封鎖構造、筐体、および現像器
【課題】
部材の歪みが回避された封鎖構造、筐体、および現像器を提供する。
【解決手段】
封鎖構造20において、第1部材24と、第1部材との間隔を狭める力が掛かった第2部材22であって、別部材26を介して間接にあるいは自身で直接に第1部材24に掛かって力を生じる掛かり部222と、第1部材24に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分221とを有した第2部材と、突出部分の頂部と第1部材とに挟まれた、力によって変形することで第1部材と第2部材との間を封鎖する、変形しても突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材25とを備えたことを特徴とする。
部材の歪みが回避された封鎖構造、筐体、および現像器を提供する。
【解決手段】
封鎖構造20において、第1部材24と、第1部材との間隔を狭める力が掛かった第2部材22であって、別部材26を介して間接にあるいは自身で直接に第1部材24に掛かって力を生じる掛かり部222と、第1部材24に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分221とを有した第2部材と、突出部分の頂部と第1部材とに挟まれた、力によって変形することで第1部材と第2部材との間を封鎖する、変形しても突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材25とを備えたことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、封鎖構造、筐体、および現像器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、画像形成装置内で現像剤を供給して現像を行う現像器のように、粉体や流体が収容された装置では、筐体が例えば蓋と本体といった複数の部材から構成される場合に、これらの部材間の隙間に封止材を挟んで内容物の漏洩を防ぐ封鎖構造とすることが知られている。このような封鎖構造では、筐体を製造するに場合に、例えばねじ留めによって複数の部材間に互いの間隔を狭める力を掛け、封止材を弾性変形させて密着性を確保する。
【0003】
例えば、特許文献1には、現像剤漏れをシールするシール部材を設けたプロセスカートリッジが示されており、シール部材がシール性を有する滑面シールと弾性体とを有している。また、特許文献2には、液状エラストマを固化させたものによって現像剤の漏出を防ぐようにしたプロセスカートリッジが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−314269号公報
【特許文献2】特開2002−207409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、部材の歪みが回避された封鎖構造、筐体、および現像器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る封鎖構造は、
第1部材と、
上記第1部材との間隔を狭める力が掛かった第2部材であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接にこの第1部材に掛かって上記力を生じる掛かり部と、この第1部材に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2部材と、
上記突出部分の頂部と上記第1部材とに挟まれた、上記力によって変形することでこの第1部材と上記第2部材との間を封鎖する、変形しても上記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る封鎖構造は、上記封鎖材が、液状で塗布されて硬化しても弾性を持ち、外的な力により形状変化するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る封鎖構造は、上記突出部分が、上記第1部材に沿って延びる突条であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る封鎖構造は、上記第2部材が、上記突出部分の隣でこの突出部分の突出と同じ方向に突出した、上記封鎖材が少なくとも変形時に接触する壁を有するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る封鎖構造は、この封鎖構造の一方から他方への物質漏出を塞ぐものであって、
上記壁が、上記突出部分に対し漏出する物質が収容された側に位置したものであることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る筐体は、
第1の筐体部分と、
上記第1の筐体部分と協働して内部に物を収容する空間を形成するとともにこの第1の筐体部分との間隔を狭める力が掛かった第2の筐体部分であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接にこの第1の筐体部分に掛かって上記力を生じる掛かり部と、この第1の筐体部分に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2の筐体部分と、
上記突出部分の頂部と上記第1の筐体部分とに挟まれた、上記力によって変形することでこの第1の筐体部分と上記第2の筐体部分との間を封鎖する、変形しても上記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る現像器は、
第1の筐体部分と、
上記第1の筐体部分と協働して内部に現像剤を収容する収容槽を形成するとともにこの第1の筐体部分との間隔を狭める力が掛かった第2の筐体部分であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接にこの第1の筐体部分に掛かって上記力を生じる掛かり部と、この第1の筐体部分に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2の筐体部分と、
上記突出部分の頂部と上記第1の筐体部分とに挟まれた、上記力によって変形することでこの第1の筐体部分と上記第2の筐体部分との間を封鎖する、変形しても上記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材と、
上記収容槽に収容された現像剤を被現像部材に搬送することによってこの被現像部材の現像を行う現像剤搬送機構とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る封鎖構造によれば、部材の歪みが回避される。
【0014】
請求項2に係る封鎖構造によれば、確実な封鎖構造が製造できる。
【0015】
請求項3に係る封鎖構造によれば、線状の封鎖線が確実に製造できる。
【0016】
請求項4に係る封鎖構造によれば、壁を有しない構造に比べ封鎖材の反力不足が低減する。
【0017】
請求項6に係る筐体によれば、筐体部分の歪みが回避される。
【0018】
請求項7に係る現像器によれば、筐体部分の歪みが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置の概略断面図である。
【図2】図1に示す現像器の構造を示す斜視図である。
【図3】図2に示す筐体の構造を単純化して示した斜視図である。
【図4】図3に示す筐体の断面Aにおける部分断面図である。
【図5】図4に示す本体部材を示す拡大図である。
【図6】図3に示す蓋部材がねじによって本体部材に固定された状態を示す斜視図である。
【図7】図6に示す筐体の一部を示す断面図である。
【図8】図7の一部拡大図である。
【図9】図6に示す状態の筐体の断面Bにおける断面図である。
【図10】第1実施形態に対する比較例の断面図である。
【図11】図7に相当する、比較例の断面図である。
【図12】図9に相当する、比較例の断面図である。
【図13】第1実施形態の封鎖構造を形成する別の方法を説明する図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る本体部材および蓋部材の一部を示す断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る本体部材の一部を示す断面図である。
【図16】第1実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図17】第4実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図18】第5実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図19】第6実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図20】第7実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図21】第8実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図22】第9実施形態の現像器の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、画像形成装置の概略断面図である。
【0022】
図1に示す画像形成装置1では、帯電ロール11により所定の電荷が付与された、矢印Aの向きに回転する感光体10の表面に、外部から送信されてきた画像データに基づいて露光器12で生成した露光光が照射されることで静電潜像が形成され、矢印Cの向きに回転する現像ロール21を有する現像器2に収容された現像剤でこの静電潜像が現像される。この現像により得られた現像像は、不図示の用紙カセットから引き出され、矢印Bの向きに搬送されてきた記録用紙上に、矢印Dの向きに回転する転写ロール14によって転写され、定着器15により定着されることにより記録用紙上に画像形成が行われる。感光体10の表面に残留した残留物は、クリーニング装置16によって除去される。
【0023】
なお、画像形成装置1の各部は、単体または複数の組合せで交換可能なカートリッジを構成しており、例えば現像器2は、単独で交換可能なカートリッジを構成している。しかし、現像器2は、例えば感光体10との組合せによって、交換可能なカートリッジを構成するものであってもよい。
【0024】
図1に示す現像器2には現像のための現像剤が収容されており、クリーニング装置16には感光体10から除去された、現像剤を含む残留物が収容されている。そこで、現像器2およびクリーニング装置16のそれぞれには、収容された収容物の漏出を回避するための構造が採用されている。漏出回避のための基本構造は、現像器2とクリーニング装置16とで同様であるので、ここでは、本発明の一実施形態として、現像器2の構造について説明する。
【0025】
図2は、図1に示す現像器の構造を示す斜視図である。
【0026】
図2に示す現像器2は、被現像部材としての感光体10(図1参照)にトナーを搬送する現像ロール21と、トナーを攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材23と、現像ロール21および攪拌搬送部材23を支持するとともに、トナーが含まれた現像剤を収容する筐体20とを有する。筐体20は、本体部材22と、本体部材22の開口を覆う蓋部材24と、本体部材22と蓋部材24との間の隙間を埋めるシール材25を有する。なお、図2には、蓋部材24が本体部材22から外れた、未完成状態の筐体20が示されている。現像剤は、蓋部材24が本体部材22に取り付けられることで形成される内部の空間に収容される。
【0027】
本体部材22の開口の縁は2重の環状構造となっている。詳細な構造については後で説明するが、本体部材22は、2重の環のうちの内側の環をなす内壁部222と、この内壁部222の外側を内壁部222に沿って環状に延びる外壁部221とを有している。外壁部221の頂部にはシール材25が塗布されている。内壁部222の頂部には、ねじ穴222hが形成されている。蓋部材24は、図2に示す姿勢から裏返されて、本体部材22の開口を覆うように取り付けられ、ねじによって本体部材22に締め付けられる。このとき、シール材25が、本体部材22および蓋部材24によって挟まれて変形するとともに、蓋部材24に密着して蓋部材24と本体部材22との間を封鎖する。これによって、筐体20内のトナーの外部への漏出が回避される。ただし、本体部材22には、現像ロール21に塞がれた孔が設けられており、攪拌搬送部材23によって本体部材22内を搬送されるトナーの一部はこの孔を介して現像ロール21に供給される。
【0028】
図3および図4は、図2に示す筐体の構造を単純化して示した図である。図3は斜視図であり、筐体20の構造を見やすくするため、図2に示した現像ロール21や攪拌搬送部材23を省略するとともに本体部材22および蓋部材24の形状を単純化して示している。また、図4は、図3に示す筐体の断面Aにおける部分断面図である。図3および図4は、蓋部材24が本体部材22から離れた、筐体20が完成する直前の状態を示している。
【0029】
図4により良く示されるように、本体部材22には、底部220から蓋部材24に向かって突出した内壁部222と外壁部221とが形成されている。内壁部222は、トナーが収容される空間Sを四方から取り囲んで環状に延びている。また、外壁部221は、内壁部222の外側を内壁部222に沿って環状に延びている。内壁部222および外壁部221の双方は、本体部材22に蓋部材24が取り付けられた状態で、蓋部材24に沿って延びる形状に形成されている。
【0030】
ここで、本体部材22に蓋部材24が取り付けられ、完成した状態の筐体20が、本発明にいう筐体および封鎖構造の一実施形態である。また、この筐体20は、本発明にいう収容槽の一例にも相当し、現像ロール21が本発明にいう現像剤搬送機構の一例に相当する。また、蓋部材24が本発明にいう第1部材の一例に相当し、本体部材22が本発明にいう第2部材の一例に相当し、外壁部221が本発明にいう突出部分の一例に相当し、シール材25が本発明にいう封鎖材の一例に相当する。また、内壁部222が、本発明にいう掛かり部と壁とを兼ねたものの一例に相当する。
【0031】
外壁部221は、頂部221Aより裾221B,221Cが広がった形状を有している。より詳細には、外壁部221は、収容空間S側である内側とその反対側である外側との両側に斜面が形成されており、台形状の断面を有している。
【0032】
内壁部222には、ねじ穴222hが設けられており、ねじ26によって蓋部材24に締め付けられる。すなわち、内壁部222が、ねじ26を介して間接に蓋部材24に掛かることによって、本体部材22には蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。蓋部材24は、内壁部222の頂部に当たる位置までねじ26によって締め付けられる。
【0033】
シール材25は、外壁部221の頂部221Aを覆うように設けられている。図3に示すように、シール材25は外壁部221に沿って環状に延びている。シール材25は、外壁部221の頂部221Aに液状で塗布され、その後、硬化したものである。この液状のシール材は、硬化しても弾力を持ち、外的な力により形状変化する。液状のシール材を塗布して硬化させることにより、外壁部221の頂部221Aにシール材が密着した確実な封鎖構造が形成される。シール材25の材料としては、例えば、加熱した熱可塑性エラストマが採用される。シール材の塗布にはシール材を吐出するノズルを備えた塗布装置(図示せず)を用い、ノズルから液状のシール材を吐出させるとともに、ノズルを本体部材22に対し相対的に移動する。これによって、外壁部221の頂部に液状のシール材25が供給される。塗布装置は、環状の外壁部221の頂部221Aのある一点を塗布開始点として、本体部材22の外壁部221に沿って移動しながら頂部221Aにシール材を塗布し、塗布開始点まで戻った時点で塗布を終了する。このようにして、シール材25が環状に塗布される。なお、塗布開始点の付近、および塗布終了点の付近では、塗布装置の加速・減速による速度変化によって、シール材25の塗布量に偏差が生じている。
【0034】
図5は、図4に示す本体部材を示す拡大図である。
【0035】
図5に示すように、外壁部221の頂部221Aの高さは、内壁部の頂部の高さよりも寸法Dだけ低く形成されている。このため、仮に、シール材25がない状態のまま蓋部材24が本体部材22に取り付けられたとすると、外壁部221の頂部221Aと蓋部材24との間には寸法Dの隙間が生じる。実際には、この隙間はシール材25によって埋められる。蓋部材24がねじ26(図4参照)によって本体部材22に締め付けられると、シール材25は、本体部材22と蓋部材24との間に掛かる締め付け力によって、図5のハッチングで示す、外壁部221の周囲の空間で変形する。より具体的には、シール材25は、蓋部材24に押し付けられることによって、両側の裾221B,221Cに向かって移動する。ここで、図5のハッチングで示す、外壁部221の周りの空間の断面は、図5に破線で示す、変形前のシール材25が占める空間の断面よりも大きい。
【0036】
図6は、図3に示す蓋部材がねじによって本体部材に固定された状態を示す斜視図である。
【0037】
図6に示すように、本体部材22および蓋部材24がねじ26によって締め付けられ、筐体20が完成した状態では、シール材25が、本体部材22の外壁部221と蓋部材24とに挟まれ、本体部材22と蓋部材24との間を封鎖する。したがって、筐体20内のトナーは、現像ロール21に供給される分を除き、外部への漏れが防止される。
【0038】
シール材25は、図6に示す状態では、本体部材22と蓋部材24との間隔を狭む力、具体的には、本体部材22および蓋部材24の間に掛かる締め付け力によって変形している。
【0039】
ここで、図6に示す状態の筐体20が、本発明にいう筐体および封鎖構造の一実施形態である。
【0040】
図7は、図6に示す筐体の一部を示す断面図であり、図8は、図7の一部拡大図である。また、図9は、図6に示す状態の筐体の断面Bにおける断面図である。
【0041】
図7および図8に示す構造は、収容されたトナーが内部の収容空間Sから外部へ漏出するのを塞いでいるが、ここで、内壁部222は、外壁部221に対し漏出するトナーが収容された収容空間S側に位置している。このため、シール材25がトナーで汚染されることが回避される。
【0042】
また、図7および図8に示すシール材25は、本体部材22および蓋部材24の間に掛かる締め付け力によって変形しているが、外壁部221の頂部221Aと蓋部材24との間には、図5に示した寸法Dの間隔があるため、シール材25は頂部221Aで分断されず、頂部221Aの上に残っている。シール材25は、硬化した状態であっても、仮に締め付け力が解除されて、蓋部材24が本体部材22から外れた場合には、図4に示す元の形状に戻る方向に変形する程度の弾性を有している。このため、変形したシール材25は、弾性よる反力によって、蓋部材24と外壁部221とに押し当たって密着しており、これによって、本体部材22および蓋部材24の間の遮蔽が保たれている。
【0043】
また、外壁部221は、頂部221Aより裾221B,221Cが広がった形状を有しているため、シール材25は、蓋部材24から受ける力によって、頂部221A付近から逃げて裾221B,221C付近に向かって移動するように変形する。しかし、シール材25は、変形した状態でも、外壁部221の裾221B,221Cの下部には到達しない。つまり、裾221B,221Cの周囲がシール材25で完全に埋まることがなく、シール材25にはさらに変形する余裕がある。このように、変形の途中で裾221B,221Cの周囲がシール材25で完全に埋まることがないので、本体部材22および蓋部材24がねじ26によって締め付けられるときには、シール材25の反力が緩やかに上昇し、蓋部材24の歪みが回避される。
【0044】
また、シール材25は、特に、外壁部221の頂部221Aと蓋部材24との間で圧縮されている。ここで、外壁部221は、頂部221Aより裾221B,221Cが広がった形状を有している。すなわち、外壁部221は、裾221B,221Cの下部での幅W1botより頂部221Aの幅W1topが狭い。このため、シール材25のうちの特に圧縮される部分は、幅の狭まった頂部221Aの上部の狭い範囲に限定される。したがって、シール材25による反力が、蓋部材24を変形させない範囲に収まる。
【0045】
また、本体部材22および蓋部材24がねじ26によって締め付けられた状態では、変形したシール材25が内壁部222に接触する。シール材25は変形にともない内壁部222から反力を受けるため、内壁部222を有さない構造に比べ蓋部材24に対するシール材25の反力不足が低減する。
【0046】
ここで、比較例として、シール材による反力が過剰となる場合ついて説明する。
【0047】
図10〜図12は、上述した第1実施形態に対する比較例の構造を示した図である。
【0048】
図10は、第1実施形態の図4に相当する断面図であり、図11は、第1実施形態の図7に相当する断面図であり、図12は、第1実施形態の図9に相当する断面図である。
【0049】
図10〜図12に示す比較例における、本体部材9022の外壁部9221は、根元部分9221Bの幅W2が頂部9221Aまで維持された、直方体状の形状となっている。
【0050】
この比較例では、図11に示すように、蓋部材9024が本体部材9022にねじ9026によって締め付けられると、シール材9025は外側にはみ出す他に逃げ場がない。このため、本体部材9022および蓋部材9024がねじ9026によって締め付けられる途中でシール材9025の変形が抑止され、シール材9025による反力が急激に増大する。また、蓋部材9024との間でシール材9025を挟む頂部9221Aの面積が大きいため、シール材9025の大きな反力によって、蓋部材9024が上方に押し上げられる。この結果、図12に示すように、特にねじ9026から離れた場所では、蓋部材9024と外壁部221の間の距離が増大する。
【0051】
このように、比較例では、シール材9025の反力によって蓋部材9024が歪むが、ここで上述した第1実施形態の場合に戻って説明すると、第1実施形態の筐体では、外壁部221が、頂部221Aより裾221B,221Cが広がった形状を有しているため、比較例の構造に比べシール材25の反力が小さい。この結果、図9に示すように、蓋部材24の歪みが回避される。
【0052】
また、第1実施形態の構造では、図8に示したように、蓋部材24との間でシール材25を挟む頂部221Aの幅が狭まっており、シール材25のうちの特に圧縮される部分が狭い範囲に限定される。このため、シール材の塗布量に偏差があっても、蓋部材24の歪みが回避される。
【0053】
例えば、塗布装置によって液状のシール材を塗布する際に、塗布開始点の付近と塗布終了点の付近でノズル移動の加減速によりシール材の塗布量に偏差が生じる場合がある。このため、本体部材22および蓋部材24が締め付けられるとき、シール材の反力が適切となる、頂部221Aと蓋部材24の間隔にも偏差が生じる。しかし、第1実施形態の構造では、シール材25のうちの特に圧縮される部分が狭い範囲に限定され、締め付け時における反力の上昇が緩やかであるため、頂部221Aと蓋部材24の間隔について、シール材の反力が適切となる範囲が広い。このため、シール材の塗布量に偏差があっても、シール材の反力が各位置で適切な範囲に収まり、蓋部材24の歪みが回避される。この結果、塗布工程におけるシール材の塗布量制御には余裕が生じる。
【0054】
上述した第1実施形態の説明では、液状のシール材を本体部材22の外壁部221に沿って塗布する方法を説明した。しかし、筐体を製造する方法は、これに限られるものでない。
【0055】
図13は、第1実施形態の封鎖構造を形成する別の方法を説明する図である。
【0056】
図13に示す方法では、液状のシール材が蓋部材24に塗布される。より詳細には、シール材25は、蓋部材24のうち、本体部材22の外壁部221の頂部221Aに対応する位置に、環状に塗布される。シール材が硬化した後、蓋部材24を本体部材22に固定することで、図7に示したように、シール材を外壁部221の頂部221Aと蓋部材24とで挟んだ構造が完成する。
【0057】
続いて、本発明の別の実施形態について説明する。以下の実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた第1実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示し、第1実施形態との相違点について説明する。
【0058】
図14は、本発明の第2実施形態に係る本体部材および蓋部材の一部を示す断面図である。
【0059】
図14に示す本体部材32は、外壁部321と内壁部322が頂部321Aまで一体となり、全体として突出している点が第1実施形態と異なる。頂部321Aに続く傾斜は一方に形成されている。この点以外は第1実施形態と同じである。
【0060】
蓋部材34がねじ26によって本体部材32に締め付けられると、シール材25が外壁部321の裾321Bに向かって移動するように変形するが、裾321Bには達しない。このため、第1実施形態と同様に、シール材25の反力が緩やかに増大するので、蓋部材24の歪みが回避される。ここで、外壁部321と内壁部322の一体化したものが本発明にいう突出部分の一例に相当する。
【0061】
図15は、本発明の第3実施形態に係る本体部材の一部を示す断面図である。
【0062】
図15に示す本体部材42は、外壁部421が曲面形状を有しており、より詳細には蒲鉾形である点が第1実施形態と異なる。この点以外は第1実施形態と同じである。外壁部421が曲面形状を有している構造であっても、第1実施形態と同様に、シール材25の反力の急激な増大が回避されるので、蓋部材の歪みが回避される。
【0063】
図16は、第1実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0064】
上述した第1実施形態から第3実施形態までは、例えば図16に示すように、筐体の内側に内壁部222があり、外側に外壁部221がある構造を説明した。しかし、本発明にいう掛かり部または突出部分は、上述した形状や位置関係に限られず、種々の形態が含まれる。ここで、本発明にいう掛かり部および突出部分について、上述した実施形態とは異なる別の実施形態について説明する。
【0065】
図17は、第4実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0066】
図17に示す本体部材52は、外壁部221の内側に、壁状ではなく、蓋部材24に向かって突出した柱状体522を有している。ここで、柱状体522が、本発明にいう掛かり部の一例に相当する。
【0067】
図17に示す構造では、柱状体522が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材52に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0068】
図18は、第5実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0069】
図18に示す本体部材62は、蓋部材24に向かって突出した柱状体622を、蓋部材24との間にシール材(図示しない)を挟む壁状体621(第4実施形態にいう外壁部221に相当)の外側に有している。ここで、柱状体622が、本発明にいう掛かり部の一例に相当する。
【0070】
図18に示す構造では、柱状体622が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材62に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0071】
図19は、第6実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0072】
図19に示す本体部材72は、蓋部材24との間にシール材(図示しない)を挟む第1の壁状体721(第4実施形態にいう外壁部221に相当)の外側に、蓋部材24に向かって突出した第2の壁状体722を有している。ここで、第2の壁状体722が、本発明にいう掛かり部と壁とを兼ねたものの一例に相当する。
【0073】
図19に示す構造では、第2の壁状体722が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材72に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0074】
図20は、第7実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0075】
図20に示す本体部材82は、蓋部材24との間にシール材(図示しない)を挟む第1の壁状体821と、この壁状体821の内側と外側の両側に、蓋部材24に向かって突出した一対の第2の壁状体822とを有している。ここで、一対の第2の壁状体822が、本発明にいう掛かり部と壁とを兼ねたものの一例に相当する。
【0076】
図20に示す構造では、第2の壁状体822が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材82に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0077】
図21は、第8実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0078】
図21に示す本体部材92は、蓋部材24との間にシール材(図示しない)を挟む壁状体921が蓋部材24に沿って延びた方向の延長上に、蓋部材24に向かって突出した柱状体922を有している。ここで、柱状体922が、本発明にいう掛かり部の一例に相当する。
【0079】
図21に示す構造では、柱状体922が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材92に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0080】
これまで説明した実施形態では、本発明にいう掛かり部に相当する柱状体あるいは壁状体が、蓋部材との間にシール材を挟む突出部分に相当する壁状体に隣接して設けられていたが、本発明にいう掛かり部と突出部分とは離れた位置に形成されていてもよい。
【0081】
図22は、第9実施形態の現像器の構造を示す斜視図である。
【0082】
図22に示す現像器1002は、筐体1020を構成する本体部材22の中央に空間を仕切る仕切壁1225が設けられており、仕切壁1225の頂部には、ねじ穴1225hが形成されている。また、蓋部材1024の中央にもねじ穴1024hが設けられている。ここで、仕切壁1225が本発明にいう掛かり部の一例に相当する。
【0083】
この現像器1002は、蓋部材1024が本体部材22に1本のねじ1026で締め付けられる。このように、ねじ1026を介して蓋部材1024に掛かって、締め付け力を生じる仕切壁1225が、シール材25の位置から離れている場合でも、蓋部材1024の歪みが回避される。
【0084】
なお、上述した実施形態では、本発明にいう掛かり部の例として、ねじによって間接に掛かる構造を説明したが、本発明にいう掛かり部はこれに限られるものではなく、例えば、蓋部材にスナップフィットや鍵爪が形成され、蓋部材自身で直接に蓋部材に掛かって、本体部材と引き合う力を生じるものであってもよい。
【0085】
また、上述した実施形態では、本発明にいう第1部材の例として蓋部材を説明し、第2部材の例として本体部材を説明したが、本発明にいう封鎖構造の第1部材および第2部材は、これに限られず、例えば、第2部材が蓋部材として機能し、第1部材が本体部材として機能するものであってもよい。また、第1部材および第2部材は、収容を目的とせず単に物質の流出を抑える漏出防止壁であってもよい。
【0086】
また、上述した第1実施形態では、内壁部222および外壁部221は、収容空間Sを囲んで環状に延びているが、本発明にいう突条は環状に延びている必要はなく、漏出を防ぐべき部分以外の部分が開いていたり、また、線状に延びた形状であってもよい。
【0087】
また、本発明にいう突出部分は連続して同じ高さで延びた構造でなくともよく、例えば高さの異なる複数の柱状体が連続して並んだ構造であって、シール材25によって互いの隙間が塞がれた構造であってもよい。
【0088】
また、上述した実施形態では、本発明にいう封鎖材の例として、液状で塗布されて硬化するシール材を説明したが、本発明にいう封鎖材はこれに限られるものではなく、例えばゴム製の部材を接着したものであってもよい。ただし、液状で塗布されて硬化するシール材によれば、確実な封鎖構造が製造できる。
【符号の説明】
【0089】
2,1002 現像器
20,1020 筐体
21 現像ロール
22,32,42,52,62,72,82,92 本体部材
24,34,1024 蓋部材
25 シール材
221,321,421 外壁部
221A,321A 頂部
221B,221C,321B 裾
222 内壁部
25 シール材
522 柱状体
621,921 壁状体
622,922 柱状体
721,821 第1の壁状体
722,822 第2の壁状体
922 柱状体
1225 仕切壁
S 収容空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、封鎖構造、筐体、および現像器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、画像形成装置内で現像剤を供給して現像を行う現像器のように、粉体や流体が収容された装置では、筐体が例えば蓋と本体といった複数の部材から構成される場合に、これらの部材間の隙間に封止材を挟んで内容物の漏洩を防ぐ封鎖構造とすることが知られている。このような封鎖構造では、筐体を製造するに場合に、例えばねじ留めによって複数の部材間に互いの間隔を狭める力を掛け、封止材を弾性変形させて密着性を確保する。
【0003】
例えば、特許文献1には、現像剤漏れをシールするシール部材を設けたプロセスカートリッジが示されており、シール部材がシール性を有する滑面シールと弾性体とを有している。また、特許文献2には、液状エラストマを固化させたものによって現像剤の漏出を防ぐようにしたプロセスカートリッジが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−314269号公報
【特許文献2】特開2002−207409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、部材の歪みが回避された封鎖構造、筐体、および現像器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る封鎖構造は、
第1部材と、
上記第1部材との間隔を狭める力が掛かった第2部材であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接にこの第1部材に掛かって上記力を生じる掛かり部と、この第1部材に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2部材と、
上記突出部分の頂部と上記第1部材とに挟まれた、上記力によって変形することでこの第1部材と上記第2部材との間を封鎖する、変形しても上記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る封鎖構造は、上記封鎖材が、液状で塗布されて硬化しても弾性を持ち、外的な力により形状変化するものであることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る封鎖構造は、上記突出部分が、上記第1部材に沿って延びる突条であることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る封鎖構造は、上記第2部材が、上記突出部分の隣でこの突出部分の突出と同じ方向に突出した、上記封鎖材が少なくとも変形時に接触する壁を有するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る封鎖構造は、この封鎖構造の一方から他方への物質漏出を塞ぐものであって、
上記壁が、上記突出部分に対し漏出する物質が収容された側に位置したものであることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る筐体は、
第1の筐体部分と、
上記第1の筐体部分と協働して内部に物を収容する空間を形成するとともにこの第1の筐体部分との間隔を狭める力が掛かった第2の筐体部分であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接にこの第1の筐体部分に掛かって上記力を生じる掛かり部と、この第1の筐体部分に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2の筐体部分と、
上記突出部分の頂部と上記第1の筐体部分とに挟まれた、上記力によって変形することでこの第1の筐体部分と上記第2の筐体部分との間を封鎖する、変形しても上記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材とを備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る現像器は、
第1の筐体部分と、
上記第1の筐体部分と協働して内部に現像剤を収容する収容槽を形成するとともにこの第1の筐体部分との間隔を狭める力が掛かった第2の筐体部分であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接にこの第1の筐体部分に掛かって上記力を生じる掛かり部と、この第1の筐体部分に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2の筐体部分と、
上記突出部分の頂部と上記第1の筐体部分とに挟まれた、上記力によって変形することでこの第1の筐体部分と上記第2の筐体部分との間を封鎖する、変形しても上記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材と、
上記収容槽に収容された現像剤を被現像部材に搬送することによってこの被現像部材の現像を行う現像剤搬送機構とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る封鎖構造によれば、部材の歪みが回避される。
【0014】
請求項2に係る封鎖構造によれば、確実な封鎖構造が製造できる。
【0015】
請求項3に係る封鎖構造によれば、線状の封鎖線が確実に製造できる。
【0016】
請求項4に係る封鎖構造によれば、壁を有しない構造に比べ封鎖材の反力不足が低減する。
【0017】
請求項6に係る筐体によれば、筐体部分の歪みが回避される。
【0018】
請求項7に係る現像器によれば、筐体部分の歪みが回避される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置の概略断面図である。
【図2】図1に示す現像器の構造を示す斜視図である。
【図3】図2に示す筐体の構造を単純化して示した斜視図である。
【図4】図3に示す筐体の断面Aにおける部分断面図である。
【図5】図4に示す本体部材を示す拡大図である。
【図6】図3に示す蓋部材がねじによって本体部材に固定された状態を示す斜視図である。
【図7】図6に示す筐体の一部を示す断面図である。
【図8】図7の一部拡大図である。
【図9】図6に示す状態の筐体の断面Bにおける断面図である。
【図10】第1実施形態に対する比較例の断面図である。
【図11】図7に相当する、比較例の断面図である。
【図12】図9に相当する、比較例の断面図である。
【図13】第1実施形態の封鎖構造を形成する別の方法を説明する図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る本体部材および蓋部材の一部を示す断面図である。
【図15】本発明の第3実施形態に係る本体部材の一部を示す断面図である。
【図16】第1実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図17】第4実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図18】第5実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図19】第6実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図20】第7実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図21】第8実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【図22】第9実施形態の現像器の構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
図1は、画像形成装置の概略断面図である。
【0022】
図1に示す画像形成装置1では、帯電ロール11により所定の電荷が付与された、矢印Aの向きに回転する感光体10の表面に、外部から送信されてきた画像データに基づいて露光器12で生成した露光光が照射されることで静電潜像が形成され、矢印Cの向きに回転する現像ロール21を有する現像器2に収容された現像剤でこの静電潜像が現像される。この現像により得られた現像像は、不図示の用紙カセットから引き出され、矢印Bの向きに搬送されてきた記録用紙上に、矢印Dの向きに回転する転写ロール14によって転写され、定着器15により定着されることにより記録用紙上に画像形成が行われる。感光体10の表面に残留した残留物は、クリーニング装置16によって除去される。
【0023】
なお、画像形成装置1の各部は、単体または複数の組合せで交換可能なカートリッジを構成しており、例えば現像器2は、単独で交換可能なカートリッジを構成している。しかし、現像器2は、例えば感光体10との組合せによって、交換可能なカートリッジを構成するものであってもよい。
【0024】
図1に示す現像器2には現像のための現像剤が収容されており、クリーニング装置16には感光体10から除去された、現像剤を含む残留物が収容されている。そこで、現像器2およびクリーニング装置16のそれぞれには、収容された収容物の漏出を回避するための構造が採用されている。漏出回避のための基本構造は、現像器2とクリーニング装置16とで同様であるので、ここでは、本発明の一実施形態として、現像器2の構造について説明する。
【0025】
図2は、図1に示す現像器の構造を示す斜視図である。
【0026】
図2に示す現像器2は、被現像部材としての感光体10(図1参照)にトナーを搬送する現像ロール21と、トナーを攪拌しながら搬送する攪拌搬送部材23と、現像ロール21および攪拌搬送部材23を支持するとともに、トナーが含まれた現像剤を収容する筐体20とを有する。筐体20は、本体部材22と、本体部材22の開口を覆う蓋部材24と、本体部材22と蓋部材24との間の隙間を埋めるシール材25を有する。なお、図2には、蓋部材24が本体部材22から外れた、未完成状態の筐体20が示されている。現像剤は、蓋部材24が本体部材22に取り付けられることで形成される内部の空間に収容される。
【0027】
本体部材22の開口の縁は2重の環状構造となっている。詳細な構造については後で説明するが、本体部材22は、2重の環のうちの内側の環をなす内壁部222と、この内壁部222の外側を内壁部222に沿って環状に延びる外壁部221とを有している。外壁部221の頂部にはシール材25が塗布されている。内壁部222の頂部には、ねじ穴222hが形成されている。蓋部材24は、図2に示す姿勢から裏返されて、本体部材22の開口を覆うように取り付けられ、ねじによって本体部材22に締め付けられる。このとき、シール材25が、本体部材22および蓋部材24によって挟まれて変形するとともに、蓋部材24に密着して蓋部材24と本体部材22との間を封鎖する。これによって、筐体20内のトナーの外部への漏出が回避される。ただし、本体部材22には、現像ロール21に塞がれた孔が設けられており、攪拌搬送部材23によって本体部材22内を搬送されるトナーの一部はこの孔を介して現像ロール21に供給される。
【0028】
図3および図4は、図2に示す筐体の構造を単純化して示した図である。図3は斜視図であり、筐体20の構造を見やすくするため、図2に示した現像ロール21や攪拌搬送部材23を省略するとともに本体部材22および蓋部材24の形状を単純化して示している。また、図4は、図3に示す筐体の断面Aにおける部分断面図である。図3および図4は、蓋部材24が本体部材22から離れた、筐体20が完成する直前の状態を示している。
【0029】
図4により良く示されるように、本体部材22には、底部220から蓋部材24に向かって突出した内壁部222と外壁部221とが形成されている。内壁部222は、トナーが収容される空間Sを四方から取り囲んで環状に延びている。また、外壁部221は、内壁部222の外側を内壁部222に沿って環状に延びている。内壁部222および外壁部221の双方は、本体部材22に蓋部材24が取り付けられた状態で、蓋部材24に沿って延びる形状に形成されている。
【0030】
ここで、本体部材22に蓋部材24が取り付けられ、完成した状態の筐体20が、本発明にいう筐体および封鎖構造の一実施形態である。また、この筐体20は、本発明にいう収容槽の一例にも相当し、現像ロール21が本発明にいう現像剤搬送機構の一例に相当する。また、蓋部材24が本発明にいう第1部材の一例に相当し、本体部材22が本発明にいう第2部材の一例に相当し、外壁部221が本発明にいう突出部分の一例に相当し、シール材25が本発明にいう封鎖材の一例に相当する。また、内壁部222が、本発明にいう掛かり部と壁とを兼ねたものの一例に相当する。
【0031】
外壁部221は、頂部221Aより裾221B,221Cが広がった形状を有している。より詳細には、外壁部221は、収容空間S側である内側とその反対側である外側との両側に斜面が形成されており、台形状の断面を有している。
【0032】
内壁部222には、ねじ穴222hが設けられており、ねじ26によって蓋部材24に締め付けられる。すなわち、内壁部222が、ねじ26を介して間接に蓋部材24に掛かることによって、本体部材22には蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。蓋部材24は、内壁部222の頂部に当たる位置までねじ26によって締め付けられる。
【0033】
シール材25は、外壁部221の頂部221Aを覆うように設けられている。図3に示すように、シール材25は外壁部221に沿って環状に延びている。シール材25は、外壁部221の頂部221Aに液状で塗布され、その後、硬化したものである。この液状のシール材は、硬化しても弾力を持ち、外的な力により形状変化する。液状のシール材を塗布して硬化させることにより、外壁部221の頂部221Aにシール材が密着した確実な封鎖構造が形成される。シール材25の材料としては、例えば、加熱した熱可塑性エラストマが採用される。シール材の塗布にはシール材を吐出するノズルを備えた塗布装置(図示せず)を用い、ノズルから液状のシール材を吐出させるとともに、ノズルを本体部材22に対し相対的に移動する。これによって、外壁部221の頂部に液状のシール材25が供給される。塗布装置は、環状の外壁部221の頂部221Aのある一点を塗布開始点として、本体部材22の外壁部221に沿って移動しながら頂部221Aにシール材を塗布し、塗布開始点まで戻った時点で塗布を終了する。このようにして、シール材25が環状に塗布される。なお、塗布開始点の付近、および塗布終了点の付近では、塗布装置の加速・減速による速度変化によって、シール材25の塗布量に偏差が生じている。
【0034】
図5は、図4に示す本体部材を示す拡大図である。
【0035】
図5に示すように、外壁部221の頂部221Aの高さは、内壁部の頂部の高さよりも寸法Dだけ低く形成されている。このため、仮に、シール材25がない状態のまま蓋部材24が本体部材22に取り付けられたとすると、外壁部221の頂部221Aと蓋部材24との間には寸法Dの隙間が生じる。実際には、この隙間はシール材25によって埋められる。蓋部材24がねじ26(図4参照)によって本体部材22に締め付けられると、シール材25は、本体部材22と蓋部材24との間に掛かる締め付け力によって、図5のハッチングで示す、外壁部221の周囲の空間で変形する。より具体的には、シール材25は、蓋部材24に押し付けられることによって、両側の裾221B,221Cに向かって移動する。ここで、図5のハッチングで示す、外壁部221の周りの空間の断面は、図5に破線で示す、変形前のシール材25が占める空間の断面よりも大きい。
【0036】
図6は、図3に示す蓋部材がねじによって本体部材に固定された状態を示す斜視図である。
【0037】
図6に示すように、本体部材22および蓋部材24がねじ26によって締め付けられ、筐体20が完成した状態では、シール材25が、本体部材22の外壁部221と蓋部材24とに挟まれ、本体部材22と蓋部材24との間を封鎖する。したがって、筐体20内のトナーは、現像ロール21に供給される分を除き、外部への漏れが防止される。
【0038】
シール材25は、図6に示す状態では、本体部材22と蓋部材24との間隔を狭む力、具体的には、本体部材22および蓋部材24の間に掛かる締め付け力によって変形している。
【0039】
ここで、図6に示す状態の筐体20が、本発明にいう筐体および封鎖構造の一実施形態である。
【0040】
図7は、図6に示す筐体の一部を示す断面図であり、図8は、図7の一部拡大図である。また、図9は、図6に示す状態の筐体の断面Bにおける断面図である。
【0041】
図7および図8に示す構造は、収容されたトナーが内部の収容空間Sから外部へ漏出するのを塞いでいるが、ここで、内壁部222は、外壁部221に対し漏出するトナーが収容された収容空間S側に位置している。このため、シール材25がトナーで汚染されることが回避される。
【0042】
また、図7および図8に示すシール材25は、本体部材22および蓋部材24の間に掛かる締め付け力によって変形しているが、外壁部221の頂部221Aと蓋部材24との間には、図5に示した寸法Dの間隔があるため、シール材25は頂部221Aで分断されず、頂部221Aの上に残っている。シール材25は、硬化した状態であっても、仮に締め付け力が解除されて、蓋部材24が本体部材22から外れた場合には、図4に示す元の形状に戻る方向に変形する程度の弾性を有している。このため、変形したシール材25は、弾性よる反力によって、蓋部材24と外壁部221とに押し当たって密着しており、これによって、本体部材22および蓋部材24の間の遮蔽が保たれている。
【0043】
また、外壁部221は、頂部221Aより裾221B,221Cが広がった形状を有しているため、シール材25は、蓋部材24から受ける力によって、頂部221A付近から逃げて裾221B,221C付近に向かって移動するように変形する。しかし、シール材25は、変形した状態でも、外壁部221の裾221B,221Cの下部には到達しない。つまり、裾221B,221Cの周囲がシール材25で完全に埋まることがなく、シール材25にはさらに変形する余裕がある。このように、変形の途中で裾221B,221Cの周囲がシール材25で完全に埋まることがないので、本体部材22および蓋部材24がねじ26によって締め付けられるときには、シール材25の反力が緩やかに上昇し、蓋部材24の歪みが回避される。
【0044】
また、シール材25は、特に、外壁部221の頂部221Aと蓋部材24との間で圧縮されている。ここで、外壁部221は、頂部221Aより裾221B,221Cが広がった形状を有している。すなわち、外壁部221は、裾221B,221Cの下部での幅W1botより頂部221Aの幅W1topが狭い。このため、シール材25のうちの特に圧縮される部分は、幅の狭まった頂部221Aの上部の狭い範囲に限定される。したがって、シール材25による反力が、蓋部材24を変形させない範囲に収まる。
【0045】
また、本体部材22および蓋部材24がねじ26によって締め付けられた状態では、変形したシール材25が内壁部222に接触する。シール材25は変形にともない内壁部222から反力を受けるため、内壁部222を有さない構造に比べ蓋部材24に対するシール材25の反力不足が低減する。
【0046】
ここで、比較例として、シール材による反力が過剰となる場合ついて説明する。
【0047】
図10〜図12は、上述した第1実施形態に対する比較例の構造を示した図である。
【0048】
図10は、第1実施形態の図4に相当する断面図であり、図11は、第1実施形態の図7に相当する断面図であり、図12は、第1実施形態の図9に相当する断面図である。
【0049】
図10〜図12に示す比較例における、本体部材9022の外壁部9221は、根元部分9221Bの幅W2が頂部9221Aまで維持された、直方体状の形状となっている。
【0050】
この比較例では、図11に示すように、蓋部材9024が本体部材9022にねじ9026によって締め付けられると、シール材9025は外側にはみ出す他に逃げ場がない。このため、本体部材9022および蓋部材9024がねじ9026によって締め付けられる途中でシール材9025の変形が抑止され、シール材9025による反力が急激に増大する。また、蓋部材9024との間でシール材9025を挟む頂部9221Aの面積が大きいため、シール材9025の大きな反力によって、蓋部材9024が上方に押し上げられる。この結果、図12に示すように、特にねじ9026から離れた場所では、蓋部材9024と外壁部221の間の距離が増大する。
【0051】
このように、比較例では、シール材9025の反力によって蓋部材9024が歪むが、ここで上述した第1実施形態の場合に戻って説明すると、第1実施形態の筐体では、外壁部221が、頂部221Aより裾221B,221Cが広がった形状を有しているため、比較例の構造に比べシール材25の反力が小さい。この結果、図9に示すように、蓋部材24の歪みが回避される。
【0052】
また、第1実施形態の構造では、図8に示したように、蓋部材24との間でシール材25を挟む頂部221Aの幅が狭まっており、シール材25のうちの特に圧縮される部分が狭い範囲に限定される。このため、シール材の塗布量に偏差があっても、蓋部材24の歪みが回避される。
【0053】
例えば、塗布装置によって液状のシール材を塗布する際に、塗布開始点の付近と塗布終了点の付近でノズル移動の加減速によりシール材の塗布量に偏差が生じる場合がある。このため、本体部材22および蓋部材24が締め付けられるとき、シール材の反力が適切となる、頂部221Aと蓋部材24の間隔にも偏差が生じる。しかし、第1実施形態の構造では、シール材25のうちの特に圧縮される部分が狭い範囲に限定され、締め付け時における反力の上昇が緩やかであるため、頂部221Aと蓋部材24の間隔について、シール材の反力が適切となる範囲が広い。このため、シール材の塗布量に偏差があっても、シール材の反力が各位置で適切な範囲に収まり、蓋部材24の歪みが回避される。この結果、塗布工程におけるシール材の塗布量制御には余裕が生じる。
【0054】
上述した第1実施形態の説明では、液状のシール材を本体部材22の外壁部221に沿って塗布する方法を説明した。しかし、筐体を製造する方法は、これに限られるものでない。
【0055】
図13は、第1実施形態の封鎖構造を形成する別の方法を説明する図である。
【0056】
図13に示す方法では、液状のシール材が蓋部材24に塗布される。より詳細には、シール材25は、蓋部材24のうち、本体部材22の外壁部221の頂部221Aに対応する位置に、環状に塗布される。シール材が硬化した後、蓋部材24を本体部材22に固定することで、図7に示したように、シール材を外壁部221の頂部221Aと蓋部材24とで挟んだ構造が完成する。
【0057】
続いて、本発明の別の実施形態について説明する。以下の実施形態の説明にあたっては、これまで説明してきた第1実施形態における各要素と同一の要素には同一の符号を付けて示し、第1実施形態との相違点について説明する。
【0058】
図14は、本発明の第2実施形態に係る本体部材および蓋部材の一部を示す断面図である。
【0059】
図14に示す本体部材32は、外壁部321と内壁部322が頂部321Aまで一体となり、全体として突出している点が第1実施形態と異なる。頂部321Aに続く傾斜は一方に形成されている。この点以外は第1実施形態と同じである。
【0060】
蓋部材34がねじ26によって本体部材32に締め付けられると、シール材25が外壁部321の裾321Bに向かって移動するように変形するが、裾321Bには達しない。このため、第1実施形態と同様に、シール材25の反力が緩やかに増大するので、蓋部材24の歪みが回避される。ここで、外壁部321と内壁部322の一体化したものが本発明にいう突出部分の一例に相当する。
【0061】
図15は、本発明の第3実施形態に係る本体部材の一部を示す断面図である。
【0062】
図15に示す本体部材42は、外壁部421が曲面形状を有しており、より詳細には蒲鉾形である点が第1実施形態と異なる。この点以外は第1実施形態と同じである。外壁部421が曲面形状を有している構造であっても、第1実施形態と同様に、シール材25の反力の急激な増大が回避されるので、蓋部材の歪みが回避される。
【0063】
図16は、第1実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0064】
上述した第1実施形態から第3実施形態までは、例えば図16に示すように、筐体の内側に内壁部222があり、外側に外壁部221がある構造を説明した。しかし、本発明にいう掛かり部または突出部分は、上述した形状や位置関係に限られず、種々の形態が含まれる。ここで、本発明にいう掛かり部および突出部分について、上述した実施形態とは異なる別の実施形態について説明する。
【0065】
図17は、第4実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0066】
図17に示す本体部材52は、外壁部221の内側に、壁状ではなく、蓋部材24に向かって突出した柱状体522を有している。ここで、柱状体522が、本発明にいう掛かり部の一例に相当する。
【0067】
図17に示す構造では、柱状体522が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材52に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0068】
図18は、第5実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0069】
図18に示す本体部材62は、蓋部材24に向かって突出した柱状体622を、蓋部材24との間にシール材(図示しない)を挟む壁状体621(第4実施形態にいう外壁部221に相当)の外側に有している。ここで、柱状体622が、本発明にいう掛かり部の一例に相当する。
【0070】
図18に示す構造では、柱状体622が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材62に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0071】
図19は、第6実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0072】
図19に示す本体部材72は、蓋部材24との間にシール材(図示しない)を挟む第1の壁状体721(第4実施形態にいう外壁部221に相当)の外側に、蓋部材24に向かって突出した第2の壁状体722を有している。ここで、第2の壁状体722が、本発明にいう掛かり部と壁とを兼ねたものの一例に相当する。
【0073】
図19に示す構造では、第2の壁状体722が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材72に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0074】
図20は、第7実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0075】
図20に示す本体部材82は、蓋部材24との間にシール材(図示しない)を挟む第1の壁状体821と、この壁状体821の内側と外側の両側に、蓋部材24に向かって突出した一対の第2の壁状体822とを有している。ここで、一対の第2の壁状体822が、本発明にいう掛かり部と壁とを兼ねたものの一例に相当する。
【0076】
図20に示す構造では、第2の壁状体822が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材82に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0077】
図21は、第8実施形態の筐体の一部を示す斜視図である。
【0078】
図21に示す本体部材92は、蓋部材24との間にシール材(図示しない)を挟む壁状体921が蓋部材24に沿って延びた方向の延長上に、蓋部材24に向かって突出した柱状体922を有している。ここで、柱状体922が、本発明にいう掛かり部の一例に相当する。
【0079】
図21に示す構造では、柱状体922が、ねじ26を介して蓋部材24に掛かることによって、本体部材92に蓋部材24との間隔を狭める力が掛かる。また、上記第1実施形態と同様に、蓋部材24の変形が回避される。
【0080】
これまで説明した実施形態では、本発明にいう掛かり部に相当する柱状体あるいは壁状体が、蓋部材との間にシール材を挟む突出部分に相当する壁状体に隣接して設けられていたが、本発明にいう掛かり部と突出部分とは離れた位置に形成されていてもよい。
【0081】
図22は、第9実施形態の現像器の構造を示す斜視図である。
【0082】
図22に示す現像器1002は、筐体1020を構成する本体部材22の中央に空間を仕切る仕切壁1225が設けられており、仕切壁1225の頂部には、ねじ穴1225hが形成されている。また、蓋部材1024の中央にもねじ穴1024hが設けられている。ここで、仕切壁1225が本発明にいう掛かり部の一例に相当する。
【0083】
この現像器1002は、蓋部材1024が本体部材22に1本のねじ1026で締め付けられる。このように、ねじ1026を介して蓋部材1024に掛かって、締め付け力を生じる仕切壁1225が、シール材25の位置から離れている場合でも、蓋部材1024の歪みが回避される。
【0084】
なお、上述した実施形態では、本発明にいう掛かり部の例として、ねじによって間接に掛かる構造を説明したが、本発明にいう掛かり部はこれに限られるものではなく、例えば、蓋部材にスナップフィットや鍵爪が形成され、蓋部材自身で直接に蓋部材に掛かって、本体部材と引き合う力を生じるものであってもよい。
【0085】
また、上述した実施形態では、本発明にいう第1部材の例として蓋部材を説明し、第2部材の例として本体部材を説明したが、本発明にいう封鎖構造の第1部材および第2部材は、これに限られず、例えば、第2部材が蓋部材として機能し、第1部材が本体部材として機能するものであってもよい。また、第1部材および第2部材は、収容を目的とせず単に物質の流出を抑える漏出防止壁であってもよい。
【0086】
また、上述した第1実施形態では、内壁部222および外壁部221は、収容空間Sを囲んで環状に延びているが、本発明にいう突条は環状に延びている必要はなく、漏出を防ぐべき部分以外の部分が開いていたり、また、線状に延びた形状であってもよい。
【0087】
また、本発明にいう突出部分は連続して同じ高さで延びた構造でなくともよく、例えば高さの異なる複数の柱状体が連続して並んだ構造であって、シール材25によって互いの隙間が塞がれた構造であってもよい。
【0088】
また、上述した実施形態では、本発明にいう封鎖材の例として、液状で塗布されて硬化するシール材を説明したが、本発明にいう封鎖材はこれに限られるものではなく、例えばゴム製の部材を接着したものであってもよい。ただし、液状で塗布されて硬化するシール材によれば、確実な封鎖構造が製造できる。
【符号の説明】
【0089】
2,1002 現像器
20,1020 筐体
21 現像ロール
22,32,42,52,62,72,82,92 本体部材
24,34,1024 蓋部材
25 シール材
221,321,421 外壁部
221A,321A 頂部
221B,221C,321B 裾
222 内壁部
25 シール材
522 柱状体
621,921 壁状体
622,922 柱状体
721,821 第1の壁状体
722,822 第2の壁状体
922 柱状体
1225 仕切壁
S 収容空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材と、
前記第1部材との間隔を狭める力が掛かった第2部材であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接に該第1部材に掛かって前記力を生じる掛かり部と、該第1部材に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2部材と、
前記突出部分の頂部と前記第1部材とに挟まれた、前記力によって変形することで該第1部材と前記第2部材との間を封鎖する、変形しても前記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材とを備えたことを特徴とする封鎖構造。
【請求項2】
前記封鎖材が、液状で塗布されて硬化しても弾力を持ち、外的な力により形状変化するものであることを特徴とする請求項1記載の封鎖構造。
【請求項3】
前記突出部分が、前記第1部材に沿って延びる突条であることを特徴とする請求項1または2記載の封鎖構造。
【請求項4】
前記第2部材が、前記突出部分の隣で該突出部分の突出と同じ方向に突出した、前記封鎖材が少なくとも変形時に接触する壁を有するものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の封鎖構造。
【請求項5】
この封鎖構造は、この封鎖構造の一方から他方への物質漏出を塞ぐものであって、
前記壁が、前記突出部分に対し漏出する物質が収容された側に位置したものであることを特徴とする請求項4記載の封鎖構造。
【請求項6】
第1の筐体部分と、
前記第1の筐体部分と協働して内部に物を収容する空間を形成するとともに該第1の筐体部分との間隔を狭める力が掛かった第2の筐体部分であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接に該第1の筐体部分に掛かって前記力を生じる掛かり部と、該第1の筐体部分に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2の筐体部分と、
前記突出部分の頂部と前記第1の筐体部分とに挟まれた、前記力によって変形することで該第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間を封鎖する、変形しても前記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材とを備えたことを特徴とする筐体。
【請求項7】
第1の筐体部分と、
前記第1の筐体部分と協働して内部に現像剤を収容する収容槽を形成するとともに該第1の筐体部分との間隔を狭める力が掛かった第2の筐体部分であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接に該第1の筐体部分に掛かって前記力を生じる掛かり部と、該第1の筐体部分に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2の筐体部分と、
前記突出部分の頂部と前記第1の筐体部分とに挟まれた、前記力によって変形することで該第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間を封鎖する、変形しても前記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材と、
前記収容槽に収容された現像剤を被現像部材に搬送することによって該被現像部材の現像を行う現像剤搬送機構とを備えたことを特徴とする現像器。
【請求項1】
第1部材と、
前記第1部材との間隔を狭める力が掛かった第2部材であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接に該第1部材に掛かって前記力を生じる掛かり部と、該第1部材に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2部材と、
前記突出部分の頂部と前記第1部材とに挟まれた、前記力によって変形することで該第1部材と前記第2部材との間を封鎖する、変形しても前記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材とを備えたことを特徴とする封鎖構造。
【請求項2】
前記封鎖材が、液状で塗布されて硬化しても弾力を持ち、外的な力により形状変化するものであることを特徴とする請求項1記載の封鎖構造。
【請求項3】
前記突出部分が、前記第1部材に沿って延びる突条であることを特徴とする請求項1または2記載の封鎖構造。
【請求項4】
前記第2部材が、前記突出部分の隣で該突出部分の突出と同じ方向に突出した、前記封鎖材が少なくとも変形時に接触する壁を有するものであることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の封鎖構造。
【請求項5】
この封鎖構造は、この封鎖構造の一方から他方への物質漏出を塞ぐものであって、
前記壁が、前記突出部分に対し漏出する物質が収容された側に位置したものであることを特徴とする請求項4記載の封鎖構造。
【請求項6】
第1の筐体部分と、
前記第1の筐体部分と協働して内部に物を収容する空間を形成するとともに該第1の筐体部分との間隔を狭める力が掛かった第2の筐体部分であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接に該第1の筐体部分に掛かって前記力を生じる掛かり部と、該第1の筐体部分に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2の筐体部分と、
前記突出部分の頂部と前記第1の筐体部分とに挟まれた、前記力によって変形することで該第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間を封鎖する、変形しても前記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材とを備えたことを特徴とする筐体。
【請求項7】
第1の筐体部分と、
前記第1の筐体部分と協働して内部に現像剤を収容する収容槽を形成するとともに該第1の筐体部分との間隔を狭める力が掛かった第2の筐体部分であって、別部材を介して間接にあるいは自身で直接に該第1の筐体部分に掛かって前記力を生じる掛かり部と、該第1の筐体部分に向かって突出し頂部より裾が広がった突出部分とを有した第2の筐体部分と、
前記突出部分の頂部と前記第1の筐体部分とに挟まれた、前記力によって変形することで該第1の筐体部分と前記第2の筐体部分との間を封鎖する、変形しても前記突出部分の裾の少なくとも一部には未到達の封鎖材と、
前記収容槽に収容された現像剤を被現像部材に搬送することによって該被現像部材の現像を行う現像剤搬送機構とを備えたことを特徴とする現像器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−224362(P2010−224362A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−73595(P2009−73595)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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