリッパに対し、照射野が容器を受け取る前にそのグリッパを取り囲むように向けられる、容器に製品を充填するように構成されたフィラーホイールと、フィラーホイールから容器を受け取るように構成された搬送機構(54)と、フィラーホイールから容器を受け取るように構成されたキャッパアセンブリ(48)であって、キャッパ(48)が搬送機構から容器を受け取るように構成され、容器の上にキャップを配置するように構成されたキャッパアセンブリとを備える、容器を無菌充填する装置。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、「Apparatus and Method for Sterile Filling of Beverage Containers」と題する2007年7月11日出願の米国仮特許出願第60/949,149号明細書に対する優先権およびその明細書の利益を主張し、かつその一部継続出願であり、その出願は参照により本明細書に援用されかつその一部となっている。
【技術分野】
【0002】
本明細書で開示する例示的な実施形態は、飲料用容器の無菌充填に関し、特に、容器を充填し閉鎖するために閉じられた衛生的環境(confined hygienic environment)(「CHE」)において能動的滅菌ゾーンをもたらすインライン充填装置に関する。
【背景技術】
【0003】
消費者によっていずれ消費されるために、さまざまなタイプの飲料または製品が種々のタイプの容器に貯蔵される。飲料および他の製品は、通常、自動充填プロセスにおいて熱可塑性またはガラス液体容器等の容器に充填される。消費者が期待するそれぞれの品質属性を有する安全な製品を消費者に提供するために、製品、容器、およびキャップ等の容器閉鎖具はすべて、滅菌され、すなわち微生物がいない状態でなければならない。
【0004】
通常、容器には、「低温充填」プロセスかまたは「高温充填」プロセスのいずれかで飲料を充填することができる。図1は、通常低温充填プロセスで用いられる、一タイプの容器充填・キャッピング装置のブロック図を開示している。図2は、典型的な無菌低温充填プロセスのプロセス図を示す。低温充填の応用では、飲料製品は、所定時間、いかなる微生物も死滅させるように高温に加熱され(低温殺菌と呼ぶ)、その後、概して周囲温度まで冷却される。そして、フィラー(充填機)11において、事前滅菌された容器に冷却された滅菌済み製品が充填され、キャッパ13によって事前滅菌されたキャップが取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消費者に対して安全な製品を保証するために、低温充填システムの充填領域は、決して汚染されてはならない。作業者は、衛生服を着用しなければならず、無菌室に入るものはすべて滅菌しなければならない。無菌環境に汚染物質が入ったという疑いが少しでもある場合、プロセスを停止しなければならず、システムを滅菌しなければならない。しかしながら、汚染された無菌環境を無菌標準に戻すように洗浄することは時間がかかる。関連する機器の洗浄および滅菌はすべて生産停止中に行われなければならず、したがって生産能力が制限される。これら要因により、無菌充填ラインが運用上煩雑になる。
【0006】
高温充填プロセスでは、高温の飲料自体を用いて充填段階において容器を滅菌する。図3に示すように、高温充填の応用では、最初に空の容器を洗浄し、その後、フィラー11により、容器に滅菌のために高温に加熱された飲料を充填する。高温の飲料は、容器の機能に影響を与えるほど、または容器を変形させるほど高温ではない。同時経路で、充填の直後にキャッパ13によりキャップが提供され、容器の上に配置される。キャップが取り付けられると、容器は反転され、それにより、キャップと容器のヘッドスペースとが、キャップ滅菌装置15において加熱された製品を利用して滅菌される。その後、キャップが取り付けられた容器を、冷却トンネル17において、さらに処理されるために冷却することができる。
【0007】
こうした高温充填プロセスでは、使用される容器は、高温の飲料の高い温度に耐えることができる頑強な壁構造を有していなければならない。プロセス全体において、容器がグリッパによる容器の反転に耐えることができることが必要であり、したがって、容器の重量が比較的重いことが必要であり、それにより材料コストが高くなる。さらに、飲料および容器が冷却される際、材料の収縮によりキャップが取り付けられた容器内で真空が発生する。この真空のために、容器は、収縮を吸収するように真空パネルを有していなければならない。最後に、飲料製品は、容器およびキャップを滅菌するために十分な時間、液体が高温のままであるようなものでなければならず、その後に冷却されなければならないため、高温充填プロセスでは著しいエネルギーが周囲環境の中に失われる。これら要素は、高温充填プロセスにおいて容器を充填する著しい材料コストおよび運用コストの要因となる。低温充填プロセスと同様に、高温充填フィラー/キャッパ機器の洗浄には生産の停止が必要であり、生産能力が制限される。
【0008】
例示的な実施形態は、上述した問題および容器設計が制限される等の他の問題を解決するように、かつこのタイプの従来のシステムによって提供されない利点および態様を提供するように提供される。それにもかかわらず、開示する例示的な実施形態を用いて、上述した容器を充填することができる。さらに、例示的な実施形態は、このタイプの従来のシステムより高い設計自由度を提供するように提供される。開示する例示的な実施形態の特徴および利点の完全な説明は、後の詳細な説明において行う。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示的な実施形態は、容器を無菌充填するシステムおよび方法を提供する。このシステムは、CHEにおいて能動的滅菌ゾーンを提供し、容器リンサおよび容器滅菌ユニットを含むことができる第1モジュールと、フィラーアセンブリおよびキャッパアセンブリを含むことができ、さらに関連する滅菌ユニットを有する第2モジュールとを有する。
【0010】
1つの例示的な実施形態によれば、容器は、インラインコンベアアセンブリを介して第1モジュールおよび第2モジュールを通るように向けられる。容器は、デパレタイズされ、コンベアアセンブリを介して第1モジュールに向けられると、水なし洗浄ステーションを通過し、その後、高出力電子線照射装置を有する容器滅菌ユニットに向けられ、そこで容器に対し最初の滅菌が施される。その後、容器は、フィラーアセンブリを有する第2モジュールに搬送され、そこで、無菌状態下で容器に飲料または製品が充填される。その後、容器はキャッパアセンブリに搬送される。第2モジュールでは、フィラーアセンブリおよびキャッパアセンブリに第2滅菌ユニットが動作的に関連している。1つの例示的な実施形態では、滅菌ユニットは、飲料、液体または食品等の製品の充填およびキャッピングに無菌環境を提供する低出力電子線照射装置を有する。滅菌ユニットと他の関連する構造およびシステムは、容器が移動するCHEに能動的滅菌ゾーンを提供する。本明細書で開示する滅菌技法を用いて、容器が、たとえばろ過された製品、保存処理された製品または低温殺菌された製品のいずれを受け取るように構成されていようと、いかなるタイプの容器をも滅菌することができる。製品は、概して周囲温度で維持される。そして、無菌充填されキャップが取り付けられた容器は、さらに包装されるように向けられる。容器を無菌充填する装置および方法を開示する。
【0011】
本方法および装置は、概して、アイソレータユニット、フィラーホイール、搬送ホイールおよびキャッパホイールを有する。アイソレータユニットは、ハウジングと、ハウジング内に位置する取入ホイールとを有する。取入ホイールは、容器を受け取り、その容器をフィラーホイールに渡すように構成される。アイソレータユニットは、ハウジング内に空気および正圧を提供するように構成されるろ過空気源を有する。容器に製品を充填するように構成されたフィラーホイールは、容器を受け入れるように構成された少なくとも1つのグリッパと、第1フィラーホイール電子線ユニットとを有する。第1フィラーホイール電子線ユニットは、少なくとも1つのグリッパに、そのグリッパが容器を受け取る前に電子線処理を受けるように向けられる。搬送ホイールは、容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパと、搬送ホイール電子線ユニットとを有する。搬送ホイール電子線ユニットは、少なくとも1つのグリッパに、そのグリッパが容器を受け取る前に電子線処理を受けるように向けられる。キャッパホイールは、キャッパチャックと第1キャッパ電子線ユニットとを有する。第1キャッパ電子線ユニットは、キャッパチャックに、キャッパホイールが容器上にキャップを配置する前にキャッパチャックに搭載されたキャップが電子線処理を受けるように向けられる。キャッパチャックは、キャップの内面の実質的にすべてが第1キャッパホイール電子線照射装置に曝されるようにキャップを回転させる。キャッパホイールはまた、キャッパチャックと容器開口部との間に位置する空隙に向けられた第2キャッパホイール電子線照射装置を有する。
【0012】
別の態様では、局部空気管理システムが、フィラーホイールに動作的に関連する。フィラーホイール局部空気管理システムは、吸気マニホルドと、中間供給部と、容器のための経路を画定する略環状溝とを備える。中間部は、フィラーホイールによって容器に製品が充填されている際に、容器の開口部に近接して空気を供給するための出口を画定する。上記中間供給部は、垂直部材および湾曲端を有し、垂直部材は、一端が吸気マニホルドの開口部に接続されている。湾曲端は、環状溝を加圧するように構成された拡大する出口領域を画定する広がり出口部を有する。環状溝は、環状内壁および環状外壁によって画定され、環状外壁は、環状内壁から隔置されることにより容器のための経路を画定する。
【0013】
さらなる態様では、搬送ホイール機構は、空気管理システムも有する。搬送ホイール空気管理システムは、排気マニホルドと連通する吸気ダクトを有する。吸気ダクトはろ過空気源に接続され、ろ過空気源は、排気マニホルドまで下方にろ過空気を提供する。
【0014】
容器を無菌充填する方法を開示する。アイソレータユニットにおいて容器が受け取られ、アイソレータユニットは、少なくとも1つのグリッパを有する搬送ホイールと、アイソレータユニット内に空気を供給する空気源とを備える。容器は、アイソレータユニットから出てフィラーアセンブリに渡される。そして、フィラーアセンブリのフィラーホイールに位置する容器グリッパが、充填するために容器を受け取る前に、容器と接触することになるグリッパの表面に近接する容器グリッパ面に第1フィラーホイール電子線照射装置および第2フィラーホイール照射装置を向けることによって、処理される。そして、容器は、グリッパで受け取られ、空気が容器の開口部に近接して供給されている間に、容器に製品が充填される。そして、搬送ホイールに位置するグリッパが、充填された容器を受け取る前に搬送ホイールの容器グリッパ面に電子線照射装置を向けることにより処理される。そして、充填された容器はキャッパホイールに渡され、キャッパホイールに位置するキャッパチャックが、キャッパチャックにキャッパ電子線照射装置を向けることにより処理される。そして、キャッパチャックに位置するキャップが、充填された容器の上にキャップを配置する前に、キャップがキャッパチャックによって回転する時に、キャップの内面の実質的にすべてが電子線照射装置に曝されるように処理される。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、以下の図面に関連する以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【0016】
ここで、本発明の理解のために、本発明を、例として添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】容器充填プロセスの従来技術の概略図である。
【図2】従来の無菌低温充填容器充填プロセスの概略図である。
【図3】従来の高温充填容器充填プロセスの概略図である。
【図4】例示的な実施形態による能動的滅菌環境充填プロセスのブロック図である。
【図5】例示的な実施形態による能動的滅菌環境充填システム/プロセスの概略図である。
【図6】例示的な実施形態による能動的滅菌環境充填システム/プロセスの概略図であり、第1モジュールおよび第2モジュールを示す。
【図7】電子線照射装置/滅菌装置によって生成される電子線照射野内にある容器の概略図である。
【図8】容器把持および容器反転を示す電子線照射野内の2つの容器の概略図である。
【図9】電子線照射野を生成する電子線照射装置およびその電子線照射野内を通過する容器の概略図である。
【図10】例示的な実施形態のシステムの第2モジュールの略平面図である。
【図11−1】図11は例示的な実施形態のシステムの第2モジュールの部分斜視図である。
【図11−2】図11aは例示的な実施形態のシステムの第2モジュールの部分斜視図である。
【図12】例示的な実施形態のシステムの第2モジュールのアイソレータアセンブリの斜視図である。
【図13】アイソレータアセンブリの部分斜視図である。
【図14】例示的な実施形態のシステムの第1モジュールと第2モジュールとの間の境界領域の略部分断面図である。
【図15−1】図15は第2モジュールの部分平面図であり、フィラーアセンブリを示す。
【図15−2】図15aはフィラーグリッパの部分断面図である。
【図16】フィラーアセンブリの部分斜視図である。
【図17】フィラーアセンブリの部分組立分解図である。
【図18】フィラーホイールの空気管理システムの吸気マニホルドの部分立面図である。
【図19】図18の吸気マニホルドの平面図である。
【図20】吸気マニホルドの部分断面図である。
【図21】吸気マニホルドの部分断面図である。
【図22】吸気マニホルドの部分断面図である。
【図23】フィラーアセンブリの部分断面図であり、フィラーホイール空気管理システムの空気流路を示す。
【図24】容器の周囲の空気流の概略図である。
【図25】第2モジュールの搬送機構の部分斜視図である。
【図26】搬送機構空気管理システムの空気流を示す部分断面図である。
【図27】容器の周囲の下向きの空気流の概略図である。
【図28】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分平面図である。
【図29】第2モジュールのキャッパアセンブリの別の図である。
【図30】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分斜視図である。
【図31】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分斜視図である。
【図32】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分斜視図である。
【図33】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分断面図である。
【図34】第2モジュールのキャッパアセンブリの別の部分斜視図である。
【図35】キャッパアセンブリに関連する電子線照射装置の概略図である。
【図36】本発明のシステムの第1モジュールおよび第2モジュールに関連する環境制御システムの概略図である。
【図37】第2モジュールの動作を示す第2モジュールの略平面図である。
【図38】第2モジュールの動作を示す第2モジュールの略平面図である。
【図39】第2モジュールの動作を示す第2モジュールの略平面図である。
【図40】第2モジュールの動作を示す第2モジュールの略平面図である。
【図41】フィラーバルブの斜視図である。
【図42】フィラーアセンブリの部分断面図である。
【図43】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図44】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図45】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図46】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図47】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図48】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図49】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図50】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態のさらなる図を開示する。
【図51】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態のさらなる図を開示する。
【図52】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態のさらなる図を開示する。
【図53】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態のさらなる図を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、多くの異なる形態での実施形態が可能であるが、本開示は本発明の原理の例示としてみなされるべきであり、本発明の広い態様を、例示する実施形態に限定するようには意図されていない、ということの了解を前提として、本発明の例示的な実施形態を図面に示しかつ本明細書で説明する。
【0019】
ここで図面、最初に図4〜図6を参照すると、全体として参照数字10で示す、容器を無菌充填する装置の例示的な実施形態が示されている。1つの例示的な実施形態では、容器は飲料用容器であるが、システム10を、無菌充填および閉鎖を必要とする他のさまざまな容器の用途で用いることができる。システム10は、概して第1モジュールまたはステーション12と第2モジュールまたはステーション14とを有している。第1ステーション12および第2ステーション14は、後により詳細に説明するように、協働して閉じられた衛生的環境(「CHE」)18を画定する、いくつかの関連する構造16を有する。後により詳細に説明するように、CHE18は、本明細書で開示する種々の例示的な実施形態の間でさまざまな形態をとることができる。たとえば、1つの例示的な実施形態では、CHE18を第2モジュール14と動作的に関連付けてもよい。後により詳細に説明するように、複数の容器Cを第1モジュールまたはステーション12および第2モジュールまたはステーション14を通して搬送するために、システム10の一部としてインラインコンベアアセンブリ20が利用される。
【0020】
図4を参照すると、第1モジュール12は、概して、デパレタイザ22、水なしリンサ30および容器滅菌装置32を有している。第2モジュール14は、概して、フィラーアセンブリ46およびキャッパアセンブリ48を有している。さらなる例示的な実施形態(図10に概略的に示す)では、第2モジュール14は、電子線滅菌ユニット50、アイソレータアセンブリ52、フィラーアセンブリ46、搬送機構54、キャッパアセンブリ48および環境制御システム56をさらに有していてもよい。図4に示しかつ後にさらに説明するように、キャッパアセンブリ48は、電子線滅菌ユニット50の一部として電子線滅菌を利用してもよいが、キャッパアセンブリに対し、図4に示すように蒸気、外部照射および化学処理を含む他の滅菌方法を採用してもよい。図4は、容器C内に注入される製品が、フィラーアセンブリ46に供給される前に、計量、熱プロセスを通ってフィラー供給タンクまで進んでもよいことをさらに示している。図5は、第1モジュール12および第2モジュール14のさらなる概略図を示すとともに、複数の容器C内に注入される飲料製品に対する計量プロセスに関するさらなる詳細も示している。まず、第1モジュール12および第2モジュール14の概略的な構造について説明し、その後、第1モジュール12および第2モジュール14の動作について説明する。
【0021】
コンベアアセンブリ
図4〜図6にさらに概略的に示すように、コンベアアセンブリ20は、複数の容器を自動的に搬送することができるインラインシステムである。コンベアシステム20は、本技術分野において既知である従来の構造を有しており、汎用搬送用の構造とともに、容器を、システム10を通して必要に応じて略直線経路および略弓形経路を介して移動させる、把持構造を有している。特に、コンベアアセンブリ20は、容器の首を介して容器Cを搬送してもよい。コンベアアセンブリ20は、要求に応じて、容器を、図4において22で示すデパレタイザステーションからシステム10を通して、図4において24で示すさらなる包装機構まで搬送するように、互いに動作的に接続された複数の個々のコンベアを有していてもよい。第1モジュール12および第2モジュール14の他の構成要素が、容器Cをシステム10内で搬送するために用いられるさまざまなホイール等、コンベアアセンブリ20の一部を形成してもよい、ということが理解される。1つの例示的な実施形態では、コンベアアセンブリ20の多くの部分が回転式コンベアである。容器を直線状にまたは割出し配置で搬送するコンベア等、他のタイプのコンベアを採用することができる、ということが理解される。他のコンベアアセンブリもまた、首部分とは異なり容器Cの基部を介して、容器Cを搬送することができる。
【0022】
第1モジュール
上述したように、第1モジュール12は、デパレタイザ22、水なしリンサ30および容器滅菌装置32を有している。空の容器Cは、通常、パレットでシステム10に搬送される。デパレタイザ22は、空の容器Cをパレットからコンベアアセンブリ20まで移動させるために用いられる既知の構造である。図5にさらに示すように、水なしリンサ30は、連続して配置された複数のエアノズル31を有していてもよい。水なし洗浄ステーション30は、コンベアアセンブリ20から空の容器Cを受け取り、最初に容器Cを洗浄して微生物負荷および異物を取り除く。水なしリンサ30は、CHE18の一部であるとはみなされないが、異物がCHE18に入らないようにするのを促進するのに役立つ。図5および図6から理解することができるように、コンベアアセンブリ20はその後、容器を容器滅菌装置32に搬送する。
【0023】
容器滅菌装置
1つの例示的な実施形態では、容器滅菌装置32は、電子源として電子線照射装置33を使用して容器Cを滅菌することができる。しかしながら、容器Cを滅菌するためにいかなる既知の方法も用いることができる。電子線容器滅菌装置32は、図6〜図9に示す高出力電子線照射装置33を有することができる。容器滅菌装置32は、容器Cのインライン滅菌のためにコンベアアセンブリ20の一部を収容する。図7〜図9は、容器滅菌装置32の一部を概略的に示し、そこでは、電子線照射装置33が能動的無菌電子線照射野36すなわち電子線照射野36を生成する。
【0024】
容器Cが容器滅菌装置32内に入ると、その首を把持し、容器Cを、能動的無菌野36を形成する電子線照射装置33によって発生される電子線の照射野を通過するように搬送することができる。図7および図9に示すように、容器Cを、電子線照射野36を通る2回目のパスで反転させ回転させることができ、それにより、容器Cのすべての面が電子線36の無菌野を通ることが確実になる。これにより、容器Cのすべての面と容器Cの口部および底部の周囲の任意のかつすべてのコールドスポットの滅菌が確実になる。無菌野36は、残っているいかなる微生物負荷の繁殖も防止し、さらなる増殖も停止し、成長を終了させる。繁殖の防止は生物の死滅と等価である。滅菌装置32が容器Cを滅菌すると、容器C内部で生成されるオゾンを除去するためにエアパージが提供される。空気は、モジュールから排出され、周囲空気内に放出される前に処理される。容器滅菌装置32は、電子線照射装置33を介して、容器Cが移動するコンベア経路を取り囲む能動的無菌野36を生成する。
【0025】
容器滅菌装置の電子線発生器
図9は、1つのタイプの電子線照射装置33の概略図を示す。電子線照射装置33では、電子がフィラメント60から移送される。フィラメント60は、電子を加速させるために真空チャンバ64内に収容されている。周囲環境66と真空チャンバ64とを隔離するためにチタン窓62が設けられている。電子は、窓62を通して加速され、それにより能動的無菌電子線照射野36を形成する。それは、容器Cを滅菌するために好適な距離延在し、かつ好適な領域を覆う。1つの例示的な実施形態では、電子線照射装置33は、各容器Cのすべての面に対し10kGy〜15kGyの放射線量を提供するように設計されており、それにより、容器表面に微生物の約6対数減少(log count reduction)(「LCR」)が達成される。こうした照射装置33は、高エネルギー電子線照射装置と考えられる。しかしながら、電子線を、こうしたエネルギー性能を有する好適な電子線照射装置によって発生させることができる。こうしたユニットは、容器の内側および外側を滅菌するのに十分な強度の電子線を発生させることができる。
【0026】
そして、容器Cは、容器滅菌装置32から出て第2モジュール14に搬送される。このように、容器滅菌装置32は、CHE18の能動的滅菌ゾーンにおいて製品を充填するために、第2モジュール14に搬送される無菌容器Cを準備をする。
【0027】
上述したように、1つの例示的な実施形態では、容器滅菌装置32は、滅菌のために高エネルギー電子線照射装置を利用する。第1モジュール12の容器滅菌装置32は、他の形態の滅菌、たとえば照射、化学薬品または熱/温度滅菌を利用することができる。したがって、第2モジュール14に無菌容器Cを提供するために他の滅菌構造およびプロセスを使用することができる。
【0028】
第2モジュール14
第1モジュール12における容器Cの滅菌後、容器Cは、さらに処理されるために第2モジュール14に搬送される。上述したように、第2モジュール14では、容器Cは、CHE18において能動的滅菌ゾーンで製品が充填され、キャップが取り付けられ、さらに包装されるために送り出される。上述したように、図10および図11に示す1つの例示的な実施形態では、第2モジュール14は、概して、電子線滅菌ユニット50、アイソレータアセンブリ52、フィラーアセンブリ46、搬送機構54、キャッパアセンブリ48および環境制御システム56を有している。ここで、これら構成要素についてより詳細に説明する。コンベアアセンブリ20の一部が、容器Cを第2モジュール14内で移動させるのに役立つ。
【0029】
電子線滅菌ユニット
電子線滅菌ユニット50は複数の電子線照射装置を含み、それらは、重要な機械面、構成要素、および構成要素を直接包囲する空気のみが電子線に曝され、飲料製品自体は曝されないように、第2モジュール14内の容器移動ゾーン内のいくつかの場所および領域に配置されている。電子線滅菌ユニット50は、第2モジュール14のCHE18の一部を形成する。例示的な実施形態では、電子線照射装置は、低エネルギー電子線照射装置である。特定の実施形態では、電子線照射装置は150kVモデルである。他の好適な電子線照射装置を使用することができることが理解される。電子線滅菌ユニット50は、概して、フィラーホイール滅菌ユニット70、搬送機構滅菌ユニット72およびキャッパアセンブリ滅菌ユニット74を有している。1つの例示的な実施形態では、電子線照射装置はサイズが3インチ(約7.62センチメートル)×10インチ(約25.4センチメートル)の出口窓を有するが、このサイズは要求に応じて変更することができる。電子線照射装置は、通常、図30に示すように、ヨーク73に取り付けられており、x軸、y軸およびz軸において完全に連接されている。電子線照射装置が発生する電子線照射野を、水平に、垂直に、または要求に応じて他の何らかの角度で構成してもよい。これら滅菌ユニットに関するさらなる構造については、第2モジュール14の他の構造に関連してさらに後述する。これら電子線照射装置の動作についても後により詳細に説明する。後の説明から理解されるように、さまざまな電子線照射装置が、容器が充填されキャップが取り付けられている時、システム10の稼動中に第2モジュール14のいくつかの構成要素を滅菌する。したがって、電子線照射装置は、システム10が稼働している時に構成要素の能動的滅菌または再滅菌を提供する。
【0030】
アイソレータ
第1モジュール14によって滅菌された容器Cは、まず第2モジュール14のアイソレータアセンブリ52に搬送される。図10〜図14に示すように、アイソレータアセンブリ52は、概して、エアロック構造76、第1取入ホイール78、第2取入ホイール80、および空気系統84が動作的に関連付けられているハウジング82を有している。
【0031】
図12〜図14に示すように、エアロック構造76は、第1モジュール12と第2モジュール14との間の境界領域86に、特にアイソレータアセンブリ52の入口に配置されている。エアロック構造76は、水平壁88と第1垂下壁90および第2垂下壁92とを有しており、開放底端部94を画定している。エアロック構造76はシュラウド構造を提供する。壁88、90、92は、第1モジュール12の分割壁に接続されており、したがって、概して、第1モジュール12と第2モジュール14との間の開口部の周囲に封止を提供する。第1取入ホイール78は、複数のグリッパ79を有し、ホイール78が回転する際に、グリッパ79がエアロック構造76に近接するように配置されている。後により詳細に説明するように、グリッパ79は、第1モジュール12のグリッパを備えたホイールと協働して、第1モジュール12から無菌容器Cを受け取る。第2取入ホイール80は、複数のグリッパ81を有し、第1取入ホイール78に近接して配置され、後述するようにそれと協働する。第1取入ホイール78および第2取入ホイール80は、それぞれのグリッパ79、81が回転し動作するように、動力が供給され、かつ適当なシステムを有することが理解される。さらに、適当なサイズおよび数のグリッパが、フィラーアセンブリ46および第1モジュール12に関連する搬送ホイールのサイズと適合した場合、単一取入ホイールを採用することができることが理解される。
【0032】
アイソレータアセンブリ52のハウジング82は、第1取入ホイール78および第2取入ホイール80の周囲に配置された筐体102を画定する、床96、複数の側壁部材98および上部部材100を有している。1つの側壁部材98が、容器入口開口部104を有し、エアロック構造76に連結されており、そこでエアロック構造76は、筐体102と連通している。第2側壁98には、フィラーアセンブリ46に近接して配置された容器出口開口部106が設けられている。側壁部材98は、作業者がハウジング82の中を見るための窓108を有していてもよい。窓108は、各々、第1取入ホイール78および第2取入ホイール80に容易に届くことができるようにヒンジを有している。窓108は、各窓108の外周部に配置された窓ロックおよびシールをさらに有することができる。上部部材100は、後により詳細に説明する空気管理システムのエアダクトに接続する空気入口としての役割を果たす、開口部110を有している。空気供給は、正圧とハウジング82内に入りエアロック構造76の開放底部94から出る下方流とを維持するのに役立つ。床は、アクセスドア114が備えられていてもよい側壁部材98のうちの1つに向かって、傾斜部112を有することができる。アクセスドア114には空気シリンダ115が備えられていてもよく、それは、側壁98とドア114との間に動作的に接続されることによりドア114の自動開閉を可能にする。側壁部材98を、ステンレス鋼カバーを有する鉛および合板の個々の層から形成することができる。部材98に、ゴムシールを設けてもよく、それは、エアロック構造76の周囲にかつ第1モジュール12に対して当接することにより、さらなる封止を提供することができる。アイソレータアセンブリ52に、第2取入ホイール80に関連する容器排斥機構を設けることができる。容器排斥機構は、第1モジュール12における滅菌プロセス中に不注意で変形した容器等、充填に適していない容器を排斥するように構成されている。容器排斥機構101に、グリッパを開放するように構成されるカムと、変形した容器を検知するように構成される検知機構とを設けることができる。
【0033】
使用されるフィラーアセンブリのタイプおよび使用される第1モジュールのタイプの特徴に応じて、容器を第1モジュールからフィラーアセンブリに搬送するために、アイソレータアセンブリ52に対し別の構造を使用することができることが留意される。この例示的な実施形態では、構造または取入コンベアを使用して、第1モジュール12から無菌容器Cを受け入れ、容器Cをフィラーアセンブリ46に搬送する。この例示的な実施形態では、アイソレータアセンブリ52がこれを達成するのは、アイソレータアセンブリ52が初期無菌状態にあり、システム10の稼動中にこうした状態を維持するためである。
【0034】
フィラーアセンブリ46
フィラーアセンブリ46は、無菌容器Cを受け入れ、さらに、容器C内に注入されるかまたは充填される液体飲料等の計量された完成製品の供給を受け入れる構成要素を有している。フィラーアセンブリ46は、概して、フィラーホイール47、フィラーホイール滅菌ユニット70およびフィラーホイール空気管理/隔離システム118を有している。
【0035】
フィラーホイール47は、略円形構造であり、回転用の支持システムを有している。図15および図15aに示すように、フィラーホイール47は、概して互いに隣接しかつフィラーホイール47の周囲に配置される複数のフィラーバルブ120を有している。フィラーバルブ120は、既知のように好適な導管、ラインまたはホースを介して計量された製品の供給と動作的に流体連通している。例示的な実施形態では、フィラーバルブ120は、容器Cと接触しない非接触バルブであるが、接触バルブを使用することができることが留意される。フィラーホイール47は、フィラーバルブ120の数に対応する複数のフィラーグリッパ122をさらに有している。グリッパ122は、概してフィラーバルブ120の下方に配置され、アイソレータアセンブリ52の第2取入ホイール80から受け取られる容器Cを把持する。フィラーホイールは、容器入口部49および容器出口部51を有している。フィラーホイール47は、概して第2取入ホイール80に近接して配置されている。フィラーホイール47は回転機構であるが、直線形フィラー等の他のタイプのフィラーを使用することも可能である。
【0036】
図41および図42に、例示的なフィラーバルブ120を示す。図41に示すように、フィラーバルブ構造は、概して、滅菌中に電子線の遮蔽を低減するように低側壁面を有することにより、バルブのより有効な能動的滅菌を可能にする。図42は、フィラーバルブ120の部分断面図を示す。フィラーバルブ120には、CIP処置に関連して使用されるキャップ機構121が設けられている。図42はまた、バルブ120が、遠位端に、動作の前にバルブを洗浄するために定置洗浄処置で使用されるキャップを有することも示している。
【0037】
フィラーホイール滅菌
フィラーホイール滅菌ユニット70は、概して、第1フィラーホイール電子線照射装置124および第2フィラーホイール電子線照射装置126を有している。電子線照射装置124、126は、フィラーホイールの動作中に滅菌を提供し、能動的滅菌ゾーンを提供する。フィラーホイール電子線照射装置124、126は、容器入口部49と容器出口部51との間においてフィラーホイール47に近接して、かつ後述するフィラーホイール空気管理システム118に関連する開口部内に配置されている。電子線照射装置124、126は、図17に示すように複数の軸に沿って完全に連接されているヨークに取り付けられている。電子線照射装置124、126は、フィラーアセンブリ46の下部に近接して配置され、フィラーグリッパ122に向かって上方に向けられており、それにより、それらはフィラーグリッパ122およびフィラーバルブ120の下側面に向けられている。電子線照射装置124、126は、電子線照射野を発生し、1つの例示的な実施形態では、図15aに示すようにそれぞれの電子線照射野は互いに部分的に重なっている。後により詳細に説明するように、フィラーホイール47が回転している時、フィラーバルブ120およびグリッパ122は電子線照射野を通過してバルブ120およびグリッパ122を滅菌する。
【0038】
図10および図15〜図17から理解することができるように、容器Cがフィラーホイール47に配置される前に、フィラーホイール電子線照射装置124、126が、容器Cを受け入れる前のフィラーグリッパ122を滅菌する。さらに、フィラーホイール電子線照射装置124、126は、フィラーバルブヘッドが製品を容器に提供する直前にフィラーバルブ120も滅菌するように配置される。フィラーホイール電子線照射装置124、126が配置される突き当たりの程度により、フィラーバルブは、グリッパ122と同時に電子線照射野を通過する。これにより、電子線照射野は、フィラーバルブ120、フィラーバルブヘッドおよびグリッパの各々と接触することができる。したがって、フィラーバルブヘッドおよびグリッパに存在する可能性のあるいかなる微生物も死滅し、両方とも無菌であり続ける。フィラーホイール電子線照射装置124、126によって生成される電子線ゾーンは、フィラーバルブ120のヘッドを完全に包囲することにより、充填の前にすべての面を滅菌する。各充填事象の直前にフィラーバルブヘッドを滅菌することにより、フィラーバルブヘッドに存在するいかなる微生物も製品に移らないことが保証される。例として、直径がおよそ76インチ(約1.93メートル)であり60個のフィラーバルブを支持するフィラーホイール47では、十分な滅菌を達成するために、フィラーホイール電子線照射装置124、126により、各バルブ120およびグリッパ122に対し、6秒間に1回照射することができる。容器Cは、充填されると、後述する搬送機構54まで運ばれる。
【0039】
フィラーホイール空気系統
例示的な実施形態では、図16〜図23に示すように、フィラーホイール47に、局部フィラーホイール空気管理システム118が設けられている。フィラーホイール空気管理システム118は、概して、吸気マニホルド128、中間供給部130および略環状溝132を有している。後により詳細に説明するように、空気管理システム118は、フィラーホイール47によって容器Cに製品が充填されている際に、容器Cの開口部に近接して空気を供給するための導管を提供する。
【0040】
図17〜図22に示すように、吸気マニホルド128は、略湾曲構成を有し、蹄鉄形であるとみなすことができる。したがって、吸気マニホルドは、間に間隙136を画定する一対の端部134を有している。吸気マニホルド128は、中間部に、後により詳細に説明するHEPAろ過空気を供給する吸気ダクト138と連通する、開口部を有している。図17、図18および図20〜図22にさらに示すように、吸気マニホルド128は端部134に向かって先細りになっており、それにより、端部134の間の位置において容積が大きくなっている。先細り端部は、吸気マニホルド128において空気速度を一定に維持するのに役立つ。吸気マニホルドは、複数の開口部142がある上面140を有している。中間供給部130は、一端が開口部142に接続され、別の湾曲端が、増大する出口領域を画定する広がり出口部146を有する、垂直部材144を有している。広がり出口部146は、ろ過空気の供給を略水平方向に向けることが理解される。
【0041】
環状溝132は、概してフィラーホイール47の周囲に取り付けられている。環状溝132は、容器Cが環状溝132に入りかつそこから出る場所を概して画定する間隙133を有することが理解される。環状溝132は、環状内壁148および環状外壁150を有している。環状内壁148は、環状外壁150から隔置されていることにより、それらの間に経路152を画定する。環状溝132は、環状底壁154をさらに有している。環状内壁148は開口部156を有し、そこで環状内壁がフィラーホイール47に取り付けられており、そこで出口部146が環状内壁148の開口部156と位置合せされる。図17および図23にさらに示すように、環状内壁148は、開口部156の上に配置されるスクリーン158を有している。開口部156を覆うために、空気の均一なパターンおよび分散を提供するいかなる網状のスクリーンまたは構造も適している。さらに、開口部をすべて覆ういかなる構造もなしに、所望の空気流を達成してもよい。環状外壁150は、複数の取外し可能セグメント160の形態であってもよい。取外し可能セグメント160は、作業者が経路152にある容器Cを見ることができるように窓を有していてもよい。
【0042】
図17にさらに示すように、中間供給部130は複数の供給部130を含むことが理解される。したがって、複数の垂直部材144が、吸気マニホルド128のそれぞれの開口部142から上方に延在している。各広がり出口部146が、フィラーホイール47の周囲に互いに隣接して配置されており、そこで出口146がまとめて、環状内壁148の開口部156と連通している。隣接する出口部146間の平滑な接続は、平滑な空気流を維持するのに役立つ。後にさらに詳細に説明するように、フィラーホイール空気管理システム118の構成要素は、まとめて、容器Cがフィラーバルブ120によって充填されている際に、容器Cの開口部に近接してろ過空気を供給する導管を画定する。
【0043】
搬送機構
図25および図26に示すように、搬送機構54は、製品が充填された容器Cをフィラーアセンブリ46からキャッパアセンブリ48まで搬送する。搬送機構54は、概して、搬送ホイール162、搬送機構電子線滅菌ユニット72および搬送機構空気管理/隔離システム164を有している。
【0044】
搬送ホイール162は、略円形構造であり、回転用の支持システムを有している。搬送ホイール162は、複数のグリッパ163、容器入口部181および容器出口部183を有している。搬送ホイール162は、概してフィラーアセンブリ46に隣接して配置されており、それにより、フィラーアセンブリ46から充填された容器Cを受け取ることができる。しかしながら、充填された容器をフィラーアセンブリ46からキャッパアセンブリ48に搬送するために、いかなる好適な搬送機構を使用することも可能である。たとえば、必要に応じてフィラーアセンブリ46から直線状に容器Cを搬送する機構を使用することができる。
【0045】
搬送ホイール滅菌ユニット
例示的な実施形態では、搬送機構電子線滅菌ユニット72は、概して、容器入口部181と容器出口部183との間の搬送ホイール162に隣接して配置されかつホイール162に向けられた、単一の搬送電子線照射装置166を有している。ユニット72とともに追加の電子線照射装置を利用することも可能であることが理解される。容器Cに飲料製品が充填された後、容器Cは、閉鎖具で封止されるためにキャッパアセンブリに搬送される。容器の口の上にまたは製品の中に汚染物質が導入されないように、充填された開放容器Cを保持するグリッパ163と、容器の真上の移動ゾーンとを滅菌する必要がある。したがって、図10および図11に示すように、フィラーホイール47から容器Cを受け取る前に、搬送ホイール電子線照射装置166によって生成される電子線照射野は、搬送ホイール162の上に位置するグリッパ163を滅菌する。一実施形態では、搬送ホイール162は、直径がおよそ40インチ(約1メートル)である。したがって、600bpmでは、各グリッパ163に、搬送ホイール電子線照射装置166によりおよそ2.8秒間に1回照射される。滅菌後、搬送ホイール162上のグリッパ163は、フィラーアセンブリ46から容器Cを受け取り、各充填容器C上にキャップ202を配置するために、容器Cをキャッパアセンブリ48に搬送する。
【0046】
搬送機構空気管理システム
図25および図26に示す例示的な実施形態では、搬送ホイール56に、局部空気管理システム164が設けられている。搬送機構空気管理システムは、概して、吸気ダクト168および排気マニホルド170を有している。
【0047】
吸気ダクト168は、概して、一端がULPA/HEPAろ過空気の供給に接続された空気ラインを有している。ダクト168は、増大する出口領域を有する広がり出口端172を有している。例示的な実施形態では、吸気ダクト168は、複数の隔置されたダクト168を備えており、それらは各々、広がり出口端172を有している。吸気ダクト168は、すべて共通のろ過空気源に接続されていてもよい。
【0048】
排気マニホルド170は、概して上壁174と一対の垂下壁176とを有している。排気マニホルド170は、概して、断面がU字型である。上壁174は、吸気ダクト168の広がり出口端172に対応しかつそれと連通している開口部178を有している。図26に示すように、上壁174の下側面に対してかつ開口部178の上にスクリーン180が配置されている。この場合もまた、開口部178を覆うために、空気の均一なパターンおよび分散を提供するいかなる網状スクリーンまたは構造も適している。また、フィラーアセンブリに関して上述したように、開口部を合わせて覆ういかなる構造もなしに、所望の空気流を達成してもよい。排気マニホルド170は、湾曲形状を有しており、長さが、搬送ホイール162の一部を覆っている。1つの例示的な実施形態では、排気マニホルド170は、フィラーアセンブリ46に近接して配置される入口端173と、キャッパアセンブリ48に近接して配置される出口端175とを有している。後により詳細に説明するように、搬送機構空気管理システム164の構成要素は、ろ過空気を開放容器Cの上部に向かって下向きに供給する導管を提供する。
【0049】
キャッパアセンブリ
図29に示すように、キャッパアセンブリ48は、搬送機構54から受け取ったそれぞれの充填された容器Cにキャップを配置する。これは、無菌環境を維持しながら行われる。図28、図29および図35に示すように、キャッパアセンブリ48は、概して、キャッパホイール190、キャッパホイール滅菌ユニット74およびキャップローダ192を有している。
【0050】
キャッパホイール190は、略円形構造であり、回転用の支持システムを有している。キャッパホイール190は、複数のグリッパ191とともに、後述するキャップを受け入れるように設計された複数のキャップチャック193を有している。グリッパ191は、搬送ホイール162から充填された容器を受け取る。キャップチャック193は、キャップを内部に保持するとともに回転移動のための関連構造を有している。キャッパホイール190は、概して搬送機構54に隣接して配置されており、さらなる包装のために充填されキャップが取り付けられた容器Cを排出する。
【0051】
キャッパホイール滅菌ユニット74は、複数の電子線照射装置、すなわち、第1キャップ電子線照射装置194、第2キャップ電子線照射装置196、第3キャップ電子線照射装置198および第4キャップ電子線照射装置200を有している。第1キャップ電子線照射装置194および第2キャップ電子線照射装置は、概してキャッパホイール190に隣接する場所に互いに隣接して配置されており、キャップは最初にそれぞれのキャップチャック193上に取り付けられる。照射装置194、196によって生成される電子線照射野は部分的に重なってもよく、キャップチャック193の回転とともに、キャップのすべての面が十分に滅菌されることが確実になる。第3キャップ電子線照射装置198および第4キャップ電子線照射装置は、後述するように、キャッパホイール190の別の回転経路に隣接して配置されることにより、キャップが容器Cの上にねじ込まれる間に充填された容器Cが占有する無菌野を提供する。
【0052】
キャップローダ
キャップローダ192は穴あき板と、板の回転用の構造とを有している。穴は、キャップを受け入れるような寸法である。キャップを板の各穴に供給するためにキャップシュートを提供することができる。既知であるように、キャップチャック193は、キャッパホイール190によりキャップローダ192と動作的に協働して移動し、そこでキャップはキャップチャック193に搭載される。
【0053】
環境制御システム
図36に示すように、システム10は、全環境制御システム220をさらに有している。システム220は、上述した空気管理システムを支援するとともに、CHE18の能動的滅菌ゾーンにおいて容器Cに充填しキャップを取り付けるのを容易にする追加のシステムおよび構造を提供する。環境制御システムは、概して、ハウジング筐体222、ろ過空気搬送システム224およびH2O2/オゾン処理システム226を有している。
【0054】
ハウジング筐体222は、概して、第2モジュール14の構成要素を密閉する。図10、図11、図11aおよび図36に示すように、ハウジング筐体222は、第2モジュール14の構成要素の周囲に配置された複数の壁および障壁228を有している。作業者または他の人員が第2モジュール14に手が届くように、アクセスドア230を設けてもよい。壁および障壁は、作業者が電子線に曝されないように、合板で補強されたステンレス鋼で覆われた鉛パネル等のx線および照射遮蔽を有している。さらに、鉛ガラスから構成された窓(図示せず)により、作業者が第2モジュールの動作を視覚的に点検することができる。1つの例示的な実施形態では、ハウジング筐体222を、CHEの一部とみなしてもよい。この構造を、クラス1000〜10,000の筐体とみなすことができるように形成してもよい。
【0055】
ろ過空気搬送システム224は、システムのさまざまな部分に空気を向ける複数のろ過空気源を備えている。図36にさらに示すように、ろ過空気を容器滅菌装置32に搬送するために、ろ過空気搬送システム224の第1セット232が設けられている。各システム232は、送風機234およびULPA/HEPAフィルタ236を有している。このセットのシステムのうちの1つは、加熱蒸気源238も有している。これらシステムは、容器滅菌装置32にULPAまたはHEPAろ過空気を提供し、それにより滅菌装置32において正圧を維持する。この空気を、滅菌装置32から排気することができる。第2モジュール14のいくつかの構成要素にろ過空気を搬送するために、ろ過空気搬送システムの第2セット240が設けられている。隔離無菌空気供給システム242が設けられており、プレフィルタ244、送風機246、加熱蒸気源248およびULPA/HEPAフィルタ250を有している。隔離無菌空気供給システム242は、第1出力252、第2出力254および第3出力256を有している。第1出力252は、アイソレータ52の上部部材開口部110(図11および図11a)に接続されている。第2出力254は、フィラーホイール空気管理システム118に接続されている。第3出力256は、搬送ホイール空気管理システム164に供給される。筐体空気供給システム258が送風機260およびULPA/HEPAフィルタ262を有することにより、ハウジング筐体222にろ過空気および正圧を提供する。
【0056】
最後に、図36にさらに示すように、H2O2処理システム226は、関連する送風機264およびH2O2モジュール266を有している。しかしながら、第2モジュールからオゾンを除去することができるいかなる好適な形態の化学処理も使用することができる。処理システム226は、容器滅菌装置32およびハウジング筐体222の両方に動作的に接続されている。第2モジュール14は、照射装置によってもたらされるいかなるオゾンも除去するように排気され、空気は、周囲環境に放出される前に処理される。
【0057】
システム10の全体的な動作
ここで、システム10の全体的な動作について説明する。当業者には、システム10が、当業者には既知であるようにシステム10の動作を行いかつ制御するために、必要な電源および関連するコントローラを有していることが理解される。第1モジュール12および第2モジュール14の構成要素は、最初にセットアップされ、システム10は、充填およびキャッピングのために容器を受け取る用意ができている。さらに、動作の前に、システム10は、過酸化水素等の化学薬品を用いて、さらに電子線照射装置と組み合せて事前滅菌されている。他の事前滅菌技法も使用することができる。したがって、システム10の稼動の前に、システム10は、いかなる汚染物質または微生物等も除去するように滅菌される。後述するように、システム10の構造は、容器Cがシステム10内の移動経路を通して前進するに従い、システム10の稼動中にさまざまな能動的滅菌ゾーンおよび閉じられた衛生的環境を提供する。
【0058】
第1モジュールの動作
図4および図5から理解することができるように、通常プラスチック飲料用容器の形態である空の容器Cは、デパレタイザ22によりパレットから取り除かれてコンベア20上に搭載される。コンベア20は、容器Cを水なしリンサ30まで搬送し、そこで容器Cに清浄な圧縮空気が供給され、容器Cは完全に洗浄され、いかなる汚染物質も吸引される。コンベア20は、容器Cを容器滅菌装置32まで搬送する。容器滅菌装置32はまた、容器Cに対し、ULPA/HEPAろ過空気処理とともにH2O2処理を行ってもよい。容器滅菌装置32の高エネルギー電子線照射装置は、容器Cが辿る経路を取り囲む電子線照射野を生成する。上述したように、容器滅菌装置32は、容器Cのすべての面が滅菌されるのを確実にするために容器Cを反転させるように好適な構造を有していてもよい。したがって、容器Cは、容器滅菌装置32の出口ホイールに達すると、清浄な無菌状態にある。上述したように、容器滅菌装置32は、1つの例示的な実施形態では高エネルギー電子線照射装置を利用する。要求に応じて、第1モジュール12に、他の形態の容器滅菌を使用することも可能である。第1モジュール12の最終的な結果は、図32に示すように第2モジュール14への無菌容器Cの搬送である。
【0059】
第2モジュールの動作
上述したように、第2モジュール14は、その動作の前に、化学薬品および電子線処理を用いて滅菌される。システムのいくつかの構成要素は、フィラーホイール空気管理システムの吸気マニホルド等、こうした洗浄用の組込みシステムを有していてもよい。水および/または過酸化水素等の洗浄液を、空気管理システムのスクリーンを通して注入する構造を提供してもよい。
【0060】
図37にさらに示すように、容器Cは、アイソレータアセンブリ52のエアロック構造76によって概して画定される境界領域86において、第1モジュール12から第2モジュール14に搬送される。アイソレータアセンブリ52のいかなるアクセス窓およびドアも閉鎖される。図11、図11aおよび図36から理解されるように、ULPA/HEPAろ過空気が、隔離無菌空気供給システム242によってアイソレータアセンブリに搬送されることにより、アイソレータアセンブリ52内の正の空気圧が維持される。エアロック構造76が開放底端94を有するため、供給空気は、開放底端94を通って下方に流れることができる。そして、供給空気は、ハウジング筐体222内に入り、ハウジング筐体222が排気されることが理解されるため、要求に応じて排気されることが可能である。要約すると、正の空気圧は、下方の空気流と同様に維持され、いかなるあり得る微生物も容器Cの開口部を含む容器Cから出るように向けられることを確実にするのに役立つ。容器Cは、グリッパ79を介して、第1モジュール12の出口ホイールから第1取入ホイール78まで渡される。第1取入ホイール78は、グリッパ81を介して容器Cを第2取入ホイール80に渡す。グリッパ79、81はアイソレータアセンブリ52の環境と同様に、すべて無菌状態にあることが理解される。そして、第2取入ホイール80は、容器出口開口部106を通して無菌容器Cをフィラーアセンブリ46に搬送する。ULPA/HEPA空気は、取入ホイール78、80およびグリッパ79、81によって常に循環し、無菌状態を維持している。アイソレータアセンブリ52は、アセンブリ52が最初に滅菌され、その後は空気流が無菌状態を維持するのを支援する受動的滅菌とみなすことができる。
【0061】
上述したように、容器排斥機構101は、第2取入ホイール80に近接する容器Cを検知し、第1モジュール12における滅菌プロセス中にいずれかの容器Cが破損したか否かを判断する。これは、たとえば、滅菌装置32の滅菌プロセスにより容器Cの壁が変形し、容器Cが充填およびキャッピングに適さなくなった場合等に、発生する可能性がある。こうした場合、容器排斥機構は、変形した容器Cを検知し、その容器Cをグリッパ81から放出し、排斥された容器Cはアイソレータアセンブリ52の床96に落下する。このように、グリッパ81は、開放する信号を受け取り、そこで、グリッパ81は容器Cを落下させる。床96の傾斜部112は、容器Cをアクセスドア114に向ける。空気シリンダ116を、アクセスドア114を開放するように作動させることができ、排斥された容器Cをアイソレータアセンブリ52から取り除いて破棄することができる(図12)。システム10は、容器Cが排斥され、フィラーホイール47のフィラーバルブ/グリッパに容器Cが載っていないことになった場合、フィラーバルブが液体製品等を供給するように作動されないように設計されていることが理解される。上述したように、第1モジュール12の出口ホイールおよび第2モジュール14の取入ホイールのサイズに応じて、アイソレータアセンブリ52の単一取入ホイールを採用することができる。
【0062】
図38にさらに示すように、フィラーホイール47は、容器入口部49において第2取入ホイール80から容器Cを受け取る。したがって、フィラーホイール47のグリッパ122は、第2取入ホイール80のグリッパ81から容器Cを把持する。これにより、容器Cは、関連するフィラーバルブ120の下方に配置され、容器C、グリッパ81およびフィラーバルブ120は、フィラーホイール47が回転するに従って弓状経路を移動する。第2取入ホイール80からフィラーホイール47への搬送の直前に、フィラーホイール47のグリッパ122が滅菌される。この目的で、第1フィラー電子線照射装置124および第2フィラー電子線照射装置126は、互いに部分的に重なる電子線照射野を提供する。(たとえば、図15a参照)。電子線照射野は、フィラーホイール47のグリッパ122およびフィラーバルブ120が移動する経路を取り囲むように十分広い。図38に示すように、電子線照射装置124、126は、グリッパ122が第2取入ホイール80から無菌容器Cを受け取る直前に滅菌されるように配置されていることが理解される。さらに、これを達成するために、電子線照射装置124、126は、容器入口部49と容器出口部51との間に配置されている。グリッパ122およびバルブ120は、容器Cと接触するため滅菌される。したがって、グリッパ122およびバルブ120がフィラーホイール47の一定回転下で能動的に再滅菌されるため、無菌状態が維持され続ける。
【0063】
次に、フィラーアセンブリ46により、容器内に飲料製品が注入される。本明細書で用いる一意の滅菌構造およびプロセスのために、製品を、概して周囲温度および無菌状態で搬送することができる。製品温度を上昇させる必要はない。フィラーホイール47がその中心軸を中心に回転する際に、製品は容器C内に注入される。特に、計量された液体製品と流体連通しているフィラーバルブ120は、容器Cに充填し始めるように起動される。フィラーバルブ120は、フィラーホイール47上で回転する際に容器Cに充填する。上述したように、フィラーホイール空気管理システム118は、充填プロセス中にフィラーホイール47にULPA/HEPAろ過空気を供給する。隔離空気供給システム242の第2出力254(図36)は、フィラーホイール空気管理システム118の吸気マニホルド128にろ過空気を提供する。したがって、湾曲したマニホルド128全体が充填される。マニホルド128が先細り設計であるため、ろ過空気の安定した供給が確実になり、空気速度が一定に維持される。図23から理解することができるように、ろ過空気は、中間供給部130および広がり出口部146を通して上方に流れ続ける。広がり出口部146は、容器Cへの空気流を生成するのに役立つ。空気は、スクリーン158を通って流れ続け、したがって、ろ過空気は環状溝132内に提供される。図23にさらに示すように、出口部146およびスクリーン158は、概して、容器Cの開口部に近接して配置されている。スクリーン158は、一定量の抵抗を空気流に提供することにより、環状溝132全体内に十分な安定した空気流を提供する。環状内壁148および環状外壁150を介する環状溝132の構造のために、空気流は、概して、容器開口部の周囲に、容器Cの長手方向軸に沿って下方に、環状溝132内を下方に、向けられる。環状溝132の底部にいくつかの間隙が残っており、そこでろ過空気が下方にハウジング構造222の環境に漏出することができる、ということが理解される。したがって、環状溝132は、ろ過空気の供給によって加圧される。図24は、概して、製品が容器内に注入される際の容器Cの周囲の空気流を示す。この空気流は、容器Cを隔離し、さらに微生物または他の望ましくない物質が容器Cに入るいかなる可能性も最小限にするのに役立つ。空気流は、概して、容器Cの首部に近接するように向けられる。図24に示すように、空気は、首部において、容器の首部の外周の周囲を流れ、容器軸に対して平行な容器の外周の経路を辿って下方に流れる。したがって、正の空気圧が容器Cのこの部分の周囲で維持され、容器Cの開口部から離れる方向に下方に向けられる。しかしながら、正の空気圧が環状溝132内で維持される限り、特定の空気流パターンは重要ではない。
【0064】
したがって、フィラーグリッパ122は、容器Cと無菌で係合する直前に滅菌され、ろ過空気が、容器Cが充填されている際に無菌状態を強化し維持するために容器Cの周囲に提供される。容器Cがフィラーホイール47の周囲を回転すると、充填プロセスは完了するように設計されている。そして、容器Cを、容器出口部51の搬送機構54に渡すことができる。
【0065】
図39に示すように、搬送機構54は、容器入口部181においてフィラーホイール47から容器Cを受け取り、容器出口部183においてキャッパアセンブリ48に容器Cを搬送する。搬送ホイール162のグリッパ163は、フィラーホイール47から充填された開放容器Cを受け取る前に、容器入口部181と容器出口部183との間に配置された搬送ホイール電子線照射装置166によって滅菌される。図11、図11aおよび図39に示すように、搬送ホイール電子線照射装置166は、搬送ホイール162に隣接して配置されており、搬送ホイール162がその中心軸を中心に回転する際にグリッパ163が占有する経路を取り囲む無菌電子線照射野を提供する。したがって、グリッパ163は、フィラーホイール47から充填された開放容器Cを把持する直前に、搬送ホイール電子線照射装置166によって滅菌される。したがって、容器Cの無菌状態が維持されつづける。
【0066】
上述したように、搬送機構空気管理システム164は、搬送ホイール162において容器CにULPA/HEPAろ過空気を提供する。隔離無菌空気供給システム242の第3出力256(図36)は、吸気ダクト168および広がり出口端172に無菌空気を提供する。ろ過空気は、スクリーン180を通って下方にかつ排気マニホルド170内に向けられる。スクリーン180は、搬送ホイール172上を横切る、充填された開放容器Cの上にわたって下方に流れるのを確実にするために一定量の抵抗を提供する。空気管理システム164は、搬送ホイールグリッパ163が容器Cと係合する時から、搬送グリッパ163が容器Cをキャッパアセンブリ48に渡す時までに概して対応する長さである。ろ過空気流は、容器開口部において下方に向けられることによりエアカーテンを形成し、微生物または他の汚染物質を容器Cの開口部から隔離するのに役立つ。図26および図27は、容器の開口部の周囲のろ過空気流を示し、そこでは空気流は容器Cを越えて下方に向けられている。ろ過空気流は、ハウジング筐体222に排気される。
【0067】
図40に示すように、充填された容器Cは、搬送ホイール162からキャッパアセンブリ48のキャッパホイール190に搬送される。キャッパアセンブリ48に関連するいかなる電子線照射野も、充填された開放容器C内に向けられないことを確実にするために、搬送ホイール162に追加の隔離板を設けてもよい。キャッパホイールグリッパ191が、充填された開放容器Cと係合する。この係合の前に、キャッパホイール190は、容器Cにキャップ202を取り付ける用意ができている。上述したように、キャッパホイール190は、容器Cの上に配置されるキャップ202を受け取る複数のキャッパチャック193を有している。しかしながら、この動作の前に、キャップ202、キャッパチャック193およびキャッパグリッパ191は、プロセス全体の無菌状態を維持するように滅菌されている。
【0068】
図28、図29、図35および図40に示すように、第1キャッパホイール電子線照射装置194は、キャッパチャック193が移動する経路を取り囲むようにその電子線照射野を集束させるように配置されている。このように、キャッパチャック193は、開始位置201においてキャップ202を受け取る前に滅菌される。キャッパチャック193がキャッパホイール190上で回転し続ける際、キャップローダ192は、キャップ202をキャッパチャック193内に挿入するように機能する。キャップローダ192は回転板を有し、それは、キャップシュートを介して板に供給されるキャップ202を受け取る溝穴を有している。キャップローダ192は、キャッパホイール電子線照射装置に対応するようにずれた位置に配置されている。図29にさらに示すように、キャップ202は、キャップチャック193をわずかに越えて延在してもよい。キャップ202がキャップチャック193上に搭載されると、図31〜図34に示すように、第2キャッパホイール電子線照射装置196は、キャップ202の下側に向かって上方に焦点が合わせられる。第2キャッパホイール電子線照射装置196によって発生する電子線照射野は、キャップ202を支持しているキャッパチャック193が移動する経路を取り囲む。このように、キャップ202の下側面が、キャップ搭載位置203において第2キャッパホイール電子線照射装置196によって滅菌される。キャッパチャック193は、キャッパホイール190によって弓状経路に沿って回転し続ける時、第2キャッパホイール電子線照射装置196が発生する電子線照射野にありながら、およそ180度回転する。キャップ202は垂下スカートを有しており、キャップ202の垂下スカートのために、下側面の一部に対し、電子線照射野の透過が妨げられる可能性があることが理解される。キャッパチャック193の回転により、この妨げられる可能性のある面が180度回転し、そこで、第2キャップ電子線照射装置196に面することができる。キャップ202を、キャッパチャック193の回転なしで十分に滅菌することができるが、第2キャッパホイール電子線照射装置196の照射野内でキャッパチャック193を回転させることにより、キャップ202の無菌状態がさらに強化される。
【0069】
キャッパホイール190は、それぞれのキャッパチャック193によって保持されるキャップ202を回転させ続け、搬送ホイール162は、充填された開放容器Cをキャッパホイール190上のキャッパグリッパ191に渡す。そして、キャッパチャック193は、図29において矢印で示すように下方向に移動しているキャッパグリッパ193によって保持される、充填された容器Cの上に、キャップ202を回転させる。図29、図35および図40にさらに示すように、このプロセス中、第3キャッパホイール電子線照射装置198およびさらなるキャッパホイール電子線照射装置200は、キャップ202がキャッパグリッパ193によって保持される容器C上にねじ込まれる際、キャッパホイール190の経路、特にキャップ202を有するキャッパチャック193の経路を取り囲む電子線無菌野を発生する。図29において矢印によって示すように、キャッパは下方に移動して、容器Cの上にキャップを取り付ける。第3電子線照射装置198および第4電子線照射装置200は、キャップ202が容器Cの上にねじ込まれる際、容器Cとキャップ202との間の空隙(たとえば、キャッパチャックの下方でありかつキャッパグリッパに近接している)にそれらのそれぞれの照射野を集束させ、それにより、キャップ取付部205においてキャッピングプロセスの無菌状態が維持される。第3電子線照射装置198および第4電子線照射装置200の角度により、空隙およびキャッパチャック193を同時に滅菌することができる。さらに、キャッパチャック193がキャップ202を容器Cの上にねじ込んだ後、キャッパチャック193が仕上げ位置207においてキャップ202から離れるように持ち上げられる際、第3電子線照射装置198および第4電子線照射装置200が、キャップ202の外面を滅菌する。
【0070】
容器Cは、キャップが取り付けられると、キャッパホイール190によってさらに前進し、その後、コンベア20のさらなる部分に向けられ、そこで、容器Cは、さらなる包装作業24(図4および図35)および後の出荷のために、第2モジュール14から出るように搬送される。
【0071】
このように、上記説明から理解することができるように、容器Cは、閉じられた衛生的環境において充填され、搬送され、かつキャップが取り付けられ、動作中、第2モジュール14に能動的滅菌ゾーンが提供される。これらシステムにより、表面汚染および空中浮遊汚染が防止される。容器Cの充填およびキャッピングにおいて、容器Cの経路全体が制御される。システム10の構成要素、特に第2モジュール14の構成要素は、存在し得る汚染物質または微生物に対し厳しい環境を提供する。システムは、動作の前に、化学的にかつ電子線によって処理されるため、最初に無菌状態で開始する。戦略的な位置に配置されたさまざまな電子線照射装置が、能動的滅菌ゾーンを提供し、無菌状態が維持され、かつ容器Cが充填動作、搬送動作およびキャッピング動作中に処理されている間に汚染されないにことが確実になる。処理動作および充填動作中に制御された無菌空気流を提供する隔離システムは、容器Cが充填されキャップが取り付けられている間に通過するCHEを提供することにより、無菌状態の維持に役立つ。システム10の動作中に、ULPA/HEPA空気がCHEに常に供給されかつ入れ替えられることが理解される。アイソレータ空気管理システム、フィラーホイール空気管理システム、および搬送ホイールの局部空気管理システムの各々は、単体でまたは組合せでCHEとみなすことができる。CHEは能動的滅菌ゾーンとともに、すべて、充填動作、搬送動作およびキャッピング動作中に容器Cが移動する経路を包囲する環境を制御する。したがって、1つの例示的な実施形態では、容器Cは、アイソレータアセンブリ52からキャッパアセンブリ48への第2モジュール14における移動中、閉じられた衛生的環境において移動する。本システム10の設計により、容器Cに充填されている製品はいかなる電子線滅菌または照射にも曝されない一方で、重要な面のみが電子線滅菌を受けることが理解される。本システム10の設計により、酸度の低い製品および酸度の高い製品を含むさまざまなタイプの飲料を容器に充填することができることが理解される。さらに、容器Cに充填されている製品を、微生物増殖特性を低減しまたは抑制するように、要求に応じて前処理してもよい。
【0072】
代替的な第2モジュール−電子線アセンブリ
代替的な実施形態では、第2モジュール、特に電子線滅菌ユニットを、後述するように変更することができる。概して、追加の電子線照射装置が利用され、上述したアイソレータアセンブリ52は利用されない。図43〜図49に示すように、電子線滅菌ユニットは、概して、第1取入ホイール電子線照射装置F1、フィラーホイール電子線照射装置F2、搬送ホイール電子線照射装置F3、第1キャッパホイール電子線照射装置F4、第2キャッパホイール電子線照射装置F5、第1キャップシュート電子線照射装置C1および第2キャップシュート電子線照射装置C2を有することができる。
【0073】
この場合もまた、電子線照射装置は、重要な機械表面、構成要素および構成要素を直接包囲する空気のみが電子線を受け、飲料製品自体は受けないように、配置されている。1つの例示的な実施形態では、電子線アセンブリは、後の説明に従って配置される。第1搬送ホイール電子線照射装置F1は、第1搬送ホイール554上におよそ9時に位置する電子線ゾーンを有している。フィラーホイール電子線照射装置F2は、フィラーホイール547の上におよそ5時に位置する電子線ゾーンを有している。第2搬送ホイール電子線照射装置F3は、第2搬送ホイール556の上におよそ12時に位置する電子線ゾーンを有している。第1キャッパホイール電子線照射装置F4は、キャッパホイール557の上におよそ6時に位置する電子線ゾーンを有している。第2キャッパホイール電子線照射装置F5は、キャッパホイール557の上におよそ2時に位置する電子線ゾーンを有しており、それは、トルクヘッドおよびキャップと容器口部との間の空隙に近接している。この場合もまた、電子線ゾーンの位置および数の変形が可能であることが理解される。
【0074】
代替的な第1転送ホイール滅菌
この代替的な実施形態では、図43に示すように、第2モジュールからアイソレータが取り除かれており、第1搬送ホイールには、容器の無菌状態を維持するために電子線照射装置F1を設けることができる。無菌容器は、(上述したような)エアロック構造内を移動した後、取入ホイール553により第2モジュール内に入れられ、第1搬送ホイール554に搬送される。第1搬送ホイール554が容器の首を把持するため、第1搬送ホイール554上のグリッパ570は、図43に示すように、グリッパ570に存在するいかなる微生物も容器の首または口を汚染しないように、容器Cを受け取る前に滅菌される。したがって、第1搬送ホイール554に位置するグリッパ570は、第1搬送ホイール電子線照射装置F1が生成する電子線ゾーンに曝される。図43に示すように、第1搬送ホイール電子線照射装置F1は、第1搬送ホイール554の上で回転しているグリッパ570を概して取り囲む電子線照射野を提供する。グリッパ570は、概して、電子線照射野内に入りかつ通過することが理解される。一実施形態では、第1搬送ホイール554は、およそ21rpm(600bpm)の速度で移動し、各首操作グリッパ570には、2.8秒間に1回照射され、すべての容器が滅菌されたグリッパによって把持されることを確実にする。グリッパ570は、第1搬送ホイール電子線照射装置F1が生成する電子線ゾーンに曝された後、第1モジュールに関連すると考えられ得るコンベア520の取入ホイール553から容器を受け取る。そして、第1搬送ホイール554は、フィラー546に容器を搬送する。
【0075】
代替的なフィラーホイール滅菌
図44および図45に示すように、容器がフィラーホイール547に配置される前に、フィラーホイール電子線照射装置F2は、容器を受け取る前にフィラーホイールグリッパ572を滅菌する。さらに、フィラーホイール電子線照射装置F2は、フィラーバルブヘッドが容器に接触する直前にフィラーバルブも滅菌するように配置されている。フィラーホイール電子線照射装置F2が配置される突き当たりの程度により、フィラーバルブは、グリッパ572と同時に電子線照射野を通過する。したがって、フィラーバルブヘッドに存在する可能性のあるいかなる微生物も死滅し、グリッパ572およびフィラーバルブヘッドは無菌状態のままである。フィラーホイール電子線照射装置F2が生成する電子線ゾーンは、充填の前にすべての面を滅菌するようにフィラーバルブヘッドを完全に取り囲む。各充填事象の直前にフィラーバルブヘッドを滅菌することにより、フィラーバルブヘッドに存在するいかなる微生物も製品に移されないことが保証される。例として、およそ76インチ(約1.93メートル)径のフィラーホイールを有する60個のフィラーバルブヘッドを備えたフィラーでは、十分な滅菌を達成するために、各バルブおよびグリッパに、フィラーホイール電子線照射装置F2によって6秒間に1回照射することができる。容器は、充填されると、第2搬送ホイール556に渡される。
【0076】
代替的な搬送ホイール滅菌
容器は、飲料製品が充填された後、閉鎖具で封止されるために、第2搬送ホイール556を介してキャッパに搬送される。容器の口にまたは製品内に汚染物質が導入されないように、充填された開放容器を保持するグリッパ574と容器の真上の移動ゾーンとを滅菌する必要がある。したがって、図39に示すように、フィラーホイール547から容器を受け取る前に、第2搬送ホイール電子線照射装置F3が生成する電子線ゾーンは、第2搬送ホイール556に位置するグリッパ574を滅菌する。一実施形態では、第2搬送ホイール556は、直径がおよそ40インチ(約1メートル)である。したがって、600bpmで、各グリッパ574に対し、第2搬送ホイール電子線照射装置F3によりおよそ2.8秒間に1回照射される。滅菌後、第2搬送ホイール556のグリッパ574は、フィラー546から容器を受け取り、キャッパホイール557に容器を搬送し、それによって、キャッパ548が各充填された容器にキャップを取り付けることができる。
【0077】
代替的な空気系統
別の実施形態では、第1搬送ホイールおよび第2搬送ホイールならびにフィラーホイールに、各々別個の空気系統を提供することができる。図51に示すように、フィラーホイール547は、フィラーバルブの後方からULPAろ過空気を供給する流路506を有している。これにより、空気540の均一な分散がもたらされ、それは、容器口部から離れる方向に移動し、容器口部、フィラーバルブまたは首グリッパに汚染物質が落ちるのを防止する。空気540は、図50に示すように、スポーク状パターンでフィラーホイールの中心から軸上に広がる供給ダクトを通して均一に分散される。図52に示すように、第2流路508は、搬送ホイール554、556、558に対し同じ目的に応える。第2流路508および流路カバー544が、容器の上部にわたって安定した空気流をもたらし、搬送ホイール554、556、558の中心から空気を押し出す。第2流路508は、流路カバー544の下側にエアカーテンが生成されるように形成される。空気の速度および量は、流れが回転するフィラーおよび搬送ホイールの乱れ運動より大きいようなものである。空気流は、製品および重要な容器経路から離れる方向に放射状外側方向に生成される。キャッパホイール557に対し、同様の方法を用いることができる。
【0078】
図51は、フィラーホイールに空気を提供するように実施することができる別の例示的な方法を示す。図51に示すように、フィラーホイール547は、フィラーバルブ522の後方からULPA/HEPAろ過空気を供給する第1流路506を有している。これにより、空気540の均一な分散がもたらされ、それは、容器口部から離れる方向に移動し、容器口部、フィラーバルブまたは首グリッパに汚染物質が落ちるのを防止する。空気540は、図50に示すように、スポーク状パターンでフィラーホイールの中心から軸状に広がる供給ダクトを通して均一に分散される。
【0079】
別の例示的な実施形態では、図52に示すように、第3搬送ホイール556は、ULPA/HEPAろ過空気を供給する第2流路508を有することができる。第2流路508は、搬送ホイール556に対し同じ目的に応える。第2流路508および流路カバー544が、容器の上部にわたって安定した空気流をもたらし、搬送ホイール556の中心から空気を押し出す。第2流路508は、流路カバー544の下側にエアカーテンが生成されるように形成される。空気の速度および量は、流れが回転するフィラーおよび搬送ホイールの乱れ運動より大きいようなものである。空気流は、製品および重要な容器経路から離れる方向に放射状外側方向に生成される。必要に応じて、キャッパホイール557に対し、同様の方法を用いることができる。
【0080】
汚染をさらに低減するために、フィラーホイール547の充填領域を、定置洗浄(「CIP」)処置で洗浄することができる。図53に示すように、フィラーホイール547はまた板620を収容し、それは、フィラーバルブ522および他の移動する部品を容器充填領域624から分離する。フィラーバルブ522は、各々、関連するフィラーポート632を有している。各フィラーバルブ522は、関連するCIPキャッピング機構628を有している。CIPキャッピング機構628は、ポート634の各々1つに固定されている。各CIPキャッピング機構628は、CIPキャップ626と、キャッピングポスト636に回転可能に固定されているキャッピングアーム630とを有している。図53に示すように、板620は、フィラーバルブ522および移動する部品を容器充填領域624から分離するように、無菌設計で使用される。この分離により、充填動作に対して清浄な環境が維持され、汚染を受け易い部品が低減する。フィラーバルブ522を密閉することで、フィラーホイール547の回転がもたらす乱流も低減し、より大きい空気流がもたらされる。密封した部品には、保守のために取外し可能なカバー(図示せず)を介して届くことができる。この低温充填技法は、本方法の下で展開される一意の能動的滅菌ゾーンの一部である。
【0081】
能動的滅菌ゾーン環境
例示的な実施形態のシステムは、充填プロセスを通して構成要素間で物理的に搬送されかつシステムの構成要素の上で培養される微生物をなくすように設計されている。本システムは、電子線技術を利用して、容器、キャップおよび重要な接触面を滅菌する。
【0082】
照射装置は、容器Cが最終包装に出るまで滅菌環境にあり続けるように「能動的」滅菌ゾーンを生成する。電子線は空気系統と組み合わさって、システムの重要な接触面上の微生物を死滅させるのに役立つ。さらに、電子線発生器は、二次電子線およびX線を生成する。電子線はまた、酸素(O2)および窒素と反応して硝酸およびオゾン(O3)をもたらす。上記(電子線、空気、x線、硝酸、オゾン(O3)および二次電子線)の各々は、微生物から空気、水および他の栄養分等の必要不可欠なものを奪うことにより、システムの微生物を排除するのに役立つ。
【0083】
受動的滅菌技法を用いる従来の低温充填ラインでは、環境に入るすべての構成要素が事前滅菌されている必要がある。それらは、無菌環境のいかなる汚染も防止するためにこの事前滅菌に頼っている。しかしながら、環境が一旦汚染されると、環境を再び真に無菌にすることは非常に困難である。能動的滅菌ゾーンを有することにより、ゾーンに入る可能性のあるいかなる汚染物質も、重要な表面と接触する時に即時に滅菌することができ、システムのダウンタイムおよびコストが最小限になる。
【0084】
本明細書で開示されている例示的な実施形態により理解することができるように、飲料製品を加熱すること、およびヘッドスペースを滅菌するために高温の容器を反転させることはもはや必要ではない。容器は高温でないため、容器冷却器はもはや必要ではない。機器からこれら2つの部分を取り除くことにより、容器充填プロセスがさらに簡略化し能率的になる。例示的な実施形態のシステムにより、高温充填プロセスで先に充填された容器を、ここでは周囲温度で充填することができ、容器に注入される製品は周囲温度である。したがって、容器は、以前のように頑強な側壁構造を有する必要はない。したがって、容器を、より少ない材料で作製することができ、その結果、材料コストが著しく節減される。これにより、容器設計により高い柔軟性が提供される。さらに、飲料製品がもはやそれほど長く高温で保持される必要がないため、必要なエネルギーが低減する。また、本システムは、容器に飲料を無菌充填することができる一方で、許容可能な貯蔵寿命要件を満たすために追加の保存料が不要である。容器材料節減に加えて、他の持続可能性の利点には、水の節約、天然ガスの節約および温室効果ガスの低減がある。システム設計はさらに、各充填事象すべてにおいて容器の局部充填箇所が再滅菌されることも可能にする。最後に、電子線技術は、1秒の何分の1かで許容可能な照射を提供し、それにより高度なインライン滅菌および充填プロセスが提供される。
【0085】
本明細書では、いくつかの代替的な実施形態および例について説明した。当業者は、個々の実施形態の特徴と、構成要素のあり得る組合せおよび変形とを理解するであろう。当業者は、さらに、実施形態のいずれも、本明細書で開示した他の実施形態と任意に組み合せて提供することができることを理解するであろう。本発明を、その趣旨または中心的な特徴から逸脱することなく他の所定形態で具現化してもよいということが理解される。したがって、本例および実施形態は、すべての点で、限定的ではなく例示的であるものとみなされるべきであり、本発明は、本明細書に記載されている詳細に限定されるべきではない。したがって、所定の実施形態について例示し説明したが、本発明の趣旨から大幅に逸脱することなく、多数の変形が思いつき、保護の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【関連出願】
【0001】
本出願は、「Apparatus and Method for Sterile Filling of Beverage Containers」と題する2007年7月11日出願の米国仮特許出願第60/949,149号明細書に対する優先権およびその明細書の利益を主張し、かつその一部継続出願であり、その出願は参照により本明細書に援用されかつその一部となっている。
【技術分野】
【0002】
本明細書で開示する例示的な実施形態は、飲料用容器の無菌充填に関し、特に、容器を充填し閉鎖するために閉じられた衛生的環境(confined hygienic environment)(「CHE」)において能動的滅菌ゾーンをもたらすインライン充填装置に関する。
【背景技術】
【0003】
消費者によっていずれ消費されるために、さまざまなタイプの飲料または製品が種々のタイプの容器に貯蔵される。飲料および他の製品は、通常、自動充填プロセスにおいて熱可塑性またはガラス液体容器等の容器に充填される。消費者が期待するそれぞれの品質属性を有する安全な製品を消費者に提供するために、製品、容器、およびキャップ等の容器閉鎖具はすべて、滅菌され、すなわち微生物がいない状態でなければならない。
【0004】
通常、容器には、「低温充填」プロセスかまたは「高温充填」プロセスのいずれかで飲料を充填することができる。図1は、通常低温充填プロセスで用いられる、一タイプの容器充填・キャッピング装置のブロック図を開示している。図2は、典型的な無菌低温充填プロセスのプロセス図を示す。低温充填の応用では、飲料製品は、所定時間、いかなる微生物も死滅させるように高温に加熱され(低温殺菌と呼ぶ)、その後、概して周囲温度まで冷却される。そして、フィラー(充填機)11において、事前滅菌された容器に冷却された滅菌済み製品が充填され、キャッパ13によって事前滅菌されたキャップが取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
消費者に対して安全な製品を保証するために、低温充填システムの充填領域は、決して汚染されてはならない。作業者は、衛生服を着用しなければならず、無菌室に入るものはすべて滅菌しなければならない。無菌環境に汚染物質が入ったという疑いが少しでもある場合、プロセスを停止しなければならず、システムを滅菌しなければならない。しかしながら、汚染された無菌環境を無菌標準に戻すように洗浄することは時間がかかる。関連する機器の洗浄および滅菌はすべて生産停止中に行われなければならず、したがって生産能力が制限される。これら要因により、無菌充填ラインが運用上煩雑になる。
【0006】
高温充填プロセスでは、高温の飲料自体を用いて充填段階において容器を滅菌する。図3に示すように、高温充填の応用では、最初に空の容器を洗浄し、その後、フィラー11により、容器に滅菌のために高温に加熱された飲料を充填する。高温の飲料は、容器の機能に影響を与えるほど、または容器を変形させるほど高温ではない。同時経路で、充填の直後にキャッパ13によりキャップが提供され、容器の上に配置される。キャップが取り付けられると、容器は反転され、それにより、キャップと容器のヘッドスペースとが、キャップ滅菌装置15において加熱された製品を利用して滅菌される。その後、キャップが取り付けられた容器を、冷却トンネル17において、さらに処理されるために冷却することができる。
【0007】
こうした高温充填プロセスでは、使用される容器は、高温の飲料の高い温度に耐えることができる頑強な壁構造を有していなければならない。プロセス全体において、容器がグリッパによる容器の反転に耐えることができることが必要であり、したがって、容器の重量が比較的重いことが必要であり、それにより材料コストが高くなる。さらに、飲料および容器が冷却される際、材料の収縮によりキャップが取り付けられた容器内で真空が発生する。この真空のために、容器は、収縮を吸収するように真空パネルを有していなければならない。最後に、飲料製品は、容器およびキャップを滅菌するために十分な時間、液体が高温のままであるようなものでなければならず、その後に冷却されなければならないため、高温充填プロセスでは著しいエネルギーが周囲環境の中に失われる。これら要素は、高温充填プロセスにおいて容器を充填する著しい材料コストおよび運用コストの要因となる。低温充填プロセスと同様に、高温充填フィラー/キャッパ機器の洗浄には生産の停止が必要であり、生産能力が制限される。
【0008】
例示的な実施形態は、上述した問題および容器設計が制限される等の他の問題を解決するように、かつこのタイプの従来のシステムによって提供されない利点および態様を提供するように提供される。それにもかかわらず、開示する例示的な実施形態を用いて、上述した容器を充填することができる。さらに、例示的な実施形態は、このタイプの従来のシステムより高い設計自由度を提供するように提供される。開示する例示的な実施形態の特徴および利点の完全な説明は、後の詳細な説明において行う。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の例示的な実施形態は、容器を無菌充填するシステムおよび方法を提供する。このシステムは、CHEにおいて能動的滅菌ゾーンを提供し、容器リンサおよび容器滅菌ユニットを含むことができる第1モジュールと、フィラーアセンブリおよびキャッパアセンブリを含むことができ、さらに関連する滅菌ユニットを有する第2モジュールとを有する。
【0010】
1つの例示的な実施形態によれば、容器は、インラインコンベアアセンブリを介して第1モジュールおよび第2モジュールを通るように向けられる。容器は、デパレタイズされ、コンベアアセンブリを介して第1モジュールに向けられると、水なし洗浄ステーションを通過し、その後、高出力電子線照射装置を有する容器滅菌ユニットに向けられ、そこで容器に対し最初の滅菌が施される。その後、容器は、フィラーアセンブリを有する第2モジュールに搬送され、そこで、無菌状態下で容器に飲料または製品が充填される。その後、容器はキャッパアセンブリに搬送される。第2モジュールでは、フィラーアセンブリおよびキャッパアセンブリに第2滅菌ユニットが動作的に関連している。1つの例示的な実施形態では、滅菌ユニットは、飲料、液体または食品等の製品の充填およびキャッピングに無菌環境を提供する低出力電子線照射装置を有する。滅菌ユニットと他の関連する構造およびシステムは、容器が移動するCHEに能動的滅菌ゾーンを提供する。本明細書で開示する滅菌技法を用いて、容器が、たとえばろ過された製品、保存処理された製品または低温殺菌された製品のいずれを受け取るように構成されていようと、いかなるタイプの容器をも滅菌することができる。製品は、概して周囲温度で維持される。そして、無菌充填されキャップが取り付けられた容器は、さらに包装されるように向けられる。容器を無菌充填する装置および方法を開示する。
【0011】
本方法および装置は、概して、アイソレータユニット、フィラーホイール、搬送ホイールおよびキャッパホイールを有する。アイソレータユニットは、ハウジングと、ハウジング内に位置する取入ホイールとを有する。取入ホイールは、容器を受け取り、その容器をフィラーホイールに渡すように構成される。アイソレータユニットは、ハウジング内に空気および正圧を提供するように構成されるろ過空気源を有する。容器に製品を充填するように構成されたフィラーホイールは、容器を受け入れるように構成された少なくとも1つのグリッパと、第1フィラーホイール電子線ユニットとを有する。第1フィラーホイール電子線ユニットは、少なくとも1つのグリッパに、そのグリッパが容器を受け取る前に電子線処理を受けるように向けられる。搬送ホイールは、容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパと、搬送ホイール電子線ユニットとを有する。搬送ホイール電子線ユニットは、少なくとも1つのグリッパに、そのグリッパが容器を受け取る前に電子線処理を受けるように向けられる。キャッパホイールは、キャッパチャックと第1キャッパ電子線ユニットとを有する。第1キャッパ電子線ユニットは、キャッパチャックに、キャッパホイールが容器上にキャップを配置する前にキャッパチャックに搭載されたキャップが電子線処理を受けるように向けられる。キャッパチャックは、キャップの内面の実質的にすべてが第1キャッパホイール電子線照射装置に曝されるようにキャップを回転させる。キャッパホイールはまた、キャッパチャックと容器開口部との間に位置する空隙に向けられた第2キャッパホイール電子線照射装置を有する。
【0012】
別の態様では、局部空気管理システムが、フィラーホイールに動作的に関連する。フィラーホイール局部空気管理システムは、吸気マニホルドと、中間供給部と、容器のための経路を画定する略環状溝とを備える。中間部は、フィラーホイールによって容器に製品が充填されている際に、容器の開口部に近接して空気を供給するための出口を画定する。上記中間供給部は、垂直部材および湾曲端を有し、垂直部材は、一端が吸気マニホルドの開口部に接続されている。湾曲端は、環状溝を加圧するように構成された拡大する出口領域を画定する広がり出口部を有する。環状溝は、環状内壁および環状外壁によって画定され、環状外壁は、環状内壁から隔置されることにより容器のための経路を画定する。
【0013】
さらなる態様では、搬送ホイール機構は、空気管理システムも有する。搬送ホイール空気管理システムは、排気マニホルドと連通する吸気ダクトを有する。吸気ダクトはろ過空気源に接続され、ろ過空気源は、排気マニホルドまで下方にろ過空気を提供する。
【0014】
容器を無菌充填する方法を開示する。アイソレータユニットにおいて容器が受け取られ、アイソレータユニットは、少なくとも1つのグリッパを有する搬送ホイールと、アイソレータユニット内に空気を供給する空気源とを備える。容器は、アイソレータユニットから出てフィラーアセンブリに渡される。そして、フィラーアセンブリのフィラーホイールに位置する容器グリッパが、充填するために容器を受け取る前に、容器と接触することになるグリッパの表面に近接する容器グリッパ面に第1フィラーホイール電子線照射装置および第2フィラーホイール照射装置を向けることによって、処理される。そして、容器は、グリッパで受け取られ、空気が容器の開口部に近接して供給されている間に、容器に製品が充填される。そして、搬送ホイールに位置するグリッパが、充填された容器を受け取る前に搬送ホイールの容器グリッパ面に電子線照射装置を向けることにより処理される。そして、充填された容器はキャッパホイールに渡され、キャッパホイールに位置するキャッパチャックが、キャッパチャックにキャッパ電子線照射装置を向けることにより処理される。そして、キャッパチャックに位置するキャップが、充填された容器の上にキャップを配置する前に、キャップがキャッパチャックによって回転する時に、キャップの内面の実質的にすべてが電子線照射装置に曝されるように処理される。
【0015】
本発明の他の特徴および利点は、以下の図面に関連する以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【0016】
ここで、本発明の理解のために、本発明を、例として添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】容器充填プロセスの従来技術の概略図である。
【図2】従来の無菌低温充填容器充填プロセスの概略図である。
【図3】従来の高温充填容器充填プロセスの概略図である。
【図4】例示的な実施形態による能動的滅菌環境充填プロセスのブロック図である。
【図5】例示的な実施形態による能動的滅菌環境充填システム/プロセスの概略図である。
【図6】例示的な実施形態による能動的滅菌環境充填システム/プロセスの概略図であり、第1モジュールおよび第2モジュールを示す。
【図7】電子線照射装置/滅菌装置によって生成される電子線照射野内にある容器の概略図である。
【図8】容器把持および容器反転を示す電子線照射野内の2つの容器の概略図である。
【図9】電子線照射野を生成する電子線照射装置およびその電子線照射野内を通過する容器の概略図である。
【図10】例示的な実施形態のシステムの第2モジュールの略平面図である。
【図11−1】図11は例示的な実施形態のシステムの第2モジュールの部分斜視図である。
【図11−2】図11aは例示的な実施形態のシステムの第2モジュールの部分斜視図である。
【図12】例示的な実施形態のシステムの第2モジュールのアイソレータアセンブリの斜視図である。
【図13】アイソレータアセンブリの部分斜視図である。
【図14】例示的な実施形態のシステムの第1モジュールと第2モジュールとの間の境界領域の略部分断面図である。
【図15−1】図15は第2モジュールの部分平面図であり、フィラーアセンブリを示す。
【図15−2】図15aはフィラーグリッパの部分断面図である。
【図16】フィラーアセンブリの部分斜視図である。
【図17】フィラーアセンブリの部分組立分解図である。
【図18】フィラーホイールの空気管理システムの吸気マニホルドの部分立面図である。
【図19】図18の吸気マニホルドの平面図である。
【図20】吸気マニホルドの部分断面図である。
【図21】吸気マニホルドの部分断面図である。
【図22】吸気マニホルドの部分断面図である。
【図23】フィラーアセンブリの部分断面図であり、フィラーホイール空気管理システムの空気流路を示す。
【図24】容器の周囲の空気流の概略図である。
【図25】第2モジュールの搬送機構の部分斜視図である。
【図26】搬送機構空気管理システムの空気流を示す部分断面図である。
【図27】容器の周囲の下向きの空気流の概略図である。
【図28】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分平面図である。
【図29】第2モジュールのキャッパアセンブリの別の図である。
【図30】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分斜視図である。
【図31】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分斜視図である。
【図32】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分斜視図である。
【図33】第2モジュールのキャッパアセンブリを示す部分断面図である。
【図34】第2モジュールのキャッパアセンブリの別の部分斜視図である。
【図35】キャッパアセンブリに関連する電子線照射装置の概略図である。
【図36】本発明のシステムの第1モジュールおよび第2モジュールに関連する環境制御システムの概略図である。
【図37】第2モジュールの動作を示す第2モジュールの略平面図である。
【図38】第2モジュールの動作を示す第2モジュールの略平面図である。
【図39】第2モジュールの動作を示す第2モジュールの略平面図である。
【図40】第2モジュールの動作を示す第2モジュールの略平面図である。
【図41】フィラーバルブの斜視図である。
【図42】フィラーアセンブリの部分断面図である。
【図43】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図44】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図45】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図46】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図47】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図48】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図49】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態の略平面図である。
【図50】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態のさらなる図を開示する。
【図51】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態のさらなる図を開示する。
【図52】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態のさらなる図を開示する。
【図53】本発明のシステムの第2モジュールの別の実施形態のさらなる図を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、多くの異なる形態での実施形態が可能であるが、本開示は本発明の原理の例示としてみなされるべきであり、本発明の広い態様を、例示する実施形態に限定するようには意図されていない、ということの了解を前提として、本発明の例示的な実施形態を図面に示しかつ本明細書で説明する。
【0019】
ここで図面、最初に図4〜図6を参照すると、全体として参照数字10で示す、容器を無菌充填する装置の例示的な実施形態が示されている。1つの例示的な実施形態では、容器は飲料用容器であるが、システム10を、無菌充填および閉鎖を必要とする他のさまざまな容器の用途で用いることができる。システム10は、概して第1モジュールまたはステーション12と第2モジュールまたはステーション14とを有している。第1ステーション12および第2ステーション14は、後により詳細に説明するように、協働して閉じられた衛生的環境(「CHE」)18を画定する、いくつかの関連する構造16を有する。後により詳細に説明するように、CHE18は、本明細書で開示する種々の例示的な実施形態の間でさまざまな形態をとることができる。たとえば、1つの例示的な実施形態では、CHE18を第2モジュール14と動作的に関連付けてもよい。後により詳細に説明するように、複数の容器Cを第1モジュールまたはステーション12および第2モジュールまたはステーション14を通して搬送するために、システム10の一部としてインラインコンベアアセンブリ20が利用される。
【0020】
図4を参照すると、第1モジュール12は、概して、デパレタイザ22、水なしリンサ30および容器滅菌装置32を有している。第2モジュール14は、概して、フィラーアセンブリ46およびキャッパアセンブリ48を有している。さらなる例示的な実施形態(図10に概略的に示す)では、第2モジュール14は、電子線滅菌ユニット50、アイソレータアセンブリ52、フィラーアセンブリ46、搬送機構54、キャッパアセンブリ48および環境制御システム56をさらに有していてもよい。図4に示しかつ後にさらに説明するように、キャッパアセンブリ48は、電子線滅菌ユニット50の一部として電子線滅菌を利用してもよいが、キャッパアセンブリに対し、図4に示すように蒸気、外部照射および化学処理を含む他の滅菌方法を採用してもよい。図4は、容器C内に注入される製品が、フィラーアセンブリ46に供給される前に、計量、熱プロセスを通ってフィラー供給タンクまで進んでもよいことをさらに示している。図5は、第1モジュール12および第2モジュール14のさらなる概略図を示すとともに、複数の容器C内に注入される飲料製品に対する計量プロセスに関するさらなる詳細も示している。まず、第1モジュール12および第2モジュール14の概略的な構造について説明し、その後、第1モジュール12および第2モジュール14の動作について説明する。
【0021】
コンベアアセンブリ
図4〜図6にさらに概略的に示すように、コンベアアセンブリ20は、複数の容器を自動的に搬送することができるインラインシステムである。コンベアシステム20は、本技術分野において既知である従来の構造を有しており、汎用搬送用の構造とともに、容器を、システム10を通して必要に応じて略直線経路および略弓形経路を介して移動させる、把持構造を有している。特に、コンベアアセンブリ20は、容器の首を介して容器Cを搬送してもよい。コンベアアセンブリ20は、要求に応じて、容器を、図4において22で示すデパレタイザステーションからシステム10を通して、図4において24で示すさらなる包装機構まで搬送するように、互いに動作的に接続された複数の個々のコンベアを有していてもよい。第1モジュール12および第2モジュール14の他の構成要素が、容器Cをシステム10内で搬送するために用いられるさまざまなホイール等、コンベアアセンブリ20の一部を形成してもよい、ということが理解される。1つの例示的な実施形態では、コンベアアセンブリ20の多くの部分が回転式コンベアである。容器を直線状にまたは割出し配置で搬送するコンベア等、他のタイプのコンベアを採用することができる、ということが理解される。他のコンベアアセンブリもまた、首部分とは異なり容器Cの基部を介して、容器Cを搬送することができる。
【0022】
第1モジュール
上述したように、第1モジュール12は、デパレタイザ22、水なしリンサ30および容器滅菌装置32を有している。空の容器Cは、通常、パレットでシステム10に搬送される。デパレタイザ22は、空の容器Cをパレットからコンベアアセンブリ20まで移動させるために用いられる既知の構造である。図5にさらに示すように、水なしリンサ30は、連続して配置された複数のエアノズル31を有していてもよい。水なし洗浄ステーション30は、コンベアアセンブリ20から空の容器Cを受け取り、最初に容器Cを洗浄して微生物負荷および異物を取り除く。水なしリンサ30は、CHE18の一部であるとはみなされないが、異物がCHE18に入らないようにするのを促進するのに役立つ。図5および図6から理解することができるように、コンベアアセンブリ20はその後、容器を容器滅菌装置32に搬送する。
【0023】
容器滅菌装置
1つの例示的な実施形態では、容器滅菌装置32は、電子源として電子線照射装置33を使用して容器Cを滅菌することができる。しかしながら、容器Cを滅菌するためにいかなる既知の方法も用いることができる。電子線容器滅菌装置32は、図6〜図9に示す高出力電子線照射装置33を有することができる。容器滅菌装置32は、容器Cのインライン滅菌のためにコンベアアセンブリ20の一部を収容する。図7〜図9は、容器滅菌装置32の一部を概略的に示し、そこでは、電子線照射装置33が能動的無菌電子線照射野36すなわち電子線照射野36を生成する。
【0024】
容器Cが容器滅菌装置32内に入ると、その首を把持し、容器Cを、能動的無菌野36を形成する電子線照射装置33によって発生される電子線の照射野を通過するように搬送することができる。図7および図9に示すように、容器Cを、電子線照射野36を通る2回目のパスで反転させ回転させることができ、それにより、容器Cのすべての面が電子線36の無菌野を通ることが確実になる。これにより、容器Cのすべての面と容器Cの口部および底部の周囲の任意のかつすべてのコールドスポットの滅菌が確実になる。無菌野36は、残っているいかなる微生物負荷の繁殖も防止し、さらなる増殖も停止し、成長を終了させる。繁殖の防止は生物の死滅と等価である。滅菌装置32が容器Cを滅菌すると、容器C内部で生成されるオゾンを除去するためにエアパージが提供される。空気は、モジュールから排出され、周囲空気内に放出される前に処理される。容器滅菌装置32は、電子線照射装置33を介して、容器Cが移動するコンベア経路を取り囲む能動的無菌野36を生成する。
【0025】
容器滅菌装置の電子線発生器
図9は、1つのタイプの電子線照射装置33の概略図を示す。電子線照射装置33では、電子がフィラメント60から移送される。フィラメント60は、電子を加速させるために真空チャンバ64内に収容されている。周囲環境66と真空チャンバ64とを隔離するためにチタン窓62が設けられている。電子は、窓62を通して加速され、それにより能動的無菌電子線照射野36を形成する。それは、容器Cを滅菌するために好適な距離延在し、かつ好適な領域を覆う。1つの例示的な実施形態では、電子線照射装置33は、各容器Cのすべての面に対し10kGy〜15kGyの放射線量を提供するように設計されており、それにより、容器表面に微生物の約6対数減少(log count reduction)(「LCR」)が達成される。こうした照射装置33は、高エネルギー電子線照射装置と考えられる。しかしながら、電子線を、こうしたエネルギー性能を有する好適な電子線照射装置によって発生させることができる。こうしたユニットは、容器の内側および外側を滅菌するのに十分な強度の電子線を発生させることができる。
【0026】
そして、容器Cは、容器滅菌装置32から出て第2モジュール14に搬送される。このように、容器滅菌装置32は、CHE18の能動的滅菌ゾーンにおいて製品を充填するために、第2モジュール14に搬送される無菌容器Cを準備をする。
【0027】
上述したように、1つの例示的な実施形態では、容器滅菌装置32は、滅菌のために高エネルギー電子線照射装置を利用する。第1モジュール12の容器滅菌装置32は、他の形態の滅菌、たとえば照射、化学薬品または熱/温度滅菌を利用することができる。したがって、第2モジュール14に無菌容器Cを提供するために他の滅菌構造およびプロセスを使用することができる。
【0028】
第2モジュール14
第1モジュール12における容器Cの滅菌後、容器Cは、さらに処理されるために第2モジュール14に搬送される。上述したように、第2モジュール14では、容器Cは、CHE18において能動的滅菌ゾーンで製品が充填され、キャップが取り付けられ、さらに包装されるために送り出される。上述したように、図10および図11に示す1つの例示的な実施形態では、第2モジュール14は、概して、電子線滅菌ユニット50、アイソレータアセンブリ52、フィラーアセンブリ46、搬送機構54、キャッパアセンブリ48および環境制御システム56を有している。ここで、これら構成要素についてより詳細に説明する。コンベアアセンブリ20の一部が、容器Cを第2モジュール14内で移動させるのに役立つ。
【0029】
電子線滅菌ユニット
電子線滅菌ユニット50は複数の電子線照射装置を含み、それらは、重要な機械面、構成要素、および構成要素を直接包囲する空気のみが電子線に曝され、飲料製品自体は曝されないように、第2モジュール14内の容器移動ゾーン内のいくつかの場所および領域に配置されている。電子線滅菌ユニット50は、第2モジュール14のCHE18の一部を形成する。例示的な実施形態では、電子線照射装置は、低エネルギー電子線照射装置である。特定の実施形態では、電子線照射装置は150kVモデルである。他の好適な電子線照射装置を使用することができることが理解される。電子線滅菌ユニット50は、概して、フィラーホイール滅菌ユニット70、搬送機構滅菌ユニット72およびキャッパアセンブリ滅菌ユニット74を有している。1つの例示的な実施形態では、電子線照射装置はサイズが3インチ(約7.62センチメートル)×10インチ(約25.4センチメートル)の出口窓を有するが、このサイズは要求に応じて変更することができる。電子線照射装置は、通常、図30に示すように、ヨーク73に取り付けられており、x軸、y軸およびz軸において完全に連接されている。電子線照射装置が発生する電子線照射野を、水平に、垂直に、または要求に応じて他の何らかの角度で構成してもよい。これら滅菌ユニットに関するさらなる構造については、第2モジュール14の他の構造に関連してさらに後述する。これら電子線照射装置の動作についても後により詳細に説明する。後の説明から理解されるように、さまざまな電子線照射装置が、容器が充填されキャップが取り付けられている時、システム10の稼動中に第2モジュール14のいくつかの構成要素を滅菌する。したがって、電子線照射装置は、システム10が稼働している時に構成要素の能動的滅菌または再滅菌を提供する。
【0030】
アイソレータ
第1モジュール14によって滅菌された容器Cは、まず第2モジュール14のアイソレータアセンブリ52に搬送される。図10〜図14に示すように、アイソレータアセンブリ52は、概して、エアロック構造76、第1取入ホイール78、第2取入ホイール80、および空気系統84が動作的に関連付けられているハウジング82を有している。
【0031】
図12〜図14に示すように、エアロック構造76は、第1モジュール12と第2モジュール14との間の境界領域86に、特にアイソレータアセンブリ52の入口に配置されている。エアロック構造76は、水平壁88と第1垂下壁90および第2垂下壁92とを有しており、開放底端部94を画定している。エアロック構造76はシュラウド構造を提供する。壁88、90、92は、第1モジュール12の分割壁に接続されており、したがって、概して、第1モジュール12と第2モジュール14との間の開口部の周囲に封止を提供する。第1取入ホイール78は、複数のグリッパ79を有し、ホイール78が回転する際に、グリッパ79がエアロック構造76に近接するように配置されている。後により詳細に説明するように、グリッパ79は、第1モジュール12のグリッパを備えたホイールと協働して、第1モジュール12から無菌容器Cを受け取る。第2取入ホイール80は、複数のグリッパ81を有し、第1取入ホイール78に近接して配置され、後述するようにそれと協働する。第1取入ホイール78および第2取入ホイール80は、それぞれのグリッパ79、81が回転し動作するように、動力が供給され、かつ適当なシステムを有することが理解される。さらに、適当なサイズおよび数のグリッパが、フィラーアセンブリ46および第1モジュール12に関連する搬送ホイールのサイズと適合した場合、単一取入ホイールを採用することができることが理解される。
【0032】
アイソレータアセンブリ52のハウジング82は、第1取入ホイール78および第2取入ホイール80の周囲に配置された筐体102を画定する、床96、複数の側壁部材98および上部部材100を有している。1つの側壁部材98が、容器入口開口部104を有し、エアロック構造76に連結されており、そこでエアロック構造76は、筐体102と連通している。第2側壁98には、フィラーアセンブリ46に近接して配置された容器出口開口部106が設けられている。側壁部材98は、作業者がハウジング82の中を見るための窓108を有していてもよい。窓108は、各々、第1取入ホイール78および第2取入ホイール80に容易に届くことができるようにヒンジを有している。窓108は、各窓108の外周部に配置された窓ロックおよびシールをさらに有することができる。上部部材100は、後により詳細に説明する空気管理システムのエアダクトに接続する空気入口としての役割を果たす、開口部110を有している。空気供給は、正圧とハウジング82内に入りエアロック構造76の開放底部94から出る下方流とを維持するのに役立つ。床は、アクセスドア114が備えられていてもよい側壁部材98のうちの1つに向かって、傾斜部112を有することができる。アクセスドア114には空気シリンダ115が備えられていてもよく、それは、側壁98とドア114との間に動作的に接続されることによりドア114の自動開閉を可能にする。側壁部材98を、ステンレス鋼カバーを有する鉛および合板の個々の層から形成することができる。部材98に、ゴムシールを設けてもよく、それは、エアロック構造76の周囲にかつ第1モジュール12に対して当接することにより、さらなる封止を提供することができる。アイソレータアセンブリ52に、第2取入ホイール80に関連する容器排斥機構を設けることができる。容器排斥機構は、第1モジュール12における滅菌プロセス中に不注意で変形した容器等、充填に適していない容器を排斥するように構成されている。容器排斥機構101に、グリッパを開放するように構成されるカムと、変形した容器を検知するように構成される検知機構とを設けることができる。
【0033】
使用されるフィラーアセンブリのタイプおよび使用される第1モジュールのタイプの特徴に応じて、容器を第1モジュールからフィラーアセンブリに搬送するために、アイソレータアセンブリ52に対し別の構造を使用することができることが留意される。この例示的な実施形態では、構造または取入コンベアを使用して、第1モジュール12から無菌容器Cを受け入れ、容器Cをフィラーアセンブリ46に搬送する。この例示的な実施形態では、アイソレータアセンブリ52がこれを達成するのは、アイソレータアセンブリ52が初期無菌状態にあり、システム10の稼動中にこうした状態を維持するためである。
【0034】
フィラーアセンブリ46
フィラーアセンブリ46は、無菌容器Cを受け入れ、さらに、容器C内に注入されるかまたは充填される液体飲料等の計量された完成製品の供給を受け入れる構成要素を有している。フィラーアセンブリ46は、概して、フィラーホイール47、フィラーホイール滅菌ユニット70およびフィラーホイール空気管理/隔離システム118を有している。
【0035】
フィラーホイール47は、略円形構造であり、回転用の支持システムを有している。図15および図15aに示すように、フィラーホイール47は、概して互いに隣接しかつフィラーホイール47の周囲に配置される複数のフィラーバルブ120を有している。フィラーバルブ120は、既知のように好適な導管、ラインまたはホースを介して計量された製品の供給と動作的に流体連通している。例示的な実施形態では、フィラーバルブ120は、容器Cと接触しない非接触バルブであるが、接触バルブを使用することができることが留意される。フィラーホイール47は、フィラーバルブ120の数に対応する複数のフィラーグリッパ122をさらに有している。グリッパ122は、概してフィラーバルブ120の下方に配置され、アイソレータアセンブリ52の第2取入ホイール80から受け取られる容器Cを把持する。フィラーホイールは、容器入口部49および容器出口部51を有している。フィラーホイール47は、概して第2取入ホイール80に近接して配置されている。フィラーホイール47は回転機構であるが、直線形フィラー等の他のタイプのフィラーを使用することも可能である。
【0036】
図41および図42に、例示的なフィラーバルブ120を示す。図41に示すように、フィラーバルブ構造は、概して、滅菌中に電子線の遮蔽を低減するように低側壁面を有することにより、バルブのより有効な能動的滅菌を可能にする。図42は、フィラーバルブ120の部分断面図を示す。フィラーバルブ120には、CIP処置に関連して使用されるキャップ機構121が設けられている。図42はまた、バルブ120が、遠位端に、動作の前にバルブを洗浄するために定置洗浄処置で使用されるキャップを有することも示している。
【0037】
フィラーホイール滅菌
フィラーホイール滅菌ユニット70は、概して、第1フィラーホイール電子線照射装置124および第2フィラーホイール電子線照射装置126を有している。電子線照射装置124、126は、フィラーホイールの動作中に滅菌を提供し、能動的滅菌ゾーンを提供する。フィラーホイール電子線照射装置124、126は、容器入口部49と容器出口部51との間においてフィラーホイール47に近接して、かつ後述するフィラーホイール空気管理システム118に関連する開口部内に配置されている。電子線照射装置124、126は、図17に示すように複数の軸に沿って完全に連接されているヨークに取り付けられている。電子線照射装置124、126は、フィラーアセンブリ46の下部に近接して配置され、フィラーグリッパ122に向かって上方に向けられており、それにより、それらはフィラーグリッパ122およびフィラーバルブ120の下側面に向けられている。電子線照射装置124、126は、電子線照射野を発生し、1つの例示的な実施形態では、図15aに示すようにそれぞれの電子線照射野は互いに部分的に重なっている。後により詳細に説明するように、フィラーホイール47が回転している時、フィラーバルブ120およびグリッパ122は電子線照射野を通過してバルブ120およびグリッパ122を滅菌する。
【0038】
図10および図15〜図17から理解することができるように、容器Cがフィラーホイール47に配置される前に、フィラーホイール電子線照射装置124、126が、容器Cを受け入れる前のフィラーグリッパ122を滅菌する。さらに、フィラーホイール電子線照射装置124、126は、フィラーバルブヘッドが製品を容器に提供する直前にフィラーバルブ120も滅菌するように配置される。フィラーホイール電子線照射装置124、126が配置される突き当たりの程度により、フィラーバルブは、グリッパ122と同時に電子線照射野を通過する。これにより、電子線照射野は、フィラーバルブ120、フィラーバルブヘッドおよびグリッパの各々と接触することができる。したがって、フィラーバルブヘッドおよびグリッパに存在する可能性のあるいかなる微生物も死滅し、両方とも無菌であり続ける。フィラーホイール電子線照射装置124、126によって生成される電子線ゾーンは、フィラーバルブ120のヘッドを完全に包囲することにより、充填の前にすべての面を滅菌する。各充填事象の直前にフィラーバルブヘッドを滅菌することにより、フィラーバルブヘッドに存在するいかなる微生物も製品に移らないことが保証される。例として、直径がおよそ76インチ(約1.93メートル)であり60個のフィラーバルブを支持するフィラーホイール47では、十分な滅菌を達成するために、フィラーホイール電子線照射装置124、126により、各バルブ120およびグリッパ122に対し、6秒間に1回照射することができる。容器Cは、充填されると、後述する搬送機構54まで運ばれる。
【0039】
フィラーホイール空気系統
例示的な実施形態では、図16〜図23に示すように、フィラーホイール47に、局部フィラーホイール空気管理システム118が設けられている。フィラーホイール空気管理システム118は、概して、吸気マニホルド128、中間供給部130および略環状溝132を有している。後により詳細に説明するように、空気管理システム118は、フィラーホイール47によって容器Cに製品が充填されている際に、容器Cの開口部に近接して空気を供給するための導管を提供する。
【0040】
図17〜図22に示すように、吸気マニホルド128は、略湾曲構成を有し、蹄鉄形であるとみなすことができる。したがって、吸気マニホルドは、間に間隙136を画定する一対の端部134を有している。吸気マニホルド128は、中間部に、後により詳細に説明するHEPAろ過空気を供給する吸気ダクト138と連通する、開口部を有している。図17、図18および図20〜図22にさらに示すように、吸気マニホルド128は端部134に向かって先細りになっており、それにより、端部134の間の位置において容積が大きくなっている。先細り端部は、吸気マニホルド128において空気速度を一定に維持するのに役立つ。吸気マニホルドは、複数の開口部142がある上面140を有している。中間供給部130は、一端が開口部142に接続され、別の湾曲端が、増大する出口領域を画定する広がり出口部146を有する、垂直部材144を有している。広がり出口部146は、ろ過空気の供給を略水平方向に向けることが理解される。
【0041】
環状溝132は、概してフィラーホイール47の周囲に取り付けられている。環状溝132は、容器Cが環状溝132に入りかつそこから出る場所を概して画定する間隙133を有することが理解される。環状溝132は、環状内壁148および環状外壁150を有している。環状内壁148は、環状外壁150から隔置されていることにより、それらの間に経路152を画定する。環状溝132は、環状底壁154をさらに有している。環状内壁148は開口部156を有し、そこで環状内壁がフィラーホイール47に取り付けられており、そこで出口部146が環状内壁148の開口部156と位置合せされる。図17および図23にさらに示すように、環状内壁148は、開口部156の上に配置されるスクリーン158を有している。開口部156を覆うために、空気の均一なパターンおよび分散を提供するいかなる網状のスクリーンまたは構造も適している。さらに、開口部をすべて覆ういかなる構造もなしに、所望の空気流を達成してもよい。環状外壁150は、複数の取外し可能セグメント160の形態であってもよい。取外し可能セグメント160は、作業者が経路152にある容器Cを見ることができるように窓を有していてもよい。
【0042】
図17にさらに示すように、中間供給部130は複数の供給部130を含むことが理解される。したがって、複数の垂直部材144が、吸気マニホルド128のそれぞれの開口部142から上方に延在している。各広がり出口部146が、フィラーホイール47の周囲に互いに隣接して配置されており、そこで出口146がまとめて、環状内壁148の開口部156と連通している。隣接する出口部146間の平滑な接続は、平滑な空気流を維持するのに役立つ。後にさらに詳細に説明するように、フィラーホイール空気管理システム118の構成要素は、まとめて、容器Cがフィラーバルブ120によって充填されている際に、容器Cの開口部に近接してろ過空気を供給する導管を画定する。
【0043】
搬送機構
図25および図26に示すように、搬送機構54は、製品が充填された容器Cをフィラーアセンブリ46からキャッパアセンブリ48まで搬送する。搬送機構54は、概して、搬送ホイール162、搬送機構電子線滅菌ユニット72および搬送機構空気管理/隔離システム164を有している。
【0044】
搬送ホイール162は、略円形構造であり、回転用の支持システムを有している。搬送ホイール162は、複数のグリッパ163、容器入口部181および容器出口部183を有している。搬送ホイール162は、概してフィラーアセンブリ46に隣接して配置されており、それにより、フィラーアセンブリ46から充填された容器Cを受け取ることができる。しかしながら、充填された容器をフィラーアセンブリ46からキャッパアセンブリ48に搬送するために、いかなる好適な搬送機構を使用することも可能である。たとえば、必要に応じてフィラーアセンブリ46から直線状に容器Cを搬送する機構を使用することができる。
【0045】
搬送ホイール滅菌ユニット
例示的な実施形態では、搬送機構電子線滅菌ユニット72は、概して、容器入口部181と容器出口部183との間の搬送ホイール162に隣接して配置されかつホイール162に向けられた、単一の搬送電子線照射装置166を有している。ユニット72とともに追加の電子線照射装置を利用することも可能であることが理解される。容器Cに飲料製品が充填された後、容器Cは、閉鎖具で封止されるためにキャッパアセンブリに搬送される。容器の口の上にまたは製品の中に汚染物質が導入されないように、充填された開放容器Cを保持するグリッパ163と、容器の真上の移動ゾーンとを滅菌する必要がある。したがって、図10および図11に示すように、フィラーホイール47から容器Cを受け取る前に、搬送ホイール電子線照射装置166によって生成される電子線照射野は、搬送ホイール162の上に位置するグリッパ163を滅菌する。一実施形態では、搬送ホイール162は、直径がおよそ40インチ(約1メートル)である。したがって、600bpmでは、各グリッパ163に、搬送ホイール電子線照射装置166によりおよそ2.8秒間に1回照射される。滅菌後、搬送ホイール162上のグリッパ163は、フィラーアセンブリ46から容器Cを受け取り、各充填容器C上にキャップ202を配置するために、容器Cをキャッパアセンブリ48に搬送する。
【0046】
搬送機構空気管理システム
図25および図26に示す例示的な実施形態では、搬送ホイール56に、局部空気管理システム164が設けられている。搬送機構空気管理システムは、概して、吸気ダクト168および排気マニホルド170を有している。
【0047】
吸気ダクト168は、概して、一端がULPA/HEPAろ過空気の供給に接続された空気ラインを有している。ダクト168は、増大する出口領域を有する広がり出口端172を有している。例示的な実施形態では、吸気ダクト168は、複数の隔置されたダクト168を備えており、それらは各々、広がり出口端172を有している。吸気ダクト168は、すべて共通のろ過空気源に接続されていてもよい。
【0048】
排気マニホルド170は、概して上壁174と一対の垂下壁176とを有している。排気マニホルド170は、概して、断面がU字型である。上壁174は、吸気ダクト168の広がり出口端172に対応しかつそれと連通している開口部178を有している。図26に示すように、上壁174の下側面に対してかつ開口部178の上にスクリーン180が配置されている。この場合もまた、開口部178を覆うために、空気の均一なパターンおよび分散を提供するいかなる網状スクリーンまたは構造も適している。また、フィラーアセンブリに関して上述したように、開口部を合わせて覆ういかなる構造もなしに、所望の空気流を達成してもよい。排気マニホルド170は、湾曲形状を有しており、長さが、搬送ホイール162の一部を覆っている。1つの例示的な実施形態では、排気マニホルド170は、フィラーアセンブリ46に近接して配置される入口端173と、キャッパアセンブリ48に近接して配置される出口端175とを有している。後により詳細に説明するように、搬送機構空気管理システム164の構成要素は、ろ過空気を開放容器Cの上部に向かって下向きに供給する導管を提供する。
【0049】
キャッパアセンブリ
図29に示すように、キャッパアセンブリ48は、搬送機構54から受け取ったそれぞれの充填された容器Cにキャップを配置する。これは、無菌環境を維持しながら行われる。図28、図29および図35に示すように、キャッパアセンブリ48は、概して、キャッパホイール190、キャッパホイール滅菌ユニット74およびキャップローダ192を有している。
【0050】
キャッパホイール190は、略円形構造であり、回転用の支持システムを有している。キャッパホイール190は、複数のグリッパ191とともに、後述するキャップを受け入れるように設計された複数のキャップチャック193を有している。グリッパ191は、搬送ホイール162から充填された容器を受け取る。キャップチャック193は、キャップを内部に保持するとともに回転移動のための関連構造を有している。キャッパホイール190は、概して搬送機構54に隣接して配置されており、さらなる包装のために充填されキャップが取り付けられた容器Cを排出する。
【0051】
キャッパホイール滅菌ユニット74は、複数の電子線照射装置、すなわち、第1キャップ電子線照射装置194、第2キャップ電子線照射装置196、第3キャップ電子線照射装置198および第4キャップ電子線照射装置200を有している。第1キャップ電子線照射装置194および第2キャップ電子線照射装置は、概してキャッパホイール190に隣接する場所に互いに隣接して配置されており、キャップは最初にそれぞれのキャップチャック193上に取り付けられる。照射装置194、196によって生成される電子線照射野は部分的に重なってもよく、キャップチャック193の回転とともに、キャップのすべての面が十分に滅菌されることが確実になる。第3キャップ電子線照射装置198および第4キャップ電子線照射装置は、後述するように、キャッパホイール190の別の回転経路に隣接して配置されることにより、キャップが容器Cの上にねじ込まれる間に充填された容器Cが占有する無菌野を提供する。
【0052】
キャップローダ
キャップローダ192は穴あき板と、板の回転用の構造とを有している。穴は、キャップを受け入れるような寸法である。キャップを板の各穴に供給するためにキャップシュートを提供することができる。既知であるように、キャップチャック193は、キャッパホイール190によりキャップローダ192と動作的に協働して移動し、そこでキャップはキャップチャック193に搭載される。
【0053】
環境制御システム
図36に示すように、システム10は、全環境制御システム220をさらに有している。システム220は、上述した空気管理システムを支援するとともに、CHE18の能動的滅菌ゾーンにおいて容器Cに充填しキャップを取り付けるのを容易にする追加のシステムおよび構造を提供する。環境制御システムは、概して、ハウジング筐体222、ろ過空気搬送システム224およびH2O2/オゾン処理システム226を有している。
【0054】
ハウジング筐体222は、概して、第2モジュール14の構成要素を密閉する。図10、図11、図11aおよび図36に示すように、ハウジング筐体222は、第2モジュール14の構成要素の周囲に配置された複数の壁および障壁228を有している。作業者または他の人員が第2モジュール14に手が届くように、アクセスドア230を設けてもよい。壁および障壁は、作業者が電子線に曝されないように、合板で補強されたステンレス鋼で覆われた鉛パネル等のx線および照射遮蔽を有している。さらに、鉛ガラスから構成された窓(図示せず)により、作業者が第2モジュールの動作を視覚的に点検することができる。1つの例示的な実施形態では、ハウジング筐体222を、CHEの一部とみなしてもよい。この構造を、クラス1000〜10,000の筐体とみなすことができるように形成してもよい。
【0055】
ろ過空気搬送システム224は、システムのさまざまな部分に空気を向ける複数のろ過空気源を備えている。図36にさらに示すように、ろ過空気を容器滅菌装置32に搬送するために、ろ過空気搬送システム224の第1セット232が設けられている。各システム232は、送風機234およびULPA/HEPAフィルタ236を有している。このセットのシステムのうちの1つは、加熱蒸気源238も有している。これらシステムは、容器滅菌装置32にULPAまたはHEPAろ過空気を提供し、それにより滅菌装置32において正圧を維持する。この空気を、滅菌装置32から排気することができる。第2モジュール14のいくつかの構成要素にろ過空気を搬送するために、ろ過空気搬送システムの第2セット240が設けられている。隔離無菌空気供給システム242が設けられており、プレフィルタ244、送風機246、加熱蒸気源248およびULPA/HEPAフィルタ250を有している。隔離無菌空気供給システム242は、第1出力252、第2出力254および第3出力256を有している。第1出力252は、アイソレータ52の上部部材開口部110(図11および図11a)に接続されている。第2出力254は、フィラーホイール空気管理システム118に接続されている。第3出力256は、搬送ホイール空気管理システム164に供給される。筐体空気供給システム258が送風機260およびULPA/HEPAフィルタ262を有することにより、ハウジング筐体222にろ過空気および正圧を提供する。
【0056】
最後に、図36にさらに示すように、H2O2処理システム226は、関連する送風機264およびH2O2モジュール266を有している。しかしながら、第2モジュールからオゾンを除去することができるいかなる好適な形態の化学処理も使用することができる。処理システム226は、容器滅菌装置32およびハウジング筐体222の両方に動作的に接続されている。第2モジュール14は、照射装置によってもたらされるいかなるオゾンも除去するように排気され、空気は、周囲環境に放出される前に処理される。
【0057】
システム10の全体的な動作
ここで、システム10の全体的な動作について説明する。当業者には、システム10が、当業者には既知であるようにシステム10の動作を行いかつ制御するために、必要な電源および関連するコントローラを有していることが理解される。第1モジュール12および第2モジュール14の構成要素は、最初にセットアップされ、システム10は、充填およびキャッピングのために容器を受け取る用意ができている。さらに、動作の前に、システム10は、過酸化水素等の化学薬品を用いて、さらに電子線照射装置と組み合せて事前滅菌されている。他の事前滅菌技法も使用することができる。したがって、システム10の稼動の前に、システム10は、いかなる汚染物質または微生物等も除去するように滅菌される。後述するように、システム10の構造は、容器Cがシステム10内の移動経路を通して前進するに従い、システム10の稼動中にさまざまな能動的滅菌ゾーンおよび閉じられた衛生的環境を提供する。
【0058】
第1モジュールの動作
図4および図5から理解することができるように、通常プラスチック飲料用容器の形態である空の容器Cは、デパレタイザ22によりパレットから取り除かれてコンベア20上に搭載される。コンベア20は、容器Cを水なしリンサ30まで搬送し、そこで容器Cに清浄な圧縮空気が供給され、容器Cは完全に洗浄され、いかなる汚染物質も吸引される。コンベア20は、容器Cを容器滅菌装置32まで搬送する。容器滅菌装置32はまた、容器Cに対し、ULPA/HEPAろ過空気処理とともにH2O2処理を行ってもよい。容器滅菌装置32の高エネルギー電子線照射装置は、容器Cが辿る経路を取り囲む電子線照射野を生成する。上述したように、容器滅菌装置32は、容器Cのすべての面が滅菌されるのを確実にするために容器Cを反転させるように好適な構造を有していてもよい。したがって、容器Cは、容器滅菌装置32の出口ホイールに達すると、清浄な無菌状態にある。上述したように、容器滅菌装置32は、1つの例示的な実施形態では高エネルギー電子線照射装置を利用する。要求に応じて、第1モジュール12に、他の形態の容器滅菌を使用することも可能である。第1モジュール12の最終的な結果は、図32に示すように第2モジュール14への無菌容器Cの搬送である。
【0059】
第2モジュールの動作
上述したように、第2モジュール14は、その動作の前に、化学薬品および電子線処理を用いて滅菌される。システムのいくつかの構成要素は、フィラーホイール空気管理システムの吸気マニホルド等、こうした洗浄用の組込みシステムを有していてもよい。水および/または過酸化水素等の洗浄液を、空気管理システムのスクリーンを通して注入する構造を提供してもよい。
【0060】
図37にさらに示すように、容器Cは、アイソレータアセンブリ52のエアロック構造76によって概して画定される境界領域86において、第1モジュール12から第2モジュール14に搬送される。アイソレータアセンブリ52のいかなるアクセス窓およびドアも閉鎖される。図11、図11aおよび図36から理解されるように、ULPA/HEPAろ過空気が、隔離無菌空気供給システム242によってアイソレータアセンブリに搬送されることにより、アイソレータアセンブリ52内の正の空気圧が維持される。エアロック構造76が開放底端94を有するため、供給空気は、開放底端94を通って下方に流れることができる。そして、供給空気は、ハウジング筐体222内に入り、ハウジング筐体222が排気されることが理解されるため、要求に応じて排気されることが可能である。要約すると、正の空気圧は、下方の空気流と同様に維持され、いかなるあり得る微生物も容器Cの開口部を含む容器Cから出るように向けられることを確実にするのに役立つ。容器Cは、グリッパ79を介して、第1モジュール12の出口ホイールから第1取入ホイール78まで渡される。第1取入ホイール78は、グリッパ81を介して容器Cを第2取入ホイール80に渡す。グリッパ79、81はアイソレータアセンブリ52の環境と同様に、すべて無菌状態にあることが理解される。そして、第2取入ホイール80は、容器出口開口部106を通して無菌容器Cをフィラーアセンブリ46に搬送する。ULPA/HEPA空気は、取入ホイール78、80およびグリッパ79、81によって常に循環し、無菌状態を維持している。アイソレータアセンブリ52は、アセンブリ52が最初に滅菌され、その後は空気流が無菌状態を維持するのを支援する受動的滅菌とみなすことができる。
【0061】
上述したように、容器排斥機構101は、第2取入ホイール80に近接する容器Cを検知し、第1モジュール12における滅菌プロセス中にいずれかの容器Cが破損したか否かを判断する。これは、たとえば、滅菌装置32の滅菌プロセスにより容器Cの壁が変形し、容器Cが充填およびキャッピングに適さなくなった場合等に、発生する可能性がある。こうした場合、容器排斥機構は、変形した容器Cを検知し、その容器Cをグリッパ81から放出し、排斥された容器Cはアイソレータアセンブリ52の床96に落下する。このように、グリッパ81は、開放する信号を受け取り、そこで、グリッパ81は容器Cを落下させる。床96の傾斜部112は、容器Cをアクセスドア114に向ける。空気シリンダ116を、アクセスドア114を開放するように作動させることができ、排斥された容器Cをアイソレータアセンブリ52から取り除いて破棄することができる(図12)。システム10は、容器Cが排斥され、フィラーホイール47のフィラーバルブ/グリッパに容器Cが載っていないことになった場合、フィラーバルブが液体製品等を供給するように作動されないように設計されていることが理解される。上述したように、第1モジュール12の出口ホイールおよび第2モジュール14の取入ホイールのサイズに応じて、アイソレータアセンブリ52の単一取入ホイールを採用することができる。
【0062】
図38にさらに示すように、フィラーホイール47は、容器入口部49において第2取入ホイール80から容器Cを受け取る。したがって、フィラーホイール47のグリッパ122は、第2取入ホイール80のグリッパ81から容器Cを把持する。これにより、容器Cは、関連するフィラーバルブ120の下方に配置され、容器C、グリッパ81およびフィラーバルブ120は、フィラーホイール47が回転するに従って弓状経路を移動する。第2取入ホイール80からフィラーホイール47への搬送の直前に、フィラーホイール47のグリッパ122が滅菌される。この目的で、第1フィラー電子線照射装置124および第2フィラー電子線照射装置126は、互いに部分的に重なる電子線照射野を提供する。(たとえば、図15a参照)。電子線照射野は、フィラーホイール47のグリッパ122およびフィラーバルブ120が移動する経路を取り囲むように十分広い。図38に示すように、電子線照射装置124、126は、グリッパ122が第2取入ホイール80から無菌容器Cを受け取る直前に滅菌されるように配置されていることが理解される。さらに、これを達成するために、電子線照射装置124、126は、容器入口部49と容器出口部51との間に配置されている。グリッパ122およびバルブ120は、容器Cと接触するため滅菌される。したがって、グリッパ122およびバルブ120がフィラーホイール47の一定回転下で能動的に再滅菌されるため、無菌状態が維持され続ける。
【0063】
次に、フィラーアセンブリ46により、容器内に飲料製品が注入される。本明細書で用いる一意の滅菌構造およびプロセスのために、製品を、概して周囲温度および無菌状態で搬送することができる。製品温度を上昇させる必要はない。フィラーホイール47がその中心軸を中心に回転する際に、製品は容器C内に注入される。特に、計量された液体製品と流体連通しているフィラーバルブ120は、容器Cに充填し始めるように起動される。フィラーバルブ120は、フィラーホイール47上で回転する際に容器Cに充填する。上述したように、フィラーホイール空気管理システム118は、充填プロセス中にフィラーホイール47にULPA/HEPAろ過空気を供給する。隔離空気供給システム242の第2出力254(図36)は、フィラーホイール空気管理システム118の吸気マニホルド128にろ過空気を提供する。したがって、湾曲したマニホルド128全体が充填される。マニホルド128が先細り設計であるため、ろ過空気の安定した供給が確実になり、空気速度が一定に維持される。図23から理解することができるように、ろ過空気は、中間供給部130および広がり出口部146を通して上方に流れ続ける。広がり出口部146は、容器Cへの空気流を生成するのに役立つ。空気は、スクリーン158を通って流れ続け、したがって、ろ過空気は環状溝132内に提供される。図23にさらに示すように、出口部146およびスクリーン158は、概して、容器Cの開口部に近接して配置されている。スクリーン158は、一定量の抵抗を空気流に提供することにより、環状溝132全体内に十分な安定した空気流を提供する。環状内壁148および環状外壁150を介する環状溝132の構造のために、空気流は、概して、容器開口部の周囲に、容器Cの長手方向軸に沿って下方に、環状溝132内を下方に、向けられる。環状溝132の底部にいくつかの間隙が残っており、そこでろ過空気が下方にハウジング構造222の環境に漏出することができる、ということが理解される。したがって、環状溝132は、ろ過空気の供給によって加圧される。図24は、概して、製品が容器内に注入される際の容器Cの周囲の空気流を示す。この空気流は、容器Cを隔離し、さらに微生物または他の望ましくない物質が容器Cに入るいかなる可能性も最小限にするのに役立つ。空気流は、概して、容器Cの首部に近接するように向けられる。図24に示すように、空気は、首部において、容器の首部の外周の周囲を流れ、容器軸に対して平行な容器の外周の経路を辿って下方に流れる。したがって、正の空気圧が容器Cのこの部分の周囲で維持され、容器Cの開口部から離れる方向に下方に向けられる。しかしながら、正の空気圧が環状溝132内で維持される限り、特定の空気流パターンは重要ではない。
【0064】
したがって、フィラーグリッパ122は、容器Cと無菌で係合する直前に滅菌され、ろ過空気が、容器Cが充填されている際に無菌状態を強化し維持するために容器Cの周囲に提供される。容器Cがフィラーホイール47の周囲を回転すると、充填プロセスは完了するように設計されている。そして、容器Cを、容器出口部51の搬送機構54に渡すことができる。
【0065】
図39に示すように、搬送機構54は、容器入口部181においてフィラーホイール47から容器Cを受け取り、容器出口部183においてキャッパアセンブリ48に容器Cを搬送する。搬送ホイール162のグリッパ163は、フィラーホイール47から充填された開放容器Cを受け取る前に、容器入口部181と容器出口部183との間に配置された搬送ホイール電子線照射装置166によって滅菌される。図11、図11aおよび図39に示すように、搬送ホイール電子線照射装置166は、搬送ホイール162に隣接して配置されており、搬送ホイール162がその中心軸を中心に回転する際にグリッパ163が占有する経路を取り囲む無菌電子線照射野を提供する。したがって、グリッパ163は、フィラーホイール47から充填された開放容器Cを把持する直前に、搬送ホイール電子線照射装置166によって滅菌される。したがって、容器Cの無菌状態が維持されつづける。
【0066】
上述したように、搬送機構空気管理システム164は、搬送ホイール162において容器CにULPA/HEPAろ過空気を提供する。隔離無菌空気供給システム242の第3出力256(図36)は、吸気ダクト168および広がり出口端172に無菌空気を提供する。ろ過空気は、スクリーン180を通って下方にかつ排気マニホルド170内に向けられる。スクリーン180は、搬送ホイール172上を横切る、充填された開放容器Cの上にわたって下方に流れるのを確実にするために一定量の抵抗を提供する。空気管理システム164は、搬送ホイールグリッパ163が容器Cと係合する時から、搬送グリッパ163が容器Cをキャッパアセンブリ48に渡す時までに概して対応する長さである。ろ過空気流は、容器開口部において下方に向けられることによりエアカーテンを形成し、微生物または他の汚染物質を容器Cの開口部から隔離するのに役立つ。図26および図27は、容器の開口部の周囲のろ過空気流を示し、そこでは空気流は容器Cを越えて下方に向けられている。ろ過空気流は、ハウジング筐体222に排気される。
【0067】
図40に示すように、充填された容器Cは、搬送ホイール162からキャッパアセンブリ48のキャッパホイール190に搬送される。キャッパアセンブリ48に関連するいかなる電子線照射野も、充填された開放容器C内に向けられないことを確実にするために、搬送ホイール162に追加の隔離板を設けてもよい。キャッパホイールグリッパ191が、充填された開放容器Cと係合する。この係合の前に、キャッパホイール190は、容器Cにキャップ202を取り付ける用意ができている。上述したように、キャッパホイール190は、容器Cの上に配置されるキャップ202を受け取る複数のキャッパチャック193を有している。しかしながら、この動作の前に、キャップ202、キャッパチャック193およびキャッパグリッパ191は、プロセス全体の無菌状態を維持するように滅菌されている。
【0068】
図28、図29、図35および図40に示すように、第1キャッパホイール電子線照射装置194は、キャッパチャック193が移動する経路を取り囲むようにその電子線照射野を集束させるように配置されている。このように、キャッパチャック193は、開始位置201においてキャップ202を受け取る前に滅菌される。キャッパチャック193がキャッパホイール190上で回転し続ける際、キャップローダ192は、キャップ202をキャッパチャック193内に挿入するように機能する。キャップローダ192は回転板を有し、それは、キャップシュートを介して板に供給されるキャップ202を受け取る溝穴を有している。キャップローダ192は、キャッパホイール電子線照射装置に対応するようにずれた位置に配置されている。図29にさらに示すように、キャップ202は、キャップチャック193をわずかに越えて延在してもよい。キャップ202がキャップチャック193上に搭載されると、図31〜図34に示すように、第2キャッパホイール電子線照射装置196は、キャップ202の下側に向かって上方に焦点が合わせられる。第2キャッパホイール電子線照射装置196によって発生する電子線照射野は、キャップ202を支持しているキャッパチャック193が移動する経路を取り囲む。このように、キャップ202の下側面が、キャップ搭載位置203において第2キャッパホイール電子線照射装置196によって滅菌される。キャッパチャック193は、キャッパホイール190によって弓状経路に沿って回転し続ける時、第2キャッパホイール電子線照射装置196が発生する電子線照射野にありながら、およそ180度回転する。キャップ202は垂下スカートを有しており、キャップ202の垂下スカートのために、下側面の一部に対し、電子線照射野の透過が妨げられる可能性があることが理解される。キャッパチャック193の回転により、この妨げられる可能性のある面が180度回転し、そこで、第2キャップ電子線照射装置196に面することができる。キャップ202を、キャッパチャック193の回転なしで十分に滅菌することができるが、第2キャッパホイール電子線照射装置196の照射野内でキャッパチャック193を回転させることにより、キャップ202の無菌状態がさらに強化される。
【0069】
キャッパホイール190は、それぞれのキャッパチャック193によって保持されるキャップ202を回転させ続け、搬送ホイール162は、充填された開放容器Cをキャッパホイール190上のキャッパグリッパ191に渡す。そして、キャッパチャック193は、図29において矢印で示すように下方向に移動しているキャッパグリッパ193によって保持される、充填された容器Cの上に、キャップ202を回転させる。図29、図35および図40にさらに示すように、このプロセス中、第3キャッパホイール電子線照射装置198およびさらなるキャッパホイール電子線照射装置200は、キャップ202がキャッパグリッパ193によって保持される容器C上にねじ込まれる際、キャッパホイール190の経路、特にキャップ202を有するキャッパチャック193の経路を取り囲む電子線無菌野を発生する。図29において矢印によって示すように、キャッパは下方に移動して、容器Cの上にキャップを取り付ける。第3電子線照射装置198および第4電子線照射装置200は、キャップ202が容器Cの上にねじ込まれる際、容器Cとキャップ202との間の空隙(たとえば、キャッパチャックの下方でありかつキャッパグリッパに近接している)にそれらのそれぞれの照射野を集束させ、それにより、キャップ取付部205においてキャッピングプロセスの無菌状態が維持される。第3電子線照射装置198および第4電子線照射装置200の角度により、空隙およびキャッパチャック193を同時に滅菌することができる。さらに、キャッパチャック193がキャップ202を容器Cの上にねじ込んだ後、キャッパチャック193が仕上げ位置207においてキャップ202から離れるように持ち上げられる際、第3電子線照射装置198および第4電子線照射装置200が、キャップ202の外面を滅菌する。
【0070】
容器Cは、キャップが取り付けられると、キャッパホイール190によってさらに前進し、その後、コンベア20のさらなる部分に向けられ、そこで、容器Cは、さらなる包装作業24(図4および図35)および後の出荷のために、第2モジュール14から出るように搬送される。
【0071】
このように、上記説明から理解することができるように、容器Cは、閉じられた衛生的環境において充填され、搬送され、かつキャップが取り付けられ、動作中、第2モジュール14に能動的滅菌ゾーンが提供される。これらシステムにより、表面汚染および空中浮遊汚染が防止される。容器Cの充填およびキャッピングにおいて、容器Cの経路全体が制御される。システム10の構成要素、特に第2モジュール14の構成要素は、存在し得る汚染物質または微生物に対し厳しい環境を提供する。システムは、動作の前に、化学的にかつ電子線によって処理されるため、最初に無菌状態で開始する。戦略的な位置に配置されたさまざまな電子線照射装置が、能動的滅菌ゾーンを提供し、無菌状態が維持され、かつ容器Cが充填動作、搬送動作およびキャッピング動作中に処理されている間に汚染されないにことが確実になる。処理動作および充填動作中に制御された無菌空気流を提供する隔離システムは、容器Cが充填されキャップが取り付けられている間に通過するCHEを提供することにより、無菌状態の維持に役立つ。システム10の動作中に、ULPA/HEPA空気がCHEに常に供給されかつ入れ替えられることが理解される。アイソレータ空気管理システム、フィラーホイール空気管理システム、および搬送ホイールの局部空気管理システムの各々は、単体でまたは組合せでCHEとみなすことができる。CHEは能動的滅菌ゾーンとともに、すべて、充填動作、搬送動作およびキャッピング動作中に容器Cが移動する経路を包囲する環境を制御する。したがって、1つの例示的な実施形態では、容器Cは、アイソレータアセンブリ52からキャッパアセンブリ48への第2モジュール14における移動中、閉じられた衛生的環境において移動する。本システム10の設計により、容器Cに充填されている製品はいかなる電子線滅菌または照射にも曝されない一方で、重要な面のみが電子線滅菌を受けることが理解される。本システム10の設計により、酸度の低い製品および酸度の高い製品を含むさまざまなタイプの飲料を容器に充填することができることが理解される。さらに、容器Cに充填されている製品を、微生物増殖特性を低減しまたは抑制するように、要求に応じて前処理してもよい。
【0072】
代替的な第2モジュール−電子線アセンブリ
代替的な実施形態では、第2モジュール、特に電子線滅菌ユニットを、後述するように変更することができる。概して、追加の電子線照射装置が利用され、上述したアイソレータアセンブリ52は利用されない。図43〜図49に示すように、電子線滅菌ユニットは、概して、第1取入ホイール電子線照射装置F1、フィラーホイール電子線照射装置F2、搬送ホイール電子線照射装置F3、第1キャッパホイール電子線照射装置F4、第2キャッパホイール電子線照射装置F5、第1キャップシュート電子線照射装置C1および第2キャップシュート電子線照射装置C2を有することができる。
【0073】
この場合もまた、電子線照射装置は、重要な機械表面、構成要素および構成要素を直接包囲する空気のみが電子線を受け、飲料製品自体は受けないように、配置されている。1つの例示的な実施形態では、電子線アセンブリは、後の説明に従って配置される。第1搬送ホイール電子線照射装置F1は、第1搬送ホイール554上におよそ9時に位置する電子線ゾーンを有している。フィラーホイール電子線照射装置F2は、フィラーホイール547の上におよそ5時に位置する電子線ゾーンを有している。第2搬送ホイール電子線照射装置F3は、第2搬送ホイール556の上におよそ12時に位置する電子線ゾーンを有している。第1キャッパホイール電子線照射装置F4は、キャッパホイール557の上におよそ6時に位置する電子線ゾーンを有している。第2キャッパホイール電子線照射装置F5は、キャッパホイール557の上におよそ2時に位置する電子線ゾーンを有しており、それは、トルクヘッドおよびキャップと容器口部との間の空隙に近接している。この場合もまた、電子線ゾーンの位置および数の変形が可能であることが理解される。
【0074】
代替的な第1転送ホイール滅菌
この代替的な実施形態では、図43に示すように、第2モジュールからアイソレータが取り除かれており、第1搬送ホイールには、容器の無菌状態を維持するために電子線照射装置F1を設けることができる。無菌容器は、(上述したような)エアロック構造内を移動した後、取入ホイール553により第2モジュール内に入れられ、第1搬送ホイール554に搬送される。第1搬送ホイール554が容器の首を把持するため、第1搬送ホイール554上のグリッパ570は、図43に示すように、グリッパ570に存在するいかなる微生物も容器の首または口を汚染しないように、容器Cを受け取る前に滅菌される。したがって、第1搬送ホイール554に位置するグリッパ570は、第1搬送ホイール電子線照射装置F1が生成する電子線ゾーンに曝される。図43に示すように、第1搬送ホイール電子線照射装置F1は、第1搬送ホイール554の上で回転しているグリッパ570を概して取り囲む電子線照射野を提供する。グリッパ570は、概して、電子線照射野内に入りかつ通過することが理解される。一実施形態では、第1搬送ホイール554は、およそ21rpm(600bpm)の速度で移動し、各首操作グリッパ570には、2.8秒間に1回照射され、すべての容器が滅菌されたグリッパによって把持されることを確実にする。グリッパ570は、第1搬送ホイール電子線照射装置F1が生成する電子線ゾーンに曝された後、第1モジュールに関連すると考えられ得るコンベア520の取入ホイール553から容器を受け取る。そして、第1搬送ホイール554は、フィラー546に容器を搬送する。
【0075】
代替的なフィラーホイール滅菌
図44および図45に示すように、容器がフィラーホイール547に配置される前に、フィラーホイール電子線照射装置F2は、容器を受け取る前にフィラーホイールグリッパ572を滅菌する。さらに、フィラーホイール電子線照射装置F2は、フィラーバルブヘッドが容器に接触する直前にフィラーバルブも滅菌するように配置されている。フィラーホイール電子線照射装置F2が配置される突き当たりの程度により、フィラーバルブは、グリッパ572と同時に電子線照射野を通過する。したがって、フィラーバルブヘッドに存在する可能性のあるいかなる微生物も死滅し、グリッパ572およびフィラーバルブヘッドは無菌状態のままである。フィラーホイール電子線照射装置F2が生成する電子線ゾーンは、充填の前にすべての面を滅菌するようにフィラーバルブヘッドを完全に取り囲む。各充填事象の直前にフィラーバルブヘッドを滅菌することにより、フィラーバルブヘッドに存在するいかなる微生物も製品に移されないことが保証される。例として、およそ76インチ(約1.93メートル)径のフィラーホイールを有する60個のフィラーバルブヘッドを備えたフィラーでは、十分な滅菌を達成するために、各バルブおよびグリッパに、フィラーホイール電子線照射装置F2によって6秒間に1回照射することができる。容器は、充填されると、第2搬送ホイール556に渡される。
【0076】
代替的な搬送ホイール滅菌
容器は、飲料製品が充填された後、閉鎖具で封止されるために、第2搬送ホイール556を介してキャッパに搬送される。容器の口にまたは製品内に汚染物質が導入されないように、充填された開放容器を保持するグリッパ574と容器の真上の移動ゾーンとを滅菌する必要がある。したがって、図39に示すように、フィラーホイール547から容器を受け取る前に、第2搬送ホイール電子線照射装置F3が生成する電子線ゾーンは、第2搬送ホイール556に位置するグリッパ574を滅菌する。一実施形態では、第2搬送ホイール556は、直径がおよそ40インチ(約1メートル)である。したがって、600bpmで、各グリッパ574に対し、第2搬送ホイール電子線照射装置F3によりおよそ2.8秒間に1回照射される。滅菌後、第2搬送ホイール556のグリッパ574は、フィラー546から容器を受け取り、キャッパホイール557に容器を搬送し、それによって、キャッパ548が各充填された容器にキャップを取り付けることができる。
【0077】
代替的な空気系統
別の実施形態では、第1搬送ホイールおよび第2搬送ホイールならびにフィラーホイールに、各々別個の空気系統を提供することができる。図51に示すように、フィラーホイール547は、フィラーバルブの後方からULPAろ過空気を供給する流路506を有している。これにより、空気540の均一な分散がもたらされ、それは、容器口部から離れる方向に移動し、容器口部、フィラーバルブまたは首グリッパに汚染物質が落ちるのを防止する。空気540は、図50に示すように、スポーク状パターンでフィラーホイールの中心から軸上に広がる供給ダクトを通して均一に分散される。図52に示すように、第2流路508は、搬送ホイール554、556、558に対し同じ目的に応える。第2流路508および流路カバー544が、容器の上部にわたって安定した空気流をもたらし、搬送ホイール554、556、558の中心から空気を押し出す。第2流路508は、流路カバー544の下側にエアカーテンが生成されるように形成される。空気の速度および量は、流れが回転するフィラーおよび搬送ホイールの乱れ運動より大きいようなものである。空気流は、製品および重要な容器経路から離れる方向に放射状外側方向に生成される。キャッパホイール557に対し、同様の方法を用いることができる。
【0078】
図51は、フィラーホイールに空気を提供するように実施することができる別の例示的な方法を示す。図51に示すように、フィラーホイール547は、フィラーバルブ522の後方からULPA/HEPAろ過空気を供給する第1流路506を有している。これにより、空気540の均一な分散がもたらされ、それは、容器口部から離れる方向に移動し、容器口部、フィラーバルブまたは首グリッパに汚染物質が落ちるのを防止する。空気540は、図50に示すように、スポーク状パターンでフィラーホイールの中心から軸状に広がる供給ダクトを通して均一に分散される。
【0079】
別の例示的な実施形態では、図52に示すように、第3搬送ホイール556は、ULPA/HEPAろ過空気を供給する第2流路508を有することができる。第2流路508は、搬送ホイール556に対し同じ目的に応える。第2流路508および流路カバー544が、容器の上部にわたって安定した空気流をもたらし、搬送ホイール556の中心から空気を押し出す。第2流路508は、流路カバー544の下側にエアカーテンが生成されるように形成される。空気の速度および量は、流れが回転するフィラーおよび搬送ホイールの乱れ運動より大きいようなものである。空気流は、製品および重要な容器経路から離れる方向に放射状外側方向に生成される。必要に応じて、キャッパホイール557に対し、同様の方法を用いることができる。
【0080】
汚染をさらに低減するために、フィラーホイール547の充填領域を、定置洗浄(「CIP」)処置で洗浄することができる。図53に示すように、フィラーホイール547はまた板620を収容し、それは、フィラーバルブ522および他の移動する部品を容器充填領域624から分離する。フィラーバルブ522は、各々、関連するフィラーポート632を有している。各フィラーバルブ522は、関連するCIPキャッピング機構628を有している。CIPキャッピング機構628は、ポート634の各々1つに固定されている。各CIPキャッピング機構628は、CIPキャップ626と、キャッピングポスト636に回転可能に固定されているキャッピングアーム630とを有している。図53に示すように、板620は、フィラーバルブ522および移動する部品を容器充填領域624から分離するように、無菌設計で使用される。この分離により、充填動作に対して清浄な環境が維持され、汚染を受け易い部品が低減する。フィラーバルブ522を密閉することで、フィラーホイール547の回転がもたらす乱流も低減し、より大きい空気流がもたらされる。密封した部品には、保守のために取外し可能なカバー(図示せず)を介して届くことができる。この低温充填技法は、本方法の下で展開される一意の能動的滅菌ゾーンの一部である。
【0081】
能動的滅菌ゾーン環境
例示的な実施形態のシステムは、充填プロセスを通して構成要素間で物理的に搬送されかつシステムの構成要素の上で培養される微生物をなくすように設計されている。本システムは、電子線技術を利用して、容器、キャップおよび重要な接触面を滅菌する。
【0082】
照射装置は、容器Cが最終包装に出るまで滅菌環境にあり続けるように「能動的」滅菌ゾーンを生成する。電子線は空気系統と組み合わさって、システムの重要な接触面上の微生物を死滅させるのに役立つ。さらに、電子線発生器は、二次電子線およびX線を生成する。電子線はまた、酸素(O2)および窒素と反応して硝酸およびオゾン(O3)をもたらす。上記(電子線、空気、x線、硝酸、オゾン(O3)および二次電子線)の各々は、微生物から空気、水および他の栄養分等の必要不可欠なものを奪うことにより、システムの微生物を排除するのに役立つ。
【0083】
受動的滅菌技法を用いる従来の低温充填ラインでは、環境に入るすべての構成要素が事前滅菌されている必要がある。それらは、無菌環境のいかなる汚染も防止するためにこの事前滅菌に頼っている。しかしながら、環境が一旦汚染されると、環境を再び真に無菌にすることは非常に困難である。能動的滅菌ゾーンを有することにより、ゾーンに入る可能性のあるいかなる汚染物質も、重要な表面と接触する時に即時に滅菌することができ、システムのダウンタイムおよびコストが最小限になる。
【0084】
本明細書で開示されている例示的な実施形態により理解することができるように、飲料製品を加熱すること、およびヘッドスペースを滅菌するために高温の容器を反転させることはもはや必要ではない。容器は高温でないため、容器冷却器はもはや必要ではない。機器からこれら2つの部分を取り除くことにより、容器充填プロセスがさらに簡略化し能率的になる。例示的な実施形態のシステムにより、高温充填プロセスで先に充填された容器を、ここでは周囲温度で充填することができ、容器に注入される製品は周囲温度である。したがって、容器は、以前のように頑強な側壁構造を有する必要はない。したがって、容器を、より少ない材料で作製することができ、その結果、材料コストが著しく節減される。これにより、容器設計により高い柔軟性が提供される。さらに、飲料製品がもはやそれほど長く高温で保持される必要がないため、必要なエネルギーが低減する。また、本システムは、容器に飲料を無菌充填することができる一方で、許容可能な貯蔵寿命要件を満たすために追加の保存料が不要である。容器材料節減に加えて、他の持続可能性の利点には、水の節約、天然ガスの節約および温室効果ガスの低減がある。システム設計はさらに、各充填事象すべてにおいて容器の局部充填箇所が再滅菌されることも可能にする。最後に、電子線技術は、1秒の何分の1かで許容可能な照射を提供し、それにより高度なインライン滅菌および充填プロセスが提供される。
【0085】
本明細書では、いくつかの代替的な実施形態および例について説明した。当業者は、個々の実施形態の特徴と、構成要素のあり得る組合せおよび変形とを理解するであろう。当業者は、さらに、実施形態のいずれも、本明細書で開示した他の実施形態と任意に組み合せて提供することができることを理解するであろう。本発明を、その趣旨または中心的な特徴から逸脱することなく他の所定形態で具現化してもよいということが理解される。したがって、本例および実施形態は、すべての点で、限定的ではなく例示的であるものとみなされるべきであり、本発明は、本明細書に記載されている詳細に限定されるべきではない。したがって、所定の実施形態について例示し説明したが、本発明の趣旨から大幅に逸脱することなく、多数の変形が思いつき、保護の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器を無菌充填する装置であって、
容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパと、第1フィラーホイール電子線ユニットとを有するフィラーホイールであって、前記第1フィラーホイール電子線ユニットが、少なくとも1つのグリッパに、前記グリッパが前記容器を受け取る前に電子線処理を受けるように向けられる、前記容器に製品を充填するように構成されたフィラーホイールと、
容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパと、搬送ホイール電子線ユニットとを有する搬送ホイールであって、前記搬送ホイール電子線ユニットが、少なくとも1つのグリッパに、前記グリッパが前記容器を受け取る前に電子線処理を受けるように向けられる、搬送ホイールと、
キャッパチャックと第1キャッパ電子線ユニットとを有するキャッパホイールであって、前記キャッパ電子線ユニットが、前記キャッパチャックに、前記キャッパホイールが前記容器上に前記キャップを配置する前に前記キャッパチャックに搭載されたキャップが電子線処理を受けるように向けられる、キャッパホイールと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
ハウジングと前記ハウジング内の取入ホイールとを有するアイソレータユニットをさらに備え、前記取入ホイールが、前記容器を受け取り、前記容器を前記フィラーホイールに渡すように構成され、前記アイソレータユニットが、前記ハウジング内に空気を提供するように構成されるろ過空気源をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記取入ホイールが一対の協働する取入ホイールを備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ろ過空気源が、前記アイソレータユニットに正圧を提供することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記フィラーホイールに動作的に関連する局部空気管理システムをさらに備え、前記フィラーホイール局部空気管理システムが、吸気マニホルドと、中間供給部と、前記容器のための経路を画定する略環状溝とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記中間供給部が、前記フィラーホイールによって前記容器に製品が充填されている時に、前記容器の開口部に近接して空気を供給するための出口を画定することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記中間供給部が垂直部材および湾曲端を有し、前記垂直部材が、一端が前記吸気マニホルドの開口部に接続され、前記湾曲端が、前記環状溝を加圧するように構成された拡大する出口領域を画定する広がり出口部を有することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記環状溝が、環状内壁および環状外壁によって画定され、前記環状外壁が前記環状内壁から隔置されることにより前記容器のための経路を画定することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
搬送ホイール空気管理システムをさらに備え、前記搬送ホイール空気管理システムが排気マニホルドと連通する吸気ダクトを備え、前記吸気ダクトがろ過空気源に接続され、前記ろ過空気源が、前記排気マニホルドまで下方にろ過空気を提供することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1キャッパホイール電子線照射装置が、前記キャッパチャックに搭載された前記キャップに向けられ、前記キャッパチャックが、前記キャップの内面の実質的にすべてが前記第1キャッパホイール電子線照射装置に曝されるように前記キャップを回転させることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記キャッパホイールが、前記キャッパチャックと前記容器開口部との間に位置する空隙に向けられた第2キャッパホイール電子線照射装置を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
容器を無菌充填する方法であって、
(A)アイソレータユニットにおいて容器を受け取るステップであって、前記アイソレータユニットが、少なくとも1つのグリッパを有しかつ前記容器を前記アイソレータユニットからフィラーアセンブリに渡す搬送ホイールを備える、ステップと、
(B)前記フィラーアセンブリのフィラーホイールに位置する容器グリッパを、充填するために前記容器を受け取る前に前記容器グリッパ面に第1フィラーホイール電子線照射装置を向けることにより処理し、前記グリッパで容器を受け取り、前記容器に充填するステップと、
(C)搬送ホイールに位置するグリッパを、前記充填された容器を受け取る前に前記搬送ホイールの前記容器グリッパ面に電子線照射装置を向けることにより処理し、前記充填された容器をキャッパホイールに渡すステップと、
(D)キャッパホイールに位置するキャッパチャックを、前記キャッパチャックに第1キャッパ電子線照射装置を向けることにより処理し、さらに前記キャッパチャックに位置するキャップを、前記キャップを前記充填された容器の上に配置する前に処理するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
(A)が、前記アイソレータユニットに空気を搬送するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
(B)が、前記容器に空気流を向けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
(B)が、前記容器グリッパを、容器を受け取る前に第1フィラーホイール電子線照射装置で処理するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
(B)が、前記第1フィラーホイール電子線照射装置および前記第2フィラーホイール電子線照射装置を、前記容器と接触する前記グリッパの表面に近接するように向けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(C)が、前記充填された容器の上部に空気流を向けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
(C)が、前記搬送ホイール電子線照射装置を、前記容器と接触する、前記グリッパの表面に近接する領域に向けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
(D)が、第2電子線照射装置をキャップの内面に、前記容器にキャップを取り付ける前に向け、それにより、前記キャップが前記キャッパチャックによって回転する時に、前記キャップの前記内面の実質的にすべてが前記第2電子線照射装置に曝されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
容器を無菌充填する装置であって、
容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパと、第1フィラーホイール電子線照射野を発生する第1フィラーホイール電子線ユニットとを有するフィラーホイールであって、前記第1フィラーホイール電子線ユニットが、前記少なくとも1つのグリッパに、前記照射野が前記容器を受け取る前の前記グリッパを取り囲むように向けられる、前記容器に製品を充填するように構成されたフィラーホイールと、
前記フィラーホイールから前記容器を受け取るように構成された搬送機構と、
前記搬送機構から前記容器を受け取るように構成され、前記容器の上にキャップを配置するように構成されたキャッパアセンブリと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項21】
前記フィラーホイールが、前記グリッパに関連しかつ前記容器に製品を充填するように構成されたフィラーバルブを有し、前記フィラーバルブ電子線照射野がさらに前記フィラーバルブを取り囲むことを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記フィラーホイールが空気管理システムを有し、前記空気管理システムが、前記フィラーホイールにより前記容器に製品が充填されている際に、容器の開口部に近接して空気を供給するための導管を提供することを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記空気管理システムが、吸気マニホルドと、中間供給部と、容器のための経路を提供する略環状溝とを備えることを特徴とする、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記搬送機構が、前記フィラーホイールから前記容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパを有する搬送ホイールを有し、前記搬送機構が、搬送ホイール電子線照射野を発生する搬送ホイール電子線ユニットをさらに有し、前記搬送ホイール電子線ユニットが前記少なくとも1つのグリッパに向けられ、前記搬送ホイール電子線照射野が、前記フィラーホイールから前記容器を受け取る前の前記搬送ホイールグリッパを取り囲むことを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記搬送機構が空気管理システムをさらに有し、前記システムが、前記搬送機構上の前記容器を越えて下方向に空気を供給するための導管を有することを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記キャッパアセンブリが、前記容器の上に配置されるキャップを受け取るように構成されたキャッパチャックを有するキャッパホイールと、
前記キャッパホイールと動作的に関連し、第1キャッパホイール電子線照射野を発生する第1キャッパホイール電子線照射装置とを有し、
前記キャッパホイールが、前記キャップを受け取る前であるように構成された開始位置において、前記キャッパチャックを前記第1電子線照射野内に移動させることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項27】
前記キャッパホイールと動作的に関連する第2キャッパホイール電子線照射装置をさらに備え、前記第2キャッパホイール電子線照射装置が第2電子線照射野を発生し、前記キャッパホイールが、キャップ搭載位置において前記キャッパチャックを前記第2電子線照射野内に移動させることを特徴とする、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第2キャッパホイール電子線照射装置が、前記キャッパチャックの下方に配置され、前記第2電子線照射野が、前記キャッパチャックの下側面に向かって下方に向けられることを特徴とする、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記キャッパチャックが中心軸を有し、前記キャッパチャックが前記第2キャッパホイール電子線照射野にある間に、前記キャッパホイールが前記中心軸を中心に前記キャッパチャックを回転させることを特徴とする、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記キャッパホイールと動作的に関連する第3キャッパホイール電子線照射装置をさらに備え、前記第3電子線照射装置が第3キャッパホイール電子線照射野を発生し、前記キャッパホイールが、キャップ取付位置において前記キャッパチャックを前記第3キャッパホイール電子線照射野内に移動させることを特徴とする、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第3電子線照射野が、前記キャッパチャックの下方の空隙に向けられることを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
ハウジングと前記ハウジング内の取入ホイールとを有するアイソレータユニットをさらに備え、前記取入ホイールが、前記容器を受け取りかつ前記容器を前記フィラーホイールに渡すように構成され、前記アイソレータユニットが、前記ハウジング内に空気を提供するように構成されたろ過空気源をさらに有することを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記取入ホイールが一対の協働する取入ホイールを備えることを特徴とする、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記ろ過空気源が、前記アイソレータユニットに正圧を提供することを特徴とする、請求項32に記載の装置。
【請求項1】
容器を無菌充填する装置であって、
容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパと、第1フィラーホイール電子線ユニットとを有するフィラーホイールであって、前記第1フィラーホイール電子線ユニットが、少なくとも1つのグリッパに、前記グリッパが前記容器を受け取る前に電子線処理を受けるように向けられる、前記容器に製品を充填するように構成されたフィラーホイールと、
容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパと、搬送ホイール電子線ユニットとを有する搬送ホイールであって、前記搬送ホイール電子線ユニットが、少なくとも1つのグリッパに、前記グリッパが前記容器を受け取る前に電子線処理を受けるように向けられる、搬送ホイールと、
キャッパチャックと第1キャッパ電子線ユニットとを有するキャッパホイールであって、前記キャッパ電子線ユニットが、前記キャッパチャックに、前記キャッパホイールが前記容器上に前記キャップを配置する前に前記キャッパチャックに搭載されたキャップが電子線処理を受けるように向けられる、キャッパホイールと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項2】
ハウジングと前記ハウジング内の取入ホイールとを有するアイソレータユニットをさらに備え、前記取入ホイールが、前記容器を受け取り、前記容器を前記フィラーホイールに渡すように構成され、前記アイソレータユニットが、前記ハウジング内に空気を提供するように構成されるろ過空気源をさらに有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記取入ホイールが一対の協働する取入ホイールを備えることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ろ過空気源が、前記アイソレータユニットに正圧を提供することを特徴とする、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記フィラーホイールに動作的に関連する局部空気管理システムをさらに備え、前記フィラーホイール局部空気管理システムが、吸気マニホルドと、中間供給部と、前記容器のための経路を画定する略環状溝とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記中間供給部が、前記フィラーホイールによって前記容器に製品が充填されている時に、前記容器の開口部に近接して空気を供給するための出口を画定することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記中間供給部が垂直部材および湾曲端を有し、前記垂直部材が、一端が前記吸気マニホルドの開口部に接続され、前記湾曲端が、前記環状溝を加圧するように構成された拡大する出口領域を画定する広がり出口部を有することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記環状溝が、環状内壁および環状外壁によって画定され、前記環状外壁が前記環状内壁から隔置されることにより前記容器のための経路を画定することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項9】
搬送ホイール空気管理システムをさらに備え、前記搬送ホイール空気管理システムが排気マニホルドと連通する吸気ダクトを備え、前記吸気ダクトがろ過空気源に接続され、前記ろ過空気源が、前記排気マニホルドまで下方にろ過空気を提供することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1キャッパホイール電子線照射装置が、前記キャッパチャックに搭載された前記キャップに向けられ、前記キャッパチャックが、前記キャップの内面の実質的にすべてが前記第1キャッパホイール電子線照射装置に曝されるように前記キャップを回転させることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記キャッパホイールが、前記キャッパチャックと前記容器開口部との間に位置する空隙に向けられた第2キャッパホイール電子線照射装置を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
容器を無菌充填する方法であって、
(A)アイソレータユニットにおいて容器を受け取るステップであって、前記アイソレータユニットが、少なくとも1つのグリッパを有しかつ前記容器を前記アイソレータユニットからフィラーアセンブリに渡す搬送ホイールを備える、ステップと、
(B)前記フィラーアセンブリのフィラーホイールに位置する容器グリッパを、充填するために前記容器を受け取る前に前記容器グリッパ面に第1フィラーホイール電子線照射装置を向けることにより処理し、前記グリッパで容器を受け取り、前記容器に充填するステップと、
(C)搬送ホイールに位置するグリッパを、前記充填された容器を受け取る前に前記搬送ホイールの前記容器グリッパ面に電子線照射装置を向けることにより処理し、前記充填された容器をキャッパホイールに渡すステップと、
(D)キャッパホイールに位置するキャッパチャックを、前記キャッパチャックに第1キャッパ電子線照射装置を向けることにより処理し、さらに前記キャッパチャックに位置するキャップを、前記キャップを前記充填された容器の上に配置する前に処理するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項13】
(A)が、前記アイソレータユニットに空気を搬送するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
(B)が、前記容器に空気流を向けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
(B)が、前記容器グリッパを、容器を受け取る前に第1フィラーホイール電子線照射装置で処理するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
(B)が、前記第1フィラーホイール電子線照射装置および前記第2フィラーホイール電子線照射装置を、前記容器と接触する前記グリッパの表面に近接するように向けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(C)が、前記充填された容器の上部に空気流を向けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
(C)が、前記搬送ホイール電子線照射装置を、前記容器と接触する、前記グリッパの表面に近接する領域に向けるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
(D)が、第2電子線照射装置をキャップの内面に、前記容器にキャップを取り付ける前に向け、それにより、前記キャップが前記キャッパチャックによって回転する時に、前記キャップの前記内面の実質的にすべてが前記第2電子線照射装置に曝されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
容器を無菌充填する装置であって、
容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパと、第1フィラーホイール電子線照射野を発生する第1フィラーホイール電子線ユニットとを有するフィラーホイールであって、前記第1フィラーホイール電子線ユニットが、前記少なくとも1つのグリッパに、前記照射野が前記容器を受け取る前の前記グリッパを取り囲むように向けられる、前記容器に製品を充填するように構成されたフィラーホイールと、
前記フィラーホイールから前記容器を受け取るように構成された搬送機構と、
前記搬送機構から前記容器を受け取るように構成され、前記容器の上にキャップを配置するように構成されたキャッパアセンブリと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項21】
前記フィラーホイールが、前記グリッパに関連しかつ前記容器に製品を充填するように構成されたフィラーバルブを有し、前記フィラーバルブ電子線照射野がさらに前記フィラーバルブを取り囲むことを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記フィラーホイールが空気管理システムを有し、前記空気管理システムが、前記フィラーホイールにより前記容器に製品が充填されている際に、容器の開口部に近接して空気を供給するための導管を提供することを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記空気管理システムが、吸気マニホルドと、中間供給部と、容器のための経路を提供する略環状溝とを備えることを特徴とする、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記搬送機構が、前記フィラーホイールから前記容器を受け取るように構成された少なくとも1つのグリッパを有する搬送ホイールを有し、前記搬送機構が、搬送ホイール電子線照射野を発生する搬送ホイール電子線ユニットをさらに有し、前記搬送ホイール電子線ユニットが前記少なくとも1つのグリッパに向けられ、前記搬送ホイール電子線照射野が、前記フィラーホイールから前記容器を受け取る前の前記搬送ホイールグリッパを取り囲むことを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項25】
前記搬送機構が空気管理システムをさらに有し、前記システムが、前記搬送機構上の前記容器を越えて下方向に空気を供給するための導管を有することを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項26】
前記キャッパアセンブリが、前記容器の上に配置されるキャップを受け取るように構成されたキャッパチャックを有するキャッパホイールと、
前記キャッパホイールと動作的に関連し、第1キャッパホイール電子線照射野を発生する第1キャッパホイール電子線照射装置とを有し、
前記キャッパホイールが、前記キャップを受け取る前であるように構成された開始位置において、前記キャッパチャックを前記第1電子線照射野内に移動させることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
【請求項27】
前記キャッパホイールと動作的に関連する第2キャッパホイール電子線照射装置をさらに備え、前記第2キャッパホイール電子線照射装置が第2電子線照射野を発生し、前記キャッパホイールが、キャップ搭載位置において前記キャッパチャックを前記第2電子線照射野内に移動させることを特徴とする、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記第2キャッパホイール電子線照射装置が、前記キャッパチャックの下方に配置され、前記第2電子線照射野が、前記キャッパチャックの下側面に向かって下方に向けられることを特徴とする、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記キャッパチャックが中心軸を有し、前記キャッパチャックが前記第2キャッパホイール電子線照射野にある間に、前記キャッパホイールが前記中心軸を中心に前記キャッパチャックを回転させることを特徴とする、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記キャッパホイールと動作的に関連する第3キャッパホイール電子線照射装置をさらに備え、前記第3電子線照射装置が第3キャッパホイール電子線照射野を発生し、前記キャッパホイールが、キャップ取付位置において前記キャッパチャックを前記第3キャッパホイール電子線照射野内に移動させることを特徴とする、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記第3電子線照射野が、前記キャッパチャックの下方の空隙に向けられることを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
ハウジングと前記ハウジング内の取入ホイールとを有するアイソレータユニットをさらに備え、前記取入ホイールが、前記容器を受け取りかつ前記容器を前記フィラーホイールに渡すように構成され、前記アイソレータユニットが、前記ハウジング内に空気を提供するように構成されたろ過空気源をさらに有することを特徴とする、請求項30に記載の装置。
【請求項33】
前記取入ホイールが一対の協働する取入ホイールを備えることを特徴とする、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記ろ過空気源が、前記アイソレータユニットに正圧を提供することを特徴とする、請求項32に記載の装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図11a】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15a】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図11a】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図15a】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【公表番号】特表2010−533108(P2010−533108A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516247(P2010−516247)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/069682
【国際公開番号】WO2009/009685
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(506055911)ストークリー−ヴァン キャンプ インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】Stokely−Van Camp, Inc.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/069682
【国際公開番号】WO2009/009685
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(506055911)ストークリー−ヴァン キャンプ インコーポレイテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】Stokely−Van Camp, Inc.
【Fターム(参考)】
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