説明

導体接続構造、および導体接続方法

【課題】導体を、回路基板等の被接続部材に形成された接続端子に接続する際に、導体と接続端子の接続信頼性を向上できる導体接続構造、および導体接続方法を提供することを目的とする。
【解決手段】極細同軸ケーブル2の中心導体3と、回路基板9の接続端子22は、接着剤11により固定されて、一体化されることにより接続されている。そして、単線、または撚り線により形成された中心導体3が載置される接続端子22の表面22aには、中心導体3の形状に合わせた溝部21が形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体を、例えば、回路基板等の被接続部材に形成された接続端子に接続する際の導体接続構造、および導体接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器分野においては、例えば、ノートパソコン、携帯電話等の普及で、電子機器の小型化、軽量化が求められている。そのため、例えば、機器本体と液晶表示部の接続や機器内の配線等に、極めて細い同軸ケーブルが用いられ、また、この極細同軸ケーブルを集合一体化させた多心ケーブルの形態で配線が行なわれるようになっている。
【0003】
また、例えば、極細同軸ケーブルを回路基板等の被接続部材に接続する際には、当該極細同軸ケーブルの中心導体を被接続部材に形成された接続端子に接続する必要がある。
【0004】
ここで、従来、この導体の接続を半田付けにより行う技術が知られている。より具体的には、例えば、中心導体と、当該中心導体の外周を被覆する絶縁体と、当該絶縁体の外周を被覆する外部導体と、当該外部導体の外周を被覆するジャケット層とを有する極細同軸ケーブルを複数本備える多心ケーブルにおいて、極細同軸ケーブルの中心導体を露出させるとともに、当該中心導体と、回路基板に形成された所定のピッチを有する接続端子であるケーブル接続用パッドに、接合部材として半田を施し、当該半田を加熱することにより、中心導体とケーブル接続用パッドを接続する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、導体の接続を導電性接着剤で行う技術が開示されている。より具体的には、まず、フレキシブルプリント基板を構成する絶縁フィルムに形成された導電パターン上に、ホットメルトタイプの導電性接着剤を設ける。次いで、この導電パターンの接続端子上に、基材と一体的に形成された導体である金属端子片を載置する。そして、加熱加圧処理を行うことにより、導電性接着剤を介して、金属端子片をフレキシブルプリント基板の接続端子に接続する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2002−95129号公報
【特許文献2】特開平9−320662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1に記載の半田による接続においては、例えば、極細同軸ケーブルの中心導体を接続端子が形成された回路基板に接続する際に、半田ブリッジが起こる場合があるため、中心導体間(または接続端子間)の絶縁性を維持するのが困難になるという問題があった。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の導電性接着剤による接続においては、上述の半田を使用する際に生じる半田ブリッジの発生を回避できるものの、図8に示すように、断面略円形状を有する導体である金属端子片50をフレキシブルプリント基板51に形成された接続端子52に接続する際に、接続端子52の表面52aが平面形状を有しているため、当該金属端子片50が、導電性接着剤53を介して、接続端子52と接触する部分54の面積を十分に確保することができない。従って、金属端子片50と接続端子52の接続信頼性が低下するという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、導体を、回路基板等の被接続部材に形成された接続端子に接続する際に、導体と接続端子との接続信頼性を向上できる導体接続構造、および導体接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、単線、または撚り線により形成された導体と接続端子とを電気的に接続し、導体と接続端子とを接着剤により固定した導体接続構造において、導体が載置される接続端子の表面には、導体の形状に合わせた溝部が形成されていることを特徴とする。
【0010】
同構成によれば、導体と接続端子を接続する際に、上述の従来技術のごとく、導体を、平面形状を有する接続端子の表面に載置する場合に比し、導体と接続端子の接触部分の面積が増大し、導体と接続端子の接触部分の面積を十分に確保することができるため、導体と接続端子の接続信頼性を向上することが可能になる。また、導体と接続端子が複数ある場合に、上述の従来技術において説明した半田ブリッジの発生を回避でき、導体間(または、接続端子間)の絶縁性を良好に維持することが可能になる。また、導体と接続端子を接続する際の、位置合わせが容易になるため、導体と接続端子との接続作業が容易になる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の導体接続構造であって、接着剤は、熱硬化性樹脂を主成分とすることを特徴とする。同構成によれば、リフロー等の再熱処理を行う際の、接着剤の耐熱性が向上するため、再熱処理時の加熱により、導体と接続端子の接合部が剥離するという不都合を回避することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の導体接続構造であって、接着剤は、導電性物質を含有する導電性接着剤であることを特徴とする。同構成によれば、導体−接続端子間を低い導電抵抗によって接続することが可能になるため、導体−接続端子間の導電性を向上することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、単線、または撚り線により形成された導体と接続端子とを接続する導体接続方法において、導体の形状に合わせて、接続端子の表面に溝部を形成し、導体を溝部に載置し、接着剤により、導体と接続端子を固定し、一体化することを特徴とする。
【0014】
同構成によれば、上述の従来技術のごとく、導体を、平面形状を有する接続端子の表面に載置する場合に比し、導体と接続端子の接触面積が増大し、導体と接続端子の接触面積を十分に確保することができるため、導体と接続端子の接続信頼性を向上することが可能になる。また、導体と接続端子が複数ある場合に、上述の従来技術において説明した半田ブリッジの発生を回避でき、導体間(または、接続端子間)の絶縁性を良好に維持することが可能になる。また、導体と接続端子を接続する際の、位置合わせが容易になるため、導体と接続端子との接続作業が容易になる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、導体と接続端子の接続信頼性を向上することが可能になる。また、導体と接続端子が複数ある場合に、導体間(または、接続端子間)の絶縁性を良好に維持することが可能になる。また、導体と接続端子との接続作業が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る導体接続構造を説明するための上面図であり、図2は、図1のA−A断面図である。また、図3は、本発明の実施形態における極細同軸ケーブルを説明するための断面図であり、図4は、図1のB−B断面図である。なお、本実施形態においては、導体接続構造として、極細同軸ケーブルの中心導体を回路基板に形成された接続端子に接続する際の、導体接続構造を例に挙げて説明する。
【0017】
図1に示すように、多心ケーブル1は、極細同軸ケーブル2を複数本(本実施形態においては、4本)備えており、当該極細同軸ケーブル2を、例えば、0.3mmの狭ピッチで平行に並べて束ねることにより構成されている。また、この極細同軸ケーブル2は、図1〜図3に示すように、外径0.060mmの中心導体3と、当該中心導体3の外周を被覆する、外径0.16mmの絶縁体4と、当該絶縁体4の外周を被覆する、外径0.20mmの外部導体(または、横巻きシールド)5と、当該外部導体5の外周を被覆する、外径0.26mmのジャケット層6とから構成されている。なお、中心導体3は、単線(即ち、1本の導線)により形成される必要はなく、図5に示すように、複数本(本実施形態においては、7本)の細い導線20を撚り合わせた撚り線により形成しても良い。また、中心導体3の外径は、0.01mm〜2mmが好ましい。
【0018】
また、図2に示すように、多心ケーブル1を構成する複数本の極細同軸ケーブル2の各々の端部において、所定の長さのジャケット層6を除去することにより、外部導体5の一部が露出する構成となっている。また、複数本の極細同軸ケーブル2の各々の端部において露出された外部導体5に、例えば、回転ブラシ等を接触させて、外部導体5の巻きを緩めてほぐし、ほぐされた外部導体5を引っ張って、その一部を除去することにより、絶縁体4が露出する構成となっている。さらに、当該露出された絶縁体4の一部を除去することにより、中心導体3の一部が露出する構成となっている。
【0019】
また、図1に示すように、極細同軸ケーブル2が接続される被接続部材である回路基板9には、上述の露出された中心導体3との接続部である接続端子22を有する導電パターン部(または、回路パターン部)10が形成されている。この接続端子22は、例えば、銅等の導電性の金属により形成されており、上述の極細同軸ケーブル2の狭ピッチに対応して、例えば、0.3mmの間隔で設けられている。そして、図2、図4に示すように、中心導体3と接続端子22は、接着剤11により固定されて、一体化されることにより接続される構成となっている。
【0020】
ここで、本実施形態においては、図2、図4に示すように、単線、または撚り線により形成された中心導体3が載置される接続端子22の表面22aに、中心導体3の形状に合わせた溝部21が形成されている点に特徴がある。より具体的には、接続端子22の表面22aにおいて、断面略円形状を有する中心導体3の外周面3aに沿って、当該外周面3aと接触するように、断面略半円形状を有する溝部21が形成されている。
【0021】
このような構成により、中心導体3と接続端子22の接続構造において、図8において説明した従来技術のごとく、導体である金属端子片50を、平面形状を有する接続端子52の表面52aに載置する場合に比し、中心導体3と接続端子22の接触部分23の面積が増大し、当該接触部分23の面積を十分に確保することができる。従って、中心導体3と接続端子22の接続信頼性を向上することが可能になる。また、上述の従来技術において説明した半田ブリッジの発生を回避でき、中心導体3間(または、接続端子22間)の絶縁性を良好に維持することが可能になる。また、中心導体3と接続端子22を接続する際の、位置合わせが容易になるため、中心導体3と接続端子22との接続作業が容易になる。
【0022】
この溝部21の形成方法としては、エッチング(例えば、ドライエッチング、ウェットエッチング)で形成する方法、穴あけ加工や打ち抜き加工(例えば、パンチング、ドリリング)により形成する方法、およびめっき(例えば、電解めっき、無電解めっき)で形成する方法等が挙げられる。このうち、穴あけ加工や打ち抜き加工による方法は、溝部21の加工精度が優れているため、好ましい。また、一般に、回路基板9の導電パターン部10、および接続端子22は、ウェットエッチングにより形成されるため、ウェットエッチング法を使用することにより、導電パターン部10、および接続端子22を形成する際に使用する設備によって、溝部21を形成することが可能になる。また、めっきによる方法では、接続端子22を積み上げて形成し、最終的に、接続端子22の表面22aを溝状して、溝部21を形成する。
【0023】
また、中心導体3と接続端子22を接続する接着剤11に、例えば、エポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化性樹脂を主成分とするものが使用できる。一般に、上述の従来技術において説明した半田による接続においては、中心導体と接続端子を半田により接続した後、リフロー等の再熱処理を行う際に、再熱処理時の加熱により、中心導体と接続端子の接続に使用された半田が再溶融して漏れ出してしまい、半田接合部が剥離するという不都合があった。一方、本実施形態のごとく、熱硬化性樹脂を主成分とする接着剤11を使用することにより、上述のリフロー等の再熱処理を行う際の、当該接着剤11の耐熱性が向上するため、再熱処理時の加熱により、中心導体3と接続端子22の接合部が剥離するという不都合を回避することができる。
【0024】
この接着剤11に使用される熱硬化性樹脂は、特に制限はないが、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を使用することにより、耐熱性、および接着力に優れた接着剤11を作製することが可能になる。
【0025】
このエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、F型、S型、またはAD型のエポキシ樹脂や、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等を使用することができる。また、高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
【0026】
また、潜在性硬化剤を含有する接着剤11も使用できる。この潜在性硬化剤としては、例えば、低温での貯蔵安定性に優れ、室温では殆ど硬化反応を起こさないが、熱や光等により、速やかに硬化反応を行う硬化剤が使用できる。より具体的には、例えば、イミダゾール系、ヒドラジド系、三フッ化ホウ素−アミン錯体、アミンイミド、ポリアミン系、第3級アミン、アルキル尿素系等のアミン系、ジシアンジアミド系、および、これらの変性物が挙げられ、これらは単独または2種以上の混合物として使用できる。
【0027】
また、中心導体3と接続端子22を接続する接着剤11に、導電性接着剤を使用することもできる。この場合、図6、図7に示すように、接続端子22の表面22aに形成された溝部21は、導電性接着剤である接着剤11を介して、中心導体3の外周面3aと接触し、また、当該接着剤11を介して、中心導体3と接続端子22が電気的に接続される構成となっている。
【0028】
この導電性接着剤としては、例えば、上述のエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とし、当該樹脂中に導電性物質が分散されたものが使用できる。例えば、エポキシ樹脂に、銅、銀あるいは黒鉛等の導電性物質の粉末が分散されたものが挙げられる。このような導電性接着剤を使用することにより、中心導体3−接続端子22間を低い導電抵抗によって接続することが可能になるため、中心導体3−接続端子22間の導電性を向上することができる。
【0029】
また、本実施形態においては、上述の中心導体3と接続端子22を接続する接着剤11に、導電性微粒子を含む異方導電性接着剤を使用こともできる。より具体的には、当該異方導電性接着剤として、例えば、上述のエポキシ樹脂等の絶縁性の熱硬化性樹脂を主成分とし、当該樹脂中に、微細な粒子(例えば、球状の金属微粒子や金属でメッキされた球状の樹脂粒子からなる金属微粒子)が多数、直鎖状に繋がった形状、または針形状を有する、所謂アスペクト比が大きい形状を有する導電性物質が分散されたものを使用することができる。なお、ここで言うアスペクト比とは、導電性物質の短径(導電性物質の断面の長さ)と長径(導電性物質の長さ)の比のことを言う。
【0030】
また、この異方導電性接着剤において、導電性物質を、異方導電性接着剤を形成する時点で異方導電性接着剤の厚み方向にかけた磁場の中を通過させることにより、厚み方向(磁場方向であって、図7の矢印Yの方向)に配向させて用いるのが好ましい。このような配向にすることにより、複数の接続端子22の全体に異方導電性接着剤を塗布、または積層することが可能になるため、極細同軸ケーブル2の狭ピッチ化に対応することができる。なお、微細な粒子が、多数、直鎖状に繋がった形状、あるいは針形状を有する導電性物質を使用すると、より一層、極細同軸ケーブル2の狭ピッチ化に対応することが可能になるため、好ましい。
【0031】
また、本発明に使用される金属微粒子は、その一部に強磁性体が含まれるものが良く、強磁性を有する金属単体、強磁性を有する2種類以上の合金、強磁性を有する金属と他の金属との合金、および強磁性を有する金属を含む複合体のいずれかであることが好ましい。これは、強磁性を有する金属を使用することにより、金属自体が有する磁性により、磁場を用いて導電性物質を配向させることが可能になるからである。例えば、ニッケル、鉄、コバルトおよびこれらのうち2種類以上の合金等を挙げることができる。
【0032】
また、導電性物質のアスペクト比が10以上であることが好ましい。このような導電性物質を使用することにより、接着剤11として、異方導電性接着剤を使用する場合に、導電性物質間の接触確率が高くなる。従って、導電性物質の配合量を増やすことなく、中心導体3と接続端子22を接続することが可能になる。
【0033】
なお、導電性物質のアスペクト比は、CCD顕微鏡観察等の方法により直接測定するが、断面が円でない導電性物質の場合は、断面の最大長さを短径としてアスペクト比を求める。また、導電性物質は、必ずしもまっすぐな形状を有している必要はなく、多少の曲がりや枝分かれがあっても、問題なく使用できる。この場合、導電性物質の最大長さを長径としてアスペクト比を求める。
【0034】
また、導電性物質の短径が1μm以下であることが望ましい。このような導電性物質を使用することにより、接着剤11として、導電性接着剤を使用する場合に、導電性物質間の接触確率が更に高くなるため、更に少ない導電性物質の配合量で、中心導体3と接続端子22を接続することが可能になる。
【0035】
次に、本発明の実施形態に係る導体接続方法を説明する。まず、上述の方法により、中心導体3の形状に合わせて、接続端子22の表面22aに溝部21を形成する。次いで、各極細同軸ケーブル2が有する中心導体3と接続端子22との位置合わせをしながら、中心導体3の外周面3aを接続端子22の表面22aに形成された溝部21に載置する。この際、接着剤11として、上述の導電性接着剤を使用しない場合は、各中心導体3を上方から押さえ込んで、中心導体3と溝部21を、直接、接触させておく必要がある。次いで、接着剤11により、中心導体3と接続端子22を固定し、一体化することにより、中心導体3と接続端子22が電気的に接続される構成となっている。
【0036】
一方、接着剤11として、上述の導電性接着剤(または、異方導電性接着剤)を使用する場合は、まず、上述の方法により、中心導体3の形状に合わせて、接続端子22の表面22aに溝部21を形成する。次いで、回路基板9の接続端子22上に、接着剤11を載置し、中心導体3と接続端子22との位置合わせをしながら、中心導体3を接着剤11上に載置し、中心導体3と接続端子22との間に接着剤11を介在させる。この際、上述のごとく、中心導体3−接続端子22間を低い導電抵抗によって接続することが可能になるため、中心導体3を上方から押さえ込んで、中心導体3と溝部21を、直接、接触させる必要はない。次いで、加熱加圧処理を行うことにより、接着剤11を介して、接続端子22の表面22aに形成された溝部21と中心導体3の外周面3aとを接触させるとともに、中心導体3と接続端子22を固定し、一体化することにより、中心導体3と接続端子22が電気的に接続される構成となっている。
【0037】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の設計変更をすることが可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
【0038】
例えば、本実施形態においては、断面略円形状を有する中心導体3を例に挙げて説明したが、当該中心導体3の断面形状は、これに限定されず、例えば、略三角形状や略四角形状等であっても良い。また、溝部21の断面形状についても、上述の略半円形状に限定されず、中心導体3の外周面3aに沿って、当該外周面3aと接触できる形状であれば良い。例えば、断面略三角形状を有する中心導体3を使用する場合は、溝部21の断面形状についても、略三角形状とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の活用例としては、導体を、例えば、回路基板等の被接続部材に形成された接続端子に接続する際の導体接続構造、および導体接続方法が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施形態に係る導体接続構造を説明するための上面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明の実施形態における極細同軸ケーブルを説明するための断面図である。
【図4】図1のB−B断面図である。
【図5】本発明の実施形態における他の極細同軸ケーブルを説明するための断面図である。
【図6】中心導体と接続端子を接続する接着剤として導電性接着剤を使用する場合における図1のA−A断面図である。
【図7】中心導体と接続端子を接続する接着剤として導電性接着剤を使用する場合における図1のB−B断面図である。
【図8】従来の導体接続構造を説明するための断面図である。
【符号の説明】
【0041】
1…多心ケーブル、2…極細同軸ケーブル、3…中心導体、3a…中心導体の外周面、4…絶縁体、5…外部導体、6…ジャケット層、9…回路基板、10…導電パターン部、11…接着剤、20…導線、21…溝部、22…接続端子、22a…接続端子の表面、23…中心導体と接続端子の接触部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単線、または撚り線により形成された導体と接続端子とを電気的に接続し、前記導体と前記接続端子とを接着剤により固定した導体接続構造において、
前記導体が載置される前記接続端子の表面には、前記導体の形状に合わせた溝部が形成されていることを特徴とする導体接続構造。
【請求項2】
前記接着剤は、熱硬化性樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の導体接続構造。
【請求項3】
前記接着剤は、導電性物質を含有する導電性接着剤であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導体接続構造。
【請求項4】
単線、または撚り線により形成された導体と接続端子とを接続する導体接続方法において、前記導体の形状に合わせて、前記接続端子の表面に溝部を形成し、前記導体を前記溝部に載置し、接着剤により、前記導体と前記接続端子を固定し、一体化することを特徴とする導体接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−220474(P2007−220474A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39528(P2006−39528)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】