説明

容積形往復ポンプおよび容積形往復ポンプ装置

【課題】水中で使用する容積形往復ポンプを提供する。
【解決手段】貫通した偏心軸部材収容孔15、この偏心軸部材収容孔15の軸と直交する方向へ偏心軸部材収容孔15から延びるポンプ室17L,17R、このポンプ室17L,17Rに連通する吸入孔および吐出孔を有するポンプケーシング11と、偏心軸部材収容孔15内に収容される偏心軸部材21と、この偏心軸部材21の偏心軸部25に取り付けられる水中軸受け31と、この水中軸受け31を介してポンプ室17L,17R内を往復動するように駆動され、吸入孔からポンプ室17L,17R内へ液体を吸入させて吐出孔から液体を吐出させるピストン41とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、水中で使用する容積形往復ポンプ、および、この容積形往復ポンプを用いた容積形往復ポンプ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
小形化の要請に基づき、ピストンの軸方向の長さを短くしてポンプケーシングの小形化を図った容積形往復ポンプが提案されている。
【0003】
その一例として、ポンプケーシングに一軸線上に対向させて2つのポンプ室を設け、この2つのポンプ室内を往復動するピストン部が両端部に設けられた連結ピストンを、ポンプケーシングに回転軸を一軸線と直交する直交軸線方向へ向けて取り付けられたモータによって往復動させる構成とされている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−236077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の容積形往復ポンプは陸上で使用するものであり、水中で使用する容積形往復ポンプが要望されている。
【0006】
この発明は、上記した要望に応えるためになされたもので、水中で使用する容積形往復ポンプ、および、この容積形往復ポンプを用いた容積形往復ポンプ装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)この発明の容積形往復ポンプは、貫通した偏心軸部材収容孔、この偏心軸部材収容孔の軸と直交する方向へ前記偏心軸部材収容孔から延びるポンプ室、このポンプ室に連通する吸入孔および吐出孔を有するポンプケーシングと、前記偏心軸部材収容孔内に収容される偏心軸部材と、この偏心軸部材の偏心軸部に取り付けられる水中軸受けと、この水中軸受けを介して前記ポンプ室内を往復動するように駆動され、前記吸入孔から前記ポンプ室内へ液体を吸入させて前記吐出孔から前記液体を吐出させるピストンとを備えることを特徴とする。
【0008】
(2)この発明の容積形往復ポンプは、(1)に記載の容積形往復ポンプにおいて、前記偏心軸部材の、電動機のシャフトに接続される接続部分側に対応する前記ポンプケーシングの側面に、相フランジが設けられていることを特徴とする。
【0009】
(3)この発明の容積形往復ポンプ装置は、(1)または(2)に記載の容積形往復ポンプと、この容積形往復ポンプの前記偏心軸部材を回転駆動する乾式水中形誘導電動機とを備えることを特徴とする。
【0010】
(4)この発明の容積形往復ポンプ装置は、(1)または(2)に記載の容積形往復ポンプと、この容積形往復ポンプの前記偏心軸部材を回転駆動する誘導電動機とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
(1)の発明によれば、偏心軸部材とピストンとの間に水中軸受けを介在させたので、水中で使用する容積形往復ポンプとすることができる。
【0012】
(2)の発明によれば、偏心軸部材の、電動機のシャフトに接続される接続部分側に対応するポンプケーシングの側面に、相フランジを設けたので、容積形往復ポンプの偏心軸部材を回転駆動する電動機の大きさなどが変わっても、相フランジを変えることによって対応できるため、容積形往復ポンプに汎用性を持たせて電動機への取付を容易に行うことができる。
したがって、相フランジを用いることにより、例えば、不要になった電動機を利用して水中で使用する容積形往復ポンプ装置を製造することができる。
【0013】
(3)の発明によれば、容積形往復ポンプの偏心軸部材を回転駆動する電動機を乾式水中形誘導電動機としたので、水中で使用する容積形往復ポンプ装置とすることができる。
【0014】
(4)の発明によれば、容積形往復ポンプの偏心軸部材を回転駆動する電動機を誘導電動機としたので、容積形往復ポンプを水中に設置し、誘導電動機を陸上に設置する容積形往復ポンプ装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の一実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図である。
【図2】図1に示した偏芯軸部材の斜視図である。
【図3】図1に示した連結ピストンの斜視図である。
【図4】図1に示した容積形往復ポンプ装置の一使用例を示す説明図である。
【図5】図1に示した容積形往復ポンプ装置の他の使用例を示す説明図である。
【図6】この発明の他の実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図である。
【図7】この発明のさらに他の実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図である。
【図8】(a)は図7に示した相フランジの平面図、(b)は図8(a)のB−B線による断面図である。
【図9】この発明のさらに他の実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図である。
【図10】この発明のさらに他の実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図である。
【図11】図10に示した容積形往復ポンプ装置の一使用例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0017】
図1はこの発明の一実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図、図2は図1に示した偏芯軸部材の斜視図、図3は図1に示した連結ピストンの斜視図である。
【0018】
図1において、容積形往復ポンプ装置Aは、水中で使用できる容積形往復ポンプPと、この容積形往復ポンプPを駆動する電動機Mとしての、水中で使用できる乾式水中形誘導電動機81とで構成されている。
【0019】
上記した容積形往復ポンプPは、フランジ一体型のポンプケーシング11と、このポンプケーシング11の偏心軸部材収容孔15内に収容され、乾式水中形誘導電動機81のシャフト(回転軸)83に接続される(取り付けられる)偏心軸部材21と、この偏心軸部材21の偏心軸部25に取り付けられる水中軸受け31と、この水中軸受け31を介してポンプケーシング11の左、右側ポンプ室17L,17R内を往復動するように駆動される連結ピストン41とで構成されている。
【0020】
上記したポンプケーシング11は、所定の肉厚を有する金属製の、例えば、周方向に2分割された円板状で、厚さ方向(図1の上下方向)の一端(上端)に、周回するフランジ部13が設けられ、このフランジ部13によって乾式水中形誘導電動機81に取り付けられている。
【0021】
そして、ポンプケーシング11には、中心に厚さ方向へ円形で貫通する偏心軸部材収容孔15が設けられるとともに、この偏心軸部材収容孔15の軸と直交する方向の一軸線上に位置し、偏心軸部材収容孔15に連通する左、右側ポンプ室17L,17Rと、この左側ポンプ室17Lに連通する左側吸入孔(図示は省略されている。)および左側吐出孔(図示は省略されている。)と、右側ポンプ室17Rに連通する右側吸入孔(図示は省略されている。)および右側吐出孔(図示は省略されている。)とが設けられている。
【0022】
なお、左側吸入孔と右側吸入孔とは連通していても、連通していなくともよく、また、左側吐出孔と右側吐出孔とは、連通していても、連通していなくともよい。
【0023】
上記した偏心軸部材21は、SUS、アルミ合金、黄銅、プラスチックなどで構成されている。
【0024】
そして、偏心軸部材21は、図1または図2に示すように、乾式水中形誘導電動機81のシャフト83が挿入される装着穴23aが軸方向の一端に開放し、この装着穴23aに連通するように半径方向へ延びた取付ねじ孔23hを有する接続軸部(接続部分)23と、この接続軸部23の他端側に、接続軸部23の軸に対して偏心した位置に軸を有する偏心軸部(カム軸)25とで構成されている。
【0025】
この偏心軸部材21は、図1に示すように、取付ねじ孔23hに螺合する取付ねじ27によって乾式水中形誘導電動機81のシャフト83に取り付けられる。
【0026】
上記した水中軸受け31は、錆びない軸受けで、例えば、含油軸受け、プラスチック軸受け、セラミック軸受け、ステンレス軸受けなどを使用することができる。
【0027】
上記した連結ピストン41は、図3に示すように、断面が円形で真っ直ぐ延びる円柱状で、ポンプケーシング11の左、右側ポンプ室17L,17R内を往復動する左、右側ピストン部43L,43Rと、この左、右側ピストン部43L,43Rが両端部に位置するように左側ピストン部43Lと右側ピストン部43Rとを連結する連結部45とで構成されている。
【0028】
この連結部45には凹部45dが設けられ、この凹部45dは、連結ピストン41の軸方向(一軸線方向)へ延びる底面45bと、この底面45bの両端から連結ピストン41の軸方向と直交する直交軸方向へそれぞれ延びる左、右側側壁面45l,45rとによって形成されている。
【0029】
上記した左、右側側壁面45l,45rの間隔(底面45bの連結ピストン41の軸方向への長さ)は、円柱状の水中軸受け31の外周との間に僅かな隙間を残して左、右側側壁面45l,45rで水中軸受け31を挟む寸法、すなわち、水中軸受け31の外周面に左、右側側壁面45l,45rが接触する寸法とされている。
【0030】
次に、動作について説明する。
【0031】
まず、乾式水中形誘導電動機81を作動させ、シャフト83を回転させると、このシャフト83に取り付けられている偏心軸部材21、この偏心軸部材21に取り付けられている水中軸受け31も回転するので、この水中軸受け31の回転によって連結ピストン41が、図1において左右方向へ往復動する。
【0032】
このように連結ピストン41が往復動すると、この連結ピストン41に設けられた左、右側ピストン部43L,43Rが対応する左、右側ポンプ室17L,17R内を往復動するので、左、右側吸入孔から吸入された液体、例えば、水は、左、右側ポンプ室17L,17Rから左、右側吐出孔を経由して吐出される。
【0033】
この容積形往復ポンプ装置Aは、例えば、図4に示すように、湖沼や河川などの底Bに横置きできる横設置型としたり、図5に示すように、湖沼や河川などの底Bに縦置きできる縦設置型として使用され、水Wを揚水する。
【0034】
この発明の一実施例によれば、偏心軸部材21と連結ピストン41との間に水中軸受け31を介在させ、容積形往復ポンプPの偏心軸部材21を回転駆動する電動機Mを乾式水中形誘導電動機81としたので、水中で使用する容積形往復ポンプ装置Aとすることができる。
【0035】
そして、図4に示すように、容積形往復ポンプ装置Aを横設置型とすると、容積形往復ポンプ装置Aの高さを低く抑えることができるので、湖沼や河川などの水位が低くても、容積形往復ポンプ装置Aを冷却できるとともに、水中軸受け31を潤滑できることにより、水Wを有効に揚水することが可能になる。
【0036】
図6はこの発明の他の実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図であり、図1〜図5に示す部分と同一部分、または、図1〜図5に示す部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0037】
図6に示す容積形往復ポンプ装置Aが図1〜図3に示す容積形往復ポンプ装置Aと異なる点は、左側ピストン51Lと右側ピストン51Rとがそれぞれ独立、分離し、左側ピストン51Lが左側戻しばね(左側戻し付勢部材)53Lで水中軸受け31の左側に当接するように付勢されているとともに、右側ピストン51Rが右側戻しばね(右側戻し付勢部材)53Rで水中軸受け31の右側に当接するように付勢されているところである。
【0038】
図6に示す容積形往復ポンプ装置Aは、図1〜図3に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様に動作し、図1〜図3に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様に設置して(図4および図5に示すように設置して)使用するので、その説明を省略する。
【0039】
図6に示す容積形往復ポンプ装置Aにおいても、図1〜図3に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様な効果を得ることができる。
【0040】
図7はこの発明のさらに他の実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図、図8(a)は図7に示した相フランジの平面図、図8(b)は図8(a)のB−B線による断面図であり、図1〜図6に示す部分と同一部分、または、図1〜図6に示す部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0041】
図7に示す容積形往復ポンプ装置Aが図1に示す容積形往復ポンプ装置Aと異なる点は、ポンプケーシングを、フランジ部を除いたポンプケーシング11Aと、このポンプケーシング11Aの乾式水中形誘導電動機81に接続される側面に設ける相フランジ71とで構成しているところである。
【0042】
上記した相フランジ71は、図8に示すように、円板状で、中心に厚み(図8(b)の上下方向)に、偏心軸部材21が挿通できる円形の貫通したシャフト用孔73が設けられ、このシャフト用孔73を中心にして、乾式水中形誘導電動機81の一部、例えば、ケーシングの一部を、例えば、インローで収容できる凹部75が一方の面、例えば、図8(b)における上面に設けられ、この凹部75内に、相フランジ71をポンプケーシング11Aに取り付けるための第1取付孔77が複数設けられるとともに、凹部75の外側(外周)に、相フランジ71を乾式水中形誘導電動機81のケーシングに取り付けるための第2取付孔79が複数設けられている。
【0043】
図7に示す容積形往復ポンプ装置Aは、図1〜図3および図6に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様に動作し、図1〜図3に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様に設置して(図4および図5に示すように設置して)使用するので、その説明を省略する。
【0044】
図7に示す容積形往復ポンプ装置Aにおいても、図1〜図3に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様な効果を得ることができる。
また、偏心軸部材21の、乾式水中形誘導電動機81のシャフト83に接続される接続軸部23側に対応するポンプケーシング11Aの側面に、相フランジ71を設けたので、容積形往復ポンプAの偏心軸部材21を回転駆動する乾式水中形誘導電動機81の大きさなどが変わっても、相フランジ71を変えることによって対応できるため、容積形往復ポンプPに汎用性を持たせて乾式水中形誘導電動機81への取付を容易に行うことができる。
したがって、相フランジ71を用いることにより、例えば、不要になった乾式水中形誘導電動機81を利用して水中で使用する容積形往復ポンプ装置Aを製造することができる。
【0045】
図9はこの発明のさらに他の実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図であり、図1〜図8に示す部分と同一部分、または、図1〜図8に示す部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0046】
図9に示す容積形往復ポンプ装置Aが図7に示す容積形往復ポンプ装置Aと異なる点は、左側ピストン51Lと右側ピストン51Rとがそれぞれ独立、分離し、左側ピストン51Lが左側戻しばね53Lで水中軸受け31の左側に当接するように付勢されているとともに、右側ピストン51Rが右側戻しばね53Rで水中軸受け31の右側に当接するように付勢されているところである。
【0047】
図9に示す容積形往復ポンプ装置Aは、図1〜図3、図6および図7に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様に動作し、図1〜図3に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様に設置して(図4および図5に示すように設置して)使用するので、その説明を省略する。
【0048】
図9に示す容積形往復ポンプ装置Aにおいても、図7に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様な効果を得ることができる。
【0049】
図10はこの発明のさらに他の実施例である容積形往復ポンプ装置の一部を破断して要部を示す説明図であり、図1〜図9に示す部分と同一部分、または、図1〜図9に示す部分に相当する部分に同一符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
図10において、容積形往復ポンプ装置Aは、水中で使用できる容積形往復ポンプPと、この容積形往復ポンプPを駆動する電動機Mとしての誘導電動機85と、この誘導電動機85のシャフト(回転軸)の駆動力を容積形往復ポンプPに伝達する連結部材Cとで構成されているところである。
【0051】
上記した連結部材Cは、誘導電動機85のシャフトに一端が連結されるフレキシブルシャフト91と、このフレキシブルシャフト91に一端が接続され、他端が偏心軸部材21の接続軸部23に接続されるフレキシブルジョイント93と、このフレキシブルジョイント93に装着されるベアリング(軸受け)95と、このベアリング95を保持するベアリングホルダ97と、一端が誘導電動機85のケーシングに接続され、他端のフランジ99fによって相フランジ71Aに取り付けられるドライブガイド99とで構成されている。
【0052】
上記した容積形往復ポンプPのポンプケーシング11Aと、偏心軸部材21の接続軸部23との間は、ポンプケーシング11Aに対して偏心軸部材21が回転できるようにシール部材61で水密にシールされている。
【0053】
また、ポンプケーシング11Aと、相フランジ71Aとの間は、第1Oリング(シール部材)63によって水密にシールされている。
【0054】
また、相フランジ71Aと、ドライブガイド99のフランジ部99fとの間は、第2Oリング(シール部材)65によって水密にシールされている。
【0055】
上記した相フランジ71Aは、容積形往復ポンプPをドライブガイド99のフランジ部99fに取り付ける(固定する)とともに、ベアリングホルダ97をフランジ部99fとともに挟持、固定する機能をも有する。
【0056】
次に、動作について説明する。
【0057】
まず、誘導電動機85を作動させ、シャフトを回転させると、このシャフトに取り付けられているフレキシブルシャフト91、このフレキシブルシャフト91に取り付けられているフレキシブルジョイント93、このフレキシブルジョイント93に取り付けられている偏心軸部材21、この偏心軸部材21に取り付けられている水中軸受け31も回転するので、この水中軸受け31の回転によって連結ピストン41が、図10において左右方向へ往復動する。
【0058】
このように連結ピストン41が往復動すると、この連結ピストン41に設けられた左、右側ピストン部43L,43Rが対応する左、右側ポンプ室17L,17R内を往復動するので、左、右側吸入孔から吸入された水は、左、右側ポンプ室17L,17Rから左、右側吐出孔を経由して吐出される。
【0059】
この容積形往復ポンプ装置Aは、例えば、図11に示すように、湖沼や河川などの底Bに容積形往復ポンプPを横置きできる(水平に置ける)横設置型とし、誘導電動機85を湖沼や河川の近傍の陸上に設置して使用され、水Wを揚水する。
【0060】
図10に示す容積形往復ポンプ装置Aにおいても、図1〜図3に示した容積形往復ポンプ装置Aと同様な効果を得ることができる。
【0061】
上記した実施例において、ピストンの数を2つとした例を示したが、ピストンの数は、1つでも、3つ以上であってもよい。
また、容積形往復ポンプPと誘導電動機85とをフレキシブルシャフト91などで連結した例を示したが、容積形往復ポンプPと誘導電動機85とを通常のシャフトで連結する構成であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
A 容積形往復ポンプ装置
P 容積形往復ポンプ
11 ポンプケーシング
11A ポンプケーシング
13 フランジ部
15 偏心軸部材収容孔
17L 左側ポンプ室
17R 右側ポンプ室
21 偏心軸部材
23 接続軸部(接続部分)
23a 装着穴
23h 取付ねじ孔
25 偏心軸部(カム軸)
27 取付ねじ
31 水中軸受け
41 連結ピストン
43L 左側ピストン部
43R 右側ピストン部
45 連結部
45d 凹部
45b 底面
45l 左側側壁面
45r 右側側壁面
51L 左側ピストン
51R 右側ピストン
53L 左側戻しばね(左側戻し付勢部材)
53R 右側戻しばね(右側戻し付勢部材)
61 シール部材
63 第1Oリング(シール部材)
65 第2Oリング(シール部材)
71 相フランジ
71A 相フランジ
73 シャフト用孔
75 凹部
77 第1取付孔
79 第2取付孔
M 電動機
81 乾式水中形誘導電動機
83 シャフト(回転軸)
85 誘導電動機
C 連結部材
91 フレキシブルシャフト
93 フレキシブルジョイント
95 ベアリング
97 ベアリングホルダ
99 ドライブガイド
99f フランジ
B 底
W 水(液体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貫通した偏心軸部材収容孔、この偏心軸部材収容孔の軸と直交する方向へ前記偏心軸部材収容孔から延びるポンプ室、このポンプ室に連通する吸入孔および吐出孔を有するポンプケーシングと、
前記偏心軸部材収容孔内に収容される偏心軸部材と、
この偏心軸部材の偏心軸部に取り付けられる水中軸受けと、
この水中軸受けを介して前記ポンプ室内を往復動するように駆動され、前記吸入孔から前記ポンプ室内へ液体を吸入させて前記吐出孔から前記液体を吐出させるピストンとを備える、
ことを特徴とする容積形往復ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の容積形往復ポンプにおいて、
前記偏心軸部材の、電動機のシャフトに接続される接続部分側に対応する前記ポンプケーシングの側面に、相フランジが設けられている、
ことを特徴とする容積形往復ポンプ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の容積形往復ポンプと、
この容積形往復ポンプの前記偏心軸部材を回転駆動する乾式水中形誘導電動機とを備える、
ことを特徴とする容積形往復ポンプ装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の容積形往復ポンプと、
この容積形往復ポンプの前記偏心軸部材を回転駆動する誘導電動機とを備える、
ことを特徴とする容積形往復ポンプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−225329(P2012−225329A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−96257(P2011−96257)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(511064166)株式会社 コーエイサービス (3)
【Fターム(参考)】