説明

容器検査方法及び容器検査装置

【課題】容器を正確に品質検査することができる容器検査方法及び容器検査装置を提供する。
【解決手段】容器頂壁のフィンが折り畳まれた容器14を、連続的に並進させて搬送する搬送手段と、容器の頂壁のフィン23端を覗くように容器の斜め側方向に配設され、照射光を照射する光源30と、容器の頂壁のフィンの上方に配設され、フィン端から反射光を検知する画像センサ31と、画像センサが検知した反射光のパターンから、容器の良否を判定する判定手段と、判定手段からの出力に基づいて、不良品を排出する排出手段とを含むことである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料などを充填する容器の検査方法及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ジュースや牛乳などの液体食品などを充填したいくつかの容器においては、前もって折り目線が付されたウェブ状包装積層材料をチューブ状に成形し、チューブの縦線方向に縦シールし、チューブ状包装材料内に食品を充填し、所定間隔毎に横断方向の横シールにより密封し、横シール帯域中間で切断して枕状予備成形体を得、折り目線に沿って折り畳むことにより形成された横シール帯域を含むフラップ及びフィンを容器頂壁、容器側壁及び容器底面に接合し、最終形状の容器を得る。
紙製容器の充填包装機の一例の概要を、図5に示す。この例に示す充填機では、内外層に熱可塑性材料層を有しロール状に巻かれた紙含有包装材料ウェブ1を巻き出し、ローラにより充填機内を搬送し、シーリングテープ2をシーリングテープアプリケータ3により、包装材料ウェブの一端に接合し、包装材料ウェブを滅菌剤槽4内に通過させて滅菌し、エアーナイフ5により滅菌剤を除去し、無菌室40に入れ、成形ローラ6によりチューブ状に成形し、そのチューブ内に充填パイプ7から液体食品を充填する。
【0003】
次いで、縦シールエレメント8によりチューブの両縁部を縦シールし、このチューブを包装容器1個分に相当する長さ分だけ下方に送りながら、シールジョー10及び対向ジョーにより挟持し、横断方向に横シールして2本の横シール帯域を形成し、同時に枕状予備成形体12に連続的に成形し、繋がった枕状予備成形体の横シール帯域の中間を、フィン部分を残して、ナイフなどにより切断して個々の枕状予備成形体13に切り離し、最終成形装置において切り離された枕状予備成形体の上下のフラップを折り曲げて最終形態の包装充填容器14に成形する。
包装充填容器14は、ベルトコンベアなどの搬送手段によって、連続的に並進されて搬送され、ストローを容器壁に貼着するストローアプリケータ等を経て、一定数量ごとに梱包される。
【0004】
枕状予備成形体13が、最終成形装置で折り畳まれる態様を図4に示す。枕状予備成形体13は、縦シール部分26及び上下2本の横シール帯域23で密封され、折り目線によって区分された側壁22を有する。(図4(A)参照)
図4(B)に示すように、折り目線に沿って、枕状予備成形体の本体部分が直方体形状に成形され、稜辺端部には、横シール帯域のフィン23とフラップ24とが器壁から直立するように形成される。横シール帯域のフィン23は、底面20と頂面21とから直立し、フラップ24は、稜辺25を介して容器壁に一体的に連通する。
次いで、図4(C)に示すように、横シール帯域のフィン23を底面20(図4においては容器として上下逆さに図示する)と頂面21とに折り畳んだ後、稜辺を中心にフラップを回転して、容器頂部側フラップ24は、側壁22に、容器底部側フラップ24は、底面20に、折り込まれる。
図2(A)に、レンガ型液体食品充填紙製容器の外観斜視図を示す。その容器は、折り込まれた横シール帯域のフィン23、フラップ24、底面と頂壁及び容器側壁を有する。フィン23は縦シール部分26と反対側の容器前壁面22a側に折込まれる。更に、稜辺を介して側壁に折り込まれたフラップ24を備える。
【0005】
液体食品容器は、充填包装機から連続的に製品化され、検査員の目視によって外観が検査される。更に、機械の操作員によって定期的に抜き取られ、種々の項目について品質検査される。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開2004−123184号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、連続的に搬送される容器及び定期的な抜き取った容器を、作業員による手作業で行われると、作業員の個人差により、同じ作業員であってもなお、差異が現れ、検査結果を不確かなものにする。正確な検査結果が望まれている。
外観検査において、容器のフラップ部分及びフィン部分に不都合がある場合、検査員の目視による検査では、見落とされる恐れが強い。
本発明は、上記の必要性、切望に応えるものであり、容器を正確に品質検査することができる容器検査方法及び容器検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の容器検査方法は、所定の折り目線を有するウェブ状積層包装材料がチューブ状に成形され、包装材料の両縁部が重ねられてオーバーラップが形成され、オーバーラップで縦線方向に縦シールされて縦シール帯域が形成され、チューブ状包装材料内に食品が充填され、所定間隔毎に包装材料が横断方向に押圧され、横シールにより密封されて横シール帯域が形成され、横シール帯域中間で切断されて枕状予備成形体が得られ、折り目線に沿って折り畳むことにより形成されたフラップ及びフィンが容器頂壁、容器側壁及び/又は容器底面に接合されて得られた容器について、この容器を検査する方法である。
本発明の容器検査方法の特徴は、容器頂壁のフィンが折り畳まれた容器を、搬送手段で連続的に並進させて搬送するステップと、搬送される容器の頂壁のフィン端を覗くように容器の斜め側方向に照射光を照射する光源を配設し、搬送される容器の頂壁のフィンの上方に、フィン端からの反射光を検知する画像センサを配設するステップ、画像センサが検知した反射光のパターンと所定のパターンとの比較によって、容器の良否を判定手段で判定するステップとを含むことである。
【0008】
この発明の好ましい態様において、判定手段からの出力に基づいて、得られた前記容器から、排出手段によって不良品を排出するステップを更に含む。
【0009】
本発明の容器検査装置は、所定の折り目線を有するウェブ状積層包装材料がチューブ状に成形され、包装材料の両縁部が重ねられてオーバーラップが形成され、オーバーラップで縦線方向に縦シールされて縦シール帯域が形成され、チューブ状包装材料内に食品が充填され、所定間隔毎に包装材料が横断方向に押圧され、横シールにより密封されて横シール帯域が形成され、横シール帯域中間で切断されて枕状予備成形体が得られ、折り目線に沿って折り畳むことにより形成されたフラップ及びフィンが容器頂壁、容器側壁及び/又は容器底面に接合されて得られた容器の検査装置である。
本発明の容器検査装置の特徴は、容器頂壁のフィンが折り畳まれた容器を、連続的に並進させて搬送する搬送手段と、搬送される容器の頂壁のフィン端を覗くように容器の斜め側方向に配設され、照射光を照射する光源と、搬送される容器の頂壁のフィンの上方に配設され、フィン端から反射光を検知する画像センサと、画像センサが検知した反射光のパターンと所定のパターンとの比較によって、容器の良否を判定する判定手段と、前記判定手段からの出力に基づいて、容器のラインから、不良品を排出する排出手段と、を含むことである。
【発明の効果】
【0010】
この発明による容器検査は、以下の容器を検査する。
この発明によって検査される容器は、折り目線を有するウェブ状金属箔積層包装材料をチューブ状に成形し、包装材料の両縁部を重ねてオーバーラップを形成し、オーバーラップで縦線方向に縦シールして縦シール帯域を形成し、チューブ状包装材料内に食品を充填し、所定間隔毎に包装材料を横断方向に押圧し、横シールにより密封して横シール帯域を形成し、横シール帯域中間で切断して枕状予備成形体を得、折り目線に沿って折り畳むことにより形成されたフラップ及びフィンを容器頂壁、容器側壁及び/又は容器底面に接合して製造される。
この容器は、連続的に製造されることができる。ベルトコンベアなどの搬送手段によって、連続的に並進されて搬送され、ストローを容器壁に貼着するストローアプリケータ等を経て、一定数量ごとに梱包される。
【0011】
本発明の容器検査の特徴において、容器頂壁のフィンが折り畳まれた容器を、搬送手段で連続的に並進させて搬送する。
容器頂壁に折り畳まれたフィンは、前もって付された折り目線に沿って容器頂壁に折り畳まれる。しかし、折り目に沿ったとしても折り畳まれる方向によって、次のような態様がある。
図2(A)に、正常に折り畳まれたフィンを有するレンガ型容器を示す。その容器は、折り込まれた横シール帯域のフィン23は、縦シール部分26と反対側の容器前壁面22a側に折込まれ、フラップ24は、稜辺を介して側壁に折り込まれる。
図2(B)に、不良に折り畳まれたフィンを有する容器例を示す。その容器は、フラップ24aは側壁に折り込まれるが、フィン23aが縦シール部分26と同じ側に折込まれている。縦シール部分が重なり、容器壁に大きなストレスを起こさせて漏れの原因を作る恐れがあり、しかも、縦シール部分がかさ張り、容器外観/形状が不細工となる。
図2(C)も、不良に折り畳まれたフィンを有する第2の不良品の容器例を示す。その容器は、フラップ24は一方の側壁で正常な方向に折り込まれるが、他方の側壁でのフラップ24aは逆の方向に折込まれている。フィン23が容器頂部21でねじれたようになり、特に、縦シール部分26付近で立ち上がったようになる。
【0012】
本発明の容器検査において、搬送される容器の頂壁のフィン端を覗くように容器の斜め側方向に照射光を照射する光源を配設し、搬送される容器の頂壁のフィンの上方に、フィン端からの反射光を検知する画像センサを配設する。
容器の斜め側方向に光源を配設して照射光を発する。その光線は容器頂壁のフィンを、特にフィン端を照らす。通常、包装積層材料は、プラスチックフィルムや紙基材、及び基材両面に積層されたポリエチレン樹脂外層が積層された可撓性の積層体から成り、基材と外層との間にアルミニウム箔などのバリア層などが形成され、更に、包装容器の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0013】
フィン端には、紙基材、プラスチック層、アルミニウム箔、インキ層などの端面が露出し、この端面に光源からの光が直接に当たると、実質的に乱反射する。容器の頂壁のフィンの上方に配設する画像センサでフィン端からのこの反射光を検知することができる。
他方、端面に光源からの光が当たらないと、乱反射することもなく、容器の頂壁面及びフィン面を全反射して、容器の頂壁のフィンの上方に配設する画像センサでフィン端から反射光を検知しない。
【0014】
本発明の容器検査において、画像センサが検知した反射光のパターンと所定のパターンとの比較によって、容器の良否を判定手段で判定する。
図2に例示するように、折り畳まれる方向によって、フィンの良否の態様があり、図から容易に理解されるように、フィン端のパターンもそれぞれの態様を有する。フィン端のパターンとフィン端から反射光のパターンとは相関関係があり、その関係を基に、所定のパターンを設定し、画像センサが検知した反射光のパターンとその所定のパターンとの比較によって、容器のフィンの接合状態やシール状態の良否を判定することができる。
【0015】
本発明の容器検査装置において、判定手段からの出力に基づいて、得られた前記容器から、排出手段によって不良品を排出する。
連続的に搬送される容器及び定期的な抜き取った容器を検査し、装置で自動的に不良品を排出するので、作業員による手作業を要せず、作業員の個人差、差異がなく、正確な検査結果が可能になる。
この容器検査装置によって、容器を正確に品質検査することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明の容器検査装置例の動作を説明する概念図である。図2は、この発明の容器検査装置が検査する対象の容器例の外観図である。図3は、この発明の容器検査装置例による反射光のパターン図である。図4は、この発明の容器検査装置で検査する対象の容器例の成形過程を示す斜視図である。図5は、一実施例の容器検査装置を備えた包装充填装置の概略斜視図である。
【0017】
図5に示されるように、ウェブ状(帯状)の包装積層材料1は、リールの状態で包装充填装置に収容される。包装積層材料1は、紙基材、及び該紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔などのバリア層が形成され、包装容器14の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0018】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段としての送り装置によって連続的に搬送され、ベンディングローラ、ダンパローラ等を経て、シーリングテープ貼着装置3に送られ、シーリングテープ貼着装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってシーリングテープ2が貼着される。
帯状包装積層材料1の縁部にシーリングテープ2を接合する際、帯状包装積層材料とシーリングテープ2とを挟んで、一方側に、プレッシャローラを配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを配設する。
包装積層材料が搬送されるに伴って、プレッシャローラ及びカウンタローラが包装積層材料及びシーリングテープを挟んだ状態で押圧されて回転させ、縦シール部の合せ面がシールされ接着される。
【0019】
続いて、包装積層材料1は、必要に応じて、プルタブ貼着装置によってプルタブが貼着されてる。包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフ5に送られ、エアナイフ5によって乾燥させられた後、無菌室40に送られる。そして、包装積層材料1は、上部成形リング6、その他の成形リングによって徐々に変形させられてチューブ状(筒状)の形状にされる。包装積層材料1は、縦シール装置8によって縦方向にシールされ、充填パイプ7を介して供給された流動性食品が包装積層材料1内に充填される。
【0020】
チューブ状に成形された包装積層材料の両縁部同士を、縦シール装置によってシーリングテープと共に押し当てて縦シールする際、帯状包装積層材料の一の縁部と他方の縁部とを挟んで、一方側に、プレッシャローラを回転自在に配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを回転自在に配設し、縦シール部の合せ面がシールされ接着される。
【0021】
チューブ状包装積層材料は、ローラによって案内され、横シール装置10に送られ、挟まれて横方向にシールされ、横シールされた包装積層材料12は、ナイフなどで切断されて枕状予備成形体13が形成される。
図4(A)に示すように、枕状予備成形体13は、横シール帯域のフィン23と縦シール部分26とで密封され、折り目線で区分された側壁22を有する。次いで、図4(B)に示すように、折り目線に沿って、枕状予備成形体の本体部分が直方体形状に成形され、稜辺端部には、横シール帯域のフィン23とフラップ24とが器壁から直立するように形成される。最後に、図4(C)に示すように、横シール帯域のフィン23を底面20と頂面21とに折り畳んだ後、容器頂部側フラップ24は、側壁22に、容器底部側フラップ24は、底面20に、折り込まれる。
枕状予備成形体13は、最終成形装置によって最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が完成する。
【0022】
図5に示す包装充填装置例では、容器検査装置を備える。
包装充填装置から連続的に製造された容器を、容器検査装置で検査して判定手段17が良否を判定し、判定手段17からの出力に基づいて排出手段18によって、製造ライン上から不良品の容器を排出する。
【0023】
図1に、この発明の容器検査装置例の動作を説明する概念図を示す。図2に、この容器検査装置例が検査する対象の容器例の外観図を示す。図3は、この容器検査装置例による図2に示す容器例の反射光のパターン図である。
図2(A)に、正常なレンガ型液体食品充填紙製容器を示す。その容器は、折り込まれた横シール帯域のフィン23及び容器壁を有し、フィン23は、縦シール部分26と反対側の容器前壁面22a側に折込まれる。更に、稜辺を介して側壁に折り込まれたフラップ24を備える。
図2(B)に、不良品の容器例を示す。その容器は、フラップ24aは側壁に折り込まれるが、フィン23aが縦シール部分26と同じ側に折込まれている。容器壁に大きなストレスを起こさせて漏れの原因を作る恐れがあり、しかも、容器外観/形状が不細工となる。
図2(C)に、第2の不良品の容器例を示す。その容器は、フラップ24は一方の側壁で正常な方向に折り込まれるが、他方の側壁でのフラップ24aは逆の方向に折込まれている。フィン23が容器頂部21でねじれたようになり、縦シール部分26付近で立ち上がったようになる。
【0024】
図1、図5に示す容器検査装置例は、容器頂壁のフィンが折り畳まれた容器14を、連続的に並進させて搬送するベルトコンベアなどの搬送手段19と、搬送される容器の頂壁のフィン端を覗くように容器の斜め側方向に配設され、照射光を照射する光源30と、搬送される容器の頂壁のフィンの上方に配設され、フィン端から反射光を検知する画像センサ31と、画像センサ31が検知した反射光32のパターンと所定のパターンとの比較によって、容器の良否を判定する判定手段17と、判定手段17からの出力に基づいて、容器のラインから、不良品を排出する排出手段18とを備える。
図1に示す容器検査装置例では、容器14は、図面の面上を裏から表に垂直に搬送手段(図示せず)で搬送される。
【0025】
図1(A)に示す容器例の検査装置例の動作は、フィン23が容器前壁面22a側に折込まれる正常な容器(図2(A))を検査するときの動作機能である。容器14は、図面の面上を裏から表に垂直に搬送される。
容器14の斜め側方向に光源30を配設して照射光34を発する。その光線34は容器頂壁のフィン23を、特にフィン端を照らす。包装積層材料は、紙基材及び基材両面に積層されたポリエチレン樹脂外層、アルミニウム箔からなり、フィン端23には、紙基材、プラスチック層、アルミニウム箔、インキ層などの端面が露出し、この端面は、ナイフなどにより鋭利に切断され、この端面に光源30からの光が直接に当たると、強く乱反射する。容器の頂壁のフィンの上方に配設する画像センサ31でフィン端からこの反射光32を検知することができる。
【0026】
この発明で用いることのできる画像センサは、コントラストの強い単純な画像、例えば、真っ暗な中に1本の明るい線がある画像の認識であるため、通常の画像処理システムに用いられる高価な画像センサを要しない。例えば、監視用白黒カメラでも十分である。
【0027】
図1(B)に示す容器例の検査装置例の動作は、フィン23aが縦シール部分26側に折込まれる不良な容器(図2(B))を検査するときの動作機能である。容器14は、図面の面上を裏から表に垂直に搬送される。
容器14の斜め側方向に光源30を配設して照射光34を発する。その光線34は容器頂壁面及びフィン23a面の表面を照らす。包装積層材料は、外面にインキ層が印刷され、その面に光源30からの光が直接に当たると、実質的に全反射する。容器の頂壁のフィンの上方に配設する画像センサ31には殆どフィン端からこの反射光を検知しない。
【0028】
図1(C)に示す容器例の検査装置例の動作は、図1(A)と同じ、フィン23が容器前壁面22a側に折込まれる正常な容器(図2(A))を検査するときの動作機能である。
検査装置例の画像センサ31では、カメラ31の視野33を正常容器のフィンのみ撮影する小さな窓33にしてある。このような視野に設定することで、逆折れ(図2(B)に示す容器例)、ねじれ(図2(C)に示す容器例)の場合と明瞭に識別、判定することができる。
【0029】
図3に、図1(C)に示す容器例の検査装置例による検出された反射光のパターンを示す。
図3(A)は、フィン23が容器前壁面22a側に折込まれる正常な容器(図2(A))を検査するときの反射光のパターンである。フィン端が直線であるので、明るい一本の線が検知される。
【0030】
図3(B)は、フィン23が縦シール側に折込まれる逆折れ不良容器(図2(B))を検査するときの反射光のパターンである。反射光が検知されず、黒い画像のみである。
図3(C)は、フラップは一方の側壁で正常な方向に折り込まれるが、他方の側壁でのフラップは逆の方向に折込まれている。フィンが容器頂部でねじれたようになり、縦シール部分26付近で立ち上がったようになる不良容器(図2(C))を検査するときの反射光のパターンである。フィンがカメラの視野内で曲がるので、明るい線が、窓の端に移動し、かつ傾いた線として現れる。
【0031】
容器検査例において、画像センサ31が検知した反射光のパターンと、既知の所定のパターンとの比較によって、容器の良否を判定手段17で判定する。
上述のように、折り畳まれる方向によって、フィンの良否の態様があり、フィン端のパターンもそれぞれの態様を有し、フィン端のパターンとフィン端から反射光のパターンとは相関関係があり、その関係を基に、所定のパターンを設定し、画像センサが検知した反射光のパターンとその所定のパターンとの比較によって、容器のフィンの接合状態やシール状態の良否を判定する。
【0032】
次いで、この容器検査装置例において、判定手段17bからの出力に基づいて、図5に示すように、製造された容器のラインから、排出手段18によって不良品を排出する。
連続的に搬送される容器及び定期的な抜き取った容器を検査し、装置で自動的に不良品を排出するので、作業員による手作業を要せず、作業員の個人差、差異がなく、正確な検査結果が可能になる。
【0033】
上述に実証されるように、本発明の容器検査装置・方法は、容器を正確に品質検査することができる。
また、通常のCCDカメラを使用すると容器のデザインの明暗、金属光沢によって誤動作を起こしたり、設定変更が必要になる。しかし、この発明のように光源を特定の位置に配置することにより、上記影響を受けずに測定できる。
しかも、この発明では、コントラストの強い単純な画像を認識するだけであるため、通常の画像処理システムの高価な画像センサを必要としない。
【0034】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
この発明の方法/装置によって、牛乳、ジュース、ミネラルウォーターなどの飲料、流動食品などの包装容器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の容器検査装置例の動作を説明する概念図である。
【図2】この発明の容器検査装置が検査する対象の容器例の外観図である。
【図3】この発明の容器検査装置例による反射光のパターン図である。
【図4】この発明の容器検査装置で検査する対象の容器例の成形過程を示す斜視図である。
【図5】一実施例の容器検査装置を備えた包装充填装置の概略斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
14 容器
17 判定手段
23 フィン
30 光源
31 画像センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の折り目線を有するウェブ状積層包装材料がチューブ状に成形され、該包装材料の両縁部が重ねられてオーバーラップが形成され、該オーバーラップで縦線方向に縦シールされて縦シール帯域が形成され、該チューブ状包装材料内に食品が充填され、所定間隔毎に該包装材料が横断方向に押圧され、横シールにより密封されて横シール帯域が形成され、横シール帯域中間で切断されて枕状予備成形体が得られ、該折り目線に沿って折り畳むことにより形成されたフラップ及びフィンが容器頂壁、容器側壁及び/又は容器底面に接合されて得られた容器について、該容器を検査する方法であって、
容器頂壁の該フィンが折り畳まれた該容器を、搬送手段で連続的に並進させて搬送するステップと、
搬送される容器の頂壁の該フィン端を覗くように容器の斜め側方向に照射光を照射する光源を配設し、搬送される容器の頂壁の該フィンの上方に、該フィン端からの反射光を検知する画像センサを配設するステップ、
画像センサが検知した反射光のパターンと所定のパターンとの比較によって、該容器の良否を判定手段で判定するステップと、
を含む容器検査方法。
【請求項2】
前記判定手段からの出力に基づいて、前記容器から、排出手段によって不良品を排出するステップを更に含む、請求項1記載の容器検査方法。
【請求項3】
所定の折り目線を有するウェブ状積層包装材料がチューブ状に成形され、該包装材料の両縁部が重ねられてオーバーラップが形成され、該オーバーラップで縦線方向に縦シールされて縦シール帯域が形成され、該チューブ状包装材料内に食品が充填され、所定間隔毎に該包装材料が横断方向に押圧され、横シールにより密封されて横シール帯域が形成され、横シール帯域中間で切断されて枕状予備成形体が得られ、該折り目線に沿って折り畳むことにより形成されたフラップ及びフィンが容器頂壁、容器側壁及び/又は容器底面に接合されて得られた容器の検査装置であって、
容器頂壁の該フィンが折り畳まれた該容器を、連続的に並進させて搬送する搬送手段と、
搬送される容器の頂壁の該フィン端を覗くように容器の斜め側方向に配設され、照射光を照射する光源と、
搬送される容器の頂壁の該フィンの上方に配設され、該フィン端から反射光を検知する画像センサと、
画像センサが検知した反射光のパターンと所定のパターンとの比較によって、該容器の良否を判定する判定手段と、
前記判定手段からの出力に基づいて、前記容器から、不良品を排出する排出手段と、
を含む容器検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2008−150104(P2008−150104A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343011(P2006−343011)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】