説明

封緘装置

【課題】 内容物を充填した袋の開口部の糊代部分を正確な位置で折り曲げて封緘できると共に、封緘作業時に移動させる搬送装置を不要にして封緘装置全体の部品数を減らし、装置の小型化を達成することのできる封緘装置を提供することにある。
【解決手段】 内容物を充填した袋2の開口部の両端側を挟持するクランプ装置3と、クランプ装置3で挟持した袋2の上向きの糊代部分21のある開口部上端部分を横向方向に折り曲げる横向折曲装置4と、袋の開口部の糊代部分に付着された乾いた糊2aを熱で溶かす糊部加熱装置5と、横向折曲装置4とで横向方向に折り曲げられた袋2の糊代部分21のある開口部先端部分を下向方向に折り曲げる下向折曲装置6と、袋2の糊代部分21のある開口部の横向き折り曲げ時には折り曲げガイドとして機能すると共に溶けた糊部分を袋の両面側から挟んで圧着して完全に糊付けする折曲ガイド・圧着装置7とから構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば粉粒物などの内容物を充填した袋の開口部の糊代部分を折り曲げると共に糊代部分に付着した乾いた糊を溶かして接着させる作業を移動させないで同じ箇所で行わせる封緘装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の封緘装置にあっては、例えば粉粒物などの内容物を充填した袋の開口部の糊代部分を移動を利用して折り曲げながら熱風をかけて糊代部分の乾いた糊を溶かし、次の工程で移動させながら完全に折り曲げてプレスをかけて密着させて袋の開口部を完全に閉じる。この一連の作業は内容物を充填した袋を移動させながら行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の封緘装置は前記したように、内容物を充填した袋を移動させながら封緘させるので、移動中に封緘位置の高さが微妙にずれて正確な位置で袋の開口部に付着された糊代部分を折り曲げることができないことがあった。
また、内容物を充填した袋を移動させる搬送装置が必要となり、その分、封緘装置の部品数が増え、さらに、移動させるためのスペースがその分必要となり、封緘装置の設置スペースを広くとる必要があり、装置の小型化が困難であった。
【0004】
この発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、内容物を充填した袋の開口部の糊代部分を正確な位置で折り曲げて封緘できると共に、封緘作業時に移動させる搬送装置を不要にして封緘装置全体の部品数を減らし、装置の小型化を達成することのできる封緘装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の目的を達成するために、請求項1の発明は、内容物を充填した袋の開口部の両端側を挟持するクランプ装置と、クランプ装置で挟持した袋の上向きの糊代部分のある開口部上端部分を横向方向に折り曲げる横向折曲装置と、袋の開口部の糊代部分に付着された乾いた糊を熱で溶かして再び貼れるようにする糊部加熱装置と、横向折曲装置とで横向方向に折り曲げられた袋の糊代部分のある開口部先端部分を下向方向に折り曲げる下向折曲装置と、袋の糊代部分のある開口部の横向き折り曲げ時には折り曲げガイドとして機能すると共に溶けた糊部分を袋の両面側から挟んで圧着して完全に糊付けする折曲ガイド・圧着装置とからなる手段よりなるものである。
【0006】
また、請求項2の発明は、内容物を充填した袋の開口部の両端側をクランプ板の左右両端側と左右のフラップとの隙間に挟んで挟持するクランプ装置と、クランプ装置で挟持した袋の上向きの糊代部分のある開口部上端部分を横方向に移動して横向方向に折り曲げる横向折曲板を進退自在に備えた横向折曲装置と、袋の開口部の糊代部分に付着された乾いた糊を熱で溶かすヒーター部を備えこのヒーター部を乾いた糊の加熱位置と待機位置との間で可動自在とする糊部加熱装置と、横向折曲装置とで横向方向に折り曲げられた袋の糊代部分のある開口部先端部分を下降して上記横向折曲板に形成した貫通溝孔を貫通して下向方向に折り曲げる下向折曲板を昇降自在に備えた下向折曲装置と、袋の糊代部分のある開口部の横向き折り曲げ時にはその上辺が折り曲げガイドとして機能すると共に溶けた糊部分を袋の両面側から挟んで圧着して完全に糊付けする進退自在な折曲ガイド・圧着板とクランプ板の下部に配置された圧着受盤とを備えた折曲ガイド・圧着装置とからなる手段よりなるものである。
【発明の効果】
【0007】
以上の記載より明らかなように、この発明に係るによれば、内容物を充填した袋の開口部の糊代部分を折り曲げると共に糊代部分に付着させた乾いた糊を溶かして接着させる作業を同じ箇所、つまり移動させないで行うことができるので、移動中に封緘位置の高さが微妙にずれるという状況を招くこともなく、正確な位置で折り曲げて封緘することができる。また、移動させながらこれらの作業を行わせる従来の装置に比べて、移動させる搬送装置を不要にでき、これにより封緘装置全体の部品数を減らすことができると共に、袋を移動させるためのスペースが不要なため、装置の小型化を達成することができる等、極めて新規的有益なる効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に記載の発明を実施するための最良の形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。
ここで、図1は封緘装置を含む概略全体正面図、図2は封緘装置の要部平面図、図3は封緘装置のクランプ装置側の正面図、図4は封緘装置の糊部加熱装置が加熱位置にあるときの平面図、図5は封緘装置の側面図、図6は横向折曲板の平面図、図7(A)〜(H)は封緘装置による作業工程図である。
【0009】
図において、封緘装置1は、例えば粉粒物などの内容物を充填した袋2を移動させることなくつまり同じ位置で、袋2の開口部の糊代部分21を折り曲げると共に糊代部分21に付着させた乾いた糊2aを溶かし接着して封緘する装置である。
【0010】
封緘装置1は、内容物を充填した袋2の開口部の両端側を挟持するクランプ装置3、クランプ装置3で挟持した袋2の上向きの糊代部分21のある開口部上端部分を横向方向に折り曲げる横向折曲装置4、袋2の開口部の糊代部分21に付着された乾いた糊2aを熱で溶かして再び貼れるようにする糊部加熱装置5、横向折曲装置4で横向方向に折り曲げられた袋2の糊代部分21のある開口部先端部分を下向方向に折り曲げる下向折曲装置6、袋2の糊代部分21のある開口部の横向き折り曲げ時には折り曲げガイドとして機能すると共に溶けた糊部分を袋2の両面側から挟んで圧着して完全に糊付けする折曲ガイド・圧着装置7から構成されている。
【0011】
クランプ装置3は、内容物を充填した袋2の糊代部分21のある上端側の開口部付近の折り曲げ位置の下辺側を左右両端側を挟んで挟持する装置で、横長な板状のクランプ板31と、袋2の開口部付近の左右両端側をクランプ板31の左右両端側との間に挟み込ませる左右の各フラップ32から構成されている。横長なクランプ板31は袋2の開口部の横長さと略同じ程度の長さを有している。
【0012】
左右の各フラップ32は、薄い板片からなり、横長なクランプ板31の左右両端側の表面より少し手前側つまり袋2の開口部付近の左右両端側をクランプ板31の両端側との間で挟める程度の位置にあり、又クランプ板31の表面に平行になるように配置されている。
【0013】
左右の各フラップ32は、クランプ板31の両端側の表面に平行な状態で、横長なクランプ板31の左右両端の外側から両端側に向かってフラップ32の先端側が一部重なるように、クランプ板31の両端側の表面に沿ってスライドしながら進退するように構成されている。
【0014】
左右の各フラップ32にはこれをスライド進退させるフラップ用シリンダー33がそれぞれ設けられている。フラップ用シリンダー33は、横長なクランプ板31の左右両端の外側方に取り付けられている。各フラップ用シリンダー33は、そのピストンロッドの先端がフラップ32の外寄り端部となる後端側に連結されている。
【0015】
横向折曲装置4は、クランプ装置3で挟持した袋2の上向きの糊代部分21がある開口部上端部分を略90度横向方向に折り曲げる装置で、横長なクランプ板31の真上位置に水平状に設けられている。横向折曲装置4は、横向折曲板41とこれを進退させる横向折曲板用シリンダー42とから構成されている。
【0016】
横向折曲板41は上記のクランプ板31及び左右の各フラップ32の上辺部分から袋2の開口部に向かって略水平に前進して、略水平な前端辺が上向きの開口部上端部分を略90度横向きに折り曲げる平板で、クランプ板31及び左右の各フラップ32の真上側に水平状に配置されている。この横向折曲板41の前部側には、下向折曲板61の一部の下端辺側が貫通する貫通溝孔41aが形成されている。
【0017】
横向折曲板用シリンダー42は、横向折曲板41の後部側に配置されている。横向折曲板用シリンダー42は、そのピストンロッドの先端側が横向折曲板41の後部に連結されていて、ピストンロッドの伸縮によって横向折曲板41を略水平な前後方向に進退させる機構になっている。
【0018】
糊部加熱装置5は、袋2の開口部の糊代部分21に予め付着されて乾いている糊2aを熱で溶かして再び貼れるようにする装置で、加熱位置と待機位置との間を移動する構造になっており、また例えば熱風を乾いている糊2aの部分に吹き出して溶かす構造になっている。
【0019】
糊部加熱装置5は、熱風を吹き出す横長なヒーター部51と、先端にヒーター部51が取り付けられた可動アーム52と、この可動アーム52を可動させてヒーター部51を袋2の開口部の糊代部分21の乾いた糊2aが付着されている近くの加熱位置と加熱位置から離れた待機位置とに移動させる可動機構53とから構成されている。可動機構53は封緘装置1の片側の側部フレームに設けられている。
【0020】
下向折曲装置6は、横向折曲装置4で横向きに折り曲げられた袋2の横向きの開口部先端部分を更に略90度下向方向に折り曲げる装置で、横長なクランプ板31の前方真上位置に下向きに略垂直に設けられている。下向折曲装置6は、下向折曲板61とこれを下に向けて進退させる下向折曲板用シリンダー62とから構成されている。
【0021】
下向折曲板61は、袋2の糊代部分21がある開口部上端部分を横向きに折り曲げた横向折曲板41の上方から、横向折曲板41に形成された貫通溝孔41aに向かって下向きに下降して、横向折曲板41の貫通溝孔41aを下端辺が貫通して横向きの開口部先端部分を略90度下向きに折り曲げる平板で、上記のクランプ板31及び左右の各フラップ32より袋2の開口部の折り曲げ厚み程度前方に出る位置に、略垂直な下向きに設けられている。
【0022】
下向折曲板用シリンダー62は、下向折曲板61の上部側に下向きに配置されている。下向折曲板用シリンダー62は、そのピストンロッドの先端側が下向折曲板61の上部に連結されていて、ピストンロッドの伸縮によって下向折曲板61を略垂直に昇降させる機構になっている。
【0023】
折曲ガイド・圧着装置7は、袋2の開口部の横向き折り曲げ時には折り曲げガイドとして機能すると共に、溶けた糊部分が付着している下向きに折り曲げられた開口部付近を袋2の両面側から挟んで圧着して完全に糊付けを達成する装置である。
【0024】
折曲ガイド・圧着装置7は、クランプ板31及びフラップ32の前方側に位置してクランプ板31及びフラップ32に向けて移動する横長な折曲ガイド・圧着板71と、クランプ板31及びフラップ32の真下に配置され相対峙する位置ある横長な圧着受盤72と、クランプ板31及びフラップ32に向けて進退させる折曲ガイド・圧着用シリンダー73とから構成されている。
【0025】
横長な折曲ガイド・圧着板71は、その上辺位置がクランプ板31及びフラップ32の上辺位置と略同じ高さ位置にあり、又その下辺位置は圧着受盤72の下辺位置よりも低い高さ位置にある。折曲ガイド・圧着板71の上辺側は袋2の開口部上端部分を横向きに折り曲げる際の折り曲げガイドとして機能する。
【0026】
また、圧着受盤72と相対峙する折曲ガイド・圧着板71の下半部側は、圧着受盤72と協動して袋2の両面を挟んで圧着する機能を果たす。折曲ガイド・圧着板71の下半部側の表面及び圧着受盤72の表面には、ゴムプレート71a,72aがそれぞれ貼り付けられていて、袋2の両面を弾力をもって圧着でき又袋2の両面を傷付けないよう構成になっている。
【0027】
袋2の開口部の左右両端側を挟む位置に前進している左右のフラップ32と対面する折曲ガイド・圧着板71の左右両端側は、フラップ32の厚み分だけ窪んだ圧着隙間面71bに形成されていて、折曲ガイド・圧着板71が圧着受盤72に圧着しても、両端側のフラップ32が両外側方に向けてスムースに後退できる構造になっている。
【0028】
折曲ガイド・圧着用シリンダー73は、クランプ板31及びフラップ32の前方側で折曲ガイド・圧着板71の後方側となる箇所に取り付けられた横フレーム上に水平向きに配置されている。折曲ガイド・圧着用シリンダー73は、そのピストンロッドの先端側が折曲ガイド・圧着板71の後部に連結されていて、ピストンロッドの伸縮によって折曲ガイド・圧着板71を前方に向けて略水平に前進及び後退させる機構になっている。
【0029】
次に、上記発明を実施するための最良の形態の構成に基づく作用について以下説明する。
例えば粉粒物などの内容物を袋2に充填装置11で充填した後、内容物が充填された袋2を搬送装置12によって封緘装置1まで搬送する。内容物が充填された袋2はその上端側が開口されていて、この開口部付近の折り曲げて両面が密着する部分の糊代部分21には予め乾いた糊2aが横方向に付着されている。
【0030】
内容物が充填された袋2が封緘装置1まで搬送されると、袋2の開口部上端部分の乾いた糊2aが付着されていない側を封緘装置1のクランプ装置3のクランプ板31の表面に押し当て、左右の両フラップ用シリンダー33が作動して、クランプ板31の左右両端側の外側方に位置していたフラップ32がクランプ板31の表面に沿って平行にクランプ板31の中央側に向かってそれぞれ前進する。
【0031】
クランプ板31の表面に沿って前進した左右のフラップ32は、クランプ板31との隙間に袋2の糊代部分21がある開口部上端部分より少し下側の左右両端側を挟んで挟持する。クランプ板31の両端側と左右のフラップ32により挟持された袋2は、折り曲げられる袋2の開口部上端部分がクランプ板31及び左右のフラップ32の上辺より上方に向けて突出している。
【0032】
クランプ板31と左右のフラップ32とにより袋2の開口部付近を挟んで挟持すると、折曲ガイド・圧着装置7の折曲ガイド・圧着用シリンダー73が作動して、クランプ板31及び左右のフラップ32の前方に待機していた折曲ガイド・圧着板71をこれらに向けて前進させる。
【0033】
前進する折曲ガイド・圧着板71は下半分側に設けられたゴムプレート71aがクランプ板31及び左右のフラップ32により挟まれている部分より下側の袋2の開口部付近に当接し、折曲ガイド・圧着板71のゴムプレート71aと同じ高さに設けられている向かい側の圧着受盤72のゴムプレート72aとにより、袋2をその両面から圧着して袋2を固定状態に挟持する。
【0034】
折曲ガイド・圧着板71と圧着受盤72とが協動して袋2を固定状態に挟持すると、横向折曲装置4の横向折曲板用シリンダー42が作動して、クランプ板31及び左右のフラップ32の上辺の高さに位置しこれらの後方に待機していた横向折曲板41を前進させる。前進する横向折曲板41の前端辺はクランプ板31及び左右のフラップ32の上辺より上方に向けて突出している袋2の開口部上端側の折り曲げられる部分に当接する。
【0035】
袋2の開口部上端側の折り曲げられる部分に当接した横向折曲板41の前端辺は、更に前進を続けて、袋2の開口部上端側の折り曲げられる部分を前進方向に折り曲げる。このとき、圧着受盤72と協動して両面から袋2を挟持している折曲ガイド・圧着板71は、その上辺の高さがクランプ板31及びフラップ32の上辺の高さと同じ高さにある。
【0036】
このため、これらの上辺から突出する袋2の上向きの開口部上端側の折り曲げられる部分は、クランプ板31及びフラップ32の上辺の高さ位置で略90度の横向きに折り曲げられることになる。つまり、折曲ガイド・圧着板71の上辺は袋2を横向きに折り曲げる場合に折り曲げガイドの機能を果たすことになる。
【0037】
横向折曲装置4の横向折曲板41により袋2の開口部上端側の折り曲げられる部分を略90度横向きに折り曲げると、糊部加熱装置5の可動機構53が作動して、可動アーム52を介して折曲ガイド・圧着装置7の後部上方に待機していたヒーター部51を前進した横向折曲板41の前部側の下方側位置に移動させる。
【0038】
ヒーター部51が移動してきた横向折曲板41の前部側の下方側位置の真上側には、横向折曲板41によって略90度横向きに折り曲げられた袋2の開口部上端側部分が位置しており、しかもこの折り曲げられた部分の下側に向いている側の表面には乾いた糊2aが付着されている。このため、袋2の開口部の折り曲げられた糊代部分21に付着されている乾いた糊2aは、移動してきたヒーター部51から吹き出される熱風によって溶かされて接着可能な状態に戻る。
【0039】
糊部加熱装置5のヒーター部51により所定時間加熱して袋2の開口部の折り曲げられた糊代部分21に付着されている乾いた糊2aを溶かして接着可能状態に戻すと、糊部加熱装置5の可動機構53が逆方向に作動して、可動アーム52を介してヒーター部51を元の待機位置に後退させる。
【0040】
糊部加熱装置5のヒーター部51が待機位置に後退すると、下向折曲装置6の下向折曲板用シリンダー62が作動して、袋2を横向きに折り曲げている横向折曲板41の前部側の上方位置に待機している下向折曲板61を下向きに移動つまり降下させる。
【0041】
降下する下向折曲板61の真下には袋2を横向きに折り曲げている横向折曲板41が前方に水平に突出している。この横向折曲板41には降下する下向折曲板61の降下線上に貫通溝孔41aが形成されており、下向折曲板61の下端側はこの貫通溝孔41aして横向折曲板41の下側に突出する。
【0042】
横向折曲板41の下側に突出した下向折曲板61の下端辺は、横向折曲板41の下面側でこれに略平行に横向きに折り曲げられている袋2の糊代部分21がある開口部の先端側部分に当接する。袋2の開口部先端部分に当接した下向折曲板61の下端辺は、更に降下を続けて、袋2の開口部先端部分を降下方向つまり下向き方向に略90度折り曲げる。
【0043】
このようにして、袋2の上向きであった糊代部分21がある開口部上端部分は、横向折曲装置4と下向折曲装置6によって略180度折り曲げられる。つまり、袋2の上向きであった開口部上端部分は、横向折曲装置4によって略90度横向きに折り曲げられて横向きの開口部先端部分となり、更に下向折曲装置6によって横向きの状態から略90度下向きに折り曲げられる。
【0044】
下向折曲装置6の下向折曲板61によって袋2の上向きであった糊代部分21がある開口部上端部分を折り曲げると、下向折曲装置6の下向折曲板用シリンダー62のピストンロッドを収縮させて、横向折曲板41の下方側に突出していた下向折曲板61を上昇させて元の位置に後退させ、待機位置に後退していた折曲ガイド・圧着装置7を再び作動させる。
【0045】
折曲ガイド・圧着装置7の折曲ガイド・圧着用シリンダー73を作動させて、待機位置に後退していた折曲ガイド・圧着板71を再び圧着受盤72に向けて前進させる。前進した折曲ガイド・圧着板71の下半分側に設けられたゴムプレート71aが180度折り曲げられた袋2の開口部先端部分の外側表面を圧着受盤72側に向けて押し付ける。また、この動作に連動して、フラップ用シリンダー33の作動により左右のフラップ32は外側方の待機位置に後退する。
【0046】
180度折り曲げられた袋2の開口部先端部分は、折曲ガイド・圧着板71のゴムプレート71aと圧着受盤72のゴムプレート72aとによって両側から圧着される。圧着された袋2の開口部先端部分の折り曲げられて密着する糊代部分21の表面部分には溶けた糊が袋2の幅方向に糊付けされているため、糊の接着作用によっており、袋2の開口部の糊付けが行われる。
【0047】
このようにして、溶けた糊部分を袋2の両面側から挟んで圧着して、袋2の開口部の糊付け作業が完了すると、折曲ガイド・圧着板71は元の待機位置に後退し、開口部の糊付け作業が完了した袋2は封緘装置1から排出され、次の開口部が糊付けされていない袋2が搬送装置12によってこの封緘装置1に送られ、以下同様な動作が繰り返される。
【0048】
なお、この発明は上記発明を実施するための最良の形態に限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】この発明を実施するための最良の形態を示す封緘装置を含む概略全体正面図である。
【図2】この発明を実施するための最良の形態を示す封緘装置の要部平面図である。
【図3】この発明を実施するための最良の形態を示す封緘装置のクランプ装置側の正面図である。
【図4】この発明を実施するための最良の形態を示す封緘装置の糊部加熱装置が加熱位置にあるときの平面図である。
【図5】この発明を実施するための最良の形態を示す封緘装置の側面図である。
【図6】この発明を実施するための最良の形態を示す横向折曲板の平面図である。
【図7】(A)〜(H)はこの発明を実施するための最良の形態を示す封緘装置による作業工程図である。
【符号の説明】
【0050】
1 封緘装置
11 充填装置
12 搬送装置
2 袋
2a 糊
21 糊代部分
3 クランプ装置
31 クランプ板
32 フラップ
33 フラップ用シリンダー
4 横向折曲装置
41 横向折曲板
41a 貫通溝孔
42 横向折曲板用シリンダー
5 糊部加熱装置
51 ヒーター部
52 可動アーム
53 可動機構
6 下向折曲装置
61 下向折曲板
62 下向折曲板用シリンダー
7 折曲ガイド・圧着装置
71 折曲ガイド・圧着板
71a ゴムプレート
71b 圧着隙間面
72 圧着受盤
72a ゴムプレート
73 折曲ガイド・圧着用シリンダー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を充填した袋の開口部の両端側を挟持するクランプ装置と、クランプ装置で挟持した袋の上向きの糊代部分のある開口部上端部分を横向方向に折り曲げる横向折曲装置と、袋の開口部の糊代部分に付着された乾いた糊を熱で溶かして再び貼れるようにする糊部加熱装置と、横向折曲装置とで横向方向に折り曲げられた袋の糊代部分のある開口部先端部分を下向方向に折り曲げる下向折曲装置と、袋の糊代部分のある開口部の横向き折り曲げ時には折り曲げガイドとして機能すると共に溶けた糊部分を袋の両面側から挟んで圧着して完全に糊付けする折曲ガイド・圧着装置と、から構成したことを特徴とする封緘装置。
【請求項2】
内容物を充填した袋の開口部の両端側をクランプ板の左右両端側と左右のフラップとの隙間に挟んで挟持するクランプ装置と、クランプ装置で挟持した袋の上向きの糊代部分のある開口部上端部分を横方向に移動して横向方向に折り曲げる横向折曲板を進退自在に備えた横向折曲装置と、袋の開口部の糊代部分に付着された乾いた糊を熱で溶かすヒーター部を備えこのヒーター部を乾いた糊の加熱位置と待機位置との間で可動自在とする糊部加熱装置と、横向折曲装置とで横向方向に折り曲げられた袋の糊代部分のある開口部先端部分を下降して上記横向折曲板に形成した貫通溝孔を貫通して下向方向に折り曲げる下向折曲板を昇降自在に備えた下向折曲装置と、袋の糊代部分のある開口部の横向き折り曲げ時にはその上辺が折り曲げガイドとして機能すると共に溶けた糊部分を袋の両面側から挟んで圧着して完全に糊付けする進退自在な折曲ガイド・圧着板とクランプ板の下部に配置された圧着受盤とを備えた折曲ガイド・圧着装置と、から構成したことを特徴とする封緘装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−193193(P2006−193193A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−8358(P2005−8358)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(390034865)株式会社長崎機器製作所 (3)
【Fターム(参考)】