説明

射出成形機、材料供給機能付きの射出シリンダ及び射出成形機用の材料供給装置

【課題】ホッパを取り外す際、ホッパの位置変更によってホッパ内に残留している射出材料がこぼれ落ちることを防止し、しかも射出材料を噛み込むことを回避すること。
【解決手段】本発明の射出成形機は、射出シリンダ内と連通する供給通路を形成する通路形成部材と、前記通路形成部材に設けられ、ホッパから射出材料を前記供給通路に導入する導入通路が形成されたホッパ取付部と、前記通路形成部材に設けられ、前記供給通路内に導入された射出材料を前記射出シリンダ内へ送り出す送出手段と、前記射出シリンダに設けられ、前記通路形成部材の先端部が接続されて前記通路形成部材を支持する支持部と、を備え、前記支持部は、射出材料が前記供給通路内に供給可能な第1の位置と、供給されない第2の位置との間で前記通路形成部材を回転可能に支持することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、射出成形機、材料供給機能付きの射出シリンダ及び射出成形機用の材料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出シリンダに樹脂材料に代表される射出材料を送り出す材料供給部が設けられた射出成形機では、材料供給部には樹脂材料を貯蔵するホッパが着脱自在に取り付けられる。ホッパ内の射出材料は自重で材料供給部内の供給通路に導入されて、材料供給部は供給通路内に導入された射出材料を射出シリンダに送り出す。成形品の変更に伴って射出材料を変更する際、ホッパを取り外すとホッパ内に残留している射出材料がこぼれ落ちて、射出材料が無駄となる場合がある。そこで、特許文献1には、ホッパ取付部材を材料供給部の外面に沿って回転可能に構成したものが開示されている。この構成によれば、ホッパを取り外す際にはホッパの位置を変更し、その排出口を上向きとすることができるので、ホッパ内に残留している射出材料がこぼれ落ちることを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−245629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の構成では、材料供給部の外面に沿ってホッパ取付部材が回転する構成であるため、材料供給部の外面とホッパ取付部材の内面との間に隙間が生じる。このため、ホッパの位置変更の際、材料供給部とホッパ取付部材との境界に位置している樹脂材料が、ホッパ取付部材を回転することによってこの隙間に挟まって噛み込まれてしまうおそれがあり、ホッパ取付部材を回転することができなくなる場合がある。
【0005】
本発明の目的は、ホッパを取り外す際、ホッパの位置変更によってホッパ内に残留している射出材料がこぼれ落ちることを防止し、しかも射出材料を噛み込むことを回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、射出シリンダ内と連通する供給通路を形成する通路形成部材と、通路形成部材に設けられ、射出材料を貯蔵するホッパが取り付けられると共にホッパから射出材料を供給通路に導入する導入通路が形成されたホッパ取付部と、通路形成部材に設けられ、供給通路内に導入された射出材料を通路形成部材の先端面に開口した供給通路の開放端から射出シリンダ内へ送り出す送出手段と、射出シリンダに設けられ、供給通路が射出シリンダ内に連通するように通路形成部材が接続されて通路形成部材を支持する支持部とを備え、支持部は、ホッパ取付部に取り付けられたホッパから射出材料が供給通路内に供給可能な第1の位置と、ホッパ取付部に取り付けられたホッパから射出材料が供給されない第2の位置との間で通路形成部材を回転可能に支持することを特徴とする射出成形機が提供される。
【0007】
また、本発明によれば、材料供給機能付の射出シリンダ及び射出成形機用の材料供給装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ホッパを取り外す際、ホッパの位置変更によってホッパ内に残留している射出材料がこぼれ落ちることを防止し、しかも射出材料を噛み込むことを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る射出成形機の射出機構の説明図及び制御系のブロック図。
【図2】射出機構の分解図及び部分拡大図。
【図3】(A)は図2の線I−Iに沿う支持部の外形図、(B)は図2の線II−IIに沿う通路形成部材の外形図。
【図4】(A)乃至(C)はホッパの位置変更の例を示す図。
【図5】ホッパを上向きとした場合の射出機構の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は本発明の一実施形態に係る射出成形機(射出成形装置)の射出機構の説明図(一部断面図)及び制御系のブロック図、図2は該射出機構の分解図(一部断面図)及び部分拡大図、図3(A)は図2の線I−Iに沿う支持部15の外形図、(B)は図2の線II−IIに沿う通路形成部材30の外形図である。本実施形態の射出成形機は、これらの図に示す射出機構と、内部に成形部を画成して当該成形部に材料が射出可能な構造を有する不図示の金型と、成形品の取り出し等のために金型の開閉及び型締め等を行う不図示の型締機構(駆動部を含む)とを備えて、射出機構から金型内に溶融材料が供給されることによって成形部内で成形品の射出成形を行う装置である。
【0011】
前記射出機構は、材料供給機能付きの射出シリンダ10によって構成される。射出シリンダ10は、内部に射出材料(成形原料。本実施形態の場合樹脂材料)の通路11aを有した円筒状の加熱筒11を備える。通路11aは加熱筒11と同心(図1の線L2は中心線を示す。)で形成され、加熱筒11の上端から下端までを貫通している。加熱筒11の下部の周囲には加熱筒11を加熱するバンドヒータ13が設けられており、その熱により通路11aを通過する樹脂材料を溶融する。
【0012】
加熱筒11の下端にはノズル(射出部)12が設けられており、ノズル12の周囲にも加熱手段としてのバンドヒータ14が設けられている。加熱筒11の上端には駆動手段として電動のアクチュエータ20が取り付けられている。アクチュエータ20は、本実施形態の場合、通路11aに挿入されたプランジャ21を進退させる。図1及び図2は、プランジャ21が後退した態様を示しており、プランジャ21を同図の位置から下方に前進させることで、通路11a内の溶融樹脂がノズル12から不図示の金型内の成形部へ射出されることになる。本実施形態では、プランジャ21を進退させる構成としたが、通路11a内に設けたスクリューを回転させて溶融樹脂を射出するスクリューコンベア形式の構成でもよい。
【0013】
加熱筒11の上側部には支持部15が一体に形成されている。本実施形態では加熱筒11と支持部15とを一体に形成したが、別体として両者を固定する構成でもよい。支持部15は全体として直方体形状をなしており、通路形成部材30の円筒部31の先端部が挿入されて接続される断面円形の取付孔15aと、取付孔15aと通路11aとを連通する断面円形の連通孔15bとを備える。
【0014】
取付孔15aと連通孔15bとは同心である(図1の線L1は中心線を示す。)。本実施形態では、線L1と線L2とが直交しているが、線L1(つまり、取付孔15aと連通孔15bとの中心線)が、線L2と直交する方向から傾いていてもよい。取付孔15aは、支持部15の端面に開口している。支持部15は、また、その上面に開口したネジ孔15cを備える。ネジ孔15cには、L字型の固定具16のネジ部16aが螺合する。
【0015】
通路形成部材30は、円筒部31とホッパ取付部33とを備える。本実施形態では円筒部31とホッパ取付部33とを一体に形成しているが、別体として両者を固定する構成でもよい。通路形成部材30には、円筒部31と同心で通路形成部材30を貫通して、断面円形の供給通路32がその内部に形成されている。
【0016】
円筒部31の外径は取付孔15aと略同じか僅かに小さくされ、円筒部31の先端部が取付孔15aに挿入されて通路形成部材30は支持部15に支持される。図1に示すように、円筒部31の先端部が取付孔15aに挿入された状態では、円筒部31及び供給通路32が線L1と同心に位置する。このため、通路形成部材30を線L1回りに回転することができる。この回転の際、円筒部31の周面が取付孔15aの内周面に摺接することで安定した回転を得られる。本実施形態では、手動で通路形成部材30を回転させる構成としたが、自動で回転させるための駆動機構を設けてもよい。また、本実施形態の場合、通路形成部材30を線L1回りに360度回転可能であるが、例えば、180度までとする等、回転範囲を制限するようにしてもよい。
【0017】
固定部16のネジ部16aをネジ孔15cに螺合して締め付けることで、ネジ部16aの先端が円筒部31の周面に当接し、円筒部31を径方向に押圧する。これにより、通路形成部材30を線L1回りに回転不能に固定することができる。また、円筒部31の取付孔15aに対する挿脱方向の移動も、ネジ部16aの先端から抵抗を受けるので、取付孔15aから通路形成部材30の取り外しも不能となる。本実施形態ではネジ構造を利用したが、他の形式の固定構造でもよいことはいうまでもない。
【0018】
また、図1に示す、円筒部31の先端部が取付孔15aに挿入された状態では、円筒部31の先端面に開口した、供給通路32の開放端32aが連通孔15bを介して射出シリンダ10内の通路11aに臨んでおり、供給通路32と通路11aとは連通状態となっている。
【0019】
ホッパ50は、その内部に樹脂材料を貯蔵するボトル型の収容容器をなしており、その喉部51の先端に樹脂材料の排出口(材料導入口)51aを有している。なお、射出材料の供給構造については勿論これに限定されず、例えば、射出材料の収容容器と通路形成部材とを材料供給管によって接続するようにしてもよい。喉部51の周囲にはネジ部が形成されている。樹脂材料は、例えば、図2の部分拡大図において樹脂材料Pとして示すように、ペレット状をなしている。ホッパ取付部33には、その端面(図1及び図2では上面)に開口した導入通路34が形成されている。導入通路34は供給通路32と直交する方向に延設されており、供給通路32と連通している。本実施形態では、導入通路34と供給通路32とが直交しているが、導入通路34は供給通路32の直交方向から傾いて延設されていてもよい。
【0020】
導入通路34の開口端側の端部内周面には、ホッパ50の喉部51の周囲に形成されたネジ部(雄ネジ部)と螺合するネジ部(雌ネジ部)が形成されており、これらのネジ部の螺合によりホッパ50は着脱自在にホッパ取付部33に取り付けられる。本実施形態ではネジ構造を利用したが、他の形式の着脱構造でもよいことはいうまでもない。
【0021】
ホッパ50から供給通路内への樹脂材料の供給は、樹脂材料の自重による。つまり、図1に示すようにホッパ50の排出口51aが下に向いた状態(鉛直方向下方(図2中の下方向])))に向いた状態)では、ホッパ50内の樹脂材料がその自重で導入通路34内に落下し、供給通路32内に導入される。すなわち、図1に示す状態では、ホッパ50内の樹脂材料が供給通路32内に供給可能な姿勢(材料供給姿勢)となる。図2の部分拡大図はペレット状の樹脂材料Pが、導入通路34及び供給通路32に導入された状態を示している。なお、図1や図2に示すように排出口51aが下向きとなって樹脂材料が自重でホッパ50外へ落下するホッパ50の姿勢を、ホッパ50が下向き(通路形成部材30の第1の位置)と称する。反対に、ホッパ50の排出口51aが上向き(鉛直方向上方)となって(例えば、後述する図4(B)や図5の態様)樹脂材料がホッパ50内に留まり外へ落下しない、すなわち、ホッパ50から供給通路内32に樹脂材料が供給されないホッパ50の姿勢(材料非供給姿勢)を、ホッパ50が上向き(通路形成部材30の第2の位置)と称する。
【0022】
「ホッパ50が下向き」には、図1や図2に示すように、排出口51aが真下を向いている場合のほか、斜め下(例えば、後述する図4(C)の態様)を向いている場合も含まれる。同様に、「ホッパ50が上向き」には、排出口51aが斜め上を向いている場合も含まれる。
【0023】
通路形成部材30には、供給通路32内に導入された樹脂材料を供給通路32の開放端32aから射出シリンダ10内の通路11aに送り出す送出機構40が設けられている。送出機構40は、供給通路32内に設けられた供給手段であるスクリュー41と、このスクリュー41を回転させるモータ42と、を備える。モータ42は例えばステッピングモータである。本実施形態の場合、スクリュー41を正転させると、供給通路32内の樹脂材料が通路11aに向かって送出され、樹脂材料が通路11a内に供給される。一方、スクリュー41を逆転させると樹脂材料は逆方向(モータ42側へ)に送出される。なお、本実施形態ではこのようにスクリューコンベア形式の構成としたが、プランジャを進退させて樹脂材料を送出する機構等、他の形式の送出機構を採用してもよい。
【0024】
次に、図1を参照して制御系の構成について説明する。制御部100は、CPU101、記憶部102及びI/F(インタフェース)103を備える。CPU101は記憶部102に記憶されたプログラムにしたがって、バンドヒータ13、14、アクチュエータ20、モータ42の駆動制御を行う。なお、CPU101は、これらを不図示の駆動回路を介して制御する。記憶部102には、例えば、ROM、RAM、ハードディスク等が含まれる。I/F103はCPU101と、外部のデバイスとのインタフェースである。入力部110は、例えば、キーボード、マウス等である。作業者は入力部110を介して制御部100に動作指令を行うことができる。表示部120は、例えば、LCD等のディスプレイであり、射出成形機の状況等を表示する。
【0025】
本実施形態の場合、通路形成部材30が上記の通り回転可能である。そこで、通路形成部材30の回転位置を検出するためのセンサを備える。センサはどのようなものでもよいが、本実施形態では、発光部17と、受光部35とからなる光センサを採用している。
【0026】
発光部17は、図1、図2及び図3(A)に示すように、支持部15の端面下部に設けてある。受光部35は、図1、図2及び図3(B)に示すように、ホッパ取付部33の側面のうち、支持部15に対向する側面に設けてある。そして、両者の配置関係は、ホッパ50が上向きの場合に発光部17からの光を受光部35が受光するように設定されている。図5はホッパ50を上向きとした場合の射出機構の説明図(一部断面図)である。通路形成部材30の回転位置が、ホッパ50が上向きとなる位置の場合、図5で示すように発光部17と受光部35とが対向し、破線L4で示す発光部17からの光が受光部35により受光される。CPU101は、例えば、常時発光部17を発光させ、受光部17の受光結果を監視することで、通路形成部材30の回転位置が、ホッパ50が上向きとなる位置かどうかを判定することができる。
【0027】
次に、本実施形態では、導入通路34に樹脂材料が存在しているか否かを検出するセンサを備える。このセンサはどのようなものでもよいが、本実施形態では発光部37aと、受光部37bとからなる光センサを採用している。図2及び図3(B)に示すように、ホッパ取付部33の一側面には、導入通路34と連通したセンサ取付孔36aが形成されており、発光部37aはセンサ取付孔36a内に配設されている。また、ホッパ取付部33の該一側面と反対側の他側面には、導入通路34と連通したセンサ取付孔36bが形成されており、受光部37bはセンサ取付孔36b内に配設されている。
【0028】
発光部37aと受光部37bとは、互いに対向するように配置されており、発光部37aは図2の部分拡大図で破線L3で示すように、受光部37bに向けて光を発光する。樹脂材料が導入通路34内に存在していない場合には、発光部37aからの光が受光部37bで受光されるが、図2の部分拡大図に示すように、樹脂材料Pが導入通路34内に存在している場合には、発光部37aからの光が受光部37bに到達せず、受光部37bが光を受光しない(或いは受光強度が落ちる。)。CPU101は、例えば、常時発光部37aを発光させ、受光部37bの受光結果を監視することで、導入通路34に樹脂材料が存在しているかどうかを判定することができる。
【0029】
次に、上述した射出機構の動作について説明する。まず、作業者は樹脂材料が貯蔵されたホッパ50をホッパ取付部33に取り付ける。その際、予め固定具16を緩めて、通路形成部材30を回転させ、ホッパ50が上向きとなる位置に回転させておく。図4(B)及び図5はホッパ50が上向きでホッパ取付部33に取り付けられた態様を示す。ホッパ50が上向きでホッパ取付部33に取り付けられることから、ホッパ50内の樹脂材料がこぼれ落ちることがない。
【0030】
続いて、図1や図4(A)或いは図4(C)に示すように、作業者が通路形成部材30を回転させ、ホッパ50が下向きとなる位置に回転させる。そして固定部16を締めて通路形成部材30を固定する。ホッパ50内の樹脂材料は自重で導入通路34及び供給通路32に導入される。
【0031】
作業者が、試運転等を経て入力部110から運転開始を指示すると、CPU101は射出動作を行う。具体的には、受光部37bの受光結果を監視し、導入通路34に樹脂材料が存在していることを条件として、スクリュー41を正転させて供給通路32内の樹脂材料を通路11aに送出する。また、アクチュエータ20を駆動して射出動作を行う。受光部37bの受光結果から、導入通路34に樹脂材料が存在していないと判定した場合は、運転を停止して表示部120に樹脂材料が無い旨の報知等を行う。
【0032】
次に、ホッパ50を交換する場合(取り外す場合)について説明する。運転が停止された状態で、作業者は固定具16を緩めて通路形成部材30を回転させ、図4(B)や図5に示すようにホッパ50が上向きとなる位置に回転させる。この回転の際、本実施形態の構成では、通路形成部材30が回転する際に樹脂材料の通路を横断するような構成要素が存在しないため、樹脂材料を噛み込むことがない。そして、ホッパ50が上向きでホッパ取付部33から取り外すことができることから、ホッパ50内に残留している樹脂材料がこぼれ落ちることもない。
【0033】
ホッパ50の交換に伴い、樹脂材料も変更する場合には、供給通路32内に残存している樹脂材料を全て取り除く必要がある。本実施形態では、スクリュー41を逆転させることで、導入通路34から樹脂材料を取り除くことが可能である。作業者は、入力部110からスクリュー41の逆転を指示する。本実施形態の場合、CPU101は、受光部17の受光結果から通路形成部材30の回転位置がホッパ50が上向きとなる位置かどうかを判定し、上向きとなる位置であることを条件として、スクリュー41の逆転を開始する。スクリュー41の逆転により、供給通路34内の樹脂材料は、モータ42側に搬送され、導入通路34から通路形成部材30外へ落下する。ホッパ50を取り外す前にこれらの作業を行えば、供給通路34内に残留した樹脂材料はホッパ50に戻るので、ホッパ50で回収できる。
【0034】
更に、本実施形態では、通路形成部材30を支持部15に対して着脱自在としていることから、固定具16を緩めた状態で通路形成部材30を支持部15から取り外すことで、供給通路32の開放端32a付近に残留している樹脂材料や、連通孔15b付近に残留している樹脂材料も取り除くことができる。
【0035】
なお、本実施形態では、射出成形機における射出機構として材料供給機能付きの射出シリンダ10を例示して説明したが、本発明は、勿論これに限定されず、このような材料供給機能付きの射出シリンダを搭載した射出成形機、あるいは、射出シリンダを介して金型等に溶融樹脂等の成形材料を供給する射出成形機用の材料供給装置等についても広く適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出シリンダ内と連通する供給通路を形成する通路形成部材と、
前記通路形成部材に設けられ、射出材料を貯蔵するホッパが取り付けられると共に前記ホッパから射出材料を前記供給通路に導入する導入通路が形成されたホッパ取付部と、
前記通路形成部材に設けられ、前記供給通路内に導入された射出材料を前記通路形成部材の先端面に開口した前記供給通路の開放端から前記射出シリンダ内へ送り出す送出手段と、
前記射出シリンダに設けられ、前記供給通路が前記射出シリンダ内に連通するように前記通路形成部材が接続されて前記通路形成部材を支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、前記ホッパ取付部に取り付けられたホッパから射出材料が前記供給通路内に供給可能な第1の位置と、前記ホッパ取付部に取り付けられたホッパから射出材料が供給されない第2の位置との間で前記通路形成部材を回転可能に支持することを特徴とする射出成形機。
【請求項2】
前記第1の位置は、前記ホッパ取付部に取り付けられたホッパの、前記供給通路への材料導入口が下向きとなる位置であり、前記第2の位置は、前記材料導入口が上向きとなる位置であることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機。
【請求項3】
前記支持部に設けられ、前記通路形成部材を回転不能に固定する固定手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の射出成形機。
【請求項4】
前記通路形成部材が前記第2の位置にあることを検出する検出手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項5】
前記導入通路に射出材料が存在することを検出する検出手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項6】
前記送出手段は、
前記供給通路内に設けられたスクリューを備え、前記スクリューの正転により射出材料を前記射出シリンダ内に送り出すスクリューコンベアであって、前記検出手段が前記通路形成部材が前記第2の位置にあることを検出したことを条件として、前記スクリューを逆転させることを特徴とする請求項4に記載の射出成形機。
【請求項7】
前記検出手段が射出材料の存在を検出したことを条件として、前記送出手段は射出材料の送り出し動作を行うことを特徴とする請求項5に記載の射出成形機。
【請求項8】
前記支持部は、前記供給通路の中心線回りに前記通路形成部材を回転可能に支持することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項9】
前記通路形成部材の先端部が円筒状をなし、
前記支持部は前記先端部が挿入される断面円形の孔を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項10】
前記通路形成部材は、前記支持部に着脱自在に装着されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の射出成形機。
【請求項11】
射出成形機に装着される射出シリンダと、
前記射出シリンダ内と連通する供給通路を形成する通路形成部材と、
前記通路形成部材に設けられ、射出材料を貯蔵するホッパが取り付けられると共に前記ホッパから射出材料を前記供給通路に導入する導入通路が形成されたホッパ取付部と、
前記通路形成部材に設けられ、前記供給通路内に導入された射出材料を前記通路形成部材の先端面に開口した前記供給通路の開放端から前記射出シリンダ内へ送り出す送出手段と、
前記射出シリンダに設けられ、前記供給通路が前記射出シリンダ内に連通するように前記通路形成部材が接続されて前記通路形成部材を支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、前記ホッパ取付部に取り付けられたホッパから射出材料が前記供給通路内に供給可能な第1の位置と、前記ホッパ取付部に取り付けられたホッパから射出材料が供給されない第2の位置との間で前記通路形成部材を回転可能に支持することを特徴とする材料供給機能付きの射出シリンダ。
【請求項12】
射出成形機に装着される射出シリンダ内と連通する供給通路を形成する通路形成部材と、
前記通路形成部材に設けられ、射出材料を貯蔵するホッパが取り付けられると共に前記ホッパから射出材料を前記供給通路に導入する導入通路が形成されたホッパ取付部と、
前記通路形成部材に設けられ、前記供給通路内に導入された射出材料を前記通路形成部材の先端面に開口した前記供給通路の開放端から前記射出シリンダ内へ送り出す送出手段と、
前記射出シリンダに設けられ、前記供給通路が前記射出シリンダ内に連通するように前記通路形成部材が接続されて前記通路形成部材を支持する支持部と、
を備え、
前記支持部は、前記ホッパ取付部に取り付けられたホッパから射出材料が前記供給通路内に供給可能な第1の位置と、前記ホッパ取付部に取り付けられたホッパから射出材料が供給されない第2の位置との間で前記通路形成部材を回転可能に支持することを特徴とする射出成形機用の材料供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−178083(P2011−178083A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45948(P2010−45948)
【出願日】平成22年3月2日(2010.3.2)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】