説明

容器蓋の製造方法

【課題】工場の省スペース化、並びに作業効率の向上を図ると共に、製造コストをも縮減することが可能な容器蓋の製造方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂並びにエラストマーを混合させてなる線状のパッキン12を、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝11の周長に応じた長さに切断し、切断したパッキン12を嵌合溝11に巻回させることにより嵌合し、嵌合溝11に巻回されてなるパッキン12の両端面12a間に融点以上に加熱された加熱部材72を挿入し、パッキン12の両端面12aを加熱部材72の各側面に押し付けることによりこれらを溶融させ、加熱部材72をパッキン12の両端面12a間より外側へ移動させ、上記パッキンの両端面12aを互いに押し付けて溶着させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペール缶又はドラム缶用の容器蓋であって、特に周縁に形成された嵌合溝にパッキンが充填された容器蓋の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペール缶やドラム缶等の収納缶が従来から広く用いられている。この収納缶は、薬品や塗料、オイル等をはじめとした各種液体の保管や運搬等の用途に利用される。また、この収納缶は、通常断面円形状に構成されてなるとともに上部に開口部を有し、当該開口部を円形の容器蓋によって密閉可能とされている。
【0003】
ちなみに、この容器蓋には、収納缶本体を嵌め込むための嵌合溝が円環状に形成されてなり、この嵌合溝には、容器内部の気密性や液密性を維持するために樹脂製及びゴム製のパッキンが設けられている場合が多い。
【0004】
従来においては、容器蓋に設けられた嵌合溝にパッキンを容易に形成でき、しかも製造設備の省スペース化や省エネルギー化も実現可能なパッキン付き容器蓋の製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
この特許文献1に開示されている容器蓋では、発泡剤を添加した熱可塑性樹脂を押出機の内部で加熱溶融し、加熱溶融された熱可塑性樹脂をノズルから吐出した直後に発泡させ、パッキンを構成する発泡体を嵌合溝に充填するものである。そして、この充填された溶融状態のパッキンを冷却させることにより、これを固化させ、嵌合溝に対して強固に取り付けられることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−100452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した特許文献1の開示技術では、溶融状態のパッキンが冷却されて完全に固化するまでの間、あくまでパッキンが充填された容器蓋の状態でこれを保管しなければならない。この冷却の間は、容器蓋を段状に積重ねると、溶融状態のパッキンに直上の容器蓋の嵌合溝の底面が接触してしまう場合もある。このため、パッキンが冷却固化されるまでの間、容器蓋を段状に積み重ねることなく並べて配置しなければならず、大量生産時においては、この容器蓋を並べて冷却させるための広大な冷却スペースが設けなければならず、工場内の省スペース化を図る上で大きな障壁となっていた。
【0008】
また作業員は、パッキンが冷却固化されるまでの間、パッキンが溶融状態で充填されている容器蓋をより注意深く取り扱わなければならず、しかも冷却スペースに容器蓋の状態で持ち運びを行う必要があり、作業労力の負担が増大してしまうという問題点があった。
【0009】
このため、上述した工場の省スペース化、並びに作業効率の向上を図る観点からは、パッキンのみを容器蓋とは別個独立して製作し、完全に固化された状態のパッキンを後から容器蓋に取り付ける工法とすることが望ましい。
【0010】
しかしながら、かかる工法において、パッキンは、通常、予め線状に成形した成形体の両端を接続することにより環状にされた上で、容器蓋に設けられた嵌合溝に手作業により嵌め込む必要があった。このため、容器蓋を大量に生産する過程において、特にパッキンを環状に形成する作業や、嵌め込み作業に要する労力の負担が増大し、製造コストの縮減化への障壁となっていた。
【0011】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、パッキンを容器蓋に装着する前に予め冷却固化し、完全にパッキンが固化した後に容器蓋に取り付ける工法を実現することで、工場の省スペース化、並びに作業効率の向上を図ると共に、製造コストをも縮減することが可能な容器蓋の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願請求項1記載の発明は、ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを含み、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さからなる線状で構成されたパッキンを上記嵌合溝に巻回させることにより嵌合し、上記嵌合溝に巻回されてなるパッキンの両端面間に上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材を挿入し、上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面に押し付けることによりこれらを溶融させ、上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面から離間させ、上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させることを特徴とする。
【0013】
本願請求項2記載の発明は、ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを含み、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さからなる線状で構成されたパッキンを上記嵌合溝に巻回させることにより嵌合し、上記嵌合溝に巻回されてなるパッキンの両端面間に上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材を挿入し、上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面に押し付けることによりこれらを溶融させ、上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させることを特徴とする。
【0014】
本願請求項3記載の発明は、ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを含み、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さからなる線状で構成されたパッキンを弧状に折り曲げてその両端面を互いに対面させ、上記パッキンの両端面間に上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材を挿入し、上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面に押し付けることによりこれらを溶融させ、上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面から離間させ、上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させて環状とした後、上記容器蓋の嵌合溝にこれを嵌合させることを特徴とする。
【0015】
本願請求項4記載の発明は、ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを含み、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さからなる線状で構成されたパッキンを弧状に折り曲げてその両端面を互いに対面させ、上記パッキンの両端面間に上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材を挿入し、上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面に押し付けることによりこれらを溶融させ、上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させて環状とした後、上記容器蓋の嵌合溝にこれを嵌合させることを特徴とする。
【0016】
本願請求項5記載の発明は、請求項1〜4のうち何れか1項記載の発明において、熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを混合させてなる線状のパッキンを、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さに切断する工程を有することを特徴とする。
【0017】
本願請求項6記載の発明は、ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを混合させてなる線状のパッキンを上記嵌合溝に巻回させることにより嵌合し、上記嵌合溝に巻回されてなる線状のパッキンを、その融点以上に加熱された加熱部材により、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さに切断するとともにこれらを溶融させ、上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させることを特徴とする。
【0018】
本願請求項7記載の発明は、ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを混合させてなる線状のパッキンを螺旋状に折り曲げ、上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材により、上記パッキンを当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さに切断するとともにこれらを溶融させ、上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させて環状とした後、上記容器蓋の嵌合溝にこれを嵌合させることを特徴とする。
【0019】
本願請求項8記載の発明は、請求項1〜7のうち何れか1項記載の発明において、上記溶着されたパッキンの接合部分に対して、当該パッキンの融点以上に加熱された型体を押圧することを特徴とする。
【0020】
本願請求項9記載の発明は、請求項1〜8のうち何れか1項記載の発明において、上記パッキンを上記嵌合溝に嵌合する前又は嵌合と同時に、上記パッキン又は上記嵌合溝に接着剤を塗布することを特徴とする。
【0021】
本願請求項10記載の発明は、請求項1〜9のうち何れか1項記載の発明において、上記パッキンの断面外周を溶融させ、これを冷却固化させることにより表面を平滑化させた平滑層を形成させることを特徴とする。
【0022】
本願請求項11記載の発明は、請求項1〜10のうち何れか1項記載の発明において、断面外周が非発泡性の熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーからなり、断面内側が発泡性の熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーからなるパッキンを用いることを特徴とする。
【0023】
本願請求項12記載の発明は、請求項1〜11のうち何れか1項記載の発明において、断面中空状とされたパッキンを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
上述した構成からなる本発明によれば、パッキンのみを容器蓋とは別個独立して製作し、完全に固化された状態のパッキンを後から容器蓋に取り付ける工法とすることができる。このため、従来技術の如く嵌合溝において溶融状態になっているパッキンを冷却固化させるために容器蓋を並べるための広大な冷却スペースが不要となり、工場内の省スペース化を図ることが可能となる。また従来技術のように、作業員は、パッキンが冷却固化されるまでの間、パッキンが溶融状態で充填されている容器蓋をより注意深く取り扱う必要も無くなり、作業労力の負担を軽減させることが可能となる。
【0025】
また本発明では、パッキンを環状にする作業や、嵌合溝にパッキンを嵌め込む作業を手作業で行うことなく自動化されたラインで行うことができる。このため、容器蓋を大量に生産する過程において、特にパッキンを環状に形成する作業や、嵌め込み作業に要する労力の負担を軽減させることが可能となり、製造コストの抑制も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明を適用した容器蓋の製造方法により製造される容器蓋並びにこの容器蓋により閉蓋されるペール缶の斜視図である。
【図2】円環状に形成された嵌合溝に、樹脂製のパッキンを設けた構成を示す図である。
【図3】加熱溶融したパッキン用の樹脂を製造する方法について説明するための図である。
【図4】パッキンを容器蓋の嵌合溝に嵌合するラインの正面図である。
【図5】パッキンを容器蓋の嵌合溝に嵌合するラインの平面図である。
【図6】嵌合ユニットの詳細な構成を示す図である。
【図7】溶着ユニットの詳細な構成を示す図である。
【図8】パッキンの熱溶着の方法について説明するための図である。
【図9】バリ除去ユニットの構成を示す図である。
【図10】パッキンの熱溶着の他の方法について説明するための図である。
【図11】パッキンの他の切断方法並びにパッキンの両端面を溶着することにより環状とする他の方法について説明するための図である。
【図12】パッキンについて他の断面形状を適用する場合について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を実施するための形態として、ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
図1に本発明を適用した容器蓋の製造方法により製造される容器蓋1並びにこの容器蓋1により閉蓋されるペール缶2を示す。ペール缶2は、断面円形状に構成されてなるとともに上部に開口部を有し、当該開口部を円形の容器蓋1によって密閉可能とされている。ペール缶2は、薬品や塗料、オイル等をはじめとした各種液体の保管や運搬等の用途に利用され、最上部に位置する開口部外側に形成された固定縁部21と、固定縁部21の下段において外側に突出形成された湾曲形状のビード22とを備え、缶底部には地板23が巻き締められて構成されている。
【0029】
また容器蓋1は、図2に示すように、ペール缶2本体に嵌め込むための嵌合溝11が円環状に形成されてなり、この嵌合溝11には、容器内部の気密性や液密性を維持するために樹脂製のパッキン12が設けられている。
【0030】
嵌合溝11は、容器蓋1を構成する鉄板を湾曲形状に折り曲げることにより構成されてなる。またパッキン12は、嵌合溝11に対して密着して充填されてなる。パッキン12の断面形状は、例えば断面略円形状、断面半円状等、いかなる形状で構成されていてもよい。パッキン12の材料は、熱可塑性樹脂及び/又は発泡剤からなる。このパッキン12に使用される熱可塑性樹脂としては、いかなる種類のもので構成されていてもよいが、例えば、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリエステル系、ポリアミド系、エチレン酢酸ビニル系、アイオノマー系、ポリスチレン系、ABS樹脂系、AS樹脂系、アクリル樹脂系等であってもよい。また、このパッキン12の材料は、エラストマーも混合されており、ポリウレタン系、ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリ塩化ビニル系、1.2ポリブタジエン系などの各種の熱可塑性エラストマーを用いることも可能である。
【0031】
この熱可塑性樹脂としては、特にポリオレフィンを用いるのが望ましい。ポリオレフィンは、一般に柔軟性、耐薬品性及び成形性に優れ、低コストであり、廃棄に際して焼却する場合にも有害ガスを発生しないので望ましい。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが用いられるが、とくにポリエチレンが望ましい。ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、LLDPEなどが用いられるが、柔軟性、成形性、発泡性の点からは、低密度ポリエチレンが好適である。ポリエチレン、ポリプロピレンは、他のモノマーが共重合された共重合体であってもよい。本実施態様においては、これらの樹脂の中でも、低密度ポリエチレンを採用している。熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーは、溶融成形性が阻害されない範囲で架橋されていてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーは、架橋ゴム粒子や無機フィラーなどを配合してもよい。
【0032】
なお、このパッキン12を構成する熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーには、更に発泡剤が添加されていてもよい。この発泡剤としては、粉末状とされている、例えばアゾジカルボン酸アミドのような有機系化学発泡剤や、重炭酸塩のような無機系化学発泡剤を用いてもよい。また、発泡成分を内包したマイクロカプセルを用いることもできる。このような粉末状の発泡剤は、粉体のままで、あるいはマスターバッチペレットとして、熱可塑性樹脂ペレットと同時に投入される。また、この発泡剤としては、例えばガス内包のマイクロバルーンタイプ等を用いるようにしてもよい。また上述した発泡剤は、液体又は気体で構成されるものであってもよい。
【0033】
次に、上述した構成からなる容器蓋1の製造方法について説明をする。
【0034】
先ず、パッキン12の製造方法について説明をする。パッキン12は、例えば図3に示すように、熱可塑性樹脂40をノズル30から線状に押出される。熱可塑性樹脂40は、上述した材料系から構成され、ペレットの状態で熱可塑性樹脂投入部31に投入され、押出機32の内部で加熱溶融される。押出機32の内部で加熱溶融された熱可塑性樹脂40には、気体又は液体の発泡剤41が添加されていてもよい。発泡剤41の添加は、発泡剤圧入部34から押出機32の内部に発泡剤41を圧入することによって行うようにしてもよい。なお、この発泡剤41の添加は省略するようにしてもよい。
【0035】
押出機32の内部で加熱溶融された熱可塑性樹脂40は、ノズル30から線状に吐出される。熱可塑性樹脂40の溶融温度は、通常、100〜300℃であるが、使用する熱可塑性樹脂40に応じて異なるのは勿論である。
【0036】
次に、この線状に吐出された熱可塑性樹脂40を冷却固化させる。その結果、線状のパッキン12が形成されることになる。この線状のパッキン12は、例えば図示しないローラーに対してコイル状に巻回された状態で保管されるようにしてもよい。
【0037】
次に、この形成されたパッキン12を容器蓋1の嵌合溝11に嵌合させる。このパッキン12の嵌合溝11への嵌合は、例えば図4、5に示すようなライン5を通じて行われる。この図4はライン5の側面図を、また図5は、ライン5の平面図を示している。
【0038】
先ずローラー51にコイル状に巻回されている状態にある線状のパッキン12は、ローラー52a、52bを介して切断ユニット53へと搬送される。このパッキン12における切断ユニット53への搬送は、搬送用ローラー54により当該パッキン12を上下から挟み込み、搬送用ローラー54を回転させることにより行う。
【0039】
切断ユニット53は、上下に駆動自在な切断刃56が設けられており、搬送されてくる線状のパッキン12を所定間隔で切断する。切断時において、この切断刃56を下降させることにより、パッキン12を切断することが可能となる。切断を終了させた後、切断刃56を上昇させる。この切断刃56の上昇、下降は、例えば図示しないシリンダ、電動スライダーや、各種単軸ロボット等を始めとした機構に基づいて実行するようにしてもよい。また、切断刃56の上下駆動のタイミング等は、例えばコンピュータによる自動制御により行われるようにしてもよい。
【0040】
ちなみに、この切断ユニット53では、容器蓋1の周縁に形成された嵌合溝11の周長に応じた長さとなるようにパッキン12を切断する。実際に、このパッキン12の切断長さは、嵌合溝11の周長とほぼ同一か、或いは若干短い長さとされていればよい。
【0041】
次にパッキン12を嵌合溝11に嵌合させる工程に移行する。この嵌合工程は、切断ユニット53において所定長に切断したパッキン12を嵌合ユニット57へ搬送し、当該嵌合ユニット57において実行する。
【0042】
図6は、嵌合ユニット57の詳細な構成を示している。嵌合ユニット57は、容器蓋1を載置させて回転させるための回転部64と、線状のパッキン12を搬送するための搬送用ローラー61並びに位置調整を行うための位置調整ローラー62とを備えている。
【0043】
この嵌合ユニット57では、先ず回転部64の上に容器蓋1を嵌合溝11が上向きとなるように載置する。このとき、回転部64の回転中心に容器蓋1の中心が位置するように設置されることになる。
【0044】
次に、この回転部64を回転させることにより容器蓋1を図中矢印方向に回転させる。これとともに、嵌合ユニット57へ搬送されてきたパッキン12を搬送用ローラー61間に狭持しつつこれを回転させることにより送り出し、更に回転自在な位置調整ローラー62により位置調整が行われた状態で嵌合溝11へと搬送されていくことになる。搬送用ローラー61の回転によるパッキン12の搬送速度と、回転部64の回転に基づく容器蓋1の回転速度とを調整することにより、パッキン12を容器蓋1の嵌合溝11へ順次挿入させていくことが可能となる。パッキン12は、切断ユニット53において、嵌合溝11の周長に応じた長さとされていることから、ちょうど容器蓋1を一回転させることにより、パッキン12をその嵌合溝11に嵌合させることが可能となる。
【0045】
次に、このパッキン12を嵌合溝11に勘合させた容器蓋1を溶着ユニット58へ搬送する。この搬送は、例えばベルトコンベアの如き構成を介して実行するようにしてもよいし、レールを介して搬送するようにしてもよい。
【0046】
図7は、かかる溶着ユニット58の構成を示している。溶着ユニット58は、嵌合溝11に嵌合されたパッキン12を、容器蓋1の周方向Aに向けて移動させるための移動機構71と、嵌合溝11内に加熱部材72を挿入自在に構成した加熱機構73とを備えている。
【0047】
移動機構71は、図7(b)中のB方向にスライド自在に構成されている押圧部75が設けられている。この押圧部75を下方向にスライドさせると、嵌合溝11に嵌合されたパッキン12に接触することになる。そして、この押圧部75における、パッキン12に対する接触端75aは、面取りが施されており、しかも摩擦係数が高くなるような処理が施されている。このため、この押圧部75をパッキン12に接触させた状態でこれを図中B方向に上下スライドさせることにより、パッキン12は、かかる接触端75aを滑ることなく、図7(a)中のA方向へ自在に移動させることが可能となる。なお、この押圧部75の上下スライドは、例えばシリンダ等の機構を介して行うようにしてもよいが、これに限定されるものではなく、例えば電動スライダーや、各種単軸ロボット等、他のいかなる周知技術を用いて駆動させるようにしてもよい。また、この移動機構では、押圧部75の代替として、例えば周知の把持機構によりパッキン12を把持してこれをA方向へ自在に移動させるようにしてもよいし、また周知の吸引手段によりパッキン12を吸引しつつA方向へ自在に移動させるようにしてもよい。
【0048】
加熱機構73は、加熱部材72を上下に駆動可能な機構を備えている。またこの加熱機構73は、加熱部材72に対して加熱するためのシステムが設けられている。加熱部材72は、金属製からなり、加熱機構73を介して少なくともパッキン12の融点以上となる温度まで加熱される。加熱機構72は、後述するように、パッキン12の端面が面接触可能なように少なくとも断面矩形状で構成されている必要がある。また、加熱機構73による加熱部材72の加熱は、例えば加熱部材72の中に図示しないヒーターを内蔵し、当該図示しないヒーターを加熱することにより加熱部材72の温度を上昇させるようにしてもよい。
【0049】
本発明を適用した容器蓋の製造方法では、このような構成からなる溶着ユニット58により、以下に説明するような方法でパッキン12を熱溶着する。
【0050】
先ず図8(a)に示すように、嵌合溝11に巻回されてなるパッキン12の両端面12a間に加熱部材72を挿入する。このパッキン12は、嵌合溝11において既に巻回されている状態にあり、またパッキン12の各端面12aは互いに対面している状態にある。また、端面12aにおいて加熱部材72を挿入することができる程度の間隙が予め設けられていることが望ましい。この加熱機構73は、この加熱部材72の挿入時にまでに、パッキン12の融点以上となるように加熱部材72を予め加熱することが望ましい。加熱機構73による加熱部材72の挿入は、例えば加熱機構73内に設けられたシリンダ、電動スライダーや、各種単軸ロボット等の駆動手段に基づいて実行するようにしてもよい。
【0051】
次に図8(b)に示すように、パッキン12をそれぞれ図中矢印方向へと移動させる。このパッキン12の移動は、上述した移動機構71を介して行う。具体的には、移動機構71における押圧部75を下方向にスライドさせることにより、これに接触したパッキン12が図中矢印方向へと摺動していくことになる。その結果、図8(b)に示すように、パッキン12の両端面12aを加熱部材72の各側面72aに押し付けられることになる。このような押し付けを実現するためには、パッキン12の両端面12aと、加熱部材72の各側面72aとが互いに平行となっている必要があるところ、加熱部材72の断面は矩形状とされていることが望ましい。加熱部材72がパッキン12の融点以上に加熱されていることから、加熱部材72に押し付けられたパッキン12の両端面12aは、溶融することになる。
【0052】
次に図8(c)に示すように、パッキン12をそれぞれ図中矢印方向へと移動させることにより、パッキン12の両端面12aを加熱部材72の各側面72aから離間させる。具体的には、移動機構71における押圧部75を上方向にスライドさせることにより、弾性部材としてのパッキン12の復元力により図中矢印方向に戻ろうとする力が作用し、パッキン12の両端面12aを加熱部材72から離間させることが可能となる。次に、この加熱部材72をパッキン12の両端面12a間より外側へ移動させる。加熱機構73による加熱部材72の外側への移動は、例えば加熱機構73内に設けられたシリンダ、電動スライダーや、各種単軸ロボット等等の駆動手段に基づいて加熱部材72を上方に引き上げることにより行うようにしてもよい。その結果、パッキン12の各端面12aは互いに対面して、しかもその間には、加熱部材72が存在していない状態となる。
【0053】
次に図8(d)に示すように、パッキン12をそれぞれ図中矢印方向へと移動させる。このパッキン12の移動は、上述した移動機構71を介して押圧部75を下方向にスライドさせることにより、これに接触したパッキン12を図中矢印方向へ移動させることにより行う。その結果、図8(d)に示すように、パッキン12の両端面12aを互いに押し付けて溶着させることが可能となる。なお、パッキン12の両端面12aは上述した加熱部材72への押し付けにより、溶融している状態となっている。このため、パッキン12の両端面12aを互いに押し付けることにより、この溶融した端面12a間を溶着させることが可能となる。
【0054】
なお、パッキン12の両端面12aが加熱部材72から離間した時点から、最終的な溶着に至るまでの時間は、例えば3秒以内に行うようにすることが望ましい。かかる時間があまりに長い場合には、一度溶融させたパッキン12の両端面12aが冷却されて固化してしまい、溶着ができなくなるためである。上述した各動作は、移動機構71による押圧部75のスライドや加熱機構73による加熱部材72の上下駆動を介して行うが、これらのタイミングは、何れもPC(パーソナルコンピュータ)を始めとした中央制御ユニットを介してプログラミングされることになる。このため、パッキン12の両端面12aの加熱部材72への接触から、最終的な溶着に至るまでの時間を、実際にパッキン12の端面12aが冷却固化前となるように設定することで、上述した溶着を確実に実行することになる。この溶着処理を完了させることで、パッキン12を環状に構成することが可能となる。
【0055】
このようにして、パッキン12の両端面12a間の溶着を終了させた後、容器蓋1をバリ除去ユニット59へと搬送する。この搬送は、例えばベルトコンベアの如き構成を介して実行するようにしてもよいし、レールを介して搬送するようにしてもよい。
【0056】
図9(a)は、バリ除去ユニット59の構成を示している。バリ除去ユニット59は、パッキン12に対して実際に押圧するための型体81と、この型体81を上下に駆動させるための駆動機構82とを備えている。型体81には図示しないヒーターが内蔵されており、パッキン12の融点以上の温度まで型体81を加熱可能な構成とされている。型体81の底面には下側へ凸状に設けられた凸部83が設けられおり、この凸部83を介してパッキン12を上から押圧可能な形状で構成される。
【0057】
また駆動機構82は、この下部に設けられた型体81を上下に駆動自在なシリンダ、電動スライダーや、各種単軸ロボット等を始めとした周知の駆動手段からなる。
【0058】
実際にこのバリ除去ユニット59によりパッキン12のバリを除去するためには、先ず、この型体81における凸部83の直下に、パッキン12の両端面12aの接合部分が位置するように制御する。この制御は、例えばバリ除去ユニット59に設けられたターンテーブル85を回転させることにより実行するようにしてもよい。
【0059】
次に、駆動機構82により型体81を下降させる。その結果、図9(b)に示すように、パッキン12の端面12aの上から型体81における凸部83の底面が接触することになる。型体81は、既にパッキン12の融点以上の温度まで加熱されている。このため、仮にパッキン12の両端面12aの接合部分においてバリが形成されていたとしても、そのバリを型体81の凸部83を介して押圧することにより、これを溶かすことができ、ひいてはバリ自体を除去することが可能となる。
【0060】
なお、この型体81における凸部83の底面は、パッキン12の断面形状に応じた形状とされていてもよく、仮にパッキン12の断面が略楕円形状とされていた場合には、その楕円形状に応じた曲率半径を持つ曲面が凸部83底面に形成されていてもよい。
【0061】
上述の如きバリ除去ユニット59におけるバリ除去を終了することにより、嵌合溝11にパッキン12を嵌合させた容器蓋1の製造が完了することになる。なお、上述したライン5では、少なくとも溶着ユニット58のみ備えるものであってもよく、残りの作業は手作業又は省略するようにしてもよい。
【0062】
このように、本発明を適用した容器蓋1の製造方法では、パッキンのみを容器蓋とは別個独立して製作し、完全に固化された状態のパッキンを後から容器蓋に取り付ける工法とすることができる。このため、特許文献1の開示技術のように、嵌合溝11において溶融状態になっているパッキンを冷却固化させるために容器蓋を並べるための広大な冷却スペースが不要となり、工場内の省スペース化を図ることが可能となる。また特許文献1の開示技術のように、作業員は、パッキンが冷却固化されるまでの間、パッキンが溶融状態で充填されている容器蓋をより注意深く取り扱う必要も無くなり、作業労力の負担を軽減させることが可能となる。
【0063】
また本発明では、パッキン12を環状にする作業や、嵌合溝11にパッキン12を嵌め込む作業を手作業で行うことなく自動化されたラインで行うことができる。このため、容器蓋を大量に生産する過程において、特にパッキンを環状に形成する作業や、嵌め込み作業に要する労力の負担を軽減させることが可能となり、製造コストの抑制も可能となる。
【0064】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば図8(b)に示すように、パッキン12の両端面12aを加熱部材72の各側面72aに押し付けて、これを溶融させた後、パッキン12の両端面12aを加熱部材72の各側面72aから離間させる工程を省略するようにしてもよい。かかる場合には、パッキン12の両端面12aを加熱部材72の各側面72aに押し付けた後に、加熱部材72を上昇させて即座に図8(b)に示すように両端面12aを熱圧着させることになる。
【0065】
また、本発明では、パッキン12を環状に形成させた後、容器蓋1の嵌合溝11にその環状のパッキン12を嵌合させるようにしてもよい。かかる場合には、ライン5において、切断ユニット53による切断を完了させた後、嵌合ユニット57では、パッキン12を容器蓋1の嵌合溝11に嵌合することなく、図10に示すように、これを弧状に折り曲げてその両端面12aを互いに対面させる。このとき、嵌合溝11の代替として、例えばこの嵌合溝11とほぼ同一の直径からなる円形の溝89にこのパッキン12を挿入することで形状の矯正を行うようにしても良い。そして、この円形の溝に挿入したパッキン12の両端面12aの溶着並びにバリの除去は、上述した溶着ユニット58やバリ除去ユニット59と同様の方法に基づいて実行するようにしてもよい。得られた環状のパッキン12は、最後に容器蓋1の嵌合溝11に嵌合させることにより、製造が完了することになる。
【0066】
また、パッキン12の切断方法並びにパッキン12の両端面12aを溶着することにより環状とする方法は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、図11(a)に示すように、ローラー51にコイル状に巻回されている状態にある線状のパッキン12をそのまま弧状に折り曲げる。そして、図11(a)のE部分の拡大図である図11(b)に示すように、周回させてきたパッキン12の先端を、その根元を構成するパッキン12の側面に近接させ、これを周接させることにより、二重に重なり合う領域Fを作り出す。
【0067】
次に図11(c)に示すように、周接させたパッキン12における少なくとも領域Fにおいて、切断刃92を下降させることにより、当該パッキン12を切断する。この切断刃92を下降させる機構は、上述した切断ユニット53と同様の構成を適用するようにしてもよい。この切断刃92による切断により、パッキン12の切断面が、上述した端面12aとなる。
【0068】
このとき、この切断刃92を、パッキン12の融点よりも高い温度まで加熱させておく。これにより、パッキン12の端面12aが溶融することになる。即ち、切断刃92による切断工程を通じて、パッキン12の切断と、パッキン12の端面12aの溶融の2つを同時に実行することが可能となる。次に、この切断刃92をパッキン12の両端面12a間より外側へ移動させた後、図11(d)に示すように、端面12aを互いに押し付けてこれらを溶着させる。これら端面12aを突き合わせる動作も、上述した溶着ユニット58における押圧部75のスライド機構を適用するようにしてよい。
【0069】
このとき、線状のパッキン12を図11(a)に示すように弧状に折り曲げる過程において、容器蓋1の嵌合溝11にこれを巻回させ、その後パッキン12の切断並びに溶着を行うようにしてもよい。また上述した溶着を完了させるまでは、容器蓋1とは別の箇所において行い、パッキン12を環状にした後に容器蓋1の嵌合溝11に嵌合させるようにしてもよい。
【0070】
なお、本発明では、パッキン12を嵌合溝11に嵌合する前に、パッキン12又は嵌合溝11に接着剤を塗布するようにしてもよい。この接着剤としては、例えば水性系、溶剤系、ホットメルト系、反応性系などを用いてもよい。これにより、嵌合させたパッキン12を嵌合溝11に強固に固定することが可能となり、パッキン12の脱落を防止することが可能となる。接着剤の塗布は、自動的に行うようにしてもよく、周知の如何なる構成を適用するようにしてもよい。
【0071】
また、上述した実施の形態では、何れも自動化されたラインにより製造を行う場合を例にとり説明をしたが、これに限定されるものではなく、例えば工員の手で全ての作業を行うようにしてもよい。かかる場合には、嵌合溝11へのパッキン12の嵌合、パッキン12の両端面間に対する加熱部材72の挿入、加熱部材72に対するパッキン12の両端面の押し付け、パッキン12の加熱部材72からの離間、加熱部材72の外側への移動、パッキン12の両端面を互いに押し付けて溶着、更には環状にしたパッキン12の嵌合溝11への嵌めこみの何れか1以上又は全ての工程を工員の手で行うようにしてもよい。
【0072】
また、本発明では、パッキン12について、その断面外周を溶融させ、これを冷却固化させることにより表面を平滑化させた平滑層を形成させるようにしてもよいことは勿論である。
【0073】
更に本発明では、パッキン12について、図12(a)に示すように断面外周122が非発泡性の熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーからなり、断面内側121が発泡性の熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーからなるものを用いるようにしてもよい。また、本発明では、パッキン12について、図12(b)に示すように断面中空状とされたものを用いるようにしてもよい。かかる場合には、断面外周132について、発泡性又は非発泡性の熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーで構成し、断面内側131については、中空とする。
【符号の説明】
【0074】
1 容器蓋
2 ペール缶
5 ライン
11 嵌合溝
12 パッキン
21 固定縁部
22 ビード
23 地板
30 ノズル
31 熱可塑性樹脂投入部
32 押出機
40 熱可塑性樹脂
41 発泡剤
51、52 ローラー
53 切断ユニット
54 搬送用ローラー
56 切断刃
57 嵌合ユニット
58 溶着ユニット
61 搬送用ローラー
62 位置調整ローラー
64 回転部
71 移動機構
72 加熱部材
73 加熱機構
75 押圧部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、
熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを含み、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さからなる線状で構成されたパッキンを上記嵌合溝に巻回させることにより嵌合し、
上記嵌合溝に巻回されてなるパッキンの両端面間に上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材を挿入し、
上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面に押し付けることによりこれらを溶融させ、
上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面から離間させ、
上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、
上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させること
を特徴とする容器蓋の製造方法。
【請求項2】
ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、
熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを含み、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さからなる線状で構成されたパッキンを上記嵌合溝に巻回させることにより嵌合し、
上記嵌合溝に巻回されてなるパッキンの両端面間に上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材を挿入し、
上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面に押し付けることによりこれらを溶融させ、
上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、
上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させること
を特徴とする容器蓋の製造方法。
【請求項3】
ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、
熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを含み、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さからなる線状で構成されたパッキンを弧状に折り曲げてその両端面を互いに対面させ、
上記パッキンの両端面間に上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材を挿入し、
上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面に押し付けることによりこれらを溶融させ、
上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面から離間させ、
上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、
上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させて環状とした後、上記容器蓋の嵌合溝にこれを嵌合させること
を特徴とする容器蓋の製造方法。
【請求項4】
ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、
熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを含み、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さからなる線状で構成されたパッキンを弧状に折り曲げてその両端面を互いに対面させ、
上記パッキンの両端面間に上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材を挿入し、
上記パッキンの両端面を上記加熱部材の各側面に押し付けることによりこれらを溶融させ、
上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、
上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させて環状とした後、上記容器蓋の嵌合溝にこれを嵌合させること
を特徴とする容器蓋の製造方法。
【請求項5】
熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを混合させてなる線状のパッキンを、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さに切断する工程を有すること
を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載の容器蓋の製造方法。
【請求項6】
ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、
熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを混合させてなる線状のパッキンを上記嵌合溝に巻回させることにより嵌合し、
上記嵌合溝に巻回されてなる線状のパッキンを、その融点以上に加熱された加熱部材により、当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さに切断するとともにこれらを溶融させ、
上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、
上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させること
を特徴とする容器蓋の製造方法。
【請求項7】
ペール缶又はドラム缶用の容器蓋の製造方法において、
熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーを混合させてなる線状のパッキンを螺旋状に折り曲げ、
上記パッキンの融点以上に加熱された加熱部材により、上記パッキンを当該容器蓋の周縁に形成された嵌合溝の周長に応じた長さに切断するとともにこれらを溶融させ、
上記加熱部材を上記パッキンの両端面間より外側へ移動させ、
上記パッキンの両端面を互いに押し付けて溶着させて環状とした後、上記容器蓋の嵌合溝にこれを嵌合させること
を特徴とする容器蓋の製造方法。
【請求項8】
上記溶着されたパッキンの接合部分に対して、当該パッキンの融点以上に加熱された型体を押圧すること
を特徴とする請求項1〜7のうち何れか1項記載の容器蓋の製造方法。
【請求項9】
上記パッキンを上記嵌合溝に嵌合する前又は嵌合と同時に、上記パッキン又は上記嵌合溝に接着剤を塗布すること
を特徴とする請求項1〜8のうち何れか1項記載の容器蓋の製造方法。
【請求項10】
上記パッキンの断面外周を溶融させ、これを冷却固化させることにより表面を平滑化させた平滑層を形成させること
を特徴とする請求項1〜9のうち何れか1項記載の容器蓋の製造方法。
【請求項11】
断面外周が非発泡性の熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーからなり、断面内側が発泡性の熱可塑性樹脂及び/又はエラストマーからなるパッキンを用いること
を特徴とする請求項1〜10のうち何れか1項記載の容器蓋の製造方法。
【請求項12】
断面中空状とされたパッキンを用いること
を特徴とする請求項1〜11のうち何れか1項記載の容器蓋の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−25435(P2011−25435A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−170929(P2009−170929)
【出願日】平成21年7月22日(2009.7.22)
【出願人】(598073578)新邦工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】