説明

対象追跡装置、対象追跡プログラム及び方法

【課題】動画像における対象の追跡に掛かる処理負荷を軽減することができる対象追跡装置、対象追跡プログラム及び方法を提供する。
【解決手段】動画像における所定のフレームを第1フレームとして選択し、第1フレームより所定の対象の輪郭を検出し、検出した輪郭を第1フレームにおける輪郭として確定し、第1フレームの所定数後に配列されたフレームを第2フレームとして選択し、第2フレームに対して、第2フレームの所定数前に配列されたフレームに対して確定された輪郭から所定の距離内において所定の条件を満たす輪郭を輪郭候補として検出し、第2フレームに対して、輪郭候補のそれぞれの輪郭内の濃度値ヒストグラムと、第2フレームの所定数前に配列されたフレームとの輪郭内の濃度値ヒストグラムとの差を算出し、輪郭候補のうち、算出した輪郭内の濃度値ヒストグラムの差が最も小さい輪郭候補を、第2フレームの輪郭として確定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動画像において対象を追跡する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動画像において、例えば人の顔のような、ある対象を追跡するための技術として、各フレーム毎に対象物を検出する技術が知られている。また、このような技術に関連する技術として、動画像をフレーム単位で順次取り込み、各フレームにおける人物の顔部を検出して異なる複数のフレーム間で追跡する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2008−199549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述したように、対象の追跡において、各フレームに対して対象を検出することは、処理負荷が大きいという問題がある。
【0004】
この発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、動画像における対象の追跡に掛かる処理負荷を軽減することができる対象追跡装置、対象追跡プログラム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る対象追跡装置は、時系列上に配列された複数のフレームにより構成される動画像において、所定の対象を追跡する装置であって、前記動画像における所定のフレームを選択する第1選択部と、前記第1選択部により選択されたフレームより、前記所定の対象の輪郭を検出し、該検出した輪郭を、前記第1選択部により選択されたフレームにおける輪郭として確定する第1確定部と、前記第1選択部により選択されたフレームの所定数後に配列されたフレームを選択する第2選択部と、前記第2選択部により選択されたフレームに対して、該フレームの所定数前に配列されたフレームに対して確定された輪郭から所定の距離内において所定の条件を満たす輪郭を、輪郭候補として検出する第1検出部と、前記第2選択部により選択されたフレームに対して、前記輪郭候補のそれぞれの輪郭内の濃度値ヒストグラムと、前記第2選択部により選択されたフレームの所定数前に配列されたフレームとの輪郭内の濃度値ヒストグラムとの差を算出する第1算出部と、前記輪郭候補のうち、前記第1算出部により算出された輪郭内の濃度値ヒストグラムの差が最も小さい輪郭候補を、前記第2選択部により選択されたフレームの輪郭として確定する第2確定部とを備える。
【0006】
また、対象追跡プログラムは、時系列上に配列された複数のフレームにより構成される動画像において、所定の対象を追跡するプログラムであって、前記動画像における所定のフレームを選択する第1選択ステップと、前記第1選択ステップにより選択されたフレームより、前記所定の対象の輪郭を検出し、該検出した輪郭を、前記第1選択ステップにより選択されたフレームにおける輪郭として確定する第1確定ステップと、前記第1選択ステップにより選択されたフレームの所定数後に配列されたフレームを選択する第2選択ステップと、前記第2選択ステップにより選択されたフレームに対して、該フレームの所定数前に配列されたフレームに対して確定された輪郭から所定の距離内において所定の条件を満たす輪郭を、輪郭候補として検出する第1検出ステップと、前記第2選択ステップにより選択されたフレームに対して、前記輪郭候補のそれぞれの輪郭内の濃度値ヒストグラムと、前記第2選択ステップにより選択されたフレームの所定数前に配列されたフレームとの輪郭内の濃度値ヒストグラムとの差を算出する第1算出ステップと、前記輪郭候補のうち、前記第1算出ステップにより算出された輪郭内の濃度値ヒストグラムの差が最も小さい輪郭候補を、前記第2選択ステップにより選択されたフレームの輪郭として確定する第2確定ステップとをコンピュータに実行させる。
【0007】
時系列上に配列された複数のフレームにより構成される動画像において、所定の対象を追跡する方法であって、前記動画像における所定のフレームを選択する第1選択ステップと、前記第1選択ステップにより選択されたフレームより、前記所定の対象の輪郭を検出し、該検出した輪郭を、前記第1選択ステップにより選択されたフレームにおける輪郭として確定する第1確定ステップと、前記第1選択ステップにより選択されたフレームの所定数後に配列されたフレームを選択する第2選択ステップと、前記第2選択ステップにより選択されたフレームに対して、該フレームの所定数前に配列されたフレームに対して確定された輪郭から所定の距離内において所定の条件を満たす輪郭を、輪郭候補として検出する第1検出ステップと、前記第2選択ステップにより選択されたフレームに対して、前記輪郭候補のそれぞれの輪郭内の濃度値ヒストグラムと、前記第2選択ステップにより選択されたフレームの所定数前に配列されたフレームとの輪郭内の濃度値ヒストグラムとの差を算出する第1算出ステップと、前記輪郭候補のうち、前記第1算出ステップにより算出された輪郭内の濃度値ヒストグラムの差が最も小さい輪郭候補を、前記第2選択ステップにより選択されたフレームの輪郭として確定する第2確定ステップとを備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、動画像における対象の追跡に掛かる処理負荷を軽減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。まず、本実施の形態に係る対象追跡装置のハードウェア構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る対象追跡装置のハードウェア構成を示す図である。
【0010】
本実施の形態に係る対象追跡装置は、図1に示すパーソナルコンピュータ10により実現される。このパーソナルコンピュータ10は、少なくともCPU101とメモリ102を備え、また、記憶デバイス103と接続されている。なお、この記憶デバイス103には本実施の形態における処理対象である動画像が保存されているものとする。また、パーソナルコンピュータ10は、動画像に対する処理において、そのデータを記憶デバイス103より読み出して処理し、処理後のデータを記憶デバイス103に書き込むものとする。また、処理対象としての動画像は、時系列上に配列された複数のフレームにより構成されるものとする。
【0011】
次に、本実施の形態に係る対象追跡装置について説明する。図2は、本実施の形態に係る対象追跡装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
図2に示すように、本実施の形態に係る対象追跡装置20は、選択部201(第1選択部、第2選択部)、検出部202(第1確定部)、確定部203(第1確定部、第2確定部)、濃度ベクトル算出部204(第1検出部、第1算出部)、判定部205(第1検出部、第2検出部)、距離算出部206(第2算出部)を備えるものである。選択部201は、処理対象とする動画像の各フレームを選択するものである。また、検出部202は、動画像における追跡対象の輪郭の検出と、照合を行うものである。また、確定部203は、検出部202により検出された輪郭に基づく輪郭近傍領域及び輪郭位置、を確定、または更新するものである。また、濃度ベクトル算出部204は、輪郭近傍領域内の輪郭上の各点の法線方向の濃度勾配の絶対値の合計を算出するものである。また、距離算出部206は、異なるフレームにおける輪郭間、及び輪郭と輪郭候補間の距離を算出するものである。また、判定部205は、濃度ベクトル算出部により算出された濃度勾配の絶対値の合計、または距離算出部206により算出された距離に基づいて、輪郭に関する判定を行うものである。なお、本実施の形態において、対象追跡装置20は、特定の人を対象とし、動画像において対象が含まれるフレームのみを保存するものとする。また、対象追跡装置20における各部は、実質的にはパーソナルコンピュータ10のCPU101及びメモリ102において実行される機能である。
【0013】
次に、本実施の形態に係る対象追跡装置の動作について説明する。図3〜5は、本実施の形態に係る対象追跡装置の動作を示すフローチャートである。また、このフローチャートによる動作の説明を補足するための図として、図6〜9を用いる。図6は、曲線により示される輪郭を示す図である。また、図7は、輪郭の法線ベクトルを示す図である。また、図8は、移動ベクトルを示す図である。また、図9は、条件2を満たす輪郭候補を示す図である。なお、図3〜5に示すフローチャートにおいては、追跡対象として、予め特定の人の画像が指定されているものとする。
【0014】
図3に示すように、まず、処理対象としての動画像が選択されると(S101)、選択部201は、選択された動画像の最初のフレームを選択し(S102、第1選択ステップ)、選択されたフレームに対して、検出部202が人の輪郭の検出を実行する(S103、第1確定ステップ)。なお、この輪郭の検出方法はいかなる方法であっても構わない。さらに、検出部202は、この検出により、人の輪郭が検出されたかどうかを判定する(S104)。
【0015】
人の輪郭が検出された場合(S104,YES)、検出部202は、予め指定された人と、検出した人との照合を実行し(S105)、検出した人が予め指定された人かどうかを判定する(S106)。なお、この照合方法も、輪郭の検出方法と同様に、いかなる方法であっても構わない。
【0016】
検出された人が予め指定された人である場合(S106,YES)、確定部203は、検出した人に対して、図6に示すような、輪郭のテンプレートを設定することにより輪郭を確定し、この輪郭の輪郭近傍領域を確定する(S107、第1確定ステップ)。
【0017】
ここで、輪郭のテンプレート、輪郭近傍領域について説明する。まず、輪郭のテンプレートは、例えばアダブースト学習法により、複数の人の画像からその特徴が抽出された輪郭に基づいたものとする。また、複数の異なる人の画像に基づいた平均的な顔、首及び肩のエッジ部分に基づいたものであっても良い。また、輪郭のテンプレートは、アダブースト学習法により抽出された輪郭、または平均的な顔、首及び肩のエッジ部分に基づいて、ベクターデータによる曲線によって近似したものである。また、本実施の形態において、輪郭のテンプレートとして、顔、首、肩の輪郭を示すものを用いているが、例えば、胴体、脚部の輪郭を示すテンプレートを用いることもでき、対象の追従に用いる輪郭を増やすことで、より精度の高い追従処理を実現することができる。また、例えば、顔や首がフレーム外にあり、胴体と脚部だけがフレーム内にあるようなフレームに対しても、追従処理を実行することができる。また、輪郭近傍領域は、図7に示すように、輪郭のテンプレートの曲線を中心とした所定の距離内の領域である。
【0018】
次に、選択部201は、次のフレームを選択し(S108、第2選択ステップ)、濃度ベクトル算出部204は、選択されたフレームに対して、輪郭近傍領域内において、図7に示すような、輪郭テンプレートの各点の法線方向の濃度勾配の絶対値の合計を算出する(S109、第1検出ステップ)。なお、具体的には、濃度ベクトル算出部204は、輪郭近傍領域内において、図7に示すx方向、y方向に輪郭を1画素ずつずらしつつ、拡大、縮小させながら、各x,y座標の法線方向の濃度勾配の絶対値の合計を算出する。また、この処理において、濃度ベクトル算出部204は、輪郭のテンプレートの曲線の各接点の接線方向のx,y成分と、接線に対する法線方向の単位ベクトルのx,y成分を配列として予め算出して保持しており、これらのx,y成分を濃度勾配の絶対値の算出に用いるものとする。このように、ベクターデータにより示された曲線に基づくx,y成分を濃度勾配の絶対値の算出に用いることによって、その精度は、フレームの解像度のみに依存しない。つまり、ラスタデータにより示された輪郭を用いる場合に比べて、より精度の良い値を得ることができる。なお、この処理において、輪郭に対する位置のずらし、拡大、縮小は、輪郭を構成するパーツ(顔、首、肩)ごと、または曲線ごとになされても構わない。また、輪郭のテンプレートを構成する各パーツは、位置のずらし、拡大、縮小に加えて、回転されても構わない。また、輪郭のテンプレートの拡大、縮小において、縦横比は固定されない。
【0019】
次に、判定部205は、図4に示すように、条件1を満たす輪郭、つまり、ステップS109においてずらされつつ、拡大、縮小された輪郭において、その濃度勾配の合計が閾値Aより大きくなるような輪郭、があるかどうかを判定する(S110)。なお、本実施の形態において、閾値Aは前のフレームにおける輪郭の濃度勾配の合計の1/2の値とする。
【0020】
条件1を満たす輪郭がある場合(S110,YES)、判定部205は、条件1を満たす輪郭を輪郭候補とし(S111、第1検出ステップ)、選択されているフレームに対して、前々回のフレーム、つまり2フレーム前のフレームがあるかどうかを判定する(S112)。なお、ここで前々回のフレームとは、照合されたフレームからS112において処理しているフレーム(選択フレーム)まで続く一連のフレーム群における選択フレームの前々回のフレームを指す。よって、選択された動画像の所定のフレームにおいて、人が検出されない、または照合されない場合、以後の処理において、この所定のフレーム以前のフレームは前々回のフレームとして適合しないものとする。また、本実施の形態において、この前々回のフレームの有無についての判断は、検出及び照合がなされたフレーム以外のフレームに対して、輪郭が確定されたかどうかにより決定される。
【0021】
次に、前々回のフレームがある場合(S112,YES)、距離算出部206は、各輪郭候補と前回の輪郭との移動ベクトルと、前回と前々回の輪郭との移動ベクトルとの差を算出し、正規化する(S113)。次に判定部205は、輪郭候補において、条件2を満たす輪郭候補、つまり、正規化された移動ベクトルの差と、前回と前々回の輪郭との移動ベクトルとの割合(ベクトル割合)が、所定の値である閾値B以下である輪郭候補があるかどうかを判定する(S114)。なお、本実施の形態において、選択フレームが、照合されたフレームから4フレーム以降後のフレームである場合、閾値Bは、選択フレームの前フレームの処理において、最終的に輪郭として確定された輪郭候補に対するベクトル割合の2倍以下の値とする。
【0022】
ここで、図8及び9を用いて、ステップS113について、説明する。図8に示すように、条件1を満たした輪郭候補として、輪郭候補A、輪郭候補B、輪郭候補Cがある場合、図9に示すように、輪郭または輪郭候補の重心を移動の基準として、これらの輪郭候補と前フレームの輪郭との移動ベクトルと、前々フレームの輪郭と前フレームの輪郭との移動ベクトルとの差が、それぞれの輪郭候補について算出される。なお、図9においては、移動ベクトルの差が最も大きい輪郭候補C以外の輪郭候補が条件2を満たす輪郭候補として示されている。
【0023】
条件2を満たす輪郭候補がある場合(S114,YES)、条件2を満たす輪郭候補のみを輪郭候補とし(S115)、この輪郭候補のそれぞれ対して、濃度ベクトル算出部204が、前フレームとの輪郭内の濃度値のヒストグラムの差を算出する(S116、第1算出ステップ)。この濃度値のヒストグラムの差は、選択フレームにおける輪郭候補としてのそれぞれの輪郭内と、前フレームの輪郭内とにおける濃度毎の差の絶対値の合計を、前フレームの輪郭内の濃度毎の値の合計で割ることにより算出される。次に、判定部202は、条件2を満たす輪郭候補、つまり、閾値Cよりも濃度値ヒストグラムの差が小さい輪郭候補があるかどうかを判定する(S117)。なお、照合されたフレームの次のフレームに対しては、閾値Cとして、予め所定の値が用いられる。また、照合されたフレームの次のフレームより後のフレームに対しては、その前のフレームに対して確定された輪郭に対して算出された濃度値ヒストグラムの差の2倍の値を閾値Cとする。
【0024】
条件3を満たす輪郭候補がある場合(S117,YES)、確定部203は、条件3を満たす輪郭候補のうち、濃度値ヒストグラムの差が最も小さい輪郭候補を選択し(S118、第2確定ステップ)、選択した輪郭候補を選択フレームにおける輪郭として確定し(S119、第2確定ステップ)、この輪郭に基づいて、輪郭近傍領域を更新し(S120)、選択フレームを指定された人が映っているフレームとして保存し(S121)、選択部201は、次のフレームを選択する(S108、第2選択ステップ)。
【0025】
また、ステップS117において、条件3を満たす輪郭候補がない場合(S117,NO)、選択部201は、次のフレームを選択する(S122、第1選択ステップ)。
【0026】
また、ステップS114において、条件2を満たす輪郭候補がない場合(S114,NO)、選択部201は、次のフレームを選択する(S122、第1選択ステップ)。
【0027】
また、ステップS112において、前々回のフレームがない場合(S112,NO)、濃度ベクトル算出部204が、輪郭候補のそれぞれ対して、前フレームとの輪郭内の濃度値のヒストグラムの差を算出する(S116)。
【0028】
また、ステップS110において、条件1を満たす輪郭候補がない場合(S110,NO)、選択部201は、次のフレームを選択する(S122、第1選択ステップ)。
【0029】
また、ステップS106において、検出された人が予め指定された人ではない場合(S106,NO)、選択部201は、次のフレームを選択する(S122、第1選択ステップ)。
【0030】
また、ステップS104において、人の輪郭が検出されなかった場合(S104,NO)、選択部201は、次のフレームを選択する(S122、第1選択ステップ)。
【0031】
上述したように、本実施の形態に係る対象追跡装置20は、動画像において、まず、所定のフレームの輪郭を検出する。また、対象追跡装置20は、次のフレームにおいて、検出した輪郭の近傍領域内で所定の条件を満たすような輪郭の候補のうち、1つ前のフレームに対する輪郭内の濃度ヒストグラムの差が最も小さくなるような輪郭を輪郭として確定する。このように、対象追跡装置20は、前のフレームにおいて確定された輪郭に基づいて、選択中のフレームにおける輪郭を確定することにより、フレーム毎に輪郭を検出する必要がない。また、このよう処理によれば、選択中のフレームの輪郭の確定において、前のフレームの輪郭の近傍領域内にその処理を限定することにより、対象の追跡に掛かる処理負荷を軽減することができる。
【0032】
また、対象追跡装置20は、追跡対象の輪郭が検出されたフレーム以降のフレームに対しては、このフレームの輪郭候補を、異なる条件(条件2)により、さらに絞り込むことができる。このような処理によれば、確定される輪郭の精度をより高めることができる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、追跡の対象を人としたが、追跡の対象は、輪郭を検出できる対象であれば、いかなる対象であっても構わない。また、本実施の形態において、動画像に対する処理を1フレーム毎に実行したが、数フレームおきに処理がなされても構わない。
【0034】
また、上記の実施の形態で示したフローチャートやステップに示された各動作をコンピュータにより実行させるプログラムを提供することにより、この発明に係る対象追跡プログラムを提供することができる。このプログラムは、コンピュータにより読取可能な媒体、例えばCD−ROM、フレキシブルディスク、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカード等の可搬型記憶媒体や、データベース等に記録されてコンピュータにより実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本実施の形態に係る対象追跡装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る対象追跡装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態に係る対象追跡装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本実施の形態に係る対象追跡装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施の形態に係る対象追跡装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】輪郭を示す図である。
【図7】輪郭の法線ベクトルを示す図である。
【図8】移動ベクトルを示す図である。
【図9】条件2を満たす輪郭候補を示す図である。
【符号の説明】
【0036】
10 パーソナルコンピュータ、20 対象追跡装置、101 CPU、102 メモリ、103 記憶デバイス、201 選択部、202 検出部、203 確定部、204 濃度ベクトル算出部、205 判定部、206 距離算出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列上に配列された複数のフレームにより構成される動画像において、所定の対象を追跡する対象追跡装置であって、
前記動画像における所定のフレームを選択する第1選択部と、
前記第1選択部により選択されたフレームより、前記所定の対象の輪郭を検出し、該検出した輪郭を、前記第1選択部により選択されたフレームにおける輪郭として確定する第1確定部と、
前記第1選択部により選択されたフレームの所定数後に配列されたフレームを選択する第2選択部と、
前記第2選択部により選択されたフレームに対して、該フレームの所定数前に配列されたフレームに対して確定された輪郭から所定の距離内において所定の条件を満たす輪郭を、輪郭候補として検出する第1検出部と、
前記第2選択部により選択されたフレームに対して、前記輪郭候補のそれぞれの輪郭内の濃度値ヒストグラムと、前記第2選択部により選択されたフレームの所定数前に配列されたフレームとの輪郭内の濃度値ヒストグラムとの差を算出する第1算出部と、
前記輪郭候補のうち、前記第1算出部により算出された輪郭内の濃度値ヒストグラムの差が最も小さい輪郭候補を、前記第2選択部により選択されたフレームの輪郭として確定する第2確定部と
を備える対象追跡装置。
【請求項2】
請求項1に記載の対象追跡装置において、
前記第2選択部は、前記第2確定部により輪郭が確定された場合、該輪郭が確定されたフレームの所定数後のフレームを、選択フレームとして選択することを特徴とし、
前記第1検出部により前記選択フレームの輪郭候補が検出された場合、前記選択フレームの所定数前に配列されたフレームである前フレームの輪郭と前記前フレームの所定数前に配列されたフレームの輪郭との移動ベクトルと、前記前フレームの輪郭と前記選択フレームの輪郭候補のそれぞれとの移動ベクトルとの差を算出する第2算出部と、
前記輪郭候補のうち、前記第2算出部により算出された移動ベクトルの差が、所定の閾値である第1閾値より小さい輪郭候補を、前記選択フレームの輪郭候補として検出する第2検出部とを更に備える対象追跡装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の対象追跡装置において、
前記輪郭は、複数の接点からなる曲線により構成され、
前記第2検出部は、前記輪郭の接点の接線の法線方向の濃度勾配の合計である合計値が、前記第1閾値とは異なる閾値である第2閾値より大きいことを前記所定の条件とし、前記第2選択部により選択されたフレームの所定数前に配列されたフレームに対して確定された輪郭から所定の距離内において、前記輪郭を移動した場合、前記合計値が前記第2閾値より大きくなる輪郭を、輪郭候補として検出することを特徴とする対象追跡装置。
【請求項4】
時系列上に配列された複数のフレームにより構成される動画像において、所定の対象を追跡する対象追跡プログラムであって、
前記動画像における所定のフレームを選択する第1選択ステップと、
前記第1選択ステップにより選択されたフレームより、前記所定の対象の輪郭を検出し、該検出した輪郭を、前記第1選択ステップにより選択されたフレームにおける輪郭として確定する第1確定ステップと、
前記第1選択ステップにより選択されたフレームの所定数後に配列されたフレームを選択する第2選択ステップと、
前記第2選択ステップにより選択されたフレームに対して、該フレームの所定数前に配列されたフレームに対して確定された輪郭から所定の距離内において所定の条件を満たす輪郭を、輪郭候補として検出する第1検出ステップと、
前記第2選択ステップにより選択されたフレームに対して、前記輪郭候補のそれぞれの輪郭内の濃度値ヒストグラムと、前記第2選択ステップにより選択されたフレームの所定数前に配列されたフレームとの輪郭内の濃度値ヒストグラムとの差を算出する第1算出ステップと、
前記輪郭候補のうち、前記第1算出ステップにより算出された輪郭内の濃度値ヒストグラムの差が最も小さい輪郭候補を、前記第2選択ステップにより選択されたフレームの輪郭として確定する第2確定ステップと
をコンピュータに実行させる対象追跡プログラム。
【請求項5】
時系列上に配列された複数のフレームにより構成される動画像において、所定の対象を追跡する対象追跡方法であって、
前記動画像における所定のフレームを選択する第1選択ステップと、
前記第1選択ステップにより選択されたフレームより、前記所定の対象の輪郭を検出し、該検出した輪郭を、前記第1選択ステップにより選択されたフレームにおける輪郭として確定する第1確定ステップと、
前記第1選択ステップにより選択されたフレームの所定数後に配列されたフレームを選択する第2選択ステップと、
前記第2選択ステップにより選択されたフレームに対して、該フレームの所定数前に配列されたフレームに対して確定された輪郭から所定の距離内において所定の条件を満たす輪郭を、輪郭候補として検出する第1検出ステップと、
前記第2選択ステップにより選択されたフレームに対して、前記輪郭候補のそれぞれの輪郭内の濃度値ヒストグラムと、前記第2選択ステップにより選択されたフレームの所定数前に配列されたフレームとの輪郭内の濃度値ヒストグラムとの差を算出する第1算出ステップと、
前記輪郭候補のうち、前記第1算出ステップにより算出された輪郭内の濃度値ヒストグラムの差が最も小さい輪郭候補を、前記第2選択ステップにより選択されたフレームの輪郭として確定する第2確定ステップと
を備える対象追跡方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−113466(P2010−113466A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−284446(P2008−284446)
【出願日】平成20年11月5日(2008.11.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(301063496)東芝ソリューション株式会社 (1,478)
【Fターム(参考)】